IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明器具用リモコン及び照明システム 図1
  • 特許-照明器具用リモコン及び照明システム 図2
  • 特許-照明器具用リモコン及び照明システム 図3
  • 特許-照明器具用リモコン及び照明システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】照明器具用リモコン及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/00 20200101AFI20231117BHJP
【FI】
H05B47/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019234103
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021103631
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】密島 康一
(72)【発明者】
【氏名】村上 善宣
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-232234(JP,A)
【文献】特開2013-191513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0293112(US,A1)
【文献】特開2014-056670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具と無線通信可能に構成され、前記複数の照明器具を設定または制御する照明器具用リモコンであって、
設定情報を前記複数の照明器具に設定し、または、前記設定情報の内容に応じて前記複数の照明器具を制御する制御回路を有し、
前記制御回路は、
(1)前記設定情報の内容に応じて、点灯制御時に前記複数の照明器具の一部の前記照明器具に点灯制御信号を送る機能、及び、
(2)前記設定情報のデータの全部を前記複数の照明器具の残りの前記照明器具に送る機能
の2つの機能を有し、
(1)及び(2)の機能の何れを実行するかを、切換部の切り換えにより、又はリモコンからの送信信号に応じた1つまたは複数の前記照明器具からの受信確認信号の数に応じて、選択可能に構成される、
照明器具用リモコン。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具用リモコンおいて、
前記設定情報は、タイマー関係情報、及び1つまたは複数の前記照明器具を設定または制御するデータを含み、
前記タイマー関係情報は、現在時刻、タイマー設定時刻、タイマー動作時の点灯状態、繰り返し情報、及び曜日情報の1つ以上を有する、
照明器具用リモコン。
【請求項3】
請求項1または2に記載の照明器具用リモコンと、
前記照明器具用リモコンによって設定または制御される前記複数の照明器具とを、含む、
照明システム。
【請求項4】
照明器具用リモコンと、
前記照明器具用リモコンによって設定または制御される照明器具とを、含む、
照明システムであって、
前記照明器具用リモコンは、
前記照明器具と無線通信可能に構成され、前記照明器具を設定または制御する照明器具用リモコンであって、
設定情報を前記照明器具に設定し、または、前記設定情報の内容に応じて前記照明器具を制御する制御回路を有し、
前記制御回路は、
(1)前記設定情報の内容に応じて、点灯制御時に前記照明器具に点灯制御信号を送る機能、及び、
(2)前記設定情報のデータの全部を前記照明器具に送る機能
の2つの機能を有し、
状況に応じて、(1)及び(2)の機能の何れを実行するかを選択可能に構成され、
前記照明器具は、
前記照明器具用リモコンと無線通信可能な複数の第一の照明器具と、
前記複数の第一の照明器具の2つの前記第一の照明器具の最大間隔より大きく離れた位置に設置される第二の照明器具であり、前記第二の照明器具は、タイマー部を有し、少なくとも近接にある前記照明器具用リモコンと無線通信可能であり、
前記制御回路は、前記複数の第一の照明器具に対し、前記設定情報の内容に応じて、点灯制御時に前記点灯制御信号を送り、前記第二の照明器具に対し、前記設定情報のデータの全部を送る機能を有し、
前記第一の照明器具は、前記点灯制御信号の受信に応じて点灯が制御され、
前記第二の照明器具は、前記設定情報のデータを受信した場合に、前記設定情報の内容が設定され、前記設定情報の内容に応じて前記タイマー部を用いて点灯が制御される、
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具用リモコン及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リモコンと照明装置とを備える照明システムにおいて、リモコンは、第1の発光制御を指示する第1の設定指示の入力が受け付けられた場合に、第1の設定指示を収容する第1の設定信号を照明装置に無線で送信する構成が記載されている。照明装置の発光制御部は、第1の設定信号に含まれる開始時刻情報に基づいて、第1の発光制御を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-59667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内等の所定の領域に多くの照明器具が配置され、リモコン(遠隔操作装置)が多くの照明器具に無線通信により点灯制御信号、または点灯に関する設定情報のデータを含む信号を送信する場合が考えられる。この場合、多くの照明器具からリモコンに返信信号があると、リモコンがその信号を処理する必要があるため、リモコンから照明器具に信号を送信するときの通信エラーが生じる可能性がある。特に、リモコンから照明器具に送信する通信データ量が多くなる場合には、多くの照明器具からリモコンに返信信号があると、通信エラーがより生じやすくなる。これによって、第1の状況として、多くの照明器具からリモコンに返信信号がある場合の照明器具の操作性が低下する可能性がある。
【0005】
一方、リモコンの通常の配置位置から大きく離れた屋外等に照明器具が配置される場合に、ユーザがリモコンを操作してその照明器具を点灯制御しようとしても、無線通信で制御信号がその照明器具に届かないことが多い。このため、第2の状況として、リモコンの通常の配置位置から大きく離れた位置に照明器具がある場合に、照明器具の操作性が悪い。
【0006】
本開示の目的は、照明器具用リモコン及び照明システムにおいて、多くの照明器具からリモコンに返信信号がある場合と、リモコンの通常の配置位置から大きく離れた位置に照明器具がある場合とのそれぞれで、照明器具の操作性を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である照明器具用リモコンは、照明器具と無線通信可能に構成され、照明器具を設定または制御する照明器具用リモコンであって、設定情報を照明器具に設定し、または、設定情報の内容に応じて照明器具を制御する制御回路を有し、制御回路は、(1)設定情報の内容に応じて、点灯制御時に前記照明器具に点灯制御信号を送る機能、及び、(2)設定情報のデータの全部を照明器具に送る機能の2つの機能を有し、状況に応じて、(1)及び(2)の機能の何れを実行するかを選択可能に構成される、照明器具用リモコンである。
【0008】
本開示の一態様である照明システムは、本開示の照明器具用リモコンと、照明器具用リモコンによって設定または制御される照明器具とを、含む、照明システムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様である照明器具用リモコン及び照明システムによれば、多くの照明器具からリモコンに返信信号がある場合と、リモコンの通常の配置位置から大きく離れた位置に照明器具がある場合とのそれぞれで、照明器具の操作性を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の一例の照明器具用リモコンを含む照明システムを示す図である。
図2】実施形態の一例の照明システムを構成する第一照明器具と照明用リモコンとの構成を示す図である。
図3】実施形態の一例の照明用リモコンにより複数の第一照明器具を制御する状態を示す図である。
図4】実施形態の一例の照明システムを構成する第二照明器具と照明用リモコンとの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明器具用リモコン及び照明システムの実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下で説明する実施形態に限定されない。
【0012】
本開示のシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示のシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0013】
図1は、実施形態の一例の照明器具用リモコン30を含む照明システム10を示す図である。照明システム10は、照明器具用リモコン30と、照明器具用リモコン30に設定または制御される照明器具とを備える。照明器具は、通常は建物の室内に配置される複数の第一照明器具12と、複数の第二照明器具14とである。複数の第二照明器具14は、複数の第一照明器具12の1つの第一照明器具12から、2つの第一照明器具12の最大間隔より大きく離れた位置に設置される。例えば複数の第二照明器具14のそれぞれは、一端の第二照明器具14から、両端の2つの第一照明器具12の最大間隔より大きく離れた位置に設置される。複数の第二照明器具14は、例えば建物の屋外に設置される。複数の第二照明器具14は、室内に配置されていてもよい。複数の第二照明器具14は、例えば、室内で第一照明器具12を照明器具用リモコン30で操作可能な位置から、第二照明器具14を照明器具用リモコン30で操作しようとしても制御信号が第二照明器具14に正常に届かず、例えば照明器具用リモコン30がエラーの表示等、警告を発生する位置にある。以下では、複数の第二照明器具14が屋外に設置される場合を説明する。照明器具用リモコン30は、各第一照明器具12及び各第二照明器具14と無線通信可能に構成され、各第一照明器具12及び各第二照明器具14を設定または制御する。第二照明器具14について、より具体的には、各第二照明器具14は、少なくとも近接にある照明器具用リモコン30と無線通信可能である。以下、照明器具用リモコン30は、リモコン30と記載する。リモコン30は、後で詳しく説明するように、ユーザ1の操作により設定された設定情報を第二照明器具14に送信することで第二照明器具14に設定情報を設定し、または、ユーザ1の操作により設定された設定情報の内容に応じて第一照明器具12を制御する。
【0014】
照明システム10が備える第一照明器具12の数は、複数であれば特に限定されない。照明システム10が備える第二照明器具14の数は、1つ以上であれば特に限定されない。複数の第一照明器具12は、例えばシーリングライトである。第一照明器具12は、ダウンライト、スポットライト等の他の種類としてもよい。図1では、丸により第一照明器具12を示している。複数の第二照明器具14は、例えばスポットライトである。第二照明器具14は、ガーデンライト等の他の種類としてもよい。
【0015】
複数の第一照明器具12は、グループ1、グループ2、グループ3及びグループ4の4つのグループに分けられ、各グループが複数の第一照明器具12を有する。各グループでは、複数の第一照明器具12が互いに無線通信可能となっている。
【0016】
図2は、照明システム10を構成する第一照明器具12とリモコン30との構成を示す図である。第一照明器具12は、ユーザ1が操作するリモコン30と無線通信可能に接続される。リモコン30は、ユーザ1に操作された場合に、その操作により、またはその操作により設定された設定情報に応じて点灯制御信号を送信する。図2では、複数の第一照明器具12として、2つの第一照明器具12のみを示している。第一照明器具12は、通信部16、制御回路18、光源部20、及び記憶部22を備える。第一照明器具12は、リモコン30から同じグループ内で最初に点灯制御信号を受けたときに同じグループの他の第一照明器具12に点灯制御信号を転送する。複数の第一照明器具12の構成は同一であってもよいが、複数の第一照明器具12は異なる構成を持っていてもよい。リモコン30から同じグループ内で最初に点灯制御信号を受けた第一照明器具12は、リモコン30に返信信号としての受信確認信号を送信する。
【0017】
通信部16は、第一照明器具12が、リモコン30及び同じグループ内の他の第一照明器具12と無線通信するためのインターフェースである。
【0018】
制御回路18は、通信部16を制御する。制御回路18は、リモコン30から受信した点灯制御信号に応じて光源部20の点灯状態を制御する。制御回路18は、例えば、CPUを有し、記憶部22に記憶されたプログラムによって演算処理が実行される。制御回路18は、リモコン30から同じグループ内で最初に点灯制御信号を受けたときに、同じグループの他の第一照明器具12に点灯制御信号を転送する。また、制御回路18は、リモコン30から同じグループ内で最初に点灯制御信号を受けたときに、リモコン30に受信確認信号を送信する。例えば、制御回路18は、リモコン30から点灯制御信号を受けたときに、まだ他の第一照明器具12から点灯制御信号の転送を受けていないときには、自機がリモコン30から同じグループ内で最初に点灯制御信号を受けた第一照明器具であると判断して、受信確認信号をリモコン30に送信する。
【0019】
光源部20は、照明光を発する。例えば光源部20は、LED、蛍光灯、ハロゲンランプ等である。
【0020】
記憶部22は、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。記憶部22は、受信した点灯制御信号を記憶する機能を有する。
【0021】
リモコン30は、操作部31、通信部32、制御回路33、記憶部34及びタイマー部35を含む。操作部31は、ユーザ1の操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を制御回路33に送信する。リモコン30がスマートフォンである場合、リモコン30は、操作部の機能を有するタッチパネルスクリーンを有する。
【0022】
通信部32は、リモコン30が複数の照明器具12と無線通信するためのインターフェースである。
【0023】
制御回路33は、通信部32を制御する機能を有する。制御回路33は、例えば、CPUを有し、後述の記憶部34に記憶されたプログラムによって演算処理が実行される。
【0024】
制御回路33は、操作部31が操作され、その操作が第一照明器具12の点灯状態を操作する指示である場合に、通信部32を介して点灯制御信号を無線信号で各グループの第一照明器具12に送信する。各グループでリモコン30から最初に点灯制御信号を受信した第一照明器具12は、同じグループの他の第一照明器具12に点灯制御信号を転送する。リモコン30または他の第一照明器具12から点灯制御信号を受信した第一照明器具12は、その点灯制御信号の内容に応じて光源部20の点灯を制御する。これにより、リモコン30を持つユーザ1が、複数のグループの各第一照明器具12の点灯状態を操作することが可能である。
【0025】
さらに、制御回路33は、(1)後述のタイマー部35に関係する設定情報の内容に応じて、点灯制御時に照明器具に点灯制御信号を送る機能、及び、(2)設定情報のデータの全部を照明器具に送る機能の2つの機能を有し、状況に応じて、(1)及び(2)の機能の何れを実行するかを選択可能に構成される。
【0026】
例えば、第一照明器具12を、設定情報の内容に応じて制御するときに、制御回路33に(1)の機能を実行させ、第二照明器具14(図1)を、設定情報の内容に応じて制御するときに、制御回路33に(2)の機能を実行させる。このため、第一照明器具12の操作部31に、第一照明器具12の操作と第二照明器具14の操作とを切り換えるボタンまたはスイッチ等の切換部を設けてもよい。また、リモコン30から複数の第一照明器具12に向けて信号を送信したときに多くの第一照明器具12から受信確認信号がリモコン30に送信され、リモコン30から第二照明器具14に向けて信号を送信したときに少ない数の第二照明器具14から受信確認信号がリモコン30に送信される。このため、制御回路33が、リモコン30で受信した受信確認信号の数に応じて、制御回路33に(1)の機能を実行させるか、または(2)の機能を実行させるかを切り換える構成としてもよい。
【0027】
制御回路33は、操作部31が操作され、その操作が設定情報の内容に応じて第一照明器具12を制御する指示である場合に、(1)の機能を実行する。このとき、制御回路33は、記憶部34に設定情報を記憶させると共に、設定情報の内容に応じて各グループの第一照明器具12を制御する。
【0028】
設定情報は、タイマー関係情報、及び第一照明器具12または第二照明器具14を設定または制御するデータを含む。タイマー関係情報は、現在時刻、タイマー設定時刻、タイマー動作時の点灯状態、繰り返し情報、及び曜日情報の1つ以上を有する。タイマー設定時刻は、点灯制御が開始または終了される時刻を表す。これらの設定情報のデータは、データ量が多い。このため、実施形態と異なり、リモコンから各第一照明器具に設定情報の全データを送信し、各第一照明器具が、設定情報の内容に応じて、例えばタイマー設定時刻に達したときに点灯制御する構成では、リモコンから各第一照明器具へ送信するデータ量が多くなってしまう。この場合には、多くの第一照明器具からリモコンに返信信号がある場合において、リモコンから各第一照明器具に信号を送信するときの通信エラーが生じやすくなり、通信エラーが生じた第一照明器具を操作できなくなることにより、第一照明器具の操作性が低下する可能性がある。実施形態では、リモコン30が設定情報の内容に応じて第一照明器具12を制御する制御回路33を有し、制御回路33が(1)の設定情報の内容に応じて、点灯制御時に点灯制御信号を送る機能を有する。また、第一照明器具12は、点灯制御信号の受信に応じて点灯が制御される。これにより、リモコン30からの送信における通信エラーが生じにくくなるので、多くの第一照明器具12からリモコン30に返信信号がある場合の第一照明器具12の操作性を高くできる。また、点灯制御信号には返信を必要としない設定(構成)としてもよい。この場合には、さらに通信性能が改善され、操作性も高まる。
【0029】
具体的には、リモコン30は、上記のように記憶部34及びタイマー部35を有する。記憶部34は、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。記憶部34は、操作部31の操作による点灯制御の指示内容を記憶する機能を有する。また、記憶部34は、操作部31の操作によって設定情報が設定された場合にその設定情報を記憶する。また、記憶部34は、プログラムを記憶する。制御回路33は、記憶部34に記憶されたプログラムを実行することで、設定情報の内容に応じて第一照明器具12を制御することが可能である。また、リモコン30は、電源として電池を有し、自機の電源オフ時にも、記憶部34に記憶された設定情報が消えないようにしている。
【0030】
タイマー部35は、時間を計時する。制御回路33は、タイマー設定時刻における点灯制御の開始時刻と現在時刻との差分を設定時間として算出してタイマー部35に計時させ、タイマー部35により設定時間が計時された場合に、各グループに点灯制御信号を送信する。制御回路33は、曜日情報を用いて、現在の曜日が点灯制御を開始する曜日か否かを判定し、その判定が肯定判定の場合に点灯制御の開始時刻に点灯制御信号が送信されるようにしてもよい。また、制御回路33により点灯制御信号を送信するときに、タイマー動作時の点灯状態及び繰り返し情報を用いて点灯が制御されるようにしてもよい。
【0031】
リモコン30と第一照明器具12とは、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の無線通信により通信可能に接続される。複数の第一照明器具12同士も、BLE等の無線通信により通信可能に接続される。例えば、リモコン30からの照明制御信号を受けた第一照明器具12は、BLEにより点灯制御信号を送信する。複数の第一照明器具12には器具IDが設定されており、送信先の器具IDを含む信号を発信することで、送信先の第一照明器具12が、その受信信号が自機のIDを含む場合にその信号を読み取って第一照明器具12の点灯状態を制御する。
【0032】
リモコン30は、上記のようにタイマー部35の設定時間の計時により各グループに点灯制御信号を送信するので、リモコン30でタイマー部35のオンオフ状態を確認することが可能である。
【0033】
図3は、実施形態の一例のリモコン30により複数の第一照明器具12を制御する状態を示す図である。図3では、グループ1の各第一照明器具12に付されたID:1~4の数字がそれぞれの器具IDを示しており、リモコン30からIDが4の第一照明器具12に点灯制御信号を送信する場合を示している。IDが4の第一照明器具12は、リモコン30からグループ1に点灯制御信号が送信されたときに、最初にリモコン30が受信確認信号の送信を受けた第一照明器具である。図3では、丸の1を付した白抜き矢印により、リモコン30からIDが4の第一照明器具12に、点灯制御信号が送信されることを示している。IDが4の第一照明器具12は、リモコン30から点灯制御信号を受信した場合に、丸の2を付した一点鎖線矢印で示すように、リモコン30へ信号を受信したことを表す受信確認信号を送信する。受信確認信号は、その信号を送信する第一照明器具12の識別情報を含んでいる。そして、丸の3を付した細い実線矢印で示すように、IDが4の第一照明器具12は、グループ1のIDが4以外の他の第一照明器具12に点灯制御信号を送信する。これにより、点灯制御信号を受けた各第一照明器具12が点灯制御される。図3では、グループ1の場合を説明したが、図1のグループ2~4の場合も同様である。このため、リモコン30からはグループの数と同じ数の第一照明器具12との間で点灯制御信号が送信されることにより、全ての第一照明器具12の点灯を制御できる。また、リモコン30に対しグループの数と同じ数の第一照明器具12からのみ受信確認信号が送信されるので、これによっても、第一照明器具12の操作性を高くできる。
【0034】
なお、リモコン30及び第一照明器具12の間、複数の照明器具12の間を、それぞれWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の他の無線通信により通信可能に接続してもよい。
【0035】
また、上記では、リモコン30が各グループで最初に受信確認信号の送信を受けた第一照明器具12から、同じグループの他の第一照明器具12に点灯制御信号を送信する場合を説明したが、各グループで他の第一照明器具12に点灯制御信号を送信する第一照明器具12が予め特定されていてもよい。
【0036】
さらに、リモコン30の制御回路33(図2)は、操作部31(図2)が操作され、その操作がタイマーに関係する設定情報の内容に応じて第二照明器具14(図1)を制御する指示である場合に、(2)の機能を実行する。このとき、制御回路33は、設定情報のデータの全部を第二照明器具14に対し、送る機能を有する。第二照明器具14は、設定情報のデータを受信した場合に、設定情報の内容が設定され、設定情報の内容に応じて後述のタイマー部35(図4)を用いて点灯が制御される。これについて、図4を用いて詳しく説明する。
【0037】
図4は、実施形態の一例の照明システム10を構成する第二照明器具14とリモコン30との構成を示す図である。図4では、2つの第二照明器具14がある場合を示している。第二照明器具14は、通信部17、制御回路19、光源部21、記憶部23及びタイマー部25を備える。第二照明器具14は、リモコン30から設定情報の送信を受けたときに設定情報が設定される。複数の第二照明器具14の構成は同一であってもよいが、複数の第二照明器具14は異なる構成を持っていてもよい。
【0038】
通信部17は、第二照明器具14が、リモコン30と無線通信するためのインターフェースである。
【0039】
制御回路19は、通信部17を制御する。制御回路19は、リモコン30から受信した点灯制御信号に応じて光源部21の点灯状態を制御する。制御回路19は、例えば、CPUを有し、記憶部23に記憶されたプログラムによって演算処理が実行される。
【0040】
光源部21は、照明光を発する。例えば光源部21は、LED、蛍光灯、ハロゲンランプ等である。
【0041】
記憶部23は、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。記憶部23は、受信した点灯制御信号、または設定情報の内容を記憶する機能を有する。
【0042】
タイマー部25は、時間を計時する。制御回路19は、タイマー設定時刻における点灯制御の開始時刻と現在時刻との差分を設定時間として算出してタイマー部25に計時させ、タイマー部25により設定時間が計時された場合に、光源部21を用いて点灯制御を開始する。制御回路19は、曜日情報を用いて、現在の曜日が点灯制御を開始する曜日か否かを判定し、その判定が肯定判定の場合に点灯制御の開始時刻に点灯制御を開始してもよい。また、制御回路19により点灯制御を開始するときに、タイマー動作時の点灯状態及び繰り返し情報を用いて点灯が制御されるようにしてもよい。
【0043】
リモコン30と第二照明器具14とは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信により通信可能に接続される。
【0044】
ユーザ1が各第二照明器具14に設定情報を設定する場合には、図1に二点鎖線のユーザ1で示すように、ユーザ1は各第二照明器具14の近くに移動して、リモコン30を操作することにより、リモコン30から各第二照明器具14に設定情報のデータの全部を送る。各第二照明器具14は、設定情報のデータを受信した場合に、設定情報の内容が設定される。これにより、各第二照明器具14において、タイマー部35(図4)の設定時間の計時により点灯制御を開始するときに、ユーザ1がリモコン30を持って各第二照明器具14の近くにいる必要はない。また、実施形態と異なり、室内にリモコンが配置されている場合に、リモコンのタイマー部による設定時間の計時によりリモコンから第二照明器具に点灯制御信号を送信する構成では、リモコンからの制御信号が無線通信で第二照明器具に届かない可能性があるが、実施形態によればこのような不都合を防止できる。このため、リモコン30の通常の配置位置から大きく離れた位置に第二照明器具14がある場合に第二照明器具14の操作性を高くできる。
【0045】
なお、第二照明器具14に設定情報を送信できたことは、第二照明器具14からの受信確認信号を受信したときに、リモコン30が有する表示部にアンサーバック表示を点滅させてユーザ1が確認できるようにしてもよい。
【0046】
上記のリモコン30及び照明システム10によれば、多くの照明器具からリモコン30に返信信号がある場合と、リモコン30の通常の配置位置から大きく離れた位置に照明器具がある場合とのそれぞれで、照明器具の操作性を高くできる。
【0047】
なお、上述の実施形態は本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、上記では、複数の第一照明器具12が複数のグループにグループ化されている場合を説明したが、本開示はこの構成に限定しない。例えば、複数の第一照明器具の全部にリモコン30から点灯制御信号を送信し、各第一照明器具からリモコン30に受信確認信号が送信される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ユーザ、10 照明システム、12 第一照明器具、14 第二照明器具、16,17 通信部、18,19 制御回路、20、21 光源部、22,23 記憶部、25 タイマー部、30 照明器具用リモコン(リモコン)、31 操作部、32 通信部、33 制御回路、34 記憶部、35 タイマー部。
図1
図2
図3
図4