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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】溶接方法および溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/323 20140101AFI20231116BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20231116BHJP
   B23K 26/073 20060101ALI20231116BHJP
   B23K 26/044 20140101ALI20231116BHJP
【FI】
B23K26/323
B23K26/21 F
B23K26/073
B23K26/044
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020061779
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021159925
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深江 唯正
(72)【発明者】
【氏名】巳波 敏生
(72)【発明者】
【氏名】劉 忠杰
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-005499(JP,A)
【文献】特表2020-506808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0008335(US,A1)
【文献】特開昭56-045288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144890(US,A1)
【文献】特開2018-167320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム部材と銅部材とを突き合わせて配置するステップと、
前記アルミニウム部材と前記銅部材との突き合わせ部周辺にレーザ光を照射して溶接するステップとを備え、
前記レーザ光は、青色半導体レーザ光を出力するレーザヘッドから出射されたガウス型ビームを回折光学素子によって成形した台形型ビームであり、
前記溶接するステップにおいて、前記レーザ光の照射スポット全体が、前記アルミニウム部材と前記銅部材の突き合わせ境界線から前記アルミニウム部材側に含まれるように前記レーザ光が照射される、溶接方法。
【請求項2】
前記溶接するステップにおいて、前記照射スポットの中心が、前記アルミニウム部材と前記銅部材の突き合わせ境界線から前記レーザ光の有効径の半分以上前記アルミニウム部材側にオフセットするように前記レーザ光が照射される、請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
レーザ光を出力するレーザヘッドと、
前記レーザヘッドの位置を調整するヘッド位置調整部と、
アルミニウム部材と銅部材との突き合わせ境界線を基準として、前記ヘッド位置調整部を制御する制御装置とを備え、
前記レーザ光は、青色半導体レーザ光であり、
前記制御装置は、前記レーザ光の照射スポット全体が、前記アルミニウム部材と前記銅部材の突き合わせ境界線から前記アルミニウム部材側に含まれるように前記レーザ光が照射されるように前記ヘッド位置調整部を制御するように構成され、
前記レーザヘッドは、ガウス型ビームを出射し、
前記レーザヘッドから出射されたガウス型ビームを台形型ビームに成型して前記アルミニウム部材に照射する回折光学素子をさらに備える、溶接装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記照射スポットの中心が、前記アルミニウム部材と前記銅部材の突き合わせ境界線から前記レーザ光の有効径の半分以上前記アルミニウム部材側にオフセットするように前記ヘッド位置調整部を制御する、請求項3に記載の溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溶接方法および溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-5499号公報(特許文献1)には、アルミニウム部材と銅部材との突き合わせレーザ溶接方法が開示されている。
【0003】
このレーザ溶接方法では、CO2レーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザを用いたアルミニウムと銅の溶接の場合、アルミニウムへの照射面積が銅への照射面積より大きくなるように、レーザ光を照射している。かつ、レーザ光照射領域の中心位置として、ビーム外径Dの中心位置を母材同士の突き合わせ部からアルミニウム部材側にオフセット量d(d<D)だけ寄せる溶接方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-5499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2011-5499号公報では、銅部材のほうがアルミニウム部材よりも融点が高いが、光の反射率が高くレーザ光線によって溶融しにくいため、アルミニウム部材に寄せてアルミニウムからの伝熱により溶接を行なうことが提案されている。
【0006】
近年、青色半導体レーザの出力が向上し、金属の溶接に対する適用が検討されている。しかし、青色半導体レーザはレーザ光線の特性が、YAGレーザ等と異なるため、青色半導体レーザを用いたレーザ溶接にはさらなる検討が必要である。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、青色半導体レーザを用いて、アルミニウム部材と銅部材の異種金属の溶接を良好におこなうことができる溶接方法および溶接装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の溶接方法は、アルミニウム部材と銅部材とを突き合わせて配置するステップと、アルミニウム部材と銅部材との突き合わせ部周辺にレーザ光を照射して溶接するステップとを備える。レーザ光は、青色半導体レーザ光を出力するレーザヘッドから出射されたガウス型ビームを回折光学素子によって成形した台形型ビームである。溶接するステップにおいて、レーザ光の照射スポット全体が、アルミニウム部材と銅部材の突き合わせ境界線からアルミニウム部材側に含まれるようにレーザ光が照射される。
【0009】
このように照射スポットの位置を調整することによって、青色半導体レーザを使用して銅部材とアルミニウム部材とを突き合わせ溶接する際に、銅部材が溶け落ちて穴があくのを防ぐことができる。
【0010】
好ましくは、溶接するステップにおいて、照射スポットの中心が、アルミニウム部材と銅部材の突き合わせ境界線からレーザ光の有効径の半分以上アルミニウム部材側にオフセットするようにレーザ光が照射される。
【0011】
このように照射スポットの位置を決めることによって、青色半導体レーザを使用して銅部材とアルミニウム部材とを突き合わせ溶接する際に良好な溶接ビードが形成される。
【0012】
本開示の溶接装置は、レーザ光を出力するレーザヘッドと、レーザヘッドの位置を調整するヘッド位置調整部と、アルミニウム部材と銅部材との突き合わせ境界線を検出する検出部と、検出部が検出した突き合わせ境界線に基づいて、ヘッド位置調整部を制御する制御装置とを備える。レーザ光は、青色半導体レーザ光である。制御装置は、レーザ光の照射スポット全体が、アルミニウム部材と銅部材の突き合わせ境界線からアルミニウム部材側に含まれるようにレーザ光が照射されるようにヘッド位置調整部を制御する。レーザヘッドは、ガウス型ビームを出射する。溶接装置は、レーザヘッドから出射されたガウス型ビームを台形型ビームに成型してアルミニウム部材に照射する回折光学素子をさらに備える。
【0013】
このように照射スポットの位置を調整することによって、青色半導体レーザを使用して銅部材とアルミニウム部材とを突き合わせ溶接する際に、銅部材が溶け落ちて穴があくのを防ぐことができる。また、台形型ビームをアルミニウム部材に照射するので、アルミニウム部材を均等に加熱することが可能となり、伝熱による銅部材との溶接が生じる前にアルミニウム部材が溶け落ちることを抑制することができる。
【0014】
好ましくは、制御装置は、照射スポットの中心が、アルミニウム部材と銅部材の突き合わせ境界線からレーザ光の有効径の半分以上アルミニウム部材側にオフセットするようにヘッド位置調整部を制御する。
【0015】
このように照射スポットの位置を決めることによって、青色半導体レーザを使用して銅部材とアルミニウム部材とを突き合わせ溶接する際に良好な溶接ビードが形成される。
【発明の効果】
【0018】
本開示の溶接方法によれば、照射スポットの位置を銅部材から外すように調整することによって、青色半導体レーザを使用して銅部材とアルミニウム部材とを突き合わせ溶接する際に、銅部材が溶け落ちて穴があくのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態の溶接装置の構成を示す図である。
図2】レーザビームの照射位置を説明するための断面図である。
図3】レーザビームの位置を説明するための上面図である。
図4】アルミニウムと銅について、レーザの波長と吸収率の関係を示した図である。
図5】検討例の照射位置を説明するための図である。
図6】問題が生じる溶接例を説明するための図である。
図7】実施の形態2におけるレーザビームの照射を説明するための図である。
図8】台形型ビームの場合のアルミニウム部材と銅部材の接合位置とビームエネルギの位置関係を示す模式図である。
図9】ガウス型ビームの場合のアルミニウム部材と銅部材の接合位置とビームエネルギの位置関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態の溶接装置の構成を示す図である。図1を参照して、溶接装置は、位置検出部12と、レーザヘッド14と、ヘッド位置調整部13と、制御装置11とを備える。
【0022】
位置検出部12は、アルミニウム部材2と銅部材3との突き合わせ境界線4を検出する。ヘッド位置調整部13は、レーザヘッド14の位置または照射角度を調整する。例えば、位置検出部12は、レーザ光1が倣うために、突き合わせ境界線4を検出する装置である。制御装置11は、位置検出部12が検出した突き合わせ境界線4に沿って溶接が行なわれるように、ヘッド位置調整部13を制御してレーザビームの位置を調整するとともに、レーザヘッド14を制御してレーザ光1を照射させる。例えば、ヘッド位置調整部13は、溶接台車などに搭載され、溶接部が移動することに連動して、レーザヘッド14の位置を突き合わせ境界線4に沿わせるための装置である。なお、ヘッド位置調整部13は、マニピュレータを含んでいても良い。
【0023】
図2は、レーザビームの照射位置を説明するための断面図である。図3は、レーザビームの位置を説明するための上面図である。図2には、図3のII-II断面が示されている。
【0024】
レーザ光1は、青色半導体レーザ光である。制御装置11は、レーザ光1の照射スポット10の全体が、アルミニウム部材2と銅部材3の突き合わせ境界線4からアルミニウム部材2側に含まれるようにレーザ光1が照射されるようにヘッド位置調整部13を制御する。
【0025】
このように照射スポット10の位置を調整することによって、青色半導体レーザを使用して銅部材3とアルミニウム部材2とを突き合わせ溶接する際に、後に説明するように、銅部材3が溶け落ちて穴があくのを防ぐことができる。
【0026】
制御装置11は、照射スポット10の中心が、アルミニウム部材2と銅部材3の突き合わせ境界線4からレーザ光の有効径Dの半分であるD/2以上アルミニウム部材側にオフセットするようにヘッド位置調整部13を制御する。
【0027】
このように照射スポット10の位置を決めることによって、青色半導体レーザを使用して銅部材3とアルミニウム部材2とを突き合わせ溶接する際に良好な溶接ビードが形成される。
【0028】
上記のように照射位置を決定する理由を以下に説明する。図4は、アルミニウムと銅について、レーザの波長と吸収率の関係を示した図である。図4において、横軸にレーザ波長(μm)が示され、縦軸に吸収率(%)が示される。
【0029】
アルミニウム部材2と銅部材3とを突き合わせレーザ溶接する場合において、CO2レーザ(波長10.6μm)、YAGレーザ(波長1064nm)、ファイバーレーザ(波長1064nm)を使用することが提案されているが、青色レーザ(波長455nm)での溶接方法は知られていない。
【0030】
本実施の形態では、青色レーザでアルミニウム部材2と銅部材3の突き合わせレーザ溶接での照射方法を提案する。
【0031】
アルミニウムと銅の融点は、それぞれ660℃、1084.5℃である。一般に、融点の高い銅部材を多く加熱するためにレーザスポットを銅に寄せて照射することが考えられる。しかし、従来のレーザ光、例えば、ファイバーレーザの場合、ファイバーレーザの波長1064nmであるため、アルミニウムと銅の熱吸収率は図4に示すようにそれぞれ18%、5%である。したがって、銅部材にレーザを照射しても発熱効率が低く、かえって大出力のレーザが要求されるため、特許文献1では、アルミニウム部材への照射面積が銅部材への照射面積よりも大きくなるようにレーザ光を照射し、レーザ光のビームをビーム外径Dの中心位置を母材同士の突き合わせ部からアルミニウム部材側にオフセット量d(d<D)だけ寄せている。
【0032】
ここでレーザ光として青色レーザを使用して突き合わせ溶接を行なう場合、青色レーザの波長455nmでは、アルミニウムと銅の熱吸収率は18%、45%である。
【0033】
図4においての銅の吸収率は、ファイバーレーザ(約1μm)の場合は10%以下であった。ファイバーレーザと青色レーザでは、銅とアルミの吸収率の大小関係が逆転してしまう。
【0034】
図5は、検討例の照射位置を説明するための図である。図6は、問題が生じる溶接例を説明するための図である。図5に示すように青色レーザのエネルギがアルミニウム部材と銅部材に照射される場合を検討する。この場合、銅の熱吸収率が従来の波長と比べてアルミニウムの吸収率より大きくなる。このため、接合部の銅部分でレーザ照射による溶融過多となる。すると、図6に示すように、アルミニウムの溶融後に銅の領域での加熱とアルミニウムの溶融による浸食により接合する前に、溶接部分が溶け落ちる穴あきが生じる可能性がある。
【0035】
そこで、図2図3に示すように、本実施の形態に示す溶接方法では、アルミニウム部材2と銅部材3とを突き合わせた状態に配置した後に、レーザ光1の照射スポット10の全体が、アルミニウム部材2と銅部材3の突き合わせ境界線4からアルミニウム部材2側に含まれるようにレーザ光1が照射される。レーザ光1は、青色半導体レーザである。
【0036】
このように照射スポット10の位置を調整することによって、青色半導体レーザを使用して銅部材3とアルミニウム部材2とを突き合わせ溶接する際に、銅部材3が溶け落ちて穴があくのを防ぐことができる。
【0037】
レーザ光1は、照射スポット10の中心が、アルミニウム部材2と銅部材3の突き合わせ境界線4からレーザ光1の有効径Dの半分(2/D)以上アルミニウム部材2側にオフセットするように照射される。
【0038】
ここで、融点の低いアルミニウム部材2が溶融する。アルミニウムの溶融熱は銅部材3に伝わり、溶融したアルミニウムからの伝熱によって銅部材3の温度が上昇する。そして、銅部材3の温度上昇が融点に達すると、銅部材3は突き合わせ部を起点として順次溶融していく。アルミニウムが溶融する場合、接合点では溶融したアルミニウムからの伝熱の熱エネルギによって銅の融点に達し、銅部材3を溶融させる。
【0039】
以上によって、銅部材は、溶融アルミニウムからの伝熱により溶融するようになる。そして、溶融したアルミニウム及び銅は、レーザ光照射領域を中心としてキーホール(溶融池)を形成する。そして、キーホール形成後、レーザを移動すれば、急速冷却によりビードが形成される。
【0040】
このように照射スポット10の位置を決めることによって、青色半導体レーザを使用して銅部材3とアルミニウム部材2とを突き合わせ溶接する際に良好な溶接ビードが形成される。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、青色レーザを用いるレーザ溶接において、アルミニウム部材と銅部材の境界部分で、レーザ光の有効径をアルミニウム部材のみに照射することを特徴とする。
【0042】
有効径は、例えば、1/e幅を採用することができる。1/e幅は、最大値の1/e=0.135倍を示す部分までを有効径とするものである。なお、他の有効径として、半値全幅(half-power beam width(HPBW))、D4σ幅、ナイフエッジ幅、D86幅などを採用しても良い。
【0043】
なお、1/e幅を採用する場合、レーザビームのエネルギ分布はガウス分布であるため、ビームの有効範囲外にもピーク強度の1/e程度(13%程度)のエネルギが照射されるので、銅部材には、僅かにレーザビームの有効範囲外の成分が照射される。
【0044】
アルミニウム部材が溶融後、銅部材への浸食が行なわれ、かつ、銅部材ではガウスビームの影響により溶融現象は起こらないが、レーザビームによる熱吸収に基づき、アルミニウムの銅への浸食を起こりやすくしている。これにより、アルミニウム部材と銅部材の接合を効率よく行なうことができる。
【0045】
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2におけるレーザビームの照射を説明するための図である。実施の形態2における溶接装置は、図1に示した溶接装置の構成に加えて回折格子21を備える。ガウシアン分布のレーザ光1は、回折格子21を通過すると台形型(トップハット)に成型される。台形型に成形されたビームは、アルミニウム部材2に照射される。
【0046】
回折格子21により、照射ビームはガウス型ビームから台形型ビームとなるために、銅部材3への熱吸収をガウス型ビームより小さくでき、かつ、アルミニウム部材2からの銅部材3への浸食広がりを低減できる。
【0047】
図8および図9を用いて、台形型ビームとガウス型ビームとを比較して示す。図8は、台形型ビームの場合のアルミニウム部材と銅部材の接合位置とビームエネルギの位置関係を示す模式図である。図9は、ガウス型ビームの場合のアルミニウム部材と銅部材の接合位置とビームエネルギの位置関係を示す模式図である。
【0048】
図9に示すガウス型ビームよりも、図8に示す台形型ビームのほうが銅部材へのエネルギ広がりが小さいことが分かる。したがって、ガウス型ビームの場合は、銅の溶融を小さくするために、照射オフセットの精密制御が必要であるが、台形型ビームの方が銅の熱吸収による溶融のおそれが小さいため、照射オフセットの制御が容易となる。境界部分からアルミニウム部材2へのシフト量を有効径Dの1/2よりも大きくできるので、設定が容易になる。
【0049】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1 レーザ光、2 アルミニウム部材、3 銅部材、4 境界線、10 照射スポット、11 制御装置、12 位置検出部、13 ヘッド位置調整部、14 レーザヘッド、21 回折格子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9