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特許7386187車両パフォーマンスワイヤレスインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車両パフォーマンスワイヤレスインターフェース
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B60R16/02 650J
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020573458
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019039754
(87)【国際公開番号】W WO2020006373
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】62/692,566
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/455,422
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503187936
【氏名又は名称】ケイ・アンド・エヌ・エンジニアリング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】K & N ENGINEERING, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィエロ,ジョナサン・リチャード
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-016138(JP,A)
【文献】特開2002-331884(JP,A)
【文献】特開2016-203933(JP,A)
【文献】特開2015-038672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0015748(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両診断通信システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを具備し、車両のOBD-IIコネクタに接続可能なワイヤレススキャンツールへの接続性を有するアプリケーションサーバシステムと、
少なくともダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムによって、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するように構成されたコンポーネントシステムパッケージであって、コンポーネントシステムパッケージがワイヤレススキャンツールとともに、車両のパフォーマンスおよびステータスデータを提供するよう構成される、コンポーネントシステムパッケージと、
アプリケーションサーバシステムおよびコンポーネントシステムパッケージに通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)ディスプレイであって、コンポーネントシステムパッケージへのアクセスを提供するように構成されたGUIディスプレイ
を備え
車両のパフォーマンスおよびステータスデータが、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第1のセットならびに車両パフォーマンスおよびステータスデータの第2のセットの少なくとも1つ以上を含み、
診断システムが、コンポーネントの故障に応答して、通知を発生するように構成され、
GUIディスプレイが、通知を表示し、通知を表示することに応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが取得できるように構成され、
GUIディスプレイが、運転者パフォーマンスシステムによって、車両の動作中にビデオを記録するように構成され、
GUIディスプレイが、運転者パフォーマンスシステムによって、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように構成される、車両診断通信システム。
【請求項2】
GUIディスプレイが、タッチスクリーンを備え、タッチスクリーンが、コンポーネントシステムパッケージをユーザが選択し、動作させる複数のボタンを備え、タッチスクリーンの複数のボタンの各々が、ダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムの少なくとも1つ以上と関連付けられ、ダッシュボードシステムがGUIディスプレイとともに、デジタル計器、アナログ計器、およびインディケータライトの少なくとも1つ以上を含む1つ以上の仮想ダッシュボードを表示するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
GUIディスプレイが、運転者パフォーマンスシステムによって、エンドユーザの運転スキルを改善することを助けるように構成され、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第1のセットが、エンジンRPM、車両速度、冷却液温度、空気フロー、マニホルド圧力、気圧、周囲の気温、給気圧、広帯域AFR、スロットル位置、点火進角、馬力およびトルク計算、ならびに燃費の少なくとも1つ以上を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
GUIディスプレイの複数のボタンが、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムの少なくとも1つ以上によって、車両が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
GUIディスプレイが、診断システムによって、ワイヤレススキャンツールによって取得されたOBD-IIデータを読み込み、車両を含む何らかの識別された故障しているコンポーネントを示すように構成され、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第2のセットが、エンジンのノッキングの程度、トランスミッション液温度およびライン圧力、スリップアクロストルクコンバータ、トルクコンバータロックアップ状態、現在のトランスミッションギア、リアディファレンシャル温度、チャージ圧力および/またはスロットル入口圧力、ポストターボ/スーパーチャージャーの2次吸気圧、ウェイストゲートデューティサイクルパーセンテージ、シリンダミスファイアデータ、シリンダヘッド温度、エンジンオイル圧力、エンジンオイル温度、ならびにクラッチペダル位置の少なくとも1つ以上を備える、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
GUIディスプレイが、メンテナンス追跡および通知システムによって、車両と関連付けられた予定のメンテナンス間隔でスキャンツールから受信したOBD-IIデータを相互参照するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
GUIディスプレイが、メンテナンス追跡および通知システムによって、車両が点検の期限を過ぎているか、またはメンテナンスが必要であることをOBD-IIデータが示したときに、第1の通知を表示するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
GUIディスプレイが、診断システムならびにメンテナンス追跡および通知システムの少なくとも1つ以上によって、コンポーネントの故障が検出されたときに、第2の通知を表示するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
GUIディスプレイが、メンテナンス追跡および通知システムによって発行された第1および第2の通知の少なくとも1つ以上に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが取得できるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
GUIディスプレイが、コンポーネント故障、第1の通知、および第2の通知の少なくとも1つ以上を含む1つ以上の検出された車両の故障に関する、今買うボタンを表示するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
GUIディスプレイが、ルーティングシステムによって、今買うボタンをエンドユーザが選択したときに、1つ以上の部品供給者に関連したウェブサイトにエンドユーザを向けるように構成され、1つ以上の部品供給者が、1つ以上の検出された故障に関する新しい部品および供給品を提供する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
コンポーネントシステムパッケージが、モバイルデバイス上で動作し、ワイヤレス接続によってワイヤレススキャンツールと通信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを備え、タッチスクリーンが、コンポーネントシステムパッケージにアクセスするために、モバイルデバイスによって、エンドユーザに提示される、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
ワイヤレス接続が、短距離ワイヤレス技術、WiFi、およびNFCの少なくとも1つ以上を含むデータを転送するのに適した任意のワイヤレスプロトコルを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
車両診断通信システムのための方法であって、方法は、
少なくとも1つのプロセッサを具備し、車両のOBD-IIコネクタに接続可能なワイヤレススキャンツールへの接続性を有するアプリケーションサーバシステムを提供することと、
ッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムの少なくとも1つ以上によって、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するようにコンポーネントシステムパッケージを構成し、コンポーネントシステムパッケージがワイヤレススキャンツールとともに、車両のパフォーマンスおよびステータスデータを提供するに構成されることと、
アプリケーションサーバシステムおよびコンポーネントシステムパッケージに通信可能に接続されているGUIインターフェースディスプレイを提供することであって、GUIディスプレイが、コンポーネントシステムパッケージへのアクセスを提供するように構されることと
を含み、
車両のパフォーマンスおよびステータスデータが、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第1のセットならびに車両パフォーマンスおよびステータスデータの第2のセットの少なくとも1つ以上を含み、
診断システムが、コンポーネントの故障に応答して、通知を発生するように構成され、
GUIディスプレイが、通知を表示し、通知を表示することに応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが取得できるように構成され、
GUIディスプレイが、運転者パフォーマンスシステムによって、車両の動作中にビデオを記録するように構成され、
GUIディスプレイが、運転者パフォーマンスシステムによって、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように構成される、方法。
【請求項15】
GUIディスプレイが、タッチスクリーンを備え、タッチスクリーンが、コンポーネントシステムパッケージをユーザが選択し、動作させる複数のボタンを備え、タッチスクリーンの複数のボタンの各々が、ダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムの少なくとも1つ以上と関連付けられ、ダッシュボードシステムがGUIディスプレイとともに、デジタル計器、アナログ計器、およびインディケータライトの少なくとも1つ以上を含む1つ以上の仮想ダッシュボードを表示するように構される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
コンポーネントシステムパッケージを構成することが、エンドユーザの運転スキルを改善することを助け、車両の動作中にビデオを記録し、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように運転者パフォーマンスシステムを構成することを含み、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第1のセットが、エンジンRPM、車両速度、冷却液温度、空気フロー、マニホルド圧力、気圧、周囲の気温、給気圧、広帯域AFR、スロットル位置、点火進角、馬力およびトルク計算、ならびに燃費の少なくとも1つ以上を備え、車両パフォーマンスおよびステータスデータの第2のセットが、エンジンのノッキングの程度、トランスミッション液温度およびライン圧力、スリップアクロストルクコンバータ、トルクコンバータロックアップ状態、現在のトランスミッションギア、リアディファレンシャル温度、チャージ圧力および/またはスロットル入口圧力、ポストターボ/スーパーチャージャーの2次吸気圧、ウェイストゲートデューティサイクルパーセンテージ、シリンダミスファイアデータ、シリンダヘッド温度、エンジンオイル圧力、エンジンオイル温度、ならびにクラッチペダル位置の少なくとも1つ以上を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
コンポーネントシステムパッケージを構成することが、車両が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作するように、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムを構成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
コンポーネントシステムパッケージを構成することが、ワイヤレススキャンツールによって取得されたOBD-IIデータを読み込み、車両を含む何らかの識別された故障しているコンポーネントを示すように診断システムを構成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
コンポーネントシステムパッケージを構成することが、メンテナンス追跡および通知システムによって発行された通知に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが取得できるようにルーティングシステムを構成することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年6月27日に出願の米国特許出願第16/455,422号、および、2018年6月29日に出願され、出願番号第62/692,566号を有する「Vehicle Performance Wireless Interface」という名称の米国仮出願の利益および優先権を主張し、前記出願の全体は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、車両診断の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するように構成された車両診断通信システムのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
環境保護庁(EPA:Environmental Protection Agency)は、1996年式以降の自動車および軽量トラックに、排出(emission)制御のためのオンボード診断機能(OBD:on-board diagnostics)を取り付けることを車両製造業者に要求してきた。コンピュータ、マイクロコントローラ、およびセンサなどのオンボード診断システムは、車両の排出制御システムを監視して、EPAによって義務付けられた閾値を排出が超過する原因となる何らかの故障または悪化を検出する。OBDシステムは、典型的には、例えば、車両の排気(exhaust)マニホルド内に置かれる酸素センサを含む。
【0004】
EPAは、OBDシステムによって監視または計算された全ての情報が、組立ライン診断リンク(ALDL:Assembly Line Diagnostic Link)またはOBDコネクタと呼ばれる標準化された直列16キャビティコネクタ(serial 16-cavity connector)を通じて利用可能にされることを要求する。1996年以降に作られた車両については、16キャビティコネクタは、OBD-IIコネクタと呼ばれる。さらに、排出閾値を超過したとき、OBDシステムによって特徴付けられた診断情報は、診断中および修理中に使用するために、車両の中央コンピュータに記憶されなければならない。
【0005】
OBDシステムの第2世代は、「OBD-II」システムと呼ばれ、例えば、排出パフォーマンス、車両速度、走行距離、エンジン温度、吸気マニホルド圧力などを含む、ホスト車両のパフォーマンスを示す広範囲のデータを監視する。いくつかの事例では、OBD-IIシステムは、車両のエンジン、変速機、ブレーキ、アラーム、エンターテイメントシステムなどに関するデータなど、製造業者固有のデータも記憶する。典型的には、OBD-IIシステムは、車両に関する機械的および電気的問題を示すことができる診断トラブルコード(DTC)と呼ばれるコードを監視する。
【0006】
その上、現代の車両は、典型的には、例えば、フュエルインジェクタパルス、スパークプラグタイミング、アンチロックブレーキシステム、等などの、内部の電気機械アクチュエータを制御するように構成された電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)を有する。ほとんどのECUは、車両内の共有標準化電子バス上でステータスおよび診断情報を伝送する。バスは、データを送受信する多くのプロセッサを伴うオンボードコンピュータネットワークとして働く。このオンボードコンピュータネットワークにおける最も重要なコンピュータは、電子制御モジュール(ECM:electronic-control module)および動力制御モジュール(PCM:power-control module)である。ECMは、典型的には、クルーズコントロールモジュール、スパークコントローラ、排気/ガス再循環システム等などの、エンジン機能を監視し制御するコンピュータおよびマイクロコントローラにアクセスする。PCMは、例えば、エンジン、変速機、およびブレーキシステムなどの、パワートレインと関連付けられたECUを制御し監視することが多い。
【0007】
車両点検中、標準バスからのデータは、運転者側の車両のダッシュボードの下に典型的に置かれる、上述のOBD-IIコネクタに接続する「スキャンツール」と一般に呼ばれる外部エンジン診断機器によってアクセスされることが可能である。コネクタを通じてスキャンツールに転送されたデータは、一般に、車両のステータス、および車両の特定のコンポーネントが故障になったか否かを識別する。現代の多くのスキャンツールは、ワイヤレス通信ができ、したがって、デスクトップ、タブレット、サーバ、モバイル電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナルコミュニケータ、ネットワークルータまたはハブ、ワイヤレスアクセスポイント(AP)またはリピータ等などの外部コンピュータにデータをアップロードすることができる。諒解されるように、スキャンツールを使用すると、車両点検をより効率的かつ費用効果の高いものにする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
車両診断通信システムのための装置および方法が提供される。車両診断通信システムは、少なくとも1つのプロセッサを含み、車両のOBD-IIコネクタに接続可能なワイヤレススキャンツールへの接続性を有するアプリケーションサーバシステムを備える。コンポーネントシステムパッケージは、少なくともダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムによって、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するように構成される。いくつかの実施形態では、コンポーネントシステムパッケージは、モバイルデバイス上で動作し、Bluetooth、WiFi、NFCなどのいずれかを含むワイヤレス接続によってワイヤレススキャンツールと通信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを備える。ダッシュボードシステムは、デジタル計器、アナログ計器、インディケータライトなどを含む1つ以上の仮想ダッシュボードを表示するように構成される。運転者パフォーマンスシステムは、エンドユーザの運転スキルを改善することを助けるために、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように構成される。診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムは、車両が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作するように構成される。メンテナンス追跡および通知システムは、コンポーネントの故障が診断システムによって検出されたときに、通知を表示するように構成される。ルーティングシステムは、メンテナンス追跡および通知システムによって発行された通知に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが取得できるように構成される。
【0009】
例示的実施形態では、車両診断通信システムは:少なくとも1つのプロセッサを具備し、車両のOBD-IIコネクタに接続可能なワイヤレススキャンツールへの接続性を有するアプリケーションサーバシステムと;少なくともダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムによって、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するように構成されたコンポーネントシステムパッケージと;コンポーネントシステムパッケージへのアクセスを提供するように構成されたインターフェースとを備える。
【0010】
別の例示的な実施形態では、ダッシュボードシステムは、デジタル計器、アナログ計器、インディケータライトなどを含む1つ以上の仮想ダッシュボードを表示するように構成される。別の例示的な実施形態では、運転者パフォーマンスシステムは、エンドユーザの運転スキルを改善することを助けるように構成される。別の例示的な実施形態では、運転者パフォーマンスシステムは、車両の動作中にビデオを記録するように構成される。別の例示的な実施形態では、運転者パフォーマンスシステムは、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように構成される。
【0011】
別の例示的な実施形態では、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムは、車両が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作するように構成される。別の例示的な実施形態では、診断システムは、ワイヤレススキャンツールによって取得されたOBD-IIデータを読み込み、車両を含む何らかの識別された故障しているコンポーネントを示すように構成される。別の例示的な実施形態では、メンテナンス追跡および通知システムは、車両と関連付けられた予定のメンテナンス間隔でスキャンツールから受信したOBD-IIデータを相互参照するように構成される。別の例示的な実施形態では、メンテナンス追跡および通知システムは、車両が点検の期限を過ぎているか、またはメンテナンスが必要であることをOBD-IIデータが示したときに、通知を表示するように構成される。別の例示的な実施形態では、メンテナンス追跡および通知システムは、コンポーネントの故障が診断システムによって検出されたときに、通知を表示するように構成される。
【0012】
別の例示的な実施形態では、ルーティングシステムは、メンテナンス追跡および通知システムによって発行された通知に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが素早くかつ簡単に取得できるように構成される。別の例示的な実施形態では、メンテナンス追跡および通知システムは、検出された車両の故障に関する、今買う(Buy Now)ボタンを表示するように構成される。別の例示的な実施形態では、ルーティングシステムは、今買うボタンをエンドユーザが選択したときに、1つ以上の部品供給者に関連したウェブサイトにエンドユーザを向けるように構成され、1つ以上の部品供給者は、検出された故障に関する新しい部品および供給品を提供する。
【0013】
別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージは、モバイルデバイス上で動作し、ワイヤレス接続によってワイヤレススキャンツールと通信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを備える。別の例示的な実施形態では、ワイヤレス接続は、Bluetooth、WiFi、NFCなどのいずれかを含むデータを転送するのに適した任意のワイヤレスプロトコルを含む。
【0014】
例示的実施形態では、車両診断通信システムのための方法は:少なくとも1つのプロセッサを具備し、車両のOBD-IIコネクタに接続可能なワイヤレススキャンツールへの接続性を有するアプリケーションサーバシステムを提供することと;少なくともダッシュボードシステム、運転者パフォーマンスシステム、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムによって、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するようにコンポーネントシステムパッケージを構成することと;コンポーネントシステムパッケージへのアクセスを提供するようにインターフェースを構成することと、を含む。
【0015】
別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージを構成することは、デジタル計器、アナログ計器、インディケータライトなどを含む1つ以上の仮想ダッシュボードを表示するようにダッシュボードシステムを構成することを含む。別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージを構成することは、エンドユーザの運転スキルを改善することを助け、車両の動作中にビデオを記録し、キャプチャされたビデオと車両の動作中に記録されたOBD-IIデータとを組み合わせるように運転者パフォーマンスシステムを構成することを含む。別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージを構成することは、車両が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作するように、診断システム、メンテナンス追跡および通知システム、ならびにルーティングシステムを構成することを含む。別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージを構成することは、ワイヤレススキャンツールによって取得されたOBD-IIデータを読み込み、車両を含む何らかの識別された故障しているコンポーネントを示すように診断システムを構成することを含む。別の例示的な実施形態では、コンポーネントシステムパッケージを構成することは、メンテナンス追跡および通知システムによって発行された通知に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザが素早くかつ簡単に取得できるようにルーティングシステムを構成することを含む。
【0016】
図面は、本開示の実施形態を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示による車両診断通信システムの例示的な実施形態の概略図である。
図2】車両のOBD-IIコネクタに接続されたワイヤレススキャンツールとモバイルデバイスとの間でワイヤレス接続が確立される例示的な使用環境を示す図である。
図3A】車両のOBD-IIコネクタにワイヤレススキャンツールが接続されている間に、図2のモバイルデバイスの、表示され得るタッチスクリーンの例示的な実施形態を示す図である。
図3B】車両のOBD-IIコネクタにワイヤレススキャンツールが接続されている間に、図2のモバイルデバイスの、表示され得るダッシュボードの例示的な実施形態を示す図である。
図4】車両のOBD-IIコネクタにワイヤレススキャンツールが接続されている間に、図2のモバイルデバイス上に表示され得る運転者パフォーマンススクリーンの例示的な実施形態を示す図である。
図5】本開示による車両診断通信システムの実施形態とともに使用され得る例示的なデータ処理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、様々な修正および代替形態を前提とするが、その特定の実施形態は、図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明される。本発明は、開示された特定の形態に限定されないものと理解されるべきであり、それどころか、本開示の精神および範囲に含まれる全ての修正形態、均等物、および代替形態を含むことが意図される。
【0019】
以下の説明では、本開示を完全に理解するために、非常に多くの具体的詳細が示される。それでも、本明細書で開示された本発明は、これらの具体的詳細がなくても実践され得ることが当業者には明らかであろう。他の例では、「第1の車両」などの特定の数字の参照が行われることがある。それでも、特定の数字の参照は、文字通りの連続した順序として解釈されるのではなく、むしろ、「第1の車両」が「第2の車両」とは異なると解釈されるべきである。したがって、示された具体的詳細は、例示的なものに過ぎない。具体的詳細は、本開示の精神および範囲とは異なり、本開示の精神および範囲内にあるものと依然として想定され得る。用語「結合される(coupled)」は、コンポーネントに直接的に、または別のコンポーネントを通じてコンポーネントに間接的に接続されることを意味するものとして定義される。さらに、本明細書で使用されるように、任意の数値または範囲に関する用語「約(about)」、「およそ(approximately)」、または「かなり(substantially)」は、本明細書で説明されるような意図された目的のために、コンポーネントの一部または集合体が機能することを可能にする適切な大きさの許容範囲を示す。
【0020】
一般に、環境保護庁(EPA)は、自動車および軽量トラックに、排出制御のためのオンボード診断機能(OBD)を取り付けることを車両製造業者に要求する。コンピュータ、マイクロコントローラ、およびセンサなどのオンボード診断システムは、車両の排出制御システムを監視して、EPAによって義務付けられた閾値を排出が超過する原因となる何らかの故障または悪化を検出する。OBDシステムによって監視または計算された全ての情報は、組立ライン診断リンク(ALDL)と呼ばれる標準化された直列16キャビティコネクタ、または、1996年以降に作られた車両のためのOBD-IIコネクタと呼ばれるOBDコネクタを通じて利用可能になる。排出閾値が超過されたとき、OBDシステムによって特徴付けられた診断情報は、診断中および修理中に使用するために、車両の中央コンピュータに記憶されなければならない。車両点検中、データは、OBD-IIコネクタに接続する「スキャンツール」と一般に呼ばれる外部エンジン診断機器によってアクセスされることが可能である。コネクタを通じてスキャンツールに転送されたデータは、一般に、車両のステータス、および車両の特定のコンポーネントが故障になったか否かを識別する。現代の多くのスキャンツールは、ワイヤレス通信ができ、したがって、デスクトップ、タブレット、サーバ、モバイル電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナルコミュニケータ、ネットワークルータまたはハブ、ワイヤレスアクセスポイント(AP)またはリピータ等などの外部コンピュータにデータをアップロードすることができる。本明細書で開示された実施形態は、OBD-IIデータの監視および対話性を提示するように構成された車両診断通信システムのためのシステムおよび方法を含む。
【0021】
図1は、本開示による車両診断通信システム100の例示的な実施形態の概略図である。通信システム100は、少なくとも1つのプロセッサを具備し、車両114のOBD-IIコネクタに接続されたワイヤレススキャンツール110への接続性を有するアプリケーションサーバシステム108の、非一時的な機械可読媒体(すなわち、メモリ)に記憶された車両パフォーマンスシステム104を備える。一般に、ワイヤレススキャンツール110は、非限定的な例として、エンジンRPM、車両速度、冷却液温度、空気フロー、マニホルド圧力、気圧、周囲の気温、給気圧、広帯域AFR、スロットル位置、点火進角(spark advance)、馬力およびトルク計算、燃費(MPG、L/100km、L/km、等)、ならびに利用可能な他の任意の包括的なOBD-II PIDなどの、車両114に関するパフォーマンスデータおよびステータスデータを車両パフォーマンスシステム104に提供する。
【0022】
その上、いくつかの実施形態では、ワイヤレススキャンツール110によって提供される車両パフォーマンスデータおよびステータスデータは、エンジンのノッキングの程度、トランスミッション液温度およびライン圧力、スリップアクロストルクコンバータ、トルクコンバータロックアップ状態、現在のトランスミッションギア、リアディファレンシャル温度、チャージ圧力および/またはスロットル入口圧力、2次吸気圧(secondary intake air pressure)(ポストターボ/スーパーチャージャー)、ウェイストゲートデューティサイクルパーセンテージ、シリンダミスファイアデータ、シリンダヘッド温度、エンジンオイル圧力、エンジンオイル温度、クラッチペダル位置、ならびに、車両上の任意の他のセンサから受信したデータ、ならびに、アクセス可能であり得る他の任意の製造業者独自の/拡張されたPIDをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、車両パフォーマンスシステム104は、コンポーネントシステムパッケージ116へのアクセスを提供するインターフェース112を備える。ホストサイト120は、インターネットなどの通信ネットワークによるアプリケーションサーバシステム108へのアクセスを、多くのエンドユーザ124に提供する。エンドユーザ124は、車両ステータスおよびパフォーマンスデータへアクセスし対話することを望む、例として、自動車整備士、技術者、車両所有者、等などの車両点検作業員を含む。いくつかの実施形態では、ホストサイト120は、エンドユーザ124がコンポーネントシステムパッケージ116と対話するウェブベースのアプリケーションを備える。いくつかの実施形態では、ホストサイト120は、点検作業員および車両所有者が、コンポーネントシステムパッケージ116と直接的に対話できるようにするカスタマイズされたウェブベースのモバイルデバイスアプリケーションを備えることができる。いくつかの実施形態では、ホストサイト120および車両パフォーマンスシステム104は、モバイルデバイス上で動作し、ワイヤレス接続によってワイヤレススキャンツール110と通信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを備えることができる。このような実施形態では、エンドユーザ124は、ワイヤレススキャンツール110を車両114のOBD-IIコネクタに接続し、ワイヤレス接続は、ワイヤレススキャンツール110と、図2に示されるようなセルフォン118などのモバイルデバイスとの間で確立される。スキャンツール110とセルフォン118との間のワイヤレス接続は、Bluetooth、WiFi、NFCなどのいずれかを含むデータを転送するのに適した任意のワイヤレスプロトコルを限定することなく含むことができることが図られる。
【0024】
好ましくは、エンドユーザ124のそれぞれは、アプリケーションサーバシステム108のメモリに記憶されたアプリケーションを利用して、所望の製品を受け取るように、様々な部品供給者144のうちの1つ以上に要求信号または「電子注文」を送ることができる。部品供給者144は、例として、自動車およびトラックの部品供給者、製造業者、販売業者、小売店場、等などの団体を含む。1つの実施形態では、コンポーネントシステムパッケージ116は、アプリケーションサーバシステム108のメモリに記憶され、インターフェース112は、車両パフォーマンスシステム104の一部を含むソフトウェアアプリケーションであり、これによって、コンポーネントシステムパッケージ116へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、コンポーネントシステムパッケージ116は、1つ以上の第三者のサービス提供者によって運用されるサービスであってもよい。このような実施形態では、インターフェース112は、インターネット接続などの通信ネットワーク上の接続を備えることができ、これにより、アプリケーションサーバシステム108は、1つ以上の第三者のサービス提供者にリクエストを送り、サービスを受けることができる。
【0025】
諒解されるように、コンポーネントシステムパッケージ116は、一般に、コンポーネントシステムを備え、これにより、各エンドユーザ124は、ワイヤレススキャンツール110によって提供された車両パフォーマンスデータおよびステータスデータと対話することができる。図3Aは、コンポーネントシステムパッケージ116にアクセスし得るセルフォン118によってエンドユーザ124に提示され得るタッチスクリーン160の例示的な実施形態を示す。例えば、タッチスクリーン160は、パッケージ116を含むコンポーネントシステムをエンドユーザ124が選択し、操作することができるいくつかのボタン164を含むことができる。図1の示された実施形態では、コンポーネントシステムパッケージ116は、ダッシュボードシステム128、運転者パフォーマンスシステム132、診断システム134、メンテナンス追跡および通知システム136、およびルーティングシステム140を含む。いくつかの実施形態では、それでも、コンポーネントシステムパッケージ116は、限定することなく、また本開示の精神および範囲を越えて逸脱することなく、図1に示されたコンポーネントシステムのほかに、他のシステムを備えることができる。コンポーネントシステムパッケージ116を備えるシステムのそれぞれが、下記で説明される。
【0026】
ダッシュボードシステム128は、一般に、OBD-IIデータの監視とロギングを車内コンピューティング体験に統合するように構成される。例えば、セルフォン118によってエンドユーザ124に表示され得るダッシュボード168の例示的な実施形態が図3Bに示される。ダッシュボードシステム128は、非限定的な例として、デジタル計器、アナログ計器、インディケータライトなどを含む多種多様な魅力的な仮想ダッシュボードを表示するように構成されることが図られる。
【0027】
運転者パフォーマンスシステム132は、エンドユーザ124の運転スキルを改善することを助けるように構成される。運転者パフォーマンスシステム132は、ロードレース、クロスカントリ、ラリー、オフロード、ドラッグレース等などの、エンドユーザ124の競争運転スキルを改善することに特に適していることが図られる。いくつかの実施形態では、運転者パフォーマンスシステム132は、例えば、セルフォン118によって、エンドユーザ124がレース中にビデオを記録できるようにする。運転者パフォーマンスシステム132は、次に、改善されたレースパフォーマンスを促進するために、キャプチャされたビデオを、レース中に記録されたOBD-IIデータと組み合わせて、エンドユーザ124が運転者の誤りを識別できるようにする。図4は、セルフォン118によって表示され得る運転者パフォーマンススクリーン172の例示的な実施形態を示す。運転者パフォーマンススクリーン172は、キャプチャされたビデオ176、および1つ以上の仕切られたデータオーバレイ180を含む。データオーバレイ180は、馬力、エンジンRPM、車両速度、エンジン冷却液温度、ブレーキペダル、スロットル位置、重力加速度(G forces)のいずれか、および、運転者パフォーマンスに関するOBD-IIデータのいずれかを備えることができる。運転者パフォーマンスシステム132は、運転中の、ビデオ、オーディオ、および車両データの記録をエンドユーザ124が記録、保存、および再生できるように構成されることがさらに図られる。
【0028】
図1を再び参照すると、いくつかの実施形態では、診断システム134、メンテナンス追跡および通知システム136、ならびにルーティングシステム140は、車両114が適切に点検され、最適に動作していることを保証するために協調して動作できることが図られる。診断システム134は、ワイヤレススキャンツール110によって取得されたOBD-IIデータを読み込み、車両114の何らかの識別された故障しているコンポーネントを示すように構成される。メンテナンス追跡および通知システム136は、車両114と関連付けられた予定のメンテナンス間隔で、スキャンツール110から受信したOBD-IIデータを相互参照するように構成される。車両114が点検の期限を過ぎているか、またはメンテナンスが必要であることをOBD-IIデータが示す場合、システム136は、エンドユーザ124への通知を表示することができる。
【0029】
メンテナンス追跡および通知システム136は、診断システム134とともに、同様に動作することが図られる。したがって、メンテナンススケジュールを識別することに加えて、メンテナンス追跡および通知システム136は、コンポーネントの故障が診断システム134によって検出されると、エンドユーザ124への通知を表示することができる。例えば、メンテナンス追跡および通知システム136は、エアフィルタに関する点検間隔が超えられているか、または、診断システム134が詰まったエアフィルタの汚れを示す故障を検出した場合、車両114が新しいエアフィルタを必要としていることを示すことができる。
【0030】
ルーティングシステム140は、メンテナンス追跡および通知システム136によって発行された通知に応答して、新しい部品および供給品をエンドユーザ124が素早くかつ簡単に取得できるように構成される。いくつかの実施形態では、メンテナンス追跡および通知システム136は、検出された車両の故障に関する、今買うボタンを表示するように構成される。エンドユーザ124が、今買うボタンを選択すると、ルーティングシステム140は、部品供給者144のうちの1つに関連したウェブサイトにセルフォン118を向け、これにより、エンドユーザ124は、検出された故障に関する新しい部品および供給品を取得することができる。例えば、汚いエアフィルタについての上記のケースでは、エンドユーザ124が、今買うボタンを選択すると、ルーティングシステム140は、交換用のエアフィルタおよび/またはエアフィルタクリーニングキットを売る部品供給者144のウェブサイトにセルフォン118をリダイレクトする。諒解されるように、セルフォン118がウェブサイトにリダイレクトされると、エンドユーザ124は、必要な部品および/または供給品を要望通りに購入する。
【0031】
図5は、本明細書で説明される処理または方法のいずれかを実施するために、車両診断通信システム100とともに使用され得る例示的なデータ処理システム220を示すブロック図である。システム220は、デスクトップ、タブレット、サーバ、モバイル電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナルコミュニケータ、ネットワークルータもしくはハブ、ワイヤレスアクセスポイント(AP)もしくはリピータ、セットトップボックス、または、これらの組合せを表すことができる。
【0032】
図5に示された1つの実施形態では、システム220は、プロセッサ224、および、バスまたは相互接続を介してメモリ232およびデバイス236-248を含む様々なコンポーネントをプロセッサ224に結合するための、本明細書でチップセットとも呼ばれる周辺インターフェース228を含む。プロセッサ224は、単一のプロセッサ、あるいは単一のプロセッサコアまたは多数のプロセッサコアが含まれる多数のプロセッサを表すことができる。プロセッサ224は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、または同様のものなどの1つ以上の汎用プロセッサを表すことができる。より具体的には、プロセッサ224は、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、もしくは他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであってもよい。また、プロセッサ224は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、ネットワークプロセッサ、通信プロセッサ、暗号プロセッサ、コプロセッサ、組込みプロセッサ、または、命令を処理することができる他の任意のタイプのロジックなどの1つ以上の専用プロセッサであってもよい。プロセッサ224は、本明細書で論じられる動作およびステップを実施するための命令を実行するように構成される。
【0033】
周辺インターフェース228は、メモリコントロールハブ(MCH:memory control hub)および入出力コントロールハブ(ICH:input output control hub)を含むことができる。周辺インターフェース228は、メモリ232と通信するメモリコントローラ(図示せず)を含むことができる。周辺インターフェース228は、ディスプレイコントローラおよび/またはディスプレイデバイスを含み得るグラフィックスサブシステム234と通信するグラフィックスインターフェースも含むことができる。周辺インターフェース228は、アクセラレイティッドグラフィックスポート(AGP)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)エクスプレスバス、または他の任意のタイプの相互接続によってグラフィックスデバイス234と通信することができる。
【0034】
MCHは、ノースブリッジと呼ばれることもあり、ICHは、サウスブリッジと呼ばれることもある。本明細書で使用されるように、用語MCH、ICH、ノースブリッジ、およびサウスブリッジは、割込み信号をプロセッサに伝えることを含む機能を実施する様々なチップを包含すると幅広く解釈されることが意図されるものである。いくつかの実施形態では、MCHは、プロセッサ224と統合されてもよい。このような構成では、周辺インターフェース228は、MCHおよびICHのいくつかの機能を実施するインターフェースチップとして動作する。さらに、グラフィックスアクセラレータは、MCHまたはプロセッサ224内に統合されてもよい。
【0035】
メモリ232は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、または他のタイプのストレージデバイスなどの、1つ以上の揮発性ストレージ(すなわちメモリ)デバイスを含むことができる。メモリ232は、プロセッサ224、または他の任意のデバイスによって実行される一連の命令を含む情報を記憶することができる。例えば、様々なオペレーティングシステム、デバイスドライバ、ファームウェア(例えば、入出力基本システムすなわちBIOS)、ならびに/またはアプリケーションの実行可能コードおよび/もしくはデータは、メモリ232にロードされ、プロセッサ224によって実行されることが可能である。オペレーティングシステムは、例えば、Microsoft(R)からのWindows(R)オペレーティングシステム、AppleからのMac OS(R)/iOS(R)、Google(R)からのAndroid(R)、Linux(R)、Unix(R)、または、VxWorksなどの他のリアルタイムもしくは組込み型オペレーティングシステムなどの任意の種類のオペレーティングシステムであることが可能である。
【0036】
周辺インターフェース228は、ワイヤレストランシーバ236、入力デバイス240、オーディオIOデバイス244、および他のIOデバイス248を含むデバイス236-248などの、IOデバイスへのインターフェースを提供することができる。ワイヤレストランシーバ236は、WiFiトランシーバ、赤外線トランシーバ、Bluetoothトランシーバ、WiMaxトランシーバ、ワイヤレスセルラー電話通信トランシーバ、衛星トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、または、これらの組合せであってもよい。入力デバイス240は、マウス、タッチパッド、タッチセンシティブスクリーン(これは、ディスプレイデバイス234と統合されてもよい)、スタイラスなどのポインタデバイス、および/または、キーボード(例えば、物理キーボード、もしくは、タッチセンシティブスクリーンの一部として表示される仮想キーボード)を含むことができる。例えば、入力デバイス240は、タッチスクリーンと結合されたタッチスクリーンコントローラを含むことができる。タッチスクリーンおよびタッチスクリーンコントローラは、例えば、容量性、抵抗性、赤外線、および表面音響波技術、ならびに、タッチスクリーンとの1つ以上の接触点を決定するための他の近接センサアレイまたは他の要素を含むがこれらに限定されない複数のタッチセンシティビティ技術のいずれかを使用して、接触および移動、またはそれらの中断を検出することができる。
【0037】
オーディオIO244は、音声認識、音声複製、デジタル録音、および/または電話通信機能などの音声対応機能を容易にするための、スピーカおよび/またはマイクロフォンを含むことができる。他の任意選択のデバイス248は、ストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリデバイス)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、パラレルポート、シリアルポート、プリンタ、ネットワークインターフェース、バスブリッジ(例えば、PCI-PCIブリッジ)、センサ(例えば、運動センサ、光センサ、近接センサ、等)、またはこれらの組合せを含むことができる。任意選択のデバイス248は、写真およびビデオクリップを記録することなどのカメラ機能を容易にするために利用される電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)光センサなどの光センサを含み得る画像化処理サブシステム(例えば、カメラ)をさらに含んでもよい。
【0038】
図5はデータ処理システムの様々なコンポーネントを示すが、コンポーネントを相互接続する任意の特定のアーキテクチャまたは手法を表すことが意図されるものではなく;したがって、詳細は、本開示の実施形態と密接な関係があるわけではないことに留意されたい。ネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイル電話、および、より少ないコンポーネントまたはおそらくより多くのコンポーネントを有する他のデータ処理システムが、上記で開示された本発明の実施形態とともにさらに使用されてもよいことも諒解されたい。
【0039】
コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号表現の観点から、先行する詳細な説明のいくつかの部分が提示されてきた。これらのアルゴリズム的説明および表現は、これらの作業の実体を他の当業者に最も効果的に伝えるために、データ処理技術における当業者によって使用される方法である。アルゴリズムは、ここでは、また一般的に、所望の結果につながる首尾一貫した一連の動作であると想像される。動作は、物理量の物理的操作を必要とするものである。
【0040】
それでも、これらおよび類似の用語の全てが、適切な物理量と関連付けられることになり、これらの量に適用される便利なラベルに過ぎないことに留意されたい。上記の議論から明らかなように、別途特に述べられない限り、説明の全体にわたって、下記の特許請求の範囲に示されたものなどの用語を利用する議論は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されたデータを操作および変換して、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ、または他のこのような情報ストレージ、伝送もしくはディスプレイデバイス内の物理量として同様に表された他のデータにする、コンピュータシステム、または類似の電子計算デバイスのアクションおよび処理を指すことを諒解されたい。
【0041】
図に示された技法は、1つ以上の電子デバイス上で記憶され、実行されるコードおよびデータを使用して実現されることが可能である。このような電子デバイスは、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体(例えば、磁気ディスク;光ディスク;ランダムアクセスメモリ;リードオンリメモリ;フラッシュメモリデバイス;相変化メモリ)、および一時的コンピュータ可読伝送媒体(例えば、電気、光、音響、または他の形態の伝搬信号 - 搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などのコンピュータ可読媒体を使用してコードおよびデータを記憶し、(内部で、および/またはネットワークで他の電子デバイスと)通信する。
【0042】
先行する図に描写された処理または方法は、ハードウェア(例えば、回路機器、専用ロジック、等)、ファームウェア、(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に含まれる)ソフトウェア、または両方の組合せを備える処理ロジックによって実施されてもよい。処理または方法が、いくつかの順次的な動作の観点から上記で説明されるが、説明された動作のうちのいくつかは、異なる順序で実施されてもよいことを理解されたい。その上、いくつかの動作は、順次ではなく並行に実施されてもよい。
【0043】
本発明は、特定の変形形態および例証的な図の観点から説明されてきたが、本発明が、説明された変形形態または図に限定されないことを当業者は認識するであろう。さらに、特定のイベントが特定の順序で発生することを、上記で説明された方法およびステップが示す場合、特定のステップの順序は修正されてもよいということ、および、このような修正は本発明の変形形態によるということを当業者は認識するであろう。追加として、ステップのいくつかは、可能なとき、平行処理で同時に行われてもよく、上記で説明されたように順次実施されてもよい。本開示の精神に含まれるか、または、特許請求の範囲で見つかる本発明に均等な、本発明の変形形態の範囲において、本特許がこれらの変形形態も同様に含むことが意図されるものである。したがって、本開示は、本明細書で説明される特定の実施形態によって限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとして理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5