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特許7386356フィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-15
(45)【発行日】2023-11-24
(54)【発明の名称】フィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/06 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
A63B22/06 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022561656
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2021004367
(87)【国際公開番号】W WO2021206453
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0043804
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522394524
【氏名又は名称】ジュン,ウー シク
【氏名又は名称原語表記】JUN, Woo Sik
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ウー シク
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0054689(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2186399(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0123074(US,A1)
【文献】特開2008-036213(JP,A)
【文献】実開昭58-089069(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00 - 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ調節台(7)によって使用者の身長に対応した高さ調節が可能で、使用者がサドル部材(8)に着席するフィットネスバイクサドルの回動構造において、
サドル部材(8)の底面に配置されて、使用者のペダルを踏む動作によって分散される荷重及び左右揺動を緩和する緩衝部(100);
緩衝部と結合して、左右スライディング動作が実施される左右移動部(200);
左右移動部(200)に結合して、前後スライディング動作が実施される前後移動部(300);及び
左右移動部(200)と前後移動部(300)が結合し、各移動部のスライディング動作を同時に制御するために偏心回転される偏心回転部(400)で構成され、
前記偏心回転部(400)の偏心回転半径は、使用者の選択によって拡張または縮小可能であり、調節された回転半径によって左右スライディング及び前後スライディング動作が制御され、
前記偏心回転部(400)は、
高さ調節台(7)の外周面を囲んで位置固定される固定板(410);
固定板から延長され、設定位置で上方へ突出する突出部(422)が構成された回転連結部(420);及び
回転連結部(420)の突出部(422)と結合し、当該結合が保持された状態で偏心回転しながら、回転半径の拡張または縮小可能に構成される回転調節部(430)で構成され、
前記回転調節部(430)は、
回転連結部(420)と結合し、設定距離だけ中空の領域が形成される本体(431);
本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト(432);
中長ボルトの端部で左右に拡張突出されるか、キー溝を形成してキーを左右に回転して使用者の把持を誘導する把持部(433);
本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部(434)で構成されるフィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィットネスバイクサドルの回動左右揺動幅調節及び回動構造に関し、さらに詳しくは、使用者がフィットネスバイクサドルに着席してペダルを踏む時、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導しながら、使用者が直接股関節可動範囲に対応した調節ができるようにして、ペダルを踏む時、骨盤及び脊椎の動きに対する安定性を確保し、ペダルを踏む時、下体運動と同時にコアマッスルトレーニング、運動者の体形などに合うサドル揺動幅を任意に調節可能なフィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、現代人は起きている大部分の時間を椅子に座った姿勢で生活している。このような生活が繰り返されるにつれて、肥満などのような慢性身体疾患に罹患し得る。肥満の外にも脊椎が左側または右側に曲がる疾患である脊椎側湾症の疾患に罹患し得、脊椎側湾症は脊椎が曲がりながら、体の筋肉全般に問題を引き起こして、神経的疾患を伴う。これに対応して、大部分の現代人は、身体疾患である肥満と脊椎側湾症に罹患されてからこそ身体機能の低下を最小化しようと、体幹トレーニングを日常生活における重要な要素として運動をしたりする。
【0003】
現代人が運動を始めながら、上記身体疾患に対する防止策としてペダルを踏むサイクリング運動器具であるフィットネスバイクを主に用いるが、これは下体トレーニングや、体内の脂肪を燃消する代表的な有酸素運動器具として広く普及されて用いられている。
【0004】
フィットネスバイクを利用して運動をすると、体重の減量及び体脂肪の分解、下体筋肉の発達、関節疾患の予防、偏頭痛の予防、糖尿病の予防の効果が得られると知られているが、これは長期間及び定期的に運動をしてこそ得られる効果である。また、当該器具も固定されたサドルの上に座った姿勢を保持したまま運動するので、股関節動作範囲に対応した柔軟性の確保及び脊椎の遊動に対する安定性を充分に考慮しない場合、脊椎側湾症のような基礎疾患を有する人の脊椎に負担を与えて逆効果を発揮するか、肥満の疾患を有する人の股関節に負担を与えてしまうことがある。
【0005】
また、各使用者の体の条件による左右揺動幅が固定されていて、揺動幅を調節しなければならないという必要性がある。
【0006】
上述した問題点を改善するために、過去から現在に至るまでフィットネスバイクに対する多数の研究が存在する。例えば、大韓民国登録特許第10-1160587号公報に座式運動機能を有するバイク用サドルに対する技術思想が開示されている。当該技術思想は、座式運動の時、不必要なサドルのツイスト動作を防止するという長所があるが、股関節動きに対する柔軟性を積極的に考慮しておらず、使用者の体条件を反映することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記諸問題点をより積極的に解消するために創出されたもので、使用者がフィットネスバイクサドルに着席してペダルを踏む時、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導しながら使用者が直接股関節可動範囲に対応した調節ができるようにして、ペダルを踏む時、骨盤及び脊椎の動きに対する安定性を確保し、ペダルを踏む時、下体運動と同時に、コアマッスルトレーニング、運動者の体形などに合うサドル揺動幅を任意に調節可能なフィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記解決課題を達するために、本発明で提案するフィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造は、次の通りである。
【0009】
本発明は、サドル部材8の底面に配置されて、使用者のペダルを踏む動作によって分散される荷重及び左右揺動を緩和する緩衝部100、緩衝部と結合して、ペダルを踏む動作に起因して左右スライディング動作が実施される左右移動部200、左右移動部200に結合して、前後スライディング動作が実施される前後移動部300、及び左右移動部200と前後移動部300が結合して、各移動部のスライディング動作を同時に制御するために、偏心回転される偏心回転部400で構成されるが、前記偏心回転部400の偏心回転半径は、使用者の選択によって拡張または縮小可能であり、調節された回転半径によって左右スライディング及び前後スライディング動作が制御されることを特徴とする。
【0010】
前記緩衝部100は、下向に傾斜された断面を有しながら、左右移動部の上部に結合して、回転半径が設けられる緩衝板110、及び2つが1組に構成されて、緩衝板の底面両側に結合して、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導するコイル部120で構成されることを含む。
【0011】
前記左右移動部200は、偏心回転部400の一側に結合され、位置が固定される左右ブロック210、左右ブロック210に上方に立設されて、左右ブロックのスライディング距離を有する左右運動部220、及び左右運動部220と連携され、一面に緩衝部が位置固定され、他面に前後移動部が位置固定される第2左右連結部230で構成されることを含む。
【0012】
前記第2左右連結部230は、緩衝部100とヒンジ結合を誘導し、緩衝部の傾斜した断面に対応する傾斜を有する左右揺動回転部234をさらに含むことができる。
【0013】
前記前後移動部300は、左右移動部200に固定され、前後スライディング距離を有する前後運動部310、及び前後運動部に上方に立設されて、前後運動部で前後進スライディング動作が実施される前後ブロック320で構成されることを含む。
【0014】
前記偏心回転部400は、高さ調節台7の外周面を囲んで位置固定される固定板410、固定板から延長されて設定位置で上方へ突出する突出部422が構成された回転連結部420、及び回転連結部420の突出部422と結合し、当該結合が保持された状態で、偏心回転しながら回転半径の拡張または縮小可能に構成される回転調節部430で構成されることを含む。
【0015】
前記回転調節部430は、回転連結部420と結合して、設定距離だけ中空の領域が形成される本体431、本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト432、中長ボルトの端部で左右に拡張して突出されるか、キー溝を形成して、キーを左右に回転して、使用者の把持を誘導する把持部433、本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて、把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部434で構成される。
【発明の効果】
【0016】
上述した構成からなる本発明に係ると、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導し、運動の時、使用者の体形などに合わせて左右揺動幅を調節して、人体の股関節可動範囲に対応する柔軟性を確保することにより、フィットネスバイクを操作するとき、脊椎に加えられる負担を低減して、長時間座式運動をしても、体の安定性が向上される。
【0017】
また、直線往復運動による最大点に下体関節の活用を誘導することに対する補償で使用者のコアマッスルの緊張を誘導することにより、コアマッスルがトレーニングされるようにして、フィットネスバイク運動だけでも全身運動をした時と同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の好ましい実施例によって構成されるフィットネスバイクの側面図である。
図2】本発明の好ましい実施例によって構成されるフィットネスバイクサドルの斜視図である。
図3】フィットネスバイクサドルの相互間結合関係を示した分解斜視図である。
図4】回転部を詳しく示した拡大部である。
図5】回転部の構造によってサドルの偏心回転半径範囲が調節されることを示した平面図である。
図6】本発明の好ましい実施例によって構成される使用状態図である。
図7】本発明の好ましい実施例によって構成される使用状態図である。
図8】弾性体によってサドルの揺動現象を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は最善の形態であって、高さ調節台によって使用者の身長に対応して高さを調節することができ、使用者がサドル部材に着席するフィットネスバイクサドルの回動構造において、
サドル部材の底面に配置されて、使用者のペダルを踏む動作によって分散される荷重及び左右揺動を緩和する緩衝部、緩衝部と結合して、左右スライディング動作が実施される左右移動部、左右移動部に結合して、前後スライディング動作が実施される前後移動部、及び左右移動部と前後移動部が結合し、各移動部のスライディング動作を同時に制御するために偏心回転される偏心回転部で構成されるが、
前記偏心回転部の偏心回転半径は、使用者の選択によって拡張または縮小可能であり、調節された回転半径によって左右スライディング及び前後スライディング動作が制御され、
前記偏心回転部は、高さ調節台の外周面を囲んで位置固定される固定板、固定板から延長され、設定位置で上方へ突出する突出部が構成された回転連結部、及び回転連結部の突出部と結合し、当該結合が保持された状態で偏心回転しながら、回転半径の拡張または縮小可能に構成される回転調節部で構成され、
前記回転調節部は、回転連結部と結合し、設定距離だけ中空の領域が形成される本体、本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト、中長ボルトの端部で左右に拡張して突出されるか、キー溝を形成してキーを左右に回転して使用者の把持を誘導する把持部、及び本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて、把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部で構成される、フィットネスバイクサドルの左右揺動幅調節及び回動構造を提示する。
【0020】
発明の実施のための形態
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になり得る。しかしながら、本発明は以下で開示される実施例に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に具現されることができる。ただ、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。なお、明細書全文にかけて同じ参照符号は同じ構成要素を指称する。
【0021】
通常、フィットネスバイクは、使用者がペダルを踏む運動に上体を支持する取っ手1と、取っ手が設置される支持体2と、地面に安着可能にする地面支持体4と、支持体と設定間隔を以て地面支持体上に上方に立設される調節台5と、支持体に結合されるペダル6と、調節台5に引入されて、使用者の体に対応する高さを調節する高さ調節台7と、使用者が安着するサドル部材8とが含まれ、サドル部材8に使用者が着席した後、下体でペダル6を加圧して座式運動をする構造である。
【0022】
50kgの使用者が前記フィットネスバイクを利用して30分間運動をする場合、184kcalが消耗されると知られている。このようなフィットネスバイクを利用して運動すると、体重の減量及び体脂肪の分解、下体筋肉の発達、関節疾患の予防、偏頭痛の予防、糖尿病の予防の効果を奏することができる。
【0023】
前記効果は、長時間、周期的に運動してこそ得られ、従来のフィットネスバイクは、座式運動時に発生する揺動を緩衝する手段がないため、脊椎に基礎疾患を有する使用者の身体機能性の向上を図ることができず、単純に下体トレーニングのみを目的としたフィットネスバイクは、足筋肉のみ発達するだけで、ペダルを踏む時、固定された状態で運動をすることから、脊椎に加えられる負担が増大され、股関節の最大活性化を強制的に封鎖するという問題点を抱えていた。
【0024】
したがって、本発明は、従来の他器具に比べて、効用価値が劣るフィットネスバイクの諸問題点を積極的に改善するために、使用者がフィットネスバイクサドルに着席してペダルを踏む時、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導しながら、使用者が直接股関節可動範囲に対応した調節ができるようにして、ペダルを踏む時、骨盤及び脊椎動きに対する安定性を確保し、ペダルを踏む時、下体運動と同時にコアマッスルトレーニングができるようにするフィットネスバイクサドルの回動構造であり、特に、使用者が直接股関節可動範囲に対応する調節ができるようにすることを特徴とすることを分かるべきである。
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の構成及びそれによる作用、効果について一括的に記述する。
【0026】
図1に示したように、本発明は、サドル部材8の底面に配置されて、使用者のペダルを踏む動作によって分散される荷重及び左右揺動を緩和する緩衝部100、緩衝部と結合して、左右スライディング動作が実施される左右移動部200、左右移動部200に結合して、前後スライディング動作が実施される前後移動部300、及び左右移動部200と前後移動部300が結合し、各移動部のスライディング動作を同時に制御するために偏心回転される偏心回転部400で構成される。
【0027】
特に、前記偏心回転部400の偏心回転半径は、使用者の選択によって拡張または縮小可能であり、調節された回転半径によって左右スライディング及び前後スライディング動作が制御される。
【0028】
言い換えれば、前記偏心回転部400は、高さ調節台7の外周面を囲んで位置固定される固定板410、固定板から延長されて設定位置で上方へ突出する突出部422が構成された回転連結部420、及び回転連結部420の突出部422と結合し、当該結合が保持された状態で偏心回転しながら回転半径の拡張または縮小可能に構成される回転調節部430で構成される。
【0029】
前記回転調節部430は、回転連結部420と結合し、設定距離だけ中空の領域が形成される本体431、本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト432、中長ボルトの端部で左右に拡張突出されるか、キー溝にキーを利用して使用者の把持を誘導する把持部433、及び本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて、把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部434で構成されて、回転半径を調節することができるようにすることを特徴とする。
【0030】
使用者が本人の体に合う回転半径を調節する際において、回転半径は使用者が有する股関節の可動範囲であり得る。すなわち、使用者はフィットネスバイクペダルを踏む前に、本人の股関節の可動範囲に適するように数回回転半径を調節することができ、それにより、調節された回転半径内で左右移動部200、及び前後移動部300が相互協動して直線往復運動動作が実施される。このように、使用者が直接調節して、その使用者の脊椎形態に適する運動範囲が設定されることにより、脊椎安定性が確保され、場合によって、股関節最大可動範囲に符合する回転半径に設定して、コアマッスルトレーニングを誘導することもできる。
【0031】
このために、本発明は次のような構成を含む。
【0032】
具体的には、図2~3に示すように、前記緩衝部100は、下向に傾斜された断面を有しながら左右移動部の上部に結合して、回転半径が設けられる緩衝板110、及び2つが1組に構成されて、緩衝板の底面両側に結合して、サドルの左右揺動及び分散される荷重の緩衝作用を誘導するコイル部120で構成されることを含む。
【0033】
前記緩衝板110は、下向に傾斜された断面を有するが、これは、サドルに使用者が着席した時、上体が前方を向けて自然に突出されるようにすることにより、上体荷重が脊椎に偏重されないようにして、長時間ペダルを踏む時、体の安定性を確保し、使用者が股関節及び骨盤動きに集中することができるようにする。通常のフィットネスバイクは、ペダルを最大に加圧した時、膝と足の角度が10~15゜をなす必要があるが、これに対応して、使用者が高さ調節台7で足長さに合う高さにサドルを位置させた時、上体の角度も前記角度に合うようにし、それにより、股関節使用に柔軟性を確保することが好ましい。
【0034】
前記コイル部120は、スプリングコイルで構成されて、緩衝作用を誘導する。当該コイルの有効巻数などは、人の荷重が緩衝される範囲内で自在に選択することができることは当然であるので、緩衝作用目的を達成できれば、いずれもかまわない。
【0035】
この時、前記緩衝板110とコイル部120は左右移動部200の上部に結合されるが、これは、第2左右連結部230に結合されるのである。具体的には、緩衝板110は結合部234にヒンジ結合されることができる。すなわち、ヒンジ結合が実施されて、所定の回転半径が設けられ、使用者によって左右揺動が発生する時、コイル部120のスプリングコイルの復元力が発揮される。
【0036】
前記左右移動部200は偏心回転部400の一側に結合して位置固定される左右ブロック210、左右ブロック210に上方に立設されて、左右ブロックのスライディングを誘導する左右運動部220、及び左右運動部220と連携されて、一面に緩衝部が位置固定され、他面に前後移動部が位置固定される第2左右連結部230で構成されることを含む。
【0037】
前記左右ブロック210は左右運動部220上で直線往復運動動作を具現する。
【0038】
前記左右運動部220は線形に形成され、固定板410に結合した左右ブロック210に上方に立設されて、左右連結部上で直線往復運動をする。特に、前記第2左右連結部230は左右運動部220と一体化されている。この時、第2左右連結部230は左右運動部220から延長されて、第2左右連結部230と左右運動部220との境界領域を中空の空間に形成される。
【0039】
前記第2左右連結部230と左右運動部220の境界である中空の空間に前後移動部300が引入して、第2左右連結部230の一面に結合される。ここで、一面は第2左右連結部230の内面に対応する。これを通じて、他面は第2左右連結部230の外部面になり得るので、緩衝部100は、外部面、すなわち、上部に結合される。前記第2左右連結部230は緩衝部100とヒンジ結合し、緩衝部の傾斜された断面に対応した傾斜を有する結合部234をさらに含むことができる。当該結合部234と緩衝部100の作用は前述した通りである。
【0040】
前記前後移動部300は左右移動部200に固定され、前後スライディング距離を有する前後運動部310、及び前後運動部に立設され、前後運動部の前後進スライディング動作が実施される前後ブロック320で構成されることを含む。
【0041】
前記前後運動部310は線形に形成され、左右移動部200の第2左右連結部230に固定されながら、前後ブロック320に上方に立設される。言い換えれば、前後運動部310の下部は前後ブロック320に立設され、上部は左右スライディング部200の第2左右連結部230の内面に結合される。このように構成されることによって、干渉されることなく前後往復運動が可能である。
【0042】
前記前後ブロック320は前後運動部310と下述される偏心回転部400を連結する構成として、偏心回転部400の一側に結合して位置固定される左右ブロック210と対照される。全体結合状態で説明すれば、前後ブロック320の上方に前後運動部310が上方に立設され、当該ブロックの底面は偏心回転部400の回転調節部430に結合しながら、回転調節部から印加される回転力を通じて前後ブロック320が前後運動部310上で前後進スライディングされるのである。
【0043】
上述した左右移動部200と前後移動部300のスライディング動作は、本発明の特徴部である偏心回転部400の回転動作に起因し、往復運動が実施される距離も偏心回転部400の回転半径の拡張または縮小に起因する。
【0044】
以下、図4~5を参照して、左右移動部200と前後移動部300を制御する本発明の特徴部である偏心回転部400について敍述する。
【0045】
まず、本発明の全体動作は、使用者がサドルに着席して下体でペダルを踏む時、股関節動作及びこれによる骨盤の位置可変に対応して、偏心回転部400が回転することによって、左右スライディング部200及び前後スライディング部300が動作する。この時、緩衝部100でペダルを踏むことによる左右骨盤が選択的に加える荷重に緩衝作用が実施される一括された動作である。
【0046】
特に、前記偏心回転部400の構成を通じて、ペダルを踏む時、股関節の可動及びこれによる骨盤の位置可変に対応するように使用者が直接回転半径を調節して、脊椎に加えられる負担を低減し、体の均衡を保持することができるという利点がある。
【0047】
このために、前記偏心回転部400は、高さ調節台7の外周面を囲んで位置固定される固定板410、固定板から延長されて設定位置で上方へ突出する突出部422が構成された回転連結部420、及び回転連結部420の突出部422と結合し、当該結合が保持された状態で偏心回転しながら回転半径の拡張または縮小可能に構成される回転調節部430で構成されるが、前記回転調節部430は、回転連結部420と結合し、設定距離だけ中空の領域が形成される本体431、本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト432、中長ボルトの端部で左右に拡張突出されるか、キー溝を形成してキーを左右に回転して使用者の把持を誘導する把持部433、及び本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて、把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により、本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部434で構成されることを含む。
【0048】
具体的には、前記回転調節部430は多様な実施例を含む。
【0049】
前記回転調節部430は、製作する際に形成される長さを異なるように構成することができる。これは、使用者の身体的特性の平均値になるか、性別差、すなわち、骨盤の幅値に応じて選択的に組立可能にすることを目的とする。
【0050】
言い換えれば、前記回転調節部430自体の長さが変わることは、突出部422と前後ブロック320の結合距離、すなわち、相互間の間隔が変わることを意味し、例えば、回転部の長さが長くて、突出部と前後ブロックの相互間の間隔が広くなるほど、偏心回転半径が拡張され、反対に、回転部の長さが短くて突出部と前後ブロックの相互間の間隔が狭くなるほど、偏心回転半径が縮小される構造である。
【0051】
前記のように、自体長さが長い回転調節部430と自体長さが短い回転調節部で加工して、使用者の体の条件に応じて選択的に組み立てることができ、また、言い換えれば、回転部430が自主的に細密に長さを調節できるようにして、安定性、使用性、便宜性などが向上されることができる汎用構造を提供することもできる。また、言い換えれば、本発明の回転部430は一側端部に突出部422との回動結合のための孔が設けられる。この時、前記孔を等間隔で多数配列し、使用者は自分の体の条件に応じて、多数の孔の何れか一つの孔を選択して突出部422と締結することにより、サドルの偏心回転半径を調節できるようにすることもできることは当然である。例えば、突出部422を前後ブロック320と近接した位置に形成された孔に締結するほど、サドルの偏心回転半径が縮小される。
【0052】
好ましくは、本発明の回転調節部430は回転部を構成し、中心部に中空の領域が形成される本体431、本体の中心部を長さ方向に貫通する中長ボルト432、中長ボルトの端部で左右に拡張突出されるか、キー溝を形成してキーを左右に回転して、使用者の把持を誘導する把持部433、及び本体の中空領域に配置され、中長ボルトに締結されて、把持部の操作で中長ボルトが回転することによって、螺糸山により本体の中空領域内で位置が可変される位置調節部434で構成される。
【0053】
図5に示したように、使用者は、把持部433を利用して中長ボルト432を時計回り方向または反時計回り方向に回転させて、位置調節部434の位置を可変することにより、サドルの偏心回転半径を調節する。
【0054】
例えば、前記位置調節部434の位置が突出部422と遠くなるほど、サドルの偏心回転半径が拡張され、反対に、位置調節部の位置が突出部と近くなるほど、サドルの偏心回転半径が縮小される。よって、中長ボルト432と位置調節部434の回転スライド原理を利用して、使用者の体の条件に合わせて、サドルの偏心回転半径を容易に変更することができる。
【0055】
さらに、図4及び図5に提示されたサドルの偏心回転半径調節方法は、本発明の一実施例に関するものであるだけで、限定するのではなく、このような構成は、回転半径を調節する目的で具現されるものであるので、その目的を達成できれば、いずれを採用しても構わない。
【0056】
このように、回転半径を調節可能であれば、使用者が本人の体に合う回転半径が選択可能であるので、安定性の向上及び操作の簡便性、便宜性が確保されるという利点がある。
【0057】
以下、上述した本発明の構成に基づいて、図6~8を参考して本発明の動作を説明する。
【0058】
図6~7に示したように、使用者がペダルを踏む前、またはペダルを踏むと同時に、回転調節部430の把持部433を操作して、偏心回転部400の回転半径を調節する。調節動作は、使用者の股関節可動範囲及び脊椎柔軟性に対応した回転半径を設けた時点であり得る。このような状態で、使用者がサドル部材8に着席して、ペダルを踏むための荷重が印加されると、回転調節部430と連結された前後ブロック310が前後運動部320を通じて設けられた距離だけ前後直線往復動作が実施され、同時に、左右ブロック210が左右運動部220上で左右スライディング、すなわち直線往復運動をする。
【0059】
前記左右運動部220の往復運動によって、両側最大点に股関節が可動して、骨盤が位置するようになると、体は自然に均衡を保持するために、腹斜筋などのコアマッスルを緊張させるので、フィットネスバイク運動だけでもコアマッスルが鍛えられることができる。
【0060】
同時に、図8に示したように、前記緩衝板110が第2左右連結部230と結合された状態で、所定の回転半径が設けられて、左右揺動を積極的に収容しながら、これを補償する次元で、コイル部120が復元力を発揮するが、全体として、左右スライディング部200及び前後スライディング部300に偏重される動作の補償は、緩衝部100で行われることによって、使用者の脊椎に加えられる負担をさらに節減するまた他の利点がある。
【0061】
結果的に、フィットネスバイクは、別途の時間を空けて体を鍛えるためのフィットネスクラブに訪問しなくても自宅で運動ができるという利点により、広く普及された器具である。前述したように、フィットネスバイクは、身体上有益な多様な効果を得ることができるが、特に、下体筋肉トレーニングと、30分以上続く時カロリーの消耗量などがある。通常、有酸素運動の共通効果である体脂肪燃焼の外に、身体筋力トレーニングの面では、知られたのと違って、その効果は不十分である。
【0062】
一方、不十分な効果を増大させるためには、フィットネスバイクで長時間運動をしなければならないが、これは座式生活に慣れて基礎疾患に罹患されている現代人には、有益な効果よりも有害な効果を得る可能性が大きい。例えば、長時間の座式運動により、腰への負担が増加する点等がある。これは、上体は固定され、下体筋肉のみに集中される座式運動の制約事項に起因する。
【0063】
したがって、本発明は腰に加えられる負担を低減し、長時間運動しても、上記制約事項から脱皮して、画期的な改善効果を提供することを特徴とする。例えば、回転調節部430を通じて使用者本人の股関節可動範囲及び脊椎柔軟性に対応した動作を調節すること、及びこれに起因した左右移動部200、前後移動部300の直線往復動作、それによる補償として緩衝部100が作用することである。
【0064】
特に、前記回転調節部430の構成を通じて、使用者は本人の体の条件に合わせたペダルを踏む環境を設定することができ、これに起因して、スライディング動作が提供されることによって、安定性及び操作性などが向上されるという大きな特徴がある。
【0065】
場合によって、使用者は本人の最大股関節可動範囲で回転調節部430を操作することにより、最大回転半径でコアマッスルトレーニングを誘導することができる。
【0066】
以上説明した本発明は、図面に示した一実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、本技術分野において通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるということを明確にしなければならない。よって、本発明の真正な技術的保護範囲は添付された請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術的思想は、本発明の権利範囲に含まれることに解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8