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  • 特許-抗IL36R抗体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】抗IL36R抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20231116BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20231116BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20231116BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20231116BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20231116BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20231116BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20231116BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20231116BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20231116BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20231116BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231116BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231116BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C12N15/62 Z
C07K16/28
C07K16/46
C12P21/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K45/00
A61K39/395 N
A61P17/00
A61P17/06
A61P29/00
A61P1/04
A61P11/00
A61P13/12
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021502424
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019041952
(87)【国際公開番号】W WO2020018503
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】62/698,482
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/846,989
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,028
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】フェアハースト, ジャネット
(72)【発明者】
【氏名】ガルノバ, エレナ
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ハジナスト, ソコル
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/074569(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/168542(WO,A1)
【文献】MABS,2017年,VOL.9, NO.7,p.1143-1154,https://doi.org/10.1080/19420862.2017.1353853
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
C12P 21/08
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
A61K 45/00
A61K 39/395
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 29/00
A61P 1/04
A61P 11/00
A61P 13/12
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターロイキン-36受容体(IL-36R)に特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
(a)配列番号50に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンもしくはその可変領域の重鎖相補性決定領域のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域
配列番号58に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンもしくはその可変領域の軽鎖相補性決定領域のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリンもしくはその可変領域と
を含み、または
(b)配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンもしくはその可変領域の重鎖相補性決定領域のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域と
配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンもしくはその可変領域の軽鎖相補性決定領域のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項2】
配列番号36に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
および
配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号44に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
配列番号46に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;
および
配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
配列番号52に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
配列番号54に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;
および
配列番号56に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号60に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
配列番号62に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;
および
配列番号64に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
列番号34に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む、請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項5】
配列番号50に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号58に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む、請求項1または3に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記重鎖免疫グロブリン可変領域が、IgG、IgG1またはIgG4重鎖定常領域に結合し、前記軽鎖免疫グロブリン可変領域が、カッパまたはラムダ軽鎖定常領域に結合する、請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項7】
列番号188に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号190に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンを含む、請求項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項8】
配列番号192に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号194に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンを含む、請求項6に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
多特異性である、請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを製造する方法であって、
(a)前記抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする一つ以上のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入すること;および
(b)前記宿主細胞を培地においてポリヌクレオチドの発現に好ましい条件下で培養することを含む、方法
【請求項11】
(c)前記抗体またはその抗原結合フラグメントを前記宿主細胞からおよび/または前記宿主細胞が成長している培地から単離することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記宿主細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
請求項10~12のいずれか一項に記載の方法の産物である、抗体またはその抗原結合フラグメント
【請求項14】
請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項15】
請求項14に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項16】
請求項1~のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または、請求項15に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項17】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項18】
炎症性障害を治療または予防するための組成物またはキットであって、請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物またはキット。
【請求項19】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、さらなる治療剤と関連付けられている、請求項18に記載の組成物またはキット。
【請求項20】
前記さらなる治療剤が抗炎症剤である、請求項19に記載の組成物またはキット。
【請求項21】
前記さらなる治療剤が、抗TNFアルファ抗体またはその抗原結合フラグメント、免疫グロブリン、IL17阻害剤、IL23p19阻害剤、IL12p40阻害剤、グセルクマブ、ウステキヌマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、セクキヌマブ、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、デュピルマブ、サリルマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ、アバタセプト、トファシチニブ、アバタセプト、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、セレコキシブ、シクロホスファミド、メトトレキサート、コルチコステロイド、コルチゾンおよびプレドニゾンに結合した一つ以上のヒトTNF受容体またはそのフラグメントからなる群から選択されるメンバーである、請求項19または20に記載の組成物またはキット。
【請求項22】
それを必要とする対象におけるIL-36R介在性疾患を治療または予防することにおける使用のための組成物であって、請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項23】
炎症性障害、自己免疫障害、インターロイキンIL-36受容体アンタゴニスト(DITRA)症候群の欠損、疱疹状膿痂疹、肢端皮膚炎、皮膚好中球性膿疱性疾患、膿疱性疾患、乾癬、汎発性膿疱性乾癬、膿疱性疾患、掌蹠膿疱性乾癬、掌蹠膿疱症、大腸炎、気道炎症、関節の炎症、腎臓の炎症、円形脱毛症、皮膚炎症、表皮肥厚、角化症、キンドラー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、ネフローゼ症候群、ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管障害、細管間質性病変および糸球体腎炎を治療または予防することにおける使用のための組成物であって、請求項1~のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項24】
乾癬または炎症性腸疾患を治療または予防するための、請求項22または23に記載の使用のための組成物。
【請求項25】
前記組成物が、皮下、静脈内または筋肉内投与のために製剤化される、請求項22~24のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/698,482号;2019年5月13日に出願された米国仮特許出願第62/846,989号;および2019年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/866,028号の利益を主張するものであり、その各々が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、部分的には、IL-36受容体に結合する抗体、および乾癬または炎症性腸疾患を含む炎症性障害を治療するためのかかる抗体の使用に関する。
【0003】
参照による配列表の援用
2019年7月15日に作成され、EFS-Webを介して米国特許商標庁に提出された、176KBの36432_10484US01_SequenceListingという名称のASCIIテキストファイルの配列表が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
インターロイキン(IL)-36サイトカインは、IL-36RおよびIL-1RAcPから構成される共通受容体に結合して、炎症応答を刺激する、IL-36α、IL-36β、およびIL-36γの三つのアゴニストを含む。IL-36受容体(IL-36R)は、IL-1ファミリーのサブセットのサイトカイン、IL-36α、IL-36β、およびIL-36γに対する単一貫通型膜受容体であり、これらのリガンドのいずれかに結合する際、その共受容体であるIL-1R補助タンパク質(IL-1RAcP)が動員され、これが、NFκBに関与するシグナル伝達カスケードおよびマイトジェン活性化キナーゼ経路を誘導する(Simsら、2010年)。
【0005】
乾癬のような一部の炎症性皮膚状態のメディエーターは、IL-36である。乾癬は、尋常性乾癬および汎発性膿疱性乾癬を含む、一般的な免疫介在性炎症性皮膚疾患である。標準的な治療ガイドラインには、局所ステロイド、局所ビタミンD、全身性免疫抑制剤並びに抗腫瘍壊死因子(TNF)α、抗インターロイキン(IL)-23および抗IL-17抗体のような様々な生物製剤の使用が含まれる。IL-36メンバーは、尋常性乾癬の損傷皮膚に置いて過剰発現しており、IL-36Rの活性化は、TNF-α/IL-23/IL-17/IL-22軸と共に乾癬性炎症の持続性および永続性に関与し得る。(Di Cesareら、The IL-23/Th17 axis in the immunopathogenesis of psoriasis、Journal of Investigative Dermatology 129:1339~1350(2009年)およびBlumbergら、IL-1RL2 and its ligands contribute to the cytokine network in psoriasis.J Immunol 185:4354~4362(2010年))。
しかしながら、掌蹠膿疱症(PPP)および掌蹠膿疱性乾癬(PPPP)の現在利用可能な治療は限られる。スペソリマブおよびANB019は、臨床開発中の抗IL36R抗体であり、免疫原性および効力に関連する欠点に悩まされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Di Cesareら、The IL-23/Th17 axis in the immunopathogenesis of psoriasis、Journal of Investigative Dermatology 129:1339~1350(2009年)
【文献】Blumbergら、IL-1RL2 and its ligands contribute to the cytokine network in psoriasis.J Immunol 185:4354~4362(2010年)
【発明の概要】
【0007】
本発明は、優れた特性を示す抗IL36R抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。例えば、本発明者らは、1群当たり3匹のカニクイザル(0.5および5mg/kgの皮下投与群、n=3/群)における薬物動態研究において、本明細書に記載される抗IL36R抗体(例えば、H4H14708P2)が、抗IL36R抗体、APE6155よりも約1.2倍高い曝露を示したことを観察した。さらに、本発明者らはまた、APE6155が、例えば、IMQ誘導性皮膚炎症における皮膚の厚さおよび病理スコアの減少、ならびに皮膚における炎症促進性サイトカインの減少において、本明細書に記載される抗IL36R抗体よりも少ない効力を示したことも観察した。ヒト化抗IL36R抗体であるスペソリマブは、高レベルの、ヒト対象におけるGPPを有する抗薬物抗体を呈した。第I相の臨床試験では、7人の患者のうち3人が、2週目に抗薬物抗体を有し、これらは、単回投与の20週後まで持続した。スペソリマブのこの特性は、慢性長期治療にとって理想的ではない。競合の抗IL36のGPPにおけるアミンの第一のデータは、ANB019、速報、企業アップデート、AnaptysBio、Jefferies(2018年9月16日)の概念証明を提供する。本発明のヒト抗IL36R抗体は、ヒトにおいて高い免疫原性であるとは予想されない。
【0008】
本発明は、(i)参照抗原結合タンパク質と同じ、IL36R上のエピトープに特異的に結合する;または(ii)IL36Rポリペプチドへの結合について、参照抗原結合タンパク質と競合する、抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)であって、参照抗原結合タンパク質が、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列を含む、重鎖免疫グロブリンのCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリン;および/(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列を含む、軽鎖免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリンを含む、抗原結合タンパク質を提供する。例えば、本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(i)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列を含む、重鎖免疫グロブリンのCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン;および/または(ii)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列を含む、軽鎖免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリンを含む。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;および/または(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む。例えば、本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列、および配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含む、重鎖免疫グロブリンのCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン;および/または(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列、および配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含む、軽鎖免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリンを含む。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号36に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号52に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号54に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号56に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号68に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号70に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号72に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号84に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号86に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号88に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号100に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号104に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号116に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号118に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号120に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号132に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号134に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号136に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号140に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号142に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号144に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号156に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号158に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号160に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号172に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号174に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号176に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3、ならびに/または配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3ならびに/または配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号44に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号46に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号60に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号62に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号64に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号76に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号78に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号80に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号92に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号94に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号96に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号108に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号110に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号112に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号148に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号150に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号152に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号164に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号166に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号168に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3、ならびに/または配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む重鎖免疫グロブリンを含む。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(1)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(2)配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(3)配列番号36に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号44に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号46に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(4)配列番号52に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号54に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号56に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号60に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号62に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号64に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(5)配列番号68に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号70に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号72に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号76に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号78に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号80に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(6)配列番号84に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号86に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号88に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号92に記載のアミノ酸配列を含


むCDR-L1;配列番号94に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号96に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(7)配列番号100に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号102に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号104に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号108に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号110に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号112に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(8)配列番号116に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号118に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号120に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(9)配列番号132に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号134に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号136に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(10)配列番号140に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号142に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号144に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号148に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号150に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号152に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(11)配列番号156に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号158に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号160に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号164に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号166に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号168に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;または(12)配列番号172に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H1;配列番号174に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および配列番号176に記載のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに配列番号124に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L1;配列番号126に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および配列番号128に記載のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン;および/または(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンを含む。本発明は、(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(b)配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(c)配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(d)配列番号50に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号58に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(e)配列番号66に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号74に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(f)配列番号82に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号90に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(g)配列番号98に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号106に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(h)配列番号114に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(i)配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(j)配列番号138に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号146に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;(k)配列番号154に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号162に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに/または(l)配列番号170に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)を含み、例えば、重鎖免疫グロブリン可変領域は、重鎖定常領域(例えば、IgG(例えば、IgG1またはIgG4))に結合し、軽鎖免疫グロブリン可変領域は、軽鎖定常領域(例えば、ラムダまたはカッパ)に結合する。例えば、軽鎖および重鎖定常領域は、ヒト定常領域である。本発明の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)は、(a)配列番号180に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号182に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(b)配列番号184に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号186に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(c)配列番号188に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号190に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(d)配列番号192に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号194に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(e)配列番号196に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号198に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(f)配列番号200に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号202に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(g)配列番号204に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号206に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(h)配列番号208に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号210に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(i)配列番号212に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号214に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(j)配列番号216に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号218に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;(k)配列番号220に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号222に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;ならびに/または(l)配列番号224に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンを含む。
【0009】
本発明の抗原結合タンパク質は、本発明の実施形態では、例えば、シルドアッセイフォーマットで測定された、以下の特性:
・ 25℃で約2.18nM~約13.9nMのKで、または37℃で約4.25nM~約29.5nMのKで、ヒトIL36Rに結合する;
・ 25℃で約7.87nM~約34.4nMのKで、または37℃で約14.4nM~約58.2nMのKで、カニクイザルIL36Rに結合する;
・ 25℃で約173pM~約5.79nMのKで、または37℃で約205pM~約28.7nMのKで、マウスIgG2aに融合したヒトIL36Rに結合する;
・ 25℃で約212pM~約14nMのKで、または37℃で約264pM~約40.9nMのKで、マウスIgG2a Fcタグと共に発現されたIL1RAcP細胞外ドメインに融合したヒトIL36Rに結合する;
・ IL36Rへの結合についてH4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2と競合する;
・ IL-1RAcPおよびIL36Rリガンドの存在下で、IL-36R(例えば、ヒトまたはカニクイザル)により、宿主細胞においてレポーター遺伝子に融合した、一つ以上のNFκBエレメントの活性化を遮断する;
・ 皮膚炎症に罹患している対象において、皮膚炎症を予防もしくは改善するか、または皮膚厚みもしくは総病理スコアを低減するか、または炎症促進性サイトカインレベルを低減する;
・ 大腸炎もしくは結腸炎を予防もしくは改善するか、またはそのような大腸炎もしくは炎症を有する対象における糞便のLCN2ポリペプチドのレベルを低減する;
・ 結合したとき、本明細書において配列番号227に記載のヒトIL36R(IL-1RL2)の残基(a)113~119、113~122、116~119および/もしくは116~122;ならびに/または(b)264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/もしくは271~276(または野生型IL-1RL2における対応する残基)を、ペプシンおよび/もしくはプロテアーゼXIIIでの消化ならびに/または重水素の存在下での重水素化から保護する;
・ 本明細書において配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むヒトIL36Rの残基113~119、113~122、116~119、116~122、264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/もしくは271~276(または野生型IL-1RL2における対応する残基)でIL36R(IL-1RL2)(例えば、ヒトIL36R)に結合する;
・ IL36R(IL-1RL2)(例えば、ヒトIL36R)のドメインIIに、例えば、約80.0、80.1、81.0もしくは81.5%のカバー度または約80~81もしくは80~82%のカバー度で結合する;および/または
・ アミノ酸配列 YKQILHLGKD(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122)を含むポリペプチドに結合する;
・ 例えば、in vitro表皮角化細胞、腸の筋線維芽細胞および/またはCD14+単球におけるIL36α、IL36βおよび/またはIL36γ(例えば、濃度約10nM)を、約1、2、3、4、5もしくは6nMまたは1~6nMのIC50で阻害する;および/または
・ 例えば、シルドアッセイフォーマットで測定される、IL36Rによる、NFκB(例えば、HEK293のような細胞におけるNFκB応答エレメント(5×)-ルシフェラーゼ-IRES-GFPレポーター)のIL36α、IL36βおよび/またはIL36γ介在性活性化を競合的に阻害する、の一つ以上により特徴付けられ得る。
【0010】
本発明の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)と複合体を形成したIL36Rポリペプチドまたはその抗原フラグメントを含む複合体もまた、本発明の範囲内である。
【0011】
(a)当該抗原結合タンパク質の免疫グロブリン鎖をコードする一つ以上のポリヌクレオチドを宿主細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)に導入する工程;(b)宿主細胞をポリヌクレオチドの発現に好ましい条件下で培養する工程;および(c)任意選択で、抗原結合タンパク質または免疫グロブリン鎖を宿主細胞および/または宿主細胞が成長している培地から単離する工程を含む、本発明の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)あるいはその免疫グロブリン鎖を作製する方法がまた、本発明により提供される。かかる方法の産物である、抗原結合タンパク質および免疫グロブリン鎖もまた、本発明の一部である。
【0012】
本発明はまた、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン鎖の免疫グロブリン重鎖可変領域のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;ならびに/または(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン鎖の免疫グロブリン軽鎖可変領域のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3;または本明細書に記載の任意のアミノ酸配列、例えば、(c)配列番号1~226からなる郡から選択されるメンバーに記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。かかるポリペプチドの一つ以上(例えば、二つの、例えば、本明細書に記載の重鎖および軽鎖免疫グロブリン)をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明の一部である。かかるポリヌクレオチドを含む、ベクター、例えば、プラスミドも本発明の一部である。本明細書に記載の任意の抗原結合タンパク質もしくは免疫グロブリン鎖またはポリペプチドもしくはポリヌクレオチドもしくはベクターを含む宿主細胞(例えば、CHO細胞)は、本発明の一部であり、例えば、ポリヌクレオチドおよび/またはベクターは、宿主細胞の染色体に組み込まれるか、または異所性である。
【0013】
本明細書に記載の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)の一つ以上を、任意選択的でさらなる治療剤(例えば、抗炎症剤、抗TNFアルファ抗体またはその抗原結合フラグメント、IL17阻害剤、IL23p19阻害剤、IL12p40阻害剤、グセルクマブ、ウステキヌマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、セクキヌマブ、免疫グロブリンに結合した一つ以上のヒトTNF受容体またはそのフラグメント、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、デュピルマブ、サリルマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ、アバタセプト、トファシチニブ、アバタセプト、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、セレコキシブ、シクロホスファミド、メトトレキサート、コルチコステロイド、コルチゾンおよびプレドニゾンと関連して含む、組成物またはキットは、本発明の一部を形成する。
【0014】
本明細書に記載の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)および医薬的に許容される担体、ならびに任意選択で、さらなる治療剤を含む医薬組成物はまた、本発明の一部である。
【0015】
本発明はまた、抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)あるいは本明細書に記載の組成物を含む容器または注射装置(例えば、予め充填されたシリンジ)を提供する。
【0016】
本発明は、対象に、治療上有効量の本明細書に記載の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)を、任意選択で、さらなる治療剤(例えば、抗炎症剤)と関連して投与(例えば、非経口的に)する工程を含む、それを必要とする対象(例えば、ヒト)においてIL36Rにより仲介される障害(例えば、炎症性もしくは自己免疫疾患または炎症性腸疾患)を治療または予防する方法をさらに提供する。
【0017】
本発明はまた、抗原結合タンパク質を対象の身体に、任意選択で、さらなる治療剤(例えば、抗炎症剤)と関連して注射する(例えば、皮下、静脈内または筋肉内)工程を含む、本明細書に記載の抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは多特異性抗体)を、対象(例えば、ヒト)の身体に投与する方法を提供する。
【0018】
本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174,176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222および/もしくは226に記載されるアミノ酸配列を含む任意のポリペプチドまたはそのバリアントを包含する。
【0019】
本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173,175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、181、185、189、193、197、201、205、209、213、217、221および/もしくは225に記載されるヌクレオチド配列またはそのバリアントを含む任意のポリヌクレオチドを含む。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
残基113~119、113~122、116~119、116~122、264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/または271~276にて配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する;
または
(i)参照抗体またはその抗原結合フラグメントと同じ、IL36R上のエピトープに特異的に結合する;または
(ii)IL36Rポリペプチドへの結合について、参照抗体またはその抗原結合フラグメントと競合し、
前記参照抗体またはその抗原結合フラグメントが、
(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;および/または
(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたは可変領域を含む、抗体またはその抗原結合フラグメントである単離抗原結合タンパク質。
(項目2)
(i)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;および/または
(ii)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、単離抗原結合タンパク質。
(項目3)
(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;および/または
(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、項目1~2のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目4)
(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載のアミノ酸配列、および配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域の前記CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;および/または
(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列、および配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含む軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域の前記CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目5)
配列番号4に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号6に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号8に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号20に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号22に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号24に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号36に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号38に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号40に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号52に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号54に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号56に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号68に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号70に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号72に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号84に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号86に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号88に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号100に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号102に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号104に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号116に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号118に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号120に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号132に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号134に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号136に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号140に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号142に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号144に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号156に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号158に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号160に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3
および/または
配列番号172に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号174に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
および配列番号176に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域
および/または
配列番号12に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号14に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号16に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号28に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号30に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号32に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号44に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号46に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号48に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号60に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号62に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号64に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号76に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号78に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号80に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号92に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号94に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号96に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号108に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号110に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号112に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号124に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号126に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;および
配列番号128に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号148に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号150に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号152に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3
および/または
配列番号164に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号166に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号168に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目6)
(1)
配列番号4に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号6に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;および
配列番号8に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号12に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号14に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号16に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(2)
配列番号20に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号22に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号24に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号28に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号30に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号32に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(3)
配列番号36に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号38に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号40に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号44に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号46に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号48に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(4)
配列番号52に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号54に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号56に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号60に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号62に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号64に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(5)
配列番号68に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号70に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号72に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号76に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号78に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および配列番号80に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(6)
配列番号84に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号86に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号88に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号92に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号94に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号96に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(7)
配列番号100に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号102に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号104に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号108に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号110に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号112に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(8)
配列番号116に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号118に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号120に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号124に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号126に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号128に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(9)
配列番号132に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号134に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号136に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号124に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号126に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号128に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(10)
配列番号140に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号142に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号144に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号148に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号150に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号152に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
(11)
配列番号156に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号158に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号160に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号164に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号166に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号168に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
または
(12)
配列番号172に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H1;
配列番号174に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H2;
および
配列番号176に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-H3を含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
ならびに
配列番号124に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L1;
配列番号126に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L2;
および
配列番号128に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含むCDR-L3を含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
(項目7)
(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載のアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;
および/または
(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む、項目1~6のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目8)
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(b)配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(c)配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(d)配列番号50に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号58に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(e)配列番号66に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号74に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(f)配列番号82に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号90に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(g)配列番号98に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号106に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(h)配列番号114に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(i)配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(j)配列番号138に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号146に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;
(k)配列番号154に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号162に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;ならびに/または
(l)配列番号170に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン可変領域、および配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む、項目1~7のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目9)
前記重鎖免疫グロブリン可変領域が、IgG、IgG1またはIgG4重鎖定常領域に結合し、前記軽鎖免疫グロブリン可変領域が、カッパまたはラムダ軽鎖定常領域に結合する、項目1~8のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目10)
(a)配列番号180に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号182に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(b)配列番号184に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号186に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(c)配列番号188に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号190に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(d)配列番号192に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号194に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(e)配列番号196に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号198に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(f)配列番号200に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号202に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(g)配列番号204に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号206に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(h)配列番号208に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号210に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(i)配列番号212に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号214に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(j)配列番号216に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号218に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;
(k)配列番号220に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号222に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリン;ならびに/または
(l)配列番号224に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリン、および配列番号226に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンを含む、項目1~9のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目11)
抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目1~10のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目12)
多特異性である、項目1~11のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目13)
以下の特性:
・ ヒトIL36R(IL-1RL2)に、25℃で約2.18nM~約13.9nMのK で、または37℃で約4.25nM~約29.5nMのK で結合する;
・ カニクイザルIL36R(IL-1RL2)に、25℃で約7.87nM~約34.4nMのK で、または37℃で約14.4nM~約58.2nMのK で結合する;
・ マウスIgG2aに融合されたヒトIL36R(IL-1RL2)に、25℃で約173pM~約5.79nMのK で、または37℃で約205pM~約28.7nMのK で結合する;
・ マウスIgG2a Fcタグと共に発現されたIL1RAcP細胞外ドメインに融合されたヒトIL36R(IL-1RL2)に、25℃で約212pM~約14nMのK で、または37℃で約264pM~約40.9nMのK で結合する;
・ IL36R(IL-1RL2)への結合について、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2と競合し、任意選択で、但し、前記抗原結合タンパク質は、APE6155でもその抗原結合フラグメントでもない;
・ IL-1RAcPおよびIL36Rリガンドの存在下で、IL-36R(IL-1RL2)により、宿主細胞において、レポーター遺伝子に融合された、一つ以上のNFκBエレメントの活性化を遮断する;
・ 皮膚炎症に罹患している対象において、皮膚炎症を予防もしくは改善するか、または皮膚厚みもしくは総病理スコアを低減するか、または炎症促進性サイトカインレベルを低減する;
・ かかる大腸炎または炎症を有する対象において、大腸炎もしくは結腸炎を予防するか、または改善する、あるいはLCN2ポリペプチドの糞便レベルを低減する;
・ 配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むヒトIL36R(IL-1RL2)の、(a)残基113~119、113~122、116~119および/もしくは116~122;ならびに/または(b)264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/もしくは271~276を、結合したとき、ペプシンおよび/もしくはプロテアーゼXIIIでの消化、ならびに/または重水素の存在下での重水素化から保護する;
・ 残基113~119、113~122、116~119、116~122、264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/または271~276の配列番号227に記載されるアミノ酸配列を含むIL36R(IL-1RL2)に結合する;
・ IL36R(IL-1RL2)のドメインIIに結合する;
・ アミノ酸配列YKQILHLGKD(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122)を含むポリペプチドに結合する;
・ in vitro表皮角化細胞、腸の筋線維芽細胞および/またはCD14+単球におけるIL36α、IL36βおよび/またはIL36γを、約1~6nMのIC 50 で阻害する;および/または
・ IL36RによるNFκBのIL36α、IL36βおよび/またはIL36γ介在性活性化を競合的に阻害する一つ以上を含む、項目1~12のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
(項目14)
IL36Rポリペプチドに結合した、項目1~13のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質を含む、複合体。
(項目15)
(a)前記抗原結合タンパク質の免疫グロブリン鎖をコードする一つ以上のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入すること;
(b)前記宿主細胞を培地においてポリヌクレオチドの発現に好ましい条件下で培養すること;および
(c)任意選択で、前記抗原結合タンパク質または免疫グロブリン鎖を前記宿主細胞および/または前記宿主細胞が成長している培地から単離すること、を含む、項目1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質またはその免疫グロブリン鎖を製造する方法。
(項目16)
前記宿主細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞である、項目15に記載の方法。
(項目17)
項目15~16のいずれか一項に記載の方法の産物である、抗原結合タンパク質または免疫グロブリン鎖。
(項目18)
(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154、170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;および/または
(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3;
または
(c)配列番号1~226からなる群から選択されるメンバーにおいて記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアント、を含む、ポリペプチド。
(項目19)
項目18に記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
(項目20)
項目19に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
(項目21)
項目1~13、17、18、19または20のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質もしくは免疫グロブリン鎖またはポリペプチドもしくはポリヌクレオチドもしくはベクターを含む、宿主細胞。
(項目22)
任意選択で、さらなる治療剤と関連して、項目1~13および17のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質の一つ以上を含む、組成物またはキット。
(項目23)
項目1~13および17のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、ならびに医薬的に許容される担体、および任意選択で、さらなる治療剤を含む、医薬組成物。
(項目24)
抗炎症剤であるさらなる治療剤と関連した、項目22~23のいずれか一項に記載の組成物またはキット。
(項目25)
前記さらなる治療剤が、抗TNFアルファ抗体またはその抗原結合フラグメント、免疫グロブリン、IL17阻害剤、IL23p19阻害剤、IL12p40阻害剤、グセルクマブ、ウステキヌマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、セクキヌマブ、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、デュピルマブ、サリルマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ、アバタセプト、トファシチニブ、アバタセプト、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、セレコキシブ、シクロホスファミド、メトトレキサート、コルチコステロイド、コルチゾンおよびプレドニゾンに結合した一つ以上のヒトTNF受容体またはそのフラグメントからなる群から選択されるメンバーである、項目22~24のいずれか一項に記載の組成物またはキット。
(項目26)
項目1~13、17または22~25のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質または組成物を含む、容器または注射装置。
(項目27)
任意選択で、さらなる治療剤と関連して、項目1~13または17のいずれか一項に記載の治療上有効量の抗原結合タンパク質を投与することを含む、それを必要とする対象におけるIL-36R介在性疾患を治療または予防する方法。
(項目28)
任意選択で、さらなる治療剤と関連して、項目1~13または17のいずれか一項に記載の治療上有効量の抗原結合タンパク質を投与することを含む、炎症性障害、自己免疫障害、インターロイキンIL-36受容体アンタゴニスト(DITRA)症候群の欠損、疱疹状膿痂疹、肢端皮膚炎、皮膚好中球性膿疱性疾患、膿疱性疾患、乾癬、汎発性膿疱性乾癬、膿疱性疾患、掌蹠膿疱性乾癬、掌蹠膿疱症、大腸炎、気道炎症、関節の炎症、腎臓の炎症、円形脱毛症、皮膚炎症、表皮肥厚、角化症、キンドラー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、ネフローゼ症候群、ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管障害、細管間質性病変および糸球体腎炎を治療または予防する方法。
(項目29)
乾癬または炎症性腸疾患を治療または予防するための、項目27~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
項目1~13または17のいずれか一項に記載の対象の身体に抗原結合タンパク質を投与する方法であって、前記抗原結合タンパク質を、任意選択で、さらなる治療剤と関連して、前記対象の身体に注入することを含む、方法。
(項目31)
前記抗原結合タンパク質が、前記対象の身体に皮下、静脈内または筋肉内注射される、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記対象が、ホモ接合性またはヘテロ接合性のIL36RN変異遺伝子型を有する、項目27~31のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1。生殖細胞系列とH4H14706P2のVおよびVとの間の配列比較。
【0021】
図2図2。生殖細胞系列とH4H14708P2のVおよびVとの間の配列比較。
【0022】
図3図3(A~F)。増加する濃度のH14706P2およびH4H14708P2は、H4H14706P2およびH4H14708P2による阻害の競合性(RLU、相対的光単位)を明らかにする、IL-36α(AおよびD)、IL-36β(BおよびE)、またはIL-36γ(CおよびF)用量応答曲線の右方向へのシフトを生じた。
【0023】
図4図4。0.5mg/kgまたは5.0mg/kg抗体を皮下投与されたカニクイザルにおけるH4H141706P2およびAPE6155薬物動態解析(経時的な血清中の抗体の濃度)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に従い、当該技術分野の技術範囲である従来からの分子生物学、微生物学、および組み換えDNA技術が利用されてもよい。かかる技術は、文献内で完全に説明されている。例えば、Sambrook、FritschおよびManiatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第二編(1989年)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(本明細書において「Sambrookら、1989年」);DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes I and II(D.N.Glover編、1985年);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984年);Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、(1985年));Transcription And Translation (B.D.HamesおよびS.J.Higgins編(1984年));Animal Cell Culture(R.I.Freshney編、(1986年));Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press、(1986年));B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984年);F.M.Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.(1994年)を参照のこと。
【0025】
抗IL36Rの「抗原結合タンパク質」は、IL1RL2サブユニット(IL-1Rrp2)でIL36受容体に特異的に結合する、単一ポリペプチド(例えば、ScFv(1本鎖可変フラグメント))または一つより多くのポリペプチド(例えば、四量体IgG抗体)の複合体である。IL-36Rは、それに対する抗原結合タンパク質の結合の文脈において、IL-1RL2を指す。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、単一特異性もしくは多特異性(例えば、二重特異性)であるか、または一価もしくは多価(例えば、二価)であるかに関わらず、抗体または抗原結合フラグメントである。一価抗原結合タンパク質は、単一の抗原結合ドメインを有し、一方、二価抗原結合タンパク質は、二つの抗原結合ドメインを有する。
【0026】
ポリヌクレオチドは、DNAおよびRNAを含む。本発明は、プロモーターまたは他の発現制御配列に作動可能に結合された本発明の任意のポリヌクレオチドを含む。
【0027】
一般に、「プロモーター」または「プロモーター配列」は、細胞(例えば、直接または他のプロモーター結合ポリペプチドもしくは物質を通じて)においてRNAポリメラーゼに結合し、コード配列の転写を開始させる能力があるDNA調節領域である。プロモーター配列は、一般に、その3’末端で転写開始部位により結合され、上流(5’方向)に伸長して、任意のレベルで転写を開始するために必要な最低数の塩基またはエレメントを含む。プロモーター配列内に、転写開始部位(例えば、ヌクレアーゼS1とのマッピングにより便利に定義される)、ならびにRNAポリメラーゼの結合に関与するタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出され得る。プロモーターは、エンハンサーおよびリプレッサー配列を含む他の発現制御配列、または本発明の核酸に作動可能に結合されてもよい。遺伝子発現を制御するために使用され得るプロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(米国特許第5,385,839号および第5,168,062号)、SV40早期プロモーター領域(Benoistら、(1981年)Nature 290:304~310)、ラウス肉腫ウイルスの3’長末端リピートに含有されるプロモーター(Yamamotoら、(1980年)Cell 22:787~797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら、(1981年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1441~1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、(1982年)Nature 296:39~42)、ベータ-ラクタマーゼプロモーター(VIIIa-Komaroffら、(1978年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727~3731)、またはtacプロモーター(DeBoerら、(1983年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21~25)のような原核生物の発現ベクター、また、Scientific American(1980年)242:74~94における「組み換え細菌由来の有用なタンパク質」、および酵母またはGal 4プロモーター、ADC(アルコール脱水素酵素)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーター、もしくはアルカリホスファターゼプロモーターのような他の真菌由来のプロモーターエレメントが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、細胞において、配列が、コード配列のRNA、好ましくは、mRNAへのRNAポリメラーゼ仲介性転写を指示し、次に、RNAスプライシングされ(それが、イントロンを含有する場合)、任意選択的で、コード配列によりコードされるタンパク質に翻訳され得る、プロモーターまたは他の発現制御配列に「作動可能に結合される」。
インターロイキン-36受容体(IL36R)
【0029】
IL-36Rは、四つのシグナル伝達複合体:IL-1RI、IL-18R、IL-33R、およびIL-36Rを形成する6つの受容体タンパク質、ならびに二つのデコイ受容体および二つの負の調節因子を含有するIL-1受容体ファミリーのメンバーである。IL-36Rは、IL-1Rrp2(IL-1RL2、インターロイキン1受容体様2またはインターロイキン1受容体関連タンパク質2としても知られる)と命名された受容体サブユニット、および共受容体サブユニットインターロイキン-1受容体アクセサリータンパク質IL-1RAcPからなるヘテロ二量体である。受容体は、三つの異なるアゴニスト、IL-36α、IL-36β、およびIL-36γ(IL-1F6、IL-1F8、およびIL-1F9としても知られる)を認識して、炎症性サイトカインの発現を誘導することができる。また、IL-36受容体に結合し、炎症性サイトカインの発現を減少させる、二つの受容体アンタゴニスト、IL-36RaおよびIL-38も存在する。IL-36α、IL-36β、およびIL-36γは、IL-36R/IL-1RAcP受容体を通じてシグナルを伝達して、NF-kBならびにp38およびJNKのようなMAPKを活性化し、炎症反応を促進する。
【0030】
本発明の実施形態では、ホモサピエンスIL1RL2配列は、Genbank受託番号NP_003845.2の下入手可能である。本発明の実施形態では、ホモサピエンスIL1RL2のアミノ酸配列は、配列番号177において記載される。
【0031】
本発明の実施形態では、ホモサピエンスIL-1RAcP配列は、Genbank受託番号NP_002173.1の下入手可能である。本発明の実施形態では、ホモサピエンスIL-1RAcPのアミノ酸配列は、配列番号178において記載される。
抗IL36抗体およびその抗原結合フラグメント
【0032】
本発明は、IL36Rタンパク質またはその抗原フラグメントに特異的に結合する、抗体(例えば、ヒト抗体)およびその抗原結合フラグメントのような、抗原結合タンパク質を提供する。本明細書に記載される抗原結合タンパク質のいずれかと同じ、IL36R上のエピトープに結合するか、またはIL36Rへの結合について競合する抗原結合タンパク質もまた、本発明の一部である。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、ジスルフィド結合により内部で結合された、四つのポリペプチド鎖、二つの重鎖(HC)および二つの軽鎖(LC)を含む免疫グロブリン分子(すなわち、「完全抗体分子」、ならびにその多量体、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2を指す。本発明の実施形態では、各重鎖(HC)は、重鎖可変領域(「HCVR」または「V」)(例えば、配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154もしくは170またはそのバリアント)および重鎖定常領域(ドメインCH1、CH2およびCH3を含む)を含み、各軽鎖(LCV)は、軽鎖可変領域(「LCVR」または「V」)(例えば、配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146もしくは162またはそのバリアント)および軽鎖定常領域(C)を含む。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が点在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域へとさらに細分化することができる。各VおよびVは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された、三つのCDRおよび四つのFRを含む。本発明の特定の実施形態では、抗体(またはその抗原結合フラグメント)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であるか、または天然もしくは人工的に修飾されている。
【0034】
典型的には、重鎖と軽鎖免疫グロブリン鎖の両方の可変ドメインは、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる三つの超可変領域を含む。一般に、N末端からC末端まで、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの両方は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。本発明の実施形態では、各ドメインへのアミノ酸の割当は、免疫グロブリンの関心のタンパク質の配列の定義、Kabatら;National Institutes of Health、Bethesda、Md.;第5編;NIH公開第91~3242号(1991年);Kabat(1978年)Adv.Prot.Chem.32:1~75;Kabatら、(1977年)J.Biol.Chem.252:6609~6616;Chothiaら、(1987年)J Mol.Biol.196:901~917またはChothiaら、(1989年)Nature 342:878~883に従う。
【0035】
例えば、本発明は、(a)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列および配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列と少なくとも70、80または90%のアミノ酸配列同一性を含む重鎖免疫グロブリンのCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む重鎖免疫グロブリン;および(b)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列および配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列と少なくとも70、80または90%のアミノ酸配列同一性を含む軽鎖免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む軽鎖免疫グロブリンを含む抗原結合タンパク質を提供する。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質は、(i)配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンのCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;またはそのバリアントを含む重鎖免疫グロブリン;および(ii)配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;またはそのバリアントを含む軽鎖免疫グロブリンを含む。
【0036】
本発明の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVを含む重鎖免疫グロブリンを含み、
CDR-H1は、配列番号4、20、36、52、68、84、100、116、132、140、156もしくは172に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含み;
CDR-H2は、配列番号6、22、38、54、70、86、102、118、134、142、158もしくは174に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含み;および
CDR-H3は、配列番号8、24、40、56、72、88、104、120、136、144、160もしくは176に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含み;および
CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVを含む軽鎖免疫グロブリン:
CDR-L1は、配列番号12、28、44、60、76、92、108、124、124、148もしくは164に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含み;
CDR-L2は、配列番号14、30、46、62、78、94、110、126、126、150もしくは166に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含み;および
CDR-L3は、配列番号16、32、48、64、80、96、112、128、128、152もしくは168に記載されるアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む、を含む。
【0037】
本発明は、モノクローナル抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに複数の単離されたモノクローナル抗原結合タンパク質を含むモノクローナル組成物を含む。本明細書において使用される場合、「モノクローナル抗体」または「mAb」という用語は、実質的に同種の抗体の集団のメンバーを指し、すなわち、集団を含む抗体分子は、わずかな量で存在し得る可能性のある天然で生じる変異を除き、アミノ酸配列において同一である。組成物におけるかかるモノクローナル抗体およびフラグメントの「複数性」は、例えば、マウスまたはヒトのような宿主生物の血液中、天然で通常生じるものを上回る、同一の(すなわち、わずかな量で存在し得る可能性のある天然で生じる変異を除き、アミノ酸配列において、上で考察された)抗体およびフラグメントの濃度を指す。
【0038】
本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントは、例えば、IgA型(例えば、IgA1もしくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)またはIgMの重鎖定常ドメインを含む。本発明の実施形態では、抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントは、例えば、カッパまたはラムダタイプの軽鎖定常ドメインを含む。
【0039】
本発明は、ヒト抗原結合タンパク質を含む。本明細書において使用される場合、抗体または抗原結合フラグメントのような「ヒト」抗原結合タンパク質という用語は、ヒト細胞において、または非ヒト細胞、例えば、マウス細胞に移植されているかにかかわらず、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体およびフラグメントを含む。例えば、US8502018、US6596541、またはUS5789215を参照のこと。本発明のヒトmAbは、例えばCDR、特に、CDR3において、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでランダムもしくは部位特異的変異誘導により、またはin vivoで体細胞変異により導入される変異)を含んでもよい。しかしながら、本明細書にて使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、別の哺乳類種(例えば、マウス)の生殖系列由来のCDR配列が、ヒトFR配列上に移植されているmAbを含むようには意図されていない。用語は、非ヒト哺乳類において、または非ヒト哺乳類の細胞において組み換え産生された抗体を含む。用語は、ヒト対象から直接単離された天然の抗体を含むようには意図されていない。
【0040】
本発明は、抗IL36Rキメラ抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびにその使用方法を含む。本明細書で使用される場合、「キメラ抗体」は、第一の抗体由来の可変ドメインおよび第二の抗体由来の定常ドメインを有する抗体であり、第一および第二の抗体は、異なる種由来のものである(例えば、US4816567;およびMorrisonら、(1984年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851~6855を参照)。
【0041】
抗体または抗原結合フラグメントのような、「組み換え」抗原結合タンパク質という用語は、例えば、DNAスプライシングおよびトランスジェニック発現を含む、組み換えDNA技術として当技術分野で公知のテクノロジーまたは方法により作製、発現、単離または得られたかかる分子を指す。この用語は、非ヒト哺乳類(例えば、トランスジェニック非ヒト哺乳類、例えば、トランスジェニックマウスを含む)または細胞発現系のような細胞で発現され、組み換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体を指す。
【0042】
本明細書において開示される、組み換え抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体および抗原結合フラグメントはまた、大腸菌/T7発現系で産生されてもよい。この実施形態では、本発明の抗IL36R抗体免疫グロブリン分子(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)をコードする核酸は、pETベースのプラスミドに挿入され、大腸菌/T7系で発現されてもよい。例えば、本発明は、T7プロモーターに作動可能に結合された免疫グロブリン鎖をコードするポリヌクレオチドも含む細胞においてT7 RNAポリメラーゼを発現させる工程を含む、宿主細胞(例えば、BL21またはBL21DE3のような大腸菌のような細菌宿主細胞)において、抗体またはその抗原結合フラグメントを発現させる方法を含む。例えば、本発明の実施形態では、大腸菌のような、細菌宿主細胞は、lacプロモーターに作動可能に結合されたT7 RNAポリメラーゼ遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含み、ポリメラーゼおよび鎖の発現は、宿主細胞のIPTG(イソプロピル-ベータ-D-チオガラクトピラノシド)とのインキュベーションにより誘導される。US4952496およびUS5693489、またはStudierおよびMoffatt、Use of bacteriophage T7 RNA polymerase to direct selective high-level expression of cloned genes、J.Mol.Biol.1986年5月5日;189(1):113~30を参照のこと。
【0043】
当技術分野で公知の組み換え抗体を産生するためのいくつかの方法がある。抗体の組み換え生成方法の一例は、US4816567において開示されている。
【0044】
形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する任意の公知の方法によるものであり得る。哺乳類細胞への異種ポリヌクレオチドの導入方法は、当該技術分野で周知であり、デキストラン仲介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン仲介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームにおけるポリヌクレオチドのカプセル化、微粒子銃注入およびDNAの核への直接マイクロインジェクションを含む。さらに、核酸分子は、ウイルスベクターにより哺乳類細胞に導入されてもよい。細胞を形質転換する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第4,399,216号、第4,912,040号、第4,740,461号および第4,959,455号を参照のこと。したがって、本発明は、(i)抗原結合タンパク質の免疫グロブリン軽および/または重鎖、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2をコードする一つ以上のポリヌクレオチド(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223および/もしくは225のいずれか一つ以上におけるヌクレオチド配列;またはそのバリアントを含む)を導入する工程、例えば、ポリヌクレオチドは、ベクター中にあり;ならびに/または宿主細胞染色体に組み込まれ、および/もしくはプロモーターに作動可能に結合される;(ii)宿主細胞(例えば、CHOまたはピキア(Pichia)もしくはピキア・パストリス(Pichia pastoris))を、ポリヌクレオチドの発現に好ましい条件下で培養する工程、および(iii)任意選択で、抗原結合タンパク質(例えば、抗体もしくはフラグメント)または鎖を、宿主細胞および/または宿主細胞が成長する培地から単離する工程を含む、本発明の抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはその免疫グロブリン鎖のような、抗IL36R抗原結合タンパク質を作製する組み換え方法を含む。一つより多くの免疫グロブリン鎖を含む抗原結合タンパク質(例えば、抗体または抗原結合フラグメント)、例えば、二つの免疫グロブリン重鎖および二つの免疫グロブリン軽鎖を含む抗体を作製するとき、単一の宿主細胞における鎖の共発現が、例えば、細胞においてまたは細胞表面上、またはかかる鎖が分泌されるなら、細胞外で、抗原結合タンパク質(例えば、抗体または抗原結合フラグメント)を形成するように鎖の追合を導く。本発明の方法は、免疫グロブリン重鎖のみもしくは免疫グロブリン軽鎖のみ、または両方(例えば、成熟フラグメントおよび/もしくはその可変ドメインを含む、本明細書において開示されるもののいずれか)が、細胞において発現されているものを含む。かかる1本鎖は、例えば、抗体またはかかる鎖を含む抗原結合フラグメントの発現における中間体として有用である。例えば、本発明はまた、かかる製造方法、および任意選択で、本明細書に記載の精製方法の産物である、配列番号1、17、33、49、65、81、97、113、129、137、153、169、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219または223に記載されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる重鎖免疫グロブリン(またはそのもしくはそのCDRを含む可変ドメイン);および配列番号9、25、41、57、73、89、105、121、145、161、181、185、189、193、197、201、205、209、213、217、221または225に記載されるヌクレオチド配列によりコードされる軽鎖免疫グロブリン(またはそのもしくはそのCDRを含む可変ドメイン)を含む、抗体およびその抗原結合フラグメントのような抗IL36R抗原結合タンパク質を含む。例えば、本発明の実施形態では、方法の産物は、配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンまたはVおよび配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンまたはVを含む、抗体あるいはフラグメントである抗IL36R抗原結合タンパク質である。
【0045】
本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメントを作製する方法は、抗原結合タンパク質を、例えば、カラムクロマトグラフィー、沈殿および/または濾過により精製する方法を含む。かかる方法の産物はまた、本発明の一部を形成する。
【0046】
哺乳類細胞を含む真核生物および原核生物の宿主細胞を、抗IL36R抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)の発現のための宿主として使用してもよい。かかる宿主細胞は、当該技術分野で周知であり、多くは、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。これらの宿主細胞としては、特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK-293細胞および多数の他の細胞株が挙げられる。哺乳類宿主細胞には、ヒト、マウス、ラット、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマおよびハムスター細胞が挙げられる。使用され得る他の細胞株は、昆虫細胞株(例えば、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)またはトリコプラスシア・ニ(Trichoplusia ni))、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞である。真菌細胞には、例えば、ピキア、ピキア・パストリス、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィルア(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミヌタ(Pichia minuta)(オガタエアミヌタ(Ogataea minuta)、ピキア・リンドネリ(Pichia lindneri))、ピキア・オプンティアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・サーモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・ゲルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピッペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプティス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア種、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス種、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クリベロマイセス(Kluyveromyces)種、クリベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、クリソスポリウム・ロックンオウンズ(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム(Fusarium)種、フザリウム・グラミネウム(Fusarium gramineum)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、フィスコミトレラ・パテンス(Physcomitrella patens)およびニューロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)を含む酵母ならびに糸状真菌細胞が挙げられる。本発明は、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PもしくはH4H14760P2のような抗原結合タンパク質;および/または一つ以上のその免疫グロブリン鎖をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された宿主細胞(例えば、CHO細胞または任意のタイプの上記の宿主細胞)を含む。
【0047】
本発明はまた、本発明の抗原結合タンパク質、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2が結合する、IL36Rもしくは抗原フラグメントまたはその融合物(例えば、His、Fcおよび/またはmyc)を発現する細胞を含み、例えば、細胞は、対象の体内またはin vitroにある。
【0048】
加えて、本発明はまた、IL36Rポリペプチドもしくはその抗原フラグメントまたはその融合物と、および/あるいは抗IL36R抗体またはフラグメントに特異的に結合する2次抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、検出可能に標識された2次抗体)と複合体を形成した、本明細書において考察された、抗IL36R 抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを含む複合体を提供する。本発明の実施形態では、複合体は、in vitroである(例えば、固体基材に固定化される)か、または対象の体内にある。
【0049】
用語「特異的に結合する」は、例えば、25℃または37℃での、リアルタイム、ラベルフリービオレイヤーインターフェロメトリーアッセイ、例えば、Octet(登録商標)HTXバイオセンサーにより、または表面プラズモン共鳴、例えば、BIACORE(商標)により、または溶液親和性ELISAにより測定された、少なくとも約58nM(例えば、10-9M;10-10M、10-11M、または10-12M)のKとして発現された、IL36Rタンパク質のような抗原に対する結合親和性を有するこれらの抗原結合タンパク質(例えば、mAb)を指す。本発明は、IL36Rタンパク質に特異的に結合する抗原結合タンパク質を含む。本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質は、ヒトおよび/またはカニクイザル IL36Rへの結合についてK値を含み、その値は、表4-1~4-8のいずれかにおいて記載される。
【0050】
本明細書で使用される場合、抗体または抗原結合タンパク質の「抗原結合部分」または「抗原結合フラグメント」などの用語は、抗原に特異的に結合して、複合体を形成する、任意の天然に生じる、酵素的に得ることができる、合成、もしくは遺伝子操作されたポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗原結合フラグメントの非限定的な例としては、抗体の超可変領域(例えば、CDR3ペプチドのような単離された相補性決定領域(CDR))を模倣するアミノ酸残基、または拘束性FR3-CDR3-FR4ペプチドからなる、(i)Fabフラグメント、(ii)F(ab’)フラグメント、(iii)Fdフラグメント、(iv)Fvフラグメント、(v)一本鎖Fv(scFv)分子、および(vi)dAbフラグメントが挙げられる。ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失した抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディおよび小モジュラー免疫薬(SMIP)のような他の操作された分子もまた、本明細書で使用される場合、「抗原結合フラグメント」という表現に包含される。本発明の実施形態では、抗原結合フラグメントは、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2(例えば、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;もしくはCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3)の三つ以上のCDRを含む。
【0051】
抗体の抗原結合フラグメントは、本発明の実施形態では、少なくとも一つの可変ドメインを含む。可変ドメインは、任意のサイズまたはアミノ酸組成のものであってもよく、概して、一つ以上のフレームワーク配列に隣接しているか、またはインフレームである、少なくとも一つのCDRを含む。Vドメインと結合したVドメインを有する抗原結合フラグメントにおいて、VドメインおよびVドメインは、任意の適当な配置で互いに対して配置され得る。例えば、可変領域は、二量体であってもよく、V-V、V-VまたはV-V二量体を含有してもよい。あるいは、抗体の抗原結合フラグメントは、単量体のVまたはVドメインを含有してもよい。
【0052】
特定の実施形態では、抗体の抗原結合フラグメントは、少なくとも一つの定常ドメインに共有結合された少なくとも一つの可変ドメインを含有してもよい。本発明の抗体の抗原結合フラグメント内で見られ得る可変ドメインおよび定常ドメインの非限定的な例示的な構成には、(i)V-C1、(ii)V-C2、(iii)V-C3、(iv)V-C1-C2、(v)V-C1-C2-C3、(vi)V-C2-C3、(vii)V-CL、(viii)V-C1、(ix)V-C2、(x)V-C3、(xi)V-C1-C2、(xii)V-C1-C2-C3、(xiii)V-C2-C3、および(xiv)V-Cが挙げられる。上で列挙された例示的な構成のいずれかを含む、可変ドメインおよび定常ドメインのいずれの構成において、可変ドメインおよび定常ドメインは、互いに直接結合されてもよいか、または完全もしくは部分ヒンジまたはリンカー領域により結合されてもよい。ヒンジ領域は、単一のポリペプチド分子において隣接する可変ドメインおよび/または定常ドメイン間に可動性または半可動性の結合をもたらす、少なくとも二つ(例えば、5、10、15、20、40、60またはそれ以上)のアミノ酸からなってもよい。さらに、本発明の抗体の抗原結合フラグメントは、互いにおよび/または一つ以上の単量体VもしくはVドメインと(例えば、ジスルフィド結合により)非共有会合で上で列挙された可変ドメイン構成および定常ドメイン構成のいずれかのホモ二量体またはヘテロ二量体(もしくは他の多量体)を含んでもよい。
【0053】
抗原結合タンパク質(例えば、抗体および抗原結合フラグメント)は、単一特異性または多重特異性(例えば、二重特異性)であってもよい。多特異性抗原結合タンパク質は、本明細書においてさらに考察される。
【0054】
特定の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質(例えば、抗体または抗体フラグメント)は、かかるリガンド、検出可能な標識または治療用部分(「イムノコンジュゲート」)、2次抗IL36R抗体、または任意の他の治療部分にコンジュゲートされてもよい。
【0055】
「単離された」抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)、ポリペプチド、ポリヌクレオチドおよびベクターは、細胞またはそれらが産生されている細胞培養物から、他の生物分子を少なくとも部分的に含まない。かかる生物学的分子には、核酸、タンパク質、他の抗体もしくは抗原結合フラグメント、脂質、炭水化物、または細胞破片および成長培地のような他の物質が挙げられる。単離された抗原結合タンパク質はさらに、宿主細胞またはその成長培地の生物学的分子のような発現系成分を少なくとも部分的に含まなくてもよい。概して、用語「単離された」は、かかる生物学的分子の完全な不在、または水、バッファー、もしくは塩の不在、または抗原結合タンパク質(例えば、抗体または抗原結合フラグメント)を含む医薬製剤の成分の不在を指すことを意図していない。
【0056】
本発明は、本発明の抗原結合タンパク質(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)と同じエピトープに結合する、抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0057】
用語「エピトープ」は、パラトープとして知られる、抗原結合タンパク質の特定の抗原結合部位、例えば、抗体分子の可変領域と相互作用する抗原決定基(例えば、IL1RL2上)を指す。単一の抗原は、二つより多くのエピトープを有してもよい。したがって、異なる抗体は、抗原上の異なる領域に結合してもよく、異なる生物学的効果を有してもよい。用語「エピトープ」はまた、B細胞および/またはT細胞が応答する抗原上の部位、および/または抗体が結合する抗原の領域を指してもよい。エピトープは、構造上または機能上として定義されてもよい。機能的エピトープは、概して、構造エピトープのサブセットであり、相互作用の親和性に直接関与する残基を有する。エピトープは、線形または立体的、すなわち、非線形アミノ酸から構成されてもよい。ある特定の実施形態では、エピトープは、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基、またはスルホニル基のような分子の化学的に活性のある表面基である決定基を含んでもよく、ある特定の実施形態では、特異的三次元構造特徴、および/または特定の比電荷特徴を有してもよい。
【0058】
抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはフラグメントまたはポリペプチドのエピトープを決定する方法としては、アラニンスキャニング変異解析、ペプチドブロット解析(Reineke(2004年)Methods Mol.Biol.248:443~63)、ペプチド切断解析、結晶学的研究およびNMR解析が挙げられる。さらに、抗原のエピトープ切り出し、エピトープ抽出および化学修飾のような方法を用いることができる(Tomer(2000年)Prot.Sci.9:487~496)。抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはフラグメントまたはポリペプチド)が相互作用するポリペプチド内のアミノ酸を同定するために使用することができる別の方法は、質量解析により検出される水素/重水素交換である。例えば、Ehring(1999年)Analytical Biochemistry 267:252~259;Engen and Smith(2001年)Anal.Chem.73:256A~265Aを参照のこと。
【0059】
本発明は、本発明の抗原結合タンパク質、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2と、IL36Rへの結合について競合する抗原結合タンパク質、例えば、本明細書において考察されるバリアントIL36Rエピトープを含む。本明細書で使用される場合、用語「競合する」は、抗原(例えば、IL1RL2)に結合し、別の抗原結合タンパク質(例えば、抗体もしくはその抗原結合フラグメント)の抗原への結合を阻害するか、または遮断する、抗原結合タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)を指す。用語はまた、二つの抗原結合タンパク質、例えば、抗体間の両方向の競合、すなわち、第二の抗体に結合し、結合を遮断する第一の抗体、およびその逆も含む。特定の実施形態では、第一の抗原結合タンパク質(例えば、抗体)および第二の抗原結合タンパク質(例えば、抗体)は、同じエピトープに結合してもよい。あるいは、第一および第二の抗原結合タンパク質(例えば、抗体)は、異なるが、例えば、重複するエピトープに結合してもよく、一つの結合が、例えば、立体障害を介して、2次抗体の結合を阻害または遮断する。抗原結合タンパク質(例えば、抗体)間の競合は、当技術分野で公知の方法、例えば、リアルタイムラベルフリーバイオレイヤーインターフェロメトリーアッセイにより測定されてもよい。また、抗IL36R抗原結合タンパク質(例えば、モノクローナル抗体(mAb))間の結合競合は、Octet RED384バイオセンサー(Pall ForteBio Corp.)上のリアルタイムラベルフリーバイオレイヤーインターフェロメトリーアッセイを使用して決定することができる。
【0060】
典型的には、何らかの方法で修飾される本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、IL36Rに特異的に結合する能力を保持し、例えば、その活性がモルベースで発現されるとき、そのIL36R結合活性の少なくとも10%を保持する(親抗体と比較したとき)。好ましくは、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、親抗体としてのIL36R結合親和性の少なくとも20%、50%、70%、80%、90%、95%または100%以上を保持する。また、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、その生物学的活性を実質的には変えない保存的または非保存的アミノ酸置換(抗体の「保存的バリアント」または「機能的に保存されたバリアント」と称される)を含み得ることも意図される。
【0061】
免疫グロブリン鎖(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PもしくはH4H14760P2 V、V、HCまたはLC)のような、ポリペプチドの「バリアント」は、比較が、BLASTアルゴリズムにより行われるとき、アルゴリズムのパラメータは、相対的参照配列の全長を超えた相対配列間で最も長い一致を与えるよう選択され(例えば、予想域値:10;ワードサイズ:3;クエリー範囲における最大一致:0;BLOSUM 62 マトリックス;ギャップコスト:存在11、伸長1;コンディショナル組成スコアマトリックス調整)、本明細書に記載される参照アミノ酸配列と少なくとも約70~99.9%(例えば、70、72、74、75、76、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9%)同一または類似するアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224または226のいずれか)を含むポリペプチドを指す。
【0062】
ポリヌクレオチドの「バリアント」は、比較が、BLASTアルゴリズムにより行われるとき、アルゴリズムのパラメータは、相対的参照配列の全長を超えた相対配列間で最も長い一致を与えるよう選択され(例えば、予想域値:10;ワードサイズ:28;クエリー範囲における最大一致:0;一致/ミスマッチスコア:1、-2;ギャップコスト:線形)、本明細書に記載される参照ヌクレオチド配列と少なくとも約70~99.9%(例えば、70、72、74、75、76、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9%)同一であるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173,175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、181、185、189、193、197、201、205、209、213、217、221および/または225のいずれか)を指す。
【0063】
以下の参考文献は、配列解析によく使用されるBLASTアルゴリズムに関するものである:BLAST ALGORITHMS:Altschulら、(2005年)FEBS J.272(20):5101~5109;Altschul,S.F.ら、(1990年)J.Mol.Biol.215:403~410;Gish,W.ら、(1993年)Nature Genet.3:266~272;Madden,T.L.ら、(1996年)Meth.Enzymol.266:131~141;Altschul,S.F.ら、(1997年)Nucleic Acids Res.25:3389~3402;Zhang,J.ら、(1997年)Genome Res.7:649~656;Wootton,J.C.ら、(1993年)Comput.Chem.17:149~163;Hancock,J.M.ら、(1994年)Comput.Appl.Biosci.10:67~70;ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.ら、「A model of evolutionary change in proteins.」 in Atlas of Protein Sequence and Structure,(1978年)第5巻、補足3.M.O.Dayhoff(編)、345~352頁、Natl.Biomed.Res.Found.、Washington、D.C.;Schwartz,R.M.ら、「Matrices for detecting distant relationships.」 in Atlas of Protein Sequence and Structure、(1978年)第5巻、補足3.’’M.O.Dayhoff(編)、353~358頁、Natl.Biomed.Res.Found.、Washington、D.C.;Altschul,S.F.、(1991年)J.Mol.Biol.219:555~565;States,D.J.ら、(1991年)方法3:66~70;Henikoff,S.ら、(1992年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915~10919;Altschul,S.F.ら、(1993年)J.Mol.Evol.36:290~300;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.ら、(1990年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264~2268;Karlin,S.ら、(1993年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873~5877;Dembo,A.ら、(1994年)Ann.Prob.22:2022~2039;およびAltschul,S.F.「Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.」 in Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai編)、(1997年)1~14頁、Plenum,N.Y.。
【0064】
抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、本発明の抗体およびその抗原結合フラグメントは、本発明の実施形態では、配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220もしくは224に記載のアミノ酸と少なくとも70%(例えば、80%、85%、90%、95%、99%)のアミノ酸配列同一性を有する重鎖免疫グロブリンまたはその可変領域;および/あるいは配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222もしくは226に記載のアミノ酸と少なくとも70%(例えば、80%、85%、90%、95%、99%)のアミノ酸配列を有する軽鎖免疫グロブリンまたはその可変領域を含む。
【0065】
さらに、抗IL36R抗原結合タンパク質は、例えば、ミスセンス変異(例えば、保存的置換)、ナンセンス変異、欠失、または挿入のような一つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)の変異を除き、本明細書に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含んでもよい。例えば、本発明は、配列番号10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226に記載されるアミノ酸配列を含むが、かかる変異の一つ以上を有する、免疫グロブリン軽鎖(もしくはV)バリアント、および/または配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224に記載されるアミノ酸配列を含むが、かかる変異の一つ以上を有する、免疫グロブリン重鎖(もしくはV)バリアントを含む、抗IL36R抗原結合タンパク質を含む。本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質は、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含み、かかるCDRの一つ以上(例えば、1もしくは2もしくは3)が、かかる変異(例えば、保存的置換)の一つ以上を有する、免疫グロブリン軽鎖バリアント、および/またはCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、かかるCDRの一つ以上(例えば、1もしくは2もしくは3)が、かかる変異(例えば、保存的置換)の一つ以上を有する、免疫グロブリン重鎖バリアントを含む。
【0066】
本発明の実施形態はまた、具体的に本明細書に記載の対応するV、V、HCまたはLCと70%以上(例えば、80%、85%、90%、95%、97%もしくは99%)の全アミノ酸配列同一性または類似性を有するバリアントアミノ酸配列を含む、免疫グロブリンVおよびV;またはHCおよびLCを含む、抗原結合タンパク質、例えば、抗IL36R抗体およびその抗原結合フラグメントを含むが、かかる免疫グロブリンのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3は、バリアントではなく、具体的に本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。したがって、かかる実施形態では、バリアント抗原結合タンパク質内のCDRは、それ自体はバリアントではない。
【0067】
例えば、本明細書に記載の免疫グロブリン鎖の「保存的に修飾されたバリアント」または「保存的置換」は、バリアントを指し、類似の特徴(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格構造および剛性など)を有する他のアミノ酸を有するポリペプチドにおけるアミノ酸の一つ以上の置換が存在する。そのような変化は、抗体またはフラグメントの生物学的活性を著しく破壊することなく、頻繁になされ得る。当業者は、概して、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換が、生物学的活性を実質的に変えないことを認識している(例えば、Watsonら、(1987年)Molecular Biology of the Gene、The Benjamin/Cummings Pub.Co.,224頁(第4編))を参照されたい。さらに、構造的または機能的に類似のアミノ酸の置換は、生物活性を著しく破壊する可能性が低い。本発明は、かかる保存的に修飾されたバリアント免疫グロブリン鎖を含む抗IL36R抗原結合タンパク質を含む。
【0068】
類似の化学的特性を備えた側鎖を有するアミノ酸の基の例としては、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン、2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリンおよびトレオニン、3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン、4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン、5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、およびヒスチジン、6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸、ならびに7)硫黄含有側鎖:システインおよびメチオニンが挙げられる。好ましい保存的アミノ酸置換基は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸およびアスパラギン-グルタミンである。あるいは、保存的置換とは、Gonnetら、(1992年)Science 256:1443 45において開示されるPAM250対数尤度マトリックスにおいて正の値を有する任意の変化である。
【0069】
例えば、バリアント免疫グロブリン鎖を含む、本明細書に記載される抗IL36R抗原結合タンパク質は、以下の特性:
・ ヒトIL36R(例えば、IL1RL2)(例えば、myc-myc-Hisタグに融合された)に、例えば、25℃で、約2.18nM~約13.9nMのKで、または例えば、37℃で、約4.25nM~約29.5nMのKで結合する;
・ カニクイザルIL36R(例えば、IL1RL2)(例えば、myc-myc-Hisタグに融合された)に、例えば、25℃で、約7.87nM~約34.4nMのKで、または例えば、37℃で、約14.4nM~約58.2nMのKで結合する;
・ ヒトIL36R(例えば、IL1RL2)(例えば、マウスIgG2aに融合された)に、例えば、25℃で、約173pM~約5.79nMのKで、または例えば、37℃で、約205pM~約28.7nMのKで結合する;
・ ヒトIL36R(例えば、IL1RL2)(例えば、マウスIgG2a Fcタグと共に発現されたIL1RAcP細胞外ドメインに融合された)に、例えば、25℃で、約212pM~約14nMのKで、または例えば、37℃で、約264pM~約40.9nMのKで結合する;
・ IL36R(例えば、IL1RL2)への結合について、以下の抗IL36R抗体:H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758Pおよび/またはH4H14760P2の一つ以上と競合する、任意選択で、但し、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758Pおよび/またはH4H14760P2と競合する、かかる抗IL36R抗体またはフラグメントは、抗体APE3798;APE4086;APE5125/APE5100;APE5216;APE5281;APE5214/APE4881;APE5280;APE5257;APE5258/APE5076;APE5212;APE5213/5066;APE5211;APE5217/APE5060;APE3849;APE3850;APE5600;APE5598;APE5627;APE6064;APE6060;APE6157;APE6155/APE6917;APE6194;APE3847;APE5713;APE6083;APE6903/APE7247;APE6904;および/もしくはAPE6907(例えば、APE6155)あるいはCDRもしくはその可変領域を含む抗原結合フラグメントでも抗原結合タンパク質でもない(国際公開第2016/168542号を参照);
・ 約1×10-10M~7×10-9MのIC50で、IL-1RAcPならびにhIL-36α、hIL-36β、および/またはhIL-36γのようなリガンドの存在下で、IL-36R(例えば、ヒトまたはカニクイザル)によるNFκBの活性化を遮断し、例えば、NFκBは、例えば、NFκB応答エレメント(5×)-ルシフェラーゼ-IRES-GFPを含有する、例えば、HEK293のような宿主細胞にある;
・ 例えば、かかる抗原結合タンパク質で治療されていない対象と比較して、例えば、化学的に誘導された皮膚炎症(例えば、イミキモド誘導性)に罹患している対象における、例えば、ヒトDITRA(インターロイキン36受容体アンタゴニストの欠損)疾患の症状を示すマウスのようなマウスにおいて、皮膚炎症(例えば、慢性もしくは急性)、または皮膚の厚さもしくは総病理スコアを予防あるいは改善するか、あるいは炎症誘導性サイトカインレベル(例えば、KC-GRO、IL6、IL1bおよび/またはTNFアルファ)を低減し、疾患は、例えば、Marrakchiら、Interleukin-36-receptor antagonist deficiency and generalized pustular psoriasis、N Engl J Med 365:620~628(2011年)に記載されている;および/または
・ 例えば、かかる抗原結合タンパク質で治療されていない対象と比較して、かかる大腸炎または結腸炎を有する対象において、例えば、DITRAマウスのようなマウスにおいて、例えば、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)もしくはオキサゾロンにより誘導された、大腸炎または結腸炎、例えば、化学的に誘導された大腸炎または結腸炎を予防または改善するか、あるいはLCN2ポリペプチドの糞便レベルを低減する;
・ 配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むIL36Rポリペプチドの残基(a)113~119、113~122、116~119および/もしくは116~122、ならびに/または(b)264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/もしくは271~276を、結合したとき、ペプシンおよび/もしくはプロテアーゼXII(例えば、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)由来)の消化ならびに/または重水素(例えば、DO)の存在かでの重水素化から保護する;
・ IL36R、例えば、そのIL1RL2サブユニットに、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むIL36Rポリペプチドの残基113~119、113~122、116~119、116~122、264~271、267~271、268~271、268~276、268~277および/または271~276で結合する;
・ IL36RのドメインIIに、例えば、約80.0、80.1、81.0または81.5%のカバー度で結合する;
・ アミノ酸配列YKQILHLGKD(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122)および/またはGVETHVSFREHNYL(配列番号230)(配列番号227のアミノ酸264~277)を含むポリペプチドに結合する;
・ 例えば、in vitro表皮角化細胞、腸の筋線維芽細胞および/またはCD14+単球におけるIL36α、IL36βおよび/またはIL36γ(例えば、濃度約10nM)を、約1、2、3、4、5もしくは6nMまたは1~6nMのIC50で阻害する;および/または
・ 例えば、シルドアッセイフォーマットで測定される、IL36Rによる、NFκB(例えば、HEK293のような細胞におけるNFκB応答エレメント(5×)-ルシフェラーゼ-IRES-GFPレポーター)のIL36α、IL36βおよび/またはIL36γ介在性活性化を競合的に阻害する、の一つ以上を示し得る。
は、配列番号227に記載のアミノ酸配列を含むタグ付されたIL36Rポリペプチド において記載されるものに対応する残基で、例えば、UniProt受託番号Q9HB29の元で記載される、天然のIL36R(IL1-RL2)に結合する抗原結合タンパク質を含む。以下を参照:
113~119:YKQILHL(配列番号228)(配列番号227のアミノ酸113~119);
113~122:YKQILHLGKD(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122);
116~119:ILHL(配列番号231)(配列番号227のアミノ酸116~119);
116~122:ILHLGKD(配列番号232)(配列番号227のアミノ酸116~122);
264~271:GVETHVSF(配列番号233)(配列番号227のアミノ酸264~271);
267~271:THVSF(配列番号234)(配列番号227のアミノ酸267~271);
268~271:HVSF(配列番号235)(配列番号227のアミノ酸268~271);
268~276:HVSFREHNL(配列番号236)(配列番号227のアミノ酸268~276);
268~277:HVSFREHNLY(配列番号237)(配列番号227のアミノ酸268~277);
271~276:FREHNL(配列番号238)(配列番号227のアミノ酸271~276)。
ヒトIL36R(IL1RL2)において以下で強調される残基を参照のこと:
MTGLVSLSYF PLSTRSCALQ SCRQPGLGMW SLLLCGLSIA LPLSVTADGC KDIFMKNEIL
SASQPFAFNC TFPPITSGEV SVTWYKNSSK IPVSKIIQSR IHQDETWILF LPMEWGDSGV
YQCVIKGRDS CHRIHVNLTV FEKHWCDTSI GGLPNLSDEY KQILHLGKDD SLTCHLHFPK
SCVLGPIKWY KDCNEIKGER FTVLETRLLV SNVSAEDRGN YACQAILTHS GKQYEVLNGI
TVSITERAGY GGSVPKIIYP KNHSIEVQLG TTLIVDCNVT DTKDNTNLRC WRVNNTLVDD
YYDESKRIRE GVETHVSFRE HNLYTVNITF LEVKMEDYGL PFMCHAGVST AYIILQLPAP
DFRAYLIGGL IALVAVAVSV VYIYNIFKID IVLWYRSAFH STETIVDGKL YDAYVLYPKP
HKESQRHAVD ALVLNILPEV LERQCGYKLF IFGRDEFPGQ AVANVIDENV KLCRRLIVIV
VPESLGFGLL KNLSEEQIAV YSALIQDGMK VILIELEKIE DYTVMPESIQ YIKQKHGAIR
WHGDFTEQSQ CMKTKFWKTV RYHMPPRRCR PFPPVQLLQH TPCYRTAGPE LGSRRKKCTLTTG
(配列番号117)。
【0070】
本発明は、任意の検出可能な程度までIL36Rの活性(例えば、IL36リガンド結合)を阻害する分子を含む、「中和」または「アンタゴニスト」抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0071】
「H4H14699P2」、「H4H14700P2」、「H4H14706P2」、「H4H14708P2」、「H4H14709P」、「H4H14728P」、「H4H14731P」、「H4H14732P2」、「H4H14734P2」、「H4H14757P」、「H4H14758P」および「H4H14760P2」は、それぞれ、配列番号2、18、34、50、66、82、98、114、130、138、154,170、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220または224の免疫グロブリン重鎖もしくはその可変領域(V)(またはそのバリアント);およびそれぞれ、10、26、42、58、74、90、106、122、146、162、182、186、190、194、198、202、206、210、214、218、222または226の免疫グロブリン軽鎖もしくはその可変領域(V)(またはそのバリアント)を含むか;あるいはそのCDR(CDR-H1(もしくはそのバリアント)、CDR-H2(もしくはそのバリアント)およびCDR-H3(もしくはそのバリアント))を含む重鎖またはV、および/あるいはそのCDR(CDR-L1(もしくはそのバリアント)、CDR-L2(もしくはそのバリアント)およびCDR-L3(もしくはそのバリアント))を含む軽鎖またはVを含む、抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント(多特異性抗原結合タンパク質を含む)を指し、例えば、免疫グロブリン鎖、可変領域および/またはCDRは、以下で記載される特定のアミノ酸配列を含む。本発明の実施形態では、Vは、IgG定常重鎖ドメイン(例えば、IgG1またはIgG4)に結合され、および/またはVは、ラムダまたはカッパ定常軽鎖ドメインに結合される。
【0072】
本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、本明細書に記載のアミノ酸配列ならびに
抗体またはフラグメントに対する細胞およびin vitro翻訳後修飾を含む免疫グロブリン鎖を含む。例えば、本発明は、本明細書に記載の重鎖ならびに/または軽鎖のアミノ酸配列(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/もしくはCDR-L3)を含むIL36Rに特異的に結合する抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに一つ以上のアスパラギン、セリンおよび/またはトレオニン残基が、グリコシル化され、一つ以上のアスパラギン残基が、脱アミド化され、一つ以上の残基(例えば、Met、Trpおよび/またはHis)が、酸化され、N末端のグルタミンが、ピログルタミン酸塩(ピロE)であり、および/またはC末端のリジンが、欠落している、抗体およびフラグメントを含む。
【0073】
本発明は、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2を含む、容器(例えば、プラスチックまたはガラスバイアル、例えば、キャップまたはクロマトグラフィーカラム、中空穴針またはシリンジシリンダを有する)を提供する。
【0074】
本発明はまた、IL36Rに特異的に結合する一つ以上の抗原結合タンパク質(例えば、抗体または抗原結合フラグメント)、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PもしくはH4H14760P2、またはその医薬組成物を含む注射装置を提供する。注射装置は、キット内に包装されてもよい。注射装置は、物質を対象の身体内に非経口経路、例えば、筋肉内、皮下または静脈内を介して導入する装置である。例えば、注射装置は、例えば、注入されるべき流体(例えば、抗体もしくはフラグメントまたはその医薬組成物を含む)を保持するためのシリンダーまたはバレル、流体の注入のための皮膚および/または血管を貫通するための針を含むシリンジ(例えば、自動注射器のような、医薬組成物が既に充填された)、ならびに流体をシリンダーから針の穴を通って押し出すためのプランジャーであってもよい。
【0075】
本発明は、抗原結合タンパク質を対象(例えば、ヒト)の体内に、例えば、非経口的に導入する工程を含む、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2を対象に投与する方法をさらに提供する。例えば、方法は、対象の体をシリンジの針で穿刺する工程、抗原結合タンパク質を対象の体内、例えば、対象の静脈、動脈、腫瘍、筋組織または皮下に注射する工程を含む。
ヒト抗体の調製
【0076】
トランスジェニックマウスにおいてヒト抗体を生成するための方法は、当該技術分野で知られている。任意のかかる公知の方法が、ヒトIL36R(例えば、IL1RL2)に特異的に結合するヒト抗体を作製するために、本発明の背景で使用され得る。本発明の特定の実施形態では、本発明の抗体は、IL36R(例えば、IL1RL2ポリペプチドもしくはその免疫原性フラグメント)、または生の弱毒化もしくは不活化ウイルス、またはタンパク質もしくはそのフラグメントをコードするDNAで免疫されたマウスから取得される。あるいは、IL36Rは、標準的な生化学的技術を使用して作製されてもよく、改変され、免疫原として使用されてもよい。本発明の特定の実施形態では、免疫原は、IL36R(例えば、IL1RL2)ポリペプチドワクチンであってもよい。特定の実施形態では、一つ以上の追加免疫注射が投与されてもよい。特定の実施形態では、免疫原は、大腸菌、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような他の真核細胞もしくは哺乳類細胞において発現される組み換えIL36Rポリペプチド(例えば、IL1RL2)であり得る。
【0077】
VELOCIMMUNE(登録商標)技術(例えば、US6,596,541、Regeneron Pharmaceuticals、VELOCIMMUNE(登録商標)を参照)またはモノクローナル抗体を生成するための任意の他の公知の方法を使用して、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する、IL36Rに対する高親和性キメラ抗体が、最初に単離される。VELOCIMMUNE(登録商標)技術は、マウスが抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を産生するように、内在性マウス定常領域座に操作可能に結合されたヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスを生成することを伴う。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAが単離され、ヒト重鎖定常領域およびヒト軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に結合される。次に、完全ヒト抗体を発現することができる細胞においてDNAが発現される。
【0078】
概して、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスに対象の抗原を負荷し、抗体を発現するマウスからリンパ細胞(B細胞など)が回収される。リンパ細胞を骨髄腫細胞株と融合させて不死化ハイブリドーマ細胞株を調製し得、対象の抗原に特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定するためにかかるハイブリドーマ細胞株が、スクリーニングおよび選択される。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAが単離され、重鎖および軽鎖の望ましいアイソタイプ定常領域に結合されてもよい。かかる抗体タンパク質は、CHO細胞のような細胞において産生されてもよい。あるいは、抗原特異的キメラ抗体または軽鎖および重鎖の可変ドメインをコードするDNAは、抗原特異的リンパ球から直接単離されてもよい。
【0079】
まず、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する高親和性キメラ抗体が、単離される。抗体は、親和性、選択性、エピトープなどを含む望ましい特徴について特徴付けられ、選択される。マウス定常領域は、所望のヒト定常領域で置換され、本発明の完全ヒト抗体、例えば、野生型または修飾されたIgG1もしくはIgG4が生成される。選択された定常領域は、特定の用途に応じ変動し得る一方、高親和性抗原結合および標的特異性特徴は、可変領域に存在する。
Fcバリアントを含む抗IL36R抗体
【0080】
本発明の特定の実施形態によると、例えば、中性pHと比較して酸性pHで、FcRn受容体への抗体結合を増強または減少させる一つ以上の変異を含むFcドメインを含む、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントが提供される。例えば、本発明は、FcドメインのC2またはC3領域に変異を含む抗IL36R抗体を含み、変異は、酸性環境において(例えば、pHが約5.5~約6.0の範囲のエンドソームにおいて)FcRnに対するFcドメインの親和性を増加させる。かかる変異は、動物に投与されたときに抗体の血清半減期の増加をもたらし得る。かかるFc修飾の非限定的な例には、例えば、250位(例えば、EまたはQ)、250位および428位(例えば、LまたはF)、252位(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位(例えば、SまたはT)、および256位(例えば、S/R/Q/E/DまたはT)における修飾、または428位および/もしくは433位(例えば、H/L/R/S/P/QまたはK)および/もしくは434位(例えば、A、W、H、F、またはY[N434A、N434W、N434H、N434FまたはN434Y])における修飾、あるいは250位および/もしくは428位における修飾、あるいは307位もしくは308位(例えば、308F、V308F)、および434位における修飾が挙げられる。一実施形態では、修飾は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)修飾、428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)修飾、433K(例えば、H433K)および434(例えば、434Y)修飾、252、254、および256(例えば、252Y、254T、および256E)修飾、250Qおよび428L修飾(例えば、T250QおよびM428L)、ならびに307および/または308修飾(例えば、308Fおよび/または308P)を含む。さらに別の実施形態では、修飾は、265A(例えば、D265A)および/または297A(例えば、N297A)修飾を含む。
【0081】
例えば、本発明は、250Qおよび248L(例えば、T250QおよびM248L);252Y、254Tおよび256E(例えば、M252Y、S254TおよびT256E);428Lおよび434S(例えば、M428LおよびN434S);257Iおよび311I(例えば、P257IおよびQ311I);257Iおよび434H(例えば、P257IおよびN434H);376Vおよび434H(例えば、D376VおよびN434H);307A、380Aおよび434A(例えば、T307A、E380AおよびN434A);ならびに433Kおよび434F(例えば、H433KおよびN434F)からなる群から選択される変異の一つ以上のペアまたは群を含む、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0082】
前述のFcドメイン変異の任意の可能性のある組み合わせを含む、本明細書に記載のVおよび/またはVを含む、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメントは、本発明の範囲内とみなされる。
【0083】
本発明はまた、本明細書に記載のVおよびキメラ重鎖定常(C)領域を含み、抗IL36R抗原結合タンパク質、抗体または抗原結合フラグメントを含み、キメラC領域は、一つより多くの免疫グロブリンアイソタイプのC領域からもたらされたセグメントを含む。例えば、本発明の抗体は、ヒトIgG1分子、ヒトIgG2分子またはヒトIgG4分子に由来するCHドメインの一部または全部と組み合わせた、ヒトIgG1分子、ヒトIgG2分子またはヒトIgG4分子に由来するCHドメインの一部または全部を含むキメラC領域を含んでもよい。特定の実施形態によると、本発明の抗体は、キメラヒンジ領域を有するキメラC領域を含む。例えば、キメラヒンジは、ヒトIgG1ヒンジ領域、ヒトIgG2ヒンジ領域またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「下部ヒンジ」配列(EU番号付けによる位置228~236のアミノ酸残基)と組み合わされた、ヒトIgG1ヒンジ領域、ヒトIgG2ヒンジ領域またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「上部ヒンジ」アミノ酸配列(EU番号付けによる位置216~227のアミノ酸残基)を含んでもよい。特定の実施形態によると、キメラヒンジ領域は、ヒトIgG1上部ヒンジまたはヒトIgG4上部ヒンジに由来するアミノ酸残基およびヒトIgG2下部ヒンジに由来するアミノ酸残基を含む。本明細書において説明されるキメラC領域を含む抗体は、特定の実施形態では、抗体の治療特性または薬物動態学的特性に負に影響を与えることなく修飾Fcエフェクター機能を呈する。(例えば、国際公開第2014/022540号を参照のこと)。
多特異性抗原結合タンパク質
【0084】
本発明は、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびにその使用方法およびかかる抗原結合タンパク質を作製する方法を含む。用語「抗IL36R」抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントは、IL36R(例えば、IL1RL2)(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2由来の抗原結合ドメイン)に特異的に結合する少なくとも一つの第一の抗原結合ドメインおよび異なる抗原または第一の抗原結合ドメイン(例えば、IL23-p19、IL12/IL23-p40、TNFアルファ、IL-22、MADCAM、a4b7、CCR9、および/またはCCR6)のものと異なる、IL36Rにおけるエピトープに結合する少なくとも一つの第二の抗原結合ドメインを含む多特異性(例えば、二重特異性または二重パラトープ)分子を含む。本発明の実施形態では、第一および第二のエピトープは、重複する。本発明の別の実施形態では、第一および第二のエピトープは、重複しない。
【0085】
「H4H14699P2」;「H4H14700P2」;「H4H14706P2」;「H4H14708P2」;「H4H14709P」;「H4H14728P」;「H4H14731P」;「H4H14732P2」;「H4H14734P2」;「H4H14757P」;「H4H14758P」または「H4H14760P2」は、それぞれ、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2のHCDRおよびLCDR、VおよびV、またはHCおよびLC、ならびに異なるエピトープに結合する一つい上の抗原結合ドメインを含む、多特異性分子、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0086】
本発明の実施形態では、多特異性分子に含まれ得るIL36R(例えば、IL1RL2)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、
(1)
(i)H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2から選択される免疫グロブリン重鎖由来のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む、重鎖可変ドメイン(V)配列、および
(ii)それぞれ、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2から選択される免疫グロブリン重鎖由来のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、軽鎖可変ドメイン(V)配列;
または
(2)
(i)H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2から選択される重鎖可変ドメイン(V)配列;および
(ii)それぞれ、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2から選択される軽鎖可変ドメイン(V)配列;
および
異なるエピトープに結合する一つ以上の抗原結合ドメインを含む。
【0087】
本発明の実施形態では、多重特異性抗体またはフラグメントは、例えば、第一および/または第二の抗原結合ドメインと同一であるか、または異なっている、二つより多くの異なる結合特異性(例えば、三特異性分子)、例えば、一つ以上の追加の抗原結合ドメインを含む。
【0088】
本発明の一実施形態では、二重特異性抗原結合フラグメントは、第一のエピトープ(例えば、IL36R)についての結合特異性を有する、第一のscFv(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2のVおよびVを含む)および第二の異なるエピトープについての結合特異性を有する、第二のscFvを含む。例えば、本発明の実施形態では、第一および第二のscFvは、リンカー、例えばペプチドリンカー(例えば、(GGGGS)(配列番号177)(式中、nは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)のようなGSリンカー)と連結される。
【0089】
他の二重特異性抗原結合フラグメントは、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PおよびH4H14760P2の重鎖および軽鎖CDR、ならびに異なるエピトープに結合する別の抗体を含む、二重特異性IgG抗体のF(ab)を含む。
免疫複合体
【0090】
本発明は、別の部分、例えば、治療用部分(「免疫複合体」)にコンジュゲートされた、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを包含する。本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に記載のさらなる治療剤のいずれかにコンジュゲートされる。本明細書で使用される場合、用語「免疫複合体」は、別の抗原結合タンパク質、放射性物質、レポーター部分、酵素、ペプチド、タンパク質または治療剤に化学的または生物学的に結合された、抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメントを指す。
治療方法および予防方法
【0091】
本発明は、かかる治療または予防を必要とする治療上有効量の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を対象(例えば、ヒト)に投与することにより、IL-36R介在性疾患を治療または予防する方法を提供する。
【0092】
「治療する」または「治療すること」は、IL36R介在性疾患の一つ以上の兆候および/または症状および/または臨床徴候が退行するか、または除去され、および/またはその進行が阻害される(例えば、対象における疾患が、安定化されるか、低減されるか、または除去される)ように、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を、IL36R介在性疾患を有する対象に投与することを意味する。
【0093】
IL36R介在性疾患を「予防すること」は、対象の身体における疾患の所見前に、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を対象に投与することを意味する。
【0094】
インターロイキンIL-36RNは、IL-36RでのIL-36アルファ、IL-36ベータおよびIL-36ガンマの炎症促進性シグナルに拮抗するIL-1サイトカインファミリーメンバーである。
【0095】
IL-36R仲介性疾患は、例えば、IL36Rアンタゴニスト(例えば、IL-36RN)の欠損に起因する、IL-36Rの活性(例えば、IL36γ、IL36γおよび/またはIL36γのようなリガンドの受容体結合によるNFκBおよびMAPキナーゼを介した下流の炎症シグナル伝達の活性化)により引き起こされるか、または悪化する任意の疾患である。本発明の実施形態では、IL36RNにおける変異は、IL-36R仲介性疾患の原因となる。かかる疾患の例は、自己免疫性障害および/または炎症性障害である。本発明の実施形態では、抗IL36R抗原結合タンパク質で治療されるIL36R介在性疾患は、炎症性障害、自己免疫障害、インターロイキンIL-36受容体アンタゴニスト(DITRA)症候群の欠損、疱疹状膿痂疹、肢端皮膚炎、皮膚好中球性膿疱性疾患、乾癬、膿疱性疾患、汎発性膿疱性乾癬(GPP、例えば、家族性または孤発性)、尋常性乾癬/尋常性乾癬、掌蹠膿疱性乾癬(PPPP)、掌蹠膿疱症(PPP)、大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、化学誘導性大腸炎、炎症、気道炎症(例えば、好中球性気道炎症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)または喘息)、関節の炎症(例えば、強直性脊椎炎、関節リウマチまたは乾癬性関節炎)、腎臓の炎症、円形脱毛症、皮膚炎症(例えば、化学的に誘導された皮膚炎症、乾癬、膿疱性乾癬、全身性膿疱性乾癬、掌板膿疱症、掌足底膿疱性乾癬、尋常性乾癬または乾癬性皮膚病変)、表皮肥厚、過角化症、キンドラー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、ネフローゼ症候群、ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管障害、細管間質性病変および糸球体腎炎である。
【0096】
炎症性障害は、健康な組織の破壊を引き起こし得る制御不能または望ましくない炎症により特徴付けられる障害である。
【0097】
自己免疫性障害は、人の免疫システムが人自身の身体を誤って攻撃する状態である。
【0098】
疱疹状膿疱(IH)は、妊娠の希少な皮膚症の一つであり、これは現在、汎発性膿疱性乾癬の形態と考えられている。本発明の実施形態では、IL36RNにおける変異は、IHの原因である。
【0099】
肢端皮膚炎は、例えば、3か月~15歳の小児に影響し得る皮膚病態であり、身体上の痒みのある赤色または紫色の水疱、腹部膨満、発熱、および腫脹したリンパ節の痛みにより特徴付けられる。肢端皮膚炎の原因はウイルスであり得る。IL-36受容体アンタゴニスト(例えば、IL-36Ra)の変異は、GPPおよび連続性肢端皮膚炎を有する患者のうち高率で存在する。本発明の実施形態では、IL36RNの変異は、肢端皮膚炎の原因である。
【0100】
乾癬は、分厚く赤く乾燥した皮膚の痒みまたは痛みである、皮膚プラークを引き起こす自己免疫性疾患である。乾癬の最も一般的な形態は、尋常性乾癬(尋常性乾癬)であり、膝、肘、頭皮および体幹を含む、皮膚の任意の領域上に出現し得る、十分に定義された赤色の隆起した皮膚のプラークにより特徴付けられる。プラーク上部の淡い銀白色の蓄積は、鱗屑と呼ばれ、死滅した皮膚細胞から構成される。この鱗屑は崩れてきて、プラークから絶えず脱落する。皮膚症状は、疼痛、痒みおよびひび割れを含む。
【0101】
汎発性膿疱性乾癬(GPP)は、重篤な形態の乾癬である。GPPを有する個人は、通常、皮膚の広い部分が赤くなり、炎症を起こし、小さな膿が充満した水疱(膿疱)を発症するエピソードを繰り返す。GPPを有する対象の一部は、プラークに罹患している。皮膚の問題は、発熱、極度の疲労(疲労)、筋力低下、増加した数の白血球、および全身の炎症(全身性炎症)の他の兆候を伴い得る。IL-36サイトカインは、GPPの発症において役割を果たすようである。本発明の実施形態では、IL36RNにおける変異は、GPPの原因である。
【0102】
掌蹠膿疱性乾癬(PPPP;4P)は、皮膚の手掌および足底表面に生じるプラークおよび膿疱により特徴付けられる限局性膿疱性乾癬の形態である。PPPPは、IL-36Rアンタゴニスト機能における異常を導くホモ接合性または化合物ヘテロ接合性IL36RN遺伝子変異と関連し得る。本発明の実施形態では、IL36RNにおける変異は、PPPPPの原因である。
【0103】
掌蹠膿疱症(PPP;3P)は、水疱様の膿疱を生じて、対象の手の手掌および対象の足の裏に現れる、免疫介在性障害である。一般に、PPPを有する対象は、プラークを患っていない。本発明の実施形態では、IL36RNにおける変異は、PPPの原因である。
【0104】
インターロイキンIL-36受容体アンタゴニスト(DITRA)症候群の欠損は、IL36RNの変異により引き起こされる希少な常染色体劣性疾患である。DITRAは、IL36Rアンタゴニスト欠損に起因した、高熱、無力症、および全身性炎症に関連する再発性および重度の紅斑の汎発性膿疱性乾癬により特徴付けられる免疫欠損疾患に伴う希少な遺伝性自己炎症症候群である。乾癬性の爪の変化(例えば、点状おおよび爪甲状出血)ならびに魚介症は、場合により関連し得る。Marrakchiら、New Engl J.Med.365(7):620~628(2011年)を参照されたい。本発明の実施形態では、IL36RNの変異は、DITRAの原因である。
【0105】
炎症性疾患は、対象の身体内の一つ以上の部位における異常な炎症により特徴付けられる状態である。自己免疫疾患は、対象自身の免疫系による対象の身体組織の異常な攻撃により特徴付けられる状態である。
【0106】
ANCA関連血管障害(AAV)は、多発血管炎性肉芽腫症(旧称、ウェゲナー)、顕微鏡的多発血管炎、およびEGPA/チャーグ・ストラウスを含む炎症性障害である。これらの状態は、血管の閉塞および腎臓の様な重要な器官への血流の減少につながる慢性炎症により特徴付けられる。
【0107】
炎症性腸疾患(IBD)は、胃腸(GI)管の慢性炎症により特徴付けられる二つの状態(クローン病および潰瘍性大腸炎)を含む用語である。
【0108】
好中球性気道炎症は、肺への好中球の流入により仲介される気道の炎症である。好中球性気道炎症の兆候および症状は、喘息および喘鳴を含む。
【0109】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺からの気流の閉塞を引き起こす慢性炎症性肺疾患である。兆候および症状は、呼吸困難、咳、粘液(粘液)産生および喘鳴を含む。
【0110】
強直性脊椎炎(AS)は、脊椎の長期炎症(例えば、仙腸関節(SI)および軸骨格)により特徴付けられる疾患である。時間が経つにつれ、ASは、脊椎の椎骨の一部を融合させ得る。症状は、腰と臀部の頭痛および硬直を含む。
【0111】
関節リウマチは、関節の炎症により特徴付けられる自己免疫性の状態である。症状は、圧痛、熱感、腫脹のある関節、関節の硬直、疲労、発熱および体重減少を含む。
【0112】
乾癬性関節炎は、乾癬を有する一部の人々に影響を及ぼす関節炎の形態である。症状は、晴れた指および爪先、足の痛み、腰の痛みを含み得る。
【0113】
円形脱毛症は、身体上の小さなはげパッチにより特徴付けられる斑点脱毛症である。
【0114】
表皮肥厚は、他の皮膚よりも黒いように見え得る、皮膚の脊柱層(髄細胞層)のびまん性の表皮肥厚(過形成)である。過角化症は、皮膚の外層の肥厚である。
【0115】
過角化症は、しばしば、日光からの刺激、化学物質または頻繁な摩擦もしくは圧力による皮膚の肥厚である。皮膚の肥厚は、典型的には、ケラチンと呼ばれる強固で保護的なタンパク質を含有する皮膚の外層で生じる。
【0116】
キンドラー症候群は、先天性の頭蓋皮膚水疱、感光性、進行性のポイキロデルマ、およびびまん性皮膚萎縮により特徴付けられる常染色体劣性遺伝性皮膚症である。口腔粘膜、歯肉、および消化管の頻繁な関与を伴う、粘膜徴候が一般的である。
【0117】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫疾患である。この疾患では、身体の免疫系が、健康な組織を誤って攻撃する。SLEは、皮膚、関節、腎臓、脳、および他の器官に影響を及ぼし得る。
【0118】
腎症症候群は、対象の身体が、対象の尿における過剰なタンパク質を排出する、腎臓障害である。ネフローゼ症候群は、典型的には、老廃物よび過剰な水分を対象の血液から濾過する、腎臓における小さな血管の塊への損傷により引き起こされる。ネフローゼ症候群の症状は、特に足および足首の腫脹(浮腫)、泡状尿、体重増加(体液貯留による)、疲労および食欲喪失を含む。
【0119】
糸球体腎炎は、腎糸球体の炎症である。症状は、対象の尿における赤血球細胞由来のインク色またはコーラ様の色のついた尿(血尿)、泡状尿(タンパク尿に起因)、高い血圧(高血圧)、体液貯留(浮腫)を含む。
【0120】
IL36R介在性疾患を治療または予防するための、有効または治療上有効用量の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体または抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)は、かかる徴候、兆候および/または症状の退行または軽減を誘導することにより、またはかかる徴候、兆候および/または症状の進行を阻害することにより、治療されうる対象における疾患の臨床徴候、兆候および/または症状の一つ以上を軽減するのに十分な抗体またはフラグメントの量を指す。投与量は、投与されるべき対象の年齢およびサイズ、標的疾患、状態、投与経路などによって変動し得る。本発明の実施形態では、例えば、成人のヒト対象において、IL36R介在性疾患を治療または予防するための、有効用量または治療上有効量の本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、約1mg/kg以上、例えば、約1mg/kg~約25mg/kgである。感染の重症度に応じて、治療の頻度および期間を調節することができる。特定の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、初回用量で投与され、続いて、1回以上の二次用量が投与され得る。特定の実施形態では、初回用量に続き、初回の用量とほぼ同じか、またはより少ない量での第二または複数回の続く用量の投与であり、続く用量は、少なくとも1日~3日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、または少なくとも14週間あけられる。
【0121】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、哺乳類(例えば、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ)、好ましくは、ヒト、例えば、IL-36R仲介性疾患の予防および/または治療を必要とするヒトを指す。対象は、IL-36R仲介性疾患を有するか、またはかかる疾患を発症する素因を有し得る。本発明の実施形態では、対象は、ホモ接合性またはヘテロ接合性のIL36RN変異遺伝子型を有する。
【0122】
本発明は、抗IL36R抗原結合タンパク質をIL36R仲介性疾患を発症するリスクがある対象に投与する方法を包含する。例えば、本発明の実施形態では、疾患は、皮膚炎症性疾患または結腸炎症性疾患である。本明細書の実施例5は、皮膚炎症疾患が、イミキモドへの曝露および皮膚炎症症状の発症の前のDITRA様マウスモデルにおいて予防できることを示した。本発明の実施形態では、IL36R仲介性疾患(例えば、皮膚炎症)は、全ての病理スコア(本明細書において考察される)または皮膚におけるKC-GRO、IL-6、IL-1ベータまたはTNFアルファのような炎症促進性サイトカインの存在における、任意の臨床上有意な炎症、例えば、皮膚炎症または炎症誘導性皮膚肥厚化の任意の増加の前に、対象への予防用量の抗原結合タンパク質の投与により予防される。本発明の実施形態では、IL36R仲介性疾患を予防するための本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質の用量は、約1mg/kg~約10mg/kgである。
組み合わせおよび医薬組成物
【0123】
本発明は、抗IL36R抗原結合タンパク質および一つ以上の成分を含む組成物、ならびにその使用方法およびかかる組成物を作製する方法を提供する。
【0124】
抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体およびその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)の医薬組成物を調製するために、抗原結合タンパク質は、医薬的に許容される担体または賦形剤と混合される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S.Pharmacopeia:National Formulary、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1984年);Hardmanら、(2001年)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、McGraw-Hill、New York、N.Y.;Gennaro(2000年)Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott、Williams、およびWilkins、New York、N.Y.;Avisら(編)(1993年)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications、Marcel Dekker、NY;Liebermanら(編)(1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Marcel Dekker、NY;Liebermanら(編)(1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems、Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000年)Excipient Toxicity and Safety、Marcel Dekker、Inc.、New York、N.Y.を参照のこと。かかる組成物は、本発明の一部である。
【0125】
本発明の医薬組成物は、例えば、水、バッファー、安定剤、防腐剤、等張剤、非イオン性洗剤、抗酸化剤および/または他の雑多な添加剤の様な、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤および/または安定剤を含む。
【0126】
本発明の範囲は、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を含む乾燥、例えば、凍結乾燥組成物、あるいは医薬的に許容される担体を含むが、水を実質的に欠くその医薬組成物を含む。
【0127】
本発明のさらなる実施形態では、本明細書において開示される、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)と関連して対象に投与される、さらなる治療剤は、Physicians’ Desk Reference 2003(Thomson Healthcare;第57編(2002年11月1日))に従い対象に投与される。
【0128】
抗原結合タンパク質またはその組成物の投与様式は、変動し得る。投与経路は、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口、筋肉内、皮下、皮内、髄内、くも膜下腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼内、吸入、ガス注入、局所的、皮膚、経皮または動脈内を含む。
【0129】
本発明は、タンパク質または医薬組成物またはその組み合わせ対象の身体に導入する工程を含む、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を対象に投与する方法を提供する。例えば、本発明の実施形態では、方法は、対象の身体を、例えば、シリンジの針で穿刺する工程、および抗原結合タンパク質または医薬組成物またはその組み合わせを、対象の身体、例えば、対象の静脈、動脈、腫瘍、筋肉組織または皮下に注射する工程を含む。
【0130】
本発明は、抗IL36R抗原結合タンパク質のいずれか、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)、または医薬的に許容される担体またはその組み合わせを含む医薬組成物を含む、容器(例えば、プラスチックまたはガラスバイアル、例えば、キャップまたはクロマトグラフィーカラム、中空穴針またはシリンジシリンダを有する)を提供する。
【0131】
本発明は、一つ以上のさらなる治療剤と関連して、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2)を含む組み合わせを含む。抗IL36R抗原結合タンパク質およびさらなる治療剤は、単一の組成物または別の組成物中にあり得る。例えば、本発明の実施形態では、さらなる治療薬は、抗炎症薬である。本発明の実施形態では、さらなる治療剤は、別の抗IL35R抗原結合タンパク質、IL17阻害剤、IL23p19阻害剤、IL12p40阻害剤、グセルクマブ、ウステキヌマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、セクキヌマブ、抗TNFアルファ抗体またはその抗原結合フラグメント、ヒトIgG1のFc部分のような免疫グロブリンに結合した一つ以上のヒトTNF受容体またはそのフラグメント、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、デュピルマブ、サリルマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ、アバタセプト、トファシチニブ、アバタセプト、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、セレコキシブ、シクロホスファミド、メトトレキサート、コルチコステロイド、コルチゾンまたはプレドニゾンである。
【0132】
さらなる治療剤と関連して、抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、H4H14699P2;H4H14700P2;H4H14706P2;H4H14708P2;H4H14709P;H4H14728P;H4H14731P;H4H14732P2;H4H14734P2;H4H14757P;H4H14758PまたはH4H14760P2を投与することによる、当該治療または予防を必要とする対象におけるIL-36介在性疾患を治療または予防する方法は、本発明の一部である。
【0133】
「関連」という用語は、メトトレキサートのような別の薬剤と共に、成分である、本発明の抗IL36R抗原結合タンパク質、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメントが、例えば、同時デリバリーのため、単一の組成物に、または二つ以上の組成物(例えば、各成分を含むキット)に別々に製剤化し得ることを示す。各構成要素は、他の成分が投与されるときとは異なる時に対象に投与することができ、例えば、各投与は、所定の期間に渡り間隔を空けて非同時(例えば、別々または順次)与えられてもよい。さらに、別個の構成要素は、同じ経路によりまたは異なる経路により対象に投与されてもよい。
【実施例
【0134】
以下の実施例は、当業者に、
本発明の組成物を作製する方法および方法を使用する方法の完全な開示および説明を提供するために記載され、
本発明者が本発明とみなす範囲を限定することを意図するものではない。
発明者はその発明とみなす。
【0135】
実施例1:IL-36Rに特異的に結合するヒト抗体の生成
【0136】
VELOCIMMUNEマウス(すなわち、ヒト免疫グロブリン重鎖およびカッパ軽鎖可変領域をコードするDNAを含む、操作したマウス)を全長IL36R(IL-1RL2)配列を含むDNA免疫原で免疫することにより、抗IL36R抗体を得た。抗体免疫応答を、IL36R特異的免疫アッセイによりモニタリングし、完全ヒト抗IL36R抗体を単離し、精製した。本明細書に記載の通り生成した抗体のVとVの間の2種の典型的な比較、およびそれらのそれぞれの生殖細胞系列を、図1および図2に記載する。
【表1】
配列番号1
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTGCAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCGGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATACACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATCAGTTGGA
ATAGTGATATCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCGTCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAATAGTCTGAGAACTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGGATATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号2
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAIHWVRQAPGKGLEWVSVISWNSDIIGYADSVKGRFTVSRDNAKNSLY
LQMNSLRTEDTALYYCAKGYNWNFFDYWGQGTLVTVSS;
配列番号3
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号4
G F T F D D Y A;
配列番号5
ATC AGT TGG AAT AGT GAT ATC ATA;
配列番号6
I S W N S D I I;
配列番号7
GCA AAA GGA TAT AAC TGG AAC TTC TTT GAC TAT;
配列番号8
A K G Y N W N F F D Y;
配列番号9
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTATCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTGTTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATAATGCAGCAAACA
GGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
A;
配列番号10
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNAANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIK;
配列番号11
CAG AGT GTT AGC AGC TAC;
配列番号12
Q S V S S Y;
配列番号13
AAT GCA GCA;
配列番号14
N A A;
配列番号15
CAG CAG CGT AGC AAC TGG CCT CTC ACT;
配列番号16
Q Q R S N W P L T;
配列番号17
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAACTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATTAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGCCTATTCGGACTCTGTGAAGGGCCGCTTCACCATTTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGGGAACTGAGGACACGGCCTTATATTACTGTGCAAAAGGCCATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号18
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQTPGKGLEWVSVISWNSDVIAYSDSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLGTEDTALYYCAKGHNWNFFDYWGQGTLVTVSS;
配列番号19
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号20
G F T F D D Y A;
配列番号21
ATT AGT TGG AAT AGT GAT GTC ATA;
配列番号22
I S W N S D V I;
配列番号23
GCA AAA GGC CAT AAC TGG AAC TTC TTT GAC TAT;
配列番号24
A K G H N W N F F D Y;
配列番号25
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGAGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTGTTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATAATGTAGCCAACA
GGGCCACAGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCGGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTTCTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
A;
配列番号26
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNVANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISGLEP
EDFAVYFCQQRSNWPLTFGGGTKVEIK;
配列番号27
CAG AGT GTT AGC AGC TAC;
配列番号28
Q S V S S Y;
配列番号29
AAT GTA GCC;
配列番号30
N V A;
配列番号31
CAG CAG CGT AGC AAC TGG CCT CTC ACT;
配列番号32
Q Q R S N W P L T;
配列番号33
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATACACTGGGTCCGGCAATCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATCAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAGATGAATAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGGATATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号34
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCTASGFTFDDYAIHWVRQSPGKGLEWVSVISWNSDVIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRAEDTALYYCAKGYNWNFFDYWGQGTLVTVSS;
配列番号35
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号36
G F T F D D Y A;
配列番号37
ATC AGT TGG AAT AGT GAT GTC ATA;
配列番号38
I S W N S D V I;
配列番号39
GCA AAA GGA TAT AAC TGG AAC TTC TTT GAC TAT;
配列番号40
A K G Y N W N F F D Y;
配列番号41
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTATCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTGTTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATAATGCAGCAAACA
GGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
A;
配列番号42
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNAANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIK;
配列番号43
CAG AGT GTT AGC AGC TAC;
配列番号44
Q S V S S Y;
配列番号45
AAT GCA GCA;
配列番号46
N A A;
配列番号47
CAG CAG CGT AGC AAC TGG CCT CTC ACT;
配列番号48
Q Q R S N W P L T;
配列番号49
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGACTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAATGGGTCTCAGTTATTAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGCCTATTCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGAACTGAGGACACGGCCTTATATTACTGTACAAAAGGCCATAAGTGGAGCTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号50
EVQLVESGGDLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSVISWNSDVIAYSDSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRTEDTALYYCTKGHKWSFFDYWGQGTLVTVSS;
配列番号51
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号52
G F T F D D Y A;
配列番号53
ATT AGT TGG AAT AGT GAT GTC ATA;
配列番号54
I S W N S D V I;
配列番号55
ACA AAA GGC CAT AAG TGG AGC TTC TTT GAC TAT;
配列番号56
T K G H K W S F F D Y;
配列番号57
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTATTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGACTCCTCATCTTTAATGTAGCCAACA
GGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
A;
配列番号58
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISSYLAWYQQKPGQAPRLLIFNVANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIK;
配列番号59
CAG AGT ATT AGC AGC TAC;
配列番号60
Q S I S S Y;
配列番号61
AAT GTA GCC;
配列番号62
N V A;
配列番号63
CAG CAG CGT AGC AAC TGG CCT CTC ACT;
配列番号64
Q Q R S N W P L T;
配列番号65
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTTCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGCGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTAGCGACTATGCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCGGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTGGAA
ATGGTGGTGACACATACTACGGAGACTTCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTAT
CTGCAAATGAACAGCCTGAGAGGCGAGGACACGGCCGCATATTTCTGTGTGATAGATCTTGACTATTGGGGTCAGGGAAC
CCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号66
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMSWVRQAPGKGLEWVSGISGNGGDTYYGDFVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRGEDTAAYFCVIDLDYWGQGTLVTVSS;
配列番号67
GGA TTC ACC TTT AGC GAC TAT GCC;
配列番号68
G F T F S D Y A;
配列番号69
ATT AGT GGA AAT GGT GGT GAC ACA;
配列番号70
I S G N G G D T;
配列番号71
GTG ATA GAT CTT GAC TAT;
配列番号72
V I D L D Y;
配列番号73
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCCACCCTGTCTGCATCTGAAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCCAGTCA
GAGTATTAGTAGCTGGTTGGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGAAAAGCCCCTAGGCTCCTGATCTATAAGGCGTCTATTT
TAGGAGATGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGAATTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCT
GATGATTTTGCTACTTATTACTGCCACCAGTATAATAGTTATTTGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAA
A;
配列番号74
DIQMTQSPSTLSASEGDRVTITCRASQSISSWLAWYQQKPGKAPRLLIYKASILGDGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQP
DDFATYYCHQYNSYLWTFGQGTKVEIK;
配列番号75
CAG AGT ATT AGT AGC TGG;
配列番号76
Q S I S S W;
配列番号77
AAG GCG TCT;
配列番号78
K A S;
配列番号79
CAC CAG TAT AAT AGT TAT TTG TGG ACG;
配列番号80
H Q Y N S Y L W T;
配列番号81
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCACAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGG
CTCCATCAGCAGTGCTGATTACTATTGGAGCTGGATCCGCCAGCACCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGATTGGATCCATCT
ATTATACTGGGAGTACTTACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGACTTACCATATCAATAGACACGTCTGAGAACCAGTTC
TCTTTGAAACTGACCTCTCTGACTGCCGCGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGCGAGGAGGCTAACTGGGGATCCCA
CTTTGACTCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号82
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGGSISSADYYWSWIRQHPGKGLEWIGSIYYTGSTYYNPSLKSRLTISIDTSENQF
SLKLTSLTAADTAVYYCASEEANWGSHFDSWGQGTLVTVSS;
配列番号83
GGT GGC TCC ATC AGC AGT GCT GAT TAC TAT;
配列番号84
G G S I S S A D Y Y;
配列番号85
ATC TAT TAT ACT GGG AGT ACT;
配列番号86
I Y Y T G S T;
配列番号87
GCG AGC GAG GAG GCT AAC TGG GGA TCC CAC TTT GAC TCC;
配列番号88
A S E E A N W G S H F D S;
配列番号89
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTGACAACTTTTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCATCTTACTACTGTCAACATAGTCACAGTGCCCATCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAA;
配列番号90
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIDNFLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFASYYCQHSHSAHPITFGQGTRLEIK;
配列番号91
CAG AGC ATT GAC AAC TTT;
配列番号92
Q S I D N F;
配列番号93
GCT GCA TCC;
配列番号94
A A S;
配列番号95
CAA CAT AGT CAC AGT GCC CAT CCG ATC ACC;
配列番号96
Q H S H S A H P I T;
配列番号97
CAGCTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGG
CTCCATCAGCAGTAGTAATTACTACTGGGGCTGGATCCGCCAGCCCCCAGGGAAGAGACTGGAGTGGATTGGGAGTATCT
ATTATAGTGGGAGCACCTACTACAACCCGTCCCTCAAGACTCGAGTCACCATATCCGTAGACACGTCCAAGAATCAGTTC
TCCCTGAAGCTGACCTCTGTGACCGCCGCAGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGAGGAAGCAGCAGCTTTGACGCA
CTTTGACTTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号98
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSSNYYWGWIRQPPGKRLEWIGSIYYSGSTYYNPSLKTRVTISVDTSKNQF
SLKLTSVTAADTAVYYCAREEAAALTHFDFWGQGTLVTVSS;
配列番号99
GGT GGC TCC ATC AGC AGT AGT AAT TAC TAC;
配列番号100
G G S I S S S N Y Y;
配列番号101
ATC TAT TAT AGT GGG AGC ACC;
配列番号102
I Y Y S G S T;
配列番号103
GCG AGA GAG GAA GCA GCA GCT TTG ACG CAC TTT GAC TTC;
配列番号104
A R E E A A A L T H F D F;
配列番号105
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTTTGCTGCATCCAGTT
TACAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACATAGTCACAGTTCCCATCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAA;
配列番号106
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISNYLNWYQQKPGKAPKLLIFAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQHSHSSHPITFGQGTRLEIK;
配列番号107
CAG AGC ATT AGC AAC TAT;
配列番号108
Q S I S N Y;
配列番号109
GCT GCA TCC;
配列番号110
A A S;
配列番号111
CAA CAT AGT CAC AGT TCC CAT CCG ATC ACC;
配列番号112
Q H S H S S H P I T;
配列番号113
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAATTGGG
CTGGTTATAACATAGACTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATATGCGTGGATTCAGTTATGGTTT
CCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番114
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGINWAGYNIDYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRAEDTALYYCAKDMRGFSYGFPFDYWGQGTLVTVSS;
配列番号115
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号116
G F T F D D Y A;
配列番号117
ATT AAT TGG GCT GGT TAT AAC ATA;
配列番号118
I N W A G Y N I;
配列番号119
GCA AAA GAT ATG CGT GGA TTC AGT TAT GGT TTC CCC TTT GAC TAC;
配列番号120
A K D M R G F S Y G F P F D Y;
配列番号121
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAA;
配列番号122
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK;
配列番号123
CAG AGC ATT AGC AGC TAT;
配列番号124
Q S I S S Y;
配列番号125
GCT GCA TCC;
配列番号126
A A S;
配列番号127
CAA CAG AGT TAC AGT ACC CCT CCG ATC ACC;
配列番号128
Q Q S Y S T P P I T;
配列番号129
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTAAAGCCGGGGGGGTCCCTTAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
TATTTTCAGTAACGCCTGGATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGACTGGCGTGGGTTGGCCGTATTAAAACCG
AAACTGATGGTGGGACAACAGACTACGCTGCACCCGTAAAAGGCAGATTCACCATCTCAAGAGATGACTCAAAAAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCGTGAAAACCGAGGACACAGCCGTGTATTACTGTACAGGGGGATACAGCTATGGTGACGA
TAGCAGCAGCTGGAACGAGGGCTACTACTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号130
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFIFSNAWMNWVRQAPGKGLAWVGRIKTETDGGTTDYAAPVKGRFTISRDDSKNT
LYLQMNSVKTEDTAVYYCTGGYSYGDDSSSWNEGYYYYGMDVWGQGTTVTVSS;
配列番号131
GGA TTT ATT TTC AGT AAC GCC TGG;
配列番号132
G F I F S N A W;
配列番号133
ATT AAA ACC GAA ACT GAT GGT GGG ACA ACA;
配列番号134
I K T E T D G G T T;
配列番号135
ACA GGG GGA TAC AGC TAT GGT GAC GAT AGC AGC AGC TGG AAC GAG GGC TAC TAC TAC TAC GGT ATG GAC GTC;
配列番号136
T G G Y S Y G D D S S S W N E G Y Y Y Y G M D V;
配列番号137
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTCGTTGGA
ATGGTGGTAGTATAGGCTATGTGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAAGTCCCTGCAT
CTGCAAATGAACAGTCTAAAAACTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATATAGGCGATATTTTGACTGGTTT
TTATGGAGAATACGGAATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号138
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCTASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGIRWNGGSIGYVDSVKGRFTISRDNAKKSLH
LQMNSLKTEDTALYYCAKDIGDILTGFYGEYGMDVWGQGTTVTVSS;
配列番号139
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号140
G F T F D D Y A;
配列番号141
ATT CGT TGG AAT GGT GGT AGT ATA;
配列番号142
I R W N G G S I;
配列番号143
GCA AAA GAT ATA GGC GAT ATT TTG ACT GGT TTT TAT GGA GAA TAC GGA ATG GAC GTC;
配列番号144
A K D I G D I L T G F Y G E Y G M D V;
配列番号145
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGAAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAAGCAGGGAAAGCCCCTAACCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGAGTACACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACATTATCCCGTACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAA
A;
配列番号146
DIQMTQSPSSLSASEGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKAGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTEYTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYIIPYTFGQGTKLEIK;
配列番号147
CAG AGC ATT AGC AGC TAT;
配列番号148
Q S I S S Y;
配列番号149
GCT GCA TCC;
配列番号150
A A S;
配列番号151
CAA CAG AGT TAC ATT ATC CCG TAC ACT;
配列番号152
Q Q S Y I I P Y T;
配列番号153
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAAGTGTTAGGTGGA
ATGGTGGTATTATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGACCTGAGGACACGGCCCTCTATTACTGTGCAAAAGATATAGGCGATGTTTTGACTGGTTA
TTATGGAGAATACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号154
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSSVRWNGGIIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRPEDTALYYCAKDIGDVLTGYYGEYGMDVWGQGTTVTVSS;
配列番号155
GGA TTC ACC TTT GAT GAT TAT GCC;
配列番号156
G F T F D D Y A;
配列番号157
GTT AGG TGG AAT GGT GGT ATT ATA;
配列番号158
V R W N G G I I;
配列番号159
GCA AAA GAT ATA GGC GAT GTT TTG ACT GGT TAT TAT GGA GAA TAC GGT ATG GAC GTC;
配列番号160
A K D I G D V L T G Y Y G E Y G M D V;
配列番号161
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACCATCGCTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTACCACCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAACTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGTAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACATTTCCCCGTACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAA;
配列番号162
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTIACRASQSITTYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYISPYTFGQGTKLEIK;
配列番号163
CAG AGC ATT ACC ACC TAT;
配列番号164
Q S I T T Y;
配列番号165
GCT GCA TCC;
配列番号166
A A S;
配列番号167
CAA CAG AGT TAC ATT TCC CCG TAC ACT;
配列番号168
Q Q S Y I S P Y T;
配列番号169
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAAGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTCAGTAATTATGGCATACACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCGATTATATTATATG
ATGGAAGTAATCAACACTATGCAGATTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATTTCCAGAGACAATTCCAAAAACACGCTGTAT
CTTCAAATGAACAACCTGAGAGCTGAGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAGAGATCTTGATCTTTGGAGTGGTTATTA
TACAAACGGGGACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA;
配列番号170
QVQLVESGGGVVQPGKSLRLSCAASGFTFSNYGIHWVRQAPGKGLEWVAIILYDGSNQHYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNNLRAEDTAVYYCARDLDLWSGYYTNGDGMDVWGQGTTVTVSS;
配列番号171
GGA TTC ACC TTC AGT AAT TAT GGC;
配列番号172
G F T F S N Y G;
配列番号173
ATA TTA TAT GAT GGA AGT AAT CAA;
配列番号174
I L Y D G S N Q;
配列番号175
GCG AGA GAT CTT GAT CTT TGG AGT GGT TAT TAT ACA AAC GGG GAC GGT ATG GAC GTC;
配列番号176
A R D L D L W S G Y Y T N G D G M D V;

本発明の抗原結合タンパク質の定常ドメインを含む、重鎖および軽鎖免疫グロブリンのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を以下に記載する。
H4H14699P2
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTGCAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCGGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATACACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATCAGTTGGA
ATAGTGATATCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCGTCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAATAGTCTGAGAACTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGGATATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCA
GGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAAC
TCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGT
GACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACA
AGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTG
TTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGA
AGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGT
TCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAG
GTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTA
CACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCG
ACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGC
TCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCA
TGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号179)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAIHWVRQAPGKGLEWVSVISWNSDIIGYADSVKGRFTVSRDNAKNSLY
LQMNSLRTEDTALYYCAKGYNWNFFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号180)

軽鎖DNA
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTATCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTGTTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATAATGCAGCAAACA
GGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号181)

軽鎖ポリペプチド
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNAANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号182)

H4H14700P2
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAACTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATTAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGCCTATTCGGACTCTGTGAAGGGCCGCTTCACCATTTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGGGAACTGAGGACACGGCCTTATATTACTGTGCAAAAGGCCATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCA
GGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAAC
TCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGT
GACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACA
AGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTG
TTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGA
AGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGT
TCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAG
GTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTA
CACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCG
ACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGC
TCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCA
TGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号183)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQTPGKGLEWVSVISWNSDVIAYSDSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLGTEDTALYYCAKGHNWNFFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号184)

軽鎖DNA
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGAGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTGTTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATAATGTAGCCAACA
GGGCCACAGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCGGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTTCTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号185)

軽鎖ポリペプチド
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNVANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISGLEP
EDFAVYFCQQRSNWPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号186)

H4H14706P2
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATACACTGGGTCCGGCAATCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGTTATCAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAGATGAATAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGGATATAACTGGAACTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCA
GGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAAC
TCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGT
GACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACA
AGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTG
TTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGA
AGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGT
TCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAG
GTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTA
CACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCG
ACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGC
TCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCA
TGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号187)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCTASGFTFDDYAIHWVRQSPGKGLEWVSVISWNSDVIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRAEDTALYYCAKGYNWNFFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号188)

軽鎖DNA
【化1】
(配列番号189)
軽鎖ポリペプチド
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYNAANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号190)

H4H14708P2
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGACTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAATGGGTCTCAGTTATTAGTTGGA
ATAGTGATGTCATAGCCTATTCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGAACTGAGGACACGGCCTTATATTACTGTACAAAAGGCCATAAGTGGAGCTTCTTTGACTA
TTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCA
GGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAAC
TCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGT
GACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACA
AGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTG
TTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGA
AGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGT
TCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAG
GTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTA
CACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCG
ACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGC
TCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCA
TGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号191)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGDLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSVISWNSDVIAYSDSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRTEDTALYYCTKGHKWSFFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号192)

軽鎖DNA
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCA
GAGTATTAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGACTCCTCATCTTTAATGTAGCCAACA
GGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCT
GAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号193)

軽鎖ポリペプチド
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISSYLAWYQQKPGQAPRLLIFNVANRATDIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEP
EDFAVYYCQQRSNWPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号194)

H4H14709P
重鎖DNA
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTTCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGCGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTAGCGACTATGCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCGGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTGGAA
ATGGTGGTGACACATACTACGGAGACTTCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTAT
CTGCAAATGAACAGCCTGAGAGGCGAGGACACGGCCGCATATTTCTGTGTGATAGATCTTGACTATTGGGGTCAGGGAAC
CCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGA
GCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACC
AGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAG
CAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCA
AATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCC
AAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCA
GTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACC
GTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGC
CTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATC
CCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGT
GGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTAC
AGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAA
CCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号195)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDYAMSWVRQAPGKGLEWVSGISGNGGDTYYGDFVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRGEDTAAYFCVIDLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALT
SGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKP
KDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKG
LPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLY
SRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号196)
軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCCACCCTGTCTGCATCTGAAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCCAGTCA
GAGTATTAGTAGCTGGTTGGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGAAAAGCCCCTAGGCTCCTGATCTATAAGGCGTCTATTT
TAGGAGATGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGAATTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCT
GATGATTTTGCTACTTATTACTGCCACCAGTATAATAGTTATTTGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号197)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSTLSASEGDRVTITCRASQSISSWLAWYQQKPGKAPRLLIYKASILGDGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQP
DDFATYYCHQYNSYLWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号198)

H4H14728P
重鎖DNA
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCACAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGG
CTCCATCAGCAGTGCTGATTACTATTGGAGCTGGATCCGCCAGCACCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGATTGGATCCATCT
ATTATACTGGGAGTACTTACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGACTTACCATATCAATAGACACGTCTGAGAACCAGTTC
TCTTTGAAACTGACCTCTCTGACTGCCGCGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGCGAGGAGGCTAACTGGGGATCCCA
CTTTGACTCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGC
CCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTG
TCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAG
CAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCA
AGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCA
GTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGT
GAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGG
AGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTAC
AAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCC
ACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCT
ACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGAC
TCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTC
CGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号199)

重鎖ポリペプチド
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGGSISSADYYWSWIRQHPGKGLEWIGSIYYTGSTYYNPSLKSRLTISIDTSENQF
SLKLTSLTAADTAVYYCASEEANWGSHFDSWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPS
VFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号200)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTGACAACTTTTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCATCTTACTACTGTCAACATAGTCACAGTGCCCATCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTG
TGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCC
CAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTA
CGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAG
AGTGT
(配列番号201)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIDNFLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFASYYCQHSHSAHPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号202)

H4H14731P
重鎖DNA
CAGCTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGG
CTCCATCAGCAGTAGTAATTACTACTGGGGCTGGATCCGCCAGCCCCCAGGGAAGAGACTGGAGTGGATTGGGAGTATCT
ATTATAGTGGGAGCACCTACTACAACCCGTCCCTCAAGACTCGAGTCACCATATCCGTAGACACGTCCAAGAATCAGTTC
TCCCTGAAGCTGACCTCTGTGACCGCCGCAGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGAGGAAGCAGCAGCTTTGACGCA
CTTTGACTTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGC
CCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTG
TCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAG
CAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCA
AGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCA
GTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGT
GAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGG
AGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTAC
AAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCC
ACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCT
ACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGAC
TCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTC
CGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号203)

重鎖ポリペプチド
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSISSSNYYWGWIRQPPGKRLEWIGSIYYSGSTYYNPSLKTRVTISVDTSKNQF
SLKLTSVTAADTAVYYCAREEAAALTHFDFWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPS
VFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号204)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTTTGCTGCATCCAGTT
TACAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACATAGTCACAGTTCCCATCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTG
TGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCC
CAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTA
CGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAG
AGTGT
(配列番号205)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISNYLNWYQQKPGKAPKLLIFAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQHSHSSHPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号206)

H4H14732P2
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAATTGGG
CTGGTTATAACATAGACTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATATGCGTGGATTCAGTTATGGTTT
CCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGG
CGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACG
GTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCT
CAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACA
CCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCA
TCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGA
CGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGC
GGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAG
TACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGA
GCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCT
TCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTG
GACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATG
CTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号207)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGINWAGYNIDYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRAEDTALYYCAKDMRGFSYGFPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVT
VSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGP
SVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKE
YKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVL
DSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号208)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GTTAG
(配列番号209)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号210)

H4H14734P2
重鎖DNA
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTAAAGCCGGGGGGGTCCCTTAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
TATTTTCAGTAACGCCTGGATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGACTGGCGTGGGTTGGCCGTATTAAAACCG
AAACTGATGGTGGGACAACAGACTACGCTGCACCCGTAAAAGGCAGATTCACCATCTCAAGAGATGACTCAAAAAACACG
CTGTATCTGCAAATGAACAGCGTGAAAACCGAGGACACAGCCGTGTATTACTGTACAGGGGGATACAGCTATGGTGACGA
TAGCAGCAGCTGGAACGAGGGCTACTACTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAG
CCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGC
CTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCC
GGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCT
ACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCA
CCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTC
CCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATG
GCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACC
GTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAA
AACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGA
ACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCG
GAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAA
GAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCC
TCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
(配列番号211)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFIFSNAWMNWVRQAPGKGLAWVGRIKTETDGGTTDYAAPVKGRFTISRDDSKNT
LYLQMNSVKTEDTAVYYCTGGYSYGDDSSSWNEGYYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGC
LVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCP
PCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLT
VLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQP
ENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号212)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GTTAG
(配列番号213)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号214)

H4H14757P
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTCGTTGGA
ATGGTGGTAGTATAGGCTATGTGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAAGTCCCTGCAT
CTGCAAATGAACAGTCTAAAAACTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATATAGGCGATATTTTGACTGGTTT
TTATGGAGAATACGGAATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGG
TCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCC
GAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGG
ACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACA
AGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTC
CTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTG
CGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCA
AGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTG
AACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGG
GCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCC
TGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACG
CCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAA
TGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAT
GA
(配列番号215)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCTASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGIRWNGGSIGYVDSVKGRFTISRDNAKKSLH
LQMNSLKTEDTALYYCAKDIGDILTGFYGEYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFP
EPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEF
LGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTT
PPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号216)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGAAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAAGCAGGGAAAGCCCCTAACCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGAGTACACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACATTATCCCGTACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号217)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASEGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKAGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTEYTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYIIPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号218)

H4H14758P
重鎖DNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAAGTGTTAGGTGGA
ATGGTGGTATTATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTAT
CTGCAAATGAACAGTCTGAGACCTGAGGACACGGCCCTCTATTACTGTGCAAAAGATATAGGCGATGTTTTGACTGGTTA
TTATGGAGAATACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGG
TCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCC
GAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGG
ACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACA
AGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTC
CTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTG
CGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCA
AGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTG
AACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGG
GCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCC
TGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACG
CCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAA
TGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAT
GA
(配列番号219)

重鎖ポリペプチド
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSSVRWNGGIIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRPEDTALYYCAKDIGDVLTGYYGEYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFP
EPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEF
LGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTT
PPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号220)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACCATCGCTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTACCACCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAACTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGTAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACATTTCCCCGTACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAA
ACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GT
(配列番号221)

軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTIACRASQSITTYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYISPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号222)

H4H14760P2
重鎖DNA
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAAGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATT
CACCTTCAGTAATTATGGCATACACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCGATTATATTATATG
ATGGAAGTAATCAACACTATGCAGATTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATTTCCAGAGACAATTCCAAAAACACGCTGTAT
CTTCAAATGAACAACCTGAGAGCTGAGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAGAGATCTTGATCTTTGGAGTGGTTATTA
TACAAACGGGGACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGG
TCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCC
GAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGG
ACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACA
AGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTC
CTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTG
CGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCA
AGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTG
AACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGG
GCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCC
TGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACG
CCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAA
TGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAT
GA
(配列番号223)

重鎖ポリペプチド
QVQLVESGGGVVQPGKSLRLSCAASGFTFSNYGIHWVRQAPGKGLEWVAIILYDGSNQHYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNNLRAEDTAVYYCARDLDLWSGYYTNGDGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFP
EPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEF
LGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTT
PPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号224)

軽鎖DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCA
GAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTT
TGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCT
GAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGAT
TAAAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGT
GCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAG
GAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGA
GAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGT
GTTAG
(配列番号225)
軽鎖ポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQP
EDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号226)
【0137】
実施例2:HEK293/D9(NFκB-ルシフェラーゼ)/hIL-36RおよびHEK293/NFκB-ルシフェラーゼ/mfIL-36R細胞を用いたバイオアッセイ
【0138】
IL-36受容体(IL-36R)は、サイトカインのIL-1ファミリーのメンバーのサブセットであるIL-36ある、IL-36α、IL-36β、およびIL-36γの1回貫通型膜受容体であり、これらのリガンドに結合する際、その共受容体であるIL-1R補助タンパク質(IL-1RAcP)が動員され、NFκBおよびマイトジェン活性化キナーゼ経路に関与するシグナル伝達カスケードを誘導する(Simsら、2010年)。完全長ヒトIL-36R(hIL-36R、アクセッション番号NP_003845.2のアミノ酸1~575)またはカニクイザルIL-36R(MfIL-36R)のいずれかを、HEK293細胞株でルシフェラーゼレポーター[NFκB応答エレメント(5×)-ルシフェラーゼ-IRES-GFP]と共に安定的に発現するレポーター細胞株を使用して、IL-36R活性化を介してNFκBによる転写活性化を検出するバイオアッセイを開発した。IL-1RAcPは、HEK293細胞株で内在性に発現する。得られた安定な細胞株を、HEK293/NFκB-luc/hIL-36RおよびHEK293/NFκB-luc/MfIL-36Rと呼び、単離し、10%FBS、NEAA、ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン、および500μg/mL G418を含有するDMEM中で維持した。
【0139】
バイオアッセイについては、細胞を、0.1%FBSを添加したOPTIMEM中10,000細胞/ウェルで96ウェルアッセイプレートに播種し、次に、37℃、5%CO中で一晩インキュベーションした。翌日、リガンドの用量応答を決定するために、ヒトIL-36α(hIL-36α;R&D Systems、#6995/IL)、ヒトIL-36β(hIL-36β;R&D Systems、#6334-IL)、またはヒトIL-36γ(hIL-36γ;R&D Systems、#6835-IL)を、1:3で連続希釈(10nMから0.0002nMまで)し、細胞に添加した。希釈緩衝液を含有するが、IL-36リガンドを含有しない対照も、細胞の一つの試料に添加した。阻害を測定するために、抗体を、1:3で連続希釈(100nM~0.002nM)し、抗体を含有しない対照試料を加え、細胞と共にプレインキュベーションし、続いて、一定濃度のhIL-36α、hIL-36β、またはhIL-36γを添加した。HEK293/NFκB-luc/hIL-36R細胞を用いた試験については、20pM hIL-36α、15pM hIL-36β、または10pM hIL-36γを、一定濃度として使用し、HEK293/NFκB-luc/mfIL-36R細胞を用いた試験については、500pM hIL-36α、600pM hIL-36β、または300pM IL-36γを一定濃度として使用した。37℃、5%COでの5.5時間のインキュベーション後、OneGlo試薬(Promega、#E6051)を試料に加え、次に、Victor X(Perkin Elmer)プレートリーダーを使用してルシフェラーゼ活性を測定した。
【0140】
結果を、Prism 6ソフトウェア(GraphPad)を用いて非線形回帰(4パラメータロジスティック)を使用して解析し、EC50およびIC50値を得た。最大阻害を決定するため、各抗体について最大RLU値と最小RLU値の間の範囲を、アッセイ毎に使用したIL-36リガンドなしと定量のIL-36リガンドとの間のRLU範囲の割合として計算した。
【0141】
表2-1に示すように、試験した本発明の12個の抗IL-36R抗体のうち9個は、20pM hIL-36αによるHEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞の刺激を、100pM~970pMの範囲のIC50値で完全に遮断した。試験したIL-36R抗体の一つは、HEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞のhIL-36α刺激の部分的な遮断を示し、最大遮断率は22%であった。試験したIL-36R抗体のうちの一つは、HEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞のhIL-36α刺激の弱い遮断を示し、最大阻害率は61%であったが、一方、試験した残りの抗IL-36R抗体は、hIL-36α刺激の阻害を示さなかった。試験した本発明の12個中6個の抗IL-36R抗体が、120pM~1.3nMの範囲のIC50値で、15pM hIL-36βによるHEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞の刺激を完全に遮断した。試験したIL-36R抗体のうちの一つが、HEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞のhIL-36β刺激の弱い遮断を示し、最大遮断率は69%であり、試験した5個の抗IL-36R抗体は、hIL-36β刺激の測定可能な阻害を示さなかった。本発明の12個中6個の抗IL-36R抗体が、10pM hIL-36γによるHEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞の刺激を、120pM~1.2nMの範囲のIC50値で完全に遮断した。試験した本発明の4個の抗IL-36R抗体は、hIL-36γ刺激の部分的な遮断を示し、最大遮断率は24~87%の範囲であった。試験した本発明の1個の抗IL-36R抗体は、hIL-36γ刺激の弱い遮断を示し、最大遮断率は69%であり、本発明の1個の抗IL36R抗体は、hIL-36γ刺激の阻害を示さなかった。試験したアイソタイプ対照抗体は、HEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞のIL-36リガンド刺激の阻害を示さなかった。表2-1に示すように、hIL-36α、hIL-36β、およびhIL-36γは、HEK293/NFkB-luc/hIL-36R細胞を、それぞれ、12pM、14pM、および8.4pMのEC50値で活性化した。
【0142】
表2-2に示すように、試験した本発明の12個の抗IL-36R抗体のうち6個が、500pMのhIL-36αによるHEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞の刺激を、60pM~3.1nMの範囲のIC50値で完全にまたはほぼ完全に遮断した。試験した本発明の2個の抗IL-36R抗体は、HEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞のhIL-36α刺激の弱い遮断を示し、最大遮断率は29および47%であり、一方4個の抗IL-36R抗体は、この細胞株のhIL-36α刺激の阻害を示さなかった。本発明の12個中6個の抗IL-36R抗体が、600pM hIL-36βによるHEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞の刺激を、120pM~7.1nMの範囲のIC50値で完全にまたはほぼ完全に遮断した。試験した本発明の3個の抗IL-36R抗体は、HEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞のhIL-36β刺激の弱い遮断を示し、最大阻害率は36~48%の範囲であり、一方、本発明の3個の抗IL-36R抗体は、この細胞株のhIL-36β刺激の阻害を示さなかった。試験した本発明の抗IL-36R抗体のうち6個が、300pM hIL-36γによるHEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞の刺激を、85pM~5.4nMの範囲であるIC50値で、完全にまたはほぼ完全に遮断した。試験した本発明の3個の抗IL-36R抗体が、HEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞のhIL-36γ刺激の弱い遮断を示し、最大遮断率は25~43%であり、一方、本発明の3個の抗IL-36R抗体は、この細胞株のhIL-36γ刺激の阻害を示さなかった。試験したアイソタイプ対照抗体は、HEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞のIL-36リガンド刺激の阻害を示さなかった。表2-1に示すように、hIL-36α、hIL-36β、およびhIL-36γは、HEK293/NFkB-luc/MfIL-36R細胞を、それぞれ、170pM、270pM、および62pMのEC50値で活性化した。
【表2-1】
【表2-2】
【0143】
実施例3:IL-36ROctet交差競合
【0144】
異なる抗IL-36R抗体のパネル間の結合競合を、Octet(登録商標)HTXバイオセンサー(ForteBio、A Division of Pall Life Sciences)上でのリアルタイム、ラベルフリービオレイヤーインターフェロメトリーアッセイを使用して決定した。実験全体を、25℃、0.01M HEPES pH 7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.05%v/v界面活性剤Tween-20、0.002% NaNおよび1mg/mL BSA(HBS-ET動態バッファー)中で、プレートを速度1000rpmで振盪しながら行った。2個の抗体が、C末端のmyc-myc-ヘキサヒスチジンタグと共に発現した組み換えヒトIL-36R細胞外ドメイン上のそれらのそれぞれのエピトープ(hIL-36R-MMH:mROR1シグナル伝達配列(M1-A29)-ヒトIL36R(D20-Y337)-mycmycHis)への結合について互いに競合することができるかどうかを評価するために、30μg/mL hIL-36R-MMHを含有するウェルに浸漬することにより、約0.3nM hIL-36R-MMHを、抗His抗体でコーティングしたOctetバイオセンサー(Fortebio Inc.#18~5079)上にまず捕獲した。次に、抗原を捕獲したバイオセンサーを、50μg/mL mAb-1溶液を含有するウェルに4分間浸漬することにより、第一の抗IL-36R抗体(以後、mAb-1と呼ぶ)で飽和させた。次に、バイオセンサーチップを、続いて、50μg/mL第二の抗IL-36R抗体(以後、mAb-2と呼ぶ)を含有するウェル内に3分間浸漬させた。バイオセンサーを、実験の全工程間でHBS-ET動態バッファーで洗浄した。リアルタイム結合応答を、実験の過程全体の間にモニタリングし、全ての工程についての最大結合応答を記録した。mAb-1と予め複合体化したhIL-36R-MMHへのmAb-2結合の応答を比較し、表3-1に示す通り、異なる抗IL-36R抗体の競合/非競合挙動を決定した。
【表3-1】
【0145】
実施例4:抗体結合動態
【0146】
精製した抗IL-36R抗体へのIL-36R結合についての平衡解離定数(K値)を、Biacore4000装置を使用したリアルタイム表面プラズモン共鳴バイオセンサーを使用して決定した。Biacoreセンサー表面を、まず、モノクローナルマウス抗ヒトFc抗体(GE、#BR-1008-39)とアミン結合させることにより誘導体化して、抗IL-36Rモノクローナル抗体を捕獲した。全ての結合試験を、0.01M Hepes、pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、および0.05%v/v界面活性剤Tween-20(HBS-ETランニングバッファー)中、25℃および37℃で行った。HBS-ETランニングバッファー(100nM~3.7nMの範囲内、3倍希釈)中の異なる濃度のIL-36R試薬、C末端のmyc-myc-ヘキサヒスチジンタグと共に発現したヒトIL-36R細胞外ドメイン(hIL-36R-MMH)、C末端のmyc-myc-ヘキサヒスチジンタグと共に発現したカニクイザルIL-36R細胞外ドメイン(mfIL-36R-MMH:mROR1シグナル配列(M1-A29)カニクイザルIL36R_ectoドメイン(D20-A336).mycmycHis6)、C末端のマウスIgG2a Fc tagと共に発現したヒトIL-36R細胞外ドメイン(hIL-36R-mFc:mROR1シグナル配列(M1-A29)-ヒトIL36R(D20-Y337)-マウスIgG2aFc(E98-K330))またはマウスIgG2a Fcタグと共に発現したヒトIL-36R細胞外ドメインとIL1RAcP細胞外ドメインの直線上融合タンパク質(hIL-36R-Trap-mFc:mROR1シグナル配列(M1-A29)-ヒトIL36Rエクトドメイン(D20-Y337)-ヒトIL1RacPエクトドメイン(S21-E359)-マウスIgG2aFc)を、抗IL-36R抗体捕獲表面上に4分間、流速30μL/分で注ぎ、HBS-ETランニングバッファー中のそれらの解離を10分間モニタリングした。Scrubber2.0cカーブフィッティングソフトウェアを使用してリアルタイムセンサーグラムを1:1の結合モデルにフィッティングさせることにより、動態結合速度定数(k)および解離速度定数(k)を決定した。結合解離平衡定数(K)および解離半減期(t1/2)を、
【数1】
および
【数2】
として、動態速度定数から計算した。
【0147】
25℃および37℃での本発明の異なる抗IL-36R抗体へのhIL-36R-MMH、mfIL-36R-MMHまたはhIL-36R.mFcについての結合動態パラメータを、表4-1~表4-8に示す。25℃で、hIL-36R-MMHは、表4-1に示す通り、本発明の抗IL-36R抗体の全てに、2.18nM~13.9nMの範囲のK値で結合した。37℃で、hIL-36R-MMHは、表4-2に示す通り、本発明の抗IL-36R抗体の全てに、4.25nM~29.5nMの範囲のK値で結合した。25℃で、mfIL-36R-MMHは、表4-3に示す通り、本発明の12個の抗IL-36R抗体のうち9個に、7.87nM~34.4nMの範囲のK値で結合した。37℃で、mfIL-36R-MMHは、表4-4に示す通り、本発明の12個の抗IL-36R抗体のうち9個に、14.4nM~58.2nMの範囲のK値で結合した。25℃で、hIL-36R-mFcは、表4-5に示す通り、本発明の12個の抗IL-36R抗体のうち11個に、173pM~5.79nMの範囲のK値で結合した。本発明の1個の抗IL-36R抗体は、25℃の実験条件下で、hIL-36R-mFcへの決定的な結合を示した。37℃で、hIL-36R-mFcは、表4-6に示す通り、本発明の抗IL-36R抗体の全てに、205pM~28.7nMの範囲のK値で結合した。25℃で、hIL-36R-Trap-mFcは、表4-7に示す通り、本発明の抗IL-36R抗体の全てに、212pM~14nMの範囲のK値で結合した。37℃で、hIL-36R-Trap-mFcは、表4-8に示す通り、本発明の抗IL-36R抗体の全てに、264pM~40.9nMの範囲のK値で結合した。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【0148】
Biacore T200機器を使用したリアルタイム表面プラズモン共鳴バイオセンサーを使用して決定した、追加の結合実験を行い、精製抗IL-36R抗体に結合したIL-36Rの解離速度に対するpHの効果を決定した。Biacoreセンサー表面を、抗IL-36R抗体を捕獲するために、まずモノクローナルマウス抗ヒトFc抗体(GE、#BR-1008-39)とアミンカップリングすることにより誘導体化した。これらのBiacore結合試験を、二つのランニングバッファーPBS-T、pH7.4(8.1mM NaHPO、1.9mM NaHPO、3mM KCl、137mM NaCl、0.05%v/v Tween-20、pH7.4に調整)、およびPBS-T、pH6.0(6.6mM NaHPO、3.4mM NaHPO、3mM KCl、137mM NaCl、0.05%v/v Tween-20、pH6.0に調整)を使用して行った。PBS-T、pH7.4バッファー(100nM~11.11nMの範囲、3倍希釈)で調製した異なる濃度のhIL-36R-MMHおよびmfIL-36R-MMHを、抗IL-36R抗体捕獲表面に4分間、流速50μL/分で注ぎ、二つのランニングバッファー、PBS-T、pH7.4およびPBS-T、pH6.0におけるそれらの解離を、10分間モニタリングした。これらの結合動態実験の全てを、25℃および37℃で行った。Scrubber2.0cカーブフィッティングソフトウェアを使用してリアルタイムセンサーグラムを1:1の結合モデルにフィッティングさせることにより、動態解離定数(k)を決定した。結合解離半減期(t1/2)を、
【数3】
としてkから計算した。
【0149】
二つの実行中の緩衝剤PBS-T、pH7.4およびPBS-T、pH6.0における、25℃および37℃における異なる抗IL-36R抗体へのhIL-36R-MMHまたはmfIL-36R-MMH結合の結合解離速度定数を、表4-9~4-12に示す。
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】
【表4-12】
【0150】
実施例5:IMQ誘導性皮膚炎症および慢性大腸炎マウスモデルにおける抗IL36RのIn vivo評価
【0151】
本発明の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体を、ヒト化IL-36R/hIL-36α、β、γマウスにおける、急性および慢性イミキモド(IMQ)誘導性皮膚炎症、ならびに慢性デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎においてIn vivoで試験した。炎症促進パネル1(マウス)マルチプレックスイムノアッセイキットを使用して、皮膚および結腸ホモジネートにおいて、サイトカイン検出を行った。糞便ホモジネートにおけるリポカリン2(Lcn2)の検出を、マウスデュオセットリポカリン-2/NGAL ELISAキットを使用して行った。結腸ホモジネートにおけるミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の測定を、マウスのMPO ELISAキットを使用して行った。
【0152】
抗IL36R抗体、H4H14706P2およびH4H14708P2を、ヒトアイソタイプ一致対照IgG4抗体と共に使用した。
【0153】
皮膚および腸の炎症におけるIL-36Rの役割を調べ、in vivoでのhIL-36R拮抗の有効性を試験するために、本発明の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体を、イミキモド(IMQ)誘導性皮膚炎症およびDSS誘導性慢性大腸炎のマウスモデルにおいて試験した。両方のモデルにおいて、ヒトIL-36RならびにヒトIL-36α、βおよびγ、ならびに内在性マウスIL-36Raを発現するVelocigene生成ホモ接合性マウスを利用した(得られたマウスを、DITRA(インターロイキン36受容体アンタゴニストの欠損)患者(Marrakchiら、Interleukin-36-receptor antagonist deficiency and generalized pustular psoriasis、N Engl J Med 365:620~628(2011年))において観察された変異に類似するヒトIL-36Rに対するマウスIL-36Raの親和性の減少から、DITRA様マウスと呼ぶ)。
【0154】
遺伝子型Il1rl2hu/hu Il1f6hu/hu Il1f8hu/hu Il1f9hu/huを有するマウスヒト化系統を生成した。このマウス系統では、ヒトIL1F6、IL1F8、およびIL1F9を、内在性マウスIL1F6、IL1F8、およびIL1F9(それぞれ、IL36α、βおよびγも呼ばれる)と置換し、キメラIL1RL2を、内在性マウスIL1RL2と置換した。キメラIL1RL2は、ヒトIL1RL2細胞外ドメインおよびマウス細胞内ドメインを有していた。これは、細胞外ドメインヒトを提供しながら、細胞内シグナル伝達特異性を維持したキメラ受容体をもたらし、これにより、ヒトリガンドIL1F6、IL1F8、およびIL1F9に結合することができる。
【0155】
DITRA様マウスにおける急性および慢性IMQ誘導性皮膚炎症誘導および抗体処置 皮膚炎症を誘導するために、8~10週齢のヒト化DITRA様のメスのマウスを、IMQクリーム適用の3日前に、マウスヘアトリマー(Oster、MiniMax、カタログ番号78049-100)を使用して背中の毛を剃り、0.5gのVeet毛髪除去ゲルで皮膚を脱毛した。1日局所用量の市販のIMQクリーム(5%)(Aldara、GM Health Care Limited、NDC 99207-206-12)またはワセリン(CVS Pharmacy)62.5mgを、マウスの毛を剃った背部の皮膚に、急性疾患誘導のため4日間連続で、慢性疾患誘導のため9日間適用した。1日局所用量のアルダラ62.5mgを、1日用量の活性化合物3.125mgに換算した。急性IMQ誘導性皮膚炎症において、抗ヒトIL-36R抗体であるH4H14706P2およびH4H14708P2を、IMQ適用開始の3日前(-3d)および1日後(d1)に10mg/kgおよび1mg/kgで背部の皮膚に皮下投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kg hIgG4アイソタイプ対照注射を受けた。慢性IMQ誘導性皮膚炎症において、抗ヒトIL-36R抗体であるH4H14706P2およびH4H14708P2を、10mg/kgでd4およびd8で治療的に背中の皮膚に皮下投与した。IMQ適用の開始の2日または3日後、マウスの背部皮膚は、紅斑、鱗屑および肥厚の徴候を呈した。炎症の重症度を、臨床Psoriasis Area and Severity Index(PASI)の適合版を用いて毎日測定した。紅斑、鱗屑および肥厚を、0~4のスケールで独立してスコア付けした:0、なし、1、軽度、2、中等度、3、顕著、および4、非常に顕著(van der Fitsら、Imiquimod-induced psoriasis-like skin inflammation in mice is mediated via the IL-23/IL-17 axis.J Immunol 2009、182:5836~5845)。急性IMQ誘導性皮膚炎症のd4および慢性IMQ誘導性皮膚炎症のd11に、ノギス(Kaefer)を使用して、皮膚の厚さを測定した。
【0156】
病理組織学 マウスの背部からの直径6mmの皮膚組織を、10%緩衝ホルマリンで固定し、4~5μmのパラフィン包埋切片を、ヘマトキシリン・エオシンで染色した。皮膚切片を、錯角化症、正常角化、マンロー微小膿瘍、表皮肥厚、皮膚潰瘍形成、真皮および皮下組織における炎症、真皮および皮下組織における血管うっ血、毛孔性角化症ならびに上皮過形成の有無について盲検的に評価した。0~4のスコアリングスケールを使用した:0、正常範囲内、1、最小、2、軽度、3、中度、4、重度。個々の病理組織学的特徴スコアを足すことにより、総病理スコアを、各マウスについて計算した。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。Danilenko、Review paper:preclinical models of psoriasis、Vet Pathol.2008年7月;45(4):563~75;Lowesら、Pathogenesis and therapy of psoriasis、Nature.2007年2月 22;445(7130):866~73;Mecklenburgら、Proliferative and non-proliferative lesions of the rat and mouse integument、J Toxicol Pathol.2013;26(補足3):27S~57S;Uribe-Herranzら、IL-1R1 signaling facilitates Munro’s microabscess formation in psoriasiform imiquimod-induced skin inflammation、J Invest Dermatol.2013年6月;133(6):1541~9;van der Fitsら、Imiquimod-induced psoriasis-like skin inflammation in mice is mediated via the IL-23/IL-17 axis、J Immunol.2009年5月 1;182(9):5836~45を参照。
【0157】
皮膚ホモジネートにおけるサイトカインの測定 マウスの背部から直径6mmの全層皮膚組織を採取し、T-perバッファー(Thermo Scientific、カタログ番号378510)、1×Halt Protease Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific、カタログ番号87786)および5M EDTA溶液(Thermo Scientific、カタログ番号 78429)を含有する15mLの試験管に入れた。皮膚組織を、ポリトロン(PT10-35 GT-D、カタログ番号9158158)を使用して28000rpmで1分間破壊し、氷上に置いた。生成した皮膚ホモジネートを、4℃で8分間、1500rpmで遠心分離し、上清を96ウェルプレートに回収した。皮膚ホモジネートを、タンパク質アッセイ色素(BioRad、カタログ番号500-0006)を使用してBradfordタンパク質アッセイに供し、総タンパク質含有量を定量した。皮膚ホモジネートにおけるサイトカイン濃度を、Proinflammatory Panel 1(マウス)マルチプレックスイムノアッセイキット(MesoScale Discovery、カタログ番号K15048D)を使用して、製造業者の指示に従い測定した。簡潔に述べると、50μL/ウェルのキャリブレータおよび試料(Diluent41で希釈)を、捕獲抗体で予めコーティングしたプレートに加え、700rpmで2時間震盪しながら室温でインキュベーションした。次に、プレートを、0.05%(w/v)Tween-20を含有する1×PBSで3回洗浄し、続いて、Diluent45で希釈した検出抗体溶液25μLを加えた。震盪しながら室温で2時間インキュベーション後、プレートを3回洗浄し、2×Read Buffer150μLを各ウェルに加えた。電気化学発光を、MSD Spector(登録商標)機器で直ちに読み取った。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。サイトカインレベルを、総タンパク質含有量に対して正規化した。
【0158】
DITRA様マウスにおける慢性大腸炎のDSS誘導モデルおよび抗体処置慢性のDSS仲介性大腸炎を誘導するために、12~20週齢で平均体重23g超のメスのDITRA様マウスに、飲料水中3%DSS(Sigma-Aldrich、カタログ番号87786)を7日間与え、続いて、10日間、蒸留水を与えた。このサイクルを、d28まで2回繰り返した。対照群には、試験継続中、蒸留水を与えた。抗ヒトIL-36R抗体であるH4H14706P2およびH4H14708P2を、10mg/kgおよび5mg/kgの隔週で、d7から腹腔内投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kg hIgG4アイソタイプ対照注射を受けた。マウスを毎日体重測定し、大腸炎の臨床徴候(例えば、便の硬さおよび便潜血)についてモニタリングした。d28に、マウスを安楽死させ、結腸長を測定した。
【0159】
結腸ホモジネートにおけるLcn-2の測定 試験を通して腸炎症を監視するために、個々のDITRA様マウスからの糞便を2mLの深型ウェルプレートに毎週採取し、-80℃で保存した。試験終了時、異なる日に採取した糞便をホモジナイズした。簡潔に述べると、糞便試料を、0.1% Tween-20、1×Halt Protease Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific、カタログ番号87786)および5M EDTA溶液(Thermo Scientific、カタログ番号78429)を含有するPBS1mLで再構成した。二つのタングステン3mmカーバイドビーズをウェル(Qiagen、カタログ番号69997)に加えた後、プレートを、4℃で一晩、最高速度のシェーカーに置いた。均質な糞便懸濁液を、4℃で10分間1200rpmで遠心分離し、上清を96ウェルプレートに回収した。糞便リポカリン‐2(Lcn2)レベルを、マウスDuosetリポカリン-2/NGAL ELISAキット(R&D Systems、カタログ番号DY1857)を使用し、製造元の指示に従い測定した。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。
【0160】
結腸ホモジネートにおけるミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の測定結腸の遠位部の断片を、T-perバッファー(Thermo Scientific、カタログ番号378510)、1×Halt Protease Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific、カタログ番号87786)および5M EDTA溶液(Thermo Scientific、カタログ番号78429)を含有する二つのタングステン3mmカーバイドビーズ(Qiagen、カタログ番号69997)を含有する2mLの微小遠心管に採取した。Qiagen Tissue Lyser IIを27.5s-1の頻度で10分間使用して、結腸組織を破壊した。管を、4℃で8分間1500rpmで遠心分離し、上清を96ウェルプレートに回収した。結腸ホモジネートを、タンパク質アッセイダイ(BioRad、カタログ番号500-0006)を使用してBradfordタンパク質アッセイに供し、総タンパク質含有量を定量した。結腸ホモジネートにおけるミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を、マウスMPO ELISAキット(HHycult Biotech、カタログ番号HK210-02)を使用し、製造元の指示に従い測定した。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。MPOレベルを、総タンパク質含有量量に対して正規化した。
【0161】
結腸ホモジネートにおけるサイトカインの測定 結腸ホモジネートにおけるサイトカイン濃度を、Proinflammatory Panel 1(マウス)マルチプレックスイムノアッセイキット(MesoScale Discovery、カタログ番号K15048D)を使用し、製造元の指示に従い測定した。簡潔に述べると、50μL/ウェルのキャリブレータおよび試料(Diluent41で希釈)を、捕獲抗体で予めコーティングしたプレートに加え、700rpmで2時間震盪しながら室温でインキュベーションした。次に、プレートを0.05%(w/v)Tween-20を含有する1×PBSで3回洗浄し、続いて、Diluent 45において希釈した検出抗体溶液25μLを加えた。震盪しながら室温で2時間インキュベーション後、プレートを3回洗浄し、各ウェルに2×Read Buffer150μLを加えた。電気化学発光を、MSD Spector(登録商標)機器で直ちに読み取った。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。サイトカインレベルを、総タンパク質含有量に対して正規化した。
【0162】
統計解析 群内の統計的有意を、Tukey多重比較事後検定を用いた一元配置Anovaにより決定した(p<0.01;##**p<0.001;###***p<0.001;####****p<0.0001)。
結果の概要と結論
【0163】
抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、予防的用量でDITRA様マウスにおいて急性皮膚炎症を阻害する。皮膚炎症におけるIL-36Rの役割を調べるために、2個の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体であるH4H14706P2およびH4H14708P2、表現型および組織学的特徴に関して、ヒト乾癬病変に極めて類似する乾癬性皮膚炎のIMQ誘導モデルにおいて試験した(van der Fitsら、Imiquimod-induced psoriasis-like skin inflammation in mice is mediated via the IL-23/IL-17 axis、J Immunol 2009年、182:5836-5845;Swindellら、Genome-wide expression profiling of five mouse models identifies similarities and differences with human psoriasis、PLoS One 2011年、6:e18266;Okayasuら、A novel model in the induction of reliable experimental and chronic ulcerative colitis in mice、Gastroenterology 1990年、98:694-702)。DITRA様マウスの毛を剃った背部皮膚に、IMQを4日間連続で毎日適用した。H4H14706P2およびH4H14708P2抗体を、-3dおよびd1で10mg/kgおよび1mg/kgで投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照注射を受けた。d4に、皮膚の厚さを測り、続く病理組織学的評価およびタンパク質単離のために組織を採取した。H4H14706P2抗体とH4H14708P2抗体の両方は、アイソタイプ対照と比較して、用量依存的にIMQ誘導性皮膚の厚さを有意に減少させた(表5-1)。皮膚病変の病理組織評価により、抗ヒトIL-36R抗体処置により、不全角化およびMunroの微小膿瘍を含む総病理スコアの有意な減少が明らかになった(表5-2)。
【表5-1】
【表5-2】
【0164】
さらに、H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体を用いたhIL-36R遮断は、皮膚ホモジネートにおけるKC-GRO、IL-6、IL-1βおよびTNFα産生を66~93%減少させた(表5-3)。
【表5-3】
【0165】
抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、治療用量で慢性皮膚炎症を阻害する。in vivoでのhIL-36R拮抗薬の治療有効性をさらに調べるために、抗ヒトIL-36R抗体を、皮膚炎症の慢性IMQ誘導性モデルにおいて試験した。2週間に渡り、IMQを、DITRA様マウスの毛を剃った背部の皮膚に、適用しない2日挟んで9日間適用した。H4H14706P2およびH4H14708P2抗体を、10mg/kgの用量でd4およびd8で皮下投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照注射を受けた。d11に、皮膚の厚さを測定し、続く病理組織学的評価およびタンパク質単離のため、組織を採取した。表5-4および5-5に示す通り、H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体は、DITRA様マウスにおけるIMQ誘導性皮膚の厚さおよび病理病変スコアの減少において、有意かつ同等の有効性を示した。H4H14706P2およびH4H14708P2のさらなる投与は、DITRA様マウスの皮膚における炎症促進性サイトカインのIMQ誘導性産生の有意な阻害をもたらした(表5-6)。
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
【0166】
全体として、これらのデータは、in vivoでIMQ誘導性皮膚炎症の改善における抗ヒトIL-36R抗体の予防的および治療的有効性を示した。H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体は、DITRA様マウスにおいて、急性IMQ誘導性皮膚病理と慢性IMQ誘導性皮膚病理の両方を有意に減少させる同等の能力を示した。
【0167】
抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、治療用量でDITRA様マウスにおいてDSS誘導性慢性大腸炎を改善する。腸炎症におけるIL-36R拮抗の役割を探索するために、腸損傷の化学モデルを使用した。このモデルは、結腸上皮を損傷したDSSの経口投与を利用し(Okayasuら、A novel model in the induction of reliable experimental and chronic ulcerative colitis in mice、Gastroenterology 1990年、98:694~702)、強力な炎症応答を誘導し(Rakoff-Nahoumら、Recognition of commensal microflora by toll-like receptors is required for intestinal homeostasis.Cell 2004年、118:229~241)、IBD、特に、潰瘍性大腸炎の主な特徴を示している。DITRA様マウスを、2~3% DSSを7日間、続いて水を10日間、2サイクル投与することにより、慢性DSS誘導性大腸炎に供した。H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体を、d7から開始して10mg/kgおよび5mg/kgで2週間に1回投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照腹腔内注射を受けた。疾患の様々な段階で腸の炎症をモニターするために、個々のマウスの糞便を毎週収集して、腸損傷における炎症の非侵襲性バイオマーカーである糞便リポカリン-2(Lcn2)タンパク質を測定した(Thorsvikら、Fecal neutrophil gelatinase-associated lipocalin as a biomarker for inflammatory bowel disease.J Gastroenterol Hepatol 2017年、32:128~135)。表5-7に示す通り、PBS処置群およびhIgG4処置群は、水単独と比較してd12、19(示さない)および28に糞便Lcn2レベルの有意なアップレギュレーションを呈した。対照的に、H4H14706P2およびH4H14708P2の二つの治療投与は、PBS処置群およびアイソタイプ処置群と比較して、d12で用量依存的な様式でLcn2レベルの有意な減少をもたらした。糞便Lcn2レベルの減少の持続を、d19(示していない)およびd28で抗ヒトIL-36抗体処置群において観察し、これは、DITRA様マウスにおける腸の炎症の低減における抗IL-36R抗体の役割を支持している(表5-7)。H4H14706P2抗体は、H4H14708P2と比較して、Lcn2レベルを低減し、したがって腸の炎症を低減するより良好な能力を示した(表5-7)。
【表5-7】
【0168】
H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体を用いたhIL-36R遮断は、結腸DSS処置DITRA様マウスにおいて、MPO活性の減少(表5-8)、および炎症促進性サイトカインの61~95%の減少(表5-9)をもたらした。
【表5-8】
【表5-9】
【0169】
より低減したLcn2レベルの観察と一致し、H4H14706P2抗体は、H4H14708P2と比較して、結腸におけるMPO活性および炎症促進性サイトカインの減少において優れた有効性を示した。
【0170】
実施例6.水素重水素交換によるIL-36RへのH4H14706P2、H4H14708P2、およびH4H14731Pのエピトープマッピング。
【0171】
質量分析(HDX-MS)を用いた水素重水素交換エピトープマッピングを行い、H4H14706P2、H4H14708P2、およびH4H14731P(抗hIL-36Rモノクローナル抗体)と相互作用する、IL-36R(hIL-36R.mmHとして指定し、配列番号227に記載のアミノ酸配列を有する、組み換えヒトIL-36R)のアミノ酸残基を決定した。H/D交換方法の一般的な説明は、例えば、Ehring(1999年)Analytical Biochemistry 267(2):252~259;およびEngenおよびSmith(2001年)Anal.Chem.73:256A~265Aに記載されている。
【0172】
HDX-MS実験を、重水素標識およびクエンチングのための、Leaptec HDX PALシステム、試料消化および添加のための、Waters Acquity M-Class(Auxiliary solvent manager)、解析勾配のための、Waters Acquity M-Class(μBinary solvent manager)、およびペプチド質量測定のための、Thermo Q Exactive HF質量分析器からなる、統合HDX/MSプラットフォームで行った。
【0173】
標識溶液を、pD7.0でDO中のPBSバッファー(10mMリン酸緩衝液、140mM NaCl、および3mM KCl、25℃でpH7.4と同等)として調製した。重水素標識については、IL-36R.mmH(REGN2105、H4H14706P2およびH4H14708P2実験において45.6μM、またはH4H14731P実験において63.3μM)または1:0.7のモル比でH4H14706P2、H4H14708P2、もしくはH4H14731Pと予め混合したIL-36R.mmH(Ag-Ab複合体)11μLを、20℃で、DO標識溶液44μLと様々な時間ポイント(例えば、非重水素化対照=0秒;重水素標識、5分および10分)でデュプリケートでインキュベーションした。重水素化反応を、予め氷冷したクエンチバッファー(0.5M TCEP-HCl、8M尿素、および1%ギ酸)55μLを各試料に加え、20℃で5分間インキュベーションすることによりクエンチした。次に、クエンチした試料を、オンラインペプシン/プロテアーゼXIII消化のために、Waters HDX Managerに注入した。消化されたペプチドを、10%~32%B(移動相A:水中の0.5%のギ酸、移動相B:アセトニトリル中0.1%のギ酸)から13分間の勾配で、C8カラム(1.0mm×50mm、NovaBioassays)により分離した。溶出したペプチドを、LC-MS/MSモードまたはLC-MSモードでQ Exactive HF質量分析により解析した。
【0174】
重水素化されていないIL-36R試料のLC-MS/MSデータを、IL-36Rおよびその無作為化配列を含むデータベースに対して、Byonic検索エンジン(タンパク質指標)を使用して検索した。検索パラメータ(ELNにおける)を、非特異的酵素消化およびヒトグリコシル化を共通の可変修飾として使用するデフォルトとして設定した。次に、同定したペプチドのリストを、HDX Workbenchソフトウェア(バージョン3.3)に取り込み、LC-MSによって検出した各ペプチドの重水素取り込みを、全ての重水素化試料から計算した。所定のペプチドについて、各時間ポイントでのセントロイド質量(強度加重平均質量)を使用して、重水素取り込み(D)および重水素取り込みの割合(%D)を計算した。
【数4】
【0175】
REGN2105(hIL-36R.mmH)由来の計163個のペプチドを、H4H14706P2試料との複合体において、hIL-36R.mmH単独とhIL-36R.mmHの両方から同定し、これは、hIL-36Rの81.5%の配列カバー度を示した。5%を超える差分パーセントD取り込み値を示した任意のペプチドを、有意に保護されたと定義した。REGN2105上のアミノ酸113~122(YKQILHLGKD)(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122)に対応するペプチドは、H4H14706P2により有意に保護された。
【0176】
REGN2105(hIL-36R.mmH)由来の計148個のペプチドを、H4H14708P2試料との複合体において、hIL-36R.mmH単独とhIL-36R.mmHの両方から同定し、これは、hIL-36Rの80.1%の配列カバー度を示した。5%を超える差分パーセントD取り込み値を示した任意のペプチドを、有意に保護されたと定義した。REGN2105上のアミノ酸113~122(YKQILHLGKD)(配列番号229)(配列番号227のアミノ酸113~122)に対応するペプチドは、H4H14708P2により有意に保護された。
【0177】
REGN2105(hIL-36R.mmH)由来の計237個のペプチドを、H4H14731P試料との複合体において、hIL-36R.mmH単独とhIL-36R.mmHの両方から同定し、これは、hIL-36Rの88.2%の配列カバー度を示した。5%を超える差分パーセントD取り込み値を示した任意のペプチドを、有意に保護されたと定義した。REGN2105上のアミノ酸264~277(GVETHVSFREHNLY)(配列番号230)(配列番号227のアミノ酸264~277)に対応するペプチドは、H4H14731Pにより有意に保護された。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0178】
組み換えヒトIL-36R(IL1RL2;インターロイキン1受容体様2;REGN2105)(hIL36R.mmH)のアミノ酸配列:C末端のmyc-myc-ヘキサヒスチジン(mmH)タグ(下線)を有する、単量体ヒトIL-36R(アミノ酸D20-Y337、受託番号Q9HB29):
DGCKDIFMKNEILSASQPFAFNCTFPPITSGEVSVTWYKNSSKIPVSKIIQSRIHQDETWILFLPMEWGDSGVYQCVIKGRDSCHRIHVNLTVFEKHWCDTSIGGLPNLSDEYKQILHLGKDDSLTCHLHFPKSCVLGPIKWYKDCNEIKGERFTVLETRLLVSNVSAEDRGNYACQAILTHSGKQYEVLNGITVSITERAGYGGSVPKIIYPKNHSIEVQLGTTLIVDCNVTDTKDNTNLRCWRVNNTLVDDYYDESKRIREGVETHVSFREHNLYTVNITFLEVKMEDYGLPFMCHAGVSTAYIILQLPAPDFRAYEQKLISEEDLGGEQKLISEEDLHHHHHH (配列番号227)。
【0179】
実施例7:IMQ誘導性およびオキサゾロン誘導性皮膚炎症および慢性大腸炎マウスモデルにおける抗IL36RのIn vivo評価
【0180】
本発明の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体を、in vitroでの初代ヒト細胞アッセイにおいて試験し、ヒト化IL-36R/hIL-36α、β、およびγマウスにおけるin vivoイミキモド(IMQ)誘導性皮膚炎症アッセイにおいて、他の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体と比較した。また、本発明の抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体を、ヒト化IL-36R/hIL-36α、β、およびγマウスにおけるオキサゾロン誘導性大腸炎モデルにおいてin vivoで試験した。
【0181】
IL-8を、ヒトCXCL8/IL-8についてのDuoSet ELISAキット(R&D Systems)を使用して培養上清において検出し、サイトカインを、炎症促進パネル1(マウスおよびヒト)マルチプレックスイムノアッセイキット(MSD)を使用して、皮膚および結腸ホモジネートにおいて検出した。試験したモノクローナル抗体は、H4H14706P2、H4H14708P2、APE6155(IgG4)、およびヒトIgG4アイソタイプ対照(REGN1002)であった。
【0182】
APE6155重鎖(IgG4定常ドメインを含む)は、アミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPRQGLEWMGMFHPTGDVTRLNQKFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARTTSMIIGGFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
(配列番号239)を含む。
【0183】
APE6155軽鎖(カッパ定常ドメインを含む)は、アミノ酸配列:
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSKSLLHRNAITYFYWYLHKPGQPPQLLIYQMSNLASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCAQNLELPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号240)を含む
【0184】
国際公開第2016/168542号を参照のこと。
【0185】
in vitroでの初代ヒト細胞アッセイにおけるin vitroでの抗ヒトIL-36R抗体の試験 正常なヒト表皮ケラチノサイト(NHLF;Lonza、カタログ番号00192627、ロット番号254498)および腸内筋線維芽細胞(InMyoFib;Lonza、カタログ番号CC-2902、ロット番号0000254498)を、それぞれ、BulletKit(商標)(Lonza、カタログ番号CC-00192060、ロット番号0000484385)を添加したKGM-Gold(商標)およびBulletKit(商標)(Lonza、カタログ番号CC-3182、ロット番号00004736694)を添加したSmGm(商標)-2において4~5継代in vitroで培養した。ヒトCD14+単球を、製造元の指示に従いEasySepヒト単球単離キット(StemCell、カタログ番号19359)を使用して、3人の異なるドナーの末梢血から単離した。アッセイの1日前に、初代ヒト細胞を、96ウェル平底プレートの1ウェル当たり10000個で対応する培地に播種し、37℃で一晩インキュベーションした。細胞を、一定濃度(10nM)の存在下で刺激するか、または連続希釈(1500nMから開始)したrhIL-36α/IL-1F6[aa6-158]
(R&D Systems、カタログ番号6995-IL-010/CF、ロット番号DAFZ0313051)、rhIL-36β/IL-1F8 [aa5-157]
(R&D Systems、カタログ番号6834-IL-010/CF、ロット番号DAKU0514062)およびrhIL-36γ/IL-1F9 [aa18-169]
(R&D Systems、カタログ番号6835-IL-010/CF、ロット番号DAPK0215011)単独または組み合わせの存在下で刺激した。2400nM抗ヒトIL-36R抗体から始めた連続希釈液をウェルに加えた。プレートを、37℃で24時間インキュベーションし、上清を収集して、Human CXCL8/IL-8についてのDuoSet ELISA Development System(R&D Systems、カタログ番号DY208-05、ロット番号325963)を使用してIL-8を測定した。EC50およびIC50値を得るために、結果を、GraphPad Prism(商標)ソフトウェアにおける非線形回帰(4パラメータロジスティック)を使用して解析した。
【0186】
IMQ誘導性皮膚炎症における抗ヒトIL-36R抗体の試験および比較 皮膚炎症を誘導するために、8~10週齢のヒト化DITRA様メスマウスを、IMQクリーム適用の3日前に、マウスヘアトリマー(Oster、MiniMax、カタログ番号78049-100)を使用して背中の毛を剃り、0.5gのVeet毛髪除去ゲルで皮膚を脱毛した。1日局所用量の市販のIMQクリーム(5%)(Aldara、GM Health Care Limited、NDC 99207-206-12、ロット番号QJ044A)またはワセリン(CVS Pharmacy、NDC 59779-902-88)62.5mgを、マウスの毛を剃った背部の皮膚に、4日間連続で適用した。1日局所用量のアルダラ62.5mgを、1日用量の活性化合物3.125mgに換算した。抗ヒトIL-36R抗体-H4H14706P2、H4H14708P2およびAPE6155(IgG4)を、-3dおよびd1に10mg/kgで背中の皮膚に皮下投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kg hIgG4アイソタイプ対照(REGN1002)注射を受けた。IMQ適用の開始の2日または3日後、マウスの背部皮膚は、紅斑、鱗屑および肥厚の徴候を呈した。炎症の重症度を、臨床Psoriasis Area and Severity Index(PASI)の適合版を用いて毎日測定した。紅斑、鱗屑および肥厚を、0~4のスケールで独立してスコア付けした:0、なし、1、軽度、2、中等度、3、顕著、および4、非常に顕著(van der FitsらImiquimod-induced psoriasis-like skin inflammation in mice is mediated via the IL-23/IL-17 axis.J Immunol 2009、182:5836~5845)。皮膚の厚さを、d5(Kaefer)でノギスを使用して測定した。
【0187】
病理組織学 マウスの背部からの直径6mmの皮膚組織を、10%緩衝ホルマリンで固定し、4~5μmのパラフィン包埋切片を、ヘマトキシリン・エオシンで染色した。皮膚切片を、錯角化症、正常角化、マンロー微小膿瘍、表皮肥厚、皮膚潰瘍形成、真皮および皮下組織における炎症、真皮および皮下組織における血管うっ血、毛孔性角化症ならびに上皮過形成の有無について盲検的に評価した。0~4のスコアリングスケールを使用した:0、正常範囲内、1、最小、2、軽度、3、中度、4、重度。個々の病理組織学的特徴スコアを足すことにより、総病理スコアを、各マウスについて計算した。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。
【0188】
皮膚ホモジネートにおけるサイトカインの測定 皮膚ホモジネートにおけるサイトカインの測定-マウスの背部から直径6mmの全層皮膚組織を採取し、T-perバッファー(Thermo Scientific、カタログ番号378510、ロット番号RF236217)、1×Halt Protease Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific、カタログ番号87786、ロット番号QG221763)および5M EDTA溶液(Thermo Scientific、カタログ3 78429)を含有する15mLの試験管に入れた。皮膚組織を、ポリトロン(PT10-35 GT-D、カタログ番号9158158)を使用して28000rpmで1分間破壊し、氷上に置いた。生成した皮膚ホモジネートを、4℃で8分間、1500rpmで遠心分離し、上清を96ウェルプレートに回収した。皮膚ホモジネートを、タンパク質アッセイ色素ダイ(BioRad,Cat# 500-0006,ロット# 210008149)を使用してBradfordタンパク質アッセイに供し、総タンパク質含有量を定量した。皮膚ホモジネートにおけるサイトカイン濃度を、Proinflammatory Panel 1(マウス)マルチプレックスイムノアッセイキット(MesoScale Discovery、カタログ番号K15048D)を使用して、製造業者の指示に従い測定した。簡潔に述べると、50μL/ウェルのキャリブレータおよび試料(Diluent41で希釈)を、捕獲抗体で予めコーティングしたプレートに加え、700rpmで2時間震盪しながら室温でインキュベーションした。次に、プレートを0.05%(w/v)Tween-20を含有する1×PBSで3回洗浄し、続いて、Diluent 45で希釈した検出抗体溶液25μLを加えた。震盪しながら室温で2時間インキュベーション後、プレートを3回洗浄し、2×Read Buffer150μLを各ウェルに加えた。電気化学発光を、MSD Spector(登録商標)機器で直ちに読み取った。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。サイトカインレベルを、総タンパク質含有量に対して正規化した。
【0189】
オキサゾロン誘導性腸炎症における抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体の試験-慢性大腸炎のオキサゾロン誘導モデルの導入およびDITRA様マウスにおける抗体処置 オキサゾロン大腸炎を、前述の通り誘導した(Hellerら、Oxazolone colitis,a Th2 colitis model resembling ulcerative colitis,is mediated by IL-13-producing NK-T cells.Immunity 2002年、17:629~638)。簡潔に述べると、DITRA様マウスを予め感作するために、腹部の皮膚の2×2cmの範囲の毛を剃り、100%エタノール中で希釈した3%のオキサゾロン溶液((4-エトキシメチレンジ-2-フェニル-2-オキサゾリン-5-オン;Sigma Aldrich)を100μlを適用した。前感作の5日後および7日後に、マウスに、全身麻酔下で50%エタノールで希釈した1.5%オキサゾロン50μlを直腸投与した。対照マウスを、100%エタノールで予め感作し、50%エタノールを直腸内注射した。抗ヒトIL-36R抗体-H4H14706P2およびH4H14708P2を、10mg/kgでd2、5および7で腹腔内投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kg hIgG4アイソタイプ対照(REGN1002)注射を受けた。マウスを毎日体重測定し、大腸炎の臨床徴候(例えば、便の硬さおよび便潜血)についてモニタリングした。d8にて、マウスを安楽死させ、結腸を採取した。
【0190】
結腸ホモジネートにおけるサイトカインの測定結腸の遠位部の断片を、T-perバッファー(Thermo Scientific)、1×Halt Protease Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific)および5M EDTA溶液(Thermo Scientific)を含有する二つのタングステン3mmカーバイドビーズ(Qiagen)を含有する2mLの微小遠心管に採取した。Qiagen Tissue Lyser IIを使用して、27.5s-1の頻度で10分間、結腸組織を破壊した。管を、4℃で8分間1500rpmで遠心分離し、上清を96ウェルプレートに回収した。全ての組織ホモジネートを、タンパク質アッセイ色素ダイ(BioRad)を使用したBradfordタンパク質アッセイに供し、総タンパク質含有量を定量した。
【0191】
結腸ホモジネートにおけるサイトカイン濃度を、炎症促進パネル1(マウス)マルチプレックスイムノアッセイキット(MesoScale Discovery、カタログ番号K15048D)を使用し、製造元の指示に従い測定した。簡潔に述べると、50μL/ウェルのキャリブレータおよび試料(Diluent41で希釈)を、捕獲抗体で予めコーティングしたプレートに加え、700rpmで2時間震盪しながら室温でインキュベーションした。次に、プレートを、0.05%(w/v)Tween-20を含有する1×PBSで3回洗浄し、続いて、Diluent45で希釈した検出抗体溶液25μLを加えた。震盪しながら室温で2時間インキュベーション後、プレートを3回洗浄し、各ウェルに2×Read Buffer150μLを加えた。電気化学発光をMSD Spector(登録商標)機器で直ちに読み取った。GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してデータ解析を行った。サイトカインレベルを、総タンパク質含有量に対して正規化した。
【0192】
統計解析群内の統計的有意を、Tukey多重比較事後検定を用いた一元配置Anovaにより決定した(p<0.05、**p<0.005、***p<0.0005、****p<0.00001)。
【0193】
結果の要約および結論-抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、in vitroで初代ヒト細胞においてヒトIL-36Rシグナル伝達を強力に阻害する。ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)、ヒト腸内筋線維芽細胞(InMyoFib)および末梢血(PB)由来のCD14単球を、10nM IL-36α、βおよびγを用いてin vitroで刺激した。連続希釈した抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体(H4H14706P2およびH4H14708P2)を培養物に加え、上清をインキュベーションの24時間後に回収し、IL-36刺激に応答したヒトIL-8産生を測定した。抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、ヒト表皮ケラチノサイト、ヒト腸内筋線維芽細胞、および末梢血(PB)由来のCD14単球における全3種のIL-36サイトカインをin vitroでIC501~6nMで強力に阻害する(表7-1)。
【表7-1】
【0194】
抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体H4H14706P2およびH4H14708P2は、DITRA様マウスにおけるIMQ誘導性皮膚炎症の阻害において、APE6155抗体よりも強力である。H4H14706P2およびH4H14708P2およびAPE6155抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体を、乾癬性皮膚炎のIMQ誘導モデルにおいて直接比較して試験した。DITRA様マウスの毛を剃った背部皮膚に、IMQを4日間連続で毎日適用した。H4H14706P2およびH4H14708P2およびAPE6155抗体を、-3dおよびd1で10mg/kgで投与した。対照群は、PBSおよび10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照注射を受けた。d5に、皮膚の厚さを測り、続く病理組織学的評価およびタンパク質単離のために組織を採取した。H4H14706P2抗体とH4H14708P2抗体の両方が、APE6155と比較して、IMQ誘導性皮膚の厚さの有意な減少において、より大きな効力を示した(表7-2)。皮膚病変の病理組織評価により、抗ヒトIL-36R抗体処置による不全角化およびムラノの微小膿瘍を含む総病理スコアのより大きな減少が明らかになった(表7-3)。
【表7-2】
【表7-3】
【0195】
さらに、H4H14706P2抗体およびH4H14708P2抗体を用いたヒトIL-36R遮断は、COMP5382と比較して、皮膚ホモジネートにおけるKC-GRO、IL-6、IL-1βおよびTNFα産生のより大きな減少をもたらした(表7-4)。
【表7-4】
【0196】
抗ヒトIL-36Rモノクローナル抗体は、DITRA様マウスにおいてオキサゾロン誘導性大腸炎を改善する。腸におけるIL-36の生物学的機能をさらに探索するために、本発明者らは、ヒト潰瘍性大腸炎と組織学的に類似しているIBDの別の前臨床モデルである、オキサゾロン誘導性大腸炎におけるIL-36R遮断の有効性を試験した(Hellerら)。抗ヒトIL-36R抗体、H4H14706P2およびH4H14708P2の予防的投与は、オキサゾロンで処置したDITRA様マウスの結腸におけるIL-4、IL-6およびTNF-αのレベルに反映されるPBSおよびアイソタイプ対照処置群と比較して、DITRA様マウスにおいて、オキサゾロン誘導性疾患の重症度を有意に減少させた(表7-5)。
【表7-5】
【0197】
実施例8:Schild解析のためのヒトHEK293/NFkB-luc/hIL36R細胞株を使用したバイオアッセイ
【0198】
抗IL36R抗体、H4H14706P2およびH4H14708P2の阻害特性を特徴解析するために、シルド解析を行った。この方法は、多数の条件を満たすとき、阻害剤による拮抗の性質を評価し、競合的アンタゴニストの親和性を測定する(Colquhoun,Why the Schild method is better than Schild realized、Trends Pharmacol Sci.2007年12月;28(12):608~14)。
【0199】
バイオアッセイについては、HEK293/NFκB-luc/hIL-36R細胞を、低血清培地、0.1%FBSおよびOPTIMEM中10,000細胞/ウェルで96ウェルアッセイプレート上に播種し、37℃および5% COで一晩インキュベーションする。翌日、抗体を、異なる固定濃度(9nM、3nM、1nM、0.3nMまたは0.1nM)で細胞に加え、細胞と室温で15分間予めインキュベーションした。抗体を含まない条件も含めた。次に、IL-36α、IL-36β、またはIL-36γを、100nM~2pMまたは100nM~0.1pMまで連続希釈し、任意のリガンドなしで試料と共に細胞に加えた。37℃および5%COで5.5時間インキュベーション後、Victor X5またはEnVision(商標)Multilabel Plate Reader(Perkin Elmer社)でルシフェラーゼ活性を検出し、結果を、Prism 7(GraphPad)を用いたGaddum/Schild EC50シフトを使用して解析した。
【0200】
H4H14706P2およびH4H14708P2のシルド解析は、増加する量の抗体によりIL36リガンド用量反応曲線の平行的な右シフトが生じ、H4H14706P2およびH4H14708P2の阻害効果は、増加する量のIL36リガンドにより克服可能であり、これは、H4H14706P2およびH4H14708P2の競合的阻害を示唆することを示した(図3(A-F))。
【0201】
実施例9:薬物動態(PK)試験
【0202】
メスのカニクイザルを、PK特徴決定のために用量群に割り当てた:動物(3匹/群)は、5または0.5mg/kgのH4H14708P2またはAPE6155の単回SC注射を受けた。投与前、および投与の4、24、48、72、120、168、240、336、504、576、672、840、912、1008、1080、1176、1248、1344、1512および1680時間後に、全動物から血液試料を採取した。血清中の総H4H14708P2またはAPE6155の濃度を、未検証の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して決定した。カニクイザル血清中の総ヒトIgG濃度を測定する方法を設計した。薬物動態パラメータを、非区画解析を使用して推定した。H4H14708P2は、5mg/kgの用量でAPE6155よりも約1.3倍高い曝露、および0.5mg/kg用量でAPE6155よりも約1.2倍高い曝露を有することを観察した。図4を参照のこと。
********************
【0203】
本明細書に引用される全ての参考文献は、各々の個々の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許が、参照により組み込まれることを具体的かつ個別に示唆された場合と同じ程度に、参照により取り込まれる。各および全ての個々の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許に関する、参照による取り込みのこの宣誓は、かかる引用が、参照による取り込みの特化した宣誓とすぐ隣接していなくても、出願人により意図される。本明細書内に、存在するなら、参照による取り込みの特化した宣誓の包含は、参照による取り込みのこの一般的な宣誓いかなる方法でも弱めるものではない。本明細書における参考文献の引用は、参考文献が関連のある先行技術であるという承認として意図されるものではなく、これらの刊行物または文書の内容または日付に関するいかなる承認も構成するものではない。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
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