(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】電池パック及び電池パックの直列構造
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20231117BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231117BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231117BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H01M10/48 P
H01M50/204 401D
(21)【出願番号】P 2022049155
(22)【出願日】2022-03-24
【審査請求日】2022-04-01
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522119086
【氏名又は名称】邑達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾 裕達
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-041858(JP,A)
【文献】特開平07-087675(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0109270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1正極及び第1負極を有し、前記第1正極と前記第1負極との間に第1電位差がある第1電池と、
前記第1負極と電気的に接続されている第2正極及び第2負極を有し、前記第2正極と前記第2負極との間に第2電位差がある第2電池と、
前記第1正極と電気的に接続されている第1端、前記第1負極及び前記第2正極と電気的に接続されている第2端、並びに前記第2負極と電気的に接続されている第3端を有する第1電流制御ユニットと、を含む電池パックであって、
前記第1電位差が前記第2電位差よりも大きい場合に、前記第2電池を流れる第2電流は、前記第1電池を流れる第1電流よりも大きく、前記第2電位差が前記第1電位差よりも大きい場合に、前記第1電流は、前記第2電流よりも大き
く、
第1電流制御ユニットは、
前記第1端に結合されている第1流入端、前記第2端に結合されている第1流出端及び第1制御端を有する第1トランジスタと、
前記第2端に結合されている第2流入端、前記第3端に結合されている第2流出端及び第2制御端を有する第2トランジスタと、
前記第1端及び前記第1制御端の間に設けられた第3スイッチと、を含む、
電池パック。
【請求項2】
前記第1電位差が前記第2電位差よりも大きいほど、前記第1電流制御ユニットによる前記第2電池に流入する電流の増加量もそれに応じて増加することを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記第2負極と電気的に接続されている第3正極及び第3負極を有し、前記第3正極と前記第3負極との間に第3電位差がある第3電池と、
前記第1負極及び前記第2正極と電気的に接続されている第4端、前記第2負極及び前記第3正極と電気的に接続されている第5端、並びに前記第3負極と電気的に接続されている第6端を有する第2電流制御ユニットと、をさらに含み、
前記第2電位差が前記第3電位差よりも大きい場合に、前記第3電池を流れる第3電流は、前記第2電流よりも大きく、前記第3電位差が前記第2電位差よりも大きい場合に、前記第2電流は、前記第3電流よりも大きいことを特徴とする、
請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1電流制御ユニットは、
前記第1正極及び前記第1端の間に設けられた第1スイッチと、
前記第2正極及び前記第2端の間に設けられた第2スイッチと、を
更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第1トランジスタはN型トランジスタであり、前記第2トランジスタはP型トランジスタであることを特徴とする、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの少なくとも一方は、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)であることを特徴とする、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記第1流入端と前記第1制御端との間には、第1インピーダンス素子が設けられており
、前記第2制御端と前記第2流出端の間には、第3インピーダンス素子が設けられていることを特徴とする、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第1制御端と前記第2制御端との間には、第2インピーダンス素子が設けられていることを特徴とする、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項9】
第1正極及び第1負極を有し、前記第1正極と前記第1負極との間に第1電位差がある第1電池と、前記第1負極と電気的に接続されている第2正極及び第2負極を有し、前記第2正極と前記第2負極との間に第2電位差がある第2電池と、
前記第1正極と電気的に接続されている第1流入端、並びに前記第1負極及び前記第2正極と電気的に接続されている第1流出端を有する第1トランジスタと、
前記第1流出端と電気的に接続されている第2流入端、及び前記第2負極と電気的に接続されている第2流出端を有する第2トランジスタと、
前記第1流入端及び前記第1トランジスタの第1制御端の間に設けられた第3スイッチと、を含む電池パックであって、
前記第1電位差が前記第2電位差よりも大きい場合に、前記第1トランジスタは導通し、前記第2トランジスタは導通せず、前記第2電位差が前記第1電位差よりも大きい場合に、前記第2トランジスタは導通し、前記第1トランジスタは導通しないことを特徴とする、
電池パック。
【請求項10】
前記第1トランジスタはN型トランジスタであり、前記第2トランジスタはP型トランジスタであることを特徴とする、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの少なくとも一方は、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)であることを特徴とする、請求項9に記載の電池パック。
【請求項12】
前記第1流入端と前記第1制御端との間には、第1インピーダンス素子が設けられており、前記第2トランジスタは、第2制御端をさらに有し、前記第2制御端と前記第2流出端の間には、第3インピーダンス素子が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の電池パック。
【請求項13】
前記第1制御端と前記第2制御端との間には、第2インピーダンス素子が設けられていることを特徴とする、請求項
12に記載の電池パック。
【請求項14】
互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第1正極及び第1負極を有
し、前記第1正極と前記第1負極との間に第1電位差がある第1電池パックと、
互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第2正極及び第2負極を有
し、前記第2正極と前記第2負極との間に第2電位差がある第2電池パックと、
前記第1正極と電気的に接続されている第1端、前記第1負極及び前記第2正極と電気的に接続されている第2端、並びに前記第2負極と電気的に接続されている第3端を有する電流制御ユニットと、を備える電池パックの直列構造であって、
前記第1電位差が前記第2電位差よりも大きい場合に、前記第2電池パックを流れる第2電流は、前記第1電池パックを流れる第1電流よりも大きく、前記第2電位差が前記第1電位差よりも大きい場合に、前記第1電流は、前記第2電流よりも大き
く、
前記電流制御ユニットは、
前記第1端に結合されている第1流入端、前記第2端に結合されている第1流出端及び第1制御端を有する第1トランジスタと、
前記第2端に結合されている第2流入端、前記第3端に結合されている第2流出端及び第2制御端を有する第2トランジスタと、
前記第1端及び前記第1制御端の間に設けられた第3スイッチと、を含む、
電池パックの直列構造。
【請求項15】
互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第1正極及び第1負極を有
し、前記第1正極と前記第1負極との間に第1電位差がある第1電池パックと、
互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第2正極及び第2負極を有
し、前記第2正極と前記第2負極との間に第2電位差がある第2電池パックと、
前記第1正極と電気的に接続されている第1流入端、並びに前記第1負極及び前記第2正極と電気的に接続されている第1流出端を有する第1トランジスタと、
前記第1流出端と電気的に接続されている第2流入端、及び前記第2負極と電気的に接続されている第2流出端を有する第2トランジスタと、
前記第1流入端及び前記第1トランジスタの第1制御端の間に設けられた第3スイッチと、を備える電池パックの直列構造であって、
前記第1電位差が前記第2電位差よりも大きい場合に、前記第1トランジスタは導通し、前記第2トランジスタは導通せず、前記第2電位差が前記第1電位差よりも大きい場合に、前記第2トランジスタは導通し、前記第1トランジスタは導通しないことを特徴とする、
電池パックの直列構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック及び電池パックの直列構造に関し、特に、電気バランス構造を有する電池パック及び電池パックの直列構造に関する。
【背景技術】
【0002】
より高い利便性及び携帯性を求めるために、電池構成を採用する電子デバイスは増えてきている。デバイスに必要な電圧及び電気量を実現するには、複数の電池セルを直列または並列に接続することで電池パックとして統合すること大多数である。電池パックの充放電の際に、個々の電池セルの違い(例えば、電池セルの内部インピーダンス)によって個別の電池セルの電圧が異なる。これにより、一部の電池セルが過充電又は過放電されることになり、電池セル、即ち、電池パック全体の寿命に直接影響を及ぼしてしまう。場合によっては(例えば、保護回路がない場合や保護回路が機能しない場合)、電池パックの温度上昇に起因して事故を引き起こす可能性もある。
【0003】
電気バランス(例えば、電圧又は電気量のバランス)設定を持つ電池パックの充放電中に、個別の電池セルの電圧又は電気量のバランス効率(例えば、個別の電池セルの電圧バランスの速度)は、高速充電の用途で電池パックの充電効率に影響を及ぼす。また、個別の電池セルの電圧バランスをとる前後に、電気バランス設定による追加の電気量損失も、電池パックの経済性に影響を及ぼす。例えば、高電圧又は大電気量を供給するために用いられ、多くの電池セルを有する電池パックの場合に、僅かな違いは、電池セルの数によって拡大される。
【0004】
したがって、電池パックの好ましいバランス効率及び損失の小さいバランス手段を実現することは、電池分野の研究における大きな焦点となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、第1電池と、第2電池と、第1電流制御ユニットとを含む電池パックを提供する。第1電池は、第1正極及び第1負極を有し、第1正極と第1負極との間に第1電位差がある。第2電池は、第1負極と電気的に接続されている第2正極及び第2負極を有し、第2正極と第2負極との間に第2電位差がある。第1電流制御ユニットは、第1正極と電気的に接続されている第1端、第1負極及び第2正極と電気的に接続されている第2端、並びに第2負極と電気的に接続されている第3端を有する。第1電位差が第2電位差よりも大きい場合は、第2電池を流れる第2電流は、第1電池を流れる第1電流よりも大きい。第2電位差が第1電位差よりも大きい場合は、第1電流は、第2電流よりも大きい。
【0006】
本発明は、第1電池と、第2電池と、第1トランジスタと、第2トランジスタとを含む電池パックを提供する。第1電池は、第1正極及び第1負極を有し、第1正極と第1負極との間に第1電位差がある。第2電池は、第1負極と電気的に接続されている第2正極及び第2負極を有し、第2正極と第2負極との間に第2電位差がある。第1トランジスタは、第1正極と電気的に接続されている第1流入端、並びに第1負極及び第2正極と電気的に接続されている第1流出端を有する。第2トランジスタは、第1流出端と電気的に接続されている第2流入端、及び第2負極と電気的に接続されている第2流出端を有する。第1電位差が第2電位差よりも大きい場合に、第1トランジスタは導通し、第2トランジスタは導通しない。第2電位差が第1電位差よりも大きい場合に、第2トランジスタは導通し、第1トランジスタは導通しない。
【0007】
本発明は、第1電池パックと、第2電池パックと、電流制御ユニットとを備える電池パックの直列構造を提供する。第1電池パックは、互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第1正極及び第1負極を有する。第2電池パックは、互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第2正極及び第2負極を有する。電流制御ユニットは、第1正極と電気的に接続されている第1端、第1負極及び第2正極と電気的に接続されている第2端、並びに第2負極と電気的に接続されている第3端を有する。第1電位差が第2電位差よりも大きい場合に、第2電池パックを流れる第2電流は、第1電池パックを流れる第1電流よりも大きい。第2電位差が第1電位差よりも大きい場合に、当該第1電流は、第2電流よりも大きい。
【0008】
本発明は、第1電池パックと、第2電池パックと、第1トランジスタと、第2トランジスタとを備える電池パックの直列構造を提供する。第1電池パックは、互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第1正極及び第1負極を有する。第2電池パックは、互いに直列に接続されている複数の電池を含み、第2正極及び第2負極を有する。第1トランジスタは、第1正極と電気的に接続されている第1流入端、並びに第1負極及び第2正極と電気的に接続されている第1流出端を有する。第2トランジスタは、第1流出端と電気的に接続されている第2流入端、及び第2負極と電気的に接続されている第2流出端を有する。第1電位差が第2電位差よりも大きい場合に、第1トランジスタは導通し、第2トランジスタは導通しない。第2電位差が第1電位差よりも大きい場合に、第2トランジスタは導通し、第1トランジスタは導通しない。
【0009】
前述のように、電流制御ユニットにより電池パックにおける個別の電池を流れる電流を調整する。電流制御ユニットは、電池パックにおける、例えば直列に接続されている2つの電池間の電圧差に応じて当該2つの電池を流れる電流を調整することができる。電流を調整することで、低電圧の電池に多くの電流を流すことができ、電圧差が大きいほど、供給される電流も増加する。これによって、電池パックのバランス効率が向上する。また、電池パックの電気が均衡される前後に、全体的な設定によりトリクル電流(例えば、電池パックの充放電用の電流以外の電流)が低減され、電池パックの充電/放電時の損失を低減するという目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例における電池パックの模式図である。
【
図2】本発明の一実施例において電流制御ユニットがトランジスタである場合の模式図である。
【
図3A】本発明の一実施例におけるトランジスタの状態及び電流の状態の模式図である。
【
図3B】本発明の一実施例におけるトランジスタの状態及び電流の状態の模式図である。
【
図3C】本発明の一実施例におけるトランジスタの状態及び電流の状態の模式図である。
【
図4】本発明の一実施例における他の素子を有する電池パックの模式図である。
【
図5A】本発明の一実施例における3つの電池を有する電池パックの模式図である。
【
図5B】本発明の一実施例における3つの電池を有する電池パックの模式図である。
【
図6】本発明の一実施例における4つの電池を有する電池パックの模式図である。
【
図7A】本発明の一実施例における電池パックの直列構造の模式図である。
【
図7B】本発明の一実施例における電池パックの直列構造の模式図である。
【
図8】本発明の一実施例における多段階の電流制御ユニットを有する電池パックの直列構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面及び詳細な説明により本開示の精神を明確に説明し、当業者であれば、本開示の実施例を理解したうえで、本開示で教示された技術に変更及び修飾を加えることができ、それらは本開示の精神及び範囲から逸脱することはない。
【0012】
本明細書で使用される「第1」、「第2」などは、順番や順序を特定するものではなく、本発明を限定するためのものでもなく、同じ技術用語で記述された要素や操作を区別するためのものに過ぎない。本明細書で使用される「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」などは、いずれも開放的な用語であり、即ち、含むがこれらに限られないことを意味する。
【0013】
本明細書で使用される用語(terms)は、特に断りのない限り、一般的に、各用語が本分野、本明細書の開示内容、及び特別な内容に使用される場合の通常の意味を持つ。本開示を説明するためのいくつかの用語は、本開示の説明に関する追加のガイダンスを当業者に提供するために、以下の内容又は本明細書の他の部分で説明される。
【0014】
図面では、層、板、領域又はスペースなどの厚さは、わかりやすくするために拡大されている。明細書全体を通して、同一の参照符号は、同一の素子を示す。層、板、領域又はスペースなどの素子は、別の素子に「位置する」又は「接続される」と記載されている場合に、別の素子に直接位置する又は接続されると解釈されてもよいし、或いは、別の素子との間に中間要素を有するまたは存在すると解釈されてもよいことを理解すべきである。例えば、本明細書で使用される「接続」又は「結合」は、物理的及び/又は電気的接続を指してもよい。なお、図面を簡略化し、図面に示す内容を強調するために、図面における周知の構造又は要素は、簡単で概略的に描かれるか、又は省略されることがある。
【0015】
図面では、類似する構成要素又は特徴には、同一の参照符号が付されてもよい。また、同じ種類の様々な構成要素は、その参照符号の後にダッシュ及び第2参照符号を付けることで区別することができ、上記の第2参照符号は、類似する構成要素を区別するためのものである。明細書において第1参照符号のみが使用されている場合に、その説明は、第2参照符号又は後に付けた他の参照符号を考慮せず、同じ第1参照符号が付されている類似する構成要素のいずれかに適用される。
【0016】
図1に示すように、本発明は、第1電池B1と、第2電池B2と、第1電流制御ユニット100とを含む電池パック10を提供する。第1電池B1は、第1正極P1及び第1負極N1を有し、第1正極P1と第1負極N1との間に第1電位差V1がある。第2電池B2は、第1負極N1と電気的に接続されている第2正極P2及び第2負極N2を有し、言い換えれば、第1電池B1と第2電池B2とは、直列に配置されている。第2正極P2と第2負極N2との間に第2電位差V2がある。第1電流制御ユニット100は、第1正極P1と電気的に接続されている第1端E1、第1負極N1及び第2正極P2と電気的に接続されている第2端E2、並びに第2負極N2と電気的に接続されている第3端E3を有する。
【0017】
なお、本発明は、第1電池B1及び第2電池B2の種類又はモデルに限定されない。例えば、第1電池B1及び第2電池B2は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム電池(例えば、リチウム鉄電池又はリチウムポリマー電池)などの充電式電池の種類であってもよい。しかしながら、第1電池B1及び第2電池B2は、充電式電池に限られず、例えば、電池パック10が放電用途のみに使用される場合に、一次電池を使用してもよい。また、第1電池B1及び第2電池B2は、同一の仕様及び/又は種類の電池を使用することが好ましいが、これに限られない。第1電池B1及び/又は第2電池B2は、第1電池B1と第2電池B2とが類似する又は同一の電気的仕様(例えば、電気量、抵抗又は電圧)を有するように、電気回路などの手段で異なる仕様の電池を並列又は直列に接続してもよい。
【0018】
この実施例において、第1電位差V1が第2電位差V2よりも大きい場合は、第2電池B2を流れる第2電流I2は、第1電池B1を流れる第1電流I1よりも大きい。第2電位差V2が第1電位差V1よりも大きい場合は、第1電流I1は、第2電流I2よりも大きい。具体的には、第1電流制御ユニット100は、第1端E1と第2端E2との電圧差(第1電圧差V1)及び第2端E2と第3端E3との電圧差(第2電圧差V2)により第2端E2から流出/流入する調整電流Ixを制御する。第1電圧差V1が第2電圧差V2よりも大きい場合に、第1電流制御ユニット100は、第2端E2から流出するように調整電流Ixを制御し、第1電圧差V1が第2電圧差V2を上回る値に伴って調整電流Ixを増やすことによって、第2電池B2を流れる第2電流I2を、それに応じて増加することができる(第1電池B1を流れる第1電流I1よりも大きくなる)。同様に、第2電圧差V2が第1電圧差V1よりも大きい場合に、第1電流制御ユニット100は、第2端E2から流入するように調整電流Ixを制御し、第2電圧差V2が第1電圧差V1よりを上回る値に伴って調整電流Ixを増やすことによって、第2電池B2を流れる第2電流I2を減少させる(第1電池B1を流れる第1電流I1よりも小さくなる)。
【0019】
一実施例において、第1電流制御ユニット100は、第1均値により第2端E2から流出/流入する調整電流Ixを制御することができる。例えば、第1均値は、第1電位差V1と第2電位差V2とを平均することにより、又は、他の演算方式により算出することができる。第1電圧差V1が第1均値よりも大きい場合に、第1電流制御ユニット100は、第2端E2から流出するように調整電流Ixを制御し、第1電圧差V1が第1均値を上回る値に伴って調整電流Ixを増やす。同様に、第2電圧差V2が第1均値よりも大きい場合に、第1電流制御ユニット100は、第2端E2から流入するように調整電流Ixを制御し、第2電圧差V2が第1均値を上回る値に伴って調整電流Ixを増やす。一実施例において、第1均値は、電池パック10に供給される充電電圧値の半分の値であってもよく、例えば、電池パック10に供給される充電電圧値が9ボルト(V)である場合に、第1均値は、4.5Vであってもよいが、本発明では、この実施例の値及び計算方式に限られないことに留意されたい。
【0020】
第1電流制御ユニット100は、回路方式で実現されてもよい。例えば、第1電流制御ユニット100は、能動素子(例えば、トランジスタ、オペアンプ、スイッチ又はマルチプレクサ)、及び受動素子(例えば、抵抗器、インダクタ又はキャパシタ)を回路方式で回路基板(例えば、印刷回路基板又はユニバーサル回路基板)に組み込んで構成されてもよい。また、第1電流制御ユニット100は、マイクロプロセッサ又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えることによって、電圧閾値のバランス設定、及び/又は第1電流I1および/または第2電流I2の測定又は調整を行ってもよい。一実施例において、第1電流制御ユニット100は、集積回路をパッケージチップに統合して構成されてもよい。
【0021】
一実施例において、
図1に示す実施例と同様に、第1電流制御ユニット100は、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2の組合せにより構成されてもよい。具体的には、
図2に示すように、第1トランジスタT1は、第1正極P1と電気的に接続されている第1流入端T1-i、並びに第1負極N1及び第2正極P2と電気的に接続されている第1流出端T1-oを有する。第2トランジスタT2は、第1流出端T1-oと電気的に接続されている第2流入端T2-i、及び第2負極N2と電気的に接続されている第2流出端T2-oを有する。
【0022】
具体的には、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2は、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)又は電界効果トランジスタ(FET)であってもよく、電界効果トランジスタ(FET)は、例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合型電界効果トランジスタ(JFET)又は他の任意の可能な電界効果トランジスタである。一実施例において、第1トランジスタT1は、N型トランジスタが好ましく、第2トランジスタT2は、P型トランジスタが好ましい。この実施例において、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2がバイポーラジャンクショントランジスタである場合に、第1流入端T1-i及び第2流出端T2-oは、コレクタ(Collector)であり、第1流出端T1-o及び第2流入端T2-iは、エミッタ(Emitter)である。注意するべきは、上記の実施例は、一例に過ぎず、本発明の第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の各端の設置を制限するものではない。第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2がMOSFETである場合に、コレクタは、ドレイン(Drain)に対応でき、エミッタは、ソース(Source)に対応できる。或いは、その他のトランジスタである場合に、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の各端は、当業者に知られているように設置されてもよい。
【0023】
また、本発明では、使用されるトランジスタの種類は限定されないが、必要に応じて使用される種類を調整してもよい。一実施例において、比較的高い調整電流Ixを必要とする場合に、バイポーラジャンクショントランジスタは、比較的良好な電流利得を有することから使用することができる。一実施例において、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタは、その集積回路プロセスが比較的成熟し、面積を節減できるとともに電力損失が低いという利点が達成されることから使用することもできる。
【0024】
第1電位差V1が第2電位差V2よりも大きい場合は、
図3Aに示すように、第1トランジスタT1は導通し、第2トランジスタT2は導通しない。調整電流Ixが第1トランジスタT1の第1流出端T1-oから流出することによって、第2電流I2が増加して第1電流I1が第2電流I2よりも小さくなる。第2電位差V2が第1電位差V1よりも大きい場合に、
図3Bに示すように、第2トランジスタT2は導通し、第1トランジスタT1は導通しない。調整電流Ixが第2トランジスタT2の第2流入端T2-iから流入することによって、第2電流I2が減少して第1電流I1が第2電流I2よりも大きくなる。なお、本発明では、「導通しない」とは、例えば、トランジスタの操作モデルで定義されてもよく、バイポーラジャンクショントランジスタを例にとると、トランジスタがカットオフ(Cut-off)領域で動作することを意味してもよく、トランジスタを流れる電流で定義されてもよい、例えば、当該トランジスタに流入又は流出する電流がゼロであるか又はゼロに近い状態を意味してもよい。同様に、本発明では、「導通する」とは、例えば、バイポーラジャンクショントランジスタが能動(Active)領域又は飽和(Saturation)領域で動作すると定義されてもよく、トランジスタに流入/流出する電流があると定義されてもよい。第1電位差V1が第2電位差V2に等しい又は近い(必要に応じて、回路の調整により第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の導通条件を設定してもよい)場合に、即ち、電池パックが目標とするバランス効果を達成した場合に、
図3Cに示すように、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2は、いずれも導通しない。これによって、電池パックが目標とするバランス効果を達成したときに電気バランスに用いられる電力損失を減少させる。電池パック10は、充電端C又は負荷端Lによって充放電することができる。例えば、第1電池B1と第2電池B2が電気バランスをとった後に、第1電流I1と第2電流I2とは、同じになる。注意するべくは、充電端C又は負荷端Lと電池パック10との間には、電池パック10の目標とする充電電圧又は放電電圧を制御するために、電池管理システム(BMS)(
図3Cに図示せず)をさらに設けてもよい。
【0025】
一実施例において、
図4に示すように、第1トランジスタT1は、第1制御端T1-cをさらに有し、第1流入端T1-iと第1制御端T1-cとの間には、第1インピーダンス素子R1が設けられている。第2トランジスタT2は、第2制御端T2-cをさらに有し、第2制御端T2-cと第2流出端T2-oとの間には、第3インピーダンス素子R3が設けられている。第1インピーダンス素子R1及び第3インピーダンス素子R3により、対応する第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2を調整することができ、例えば、電気回路により、第1制御端T1-c及び第2制御端T2-cに流入する電流、又は、第1制御端T1-cと第2制御端T2-cのエンドポイント電圧を制御する。しかし、第1インピーダンス素子R1及び第3インピーダンス素子R3を設ける目的は、これに限られず、当業者による調整は、何れも本発明の範囲に属すべきである。インピーダンス素子は、炭素膜抵抗器、チップ固定抵抗器、巻線抵抗器又は半導体プロセスにより形成された抵抗器構造であってもよい。また、本発明のインピーダンスは、実部抵抗値(レジスタンス)及び虚部抵抗値(リアクタンス)を含んでもよく、よってインピーダンス素子は、インダクタ又はキャパシタなどの受動素子であってもよいことを理解すべきである。
【0026】
一実施例において、第1制御端T1-cと第2制御端T2-cとの間には、第2インピーダンス素子R2が設けられている。例えば、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の導通電圧が高すぎるか又は望ましくない場合に、第2インピーダンス素子R2により第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の導通条件を調整することができる。例えば、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2は、BJTである場合に、それぞれ導通電圧(約0.3V~0.7V)を有するので、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2は、第1電圧V1と第2電圧V2との差がある区間(例えば、導通電圧の範囲)に入ったときにいずれも導通しない可能性がある。第2インピーダンス素子R2を設けることで前記第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2のいずれも導通しない電圧範囲を調整することができ、これによって、電池パックの電気バランスは、より効率的になる。しかし、第2インピーダンス素子R2の配置は、必須ではなく、例えば、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2としてディプレッション型(VGS=0Vの場合にチャネルを有する)の電界効果トランジスタを使用する場合に、第2インピーダンス素子R2の抵抗値を低減させるか又は第2インピーダンス素子R2を取り除くことができる。
【0027】
一実施例において、電池パック10は、第1スイッチS1と、第2スイッチS2と、第3スイッチS3とをさらに含んでもよい。第1スイッチS1は、第1電池B1の第1正極P1と第1電流制御ユニット100の第1端E1(第1トランジスタT1の第1流入端T1-i)との間に設けられている。第2スイッチS2は、第2電池B2の第2正極P2と第1電流制御ユニット100の第2端E2(第2トランジスタT2の第2流入端T2-i)との間に設けられている。第3スイッチS3は、第1電流制御ユニット100内に設けられており、
図4に示す実施例において、第3スイッチS3は、第1電池B1の第1正極P1と第1トランジスタT1の第1制御端T1-cとの間に設けられてもよい。第1スイッチS1及び第2スイッチS2が開閉されることによって第1電流制御ユニット100から流入/流出する電流を調整することができる。第3スイッチS3が開閉されることによって第1電流制御ユニット100の内部の電流を制御することができる。注意すべきは、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び第3スイッチS3は、必要に応じて個別に設けられてもよく、本発明では、スイッチの数及び配置位置は限定されない。また、本発明の電池パック10は、この回路構造に限られず、当業者が本発明に基づいて調整可能な範囲であれば、本発明の範囲に属すべきである。例えば、電池パック10は、第1トランジスタT1の第1流入端T1-i及び第2トランジスタT2の第2流出端T2-oにインピーダンス素子R4、R5を増設することで第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の回路利得を調整してもよい。
【0028】
図5Aに示すように、本発明の電池パック10は、第3電池B3と、第2電流制御ユニット200とをさらに含んでもよい。第3電池B3は、第2電池B2の第2負極N2と電気的に接続されている第3正極P3及び第3負極N3を有する。第3正極P3と第3負極N3との間に第3電位差V3がある。第2電流制御ユニット200は、第1負極N1及び第2正極P1と電気的に接続されている第4端E2-1、第2負極N2及び第3正極P3と電気的に接続されている第5端E2-2、並びに第3負極N3と電気的に接続されている第6端E2-3を有する。この実施例において、第2電位差V2が第3電位差V3よりも大きい場合に、第3電池B3を流れる第3電流I3は、第2電流I2よりも大きい。第3電位差V3が第2電位差V2よりも大きい場合に、当該第2電流I2は、第3電流I3よりも大きい。第2電流制御ユニット200は、第1電流制御ユニット100と作動方法は類似するが、第2電流制御ユニット200は、第2電池B2及び第3電池B3を流れる電流を調整することにより(調整電流Ix2により)、第2電池B2と第3電池B3の電圧/電気量を均衡させるという点が第1電流制御ユニット100と異なる。
【0029】
一実施例において、
図5Bに示すように、第2電流制御ユニット200は、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4の組合せにより構成されてもよい。第1電流制御ユニット100と同様に、第3トランジスタT3は、第2正極P2と電気的に接続されている第3流入端T3-i、並びに第2負極N2及び第3正極P3と電気的に接続されている第3流出端T3-oを有する。第4トランジスタT4は、第3流出端T3-oと電気的に接続されている第4流入端T4-i、及び第3負極N3と電気的に接続されている第4流出端T4-oを有する。
【0030】
具体的には、本発明の電池パック10は、電池及び電流制御ユニットの数を制限しない。一実施例において、電池の数がN個で、電流制御ユニットの数がM個である場合に、N=M+1である。
図6に示すように、
図6には、電池の数N=4で、電流制御ユニットの数M=3である実施例が示されている。第1電池B1と第2電池B2は、第1電流制御ユニット100によりその電気バランスが制御される。第2電池B2と第3電池B3は、第2電流制御ユニット200によりその電気バランスが制御される。第3電池B3と第4電池B4は、第3電流制御ユニット300によりその電気バランスが制御される。この設置により、電池パックにおける電池数が増加した際にと、それに応じて追加した電流制御ユニットを使用して電池パックにおける各電池間の電気バランスを制御することができる。
【0031】
一実施例において、
図7A及び
図7Bに示すように、本発明は、第1電池パックBS1と、第2電池パックBS2と、電流制御ユニット700とを備える電池パックの直列構造20を提供する。第1電池パックBS1は、互いに直列に接続されている複数の電池(B11、B12)を含み、第1正極P1及び第1負極N1を有する。第2電池パックBS2は、互いに直列に接続されている複数の電池(B21、B22)を含み、第2正極P2及び第2負極N2を有する。注意すべきは、本実施例で説明される電池パックは、複数の電池を直列/並列に接続した通常の電池パック(
図7Aに示すとおり)又は上記の実施例における電気バランス構造を有する電池パック(
図7Bに示すとおり)を指してもよい。注意すべくは、第1電池パックBS1と第2電池パックBS2は、充電完了後の電圧又は電気量が同じであるか又は近似であることが好ましい。そして、第1電池パックBS1と第2電池パックBS2における複数の電池(B11、B12、B21、B22)は、同じ仕様及び/又は電気量の電池であることが好ましい。また、
図7A及び
図7Bに示す電池は直列に接続されているが、電池は、並列接続又は直列接続などの方式により類似する仕様又は電気量を達成することができる点を理解すべきである。電流制御ユニット700は、第1正極P1と電気的に接続されている第1端E1、第1負極N1及び第2正極P2と電気的に接続されている第2端E2、並びに第2負極N2と電気的に接続されている第3端E3を有する。第1電位差V1が第2電位差V2よりも大きい場合に、第2電池パックBS2を流れる第2電流I2は、第1電池パックBS1を流れる第1電流I1よりも大きい。第2電位差V2が第1電位差V1よりも大きい場合に、第1電流I1は、第2電流I2よりも大きい。具体的には、電流制御ユニット700と、上記した電流制御ユニット100及び電流制御ユニット200とは、作動方式は類似しており、電流制御ユニット100及び電流制御ユニット200が2つの電池(B1、B2)の間の電気バランスに用いられるのに対し、電流制御ユニット700が2つの電池パック(BS1、BS2)の間の電気バランスに用いられる点で差異がある。2つの電池の間の電気バランスよりも、2つの電池パックの間の電気バランスのほうがより大きい電流又は電力を必要とする場合があるので、電流制御ユニット700は、電力又は電流耐性の高い素子を使用できる。換い換えれば、電流制御ユニット100及び電流制御ユニット200は、第1段階の電流制御ユニットと見なすことができ、電流制御ユニット700は、第2段階の電流制御ユニットと見なすことができる。注意すべきは、
図7Bが示す構造は、例示的なものに過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、2つの電池の間の電気バランスに用いられる第1段階の電流制御ユニット(例えば、電流制御ユニット100、電流制御ユニット200)及び2つの電池パックの間の電気バランスに用いられる第2段階の電流制御ユニット(電流制御ユニット700)の数は、必要に応じて調整できる。
【0032】
一実施例において、電流制御ユニット700は、トランジスタの組合せにより構成されてもよい。電池パックの直列構造20は、第1電池パックBS1と、第2電池パックBS2と、トランジスタT7と、トランジスタT8とを備える。トランジスタT7は、第1正極P1と電気的に接続されている流入端T7-i、並びに第1負極N1及び第2正極P2と電気的に接続されている流出端T7-oを有する。トランジスタT8は、流出端T7-oと電気的に接続されている流入端T8-i、及び第2負極N2と電気的に接続されている流出端T8-oを有する。第1電位差V1が第2電位差V2よりも大きい場合は、トランジスタT7は導通し、トランジスタT8は導通しない。第2電位差V2が第1電位差V1よりも大きい場合は、トランジスタT8は導通し、トランジスタT7は導通しない。
【0033】
一実施例において、直列に接続されている電池パックの数が増加した際は、電流制御ユニットの段数を増やすことで電池パック全体の電気バランスをとることができる。例えば、
図8に示すように、電池パックの直列構造40は、複数の電池をそれぞれ有する第1電池パックBS1、第2電池パックBS2、第3電池パックBS3及び第4電池パックBS4を有する。電池パックにおける2つの電池毎に、第1段階の電流制御ユニット1stSを用いて電気バランスをとることができる。第1段階の電流制御ユニット1stSの2つ毎の間(又は2つの電池パックの間と見なすことができる)には、2つの電池パックの電気バランスをとるための第2段階の電流制御ユニット2ndSが設けられてもよい。第2段階の電流制御ユニット2ndS2つ毎に、1つの第3段階の電流制御ユニット3rdSを用いて電気バランスをとることができる。この実施例において、電池パックの数は、2の累乗数(例えば、2個、4個、8個など)であることが好ましいが、これに限られない。電流制御ユニットの段数を増やすことで電気バランス構造を簡略化することができる。
【0034】
本発明は、上記の関連する実施例により説明されたが、上記の実施例は、本発明を実施するための例に過ぎない。本明細書に開示された実施例は、本発明の範囲を制限しないことに留意されたい。逆に、特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる変更及び同等の設置は、すべて本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
10 : 電池パック
20,40 : 電池パックの直列構造
100,200,300,700 : 電流制御ユニット
B1,B2,B3 : 電池
E1,E2,E3 : 端
T1,T2 : トランジスタ
T1-i,T2-i : 流入端
T1-o,T2-o : 流出端
T1-c,T2-c : 制御端
R1,R2,R3,R4,R5 : インピーダンス素子
P1,P2 : 正極
N1,N2 : 負極
I1,I2 : 電流
Ix : 調整電流
V1,V2 : 電圧差
C/L : 充電端/負荷端
S1,S2,S3 : スイッチ