(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車両管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231116BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2020048894
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】愛甲 亘
(72)【発明者】
【氏名】小関 真冬
(72)【発明者】
【氏名】徳永 和典
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-96263(JP,A)
【文献】国際公開第2019/9179(WO,A1)
【文献】特開2018-188832(JP,A)
【文献】特開2016-197473(JP,A)
【文献】特開平8-221609(JP,A)
【文献】特開2016-194854(JP,A)
【文献】特開2020-30525(JP,A)
【文献】特開2017-81416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両におけるユーザの乗車の状況の情報を取得する乗車情報取得部と、
前記ユーザが乗車している前記自動車両の走行の状況の情報を取得する到着情報取得部と、
前記到着情報取得部の前記情報および前記乗車情報取得部の前記情報に基づいて、前記自動車両が目的地に到着してから、前記ユーザが前記自動車両から降車するまでの時間を計測する時間計測部と、
前記時間計測部の前記時間が予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合よりも前記ユーザに高い利用料金を課す料金情報を出力する料金情報出力部と
を備える車両管理装置。
【請求項2】
前記料金情報出力部は、前記予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合の利用料金に追加料金を加算した前記料金情報を出力する請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項3】
前記料金情報出力部は、前記追加料金として、前記予め定められた時間を超えた時間に関わらず一定の前記追加料金を加算する請求項2に記載の車両管理装置。
【請求項4】
前記料金情報出力部は、前記追加料金として、前記予め定められた時間を超えた時間が長いほど高い前記追加料金を加算する請求項2に記載の車両管理装置。
【請求項5】
前記乗車情報取得部は、前記ユーザに同乗者に関する情報もさらに取得し、
前記料金情報出力部は、前記予め定められた時間を超えた場合には、前記同乗者にも料金を課す料金情報を出力する請求項1から4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項6】
前記料金情報出力部は、前記同乗者に、前記ユーザが前記定められた時間を超えた場合と超えない場合の前記利用料金の差額よりも小さい前記料金を課す請求項5に記載の車両管理装置。
【請求項7】
前記ユーザに対応付けて、前記予め定められた時間を超えた頻度および程度の少なくとも一方の情報を格納する頻度情報格納部をさらに備え、
前記頻度情報格納部を参照し、前記頻度および前記程度の前記少なくとも一方が予め定められた条件となった場合に、前記ユーザからの乗車リクエストを受け付けない旨の情報を出力する請求項1から6のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項8】
前記目的地の周囲環境の情報を取得する環境情報取得部をさらに備え、
前記料金情報出力部は、前記環境情報取得部の前記情報に基づいて、前記予め定められた時間を設定する請求項1から7のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項9】
前記環境情報取得部は、前記周囲環境の情報として降雨および降雪の少なくとも一方の有無を取得する請求項8に記載の車両管理装置。
【請求項10】
前記環境情報取得部は、前記周囲環境の情報として気温を取得する請求項8または9に記載の車両管理装置。
【請求項11】
前記ユーザの乗車状況の情報を取得する状況情報取得部をさらに備え、
前記料金情報出力部は、前記乗車情報取得部の前記乗車の状況の情報に基づいて、前記予め定められた時間を設定する請求項1から10のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項12】
前記乗車情報取得部は、前記乗車の状況の情報として前記ユーザの属性および同乗者の属性の少なくとも一方を取得する請求項11に記載の車両管理装置。
【請求項13】
前記乗車情報取得部は、前記乗車の状況の情報として前記ユーザが前記自動車両に持ち込んだ荷物の量を取得する請求項11または12に記載の車両管理装置。
【請求項14】
コンピュータに
ユーザが自動車両に乗車しているか否かの情報を取得する乗車情報取得手順と、
前記ユーザが乗車している前記自動車両が前記ユーザの目的地に到着したか否かの情報を取得する到着情報取得手順と、
前記到着情報取得手順の前記情報および前記乗車情報取得手順の前記情報に基づいて、前記自動車両が前記目的地に到着してから、前記ユーザが前記自動車両から降車するまでの時間を計測する時間計測手順と、
前記時間計測手順の前記時間が予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合よりも前記ユーザに高い利用料金を課す料金情報を出力する料金情報出力手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「自動運転車両の乗客が降車不能状態となったときに乗客を支援することが可能な乗客支援装置」が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2018-147354
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、車両管理装置であって、自動車両におけるユーザの乗車の状況の情報を取得する乗車情報取得部を備えてよい。ユーザが乗車している自動車両の走行の状況の情報を取得する到着情報取得部を備えてよい。到着情報取得部の情報および乗車情報取得部の情報に基づいて、自動車両が目的地に到着してから、ユーザが自動車両から降車するまでの時間を計測する時間計測部を備えてよい。時間計測部の時間が予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合よりもユーザに高い利用料金を課す料金情報を出力する料金情報出力部を備えてよい。
【0004】
料金情報出力部は、予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合の利用料金に追加料金を加算した料金情報を出力してもよい。料金情報出力部は、追加料金として、予め定められた時間を超えた時間に関わらず一定の追加料金を加算してもよい。料金情報出力部は、追加料金として、予め定められた時間を超えた時間が長いほど高い追加料金を加算してもよい。
【0005】
乗車情報取得部は、ユーザに同乗者に関する情報もさらに取得してもよい。料金情報出力部は、予め定められた時間を超えた場合には、同乗者にも料金を課す料金情報を出力してもよい。料金情報出力部は、同乗者に、ユーザが定められた時間を超えた場合と超えない場合の利用料金の差額よりも小さい料金を課してもよい。
【0006】
ユーザに対応付けて、予め定められた時間を超えた頻度および程度の少なくとも一方の情報を格納する頻度情報格納部をさらに備えてもよい。頻度情報格納部を参照し、頻度および程度の少なくとも一方が予め定められた条件となった場合に、ユーザからの自動車両の乗車リクエストを受け付けない旨の情報を出力してもよい。
【0007】
目的地の周囲環境の情報を取得する環境情報取得部をさらに備えてもよい。料金出力部は、環境情報取得部の情報に基づいて、予め定められた時間を設定してもよい。
【0008】
料金出力部は、乗車情報取得部の乗車の状況の情報に基づいて、予め定められた時間を設定してもよい。乗車情報取得部は、乗車の状況の情報としてユーザの属性および同乗者の属性の少なくとも一方を取得してもよい。乗車情報取得部は、乗車の状況の情報としてユーザが自動車両に持ち込んだ荷物の量を取得してもよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、プログラムであって、コンピュータに、ユーザが自動車両に乗車しているか否かの情報を取得する乗車情報取得手順を実行させてよい。ユーザが乗車している自動車両がユーザの目的地に到着したか否かの情報を取得する到着情報取得手順を実行させてよい。到着情報取得手順の情報および乗車情報取得手順の情報に基づいて、自動車両が目的地に到着してから、ユーザが自動車両から降車するまでの時間を計測する時間計測手順を実行させてよい。時間計測手順の時間が予め定められた時間を超えた場合には、超えない場合よりもユーザに高い利用料金を課す料金情報を出力する料金情報出力手順を実行させてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。
【
図2】車両管理システム70でユーザ50、52からの乗車リクエストを処理する処理フローの一例である。
【
図3】ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。
【
図4】表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。
【
図5】車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。
【
図6】ユーザ情報格納部104に格納されるユーザの情報の例を示す。
【
図7】走行計画格納部108に格納される走行計画の情報の例を示す。
【
図10】走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。
【
図11】車両管理システム70で走行計画を実行して料金を精算する処理フローの一例である。
【
図12】ユーザ端末40に表示される料金情報の画面412の例である。
【
図13】追加料金の金額のバリエーションを示す概念図である。
【
図14】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。車両管理システム70は、マイカー以外の例えばカーシェアリングや公共交通機関を含む交通手段での移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ、いわゆるMaaSを提供する。車両管理システム70において、車両管理装置10、自動車両30、32、ユーザ端末40、42がインターネットなどのネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。
【0014】
車両管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどのサーバである。自動車両30、32は、例えば自動車であり、その駆動の方式を問わない。さらに、自動車両30、32は、定員が数名の乗用車あってもよいし、定員が乗用車よりも多いバスであってもよい。ユーザ端末40はユーザ50により使用される通信端末、例えばスマートフォンである。同様に、ユーザ端末42はユーザ52により使用される。
【0015】
車両管理システム70において、自動車両30、32がなるべく効率的に使われることが好ましい。そのためには、自動車両30、32が目的地に着いたら、乗車していたユーザ50、52が速やかに降車してもらうことが好ましい。よって、本実施形態はユーザ50、52に速やかな降車を促すものである。
【0016】
図2は、車両管理システム70でユーザ50、52からの乗車リクエストを処理する処理フローの一例である。
図2の例では、ユーザ50、52の両方からの乗車リクエストに対して、自動車両30が使用される一例を示している。
【0017】
ユーザ端末40はユーザ50からの乗車リクエストの入力を受け付ける(S10)。例えば、乗車リクエストはユーザ端末40にインストールされた専用のアプリケーションを立ち上げることで入力が可能になる。ユーザ端末40は、乗車リクエストを車両管理装置10に送信する(S12)。車両管理装置10は、ユーザ端末40からの乗車リクエストを満たす走行計画を作成する(S14)。車両管理装置10は、走行計画が作成されたことに基づいて、ユーザ端末40へ乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を送信するとともに(S16)、当該走行計画で走行が予定された自動車両30へ走行計画の情報を送信する(S18)。
【0018】
さらに、車両管理装置10は、ユーザ52のユーザ端末42からも乗車リクエストを受信した場合に(S20、S22)、走行計画を作成する(S42)。この場合に、車両管理装置10は、ユーザ端末40からの乗車リクエストに基づいて作成した走行計画も考慮した走行計画を作成する。
【0019】
図2の例では、ステップS24で相乗りが含まれた走行計画が作成されたものと仮定する。相乗りは、乗合いとも呼ばれることもあり、あるユーザが乗車している自動車両が当該ユーザの出発地から目的地まで移動する途中で、他のユーザも当該自動車両に乗車して当該自動車両を共用するものである。相乗りにおいて、他のユーザが先のユーザの目的地よりも手前で降車してもよいし、同じ目的地で降車してもよいし、より遠くで降車してもよい。
【0020】
車両管理装置10は、走行計画に含まれる相乗りの可能性があるユーザ50、52のうち、先に乗車リクエストを送信してきていたユーザ50のユーザ端末40に、相乗り候補の情報を送信する(S26)。相乗り候補の情報には、例えば相乗り候補の相手であるユーザ52に関する情報が含まれる。ユーザ端末40は、ユーザ50から相乗りの可否の入力を受け付けて、車両管理装置10に送信する(S28)。
図2の例では説明を簡単にするため、ユーザ50は相乗りを許可したものと仮定する。
【0021】
続いて、車両管理装置10は、走行計画に含まれる相乗りの可能性があるユーザ50、52のうち、後に乗車リクエストを送信してきていたユーザ52のユーザ端末42に、相乗り候補の情報を送信する(S30)。ユーザ端末42は、ユーザ52から相乗りの可否の入力を受け付けて、車両管理装置10に送信する(S32)。
図2の例では説明を簡単にするため、ユーザ52も相乗りを許可したものと仮定する。
【0022】
車両管理装置10は、ユーザ50、52の両方から相乗りが許可されたことに基づいて、ユーザ端末40、42のそれぞれへ乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を送信するとともに(S34、S36)、当該走行計画で走行が予定された自動車両30へ走行計画の情報を送信する(S38)。なお、走行計画の作成の方法は特に言及しない限り既知の経路案内装置と同様の方法が用いられてよい。先の走行計画に対して相乗りが追加される場合の走行計画の作成方法は、特に言及しない限り既知の経路案内装置における走行経路に通過点を追加する場合と同様の方法が用いられてよい。
【0023】
図3は、ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。ユーザ端末40は、通信部402、入力部404および表示部406を有する。通信部402は、ネットワーク20を介して車両管理装置10と通信し、情報を送受信する。入力部404は、ユーザ50からの文字や数字などの入力を受け付ける。表示部406は、文字や数字などを含む画像を表示する。入力部404と表示部406とは、タッチパネルのように一体化されていてもよい。ユーザ端末42はユーザ端末40と同じ構成であってよく、説明を省略する。
【0024】
図4は、表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。リクエスト入力画面410は、ユーザID、出発地、その希望時刻、目的地、その希望時刻、同乗者の人数、その中に異性がいるか、喫煙があるか、および、飲食があるか、の入力欄を有する。このうち、目的地の希望時刻を入力するかどうかは任意になっている。
図4に示す例では、ユーザID「U0001」、出発地「東京都港区青山X-△」、その希望時刻「12/4 10:30」、目的地「埼玉県和光市中央△-X」、その希望時刻は未入力、同乗者「1名」、異性はなし(すなわち、同乗者が自分と同性である男性)、喫煙はなし、飲酒はあり、の情報が入力されている。
【0025】
入力部404はそれぞれの入力欄に対してユーザ50からの入力を受け付けて、入力された情報を表示部406の入力欄に表示させる。上記入力欄のうち、ユーザID等にはテキストの入力を受け付け、異性有等は選択・非選択の入力を受ける(いわゆるラジオボタンである)。入力画面410の送信ボタンが押されると、入力された情報が、乗車リクエストとして通信部402から車両管理装置10に送信される。
【0026】
表示部406は入力画面410の他に、乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を表示する。受付情報は、乗車リクエストの内容が受け付けられたことが確認できるように、入力画面410と同内容の情報が表示されることが好ましい。
【0027】
表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から相乗り候補の情報を受信した場合にこれを表示するとともに、相乗りの可否の入力を促す画像を表示する。表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から利用料金の情報を受信した場合にこれを表示する。
【0028】
図5は、車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。車両管理装置10は、受付部102、ユーザ情報格納部104、走行計画管理部106、走行計画格納部108、走行情報取得部110、乗車情報取得部112、料金情報出力部114、時間計測部120および環境情報取得部124を備える。
【0029】
受付部102は、ユーザ端末40、42から乗車リクエストを受け付ける。受付部102はさらに、乗車リクエストの受付に先立って、または、乗車リクエストの初回受付時に、ユーザ50、52の情報をユーザ端末40、42から受信して、ユーザ情報格納部104に格納する。
【0030】
図6は、ユーザ情報格納部104に格納されるユーザの情報の例を示す。ユーザの情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザの端末ID,氏名、性別、年齢、ユーザの顔画像および頻度が格納されている。ユーザIDはユーザ50、52が指定してもよいし、受付部102が新たなユーザからの情報を受け付けたときに自動的に割り振ってもよい。また、
図6の例で、端末IDとして当該端末で受信できるメールアドレスが格納されている。頻度については後述する。
【0031】
図6の例において、例えばユーザID「U0001」に対応付けて、端末ID「abc@edf.com」、氏名「本田○郎」、性別「男」、年齢「32」、顔画像として画像ファイル、頻度「3」が格納されている。
【0032】
車両管理装置10の走行計画管理部106は、ユーザ50、52の乗車リクエストに基づいて自動車両30、32の走行計画を作成する。より具体的には、走行計画管理部106は、ユーザ端末40、42から受信した乗車リクエストに含まれている情報に基づき、走行計画を作成する。この場合に、走行計画管理部106は、乗車リクエストに含まれているユーザIDに対応付けて格納されているユーザの情報をユーザ情報格納部104から読み出して、当該情報も用いて走行計画を作成する。上記の通り、走行計画の作成の方法は既知の方法が用いられてよい。
【0033】
走行計画管理部106は、作成した走行計画の情報を走行計画格納部108に格納するとともに、少なくともその一部を、当該走行計画で使用される自動車両30、32に送信する。走行計画管理部106はさらに、当該走行計画によって乗車リクエストを満足することができた場合には、その旨を示す受付情報を、当該乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。走行計画管理部106は、乗車リクエストを満足する走行計画を作成することができない場合には、その旨を示す情報を、乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。さらに、走行計画管理部106は、相乗りが含まれた走行計画が作成された場合に、相乗りの可能性があるユーザ50、52のユーザ端末40、42に、相乗り候補の情報を送信する。
【0034】
図7は、走行計画格納部108に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画の情報として、走行IDに対応付けて、車両ID,相乗りの情報、ユーザID,出発地、その時刻、目的地、走行のルート、目的地に到着する時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無に関する情報が格納されている。
【0035】
車両IDは、走行IDで特定される走行計画で用いられる自動車両を特定する。
図7の例において、走行ID「D001」に対して車両ID「A30」が対応付けられているので、当該走行計画で車両ID「A30」で特定される自動車両、例えば
図1の自動車両30が用いられる。
【0036】
相乗りの情報は、走行IDで特定される走行計画の中で相乗りがあるかどうか、および、相乗りがある場合には、相乗りとなる相手の走行計画の走行IDが格納される。
図7の例では、走行ID「D001」の相乗りの情報の欄に走行ID「D002」が格納されているので、これらが相乗りであることを示す。なお、相乗りがない場合には無効な値「****」が格納される。
【0037】
ユーザIDの欄には走行IDで特定される走行計画を利用するユーザIDが格納されている。なお、自動車両30,32を回送する場合、すなわち、いずれのユーザも乗車しない場合には、回送であることを示すユーザID「U9999」が格納される。
図7の例においては、走行ID「D003」が回送であることに対応して、ユーザID「U9999」が格納されている。
【0038】
出発地、その時刻、目的地、同乗者の数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無の欄は、ユーザIDで特定されるユーザ50、52が乗車リクエストに入力した情報が格納される。走行ルートは、走行計画格納部108が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて設定した情報が格納される。
図7においては説明を簡単にするため、走行ルートを単に「ルートS」等の文字で示した。
【0039】
目的地の時刻は、走行計画格納部108が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて予測した情報が格納される。その他の情報には走行ルート上の渋滞の情報などが含まれる。走行ルートの設定および目的地の時刻の予測は既知の方法が用いられてよい。
【0040】
なお、回送の場合には、相乗りの情報、出発地の時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無、飲酒の有無の情報として無効な値「*」が格納されている。
【0041】
車両管理装置10の走行情報取得部110は、自動車両30、32からそれぞれの走行の状況の情報を取得する。走行の状況の情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の現在地の情報である。これに代えてまたはこれに加えて、走行の状況の情報には、自動車両30、32のそれぞれが、対応する走行計画における出発地に到着したか否かの情報や、目的地に到着したか否かの情報が含まれてもよい。
【0042】
乗車情報取得部112は、自動車両30、32から乗車の状況を示す情報を取得する。乗車の状況を示す情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の車内の画像である。これに代えてまたはこれに加えて、乗車の状況を示す情報には、自動車両30、32にユーザ50、52が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報、荷物を持っているか否かの情報などが含まれていてもよい。
【0043】
時間計測部120は、自動車両30等が目的地に到着してから、ユーザ50等が自動車両30等から降車するまでの時間を計測する。ここで、自動車両30等が目的地に到着したことは、走行情報取得部110の走行の状況を示す情報に基づいて判断される。一方、ユーザ50等が自動車両30等から降車したことは、乗車情報取得部112の乗車の状況を示す情報に基づいて判断される。
【0044】
料金情報出力部114は、自動車両30、32を利用したユーザ50,52に対して利用料金を精算し、対応するユーザ端末40、42に利用料金の情報を送信する。この場合に、料金情報出力部114は、走行情報取得部110からの走行の状況の情報、および、乗車情報取得部112からの乗車の状況の情報に基づいて利用料金を精算する。
【0045】
料金情報出力部114はさらに、時間設定テーブル116を有する。料金情報出力部114は、上記清算において、時間計測部120で計測された時間が時間設定テーブル116に設定された時間を超えた場合に、超えない場合の利用料金に追加料金を加算する。この場合に、料金情報出力部114はさらに、上記時間を超えたユーザ50等についてユーザ情報格納部104の頻度のカウントを1つアップする。
【0046】
環境情報取得部124は、料金情報出力部114からの要求により、外部サーバから自動車両30,32の目的地の周囲環境に関する情報を取得する。周囲環境の情報には例えば、降雨、降雪および気温等が含まれる。
【0047】
図8は、時間設定テーブル116の一例を示す。時間設定テーブルには、標準時間と、環境要因で加算される時間と、乗車状況要因で加算される時間とが格納されている。環境要因に該当するか否かは、環境情報取得部124で取得された周囲環境の情報に基づいて判断される。
図8の例において、環境要因として、降雨の場合「3分加算」、降雪の場合「5分加算」、気温25度以上の場合「2分加算」の情報が格納されている。
【0048】
一方、乗車状況要因に該当するか否かは、乗車情報取得部112で取得された乗車の状況の情報に基づいて判断される。
図8の例において、乗車状況要因として、同乗者に子供または老人がいた場合「3分追加」、荷物を持っている場合「1分追加」の情報が格納されている。
【0049】
図9は、自動車両30の機能ブロックの一例を示す。自動車両30は、車載端末302、自動走行部310、現在地情報取得部312および乗車情報取得部314を有する。
【0050】
車載端末302は、車両管理装置10と通信する通信部304と、通信部304が車両管理装置10から受信した走行計画の情報を格納する走行計画格納部306を有する。なお、説明を簡単化するため、自動車両30は完全自動運転(レベル5の自動運転と呼ばれることもある)のできる車両であるとする。すなわち、走行計画格納部306に格納された走行計画に沿って、自動走行部310が自動車両30全ての運転タスクを実行する例で説明する。
【0051】
現在地情報取得部312は、例えばGPSなどを含み、自動車両30の現在地の情報を一定時間毎に取得する。現在地情報取得部312は、現在地の情報を走行IDに対応付けて一定時間毎に車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、現在地情報取得部312は、現在地の情報と走行計画格納部306に格納された出発地および目的地の情報とを参照することにより、出発地に到着した場合にはその旨を示す情報を、目的地に到着した場合にはその旨を示す情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
【0052】
乗車情報取得部314は、例えば車内を撮影するカメラを含み、自動車両30の乗車の状況を示す情報として車内の画像を一定時間毎に取得する。乗車情報取得部314は、当該画像を走行IDに対応付けて一定時間ごとに車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、乗車情報取得部314は画像認識等により当該画像を解析し、自動車両30にユーザ50、52が乗車しているか否か、同乗者がいるか否か、荷物を持っているか否かなどを判定し、その旨を乗車の状況の情報として走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
【0053】
図10は、走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画格納部306には、車両管理装置10で生成された走行計画のうち、自動車両30を用いるもの、すなわち、車両ID「A30」の走行計画が格納されている。
【0054】
ただし、ユーザIDの欄にはIDそのものに加えて、車両管理装置10のユーザ情報格納部104に格納されている画像を受信して格納している。乗車情報取得部314は当該画像を用いた顔認証により、ユーザ50、52が乗車しているか否か等を判断する。
【0055】
図11は、車両管理システム70で走行計画を実行して料金を精算する処理フローの一例である。走行計画として自動車両30における
図10の走行ID「D001」を例として説明する。
【0056】
まず、自動車両30の車載端末302に格納された走行計画の走行ID「D001」の出発地まで自動車両30が自動走行する(S50)。現在地情報取得部312は、取得した自動車両30の現在地と走行計画の出発地とを比較して、予め定められた範囲内で一致した場合に、出発地に到着したと判断し、通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S52)。
【0057】
乗車情報取得部314が車内の画像と当該走行計画に対応するユーザID「U0001」であるユーザ50の画像とを用いてユーザ50が乗車したと判断するまで、自動車両30は待機する(S54:No)。ユーザ50が乗車したと判断した場合(S54:Yes)、乗車情報取得部314は通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S56)。
【0058】
自動車両30は、走行計画に基づいて自動走行する(S58)。現在地情報取得部312は、取得した自動車両30の現在地と走行計画の目的地とを比較して、予め定められた範囲内で一致した場合に、目的地に到着したと判断して停車するとともに、通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S62)。さらに乗車情報取得部314は、ユーザ50の乗車の状況として、ユーザ50の同乗者に子供または老人がいるか否かを示す情報、および、ユーザ50に荷物があるか否かを示す情報を車両管理装置10に送信する(S64)。
【0059】
車両管理装置10の走行情報取得部110は、通信部304から目的地に到着した旨を受信した場合に、時間計測部120にその旨を通知し、それを契機として時間計測部120は時間の計測を開始する(S66)。料金情報出力部114は、降車の許容時間を設定する(S70)。
【0060】
ステップS70において、料金情報出力部114はまず時間設定テーブル116から標準時間を読み出す。さらに、料金情報出力部114は環境情報取得部124から降雨の有無、降雪の有無および気温の情報を取得して、時間設定テーブル116の環境要因に合致する時間分を加算する。例えば、目的地が降雨である情報を取得した場合に、「3分」が加算される。
【0061】
また、料金情報出力部114は、ステップS64で乗車情報取得部が取得した、ユーザ50の同乗者に子供または老人がいるか否かを示す情報、および、ユーザ50に荷物があるか否かを示す情報を、時間計測部120を介して受け取る。料金情報出力部114は、当該情報に基づいて乗車状況要因に合致する時間分を加算する。例えば同乗者に子供がいる旨の情報を取得した場合に、「3分」が加算される。以上により許容時間が設定される。よって、
図8に示す例において、許容時間の標準時間は3分であり、目的地が降雨であって、かつ、同乗者に子供がいる場合には、許容時間は9分に設定される。
【0062】
自動車両30の乗車情報取得部314が車内の画像とユーザ50の画像とを用いてユーザ50が降車したと判断するまで、自動車両30は待機する(S68:No)。その間、車両管理装置10の走行情報取得部110は、時間の計測を継続する。ユーザ50が降車したと判断した場合(S68:Yes)、乗車情報取得部314は通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S72)。
【0063】
車両管理装置10の乗車情報取得部112は、通信部304からユーザ50が降車した旨を受信した場合に、時間計測部120にその旨を通知し、それを契機として時間計測部120は時間の計測を終了する(S74)。時間計測部120は計測した時間の情報を料金情報出力部114に通知し、料金情報出力部114は当該時間に基づいて利用料金を精算する(S75)。
【0064】
ステップS75において、料金情報出力部114はまず出発地、目的地および相乗りの有無等に基づいて予め定められた料金体系に基づいた標準の利用料金を算出する。標準の利用料金は、出発地から目的地までの距離、かかった時間、使用した燃料や電力などに基づいて予め定められた計算式で算出されてよい。次に、料金情報出力部114は、ステップS74で計測し終えた時間が、ステップS70で設定した許容時間を超えたか否かを判断する。
【0065】
超えていない場合、料金情報出力部114は、標準の利用料金を最終的に清算された利用料金として、その旨の料金情報をユーザ端末40に送信する。一方、超えていた場合、料金情報出力部114は、標準の利用料金に予め定められた追加料金を追加し、その旨の料金情報をユーザ端末40に送信する。本例では追加料金として、許容時間を超えた時間に関わらず一定額を加算する。
【0066】
料金情報出力部114は、清算した利用料金の情報をユーザ50のユーザ端末40に送信する(S76)。料金情報出力部114はさらに、ステップS75において許容時間を超えていた場合に、ユーザ情報格納部104における当該ユーザの頻度をカウントアップして更新する(S78)。超えていなければ頻度は更新しない。
【0067】
図12は、ユーザ端末40に表示される料金情報の画面412の例である。表示部406は、通信部402が車両管理装置10から受信した料金情報を画面412に表示する。料金情報には、出発時の時刻、出発地、目的地に対応付けて、標準の利用料金、追加料金、加算された許容時間の内容および合計の金額が含まれる。
【0068】
図12の例において、走行ID「D001」の例が示されており、当該走行IDで特定される走行計画の出発時の時刻「2/14 10:30」、出発地「東京都港区青山X-△」、目的地「埼玉県和光市中央△-X」および標準の利用料金「5000円」が表示されている。さらに、許容時間として降雨の時間分を追加した旨「(降雨を考慮しました)」と、それにもかかわらず許容時間を超えてしまって追加料金が加算された旨「300円」と合計「5300円」が表示されている。
【0069】
以上、本実施形態によれば、目的地に到着してから降車までの時間が予め定められた許容時間を超えた場合に、ユーザに追加料金を加算するので、目的地に到着してから早急に降車するようユーザを促すことができる。目的地でユーザを早急に降車させることにより、次のユーザに早急に自動車両30を利用させることができ、車両管理システム70の全体で利用効率を高めることができる。
【0070】
また、目的地の周囲環境に基づいて許容時間を設定するので、降車に時間がかかってもやむをえない状況で許容時間を長くして、より納得感のある追加料金を加算することができる。同様に、乗車の状況に基づいて許容時間を設定するので、降車に時間がかかってもやむをえない状況で許容時間を長くして、より納得感のある追加料金を加算することができる。
【0071】
図13は、追加料金の金額のバリエーションを示す概念図である。上記実施形態においては、追加金額は図中の一点鎖線のように許容時間を超えた時間に関わらず一定額とした。
【0072】
他の例として、破線で示すように許容時間を超えた時間に比例して追加料金が高くなってもよい。さらに他の例として、許容時間を超えた時間に対して階段状に追加料金が高くなってもよい。これらの例はいずれも、概して、許容時間を超えた時間が長いほど追加料金が高くなっている。
【0073】
なお、上記実施形態においてユーザ情報格納部104に格納されている「頻度」の情報は、乗車リクエストを受け付けるかどうかの判断に用いられてよい。具体的には、
図2のステップS12で受信した乗車リクエストに対応するユーザIDの「頻度」の情報をユーザ情報格納部104から読み出し、頻度が予め定められた数よりも大きいときには当該乗車リクエストを受け付けずに、その旨をユーザ端末40に通知する。これにより、より一層、目的地に到着してから早急に降車するようユーザを促すことができる。
【0074】
ユーザ情報格納部104は当該「頻度」の情報を格納しているので、頻度情報格納部としての機能も有しているといえる。「頻度」に代えてまたはこれに加えて許容時間を超えた「程度」の情報が格納され、乗車リクエストの受付可否の判断に用いられてよい。当該「程度」の例は、許容時間を超えた時間を積算した積算値である。これら「頻度」および「程度」は一定期間経過後、例えば1年後にリセットされてもよい。
【0075】
上記実施形態においては、降車までにかかる時間が許容時間を超えた場合に追加料金を加算したが、清算の方法はこれに限られない。降車までにかかる時間が許容時間を超えた場合には、超えない場合よりもユーザに高い利用料金を課すことができればよい。他の方法として、標準の利用料金に予めデポジット分を含めておき、降車までにかかる時間が許容時間を超えなかった場合に標準の利用料金からデポジット分を減算し、超えた場合にはデポジット分を没収するよう清算してもよい。
【0076】
上記実施形態の変形例として、ユーザ50、52に同乗者がいる場合であって、降車までにかかる時間が許容時間を超えた場合には、当該同乗者にも料金を課してもよい。この場合に、料金情報出力部114は、ユーザ端末40、42に同乗者にも料金が課される旨の情報を出力する。これに代えてまたはこれに加えて、料金情報出力部114はユーザ端末40、42から同乗者の使用している端末IDを入力するよう促し、それにより取得した端末IDで特定される端末へ料金情報を送信してもよい。
【0077】
当該変形例によれば、降車までに係る時間が許容時間を超えた場合に、ユーザ50,52とその同乗者の連帯責任になるので、ユーザ50、52とその同乗者の両方に早急な降車をより強く促すことができる。なお、同乗者への料金はユーザ50、52への追加料金よりも小さい額であることが好ましい。
【0078】
上記実施形態において、自動車両30の乗車情報取得部314は、同乗者が子供または老人であるか否かの情報を取得している。これに代えてまたはこれに加えて同乗者の他の属性、例えば身体が不自由であるか否か等の情報を取得してもよい。さらに、ユーザ50、52自身の属性の情報を取得してもよい。これらの属性の情報を用いて許容時間が設定されてもよい。
【0079】
図11のステップS52、62において、自動車両30の現在地情報取得部312が出発地および目的地に到着したか否かを判断して、到着した旨の情報を車両管理装置10に送信している。これに代えて、現在地情報取得部312は現在地の情報を車両管理装置10に送信し、車両管理装置10の走行情報取得部110が、当該情報と走行計画格納部108に格納されている出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地および目的地に到着したか否かを判断してもよい。
【0080】
図11のステップS54、S68において、自動車両30の乗車情報取得部314がユーザ50の乗車および降車を判断して、その旨の情報を車両管理装置10に送信している。これに代えて、乗車情報取得部314は車内の画像を車両管理装置10に送信し、車両管理装置10の乗車情報取得部が、当該情報とユーザ情報格納部104に格納されているユーザ50の画像とを用いた解析により、ユーザ50の乗車および降車を判断してもよい。
【0081】
自動車両30におけるユーザ50の座席が指定されている場合には、乗車情報取得部314が座席に設けられた荷重センサ等のセンサにより当該座席に人が座っているかどうかで乗車および降車を判断してもよい。さらに他の例として、乗車情報取得部314がWiFiやBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信でユーザ端末40と通信し、通信の可否によってユーザ50の乗車の有無を判断してもよい。
【0082】
同様に、
図11のステップS64において、自動車両30の乗車情報取得部314が、同乗者が子供であるかどうか等、ユーザ50が荷物を持っているかどうか等の、ユーザおよび同乗者の属性を判断して、その旨の情報を車両管理装置10に送信している。これに代えて、乗車情報取得部314は車内の画像を車両管理装置10に送信し、車両管理装置10の乗車情報取得部が、当該情報を用いた解析により、ユーザおよび同乗者の属性を判断してもよい。
【0083】
また、上記実施形態において、ユーザ50の荷物の有無によって許容時間を設定している。これに加えて、荷物の量、例えば荷物の数や大きさ、によってさらに細かく許容時間を設定してもよい。
【0084】
上記実施形態は走行計画に相乗りが含まれる例で説明したが、相乗りが含まれない場合も同様に適用できる。また、上記の自動車両30、32は完全自動運転のできる車両の例で説明したが、いずれか一方または両方が完全自動運転ではない車両であってもよい。すなわち、当該自動車両の運転タスクの少なくとも一部を運転者が実施する車両(レベル0から4の自動運転と呼ばれることもある)であってもよい。運転者はユーザ50、52であってもよい。この場合に、
図9で示した機能ブロックの一部を運転者が担ってもよい。
【0085】
上記の車両管理装置10の一部またはすべての機能が車載端末302に搭載されていてもよい。これにより、車載端末302が車両管理装置10として機能してもよい。この場合に車載端末302は自車両に関して走行計画を作成し、利用料金を精算してもよい。
【0086】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0087】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0088】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0089】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0090】
図14は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0091】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、およびディスプレイデバイス1218を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータはまた、ROM1230およびキーボード1242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ1240を介して入/出力コントローラ1220に接続されている。
【0092】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU1212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0093】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラムまたはデータをDVD‐ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0094】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ1240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ1220に接続してよい。
【0095】
プログラムが、DVD-ROM1201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0096】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROM1201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0097】
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROMドライブ1226(DVD‐ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0098】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0099】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0100】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0101】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0102】
10 車両管理装置、30、32 自動車両、40、42 ユーザ端末、50、52 ユーザ、70 車両管理システム、102 受付部、104 ユーザ情報格納部、106 走行計画管理部、108 走行計画格納部、110 走行情報取得部、112 乗車情報取得部、114 料金情報出力部、116 時間設定テーブル、302 車載端末、304 通信部、306 走行計画格納部、310 自動走行部、312 現在地情報取得部、314 乗車情報取得部、402 通信部、404 入力部、406 表示部、410 入力画面、412 画面