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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】アンカー配置のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/46 20060101AFI20231116BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20231116BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20231116BHJP
   A61F 2/38 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A61F2/46
A61B17/17
A61B17/88
A61F2/38
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020564426
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019030007
(87)【国際公開番号】W WO2019226286
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】15/985,159
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597117606
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】イングヴァー,ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】オシカ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】パレッタ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マシュー
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-530004(JP,A)
【文献】特開2008-149180(JP,A)
【文献】特表2003-531666(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0083210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/46
A61B 17/17
A61B 17/88
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具であって、
近位端および遠位端を有するドリルガイドと、
前記ドリルガイドに取り付けられた少なくとも一つの参照ガイドと、
を備え、
当該少なくとも一つの参照ガイドは(i)前記ドリルガイドに対して15から60度の所定の角度で、かつ(ii)前記ドリルガイドの前記遠位端から1mmから5mmの所定の高さ位置する中空管であり、
穿刺ロッドが半月板の下方かつ脛骨プラトーの上方に位置するときであって、当該穿刺ロッド上をスライドすることによって前記参照ガイドが当該穿刺ロッドと整列するとき前記所定の角度および前記所定の高さにより、前記ドリルガイド、脛骨プラトーを回避、かつ膝関節線に近接することになる、医療器具。
【請求項2】
前記少なくとも一つの参照ガイドが、(i)前記ドリルガイドに対して複数の所定の角度の間で移動可能な、または(ii)前記ドリルガイドの前記遠位端から複数の所定の高さの間で移動可能なもののうちの少なくとも一つである、調整可能な参照ガイドを備える
、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記調整可能な参照ガイドが前記ドリルガイドにヒンジで取り付けられる、請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記調整可能な参照ガイドが、前記ドリルガイドの前記遠位端からの前記高さを調整するために、前記ドリルガイドの長軸方向軸に対して摺動可能である、請求項2に記載の医療器具。
【請求項5】
前記調整可能な参照ガイドが、(i)前記ドリルガイドに対して前記複数の所定の角度の間で移動可能であり、かつ(ii)前記ドリルガイドの前記遠位端から前記複数の所定の高さの間で移動可能である、請求項2に記載の医療器具。
【請求項6】
前記ドリルガイドおよび前記参照ガイドが、各々中空管を備える、請求項1に記載の医療器具。
【請求項7】
前記少なくとも一つの参照ガイドが、
前記ドリルガイド上の第一の点に位置付けられた第一の参照ガイドと、
前記ドリルガイド上の第二の点に位置付けられた第二の参照ガイドであって、前記第一の点が前記第二の点から約100度~約180度の間に位置する、第二の参照ガイドと
、を備える、請求項1に記載の医療器具。
【請求項8】
前記ドリルガイドが湾曲したドリルガイドである、請求項1に記載の医療器具。
【請求項9】
前記ドリルガイドは、アンカー配置位置およびアンカー配置角度を規定し、前記参照ガイドは、半月板の下で脛骨プラトーの上に基準線を規定し、アンカー設置位置は当該基準線から所定のオフセットを有し、アンカー設置角度は当該基準線に対して所定の角度を有する、請求項1に記載の医療器具。
【請求項10】
前記ドリルガイドおよび前記参照ガイドはそれぞれ中空管を含む、請求項9に記載の医療器具。
【請求項11】
前記基準線に対する前記所定の角度は、約15度から約60度である、請求項10に記載の医療機器。
【請求項12】
前記基準線からの前記所定のオフセットは、約1mmから約5mmの垂直距離および約1mmから約3mmの横方向距離を含む、請求項10に記載の医療器具。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年5月21日出願の米国特許出願第15/985,159号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書の開示は、概して医療器具に関し、より具体的にはアンカー配置のための医療器具に関する。
【発明の概要】
【0003】
関節を修復する既存の方法では、一つ以上のアンカーを関節に挿入することが関与しうる。例えば、膝関節は、膝関節包が膝関節構造(例えば、脛骨または大腿骨)から分離される、包の断裂を患う場合がある。包の断裂を修復することは、膝関節包を膝関節構造に固定するように、膝関節包を通し、かつ膝関節構造の中へと一つ以上のアンカーを挿入することを含む可能性がある。しかしながら、一つ以上のアンカーを関節の中へと挿入することによって関節を修復する現在の方法は、様々な欠点を有する。例えば、一つ以上のアンカーを所望の場所に効率的かつ正確に挿入することが困難である可能性がある。
【0004】
本開示による方法およびシステムは、関節内のアンカー配置のためのシステムおよび方法を提供する。例示的な実施形態では、開示されたシステムは、膝関節包が一つ以上のアンカーを用いて膝関節構造に固定される、包の断裂の修復の間に使用することができる。
【0005】
一実施例では、医療器具が説明される。医療器具は、近位端および遠位端を有するドリルガイドを含む。また、医療器具は、ドリルガイドに取り付けられた少なくとも一つの参照ガイドも含むことができ、少なくとも一つの参照ガイドは、(i) ドリルガイドに対して所定の角度、および (ii) ドリルガイドの遠位端から所定の高さにおいて位置付けられるように構成される。所定の角度および所定の高さは、特定の解剖学的構造を回避するように、かつ/または解剖学的構造の近くにアンカーを定置するように、予め決定されていてもよい。例えば、所定の角度および所定の高さは、参照ガイドが半月板の下方かつ脛骨プラトーの上方に位置付けられた穿刺ロッドと整列する時に、ドリルガイドが脛骨プラトーを避け、かつ膝関節線に近接するようにさせることができる。
【0006】
別の実施例では、医療器具が説明される。医療器具は、アンカー配置場所およびアンカー配置角度を画定または選択するドリルガイドを含む。医療器具はまた、半月板の下かつ脛骨プラトーの上方で参照線を画定または選択するためにドリルガイドに取り付けられた参照ガイドを含むことができ、アンカー配置場所は参照線から所定のオフセットを有し、またアンカー配置角度は参照線に対して所定の角度を有する。
【0007】
別の実施例では、方法が説明される。方法は、膝関節包を通して、半月板の下かつ脛骨プラトーの上方に穿刺ロッドを挿入することを含む。方法はまた、ドリルガイドに取り付けられた参照ガイドを穿刺ロッドの外側で前進させることも含むことができ、ドリルガイドは、穿刺ロッドから所定のオフセットを有するアンカー配置場所を画定または識別する。方法は、ドリルガイドを通してドリルピンを前進させることと、画定されたアンカー配置場所において関節構造の中へと穴をドリル加工することと、も含むことができる。方法は、ドリルガイドを通してアンカーを前進させることと、アンカーを穴の中に定置することと、をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、例示的な実施形態による、アンカー配置のための例示的な医療器具の側面図を図示する。
図1B図1Bは、例示的な実施形態による、図1Aの医療器具の遠位端の正面図を図示する。
図2図2は、例示的な実施形態による、アンカー配置のための医療器具の遠位端の側面図を図示する。
図3図3は、例示的な実施形態による、アンカー配置のための医療器具の遠位端の斜視図を図示する。
図4図4は、例示的な実施形態による、アンカー配置のための医療器具の遠位端の斜視図を図示する。
図5図5は、例示的な実施形態による、アンカー配置のための例示的な医療器具の斜視図を図示する。
図6図6は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
図7図7は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
図8図8は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
図9図9は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
図10図10は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
図11図11は、例示的な実施形態による、方法の様々な例示的な工程を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、開示された実施形態は、以下に添付の図面を参照しながらより完全に記述され、一部の開示された実施形態が示されるが、すべてではない。実際に、いくつかの異なる実施形態が説明される場合があるが、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0010】
開示される医療器具は、一つ以上のアンカーを関節の中へと挿入することを伴う外科手技と併せて使用することができる。一実施例では、開示された器具は、手技中に視覚化することができる(例えば、関節鏡を用いて視覚化される)関節内の参照場所からオフセットしてアンカーを挿入する外科手技と併せて使用することができる。開示された器具は、関節内の視覚化された参照場所から正確な場所に、かつ角度でアンカーを挿入することを可能にする。開示された器具を使用することができる例示的な外科手技が、米国特許出願第15/596,015号(以下「‘015出願」という)に記載されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
ここで図1A図1Bを参照すると、アンカー配置のための例示的な医療器具100が図示されている。医療器具100は、近位端104および遠位端106を有するドリルガイド102を含む。また、医療器具100は、ドリルガイド102に取り付けられた少なくとも一つの参照ガイド108も含む。少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102に対して所定の角度110、およびドリルガイド102の遠位端106からの所定の高さ112に位置付けられる。少なくとも一つの参照ガイド108はまた、ドリルガイド102の長軸方向軸122から所定の横方向距離114(図1Bを参照のこと)において位置付けられる。
【0012】
任意の適切な材料を、医療器具100のこれらの構成要素に対して使用することができ、金属、プラスチック、および/またはゴムが挙げられるが、これに限定されない。例示的な実施形態では、ドリルガイド102および少なくとも一つの参照ガイド108は、外科手術グレードのステンレス鋼などの医療準拠金属を含む。その他の材料も同様に可能である。示される実施例では、医療器具100はまた、ドリルガイド102の近位端104の近くのハンドル109も含む。ハンドル109は、外科医が外科手技中に必要に応じて医療器具100を保持および操作することを可能にする人間工学的なグリップを提供することができる。
【0013】
一般に、ドリルガイド102は、ドリルガイド102がドリルピンおよび/またはアンカーを受容および包囲することを可能にするサイズおよび形状を有する。例示的な実施形態では、ドリルガイド102は中空管を備える。例示的な実施形態では、ドリルガイド102の中空管は、円形状または実質的に円形状である。他の実施例では、ドリルガイド102の中空管は、三角形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、または十角形などの多角形形状を含む。他の形状も同様に可能である。
【0014】
ドリルガイド102の中空管は、任意の適切な長さ、外径、および内径を含むことができる。例示的な実施形態では、長さは、約145mm~約215mm(例えば、約145、155、160、165、175、180、185、190、195、200、205、210、または215mm(または約145mm~約215mmの任意の範囲))である。例示的な実施形態では、外径は、約2.6mm~約5.6mm(例えば、約2.6、2.8、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、または5.6mm(または約2.6mm~約5.6mmの任意の範囲))である。例示的な実施形態では、内径は、約1.6mm~約4.1mm(例えば、約1.6、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、および4.1mm(または約1.6mm~約4.1mmの任意の範囲))である。ドリルガイド102の中空管の外径および内径は、ドリルガイド102が、本体で使用できないように過大になることなく、ドリルピンおよび/またはアンカーの通過に適切であるように選択される。
【0015】
一般に、少なくとも一つの参照ガイド108は、少なくとも一つの参照ガイド108が穿刺ロッドを受容し、かつ包囲することを可能にするサイズおよび形状を有する。例示的な実施形態では、参照ガイド108は中空管を備える。例示的な実施形態では、参照ガイド108の中空管は、円形状または実質的に円形状である。他の実施例では、参照ガイド108の中空管は、三角形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、または十角形などの多角形形状を含む。他の形状も同様に可能である。
【0016】
参照ガイド108の中空管は、任意の適切な長さ、外径、および内径を含むことができる。例示的な実施形態では、長さは、約145mm~約215mm(例えば、約145、155、160、165、175、180、185、190、195、200、205、210、または215mm(または約145mm~約215mmの任意の範囲))である。例示的な実施形態では、外径は、約2.6mm~約5.6mm(例えば、約2.6、2.8、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、または5.6mm(または約2.6mm~約5.6mmの任意の範囲))である。例示的な実施形態では、内径は、約1.6mm~約4.1mm(例えば、約1.6、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、および4.1mm(または約1.6mm~約4.1mmの任意の範囲))である。参照ガイド108の中空管の外径および内径は、参照ガイド108が、本体で使用できないように過大になることなく、穿刺ロッドの通過に適切であるように選択される。
【0017】
例示的な実施形態では、穿刺ロッドは針である。別の例示的な実施形態では、穿刺ロッドはワイヤである。なお別の例示的な実施形態では、穿刺ロッドはピンである。他の穿刺ロッドも同様に可能である。穿刺ロッドは、約1mm~約2mmの直径および約125~約225mmの長さを有することができる。
【0018】
図1Bを参照すると、ドリルガイドの先端121は、丸み付き縁部123およびスリット125a~125bを含むことができる。スリットは、窓を通してレーザーラインを観察することによって、インプラントが骨内に完全に着座していることをユーザが視覚化することを可能にすることができる。
【0019】
医療器具100は、一つ以上のアンカーを関節の中へと挿入することを伴う外科手技と併せて使用することができ、また特に、視覚化することができる(例えば、関節鏡または他の適切な装置を用いて視覚化される)関節内の参照場所からオフセットしてアンカーを挿入する外科手技のために適切である。図1Aを参照すると、少なくとも一つの参照ガイド108は、参照線116を画定または識別し、そしてドリルガイド102は、アンカー配置場所118およびアンカー配置角度120の両方を画定または識別する。アンカー配置場所118は、参照線116から所定のオフセットを有する。所定のオフセットは、参照線116の下方の所定の垂直距離と、参照線116からの所定の横方向距離とを含む。さらに、アンカー配置角度120は、参照線116に対して所定の角度を有する。
【0020】
特定の実施例では、医療器具100は、膝関節の包の断裂を修復するための外科手技の間に使用することができ、その間、膝関節包を膝関節構造に固定するように、一つ以上のアンカーを、膝関節包を通し、かつ膝関節構造(例えば、脛骨)の中へと挿入することができる。この外科手技では、膝関節包および膝関節構造の視覚化を可能にするために、関節鏡を位置付けることができる。さらに、穿刺ロッドが半月板の下方でかつ脛骨プラトーの上方にあるように、皮膚を通し、かつ膝関節腔の中へと穿刺ロッドを定置することができる。膝関節腔内の穿刺ロッドの位置は、関節鏡で視覚化して、穿刺ロッドが半月板の下方でかつ脛骨プラトーの上方にあることを確認することができる。次いで、少なくとも一つの参照ガイド108を、ドリルガイド102が脛骨に当接するまで、穿刺ロッドの外側で前進することができる。少なくとも一つの参照ガイド108の所定の角度および所定の高さは、参照ガイド108が半月板の下方でかつ脛骨プラトーの上方に位置付けられた穿刺ロッドと整列する時に、ドリルガイド102が脛骨プラトーを避け、かつ膝関節線に近接するようにさせる。参照ガイド108は、参照ガイド108が穿刺ロッドの外側を摺動する時、穿刺ロッドと整列する。
【0021】
例示的な実施形態では、参照ガイド108の角度および高さによって提供される膝関節線への近接は、膝関節線の下方約1mm~約5mmの垂直距離である。その他の距離も、同様に可能である(例えば、約0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0mm、またはそれ以上(または約0.1~7.0mmの間の任意の範囲))。
【0022】
医療器具100は、参照線116からのアンカー配置場所118の任意の所望の所定のオフセット(すなわち、垂直距離および横方向距離)を提供するように構成することができる。上述のように、少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102の遠位端106からの所定の高さ112および長軸方向軸122からの所定の横方向距離114の両方を有する。図1Bの実施例では、ドリルガイド102の遠位端106からの高さ112は、z軸130に沿った遠位端106からの距離であり、また長軸方向軸122からの横方向距離114は、y軸132に沿った距離である。
【0023】
例示的な実施形態では、所定の高さ112は、約1mm~約5mmである。ドリルガイド102の遠位端106からの高さは約1mm~約5mmであるため、アンカー配置場所118は、参照線116の下方約1mm~約5mmの間である。その他の所定の高さ112も、同様に可能である(例えば、約0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0mm、またはそれ以上(または約0.1~7.0mmの間の任意の範囲))。
【0024】
例示的な実施形態では、所定の横方向距離114は、約0.5mm~約3mmである。これは、長軸方向軸122から約1mm~約3mmで横方向に配置される(例えば、y軸132に沿って左または右に)アンカー配置場所118を画定することを可能にする。しかしながら、その他の所定の横方向距離114も、同様に可能である(例えば、約0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0mm、またはそれ以上(または約0.1~5.0mmの間の任意の範囲))。
【0025】
医療器具100はまた、参照線116からの任意の所望の所定のアンカー配置角度120を含むように構成することもできる。一実施例では、ドリルガイド102に対する所定の角度110は、約15度~約60度である。図1A図1Bの実施例では、ドリルガイド102は実質的に真っ直ぐであるため、所定の角度110とアンカー配置角度120とは、同一または実質的に同一である。一実施例では、参照線116は、膝関節線に対して平行であるか、または実質的に平行であり、それゆえに挿入されたアンカーは、膝関節線に対して約15度~約60度の角度を有する。ドリルガイド102に対する他の所定の角度も同様に可能である(例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、またはそれ以上(または約5度~75度の任意の範囲))。
【0026】
実施例の中で、少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102に固定される。例えば、図1A図1Bに図示した少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102に固定されている。少なくとも一つの参照ガイド108は、任意の適切な様式でドリルガイド102に固定することができる。一実施例では、少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102に溶接される。別の実施例では、少なくとも一つの参照ガイド108は、締結具および/または接着剤を用いてドリルガイド102に固定される。他の実施例も同様に可能である。
【0027】
実施例の中で、少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイドに非可動式に固定されており、これにより少なくとも一つの参照ガイド108はドリルガイド102に対して調整可能ではないか、または移動可能である。他の実施例の中で、少なくとも一つの参照ガイド108は、ドリルガイド102に対して移動可能な調整可能な参照ガイドを備える。少なくとも一つの参照ガイド108は、調整可能な角度、ドリルガイド102の遠位端106からの調整可能な高さ、および/またはドリルガイド102の長軸方向軸122からの調整可能な横方向距離114を有するように構成することができる。
【0028】
例示的な実施形態では、少なくとも一つの参照ガイド108は、(i)ドリルガイド102に対して複数の所定の角度の間で移動可能な、または(ii)ドリルガイド102の遠位端106から複数の所定の高さの間で移動可能なもののうちの少なくとも一つである、調整可能な参照ガイドである。例えば、図2および図3は、例示的な調整可能な参照ガイドを図示する。図2は、調整可能な参照ガイド108aを有するドリルガイド102aの遠位端を図示する。調整可能な参照ガイド108aは、調整可能な参照ガイド108aをドリルガイド102aに対してその角度を調整することができるように、ヒンジ134を介してドリルガイドにヒンジで取り付けられる。一実施例では、調整可能な参照ガイド108aは、調整可能な参照ガイド108aを所望の角度において固定するためのロックを含む。一実施例では、ロックは、参照ガイド108aを所望の角度において係止する締結具(例えば、ねじ、ピンなど)を備える。
【0029】
図3は、調整可能な参照ガイド108bを有するドリルガイド102bの遠位端を図示する。調整可能な参照ガイド108bは、ドリルガイド102bの遠位端106bからの高さ112bを調整するために、ドリルガイド102bの長軸方向軸122に対して摺動可能である。一実施例では、ドリルガイド102bは、本体124内にスリット124を含み、また参照ガイド108bはスリット124に沿って移動可能である。参照ガイド108bは、任意の所望の高さにおいて適所に係止することができる。例示的な実施形態では、調整可能な参照ガイド108bは、調整可能な参照ガイド108bをスリット124に沿った任意の位置に固定するためのロックを含む。一実施例では、ロックは、参照ガイド108bを所望の高さにおいて係止する締結具(例えば、ねじ、ピンなど)を備える。一実施例では、調整可能な参照ガイド108bはまた、ドリルガイド102に対して複数の所定の角度の間で移動可能でもある。
【0030】
複数のアンカーの挿入を含む外科手技では、少なくとも一つの参照ガイド108の調整可能性は、外科医が、すべてのアンカーの挿入のために単一の器具を使用することを可能にすることができる。
【0031】
図1A図3の実施例では、少なくとも一つの参照ガイド108は、単一の参照ガイドである。しかしながら、他の実施例では、医療器具100は、ドリルガイド102に取り付けられた二つ以上の参照ガイドを含むことができる。例えば、図4は、ドリルガイド102cおよび参照ガイド108c~108dを含む、例示的な器具100cの遠位端を図示する。参照ガイド108cは、ドリルガイド102c上の第一の点126に位置付けられる一方、参照ガイド108dは、ドリルガイド102c上の第二の点128に位置付けられる。一般に、第一の点126および第二の点128は、ドリルガイド102c上の任意の適切な場所とすることができる。この実施例では、第一の点126は、第二の点128から約180度に位置する。さらに、この実施例では、参照ガイド108c~108dは、ドリルガイド102cの遠位端106cとは異なる所定の高さを有する。しかしながら、他の実施例では、参照ガイド108c~108dは、ドリルガイド102cの遠位端106cから同一の所定の高さを有することができる。実施例の中で、第一の点126は、第二の点128から約100度~約180度に位置する。二つのアンカーの挿入を伴う外科手技では、二つの参照ガイド108c~108dは、外科医が二つのアンカーの挿入のために単一の器具を使用することを可能にすることができる。
【0032】
図1A図4の実施例では、ドリルガイド102は、真っ直ぐまたは実質的に真っ直ぐなドリルガイドである。しかしながら、他の実施例では、ドリルガイド102は湾曲したドリルガイドとすることが可能である。取り付けられた参照ガイド108eを有する湾曲したドリルガイド102eを有する、例示的な医療器具100eを図5に示す。
【0033】
例示的な実施形態に従って、アンカー配置のための方法が提供される。上述のように、例示的な実施形態の中で、本開示による医療器具を、‘015出願に記載される外科手技において使用することができる。それゆえに、例示的な方法は、いくつかの点で、‘015出願の中で段落[0037]~[0048]において、図5図14を参照して記載される包の断裂を修復する方法と同様とすることができる。しかしながら、‘015出願は、ドリルピンをガイドし、かつ二つのアンカーを膝関節構造内に定置するために使用される従来のドリルガイドの使用を説明する。例えば、‘015出願は、スパイナル針を関節腔の中へと挿入することと、脛骨上の包の修復のためにこのスパイナル針の遠位にある特定の距離を決定することと、アンカーのための穴をドリル加工するためのドリルピンをガイドするためにこの決定された距離に従来のドリルガイドを定置することと、を記述している。実際には、外科医は、従来のドリルガイドを定置する、および/または従来のドリルガイドを望ましい場所に定置することを支援するために別の器具を導入するための望ましい場所を視覚的に推定しなければならないことになる。本開示の実施形態によると、ドリルピンを案内し、二つのアンカーを定置するために‘015出願のドリルガイドを使用するのではなく、一つ以上の医療器具100をその代わりに使用してドリルピンを案内し、膝関節構造内の所望の場所に二つのアンカーを定置することができる。医療器具100はドリルガイドに取り付けられた参照ガイドを含むため、医療器具100は、従来のドリルガイドを使用する既存の方法より効率的かつ正確なアンカー配置場所を可能にする。
【0034】
‘015出願のドリルガイドが一つ以上の医療器具100で置き換えられる方法の一例は、膝関節包を通して、半月板の下方かつ脛骨プラトーの上方へ穿刺ロッドを挿入することを伴うことができる。例示的な方法はまた、ドリルガイドに取り付けられた参照ガイドを穿刺ロッドの外側で前進させることも伴うことができ、ドリルガイドは、穿刺ロッドから所定のオフセット(すなわち、垂直距離および横方向距離)を有するアンカー配置場所を画定または識別する。例示的な方法は、ドリルガイドを通してドリルピンを前進させることと、画定されたアンカー配置場所において関節構造の中へと穴をドリル加工することと、もまた伴うことができる。例示的な方法は、ドリルガイドを通してアンカーを前進させることと、アンカーを穴の中に定置することとも伴うことができる。この例示的な方法は、図6図11を参照しながら以下に詳細に記載される。当然のことながら、‘015出願に記載される方法の数多くの可能性および並べ替えもまた、以下に記載されるこの例示的な方法に適用することができる。
【0035】
図6は、例示的な方法が実施される膝200を図示する。この実施例では、膝200は、合成膝モデルとして図示されている。しかしながら、他の実施例では、膝200は患者の膝である。また他の例では、膝200は死体の膝である。膝200は、膝関節腔202および膝関節構造204を含む。例示的な方法はまた、穿刺ロッド206を膝関節腔202の中へと挿入すること、特に、膝関節包(図示せず)を通して、半月板210の下方かつ脛骨プラトー211の上方に挿入することも伴う。関節鏡208もまた、膝関節腔202の中へと挿入される。関節鏡208は、膝関節腔202、半月板210、および膝関節構造204の視覚化を可能にすることができる。例示的な方法はまた、穿刺ロッド206が半月板210の下方かつ脛骨プラトー211の上方に位置することを確認するために、穿刺ロッド206を関節鏡208で視覚化することも伴う。
【0036】
図7図11を参照すると、本開示による医療器具のうちの一つ以上は、次いで、一つ以上のアンカーの配置のために穿刺ロッド206から所定のオフセットで使用することができる。図7図8に示すように、医療器具100は、アンカー配置場所および角度を画定するために使用される。特に、方法は、穿刺ロッド206を参照ガイド108内に定置することと、ドリルガイド102に取り付けられた参照ガイド108を穿刺ロッド206の外側で前進することとを伴う。それゆえに、参照ガイド108は、穿刺ロッド206を包囲し、また参照ガイド108は、ドリルガイド102が膝関節構造204に当接するまで穿刺ロッド206の外側で前進することができる(図8を参照のこと)。ドリルガイド102は、穿刺ロッド206から所定のオフセットを有するアンカー配置場所212(図8を参照のこと)を画定または選択するように作用する。所定のオフセットは、参照ガイド108が半月板210の下方かつ脛骨プラトー211の上方の穿刺ロッド206と整列しているとき、ドリルガイド102が脛骨プラトー211を回避するが、しかし膝関節線215に近接すること(図8を参照のこと)を可能にする。
【0037】
図8図9を参照すると、方法は、次に、ドリルガイド102(図9を参照のこと)を通してドリルピン214を前進させることと、画定されたアンカー配置場所212(図8を参照のこと)において関節構造204の中へと穴をドリル加工することとを伴う。図8を参照すると、方法は、次にドリルガイド102を通してアンカーを前進させることと、アンカーを穴の中に定置することとを伴う。任意の適切なアンカーが可能である。例えば、例示的な実施形態では、アンカーは、縫合糸アンカー(ノットレスまたはノット、例えば、SutureTak(登録商標)アンカー、Quattro(登録商標)Linkノットレスアンカー、Twinfix(登録商標)アンカー、Bioraptor(登録商標)アンカー、Spyromite(登録商標)アンカー、Dynomite(登録商標)アンカー、Osteoraptor(登録商標)アンカー、Raptomite(登録商標)アンカー、JuggerKnot(登録商標)アンカー、JuggerKnotless(登録商標)アンカーなど)、軟組織アンカー(例えば、Eclipse(商標)軟組織アンカー、Piton(商標)軟組織固定インプラントなど)、またはこれに類するものである。別の実施例では、アンカーはステープルである。他のアンカーも同様に可能である。
【0038】
方法はまた、追加的なアンカーを関節構造204の中へと挿入することも伴うことができる。例示的な実施形態では、第二のアンカーは、第一のアンカーの約2cm以内に定置される。より特定の実施例では、第二のアンカーは、第一のアンカーから約1~約2cmまたは約1~約1.5cmである。しかしながら、アンカー間の他の距離も同様に可能である(例えば、約0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0cm、またはそれ以上(または約0.3~3.0cmの任意の範囲))。
【0039】
例示的な実施形態では、追加的なアンカーは、同一の医療器具100を使用して関節構造204の中へと挿入することができる。例えば、一実施例では、医療器具100はまた、ドリルガイド102(例えば、図4に示す参照ガイド108d)に取り付けられた第二の参照ガイドも含む。この実施形態では、例示的な方法は、穿刺ロッド206の外側でドリルガイド102に取り付けられた第二の参照ガイド108dを前進させることを伴う。一実施例では、穿刺ロッド206は、第一の穴のドリル加工の間に、穿刺ロッド206が位置付けられたのと同一の場所に留まる。別の実施例では、穿刺ロッド206は取り外され、その後、膝関節腔202の中へと再挿入される。次に、方法は、ドリルガイド102を通してドリルピン214を前進させることと、画定された第二のアンカー配置場所において膝関節構造204の中へと第二の穴をドリル加工することと、ドリルガイド102を通して第二のアンカーを前進させることと、第二のアンカーを第二の穴の中へと定置することとを伴う。
【0040】
別の例示的な実施形態では、医療器具100は、調整可能な参照ガイド(例えば、図3に示す参照ガイド108b)を含む。この実施形態では、方法は、参照ガイド108bを所望の高さに調整して、第二のアンカー配置場所を画定または選択することを伴う。一実施例では、参照ガイド108bは、調整の前に穿刺ロッド206との整列から取り外され、その後、調整後に穿刺ロッド206と再整列される。別の実施例では、参照ガイド108bが穿刺ロッド206と整列している間に、参照ガイド108bを調整することができる。次に、方法は、ドリルガイド102を通してドリルピン214を前進させることと、画定された第二のアンカー配置場所において膝関節構造204の中へと第二の穴をドリル加工することと、ドリルガイド102を通して第二のアンカーを前進させることと、第二のアンカーを第二の穴の中へと定置することとを伴う。
【0041】
別の例示的な実施形態では、アンカー配置のために異なる医療器具を使用して、追加的なアンカーを関節構造204の中へと挿入することができる。例えば、図10および図11を参照すると、第二の器具220が提供される。第二の器具220は、第二のドリルガイド224に取り付けられた第二の参照ガイド222を含む。第二のドリルガイド224は、穿刺ロッド206から第二の所定のオフセットを有する第二のアンカー配置場所を画定する。次に、方法は、第二のドリルガイド224に取り付けられた第二の参照ガイド222を穿刺ロッド206の外側で前進させることを伴う。次に、方法は、第二のドリルガイド224を通してドリルピン214を前進させることと、画定された第二のアンカー配置場所において膝関節構造204の中へと第二の穴をドリル加工することと、第二のドリルガイド224を通して第二のアンカーを前進させることと、第二のアンカーを第二の穴の中へと定置することとを伴う。
【0042】
上述のように、例示的な実施形態では、一つ以上のアンカーは、関節包を包の断裂の点で関節構造204へと固定する。外科手技で使用される器具100は、修復される特定の包の断裂に基づいて選択することができる。例えば、例示的な実施形態では、方法は、半月板210の下方かつ脛骨プラトー211の上方の位置から包の断裂の点の距離を決定することと、決定された距離に基づいてドリルガイド102に対する参照ガイド108の位置を調整することを伴う。決定された距離に基づいて、ドリルガイド102に対する参照ガイド108の位置を調整することは、参照ガイド108aまたは108b(図2および図3を参照のこと)をドリルガイド102に対する所望の位置に調整することを伴うことができる。非移動可能の固定参照ガイド(例えば、図1A図1Bおよび図4に図示した参照ガイド)を含む一つ以上の器具100が使用される場合、所望の固定参照ガイドを有する特定の医療器具100を選択し、外科手技中に使用することができる。
【0043】
図6図11に図示される例示的な実施形態は、二つのアンカーの挿入することを含むが、より多くまたはより少ないアンカーが可能である。例えば、例示的な実施形態では、膝関節包を膝関節構造204へと固定するために、膝関節構造204の中へと三つのアンカーが挿入される。一実施例では、第一のアンカーおよび第二のアンカーは、約1cm~約2cm離れており、また第二のアンカーおよび第三のアンカーは約1cm~約2cm離れている。別の実施例では、一つのアンカーを使用して、膝関節包を膝関節構造204へと固定する。また別の実施例では、膝関節包を膝関節構造204に固定するために四つ以上のアンカーが使用される。
【0044】
さらに、図6図11の実施例では、アンカーは、内側の膝関節包を通り、かつ膝関節構造204へと挿入される。しかしながら、他の例示的な実施形態では、アンカーは、外側の包を通り、かつ膝関節構造204へと挿入される。なおさらに、図6図11の例示的な実施形態では、一つ以上のアンカーが挿入される膝関節構造204は、脛骨である。しかしながら、他の例示的な実施形態では、膝関節構造204は大腿骨である。
【0045】
図6図11に図示した例示的な実施形態は、膝関節としての関節腔202を図示するが、その他の関節腔も同様に可能である。例えば、他の実施例では、関節腔は肩関節、肘関節、または手首関節である。
【0046】
例示的な実施形態では、アンカー配置場所を選択または画定する方法が開示される。方法は、開示された医療器具のうちの少なくとも一つを使用してアンカー配置場所を選択または画定することを含む。例えば、アンカー配置場所を選択または画定する方法は、医療器具100、100c、100e、および/または220を使用することを含むことができる。
【0047】
本明細書に記載の開示される方法およびシステムは、関節内へのアンカー配置のための改善された方法およびシステムを有益にも提供する。開示された方法およびシステムは、一つ以上のアンカーを所望のアンカー配置場所にかつ所望のアンカー配置角度で、簡単かつ正確に挿入することを可能にする。結果として、開示された方法およびシステムは、関節を修復するための外科手技中にアンカー配置の効率および精度の両方を有益にも改善する。
【0048】
「実質的に」という用語は、列挙された特徴を必ずしも厳密に達成しないが、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界、および当業者に公知のその他の要因を含む逸脱または変動が、特徴を提供することが意図される効果を排除しない量で生じる可能性があることを指す。
【0049】
数値と関連付けられた「約」という用語は、5%だけ異なる可能性がある値を指す。例えば、「約100」の値は、95~105(または95と105との間の任意の値)を意味する。
【0050】
「関節腔」という用語は、二つの骨の間の関節内の腔を指す。
【0051】
「関節包」という用語は、滑膜関節を包囲するエンベロープを指し、関節包は外側繊維層または膜および内側滑膜層または膜を含む。関節包の内側では、関節軟骨はその関節内で関節接続する骨の端面を覆う。関節包は滑膜関節で接合された骨を包囲して、強度および潤滑を提供する。
【0052】
「膝関節包」という用語は、膝関節を包囲するエンベロープを指し、かつ外側繊維層または膜および内側滑膜層または膜を含む。膝関節包は膝の骨を包囲して、強度および潤滑を提供する。
【0053】
「膝関節構造」という用語は、膝関節包によって封入され、かつこれを包囲する膝の部分を指す。例示的な実施形態では、膝関節構造は、半月板、脛骨、大腿骨、脛骨骨膜、および大腿骨骨膜を含む。
【0054】
「膝関節線」という用語は、冠状面の内側および外側大腿骨顆の最遠位点を通る線、または矢状面内の脛骨シャフトの解剖学的軸に垂直な大腿骨の最遠位点を通る線を指す。
【0055】
「脛骨プラトー」という用語は、大腿骨の対応する顆面と関節接続する、脛骨の外側顆または内側顆のいずれかの滑らかな骨面を指す。
【0056】
異なる有利な配置の説明が、図示および説明の目的で提示されており、これは開示した形態の実施形態を網羅または限定することを意図しない。数多くの修正および変形は、当業者には明らかであろう。さらに、異なる有利な実施形態は、他の有利な実施形態と比較して異なる利点を説明する場合がある。選択された実施形態は、実施形態の原理、実践的な適用を説明し、かつ他の当業者が、企図される特定の使用に適合するような様々な修正を有する様々な実施形態に対する本開示を理解できるように選ばれ、かつ記述される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11