(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】照明制御装置、および、照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20231117BHJP
【FI】
H05B47/13
(21)【出願番号】P 2020077401
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】城寳 俊亮
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-169397(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0108085(KR,A)
【文献】特開2007-018773(JP,A)
【文献】特開2007-317622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行人が通行する通行路面上に形成される照明パターンまたは影パターンを選択する照明/影パターン選択部と、
選択された前記照明パターンまたは前記影パターンを形成するための照明装置を制御する照明装置制御情報を生成する照明装置制御情報生成部と、
前記照明装置制御情報を用いて、前記照明装置を制御する照明装置制御部と、を含み、
前記照明装置制御情報は、前記通行人が通行する前記通行路面上の前記照明パターンまたは前記影パターンが、前記通行人が進行するべき方向に移動するように前記照明装置を制御する情報であ
り、
前記照明パターンは、複数の連続する波の断面形状であり、前記複数の連続する波の断面形状が、前記通行人が進行するべき方向に連続して繰り返し移動することにより、前記通行人の進行方向を案内する照明制御装置。
【請求項2】
前記照明パターンは、前記通行人が進行するべき方向に交差する方向から前記照明装置によって照射される、前記通行人の目に直接入射しない光束によって形成される請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記複数の連続する波の断面形状は、前記照明装置制御部が複数の前記照明装置の輝度を異なるように制御して形成する請求項
1に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記複数の連続する波の断面形状によって表現される波の高さは、前記通行人が進行するべき方向に向かって低くまたは高く変化し、若しくは、前記波の高さが変化しない請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記照明パターンは、単一の突起状の形状であり、前記単一の突起状の形状が、前記通行人が進行するべき方向に連続して繰り返し移動することにより、前記通行人の進行方向を案内する請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記単一の突起状の形状によって表現される突起部の高さは、前記通行人が進行するべき方向に向かって低くまたは高く変化し、若しくは、前記突起部の高さが変化しない請求項
5に記載の照明制御装置。
【請求項7】
前記影パターンは、前記照明装置によって照射された人工物または自然物の影によって形成されるパターンである請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項8】
前記自然物は樹木であり、前記影パターンは、前記樹木の上部または前記樹木の上部から空間を隔てた上方に設けられた照明装置によって照射されることによって形成される請求項
7に記載の照明制御装置。
【請求項9】
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の照明制御装置と、
前記照明制御装置によって制御される前記照明装置と、
前記通行人が通行する通行路面の側面に設けられる人工物と、を含み、
前記人工物の前記通行路面と接する面に凹部が設けられ、前記照明装置は前記照明パターンを形成するように前記凹部の内部に設けられる照明制御システム。
【請求項10】
前記通行人を検知するセンサ部をさらに備え、
前記通行人を検知すると、前記照明制御装置がウェイクアップし、前記通行人を検知しなくなると前記照明制御装置がスリープモードになる請求項
9に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記凹部には、前記通行路面に形成される前記照明パターンの前記通行人が進行するべき方向と交差する方向であって、前記人工物とは反対側の前記照明パターンを形成する前記照明装置から放出される光束を遮光する前縁部を備える請求項
9または請求項
10に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置、および、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外の公園やイベント会場、観光地など、特定のエリア内における案内表示装置において、ポールなどの案内表示具本体に矢羽根状の方向指示標識を取り付けた案内表示具を、エリア内に適宜設置することが行われている。また、方向指示標識に加えて、エリア内を複数のゾーンに分け、ゾーンごとに色分けして標示することも行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、特定のエリア内における案内表示装置において、特定のエリア内のゾーンごとにそのゾーンを標示するゾーンカラーを決め、エリア内の案内地図はゾーンごとにゾーンカラーを彩色する構成を採用している。さらに、エリア内に適宜設置される案内表示装置における案内先への方向指示標識には、その方向指示標識が指示するゾーンのゾーンカラーを彩色する。上記構成により、地図上のゾーンカラーと案内表示装置の色彩とが一致し、目的地への順路が明らかとなることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の案内表示装置は、特に周囲が暗い夜間においては、方向指示標識および彩色されたゾーンカラーをユーザが容易に識別することができないものであった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、照明を用いて、ユーザを一定方向に自然に誘導することが可能になる照明制御装置、および、照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の第一の態様に係る照明制御装置は、通行人が通行する通行路面上に形成される照明パターンまたは影パターンを選択する照明/影パターン選択部と、選択された前記照明パターンまたは前記影パターンを形成するための照明装置を制御する照明装置制御情報を生成する照明装置制御情報生成部と、前記照明装置制御情報を用いて、前記照明装置を制御する照明装置制御部と、を含み、前記照明装置制御情報は、前記通行人が通行する前記通行路面上の前記照明パターンまたは前記影パターンが、前記通行人が進行するべき方向に移動するように前記照明装置を制御する情報であることが好ましい。
【0008】
本開示の第二の態様に係る照明制御システムは、照明制御装置と、照明制御装置によって制御される照明装置と、通行人が通行する通行路面の側面に設けられる人工物と、を含み、人工物の通行路面と接する面に凹部が設けられ、照明装置は照明パターンを形成するように凹部の内部に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、照明を用いて、ユーザを一定方向に自然に誘導することが可能になる照明制御装置、および、照明制御システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)第1実施形態に係わる照明制御システムの概要を上面から示す模式図である。(b)
図1(a)のA-Aにおける断面図である。(c)
図1(a)の照明装置の照明によって形成される照明パターンの一例の概要を示す模式図である。
【
図2】(a)第2実施形態に係わる照明制御システムの概要を上面から示す模式図である。(b)
図2(a)のA-Aにおける断面図である。(c)
図2(a)の照明装置の照明によって形成される照明パターンの一例の概要を示す模式図である。
【
図3A】第3実施形態に係わる照明制御システムの概要を側面から示す模式図である。
【
図3B】第3実施形態に係わる照明制御システムの概要を上面から示す模式図である。
【
図3C】
図3Aおよび
図3Bの照明装置の照明によって形成される影パターンの一例の概要を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態に係わる照明制御システムの一例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態に係わる照明制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係わる照明制御装置、および、照明制御システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示に限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。さらに、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0012】
(照明制御システムの概要)
本実施形態に係わる照明制御システムは、通行人が通行路を歩行する場合に、照明装置によって形成された通行路面上の照明パターンまたは影パターンによって、通行人の進行方向を案内するシステムである。以下に、照明制御システムについて幾つかの具体的な実施形態を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係わる照明制御システム1000の概要の一例を示す模式図である。
図1では、照明パターン40を連続した波の断面形状とし、連続した波の断面形状が方向D1に移動することによって、通行人50に方向D1に移動すべきであることを知覚させる構成を示している。
【0014】
図1(a)において、通行人50は、通行路200を歩行している。照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cは、人工物であるベンチ10の下部に設けられた凹部11の内部に設けられる。また、照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cは、通行路200に交差する方向から光束を通行路面上に照射し、照明パターンを通行路面上に形成するように、凹部11の内部の上面側に設けられる。なお、
図1(a)では、センサ部110が通行人50を検知していないとして照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cから光束が放射されていない状態を示している。また、センサ部110はベンチ10の通行路側の側面に設けられる必要はなく、通行路200を移動する通行人50を検知できる任意の位置に設けられることが可能である。なお、本明細書では照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cを総称して照明装置20と称する場合がある。
【0015】
図1(b)は、
図1(a)のA‐Aにおける断面図である。照明装置20cは、人工物であるベンチ10の下部に設けられた凹部11の内部の上面12に設けられる。特に望ましくは、照明装置20cは、凹部11の内部の上面12の通行路200とは反対側の角部13に設けられることが好ましい。照明装置20cから照射された光束30cは、通行路200およびベンチ10の下部に照射される。通行路200に照射された光束30cによって、通行路面上に任意の照明パターンが形成される。
【0016】
人工物であるベンチ10には凹部11の通行路200側の側面を上部から覆うように前縁部14が設けられる。前縁部14によって、照明装置20cから照射された光束30cの上側の一部が遮光される。照明装置20cから照射された光束30cの上側が通行路200を超えてベンチ10の反対側を照射するようになると、照明パターンのベンチ10と反対側の形状が不明確になる可能性がある。照明パターンの形状が不明確になれば、通行人50に対する移動方向の案内効果が低減される可能性があるので、ベンチ10の前縁部14の遮光効果が必要になる場合がある。また、前縁部14は照明装置20cから照射された光束30cが通行路200の上側に照射されることを防ぐ機能も有する。光束30cが通行路200の上側に照射されると、通行人50の目に光束30cが直接入射され、通行人50に不快グレア等の不要なグレアを発生させる可能性がある。このように、前縁部14は照明装置20cから照射された光束30cが通行人50の目に直接入射されることによって発生する可能性があるグレアを抑制する効果がある。
【0017】
図1(c)は、人工物であるベンチ10の下部の凹部11に設けられた照明装置20が点灯している状態を示している。照明装置20から照射された光束によって、通行路面上に照明パターン40が形成される。
図1(c)に示される照明パターン40は、複数の連続する波の断面形状である。複数の連続する波の断面形状の波打つ部分は正弦波でもよいが、照明装置20から放射される光束の輝度分布に対応した形状である場合がある。
【0018】
図1(c)において、例えば、照明パターン40の頂点41aによって形成される連続した波の断面形状は、照明装置20a、照明装置20bおよび照明装置20cが主に関与して形成されてもよい。この場合には、照明装置20bの輝度を照明装置20aおよび照明装置20cの輝度よりも高くすることによって、波の断面形状を形成することが可能となる。頂点41aを形成する光束は照明装置20bから放射された光束がメインとなる。また、例えば、照明パターン40の頂点41bによって形成される波の断面形状は、照明装置20c、照明装置20dおよび照明装置20eが主に関与して形成されてもよい。この場合には、照明装置20dの輝度を照明装置20cおよび照明装置20eの輝度よりも高くすることによって、波の断面形状を形成することが可能となる。頂点41bを形成する光束は照明装置20dから放射された光束がメインとなる。
【0019】
図1(c)において、例えば、連続した波の断面形状によって示される照明パターン40が方向D1に移動しているように、通行人50に感じさせるためには、あらかじめ定められた時間間隔で方向D1に頂点を移動させることが必要である。そのために、例えば頂点41aに関しては照明装置20b(強)→照明装置20c(強)→照明装置20d(強)→照明装置20e(強)→照明装置20f(強)→照明装置20g(強)と照明装置20の輝度を変更させる必要がある。((強):輝度が他の照明装置よりも高いことを示す)。また、照明パターン40が方向D1に連続的に移動しているように、通行人50に感じさせるためには、さらに、照明装置20g(強)→照明装置20a(強)→照明装置20b(強)と照明装置20の輝度を続けて変更させる必要がある。また、頂点41bおよび頂点41cに関しても、照明装置20d(強)および照明装置20f(強)から順番に照明装置20の輝度を変更させる必要がある。
【0020】
なお、照明装置20の輝度が変更するタイミングはすべての照明装置20で同期がとれている必要がある。また、照明装置20の輝度が変更するタイミングは、あらかじめ定められた時間間隔であってもよい。あらかじめ定められた時間間隔は、照明制御システム1000によって任意の値に設定されることが可能である。また、通行人50をセンシングするセンサ部110によって通行人50の歩行速度を検知できる場合には、以下のように動作してもよい。すなわち、照明制御装置100は、照明装置20の輝度の変更速度を、通行人50の歩行速度よりも速い、遅い、または、通行人50の歩行速度と同一の速度で、照明パターン40が移動するように変更させることが可能である。また、照明パターン40を形成する場合に、光束を照射しないように照明装置20の発光部がOFFとなる場合があってもよい。
【0021】
また、照明装置20の数は、
図1(a)および
図1(c)に示された数に限定されるわけではなく、
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の数よりも多くとも少なくともよい。例えば、
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の間にさらに多くの照明装置20を配置してもよい。
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の間にさらに1個の照明装置20を設ける場合を一例として説明する。この場合には、照明装置20aと照明装置20bとの間に図示しない照明装置20abを設け、照明装置20bと照明装置20cとの間に図示しない照明装置20abを設け、照明装置20cと照明装置20dとの間に図示しない照明装置20cdを設ける。さらに、照明装置20dと照明装置20eとの間に図示しない照明装置20deを設け、照明装置20eと照明装置20fとの間に図示しない照明装置20efを設け、照明装置20fと照明装置20gとの間に図示しない照明装置20fgを設ける。
【0022】
上記の場合のように、照明装置20の数を増やして設置することによって、通行人50にとって、波の断面形状によって示される照明パターンの移動をスムーズに感じさせる効果を生じさせることも可能になる。
【0023】
(第2実施形態)
図2は、本実施形態に係わる照明制御システム1000の概要の他の一例を示す模式図である。
図2では、照明パターン40を単一の突起状の形状とし、単一の突起状の形状が方向D1に移動することによって、通行人50に方向D1に移動すべきであることを知覚させる構成を示している。なお、本明細書では、照明パターン40a、照明パターン40bおよび照明パターン40cを総称して、照明パターン40と称する場合もある。
【0024】
図2(a)において、通行人50は、通行路200を歩行している。照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cは、人工物であるベンチ10の下部に設けられた凹部11の内部に設けられる。また、照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cは、通行路200に交差する方向から光束を通行路面上に照射し、照明パターンを通行路面上に形成するように、凹部11の内部の上面側に設けられる。なお、
図2(a)では、センサ部110が通行人50を検知していないとして照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cから光束が放射されていない状態を示している。また、センサ部110はベンチ10の通行路側の側面に設けられる必要はなく、通行路200を移動する通行人50を検知できる任意の位置に設けられることが可能である。なお、本明細書では照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cを総称して照明装置20と称する場合がある。
【0025】
図2(b)は、
図2(a)のA‐Aにおける断面図である。照明装置20cは、人工物であるベンチ10の下部に設けられた凹部11の内部の上面12に設けられる。特に望ましくは、照明装置20cは、凹部11の内部の上面12の通行路200とは反対側の角部13に設けられることが好ましい。照明装置20cから照射された光束30cは、通行路200およびベンチ10の下部に照射される。通行路200に照射された光束30cによって、通行路面上に任意の照明パターンが形成される。
【0026】
人工物であるベンチ10には凹部11の通行路200側の側面を上部から覆うように前縁部14が設けられる。前縁部14によって、照明装置20cから照射された光束30cの上側の一部が遮光される。照明装置20cから照射された光束30cの上側が通行路200を超えてベンチ10の反対側を照射するようになると、照明パターンのベンチ10と反対側の形状が不明確になる可能性がある。照明パターンの形状が不明確になれば、通行人50に対する移動方向の案内効果が低減される可能性があるので、ベンチ10の前縁部14の遮光効果が必要になる場合がある。また、前縁部14は照明装置20cから照射された光束30cが通行路200の上側に照射されることを防ぐ機能も有する。光束30cが通行路200の上側に照射されると、通行人50の目に光束30cが直接入射され、通行人50に不快グレア等の不要なグレアを発生させる可能性がある。このように、前縁部14は照明装置20cから照射された光束30cが通行人50の目に直接入射されることによって発生する可能性があるグレアを抑制する効果がある。
【0027】
図2(c)は、人工物であるベンチ10の下部の凹部11に設けられた照明装置20aが点灯している状態を示している。照明装置20aから照射された光束によって、通行路面上に照明パターン40aが形成される。
図2(c)に示される照明パターン40は、単一の突起状の形状である。単一の突起状の形状は、照明装置20aから放射される光束の輝度分布に対応した形状である場合がある。
【0028】
図2(c)において、例えば、照明パターン40aは、照明装置20aが主に関与して形成されてもよい。この場合には、照明装置20aの発光部がONとなり、照明装置20bおよび照明装置20cの発光部をOFFとすることによって、単一の突起状の形状を形成することが可能となる。また、例えば、照明パターン40bは、照明装置20bが主に関与して形成されてもよい。この場合には、照明装置20bの発光部がONとなり、照明装置20aおよび照明装置20cの発光部をOFFとすることによって、単一の突起状の形状を形成することが可能となる。さらに、例えば、照明パターン40cは、照明装置20cが主に関与して形成されてもよい。この場合には、照明装置20cの発光部がONとなり、照明装置20aおよび照明装置20bの発光部をOFFとすることによって、単一の突起状の形状を形成することが可能となる。
【0029】
図2(c)において、例えば、単一の突起状の形状によって示される照明パターン40が方向D1に移動しているように、通行人50に感じさせるためには、あらかじめ定められた時間間隔で方向D1に照明パターン40を移動させることが必要である。そのために、例えば、照明装置20a(強)→照明装置20b(強)→照明装置20c(強)と照明装置20の輝度または照明装置20の発光部のON/OFFを変更させる必要がある。((強):輝度が他の照明装置よりも高いことを示す)。一例として、照明装置20aが発光した場合には、照明装置20bおよび照明装置20cが消灯する。次に、照明装置20aが消灯すると、照明装置20bが発光し、照明装置20cは消灯状態を継続する。次に、照明装置20bが消灯すると、照明装置20cが発光し、照明装置20aは消灯状態を継続する。照明装置20が上記動作を順番に繰り返すことによって、方向D1に照明パターン40を連続させて移動させることが可能になる。
【0030】
なお、照明装置20の輝度またはON/OFFが変更するタイミングはすべての照明装置20で同期がとれている必要がある。また、照明装置20の輝度またはON/OFFが変更するタイミングは、あらかじめ定められた時間間隔であってもよい。あらかじめ定められた時間間隔は、照明制御システム1000によって任意の値に設定されることが可能である。また、通行人50をセンシングするセンサ部110によって通行人50の歩行速度を検知できる場合には、以下のように動作してもよい。すなわち、照明制御装置100は、照明装置20の輝度またはON/OFFの変更速度を、通行人50の歩行速度よりも速い、遅い、または、通行人50の歩行速度と同一の速度で、照明パターン40が移動するように変更させることが可能である。また、通行人50の歩行速度が変化した場合には、歩行速度の変化の割合に応じて、照明装置20の輝度またはON/OFFの変更速度を変化させてもよい。例えば、通行人50の歩行速度が速い方向に変化した場合には、照明装置20の輝度またはON/OFFの変更速度も速い方向に変化させてもよい。また、例えば、通行人50の歩行速度が遅い方向に変化した場合には、照明装置20の輝度またはON/OFFの変更速度も遅い方向に変化させてもよい。
【0031】
また、照明装置20の数は、
図1(a)および
図1(c)に示された数に限定されるわけではなく、
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の数よりも多くとも少なくともよい。例えば、
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の間にさらに多くの照明装置20を配置してもよい。
図1(a)および
図1(c)に示された照明装置20の間にさらに1個の照明装置20を設ける場合を一例として説明する。この場合には、照明装置20aと照明装置20bとの間に図示しない照明装置20abを設け、照明装置20bと照明装置20cとの間に図示しない照明装置20abを設け、照明装置20cと照明装置20dとの間に図示しない照明装置20cdを設ける。
【0032】
上記の場合のように、照明装置20の数を増やして設置することによって、通行人50にとって、単一の突起状の形状によって示される照明パターンの移動をスムーズに感じさせる効果を生じさせることも可能になる。
【0033】
(第3実施形態)
図3Aは、本実施形態に係わる照明制御システム1000の概要のその他の一例を示す模式図である。
図3Aでは、自然物である樹木90の上方に設けられた照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cおよび照明装置20dを通行路200に沿って順番に点灯させる。樹木90の影パターン80が通行路面上に順番に形成されることによって、通行人50に方向D2(
図3C参照)に移動すべきであることを知覚させる構成を示している。なお、本明細書では、影パターン80a、影パターン80b、影パターン80cおよび影パターン80dを総称して、影パターン80と称する場合もある(
図3C参照)。
【0034】
図3Aは、上述したように、自然物である樹木90の上方に照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cおよび照明装置20dが設けられた状態を示している。照明装置20aが点灯すると、照明装置20aから放出される光が光束30aとなって、樹木90に照射され、光束30aによって樹木90の影パターン80a(
図3C参照)が通行路面上に形成される。また、照明装置20bが点灯すると、照明装置20bから放出される光が光束30bとなって、樹木90に照射され、光束30bによって樹木90の影パターン80b(
図3C参照)が通行路面上に形成される。さらに、照明装置20cが点灯すると、照明装置20cから放出される光が光束30cとなって、樹木90に照射され、光束30cによって樹木90の影パターン80c(
図3C参照)が通行路面上に形成される。さらに、照明装置20dが点灯すると、照明装置20dから放出される光が光束30dとなって、樹木90に照射され、光束30dによって樹木90の影パターン80d(
図3C参照)が通行路面上に形成される。
【0035】
図3Bは、
図3Aの上面図である。樹木90を取り囲むように通行路200が配置されているので、通行人50は樹木90の周りを曲がって通行する必要がある。樹木90の上方に、照明装置20a、照明装置20b、照明装置20cおよび照明装置20dが設けられ、樹木90の斜め上方から光束30を照射するように各照明装置20が配置される。
【0036】
例えば、上述したように、照明装置20aが点灯すると、照明装置20aから放出される光が光束30aとなって、樹木90に斜め上方から照射され、光束30aによって樹木90の影パターン80a(
図3C参照)が通行路面上に形成される。次に、照明装置20aが消灯し、照明装置20bが点灯すると、照明装置20bから放出される光が光束30bとなって、樹木90に斜め上方から照射され、光束30bによって樹木90の影パターン80b(
図3C参照)が通行路面上に形成される。次に、照明装置20bが消灯し、照明装置20cが点灯すると、照明装置20cから放出される光が光束30cとなって、樹木90に斜め上方から照射され、光束30cによって樹木90の影パターン80c(
図3C参照)が通行路面上に形成される。次に、照明装置20cが消灯し、照明装置20dが点灯すると、照明装置20dから放出される光が光束30dとなって、樹木90に斜め上方から照射され、光束30dによって樹木90の影パターン80d(
図3C参照)が通行路面上に形成される。ある照明装置20が消灯し、隣接する次の照明装置20が点灯するまでの時間は照明制御システム1000において任意の時間に設定されることができる。一例として、上記時間は1~2秒の値であってもよい。また、ある照明装置20が消灯し、隣接する次の照明装置20が点灯するまでの時間は、通行人50の歩行速度よりも速い、遅い、または、通行人50の歩行速度と同一であってもよい。また、通行人50をセンサ部110が検知すると、照明装置20aが点灯し、通行人50が影パターン80a(
図3C参照)に位置することをセンサ部110が検知すると、照明装置20aが消灯し、照明装置20bが点灯することも可能である。同様に、通行人50が影パターン80b(
図3C参照)に位置することをセンサ部110が検知すると、照明装置20bが消灯し、照明装置20cが点灯することも可能である。さらに、通行人50が影パターン80c(
図3C参照)に位置することをセンサ部110が検知すると、照明装置20cが消灯し、照明装置20dが点灯することも可能である。さらに、通行人50が影パターン80d(
図3C参照)に位置した後に、影パターン80dから離れることをセンサ部110が検知すると、すべての照明装置20が消灯することも可能である。この場合には、センサ部110は1つである必要はなく、複数のセンサ部110によって、通行人50の位置を検知する構成とすることも可能である。
【0037】
図3Cは、通行人50が通行路200を方向D2に沿って移動するように、影パターン80a、影パターン80b、影パターン80c、影パターン80dの順番に、影パターン80が発生する様子を示した模式図である。影パターン80のなかのいずれか一つが形成され、その他の影パターン80が形成されないことを基本とするが、方向D2が認識される態様で、複数の影パターン80が同時に形成される態様であってもよい。
【0038】
なお、通行人50が影パターン80dの上方に最初に位置した場合には、影パターン80は方向D2と逆方向を通行人50が認識できるように、順番に形成される態様とすることが可能である。
【0039】
(照明制御装置および照明制御システムの構成例)
図4には、照明制御装置100を含む照明制御システム1000の構成を示すブロック図が示されている。照明制御システム1000は、照明装置20、照明制御装置100および被照明体300を含む。
【0040】
照明装置20は、LED、電球、蛍光灯などの任意の光源を使用することが可能である。また、照明装置20から放射される光束30の広がり角度は、所望の角度にあらかじめ設定されてもよい。例えば、照明パターン40が通行人50に対して美観を生じさせるような湾曲を有するように光束30の広がり角度が設定されてもよい。また、照明装置20は単一または複数の輝度で発光する構成とすることも可能である。例えば、第1実施形態の連続する波の断面形状を示す照明パターン40を形成するためには、隣接する照明装置20は異なる輝度で発光することが好ましい場合がある。また、通行人50の近くに位置する照明装置20の輝度を高く、または、低く設定し、および、通行人50から遠くに位置する照明装置20の輝度を高く、または、低く設定し、視覚による誘導効果を高めることが可能である。
【0041】
被照明体300は、第1実施形態および第2実施形態に示されるベンチ10、通行路200等の人工物、および、第3実施形態に示される樹木90等の自然物である場合がある。なお、通行路200は自然にできた自然物である場合もある。ベンチ10においては、光束30の一部を遮光する前縁部14が被照明体300に含まれる場合がある。
【0042】
照明制御装置100は、照明/影パターン選択部140、照明装置制御情報生成部150、照明装置制御部160、計時部170および記憶部180を含む。なお、照明制御装置100に必須の構成ではないが、照明制御装置100は、センサ部110、分析部120および対象物情報生成部130を含む場合もある。
【0043】
照明/影パターン選択部140は、照明装置20から照射される光束30によって形成されるパターンが、第1実施形態の連続した波の断面形状の照明パターン40であるか、第2実施形態の単一の突起状の照明パターン40であるかを選択する機能を有する。あるいは、照明/影パターン選択部140は、照明装置20から照射される光束30によって形成されるパターンが、第3実施形態に係わる樹木90の影パターンであるかを選択する機能を有する。
【0044】
上記機能を実現するために、照明/影パターン選択部140は、記憶部180にあらかじめ記憶された照明制御装置100の識別情報を読み取り、識別情報に対応付けられた照明/影パターンを選択することが可能である。または、図示しないスイッチによって、照明/影パターンを選択する構成とすることも可能である。
【0045】
照明/影パターン情報には、それぞれの照明装置20の輝度情報またはON/OFF情報が含まれることが可能である。照明装置20で光束30の広がり角度を調整可能な場合には、照明/影パターン情報には広がり角度情報が含まれてもよい。なお、照明/影パターン選択部140において選択される照明パターンまたは影パターンは、照明装置20が起動直後の初期の照明パターンまたは影パターンである。または、通行人50を検知した後に最初に表れる照明パターンまたは影パターンである。
【0046】
照明装置制御情報生成部150は、照明/影パターン選択部140で選択された照明パターンまたは影パターンが時間の経過とともに、通行人50が移動すべき方向を認識できるように変化する照明パターンまたは影パターンの制御情報を生成する機能を有する。
【0047】
照明装置制御情報生成部150は、計時部170に含まれる図示しないタイマーによって計時された時間情報に基づいて、通行人50が移動すべき方向を認識できるように変化する照明パターンまたは影パターンの制御情報を生成することが可能である。この場合には、通行人50の存在状況および移動状況とは無関係に変化する照明パターンまたは影パターンの制御情報を生成する。
【0048】
また、照明装置制御情報生成部150は、センサ部110によって検知した通行人50の存在状況および移動状況によって、通行人50が移動すべき方向を認識できるように変化する照明パターンまたは影パターンの制御情報を生成することが可能である。照明パターンまたは影パターンの変化態様は、前述したので、説明を省略するが、通行人50が移動すべき方向を認識できるように変化するように、照明装置20の点灯順番や照射する光束30の輝度等のパラメータが変化する。なお、照明装置制御情報生成部150は、計時部170によって計時された時刻情報に基づいて、照明装置20から照射される光束30によって生成される照明パターンまたは影パターンの周囲の色相、彩度、明度を変化させることが可能である。
【0049】
照明装置制御部160は、照明装置制御情報生成部150によって生成された照明制御情報にしたがって、照明装置20の点灯のON/OFF制御、照明装置20から照射される光束30の輝度の制御等の制御を実行する機能を有する。
【0050】
計時部170は時刻を計時できるタイマー等を含み、照明装置制御情報生成部150に計時した時刻情報を出力する。
【0051】
記憶部180は、照明制御装置100が複数ある場合のそれぞれの照明制御装置100に固有の識別情報と、識別情報に対応付けられた照明パターンまたは影パターンに関する情報が記憶される。なお、記憶部180に記憶される照明パターンまたは影パターンは、照明装置20が起動した直後の初期の照明パターンまたは影パターンである。または、記憶部180に記憶される照明パターンまたは影パターンは、通行人50を検知した後に最初に表れる照明パターンまたは影パターンである。また、記憶部180は、照明装置20から照射される光束30によって生成される照明パターンまたは影パターンの周囲の色相情報、彩度情報、明度情報を一日の時刻に対応付けて記憶することも可能である。
【0052】
照明制御装置100が、センサ部110、分析部120および対象物情報生成部130を含む場合には、センサ部110、分析部120および対象物情報生成部130は以下の機能を有する。
【0053】
センサ部110は、ベンチ10に近づく通行人50、または、樹木90に近づく通行人50の存在状況や移動状況を検知する機能を有する。センサ部110は、人感センサやCCDカメラ等の通行人50を検知するための任意のセンサを採用することが可能である。センサ部110が人感センサ等のセンサであれば、通行人50を検知すれば検知信号を分析部120に出力し、通行人50を検知しなくなれば検知信号を分析部120に出力しないように構成することが可能である。また、センサ部110がCCDカメラ等のセンサであれば、画像情報、温度分布情報等の情報を分析部120に出力することが可能である。
【0054】
分析部120は、通行人50がベンチ10または樹木90に近づいてきて検知されたのか、通行人50がベンチ10または樹木90から離れて検知されなくなったのかを分析する機能を有する。また、分析部120がセンサ部110から画像情報、温度分布情報等の情報を入力する場合には、通行人50とベンチ10または樹木90との相対位置関係、若しくは、通行人50と照明パターン40または影パターン80との相対位置関係の分析が可能となる。
【0055】
対象物情報生成部130は、分析部120において分析された情報に基づいて、通行人50を含む対象物の情報を生成する機能を有する。対象物情報には、対象物の検知情報、不検知情報、位置情報またはベンチ10または樹木90と通行人50との相対位置関係、通行人50の移動速度情報の少なくとも一つ以上の情報が含まれてもよい。さらに、対象物情報には、通行人50と照明パターン40または影パターン80との相対位置関係情報が含まれてもよい。対象物情報は対象物情報生成部130から照明装置制御情報生成部150に出力される。
【0056】
(照明制御装置および照明制御システムの動作例)
図5は、照明制御装置100を含む照明制御システム1000の動作の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、照明制御装置100にセンサ部110、分析部120および対象物情報生成部130が含まれる場合のフローチャートである。
【0057】
ステップS501において、センサ部110がセンサ部110の周囲のセンサ情報を取得する。また、センサ部110は取得したセンサ情報を分析部120に出力する。次に、照明制御装置100はステップS502に進む。
【0058】
ステップS502において、分析部120はセンサ部110から受信したセンサ情報から通行人50がベンチ10または樹木90に近づいてきて検知されたのか、通行人50がベンチ10または樹木90から離れて検知されなくなったのかを分析する。次に、照明制御装置100はステップS503に進む。
【0059】
ステップS503において、分析部120がセンサ情報から通行人50等の対象物が検知されたか否かを判定する。通行人50等の対象物が検知された場合(ステップS503:YES)には、照明制御装置100はステップS504に進む。通行人50等の対象物が検知されなかった場合(ステップS503:NO)には、照明制御装置100はステップS501に戻り、通行人50等の対象物が検知されるまで上記ステップを繰り返す。
【0060】
ステップS504において、対象物情報生成部130は対象物情報を生成し、照明制御装置100はステップS505に進む。
【0061】
ステップS505において、照明/影パターン選択部140は、対象物情報から通行人50等の対象物が検知されたことを認識すると、初期または最初の照明パターン40若しくは影パターン80を選択する。次に、照明制御装置100はステップS506に進む。
【0062】
ステップS506において、照明装置制御情報生成部150は、照明/影パターン選択部140で選択された照明パターン40または影パターン80を生成するための照明装置20を選択し、照明制御情報を照明装置制御部160に出力する。照明制御情報を受信した照明装置制御部160は、照明制御情報にしたがって、点灯させる照明装置20を選択し、照明装置20から照射される光束30の輝度等のパラメータを制御する。
【0063】
ステップS507において、照明装置制御情報生成部150は、計時部170から時刻情報を取得し、照明パターン40または影パターン80を変化させるための一定時間が経過したか否かを判定する。照明パターン40または影パターン80を変化させるための一定時間が経過した場合(ステップS507:YES)には、照明装置制御情報生成部150は、ステップS506に戻って、照明パターン40または影パターン80を変化させる処理を実行する。照明パターン40または影パターン80を変化させるための一定時間が経過していない場合(ステップS507:NO)には、照明制御装置100はステップS508に進む。
【0064】
ステップS508において、センサ部110がセンサ部110の周囲のセンサ情報を取得する。次に、照明制御装置100はステップS509に進む。
【0065】
ステップS509において、分析部120がセンサ情報から通行人50等の対象物が検知されなくなったか否かを判定する。通行人50等の対象物が検知されなくなった場合(ステップS509:YES)には、照明制御装置100は処理を終了する。通行人50等の対象物が検知された場合(ステップS509:NO)には、照明制御装置100はステップS507に戻る。
【0066】
なお、照明制御システム1000は、通行人50を検知するセンサ部110によって、通行人50を検知すると、照明制御装置100がウェイクアップし、通行人50を検知しなくなると照明制御装置100がスリープモードになることが可能である。照明制御装置100がスリープモードの間は照明装置20もスリープモードになり、照明装置20が点灯しないことが好ましい。
【0067】
以上説明したように、照明を用いて、照明パターン40または影パターン80を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる照明制御装置、および、照明制御システムを提供することが可能になる。
【0068】
以下に、上述した実施形態に係わる照明制御装置100、および、照明制御システム1000の特徴について記載する。
【0069】
(1) 照明制御装置100は以下の構成を含むことが好ましい。
(i) 通行人50が通行する通行路面上に形成される照明パターン40または影パターン80を選択する照明/影パターン選択部140を含むことが好ましい。
(ii) 選択された照明パターン40または影パターン80を形成するための照明装置20を制御する照明装置制御情報を生成する照明装置制御情報生成部150を含むことが好ましい。
(iii) 照明装置制御情報を用いて、照明装置20を制御する照明装置制御部160を含むことが好ましい。
(iv) 照明装置制御情報は、通行人が通行する通行路面上の照明パターンまたは影パターンが、通行人が進行するべき方向に移動するように照明装置20を制御する情報であることが好ましい。
【0070】
本開示によれば、照明を用いて、照明パターン40または影パターン80を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0071】
(2) 照明パターン40は、通行人が進行するべき方向に交差する方向から照明装置20によって照射される、通行人の目に直接入射しない光束によって形成されることが好ましい。
【0072】
本開示によれば、通行人50の目に直接入射しない間接照明を用いるので、通行人50に不快グレア等のグレアを生じさせずに、照明パターン40を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0073】
(3) 照明パターンは、複数の連続する波の断面形状であり、複数の連続する波の断面形状が、通行人が進行するべき方向に連続して繰り返し移動することにより、通行人の進行方向を案内することが好ましい。
【0074】
本開示によれば、照明を用いて、複数の連続する波の断面形状を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0075】
(4) 複数の連続する波の断面形状は、照明装置制御部が複数の照明装置の輝度を異なるように制御して形成することが好ましい。
【0076】
本開示によれば、照明を用いて形成する複数の連続する波の断面形状照明の移動が細かく制御されるので、通行人50は連続する波の移動を良好に視認できるので、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0077】
(5) 複数の連続する波の断面形状によって表現される波の高さは、通行人が進行するべき方向に向かって低くまたは高く変化し、若しくは、波の高さが変化しないことが好ましい。
【0078】
本開示によれば、複数の連続する波の断面形状によって表現される波の高さが、進行方向に向かって変化すれば、遠近効果、または、目標方向がはっきり認識される効果によって、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。また、複数の連続する波の断面形状によって表現される波の高さが変化しない場合であっても、通行人50の足元から連続する波の断面形状が移動することによって、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0079】
(6) 照明パターンは、単一の突起状の形状であり、単一の突起状の形状が、通行人が進行するべき方向に連続して繰り返し移動することにより、通行人の進行方向を案内することが好ましい。
【0080】
本開示によれば、照明を用いて、照明パターン40として単一の突起状の形状を通行人50が移動するべき方向に変化させるので、通行人50は移動すべき方向強く認識して一定方向に自然に誘導されることが可能になる。
【0081】
(7) 単一の突起状の形状によって表現される突起部の高さは、通行人が進行するべき方向に向かって低くまたは高く変化し、若しくは、突起部の高さが変化しないことが好ましい。
【0082】
本開示によれば、単一の突起状の形状によって表現される突起部の高さが、進行方向に向かって変化すれば、遠近効果、または、目標方向がはっきり認識される効果によって、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。また、単一の突起状の形状によって表現される突起部の高さが変化しない場合であっても、通行人50の足元から連続する波の断面形状が移動することによって、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0083】
(8) 影パターンは、照明装置によって照射された人工物または自然物の影によって形成されるパターンであることが好ましい。
【0084】
本開示によれば、照明を用いて、影パターン80を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向により自然に誘導することが可能になる。
【0085】
(9) 自然物は樹木であり、影パターンは、樹木の上部または樹木の上部から空間を隔てた上方に設けられた照明装置によって照射されることによって形成されることが好ましい。
【0086】
本開示によれば、照明を用いて、樹木によって形成された影パターン80を通行人50が移動するべき方向に変化させるので、通行人50は影パターン80の変化を楽しみながら一定方向に自然に誘導されることが可能になる。
【0087】
(10) 照明制御システム1000は以下の構成を含むことが好ましい。すなわち、照明制御システム1000は、(1)から(7)のいずれか一項に記載の照明制御装置100と、照明制御装置100によって制御される照明装置20と、通行人が通行する通行路面の側面に設けられる人工物と、を含むことが好ましい。照明制御システム1000に含まれる人工物の通行路面と接する面に凹部11が設けられ、照明装置20は照明パターン40を形成するように凹部11の内部に設けられることが好ましい。
【0088】
本開示によれば、照明を用いて、通行路200の側面から形成される照明パターン40を通行人50が移動するべき方向に変化させて、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0089】
(11) 照明制御システム1000は以下の構成をさらに含むことが好ましい。すなわち、照明制御システム1000は、通行人50を検知するセンサ部110をさらに備え、通行人50を検知すると、照明制御装置100がウェイクアップし、通行人50を検知しなくなると照明制御装置100がスリープモードになることが好ましい。
【0090】
本開示によれば、通行人50が通行路200または通行路200の近傍に存在する場合だけ、照明制御装置100および照明装置20が動作するので、照明制御装置100および照明装置20がバッテリーで動作するなどに省電力化を図ることが可能になる。
(12) 照明制御システム1000は以下の構成をさらに含むことが好ましい。すなわち、人工物の凹部には、通行路面に形成される照明パターンの通行人が進行するべき方向と交差する方向であって、人工物とは反対側の照明パターンを形成する照明装置から放出される光束を遮光する前縁部を備えることが好ましい。
【0091】
本開示によれば、照明パターン40を通行路面上で明確に表現することが可能となるので、通行人50を一定方向に自然に誘導することが可能になる。
【0092】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。また、さまざまな実施形態の一部または全部を組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。
【符号の説明】
【0093】
20 照明装置
100 照明制御装置
110 センサ部
120 分析部
130 対象物情報生成部
140 照明/影パターン選択部
150 照明装置制御情報生成部
160 照明装置制御部
170 計時部
180 記憶部
1000 照明制御システム