(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ペリスコープ構造を用いる二重インキュベーションリング用光度計光結合素子
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G01N35/04 A
(21)【出願番号】P 2022513122
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 US2020048296
(87)【国際公開番号】W WO2021041745
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-27
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ピー・ミザー
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ウッド
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-147760(JP,U)
【文献】特開2010-145377(JP,A)
【文献】国際公開第2010/073604(WO,A1)
【文献】実開平05-031446(JP,U)
【文献】特開2007-225339(JP,A)
【文献】特開昭61-013139(JP,A)
【文献】特開昭60-146156(JP,A)
【文献】実開昭56-060906(JP,U)
【文献】特開昭61-029740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外診断に使用するためのインキュベーションリングに光度計を連結するシステムであって:
1つまたはそれ以上の光源と;
内側トラフおよび外側トラフを含むインキュベーションリングアセンブリであって、各トラフは、(a)内側アパーチャを含む内壁、および(b)外側アパーチャを含む外壁、を含むインキュベーションリングアセンブリと;
内側トラフに対して配置された第1の光度計であって:
光源からの光を内側トラフの外側アパーチャを通るように導く第1の光学系ハウジング、および
内側トラフの内側アパーチャを通して光を受けるように配置された第1の検出器
を含む、第1の光度計と;
外側トラフに対して取り付けられ配置された第2の光度計であって:
光源からの光を外側トラフの内側アパーチャを通るように導く第2の光学系ハウジング、および
外側トラフの外側アパーチャを通して光を受けるように配置された第2の検出器
を含む、第2の光度計と
を含
み、
1つまたはそれ以上の光ファイバケーブルが、光源からの光を第1の光学系ハウジングおよび第2の光学系ハウジングまで伝送し、
第1の光学系ハウジングは:
光源からの光を伝送する光ファイバケーブルを受けるための垂直チャネルと、
内側トラフの外側アパーチャに連結された水平チャネルと、
光を垂直チャネルから水平チャネルへ方向を変えて内側トラフの外側アパーチャに通すための1つまたはそれ以上の反射面とを含み、
垂直チャンネルに、前記1つまたはそれ以上の反射面に光を集束させるための2つ以上の非球面コリメートレンズをさらに含み、
第2の光学系ハウジングは:
光源からの光を伝送する光ファイバケーブルを受けるための垂直チャネルと、
外側トラフの内側アパーチャに連結された水平チャネルと、
垂直チャネルからの光を水平チャネルへ方向を変えて外側トラフの内側アパーチャに通すための1つまたはそれ以上の反射面とを含み、
垂直チャンネルに、前記1つまたはそれ以上の反射面に光を集束させるための2つ以上の非球面コリメートレンズをさらに含む、前記システム。
【請求項2】
光源は、(a)第1の光ファイバケーブルを介して第1の光学系ハウジングに連結された第1の光源と、(b)第2の光ファイバケーブルを介して第2の光学系ハウジングに連結された第2の光源とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の光源は、二分岐光ファイバケーブル束を介し第2の光ファイバケーブルを介して第1の光学系ハウジングおよび第2の光学系ハウジングに連結された単一の光源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
インキュベーションリングアセンブリは、内側トラフおよび外側トラフの各開放セクションによって画成された上面と、該上面の反対側にある下面とを含み、システムはさらに:
インキュベーションリングアセンブリの下面の下に位置するベースプレートを含み、
第1の光度計および第2の光度計はそれぞれ、ベースプレートに取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
1つまたはそれ以上の光源は、インキュベーションリングアセンブリに対してベースプレートの下に位置する、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
第1の検出器および第2の検出器はそれぞれ、インキュベーションリングアセンブリに対してベースプレートの下に位置する、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
1つまたはそれ以上の光源は、インキュベーションリングアセンブリに対してベースプレートの上に位置する、請求項
4に記載のシステム。
【請求項8】
第1の検出器および第2の検出器はそれぞれ、インキュベーションリングアセンブリに対してベースプレートの下に位置する、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
光度計システムであって:
1つまたはそれ以上の光源から光を伝送する光ファイバケーブルを受ける第1のチャネル、
第1のチャネルに或る角度で連結された第2のチャネル;および
光ファイバケーブルからの光を第2のチャネルへ方向を変えるための1つまたはそれ以上の反射面;を含
み、
1つまたはそれ以上の反射面に光を集束させるための2つ以上の非球面コリメートレンズを第1のチャネルにさらに含む、光学系ハウジングと:
光学系ハウジングの第2のチャネルに対して平行に向けられ、光学系ハウジングから受けた光に基づいて光度測定値を生成するように構成された検出器と
を含む、前記光度計システム。
【請求項10】
光学系ハウジングは、インキュベーションリングアセンブリの2つのトラフの間に嵌合するように寸法設定されている、請求項
9に記載の光度計システム。
【請求項11】
光学系ハウジングはさらに:
1つまたはそれ以上のピンと、
第1のチャネルに平行に延びており、光学系ハウジングをインキュベーションリングアセンブリの下のベースプレートに連結するために、光学系ハウジングを通ってピンの挿入を可能にする、1つまたはそれ以上の空洞と
を含む、請求項
10に記載の光度計システム。
【請求項12】
光学系ハウジングの第2のチャネルにはねじ山が付けられており、光度計システムはさらに:
第2のチャネルに螺着して光学系ハウジングをインキュベーションリングアセンブリのトラフのうちの1つの壁に連結するように寸法設定されたナットを含む、請求項
10に記載の光度計システム。
【請求項13】
第2のチャネルの外面とトラフの壁との間に配置された封止部をさらに含む、請求項
12に記載の光度計システム。
【請求項14】
反射面が光学ミラーを含む、請求項
9に記載の光度計システム。
【請求項15】
反射面が放物面鏡を含む、請求項
9記載の光度計システム。
【請求項16】
反射面がダイクロイックレンズを含む、請求項
9に記載の光度計システム。
【請求項17】
反射面がプリズムを含む、請求項
9に記載の光度計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月28日に出願された米国特許仮出願第62/893,063号の利益を主張し、同仮出願は、参照によってその全体を本明細書に組み入れる。
【0002】
本発明は一般に、体外診断用の自動臨床化学分析器に使用するために光度計をインキュベーションリングに結合するシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
体外診断(IVD)は、患者の流体試料に対し実施されるアッセイに基づいてラボが疾患の診断を支援することを可能にする。IVDには、患者の体液、または膿瘍から採取された液体試料の分析によって実施できる患者の診断および治療に関連する様々な種類の分析試験およびアッセイが含まれる。これらのアッセイは通常、患者の試料を含む管またはバイアルなどの流体容器が装填されている自動臨床化学分析器(分析器)を用いて実施される。この分析器は、バイアルから液体試料を取り出し、その試料と様々な試薬を特殊な反応キュベットまたは管(一般に、反応容器と呼ばれる)の中で混合する。
【0004】
分析器にはモジュール方式がよく用いられる。いくつかの大型システムには、1つの試料処理モジュールと別のモジュールの間で患者試料を往復させることができるラボオートメーションシステムが含まれる。これらのモジュールには、試料処理ステーションおよび試験ステーションを含めて、1つまたはそれ以上のステーションが含まれる。試験ステーションとは、特定の種類のアッセイに特化している、かつ分析器内の試料に対して所定の試験サービスを提供するユニットのことである。例示的な試験ステーションとしては、イムノアッセイ(IA)ステーションおよび臨床化学(CC)ステーションがある。小規模なラボを通常は含む一部のラボでは、これらの試験ステーションは、独立型/単独型分析器または試験モジュールとして設けることができ、それによってオペレータが、ラボ内の各ステーションにおけるCC試験またはIA試験のための個々の試料または試料のトレイを手動で装填すること、および取り出すことが可能になる。
【0005】
典型的なCC分析器/モジュールの中心部には、インキュベーションリングアセンブリがある。上述のアッセイを実施するには、反応が、適切に制御された温度範囲で、典型的には人体試料の公称温度と一致する温度で起こる必要がある。インキュベータリングは、移動リング上のギアリングまたはベルトを駆動する、ベースに取り付けられたモータによって通常は駆動されて固定ベースに対して回転する。このインキュベータリングにより、長さが異なるアッセイを並行して実施することが可能になり、それによって、一部のキュベットが分析物/試薬を受けること、一部が試料アリコートを受けること、一部が分析されること、一部が洗浄されることなどが同時に可能になる。本出願に特に関連する1つのアッセイは、光度分析である。この分析は、リングに連結された光度計を使用して実施され、このリングは、試料管がリング上を移動するときに光を試料管に通過させる。
【0006】
一部のシステムでは、温度を調節するために、ベースは一般に、ベースと熱的に接触している温度センサから熱フィードバックを受けるコントローラが駆動する従来の加熱要素によって加熱される。熱制御されたベースは、ベースとインキュベータリングの間の空隙を加熱し、これによりキュベットが加熱される。筐体が、内部の空気の全体積を断熱するために設けられる。熱的に調節された空気中にあるので、リングは、定常状態条件のときには設定温度を維持する。
【0007】
他のシステムでは、温度を調節するために二重反応リングが水で満たされ、この水は、水と接触している温度センサから熱フィードバックを受けるコントローラが駆動する密閉ヒータ要素によって加熱される。これにより水槽は、所望の反応温度になるまで加熱される。反応キュベットは水槽と直接接触しており、一定運動の動きをして設定点を定常状態条件に維持する。
【0008】
最近、二重インキュベーションリング構造が、CCモジュールの処理量を増加させるために開発された。従来の単一リング構造とは対照的に、二重インキュベーションリングには2つのリング:内側リングとそれより大きい外側リングとがある。それぞれのリングは、別々のアッセイを通して別個に試料を輸送することが可能である。しかし、現在の二重インキュベーションリングの構造では、スペースの制約により、光度計光源と光検出器構成要素を光学的に直接連結して使用することが可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態では、ペリスコープ構造を用いる二重インキュベーションリングに光度計を連結することに関連する方法、システム、および装置を提供することによって、上記の短所および欠点のうちの1つまたはそれ以上に対処し克服する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態によれば、体外診断に使用するためのインキュベーションリングに光度計を連結するシステムは、1つまたはそれ以上の光源と、インキュベーションリングアセンブリと、2つの光度計とを含む。インキュベーションリングアセンブリは、内側トラフおよび外側トラフを含む。各トラフは、(a)内側アパーチャを含む内壁と、(b)外側アパーチャを含む外壁とを含む。第1の光度計は、内側トラフに対して配置される。この第1の光度計は:光源からの光を内側トラフの外側アパーチャを通るように導く第1の光学系ハウジングと、内側トラフの内側アパーチャを通して光を受けるように配置された第1の検出器とを含む。第2の光度計は、外側トラフに対して配置される。この第2の光度計は、光源からの光を外側トラフの内側アパーチャを通るように導く第1の光学系ハウジングと、外側トラフの外側アパーチャを通して光を受けるように配置された第2の検出器とを含む。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、光度計システムは光学系ハウジングおよび検出器を含む。光学系ハウジングは、2つのチャネル、および1つまたはそれ以上の反射面を含む。第1のチャネルは、1つまたはそれ以上の光源から光を伝送する光ファイバケーブルを受ける。第2のチャネルは、第1のチャネルに或る角度で連結されている。反射面は、光ファイバケーブルからの光を第2のチャネルへ方向を変える。検出器は、光学系ハウジングの第2のチャネルに対して平行に向けられ、また検出器は、光学系ハウジングから受けた光に基づいて光度測定値を生成する。
【0012】
別の実施形態では、体外診断システムにおいて試料を試験する方法は、光学系ハウジングの垂直チャネル内で光ファイバケーブルから光信号を受けることを含む。光信号は、或る角度で光信号が反射されてインキュベーションリングアセンブリのトラフの第1のアパーチャを通るように、光学系ハウジングの反射面に向けられる。光信号は、インキュベーションリングアセンブリのトラフの第2のアパーチャを通って検出器で受けられる。その後、光信号が処理されて1つまたはそれ以上の光度測定値が決定される。
【0013】
本発明のさらなる構成および利点は、添付の図面を参照して進められる例示的な実施形態についての以下の詳細な説明により明らかになろう。
【0014】
本発明の上記およびその他の態様は、添付の図面と併せ読めば、以下の詳細な説明により最もよく理解される。本発明を説明するために、現在好ましい実施形態が図面に示されているが、本発明は、開示された特定の手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】いくつかの実施形態による、体外診断に使用するためのインキュベーションリングに光度計を連結するシステムを示す図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態において、光学系ハウジングをベースプレートにどのようにして取り付けることができるかの一例を提供する図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、検出器をベースプレート125に取り付けるために、ねじをどのように使用できるかの一例を示す図である。
【
図4】例示的な光学系ハウジングをインキュベーションリングアセンブリの外部リングに取り付けることを示す図である。
【
図5】
図4に提示された光学系ハウジングが完全に取り付けられていることを示す俯瞰図である。
【
図6】インキュベーションリングアセンブリの外部リング上に位置する例示的な光学系ハウジングおよび検出器の俯瞰図である。
【
図7A】いくつかの実施形態による、光度計を二重インキュベーションリングに連結するための第1の例示的な構成を示す図である。
【
図7B】光源がベースプレートの上に取り付けられている、
図7Aに示された第1の例の一代替実施態様を示す図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、光度計を二重インキュベーションリングに連結するための第2の例示的な構成を示す図である。
【
図8B】光源がベースプレートの上に取り付けられている、
図8Aに示された第2の例の一代替実施態様を示す図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、光度計を二重インキュベーションリングに連結するための第3の例示的な構成を示す図である。
【
図9B】光源がベースプレートの上に取り付けられている、
図9Aに示された第3の例の一代替実施態様を示す図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、光度計を二重インキュベーションリングに連結するための第4の例示的な構成を示す図である。
【
図10B】光源がベースプレートの上に取り付けられている、
図10Aに示された第4の例の一代替実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は一般に、ペリスコープ構造を用いて光度計を二重インキュベーションリングに連結することに関連する方法、システム、および装置に関する。より詳細には、本明細書に開示された構造では、光源(たとえば、ハロゲン、LEDまたはハイブリッド)は、任意の所望の空間位置としてベースプレートの下に位置し、最小限の空間内で光ファイバケーブルによって二重インキュベーションリング間のペリスコープアセンブリに連結される。光は、一組の非球面コリメートレンズによってファイバから集束され、次に、光学ミラー、放物面ミラー、ダイクロイックレンズ、またはプリズムによって、或る角度(たとえば、45度)で向きが変えられ、光学キュベットを通過する適切なビーム配向を得るためのターゲットアパーチャに当たって、検出器に当たる。いくつかの実施形態では、こうしたことは、二分岐光ファイバを使用する単一の光源を使用して、リングの両側に給光するように行うことができる。同様に、いくつかの実施形態では、本明細書に開示された一般的な構造は、単一の光源、および単区間光ファイバを用いて実現される。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態による、体外診断に使用するためのインキュベーションリングに光度計を連結するシステム100を示す。インキュベーションリングアセンブリ105は、外側トラフ105Aおよび内側トラフ105Bを含む。各トラフは、2つのアパーチャを含む。分かりやすいように、
図1は、これらのアパーチャを内側トラフ105Bについてのみ示す。具体的には、内側トラフ105Bは、第1のアパーチャ105Cを外壁(すなわち、インキュベーションリングアセンブリ105の中心点から最も遠い壁)に有し、第2のアパーチャ105Dを内壁(すなわち、インキュベーションリングアセンブリ105の中心点に最も近い壁)に有している。
【0018】
図1は、光学系ハウジング110および検出器115を含む光度計アセンブリを示す。1つまたはそれ以上の光源(
図1に示されていない)が、光を光学系ハウジング110まで光ファイバケーブル120を介して送出する。当技術分野で一般に理解されているように、光ファイバは、可変長の可撓性ケーブルで光を長距離にわたって伝送することを可能にする。したがって、光ファイバを使用すると、空間制約に適合するように、製造可能な仕様に適合するように、サービスアクセスを可能にするようになど、光源を要望通りにインキュベーションリングアセンブリ105の下に配置することが可能になる。
【0019】
光学系ハウジング110は、インキュベーションリングアセンブリ105のトラフ間の最小空間位置に光学系ハウジング110が嵌合できる「ペリスコープ」構造に基づいている。光学系ハウジング110の中で、垂直チャネル110Aが光ファイバケーブル120を受ける。非球面コリメートレンズ110Dが、光ファイバケーブル120からの光を反射面110Cに集束する。この反射面110Cは、たとえば、光学ミラー、放物面鏡、ダイクロイックレンズ、またはプリズムを含み得る。反射面110Cにより、光は方向を変えて水平チャネル110Bを横切り、内側トラフ105Bの第1のアパーチャ105Cを通過する。
【0020】
引き続き
図1を参照すると、検出器115は、内側トラフ105Bの第2のアパーチャ105Dを通過した光を受けるように位置する。システム100の動作中、試料を保持する容器は、内側トラフ105B中を移動する。容器は、透明にすることも、光が光学系ハウジング110から検出器115まで伝送されるときに通過する窓を含むこともできる。光度測定の当業者であれば理解されるように、試験試料中の有機および無機の化合物を識別する1つの方法は、試料中の特定のイオンに反応してそのイオンを変色させる化学試薬を添加することである。試薬によって着色された試料に光が通されると、存在するイオンに基づいて1つまたはそれ以上の色が吸収される。検出器115が次に、吸収されなかった光を分析して、試料中にどんな化合物が存在するかを推測することができる。
【0021】
図1で、光度計の構成要素は、インキュベーションリングアセンブリ105の下のベースプレート125に取り付けられている。より詳細には、インキュベーションリングアセンブリ105は、外側トラフ105Aおよび内側トラフ105Bの各開放セクションによって画成された上面130Aと、上面130Aの反対側にある下面130Bとを含む。ベースプレート125が、インキュベーションリングアセンブリ105の下面130Bの下に位置する。このベースプレート125は、システムによって試料分析が行われている間にベースプレート125がインキュベーションリングアセンブリ105と共に回転するように、分析器システムの下部構成要素に取り付けられる。その後、光学系ハウジング110および検出器115は、ベースプレート125に取り付けられる。第2の光度計が外側トラフ105Aに対して配置される実施形態では、これらの構成要素は、同じように同一のベースプレート125に取り付けることができる。光学系ハウジング110と検出器115の両方に対して単一の取り付けベースプレートを使用すると、正確な位置合わせ、および容易な製造が可能になることに留意されたい。
【0022】
図2は、本発明のいくつかの実施形態において、光学系ハウジング110をベースプレート125にどのようにして取り付けることができるかの一例を提供する。封止部215が、振動を最小限にしながら堅牢な連結部を設けるために、光学系ハウジング110とインキュベーションリングアセンブリ105の連結部に使用される。この封止部215は、たとえば、U字形のゴムガスケットとすることができる。光学系ハウジング110は、ピン205を受けるように寸法設定された2つの空洞を含む。その後、これらのピン205はベースプレート125のピンハウジング210に挿入されて、取り付けが完了する。いくつかの実施形態では、ピンハウジング210は移動可能である。したがって、光学系ハウジング110の位置は、検出器115、およびインキュベーションリングアセンブリ105のアパーチャと整合される。これらの構成要素が完全に整合された後、ピンハウジング210の位置が固定される。その後、構成要素は分解され、臨床の場に配備される。配備されると、ピンハウジング210を配置することにより、光学系ハウジング110の整合された位置が維持されることが確実になる。同様の手順が、検出器115を適所に配置するために使用される。たとえば、
図3は、いくつかの実施形態による、ベースプレート125に検出器115を取り付けるために、ねじ305がどのように使用されるかの一例を示す。
図2および
図3に示された一般的な方法は、必要に応じて、追加の光度計を取り付けるために適用される。
【0023】
図4は、いくつかの実施形態による、光学系ハウジング410をインキュベーションリングアセンブリ404の外部リングに取り付けることを示す。この例では、分かりやすいように単一のトラフ415が示されているが;他の実施形態では、追加のトラフがトラフ415の内部に含まれる。さらに、インキュベーションリングアセンブリ404とは対照的に、
図4の例では、アパーチャ420は円形であり、円形封止部425が、光学系ハウジング410をトラフ415に連結するときに使用される。この連結部は、ワッシャ430およびナット435を使用して固定され、後者が光学系ハウジング410の水平チャネル410Aのねじ山に螺着している。
図5は、完全に取り付けられた光学系ハウジング410の俯瞰図であり、ナット435は完全に締め付けられている。
【0024】
図6は、いくつかの実施形態による、インキュベーションリングアセンブリ615の外部リング上に位置する光学系ハウジング605および検出器610の俯瞰図である。この例では、光学系ハウジング605と検出器610の間に維持されなければならない特定の距離(印620で示す)があることが想定されている。この距離を支持するために、インキュベーションリングアセンブリ615は、光学系ハウジング605のまわりで局所的に狭くなり、それによって、光学系ハウジング605がリングの中心のより近くに配置されることが可能になる。
【0025】
図7A~
図10Bは、光度計を二重インキュベーションリングアセンブリに連結するための例示的な構成を示す。これらの例では、LED光源が使用されている。当技術分野において一般に理解されているように、LED光源では、従来のハロゲンランプに対して寿命を長くすることができ、その結果、システムの全体維持費が少なくなる。
図7Aで、2つの検出器705A、705Bが、ベースプレート725上でインキュベーションリングアセンブリ720と同一平面に取り付けられている。単一のLED光源710が、光をインキュベーションリングアセンブリ720の光学系ハウジングに供給するために使用される。単一光源を使用することは、たとえば、システム全体のコスト低減の手段として好ましいことがある。二分岐ファイバ束715は、光を各個別の光学系ハウジングに供給することができるように光を分割する。
図7Bは、
図7Aに提示された構成の一代替実施態様を示す。
図7Bの例では、単一LED光源710は、ベースプレート725の上に取り付けられている。二分岐ファイバ束715付きのファイバケーブルを使用することにより、サービスのためのアクセスのしやすさなどの要素に応じて、どちらの構成でも光源710の取り付けが可能になる。
【0026】
図8Aは同様の構成を提供しており、検出器805A、805Bが、ベースプレート825上でインキュベーションリングアセンブリ820と同一平面に取り付けられている。しかし、
図7とは対照的に、
図8には別々の光ファイバケーブル815A、815Bによって連結された2つのLED光源810A、810Bがある。
図8Bは、この構成の代替バージョンを示しており、LED光源810Aおよび810Bがベースプレート825の上に取り付けられている。
【0027】
図9A、
図9B、
図10A、および
図10Bは、検出器がインキュベーションリングアセンブリの下に取り付けられている構成を示す。
図9Aは、光源910が光をベースプレート925に取り付けられたインキュベーションリングアセンブリ920内の光学系ハウジングに、二分岐ファイバ束915を介して供給するという点で
図7Aと類似している。しかし、
図7Aとは対照的に、光ケーブル925A、925Bが、インキュベーションリングアセンブリ920の下で取り込まれた光をそれぞれ検出器905A、905Bまで中継するために使用されている。
図9Bは、光源910がベースプレート925の上に取り付けられているが、検出器905A、905Bは再びベースプレート925の下に配置されている代替構成を示す。
【0028】
図10Aでは、ベースプレート1030に取り付けられたインキュベーションリングアセンブリ1020の光学系ハウジングに光ファイバケーブル1015A、1015Bによって連結された、対称形の二連LED光源1010A、1010Bを利用している。
図9Aに提示された例と同様に、
図10Aに示された構成では、インキュベーションリングアセンブリ1020の下の検出器1005A、1005Bまで光を中継するために、第2の組の光ファイバケーブル1025A、1025Bを利用する。
図10Bは、LED光源1010A、1010Bがベースプレート1030の上に取り付けられている代替構成を示す。
【0029】
本開示の実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実現される。さらに、本開示の実施形態で使用される機能は、たとえば、コンピュータ読み出し可能な非一時的媒体を有する製造物(たとえば、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム製品)に含まれる。この媒体は、たとえば、本開示の実施形態の機構を提供し、使いやすくするためのコンピュータ可読プログラムコードを具現化している。製造物は、コンピュータシステムの一部として含まれるか、個別に販売される。
【0030】
本明細書の機能および処理ステップは、ユーザコマンドに応答して自動的に、または全体的に、または部分的に実施される。自動的に実施される動作(ステップを含む)は、ユーザが動作を直接起動しなくても、1つまたはそれ以上の実行可能な命令またはデバイス作動方法に応答して実施される。
【0031】
図に示されたシステムは、排他的なものではない。他のシステムが、同じ目的を達成するために本発明の原理によって導出される。本発明について特定の実施形態を参照して説明してきたが、本明細書に示され説明された実施形態および変形形態は、説明のためだけのものであることを理解されたい。現在の構造に対する修正は、当業者によって、本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。本明細書で説明されたように、様々なシステム、サブシステム、エージェント、マネージャ、およびプロセスが、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、および/またはこれらの組み合わせを用いて実現される。本明細書の請求項要素は、その要素が「の手段」という語句を用いて明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)項の規定によって解釈されることはない。