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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】調理システムおよびガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20231117BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20231117BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231117BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
F24C3/12 E
H04M1/00 U
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019121593
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021008965
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(72)【発明者】
【氏名】井本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋也
(72)【発明者】
【氏名】原野 史帆
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-022127(JP,A)
【文献】特開2018-200142(JP,A)
【文献】特開2006-339738(JP,A)
【文献】特開平09-084147(JP,A)
【文献】特開2017-219251(JP,A)
【文献】特開2005-341080(JP,A)
【文献】特開2019-029808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0313544(US,A1)
【文献】特開2017-223401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00-15/36
H04M 1/00、11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバーナを備えたコンロ本体と中継端末と備え、前記中継端末が第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網に直接又は他装置を介して間接的にアクセス可能とされた調理システムであって、
前記コンロ本体は、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で無線通信を行うコンロ側通信部と、前記コンロ側通信部を制御するコンロ側制御部と、前記第2無線通信方式での通信を許可する端末の識別情報を登録する登録部と、を有し、
前記中継端末は、タブレット端末として構成され、前記第1無線通信方式で無線通信を行う第1通信部と、前記第2無線通信方式で無線通信を行う第2通信部と、前記第1通信部及び前記第2通信部を制御する端末側制御部と、を有し、
前記登録部は、前記コンロ本体が電源オフ状態となった場合でも前記識別情報の登録を保持し、
前記コンロ側制御部は、前記登録部に登録された前記識別情報が前記中継端末から与えられたことを条件として前記中継端末と前記第2無線通信方式で無線通信を行い、
前記コンロ側制御部及び前記端末側制御部は、前記コンロ本体が前記中継端末との間で前記第2無線通信方式による無線通信を行うように前記コンロ側通信部及び前記第2通信部を制御する第1制御と、前記コンロ本体が前記中継端末との間で前記第2無線通信方式による無線通信を行いつつ前記中継端末を介して携帯型情報処理端末との間で無線通信を行うように前記コンロ側通信部、前記第1通信部及び前記第2通信部を制御する第2制御と、を行い、
前記第1無線通信方式はWiFi(登録商標)通信方式であり、前記第2無線通信方式はbluetooth(登録商標)通信方式であり、
前記中継端末は、表示部と、前記携帯型情報処理端末から前記コンロ本体に対する消火の指示が入力される入力部と、を有し、
前記端末側制御部は、前記入力部に前記消火の指示が入力された場合に前記消火の指示を前記コンロ本体に対して前記第2無線通信方式で無線送信するように前記第2通信部を制御し、
前記コンロ側制御部は、前記消火の指示が前記中継端末から無線送信された場合に前記消火の指示に応じた消火動作を前記コンロ本体に行わせ、
前記コンロ側制御部は、前記消火動作を開始した後、消火の完了条件の成立前に消火を実行していることを伝える実行中コマンドを前記中継端末に無線送信し、前記消火の完了条件の成立後に消火の完了を伝える完了コマンドを前記中継端末に無線送信する方式で、前記第1制御の際に前記コンロ本体の状態の情報を前記中継端末に無線送信するように前記コンロ側通信部を制御し、
前記端末側制御部は、前記実行中コマンドが前記コンロ本体から無線送信された場合に消火が実行中である旨の表示を前記表示部に行わせ、前記完了コマンドが前記コンロ本体から無線送信された場合に消火が完了した旨の表示を前記表示部に行わせる方式で、前記状態の情報が前記コンロ本体から無線送信された場合に前記状態の情報に応じた表示を前記表示部に行わせ、
前記コンロ側制御部及び前記端末側制御部は、前記コンロ本体の情報を前記携帯型情報処理端末に無線送信するように協働して前記第2制御を行う、
調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理システムおよびガスコンロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の加熱調理システムは、ガスコンロと、ガスコンロを遠隔操作するスマートフォンと、を備えている。このガスコンロは、アクセスポイントを介してLANやインターネットなどのネットワークに接続される。スマートフォンは、このようなネットワークに接続され、アクセスポイントを介してガスコンロと通信を行う。加熱調理システムは、スマートフォンを操作することによって、遠隔操作情報をネットワークを介してガスコンロに送信する。遠隔操作情報として、例えば、加熱部の特定機能(加熱弱火など)を制限する制限情報が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-165548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理システムでは、ガスコンロを広域通信網に接続するために、ガスコンロを有線LANに接続したり、ガスコンロにWiFi(登録商標)通信を行う機能を持たせたりする必要がある。しかし、ガスコンロを有線LANに接続する場合、ルータなどに接続するための配線等が必須になり、更にガスコンロにはLANケーブルを接続するためのコネクタ等が必要となる。そこで、ガスコンロにWiFi(登録商標)通信を行う機能を持たせることが考えられるが、ガスコンロにWiFi通信を行う機能を付加するとガスコンロの消費電力が大きくなってしまう問題が生じる。例えば、電池式のガスコンロは、電池の充電や電池交換を頻繁に行う必要のない構成が求められるが、電池式のガスコンロにWiFi通信を行う機能を付加すると電池の寿命が極端に短くなってしまい、充電や電池交換を頻繁に行う必要が生じてしまうため、現実的には適用が難しい。
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、コンロ本体が外部の情報端末と無線通信を行うことを可能としつつコンロ本体の消費電力を抑え得る技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つである調理システムは、ガスバーナを備えたコンロ本体と中継端末と備え、前記中継端末が第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網に直接又は他装置を介して間接的にアクセス可能とされた調理システムであって、
前記コンロ本体は、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で無線通信を行うコンロ側通信部と、前記コンロ側通信部を制御するコンロ側制御部と、前記第2無線通信方式での通信を許可する端末の識別情報を登録する登録部と、を有し、
前記中継端末は、前記第1無線通信方式で無線通信を行う第1通信部と、前記第2無線通信方式で無線通信を行う第2通信部と、前記第1通信部及び前記第2通信部を制御する端末側制御部と、を有し、
前記登録部は、前記コンロ本体が電源オフ状態となった場合でも前記識別情報の登録を保持し、
前記コンロ側制御部は、前記登録部に登録された前記識別情報が前記中継端末から与えられたことを条件として前記中継端末と前記第2無線通信方式で無線通信を行い、
前記コンロ側制御部及び前記端末側制御部は、前記コンロ本体が前記中継端末との間で前記第2無線通信方式による無線通信を行うように前記コンロ側通信部及び前記第2通信部を制御する第1制御と、前記コンロ本体が前記中継端末との間で前記第2無線通信方式による無線通信を行いつつ前記中継端末を介して情報端末との間で無線通信を行うように前記コンロ側通信部、前記第1通信部及び前記第2通信部を制御する第2制御と、を行う。
【0007】
本発明の一つであるガスコンロは、上記の調理システムに設けられるコンロ本体を含むガスコンロである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つである上記の調理システムは、コンロ本体と中継端末との間で第2無線通信方式による無線通信(中継端末が広域通信網にアクセスするための第1通信方式とは異なる通信方式による無線通信)を行いつつ中継端末を介して情報端末との間で無線通信を行うことができる。よって、コンロ本体と中継端末との間で第1通信方式による無線通信を行わずともコンロ本体が情報端末と無線通信を行うことができるようになり、コンロ本体では、第1通信方式を採用せずに第2無線通信方式を採用して無線通信を行うことによる利点を享受し得る。特に、登録部は、コンロ本体が電源オフ状態となった場合でも通信を許可する端末の識別情報の登録を保持する構成であるため、コンロ本体が電源オフ状態のときには中継端末との通信を行わずに消費電力を抑えることができ、コンロ本体が電源オン状態となった場合には、中継端末から識別情報が与えられることに応じて中継端末との通信を速やかに確立することができる。
【0009】
本発明の一つであるガスコンロは、上記の調理システムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の調理システムを概略的に例示する説明図である。
図2】第1実施形態のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
図3】第1実施形態のガスコンロの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
図4】第1実施形態のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図5】第1実施形態の調理システムの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図6】第1実施形態の調理システムの動作の流れを説明する説明図である。
図7】第1実施形態の情報端末の制御の流れを例示するフローチャートである。
図8】第1実施形態の中継端末の制御の流れを例示するフローチャートである。
図9】第1実施形態のガスコンロの制御の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は、以下の例に限定されない。
【0012】
本発明の一つである調理システムにおいて、第1無線通信方式はWiFi(登録商標)通信方式であり、第2無線通信方式はbluetooth(登録商標)通信方式であってもよい。
この調理システムは、中継端末が広域通信網にアクセスするための第1無線通信方式としてWiFi(登録商標)通信方式を採用し、コンロ本体が中継端末と通信を行うための2無線通信方式としてbluetooth(登録商標)通信方式を採用しているため、コンロ本体は、WiFi(登録商標)通信方式で無線通信を行わずともbluetooth(登録商標)通信方式による無線通信によって広域通信網にアクセス可能となる。よって、コンロ本体から広域通信網へのアクセスを可能としつつコンロ本体と中継端末との間の無線通信において消費電力をより抑制することができ、特に、コンロ本体の電力消費を抑える上でメリットが大きい構成となる。
【0013】
本発明の一つである調理システムにおいて、コンロ側制御部及び端末側制御部は、コンロ本体の情報を情報端末に無線送信するように協働して第2制御を行ってもよい。
この調理システムは、第2制御に伴い、情報端末(コンロ本体及び中継端末とは異なる端末)がコンロ本体の情報(コンロ本体から無線送信された情報)を取得することができるようになる。よって、コンロ本体が第2無線通信方式の利益を享受しつつ、情報端末がコンロ本体から離れた位置でコンロ本体の情報を取得可能となる。
【0014】
本発明の一つである調理システムにおいて、中継端末は、コンロ本体に対する指示が入力される入力部を有していてもよい。端末側制御部は、入力部に指示が入力された場合に上記指示をコンロ本体に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部を制御してもよい。コンロ側制御部は、上記指示が中継端末から無線送信された場合に上記指示に応じた動作をコンロ本体に行わせてもよい。
このように調理システムが構成されていれば、ユーザは、コンロ本体に対する指示を中継端末の入力部に入力することで、中継端末を介してコンロ本体に指示を与えることができ、コンロ本体は、その指示に応じて動作することができる。よって、コンロ本体は、第2無線通信方式の利益を享受しつつ中継端末からの遠隔指示に応じて動作可能となる。
【0015】
本発明の一つである調理システムにおいて、中継端末は、表示部を有してもよい。コンロ側制御部は、第1制御の際にコンロ本体の状態の情報を中継端末に無線送信するようにコンロ側通信部を制御してもよい。端末側制御部は、上記の状態の情報がコンロ本体から無線送信された場合に上記の状態の情報に応じた表示を表示部に行わせてもよい。
この調理システムは、第1制御に応じて中継端末がコンロ本体の状態の情報を取得することができ、その状態の情報に応じた表示を中継端末で行うことができるようになる。よって、ユーザは、中継端末の近くにいれば、ユーザ及び中継端末がコンロ本体からある程度離れていてもコンロ本体の状態を確認することができるようになる。
【0016】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1で示す調理システム100は、主に、ガスコンロ1と、中継端末70と、情報端末80と、によって構成されている。調理システム100は、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行うシステムである。
【0017】
まず、ガスコンロ1について説明する。
図2のように、ガスコンロ1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なビルトインコンロとして構成されている。ガスコンロ1は、コンロ本体1Aの上面を構成する天板2(トッププレート)から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、がそれぞれ設けられ、その左右のコンロ部4A,4Bの間で後方寄りに後コンロ部4Cが設けられている。天板2の下方においてコンロ本体1Aの内部中央付近にはグリル3が設けられている。グリル3は、被調理物を収納してグリルバーナ(ガスバーナ54:図3)で加熱調理するグリル庫を備え、このグリル庫は、グリル扉3Bによって開閉可能とされている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3には、図3で示すガスバーナ51,52,53,54がそれぞれ設けられている。
【0018】
図3のように、複数のガスバーナ51,52,53,54には、複数の分岐供給路61,62,63,64がそれぞれ接続され、これら分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐する構成をなす。共通供給路60は、ガスバーナ51,52,53,54への共通のガス経路であり、複数の分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐するとともに各ガスバーナ51,52,53,54に向けてガスを導くように配設された供給路である。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられる。共通供給路60から分岐してガスバーナ51に続く分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51Gと、分岐供給路61を開閉可能な閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ52に続く分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52Gと、分岐供給路62を開閉可能な閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ53に続く分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53Gと、分岐供給路63を開閉可能な閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。
【0019】
安全弁51G、閉止弁51F、火力調整弁51Eは、図4で示すステッピングモータM1によって駆動されるようになっており、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲になったときに安全弁51Gが開放し、モータM1の回転角度が第2角度範囲になったときに閉止弁51Fが開放し、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲及び第2角度範囲よりも大きい第3角度範囲のときに回転角度に応じて火力調整弁51Eの開度が設定されるようになっている。具体的には、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Aの動作によってステッピングモータM1の回転角度が制御されることで火力調整弁51Eの開度が制御され、ガスバーナ51での火力が火力調整弁51Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Bの動作によってステッピングモータM2の回転角度が制御されることで火力調整弁52Eの開度が制御され、ガスバーナ52での火力が火力調整弁52Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Cの動作によってステッピングモータM3の回転角度が制御されることで火力調整弁53Eの開度が制御され、ガスバーナ53での火力が火力調整弁53Eの開度に応じて定まる。グリル3のガスバーナ54(グリルバーナ)は、グリル3内において上側に配置される上バーナ54Aと、グリル3内において上バーナ54Aよりも下側に配置される下バーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐してガスバーナ54にガスを導く分岐供給路64には、更に、分岐供給路64から分岐して上バーナ54Aにガスを導く第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下バーナ54Bにガスを導く第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54Gと閉止弁54Fとが設けられ、第1供給路65Aには複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには電磁弁54Kが設けられている。電磁弁54H,54J,54Kの開閉は、制御回路10によって制御される。
【0020】
図2に示すように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dが設けられている。回転操作部6Aは、右コンロ部4Aの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Bは、左コンロ部4Bの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Cは、後コンロ部4Cの点火、消火、火力調整を行うものであり、第4の回転操作部6Dは、グリル3の点火、消火、火力調整を行うものである。4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dはいずれも、押圧操作可能に構成され、且つ回転操作可能に構成されている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。そして、図4の電気的構成で示すように、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するようにスイッチ30A,30B,30C,30Dがそれぞれ設けられ、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が突出位置から退避位置(消火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が退避位置から突出位置(点火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。
【0021】
更に、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように変位検出部32A,32B,32C,32Dがそれぞれ設けられ、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部の変位(回転位置)を各回転操作部に対応する変位検出部が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御回路10に与えられる。
【0022】
図3のように、上バーナ54Aにガスを導く主経路として第1供給路65Aが構成され、この第1供給路65Aに設けられた電磁弁54Jを迂回するように、電磁弁54Jの経路と並列の経路であるバイパス路66Aが設けられている。電磁弁54Hが開放した状態で電磁弁54Jが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、電磁弁54H,54Jがいずれも開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第1供給路65A又はバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、下バーナ54Bにガスを導く主経路として第2供給路65Bが構成され、この第2供給路65Bに設けられた電磁弁54Kを迂回するように、電磁弁54Kの経路と並列の経路であるバイパス路66Bが設けられている。電磁弁54Kが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。また、電磁弁54Kが開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第2供給路65B又はバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。
【0023】
また、図3図4のように、各ガスバーナ51,52,53のそれぞれの近くにはサーミスタ51C,52C,53Cがそれぞれ設けられている。そして、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。具体的には、サーミスタ51Cは、右コンロ部4Aに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Aは、サーミスタ51Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ52Cは、左コンロ部4Bに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Bは、サーミスタ52Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ53Cは、後コンロ部4Cに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Cは、サーミスタ53Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、図3ではサーミスタ51C,52C,53Cを概念的に示しているが、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれの配置は、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4Cのそれぞれに載置された調理容器に近接し得る位置(具体的には、調理容器に対して直接的に又は他部材を介して間接的に接触し得る位置)であればよい。サーミスタ54Cは、グリル3内に配置され、グリル3の庫内の所定位置の温度を検出し、温度信号入力回路44Dは、サーミスタ54Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、図3図4では図示は省略しているが、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対がそれぞれ設けられ、各熱電対のそれぞれに対応して温度信号入力回路がそれぞれ設けられている。これら温度信号入力回路はいずれも、対応する熱電対で生じた起電力に応じた信号を制御回路10に入力する。
【0024】
各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接してイグナイタ26A,26B,26C,26Dがそれぞれ設けられ、イグナイタ26A,26B,26C,26Dのそれぞれに対応してイグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。例えば、ガスバーナ51に対応してイグナイタ26Aが設けられ、イグナイタ回路46Aは、スイッチ30Aの点火操作に応じてイグナイタ26Aを駆動し、イグナイタ26Aで火花を放電させてガスバーナ51に点火する。
【0025】
制御回路10は、コンロ側制御部の一例に相当し、後述する通信部11(コンロ側通信部)を制御する機能を有する。制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、図4のように、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェース、不揮発性メモリなどを備える。制御回路10は、上述した各電磁弁(図4では図示を省略)、イグナイタ26A,26B,26C,26D、複数のモータM1,M2,M3,M4などを制御し得る。操作部12は、操作ボタンやタッチパネルなどの公知の入力インタフェースによって構成され、ユーザの操作に応じた情報を制御回路10に入力し得るものである。また、上述した電気部品を含め、様々な電気部品に電力を供給するように電源回路48が設けられている。電源回路48は電池ボックスに収容された電池49(例えば2つの乾電池)からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有しており、電源回路48で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0026】
更に、ガスコンロ1には、後述する中継端末70と無線通信を行うための通信回路である通信部11が設けられている。通信部11は、コンロ側通信部の一例に相当し、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)によって中継端末70と無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御回路10と通信部11とが協働して中継端末70との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御回路10と通信部11とが協働し、中継端末70及び広域通信網91を介して情報端末80との間で情報の送受信を行う。
【0027】
ガスコンロ1には、第2無線通信方式での通信を許可する端末の識別情報を登録する登録部13を有する。登録部13は、例えば不揮発性メモリなどによって構成されており、ガスコンロ1が電源オフ状態となった場合(即ち、コンロ本体1Aが電源オフ状態になった場合)でも自身に記憶されている情報が保持され、識別情報の登録が維持されるようになっている。例えば、中継端末70が通信を許可する端末である場合、登録部13には、中継端末70の識別情報(ID)が登録され、この中継端末70の識別情報(ID)は、コンロ本体1Aが電源オフ状態となって制御回路10に対する電力供給が中断しても、登録部13に登録(記憶)され続ける。なお、コンロ本体1Aの電源オフ状態は、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれかに対して点火操作が行われても点火がなされない状態であり、例えば、制御回路10への電力供給が停止した状態である。
【0028】
次に、中継端末70について説明する。
中継端末70は、後述する第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網91に直接又は他装置を介して間接的にアクセス可能である。広域通信網91は、例えばインターネット通信網などである。例えば、中継端末70は、広域通信網91を構成する基地局との無線通信によって広域通信網91に直接アクセスしたり、無線ルータやその他のアクセスポイントを介して広域通信網91に間接的にアクセスしてもよい。なお、図1図5では、その一例として、中継端末70がWiFi(登録商標)通信によって無線ルータ92と通信可能とされており、中継端末70が無線ルータ92を介して広域通信網91やサーバ90などにアクセスし得る例を示している。
【0029】
図5のように、中継端末70は、制御回路71と、表示部72と、操作部73と、第1通信部74と、第2通信部75と、を備える。中継端末70は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。なお、図1,5では、タブレット端末として構成された中継端末70を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればタブレット端末以外の構成であってもよい。また、図5では、ガスコンロ1については一部部品のみを例示し、他の部品の図示を省略している。
【0030】
制御回路71は、端末側制御部の一例に相当し、後述する第1通信部74及び第2通信部75を制御する機能を有する。制御回路71は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部72は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部73は、例えば、表示部72の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部72の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部72を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部72は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部73は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0031】
第1通信部74は、bluetooth(登録商標)以外の無線通信規格に従った第1無線通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第1通信部74は、第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網91に直接又は他装置を介して間接的にアクセスし得る機能を有し、広域通信網91を介して情報端末80の通信部84と無線通信を行い得る。具体的には、制御回路71と第1通信部74が協働し、情報端末80との間で情報の送受信を行い得る。
【0032】
第2通信部75は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第2通信部(入力部)75は、ガスコンロ1の通信部11と第2無線通信方式で無線通信を行い得る。具体的には、制御回路71と第2通信部75とが協働し、ガスコンロ1との間で情報の送受信を行い得る。
【0033】
ガスコンロ1の制御回路10(コンロ側制御部)及び中継端末70の制御回路71(端末側制御部)は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行うように通信部11及び第2通信部75を制御する第1制御を行う。第1制御は、第1の通信開始条件の成立に応じて開始され、具体的には、登録部13に登録された識別情報が中継端末70からコンロ本体1Aに与えられたことを条件としてコンロ本体1Aと中継端末70との間でのペアリングが確立された上で行われる。より詳しくは、ガスコンロ1及び中継端末70がいずれも電源オン状態であり且つガスコンロ1と中継端末70とがbluetooth通信を行い得る距離にあるときに、ガスコンロ1と中継端末70との間でbluetooth規格に従った公知のペアリング方式(例えば、中継端末70からガスコンロ1に送られた識別情報(ID)をガスコンロ1で認証するペアリング方式)でペアリングがなされ、ペアリング状態が維持されているときに上述の第1制御が行われる。例えば、中継端末70の識別情報(ID)が中継端末70からコンロ本体1Aに送られた場合に、コンロ本体1Aの制御回路10はその識別情報(ID)が登録部13に登録(記憶)されているか否かを判定し、登録されている場合には中継端末70との通信を許可してペアリング状態とし、中継端末70と第2無線通信方式で無線通信を行う。
【0034】
ガスコンロ1の制御回路10(コンロ側制御部)及び中継端末70の制御回路71(端末側制御部)は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行いつつ、中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行うように通信部11、第1通信部74、及び第2通信部75を制御する第2制御を行う。この第2制御の際には、ガスコンロ1の制御回路10及び中継端末70の制御回路71は、例えばガスコンロ1の情報を情報端末80に無線送信し、情報端末80の情報をガスコンロ1に無線送信するように協働して第2制御を行う。第2制御は、上述の第1制御を前提とする制御であり、例えば、第2の通信開始条件の成立に応じて開始される。具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70との間で第2無線通信方式による通信が確立されているとき(より具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth通信方式でペアリングされているとき)に所定条件が成立した場合(例えば、ガスコンロ1の操作部12又は操作部73に所定操作がなされたり、情報端末80に所定操作がなされたり、その他の通信開始条件が成立したとき)に開始されてもよく、その他の条件に応じて開始されてもよい。
【0035】
次に、情報端末80について説明する。
図5のように、情報端末80は、制御回路81と、表示部82と、操作部83と、通信部84と、を備える。情報端末80は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。なお、図1,5では、スマートフォンとして構成された情報端末80を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればスマートフォン以外の構成であってもよい。
【0036】
制御回路81は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部82は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部83は、例えば、表示部82の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部82の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部82を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部82は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部83は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0037】
通信部84は、1以上の通信方式で外部装置と無線通信を行い得る装置であり、例えば、上述の第1無線通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式)で無線通信を行い得る通信装置となっている。通信部84は、例えば第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網91に直接又は他装置を介して間接的にアクセスし得る機能を有し、広域通信網91を介して中継端末70の第1通信部74と無線通信を行い得る。具体的には、制御回路81と通信部84とが協働し、中継端末70との間で情報の送受信を行い得る。また、コンロ本体1Aと中継端末70とがペアリングされているときには、制御回路81と通信部84とが協働し、コンロ本体1Aとの間で情報の送受信を行い得る。
【0038】
次に、調理システム100による通信制御について説明する。
調理システム100は、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行う。中継端末70および情報端末80には、調理システム100の制御に関するアプリケーションプログラム(調理アプリ)がインストールされており、各端末でアプリを起動させた状態で、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80と通信を行う。情報端末80にインストールされたアプリケーションプログラムは、図7のような制御を実行し得るプログラムである。中継端末70にインストールされたアプリケーションプログラムは、図8のような制御を実行し得るプログラムである。また、ガスコンロ1には、図9のような制御を実行し得るプログラムが記憶されている。
【0039】
図6には、調理システム100で行われる制御の流れが例示されている。図6では、ユーザが情報端末80によって消火操作(ガスコンロ1の消火を指示する操作)を行う場合を例示している。この例では、ユーザが情報端末80の操作部83を操作してガスコンロ1(各コンロ部4A,4B,4C、グリル3)の全てのガスバーナの消火を指示する情報を入力する操作(消火操作)を行っている。情報端末80は、このような消火操作(消火を指示する情報の入力)が行われると、サーバ90に対して上記消火操作に応じた指令(消火操作指令)を送信する。この消火操作指令は、全てのガスバーナの消火を指示する指令である。また、情報端末80は、消火操作指令の送信を開始した後、表示部82にダイアログ表示として消火操作指令を送信している旨を表示する。サーバ90は、消火操作指令を受信すると、中継端末70に対して消火操作指令に対応する消火要求通知を送信してプッシュ通知を行わせる。この消火要求通知は上記消火操作指令(全てのガスバーナの消火を指示する指令)を通知するものであり、情報端末80から消火操作指令があったことを中継端末70に知らせる情報である。中継端末70は、消火要求通知を受信すると、ガスコンロ1に消火要求コマンドを送信する。消火要求コマンドは、サーバ90からの消火要求通知に対応するコマンド(即ち、情報端末80からの消火操作指令に対応するコマンド)であり、指令の送信元の情報端末80から指示された指令(全てのガスバーナの消火を指示する指令)をガスコンロ1に与える情報である。
【0040】
ガスコンロ1は、中継端末70からコマンドを受信した場合、受信したコマンドに応じた動作を行うようになっており、上述したように、ガスコンロ1が中継端末70から消火要求コマンド(全てのガスバーナの消火を指示する指令)を受信した場合には、受信した消火要求コマンドに応じて、全てのガスバーナを消火する動作(消火操作)を行う。
【0041】
ガスコンロ1は、中継端末70からコマンドを受信した場合において当該コマンドに応じた動作(消火操作)を開始した場合には、中継端末70に対して受信したコマンドに応じた動作が実行中である旨の応答コマンドを送信する。例えば、ガスコンロ1は、中継端末70から消火要求コマンドを受信したことに応じて消火要求コマンドに応じた動作(全てのガスバーナを消火する動作)を開始した場合、消火要求コマンドに応じた動作(全てのガスバーナを消火する動作)が実行中である旨のコマンド(消火実行中コマンド)を中継端末70に対して送信する。
【0042】
中継端末70は、上述の応答コマンドを受信した場合、サーバ90に対して応答コマンドに対応した実行中の通知を送信する。例えば、中継端末70は、応答コマンドとして上述の消火実行中コマンドを受信した場合、サーバ90に対して消火実行中コマンドに対応した消火実行中の通知(消火実行中である旨の情報(コンロ操作結果通知))を送信する。
【0043】
サーバ90は、中継端末70から上述の「実行中の通知」を受信した場合、情報端末80に対して「実行中の通知」に対応する情報を送信して実行中である旨のプッシュ通知を行わせる。例えば、サーバ90が中継端末70から消火実行中の通知(消火実行中である旨の情報(コンロ操作結果通知))を受信した場合、情報端末80に対して消火実行中の通知に対応する情報(消火実行中通知)を送信して消火実行中(消火操作中)である旨のプッシュ通知を行わせる。
【0044】
情報端末80は、上述のダイアログの表示後、サーバ90から「実行中の通知に対応する情報」を受信することに応じて表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(具体的には、「実行中の通知に対応する情報」に応じた画面)を表示させる。例えば、情報端末80は、上述のダイアログの表示後、サーバ90から消火実行中通知(中継端末70からの消火実行中の通知に応じた情報)を受信した場合、消火実行中通知の受信に応じて表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(例えば、図6で示すような消火実行中通知に対応した「消火操作中」の画面)を表示させる。図6の例では、ガスコンロ1の状態を表示する画面は、例えば、ガスコンロ1のイメージを表す画像とともに、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応する状態を表す記号や文字が表示される。図6では、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火実行中である場合に、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「?」が表示されている。「?」のマークは、「?」が付された部分(コンロ部又はグリル)が消火実行中であることを示すマークである。なお、情報端末80は、上述の消火操作指令を送信してから所定時間(例えば10秒)が経過しても後述の消火完了コマンドを受信していない場合にはその旨の表示(例えば、タイムアウトである旨の表示)を表示部82に行わせる。上述の所定時間が経過した旨の表示(例えば、タイムアウトである旨の表示)は、図6で示す「消火操作中」の画面に追加表示(例えば、吹き出しなどの追加表示)を加えた形で表示してもよく、一時的に画面を切り替えてタイムアウトである旨の表示を行ってもよい。
【0045】
ガスコンロ1は、中継端末70からコマンドを受信した場合において、受信したコマンドに応じた動作を行い、この動作が完了した場合には、動作完了に応じたコマンドを中継端末70に送信する。例えば、ガスコンロ1は、上述の消火実行中コマンドを送信した後、消火動作(消火操作)が完了した場合には中継端末70に対して消火動作完了に応じた消火完了コマンドを送信する。
【0046】
中継端末70は、動作完了に応じたコマンドをガスコンロ1から受信した場合、サーバ90に対して動作完了である旨の情報(動作結果通知)を送信する。例えば、中継端末70は、ガスコンロ1から消火完了コマンドを受信した場合、サーバ90に対して消火完了である旨の情報(コンロ操作結果通知)を送信する。
【0047】
サーバ90は、中継端末70から動作完了である旨の情報(動作結果通知)を受信した場合、情報端末80に対して動作完了である旨の情報を送信してプッシュ通知を行わせる。例えば、サーバ90は、中継端末70から消火完了である旨の情報を受信した場合、情報端末80に対して消火完了である旨の情報を送信してプッシュ通知を行わせる。
【0048】
情報端末80は、サーバ90から動作完了である旨の情報を受信した場合表示部82でなされている画面表示(ガスコンロ1の状態の表示)を動作完了である旨の情報に応じた画面表示に更新する。例えば、情報端末80は、サーバ90から消火完了である旨の情報
を受信した場合、表示部82でなされている画面表示(ガスコンロ1の状態の表示)を消火完了である旨の情報に応じた画面表示に更新する。この場合、表示部82には、例えば図6のように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火完了となった場合、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「消」の文字が表示される。
【0049】
次に、ガスコンロ1、中継端末70、および情報端末80の各装置で行われる制御について詳しく説明する。
まず、情報端末80で行われる制御について説明する。図7で示す処理は情報端末80において制御回路81によって実行される処理である。制御回路81は、上述した調理アプリを起動させた状態において、ガスコンロ1を遠隔操作するための操作(ガスコンロ1にコマンドを送信するための操作)が操作部83で行われたことを検出することで(ステップS11)、図7の処理を開始する。なお、図7の処理は、ガスコンロ1の制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始され、さらに情報端末80と中継端末70との間で第1無線通信方式又は第2無線通信方式で無線通信を行い得る状態で行われるものとする。続くステップS12では、制御回路81は、通信部84を介して、操作指令(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火指令)を、サーバ90を介して中継端末70に送信する。そして、ステップS13で、制御回路81は、操作指令を送信中である旨の表示を表示部82に行わせる。
【0050】
続くステップS14で、制御回路81は、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を、中継端末70からサーバ90を介して受信したか否か判断する。制御回路81は、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を受信したと判断する場合、Yesに進み、ステップS16を行う。一方で、制御回路81は、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を受信していないと判断する場合、Noに進み、ステップS15で、ステップS12で行われた操作指令の送信の時点から所定時間(例えば10秒)が経過したか否か(タイムアウトか否か)判断する。制御回路81は、タイムアウトであると判断する場合、Yesに進み、ステップS16を行う。一方で、制御回路81は、タイムアウトでないと判断する場合、Noに進み、再びステップS14を行う。
【0051】
制御回路81は、ステップS16で、表示部82に表示を切り替えさせる。具体的には、制御回路81は、上述したように、表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(図6参照)に遷移させる。例えば、表示部82は、図6に示すように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火実行中である場合に、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「?」が表示される。
【0052】
続くステップS17で、制御回路81は、消火完了に関する通知をサーバ90を介して中継端末70から受信したか否か判断する。制御回路81は、消火完了に関する通知を中継端末70から受信したと判断する場合、Yesに進み、ステップS17を行う。一方で、制御回路81は、消火完了に関する通知を中継端末70から受信していないと判断する場合、Noに進み、消火完了に関する通知を中継端末70から受信したと判断するまで繰り返しステップS17を行う。ステップS18で、制御回路81は、表示部82にガスコンロ1の状態の表示を更新させる。表示部82は、例えば、図6に示すように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火完了となった場合、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「消」の文字が表示される。ステップS18が行われると、制御回路81は、図7の処理を終了させる。
【0053】
次に、中継端末70で行われる制御について説明する。図8で示す処理は中継端末70において制御回路71によって実行される処理である。制御回路71は、上述した調理アプリを起動させることで、図8の処理が開始される。なお、図8の処理は、ガスコンロ1の制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始された状態で行われるものとする。
【0054】
ステップS21で、制御回路71は、サーバ90を介して情報端末80からガスコンロ1に対する指示(操作指令であり、例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火指令)が入力されたか否か判断する。制御回路71は、第2通信部(入力部)75に指示(指令)が入力された場合に、指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部75を制御する。制御回路71は、情報端末80からガスコンロ1に対する指示が入力されたと判断する場合、ステップS22を行う。一方で、制御回路71は、情報端末80からガスコンロ1に対する指示が入力されていないと判断する場合、指示が入力されたと判断するまで、繰り返しステップS21を行う。ステップS22では、制御回路71は、情報端末80から受信した操作指令(図7のステップS12で送信された指令)に応じて、ガスコンロ1にコマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を要求する消火コマンド)を送信する。
【0055】
続くステップS23で、制御回路71は、実行中コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を実行していることを伝えるコマンド)をガスコンロ1から受信したか否か判断する。制御回路71は、実行中コマンドを受信したと判断する場合、ステップS24を行う。一方で、制御回路71は、実行中コマンドを受信していないと判断する場合、実行中コマンドを受信したと判断するまで繰り返しステップS23を行う。
【0056】
制御回路71は、ガスコンロ1の状態の情報がガスコンロ1から無線送信された場合に、ガスコンロ1の状態の情報に応じた表示(後述するコマンドを実行中である旨の表示やコマンドが完了した旨の表示)を表示部72に行わせる。例えば、ステップS24では、制御回路71は、表示部72にガスコンロ1がコマンド(例えば、消火要求コマンド)を実行中である旨の表示(状態の情報に応じた表示)を行わせる。ステップS24の表示は、ガスコンロ1がコマンド(例えば、消火要求コマンド)を実行中である旨の文字情報の表示であってもよく、その旨の絵表示であってもよく、これらを併用した表示であってもよい。続くステップS25では、制御回路71は、サーバ90を介して情報端末80に消火実行中である旨の情報を送信する。
【0057】
続くステップS26で、制御回路71は、完了コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を完了したことを伝えるコマンド)をガスコンロ1から受信したか否か判断する。制御回路71は、完了コマンドを受信したと判断する場合、ステップS27を行う。一方で、制御回路71は、完了コマンドを受信していないと判断する場合、完了コマンドを受信したと判断するまで繰り返しステップS26を行う。
【0058】
ステップS27では、制御回路71は、表示部72にガスコンロ1が消火完了である旨の表示(状態の情報に応じた表示)を行わせる。ステップS27の表示は、ガスコンロ1の消火が完了している旨(例えば、全てのガスバーナが消火状態である旨)の文字情報の表示であってもよく、その旨の絵表示であってもよく、これらを併用した表示であってもよい。続くステップS28では、制御回路71は、サーバ90を介して情報端末80に消火完了である旨の情報を送信する。ステップS28が行われると、制御回路71は、図8の処理を終了させる。
【0059】
次に、ガスコンロ1で行われる制御について説明する。図9で示す処理はガスコンロ1において制御回路10によって実行される処理である。制御回路10は、上述した調理アプリを起動させることで、図9の処理が開始される。なお、図9の処理は、ガスコンロ1の制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始された状態で行われるものとする。
【0060】
ステップS31で、制御回路10は、中継端末70からコマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を要求する消火コマンド)が送信されたか否か判断する。制御回路10は、中継端末70からコマンドが送信されたと判断する場合、ステップS32を行う。一方で、制御回路10は、中継端末70からコマンドが送信されていないと判断する場合、繰り返しステップS31を行う。ステップS32では、制御回路10は、中継端末70からコマンドを受信する。
【0061】
制御回路10は、指示(指令)が情報端末80から無線送信された場合に、指示に応じた動作をガスコンロ1に行わせる。ステップS33で、制御回路10は、ステップS32で受信したコマンドに対応する動作を実行する。制御回路10には、予めコマンドに対応する動作が記憶されている。例えば、制御回路10には、消火コマンドに対応して、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を行う動作が記憶されている。具体的には、制御回路10には、コンロ部4Aを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Aの消火を行う動作が記憶され、コンロ部4Bを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Bの消火を行う動作が記憶され、コンロ部4Cを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Cの消火を行う動作が記憶され、グリル3を消火する指令を含む消火コマンドに対応してグリル3の消火を行う動作が記憶されている。そのため、例えば、制御回路10は、コンロ部4Aを消火する指令を含む消火コマンドを受信した場合、コンロ部4Aの消火を行う。
【0062】
制御回路10は、第1制御の際にガスコンロ1の状態の情報(後述する実行中コマンドや完了コマンドなど)を中継端末70に無線送信するように通信部11を制御する。ステップS34で、制御回路10は、実行中コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を実行していることを伝えるコマンド)を中継端末70に送信する。続くステップS35で、制御回路10は、コマンドに対応する動作の完了条件が成立したか否か判断する。例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に設けられる熱電対のいずれかで生じる起電力が所定の閾値を下回った場合に、その熱電対が設けられたコンロまたはグリルで消火の完了条件が成立したことになる。制御回路10は、完了条件が成立したと判断する場合、ステップS36を行う。一方で、制御回路10は、完了条件が成立していないと判断する場合、繰り返しステップS35を行う。ステップS36では、制御回路10は、中継端末70に完了コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を完了したことを伝えるコマンド)を送信する。ステップS36が行われると、制御回路10は、図9の処理を終了させる。
【0063】
以上のように、ガスコンロ1は、中継端末70と、bluetooth(登録商標)通信方式(第2無線通信方式)よりも消費電力の低いWiFi(登録商標)通信方式(第1無線通信方式)を用いて無線通信を行い、情報のやり取りを行う(ステップS32,S34,S36)。そのため、ガスコンロ1にWiFi(登録商標)通信方式による通信機能を持たせる必要がなく、ガスコンロ1の消費電力を低減させることができる。また、ガスコンロ1を有線LANに接続する必要もなくなり、屋内に設置されるルータなどに接続するために、ガスコンロ1にLANケーブルのコネクタ部分を設ける必要がなく、ガスコンロ1の構成を簡略化することができる。
【0064】
本構成の効果を例示する。
上記の調理システム100は、コンロ本体1Aと中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信(中継端末70が広域通信網91にアクセスするための第1通信方式とは異なる通信方式による無線通信)を行いつつ中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行うことができる。よって、コンロ本体1Aと中継端末70との間で第1通信方式による無線通信を行わずともコンロ本体1Aが情報端末80と無線通信を行うことができるようになり、コンロ本体1Aでは、第1通信方式を採用せずに第2無線通信方式を採用して無線通信を行うことによる利点を享受し得る。特に、登録部13は、コンロ本体1Aが電源オフ状態となった場合でも通信を許可する端末の識別情報の登録を保持する構成であるため、コンロ本体1Aが電源オフ状態のときには中継端末70との通信を行わずに消費電力を抑えることができ、コンロ本体1Aが電源オン状態となった場合には、中継端末70から識別情報が与えられることに応じて中継端末70との通信を速やかに確立することができる。
【0065】
上記の調理システム100において、第1無線通信方式はWiFi(登録商標)通信方式であり、第2無線通信方式はbluetooth(登録商標)通信方式である。
この調理システム100は、中継端末70が広域通信網91にアクセスするための第1無線通信方式としてWiFi(登録商標)通信方式を採用し、コンロ本体1Aが中継端末70と通信を行うための2無線通信方式としてbluetooth(登録商標)通信方式を採用しているため、コンロ本体1Aと中継端末70との間の無線通信において消費電力をより抑制することができ、特に、コンロ本体1Aの電力消費を抑える上でメリットが大きい構成となる。
【0066】
上記の調理システム100において、制御回路10及び制御回路71は、ガスコンロ1の情報を情報端末80に無線送信するように協働して第2制御を行う。
この調理システム100は、第2制御に伴い、情報端末80がコンロ本体1Aから無線送信されたコンロ本体1Aの情報を取得することができるようになる。よって、コンロ本体1Aが第2無線通信方式の利益を享受しつつ、情報端末80がコンロ本体1Aから離れた位置でコンロ本体1Aの情報を取得可能となる。
【0067】
上記の調理システム100において、中継端末70は、ガスコンロ1に対する指示が入力される入力部(例えば第2通信部75)を有している。制御回路71は、入力部に指示が入力された場合に指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部75を制御する。制御回路10は、指示が中継端末70から無線送信された場合に指示に応じた動作をガスコンロ1に行わせる。
このように調理システム100が構成されていれば、ユーザは、コンロ本体1Aに対する指示を中継端末70の入力部に入力することで、中継端末70を介してコンロ本体1Aに指示を与えることができ、コンロ本体1Aは、その指示に応じて動作することができる。よって、上記の調理システム100は、コンロ本体1Aが第2無線通信方式の利益を享受しつつ中継端末70からの遠隔指示に応じて動作し得るシステムとなる。
【0068】
上記の調理システム100において、中継端末70は、表示部72を有している。制御回路10は、第1制御の際にガスコンロ1の状態の情報を中継端末70に無線送信するように通信部11を制御する。制御回路71は、ガスコンロ1の状態の情報がガスコンロ1から無線送信された場合に状態の情報に応じた表示を表示部72に行わせる。
この調理システム100は、第1制御に応じて中継端末70がコンロ本体1Aの状態の情報を取得することができ、その状態の情報に応じた表示を中継端末70で行うことができるようになる。よって、ユーザは、中継端末70の近くにいれば、ユーザ及び中継端末70がコンロ本体1Aからある程度離れていてもコンロ本体1Aの状態を確認することができるようになる。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0070】
第1実施形態では、中継端末70で行われる制御において、ステップS21で、制御回路71は、第2通信部(入力部)75に指示(指令)が入力された場合に、指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部75を制御した。しかしながら、制御回路71は、操作部73が操作されることによってガスコンロ1に対する指示(指令)が中継端末70に入力された場合に、この入力された指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部75を制御してもよい。この場合、操作部73が「入力部」の一例に相当する。この場合、例えば、操作部73が操作されることによってガスバーナ51の消火を指示する消火指示(指令)が中継端末70に入力された場合、制御回路71と第2通信部75が協働し、ガスバーナ51の消火を指示する情報をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信する。そして、このように無線送信された「消火を指示する情報」を通信部11が受信した場合、制御回路10(コンロ側制御部)は指示に応じた動作(具体的には、ガスバーナ51を消火する動作)をコンロ本体に行わせる。
【0071】
第1実施形態では、情報端末80で、中継端末70を介してガスコンロ1に、消火要求コマンドを送信する例(図7のステップS12、図8のステップS22)を示した。しかしながら、情報端末80からガスコンロ1に送信するコマンドは、消火要求以外であってもよい。例えば、ガスコンロ1の状態を示す情報の送信を要求するコマンドであってもよい。
【0072】
第1実施形態では、情報端末80において、操作部83を操作することによってコマンドの入力を行う例(図7のステップS11)を示した。しかしながら、その他の方法によってコマンドを入力してもよい。例えば、情報端末80が音声を検出し得る構成となっており、検出した音声に基づいてコマンドが入力されてもよい。
【0073】
第1実施形態では、中継端末70は、表示部72に対する表示によってガスコンロ1の状態(消火の完了など)を報知した(図8のステップS24,S27)。しかしながら、中継端末70は、その他の方法によってガスコンロ1の状態を報知してもよい。例えば、中継端末70は、音声を出力し得る構成となっており、ガスコンロ1の状態(消火の完了など)を音声出力によって報知してもよい。
【0074】
第1実施形態の説明では、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth(登録商標)通信方式で近距離無線通信を行う例を示した。しかしながら、中継端末70が広域通信網にアクセスするために用いる無線通信方式よりも電力消費が抑えられる近距離無線通信方式であれば、bluetooth(登録商標)通信方式以外の近距離無線通信方式を第2無線通信方式として採用し、コンロ本体1Aと中継端末70とがこの第2無線通信方式で無線通信を行ってもよい。
【0075】
第1実施形態の説明では、中継端末70の第1通信部74が、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式で直接又は外部装置を介して広域通信網にアクセスし、広域通信網を介して情報端末80と無線通信を行う例を示した。しかしながら、第1通信部74は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式で情報端末80と無線通信を行う機能が更に付加されていてもよい。
【0076】
第1実施形態では、コンロ本体1Aによってガスコンロ1が構成されたが、コンロ本体1Aがガスコンロ1の一部をなしていてもよい。即ち、コンロ本体1Aに他の付属品が加えられた形でガスコンロ1が構成されていてもよい。
【0077】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
1…ガスコンロ
1A…コンロ本体
10…制御回路(コンロ側制御部)
11…通信部(コンロ側通信部)
13…登録部
51,52,53,54,54A,54B…ガスバーナ
70…中継端末
71…制御回路(端末側制御部)
72…表示部
73…操作部(入力部)
74…第1通信部
75…第2通信部(入力部)
80…情報端末
100…調理システム
図1
図2
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図9