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特許7386334組織試料インピーダンス測定を有する生検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】組織試料インピーダンス測定を有する生検システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20231116BHJP
   A61B 5/0538 20210101ALN20231116BHJP
【FI】
A61B10/02 300D
A61B10/02 110K
A61B10/02 110J
A61B5/0538
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022517828
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2019052180
(87)【国際公開番号】W WO2021054974
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ボイル,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】サンパス・クマラン,ランジャニ
(72)【発明者】
【氏名】ペルゼック,ブライオン
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0049728(US,A1)
【文献】特表2018-509605(JP,A)
【文献】特開2009-225854(JP,A)
【文献】特開2010-210588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0038262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を切断して組織試料を取得するように構成された生検プローブであって、生検針部分を有し、前記生検針部分が、近位端部、遠位端部、および内腔を有する、生検プローブと、
前記内腔に結合された真空源であって、前記内腔を通して前記組織試料を搬送し、前記生検針部分の前記近位端部において前記内腔から前記組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成された、真空源と、
前記生検プローブの前記近位端部から前記組織試料を受け入れるように構成され、前記組織試料を圧迫するように動作可能である圧迫板の配列であって、複数のインピーダンス測定電極を有する、圧迫板の配列と、
前記複数のインピーダンス測定電極に接続されたインピーダンス測定回路と
を備える、生検システム。
【請求項2】
前記圧迫板の配列が、組織試料収集容器内に配置される、請求項1に記載の生検システム。
【請求項3】
前記圧迫板の配列が、前記真空源の遠位に配置される、請求項1または2に記載の生検システム。
【請求項4】
前記圧迫板の配列が、少なくとも1つの可動板、およびドライバ機構を備え、前記ドライバ機構が、各可動板を移動させて前記組織試料の圧迫をもたらすように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の生検システム。
【請求項5】
前記圧迫板の配列が、可動板、固定板、およびドライバ機構を備え、前記ドライバ機構が、前記可動板を前記固定板に向かって移動させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の生検システム。
【請求項6】
前記ドライバ機構が、前記可動板を移動させるために前記可動板に結合されたピストンを有するシリンダを備え、前記ピストンが、気体の力および液体の力のうちの一方を介して移動される、請求項4または5に記載の生検システム。
【請求項7】
前記ドライバ機構が、機械式デバイスおよび電気機械式デバイスのうちの一方を備える、請求項4または5に記載の生検システム。
【請求項8】
前記圧迫板の配列の各圧迫板が、少なくとも1つのインピーダンス測定電極を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の生検システム。
【請求項9】
前記圧迫板の配列のうちの1つの圧迫板が、少なくとも2つのインピーダンス測定電極を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の生検システム。
【請求項10】
前記インピーダンス測定回路が、前記複数のインピーダンス測定電極のそれぞれに電気的に結合され、前記インピーダンス測定回路が、前記複数のインピーダンス測定電極のうちの少なくとも1対のインピーダンス測定電極を作動させるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の生検システム。
【請求項11】
前記圧迫板の配列が、第1の圧迫板および第2の圧迫板を含み、前記第1の圧迫板が、前記複数のインピーダンス測定電極のうちの第1のインピーダンス測定電極のサブセットを有し、前記第2の圧迫板が、前記複数のインピーダンス測定電極のうちの第2のインピーダンス測定電極のサブセットを有する、請求項1に記載の生検システム。
【請求項12】
前記インピーダンス測定回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのそれぞれに電気的に結合され、前記インピーダンス測定回路が、インピーダンス測定を促進するために、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させ、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行するプロセッサ回路を有する、請求項11に記載の生検システム。
【請求項13】
前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、第1のアレイパターンで配置され、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、第2のアレイパターンで配置される、請求項11に記載の生検システム。
【請求項14】
前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、第1のアレイパターンで配置され、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、第2のアレイパターンで配置される、請求項12に記載の生検システム。
【請求項15】
前記第1のアレイパターンの前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、前記第2のアレイパターンの前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、前記プロセッサ回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの対向した対のインピーダンス測定電極を順次作動させるプログラム命令を実行する、請求項14に記載の生検システム。
【請求項16】
前記プロセッサ回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの複数の対向した対のインピーダンス測定電極を同時に作動させるプログラム命令を実行する、請求項14または15に記載の生検システム。
【請求項17】
組織を切断して組織試料を取得するように構成された生検プローブであって、生検針部分を有し、前記生検針部分が、近位端部、遠位端部、および内腔を有する、生検プローブと、
前記内腔に結合された真空源であって、前記内腔を通して前記組織試料を搬送し、前記生検針部分の前記近位端部において前記内腔から前記組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成された、真空源と、
前記生検プローブの前記近位端部から前記組織試料を受け入れるように構成された組織試料収集容器であって、圧迫板の配列を有し、前記圧迫板の配列が、可動圧迫板および固定圧迫板を含み、前記圧迫板の配列が、前記可動圧迫板と前記固定圧迫板との間で前記組織試料を圧迫するように動作可能である、組織試料収集容器と、
前記可動圧迫板を前記固定圧迫板に向かって移動させるように構成されたドライバ機構と、
前記可動圧迫板上の第1のインピーダンス測定電極のサブセットと、
前記固定圧迫板上の第2のインピーダンス測定電極のサブセットであって、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している、第2のインピーダンス測定電極のサブセットと、
前記可動圧迫板の前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、前記固定圧迫板の前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続された、インピーダンス測定回路と
を備える、生検システム。
【請求項18】
前記インピーダンス測定回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのそれぞれに電気的に結合され、前記インピーダンス測定回路が、インピーダンス測定を促進するために、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させ、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行するプロセッサ回路を有する、請求項17に記載の生検システム。
【請求項19】
前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、第1のアレイパターンで配置され、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、第2のアレイパターンで配置される、請求項17または18に記載の生検システム。
【請求項20】
前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、第1のアレイパターンで配置され、前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、第2のアレイパターンで配置され、前記第1のアレイパターンの前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、前記第2のアレイパターンの前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、前記プロセッサ回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの対向した対のインピーダンス測定電極を順次作動させるプログラム命令を実行する、請求項18に記載の生検システム。
【請求項21】
前記プロセッサ回路が、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの複数の対向した対のインピーダンス測定電極を同時に作動させるプログラム命令を実行する、請求項18または20に記載の生検システム。
【請求項22】
生検システムのための組織インピーダンス測定デバイスであって、
組織試料を受け入れるように構成された組織試料収集容器であり、圧迫板の配列を有し、前記圧迫板の配列が、第1の圧迫板および第2の圧迫板を含み、前記圧迫板の配列が、前記第1の圧迫板と前記第2の圧迫板との間で前記組織試料を圧迫するように動作可能である、組織試料収集容器と、
前記第1の圧迫板を前記第2の圧迫板に向かって移動させるように構成されたドライバ機構と、
前記第1の圧迫板上の第1のインピーダンス測定電極のサブセットと、
前記第2の圧迫板上の第2のインピーダンス測定電極のサブセットであり、前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している、第2のインピーダンス測定電極のサブセットと、
前記第1の圧迫板の前記第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、前記第2の圧迫板の前記第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続された、インピーダンス測定回路と
を備える、組織インピーダンス測定デバイス。
【請求項23】
前記第1の圧迫板が、移動可能であり、前記第2の圧迫板が、固定されている、請求項22に記載の組織インピーダンス測定デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
なし。
[0002]本発明は、生検システムに関し、より詳細には、組織試料インピーダンス測定能力を有する生検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]マンモグラフィに基づいた患者の胸部内の微小石灰化の発見後に、生検処置が開始され得る。微小石灰化は、シュウ酸カルシウムまたはヒドロキシアパタイトの小さな沈着であり、これらは、患者の潜在的な癌組織の早期指標である。生検システムは、患者の標的部位から組織試料を分離し収集するためのデバイスを含む。1つのそのような生検システムは、ドライバ構成要素と、ドライバ構成要素に解放可能に固着されるプローブ構成要素とを含む。プローブ構成要素は、細長い管状セクションと、穿通性のある遠位先端と、遠位先端に近い管状セクションの遠位端部における組織受入れ開口とを有し、かつ、組織切削部材を有し、この組織切削部材は、組織切削部材の内腔に真空を印加することにより開口を通じてデバイスの内部に引き込まれた組織標本を切削するために、プローブ部材内に摺動可能に配置される。現在の臨床の慣習は、典型的には、生検処置後に微小石灰化の確認のために収集した組織試料のx線写真を撮ることを含む。
【0003】
[0004]インピーダンス測定能力を有する針を具備することが知られており、この場合、周囲組織のインピーダンスが測定され得る。例えば、2017年12月15日に出願された、国際出願第PCT/US2017/066660号に対応する国際公開第WO/2019/117943号に開示されているように、生検プローブが、組織タイプ判定および/または侵入深さ測定を促進するために、組織インピーダンスを測定するための電極を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005]生検処置中に生検システムにより迅速かつ容易に取得組織試料における微小石灰化の有無を確認することができる生検システムが、本技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]本発明は、生検処置中に生検システムにより迅速かつ容易に取得組織試料における微小石灰化の有無を確認することができる生検システムを提供する。
[0007]本発明は、1つの形態では、組織を切断して組織試料を取得するように構成された生検プローブを含む生検システムを対象とする。生検プローブは、近位端部、遠位端部、および内腔を有する生検針部分を具備する。真空源が、内腔に結合される。真空源は、内腔を通して組織試料を搬送し、生検針部分の近位端部において内腔から組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成される。圧迫板の配列(arrangement of compression plates)が、生検プローブの近位端部から組織試料を受け入れるように構成され、組織試料を圧迫するように動作可能である。圧迫板の配列は、複数のインピーダンス測定電極を有する。インピーダンス測定回路が、複数のインピーダンス測定電極に接続される。
【0006】
[0008]本発明は、別の形態では、組織を切断して組織試料を取得するように構成された生検プローブを含む生検システムを対象とする。生検プローブは、近位端部、遠位端部、および内腔を有する生検針部分を具備する。真空源が、内腔に結合される。真空源は、内腔を通して組織試料を搬送し、生検針部分の近位端部において内腔から組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成される。組織試料収集容器が、生検プローブの近位端部において組織試料を受け入れるように構成される。組織試料収集容器は、圧迫板の配列を有する。圧迫板の配列は、可動圧迫板および固定圧迫板を含む。圧迫板の配列は、可動圧迫板と固定圧迫板との間で組織試料を圧迫するように動作可能である。ドライバ機構が、可動圧迫板を固定圧迫板に向かって移動させるように構成される。第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、可動圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、固定圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している。インピーダンス測定回路が、可動圧迫板の第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、固定圧迫板の第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続される。
【0007】
[0009]本発明は、なおも別の形態では、生検システムのための組織インピーダンス測定デバイスを対象とする。組織インピーダンス測定デバイスは、組織試料を受け入れるように構成された組織試料収集容器を含む。組織試料収集容器は、圧迫板の配列を有する。圧迫板の配列は、第1の圧迫板および第2の圧迫板を含む。圧迫板の配列は、第1の圧迫板と第2の圧迫板との間で組織試料を圧迫するように動作可能である。ドライバ機構が、第1の圧迫板を第2の圧迫板に向かって移動させるように構成される。第1のインピーダンス測定電極のサブセットが、第1の圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットが、第2の圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している。インピーダンス測定回路が、第1の圧迫板の第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、第2の圧迫板の第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続される。
【0008】
[0010]本発明の利点は、生検処置中の取得組織試料における微小石灰化の有無の確認を提供する能力であり、これは、例えば、取得組織試料において微小石灰化が検出され次第生検処置を終わらせることにより、必要とされる個々の組織試料の数を潜在的に減らすことができ、これは、患者における胸部圧迫時間および穿刺時間を抑えることを含めて、全生検処置時間を短縮させる。
【0009】
[0011]別の利点は、ユーザが様々なタイプの微小石灰化を区別するのを支援する能力である。
[0012]本発明の一実施形態に関する以下の説明を添付の図面と併せて参照することにより、本発明の上記その他の特徴および利点ならびにそれらを実現する態様は、より明らかになるであろうし、本発明は、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0013]本発明の一実施形態による生検システムの正面図である。
図2】[0014]図1の生検システムの生検器具の側面図である。
図3】[0015]図1の生検システムのインピーダンス測定回路、圧迫板の配列、および複数のインピーダンス測定電極のブロック図である。
図4】[0016]図3の圧迫板の配列の各圧迫板上のインピーダンス測定電極のサブセットのそれぞれのアレイパターンの概略図である。
図5A】[0017]複数の矩形要素を有する矩形格子マトリックスの形態をしたインピーダンスマップを表示する、図1の生検システムの表示画面の概略図である。
図5B】[0018]複数の円形要素を有する矩形格子マトリックスの形態をしたインピーダンスマップを表示する、図1の生検システムの表示画面の概略図である。
図6】[0019]複数のインピーダンス測定電極が漏斗状フレーム上に配置されている、生検処置中に取得組織試料のインピーダンス測定を行うように構成された生検器具の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0020]いくつかの図にわたって、対応する参照文字は、対応する部品を示す。本明細書において提示された各事例は、本発明の少なくとも1つの実施形態を示し、また、そのような事例は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
[0021]次に図面を、より具体的には図1を参照すると、生検処置中に取得組織試料のインピーダンス測定を行って取得組織試料における1つまたは複数の微小石灰化の有無を確認するように構成された、本発明の一実施形態による生検システム10が示されている。生検処置後に微小石灰化の確認のために試料のx線写真を使用する現在の臨床状況と対照的に、本発明は、有利には、生検処置中の取得組織試料における微小石灰化の有無の確認を提供することができ、これは、例えば、取得組織試料において微小石灰化が検出され次第生検処置を終わらせることにより、必要とされる個々の組織試料の数を潜在的に減らすことができ、これは、患者における胸部圧迫時間および穿刺時間を抑えることを含めて、全生検処置時間を短縮させる。
【0013】
[0022]生検システム10は、コンソール12、および生検器具14を含む。生検器具14は、電気ケーブル16および真空チューブ18を介してコンソール12に接続される。
[0023]コンソール12は、ハウジング20、構成要素取付けポール22、器具トレイ24、および表示画面26を含む。表示画面26は、例えば、LEDモニタ、LCDモニタ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットであってよい。ハウジング20内には、真空源28およびコントローラ30が含まれる。真空源28は、真空チューブ18を介して生検器具14と流体連通している。コントローラ30は、電気ケーブル16を介してコントローラ30に電気的にかつ通信可能に結合される。コントローラ30はまた、別個の電気ケーブル(図示せず)を介して表示画面26に電気的にかつ通信可能に結合される。
【0014】
[0024]真空源28は、膜板ポンプまたは蠕動ポンプなどの真空ポンプを含む。
[0025]コントローラ30は、例えば、生検処置に関連付けられた機能を行うプログラム命令を実行するためのマイクロプロセッサおよび関連するメモリを含み得る。例えば、コントローラ30は、取得組織試料のうちの1つの回収および処理のための生検器具14および真空源28の動作を制御するプログラム命令を実行するように構成される。さらに、コントローラ30はまた、表示画面26上にメッセージ、画像、およびアイコンを生成するプログラム命令を実行するように構成される。
【0015】
[0026]図2も参照すると、生検器具14は、手持ち式ドライバ(換言すれば、駆動装置)32および生検プローブ34を含む。生検プローブ34は、使い捨てのユニットであってよい。手持ち式ドライバ32は、生検プローブ34に駆動係合するように解放可能に取り付けられる。具体的には、手持ち式ドライバ32は、1つまたは複数の駆動歯車を含む駆動列に回転可能に結合される少なくとも1つの電気モータを含み、生検プローブ34は、手持ち式ドライバ32の駆動列の1つまたは複数の駆動歯車に対応して係合する1つまたは複数の被動歯車を含む被動歯車列を具備する。
【0016】
[0027]図2に示されるように、手持ち式ドライバ32は、ドライバハウジング36、試料スイッチ38、真空スイッチ39、組織インピーダンス測定スイッチ40を含む。試料スイッチ38、真空スイッチ39、および組織インピーダンス測定スイッチ40のそれぞれは、例えば、押しボタンであってよい。
【0017】
[0028]生検プローブ34は、プローブハウジング42、生検針部分44、および組織試料収集容器46を含む。組織試料収集容器46は、真空チューブ18を介して真空源28に流体連通するように結合される。生検針部分44は、スタイレット48、および長手軸52に沿ってスタイレット48と同軸に配置された切削カニューレ50を含む。本実施形態では、組織試料収集容器46は、生検針部分44から組織試料を受け入れる。しかし、組織試料収集容器46は、生検針部分44内に配置されるかまたはその一部分を形成し得ることが意図されている。また、本実施形態では、組織試料収集容器46は、生検器具14の一部であるが、組織試料収集容器46は、コンソール12内に配置され得ることが意図されている。
【0018】
[0029]スタイレット48は、試料ノッチ(換言すれば、切欠き部)48-1および遠位端部48-2を含むカニューレの形態である。遠位端部48-2は、生検針部分44の遠位端部を形成する先細の穿孔先端として構成される。スタイレット48は、長手軸52の周りの複数の別個の角度位置のそれぞれに試料ノッチ48-1を位置決めするために、被動歯車列を介して長手軸52の周りで回転可能である。
【0019】
[0030]切削カニューレ50は、近位端部50-1、遠位切削端部50-2、および近位端部50-1と遠位切削端部50-2との間に延在する内腔50-3を含む。切削カニューレ50の近位端部50-1は、生検針部分44の近位端部を形成し、かつ、切削カニューレ50の内腔50-3が組織試料収集容器46を介して真空源28と流体連通するように、組織試料収集容器46内に受け入れられる。切削カニューレ50は、回転方向の運動、例えば揺動運動を有することができ、かつ、生検部位において組織を受け入れるためにスタイレット48の試料ノッチ48-1が開く後退位置とスタイレット48の試料ノッチ48-1を閉じる伸長位置との間で、被動歯車列を介して試料ノッチ48-1に対して軸方向に摺動可能である。
【0020】
[0031]試料取得動作は、試料スイッチ38を作動させることによって開始されてよく、このときに、切削カニューレ50は、後退位置から伸長位置に移行し、それにより、切削カニューレ50の遠位切削端部50-2は、試料ノッチ48-1を長手方向に通過するように動かされ、試料ノッチ48-1によって受け入れられた組織を切断して、組織試料が取得される。
【0021】
[0032]例えば試料取得動作中に自動で、または真空スイッチ39を手動で作動させることにより、真空源28が作動されると、取得組織試料は、真空を介して切削カニューレ50の内腔50-3を通して搬送され、また、取得組織試料は、生検針部分44の切削カニューレ50の近位端部50-1において内腔50-3から組織試料収集容器46内に放出される。
【0022】
[0033]図2および3を参照すると、本発明の一態様によれば、生検器具14は、インピーダンス測定回路58に電気的に結合された複数のインピーダンス測定電極56を有する圧迫板の配列54を含む。インピーダンス測定回路58は、複数のインピーダンス測定電極56のそれぞれに電気的に結合される。インピーダンス測定回路58は、複数のインピーダンス測定電極56のうちの少なくとも1対のインピーダンス測定電極を作動させるように構成される。
【0023】
[0034]本実施形態では、圧迫板の配列54は、真空源28に対して遠位の位置にある組織試料収集容器46内に位置決めされる。圧迫板の配列54は、組織試料TSが圧迫板の配列54の2つの圧迫板54-1、54-2の間に放出されるように、生検プローブ34の切削カニューレ50の近位端部50-1から取得組織試料TSを受け入れるように構成される。圧迫板の配列54は、取得組織試料TSを2つの圧迫板54-1、54-2の間で圧迫するように動作可能である。圧迫板の配列54が組織試料TSを圧迫するにつれて、複数のインピーダンス測定電極56は、組織試料TSに接触するかまたは接触しかつ穿孔する。
【0024】
[0035]さらに図3を参照すると、圧迫板の配列54は、第1の圧迫板54-1および第2の圧迫板54-2を含む。圧迫板の配列54の圧迫板54-1、54-2のそれぞれは、複数のインピーダンス測定電極56のうちの少なくとも1つのインピーダンス測定電極を有する。より具体的には、第1の圧迫板54-1は、複数のインピーダンス測定電極56のうちの第1のインピーダンス測定電極のサブセット(換言すれば、組)60を有し、第2の圧迫板54-2は、複数のインピーダンス測定電極56のうちの第2のインピーダンス測定電極のサブセット62を有する。第1のインピーダンス測定電極のサブセット60は、第1の圧迫板54-1から軸方向に突出し、第2のインピーダンス測定電極のサブセット62は、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60に対向し、面するように、第2の圧迫板54-2から反対の軸方向に突出する。インピーダンス測定回路58は、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60および第2のインピーダンス測定電極のサブセット62のそれぞれに電気的に結合される。
【0025】
[0036]本実施形態では、第1の圧迫板54-1は、可動板であり、本明細書では可動圧迫板54-1と呼ばれる場合もある。第2の圧迫板54-2は、固定(換言すれば、静止)板であり、本明細書では固定圧迫板54-2と呼ばれる場合もある。ドライバ機構55が、例えば可動圧迫板54-1である可動板に接続される。本実施形態では、ドライバ機構55は、取得組織試料TSを圧迫するために、可動圧迫板54-1を固定圧迫板54-2に向かって例えば長手軸に沿って軸方向に移動させるように構成される。しかし、圧迫板54-1、54-2のどちらかまたは両方が他方に向かって移動可能であってよいことが、意図されている。
【0026】
[0037]1つの実施態様では、ドライバ機構55は、可動圧迫板54-1を移動させるために可動圧迫板54-1に結合されたピストンを有するシリンダを含み、ピストンは、例えば真空である気体の力、および液体の力のうちの一方を介して移動される。別の実施態様では、ドライバ機構55は、ソレノイドまたはモータドライブなどの電気機械式デバイスであり得る。なおも別の実施態様では、ドライバ機構55は、圧迫板54-1、54-2のどちらかまたは両方の手動での移動を容易にし得る、例えば圧迫板スライダガイドおよび/または歯車列を有する、機械式デバイスであり得る。
【0027】
[0038]図3を特に参照すると、インピーダンス測定回路58は、複数のインピーダンス測定電極56の各インピーダンス電極に電気的にかつ個別に結合される。本実施形態では、インピーダンス測定回路58は、生検器具14上、例えば手持ち式ドライバ32および/または生検プローブ34上に配置される。しかし、代わりにインピーダンス測定回路58は所望に応じてコンソール12内に配置され得ることが、意図されている。
【0028】
[0039]インピーダンス測定回路58は、プロセッサ回路(換言すれば、処理回路)58-1、入力信号回路58-2、およびインピーダンス出力回路58-3を含む。
[0040]プロセッサ回路58-1は、マイクロプロセッサ、関連するメモリ、および関連する入力/出力回路を含む。プロセッサ回路58-1は、組織インピーダンス測定スイッチ40およびドライバ機構55のそれぞれに電気的にかつ通信可能に結合される。プロセッサ回路58-1は、取得組織試料TSの様々な領域からインピーダンス測定を行うプログラム命令を実行するように構成される。組織インピーダンス測定スイッチ40の作動に応じて、プロセッサ回路58-1は、取得組織試料TSを圧迫板54-1、54-2の間で圧迫し、圧迫された組織試料TSのインピーダンス測定を開始するために、ドライバ機構(換言すれば、駆動機構)55を作動させるプログラム命令を実行する。
【0029】
[0041]より詳細には、本実施形態では、プロセッサ回路58-1は、インピーダンス測定を促進するために、第1の圧迫板54-1の第1のインピーダンス測定電極のサブセット60から少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させ、第2の圧迫板54-2の第2のインピーダンス測定電極のサブセット62から少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行する。
【0030】
[0042]入力信号回路58-2は、特定の固定周波数においてあるいは変化する周波数範囲において無線周波数信号を生成し、この無線周波数信号は、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60に供給され、取得組織試料TSを通過し、第2のインピーダンス測定電極のサブセット62を介して帰還する。例えば、変化する周波数の電流が組織上に(例えば、100Hzから1KHzの間の周波数において)供給されてよく、また、インピーダンスを計算するために変化する電圧が測定されてよい。1つの実施態様では、例えば、プロセッサ回路58-1は、取得組織試料TSの選択された領域の個々のインピーダンス測定を行うために、インピーダンス測定電極のサブセット60、62のうちの各所定のインピーダンス測定電極の対を通して無線周波数信号を送る。本実施形態では、インピーダンス出力回路58-3は、受信した電圧/電流信号をコントローラ30に供給され得るインピーダンス値に変換する電圧/電流検出器回路として構成され、コントローラ30は、インピーダンス測定値を表示画面26に表示するプログラム命令を実行する。しかし、例えばホイートストンブリッジ、電圧比較器、または他の共鳴もしくはr.f.法などの他のタイプの出力回路が使用され得ることが、意図されている。
【0031】
[0043]図4も参照すると、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60は、第1のアレイ(換言すれば、配列)パターンで配置され、第2のインピーダンス測定電極のサブセット62は、第2のアレイパターンで配置される。本実施形態では、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60の第1のアレイパターンおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセット62の第2のアレイパターンのそれぞれは、向かい合った同数のインピーダンス測定電極を含む。
【0032】
[0044]本実施形態では、第1のアレイパターンおよび第2のアレイパターンのそれぞれは、行および列の座標によってインデックス付け可能な矩形マトリックスに配置される。より詳細には、この例では、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60の第1のアレイパターンは、行R1、R2、R3、R4、R5、および列C1、C2、C3、C4を含む。第2のインピーダンス測定電極のサブセット62の第2のアレイパターンは、行R11、R12、R13、R14、R15、および列C11、C12、C13、C14を含む。
【0033】
[0045]図2~4に示された圧迫板54-1、54-2の配列において、第1のアレイパターンの第1のインピーダンス測定電極のサブセット60は、第2のアレイパターンの第2のインピーダンス測定電極のサブセット62に対向する。例えば、図4を再度参照すると、圧迫板54-1の中央右上領域でのインピーダンス読取りが望まれた場合、プロセッサ回路58-1は、圧迫板54-1の電極R2、C2、および圧迫板54-2の対向する電極R12、C12を作動させることができる。
【0034】
[0046]プロセッサ回路58-1は、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60および第2のインピーダンス測定電極のサブセット62のうちの対向した対のインピーダンス測定電極、例えば電極対(R1,C1;R11,C11);(R1,C2;R11,C12);(R1,C3;R11,C13)…(R5,C4;R15,C14)を順次作動させるプログラム命令をさらに実行することができる。行-列の対向した対の組合せにわたって順次インデックス付けすることにより、取得組織試料TSの全ての領域のインピーダンス読取りが達成されて、オペレータによる解析および比較のための2Dインピーダンスマップの形態で表示画面26上にインピーダンス測定コレクションとして提示され得る。
【0035】
[0047]例えば、図5Aおよび5Bも参照すると、表示画面26上に生成されたインピーダンスマップ64が示されており、このインピーダンスマップ64は、複数のインピーダンス測定電極56から生成された測定データのインピーダンス測定コレクションを含む。本実施形態では、インピーダンスマップ64は、2D格子マトリックスの形態であり得る。しかし、インピーダンス測定データを表現するために例えば線グラフ、棒グラフ、または図形などの他のグラフ表示が使用され得ることが、意図されている。インピーダンスマップ64は、取得組織試料TSの複数の領域の組織インピーダンス測定を表現し、ここで、それぞれの暗い領域、例えば矩形または円(ドット)は、微小石灰化の存在を表す。したがって、インピーダンスマップ64は、ユーザが健康な組織と微小石灰化とを区別するのを支援するために、また、組織試料TSにおける微小石灰化の箇所に関する位置情報を提供するために、電極56の2Dマトリックスによって測定されたときの組織試料TSにおける複数の箇所に関して、組織試料TSにわたる微小石灰化の有無を示す。
【0036】
[0048]また、そのようなインピーダンス測定コレクションを含むインピーダンスマップ64の表示は、ユーザが様々なタイプの微小石灰化を区別するのを支援するために、さらに使用され得る。例えば、2つのタイプの微小石灰化、すなわち、シュウ酸カルシウム(タイプI)、および、通常カルシウムヒドロキシアパタイトであるリン酸カルシウム複合体(タイプII)が存在する。これらは、タイプI微小石灰化とタイプII微小石灰化とを区別するために、各タイプに対して異なるインピーダンス範囲を提供する生体インピーダンス識別を通じて区別することができ、これは、良性の微小石灰化と癌性の微小石灰化とをそれぞれ選別するのに役立つ。さらに、異なる2つのタイプの石灰化は、インピーダンスマップ64の2D格子マトリックスにおける暗い領域、例えば矩形または円(ドット)内の異なる2種類の色、影、または模様として表示画面26上に表示され得る。
【0037】
[0049]あるいは、プロセッサ回路58-1は、組織試料TSのより広範な領域にわたってインピーダンス測定を行うために、必要に応じて第1のインピーダンス測定電極のサブセット60および第2のインピーダンス測定電極のサブセット62の対向したまたは対向していない複数のインピーダンス測定電極の対を同時に作動させるプログラム命令を実行し得ることが、意図されている。
【0038】
[0050]さらなる代替形態として、プロセッサ回路58-1は、一方の圧迫板上の作動された対のインピーダンス測定電極間での組織試料の部分のインピーダンス測定を促進するために、圧迫板のうちの1つだけ、例えば第1の圧迫板54-1および第2の圧迫板54-2のうちの一方から1対のインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行し得ることが、意図されている。例えば、プロセッサ回路58-1は、インピーダンス測定のために第1の圧迫板54-1の第1のインピーダンス測定電極のサブセット60から1対のインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行し得る。この例では、第1のインピーダンス測定電極のサブセット60から異なるインピーダンス測定電極の対を順次選択することにより、組織試料TSにわたって複数のインピーダンス測定が行われ得る。
【0039】
[0051]本実施形態では、組織試料収集容器46、圧迫板の配列54、複数のインピーダンス測定電極56、およびインピーダンス測定回路58は、生検器具14内に配置されるが、これらの構成要素は、代わりにコンソール12内に配置され得ることが、意図されている。さらに、これらの構成要素は、生検プローブ34内に配置されるかまたはその一部を形成してもよく、また、生検針部分44内に配置されるかまたはその一部を形成してもよいことが、意図されている。
【0040】
[0052]図6は、生検処置中に取得組織試料のインピーダンス測定を行うように構成された生検器具100の別の実施形態の略図である。
[0053]生検器具100は、生検プローブ102、組織試料収集容器104、および(上記の)真空源28を含む。組織試料収集容器104は、漏斗状フレーム106を含む。本実施形態では、漏斗状フレーム106は、第1の板106-1および第2の板106-2を有するV字形状の構造の形態である。第1の板106-1および第2の板106-2は、固定されていてよく、あるいは、移動可能であってよい。第1の板106-1および第2の板106-2のそれぞれは、中実の板であってよく、あるいは、複数の開口部または細孔を有する板の形態であってよい。また、第1の板106-1および第2の板106-2のそれぞれは、平坦であってよく、または、長手方向および/もしくは幅方向に湾曲していてもよい。
【0041】
[0054]複数のインピーダンス測定電極108が、漏斗状フレーム106上に配置される。複数のインピーダンス測定電極108は、第1のインピーダンス測定電極のサブセット108-1、および第2のインピーダンス測定電極のサブセット108-2を含む。第1のインピーダンス測定電極のサブセット108-1は、第1の板106-1上に配置され、第2のインピーダンス測定電極のサブセット108-2は、第2の板106-2上に配置される。
【0042】
[0055]図3も参照すると、第1のインピーダンス測定電極のサブセット108-1および第2のインピーダンス測定電極のサブセット108-2は、インピーダンス測定電極のサブセット60、62の態様に類似した態様で、インピーダンス測定回路58に接続され得る。簡潔さのために、インピーダンス測定回路58に関する記述および動作は、ここでは繰り返されない。
【0043】
[0056]動作時には、真空源28によって生成された真空が、生検プローブ102から組織試料収集容器104内へ試料を引き込み、組織試料収集容器104において、組織試料は、漏斗状フレーム106のV字形状内に受け入れられる。次いで、インピーダンス測定回路58に接続された第1のインピーダンス測定電極のサブセット108-1および第2のインピーダンス測定電極のサブセット108-2が、生検される組織試料の組織インピーダンスを複数の箇所で測定する。
【0044】
[0057]開いた側を有する漏斗状フレーム106のV字形状の代わりとして、漏斗状フレーム106は、漏斗状フレーム106の第1の板106-1および第2の板106-2として湾曲した板の円錐台形配置などの他の漏斗状形状を有し得ることが、意図されている。
【0045】
[0058]以下の項目もまた、本発明に関連する。
[0059]1つの形態では、本発明は、生検システムに関する。生検システムは、生検プローブ、真空源、圧迫板の配列、およびインピーダンス測定回路を含む。生検プローブは、組織を切断して組織試料を取得するように構成される。生検プローブは、生検針部分を有する。生検針部分は、近位端部、遠位端部、および内腔を有し得る。真空源は、内腔に結合される(または、そのように構成される)。真空源は、内腔を通して組織材料を搬送し、生検針部分の近位端部において内腔から組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成される。圧迫板の配列は、生検プローブの近位端部から組織試料を受け入れるように構成される。圧迫板の配列は、組織試料を圧迫するように構成される。圧迫板の配列は、複数のインピーダンス測定電極を有する。インピーダンス測定回路は、複数のインピーダンス測定電極に接続される。
【0046】
[0060]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列は、組織試料収集容器内に配置され得、組織試料収集容器は、生検プローブに含まれ得る。
[0061]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列は、真空源の遠位に配置され得る。
【0047】
[0062]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列は、少なくとも1つの可動板、およびドライバ機構を含み得る。ドライバ機構は、各可動板を移動させて組織試料の圧迫をもたらすように構成され得る。
【0048】
[0063]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列は、可動板、固定板、およびドライバ機構を含み得、ドライバ機構は、可動板を固定板に向かって移動させるように構成される。
【0049】
[0064]例えば、いくつかの実施形態では、ドライバ機構は、可動板を移動させるために可動板に結合されたピストンを有するシリンダを含み得、ピストンは、気体の力および液体の力のうちの一方を介して移動され得る。
【0050】
[0065]ドライバ機構を含むいくつかの実施形態では、ドライバ機構は、機械式デバイスおよび電気機械式デバイスのうちの一方であり得る。
[0066]前述の実施形態のいずれかでは、圧迫板の配列の各圧迫板は、少なくとも1つのインピーダンス測定電極を有する。
【0051】
[0067]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列のうちの1つの圧迫板は、少なくとも2つのインピーダンス測定電極を有し得る。
[0068]前述の実施形態のいずれかでは、インピーダンス測定回路は、複数のインピーダンス測定電極のそれぞれに電気的に結合され、インピーダンス測定回路は、複数のインピーダンス測定電極のうちの少なくとも1対のインピーダンス測定電極を作動させるように構成される。
【0052】
[0069]例えば、いくつかの実施形態では、圧迫板の配列は、第1の圧迫板および第2の圧迫板を含み得、場合により、第1の圧迫板は、複数のインピーダンス測定電極のうちの第1のインピーダンス測定電極のサブセットを有し、第2の圧迫板は、複数のインピーダンス測定電極のうちの第2のインピーダンス測定電極のサブセットを有する。
【0053】
[0070]直前の段落の実施形態では、インピーダンス測定回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのそれぞれに電気的に結合される。場合により、インピーダンス測定回路は、インピーダンス測定を促進するために、第1のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させ、第2のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサ回路を有し得る。
【0054】
[0071]第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットを有する実施形態のいずれかでは、第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のアレイパターンで配置され得、第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第2のアレイパターンで配置され得る。
【0055】
[0072]第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットを有する実施形態のいずれかでは、第1のアレイパターンの第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、第2のアレイパターンの第2のインピーダンス測定電極のサブセットに対向する。プロセッサ回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの対向した対のインピーダンス測定電極を順次作動させるプログラム命令を実行するように構成され得る。
【0056】
[0073]第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットを有するいくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの複数の対向した対のインピーダンス測定電極を同時に作動させるプログラム命令を実行するように構成され得る。
【0057】
[0074]別の形態では、本発明はまた、生検システムに関する。生検システムは、生検プローブ、真空源、組織試料収集容器、ドライバ機構、第1のインピーダンス測定電極のサブセット、第2のインピーダンス測定電極のサブセット、およびインピーダンス測定回路を含み得る。生検プローブは、組織を切断して組織試料を取得するように構成される。生検プローブは、生検針部分を有する。生検針部分は、近位端部、遠位端部、および内腔を有し得る。真空源は、内腔に結合される(または、そのように構成される)。真空源は、内腔を通して組織試料を搬送し、生検針部分の近位端部において内腔から組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成される。組織試料収集容器は、生検プローブの近位端部から組織試料を受け入れるように構成される。組織試料収集容器は、圧迫板の配列を有する。圧迫板の配列は、可動圧迫板および固定圧迫板を含み得る。圧迫板の配列は、可動圧迫板と固定圧迫板との間で組織試料を圧迫するように構成される。ドライバ機構は、可動圧迫板を固定圧迫板に向かって移動させるように構成される。第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、可動圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、固定圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している。インピーダンス測定回路は、可動圧迫板の第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、固定圧迫板の第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続される。この生検システムは、段落[0079]の組織インピーダンス測定デバイスと、組織を切断して組織試料を取得するように構成された生検プローブであって、近位端部、遠位端部、および内腔を有する生検針部分を具備する、生検プローブと、内腔に結合(されるように構成)された真空源であって、内腔を通して組織試料を搬送し、生検針部分の近位端部において内腔から組織試料を放出するために、真空を生じさせるように構成された、真空源と、を含み得る。
【0058】
[0075]例えば、直前の段落の実施形態におけるようないくつかの実施形態では、インピーダンス測定回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのそれぞれに電気的に結合される。インピーダンス測定回路は、インピーダンス測定を促進するために、第1のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させ、第2のインピーダンス測定電極のサブセットから少なくとも1つのインピーダンス測定電極を作動させるプログラム命令を実行するように構成され得るプロセッサ回路を有し得る。
【0059】
[0076]例えば、直前の2つの段落の実施形態におけるようないくつかの実施形態では、第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のアレイパターンで配置され得、第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第2のアレイパターンで配置され得る。
【0060】
[0077]例えば、直前の段落の実施形態におけるようないくつかの実施形態では、第1のアレイパターンの第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、第2のアレイパターンの第2のインピーダンス測定電極のサブセットに対向する。プロセッサ回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの対向した対のインピーダンス測定電極を順次作動させるプログラム命令を実行するように構成され得る。
【0061】
[0078]いくつかの実施形態では、プロセッサ回路は、第1のインピーダンス測定電極のサブセットおよび第2のインピーダンス測定電極のサブセットのうちの複数の対向した対のインピーダンス測定電極を同時に作動させるプログラム命令を実行するように構成され得る。
【0062】
[0079]他の形態では、本発明はまた、生検システムのための組織インピーダンス測定デバイスに関する。組織インピーダンス測定デバイスは、組織試料収集容器、ドライバ機構、第1のインピーダンス測定電極のサブセット、第2のインピーダンス測定電極のサブセット、およびインピーダンス測定回路を含む。組織試料収集容器は、組織試料を受け入れるように構成される。組織試料収集容器は、圧迫板の配列を有する。圧迫板の配列は、第1の圧迫板および第2の圧迫板を含む。圧迫板の配列は、第1の圧迫板と第2の圧迫板との間で組織試料を圧迫するように構成される。ドライバ機構は、第1の圧迫板を第2の圧迫板に向かって移動させるように構成され得る。第1のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1の圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第2の圧迫板上に位置する。第2のインピーダンス測定電極のサブセットは、第1のインピーダンス測定電極のサブセットに対向し、面している。インピーダンス測定回路は、第1の圧迫板の第1のインピーダンス測定電極のサブセットに接続され、第2の圧迫板の第2のインピーダンス測定電極のサブセットに接続される。
【0063】
[0080]例えば、直前の段落の実施形態におけるようないくつかの実施形態では、第1の圧迫板は、移動可能であり得、第2の圧迫板は、固定されている。場合により、第1および第2の圧迫板は、上記の段落[0075]から[0078]の特徴を有し得る。
【0064】
[0081]本発明は少なくとも1つの実施形態に関して説明されたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに修正され得る。したがって、本出願は、本発明の一般原理を使用する本発明のいかなる変形、使用、または翻案をもカバーすることが意図されている。さらに、本出願は、本発明が関連しまた添付の特許請求の範囲に記載の限界内に入る当技術分野における既知のまたは慣例的な実践に含まれる本開示からの逸脱をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6