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特許7386584プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231117BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023052497
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年10月20日 https://www.youtube.com/watch?v=6adGAQjhyhg&t=5584sを通じて発表、令和5年3月6日 https://twitter.com/cluster_jp/status/1632694445962584065を通じて発表、令和5年3月6日 https://creator.cluster.mu/2023/03/06/productdisplayitem/を通じて発表、令和5年3月6日 https://note.com/cluster_official/n/nc8a2e64112afを通じて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516248004
【氏名又は名称】クラスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】半田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】大塚 智貴
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-020701(JP,A)
【文献】特許第7237393(JP,B1)
【文献】特許第7092930(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のコンピュータを、
商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する空間データ取得部と、
前記空間データによって表現された前記仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、前記展示オブジェクトに対して、前記商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための商品情報表示操作が行われると、前記商品情報表示操作を示す操作情報に含まれる、前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記商品オブジェクトのメタデータに含まれる前記商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部と、
前記商品情報表示データに基づいて前記商品情報が表示された後に、前記参加者アバターにより前記商品オブジェクトを購入するための商品購入操作が行われると、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記参加者を示す情報に基づいて、前記参加者アバターを用いる前記参加者を特定するとともに、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記参加者に前記商品オブジェクトを販売する、販売部と、を備え
前記空間データ取得部は、前記商品オブジェクトを販売する販売者により、前記仮想現実空間に対して、新たに前記展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、当該展示オブジェクトが配置された前記仮想現実空間の前記空間データを取得する、
情報処理装置として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
1または複数のコンピュータを、
商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する空間データ取得部と、
前記空間データによって表現された前記仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、前記展示オブジェクトに対して、前記商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための商品情報表示操作が行われると、前記商品情報表示操作を示す操作情報に含まれる、前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記商品オブジェクトのメタデータに含まれる前記商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部と、
前記商品情報表示データに基づいて前記商品情報が表示された後に、前記参加者アバターにより前記商品オブジェクトを購入するための商品購入操作が行われると、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記参加者を示す情報に基づいて、前記参加者アバターを用いる前記参加者を特定するとともに、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記参加者に前記商品オブジェクトを販売する、販売部と、
記展示オブジェクトに対して、前記商品オブジェクトを試用するための商品試用操作が行われると、前記商品試用操作を示す操作情報に含まれる、前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記商品オブジェクトの試用状態を表示させる試用表示データを取得する、試用表示データ取得部、を備える
報処理装置として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、制限された状態で前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、前記商品試用操作を示す操作情報に含まれる前記商品試用操作を行った際の前記参加者アバターの位置情報に基づき、特定の距離の範囲内でのみ前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、前記展示オブジェクトに対して前記商品試用操作が行われてから特定の時間の範囲内でのみ前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、前記特定の時間の残り時間を示すインジケータとともに前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、前記商品試用操作を行った前記参加者アバターを用いた前記参加者のみが視認可能に、前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記1または複数のコンピュータを、
前記試用表示データ取得部は、少なくとも前記商品試用操作を行った前記参加者アバターを用いた前記参加者以外の他の参加者が、前記商品オブジェクトが前記試用状態であることを判別可能に、前記商品オブジェクトの前記試用状態を表示するための前記試用表示データを取得する
前記情報処理装置として機能させる
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
1または複数のコンピュータを、
商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する空間データ取得部と、
前記空間データによって表現された前記仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、前記展示オブジェクトに対して、前記商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための商品情報表示操作が行われると、前記商品情報表示操作を示す操作情報に含まれる、前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記商品オブジェクトのメタデータに含まれる前記商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部と、
前記商品情報表示データに基づいて前記商品情報が表示された後に、前記参加者アバターにより前記商品オブジェクトを購入するための商品購入操作が行われると、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記参加者を示す情報に基づいて、前記参加者アバターを用いる前記参加者を特定するとともに、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記参加者に前記商品オブジェクトを販売する、販売部と、を備え
前記空間データ取得部は、前記商品オブジェクトとして販売の対象となる販売対象アバターと関連付けられた前記展示オブジェクト、または、前記商品オブジェクトとして任意のアバターが装着可能な装着アイテムと関連付けられた前記展示オブジェクトのうち、少なくとも一方の前記展示オブジェクトが配置された前記仮想現実空間の前記空間データを取得する
報処理装置として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラムを実行する情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
空間データ取得部が、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得するステップと、
商品情報表示データ取得部が、前記空間データによって表現された前記仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、前記展示オブジェクトに対して、前記商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための商品情報表示操作が行われると、前記商品情報表示操作を示す操作情報に含まれる、前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記商品オブジェクトのメタデータに含まれる前記商品情報を表示するための商品情報表示データを取得するステップと、
販売部が、前記商品情報表示データに基づいて前記商品情報が表示された後に、前記参加者アバターにより前記商品オブジェクトを購入するための商品購入操作が行われると、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記参加者を示す情報に基づいて、前記参加者アバターを用いる前記参加者を特定するとともに、前記商品購入操作を示す操作情報に含まれる前記展示オブジェクトを特定する情報または前記商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、前記商品オブジェクトを特定し、前記参加者に前記商品オブジェクトを販売するステップと、
前記空間データ取得部は、前記商品オブジェクトを販売する販売者により、前記仮想現実空間に対して、新たに前記展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、前記空間データを取得するステップにおいて、当該展示オブジェクトが配置された前記仮想現実空間の前記空間データを取得する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実技術は、コンピュータ上に構築された仮想的な世界を現実のように人々に体験させる技術である。この仮想的な世界は、様々な仮想オブジェクト(以下、単に「オブジェクト」という。)により構成される世界であり、仮想現実空間と呼ばれる。
現実の人(以下「参加者」という。)は、仮想現実空間に参加する際、参加者自身の分身として、アバターを利用し得る。アバターは、オブジェクトの一種である。以下、参加者によって利用されて仮想現実空間内に配置されている状態のアバターを「参加者アバター」ともいう。
アバターは、仮想現実空間内において様々なアイテムを装着し得る。アバターが装着し得るアイテムには、装飾品等の小道具のアイテムまたは服装等のアイテムの他、特定の音の発生または特定の動きを可能とするアイテム等のアバターの能力を拡充するためのアイテムがある。以下、これらのアバターが装着し得るアイテムを総称して「装着アイテム」といい、「装着アイテム」もオブジェクトの一種とする。
従来、アバター、または、装飾品もしくは服装等のアイテムを、ウェブサイトを介して販売する技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4977742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術によれば、例えば、仮想現実空間への参加者が、仮想現実空間内において、自身も利用したいアバターまたは装着アイテムを発見した場合、仮にそのアバター等が販売されているオブジェクト(以下「商品オブジェクト」という。)であって入手可能だとしても、参加者は、そのアバター等を販売するためのウェブサイトにアクセスしてから購入をする必要があった。
つまり、従来、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売する技術が存在していないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができるプログラム、情報処理装置および情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプログラムは、1または複数のコンピュータを、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する空間データ取得部と、空間データによって表現された仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための商品情報表示操作が行われると、商品情報表示操作を示す操作情報に含まれる、展示オブジェクトを特定する情報または商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、商品オブジェクトを特定し、商品オブジェクトのメタデータに含まれる商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部と、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための商品購入操作が行われると、商品購入操作を示す操作情報に含まれる参加者を示す情報に基づいて、参加者アバターを用いる参加者を特定するとともに、商品購入操作を示す操作情報に含まれる展示オブジェクトを特定する情報または商品オブジェクトを特定する情報に基づいて、商品オブジェクトを特定し、参加者に商品オブジェクトを販売する、販売部と、を備え、空間データ取得部は、商品オブジェクトを販売する販売者により、仮想現実空間に対して、新たに展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得する情報処理装置として機能させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るプログラムによれば、コンピュータは、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得し、参加者アバターにより展示オブジェクトに対して商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると商品情報表示データを取得し、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する情報処理装置として機能する。これにより、本発明に係るプログラムは、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る情報処理装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】商品オブジェクトの展示の一例を示す画面図である。
図4】商品オブジェクトの購入の一例を示す画面図である。
図5】商品オブジェクトの試用の一例を示す画面図である。
図6】実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1において、情報処理システム1は、サービス提供サーバ2、販売者端末3および参加者端末4が、ネットワーク5を介して接続されたシステムである。ネットワーク5としては、既存の電気通信回線を利用できる。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。サービス提供サーバ2、販売者端末3、および、参加者端末4は、ネットワーク5を介して互いに通信可能である。
【0010】
(サービス提供サーバ(情報処理装置)の概要)
サービス提供サーバ2は、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得し、空間データによって表現される仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得し、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する機能、すなわち、情報処理装置としての機能を有する。
【0011】
情報処理システム1において、情報処理装置の機能については、その一部または全部を、参加者端末4が備えていてもよい。つまり、参加者端末4も、情報処理装置として機能し得る。また、情報処理システム1において、情報処理装置の機能については、その一部または全部を、サービス提供サーバ2と参加者端末4とが重複して備えていてもよい。
以下では、特段の説明がない場合、情報処理装置の機能の全部を、参加者端末4とは独立した物理的構成を有する1台のサーバであるサービス提供サーバ2が備えているものとする。ただし、情報処理装置の機能については、その全部が、1台のサービス提供サーバ2によって実現されていてもよいし、複数台のサービス提供サーバ2によって実現されていてもよい。
【0012】
また、サービス提供サーバ2は、ネットワーク5を介して、空間データによって表現される仮想現実空間に関するサービスを仮想現実空間への参加者等の利用者に提供する。例えば、サービスの利用を希望する者は、自身の使用する端末からサービス提供サーバ2にアクセスして、所定の手続きを行うことで、サービスの利用者として登録を行うことができる。サービス提供サーバ2は、登録された利用者に固有のID(以下「利用者ID」という。)を付与して、利用者を管理する。利用者へのサービスの提供は、例えば、参加者端末4等の利用者が使用する端末にインストールされるサービス用アプリを通じて行われる。
【0013】
サービスの利用者には、仮想現実空間への参加者の他、後述の空間作成者および商品オブジェクトの販売者も含まれ得る。以下、空間作成者および商品オブジェクトの販売者は、サービスの利用者として登録された者に限られるものとして説明する。この場合、後述の空間作成者IDは、空間作成者の利用者IDと同一であり、後述の販売者IDは、商品オブジェクトの販売者の利用者IDと同一であり得る。
【0014】
サービス提供サーバ2は、空間データを管理する。サービス提供サーバ2は、互いに異なる複数の空間データを管理できる。サービス提供サーバ2は、複数の空間データのそれぞれに、メタデータとして固有のID(以下「空間データID」という。)を付与して、空間データを管理する。
【0015】
サービス提供サーバ2は、複数の空間データのそれぞれに、メタデータとして、空間作成者を示す固有のID(以下「空間作成者ID」という。)を付与してもよい。
空間作成者とは、少なくとも参加者アバターの3次元データを除く空間データを作成した者である。空間作成者は、図示しない空間作成用の端末を使用して、公知の方法で、参加者アバターが配置されていない状態の仮想現実空間を表現するための空間データを作成することができる。
【0016】
例えば、利用者IDを有する空間作成者は、空間作成用の端末を操作して、作成した空間データをサービス提供サーバ2にアップロードすることができる。サービス提供サーバ2は、空間作成用の端末から空間データがアップロードされると、その空間データに固有の空間データIDを付与するとともに、空間作成者の利用者IDを紐付けて、その空間データを管理する。サービス提供サーバ2は、空間作成者の利用者IDを空間作成者IDとして管理し得る。
【0017】
空間作成用の端末が備える図示しない記憶部には、作成途中の空間データを保存できる。空間作成者は、空間データを作成する際、この作成途中の空間データによって表現される仮想現実空間に、アバターを利用して参加しながら、空間データの作成を行うこともできるし、アバターを利用せずに、空間データの作成を行うこともできる。
【0018】
また、空間作成者は、一旦完成した空間データまたは作成途中の空間データを、サービス提供サーバ2にアップロードすることができる。空間作成者は、サービス提供サーバ2にアップロードされた空間データにアクセスして、空間作成用の端末を操作して、その空間データを直接に編集することもできる。
また、サービス提供サーバ2は、アップロードされた、一旦完成した空間データまたは作成途中の空間データによって表現される仮想現実空間に、空間作成者または販売者以外の1または複数の参加者(以下「一般参加者」という。)による参加を許可することもできる。さらに、サービス提供サーバ2は、それらの参加者が参加中の仮想現実空間の空間データを、空間作成者が、アバターを利用するかまたはアバターを利用せずに編集することを許可することもできる。
【0019】
空間データのメタデータとしては、空間データIDおよび空間作成者IDの他、その空間データによって表現される仮想現実空間において販売されている1または複数の商品オブジェクトそれぞれについての商品情報(以下単に「商品情報」ということもある。)が含まれ得る。
商品オブジェクトの商品情報には、商品オブジェクトの販売者に固有の販売者ID、商品オブジェクトに固有のID(以下「商品オブジェクトID」という。)、商品オブジェクトの販売名称もしくはオブジェクト名、商品オブジェクトの販売価格、または、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトに固有のID(以下「展示オブジェクトID」という。)等の、商品オブジェクトの販売に関連する情報が含まれる。
以下、単に「空間データ」という場合には、空間データのメタデータも含まれるものとする。
【0020】
なお、図1では、情報処理システム1は、1台のサービス提供サーバ2のみを有しているが、情報処理システム1は、1台または複数台のサービス提供サーバ2を有していてもよい。情報処理システム1が複数台のサービス提供サーバ2を有する場合、各サービス提供サーバ2は、例えば、それぞれ、異なる空間データを互いに管理してもよいし、ある1台のサービス提供サーバ2がある空間データを管理する場合に、他のサービス提供サーバ2がその空間データの複製としての複製空間データを管理するものであってもよい。以下、単に「空間データ」という場合には、複製空間データも含まれるものとする。
以下では、図1に示しているのと同様に、情報処理システム1が1台のサービス提供サーバ2を有するものとして説明する。
情報処理装置としての機能も含めた、サービス提供サーバ2の詳細については、後述する。
【0021】
(販売者端末)
販売者端末3は、商品オブジェクトの販売者(以下単に「販売者」ともいう。)が、仮想現実空間において商品オブジェクトを販売するための、事前準備を行う際に使用される端末である。ここで、図1には、1台の販売者端末3のみが示されている。しかしながら、情報処理システム1は、複数台の販売者端末3を有していてもよい。
【0022】
商品オブジェクトの販売者は、商品オブジェクトの3次元データを販売する者である。
例えば、利用者IDを有する販売者は、販売者端末3を操作して、商品オブジェクトの3次元データ(以下「商品オブジェクトデータ」という。)、および、商品オブジェクトデータのメタデータとしての商品情報を、サービス提供サーバ2にアップロードすることができる。以下、単に「商品オブジェクトデータ」という場合には、商品オブジェクトデータのメタデータも含まれるものとする。
サービス提供サーバ2は、販売者端末3からアップロードされた商品オブジェクトデータを後述の記憶部23に記憶させて管理する。サービス提供サーバ2は、販売者端末3からアップロードされた商品情報に商品オブジェクトIDが含まれていない場合、その商品オブジェクトデータに固有の商品オブジェクトIDを付与して、商品オブジェクトデータを管理する。
また、サービス提供サーバ2は、販売者の利用者IDを販売者IDとして管理し得る。
【0023】
事前準備とは、例えば、販売者が商品オブジェクトの販売を希望する仮想現実空間の空間作成者に許可を得て、販売者自身が、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトを仮想現実空間に配置する操作を行うことである。商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトを仮想現実空間に配置する操作は、より具体的には、その展示オブジェクトが仮想現実空間に配置されるように、その仮想現実空間の空間データを編集する操作である。販売者は、空間作成者から、対象となる空間データについての少なくとも展示オブジェクトの配置および展示オブジェクトと商品オブジェクトとの関連付けに関する編集権限を付与してもらい、例えば、サービス提供サーバ2からその空間データを取得して編集した後、サービス提供サーバ2に編集後の空間データをアップロードすることができる。
また、事前準備とは、例えば、販売者が商品オブジェクトの販売を希望する仮想現実空間の空間作成者に許可を得て、空間作成者に、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが仮想現実空間に配置されるように、その仮想現実空間の空間データを編集してもらうことである。
【0024】
この空間データの編集の際、販売者または空間作成者は、展示オブジェクトが仮想現実空間の所望の位置に配置されるように空間データを編集するとともに、その展示オブジェクトと、その展示オブジェクトを利用して展示される商品オブジェクトとを関連付ける操作(以下「関連付け操作」という。)を行う。
【0025】
関連付け操作は、例えば、展示オブジェクトにおける所定の位置に商品オブジェクトが配置されるように、商品オブジェクトデータを使用して、空間データを編集する操作である。
ある展示オブジェクトの仕様が、1つの展示オブジェクトに対して1つの商品オブジェクトしか配置できない仕様である場合、販売者または空間作成者は、関連付け操作として、1つの展示オブジェクトに対して1つの商品オブジェクトが配置されるように、空間データを編集する操作を行う。
また、ある展示オブジェクトの仕様が、1つの展示オブジェクトに対して複数の商品オブジェクトを配置できる仕様である場合、販売者または空間作成者は、関連付け操作として、1つの展示オブジェクトに対して1または複数の商品オブジェクトが配置されるように、空間データを編集する操作を行う。
販売者または空間作成者が、例えば、自身が有する空間作成用の端末を利用してこのような操作を行うと、その端末によって、空間データのメタデータには、展示オブジェクトIDと商品オブジェクトIDとが紐付けて登録される。
【0026】
また、関連付け操作は、例えば、展示オブジェクトの3次元データ(以下「展示オブジェクトデータ」)のメタデータに商品オブジェクトIDを含めて登録する操作である。販売者または空間作成者は、例えば、自身が有する空間作成用の端末を利用して、展示オブジェクトのプロパティを表示して編集することができる。プロパティの表示には、展示オブジェクトと関連付ける商品オブジェクトの商品オブジェクトIDを記入するための登録欄が含まれており、販売者または空間作成者は、この登録欄に商品オブジェクトIDを記入することでプロパティの編集を行う。
関連付け操作が行われると、空間データのメタデータには、展示オブジェクトIDと商品オブジェクトIDとが紐付けて登録される。また、この場合、展示オブジェクトの仕様は、展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトが、展示オブジェクトにおける予め定められた位置に配置される仕様とされ得る。つまり、販売者または空間作成者は、空間データの編集時に、展示オブジェクトにおけるどの位置に商品オブジェクトを配置するかを指定する必要がない。空間データに基づいて仮想現実空間が表示される際には、展示オブジェクトにおける予め定められた位置に、その展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトが配置されて表示される。
【0027】
販売者は、販売者端末3を操作して、事前準備のために、その販売者が商品オブジェクトの販売を希望する仮想現実空間の空間作成者に販売の申請を行うことができる。空間作成者から許可が得られれば、販売者は、上述のように、自身で展示オブジェクトが仮想現実空間に配置されるように空間データを編集するか、または、空間作成者に、展示オブジェクトが仮想現実空間に配置されるように空間データを編集してもらうことができる。
【0028】
販売者端末3は、仮想現実空間を表示し、仮想現実空間に対する操作が可能なデバイスであればよい。販売者端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPC(Personal Computer)である。また、販売者端末3は、コントローラとともに使用される、通信機能を有したヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0029】
販売者端末3が備える図示しない記憶部には、編集前または編集中の空間データを保存できる。販売者が空間データを編集する際、販売者は、この空間データによって表現される仮想現実空間にアバターを利用して参加しながら、空間データの編集を行うこともできるし、アバターを利用せずに、空間データの編集を行うこともできる。
また、サービス提供サーバ2は、既にアップロードされた空間データであって、その空間データによって表現される仮想現実空間に一般参加者が参加中に、その空間データを、販売者が、アバターを利用するかまたはアバターを利用せずに編集することを許可することもできる。この場合、販売者が仮想現実空間内に展示オブジェクトを配置する操作を行うと、サービス提供サーバ2が管理する空間データがリアルタイムで編集され、一般参加者が参加中の仮想現実空間に展示オブジェクトが配置される。一般参加者は、展示オブジェクトが配置される様子をリアルタイムで見ることができる。
【0030】
例えば、販売者が、販売者端末3を操作し、仮想現実空間にアバターを利用して参加しながら空間データの編集を行う場合、ヘッドマウントディスプレイを頭部に装着しコントローラを手に持った販売者は、頭部もしくは手を動かすこと、または、コントローラのボタン等を操作することにより、ヘッドマウントディスプレイに表示された仮想現実空間に対する操作が可能である。
【0031】
なお、販売者と空間作成者とが同一の者であることもあり得る。この場合、販売者は、他者に許可を得ることを必要とせず、販売者自身の判断で、空間データを編集できる。
【0032】
(商品オブジェクト)
商品オブジェクトは、仮想現実空間に配置され得る種々のアバターまたは装着アイテムのうち、販売者によって販売されている、1または複数のアバター、または、1または複数の装着アイテムである。以下、商品オブジェクトとして販売されているアバターのことを、「販売対象アバター」ともいい、また、商品オブジェクトとして販売されている装着アイテムのことを、「販売対象装着アイテム」ともいう。
【0033】
商品オブジェクトの実体は、販売されていない他のオブジェクトと同様に、3次元データ(商品オブジェクトデータ)であって、商品オブジェクトの3次元データには、例えば、商品オブジェクトの3次元形状情報、サイズ情報、彩色情報、位置情報、および、向き情報が含まれる。
商品オブジェクトとしての装着アイテムには、上述のとおり、装飾品等の小道具のアイテムまたは服装等のアイテムの他、特定の音の発生または特定の動きを可能とするアイテム等のアバターの能力を拡充するためのアイテムが含まれる。
能力を拡充するためのアイテムは、他のオブジェクトと異なり、視認可能な3次元データを備える必要はないが、ここでは、展示オブジェクトに関連付けられて仮想現実空間に配置され得るアイテムとして扱えるように、他のオブジェクトと同様に、3次元データを備えるものとする。能力を拡充するためのアイテムの3次元データは、その3次元データによって仮想現実空間において表現されるアイテムの外観等が、拡充される能力の特性を示せるようにデザインされたものであることが望ましい。
【0034】
(展示オブジェクト)
展示オブジェクトは、ある商品オブジェクトと関連付けられた状態において、その商品オブジェクトと関連付けられたものであること、および、関連付けられた商品オブジェクトがどのようなものであるかを仮想現実空間の参加者が認識できるような外観を有するオブジェクトであれば、どのような態様のオブジェクトであってもよい。
関連付けられた商品オブジェクトがどのようなものであるかを仮想現実空間の参加者が認識できるような外観とは、典型的には、商品オブジェクトの外観を、参加者がそのまま視認できるような形状を有する外観である。
なお、展示オブジェクトが商品オブジェクトと関連付けられた状態であっても、その展示オブジェクトから所定の距離以上離れた位置の参加アバターからは、その展示オブジェクトと紐づけられた商品オブジェクトの外観が見えなくなってもよい。
【0035】
展示オブジェクトの実体は、他のオブジェクトと同様に、3次元データ(展示オブジェクトデータ)であって、展示オブジェクトの3次元データには、例えば、展示オブジェクトの3次元形状情報、サイズ情報、彩色情報、位置情報、および、向き情報が含まれる。
【0036】
展示オブジェクトは、例えば、商品オブジェクトをその上面に載置する態様で展示できる台の形状を有する展示台オブジェクト、商品オブジェクトをその上面に載置する態様で展示できる板の形状を有する展示プレートオブジェクト、商品オブジェクトをその内部の空間に載置する態様で展示できる箱形状を有する展示ケースオブジェクト、商品オブジェクトを上から吊り下げた態様で展示できるアーム形状を有する吊り下げオブジェクト、または、複数の商品オブジェクトを上下左右方向等に並べて載置できる棚形状の棚オブジェクト等である。
【0037】
また、展示オブジェクトは、その上面に載置された態様で商品オブジェクトを配置できるものに限らず、その上面よりも一定の距離だけ離れた位置に浮いたような状態で商品オブジェクトを配置できるものであってもよい。
また、展示オブジェクトは、仮想現実空間における地面または床に載置された状態で配置されるものに限らず、それ自体が、地面または床から浮いた状態で配置されるものであってもよい。
また、展示オブジェクトは、固定的な態様で商品オブジェクトを配置できるものに限らず、展示オブジェクト自体が動く、または、展示オブジェクトとの相対位置が動く等、商品オブジェクトの位置または向きが動いて見えるように配置できるものであってもよい。
【0038】
(参加者端末)
参加者端末4は、参加者が仮想現実空間に参加する際に使用される端末である。参加者は、参加者端末4を使用して、サービス提供サーバ2にアクセスし、所望の空間データを参加者端末4にダウンロードする。参加者は、参加者端末4を使用して、空間データによって表現される仮想現実空間にアバター(参加者アバター)として参加する。参加者は、アバターを使用せずに、仮想現実空間を単に閲覧するという態様で仮想現実空間に参加することもできる。
参加者が仮想現実空間にアバター(参加者アバター)として参加する場合、参加者は、参加者端末4を操作することで、仮想現実空間内で参加者アバターを移動させる、参加者アバターの姿勢を変える、または、他のオブジェクトを移動もしくは使用するために参加者アバターを動かす等して、参加者アバターまたは他のオブジェクトの状態を変更することができる。
【0039】
参加者端末4は、仮想現実空間を表示し、仮想現実空間に対する操作が可能なデバイスであればよい。参加者端末4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPCである。また、参加者端末4は、コントローラとともに使用される、通信機能を有したヘッドマウントディスプレイであってもよい。
例えば、ヘッドマウントディスプレイを頭部に装着しコントローラを手に持った参加者は、頭部もしくは手を動かすこと、または、コントローラのボタン等を操作することにより、ヘッドマウントディスプレイに表示された仮想現実空間に対する操作が可能である。
【0040】
参加者が参加者端末4を使用して仮想現実空間にアバター(参加者アバター)として参加している場合に、参加者アバターまたは他のオブジェクトの状態を変更するために、参加者が参加者端末4を操作すると、参加者端末4は、その操作を示す情報(以下「操作情報」という。)に基づいて、ダウンロードした空間データを修正し、仮想現実空間内の参加者アバターまたは他のオブジェクトの状態を変更する。また、参加者端末4は、その操作情報を、サービス提供サーバ2に送信する。サービス提供サーバ2は、参加者端末4から取得した操作情報に基づいて、管理している空間データのうち、上述の参加者アバターが参加している仮想現実空間の空間データを修正し、その仮想現実空間内の参加者アバターまたは他のオブジェクトの状態を変更する。
このようにして、参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、ある1つの同じ仮想現実空間内の参加者アバターおよびオブジェクトの状態を、ほぼリアルタイムで、共有することができる。言い換えれば、参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、ある1つの同じ仮想現実空間の空間データを、ほぼリアルタイムで、共有することができる。
【0041】
ここで、図1には、1台の参加者端末4のみが示されている。しかしながら、情報処理システム1は、通常、複数台の参加者端末4を有する。
【0042】
例えば、複数の参加者がそれぞれ自身の参加者端末4から、ある1つの同じ仮想現実空間にアバター(参加者アバター)として参加している場合、サービス提供サーバ2は、ある参加者端末4から操作情報を取得すると、他のすべての参加者端末4にも、その操作情報を送信する。他のすべての参加者端末4は、サービス提供サーバ2から上述の操作情報を取得すると、ダウンロードした空間データを修正し、仮想現実空間内の参加者アバターまたは他のオブジェクトの状態を変更する。
このようにして、複数の参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、ある1つの同じ仮想現実空間内の参加者アバターおよびオブジェクトの状態を、ほぼリアルタイムで、共有することができる。言い換えれば、複数の参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、ある1つの同じ仮想現実空間の空間データを、ほぼリアルタイムで、共有することができる。
【0043】
(サービス提供サーバの詳細)
以下、情報処理装置としての機能も含めたサービス提供サーバ2の詳細について説明する。図1に示すように、サービス提供サーバ2は、通信部21、演算部22、および、記憶部23を備える。
通信部21は、ネットワーク5を介して、販売者端末3および参加者端末4と通信を行う。また、例えば、通信部21は、LTE、3G、4Gまたは5Gなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク5に接続された販売者端末3および参加者端末4といった他の機器との通信を行う。また、通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信手段を備えていてもよい。
【0044】
演算部22は、サービス提供サーバ2の全体動作を制御する。演算部22は、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、販売部223、および、試用表示データ取得部224を備える。演算部22が情報処理アプリケーションを実行することで、演算部22により、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、販売部223、および、試用表示データ取得部224の各機能が実現される。これらの機能は、情報処理装置としての機能である。
【0045】
記憶部23は、例えば、情報処理アプリケーションと、演算部22の演算処理に用いられる情報を記憶する。記憶部23は、サービス提供サーバ2として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid State Drive)等のストレージ、または、図2のメモリ103等を含むものである。なお、記憶部23は、サービス提供サーバ2がアクセス可能なものであればよく、サービス提供サーバ2の外部に設けられていてもよい。
【0046】
図2は、サービス提供サーバ2の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、サービス提供サーバ2は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。サービス提供サーバ2が備える、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、販売部223、および、試用表示データ取得部224の各機能は、これらのハードウェア構成において、情報処理アプリケーションが実行されることで実現される。
【0047】
通信インタフェース100は、ネットワーク5を介して販売者端末3および参加者端末4等から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク5を介して、販売者端末3および参加者端末4等へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、図1における記憶部23に対しデータを読み書きする。
【0048】
サービス提供サーバ2が備える、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、販売部223、および、試用表示データ取得部224の各機能を実現するための情報処理アプリケーションを構成するプログラムは、記憶部23に記憶されている。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部23に記憶されたプログラムを読み出してメモリ103にロードし、メモリ103にロードされたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、販売部223、および、試用表示データ取得部224の各機能を実現する。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0049】
(空間データ取得部)
空間データ取得部221は、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する。
空間データ取得部221は、参加者端末4から仮想現実空間に対する参加要求を取得すると、参加要求において指定された仮想現実空間の空間データを記憶部23から取得する。空間データ取得部221は、参加要求において指定された空間データが、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データである場合、その空間データを取得する。
【0050】
空間データ取得部221は、商品オブジェクトを販売する販売者により、仮想現実空間に対して新たに展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、その展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得する。
上述のように、販売者は、仮想現実空間において商品オブジェクトを販売するための、事前準備として、仮想現実空間に対して新たに展示オブジェクトを配置するための操作を行うこと、つまり、新たな展示オブジェクトが仮想現実空間に配置されるように空間データを編集し、その後、サービス提供サーバ2に編集後の空間データをアップロードすることができる。
【0051】
サービス提供サーバ2は、編集後の空間データを取得すると、その空間データを記憶部23に記憶させる。この際、サービス提供サーバ2は、編集後の空間データを、編集前の空間データに代えて、言い換えれば、編集前の空間データに上書きする態様で、記憶部23に記憶させ得る。
このように、商品オブジェクトを販売する販売者により、仮想現実空間に対して新たに展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、編集後の空間データが記憶部23に記憶されるため、その後は、空間データ取得部221は、編集後の空間データ、つまり、新たに展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得することとなる。
【0052】
空間データ取得部221は、取得した空間データを、参加者端末4に送信する。参加者端末4は、空間データ取得部221から空間データを取得すると、取得した空間データに基づいて、図示しないディスプレイ等に仮想現実空間を表示する。
このように、参加者端末4も、空間データを取得する機能を有している。
【0053】
また、空間データ取得部221は、商品オブジェクトとして販売の対象となる販売対象アバターと関連付けられた展示オブジェクト、または、商品オブジェクトとして任意のアバターが装着可能な装着アイテム(販売対象装着アイテム)と関連付けられた展示オブジェクトのうち、少なくとも一方の展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得し得る。
【0054】
上述のように、商品オブジェクトには、販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムが含まれ、販売者は、いずれかの種類の商品オブジェクトを販売してもよいし、両方の種類の商品オブジェクトを販売してもよい。また、例えば、販売対象アバターのみを販売する販売者、または、販売対象装着アイテムのみを販売する販売者が、同一の仮想現実空間内で、商品オブジェクトを販売してもよい。
したがって、空間データ取得部221は、販売対象アバターと関連付けられた展示オブジェクトまたは販売対象装着アイテムと関連付けられた展示オブジェクトのうち、少なくとも一方の展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得し得る。
【0055】
(商品情報表示データ取得部)
商品情報表示データ取得部222は、仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する。
参加者は、参加者端末4を操作することによって、表示された仮想現実空間において、参加者アバターの状態を変更し、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作(以下「商品情報表示操作」という。)をさせることができる。
【0056】
商品情報表示操作は、例えば、参加者アバターを展示オブジェクトに触れさせる操作、参加者アバターを展示オブジェクトと関連付けられて表示された商品オブジェクトに触れさせる操作、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づける操作、参加者アバターを展示オブジェクトの近傍に表示された商品情報表示のためのボタンオブジェクトに触れさせる操作、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づけた上で参加者アバターの視線を展示オブジェクトもしくは展示オブジェクトと関連付けられて表示された商品オブジェクトに向けさせる、または、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づけた上で商品情報表示のための音声を発生させる等の、展示オブジェクトに対して直接または間接的に行われる操作である。
なお、参加者が、ヘッドマウントディスプレイではなく、通常のスマートフォンまたはPC等としての参加者端末4の画面上に仮想現実空間を表示して、仮想現実空間に参加している場合は、参加者アバターによる商品情報表示操作には、例えば、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づける等の操作をした上で行われる、画面上の仮想現実空間を表示しているウインドウと重なる位置または重ならない位置等に表示された商品情報表示のためのボタンの操作も含まれ得る。
【0057】
参加者が参加者端末4を使用して商品情報表示操作を行うと、参加者端末4は、商品情報表示操作を示す操作情報を、サービス提供サーバ2に送信する。操作情報には、商品情報表示操作の対象となった展示オブジェクトを特定する情報として、例えば、展示オブジェクトIDが含まれるか、または、その展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトを特定する情報として、商品オブジェクトIDが含まれる。
【0058】
サービス提供サーバ2の商品情報表示データ取得部222は、参加者端末4から操作情報を取得すると、操作情報に含まれる展示オブジェクトIDまたは商品オブジェクトIDに基づいて、記憶部23から、展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトの商品情報を取得する。
ここで、商品情報は、商品オブジェクトの3次元データのメタデータとして記憶部23に記憶されたているものであり、通常は、テキストデータである。したがって、参加者端末4等の端末は、このテキストデータを利用して商品情報を表示することができる。このように、商品情報は、それ自体、商品情報を表示するためのデータである商品情報表示データとして機能し得る。
【0059】
また、サービス提供サーバ2は、記憶部23から取得された操作情報に基づき、所定の態様で商品情報を表示させるための商品情報表示データを生成する機能を有し、その機能によって生成された商品情報表示データを商品情報表示データ取得部222に取得させるものであってもよい。この場合の商品情報表示データは、例えば、商品情報に含まれる各項目をリスト形式で表示することを規定するデータ、または、商品情報を示すテキストが表面に記載された板状等のオブジェクトのデータ等であってよい。
【0060】
商品情報表示データ取得部222は、商品情報表示データを取得すると、取得した商品情報表示データを、参加者端末4に送信する。参加者端末4は、商品情報表示データを取得すると、取得した商品情報表示データに基づいて、図示しないディスプレイ等に商品情報を表示する。
このように、参加者端末4も、商品情報表示データを取得する機能を有している。
【0061】
参加者端末4は、仮想現実空間内に商品情報を表示するものであっても、仮想現実空間外に商品情報を表示するものであってもよい。参加者端末4が仮想現実空間内に商品情報を表示する場合、仮想現実空間内において参加者の視野に入る単なるテキストとして商品情報を表示してもよいし、上述の板状等のオブジェクトとして商品情報を表示してもよい。また、例えば、特に、参加者が、ヘッドマウントディスプレイではなく、通常のスマートフォンまたはPC等としての参加者端末4の画面上に仮想現実空間を表示して、仮想現実空間に参加している場合は、参加者端末4は、画面上の仮想現実空間を表示しているウインドウと重なる位置または重ならない位置等に、当該ウインドウとは無関係に商品情報を表示してもよい。
【0062】
図3は、商品オブジェクトの展示の一例を示す画面図である。図3には、仮想現実空間内に配置された、参加者アバターA1、販売対象アバターA2、販売対象装着アイテムC、商品情報を示すオブジェクトD、および、展示オブジェクトP1,P2が示されている。なお、この仮想現実空間内には、図3に示された上記オブジェクトの他にも、1または複数のオブジェクトが配置され得るが、図示は省略されている。
【0063】
図3は、参加者アバターA1が、展示オブジェクトP1に触れた状態を示している。参加者アバターA1が展示オブジェクトP1に触れると、上述のサービス提供サーバ2および参加者端末4の動作によって、展示オブジェクトP1に関連付けられた販売対象装着アイテムCの商品情報を示すオブジェクトDが表示される。
なお、図3に示された状態から、参加者アバターA1が、展示オブジェクトP1に触れていない状態になると、即座にまたは所定時間後に、商品情報を示すオブジェクトDは表示されなくなる。
【0064】
(販売部)
販売部223は、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する。
参加者は、参加者端末4を操作することによって、仮想現実空間において、参加者アバターの状態を変更し、商品オブジェクトを購入するための操作(以下「商品購入操作」という。)をさせることができる。
【0065】
商品購入操作は、例えば、参加者アバターを商品情報を示すオブジェクト上に表示された商品購入のためのボタンに触れさせる操作、参加者アバターを展示オブジェクトの近傍に表示された商品購入のためのボタンオブジェクトに触れさせる操作、または、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づけた上で商品購入のための音声を発生させる等の操作である。
なお、参加者が、ヘッドマウントディスプレイではなく、通常のスマートフォンまたはPC等としての参加者端末4の画面上に仮想現実空間を表示して、仮想現実空間に参加している場合は、参加者アバターによる商品購入操作には、例えば、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づける等の操作をした上で行われる、画面上の仮想現実空間を表示しているウインドウと重なる位置または重ならない位置等に表示された商品購入のためのボタンの操作も含まれ得る。
【0066】
参加者が参加者端末4を使用して商品購入操作を行うと、参加者端末4は、商品購入操作を示す操作情報を、サービス提供サーバ2に送信する。操作情報には、参加者アバターを用いて商品購入操作を行った参加者(以下「購入者」という。)を示す利用者IDが含まれる他、商品購入操作の対象となった商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトを特定する情報として、例えば、展示オブジェクトIDが含まれるか、または、商品購入操作の対象となった商品オブジェクト自体を特定する情報として、商品オブジェクトIDが含まれる。
【0067】
サービス提供サーバ2の販売部223は、参加者端末4から操作情報を取得すると、操作情報に含まれる展示オブジェクトIDまたは商品オブジェクトIDに基づいて、記憶部23から、展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトの商品情報を取得するとともに、操作情報に含まれる利用者IDが示す購入者(参加者)に、商品オブジェクトを販売する処理(以下「販売処理」という。)を行う。
【0068】
販売部223は、例えば、サービス提供サーバ2が提供するサービス内でのみ利用可能な通貨(以下「サービス内通貨」という。)を利用して、販売処理を行う。サービス内通貨を利用する場合、販売部223は、例えば、記憶部23に記憶された、購入者のサービス内通貨の残高から、商品情報に含まれる販売価格が示す通貨額を引き去り、商品情報に含まれる販売者IDが示す販売者の有する残高に、所定の額を加える。
販売部223は、サービス内通貨に代えて、経済的価値を有するチケット等を利用するものであってもよい。
【0069】
または、販売部223は、外部の決済システムにアクセスし、仮想通貨もしくは電子マネー等のデジタル通貨、または、デジタル通貨以外の法定通貨等を利用して、決済を行うことで、販売処理を行う。いずれの場合であっても、販売部223は、商品購入操作を示す操作情報に含まれる購入者(参加者)の利用者IDに基づいて購入者を特定でき、商品購入操作の対象となった商品オブジェクトの商品情報に含まれる販売者IDに基づいて販売者を特定できるため、これらの情報を利用して決済を行うことで、販売処理を行うことができる。
【0070】
このような参加者端末4およびサービス提供サーバ2の処理により、参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、いずれも商品オブジェクトを販売するためのウェブサイトにアクセスすることなく、販売処理が行われる。したがって、参加者は、仮想現実空間に参加している状態において商品購入操作を行うことで、商品オブジェクトを販売するためのウェブサイトが表示されることもなく、また、参加者が当該ウェブサイトに対する操作を行う必要もなく、所望の商品オブジェクトの購入を行うことができる。
【0071】
図4は、商品オブジェクトの購入の一例を示す画面図である。図4には、仮想現実空間内に配置された、参加者アバターA1、販売対象装着アイテムC、商品情報を示すオブジェクトD、ボタンE、および、展示オブジェクトP1が示されている。
図4は、参加者アバターA1が、商品情報を示すオブジェクトD上に表示された商品購入のためのボタンEに触れた状態を示している。参加者アバターA1がボタンEに触れると、上述のサービス提供サーバ2および参加者端末4の動作によって、販売処理が行われる。
【0072】
なお、参加者端末4は、商品購入操作が行われた後、直ちに商品購入操作を示す操作情報をサービス提供サーバ2に送信するのではなく、本当に購入するかどうかを確認のための確認ボタン等を適宜の態様で表示し、参加者による購入の意思が確認できた後に、商品購入操作を示す操作情報をサービス提供サーバ2に送信するものであってもよい。
【0073】
また、参加者端末4は、サービス提供サーバ2にアクセスして、決済を行わせることで販売処理を行うものともいえるし、参加者端末4は、サービス提供サーバ2に代わって、参加者端末4自体が外部システムにアクセスして決済を行うことで販売処理を行ってもよい。
【0074】
(試用表示データ取得部)
試用表示データ取得部224は、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトを試用するための操作が行われると、商品オブジェクトの試用状態を表示させる試用表示データを取得する。
参加者は、参加者端末4を操作することによって、仮想現実空間において、参加者アバターの状態を変更し、商品オブジェクトを試用するための操作(以下「商品試用操作」という。)をさせることができる。
【0075】
商品試用操作は、例えば、参加者アバターに展示オブジェクトと関連付けられて表示された商品オブジェクトを保持させる操作、または、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づける操作、参加者アバターを展示オブジェクトの近傍に表示された商品試用のためのボタンオブジェクトに触れさせる操作、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づけた上で参加者アバターの視線を展示オブジェクトもしくは展示オブジェクトと関連付けられて表示された商品オブジェクトに向けさせる操作、または、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づけた上で商品試用のための音声を発生させる等の、展示オブジェクトに対して直接または間接的に行われる操作である。参加者は、商品試用操作を、商品オブジェクト購入前の任意のタイミングで行うことができる。
なお、参加者が、ヘッドマウントディスプレイではなく、通常のスマートフォンまたはPC等としての参加者端末4の画面上に仮想現実空間を表示して、仮想現実空間に参加している場合は、参加者アバターによる商品試用操作には、例えば、参加者アバターを展示オブジェクトから所定の範囲内に近づける等の操作をした上で行われる、画面上の仮想現実空間を表示しているウインドウと重なる位置または重ならない位置等に表示された商品試用のためのボタンの操作も含まれ得る。
【0076】
参加者が参加者端末4を使用して商品試用操作を行うと、参加者端末4は、商品試用操作を示す操作情報に基づいて、サービス提供サーバ2からダウンロードされて参加者端末4が保持する空間データを修正し、参加者アバターが商品オブジェクトを試用した状態を参加者端末4において表示するための試用表示データを生成して取得する。操作情報には、商品試用操作の対象となった展示オブジェクトを特定する情報として、例えば、展示オブジェクトIDが含まれるか、または、その展示オブジェクトと関連付けられた商品オブジェクトを特定する情報として、商品オブジェクトIDが含まれる。
また、参加者端末4は、その操作情報を、サービス提供サーバ2に送信する。サービス提供サーバ2の試用表示データ取得部224は、参加者端末4から取得した操作情報に基づいて、管理している空間データのうち、上述の参加者アバターが参加している仮想現実空間の空間データを修正し、その仮想現実空間内の参加者アバターが商品オブジェクトを試用した状態を参加者端末4において表示するための試用表示データと同じ試用表示データを生成して取得する。
【0077】
つまり、試用表示データとは、上述のようにして、参加者端末4およびサービス提供サーバ2が生成して取得する、参加者アバターが商品オブジェクトを実際に試用している状態を示す3次元データである。
試用される商品オブジェクトが販売対象アバターの場合、ある参加者が利用している参加者アバターに代わって、販売対象アバターが表示されるように試用表示データが生成される。言い換えれば、参加者は、試用中の販売対象アバターを利用して仮想現実空間に参加する状態となる。
試用される商品オブジェクトが販売対象装着アイテムの場合、ある参加者が利用している参加者アバターが販売対象装着アイテムを装着している状態が表示されるように試用表示データが生成される。
少なくとも商品オブジェクトが試用されている間、参加者端末4またはサービス提供サーバ2は、例えば、商品オブジェクトを試用中の参加者の利用者IDまたは当該参加者の参加者アバターに固有のIDと、試用されている商品オブジェクトの商品オブジェクトIDとを紐づけて管理する。
【0078】
なお、参加者は、参加者端末4を操作することによって、仮想現実空間において、参加者アバターの状態を変更し、商品オブジェクトの試用を解除するための操作(以下「試用解除操作」という。)をさせることができる。
試用解除操作は、例えば、参加者アバターを展示オブジェクトの近傍に表示された試用解除のためのボタンオブジェクトに触れさせる操作、または、参加者アバターに試用解除のための音声を発生させる等の操作である。
【0079】
また、参加者が試用中の商品オブジェクトについては、展示オブジェクトの所定位置に依然として配置されて表示されていてもよいし、配置されていなくてもよい。前者の場合は、例えば、ある参加者が商品オブジェクトを試用中であっても、他の参加者がその商品オブジェクトを並行して試用可能であることを示す場合に有用であり、また、後者の場合は、例えば、ある参加者が商品オブジェクトを試用中には、他の参加者はその商品オブジェクトを試用できないことを示す場合に有用である。
【0080】
試用表示データ取得部224は、制限された状態で商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得するものであってもよい。
参加者にとって、商品オブジェクトを試用した状態を確認した上で、商品オブジェクトの購入要否を判断できれば有用である。一方、仮想現実技術においては、参加者または参加者アバターが単純に商品オブジェクトを試用している状態は、試用中であっても購入後であっても、実質同じである。したがって、単純に商品オブジェクトを試用可能とすることは、商品オブジェクトの販売者にとっては好ましくない。例えば、参加者が何ら制限なく商品オブジェクトを試用できるとすると、参加者が商品オブジェクトを購入する動機がなくなるからである。このため、参加者による商品オブジェクトの試用については、参加者と販売者との利害のバランスを考慮する必要がある。
試用表示データ取得部224は、制限された状態で商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得することで、商品オブジェクトの試用の態様に、一定の制限を加えることができ、参加者と販売者との利害のバランスを調整することができる。
【0081】
試用状態をどのように制限するかについての情報(以下「制限定義情報」という。)は、例えば、空間データのメタデータに含められる。制限定義情報による制限の内容は、ある仮想現実空間内で販売される商品オブジェクトについて、一律に定められていてもよいし、展示オブジェクトごとまたは商品オブジェクトごとに定められていてもよい。制限定義情報による制限の内容が展示オブジェクトごとまたは商品オブジェクトごとに定められる場合、制限定義情報は、展示オブジェクトデータのメタデータまたは商品オブジェクトデータのメタデータに含まれる。
また、制限定義情報は、試用表示データのメタデータに含まれてもよい。
【0082】
参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、ある1つの同じ仮想現実空間の空間データを、ほぼリアルタイムで共有できるため、状態の制限は、参加者端末4においてもサービス提供サーバ2においても行われ得る。
【0083】
例えば、試用表示データ取得部224は、商品オブジェクトを試用するための操作が行われた際の操作情報に基づき、特定の距離の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得するものである。
商品試用操作を示す操作情報には、商品試用操作を行った際の参加者アバターの位置情報が含まれ得る。例えば、試用表示データは、参加者または参加者アバターが商品試用操作を行った際の参加者アバターの位置から、特定の距離の範囲内のみ有効とされ得る。特定の距離の範囲は、例えば、参加者または参加者アバターが商品試用操作を行った際の参加者アバターの位置を中心とする特定の半径を有する円の範囲内である。
また、例えば、試用表示データは、参加者または参加者アバターが試用中の商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトから、特定の距離の範囲内のみ有効とされ得る。特定の距離の範囲は、例えば、展示オブジェクトを中心とする特定の半径を有する円の範囲内である。または、特定の距離の範囲は、例えば、展示オブジェクトを上方からみた外形の範囲である。
これらに限らず、特定の距離は、任意に設定可能である。
【0084】
参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、例えば、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターが、特定の距離の範囲外に出たと判断した場合、試用状態を解除し、参加者により試用中であった販売対象アバターを、参加者アバターに戻し、販売対象装着アイテムを試用中であった参加者アバターを、その販売対象装着アイテムを装着していない状態の参加者アバターに戻す。
または、参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターについて、その試用状態のままでは、特定の距離の範囲外には出られないように移動を制限してもよい。
【0085】
また、例えば、試用表示データ取得部224は、展示オブジェクトに対して商品オブジェクトを試用するための操作が行われてから特定の時間の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
特定の時間は、任意に設定可能である。特定の時間は、例えば、1~10分程度でもよく、または、それ以外の長さの時間でもよい。
【0086】
この場合、参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターについて、商品試用操作が行われてから特定の時間が経過したと判断した場合、試用状態を解除し、参加者により試用中であった販売対象アバターを、参加者アバターに戻し、販売対象装着アイテムを試用中であった参加者アバターを、その販売対象装着アイテムを装着していない状態の参加者アバターに戻す。
【0087】
また、この場合、例えば、試用表示データ取得部224は、特定の時間の残り時間を示すインジケータとともに商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
参加者端末4およびサービス提供サーバ2は、インジケータとともに商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得すると、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターについて、商品試用操作が行われてからの経過時間を計測し、残り時間を算出する。
そして、参加者端末4は、算出した残り時間に基づき、特定の時間の残り時間を示すインジケータを表示する。
【0088】
参加者端末4は、仮想現実空間内にインジケータを表示するものであっても、仮想現実空間外にインジケータを表示するものであってもよい。
参加者端末4が仮想現実空間内にインジケータを表示する場合、インジケータを仮想現実空間内において参加者の視野に入る単なるテキストの残り時間として表示してもよいし、残り時間が表面に記載されたオブジェクトとしてインジケータを表示してもよいし、または、残り時間を画像で表すオブジェクト(例えば砂時計オブジェクト)としてインジケータを表示してもよい。この場合、参加者端末4は、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターの近傍にインジケータを表示してもよいし、参加者の視野内の一定の位置にインジケータを表示してもよい。
また、例えば、特に、参加者が、ヘッドマウントディスプレイではなく、通常のスマートフォンまたはPC等としての参加者端末4の画面上に仮想現実空間を表示して、仮想現実空間に参加している場合は、参加者端末4は、画面上の仮想現実空間を表示しているウインドウと重なる位置または重ならない位置等に、当該ウインドウとは無関係にインジケータを表示してもよい。
【0089】
また、例えば、試用表示データ取得部224は、商品オブジェクトを試用するための操作を行った参加者アバターを用いた参加者(以下「試用中参加者」という。)のみが視認可能に、商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この制限は、特に、同一の仮想現実空間に、複数の参加者が同時に参加している場合の試用状態の制限である。試用表示データ取得部224が商品オブジェクトの試用状態を上記のように制限する場合、サービス提供サーバ2は、試用表示データ取得部224が取得した試用表示データを、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者がそれぞれ使用する1または複数の参加者端末4には送信しない。一方、サービス提供サーバ2は、試用中参加者以外の1または複数の参加者がそれぞれ使用する1または複数の参加者端末4に、試用中参加者の参加者アバターであってかつ試用状態ではない参加者アバターのデータを送信する。
したがって、試用中参加者以外の1または複数の参加者は、試用中参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターを視認することなく、試用中参加者の参加者アバターであってかつ試用状態にない参加者アバターを単に視認することとなる。
【0090】
また、例えば、試用表示データ取得部224は、少なくとも商品オブジェクトを試用するための操作を行った参加者アバターを用いた参加者(試用中参加者)以外の他の参加者が、商品オブジェクトが試用状態であることを判別可能に、商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この制限も、特に、同一の仮想現実空間に、複数の参加者が同時に参加している場合の試用状態の制限である。
試用表示データ取得部224が商品オブジェクトの試用状態を上記のように制限する場合、参加者端末4およびサービス提供サーバ2の試用表示データ取得部224は、単に参加者アバターが商品オブジェクトを実際に試用している状態を示す3次元データとしての試用表示データを生成し取得するのではなく、試用状態であることが、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者には判別できるような、試用表示データを生成して取得する。
【0091】
この場合、例えば、参加者端末4およびサービス提供サーバ2の試用表示データ取得部224は、参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターについて、その一部または全体を、試用中でない場合の色よりも薄い色で表示する、試用中でない場合には不透明な部分を半透明にして表示する、もしくは、試用中でない場合の外観よりもぼかした外観にして表示する、その近傍に試用中であることを示す文字等を配置して表示する、または、その周囲を枠で囲んで表示するための試用表示データを生成して取得する。
サービス提供サーバ2は、試用表示データ取得部224が取得した試用表示データを、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者がそれぞれ使用する1または複数の参加者端末4に送信する。
これによって、すべての参加者は、試用中参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターを、試用状態であることが判別できる態様で、視認することができる。
【0092】
また、この場合、例えば、参加者端末4は、単に参加者アバターが商品オブジェクトを実際に試用している状態を示す3次元データとしての試用表示データを生成し取得し、一方、サービス提供サーバ2の試用表示データ取得部224は、試用状態であることが、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者には分かるような、試用表示データを生成して取得するものであってもよい。サービス提供サーバ2は、試用表示データ取得部224が取得した試用表示データを、試用中参加者以外の1または複数の参加者がそれぞれ使用する1または複数の参加者端末4に送信する。
これによって、試用中参加者以外の1または複数の参加者は、試用中参加者により試用中の販売対象アバターまたは販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターを、試用状態であることが判別できる態様で、視認することができる。
【0093】
図5は、商品オブジェクトの試用の一例を示す画面図である。図5には、仮想現実空間内に配置された、参加者アバターA1、販売対象装着アイテムC、インジケータオブジェクトF、および、展示オブジェクトP1が示されている。図5は、参加者アバターA1が、ワンピース形状の販売対象装着アイテムCを試用している状態を示している。
図5において、販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターは、特定の距離の範囲として、展示オブジェクトP1を上方からみた外形の範囲内でのみ、試用状態であることが表示される。
また、図5において、インジケータオブジェクトFは、砂時計オブジェクトであって、特定の時間の残り時間を示すインジケータとしての役割を有しているとともに、販売対象装着アイテムを試用中の参加者アバターA1を試用状態であることが分かる態様で表示する役割を有している。
【0094】
(情報処理方法)
図6は、実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
空間データ取得部221が、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する(ステップST1)。
商品情報表示データ取得部222が、空間データによって表現された仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する(ステップST2)。
販売部223が、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する(ステップST3)。
【0095】
なお、サービス提供サーバ2または参加者端末4が備える情報処理装置の機能としては、少なくとも、空間データ取得部221、商品情報表示データ取得部222、および、販売部223の機能を備えていればよく、試用表示データ取得部224は、任意に付加される機能である。
【0096】
以上のように、実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)は、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データを取得する、空間データ取得部221と、空間データによって表現された仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部222と、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する、販売部223と、を備える。
したがって、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができる。そして、仮想現実空間への参加者は、仮想現実空間に参加している状態において商品購入操作を行うことで、商品オブジェクトを販売するためのウェブサイトが表示されることもなく、また、参加者が当該ウェブサイトに対する操作を行う必要もなく、所望の商品オブジェクトの購入を行うことができる。
【0097】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、空間データ取得部221は、商品オブジェクトを販売する販売者により、仮想現実空間に対して、新たに展示オブジェクトを配置するための操作が行われると、その展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得するものであってもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、仮想現実空間内において、販売者に展示オブジェクトを意図どおりの場所に配置させることができ、販売したい商品オブジェクトを自由に販売させることができる。
【0098】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)は、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトを試用するための操作が行われると、商品オブジェクトの試用状態を表示させる試用表示データを取得する、試用表示データ取得部224、を備えるものであってもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、仮想現実空間内において参加者に試用状態の商品オブジェクトを視認させることができる。
【0099】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、試用表示データ取得部224は、制限された状態で商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得するものであってもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、商品オブジェクトの試用の態様に、一定の制限を加えることができ、参加者と販売者との利害のバランスを調整することができる。
【0100】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、試用表示データ取得部224は、商品オブジェクトを試用するための操作が行われた際の操作情報に基づき、特定の距離の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、商品オブジェクトの試用状態に、特定の距離の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するという制限を加えることができる。
【0101】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、試用表示データ取得部224は、展示オブジェクトに対して商品オブジェクトを試用するための操作が行われてから特定の時間の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、商品オブジェクトの試用状態に、展示オブジェクトに対して商品オブジェクトを試用するための操作が行われてから特定の時間の範囲内でのみ商品オブジェクトの試用状態を表示するという制限を加えることができる。
【0102】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、試用表示データ取得部224は、特定の時間の残り時間を示すインジケータとともに商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、少なくとも商品オブジェクトを試用中の参加者に、特定の時間の残り時間を視認させることができる。
【0103】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)において、試用表示データ取得部224は、商品オブジェクトを試用するための操作を行った参加者アバターを用いた参加者(使用中参加者)のみが視認可能に、商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者に、試用中参加者による試用状態の商品オブジェクトを視認することなく、試用中参加者の参加者アバターであってかつ試用状態にない参加者アバターを単に視認させることができる。
【0104】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)は、試用表示データ取得部224は、少なくとも商品オブジェクトを試用するための操作を行った参加者アバターを用いた参加者以外の他の参加者が、商品オブジェクトが試用状態であることを判別可能に、商品オブジェクトの試用状態を表示するための試用表示データを取得してもよい。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、少なくとも試用中参加者以外の1または複数の参加者に、試用中参加者により試用中の商品オブジェクトを、試用状態であることが判別できる態様で、視認することができる。
【0105】
実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4は、空間データ取得部221は、商品オブジェクトとして販売の対象となる販売対象アバターと関連付けられた展示オブジェクト、または、商品オブジェクトとして任意のアバターが装着可能な装着アイテムと関連付けられた展示オブジェクトのうち、少なくとも一方の展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の空間データを取得する。
この場合、1または複数のコンピュータをサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)として機能させる実施の形態1に係るプログラムは、当該1または複数のコンピュータによって実行されることで、仮想現実空間内において、商品オブジェクトとして、アバター(販売対象アバター)または装着アイテム(販売対象装着アイテム)を販売することができる。
【0106】
実施の形態1に係るプログラムを実行する実施の形態1に係るサービス提供サーバ2または参加者端末4(情報処理装置)は、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができる。
【0107】
実施の形態1に係る情報処理方法は、空間データ取得部221が、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得するステップと、商品情報表示データ取得部222が、空間データによって表現された仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得するステップと、販売部223が、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売するステップと、を備える。
これにより、実施の形態1に係る情報処理方法は、仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 情報処理システム、2 サービス提供サーバ、3 販売者端末、4 参加者端末、5 ネットワーク、21 通信部、22 演算部、23 記憶部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、221 空間データ取得部、222 商品情報表示データ取得部、223 販売部、224 試用表示データ取得部、A1 参加者アバター、A2 販売対象アバター、C 販売対象装着アイテム、D 商品情報を示すオブジェクト、P1,P2 展示オブジェクト、E ボタン、F インジケータオブジェクト。
【要約】
【課題】 仮想現実空間内において商品オブジェクトを販売することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 プログラムは、コンピュータを、商品オブジェクトと関連付けられた展示オブジェクトが配置された仮想現実空間の3次元データである空間データを取得する、空間データ取得部(221)と、仮想現実空間に参加する参加者が用いる参加者アバターにより、展示オブジェクトに対して、商品オブジェクトに関する商品情報を表示させるための操作が行われると、商品情報を表示するための商品情報表示データを取得する、商品情報表示データ取得部(222)と、商品情報表示データに基づいて商品情報が表示された後に、参加者アバターにより商品オブジェクトを購入するための操作が行われると、参加者アバターを用いる参加者に商品オブジェクトを販売する、販売部(223)と、を備える情報処理装置(2)として機能させる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6