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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】文書処理プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20231117BHJP
   G06F 16/2455 20190101ALI20231117BHJP
【FI】
G06Q50/18
G06F16/2455
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019095648
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020190905
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalOn Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】川戸 崇志
(72)【発明者】
【氏名】舟木 類佳
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-240891(JP,A)
【文献】特開2005-267052(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042548(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約書データベースに記憶される複数の契約書のそれぞれの内容を示す契約書情報、及び前記複数の契約書のそれぞれの付随的な内容を示す付随情報の少なくともいずれかを解析して、契約状況を示す抽出情報を抽出する処理を実行し、
前記契約書情報、前記付随情報、及び前記抽出情報の少なくともいずれかを参照して、前記複数の契約書のうちの少なくともいずれか一つの契約書を解析するために受け付けられた第1解析条件に基づいて、前記少なくともいずれか一つの契約書を抽出する処理を実行し、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を解析するための第2解析条件を受け付ける処理を実行し、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を、前記第2解析条件に基づいて解析する処理を実行し、
前記解析の解析結果を出力する処理を実行する
ように構成されたプロセッサを有する情報処理装置。
【請求項2】
前記出力する処理は、前記解析結果を、前記第2解析条件に対応する凡例を用いたグラフ形式で出力する処理を含む、請求項1に記載の情報処理装置
【請求項3】
前記第2解析条件を受け付ける処理は、前記出力する処理に応じて表示される画面における、前記第2解析条件を再度指定する操作に応じて、前記再度指定される第2解析条件を受け付ける処理を含み、
前記解析する処理は、前記抽出される少なくとも一つの契約書を、前記再度受け付ける第2解析条件に基づいて解析する処理を含み、
前記出力する処理は、前記再度受け付ける第2解析条件に基づいた解析の解析結果を出力する処理を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置
【請求項4】
前記第1解析条件は、契約書が示す契約の契約類型に関する情報及び契約における立場に関する情報の少なくともいずれかをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1解析条件は、契約書のステータスに関する、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置
【請求項6】
前記抽出情報は、前記契約書データベースに記憶される前記契約書のテキストを解析して抽出される情報を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
契約書データベースに記憶される複数の契約書のそれぞれの内容を示す契約書情報、及び前記複数の契約書のそれぞれの付随的な内容を示す付随情報の少なくともいずれかを解析して、契約状況を示す抽出情報を抽出し、
前記契約書情報、前記付随情報、及び前記抽出情報の少なくともいずれかを参照して、前記複数の契約書のうちの少なくともいずれか一つの契約書を解析するために受け付けられた第1解析条件に基づいて、前記少なくともいずれか一つの契約書を抽出し、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を解析するための第2解析条件を受け付ける処理を実行し、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を、前記第2解析条件に基づいて解析し、
前記解析の解析結果を出力する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
契約書データベースに記憶される複数の契約書のそれぞれの内容を示す契約書情報、及び前記複数の契約書のそれぞれの付随的な内容を示す付随情報の少なくともいずれかを解析して、契約状況を示す抽出情報を抽出する処理と、
前記契約書情報、前記付随情報、及び前記抽出情報の少なくともいずれかを参照して、前記複数の契約書のうちの少なくともいずれか一つの契約書を解析するために受け付けられた第1解析条件に基づいて、前記少なくともいずれか一つの契約書を抽出する処理と、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を解析するための第2解析条件を受け付ける処理と、
前記抽出される少なくとも一つの契約書を、前記第2解析条件に基づいて解析する処理と、
前記解析の解析結果を出力する処理と、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、契約書からキーワードを検出して契約者にリスクを事前に知らせる情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報処理装置は、契約書の文書中から所定のキーワードを検出し、検出されたキーワードの中から契約する利用者にとっての重要箇所を認識して、重要箇所をリスクとともに提示して締結するか否かを利用者に判断させる。また、情報処理装置は、契約書の文書中から契約の更新期限等を検出すると、更新の設定画面を提示し、更新を通知するか否かを利用者に判断させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/042548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1の情報処理装置は、契約書からキーワードを検出して契約者にリスクを事前に知らせるとともに、契約書の更新通知の要否を判断させるものの、単一の契約書を対象としたものであり、複数の契約書を対象としたものではなく、組織中で締結された膨大な契約書の契約状況を俯瞰して解析するには膨大な人的工程が必要となる、という問題があった。
【0006】
本発明の目的は、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示する文書処理プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の文書処理プログラム及び情報処理装置を提供する。
【0008】
[1]コンピュータを、
契約書を解析するための条件を受け付ける受付手段と、
複数の契約書を含み当該複数の契約書について契約状況を示す情報が抽出情報として抽出されている契約書データベースから、前記受付手段が受け付けた条件に合致する抽出情報を有する契約書を抽出する解析対象抽出手段と、
前記解析対象抽出手段が抽出した契約書を前記受付手段が受け付けた条件に基づいて解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果を表示出力する出力手段として機能させるための文書処理プログラム。
[2]コンピュータを、
契約書を解析するための数値、契約、組織に関する条件及び解析結果の表示方法を受け付ける受付手段と、
複数の契約書を含み当該複数の契約書について少なくとも数値、契約、組織に関する情報が抽出情報として抽出されている契約書データベースから、前記受付手段が受け付けた条件に合致する抽出情報を有する契約書を抽出する解析対象抽出手段と、
前記解析対象抽出手段が抽出した契約書を前記受付手段が受け付けた数値、契約、組織に関する条件に基づいて解析する解析手段と、
前記受付手段が受け付けた表示方法で解析結果を表示出力する出力手段として機能させるための文書処理プログラム。
[3]契約書を解析するための条件を受け付ける受付手段と、
複数の契約書を含み当該複数の契約書について契約状況を示す情報が抽出情報として抽出されている契約書データベースから、前記受付手段が受け付けた条件に合致する抽出情報を有する契約書を抽出する解析対象抽出手段と、
前記解析対象抽出手段が抽出した契約書を前記受付手段が受け付けた条件に基づいて解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果を表示出力する出力手段とを有する情報処理装置。
[4]契約書を解析するための数値、契約、組織に関する条件及び解析結果の表示方法を受け付ける受付手段と、
複数の契約書を含み当該複数の契約書について少なくとも数値、契約、組織に関する情報が抽出情報として抽出されている契約書データベースから、前記受付手段が受け付けた条件に合致する抽出情報を有する契約書を抽出する解析対象抽出手段と、
前記解析対象抽出手段が抽出した契約書を前記受付手段が受け付けた数値、契約、組織に関する条件に基づいて解析する解析手段と、
前記受付手段が受け付けた表示方法で解析結果を表示出力する出力手段とを有する情報処理装置。
【発明の効果】
【0009】
請求項1‐4に係る発明によれば、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、契約書情報の構成を示す概略図である。
図3図3は、付随情報の構成を示す概略図である。
図4図4は、情報処理装置の情報抽出画面の構成を示す概略図である。
図5図5は、情報処理装置の解析条件を受け付ける画面の構成を示す概略図である。
図6図6は、情報処理装置の解析条件を受け付ける画面の構成を示す概略図である。
図7図7は、情報処理装置の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
図8図8は、情報処理装置の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
図9図9は、情報処理装置の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
図10図10は、情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
(情報処理装置の構成)
図1は、実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
情報処理装置1は、CPU(CentralProcessingUnit)等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワークを介して外部と通信する通信部12とを備える。情報処理装置1は、通信部12を介して利用者が操作する端末と接続され、端末の要求信号に基づいて動作するものとする。
【0013】
制御部10は、後述する文書処理プログラムとしての契約書解析プログラム110を実行することで、契約書受付手段100、情報抽出手段101、解析条件受付手段102、解析対象抽出手段103、情報解析手段104及び結果出力手段105等として機能する。
【0014】
契約書受付手段100は、解析対象となる契約書の入力を受け付けて契約書情報111a及び付随情報111bとして記憶部11の契約書データベース111に格納する。契約書情報111aは契約書の内容(主にテキスト情報及びレイアウト情報。修正履歴等を含んでもよい。)を示す情報であり、付随情報111bは契約書の締結主体や締結相手、契約類型、立場、ステータス等の契約書の内容以外の付随的な内容を示す情報である。
【0015】
情報抽出手段101は、契約書情報111aの内容を解析して又は付随情報111bの内容を解析して契約状況を示す情報を抽出する。契約書情報111aの内容から情報を抽出する方法は、予め定めたキーワードに合致する情報及びそのキーワード付近に含まれる文字数字等を抽出するものであってもよいし、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析を行い抽出するものであってもよいし、機械学習に基づくラベリングを行い抽出するものであってもよい。
【0016】
情報抽出手段101が抽出する契約状況を示す情報は、例えば、契約の締結日、有効期間、自動更新有無、当事者名、契約類型、準拠法、合意管轄、契約金額である。また、契約内容として物件名、目的物、委託内容である。また、危険条項の有無として、競業避止義務、解除条件、損害賠償における賠償範囲及び賠償金額の上限、再委託条件における事前許可の要不要及び通知義務の有無である。また、事前通知事項として、商号の変更、資本の変更である。また、事後通知事項である。この他、情報抽出手段101は、契約の際に用いられる情報であれば抽出し、さらに利用者が設定する情報を抽出してもよい。
【0017】
解析条件受付手段102は、契約書データベース111のうち解析対象となる契約書を抽出するための条件を受け付ける。
【0018】
解析対象抽出手段103は、解析条件受付手段102が受け付けた条件に基づいて契約書データベース111から対象となる契約書を抽出する。
【0019】
情報解析手段104は、解析対象抽出手段103が抽出した解析の対象となる契約書を、金額や件数等の数値情報、契約書中で用いられる用語である契約書ターム等の契約情報、及び組織中の会社、部署等を単位としたビジネスセグメントである組織情報に基づいて解析する。なお、情報解析手段104は、解析結果について、予め定めた条件に基づいて通知事項を検出してもよい。また、情報解析手段104は、解析動作を入力された条件や予め定めた条件に基づいて行う他、機械学習に基づいて条件の有無に依らず行うものであってもよい。通知事項は、例えば、契約更新時期が2ヶ月後になった場合等の条件に基づいて検出され、この場合、「契約更新が2ヶ月以内の契約書が3件あります。」等の通知内容となる。
【0020】
結果出力手段105は、情報解析手段104が解析した結果を文字、数字、及びグラフ等の図形を用いて表示可能な情報として出力する。また、結果出力手段105は、情報解析手段104が解析した通知事項に対応する通知内容を合わせて表示してもよい。通知内容は、「契約更新が2ヶ月以内の契約書が3件あります。」等のメッセージの他、アラートを示すアイコン等を用いたものであってもよいし、グラフ上の通知事項に該当する部分について点滅させる等の表示手法を用いてもよい。
【0021】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100-105として動作させる契約書解析プログラム110、契約書データベース111及び抽出情報112等を記憶する。
【0022】
図2は、契約書情報111aの構成を示す概略図である。
【0023】
契約書情報111aは、契約書を識別するための契約書IDと、契約書のデータ名である契約書名と、契約書の内容(主にテキスト情報及びレイアウト情報。修正履歴情報を含んでもよい。)とを有する。
【0024】
図3は、付随情報111bの構成を示す概略図である。
【0025】
付随情報111bは、契約書IDと、契約を締結する利用者の所属する組織の部門名を示す自社締結部門と、契約を締結する相手先と、契約書の種類を示す契約類型と、自社の契約上の立場を示す自社立場と、契約書が契約期間中である「アクティブ」又は契約が終了した状態である「終了」を示すステータスとを有する。なお、ステータスには「契約書準備中」等の他の状態を示すようにしてもよい。
【0026】
(情報処理装置の動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)情報抽出動作、(2)契約書解析動作に分けて説明する。
【0027】
図10は、情報処理装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0028】
(1)情報抽出動作
まず、利用者は、情報処理装置1にネットワークを介して接続された端末を操作し、情報処理装置1に対して解析対象となる契約書を入力する。契約書の入力方法は、ワープロソフトで作成したテキスト及びレイアウトを含むデータを入力し、当該データに不足する自社締結部門、相手先、契約類型、自社立場、ステータス等の情報を追加で入力又は選択するものであってもよいし、ワープロソフトで作成したテキスト及びレイアウトを含むデータのテキスト部分から不足するデータを抽出させるものであってもよいし、契約書を作成するアプリケーションやクラウド上で動作するアプリケーションにおいて予め入力されたテキスト及びレイアウトを含むデータ並びに当該データに付随するデータを入力するものであってもよい。
【0029】
情報処理装置1の契約書受付手段100は、端末から解析対象の契約書の入力を受け付けて図2に示す契約書情報111a及び図3に示す付随情報111bとして記憶部11の契約書データベース111に格納する(S1)。なお、契約書データベース111は、外部に記憶されるものであってもよい。
【0030】
次に、情報抽出手段101は、契約書情報111aの内容及び付随情報111bの内容を解析して情報を抽出し、抽出情報112として記憶部11に格納する(S2)。情報の抽出は、すべての情報が契約書の内容をテキスト解析して自動で行われるものであってもよいが、以下に示すように一部の情報が自動で抽出され、残りの情報が利用者によって追加又は選択されようにしてもよい。
【0031】
図4は、情報処理装置1の情報抽出画面の構成を示す概略図である。
【0032】
画面101aは、情報抽出手段101によって利用者の操作する端末の表示部に表示される画面であり、契約書情報111aの内容を表示する契約書情報表示欄1010と、契約書の類型を選択するための契約類型選択欄1011と、契約書の当事者及びその立場を選択するための立場選択欄1012と、締結日や有効期限等の契約書の時間軸を選択するための時間軸選択欄1013と、契約金額等の契約書の経済条件を選択するための経済条件選択欄1014と、準拠法や管轄等の契約書の一般条項を選択するための一般条項選択欄1015とを有する。
【0033】
なお、契約書情報表示欄1010、契約類型選択欄1011、立場選択欄1012、時間軸選択欄1013、経済条件選択欄1014及び一般条項選択欄1015においてすでに表示されている内容は、情報抽出手段101によって契約書情報111aの内容をテキスト解析して自動で抽出されたものであるが、抽出された項目は利用者によって変更されるものであってもよい。また、抽出されていない情報について利用者が入力、選択するものであってもよい。
【0034】
また、上記した抽出、選択項目は一例であり、その他の項目を抽出、選択できるようにしてもよいことはもちろんである。抽出する情報は、例えば、契約の締結日、有効期間、自動更新有無、当事者名、契約類型、準拠法、合意管轄、契約金額である。また、契約内容として物件名、目的物、委託内容である。また、危険条項の有無として、競業避止義務、解除条件、損害賠償における賠償範囲及び賠償金額の上限、再委託条件における事前許可の要不要及び通知義務の有無である。また、事前通知事項として、商号の変更、資本の変更である。また、事後通知事項である。この他、情報抽出手段101は、契約の際に用いられる情報であれば他の情報を抽出してもよいし、さらに利用者が設定する情報を追加してもよい。
【0035】
(2)契約書解析動作
次に、利用者は、情報処理装置1にネットワークを介して接続された端末を操作し、情報処理装置1に対して解析条件を入力する。
【0036】
情報処理装置1の解析条件受付手段102は、端末から解析条件を受け付ける(S3)。解析条件受付手段102は、解析条件を受け付けるための画面として以下に示すような画面を表示する。
【0037】
図5は、情報処理装置1の解析条件を受け付ける画面の構成を示す概略図である。
【0038】
画面103aは、解析条件を入力するための解析条件入力欄1030と、契約書単位で検索するか条文単位で検索するかを切り替える切替ボタン1031と、検索結果を契約書単位で表示する契約書表示欄1032とを有する。図5に示す状態では解析条件が入力されていないため、契約書表示欄1032にはすべての契約書が表示される。
【0039】
次に、解析条件が入力されると、解析対象抽出手段103は、解析条件受付手段102が受け付けた条件に基づいて契約書データベース111から対象となる契約書を抽出し(S4)、以下に示すような画面を表示する。
【0040】
図6は、情報処理装置1の解析条件を受け付ける画面の構成を示す概略図である。
【0041】
画面103bは、解析条件入力欄1030と、契約書単位で検索するか条文単位で検索するかを切り替える切替ボタン1031と、検索結果を条文単位で表示する条文表示欄1033とを有する。図6に示す状態では解析条件が「自社立場」が「委託者」であり、「tag」として「再委託条件」が「事前通知」であって、「事前承諾」と入力されているため、条文表示欄1033には当該条件に合致する契約書の条文が表示される。
【0042】
次に、情報解析手段104は、解析対象抽出手段103が抽出した解析の対象となる契約書を、金額や件数等の数値情報、契約書中で用いられる用語である契約書ターム等の契約情報、及び組織中の会社、部署等を単位としたビジネスセグメントである組織情報に基づいて解析する(S5)。
【0043】
結果出力手段105は、情報解析手段104が解析した結果を文字、数字、及びグラフ等の図形を用いて出力する(S6)。
【0044】
図7は、情報処理装置1の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
【0045】
画面105aは、解析結果を表示する解析結果表示欄1050と、解析条件を指定するための解析条件指定欄1051とを有する。図7に示す例では、解析条件指定欄1051において数値情報として「契約金額」、契約情報として「中途解約」、組織情報として「事業部」が選択されており、また、グラフの表示方法として「スタック」表示が選択され、当該選択された解析情報及び表示方法に基づいて各事業部の契約金額に対する中途解約の有無が解析結果表示欄1050に表示されている。なお、数値情報としては、他に締結日、契約件数、(製品等の)発注数量等が選択可能である。また、条件情報としては、他に損害賠償額上限の有無、自動更新の有無、競業避止義務の有無等が選択可能である。また、組織情報としては、他に会社、営業所、部署、締結者、取引先、取引先業種等が選択可能である。
【0046】
図8は、情報処理装置1の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
【0047】
また、画面105bは、解析結果表示欄1050と、解析条件指定欄1051とを有し、図8に示す例では、解析条件指定欄1051において数値情報として「件数(%)」、条件情報として「損害賠償責任」、組織情報として「営業所」が選択されており、また、グラフの表示方法として「スタック」表示が選択され、当該選択された解析情報及び表示方法に基づいて各営業所の損害賠償内容(「上限あり」、「直接損害」又は「無制限」)の件数割合が解析結果表示欄1050に表示されている。
【0048】
図9は、情報処理装置1の契約書解析結果表示画面を示す概略図である。
【0049】
また、画面105cは、解析結果表示欄1050と、解析条件指定欄1051とを有し、図9に示す例では、解析条件指定欄1051において数値情報として「件数(%)」、条件情報として契約の「自動更新」、組織情報として「営業所」が選択されており、また、グラフの表示方法として「スタック」表示が選択され、当該選択された解析情報及び表示方法に基づいて各営業所の契約の自動更新有無の件数割合が解析結果表示欄1050に表示されている。
【0050】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、契約書のテキストデータから契約書の契約状況を示す情報を抽出し、これら抽出した抽出情報112を複数の契約書を含む契約書データベース111とともに格納して、解析条件に合致する契約書の情報を数値情報(件数、金額等)、契約情報、組織情報に基づいて表示するようにしたため、複数の契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示することができる。
【0051】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0052】
上記実施の形態では制御部10の各手段100~105の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 :情報処理装置
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :契約書受付手段
101 :情報抽出手段
102 :解析条件受付手段
103 :解析対象抽出手段
104 :情報解析手段
105 :結果出力手段
110 :契約書解析プログラム
111 :契約書データベース
111a :契約書情報
111b :付随情報
112 :抽出情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10