(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】連結システム
(51)【国際特許分類】
B65D 83/76 20060101AFI20231117BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20231117BHJP
B05B 11/00 20230101ALN20231117BHJP
【FI】
B65D83/76 200
B65D83/00 K
B05B11/00 101E
(21)【出願番号】P 2020091205
(22)【出願日】2020-05-26
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】710006932
【氏名又は名称】株式会社パックプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 友彰
(72)【発明者】
【氏名】澤村 愛里
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-144782(JP,A)
【文献】特開2010-269852(JP,A)
【文献】特開2003-165560(JP,A)
【文献】実開昭57-088754(JP,U)
【文献】特開2009-166862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/76
B65D 83/00
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる導通路を有し、包装容器に設けられる雌部材と、前記雌部材の前記導通路の一方の開口部に設けられた座部に嵌合するプラグと、軸方向に延びる流通路を有し、前記雌部材の前記導通路の他方の開口部から前記導通路に挿入され、前記雌部材の前記座部に嵌合したプラグを前記雌部材の一方の開口部から押し出す雄部材とを備え、
前記プラグは、前記雌部材の前記導通路の一方の開口部を塞ぐ壁部と、前記壁部に設けられ、前記雌部材の前記座部に嵌め入れられる環状の掛止部とを備え、前記掛止部において一ないし複数の流通口が周方向に沿って形成されており、
前記プラグが前記雌部材の前記座部に嵌合した閉栓状態の場合、前記プラグの前記流通口が前記雌部材の前記導通路で塞がれる一方、
前記雌部材の前記導通路に挿入された前記雄部材により、前記プラグが前記雌部材の一方の開口部から押し出された開栓状態の場合、前記プラグの前記流通口が包装容器の内部に露出して、前記雄部材の前記流通路が前記プラグの前記流通口を介して包装容器の内部と連通することを特徴とする連結システム。
【請求項2】
前記プラグは、前記掛止部の周端部と前記雄部材の先端部が当接する態様で前記雌部材の前記導通路の一方の開口部から押し出される請求項1に記載の連結システム。
【請求項3】
前記プラグは、変形可能な連結部材を介して前記雌部材に連結されている請求項1または請求項2に記載の連結システム。
【請求項4】
前記プラグは、前記雌部材の前記座部から離脱する態様で前記雌部材の前記導通路の一方の開口部から押し出される請求項1から請求項3のいずれかに記載の連結システム。
【請求項5】
前記プラグは、前記掛止部の周端部において前記流通口が切欠き状に形成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の連結システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の連結システムと、
前記連結システムの雄部材が吸引管として設けられるポンプ機構と、
前記連結システムの雌部材が設けられる包装容器とを備え、
前記包装容器の内部の流体をポンプ機構により外部に排出することを特徴とするポンプ付き包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌部材と、雌部材に嵌合するプラグと、雌部材に挿入される雄部材とからなる連結システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学品、化粧品、医薬品、洗剤、食品、飲料、接着剤、塗料、インク等における各種流体が収容された容器から流体を別の容器や装置等の外部に排出するため、雌部材、雄部材およびプラグからなる連結システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この連結システムは、軸方向に延びる導通路を有し、包装容器に設けられる雌部材と、雌部材の導通路の一方の開口部に設けられた座部に嵌合するプラグと、軸方向に延びる流通路を有し、雌部材の導通路の他方の開口部から導通路に挿入される雄部材とを備える。
【0004】
そして、プラグが雌部材の座部に嵌合した閉栓状態において、雄部材を雌部材の導通路の一方の開口部から挿入し、雄部材の頭部を雌部材の座部に嵌合しているプラグに係合したあと、そのまま雄部材を雌部材の導通路に挿入していくことにより、プラグを雌部材の導通路の一方の開口部から押し出しながら雌部材の座部から完全に離脱させる。
【0005】
これにより、雌部材の座部とプラグが離間して隙間が生じることから、雄部材の周面に設けられた連通孔が包装容器の内部に露出した状態となって、雄部材の流通路が連通孔を介して包装容器の内部と連通するため、容器内部の流体を排出することができる。
【0006】
このように本連結システムを用いると容器内部の流体を排出し得ることから、ポンプ付きの包装容器など、様々な包装容器に本連結システムが適用されていた(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本連結システムは、上述のように雄部材の頭部をプラグに係合する構造であるため、雄部材の頭部をプラグの係合に適した形状および大きさに形成する必要があった。このため、例えば本連結システムをポンプ付きの包装容器に適用する場合、一般のポンプの吸引管は単なる円筒形状に形成されていることが多いため、ポンプの吸引管の先端部に専用の雄部材をアダプタとして装着しなければならならなかった。しかも、ポンプの吸引管の形状はメーカーや用途によって異なるため、ポンプの仕様が変わるごとにアダプタとしての雄部材を設計しなければならず、開発期間や開発コストがかかるという問題があった。このような問題は、ポンプ付きの包装容器に限定されるものではなく、その他の包装容器に本システムを適用する場合にも同様に生じるものであった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、雌部材と、雌部材に嵌合するプラグと、雌部材に挿入され、プラグを雌部材から押し出す雄部材とから構成される連結システムにおいて、容器内部の流体を簡単かつ確実に排出することができ、ひいては開発期間や開発コストを削減することが可能な連結システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、軸方向に延びる導通路を有し、包装容器に設けられる雌部材と、前記雌部材の前記導通路の一方の開口部に設けられた座部に嵌合するプラグと、軸方向に延びる流通路を有し、前記雌部材の前記導通路の他方の開口部から前記導通路に挿入され、前記雌部材の前記座部に嵌合したプラグを前記雌部材の一方の開口部から押し出す雄部材とを備え、前記プラグは、前記雌部材の前記導通路の一方の開口部を塞ぐ壁部と、前記壁部に設けられ、前記雌部材の前記座部に嵌め入れられる環状の掛止部とを備え、前記掛止部において一ないし複数の流通口が周方向に沿って形成されており、前記プラグが前記雌部材の前記座部に嵌合した閉栓状態の場合、前記プラグの前記流通口が前記雌部材の前記導通路で塞がれる一方、前記雌部材の前記導通路に挿入された前記雄部材により、前記プラグが前記雌部材の一方の開口部から押し出された開栓状態の場合、前記プラグの前記流通口が包装容器の内部に露出して、前記雄部材の前記流通路が前記プラグの前記流通口を介して包装容器の内部と連通することを特徴とする。
【0011】
これによれば、プラグの掛止部において一ないし複数の流通口が周方向に沿って形成されているため、雌部材の導通路に挿入された雄部材により、プラグが雌部材の導通路の一方の開口部から押し出された開栓状態の場合、プラグの流通口が包装容器の内部に露出して、雄部材の流通路がプラグの流通口を介して容器内部と連通する。このため、雄部材を必ずしもプラグに係合させなくても、容器内部の流体を簡単かつ確実に排出することができる。
【0012】
また、前記プラグは、前記掛止部の周端部と前記雄部材の先端部が当接する態様で前記雌部材の前記導通路の一方の開口部から押し出されてもよい。これによれば、本連結システムを様々な形状の雄部材に簡単に適用することができる。
【0013】
また、前記プラグは、変形可能な連結部材を介して前記雌部材に連結されてもよい。これによれば、プラグが雌部材の一方の開口部から押し出された開栓状態の場合、プラグが包装容器の内部に脱落することを防止できる。
【0014】
また、前記プラグは、前記雌部材の前記座部から離脱する態様で前記雌部材の前記導通路の一方の開口部から押し出されてもよい。これによれば、プラグの掛止部に設けられた前記流通口の全体が包装容器の内部に確実に露出するため、容器内部の流体を確実に排出することができる。
【0015】
また、前記プラグは、前記掛止部の周端部において前記流通口が切欠き状に形成されてもよい。これによれば、掛止部に流通口を簡単かつ確実に形成することができる。
【0016】
また、本発明に係るポンプ付きの包装容器は、前記連結システムと、前記連結システムの雄部材が吸引管として設けられるポンプ機構と、前記連結システムの雌部材が設けられる包装容器とを備え、前記包装容器の内部の流体をポンプ機構により外部に排出することを特徴とする。これによれば、ポンプの吸引管を雄部材としてそのまま適用し得るため、ポンプの仕様が変わるごとにアダプタとして雄部材を別途開発する必要がなくなり、ひいては開発期間や開発コストを削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラグの掛止部において一ないし複数の流通口が周方向に沿って形成されているため、雌部材の導通路に挿入された雄部材により、プラグが雌部材の導通路の一方の開口部から押し出された開栓状態の場合、プラグの流通口が包装容器の内部に露出して、雄部材の流通路がプラグの流通口を介して容器内部と連通する。このため、雄部材を必ずしもプラグに係合させなくても、容器内部の流体を簡単かつ確実に排出することができる。よって、例えば、本連結システムをポンプ付き包装容器に適用した場合、ポンプの吸引管を雄部材としてそのまま適用し得るため、ポンプの仕様が変わるごとにアダプタとして雄部材を別途開発する必要がなくなり、ひいては開発期間や開発コストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態の連結システムに係る雌部材およびプラグの正面図である。
【
図2】
図1の雌部材およびプラグの正面断面図である。
【
図3】
図1の雌部材およびプラグの側面断面図である。
【
図4】
図1のプラグの(a)拡大正面図、(b)B-B線断面矢視図である。
【
図5】本実施形態の連結システムの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係る連結システムをポンプ付き包装容器に適用した実施形態について
図1~
図6を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、
図1の上方を後方、下方を前方として説明する。
【0020】
本連結システムは、雌部材1と、雌部材1に嵌合するプラグ2と、雌部材1に挿入され、前記プラグ2を雌部材1から押し出す雄部材3とを備える。雌部材1とプラグ2は、一般に射出成形等によって単一のプラスチック部材で製造される。また、雄部材3も、一般に射出成形等によってプラスチック部材で製造されるが、金属部材等のその他の材料で製造されてもよい。
【0021】
前記雌部材1は、
図1~
図3に示すように、内部を軸方向に貫通する導通路10を有し、軸方向に延びる雌本体部11と、該雌本体部11の前方側に設けられた環状の座部12と、雌本体部11と座部12の間に設けられたショルダー部13とから構成される。この雌部材1は、プラスチック製の包装袋等の柔軟な包装容器Pに溶着または接着され、該包装容器Pはさらに図示略のプラスチック製や金属製の剛性のポンプ付き容器に収容される。なお、
図1~
図6において、雌部材1の下方の部分が包装容器Pの内部となる。
【0022】
前記導通路10は、前記雌部材1の前方端に設けられた一方の開口部101から前記雌部材1の後方端に設けられた他方の開口部102まで雌部材1の内部を軸方向に貫通しており、雌本体部11、ショルダー部13、座部12の内径に応じて次第に径小となるように形成されている。
【0023】
前記雌本体部11は、軸方向に直線的に延びる筒状に形成され、雄部材3が挿入可能な内径に形成されている。この雌本体部11は、後部に2個の環状リブ111が形成されており、流体充填時において環状リブ111に治具が掛けられるようになっている。
【0024】
前記座部12は、雌部材1の一方の開口部101の周囲に設けられた環状の壁部材であって、プラグ2が密接状態で嵌合するとともに、雄部材3(後述の第1の雄本体部31)が挿入することが可能な内径に形成されている。
【0025】
前記ショルダー部13は、全体としてテーパ状に形成された内面を有し、該内面の径方向内側に所定の空間が設けられている。
【0026】
前記プラグ2は、
図2~
図4に示すように、傘状の厚肉の端部壁部20と、該端部壁部20の後方端に連設する薄肉の環状壁部21と、環状壁部21の後方端に連設する掛止部22と、雌部材1とプラグ2を連結する2個の連結部23を備える。
【0027】
前記環状壁部21は、外周面の前方側において径方向外側に延びる停止面211が形成されている。このため、プラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した際、プラグ2の端部壁部20の停止面211が雌部材1の座部12の先端面に当接して、プラグ2の雌部材1に対する嵌合を停止させる。
【0028】
また、前記環状壁部21は、外周面の中間部において径方向外側に隆起する封止用リム212が形成されている。このため、プラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した際、プラグ2の環状壁部21の封止用リム212が雌部材1の座部12の内面に圧接して、プラグ2の雌部材1に対する嵌合を一定以上の力で強固なものとしている。
【0029】
前記掛止部22は、プラグ2の全周に亘って形成されており、全体として放射状に拡径または縮径する。具体的には、この掛止部22は、雌部材1の座部12に嵌合し、または座部12から離脱する際、環状壁部21と掛止部22の接続部分が弾性的に折り曲がることにより径方向外側または径方向内側に移動する。
【0030】
また、前記掛止部22は、
図4に示すように、環状壁部21の後方端から径方向外側および径方向内側に膨らんだ形状に形成されている。特に、前記掛止部22は、径方向外側において、環状壁部21の外周面から径方向外側の斜め後方に延びるショルダー外面221と、該ショルダー外面221から後方に延びる外周面222とを有している。このショルダー外面221は、後述するようプラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した際、雌部材1のショルダー部13の内面に当接しながら掛け止められる。
【0031】
また、本実施形態では、掛止部22は、
図4に示すように、周端部22aにおいて切欠き状の2個の流通口223が形成されている。この流通口223は、プラグ2の周方向に延びる横長矩形状であって、プラグ2の掛止部22を径方向に貫通する態様で形成されており、プラグ2の正面側と背面側に対向状態に配置されている。
【0032】
而して、
図1~
図3に示すように、前記プラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した閉栓状態の場合、流通口223は雌部材1の座部12で塞がれる。また、
図5および
図6に示すように、雌部材1の導通路10に挿入された雄部材3により、プラグ2が雌部材1の一方の開口部101から押し出された開栓状態の場合、流通口223は包装容器Pの内部に露出して、雄部材3の流通路30がプラグ2の流通口223を介して包装容器Pの内部と連通する。
【0033】
前記連結部23は、雌部材1とプラグ2を連結する変形可能な素材で構成され、雌部材1の幅方向の両側に設けられている。この連結部23は、プラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した閉栓状態では大きく撓む一方、プラグ2が雌部材1の座部12から離脱した開栓状態では小さく撓みながらプラグが脱落することを防止している。
【0034】
前記雄部材3は、
図5および
図6に示すように、ポンプの吸引管であって、内部に流体が流通するための軸方向に延びる流通路30を有し、前方側に設けられた第1の雄本体部31と、該第1の雄本体部31に連設する第2の雄本体部32と、該第2の雄本体部に連設する第3の雄本体部33とから構成される。なお、前記雄部材3は、基端部にポンプ機構34(詳細略)が接続され、該ポンプ機構34には図示略の剛性の包装容器に装着される蓋部35が設けられている。
【0035】
前記第1の雄本体部31は、先端部3aに流通路30に連通した連通口31aが形成されており、
図5および
図6に示すように、雌部材1の導通路10に挿入された際、周面が雌部材1の座部12の内面に密着状態に当接するとともに、先端部3aが雌部材1の座部12に嵌合したプラグ2の掛止部22の周端部22a(流通口223を除く)に当接して、流通路30が連通口31aを介してプラグ2の内部と連通する。
【0036】
また、第1の雄本体部31は、雌部材1の導通路10にさらに挿入されると、先端部3aがプラグ2の掛止部22の周端部22aに当接した状態を維持しながら、プラグ2を雌部材1の一方の開口部101から押し出していき、
図5~
図6に示すように、最終的にプラグ2を雌部材1の座部12から離脱させる。
【0037】
前記第2の雄本体部32は、第1の雄本体部31の外径より径大の円筒状に形成されており、
図5および
図6に示すように、雌部材1の導通路10に挿入された際、雌部材1の導通路10の内面に密着状態に当接する。
【0038】
前記第3の雄本体部33は、第2の雄本体部32の外径より径大の円筒状に形成されており、
図5および
図6に示すように、雄部材3の先端部3aがプラグ2の掛止部22の周端部22aに当接した状態でプラグ2が雌部材1の座部22から離脱した際、雌部材1の環状リブ111の端面に当接することにより雄部材3のさらなる挿入を阻止する。
【0039】
次に本実施形態の連結システムの動作について説明する。
【0040】
図1~
図3に示すように、プラグ2が雌部材1の座部12に嵌合した閉栓状態では、プラグ2の環状壁部21(封止用リム212)が座部12の内面に密接状態に当接するとともに、プラグ2の掛止部22が雌部材1のショルダー部13に掛止されている。このとき、プラグ2の掛止部22の流通口223は、雌部材1の導通路10で塞がれた状態となっている。
【0041】
次に、雄部材3を雌部材1の導通路10の他方の開口部102から導通路10に挿入していくと、雄部材1の先端部3aがプラグ2の掛止部22の周端部22aに当接したあと、雄部材1のさらなる挿入に伴ってプラグ2が雌部材1の導通路10の一方の開口部101から押し出されていき、
図5~
図6に示すように、最終的にはプラグ2が雌部材1の座部12から離脱して開栓状態となる。このとき、プラグ2の掛止部22の流通口223は、包装容器Pの内部に露出して、雄部材3の流通路30がプラグ2の掛止部22の流通口223を介して包装容器Pの内部と連通する。
【0042】
なお、本実施形態では、プラグ2が雌部材1の座部12から離脱した状態においても、プラグ2の掛止部22の周端部22aの面位置と雌部材1の座部12の先端部の面位置が一致しているため、雌部材1とプラグ2の間には流通口223以外の部分では隙間が生じていない。
【0043】
このため、雄部材1をプラグ2に係合させなくても、包装容器Pの内部の流体を簡単かつ確実に排出することができる。よって、本連結システムをポンプ付き包装容器に適用した場合、ポンプの吸引管を雄部材としてそのまま適用し得るため、ポンプの仕様が変わるごとにアダプタとして雄部材を別途開発する必要がなくなり、ひいては開発期間や開発コストを削減することが可能となる。
【0044】
なお、本実施形態では、雄部材3によりプラグ2を雌部材1の導通路10の一方の開口部101から押し出す際、プラグ2の掛止部22の周端部22aと雄部材3の先端部3aを当接させるものとしたが、プラグ2のその他の部分と雄部材3の先端部3aを当接させてもよい。
【0045】
また、プラグ2を雌部材1の座部12から離脱させるものとしたが、プラグ2の掛止部22の流通口223の一部または全部が包装容器Pの内部に露出するものであれば、プラグ2の掛止部22の周端部22aの一部が雌部材1の座部12に嵌合したまま状態となってもよい。
【0046】
また、プラグ2の掛止部22の周端部22aにおいて流通口223を切欠き状に形成したが、孔状などのその他の形状に形成してもよい。
【0047】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…雌部材
10…導通路
101…一方の開口部
102…他方の開口部
11…雌本体部
111…環状リブ
12…座部
13…ショルダー部
2…プラグ
20…端部壁部
21…環状壁部
211…停止面
212…封止用リム
22…掛止部
22a…周端部
221…ショルダー外面
222…外周面
223…流通口
23…連結部
3…雄部材
3a…先端部
30…流通路
31…第1の雄本体部
31a…連通口
32…第2の雄本体部
33…第3の雄本体部
34…ポンプ機構
35…蓋部