(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】摩耗フライホイール上でタイヤを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20231116BHJP
G01M 17/02 20060101ALI20231116BHJP
B60C 11/24 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B60C19/00 H
G01M17/02
B60C11/24 Z
(21)【出願番号】P 2021505196
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2019070488
(87)【国際公開番号】W WO2020025606
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-06-03
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】セトゥール-ジャネット ドミニク
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-522953(JP,A)
【文献】特開2007-139708(JP,A)
【文献】特開2012-098251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0201077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
G01M 17/00-17/10
G01N 3/00-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の測定ステーション(12a、12b)を備える試験機(1)のローリングロード(11)上を走行するタイヤの摩耗を試験する方法であって、
車両の構造データ(Dc)及び動的平衡モデルを用いて、車両の重心(T)での移動速度(Vx)
及び加速度(Ax
t、Ay
t、Az
t)と
、
各車軸によって前記車両のシャーシに加えられた縦力(Fx)、横力(Fy)、及び、荷重(Fz)の変動、地面から車輪の各々に加えられた縦力(Fx
vg
、Fx
vd
、Fx
rg
、Fx
rd
)の分布及び荷重(Fz
vg
、Fz
vd
、Fz
rg
、Fz
rd
)の変動の分布、並びに、前記車輪の各々のキャンバー角(Ac)との間の関係(f
1、f
2、f
3、f
4、f
5、f
6
)を決定する、ステップAと、
前記車両が所定の摩耗試験コースを走行している場合に前記車両の重心(T)の移動速度(Vx)及び加速度(Ax
t、Ay
t、Az
t)を測定して継続的に記録する、ステップBと、
全く同一の車軸に属する2つのタイヤを、試験機(1)の測定ステーション(12a、12b)の各々に配置するステップCと、を含み、
○ ステップAで決定した前記関係(f
1、f
2、f
3、f
4、f
5、f
6)を用いて、ステップBで記録した移動速度(Vx)、並びに縦方向加速度(Ax
t)、横方向加速度(Ay
t)、及び垂直加速度(Az
t)の値に応じて、前記車軸(E)から前記車両の前記シャーシに加えられる前記縦力(Fx)、前記横力(Fy)、及び前記荷重変動(Fz)の値、前記キャンバー角(Ac)の値、前記地面から前記車軸(E)の前記車輪(W
g、W
d)の各々に加えられる荷重
(Fz
g
、Fz
d
)の変
動の値及び縦力(Fx
g、Fx
d)の値を全ての時間に決定し、
○ 前記キャンバー角(Ac)の値と、以前に計算した前記縦力及び垂直力(Fx
g、Fx
d、及びFz
g、Fz
d)の値とを、全ての時間に前記車輪(W
g、W
d)の各々に適用し、
○ 前記車軸(E)の前記車輪(W
g、W
d)の各々が受ける前記横力(Fy
g、Fy
d)の値を測定し、前記車輪の各々のドリフト角(Ad)を、前記タイヤの傾斜から生じる前記横力(Fy
g+Fy
d)の合計が、前記車軸
(E)の中心に加えられる前記横力(Fy)と全ての時間で等しいように、及び前記2つの車輪間のドリフトの差分(δ(Ad))が、前記車軸の特性に基づいて計算された平行性の変動を
考慮するように変化させる、ようになっている、
方法。
【請求項2】
前記車軸の各々によって前記シャーシに加えられる前記縦力の値は、縦方向加速度(Ax
t)、前記車両の構造データ(Dc)、前記移動速度(Vx)、及びエンジンによって供給される引張力の作用の下での前記車両の動的平衡モデルに起因する(Fx=f
1(Ax
t、Vx、Dc))、請求項1に記載の試験方法。
【請求項3】
前記全く同一の車軸の前記車輪の各々に地面から加えられる縦力が常に等しい(Fx
g=Fx
d)、請求項2に記載の試験方法。
【請求項4】
前記地面から4つの車輪の各々に加えられる前記縦力の分布(Fx
vg、Fx
vd、Fx
rg、Fx
rd)は、前記車両の前記動的平衡モデルに導入される特有の制御法則に起因する、請求項2又は請求項3に記載の試験方法。
【請求項5】
前記全く同一の車軸の前記車輪(W
g、W
d)の各々に前記地面から加えられる前記荷重変動の合計(Fzg+Fzd)は、前記車両の速度(Vx)、前記縦方向加速度(Ax
t)、及び前記構造データ(Dc)の作用の下での前記車両のピッチ動的平衡モデルに起因する(Fz
g+Fz
d=f
2(Ax
t、Vx、Dc))、請求項1から4のいずれかに記載の試験方法。
【請求項6】
前記全く同一の車軸の前記車輪(W
g、W
d)の各々に前記地面から加えられる前記荷重変動(Fz
g~Fz
d)の差分は、前記車両の前記横方向加速度(Ay
t)及び前記構造データ(Dc)の作用の下での前記車両のロール動的平衡モデルに起因する(Fz
g-Fz
d=f
3(Ay
t、Dc))、請求項1から5のいずれかに記載の試験方法。
【請求項7】
前記車軸の各々から前記シャーシに加えられる前記横力(Fy)の値は、前記車両の前記横方向加速度(Ayt)及び前記構造データ(Dc)の作用の下での前記車両のヨー動的平衡モデルに起因する(Fy=f
4(Ay
t、Dc))、請求項1から6のいずれかに記載の試験方法。
【請求項8】
前記車輪の各々の前記キャンバー角(Ac)は、前記車両の前記横方向加速度(Ay
t)及び前記構造データ(Dc)の作用の下での前記車両のロール動的平衡モデルに起因する(Ac=f
5(Ayt、Dc))、請求項1から7のいずれかに記載の試験方法。
【請求項9】
さらに、キャンバー角の弾性変動の作用の動的平衡モデルを修正するステップを含み、
前記キャンバー角(Ac)の値は、この角度が、ローリングロード上で常に測定される前記横力(Fy
g及びFy
d)によってもたらされるキャンバー角の弾性変動の作用の修正された動的平衡モデルに起因するように修正される(Ac
vd=f’
5(Ay
t、Fy
vd、Fy
vg、Dc)及びAc
vg=f’
5(Ay
t、Fy
vg、Fyvd、Dc))、請求項8に記載の試験方法。
【請求項10】
前記全く同一の車軸の前記車輪の各々のドリフト角は、前記車輪の各々の前記ドリフト角の間の差分(Ad
g-Ad
d)が既知の値δ(Ad)(δ(Ad)=f
6(Dc))に等しくなるように変化する、請求項1から9のいずれかに記載の試験方法。
【請求項11】
前記全く同一の車軸の前記車輪の各々の前記ドリフト
角の間の差分
(δ(Ad))の値は、常にゼロである、請求項10に記載の試験方法。
【請求項12】
さらに、ステアリング角の弾性変動の作用の動的平衡モデルを修正するステップを含み、
前記全く同一の車軸の前記車輪の各々の前記ドリフト
角の間の差分
(δ(Ad))の値は、前記差分(Ad
g-Ad
d)が、計算された荷重変動(Fz
vg、Fz
vd)及び縦力変動(Fx
vg、Fx
vd)によって、及びローリングロード上で常に測定される横力(Fy
g、及びFy
d)によってもたらされるステアリング角の弾性変動
の作用の修正された動的平衡モデルに起因するように修正される(δ(Ad)=f’
6(Dc、Fx
vg、Fx
vd、Fy
vg、Fy
vd、Fz
vg、Fz
vd))、請求項10に記載の試験方法。
【請求項13】
前記試験機(1)が複数の測定ステーション(12a、12b)対を備え、
-全く同一の車両の前車軸及び後車軸上に取り付けられたタイヤセットの試験と、
-全く同一の車両の前記全く同一の車軸に属する異なるタイヤセットの試験と、
-前記車両の構造データDcのさまざまな調整を含む、全く同一の車両の前記同じ車軸上に取り付けられたタイヤセットの試験と、
-異なる車両の前記同じ車軸上に取り付けられた同一のタイヤセットの試験と、
-異なる車両の前記同じ車軸上に取り付けられた異なるタイヤセットの試験と、
を実行する、請求項1から12のいずれかに記載の試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの摩耗試験の分野に関し、具体的には、回転機械上で行われる摩耗試験に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの摩耗試験の大部分は、正式に規定され、その上を実験車両が標準コースを辿るロードサーキット上で行われる。
【0003】
しかしながら、この評価方法は、依然として著しく資源を消費する状態にある。従って、以前から、回転機械上でこれらの試験を行うための試験手順が開発されている。
【0004】
しかしながら、様々な試験機関によって開発されたこの手順は、実際の回転条件を再現して、摩耗に関するこれらの性能について、互いにタイヤの信頼できる分類を提案しようと努力する。
【0005】
さらに、これらの試験は、車種、及びそれらのフロント及びリアサスペンションの特性、支持荷重、運転のタイプ、走行速度、走行サーキット、遭遇する路面特性、試験時に支配的である大気条件などに大きく左右される。
【0006】
このため、試験機上の最も効果的な評価手順は、タイヤ上の車両の動的効果を表すことを可能にする物理的モデルを使用する。
【0007】
これらのモデルは、車両重心に作用する速度及び加速度を、車輪の中心Cx、Cy、Czに作用する力Fx
c
、Fy
c
、Fz
c
のトルソー(torsor)に関連づける方程式を記述する。従って、車両の動的平衡は、運転者によって課されるステアリング制御及び車両の移動速度に依存し、車両サスペンションの機械的構造によって課されるロール角及びピッチ角をもたらし、ドリフト角及びキャンバー角につながり、車両の各車輪によって支持される荷重につながる。
【0008】
タイヤの挙動を記述するために、これらの方程式は、例えば、Hans Bastiaan Pacejkaによって開発されたモデル(車両動力学研究で使用するためのタイヤモデル化、1987年1月、米国ペンシルベニア州ウォーレンデールの米国自動車技術者協会)によって開発されたモデルなどの既知の技術的モデルを使用する。これらの非線形モデルは、様々な荷重並びにドリフト角及びキャンバー角を考慮した、及び長手方向の滑りを考慮したタイヤの実験的特性評価に適合した数学モデルに基づいており、これは、例えば、MTS社が販売するFlat-Trackタイヤの測定機上で、又はタイヤによって生成される力及びモーメントに関して地面の曲率が平坦な地面と比較してごくわずかな影響を与えるのに十分な大きさの直径を有する回転ドラム上で可能になる。また、上記のタイヤの挙動を説明する一連の特性を得るために、マクロ構造破壊から有限要素記述までの範囲で、程度の差はあるがタイヤの改善された物理的モデリングを実施することも可能である。
【0009】
もしくは、これらの法則は、走行中に車両を計測する(instrumenting)ことによって、又はより簡単に、例えば標準のAMTIモデルOR6-5-2000に説明されるようなダイナモメトリックプラットフォーム上で測定を行うことによって、実験的取得を活用して最適化することができる。
【0010】
欧州特許第1354184号は、この問題に対応することができる実験的モデルを開示している。
【0011】
この特許は、以下のステップを実行することを提案している。
【0012】
第1のステップは、ダイナモメトリックプラットフォームを用いて、車両を特徴付けるこのステップの間に、タイヤの各々が遭遇する方向力Fx、Fy、Fz、並びにドリフト角及びキャンバー角を測定することによって車両を特徴付けることからなり、その間に、車両は、様々な加速度、移動速度、及びコーナリング半径でもってプラットフォーム上で運転される。
【0013】
欧州特許第1354184号による方法の第2のステップは、車両が試験コース上を走行する際に、車両の重心での加速度及び速度を測定することによって摩耗試験コースを特徴付けることからなり、この試験コースは、好ましくは、実際の走行条件の下で試験を行うために使用される試験コースと同じであり、この試験コース上では実験に基づいた摩耗結果がすでに得られている。この第2のステップは、車両及び使用されるタイヤセットとは無関係とすることができる。
【0014】
この方法の第3のステップの間に、第1のステップの間に得られた実験結果は、実験に基づいた車両及びタイヤセットに特有の法則を作成するのを可能にし、さらに車輪の中心に作用しかつ各タイヤが遭遇する3つの方向性の力Fx
c
、Fy
c
、Fz
c
、並びにドリフト角を、重心で測定された車両の加速度(Ax、Ay)及び移動速度(Vx)に関連付ける。
【0015】
タイヤのモデルに関連したHans Bastiaan Pacejkaによって開発されたものなどの車両の動的モデルを使用することで、及び回転セットの幾何学的形状が記述された後に、同等の方法で、これらの関係を計算によって決定することが可能であり、第1ステップを省くことができる。
【0016】
最後に、実際の試験ステップは、ローリングロード上で試験されるタイヤを支持する車輪を取り付けるステップと、試験過程の間にタイヤが遭遇し、第3ステップ中に得られた法則から計算されかつ第2ステップ中に得られた加速度及びドリフトデータから計算された力Fx、Fy、Fz、及びドリフト角を車輪に適用するように試験機を制御するステップとからなる。従って、参照摩耗サーキット上の車両によってカバーされるのと同じ距離だけローリングロード上を走行することにより、このサーキット上で記録される摩耗に関する性能が、試験されたタイヤ上で再現される。
【0017】
この方法は、車両による試験サーキットで取得した結果と同様の満足のいく摩耗結果を得るのを可能にするが、これには、第1ステップ中に困難かつ費用のかかる手順を用いるという欠点がある。同様に、タイヤの動作を考慮して動的法則の実験的同定(すなわち、Pacejkaモデル)による決定は、困難かつ複雑であり、リアルタイムで実行することができない。これらの同じ動作特性を評価するために、純粋なタイヤモデリング手法を採用した場合も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、上記の手順を簡素化し、これを実行するために必要なコスト及び演算時間を低減するのを可能にするタイヤの摩耗試験方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明による少なくとも1対の測定ステーションを備える試験機のローリングロードを走行するタイヤの摩耗を試験するための方法は、
車両の構造データ及び動的平衡モデルを用いて、車両の重心での移動速度と加速度との間の関係と、各車軸によって車両のシャーシに加えられた縦力、横力、及び荷重変動と、地面から車輪の各々に加えられた縦力の分布及び荷重変動の分布と、車輪の各々のキャンバ角とを決定する、ステップAと、
車両が所定の摩耗試験コースを走行している場合に車両の重心の移動速度及び加速度を測定して継続的に記録する、ステップBと、
全く同一の車軸に属する2つのタイヤを、試験機の測定ステーションの各々に配置するステップCであって、
○ステップAで決定した関係を用いて、ステップBで記録した移動速度、並びに縦方向加速度、横方向加速度、及び垂直加速度の値に応じて、車軸から車両のシャーシに加えられる縦力、横力、及び荷重変動の値、キャンバー角の値、及び車軸の車輪の各々に対する荷重変動の値及び縦力の値を常に決定し、
○キャンバー角の値と、以前に計算した縦力及び垂直力の値とを、常に車輪の各々に適用し、
○車軸の車輪の各々が受ける横力の値を測定し、車輪の各々のドリフト角を、タイヤの傾斜から生じる横力の合計が、車軸の中心に加えられる横力と常に等しいように、及び2つの車輪間のドリフトの差分が、車軸の特性に基づいて計算された平行性の変動を順守するように変化させる、ようになっているステップCと、
を含む。
【0021】
車両の動的平衡モデルによって使用される法則により、ロール角及びキャンバー角の値、及び車軸に加えられる縦力、横力、及び垂直力の値を計算することが可能になり、重心での加速度及び移動速度の値に応じた車軸の車輪の各々に対する荷重及び加速度の値は、車両の機械的かつ幾何学的データを用いて容易にアクセスできることが示されている。これらの法則は、例えば、それ自体が四輪車モデルとして知られているモデルに基づいて定式化することができる。
【0022】
全く同一の車軸のタイヤの各々に加えられた横力を評価するためのモデル、例えば、Hans Bastiaan Pacejkaによって開発されたモデル又はその等価物などの、複雑な測定を行うこと、又はドリフト、荷重、キャンバー角、及び縦方向の滑りの変動を受けた場合のタイヤの挙動を考慮する非線形法則を導入することを必要とするモデルとは異なり、本発明による方法は、車軸に加えられた横力がタイヤの各々が受ける横力の合力であり、縦方向に対するドリフト角を形成することを考慮することによって、これらのステップを省くことを提案する。
【0023】
従って、試験機は、車輪の各々で測定された横力の合計が、車軸の幾何学的形状によって課せられた車輪の各々のステアリング角の差分を順守しながら車軸に加えられた横力に等しくなるように、タイヤに与えられたドリフト角を「探す」ように制御される。
【0024】
従って、これは「ハードウェアインザループ」と呼ばれる動作原理である。換言すると、ドリフト角及び横力の値は、車軸のタイヤの各々に関して個別には分からないので、タイヤの各々が受ける横力の合計が、車軸の車輪の平行性の差を保証しながら車軸の横力と等しくなるようにドリフト角の値を決定するのは機械的制御であり、これらの2つの条件(term)は、四輪車モデルを使用して容易に利用可能である。
【0025】
従って、摩耗試験方法は、タイヤを記述するための実験的特性評価及びモデリングを省くことを可能にし、車両の構造データが取得されるとこの車両の何らかのタイヤセットを試験する可能性も提供する。
【0026】
また、本発明による方法は、試験中のタイヤの摩耗の進行度に応じて、タイヤの各々の物理的特性の変化を考慮することを可能にする。詳細には、試験機は、車軸に加えられた全横力の所望の値を得るために、対象の車軸のタイヤの各々のドリフト角を自動的に適合させる。対照的に、タイヤ特性の実験的特性評価又はモデリングを含む手法において、継続的にタイヤの駆動を試験機に適応させるために、理想的には試験中に摩耗に応じてこれらの特性を変更することが必要になるはずであり、これは実際には非常に難しくなる。
【0027】
従って、この摩耗結果は、選択された試験コースで車両を走行する場合に得られた結果に忠実に近づく。
【0028】
従って、この摩耗試験は、非常に好ましい経済的条件の下でより短い時間で行うことができる。
【0029】
また、本発明による試験方法は、単独で又は組み合わせて、以下の処理の実行を含むことができる。
-各車軸からシャーシに加えられる縦力の値が、縦方向加速度、車両の構造データ、移動速度、及びエンジンによって供給される引張力の作用の下での車両の動的平衡モデルに起因する。
-全く同じ車軸の車輪の各々に地面から加えられる縦力が常に等しい。
-地面から4つの車輪の各々に加えられる縦力の間の分布が、車両の動的平衡モデルに導入された特定の制御法則に起因する。
-全く同じ車軸の車輪の各々に地面から加えられる荷重変動の合計が、速度、縦方向加速度、及び車両の構造データの作用の下で車両のピッチ動的平衡モデルに起因する。
-全く同じ車軸の車輪の各々に地面から加えられる荷重変動の差分が、横方向加速度及び車両の構造データの作用の下での車両のロール動的平衡モデルに起因する。
-各車軸からシャーシに加えられる横力の値が、横方向加速度及び車両の構造データの作用の下で車両のヨー動的平衡モデルに起因する。
-各車輪のキャンバー角が、横方向加速度及び車両の構造データの作用の下での車両のロール動的平衡モデルに起因する。
-キャンバー角の値は、この角度が、ローリングロード上で常に測定される横力によってもたらされるキャンバー角の弾性変動の作用の下で修正された動的平衡モデルに起因するように修正される。
-全く同じ車軸の車輪の各々のドリフト角は、車輪の各々のドリフト角の差分が既知の値と等しくなるように変化する。
-全く同じ車軸の車輪の各々のドリフト角の差分の値が、常にゼロである。
-全く同じ車軸の車輪の各々のドリフト角の差分の値が、この差分が計算された荷重変動と及び縦力、及びローリングロード上で常に測定される横力によってもたらされるステアリング角の弾性変動の値の作用の修正された動的平衡モデルに起因するように修正される。
-試験機が複数の測定ステーション対を備え、
○全く同一の車両の前車軸及び後車軸上に取り付けられたタイヤセットの試験と、
○全く同一の車両の全く同一の車軸に属する異なるタイヤセットの試験と、
○車両の構造データのさまざまな調整を含む、全く同一の車両の同じ車軸上に取り付けられたタイヤセットの試験と、
○異なる車両の同じ車軸上に取り付けられた同一のタイヤセットの試験と、
○異なる車両の同じ車軸上に取り付けられた異なるタイヤセットの試験と、
を実行する。、
【0030】
本発明は、例示的に提供されかつ限定するものではない添付図面を検討することでよく理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】車両の概略図と、タイヤの各々に加えられる力の合力を示す。
【
図3】車両の動的平衡モデルの下での様々な力の間の相互作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1を参照すると、車両は、カーブの内側の左前輪W
vg、カーブの外側の右前輪W
vd、(これは前車軸E
vに取り付けられている)、カーブの内側の左後輪W
rg、カーブの外側の右後輪W
rd(これらは後車軸E
rに取り付けられる)として概略的に示されている。左右の車輪は、車両の状態に応じてカーブの内側又は外側のいずれかに位置決めできることは言うまでもない。
【0033】
前車軸Ev及び後車軸Erには、同じ法則及び同じ現象が適用される。従って、理解を容易にするために、前車軸Evで観測される力又は角度に添字「v」を追加することで車両の前部に対する言及を行うことができ、後車軸で観測される力又は角度に添字「r」を追加することで車両の後部に対する言及を行うことができる。次に、添字がないものは、区別なしで、前車軸又は後車軸で観測される力又は角度に対する言及が行われる。同様に、本発明の理解に役立つ場合には、車両の右側及び左側は、力又は角度にそれぞれ添字「d」又は「g」を付けることで示されることになる。最後に、重心Tでの加速度の値は、添字「t」を用して示される。
【0034】
従って、車両は、軸Xが縦方向軸を表し、軸Yが横方向軸を表し、軸Zが垂直軸を表す座標系で示される。
【0035】
車両の重心Tは、地面より上の高さh、及び前車軸Ev及び後車軸Erを通過するロール軸RR’より上の高さh’に配置されている。重心Tは、それぞれ後車軸から値l1、前車軸から値l2だけ離れている。前車軸Ev及び後車軸Erのロール中心は、それぞれ地面より上の高さhv、及びhrに配置されている。Vv及びVrは、前方経路及び後方経路の幅を表す。
【0036】
これらの車両の幾何学的な値、及び流体運動学的構造特性は、動的平衡モデルに導入される。これらの機械的データに追加されるのは、車両の質量分布値、車輪の各々に与えられるトーイン角度(Ap)の値又は静的キャンバ角(Acs)の値、サスペンション構成要素及びアンチレールバーの剛性及び動力学を説明するための要素、車両の空力係数に関連するデータ、及びタイヤの前進に対する抵抗に関連するデータである。
【0037】
車両の構造データ全体は、共通の名称Dcによって識別される。
【0038】
図3を参照すると、車両の「四輪車」モデルと呼ばれる運動学的及び動的平衡モデルは、車両が移動速度Vxで走行し、重心Tで縦方向加速度Ax
t、横方向加速度Ay
t、及び垂直方向加速度Az
tを受けた場合の前車軸及び後車軸に与えられる力の値を計算することを可能にする。
【0039】
重心に加えられた力に起因する車両の横方向及び縦方向の動力学を記述する方程式を用いて以下のものが決定される。すなわち、
-前車軸又は後車軸Fzv、Fzrのそれぞれに加えられる荷重変動の分布、並びにピッチに応じた前後セットのドリフト角Ad及びキャンバー角Acの動的変更、
-前車軸又は後車軸Fxv、Fxrのそれぞれに加えられる縦力の分布、並びに前車軸と後車軸との間の荷重簿の伝達に応じた、前後セットのドリフト角Ad及びキャンバー角Acの弾性変更、
-前車軸又は後車軸のそれぞれの車輪Wvg、Wvd、Wrg、Wrd上の荷重変動の分布Fzvg、Fzvd、Fzrg、Fzrd、並びにロールに応じたドリフト角Ad、及びキャンバー角Acの動的変更、
-前車軸又は後車軸に加えられる全横力Fyv、Fyr、並びにヨー動的平衡に応じた前後セットのドリフト角Ad及びキャンバー角Acの弾性変更、
である。
【0040】
車輪の各々に加えられる荷重、(ブレーキ、又はエンジン)トルク、移動速度、及びキャンバー角の値がそこから推定される。
【0041】
従って、ステップAの間に、車両の動的モデルを使用して、車軸に加えられた力及び角度の値を計算する。
【0042】
車軸からシャーシに加えられる縦力、Fx=f1(Axt、Vx、Dc)は、ブレーキ力と加速力Axtの合力、並びに空気の空力抵抗に抗するのに必要な力と摩擦力の合力である。
【0043】
地面から各車輪に加えられる縦力の差分Fxg-Fxdは、差分が軸のそれぞれに配置されると仮定するとゼロと見なすことができ、又はブレーキシステム(ABS又はESPタイプの機能は別として)はこれらの力を均等に分担する。さもなければ、車両の動的平衡モデルは、4輪駆動車で、もしくはブレーキ力又は駆動力の前/後分布において行われるのと同じ方法で、車両の4つの車輪の間の縦力の分布(Fxvg、Fxvd、Fxrg、Fxrd)の様式を記述する特定の制御法則を含む必要がある。
【0044】
全く同一の車軸の各車輪に地面から加えられる荷重変動の合計は、車両の荷重変動の分布と、速度Vx及び縦加速度Axtの下での車両のピッチ平衡方程式に起因し、Fzg+Fzd=f2(Axt、Vx、Dc)である。
【0045】
同じ車軸の各車輪に地面から加えられる荷重変動の差分は、車両の構造データDc及び横方向加速度Aytの下でのロール平衡方程式に起因し、Fzg-Fzd=f3(Ayt、Dc)である。
【0046】
各車軸からシャーシに加えられる横力Fyは、車両の構造データDc及び求心力と関連する横方向加速度に起因し、Fy=f4(Ayt、Dc)である。
【0047】
また、キャンバ角は、横方向加速度Ayt及び車両の構造データDcの一部である静的キャンバ角値Acsの影響下でのロール平衡方程式に起因し、Ac=f5(Ayt、Dc)である。
【0048】
ここでは、全く同一の車軸の左輪又は右輪に地面から加えられ、ステップCの間にローリングロード11の測定で観測される横力Fyg及びFydのリアルタイムの測定は、キャンバー角の値が得られる方法を改善するのを可能にすることが分かるであろう。
【0049】
詳細には、横力Fyg及びFydの影響下で、車輪の各々に加えられたキャンバ角は、車軸に加えられる弾性変形を考慮するために補正する必要がある。
【0050】
計算を改善するために、ローリングロード11で測定されたFyg及びFydの値から、2次インタラクティブループを導入することが可能であり、キャンバー角を決定するための法則は、例えば、右前輪に関してAcvd=f’5(Ayt、Fyvd、Fyvg、Dc)、及び左前輪に関してAcvg=f’5(Ayt、Fyvd、Fyvg、Dc)となる。
【0051】
右輪Wdと左輪Wgに加えられたドリフト角の差分は、一般に車両の構造データから算出され、法則δ(Ad)を用いて取得することができ、法則δ(Ad)は、静的トーイン又はオープニング調整、及びホイールに加えられたピッチ及びロール運動に関連付けされた動的変動によって補正された、前方経路又は後方経路のそれぞれに機械的に課せられたステアリング角度ルールに依存し、δ(Ad)=f6(Dc)である。
【0052】
上記の説明と同じ理由から、動的平衡モデルを用いて計算される、地面から左右の前輪に加えられる縦力変動Fxvg、Fxvd、及び地面から左右の前輪に加えられかつ垂直荷重Fzvg、Fzvdによって、さらにステップCの間にリアルタイムでローリングロード上で測定される左右の前輪に地面から加えられる横力Fyvg、Fyvdによってもたらされる前輪セット(又は後輪セット)の弾性変形を考慮することが有用であることが分かっている。次に、ドリフト角の差分δ(Ad)は、δ(Ad)=f’6(Dc、Fxvg、Fxvd、Fyvg、Fyvd、Fzvg、Fzvd)の形式になる(例えば、前輪に関して)。
【0053】
これらの法則は、車両に特有であり、タイヤの特性に依存せず、タイヤの動作モデルをもつ必要なしで実施することができることが分かるであろう。
【0054】
本方法のステップBは、移動速度及び加速度データを収集するステップからなり、これらのデータは、試験「標準」の標的とされる過酷なレベルの運転を適用する運転者によって運転される正しく調整された車両で使用されている間に、タイヤが遭遇する摩耗状態を表すサーキット上の実際の条件の下での走行状態を表す。
【0055】
従って、このコースは、標準的な路面を有する、曲がりくねった走行部、都市区域、及び高速道路区域を含む。同様に、走行条件は、乾いた地面であり、これは、設定された制限速度を配慮しながら、「標準」運転の過酷レベルに対応する方法で、制動及び加速動作が実行されることが保証される。
【0056】
車両の重心Tに配置された記録計は、試験コースの至る所で車両が受ける速度データVx及び加速度データAxt、Ayt、Aztをリアルタイムで連続的に記録する。
【0057】
これらの記録されたデータは、試験コース及び「標準」過酷レベルに特有なものであり、記録に使用した車種には無関係である。
【0058】
本発明による方法の実施のステップCは、実際の試験ステップである。
図2に示すように、回転試験機(1)は、モーター(図示せず)の回転で駆動されるローリングロード11を備える。この試験機は、少なくとも2つの測定ステーション(12a、12b)を有し、各々は、2つのハブを有する計測アーム(図示せず)上に取り付けられ、このハブの各々は、タイヤが取り付けられた車輪を受け取り、全く同一の車軸の右輪Wd及び左輪Wgを表すことが意図されている。
【0059】
同等の方法で、上記のタイプのフラットトラック型の試験機上で本発明による試験を実行することができる。
【0060】
ここで、上記を前提として、試験機1のローリングロード11は、複数の測定ステーション(12a、12b)対を備えることができることに留意されたい。従って、この構成は、数多くの異なる試験を行うことができる。
【0061】
例えば、試験は、全く同じ車両の前後車軸に取り付けられたタイヤセットで行うことができ、又は全く同一の車軸に属する異なるタイヤセットを試験することができる。
【0062】
弾性運動学的構造データDcの様々な調整を有する、全く同一の車両の同じ車軸に取り付けられたタイヤセットに対して試験を行うこと、又は、異なる車両の同じ車軸に取り付けられた同一の又は異なるタイヤセットを試験することも可能である。
【0063】
ローリングロード11の円周面は、摩耗試験サーキットで一般に遭遇する路面の等級を忠実に再現するために特別に研究されたコーティングを有する。これらのコーティングは、現実により忠実に近づけるために試験中に変えることができる。
【0064】
各測定ステーション(12a、12b)は、タイヤの垂直変位ここではタイヤが担う荷重Fz
c
、加速又は制動フェーズをシミュレートする車輪に加えられたトルク、各車輪のドリフト角(Adg、Add)及びキャンバー角(Acd、Acg)を変化させるための手段、並びに地面から各車輪に加えられた力(Fxd、Fyd、Fzd)又は(Fxg、Fyg、Fzg)の値を継続的に測定するための手段を備える。ローリングロード11の回転速度は、車両の前進速度Vxを表すように制御される。
【0065】
ステップAで決定された法則f1、f2、f3、f4、f5、f6を用いて、ステップBで記録された速度Vxと、縦方向、横方向、及び垂直方向加速度Axt、Ayt、Aztに応じて、対象とする、キャンバー角Acの値、上記車軸Eに対する縦力Fx、横力Fy、及び垂直力Fzの値、車軸の車輪Wg、Wdの各々に対する荷重Fzg、Fzd及び縦力Fxg、Fxdの値が常に決定される。
【0066】
キャンバー角Acの値、車両が摩耗試験ルートに沿って走行する場合に車輪の各々が受ける縦力及び垂直力Fxg、Fxd、並びにFzg、Fzdの値は、連続的に常に車輪の各々に適用される。従って、試験サーキットで観測された走行状態は、回転機械でリアルタイムに再現される。
【0067】
車輪の各々に適用されるドリフト角のみが未決定である。
【0068】
この目的のために、各車輪Wg、Wdが受ける横力Fyg、Fydの値が測定され、車輪の各々のドリフト角Adg、Addは、タイヤを傾斜させることから生じる横力Fyg+Fydの合計が、対象の車軸Eの中心に加えられた横力Fyに常に等しくなるように変化する。同時に、右輪と左輪のドリフト角の差分(Add-Adg=δ(Ad))は、シャーシのロール及びピッチング運動によってもたらされる平行性の変動を考慮するように制御される。
【0069】
上記から分かるように、このステアリング角の差分は、前輪セット又は後輪セットの構成に関連付けられる。最も簡単な場合には、この差分は、常にゼロであるか、又は対象のセットの動力学を組み込むか、より一般的には、地面から車輪に加えられる縦力、垂直力、及び横力によって引き起こされる弾性変形を考慮することができる。
【0070】
従って、試験機の制御は、右輪Wd及び左輪Wgのそれぞれを支持する試験機のステーション12aと、12bの各々で測定された横力Fyg+Fydの合計値が現時点で力Fyに等しくなるまで車輪の各々のドリフト角を「操作」する。
【0071】
タイヤの動的モデルを成す非線形法則に必然的に従う、荷重条件Fzd及びFzgの下でのドリフト角及びキャンバー角の影響の下で、ローリングロード11上のタイヤの各々によって引き起こされる横力Fyd及びFygは、結果的に、実際の走行状態を代表する値で再現される。
【0072】
上記の説明の主題である方法は、横力の決定に関連する複雑な計算を省き、車両のタイヤの摩耗試験を行うために、試験機上で、走行状態を確実かつ正確に再現することを可能にする。
【符号の説明】
【0073】
1 試験機。
11 ローリングロード。
12a、12b 測定ステーション。
Wvg 左前輪(カーブの内側)
Wvd 右前輪(カーブの外側)
Wrg 左後輪(カーブの内側)
Wrd 右後輪(カーブの外側)
T 車両重心
h 地面に対する重心の高さ
h’ 車両のロール軸に対する重心の高さ
l1 重心と後車軸との間の距離
l2 重心と前車軸との間の距離
Axt 車両重心での縦方向加速度
Ayt 車両重心での横方向加速度
Azt 車両重心での垂直加速度
Vx 移動速度
Ev 前車軸
hv 地面に対する前車軸の回転中心の高さ
Vv 前方経路の幅
Fxv 前車軸からシャーシに加えられる縦力
Fxvg 地面から左前輪に加えられる縦力
Fxvd 地面から右前輪に加えられる縦力
Fyv 前車軸からシャーシに加えられる横力
Fyvg 地面から左前輪に加えられる横力
Fyvd 地面から右前輪に加えられる横力
Fzvg 地面から左前輪に加えられる垂直荷重の変動
Fzvd 地面から右前輪に加えられる垂直荷重の変動
Advg 左前輪のドリフト角
Advd 右前輪のドリフト角
Er 後車軸
hr 地面に対する後車軸の回転中心の高さ
Vr 後方経路の幅
Fxr 後車軸からシャーシに加えられる縦力
Fyr 後車軸からシャーシに加えられる横力
Fzrg 地面から左後輪に加えられる垂直荷重の変動
Fzrd 地面から右後輪に加えられる垂直荷重の変動
RR’ ロール軸
Dc 車両の弾性運動学的構造データ