IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】カムシャフト製造装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20231116BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20231116BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20231116BHJP
   B25J 17/02 20060101ALI20231116BHJP
   F01L 1/04 20060101ALI20231116BHJP
   F16H 53/02 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B23P21/00 303C
B23P19/04 G
B25J13/00 Z
B25J17/02 G
F01L1/04 A
F16H53/02 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022007992
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023106950
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】花岡 正
(72)【発明者】
【氏名】甲本 繁樹
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-40641(JP,A)
【文献】特開平3-170235(JP,A)
【文献】特開2016-22563(JP,A)
【文献】特開平10-296673(JP,A)
【文献】特開昭58-211885(JP,A)
【文献】中国実用新案第204893363(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/04;21/00
B25J 1/00-21/02
F01L 1/04
F16H 53/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムシャフトの半製品ワークに対して複数の取付部材を取付けることでカムシャフト製品を製造するカムシャフト製造装置であって、
前記複数の取付部材は、前記半製品ワークの一側軸部に取付けられるピン、及び当該半製品ワークの他側軸部に取付けられるパルサープレートを含み、
前記半製品ワークを取付ステージに搬送する動作を行う第1ロボットと、
前記ピンをピン保持治具にセットすると共に前記パルサープレートをプレート保持治具にセットする動作を行う第2ロボットと、
前記第1ロボットによって前記取付ステージに搬送されてきた前記半製品ワークを所定の心出し位置に拘束する動作を行うワーク拘束装置と、
前記ワーク拘束装置によって前記半製品ワークを前記心出し位置に拘束した状態で、前記ピン保持治具によって保持した前記ピンを当該半製品ワークの前記一側軸部に設けた穴部に圧入すると共に、前記プレート保持治具によって保持した前記パルサープレートに設けた貫通孔を前記他側軸部に圧入する動作を行う圧入装置と、を備え、
前記第1ロボットに備わる第1アーム部は、前記半製品ワークを把持するワーク把持部を有し、
前記ワーク把持部は、弾性部材を介して前記第1アーム部に接続され、これにより、当該ワーク把持部は前記第1アーム部に対してフローティング支持されており、
前記第1ロボットは、前記ワーク把持部によって把持した前記半製品ワークを、前記取付ステージに搬送し、
前記ワーク拘束装置は、前記取付ステージにおいて前記ワーク把持部によって把持されている状態の前記半製品ワークに対し、軸部両端側からクランプすることで当該半製品ワークを前記心出し位置に拘束する動作を行う、
ことを特徴とするカムシャフト製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に設けられるカムシャフトを製造する際に用いられるカムシャフト製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、内燃機関に設けられ、パルサープレートなどの複数の取付部材が備わるカムシャフトに関する発明を開示している(特許文献1)。
【文献】特開2019-042794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に係るカムシャフトには、前記したパルサープレートが、同カムシャフトにおける軸周りの所定位置に位相を合わせた状態で取付けられている。
前記カムシャフトに設けられる複数の取付部材としては、前記パルサープレートの他に、同カムシャフトの端部に設けられるキャップやノックピンをあげることができる。
ところで、特許文献1に係る発明には、カムシャフトの半製品ワークに複数の取付部材を取付けてカムシャフト製品を製造するに際し、その製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を図ることは開示も示唆もされていない。
【0004】
要するに、従来技術では、カムシャフト製品の製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を図る点で改良の余地が残されていた。
【0005】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、カムシャフト製品の製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を実現可能なカムシャフト製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の観点に基づく発明は、カムシャフトの半製品ワークに対して複数の取付部材を取付けることでカムシャフト製品を製造するカムシャフト製造装置であって、前記複数の取付部材は、前記半製品ワークの一側軸部に取付けられるピン、及び当該半製品ワークの他側軸部に取付けられるパルサープレートを含み、前記半製品ワークを取付ステージに搬送する動作を行う第1ロボットと、前記ピンをピン保持治具にセットすると共に前記パルサープレートをプレート保持治具にセットする動作を行う第2ロボットと、前記第1ロボットによって前記取付ステージに搬送されてきた前記半製品ワークを所定の心出し位置に拘束する動作を行うワーク拘束装置と、前記ワーク拘束装置によって前記半製品ワークを前記心出し位置に拘束した状態で、前記ピン保持治具によって保持した前記ピンを当該半製品ワークの前記一側軸部に設けた穴部に圧入すると共に、前記プレート保持治具によって保持した前記パルサープレートに設けた貫通穴を前記他側軸部に圧入する動作を行う圧入装置と、を備え、前記第1ロボットに備わる第1アーム部は、前記半製品ワークを把持するワーク把持部を有し、前記ワーク把持部は、弾性部材を介して前記第1アーム部に接続され、これにより、当該ワーク把持部は前記第1アーム部に対してフローティング支持されており、前記第1ロボットは、前記ワーク把持部によって把持した前記半製品ワークを、前記取付ステージに搬送し、前記ワーク拘束装置は、前記取付ステージにおいて前記ワーク把持部によって把持されている状態の前記半製品ワークに対し、軸部両端側からクランプすることで当該半製品ワークを前記心出し位置に拘束する動作を行う、ことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カムシャフト製品の製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を実現可能なカムシャフト製造装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置の概要を表すブロック構成図である。
図1B】カムシャフト製造装置に備わる取付ステージ及びその周辺部を俯瞰して観た概略構成図である。
図2A】カムシャフト製造装置に備わる取付ステージ周辺のうち要部を俯瞰して観た概略構成図である。
図2B】カムシャフト製造装置に備わる取付ステージ周辺のうち要部を側面から観た概略構成図である。
図3A】カムシャフト製品を側面から観た概略構成図である。
図3B】半製品ワークの一側軸部を部分的に拡大して表す説明図である。
図3C】半製品ワークの他側軸部を部分的に拡大して表す説明図である。
図3D】半製品ワークの他側軸部を軸方向から観た説明図である。
図4】カムシャフト製造装置の動作手順を表すシーケンス図である。
図5A】カムシャフト製品の動作手順のうち、半製品ワークに対するピン及びパルサープレートの取付け準備工程を表す説明図である。
図5B】半製品ワークに対するピン及びパルサープレートの取付け準備工程を表す説明図である。
図6A】半製品ワークに対するピンの取付け準備工程を表す説明図である。
図6B】半製品ワークに対するピンの取付け準備工程を表す説明図である。
図7A】半製品ワークに対するパルサープレートの取付け準備工程を表す説明図である。
図7B】半製品ワークに対するパルサープレートの取付け準備工程を表す説明図である。
図8A】第1ロボットによる取付ステージへの半製品ワークの搬送工程を表す説明図である。
図8B】第1ロボットによる取付ステージへの半製品ワークの搬送工程を表す説明図である。
図9A】半製品ワークの心出し位置へのクランプ工程を表す説明図である。
図9B】半製品ワークの心出し位置へのクランプ工程を表す説明図である。
図10A】昇降装置によるピン圧入スペーサの進出位置への移動工程を表す説明図である。
図10B】昇降装置によるピン圧入スペーサの進出位置への移動工程を表す説明図である。
図11A】半製品ワークに対するピンの圧入取付け工程を表す説明図である。
図11B】半製品ワークに対するピンの圧入取付け工程を表す説明図である。
図12A】半製品ワークに対するサーボプレスの後退工程を表す説明図である。
図12B】半製品ワークに対するサーボプレスの後退工程を表す説明図である。
図13A】昇降装置によるピン圧入スペーサの退避位置への移動工程を表す説明図である。
図13B】昇降装置によるピン圧入スペーサの退避位置への移動工程を表す説明図である。
図14A】半製品ワークに対するパルサープレートの圧入取付け工程を表す説明図である。
図14B】半製品ワークに対するパルサープレートの圧入取付け工程を表す説明図である。
図15A】半製品ワークに対するサーボプレスの後退工程を表す説明図である。
図15B】半製品ワークに対するサーボプレスの後退工程を表す説明図である。
図16A】第1ロボットによる払い出し場所への半製品ワークの搬出工程を表す説明図である。
図16B】第1ロボットによる払い出し場所への半製品ワークの搬出工程を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置11について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、共通の機能を有する部材には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズ、形状は、説明の便宜のため、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
【0010】
〔カムシャフト製造装置11の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置11の概要について、図1A図1B図2A図2B図3A図3Dを参照して説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置11の概要を表すブロック構成図である。図1Bは、カムシャフト製造装置11に備わる取付ステージ29及びその周辺部を俯瞰して観た概略構成図である。図2Aは、カムシャフト製造装置11に備わる取付ステージ29周辺のうち要部を俯瞰して観た概略構成図である。図2Bは、取付ステージ29周辺のうち要部を側面から観た概略構成図である。図3Aは、カムシャフト製品21bの外観を表す説明図である。図3Bは、半製品ワーク21aの一側軸部21c1を部分的に拡大して表す説明図である。図3Cは、半製品ワーク21aの他側軸部21c2を部分的に拡大して表す説明図である。図3Dは、半製品ワーク21aの他側軸部21c2を軸方向から観た説明図である。
【0011】
本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置11は、図1A及び図3Aに示すように、カムシャフト21の半製品ワーク21aに対して複数の取付部材(ピン23、キャップ25、パルサープレート27)を取付けることでカムシャフト21の製品21bを製造する機能を有する。
カムシャフト21の半製品ワーク21aとは、図3Aに示すように、軸部21cの外周に軸方向に間隔を置いて複数のカム21部dを設けてなる鋳造品である。半製品ワーク21aは、軸心部分が中抜きされた中空構造に形成されている。
本明細書の説明では、カムシャフト21の半製品ワーク21aを「半製品ワーク21a」と、カムシャフト21の製品21bを「カムシャフト製品21b」と、それぞれ省略して呼ぶ場合がある。
また、半製品ワーク21a、カムシャフト製品21bを分別した説明を要しない場合、これらを「カムシャフト21」と総称することとする。
【0012】
半製品ワーク21aに取付けられる複数の取付部材(キャップ23、ピン25、パルサープレート27)のうち、ピン23は、図3A図3Bに示すように、半製品ワーク21aの一側軸部21c1に取付けられる。一方、キャップ25、パルサープレート27は、図3A図3C図3Dに示すように、半製品ワーク21aの他側軸部21c2に取付けられる。
半製品ワーク21aに対するピン23、キャップ25、パルサープレート27(複数の取付部材)の取付構造について、詳しくは後記する。
【0013】
カムシャフト製品21bの製造機能を具現化するために、カムシャフト製造装置11は、図1Aに示すように、半製品ワーク21aを取付ステージ29に搬送する動作を行う第1ロボット31と、ピン25をピン保持治具33にセットすると共にパルサープレート27をプレート保持治具35にセットする動作を行う第2ロボット37と、第1ロボット31によって取付ステージ29に搬送されてきた半製品ワーク21aを所定の心出し位置22に拘束する動作を行うワーク拘束装置39と、ワーク拘束装置39によって半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束した状態で、半製品ワーク21aに対してキャップ23、ピン25、パルサープレート27を圧入する動作を行う圧入装置41と、第1ロボット31、第2ロボット37、ワーク拘束装置39、圧入装置41のそれぞれの動作制御を司るPLC(制御装置)43と、を備えて構成されている。
【0014】
取付ステージ29は、半製品ワーク21aに対する複数の取付部材(ピン23、キャップ25、パルサープレート27)の取付け工程等を行う場所である。取付ステージ29は、図1Bに示すように、第1取付ステージ29a及び第2取付ステージ29bを含む。
第1取付ステージ29aでは、半製品ワーク21aに対するキャップ25の取付け、及び、半製品ワーク21aを所定の心出し位置22(位相合わせを含む)に位置決めする動作が行われる。
一方、第2取付ステージ29bでは、半製品ワーク21aに対するピン23、パルサープレート27の取付け動作が行われる。
以下の説明において、第1取付ステージ29a、第2取付ステージ29bを分別した説明を要しない場合、これらを「取付ステージ29」と総称することとする。
【0015】
取付ステージ29の領域及びその周辺には、図1Aに示すように、第1ロボット31、キャップ保持治具32(図1B参照)、ピン保持治具33、プレート保持治具35、第2ロボット37、ワーク拘束装置39、圧入装置41が、それぞれ所定の場所に配設されている。
【0016】
第1ロボット31は、図1Aに示すように、多軸多関節の第1アーム部31aを備える。第1ロボット31に備わる第1アーム部31aは、半製品ワーク21aを把持するワーク把持部31bをその先端に有する。このワーク把持部31bは、弾性部材31cを介して第1アーム部31aに接続されている。これにより、ワーク把持部31bは、第1アーム部31aに対してフローティング支持されている。
第1ロボット31は、ワーク把持部31bによって把持した半製品ワーク21aを取付ステージ29に搬送する役割を果たす。ここで、「半製品ワーク21aを取付ステージ29に搬送する」とは、半製品ワーク21aを第1取付ステージ29aから第2取付ステージ29bに移送する態様を含む概念である。
なお、ワーク把持部31bの設置数は、特に限定されないが、複数設けても構わない。
【0017】
第2ロボット37は、図1Aに示すように、多軸多関節の第2アーム部37aを備える。第2ロボット37に備わる第2アーム部37aは、第1腕部37a1、第2腕部37a2、第3腕部37a3をその先端に有する。第1腕部37a1、第2腕部37a2、第3腕部37a3は、全体として略十字形状に形成されている。第1腕部37a1、第2腕部37a2、第3腕部37a3の各々は、第2アーム部37aに対する傾斜角度及び回転角度を変更可能に構成されている。
【0018】
第2アーム部37aに備わる第1腕部37a1の先端には、キャップ25を把持するキャップ把持部37bが設けられている。第2腕部37a2の先端にはピン23を把持するピン把持部37cが、第3腕部37a3の先端にはパルサープレート27を把持するプレート把持部37dが、それぞれ設けられている。
そのため、第2ロボット37に備わる第2アーム部37aは、キャップ把持部37bによりキャップ25を、ピン把持部37cによりピン23を、プレート把持部37dによりパルサープレート27を、それぞれ一度にまとめて把持することができる。
【0019】
ピン把持部37cは、例えば3種類の外径寸法の異なるピン23を把持可能に構成されている。また、ピン保持治具33は、前記3種類の外径寸法の異なるピン23を保持可能に構成されている。これにより、設計仕様の異なるカムシャフト21の製品21bを製造することができる。
【0020】
第2ロボット37は、第2アーム部37aのキャップ把持部37bによって把持したキャップ25をキャップ保持治具32(図1B参照)に、第2アーム部37aのピン把持部37cによって把持したピン23をピン保持治具33に、第2アーム部37aのプレート把持部37dによって把持したパルサープレート27をプレート保持治具35に、順次それぞれセットする動作を行う。
【0021】
要するに、第2ロボット37は、図1Bに示すように、第1取付ステージ29aに備わるキャップ保持治具32にキャップ25をセットした後、第2取付ステージ29bに備わる、ピン保持治具33にピン23を、プレート保持治具35にパルサープレート27を、順次セットするように動作する。
第1取付ステージ29a、第2取付ステージ29b、第2ロボット37のレイアウト、並びに、第2ロボット37の第2アーム37aに備わるキャップ把持部37b、ピン把持部37c、プレート把持部37dの相対位置関係は、第2ロボット37により複数の取付部材(キャップ25、ピン23、パルサープレート27)を順次セットする際の軌跡の長さが可及的に短くなることを考慮して適宜設定される。
これにより、カムシャフト製品21bの製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を図ることができる。
【0022】
ワーク拘束装置39は、半製品ワーク21aの一側軸部21c1を拘束するワーク拘束部51を備える一方、半製品ワーク21aの他側軸部21c2を軸方向に沿う前進方向(例えば図2B参照)に付勢するプッシュロッド53を備える。
また、ワーク拘束装置39は、プッシュロッド53を進退自在に移動させる動作を行うサーボシリンダ54、立方体形状に形成されてサーボシリンダ54の駆動力をプッシュロッド53に伝える伝達ブロック55、及び、プッシュロッド53を前進方向に付勢することで半製品ワーク21aを拘束状態に保持する機能を有するロッド保持ストッパ56を備えて構成されている。
【0023】
ワーク拘束装置39は、取付ステージ29において第1アーム部31aのワーク把持部31bによって把持されている状態の半製品ワーク21aに対し、一側軸部21c1をワーク拘束部51によって拘束すると共に、他側軸部21c2をプッシュロッド53によって前進方向(例えば図2B参照)に付勢する機能を有する。半製品ワーク21aの他側軸部21c2には、前進移動に伴って半製品ワーク21aの他側軸部21c2を心出し位置22に導く心出し機構(不図示)が備わっている。
この心出し機構は、特に限定されないが、例えば、半製品ワーク21aの他側軸部21c2の端部にすり鉢状の受入れ部を設けることで構成すればよい。
これにより、ワーク拘束装置39は、半製品ワーク21aを一側軸部21c1及び他側軸部21c2の両端側からクランプすることで心出し位置22に拘束するように動作する。
なお、ワーク拘束装置39は、第1取付ステージ29a及び第2取付ステージ29bの両者に設けられている。
【0024】
圧入装置41は、例えば図2A図2Bに示すように、プッシュロッド53等を介して半製品ワーク21aを前進方向及び後退方向に向けて進退自在に移動させる動作を行う第1圧入モードM1と、プレート保持治具35を前進方向及び後退方向に向けて進退自在に移動させる動作を行う第2圧入モードM2と、を動作モードとして有する。
【0025】
こうした動作モードM1、M2を実現するために、圧入装置41は、例えば図2A図2Bに示すように、プレスロッド57aを有するサーボプレス57、プレスブロック59、ピン圧入スペーサ61、昇降装置63、プレート圧入装置65を備えて構成されている。
【0026】
サーボプレス57は、半製品ワーク21a、プレート保持治具35を前進方向及び後退方向に向けて進退自在に移動させる動作を行う。
【0027】
プレスブロック59は、略箱状の枠体により形成されてサーボプレス57の駆動力をプレート保持治具35に伝える役割を果たす。
【0028】
ピン圧入スペーサ61は、半製品ワーク21aの一側軸部21c1に設けた穴部21eにピン23を圧入する動作を行う際に、昇降装置63の下降動作によって進出位置(図10B参照)に移動する。これにより、サーボプレス57の前進駆動力を、ピン圧入スペーサ61及びプッシュロッド53を介して半製品ワーク21aに伝える。
【0029】
昇降装置63は、第1圧入モードM1においてピン圧入スペーサ61を進出位置(図10B参照)に移動させる一方、第2圧入モードM2においてピン圧入スペーサ61を退避位置(図13B参照)に移動させる動作を行う。
【0030】
プレート圧入装置65は、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fに到るまで、パルサープレート27を圧入する際に重要な役割を果たす。プレート圧入装置65の前進方向には、パルサープレート27を保持しているプレート保持治具35が設けられている。プレート圧入装置65が前進方向に移動すると、この移動に伴って、プレート保持治具35も前進方向に移動する。こうして、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fに到るまでパルサープレート27を圧入することができる。
【0031】
第1圧入モードM1では、サーボプレス57は、ピン圧入スペーサ61及びプッシュロッド53をそれぞれ介して、半製品ワーク21aを前進方向に移動させる。これにより、圧入装置41は、ピン保持治具33によって保持したピン23を半製品ワーク21aの一側軸部21c1に設けた穴部21eに圧入する。
【0032】
一方、第2圧入モードM2では、サーボプレス57は、プレスブロック59及びプレート圧入装置65をそれぞれ介して、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35を前進方向に移動させる。
これにより、圧入装置41は、プレート保持治具35によって保持したパルサープレート27に設けた貫通孔27aを、半製品ワーク21aの他側軸部21c2に圧入する。
【0033】
要するに、圧入装置41は、ワーク拘束装置39によって半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束した状態で、第1圧入モードM1又は第2圧入モードM2の各々において、共通のサーボプレス57による前進方向への駆動力を振り分けて用いて、第1圧入モードM1、第2圧入モードM2による各動作モードを順次働かせることにより、半製品ワーク21aに対してピン23、パルサープレート27をそれぞれ圧入する動作を行う。
【0034】
なお、圧入装置41は、第1取付ステージ29a及び第2取付ステージ29bの両者に設けられている。ただし、第1取付ステージ29aに備わる圧入装置41では、プレート圧入装置65に代えて、キャップ圧入装置(不図示)が設けられている。
キャップ圧入装置は、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるキャップ取付部(図3C参照)に対してキャップ25を圧入する機能を有する。キャップ圧入装置の前進方向には、キャップ25を保持しているキャップ保持治具32(図1B参照)が設けられている。
【0035】
半製品ワーク21aの一側軸部21c1を支持した状態で、キャップ圧入装置が前進方向に移動すると、この移動に伴って、キャップ保持治具32も前進方向に移動する。こうして、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるキャップ取付部(図3C参照)に対してキャップ25を圧入することができる。
【0036】
PLC(制御装置)43は、予め教示又は設定された手順に従って、第1ロボット31、第2ロボット37、ワーク拘束装置39、圧入装置41のそれぞれの動作制御を行う。
【0037】
〔カムシャフト製造装置11の動作手順〕
次に、カムシャフト製造装置11の動作手順について、図4A図4B図5A図5B図16A図16Bを適宜参照して説明する。
図4A図4Bは、カムシャフト製造装置11の動作手順を表すシーケンス図である。図5A図5Bは、カムシャフト製造装置11の動作手順のうち、半製品ワーク21aに対するピン23及びパルサープレート27の取付け準備工程を表す説明図である。図6A図6Bは、半製品ワーク21aに対するピン23の取付け準備工程を表す説明図である。図7A図7Bは、半製品ワーク21aに対するパルサープレート27の取付け準備工程を表す説明図である。図8A図8Bは、第1ロボット31による取付ステージ29への半製品ワーク21aの搬送工程を表す説明図である。図9A図9Bは、半製品ワーク21aのクランプ工程を表す説明図である。図10A図10Bは、昇降装置63によるピン圧入スペーサ61の進出位置への移動工程を表す説明図である。図11A図11Bは、半製品ワーク21aに対するピン23の圧入取付け工程を表す説明図である。図12A図12Bは、半製品ワーク21aに対するサーボプレス57の後退工程を表す説明図である。図13A図13Bは、昇降装置63によるピン圧入スペーサ61の退避位置への移動工程を表す説明図である。図14A図14Bは、半製品ワーク21aに対するパルサープレート27の圧入取付け工程を表す説明図である。図15A図15Bは、半製品ワーク21aに対するサーボプレス57の後退工程を表す説明図である。図16A図16Bは、第1ロボット31による払い出し場所への半製品ワーク21aの搬出工程を表す説明図である。
なお、カムシャフト製造装置11の動作手順の説明にあたり、説明の便宜上、半製品ワーク21aには予めキャップ25が取り付けられているものとする。
【0038】
図4Aに示すステップS1において、第2ロボット37は、図5A図5B図6A図6B図7A図7Bに示すように、第2アーム部37aの第2腕部37a2に設けたピン把持部37cによって把持したピン23をピン保持治具33にセットすると共に、第3腕部37a3に設けたプレート把持部37dによって把持したパルサープレート27をプレート保持治具35にセットする。
なお、ピン23は、カムシャフト21をエンジン(不図示)に組み込む際に、軸回り方向における取付け位置を規制する趣旨で設けられている。また、パルサープレート27は、軸回り方向におけるピン23の取付け位置を基準として、軸回り方向における所定の位置に圧入取付けされる。
【0039】
ステップS2において、第1ロボット31は、図8A図8Bに示すように、キャップ25が予め取り付けられた半製品ワーク21aを、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって把持した状態で、取付ステージ29へと搬送する。
【0040】
ステップS3において、第1ロボット31及びワーク拘束装置39は、図9A図9Bに示すように、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aから取付ステージ29における心出し位置22への半製品ワーク21aの受け渡しを協働して行う。
【0041】
すなわち、まず、ワーク拘束装置39は、図9A図9Bに示すように、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって把持した状態の半製品ワーク21aを、取付ステージ29において一側軸部21c1及び他側軸部21c2の両端側からクランプすることで心出し位置22に拘束する。
【0042】
このワーク拘束装置39による心出し位置22への半製品ワーク21aの拘束は、取付ステージ29において第1ロボット31に備わる第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって把持されている状態の半製品ワーク21aに対し、一側軸部21c1をワーク拘束部51によって拘束すると共に、他側軸部21c2をプッシュロッド53によって前進方向(例えば図9B参照)に付勢することで行われる。
【0043】
実際には、半製品ワーク21aの拘束は、図9A図9Bに示すように、ワーク拘束装置39に備わるサーボシリンダ54に前進方向の駆動力を生じさせ、この駆動力を伝達ブロック55を介してプッシュロッド53に伝えることにより、プッシュロッド53を前進方向に付勢移動させることで遂行される。
【0044】
しかも、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aから取付ステージ29における心出し位置22への半製品ワーク21aの受け渡しは、第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって半製品ワーク21aを把持した状態で行われる。
こうした半製品ワーク21aの受け渡しの際に、第1ロボット31側の把持による半製品ワーク21aの軸心と、取付ステージ29における心出し位置22に係る軸心とが相互にズレる、軸心ズレと呼ばれる現象を生じるケースが起こり得る。
軸心ズレ現象を生じるケースでは、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aから取付ステージ29における心出し位置22への半製品ワーク21aの円滑な受け渡しが妨げられる。
【0045】
そこで、第1ロボット31では、図9Bに示すように、第1アーム部31aが有するワーク把持部31bは、弾性部材31cを介して第1アーム部31aに接続されている。要するに、ワーク把持部31bは、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aに対してフローティング支持されている。
【0046】
そのため、半製品ワーク21aの受け渡しの際に軸心ズレ現象を生じるケースであっても、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aとワーク把持部31bとの間に介在するように設けた弾性部材31cがたわむ(弾性変形する)ことで前記軸心ズレを吸収するように作用する。
その結果、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aから取付ステージ29における心出し位置22への半製品ワーク21aの円滑な受け渡しを担保することができる。
【0047】
ステップS4において、第1ロボット31は、図10Bに示すように、ワーク把持部31bによって把持していた半製品ワーク21aを解放し、取付ステージ29から待機位置へと退避する。
【0048】
ステップS5において、圧入装置41は、第1圧入モードM1での動作を始める。
すなわち、圧入装置41に備わる昇降装置63は、図10A図10Bに示すように、ピン圧入スペーサ61を下降させることにより進出位置へと移動させる。
【0049】
ステップS6において、圧入装置41の備わるサーボプレス57は、図11A図11Bに示すように、ピン圧入スペーサ61及びプッシュロッド53をそれぞれ介して、半製品ワーク21aを前進方向へと移動させる。
これにより、圧入装置41は、ピン保持治具33によって保持したピン23を半製品ワーク21aの一側軸部21c1に設けた穴部21eに圧入する。
【0050】
このとき、プレート圧入装置65は、サーボプレス57による前進方向の駆動力を受ける。ただし、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35は、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fにまで到達していない。
これは、第1圧入モードM1では、サーボプレス57に備わるプレスロッド57aの前端部57a1と、プッシュロッド53の後端部53aとの間に介在するピン圧入スペーサ61が立体的な障害となって、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35の、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fへの到達を妨げるからである。
【0051】
ステップS7において、圧入装置41の備わるサーボプレス57は、図12A図12Bに示すように、プレスロッド57aを後退方向に向けて移動させる。
このプレスロッド57aの後退移動に先立って、ワーク拘束装置39に備わるロッド保持ストッパ56は、プッシュロッド53を前進方向に付勢するように動作する。
これにより、半製品ワーク21aは拘束状態に保持される。
【0052】
図4Bに示すステップS8において、圧入装置41は、第2圧入モードM2での動作を始める。
すなわち、圧入装置41に備わる昇降装置63は、図13A図13Bに示すように、ピン圧入スペーサ61を上昇させることにより退避位置へと移動させる。
【0053】
ステップS9において、圧入装置41の備わるサーボプレス57は、図14A図14Bに示すように、プレスブロック59及びプレート圧入装置65をそれぞれ介して、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35を前進方向に移動させる。
これにより、圧入装置41は、プレート保持治具35によって保持したパルサープレート27に設けた貫通孔27aを、半製品ワーク21aの他側軸部21c2に圧入する。
【0054】
このとき、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35は、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fにまで到達する。
これは、第2圧入モードM2では、サーボプレス57に備わるプレスロッド57aの前端部57a1と、プッシュロッド53の後端部53aとの間にはピン圧入スペーサ61が介在していない(立体的な障害がない)ため、プレート圧入装置65に設けたプレート保持治具35の、半製品ワーク21aの他側軸部21c2におけるプレート取付部21fへの到達が妨げられないからである。
【0055】
ステップS10において、圧入装置41の備わるサーボプレス57は、図15A図15Bに示すように、プレスロッド57aを後退方向に向けて移動させる。
このプレスロッド57aの後退移動に先立って、ワーク拘束装置39に備わるロッド保持ストッパ56は、プッシュロッド53を前進方向に付勢するように動作する。
これにより、半製品ワーク21aは拘束状態に保持される。
【0056】
ステップS11において、第1ロボット31は、図16Bに示すように、待機位置から取付ステージ29へと移動すると共に、ワーク把持部31bによってカムシャフト製品21bの軸部21cを把持する。
【0057】
ステップS12において、ワーク拘束装置39は、図16A図16Bに示すように、
第1ロボット31に備わる第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって軸部21cが把持され、かつ、軸部21cの両端がクランプされた状態のカムシャフト製品21bについて、クランプ状態を解除する。これにより、カムシャフト製品21bは、クランプ状態の拘束から解放される。
【0058】
ステップS13において、第1ロボット31は、図16Bに示すように、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aが有するワーク把持部31bによって把持した状態のカムシャフト製品21bを払い出し場所(不図示)へと搬出する。
【0059】
〔カムシャフト製造装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係るカムシャフト製造装置11の作用効果について説明する。
第1の観点に基づくカムシャフト製造装置11は、カムシャフト21の半製品ワーク21aに対して複数の取付部材を取付けることでカムシャフト製品21bを製造するカムシャフト製造装置が前提となる。
第1の観点に基づくカムシャフト製造装置11では、複数の取付部材として、半製品ワーク21aの一側軸部21c1に取付けられるピン23、他側軸部21c2に取付けられるパルサープレート27を含む。
第1の観点に基づくカムシャフト製造装置11は、半製品ワーク21aを取付ステージ29に搬送する動作を行う第1ロボット31と、ピン23をピン保持治具33にセットすると共にパルサープレート27をプレート保持治具35にセットする動作を行う第2ロボット37と、第1ロボット31によって取付ステージ29に搬送されてきた半製品ワーク21aを所定の心出し位置22に拘束する動作を行うワーク拘束装置39と、半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束した状態で、ピン保持治具33によって保持したピン23を一側軸部21c1に設けた穴部21eに圧入すると共に、プレート保持治具35によって保持したパルサープレート27に設けた貫通穴27aを他側軸部21c2に圧入する動作を行う圧入装置41と、を備える。
第1ロボット31に備わる第1アーム部31aは、半製品ワーク21aを把持するワーク把持部31bを有し、ワーク把持部31bは、弾性部材31cを介して第1アーム部31aに接続され、これにより、ワーク把持部31bは第1アーム部31aに対してフローティング支持されている。
第1ロボット31は、ワーク把持部31bによって把持した半製品ワーク21bを取付ステージ29に搬送する。
ワーク拘束装置39は、取付ステージ29においてワーク把持部31bによって把持されている状態の半製品ワーク21aに対し、軸部21c両端側からクランプすることで半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束する動作を行う。
【0060】
第1の観点に基づくカムシャフト製造装置11では、第1ロボット31は、半製品ワーク21aを取付ステージ29に搬送する動作を行う。第2ロボット37は、ピン23をピン保持治具33にセットすると共にパルサープレート27をプレート保持治具35にセットする動作を行う。ワーク拘束装置39は、第1ロボット31によって取付ステージ29に搬送されてきた半製品ワーク21aを所定の心出し位置22に拘束する動作を行う。圧入装置41は、取付ステージ29における心出し位置22に半製品ワーク21aを拘束した状態で、ピン保持治具33によって保持したピン23を一側軸部21c1に設けた穴部21eに圧入すると共に、プレート保持治具35によって保持したパルサープレート27に設けた貫通穴27aを他側軸部21c2に圧入する動作を行う。
ワーク拘束装置39は、取付ステージ29において、第1アーム部31aに対してフローティング支持されているワーク把持部31bによって把持された状態の半製品ワーク21aに対し、軸部21c両端側からクランプすることで半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束する動作を行う。
【0061】
第1の観点に基づくカムシャフト製造装置11によれば、圧入装置41は、取付ステージ29における心出し位置22に半製品ワーク21aを拘束した状態で、ピン保持治具33によって保持したピン23を一側軸部21c1に設けた穴部21eに圧入すると共に、プレート保持治具35によって保持したパルサープレート27に設けた貫通穴27aを他側軸部21c2に圧入する動作を行うため、カムシャフト製品21bの製造工程を簡素化すると共に、同製造工程に要するタクトタイムの短縮化を図ることができる。
また、ワーク拘束装置39は、取付ステージ29において、第1アーム部31aに対してフローティング支持されているワーク把持部31bによって把持された状態の半製品ワーク21aに対し、軸部21c両端側からクランプすることで半製品ワーク21aを心出し位置22に拘束する動作を行うため、仮に、半製品ワーク21aの受け渡しの際に軸心ズレ現象を生じるケースであっても、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aとワーク把持部31bとの間に介在するように設けた弾性部材31cがたわむことで前記軸心ズレを吸収するように作用する。
その結果、第1ロボット31に備わる第1アーム部31aから取付ステージ29における心出し位置22への半製品ワーク21aの円滑な受け渡しを担保することができる。
【0062】
〔その他の実施形態〕
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
【符号の説明】
【0063】
11 カムシャフト製造装置
21 カムシャフト
21a 半製品ワーク(カムシャフト)
21b カムシャフト製品(カムシャフト)
21c 軸部
21c1 一側軸部
21c2 他側軸部
21d カム部
21e 穴部
21f プレート取付部
22 心出し位置
23 ピン
25 キャップ
27 パルサープレート
27a 貫通孔
29 取付ステージ
29a 第1取付ステージ
29b 第2取付ステージ
31 第1ロボット
31a 第1アーム部
31b ワーク把持部
31c 弾性部材
32 キャップ保持治具
33 ピン保持治具
35 プレート保持治具
37 第2ロボット
37a 第2アーム部
37a1 第1腕部
37a2 第2腕部
37a3 第3腕部
37b キャップ把持部
37c ピン把持部
37d プレート把持部
39 ワーク拘束装置
41 圧入装置
43 制御装置
51 ワーク拘束部
53 プッシュロッド
53a プッシュロッドの後端部
54 サーボシリンダ
55 伝達ブロック
56 ロッド保持ストッパ
57 サーボプレス
57a プレスロッド
57a1 プレスロッドの前端部
59 プレスブロック
61 ピン圧入スペーサ
63 昇降装置
65 プレート圧入装置
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B