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特許7386564ポンピング式容器用スプリング及びこれを含むポンピング式容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ポンピング式容器用スプリング及びこれを含むポンピング式容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20231117BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20231117BHJP
【FI】
A45D34/04 555
B05B11/00 101G
B05B11/00 101Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022126128
(22)【出願日】2022-08-08
(65)【公開番号】P2023071151
(43)【公開日】2023-05-22
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153721
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504132560
【氏名又は名称】株式会社太成産業
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙ミン浚
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211495185(CN,U)
【文献】特開2007-46723(JP,A)
【文献】特開平10-17005(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/300472(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/169205(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102019132345(DE,A1)
【文献】特開平9-303453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B05B 11/00
B65D 47/34,83/00
F16F 1/06, 1/36, 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の上部貫通孔が形成された上部支持板と、円形の下部貫通孔が形成され、前記下部貫通孔が前記上部貫通孔に整列されるように前記上部支持板の下側に配置された下部支持板と、円螺旋状に形成され、上端が前記上部支持板の底面に固定され、下端が前記下部支持板の上面に固定されるように前記上部支持板と前記下部支持板との間に設置された第1螺旋部と、前記第1螺旋部と同じ方向の円螺旋状に形成され、上端が、前記上部支持板の底面のうち、前記上部貫通孔の中心線を基準に、前記第1螺旋部の上端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定され、下端が、前記下部支持板の上面のうち、前記下部貫通孔の中心線を基準に、前記第1螺旋部の下端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定されるように、前記上部支持板と前記下部支持板との間に設置された第2螺旋部と、を有するポンピング式容器用スプリングであって、
前記第1螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは、正の整数)になる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180(Mは、≦Nの正の整数)になる地点の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結され、前記第1螺旋部の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結される地点を第1螺旋底面連結点であるとし、前記第1螺旋部の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結される地点を第1螺旋上面連結点であるとするとき、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成され;
前記第2螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×Nになる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180になる地点の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結され、前記第2螺旋部の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結される地点を第2螺旋底面連結点であるとし、前記第2螺旋部の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結される地点を第2螺旋上面連結点であるするとき、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成されることを特徴とするポンピング式容器用スプリング。
【請求項2】
前記第1螺旋部は、上端から前記第1螺旋底面連結点に下降する区間、及び前記第1螺旋上面連結点から下端に下降する区間が、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成され;
前記第2螺旋部は、上端から前記第2螺旋底面連結点に下降する区間、及び前記第2螺旋上面連結点から下端に下降する区間が、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成されることを特徴とする、請求項1に記載のポンピング式容器用スプリング。
【請求項3】
液状内容物が貯蔵された容器部と、前記容器部の上側に設置されたボタンと、円形の上部貫通孔が形成された上部支持板、円形の下部貫通孔が形成され、前記下部貫通孔が前記上部貫通孔に整列されるように前記上部支持板の下側に配置された下部支持板、円螺旋状に形成され、上端が前記上部支持板の底面に固定され、下端が前記下部支持板の上面に固定されるように前記上部支持板と前記下部支持板との間に設置された第1螺旋部、及び前記第1螺旋部と同じ方向の円螺旋状に形成され、上端が前記上部支持板の底面のうち、前記上部貫通孔の中心線を基準に、前記第1螺旋部の上端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定され、下端が、前記下部支持板の上面のうち、前記下部貫通孔の中心線を基準に、第1螺旋部の下端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定されるように前記上部支持板と前記下部支持板との間に設置された第2螺旋部を有し、前記ボタンを前記容器部に向かって押す際に、前記ボタンを原位置に上昇させるための弾性力が前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部に蓄積されるように前記ボタンと前記容器部との間に設置されたポンピング式容器用スプリングと、を有するポンピング式容器であって、
前記第1螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは、正の整数)になる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180(Mは、≦Nの正の整数)になる地点の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結され、前記第1螺旋部の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結される地点を第1螺旋底面連結点であるとし、前記第1螺旋部の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結される地点を第1螺旋上面連結点であるとするとき、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成され;
前記第2螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×Nになる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180になる地点の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結され、前記第2螺旋部の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結される地点を第2螺旋底面連結点であるとし、前記第2螺旋部の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結される地点を第2螺旋上面連結点であるとするとき、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成されることを特徴とするポンピング式容器。
【請求項4】
前記第1螺旋部は、上端から前記第1螺旋底面連結点に下降する区間、及び前記第1螺旋上面連結点から下端に下降する区間が、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成され;
前記第2螺旋部は、上端から前記第2螺旋底面連結点に下降する区間、及び前記第2螺旋上面連結点から下端に下降する区間が、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成されることを特徴とする、請求項3に記載のポンピング式容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器部に貯蔵された液状内容物をボタンの押し操作によってポンピング式で少しずつ外部に排出させる構造を有するポンピング式容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品のような液状内容物をボタンの押し操作によってポンピング式で排出させる構造を有するポンピング式容器には、ボタンが下方に押される際に、ボタンを原位置に上昇させ得る弾性力を蓄積するポンピング式容器用スプリングが設置される。
【0003】
図10は、従来のポンピング式容器用スプリングを示す図であり、図11は、従来のポンピング式容器用スプリングが設置されたポンピング式容器を示す図である。
【0004】
ポンピング式容器用スプリング180は、図10に示すように、円形の上部貫通孔181aが形成された上部支持板181と、上部支持板181の下側に配置された下部支持板182と、それぞれ、上端が上部支持板181の底面に固定され、下端が下部支持板182の上面に固定されるように上部支持板181と下部支持板182との間に設置された第1螺旋部183及び第2螺旋部184を有している。
【0005】
下部支持板182は、中央に円形の下部貫通孔182aが形成される。
【0006】
第1螺旋部183は、左手の円螺旋状に形成される。
【0007】
第1螺旋部183は、螺旋軌跡の回転角度720°を有するように形成される。
【0008】
第1螺旋部183は、第2螺旋部184と連結された地点がなく、全体的に同一の断面積を有するように形成される。
【0009】
第2螺旋部184は、左手の円螺旋状に形成される。
【0010】
第2螺旋部184は、上端が、上部支持板181の底面のうち、上部貫通孔181aの中心線(図4の‘C’参照)を基準に、第1螺旋部183の上端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定され、下端が、下部支持板182の上面のうち、下部貫通孔182aの中心線(図4の‘C’参照)を基準に、第1螺旋部183の下端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定される。
【0011】
第2螺旋部184は、螺旋軌跡の回転角度720°を有するように形成される。
【0012】
第2螺旋部184は、全体的に同一の断面積を有するように形成される。
【0013】
このような構成を有するポンピング式容器用スプリング180は、図11に示すように、上部支持板181が加圧部材170に支持され、下部支持板182がスプリング支持部材150に支持されるように容器部110の内部に設置される。
【0014】
ポンピング式容器に設置されたポンピング式容器用スプリング180の動作を説明すると、次の通りである。
【0015】
まず、ボタン140を容器部110に向かって押すと、加圧部材170が下降しながらポンピング式容器用スプリング180に弾性力が蓄積される。
【0016】
次に、ボタン140を押す動作が中止すると、ポンピング式容器用スプリング180に蓄積された弾性力によってボタン140は原位置に上昇する。
【0017】
ところが、従来のポンピング式容器用スプリング180によれば、第1螺旋部183と第2螺旋部184は相互間に連結地点無しで分離されているため、ボタン140の押し動作時に第1螺旋部183と第2螺旋部184が独立に弾性変形されるという問題点があった。
【0018】
第1螺旋部183と第2螺旋部184が独立に弾性変形されると、ボタン140の押し動作時に第1螺旋部183と第2螺旋部184が上部支持板181の板面方向に変形される程度が増加するため、第1螺旋部183と第2螺旋部184が上部支持板181の板面に垂直な方向に変形される程度が減少する。
【0019】
第1螺旋部183と第2螺旋部184が上部支持板181の板面に垂直な方向に変形される程度が減少すると、ポンピング式容器用スプリング180に蓄積される弾性力が小さくなるため、ボタン140を安定して上昇させることができなくなる。
【0020】
しかも、第1螺旋部183と第2螺旋部184が独立に弾性変形されると、ポンピング式容器用スプリング180に蓄積される弾性力の大きさと方向の偏差が増加する。
【0021】
ポンピング式容器用スプリング180に蓄積される弾性力の大きさと方向の偏差が増加すると、ボタン140の押し位置や押し方向を適切に選択してボタン140を押さなければならず、ボタン140の押し動作が不便になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-2120009号(2020年06月01日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、本発明の目的は、ボタンの押し動作時に第1螺旋部と第2螺旋部が相互に拘束された状態で弾性変形されるようにしたポンピング式容器用スプリング及びこれを含むポンピング式容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的は、本発明によって、上部支持板と、前記上部支持板の下側に配置された下部支持板と、前記上部支持板と前記下部支持板との間に設置された第1螺旋部及び第2螺旋部とを有するポンピング式容器用スプリングであって、前記第1螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは、正の整数)になる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180(Mは、≦Nの正の整数)になる地点の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結され、前記第1螺旋部の底面を通じて前記第2螺旋部の上面に連結される地点を第1螺旋底面連結点であるとし、前記第1螺旋部の上面を通じて前記第2螺旋部の底面に連結される地点を第1螺旋上面連結点であるとするとき、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成され;前記第2螺旋部は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×Nになる長さ区間を有するように形成され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180になる地点の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結され、前記第2螺旋部の底面を通じて前記第1螺旋部の上面に連結される地点を第2螺旋底面連結点であるとし、前記第2螺旋部の上面を通じて前記第1螺旋部の底面に連結される地点を第2螺旋上面連結点であるとするとき、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間のリード角が、残りの区間に比べて小さく形成されることを特徴とするポンピング式容器用スプリングによって達成される。
【0025】
なお、ボタンの押し動作時に第1螺旋部と第2螺旋部に蓄積される弾性力を増加させることができるように、前記第1螺旋部は、上端から前記第1螺旋底面連結点に下降する区間、前記第1螺旋上面連結点から下端に下降する区間、及び前記第1螺旋上面連結点から前記第1螺旋底面連結点に下降する区間が、前記第1螺旋底面連結点から前記第1螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成され;前記第2螺旋部は、上端から前記第2螺旋底面連結点に下降する区間、前記第2螺旋上面連結点から下端に下降する区間、及び前記第2螺旋上面連結点から前記第2螺旋底面連結点に下降する区間が、前記第2螺旋底面連結点から前記第2螺旋上面連結点に下降する区間に比べて断面積が大きく形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
したがって、本発明によれば、ボタンの押し動作時に第1螺旋部と第2螺旋部が相互に拘束された状態で弾性変形される。
【0027】
第1螺旋部と第2螺旋部が相互に拘束された状態で弾性変形されると、第1螺旋部と第2螺旋部が上部支持板の板面方向に変形される程度が小さくなるので、ボタンの押し動作時に第1螺旋部と第2螺旋部が上部支持板の板面に垂直な方向に変形される程度が減少することを防止できる。
【0028】
第1螺旋部と第2螺旋部が上部支持板の板面に垂直な方向に変形される程度が減少することを防止すると、ポンピング式容器用スプリングに蓄積される弾性力が小さくなることを防止できるので、ボタンを安定して上昇させることが可能になる。
【0029】
なお、第1螺旋部と第2螺旋部が相互に拘束された状態で弾性変形されると、ポンピング式容器用スプリングに蓄積される弾性力の大きさと方向の偏差が減少する。
【0030】
ポンピング式容器用スプリングに蓄積される弾性力の大きさと方向の偏差が減少すると、ボタンの押し位置や押し方向の選択範囲が増え、ボタンの押し動作が便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係る化粧品容器の結合斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る化粧品容器の分解斜視図である。
図3図1のA-A’線断面図である。
図4】本発明の一実施例に係るポンピング式容器用スプリングを、正面、背面、左側及び右側からそれぞれ視た斜視図を平面図と共に示す図である。
図5】本発明の一実施例に係る第1螺旋部を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係るシリンダーバルブを示す図である。
図7】本発明の一実施例に係る化粧品容器の使用方法を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係る化粧品容器の使用方法を示す図である。
図9A】本発明の一実施例に係るポンピング式容器用スプリングを示す図である。
図9B】本発明の一実施例に係るポンピング式容器用スプリングを示す図であり、図9Aを時計回り方向に90°回転させて示す図である。
図10】従来のポンピング式容器用スプリングを示す図である。
図11】従来のポンピング式容器用スプリングが設置されたポンピング式容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0033】
本発明の一実施例に係るポンピング式容器は、直線管状の容器側面部11、容器側面部11の上端に形成された容器ネック部12、及び容器側面部11の下端開口を密閉するように形成された容器底面部13を備えた容器部10と、容器部10の内部に設置されたシリンダー20と、容器ネック部12に結合した内部ギャップ30と、内部ギャップ30の上側に設置されたボタン40と、シリンダー20に結合したスプリング支持部材50と、シリンダー20の内部に設置されたシリンダーピストン60と、ボタン40に結合した加圧部材70と、ボタン40とシリンダー20との間に設置されたポンピング式容器用スプリング80と、加圧部材70に結合した中間流路部材91と、シリンダー20の内部に設置されたチェックバルブ(Check Valve)状のシリンダーバルブ92と、容器部10の内部に設置された容器ピストン93と、ボタン40及び内部ギャップ30を取り囲むように設置された容器ギャップ94を有している。
【0034】
容器底面部13には通気孔13aが形成される。
【0035】
シリンダー20は、直線管状のシリンダー側面部21と、シリンダー側面部21の下端を密閉するように形成されたシリンダー底面部22を有している。
【0036】
シリンダー底面部22は、中央に流入孔22aが形成される。
【0037】
シリンダー20は、シリンダー底面部22が容器側面部11の内部に進入するように容器部10の内部に設置される。
【0038】
内部ギャップ30は、直線管状の内部ギャップ側面部31と、内部ギャップ側面部31の上端から上方に延長して形成されたボタン案内管部33を有している。
【0039】
内部ギャップ30は、内部ギャップ側面部31を通じて容器ネック部12に結合する。
【0040】
ボタン40は、直線管状のボタン側面部41と、ボタン側面部41の上端を密閉するように形成されたボタン天井面部42と、ボタン側面部41に並んでボタン天井面部42の底面に形成された直線管状の垂直ボタン流路部43と、垂直ボタン流路部43の上端に連結され、ボタン側面部41に対して垂直をなすようにボタン天井面部42の底面に形成された直線管状の水平ボタン流路部44を有している。
【0041】
ボタン40は、ボタン案内管部33に沿って容器側面部11の高さ方向に沿って昇降可能に内部ギャップ30の上側に設置される。
【0042】
スプリング支持部材50は、直線管状の支持部材締付部51と、支持部材締付部51の上端に形成された支持部材支持突段52を有している。
【0043】
スプリング支持部材50は、支持部材支持突段52がシリンダー20の上側に配置されるように支持部材締付部51を通じてシリンダー20に結合する。
【0044】
シリンダーピストン60は、直線管状のピストン密着部61と、ピストン密着部61の内部でピストン密着部61に並んで配置された直線管状のピストン流路開閉部62と、ピストン密着部61とピストン流路開閉部62との間に凹形のピストン溝60aが形成されるようにピストン密着部61とピストン流路開閉部62とを連結するピストン連結部63を有している。
【0045】
シリンダーピストン60は、ピストン密着部61がシリンダー側面部21の内表面に密着するようにシリンダー20の内部に設置される。
【0046】
加圧部材70は、直線管状の加圧部71と、加圧部71の外表面に外側に突出形成された加圧部材支持突段72を有している。
【0047】
加圧部材70は、加圧部71の上端が垂直ボタン流路部43に連結され、加圧部材支持突段72が支持部材支持突段52に整列され、加圧部71の下端がシリンダーピストン60から離隔するように垂直ボタン流路部43に結合する。
【0048】
ポンピング式容器用スプリング80は、円形の上部貫通孔81aが形成された上部支持板81と、上部支持板81の下側に配置された下部支持板82と、それぞれ、上端が上部支持板81の底面に固定され、下端が下部支持板82の上面に固定されるように上部支持板81と下部支持板82との間に設置された第1螺旋部83及び第2螺旋部84とを有している。
【0049】
下部支持板82には下部貫通孔82aが形成される。
【0050】
下部支持板82は、下部貫通孔82aが上部貫通孔81aに整列されるように上部支持板81の下側に配置される。
【0051】
第1螺旋部83は、左手の円螺旋状に形成される。
【0052】
第1螺旋部83は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは、2)になる長さ区間、すなわち、螺旋軌跡の回転角度900°を有するように形成される。
【0053】
第1螺旋部83は、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180((Mは、≦Nの正の整数、すなわち、Mは1及び2)になる地点、すなわち、螺旋軌跡の回転角度が180°及び540°になる地点の底面を通じて第2螺旋部84の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点、すなわち、螺旋軌跡の回転角度が360°及び720°になる地点の上面を通じて第2螺旋部84の底面に連結される。
【0054】
第1螺旋部83は、第1螺旋底面連結点83aから第1螺旋上面連結点83bに下降する区間のリード角(図5のα1)が、残りの区間(図5のα2)よりも小さく形成される。第1螺旋底面連結点83aは、第1螺旋部83の底面を通じて第2螺旋部84の上面に連結される地点を意味し、第1螺旋上面連結点83bは、第1螺旋部83の上面を通じて第2螺旋部84の底面に連結される地点を意味する。
【0055】
第2螺旋部84は、左手の円螺旋状に形成される。
【0056】
第2螺旋部84は、上端が、上部支持板81の底面のうち、上部貫通孔81aの中心線(図4の‘C’参照)を基準に、第1螺旋部83の上端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定され、下端が、下部支持板82の上面のうち、下部貫通孔82aの中心線(図4の‘C’参照)を基準に、第1螺旋部83の下端が固定された地点に対して線対称をなす地点に固定される。
【0057】
第2螺旋部84は、螺旋軌跡の回転角度が180+360×2になる長さ区間、すなわち、螺旋軌跡の回転角度900°を有するように形成される。
【0058】
第2螺旋部84は、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×M-180になる地点、すなわち、180°及び540°になる地点の底面を通じて第1螺旋部83の上面に連結され、上端から螺旋軌跡の回転角度が360×Mになる地点、すなわち、螺旋軌跡の回転角度が360°及び720°になる地点の上面を通じて第1螺旋部83の底面に連結される。
【0059】
第2螺旋部84は、第2螺旋底面連結点84aから第2螺旋上面連結点84bに下降する区間のリード角(図5のα1参照)が、残りの区間(図5のα2参照)よりも小さく形成される。第2螺旋底面連結点84aは、第2螺旋部84の底面を通じて第1螺旋部83の上面に連結される地点を意味し、第2螺旋上面連結点84bは、第2螺旋部84の上面を通じて第1螺旋部83の底面に連結される地点を意味する。
【0060】
なお、ボタン40の押し動作時に第1螺旋部83と第2螺旋部84に蓄積される弾性力を増加させるために、第1螺旋部83と第2螺旋部84は次のように形成する。
【0061】
すなわち、第1螺旋部83は、上端から第1螺旋底面連結点83aに下降する区間、及び第1螺旋上面連結点83bから下端に下降する区間が、第1螺旋底面連結点83aから第1螺旋上面連結点83bに下降する区間に比べて断面積が大きく形成される。
【0062】
第2螺旋部84は、上端から第2螺旋底面連結点84aに下降する区間、及び第2螺旋上面連結点84bから下端に下降する区間が、第2螺旋底面連結点84aから第2螺旋上面連結点84bに下降する区間に比べて断面積が大きく形成される。
【0063】
ポンピング式容器用スプリング80は、上部支持板81が加圧部材支持突段72に支持され、下部支持板82が支持部材支持突段52に支持されるように設置される。
【0064】
ポンピング式容器用スプリング80は、ポリプロピレン(Polypropylene)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(Thermoplastic Copolyester Elastomer)などで製作されてよい。
【0065】
中間流路部材91は、下端が密閉された直線管状に形成された中間排出流路部91aと、中間排出流路部91aの下端から延長して形成されたスカート(Skirt)状の中間流路開閉部91bを有している。
【0066】
中間排出流路部91aには中間排出流路孔91cが形成される。
【0067】
中間排出流路孔91cは、中間流路開閉部91bがピストン流路開閉部62から分離されるように下降する際に、シリンダー20の内部空間と中間排出流路部91aの内部空間とを連結するように形成される。
【0068】
中間流路部材91は、中間流路開閉部91bがピストン流路開閉部62の下端に接触するように加圧部71に結合する。
【0069】
シリンダーバルブ92は、管状のバルブボディー部92aと、バルブボディー部92aの内周面に形成されたバルブ支持アーム92bと、バルブ支持アーム92bに連結されたU字状断面の密閉突部92cを有している。
【0070】
シリンダーバルブ92は、密閉突部92cが流入孔22aを密閉するようにシリンダー20の内部に設置される。
【0071】
前述の構成を有する本発明の一実施例に係るポンピング式容器を使用する方法を図7及び図8を参照して説明すると、次の通りである。
【0072】
まず、ボタン40を下方に押して下降させる。ボタン40が下降する間にポンピング式容器用スプリング80には弾性力が蓄積される。
【0073】
そして、ボタン40が下降すると、次のような動作によって、シリンダー20の内部に貯蔵された液状内容物は、中間流路部材91、加圧部材70、垂直ボタン流路部43及び水平ボタン流路部44を通って外部に排出される(図7参照)。
【0074】
1)中間流路部材91はボタン40と共に下降し始め、シリンダーピストン60は中間流路部材91よりも遅く下降し始める。
【0075】
2)シリンダーピストン60が中間流路部材91よりも遅く下降することにより、中間流路開閉部91bとピストン流路開閉部62との間が開放される。
【0076】
3)シリンダーピストン60が下降することにより、シリンダー20の内部は陽圧状態になる。陽圧状態は、大気圧よりも高い圧力状態を意味する。
【0077】
4)シリンダー20の内部が陽圧状態になると、流入孔22aはシリンダーバルブ92によって密閉される。
【0078】
ボタン40を押す動作が中止されると、ポンピング式容器用スプリング80に蓄積された弾性力によってボタン40は上昇する。
【0079】
ボタン40が上昇する間に、次のような動作によって、容器部10に貯蔵された液状内容物は流入孔22aを通ってシリンダー20の内部に流入する(図8参照)。
【0080】
1)中間流路部材91はボタン40と共に上昇し始め、シリンダーピストン60は中間流路部材91よりも遅く上昇し始める。
【0081】
2)シリンダーピストン60が中間流路部材91よりも遅く上昇することにより、中間流路開閉部91bとピストン流路開閉部62との間が閉鎖される。
【0082】
3)シリンダーピストン60が上昇することにより、シリンダー20の内部は負圧状態になる。負圧状態は、大気圧よりも低い圧力状態を意味する。
【0083】
4)シリンダー20の内部が負圧状態になると、流入孔22aはシリンダーバルブ92によって開放される。
【0084】
上のように、容器部10に貯蔵された液状内容物がボタン40の押し動作によって排出される原理は、従来広く知られており、詳細な説明は省略する。
【0085】
一方、前述した実施例では、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは2)になる長さ区間を有する第1螺旋部83と第2螺旋部84を含むようにポンピング式容器用スプリングを構成しているが、螺旋軌跡の回転角度が180+360×N(Nは1、図9A及び図9B参照)又は180+360×N(Nは3以上)になる長さ区間を有する第1螺旋部と第2螺旋部を含むようにポンピング式容器用スプリングを構成して本発明を実施してもよい。
【0086】
なお、前述した実施例では、第1螺旋部83と第2螺旋部84を左手の円螺旋状に形成しているが、第1螺旋部と第2螺旋部を右手の円螺旋状に形成して(図9A及び図9B参照)本発明を実施してもよいことは勿論である。
【0087】
また、前述した実施例では、容器部10に貯蔵された化粧品がシリンダー20の内部に流入する際に、容器底面部13に形成された通気孔13aを通って外部空気が容器部10の内部に流入するように構成しているが、大韓民国公開実用新案公報第20-2014-0002216号(2014年04月18日公開)などのように、容器部の上側から外部空気が容器部の内部に流入するように構成して本発明を実施してもよい。
【符号の説明】
【0088】
10,110:容器部、20:シリンダー、30:内部ギャップ、40,140:ボタン、50,150:スプリング支持部材、60:シリンダーピストン、80,180:ポンピング式容器用スプリング、83,183:第1螺旋部、84,184:第2螺旋部92:シリンダーバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11