(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】支柱用発電装置の設置工法
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20231117BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20231117BHJP
【FI】
H02S20/10 B
H02S20/10 U
H02S20/30 A
(21)【出願番号】P 2022044841
(22)【出願日】2022-03-22
【審査請求日】2022-11-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300091784
【氏名又は名称】薄井 介
(72)【発明者】
【氏名】薄井 介
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-187531(JP,A)
【文献】特表2013-503277(JP,A)
【文献】特開2020-014306(JP,A)
【文献】特開2016-167956(JP,A)
【文献】特開2021-052496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
H02S 20/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に設置する支柱と、前記支柱の垂直方向に1以上のパネル連結具を設け、前記パネル連結具には、
蝶番、弾性材、リング金具から選択される自在可動金具を設け、前記自在可動金具はパネル連結具への取付面と発電装置パネル取付面に略150度の角度を設け、
前記支柱の根元地面には、強風、降雨などによる地盤の軟弱化による倒壊を防止するための、根固めコンクリートリングを設けたことを特徴とする支柱用発電装置の設置工法。
【請求項2】
前記支柱には、発電装置パネルの裏面を支える、
下部用パネル架台を設けたことを特徴とする請求項1に記載の支柱用発電装置の設置工法。
【請求項3】
前記下部用パネル架台と発電装置パネルを、衝撃緩和スプリングで連結したことを特徴とする請求項
2に記載の、支柱用発電装置の設置工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現況の地形に支柱を垂直に設置し、その支柱間に於いて太陽光発電をする、発電装置の設置工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常太陽光発電は、山林等の開発造成工事を行い、地上に平面的に設置されている。
一方で、自然環境に対しては悪影響が発生するという問題が生じている。
この改善策としては、特に開発工事方法の改善策は行われていないのが現状である。
【0003】
例えば、特許第6896948号には、建築物の側面において複数の太陽光パネルを鉛直方向に安定的に設置することができ、鉛直方向に設置された複数の太陽光パネルを共通の駆動装置を用いて一体的に回転させることが可能な太陽光パネル設置システムに関する技術が開示されているが、風の影響を回避する技術は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、山林の開発造成工事をすることなく、現況の地形に発電用支柱を設け、その支柱に発電装置パネルを取付て発電できる発電装置の設置工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発電用支柱を現況の地形に垂直に設置し、その支柱間に任意の間隔で、複数以上の発電装置パネルを設ける。発電装置パネルは、支柱部に取り付けられたパネル連結金具の前面部に、自在可動金具が連結され、風に対して自在に可動できることを特徴とする。また、発電装置パネルは水平方向に対して略30度で保持され、太陽光が効率よく当たるようになっている。すなわち、垂直に設置する支柱と、前記支柱の垂直方向に1以上のパネル連結具を設け、前記パネル連結具には自在可動金具を設け、前記自在可動金具はパネル連結具への取付面と発電装置パネル取付面に略150度の角度を設けたことを特徴とする支柱用発電装置の設置工法である。
【0007】
発電用支柱の根元地面部には、根固めコンクリートリングを設置すれば、大掛かりな基礎工事をすることなく、低コストをもって強固な基礎部を確保することが期待できる。
【0008】
発電装置パネルには、強風による急激な動きを制御するための衝撃緩和スプリングが下部用パネル架台との間に設けられ、発電装置パネルの破損による落下事故を未然に防止し、安全性の確保が期待できる。構造的には、水平保持ストッパーと太陽光パネルを、衝撃緩和スプリングで連結したものである。
【0009】
支柱に設置する発電装置パネルの面積を、例えば、4×2.5メートルで10平方メートルとした場合、その上部に同じ面積の発電装置を、2段、3段と設けることで、発電の有効面積は、2倍、3倍となり、1支柱当たりの発電量が大幅に向上し、土地活用の効果が期待でき、再生エネルギー社会の普及に大きく貢献ができる。発電装置パネルには、例えば、太陽光発電パネル等が利用できる。
【0010】
本発明を、田んぼ、畑などの法面、畦畔に設置すれば、作付面積に支障なく、また、作業にも影響がないため、農業生産者の所得を倍増できる、画期的な経済効果が期待できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の支柱用発電装置の設置工法は、現況の土地に発電用支柱を設け、その中間部に太陽光発電装置を設置するだけで、発電ができるため、従来のように山林を開発造成工事することなく、また、自然環境も破壊することなく、短時間で設置が済み経費の削減と、環境保全、農業生産者の所得倍増、再生エネルギー社会の促進と普及に多大な貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
本発明の支柱用発電装置の設置工法について、図面を引用して説明する。
【0014】
図1と3を参照して詳細に説明する。支柱用発電装置の設置工法1は、根固めコンクリートリング3を地面6に設置し、その中心開口部15に発電用支柱2を垂直に設置する。根固めコンクリート3の開口部15の外周部には、衝撃緩和材14が設けられ支柱との衝撃を吸収できるようらなっている。次に、アンカー17をアンカー開口部16に打ち込み、根固めジョイント金具19を配置し、根固め支柱止め20を締め付け、次にアンカー用ボルトナット21を締め付けて根固めを完了する。
【0015】
図3に示すように、発電用支柱2には、パネル連結金具4が1以上設けられ、前記パネル連結具4の前面部には自在可動金具18を設け、前記自在可動金具18はパネル連結具4への取付面と、発電装置パネル5の取付面に略150度の角度を設けている。これにより、発電装置パネル5への背面からの強風に対して、発電装置パネル5が自在可動金具18を中心に自在に可動するようになっている。具体的には、発電装置パネル5が上方向に移動することで、風を通すようにしている。また、発電装置パネル5の正面からの風に対しては、発電装置パネル5が略30度の傾斜を以っているため、風が上方行へ流れるようにしている。
【0016】
また、
図3に示すように、パネル連結金具4の前部には、発電装置のパネル5が強風により回転をしないための、水平保持ストッパー13が設けられ、発電用装置パネル5の水平状態12で保持される。また、下部用パネル架台7のサイドには衝撃緩和スプリング11が発電装置パネル5のサイド部に設けることで、発電装置パネル5の背面からの強風を受けた際に、急激な移動を制御できる仕組みとしている。衝撃緩和スプリング11は対称となる側に合わせて2か所設けてもよい。
【0017】
発電用下部パネル9と接する下部用パネル架台7の先端面には、クッション材8が設けられ、発電装置パネル5に対する緩衝機能を設け、過度の衝撃が生じないようになっている。
【0018】
図3に示すように、発電装置パネル5は、上部には汚れ等を防止する発電フィルム10が設けられ、発電装置パネル5は、南向きに水平角に対して略30度で形成されているため、発電効率が向上する構造としている。また、発電用支柱2の長さの範囲内において、複数の発電装置パネル5を、垂直方向に設置することができ、スペース効率が向上する。
【0019】
又
図3に示すように、自在可動金具18は、蝶番が望ましいが、弾性材、リング金具等でも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の支柱用発電装置の設置工法は、工業生産が可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 支柱用発電装置
2 発電用支柱
3 根固めコンクリートリング
4 パネル連結金具
5 発電装置パネル
6 地面
7 下部用パネル架台
8 クッション材
9 発電用下部パネル
10 発電用電池
11 衝撃緩和スプリング
12 水平状態
13 水平保持ストッパー
14 衝撃緩和材
15 中心開口部
16 アンカー開口部
17 アンカー
18 自在可動金具
19 根固めジョイント金具
20 根固め支柱止め
21 アンカー用ボルトナット