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特許7386175同じ周波数帯域で動作する無線電力信号及びデータ信号の共存を管理するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】同じ周波数帯域で動作する無線電力信号及びデータ信号の共存を管理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20231116BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231116BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20231116BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
H02J50/90
H04B5/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020552671
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2018058178
(87)【国際公開番号】W WO2019089568
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】62/579,049
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/174,172
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,シーザー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,ディーパック
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ハワード
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-169106(JP,A)
【文献】特開2017-077093(JP,A)
【文献】特開2017-085682(JP,A)
【文献】特開2009-247125(JP,A)
【文献】特開2014-179746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0130621(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0117921(US,A1)
【文献】特開2009-253649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/10
H02J 50/90
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信の方法であって、
無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナと、1つ又は複数のプロセッサと、無線データトランシーバと、を有する無線電力送信装置において、
無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置の近くに位置することを検出することと、
前記無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置の近くに位置することを検出した後で、前記無線電力受信装置に関連するデータトラフィックプロファイルを確立することであって、前記データトラフィックプロファイルが、前記無線データトランシーバを用いて、前記無線電力受信装置と前記無線電力送信装置との間で所定の周波数帯域を通じて交換されるデータ信号の識別を含み、交換されるデータ信号の前記識別が、各それぞれのデータ信号のそれぞれのデータタイプを識別する情報、及び各それぞれのデータ信号が交換されることになる時点を含むことと、
前記データトラフィックプロファイルに基づき、前記所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を前記無線電力受信装置に送信する時間窓を1つ又は複数のプロセッサによって決定することと、
前記決定された時間窓において、前記所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を前記1つ又は複数のアンテナによって前記無線電力受信装置に送信することと、を含む方法。
【請求項2】
前記データトラフィックプロファイルを確立することが、前記データ信号の各々のためのそれぞれのデータタイプの各々に基づいて、前記データ信号を分類することと、
前記データ信号の各々のためのそれぞれの優先度レベルを決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
無線電力信号を前記無線電力受信装置に送信する前記時間窓が、高優先度レベルを備えたデータ信号が交換されることにならない時間窓である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線電力送信装置において、
それぞれの時間窓中に無線電力信号を送信している間に、
高優先度レベルを備えたデータ信号が、前記それぞれの時間窓中に交換されることになるという決定に従って、前記無線電力受信装置への無線電力信号の送信を一時停止することを更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記無線電力送信装置において、
前記無線電力受信装置の充電レベルが、充電レベル閾値未満であるという決定に従って、前記無線電力受信装置への無線電力信号の前記送信を再開することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無線電力送信装置において、
無線電力信号の前記送信の再開と共に、データ信号の受信が中断され得るという通知を前記無線電力受信装置のユーザに提供することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
無線電力信号の前記送信を再開することが、データ信号が前記無線電力受信装置と別の装置との間で交換されている間に、無線電力信号を送信することを含み、
前記方法が、前記無線電力送信装置において、
前記データ信号との干渉を最小化するために、前記無線電力信号の少なくとも1つの送信特性用の値を調整することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記調整が、前記データ信号の交換が閾値誤り率を超える誤り率を有するという決定に従って実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記調整が、前記誤り率が前記閾値誤り率未満に下がるまで実行される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記無線電力送信装置において、
前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置との間で交換される前記データ信号のそれぞれの優先度レベルに基づいて、前記無線電力信号用の少なくとも1つの送信特性用の値を調整することを更に含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置の近くにあることを検出することが、前記無線電力送信装置における反射電力の測定値を用いて、前記無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置の所定の距離内に配置されたことを検出することを含み、
前記方法が、
前記無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置の前記所定の距離内に配置されたことの検出に応じて、且つ前記データトラフィックプロファイルを確立する前に、前記無線電力受信装置が、前記無線電力送信装置に無線電力制御信号を提供するまで、前記1つ又は複数のアンテナを介して、送信特性用のデフォルト値を用いて無線電力信号を前記無線電力受信装置に送信することであって、無線電力送信装置が、前記送信特性用の特定の値を決定するために、無線電力制御信号を用い、前記特定の値の少なくとも1つが、前記送信特性用の前記デフォルト値の対応値とは異なることを更に含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の前記識別が、前記無線電力受信装置と前記無線電力送信装置との間で交換される無線電力制御信号の識別を含み、
前記無線電力送信装置が、無線電力信号を前記無線電力受信装置に送信するために用いられる送信特性用の値を決定するために、前記無線電力制御信号を用いる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の前記識別が、前記無線電力受信装置と前記無線電力送信装置との間で交換される特定用途向け信号の識別を更に含み、前記特定用途向けデータ信号が、前記無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記データトラフィックプロファイルがまた、前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置以外の追加装置との間で交換される追加データ信号の識別を含み、前記追加装置が、前記無線電力送信装置に通信可能に結合される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記データトラフィックプロファイルがまた、前記無線電力受信装置と前記無線電力送信装置以外の第2の装置との間で交換される特定用途向けデータ信号の識別を含み、前記第2の装置が、前記無線電力受信装置に通信可能に結合され、
前記特定用途向けデータ信号が、前記無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記データトラフィックプロファイルを確立することが、前記無線データトランシーバに関連するコントローラから前記データ信号の少なくとも幾つかに関する情報を1つ又は複数のプロセッサを介して受信することを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記データトラフィックプロファイルに含まれる前記データ信号におけるそれぞれのデータ信号の識別が、前記それぞれのデータ信号の送信特性用の値を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
無線電力送信の方法であって、
コントローラと、無線データトランシーバと、1つ又は複数の無線電力受信装置に無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナと、を有する無線電力送信装置において、
前記無線電力送信装置の近くに位置する無線電力受信装置に無線電力信号を前記1つ又は複数のアンテナを介して送信することと、
前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置との間で交換されるデータ信号の送信に関する情報を前記コントローラによって受信することと、
前記無線電力受信装置への無線電力信号の送信が、前記データ信号におけるそれぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるかどうかを決定するために、前記データ信号に関連する1つ又は複数の特性を評価することであって、前記1つ又は複数の特性が、第1の期間中に、且つ前記第1の期間とは異なる第2の期間中に前記それぞれのデータ信号が送信されることになることを示すことと、
前記それぞれのデータ信号の送信が、前記第1の期間中に、無線電力信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、前記第1の期間中に、前記無線電力受信装置への無線電力信号の前記送信を一時停止することと、
無線電力信号の送信が、前記第2の期間中に、前記それぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、前記第2の期間中に前記無線電力受信装置への無線電力信号の送信を再開することと、
を含む方法。
【請求項19】
前記データ信号が、(1)前記複数の無線電力信号の送信に関連する1つ又は複数のパラメータを含む電力制御データ信号のセットと、(2)前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置との間で交換されるアプリケーションデータのセットと、の1つ又は複数を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に無線電力送信に関し、特に無線電力送信信号及びデータ通信信号の共存を管理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ラップトップコンピュータ、携帯電話、タブレット、及び他の電子装置などの携帯用電子装置は、動作するために電力貯蔵コンポーネント(例えばバッテリ)の頻繁な充電を必要とする。多くの電子装置が、1日当たり1回又は複数回の充電を必要とする。しばしば、電子装置の充電は、有線充電ケーブルを用いて、コンセント又は他の電源に電子装置を手動で接続することを必要とする。場合によっては、電力貯蔵コンポーネントは、電子装置から取り外され、充電機器に挿入される。かかる充電は、時間がかかり、煩わしく、且つそれが、多数の充電ケーブル及び/又は他の充電装置を持ち運ぶことをユーザにしばしば要求し、ユーザの電子装置を充電するために適切な電源、例えば壁コンセントを見つけるようにユーザにしばしば要求するするので、非能率的である。加えて、従来の充電技法は、装置が充電している間に装置を用いる能力をユーザから潜在的に奪い、且つ/又はユーザの電子装置若しくは他の充電機器が接続される壁コンセント若しくは他の電源のすぐ近くに留まるようにユーザに要求する。
【0003】
[0003] この問題に対処する一方法は、無線周波数帯域など、或る媒体を介して電子装置に電力を無線で送信することである。無線電力送信は、干渉を回避するために、無線データ通信システムによって用いられる周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いることができる。しかしながら、無線電力送信が、無線電力信号を転送するために、無線データ通信と同じ周波数帯域を共有する状況が存在する。送信媒体が共有されるので、無線電力送信と無線データ通信との間の競合は、干渉に帰着する可能性があり、それは、性能を低下させるか又はこれらのサービスの拒否に帰着する。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 従って、共存用の、且つ同じ周波数帯域における無線電力送信とデータ通信システム間の干渉を緩和する機構を提供することが望ましいであろう。本明細書で開示される無線電力送信用の方法及びシステムは、無線電力送信と無線データ通信との間の干渉を効果的に緩和する。例えば、無線電力送信装置は、無線データ通信の不活発な期間中に無線電力を送信することができる。
【0005】
[0005] 幾つかの実施形態において、通信コントローラから生成された共存信号(例えばBluetooth Low Energy(BLE)(ブルートゥース低エネルギ)コントローラからのハードウェア(HW)パケットタイミング調停(PTA)信号)に基づいたデータトラフィックが存在することを無線電力送信装置の通信コントローラが示す場合に、無線電力送信は行われない。幾つかの実施形態において、通信コントローラから電力コントローラへのコマンドセットなど、電力プロファイルプロトコルからのプログラムされたデータトラフィックパターン(例えばトラフィックプロファイル)が存在する場合に、無線電力送信は行われない。幾つかの実施形態において、データトラフィックパターンは、
1)トラフィックパターン(例えばBT同期接続指向(SCO)/拡張SCO/スニフパケットタイプ、BLE接続イベント、Zigbeeビーコン)の期間、窓サイズ、オフセット、及び優先度などのパラメータと、
2)トラフィック同期化及びドリフト補償(例えば相異なる装置から共通時間領域へのトラフィックプロファイルの整列)と、
3)相異なるホップにおいて、装置からの電力プロファイルを設定すること(例えば電力受信装置と別の装置との間のデータトラフィック)と、
4)周波数帯域のチャネル評価(例えばアフェクト周波数帯域の決定)と、
を含む。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態において、電力送信とデータ通信との間の調整可能な時間マージン中に無線電力送信は同様に行われない。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態において、無線電力送信と無線データ通信との間の干渉は、(1)相異なるデータ通信トラフィックプロファイルを分類し優先度(例えばオーディオ/ビデオデータとバルクデータ送信との間の優先度)を付けることと、(2)データ通信に勝って無線電力送信に優先度を付けるためのポリシーを作成し、逆も同様である(例えば、低優先度バルクデータ送信に勝る最小充電比率を維持することと、(3)組み合わされたデータトラフィックプロファイルに対して、電力を変調することによって無線電力及びデータフレーム用のトラフィックプロファイルを形作ることと、によって電力送信及びデータ通信用のサービスの質(QoS)を維持しながら、緩和することができる。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態において、無線電力送信と無線データ通信との間の干渉緩和は、干渉の低減と交換に充電率を低下させるなど、同じ周波数帯域において電力制御を変調すること及び電力送信のレベルを調整することを更に含む。
【0009】
[0009] (A1)幾つかの実施形態において、方法は、無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナと、1つ又は複数のプロセッサと、無線データトランシーバと、を有する無線電力送信装置において実行される。方法は、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くに位置することを検出することを含む。無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くに位置することを検出した後で、方法は、無線電力受信装置に関連するデータトラフィックプロファイルを確立することであって、データトラフィックプロファイルが、無線データトランシーバを用いて、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で所定の周波数帯域を通じて交換されるデータ信号の識別を含むことを含む。方法は、データトラフィックプロファイルに基づき、所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を無線電力受信装置に送信する時間窓を1つ又は複数のプロセッサによって決定することを更に含む。決定された時間窓において、方法はまた、所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を1つ又は複数のアンテナによって無線電力受信装置に送信することを含む。
【0010】
[0010] (A2)A1の方法の幾つかの実施形態において、交換されるデータ信号の識別は、各それぞれのデータ信号用のそれぞれのデータタイプを識別する情報、及び各それぞれのデータ信号が交換されることになる時点を含む。
【0011】
[0011] (A3)A1~A2のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルを確立することは、データ信号の各々のためのそれぞれのデータタイプの各々に基づいて、データ信号を分類することと、データ信号の各々のためのそれぞれの優先度レベルを決定することと、を含む。
【0012】
[0012] (A4)A1~A3のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、無線電力信号を無線電力受信装置に送信する時間窓は、高優先度レベルを備えたデータ信号が交換されることにならない時間窓である。
【0013】
[0013] (A5)A1~A4のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、方法は、それぞれの時間窓中に無線電力信号を送信している間に、高優先度レベルを備えたデータ信号が、それぞれの時間窓中に交換されることになるという決定に従って、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を一時停止することを更に含む。
【0014】
[0014] (A6)A1~A5のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、方法は、無線電力受信装置の充電レベルが、充電レベル閾値未満であるという判定に従って、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を再開することを更に含む。
【0015】
[0015] (A7)A1~A6のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、方法は、無線電力信号の送信の再開と共に、データ信号の受信が中断され得るという通知を無線電力受信装置のユーザに提供することを更に含む。
【0016】
[0016] (A8)A1~A7のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、無線電力信号の送信を再開することは、データ信号が、無線電力受信装置と別の装置との間で交換されている間に、無線電力信号を送信することを含み、方法は、データ信号との干渉を最小化するために、無線電力信号用の少なくとも1つの送信特性を調整することを更に含む。
【0017】
[0017] (A9)A1~A8のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、調整は、データ信号の交換が、閾値誤り率を超える誤り率を有するという判定に従って実行される。
【0018】
[0018] (A10)A1~A9のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、調整は、誤り率が閾値誤り率未満に下がるまで実行される。
【0019】
[0019] (A11)A1~A10のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、方法は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で交換されるデータ信号のそれぞれの優先度レベルに基づいて、無線電力信号用の少なくとも1つの送信特性を調整することを更に含む。
【0020】
[0020] (A12)A1~A11のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、少なくとも1つの送信特性は、電力レベルである。
【0021】
[0021] (A13)A1~A12のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くにあることを検出することは、無線電力送信装置における反射電力の測定値を用いて、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の所定の距離内に配置されたことを検出することと、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の所定の距離内に配置されたことの検出に応じて、且つデータトラフィックプロファイルを確立する前に、無線電力受信装置が、無線電力送信装置に無線電力制御信号を提供するまで、1つ又は複数のアンテナを介して、デフォルト特性を備えた無線電力信号を無線電力受信装置に送信することと、を含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、無線電力受信装置に無線電力信号を送信するために用いる、デフォルト特性とは別の特定の特性を決定するために、無線電力制御信号を用いる。
【0022】
[0022] (A14)A1~A13のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の識別は、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される無線電力制御信号の識別を含み、無線電力送信装置は、無線電力信号を無線電力受信装置に送信するために用いるための特定の特性を決定するために、無線電力制御信号を用いる。
【0023】
[0023] (A15)A1~A14のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の識別は、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される特定用途向けデータ信号の識別を更に含み、特定用途向けデータ信号は、無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。
【0024】
[0024] (A16)A1~A15のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルはまた、無線電力送信装置と無線電力受信装置以外の追加装置との間で交換される追加データ信号の識別を含み、追加装置は、無線電力送信装置に通信可能に結合される。
【0025】
[0025] (A17)A1~A16のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、追加装置は、第2の無線電力受信装置であり、追加データ信号は、第2の無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される無線電力制御信号を含み、無線電力送信装置は、第2の無線電力受信装置に無線電力信号を送信するために用いる特定の特性を決定するために、無線電力制御信号を用いる。
【0026】
[0026] (A18)A1~A17のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、追加データ信号は、第2の無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される特定用途向けデータ信号を含み、特定用途向けデータ信号は、第2の無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。
【0027】
[0027] (A19)A1~A18のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルはまた、無線電力受信装置と無線電力送信装置以外の第2の装置との間で交換される特定用途向けデータ信号の識別を含み、第2の装置は、無線電力受信装置に通信可能に結合され、特定用途向けデータ信号は、無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。
【0028】
[0028] (A20)A1~A19のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データ信号は、複数の電力送信信号と同じ周波数帯域を用いて交換されることになる。
【0029】
[0029] (A21)A1~A20のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、無線電力受信装置は、無線電力信号を受信し、且つそれを使用可能な電力に変換するための回路と、回路に結合される電子装置用と、を含み、回路は、電子装置の動作電力を供給するか又はそのバッテリを充電するために、電子装置に使用可能な電力を供給する。
【0030】
[0030] (A22)A1~A21のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルを確立することは、無線データトランシーバに関連するコントローラからデータ信号の少なくとも幾つかに関する情報を1つ又は複数のプロセッサを介して受信することを含む。
【0031】
[0031] (A23)A1~A22のいずれか1つにおける幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号のそれぞれのデータ信号の識別は、それぞれのデータ信号用の送信特性を含む。
【0032】
[0032] (B1)幾つかの実施形態において、方法は、コントローラと、無線通信コンポーネントと、1つ又は複数の無線電力受信装置に無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナと、を有する無線電力送信装置において実行される。方法は、無線電力送信装置の近くに位置する無線電力受信装置に無線電力信号を1つ又は複数のアンテナを介して送信することを含む。方法は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で交換されるデータ信号の送信に関する情報をコントローラによって受信することを更に含む。方法はまた、無線電力受信装置への無線電力信号の送信が、データ信号におけるそれぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるかどうかを決定するために、データ信号に関連する1つ又は複数の特性を評価することであって、1つ又は複数の特性が、第1の期間中に、且つ第1の期間とは異なる第2の期間中にそれぞれのデータ信号が送信されることになることを示すことを含む。方法はまた、それぞれのデータ信号の送信が、第1の期間中に、無線電力信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、第1の期間中に、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を一時停止することを含む。方法は、無線電力信号の送信が、第2の期間中に、それぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、第2の期間中に、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を再開することを更に含む。
【0033】
[0033] (B2)B1の幾つかの実施形態において、データ信号は、(1)無線電力信号の送信に関連する1つ又は複数のパラメータを含む電力制御データ信号のセットと、(2)無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間で交換されるアプリケーションデータのセットの1つ又は複数を含む。
【0034】
[0034] (B3)B1又はB2の幾つかの実施形態において、方法は、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くに位置することを検出することを含み、方法は、無線電力送信装置に関連するデータトラフィックプロファイルを確立することであって、データトラフィックプロファイルが、無線データトランシーバを用いて、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で所定の周波数帯域を通じて交換されるデータ信号の識別を含むことを含む。方法は、データトラフィックプロファイルに基づいて、所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を無線電力受信装置に送信する時間窓を1つ又は複数のプロセッサによって決定することを更に含む。決定された時間窓において、方法はまた、所定の周波数帯域を通じて無線電力信号を1つ又は複数のアンテナによって無線電力受信装置に送信することを含む。
【0035】
[0035] 上記で説明された様々な実施形態が、本明細書で説明される任意の他の実施形態と組み合わされ得ることに留意されたい。本明細書で説明される特徴及び利点は、全てを含むわけではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点が、図面、明細書、及び特許請求の範囲を考慮すれば当業者に明らかになろう。更に、本明細書で用いられる言語が、読みやすさ及び教育的な目的で主として選択され、且つ本発明の主題を明確に描写するためにも境界を定めるためにも選択されなかった可能性があることが留意されるべきである。
【0036】
[0036] 本開示が、より詳細に理解され得るように、より特有の説明が、様々な実施形態の特徴への言及によって得ることが可能であり、実施形態の幾つかは、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の関係のある特徴を示すだけであり、従って限定と考えられるべきではない。何故なら、説明は、他の有効な特徴を認め得るからである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】[0037]幾つかの実施形態による、代表的な無線電力送信環境におけるコンポーネントのブロック図である。
図2】[0038]幾つかの実施形態による、例示的な無線電力送信システムのブロック図である。
図3】[0039]幾つかの実施形態による、例示的な無線電力送信システムのブロック図である。
図4】[0040]幾つかの実施形態による、バッテリ切れの動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図5】[0041]幾つかの実施形態による、アプリケーションデータ送信のない活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図6】[0042]幾つかの実施形態による、無線電力送信及びアプリケーションデータ送信の両方を含むそれぞれの活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図7】[0042]幾つかの実施形態による、無線電力送信及びアプリケーションデータ送信の両方を含むそれぞれの活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図8】[0042]幾つかの実施形態による、無線電力送信及びアプリケーションデータ送信の両方を含むそれぞれの活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図9】[0042]幾つかの実施形態による、無線電力送信及びアプリケーションデータ送信の両方を含むそれぞれの活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図10A】[0043]幾つかの実施形態による、単一通信コントローラを含む例示的な無線電力送信機の概略図である。
図10B】[0044]幾つかの実施形態による、多数の通信コントローラを含む例示的な無線電力送信機の概略図である。
図11】[0045]幾つかの実施形態による、例示的なトラフィックプロファイルの概略図である。
図12】[0046]幾つかの実施形態による、トラフィックプロファイル情報及びハードウェア共存信号に基づいた調停の概略図である。
図13】[0047]幾つかの実施形態による、例示的な充電率プロファイルアルゴリズムを示す概略図である。
図14】[0048]幾つかの実施形態による、例示的な組み合わされた充電プロファイルを示す概略図である。
図15】[0049]幾つかの実施形態による、例示的な優先度調停アルゴリズムを示す概略図である。
図16】[0050]幾つかの実施形態による、優先度調停アルゴリズムを適用した結果としての優先度調停波形を示す。
図17】[0051]幾つかの実施形態による、図12、14及び15に示されているような調停サブシステムを含む例示的な調停システムを示す概略図である。
図18】[0052]幾つかの実施形態による、高~低電力レベル緩和プロセスを示す例示的な無線電力送信システムの概略図である。
図19A】[0053]幾つかの実施形態による、無線電力送信のそれぞれの方法を示す流れ図である。
図19B】[0053]幾つかの実施形態による、無線電力送信のそれぞれの方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0054] 一般的な慣習によれば、図面に示される様々な特徴は、一定の比率で描かれなくてもよい。従って、様々な特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小されてもよい。加えて、図面の幾つかは、所与のシステム、方法、又は装置のコンポーネントの全ては表現しなくてもよい。最後に、同様の参照数字は、明細書及び図の全体を通して同様の特徴示すために用いられてもよい。
【0039】
[0055] 添付の図面に示されている例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの詳細が本明細書で説明される。しかしながら、幾つかの実施形態は、特定の詳細の多くがなくても実施され得、請求項の範囲は、請求項において特に挙げられた特徴及び態様によってのみ制限される。更に、周知のプロセス、コンポーネント、及び材料は、本明細書で説明される実施形態の関係する態様を不必要に曖昧にしないように、余すところなく詳細に説明されたわけではいない。
【0040】
[0056] 本明細書の幾つかの実施形態は、主な例としして無線周波数(RF)ベースの送波技術の使用を含むが、使用され得る無線充電技法が、RFベースの技術及び送信技法に制限されないことを認識されたい。より正確に言えば、受信機が、送信されたエネルギを電力に変換できるように、無線でエネルギを送信するための任意の適切な技術及び技法を含む追加又は代替の無線充電技術が利用されてもよいことを認識されたい。かかる技術又は技法は、次の非限定的な例、即ち、超音波、マイクロ波、共鳴磁界及び誘導磁界、レーザ光、赤外線、又は他の形態の電磁エネルギを含む、様々な形態の無線で送信されたエネルギを送信してもよい。
【0041】
[0057] 例えば、超音波の場合に、1つ又は複数のトランスデューサ素子が、超音波を受信し、且つそれらを電力に変換する受信装置の方へ超音波を送信するトランスデューサアレイを形成するように配置されてもよい。共鳴又は誘導磁界の場合に、磁界は、送信機コイルにおいて生成され、受信機コイルによって電力に変換される。加えて、幾つかの実施形態において、電力のRF受信及びこのパラグラフにおいて言及される他の電力受信方法の両方のための、潜在的に多数のコンポーネントを含む単一ユニットとして、例示的な受信機システムが示されているが、受信機システムは、コンパクトな規則構造ではなく、部屋中に物理的に広げられた多数の受信機を含むことができる。
【0042】
[0058] 図1は、幾つかの実施形態による、無線電力送信環境100のコンポーネントのブロック図である。無線電力送信環境100は、例えば、送信機102(例えば送信機102a、102b...102n)及び1つ又は複数の受信機120を含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信環境100は、多数の受信機120を含み、それらのそれぞれは、それぞれの電子装置122(例えば電子装置122a、122b...122m)に関連付けられる。
【0043】
[0059] 例示的な送信機102(例えば送信機102a)は、例えば、1つ若しくは複数のプロセッサ104、メモリ106、1つ若しくは複数のアンテナアレイ110、1つ若しくは複数の通信コンポーネント112(本明細書では「無線データトランシーバ」とも呼ばれる)、及び/又は1つ若しくは複数の送信機センサ114を含む。幾つかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス108を経由して相互接続される。送信機102のこれらのコンポーネントへの言及は、これらのコンポーネント(及びそれらの組み合わせ)のそれぞれにおける1つ又は2つ以上が含まれる実施形態をカバーする。
【0044】
[0060] 幾つかの実施形態において、メモリ106は、本明細書において「モジュール」と集合的に呼ばれる1つ若しくは複数のプログラム(例えば命令セット)及び/又はデータ構造を格納する。幾つかの実施形態において、メモリ106、又はメモリ106の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、以下のモジュール107(例えばプログラム及び/若しくはデータ構造)、又はそれらのサブセット若しくは上位セットを格納する。
● (例えば受信機センサ128によって生成され、次に送信機102aに送信される)受信機120から受信された情報、
● 送信機センサ114から受信された情報、
● 1つ若しくは複数の送信機102によって送信された1つ若しくは複数の電力波116を調整する適応ポケット形成モジュール、及び/又は
● (例えば1つ若しくは複数の送信機102の送信フィールド内で)受信機120を検出するための通信信号118を送信するビーコン送信モジュールである。
【0045】
[0061] 上記で識別されたモジュール(例えば命令セットを含むデータ構造及び/又はプログラム)は、別個のソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実現される必要はなく、従って、これらのモジュールの様々なサブセットは、様々な実施形態において組み合わされるか、そうでなければ再配置されてもよい。幾つかの実施形態において、メモリ106は、上記で識別されたモジュールのサブセットを格納する。幾つかの実施形態において、通信コンポーネント112に通信可能に接続される外部マッピングメモリ131は、上記で識別された1つ又は複数のモジュールを格納する。更に、メモリ106及び/又は外部マッピングメモリ131は、上記で説明されていない追加モジュールを格納してもよい。幾つかの実施形態において、メモリ106又はメモリ106の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納されたモジュールは、以下で説明される方法のそれぞれの動作を実行するための命令を提供する。幾つかの実施形態において、これらのモジュールの幾つか又は全ては、モジュール機能の一部又は全てを包括する専門ハードウェア回路で実施されてもよい。上記で識別された要素の1つ又は複数は、プロセッサ104の1つ又は複数によって実行されてもよい。幾つかの実施形態において、メモリ106に関連して説明されたモジュールの1つ又は複数は、1つ又は複数の送信機102に通信可能に結合されるサーバ(図示せず)のプロセッサ104上に、且つ/又は電子装置122及び/若しくは受信機120のメモリによって実現される。
【0046】
[0062] 幾つかの実施形態において、単一プロセッサ104(例えば送信機102aのプロセッサ104)は、多数の送信機102(例えば送信機102b...102n)を制御するためのソフトウェアモジュールを実行する。幾つかの実施形態において、単一送信機102(例えば送信機102a)は、(例えば、アンテナアレイ110による信号116の送信を制御するように構成された)1つ若しくは複数の送信機プロセッサと、(例えば、通信コンポーネント112によって送信された通信を制御するように、且つ/若しくは通信コンポーネント112を経由した通信を受信するように構成された)1つ又は複数の通信コンポーネントプロセッサと、及び/又は(送信機センサ114の動作を制御するように、且つ/若しくは送信機センサ114からの出力を受信するように構成された)1つ若しくは複数のセンサプロセッサと、などの多数のプロセッサ104を含む。
【0047】
[0063] 受信機120(例えば電子装置122の受信機)は、送信機102によって送信された無線電力信号116及び/又はデータ通信信号118を受信する。幾つかの実施形態において、受信機120は、1つ又は複数のアンテナ124(例えば多数のアンテナ素子を含むアンテナアレイ)、整流器125、電力変換器126、受信機センサ128、並びに/又は他のコンポーネント若しくは回路(例えばプロセッサ140、メモリ142、及び/若しくは通信コンポーネント144)を含む。幾つかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス146を経由して相互接続される。受信機120のこれらのコンポーネントへの言及は、これらのコンポーネント(及びそれらの組み合わせ)のそれぞれにおける1つ又は2つ以上が含まれる実施形態をカバーする。受信機120は、電子装置122に電力を供給し且つ/又はそれを充電するために、受信された無線電力信号116(例えば電力波)からのエネルギを電気エネルギに変換する。例えば、受信機120は、無線電力波116からの捕捉されたエネルギを、電子装置122に電力を供給し且つ/又はそれを充電するために使用可能な交流(AC)電気又は直流(DC)電気に変換するために、電力変換器126を用いる。電力変換器126の非限定的な例は、適切な回路及び装置の中で、整流器、整流回路、電力管理集積回路(PMIC)、電圧調整器を含む。
【0048】
[0064] 幾つかの実施形態において、受信機120は、1つ又は複数の電子装置122に着脱可能に結合されるスタンドアロン装置である。例えば、電子装置122は、電子装置122の1つ又は複数の機能を制御するためのプロセッサ132を有し、受信機120は、受信機120の1つ又は複数の機能を制御するためのプロセッサ140を有する。
【0049】
[0065] 幾つかの実施形態において、受信機は、電子装置122のコンポーネントである。例えば、プロセッサ132は、電子装置122及び受信機120の機能を制御する。
【0050】
[0066] 幾つかの実施形態において、電子装置122は、プロセッサ132、メモリ134、通信コンポーネント136、及び/又はバッテリ130を含む。幾つかの実施形態において、これらのコンポーネントは、通信バス138を経由して相互接続される。幾つかの実施形態において、電子装置122と受信機120との間の通信は、通信コンポーネント136及び/又は144を介して生じる。幾つかの実施形態において、電子装置122と受信機120との間の通信は、通信バス138と通信バス146との間の有線接続を介して生じる。幾つかの実施形態、電子装置122及び受信機120は、単一の通信バスを共有する。
【0051】
[0067] 幾つかの実施形態において、受信機120は、1つ又は複数の無線電力波116を送信機102から直接受信する。幾つかの実施形態において、受信機120は、送信機102によって送信された1つ又は複数の無線電力波116によって生成されたエネルギの1つ又は複数のポケットから電力波を収穫する。
【0052】
[0068] 幾つかの実施形態において、無線電力波116が、受信され、且つ/又はエネルギが、エネルギのポケットから収穫された後で、受信機120の回路(例えば集積回路、増幅器、整流器、PMIC、及び/又は電圧調整器)は、無線電力波(例えば無線周波数電磁放射)のエネルギを使用可能な電力(即ち電気)に変換し、電気は、電子装置122に電力を供給し、且つ/又は電子装置122のバッテリ130に貯蔵される。幾つかの実施形態において、無線電力波116から変換された使用可能な電力は、受信機120に位置するバッテリ(図示せず)、又は電子装置122及び受信機120とは別個のバッテリ(図示せず)に貯蔵される。幾つかの実施形態において、受信機120の整流回路125は、電子装置122による使用のために、電気エネルギをACからDCに変形する。幾つかの実施形態において、電圧調整回路は、電子装置122によって要求されるように、電気エネルギの電圧を上昇又は低下させる。幾つかの実施形態において、継電器は、受信機120から電子装置122に電気エネルギを伝える。
【0053】
[0069] 幾つかの実施形態において、受信機120は、電子装置122のコンポーネントである。幾つかの実施形態において、受信機120は、電子装置122に結合(例えば、着脱可能に結合)される。幾つかの実施形態において、電子装置122は、受信機120の周辺装置である。幾つかの実施形態において、電子装置122は、多数の送信機102から、且つ/又は多数の受信機120を用いて電力を取得する。幾つかの実施形態において、無線電力送信環境100は、複数の電子装置122を含み、各電子装置122は、電子装置122を充電するための使用可能な電力にされる電力波を送信機102から収穫するために用いられる少なくとも1つのそれぞれの受信機120を有する。
【0054】
[0070] 幾つかの実施形態において、アンテナ素子124の1つ又は複数のセットは、それらのそれぞれの整流器125と接続する。多数の整流器125が、アンテナ素子124におけるそれらのそれぞれのセットに接続され得る。例えば、相異なる実施形態において、2つ、4つ、8つ又は16のアンテナ素子が、1つの整流器125と結合される。アンテナ素子124は、1つ又は複数の無線電力送信機102によって送信された無線電力波から電力を無線で抽出又は収穫する。幾つかの実施形態において、アンテナ素子124は、アンテナアーム及びアンテナ接地平面を含む。
【0055】
[0071] アンテナ素子124は、送信機によって用いられる周波数帯域において信号を送信及び/又は受信できる任意のタイプのアンテナを含む。更に、アンテナ素子124は、指向性及び/又は無指向性であってもよく、且つ平面アンテナ素子、パッチアンテナ素子、ダイポールアンテナ素子、及び/又は無線電力送信用の任意の他の適切なアンテナを含んでもよい。適切なアンテナタイプは、例えば、約1/8インチ(0.3175cm)~約6インチ(15.24cm)の高さ及び約1/8インチ(0.3175cm)~約6インチ(15.24cm)の幅を備えたパッチアンテナを含んでもよい。アンテナ素子124の形状及び方位は、受信機システム120の所望の特徴に依存して変化してもよい。方位は、3次元配置における様々な方位型及び組み合わせと同様に、X、Y及び/又はZ軸において平らであってもよい。アンテナ素子124は、高効率、優れた放熱性などを備えたRF信号送信を可能にする任意の適切な材料で作製されてもよい。アンテナ素子124の数は、送信機の所望の範囲及び電力送信能力と関連して変化してもよい。即ち、より多くのアンテナ素子、より広い範囲、及びより高い電力送信能力がある。
【0056】
[0072] アンテナ素子124は、900MHz、2.5GHz、又は5.8GHzなどの周波数帯域で動作するための適切なアンテナタイプを含んでもよい。何故なら、これらの周波数帯域が、米国連邦通信委員会(FCC)規則パート18(産業、科学、医療器具)に一致するからである。アンテナ素子124は、独立した周波数において動作し、ポケット形成の多重チャネルの動作を可能にしてもよい。加えて、アンテナ素子124は、受信機120の様々な表面に位置してもよい。アンテナ素子124は、単一アレイ、ペアアレイ、4アレイ、及び所望の用途に従って設計され得る任意の他の適切な配置で動作してもよい。
【0057】
[0073] 幾つかの実装形態において、プリント回路基板PCB又はRF集積回路(IC)の側面全体が、アンテナ素子124と密にパックされてもよい。RFICは、多数のアンテナ素子と接続してもよい。多数のアンテナ素子124は、単一のRFICを囲んでもよい。
【0058】
[0074] 受信機システム120の整流器125は、アンテナ素子124によって生成された交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流するために、ダイオード、抵抗器、誘導子、及び/又はコンデンサを含んでもよい。整流器125は、電力送信信号から集められた電気エネルギにおける損失を最小化するために、技術的に可能な限りアンテナ素子124の近くに配置されてもよい。交流電圧を整流した後で、結果として得られたDC電圧は、電力変換器(図示せず)を用いて調整されてもよい。電力変換器は、電子装置に、又はこの例示的な受信機システム120におけるように、バッテリ(例えば電子装置122のバッテリ130か、受信機120に含まれるバッテリ(図示せず)か、若しくは電子装置122及び受信機120とは別個のバッテリ(図示せず))に、入力にかかわらず定電圧出力を供給することを支援し得るDC-DC変換器とすることができる。典型的な電圧出力は、約5ボルト~約10ボルトとすることができる。幾つかの実施形態において、電力変換器は、電子スイッチモードDC-DC変換器を含んでもよく、それは、高効率を提供することができる。かかる実施形態において、受信機120は、電気エネルギを受信するために電力変換器の前に位置するコンデンサ(図示せず)を含んでもよい。コンデンサは、十分な電流が電子スイッチング装置(例えばスイッチモードDC-DC変換器)に供給されることを保証することが可能であり、その結果、電子スイッチング装置は、効果的に動作し得る。電子装置、例えば電話又はラップトップコンピュータを充電する場合に、電子スイッチモードDC-DC変換器の動作を始動させるために必要とされる最小電圧を超えることができる初期高電流が、要求される可能性がある。かかる場合に、コンデンサ(図示せず)は、要求される追加のエネルギを供給するために、受信機120の出力部に追加されてもよい。その後、より低い電力が供給され得る。例えば、電話又はラップトップにまだ充電を増強させている間に用いられ得る合計初期電力の1/80である。
【0059】
[0075] 整流器125からの電流は、電力管理集積回路(PMIC)(図示せず)に供給される。PMICは、ホストシステムの電力要件を管理するためのシステムオンチップ装置における集積回路及び/又はシステムブロックである。PMICは、バッテリ管理機能、電圧調整機能、及び充電機能を含んでもよい。それは、動的な電圧スケーリングを可能にするためにDC-DC変換器を含んでもよい。幾つかの実装形態において、PMICは、95%の電力変換効率まで提供し得る。幾つかの実装形態において、PMICは、動的な周波数スケーリングと組み合わせて統合してもよい。PMICは、携帯電話及び/又は携帯型メディアプレーヤなどのバッテリ駆動装置に実現されてもよい。幾つかの実装形態において、バッテリ130は、入力コンデンサ及び出力コンデンサと取り替えられてもよい。PMICは、バッテリ130及び/又はコンデンサに直接接続されてもよい。バッテリ130が、直接充電される場合に、コンデンサは、実現されなくてもよい。幾つかの実装形態において、PMICは、バッテリ130のまわりに巻かれてもよい。PMICは、バッテリ充電器として働く、且つバッテリ130に接続される電力管理チップ(PMC)を含んでもよい。PMICは、パルス周波数変調(PFM)及びパルス幅変調(PWM)を用いることができる。それは、スイッチング増幅器(D級電子増幅器)を用いることができる。幾つかの実装形態において、出力変換器、整流器、及び/又はBLEもまた、PMICに含まれてもよい。
【0060】
[0076] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数の送信機102は、電力波116の1つ又は複数の特性(例えば位相、利得、方向、及び/又は周波数)を調整する。例えば、送信機102(例えば送信機102a)は、電力波116の送信を開始し、電力波116の送信を中止し、且つ/又は電力波116送信するために用いられる1つ又は複数の特性を調整するために、アンテナアレイ110の1つ又は複数のアンテナ素子のサブセットを選択する。幾つかの実装形態において、1つ又は複数の送信機102は、電力波116の軌道が、送信フィールド内の所定の位置(例えば空間における位置又は領域)に集束し、制御された強め合う又は弱め合う干渉パターンに帰着するように、電力波116を調整する。
【0061】
[0077] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数の送信機102のそれぞれのアンテナアレイ110は、1つ又は複数の送信機102のそれぞれの送信フィールドに電力波116を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナのセットを含んでもよい。コントローラ回路及び/又は波形発生器など、それぞれの送信機102の集積回路(図示せず)は、アンテナの挙動を制御してもよい。例えば、通信信号118を経由して受信機から受信された情報に基づいて、コントローラ回路は、受信機102及び電子装置122に効率的に電力を供給するだろう電力波116を送信するために用いられる1つ又は複数の特性又は波形特性(例えば、数ある特性の中で振幅、周波数、軌道、方向、位相)のセットを決定してもよい。コントローラ回路はまた、無線電力波116を送信する際に効果的であろうアンテナサブセットをアンテナアレイ110から識別してもよい。別の例として、プロセッサ104に結合されたそれぞれの送信機102の波形発生器回路は、エネルギを変換し、且つコントローラによって識別された波形特性を有する無線電力波116を生成し、次に送信用にアンテナアレイ110に電力波を供給してもよい。
【0062】
[0078] 幾つかの実施形態において、アンテナアレイ110からの相異なるアンテナサブセットは、相異なる位置の受信機120又は電子装置122を充電するために用いられる。幾つかの実施形態において、アンテナアレイ110とは相異なる周波数を備えた相異なるアンテナサブセットは、相異なる位置の受信機120又は電子装置122を充電するために用いられる。例えば、各受信機120又は電子装置122は、アンテナアレイ110からのアンテナサブセットから特定の周波数を受信する。幾つかの実施形態において、相異なるアンテナサブセットからの周波数は、重ならない。幾つかの実施形態において、アンテナアレイ110からの相異なるアンテナサブセットは、相異なる位置の受信機120又は電子装置122のまわりのエネルギのポケットを形成するために用いられる。
【0063】
[0079] 幾つかの実施形態において、電力波の強め合う干渉は、合成波の振幅が、電力波の単一の波の振幅より大きいように、2つ以上の電力波116が、互いに同相であり且つ合成波に集束する場合に、生じる。例えば、多数のアンテナから或る位置に到達した正弦波形の正及び負ピークは、より大きな正及び負ピークを生成するために「結合する」。幾つかの実施形態において、エネルギのポケットは、電力波の強め合う干渉が生じる送信フィールドにおける或る位置で形成される。幾つかの実施形態において、強め合う干渉パターンによって生成されるエネルギのポケットの最大寸法は、5ミリメートル(mm)超、10mm超、15mm超、20mm超、50mm超、100mm超、500mm超、1000mm超、2000mm超、又は5000mm超である。幾つかの実施形態において、特定の送信周波数用に強め合う干渉パターンによって生成されるエネルギのポケットの最大寸法は、半波長を超えるか、1波長を超えるか、5波長を超えるか、10波長を超えるか、100波長を超えるか、1000波長を超えるか、又は10000波長を超える。
【0064】
[0080] 幾つかの実施形態において、電力波の弱め合う干渉は、合成波の振幅が、電力波の単一の波の振幅より小さいように、2つ以上の電力波が、位相が異なり且つ合成波に集束する場合に、生じる。例えば、電力波は、「互いを打ち消し」、それによって、送信フィールドにおける或る位置に集中するエネルギ量を減少させる。幾つかの実施形態において、弱め合う干渉は、電力波が集束する送信フィールド内の或る位置で、無視できるエネルギ量又は「ヌル」を生成するために用いられる。幾つかの実施形態において、「ヌル」空間は、強め合う干渉パターンによって形成されたエネルギのポケットに隣接して生成される。幾つかの実施形態において、弱め合う干渉パターンによって生成される「ヌル」空間の最大寸法は、5mm超、10mm超、15mm超、20mm超、50mm超、100mm超、500mm超、1000mm超、2000mm超、又は5000mm超である。幾つかの実施形態において、特定の送信周波数用に弱め合う干渉パターンによって生成される「ヌル」空間の最大寸法は、半波長を超えるか、1波長を超えるか、5波長を超えるか、10波長を超えるか、100波長を超えるか、1000波長を超えるか、又は10000波長を超える。
【0065】
[0081] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数の送信機102は、2つ以上の別個の送信フィールド(例えば重なる且つ/又は重ならない別個の送信フィールド)を生成する電力波116を送信する。幾つかの実施形態において、第1の送信フィールドは、第1の送信機(例えば送信機102a)の第1のプロセッサ104によって管理され、第2の送信フィールドは、第2の送信機(例えば送信機102b)の第2のプロセッサ104によって管理される。幾つかの実施形態において、2つ以上の別個の送信フィールド(例えば重なる且つ/又は重ならない)は、単一の送信フィールドとして送信機プロセッサ104によって管理される。
【0066】
[0082] 幾つかの実施形態において、通信コンポーネント112は、有線及び/又は無線通信接続を経由して、通信信号118を受信機120に送信する。幾つかの実施形態において、通信コンポーネント112は、受信機120の三角測量用に用いられる通信信号118を生成する。幾つかの実施形態において、通信信号118は、電力波116を送信するために用いられる1つ又は複数の特性を調整するための情報を送信機102と受信機120との間で伝えるために用いられる。幾つかの実施形態において、通信信号118は、1つ又は複数の受信機120に関連するデータトラフィックプロファイル、ステータス、効率、ユーザデータ、電力消費、課金、ジオロケーション、相対的位置に関する情報、及び他のタイプの情報を含む。
【0067】
[0083] 幾つかの実施形態において、受信機120は、送信機(図示せず)を含むか、又は通信信号118を送信機102の通信コンポーネント112に送信するトランシーバの一部である。
【0068】
[0084] 幾つかの実施形態において、通信コンポーネント112(例えば送信機102aの通信コンポーネント112)は、受信機120及び/又は他の送信機102(例えば送信機102b-102n)と通信するための通信コンポーネントアンテナを含む。幾つかの実施形態において、これらの通信信号118は、電力波116の送信用に用いられる信号のチャネルから独立した、送信機102によって送信された信号の別個のチャネルを表す。
【0069】
[0085] 幾つかの実施形態において、受信機120は、受信機側通信コンポーネントによって生成されたそれぞれの通信信号118を通して、様々なタイプのデータを送信機102の1つ又は複数と通信するように構成された受信機側通信コンポーネント144を含む。データは、受信機102及び/若しくは電子装置122用の位置インジケータ、装置122の電力ステータス、受信機102用のステータス情報、電子装置122用のステータス情報、電力波116に関するステータス情報、並びに/又はエネルギのポケット用のステータス情報を含んでもよい。換言すれば、受信機102は、他のタイプの情報を含む他の可能なデータ点の中で、受信機102又は装置122の現在の位置、受信機120によって受信されるエネルギ量、並びに電子装置122によって受信される且つ/又は用いられる電力量を識別する情報を含む、システム100の現在の動作に関するデータを、通信信号118を経由して送信機102に提供してもよい。
【0070】
[0086] 幾つかの実施形態において、通信信号118内に含まれるデータは、電力波116を送信するためにアンテナアレイ110によって用いられる1つ又は複数の特性の調整を決定するために、電子装置122、受信機120、及び/又は送信機102によって用いられる。通信信号118を用いて、送信機102は、例えば、送信フィールド内の受信機120を識別するために、電子装置122を識別するために、電力波用の安全で有効な波形特性を決定するために、且つ/又はエネルギのポケットの配置を磨くために用いられるデータを通信する。幾つかの実施形態において、受信機120は、例えば、受信機120が、送信フィールドに入ったか若しくはまさに入ろうとしていることを送信機102に警報するためのデータを通信するために、電子装置122に関する情報を提供するために、電子装置122に対応するユーザ情報を提供するために、受信電力波116の有効性を示すために、且つ/又は電力波116の送信を調整するように1つ若しくは複数の送信機102が用いる更新された特性又は送信パラメータを提供するために、通信信号118を用いる。
【0071】
[0087] 例として、送信機102の通信コンポーネント112は、ビーコンメッセージ、送信機識別子、電子装置122用の装置識別子、ユーザ識別子、電子装置122用の充電レベル、送信フィールドにおける受信機120の位置、及び/又は送信フィールドにおける電子装置122の位置などの様々な情報を含む1つ又は複数のタイプのデータ(例えば認証データ及び/又は送信パラメータ)を通信(例えば送信及び/又は受信)する。
【0072】
[0088] 幾つかの実施形態において、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128は、電子装置122、受信機120、送信機102、及び/又は送信フィールドの状態を検出及び/又は識別する。幾つかの実施形態において、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128によって生成されたデータは、電力波106を送信するために用いられる1つ又は複数の特性に対する適切な調整を決定するために、送信機102によって用いられる。送信機102によって受信される、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128からのデータは、例えば、生のセンサデータ、及び/又はセンサプロセッサなどのプロセッサ104によって処理されたセンサデータを含む。処理されたセンサデータは、例えばセンサデータ出力に基づいた決定を含む。幾つかの実施形態において、受信機120及び送信機102の外部のセンサから受信されたセンサデータ(熱撮像データ、光学センサからの情報など)もまた用いられる。
【0073】
[0089] 幾つかの実施形態において、受信機センサ128は、方位データ(例えば3軸方位データ)などの生データを提供するジャイロスコープであり、この生データの処理は、方位データを用いて、受信機120の位置及び/又は受信機アンテナ124の位置を決定することを含んでもよい。
【0074】
[0090] 幾つかの実施形態において、受信機センサ128は、(例えば、熱撮像情報を出力する)1つ又は複数の赤外線センサを含んでもよく、この赤外線センサデータの処理は、熱撮像情報に基づいて、人間(例えば人間の存在を示すこと/又は人間の識別を示すこと)又は他の感応対象を識別することを含む。
【0075】
[0091] 幾つかの実施形態において、受信機センサ128は、受信機120及び/又は電子装置122の方位を示すジャイロスコープ及び/又は加速度計を含む。一例として、送信機102は、受信機センサ128から方位情報を受信し、送信機102(又はプロセッサ104など、そのコンポーネント)は、電子装置122が、テーブル上で水平であるか、動いているか、且つ/又は使用中(例えばユーザの頭のすぐ近く)であるかを決定するために、受信された方位情報を用いる。
【0076】
[0092] 幾つかの実施形態において、受信機センサ128は、電子装置122(例えば受信機102から遠隔の電子装置122)のセンサである。幾つかの実施形態において、受信機120及び/又は電子装置122は、信号(例えば、受信機センサ128によって出力されるセンサ信号)を送信機102に送信するために通信システムを含む。
【0077】
[0093] 送信機センサ114及び/又は受信機センサ128の非限定的な例は、例えば赤外線、焦電、超音波、レーザ、光学、ドップラー、ジャイロ、加速度計、マイクロ波、ミリメートル、RF定常波センサ、共鳴LCセンサ、容量性センサ、及び/又は誘導性センサを含む。幾つかの実施形態において、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128用の技術は、人間又は他の感応対象の位置などの立体的なセンサデータを取得する2値センサを含む。
【0078】
[0094] 幾つかの実施形態において、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128は、(例えば、人間と家具などの他の対象とを区別できる)人間の認識用に構成される。人間の認識に対応するセンサによって出力されたセンサデータの例は、体温データ、赤外線距離計データ、運動データ、活動認識データ、シルエット検出及び認識データ、ジェスチャーデータ、心拍数データ、携帯型装置データ、並びに着用可能装置データ(例えば生物測定の読み取り値及び出力、加速度計データ)を含む。
【0079】
[0095] 幾つかの実施形態において、送信機102は、人間被験者用の電磁界(EMF)曝露保護標準に関する遵守を保証するために、電力波116を送信するために用いられる1つ又は複数の特性を調整する。最大曝露限界は、電力密度限界及び電界限界(磁界限界と同様に)の観点から、米国及び欧州標準によって定義される。これらは、例えば、最大許容曝露量(MPE)用に米国連邦通信委員会(FCC)によって確立された限界、及び放射線被爆用の欧州規制当局によって確立された限界を含む。MPE用にFCCによって確立された限界は、連邦規則集第47編第1.1310で成文化される。マイクロ波範囲における電磁界(EMF)周波数用に、電力密度は、曝露の強度を表現するために用いることができる。電力密度は、単位エリア当たりの電力として定義される。例えば、電力密度は、平方メートル当たりのワット(W/m)、平方センチメートル当たりのミリワット(mW/cm)、又は平方センチメートル(μW/cm)当たりのマイクロワットの点から一般に表現することができる。幾つかの実施形態において、送信機センサ114及び/又は受信機センサ128からの出力は、人間又は他の感応対象が、電力送信領域(例えば送信機102の所定の距離、送信機102によって生成された電力波、及び/又はエネルギのポケット内の位置)に入ったかどうかを検出するために、送信機102によって用いられる。幾つかの実施形態において、人間又は他の感応対象が、電力送信領域に入ったという検出に応じて、送信機102は、(例えば電力波送信を中止すること、電力波送信を低減すること、及び/又は電力波の1つ又は複数の特性を調整することによって)1つ又は複数の電力波116を調整する。幾つかの実施形態において、人間又は他の感応対象が、電力送信領域に入ったという検出に応じて、送信機102は、(例えば、送信機102のコンポーネントであるラウドスピーカに、又は送信機102から遠隔の警報装置に信号を送信することによって)警報を作動させる。幾つかの実施形態において、人間又は他の感応対象が、電力送信領域に入ったという検出に応じて、送信機102は、システムログ又は管理コンピューティング装置にデジタルメッセージを送信する。
【0080】
[0096] 幾つかの実施形態において、アンテナアレイ110は、アンテナアレイを集合的に形成する多数のアンテナ素子(例えば構成可能な「タイル」)を含む。アンテナアレイ110は、電力送信信号、例えばRF電力波、超音波電力波、赤外線電力波、及び/又は磁気共鳴電力波を生成する。幾つかの実施形態において、アンテナアレイ110の(例えば、送信機102aなどの単一送信機の、且つ/又は送信機102a、102b、...、102nなどの多数の送信機の)アンテナは、定義された位置(例えば受信機120の検出された位置に対応する位置)で交差する2つ以上の電力波を送信し、それによって、定義された位置でエネルギのポケット(例えばエネルギの集中)を形成する。
【0081】
[0097] 幾つかの実施形態において、送信機102は、アンテナアレイ110の構成アンテナが、相異なるタスク(例えば、以前に検出されなかった受信機120の位置を決定すること及び/又は1つ又は複数の受信機120に電力波116を送信すること)を実行するように、アンテナアレイ110のアンテナ素子における第1のサブセットに第1のタスクを割り当て、アンテナアレイ110のアンテナ素子における第2のサブセットに第2のタスクを割り当てるなどを行う。一例として、10のアンテナを備えたアンテナアレイ110において、9つのアンテナは、エネルギのポケットを形成する電力波116を送信し、10番目のアンテナは、送信フィールドにおける新しい受信機を識別するために、通信コンポーネント112と協力して動作する。別の例において、10のアンテナ素子を有するアンテナアレイ110は、5つのアンテナ素子の2つのグループに分割され、そのそれぞれは、送信フィールドにおける2つの相異なる受信機120に電力波116を送信する。
【0082】
[0098] 図2は、幾つかの実施形態による、例示的な無線電力送信システム200のブロック図である。幾つかの実施形態において、無線電力送信システムは、無線電力受信機220(例えば「PwrRx」)と通信する無線電力送信機210(例えば「PwrTx」)を含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、無線電力受信機220に電力を供給するために、且つ/又は無線電力受信機220のバッテリを充電するために、周波数帯域を介して無線電力信号(例えば「Power」)を送信する。幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、無線電力送信機210と無線電力受信機220との間の無線電力送信を管理するための電力制御データ(例えば「Pwr Control Data」)を含む無線データ信号を無線電力受信機220と交換する。幾つかの実施形態において、無線電力信号は、無線電力送信機210と無線電力受信機220との間の無線データ信号と同じ周波数帯域を用いて送信される。
【0083】
[0099] 幾つかの実施形態において、無線電力受信機220は、図1に関連して論じられたような受信機120と同じである。幾つかの実施形態において、無線電力受信機220は、送信機210から受信された無線電力信号を電力に変換する電力受信機ユニット(例えば図1の整流器125及び電力変換器126を含む「電力受信機」)を含む。幾つかの実施形態において、無線電力受信機220は、受信機220で受信された無線電力信号を監視し、受信機220は、受信機220で受信された無線電力信号の1つ又は複数の特性に関して送信機210と通信する、且つ送信機210から受信されたコマンドに応答する通信コントローラを更に含む。幾つかの実施形態において、無線電力信号を受信するために用いられる受信機220のアンテナは、無線データ信号を送信機210と通信するために用いられるアンテナと別個である。代替として、無線電力信号を受信するために用いられる受信機220のアンテナは、無線データ信号を送信機210と通信するために用いられるアンテナと同じである。
【0084】
[00100] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、図1に関連して論じられたような送信機102と同じである。幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、1つ又は複数の無線電力受信機を同時に支援してもよい。幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、或る周波数帯域における送信用の無線電力信号を生成するように、且つ無線電力信号の変調及び電力レベルを制御するように構成された電力コントローラを含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信機210は、無線電力送信を制御し監視するために、無線電力制御データ(例えば「Pwr Control Data」)を受信機220と交換するように無線電力受信機220との通信チャネルを確立し維持する通信コントローラを更に含む。例えば、送信機210の通信コントローラは、図2に示されているような制御パイプを介して、電力コントローラによって生成された無線電力信号の1つ又は複数の特性を受信することができる。別の例において、通信コントローラは、無線電力受信機220からコマンド(例えば受信機220で受信される無線電力信号を調整する要求を含む「Pwr Control Data」)を受信し、次に、受信機220から受信された要求に従って無線電力信号の1つ又は複数の特性を調整するために、制御パイプを介して電力コントローラに制御コマンドを送ることができる。
【0085】
[00101] 幾つかの実施形態において、図2に示されているような無線電力送信システムは、専用無線電力送信機210(例えば「専用PwrTx」)を含む専用無線電力送信システムである。何故なら、送信機210の通信コントローラが、中間で(例えば制御パイプを通じて)無線電力及びデータ通信を制御し監視するために、送信機210と受信機220との間の制御チャネルを確立するために用いられるからである。送信機210の通信コントローラは、(本明細書の他のところで論じられるような)アプリケーションデータなどの他のタイプのデータを受信も送信もしない。幾つかの実施形態において、無線電力信号を送信するために用いられる送信機210のアンテナは、無線データ信号を受信機220と通信するために用いられるアンテナとは別個である。代替として、無線電力信号を送信するために用いられる送信機210のアンテナは、無線データ信号を受信機220と通信するために用いられるアンテナと同じである。
【0086】
[00102] 図3は、幾つかの実施形態による、例示的な無線電力送信システム300のブロック図である。幾つかの実施形態において、無線電力送信システム300は、電力受信機330と通信する無線電力送信機310を含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信システム300は、統合無線電力送信機310(例えば、「統合PwrTx」)を含む統合無線電力送信システムである。何故なら、送信機310が、無線電力信号の送信に加えて、多数の機能を支援するホストシステム350(例えばデスクトップコンピュータ)と統合されるからである。図1に示されているような幾つかの実施形態において、受信機330は、Bluetooth、Zigbee、Wi-Fiなど、或る周波数帯域のデータチャネルを通じてアプリケーションデータを別の電子装置と交換する電子装置340(データ通信装置又はアプリケーション装置とも呼ばれる)と関連付けられる(例えば統合される)。幾つかの実施形態において、アプリケーションデータは、限定するわけではないが、Bluetooth高度オーディオ配信プロファイル(A2DP)プロトコルを介して、2つの電子装置(例えばBluetooth Low Energy(BLE)ヒューマンインターフェース装置(HID))間で送信されるオーディオデータ、ビデオデータ、及び/又はテキストデータを含む。例えば、電子装置は、オーディオデータをホストシステム350と交換するBluetooth無線ヘッドセットであり、Bluetooth無線ヘッドセットはまた、Bluetoothヘッドセットを充電し且つ/又はそれに電力を供給するために、無線電力送信機310から無線電力信号を受信する無線電力受信機を含む。
【0087】
[00103] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機310は、無線電力送信を制御し監視するために、受信機330と無線電力制御データ(例えば「Pwr Control Data」)を交換するように無線電力受信機330との制御通信チャネルを確立し維持する通信コントローラを含む。幾つかの実施形態において、送信機310は、通信コントローラをホストシステム350と共有し、通信コントローラは、ホストシステム350と電子装置340との間のデータチャネルを介して、アプリケーションデータ(例えばオーディオデータ、ビデオデータ、テキストデータ等)を交換するデータチャネル更に確立する。幾つかの実施形態において、アプリケーションデータは、ホストシステム350と電子装置340との間の特有のアプリケーションである。例えば、アプリケーションデータは、コンピュータとBluetoothヘッドセットとの間のオーディオデータである。幾つかの実施形態において、アプリケーションデータは、無線電力信号及び電力制御データと同じ周波数帯域を介して送信され、干渉、並びに無線充電及び/又は無線データサービスの性能の低減又は拒否に帰着する可能性がある。
【0088】
[00104] 図4は、幾つかの実施形態による、バッテリ切れの動作状態における例示的な無線電力送信システム400の概略図である。無線電力送信システム400は、図1~3に関連して論じられたそれぞれの無線電力受信機及び無線電力送信機に似ている無線電力受信機410及び無線電力送信機420を含む。幾つかの実施形態において、無線電力受信機410のバッテリ又は無線電力受信機410と統合された電子装置のバッテリは、消耗され(例えば無給電、バッテリ切れ)、従って、制御チャネルも通信チャネルも、受信機410と送信機420との間で利用可能ではない。
【0089】
[00105] 幾つかの実施形態において、送信機420は、対象検出手順を用いて、近くの受信機410を含む電子装置を検出する。例えば、受信機410を含む電子装置は、送信機420上に直接配置されるか、又は送信機420からの所定の距離内に配置される。幾つかの実施形態において、送信機420は、送信機420における反射電力の測定値を用いて、受信機410が、送信機420の近くにあることを検出し、且つ受信機410が、送信機420の所定の距離内(例えば、送信機420の表面から1~2インチ(2.54~5.08cm)内)に配置されたと決定する。受信機410を検出すると、送信機420は、デフォルト特性を備えた無線電力信号(例えば「Power」)を受信機410に送信する。幾つかの実施形態において、送信機420は、受信機410と送信機420との間の通信チャネルを再開するための十分な期間にわたって、無線電力信号を受信機410に送信する。幾つかの実施形態において、送信機420は、受信機410が、無線電力制御信号(例えば電力制御データ、受信機410で受信された無線電力信号の1つ若しくは複数の特性、及び/又は無線電力信号の特性を調整する要求)を送信機420に提供するまで、無線電力信号を受信機410に送信する。
【0090】
[00106] 幾つかの実施形態において、制御チャネル又は通信チャネルが、受信機410と送信機420との間で利用可能になった場合に、送信機420は、図5に関連して論じられたような活性動作状態に遷移する。バッテリ切れの動作状態において、無線電力信号の送信とデータ信号(例えば電力制御データ、トラフィックプロファイルデータ、及び/又はアプリケーションデータ)の送信との間の干渉は、送信機420が、(図3に示されたように)ホストシステム内の統合送信機である場合に、回避され得る。
【0091】
[00107] 図5は、幾つかの実施形態による、アプリケーションデータ送信のない活性動作状態における例示的な無線電力送信システム500の概略図である。この活性状態において、送信機510は、システム500内のどんなアプリケーションデータ通信にも気付かない。アプリケーションデータチャネル用の共存緩和は存在しない。代わりに、電力制御データを送信するための電力制御チャネルが、送信機520と受信機510との間に存在するので、共存緩和は、この状態において、同じ周波数帯域を介した無線電力信号及び電力制御データの送信間の調停に主として集中される。
【0092】
[00108] 幾つかの実施形態において、送信機520は、受信機510を検出し、且つ受信機510への接続を確立する。ひとたび制御チャネルが、送信機520と受信機510との間で確立されると、電力制御メッセージ(例えば電力制御データ)が、送信機520から受信機510に送信される無線電力を設定し最適化するために、制御チャネルを介して交換される。電力送信が確立され最適化された後で、電力制御は、イネーブルにされ、送信機520は、無線電力信号を受信機510に送信する。幾つかの実施形態において、受信機510は、受信機510で受信された無線電力信号を積極的に監視し、且つ受信機510で受信された無線電力信号の特性に関して、制御チャネルを通して送信機520と通信する。
【0093】
[00109] 幾つかの実施形態において、同じ周波数帯域を用いる無線電力信号及び電力制御データの送信間の(例えば電力及び/又はデータ信号をいつ送信するかを決定するための)共存調停プロセス中に、無線電力信号の送信は、電力制御データが、電力制御チャネルを用いて送信機520と受信機510との間で送信される場合に、一時停止される。幾つかの実施形態において、この共存調停は、小量の電力制御データが、送信機520と受信機520との間で送信される必要がある場合に、起こり得る。例えば、送信機520による無線充電の効率が、劇的に低下しているか、又は所定の閾値未満に落ちたことを受信機510が検出した場合に、受信機510は、無線電力信号の特性を調整するコマンドを含む電力制御メッセージを送信機520に送ってもよい。システム500は、受信機510及び送信機520が、無線電力信号送信を調整し最適化するために、電力制御データを更に交換する場合に、無線電力信号送信を一時停止してもよい。ひとたび最適化プロセスが完了すると、無線電力信号の送信は、再開されてもよい。
【0094】
[00110] 図6~9は、幾つかの実施形態による、無線電力送信及びアプリケーションデータ送信の両方を含むそれぞれの活性動作状態における例示的な無線電力送信システムの概略図である。幾つかの実施形態において、送信機は、トラフィック(例えば、無線電力信号、電力制御データ、及びアプリケーションデータの送信を含む)の多数のチャネルに気付いている。幾つかの実施形態において、送信機は、アプリケーションデータ送信と関係する情報と共に無線電力送信と関係する情報を集め、且つ無線電力送信とアプリケーションデータ送信との間の干渉を緩和するために、共存技法を適用する。
【0095】
[00111] 図6における且つ図3に関連する無線電力送信システム600に示されているような幾つかの実施形態において、送信機620(例えば「PwrTx」)は、電力制御データ及びアプリケーションデータを受信機610(例えば「PwrRx」)又は受信機610に関連する電子装置に送信するために、同じ通信コントローラを用いる。幾つかの実施形態において、送信機620は、ホストシステム内の統合送信機620からのトラフィックプロファイルコマンドと同様に、送信機620の通信コントローラからのハードウェア(HW)信号に基づいたデータトラフィックプロファイルを取得する。幾つかの実施形態において、データトラフィックは、送信機620の通信コントローラのタイマーに同期し、従って同期技法は、要求されない。
【0096】
[00112] 図7における且つ更に図3に関連する無線電力送信システム700に示されているような幾つかの実施形態において、アプリケーションデータトラフィックは、送信機720の通信コントローラを介して、電子装置730(例えば「ComDev」)と統合送信機720(例えば「PwrTx」)との間でルーティングされる。幾つかの実施形態において、通信コントローラはまた、電力制御データを管理し送信するために用いられる。幾つかの実施形態において、送信機720は、ホストシステム(例えば図3のホストシステム350)内の統合送信機720からのトラフィックプロファイルコマンドと同様に、送信機720の通信コントローラからのハードウェア(HW)信号に基づいたデータトラフィックプロファイルを取得する。幾つかの実施形態において、送信機720は、アプリケーションを適合させるために、統合送信機720に関連するホストシステム(例えば図3のホストシステム350)から(例えばアプリケーションデータ用の)トラフィックプロファイルコマンドを更に取得する。幾つかの実施形態において、電子装置730間のデータトラフィックタイミングは、送信機720の通信コントローラのタイマーと同期していない可能性があり、従って同期技法が、適用される必要があり得る。
【0097】
[00113] 図8における且つ更に図3に関連する無線電力送信システム800に示されているような幾つかの実施形態において、電子装置830(例えば「ComDev」)は、無線電力受信機810(例えば「PwrRx」)と関連付けられる。例えば、電子装置830は、無線電力受信機810を含むBluetoothヘッドセットである。幾つかの実施形態において、アプリケーションデータトラフィックは、無線電力送信機820(例えば「PwrTx」)の通信コントローラを通過せず、従って送信機820は、図6~7に関連して論じられたようなトラフィックプロファイルコマンドを受信しない。幾つかの実施形態において、送信機820は、受信機810からトラフィックプロファイルを取得し、送信機820は、電子装置830と、(例えば電子装置830と結合された)受信機810との間のトラフィックプロファイルを推測することができる。幾つかの実施形態において、受信機810は、制御チャネル(例えば「Ctrl Channel」)を通じてトラフィックプロファイルコマンドを送信機820に送る。幾つかの実施形態において、受信機810上のソフトウェアアプリケーションはまた、制御チャネルを通じて追加トラフィックプロファイルコマンドを送信機820に送ってもよい。幾つかの実施形態において、データトラフィックは、送信機820の通信コントローラのタイマーと同期せず、従って同期技法が、適用される必要があり得る。
【0098】
[00114] 図9における且つ更に図3に関連する無線電力送信システム900に示されているような幾つかの実施形態において、無線電力送信機920(例えば「PwrTx」)は、上記の図6~8に関連して論じられたのと同様のプロセスにおいてトラフィックプロファイル情報を取得する。幾つかの実施形態において、無線電力送信システム900は、図9に示されているように、無線電力受信機910(例えば「PwrRx」)に結合された電子装置930(例えば「ComDev930」)、及び送信機920に結合された電子装置940(例えば「ComDev940」)などの多数の電子装置を含む。幾つかの実施形態において、電子装置930は、受信機910とアプリケーションデータを交換し、電子装置940は、送信機920とアプリケーションデータを交換する。電子装置930のアプリケーションデータは、電子装置940のアプリケーションデータとは別個である。幾つかの実施形態において、送信機920は、無線電力送信システム900内のトラフィックプロファイル(例えば、無線電力信号及び無線データ信号を含む)の相異なるストリームを集め、且つ様々なデータトラフィックプロファイルの共存用の、後で本開示にて論じられるように調停機構を適用する。幾つかの実施形態において、同じ周波数帯域を用いる共有媒体上の様々なデータストリームの負荷サイズゆえに、送信機920は、負荷の平衡を保つために、適宜に、その優先度又は電力レベルを低下させることを選択してもよい。
【0099】
[00115] 図10Aは、幾つかの実施形態による、単一通信コントローラ1010を含む例示的な無線電力送信機1000の概略図である。図10Bは、幾つかの実施形態による複数の通信コントローラ(例えば通信コントローラ1060及び1070)を含む例示的な無線電力送信機1050の概略図である。幾つかの実施形態において、トラフィックプロファイルは、アプリケーションデータトラフィック(例えばトラフィックプロファイル若しくはデータトラフィックプロファイル)又は電力送信(例えば電力プロファイル)のストリームの決定論的なタイミングパターンを定義するパラメータセットを含む。幾つかの実施形態において、無線電力信号送信と、電力制御データと、アプリケーションデータ通信との間の干渉をうまく緩和するために、送信機は、調停決定を決めるために、同時データ送信のトラフィックプロファイルを取得する。幾つかの実施形態において、送信機は、ハードウェア(HW)パケットタイミング調停(PTA)信号からトラフィックプロファイルを取得する。図10Aに示されているような一例において、送信機1000の通信コントローラ1010は、HW PTA信号を調停信号(例えばIEEE802.2)として電力コントローラ1020に供給する。図10Bに示されているような別の例において、通信コントローラ1060及び1070は、調停信号(例えばIEEE802.2)を電力コントローラ1080に供給する。幾つかの実施形態において、通信コントローラは、電力送信を直接変調するために用いられる、高優先度無線電力信号「PRI」を制御するための電力制御データ、及び低優先度無線電力信号「ACT」を制御するための電力制御データなどの多数の共存制御信号を通して、追加のリアルタイムトラフィック活動を電力コントローラに更に提供する。
【0100】
[00116] 幾つかの実施形態において、電力プロファイルプロトコルは、同期の維持と同様に、通信の各ストリーム(例えばアプリケーションデータストリーム、電力制御データストリーム、又は無線電力信号)用のトラフィックプロファイルを備えた、送信機を構成するためのコマンド及び手順のセットを含む。幾つかの実施形態において、対応するトラフィックプロファイルが、電力コントローラに送られ得、電力コントローラが、トラフィックパターンを正確にモデル化できるように、幾つかのトラフィックパターンは、決定論的且つ周期的である。
【0101】
[00117] 図11は、幾つかの実施形態による、例示的なトラフィックプロファイルの概略図である。幾つかの実施形態において、トラフィックプロファイルは、少なくとも次の情報を提供する。
● 期間-データトラフィック送信のフレーム間の期間
● 窓-データトラフィックが存在すると予想されるフレームのサイズ
● オフセット-電力コントローラクロックタイミングからのタイミング差又は電力コントローラのタイミングからの特定の時点
● 優先度-他のストリームに対するこのトラフィックストリームの相対的優先度
● クロック源-どのクロックタイミング(例えば電力コントローラタイミング、又はタイミングが電力コントローラ対して移動し得る外部装置)が用いられるか示す。
【0102】
[00118] 幾つかの実施形態において、電力プロファイル情報は、ホストシステム(「ホスト」)、通信コントローラ、又は無線電力受信機(図示せず)によって提供することができる。幾つかの実施形態において、電力プロファイルプロトコルは、送信機と直接通信する又は間接的に通信する相異なる装置から取得されてもよい。例えば、電力プロファイルプロトコルは、受信機と結合された電子装置から取得されてもよく、従って、コマンドは、電子装置から送られ、且つ受信機を通して送信機に転送されてもよい。
【0103】
[00119] 幾つかの実施形態において、トラフィックタイミング情報は、共通クロックに対して同期され、トラフィックプロファイルは、このクロックに対して再マッピングされる。幾つかの実施形態において、トラフィックタイミング同期は、同期手順及び/又はクロックドリフト補償手順を用いて実行される。
【0104】
[00120] 図12は、幾つかの実施形態による、トラフィックプロファイル情報及びハードウェア(HW)共存信号に基づいた調停の概略図である。幾つかの実施形態において、調停は、無線電力送信機が、データトラフィック(例えば電力制御データ及び/又はアプリケーションデータ)との競合を回避するために、自らの無線電力送信を変調する場合である。送信機は、サービス品質(QoS)ポリシーを維持するために、HW共存信号と組み合わせてトラフィックプロファイル情報を利用する。
【0105】
[00121] 幾つかの実施形態において、トラフィックプロファイルプロトコルは、送信機上でトラフィックパターンをローカルに生成するために十分な情報を提供する。幾つかの実施形態において、HW共存信号は、それらが、他のトラフィックプロファイルと一緒に分類され、且つ単一グループプロファイル(即ち論理OR)に結合され得るように、トラフィックプロファイルのハードウェア等価物として扱われる。例えば、図12に示されているように、高優先度を備えた無線電力信号は、単一グループプロファイル「OR_PRI」を生成するために、HW共存信号(例えば高優先度無線電力信号「PRI」を制御するための電力制御データ)と組み合わせることができる。別の例において、低優先度を備えた無線電力信号は、信号グループプロファイル「OR_ACT」を生成するために、HW共存信号(例えば低優先度無線電力信号「ACT」を制御するための電力制御データ)と組み合わせることができる。
【0106】
[00122] 図13は、幾つかの実施形態による、例示的な充電率プロファイルアルゴリズムを示す概略図である。幾つかの実施形態において、最小充電率が維持されることを保証するために、送信機は、調停信号(例えば「CHG_ENABLE」)に基づいて、充電率プロファイルセットを生成することができる。幾つかの実施形態において、最小充電率用のプロファイルを生成するための例示的なアルゴリズムは、次のものを含む。
1)内部カウンタ(例えば「CHG_CNT」)は、送信機が、電力を送信していない(例えば「CHG_ENABLE==0」)場合に、構成可能な最大値(例えば「CNT_MAX」)までインクリメントし(CHG_CNT=CHG_CNT+1)、且つ送信機が電力を送信している(例えば「CHG_ENABLE==1」)場合に、ゼロまでデクリメントする(例えばCHG_CNT=CHG_CNT-1)。
2)次に、信号CHG_PRI(例えば高優先度無線電力信号を制御するための電力制御信号)、及び信号CHG_ACT(例えば低優先度無線電力信号を制御するための電力制御信号)は、CHG_CNT及びその閾値に基づいて生成される。
a)カウンタ値(例えば「CHG_CNT」)>=CHG_PRI用の高閾値(例えば「PRI_THRESH_HIGH」)である場合に、充電CHG_PRIは、カウンタ値が、CHG_PRI用の低閾値未満(例えば「CHG_PRI=1及びPRI_THRESH_LOW>=CHG_CNT」)に落ちるまでアサートされ(例えば「CHG_PRI=1」)、次に、CHG_PRI=0で一時停止する。
b)カウンタ値(例えば「CHG_CNT」)>=CHG_ACT用の高閾値(例えば「ACT_THRESH_HIGH」)である場合に、充電CHG_ACTは、カウンタ値が、CHG_ACT用の低閾値未満(例えば「CHG_ACT=1及びACT_THRESH_LOW>=CHG_CNT」)に落ちるまでアサートされ(例えば「CHG_ACT=1」)、次に、CHG_ACT=0で一時停止する。
c)高閾値は、ヒステリシス用の低閾値より大きい必要がある。例えば、PRI_THRESH_HIGH>PRI_THRESH_LOW、及びACT_THRESH_HIGH>ACT_THRESH_LOW。
【0107】
[00123] 図14は、幾つかの実施形態による、例示的な組み合わされた充電プロファイルを示す概略図である。幾つかの実施形態において、受信機によって検出される充電プロファイル(例えば高優先度無線電力信号「CHG_PRI」用の充電プロファイル及び/又は低優先度無線電力信号「CHG_ACT」)用の充電プロファイルはまた、フィードバック用の受信機電力サンプリング中に電力送信を保証するために、送信調停に含むことができる。これらの充電プロファイルは、無線電力信号が送信され、受信機で受信された後で、充電プロファイルが取得されることを除いて、無線電力信号とデータトラフィックとの間の競合を解決するために用いられる電力プロファイルに似ている。次に、これらの充電プロファイル信号は、充電率プロファイルアルゴリズムと組み合わされる。例えば、(例えば受信機によって検出される)CHG_PRIは、組み合わされたプロファイル「OR_CHG_PRI」を取得するために、「OR」論理下で、高優先度無線電力信号用の充電プロファイル(例えば「高優先度における充電プロファイル」(例えば送信機の電力コントローラから取得されてもよい)と組み合わされる。別の例において、(例えば受信機によって検出される)CHG_ACTは、組み合わされたプロファイル「OR_CHG_ACT」を取得するために、「OR」論理下で、低優先度無線電力信号用の充電プロファイル(例えば「低優先度用の充電プロファイル」)(例えば、送信機の電力コントローラから取得されてもよい)と組み合わされる。
【0108】
[00124] 図15は、幾つかの実施形態による、例示的な優先度調停アルゴリズムを示す概略図である。幾つかの実施形態において、全ての信号(例えば、OR_CHG_PRI、OR_CHG_ACT、OR_PRI、及びOR_ACTを含む)は、次に、図15に示されているような優先度調停信号CHG_ENABLEを生成するために計算され得る。幾つかの実施形態において、CHG_ENABLEは、(OR_PRI若しくはOR_ACT)’か、(OR_CHG_ACT及びOR_PRI’)か、又は(OR_CHG_PRI)の場合にアサートされる。幾つかの実施形態において、無線電力送信が、CHG_ENABLEがアサートされる場合に、共有媒体を取る。そうでなければ、データ通信が、共有媒体を取る。図16は、幾つかの実施形態による、優先度調停アルゴリズムを適用した結果として、優先度調停波形を示す。
【0109】
[00125] 図17は、幾つかの実施形態による、図12、14及び15に示されているような調停サブシステムを含む例示的な調停システムを示す概略図である。幾つかの実施形態において、図17に示されているような調停システムは、図14で論じられたような組み合わされた充電プロファイルと、図12で論じられたような組み合わされた電力プロファイルと、図15で論じられたような優先度調停サブシステムと、を含む。幾つかの実施形態において、図17におけるダイアグラムは、ハードウェア信号PRI及びACTが、電力及び充電プロファイルから生成された内部信号、並びに最終出力CHG_ENABLEに接続されるポイントを示す。
【0110】
[00126] 図18は、幾つかの実施形態による、高~低電力レベル緩和プロセスを示す例示的な無線電力送信システムの概略図である。幾つかの実施形態において、無線電力信号が、図18の左部分に示されているような高電力レベルで送信機から受信機に送信される場合に、かかる無線電力送信は、より大きな破線楕円によって示されているように、より大きなエリアに且つ大きな程度でデータ通信と干渉し得る。例えば、無線電力送信は、電子装置「ComDev」のアプリケーションデータと干渉し、且つ高ビット誤りに帰着し得る。幾つかの実施形態において、無線電力信号が、図18の右部分に示されているように、低電力レベルで送信機から受信機に送信される場合に、かかる無線電力送信は、より小さな破線楕円によって示されているように、より小さなエリアに且つより小さい程度でデータ通信と干渉し得る。例えば、無線電力送信は、電子装置「ComDev」のアプリケーションデータと干渉をしない可能性があるか、又は電子装置のアプリケーションデータとそれほど干渉せず、低ビット誤りに帰着する可能性がある。
【0111】
[00127] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機(例えば「PwrTx」)は、近くの他の電子装置(例えば「ComDev」)に対するその干渉エリアを低減するために(図18において左から右に縮んでいる破線楕円によって示されているように)、電力送信中にそのピーク電力レベルを低下させてもよい。幾つかの実施形態において、これは、ComDevにおける無線電力送信とアプリケーションデータ通信との間の緩和された干渉(例えばビット誤り率を改善する)と交換に、無線電力受信機の充電率を効果的に引き下げる可能性がある。
【0112】
[00128] 幾つかの実施形態において、送信機は、無線電力送信負荷(例えば電力プロファイルの数及び負荷の活動)並びに統計(例えばビット誤り率、パケット誤り率)の自らの評価に基づいて、無線電力レベルを下げるかどうか、いつ無線電力レベルを下げるか、及び無線電力送信レベルをどれほど下げるかを決定する。幾つかの実施形態において、送信機は、無線電力送信とデータ通信との間のバランスを最適化するために、電力制御及び調停の組み合わせを用いてもよい。
【0113】
[00129] 図19Aは、幾つかの実施形態による、無線電力送信の方法1900を示す流れ図である。方法1900の動作(例えばステップ)は、無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナ(例えば図1のアンテナアレイ110)を有する無線電力送信装置(例えば「無線電力送信機」、「送信機」とも呼ばれる図1の送信機102)と、1つ又は複数のプロセッサ(図1のプロセッサ104)と、無線データトランシーバ(例えば図1の通信コンポーネント112)と、によって実行されてもよい。幾つかの実施形態において、図19Aに示されている動作の少なくとも幾つかは、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば図1の送信機102のメモリ104)に格納された命令に対応する。
【0114】
[00130] 幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、1つ又は複数のアンテナと同じハウジングに、コントローラ(1つ又は複数のプロセッサを備えた)及び無線データトランシーバを含む。幾つかの実施形態において、コントローラ及び無線データ通信コンポーネントは、1つ又は複数のアンテナを含むハウジングとは別のハウジングにあってもよい。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置の他のコンポーネントと同じハウジングにコントローラ及び無線データトランシーバを含む代わりに、コントローラ及び/又は無線データトランシーバは、無線電力送信装置と通信する、且つ無線電力送信装置の動作を制御するように構成される別個のホスト装置に含むことができる。
【0115】
[00131] 無線電力送信機は、無線電力受信装置(例えば「無線電力受信機」、「受信機」とも呼ばれる図1受信機120)が、無線電力送信装置の近くに位置することを検出する(1902)。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、充電パッドであり、無線電力送信装置は、無線電力受信機(例えばBluetoothヘッドセット又は携帯電話)が充電パッドに配置されていることを検出する。
【0116】
[00132] 無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くに位置することを検出した後で、無線電力送信装置は、無線電力受信装置に関連するデータトラフィックプロファイルを確立する(1904)。幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルは、無線データトランシーバを用いて、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で所定の周波数帯域を通じて交換される(又は活発に交換されている)データ信号の識別を含む。幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルは、相異なる装置間で交換されることになるデータ信号を表すために用いられるデータ構造である。幾つかの実施形態において、1つを超えるデータトラフィックプロファイルが生成される。
【0117】
[00133] 無線電力送信装置は、データトラフィックプロファイルに基づき、所定の周波数帯域を通じて、無線電力信号を無線電力受信装置に送信する時間窓を1つ又は複数のプロセッサによって更に決定する(1906)。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、図12、14~15及び17に関連して論じられたような電力信号をいつ送信するかを識別する組み合わされたプロファイルを構築する。
【0118】
[00134] 決定された時間窓において、無線電力送信機は、所定の周波数帯域を通じて、1つ又は複数のアンテナによって無線電力信号を無線電力受信装置に送信する(1908)。
【0119】
[00135] 幾つかの実施形態において、交換されるデータ信号の識別は、各それぞれのデータ信号用のそれぞれのデータタイプ(例えばオーディオデータ、ビデオデータ、テキストデータ等)を識別する情報と、各それぞれのデータ信号が交換されることになる時点と、を含む。
【0120】
[00136] 幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルを確立することは、データ信号の各々のためのそれぞれのデータタイプの各々に基づいて、無線電力送信機によってデータ信号を分類することを含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、次に、データ信号のそれぞれのためにそれぞれの優先度レベルを決定する。例えば、ビデオアプリケーションが、無線電力受信機と結合された電子装置上を走行している場合に、ビデオデータは、より高い優先度を与えられ、テキストデータは、より低い優先度を有する。別の例において、データ受信が制限される場合に、テキストデータは、より高い優先度を与えられてもよく、一方でビデオデータ及びオーディオデータは、より低い優先事項を与えられる。データタイプ、及びそれぞれのデータタイプに関連する確立された優先度レベルは、データトラフィックプロファイルを確立するために用いられる。
【0121】
[00137] 幾つかの実施形態において、無線電力信号を第1の無線電力受信装置に送信する時間窓は、高優先度レベルを備えたデータ信号が交換されることにならない時間窓である。
【0122】
[00138] 幾つかの実施形態において、それぞれの時間窓中に、且つ高優先度レベルを備えたデータ信号が、それぞれの時間窓中に交換されることになるという決定に従って、無線電力信号を送信している間に、無線電力送信機は、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を一時停止する。
【0123】
[00139] 幾つかの実施形態において、無線電力受信装置の充電レベル(現在のバッテリレベル又は現在の充電率)が、充電レベル閾値未満であるという決定に従って、無線電力送信機は、無線電力受信装置への無線電力信号の送信を再開する。幾つかの例において、優先度データが失われた場合に(例えば、ビット誤りが高い)、無線電力送信機は、無線電力充電の送信がアイドル状態である場合に、優先度データを再送する。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、無線電力受信機の充電レベルが低すぎる(例えば、所定の閾値より低い)ので、(高優先度データ用でさえ)データ送信を中断することを選択する。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、次に、送信されないか又は不完全にしか送信されないデータ信号(即ち情報の損失が多過ぎる)など、データ送信が、否定的な影響を受けたかどうかを監視する。幾つかの実施形態において、複数の無線電力信号を無線電力受信装置に送信している間に、高優先度レベルに関連するデータ信号セットが失われたという決定に従って、無線電力送信機は、次の電力送信アイドル期間中に、無線電力受信装置へのデータ信号セットの送信をスケジューリングする。
【0124】
[00140] 幾つかの実施形態において、無線電力信号の送信の再開と共に、無線電力送信機は、データ信号の受信が中断され得るという通知を無線電力受信装置のユーザに提供する。例えば、ユーザは、無線充電の再開が、ユーザのデータトラフィック、例えばユーザが対話しているオーディオデータ又はビデオデータを中断することを通知される。幾つかの実施形態において、高優先度を備えたデータ信号が、送信に関して未完であり、且つ無線充電の再開が、優先データトラフィックを一時停止するという決定に従って、無線電力送信機は、データ信号の送信の一時停止をユーザに知らせる通知を更に提供する。幾つかの実施形態において、ユーザは、データ送信を後で、例えば10分で再開するための時刻を選ぶことを選択してもよい。幾つかの実施形態において、システムは、データ送信を維持しながら最小の充電率を維持するために、交互的な充電及びデータ送信を実施してもよい。
【0125】
[00141] 幾つかの実施形態において、無線電力受信機が、長過ぎる間充電され(例えば、所定の期間より長く)、且つデータが、送信されるのを並んで待っていると無線電力送信機が判定した場合に、無線電力送信機は、無線充電を一時停止し、待ち行列におけるデータを送信することを選択してもよい。例えば、無線電力受信機が、長過ぎる間充電されたと無線電力送信機が判定した場合に、送信機は、バッテリ状態を問い合わせる。バッテリ状態が、閾値、例えばフル充電のバッテリ状態の50%(又は幾らかより多いか若しくは少ないパーセンテージ)より高い場合に、無線充電は、データを交換するために休止される。幾つかの実施形態において、より高い優先度を備えたデータは、最初に送信され、より低い優先度を備えたデータは、高優先度データ送信が完了した後で送信される。
【0126】
[00142] 幾つかの実施形態において、無線電力信号の送信の再開は、データ信号が、無線電力受信装置と別の装置との間で交換されている間に、無線電力信号を送信することを含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、データ信号との干渉を最小化するために、無線電力信号用の少なくとも1つの送信特性を調整する。幾つかの実施形態において、調整は、データ信号の交換が、閾値誤り率を超える誤り率(例えば、ビット誤り率が高過ぎて、データが、もはや確実には交換されていないことを示す)を有するという判定に従って、無線電力送信機によって実行される。幾つかの実施形態において、調整は、誤り率が、閾値誤り率未満に下がるまで、無線電力送信機によって実行される。
【0127】
[00143] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で交換されるデータ信号のそれぞれの優先度レベルに基づいて、無線電力信号用の少なくとも1つの送信特性を調整する(例えば、少なくとも1つの送信特性の値を調整する)。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの送信特性は、無線電力信号の送信に用いられる振幅などの電力レベルである。例えば、高電力レベルは、低優先度データを送信する場合に選択され、低電力レベルは、高優先度データを送信する場合に選択される。
【0128】
[00144] 幾つかの実施形態において、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の近くにあることを検出することは、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の所定の距離内(例えば、無線電力送信装置の表面から1~2インチ(2.54~5.08cm)内)に配置されたことを、無線電力受信装置における反射電力の測定値を用いて検出することを含む。幾つかの実施形態において、無線電力受信装置が、電力が切れた場合に、無線電力送信機は、2018年4月2日出願の「受信機に送出される無線電力を最大限にするために、近距離充電パッドのアンテナゾーンを選択的に活性化する方法(Methods of Selectively Activating Antenna Zones of a Near-Field Charging Pad to Maximize Wireless Power Delivered to a Receiver)」なる名称の米国出願第15/943,559号に開示される方法を用いて、無線電力送信装置に配置されているバッテリ切れ装置を検出してもよく、その出願は、その全体において参照によって本明細書で援用される。
【0129】
[00145] 幾つかの実施形態において、無線電力受信装置が、無線電力送信装置の所定の距離内に配置されたという検出に応じて、且つデータトラフィックプロファイルを確立する前に、無線電力送信機は、無線電力受信装置が、無線電力制御信号を無線電力送信装置に提供するまで、1つ又は複数のアンテナを介して、デフォルト特性を備えた無線電力信号を無線電力受信装置に送信する。幾つかの実施形態において、無線電力受信装置の電力は、無線電力送信装置との通信を開始するための十分な電力を有するために、少なくとも部分的に回復される。
【0130】
[00146] 幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、送信特性用に用いられるデフォルト値とは異なる送信特性用に用いられる特定の値(例えば振幅、周波数、位相等のための値など、或る波形特性用に用いられる値)を決定するために無線電力制御信号を用い、送信特性用のそれらの特定の値は、次に、無線電力信号を無線電力受信装置に送信するために用いられる。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置はまた、特定の値を操作することによって、無線電力信号の送信を最適化する。幾つかの実施形態において、確立されたデータ通信トラフィックプロファイルは、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で交換される無線電力制御信号のトラフィックプロファイルを含む。
【0131】
[00147] 幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の識別は、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される無線電力制御信号の識別を含む。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、無線電力信号を無線電力受信装置に送信するために用いる特定の特性を決定するために、無線電力制御信号を用いる。
【0132】
[00148] 幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号の識別は、無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される特定用途向けデータ信号の識別を更に含む。幾つかの実施形態において、特定用途向けデータ信号は、無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。
【0133】
[00149] 幾つかの実施形態において、無線電力受信装置に関連する1つ又は複数のデータ通信トラフィックプロファイルを確立することは、第1のデータ通信トラフィックプロファイルを確立するために、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で無線通信コンポーネントを介して交換されるアプリケーションデータを検出することと、第2のデータ通信トラフィックプロファイルを確立するために、無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置の間で無線通信コンポーネントを介して交換される無線電力制御メッセージを検出することであって、無線電力制御メッセージが、複数の第1の無線電力信号と関連する1つ又は複数のパラメータを含むことと、アプリケーションデータ及び無線電力制御メッセージに優先度レベルをそれぞれ割り当てることと、を含む。幾つかの実施形態において、第1の無線電力送信プロファイルを決定することは、第1のデータ通信トラフィックプロファイル及び第2のデータ通信トラフィックプロファイルの優先度レベルに基づいて、複数の第1の無線電力信号の送信に優先度を付けることを含む。幾つかの実施形態において、アプリケーションデータ及び無線電力制御メッセージを送信するタイミングは、例えば、送信機通信コンポーネント(例えばコントローラ)に関連する同じ内部クロックを用いて同期される。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、第1のデータ通信トラフィックプロファイル及び第2のデータ通信トラフィックプロファイルの優先度を集め、(多数のタイプのアプリケーションデータが存在する場合に)分類し、且つ決定する。
【0134】
[00150] 幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルはまた、無線電力送信装置と無線電力受信装置以外の追加装置との間で交換される追加データ信号の識別を含む。幾つかの実施形態において、追加装置は、無線電力送信装置に通信可能に結合される。幾つかの実施形態において、追加装置は、第1の無線電力受信装置のほかの別の電力受信機である。幾つかの実施形態において、データ通信トラフィックプロファイルは、アプリケーションデータ及び電力制御データ用のトラフィックプロファイルを含み、かかるトラフィックプロファイルは、パッド(無線電力を受信する電話からオーディオデータを受信するヘッドホンのペア)から電力を受信しない他の装置と同様に、パッドから無線電力を受信することになる装置用であってもよい。
【0135】
[00151] 幾つかの実施形態において、アプリケーションデータ及び無線電力制御メッセージを送信するタイミングは、同期されていない。これらの状況において、送信機及びコンピューティング装置のそれぞれの内部クロックは、同期のタイミングを調整するために用いられる。幾つかの実施形態において、第1の無線電力送信プロファイルを決定する前に、1つを超えるデータ通信トラフィックプロファイルが存在する場合に、無線電力送信機は、1つを超えるデータ通信トラフィックプロファイルのタイミングを同期させる。
【0136】
[00152] 幾つかの実施形態において、追加装置は、第2の無線電力受信装置であり、追加データ信号は、第2の無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される無線電力制御信号を含み、無線電力送信装置は、第2の無線電力受信装置に無線電力信号を送信するために用いる特定の特性を決定するために、無線電力制御信号を用いる。
【0137】
[00153] 幾つかの実施形態において、追加データ信号は、第2の無線電力受信装置と無線電力送信装置との間で交換される特定用途向けデータ信号を含む。幾つかの実施形態において、特定用途向けデータ信号は、第2の無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。幾つかの実施形態において、追加調整がまた、送信を合図するために、且つ電力及びデータを2つ以上の相異なる受信装置にいつ送信するかに優先度を付けるために行われてもよい。例えば、第1の無線電力信号の送信及び第2の無線電力信号の送信は、(1)第1の無線電力受信装置及び第3の装置のそれぞれのバッテリ状態、(2)第1の無線電力受信装置及び第3の装置のそれぞれの装置タイプ(例えば作業/研究関連装置は、ゲーム装置に勝る優先度を付けられる)、並びに(3)(i)無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間、及び(ii)無線電力送信装置と第3の装置との間でそれぞれ交換されるアプリケーションデータの優先度レベルにおける1つ又は複数に従って、優先度を付けられてもよい。例えば、ビデオストリーミングは、ビデオストリーミング装置を用いている場合に、又はその逆にデータ受信が制限されている場合に、文書データに勝る優先度を付けられてもよい。
【0138】
[00154] 幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルはまた、無線電力受信装置と無線電力送信装置以外の第2の装置との間で交換される特定用途向けデータ信号の識別を含む。幾つかの実施形態において、第2の装置は、無線電力受信装置と通信可能に結合され、特定用途向けデータ信号は、無線電力受信装置上で動作しているソフトウェアアプリケーションと関連付けられる。幾つかの実施形態において、第2の装置は、無線電力送信機によって無線で充電される電話からオーディオデータを受信するヘッドホンのペアなど、受信機の周辺装置である。幾つかの実施形態において、第2の装置(周辺装置)は、無線電力送信装置から無線電力信号を受信しない。
【0139】
[00155] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、受信装置のそれぞれに電力をいつ送信するかを決定できるようにするために、各相異なる受電装置用に相異なるデータトラフィックプロファイルを設定することができる。幾つかの実施形態において、無線電力送信装置は、(a)第3の装置に結合され、且つ(b)複数の無線電力信号を第3の装置に送信するように構成される。幾つかの実施形態において、1つ又は複数のデータ通信トラフィックプロファイルを確立することは、無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間で交換される複数の第1の無線電力制御メッセージに関連する、且つ複数の第1の無線電力信号の送信に関連する第1のデータ通信トラフィックプロファイルを確立することと、第3の装置と無線電力送信装置との間で交換される複数の第2の無線電力制御メッセージに関連する、且つ複数の第2の無線電力信号の送信に関連する第2のデータ通信トラフィックプロファイルを確立することと、を更に含む。
【0140】
[00156] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数のデータ通信トラフィックプロファイルは、無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間で交換される1つ又は複数のタイプのアプリケーションデータと更に関連付けられる。幾つかの実施形態において、多数の電力受信機を充電するための多数の電力プロファイルが存在する。
【0141】
[00157] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、1つ又は複数のデータ通信トラフィックプロファイル及び第1の無線電力送信プロファイルに基づいて、複数の第2の無線電力信号を送信することに関連する第2の無線電力送信プロファイルを更に決定する。幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、次に、第1の無線電力送信プロファイルに従って、複数の第1の無線電力信号を複数のアンテナによって第1の無線電力受信装置に送信し、且つまた第2の無線電力送信プロファイルに従って、複数の第2の無線電力信号を第3の装置に送信する。
【0142】
[00158] 幾つかの実施形態において、無線電力送信機は、(1)第1の無線電力受信装置及び第3の装置のそれぞれのバッテリ状態、(2)第1の無線電力受信装置及び第3の装置のそれぞれの装置タイプ、及び(例えば作業/研究関連装置は、ゲーム装置に勝る優先度を付けられる)、並びに(3)(i)無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間、及び(ii)無線電力送信装置と第3の装置との間でそれぞれ交換されるアプリケーションデータの優先度レベル(例えばビデオストリーミングは、文書データに勝る優先度を付けられる)の1つ又は複数に従って、第1の無線電力信号の送信及び第2の無線電力信号の送信に優先度を付ける。
【0143】
[00159] 幾つかの実施形態において、データ信号は、複数の電力送信信号と同じ周波数帯域を用いて交換されることになる。幾つかの実施形態において、無線電力受信装置は、無線電力信号を受信し、且つそれを使用可能な電力に変換するための回路と、その回路に結合される電子装置を含む。幾つかの実施形態において、回路は、電子装置の動作電力を供給するか又はそのバッテリを充電するために、電子装置に使用可能な電力を供給する。幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルを確立することは、無線データトランシーバに関連するコントローラから、データ信号の少なくとも幾つかに関する情報を1つ又は複数のプロセッサを介して取得することを含む。幾つかの実施形態において、データトラフィックプロファイルに含まれるデータ信号におけるそれぞれのデータ信号の識別は、それぞれのデータ信号用の送信特性を含む。
【0144】
[00160] 図19Bは、幾つかの実施形態による、無線電力送信の方法1950を示す流れ図である。方法1950の動作(例えばステップ)は、無線電力送信を実行するために、方法1900の1つ又は複数の動作と組み合わされてもよい。幾つかの実施形態において、方法1950は、コントローラと、無線データトランシーバ(例えば図1の通信コンポーネント112)と、1つ又は複数の無線電力受信装置に無線電力信号を送信するように構成された1つ又は複数のアンテナ(例えば図1のアンテナアレイ110)と、1つ又は複数のプロセッサ(図1プロセッサ104)と、を有する無線電力送信装置(例えば「無線電力送信機」、「送信機」とも呼ばれる図1の送信機102)によって実行されてもよい。幾つかの実施形態において、図19Bに示されている動作の少なくとも幾つかは、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば図1の送信機102のメモリ104)に格納された命令に対応する。
【0145】
[00161] 幾つかの実施形態において、トラフィックプロファイルの確立は、予め決定されてもよく(即ち、1つ又は複数のトリガイベントに従って確立する必要はない)、且つまたデータ信号に関する情報は、その場で検出されてもよく、又は電力受信装置若しくは他の或る装置によって送信機に報告されてもよい。幾つかの実施形態において、電力受信装置は、それ自体より多くの情報を集めてもよい(例えば、受信機は、近くの周辺装置又は他の電力受信若しくはデータ通信装置から情報を集めてもよい)。例えば、受信機は、近くのBluetoothマウスとキーボードとの間で交換されることになるデータ信号を報告してもよい。何故なら、それらの信号はまた、近くの高電力レベル信号の送信によって影響される可能性があるからである。
【0146】
[00162] 無線電力送信機は、無線電力送信装置の近くに位置する無線電力受信装置に1つ又は複数のアンテナを介して無線電力信号を送信する(1952)。次に、無線電力送信機は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で交換されるデータ伝送信号に関する情報をコントローラによって受信する(1954)。
【0147】
[00163] 無線電力送信機は、無線電力受信装置への無線電力信号の送信が、データ信号におけるそれぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるかどうかを判定するために、データ信号に関連する1つ又は複数の特性を評価する(1956)。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の特性は、それぞれのデータ信号が、第1の期間中に、且つ第1の期間とは異なる第2の期間中に送信されることになることを示す。例えば、或る期間にわたって、バッテリレベル及び/又は充電の必要性を考えた場合に、どのタイプのデータが送信されるかである。
【0148】
[00164] それぞれのデータ信号の送信が、第1の期間中に、無線電力信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、無線電力送信機は、第1の期間中に、第1の無線電力受信装置への無線電力信号の送信を一時停止する(1958)。
【0149】
[00165] 無線電力信号の送信が、第2の期間中に、それぞれのデータ信号の送信に勝る優先度を付けられるという決定に従って、無線電力送信機は、第2の期間中に、第1の無線電力受信装置への無線電力信号の送信を再開する(1960)。
【0150】
[00166] 幾つかの実施形態において、データ通信信号の1つ又は複数のセットは、(1)複数の第1の無線電力信号の送信に関連する1つ又は複数のパラメータを含む電力制御データ信号のセットと、(2)無線電力送信装置と第1の無線電力受信装置との間で交換されるアプリケーションデータのセットと、の1つ又は複数を含む。
【0151】
[00167] 開示される実施形態の前述の説明は、どんな当業者も、本明細書で説明される実施形態及びそれらの変形を作成又は使用できるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになろう。本明細書で定義された一般的な原理は、本明細書で開示される主題の趣旨又は範囲から逸脱せずに、他の実施形態に適用され得る。従って、本開示は、本明細書で示される実施形態に限定されるようには意図されず、次の特許請求の範囲並びに本明細書で開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0152】
[00168] 本発明の特徴は、本明細書で提示される特徴のいずれかを実行するように処理システムをプログラムするために用いることができる命令を自らに格納する記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラムプロダクトにおいて、それを用いて、又はその支援で実現することができる。記憶媒体(例えばメモリ106、134及び/又は142)は、限定するわけではないが、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス固体メモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、且つ1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光学ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ(例えば106、134及び/又は142)は、CPU(例えばプロセッサ104、132及び/又は140)から遠隔に位置する1つ又は複数の記憶装置を任意選択的に含む。メモリ(例えば106、134及び/又は142)、又は代替としてメモリ内の不揮発性メモリ装置は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0153】
[00169] 機械可読媒体のいずれか1つに格納されるので、本発明の特徴は、処理システムのハードウェア(送信機102及び/又は受信機120に関連するコンポーネントなど)を制御するための、且つ処理システムが、本発明の結果を利用する他の機構と対話できるようにするためのソフトウェア及び/又はファームウェアに組み込むことができる。かかるソフトウェア又はファームウェアは、限定するわけではないが、アプリケーションコード、装置ドライバ、オペレーティングシステム、及び実行環境/コンテナを含んでもよい。
【0154】
[00170] 本明細書で言及されるような通信システム(例えば通信コンポーネント112、136及び/又は144)は、有線及び/又は無線通信接続を介して任意選択的に通信する。通信システムは、ワールドワイドウェブ(WWW)とも呼ばれるインターネット、イントラネット及び/又は携帯電話ネットワークなどの無線ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)及び/又メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、並びに無線通信による他の装置などのネットワークと任意選択的に通信する。無線通信接続は、限定するわけではないが、無線周波数(RF)、無線周波数識別(RFID)、赤外線、レーダ、音声、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、Evolution、Data-Only(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee、広帯域符号分割多重アクセス(W-CDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、Bluetooth、Wireless Fidelity(Wi-Fi)(例えばIEEE102.11a、IEEE102.11ac、IEEE102.11ax、IEEE102.11b、IEEE102.11g、及び/若しくはIEEE102.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、eメール用プロトコル(例えばインターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)及び/又はポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージング(例えば拡張可能メッセージング及びプレゼンスプロトコル(XMPP)、インスタントメッセージング及びプレゼンスレバレッジングエクステンションズ(SIMPLE)用のセッション開始プロトコル、インスタントメッセージング及びプレゼンスサービス(IMPS))、及び/若しくはショットメッセージサービス(SMS)、又はこの文献の出願日現在でまだ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の適切な通信プロトコルを含む複数の通信規格、プロトコル及び技術のいずれかを任意選択的に用いる。
【0155】
[00171] 用語「第1の」、「第2の」等が、様々な要素を説明するために本明細書で用いられ得るが、これらの要素が、これらの用語によって制限されたべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素と別の要素を区別するために用いられるだけである。
【0156】
[00172] 本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態だけを説明するためにあり、請求項の限定であるようには意図されていない。実施形態及び添付の特許請求の範囲の説明において用いられているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が、別段のことを明白に示さない限り、同様に複数形を含むように意図されている。本明細書で用いられるような用語「及び/又は」は、関連するリストされた用語の1つ又は複数におけるいずれか及び全ての可能な組み合わせを指し且つ包含することもまた理解されよう。この明細書で用いられる場合に、用語「含む(comprises)」又は「含む(comprising)」が、言明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。
【0157】
[00173] 本明細書で用いられているように、用語「if(場合)」は、文脈に依存して、先の言明された条件が真であること「when(~の場合、とき)」、「~のとき(on)」、「~の決定に応じて」、「~の決定に従って」、又は「検出に応じて」を意味すると解釈されてもよい。同様に、「[先の言明された条件が真であること]が決定される場合」か、「[先の言明された条件が真である]場合」か、又は「[先の言明された条件が真である]とき」という句は、文脈に依存して、先の言明された条件が真であることの「決定のときに」か、「決定に応じて」か、「決定に従って」か、又は「検出と同時に」か若しくは「検出に応じて」を意味すると解釈されてもよい。
【0158】
[00174] 説明のための前述の記載は、特定の実施形態に関連して記載された。しかしながら、上記の実例となる論述は、包括的であるようにも、開示された形態に請求項を正確に限定するようにも意図されていない。多くの修正及び変形が、上記の教示の点から見て可能である。実施形態は、動作の原理及び実際的な応用を最もよく説明し、それによって、当業者に手段を与えるために選択され説明された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B