(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231117BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231117BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023541741
(86)(22)【出願日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2023003903
【審査請求日】2023-07-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517285219
【氏名又は名称】株式会社RevComm
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平村 健勝
(72)【発明者】
【氏名】重城 聡美
(72)【発明者】
【氏名】新谷 智治
(72)【発明者】
【氏名】江戸川 大士
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-359686(JP,A)
【文献】特開2013-176163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、
前記プロセッサが、
複数のユーザのそれぞれに、優先度を関連付けて記憶する優先度記憶ステップと、
複数の顧客のそれぞれに、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップと、
複数の顧客属性の少なくとも一部に、接続させるユーザの優先度に関する条件を含む応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップと、
所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップと、
前記通信受付ステップにおいて受け付けた前記所定の顧客からの通信に応じて、前記ルール記憶ステップにおいて前記所定の顧客の顧客属性に関連付けて記憶された所定の応対ルールに基づき、前記所定の顧客から受け付けた前記通信に対する処理を行う通信処理ステップと、
前記属性記憶ステップにおいて記憶された複数の前記顧客属性のそれぞれを、当該顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度に関する情報と関連付けて提示する属性提示ステップと、
を実行するプログラム。
【請求項2】
前記通信処理ステップは、前記所定の応対ルールに含まれる前記優先度に関する条件に基づき、所定のユーザに接続させるステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記優先度記憶ステップは、複数のユーザのそれぞれに、優先度ごとに割り当てられた優先度グループを関連付けて記憶するステップであり、
前記属性提示ステップは、前記属性記憶ステップにおいて記憶された複数の前記顧客属性のそれぞれを、当該顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度グループと関連付けて提示するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、
前記プロセッサが、
複数の顧客のそれぞれに、応対に関する応対ルールを、当該応対ルールを適用する適用期間と関連付けて記憶するルール記憶ステップと、
所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップと、
前記通信受付ステップにおいて受け付けた前記所定の顧客からの通信に応じて、前記ルール記憶ステップにおいて前記所定の顧客に関連付けて記憶された所定の応対ルールに基づき、前記所定の顧客から受け付けた前記通信に対する処理を行う通信処理ステップと、
前記ルール記憶ステップにおいて記憶された前記応対ルールを、当該応対ルールが適用される適用期間が識別可能な態様で提示するルール提示ステップと、
を実行するプログラム。
【請求項5】
前記通信処理ステップは、
前記所定の顧客からの通信日時が前記適用期間に含まれる場合に、前記所定の応対ルールに基づき前記通信に対する処理を行うステップと、
前記所定の顧客からの通信日時が前記適用期間に含まれない場合に、前記所定の応対ルールに基づき前記通信に対する処理とは異なる処理を行うステップと、
を含む、
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記ルール記憶ステップは、前記所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる応対ルールを記憶するステップであり、
前記通信処理ステップは、
前記所定の顧客からの通信日時が前記適用期間に含まれる場合に、前記所定の顧客からの通信を前記所定のユーザに接続させる処理を行うステップと、
前記所定の顧客からの通信日時が前記適用期間に含まれない場合に、前記所定の顧客からの通信を前記所定のユーザに接続させる処理とは異なる処理を行うステップと、
を含む、
請求項4記載のプログラム。
【請求項7】
前記ルール提示ステップは、前記ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の前記応対ルールのそれぞれを、顧客からの通信がユーザへ接続可能な適用期間が識別可能な態様で提示するステップである、
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記ルール提示ステップは、前記ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の前記応対ルールのそれぞれを、応対ルールが適用される適用期間がカレンダーと重なるように提示するステップを含む、
請求項4記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
複数の顧客のそれぞれに、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップと、
を実行し、
前記ルール記憶ステップは、複数の顧客属性の少なくとも一部に、応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するステップであり、
前記ルール提示ステップは、前記ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の前記応対ルールのそれぞれを、前記ルール記憶ステップにおいて関連付けて記憶された前記顧客属性と関連付けて提示するステップを含む、
請求項4記載のプログラム。
【請求項10】
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、
前記プロセッサが、
複数のユーザのそれぞれに、優先度を関連付けて記憶する優先度記憶ステップと、
複数の顧客のそれぞれに、接続させるユーザの優先度に関する条件を含む応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップと、
所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップと、
前記通信受付ステップにおいて受け付けた前記所定の顧客からの通信に応じて、前記ルール記憶ステップにおいて前記所定の顧客に関連付けて記憶された所定の応対ルールに基づき、前記所定の顧客から受け付けた前記通信に対する処理を行う通信処理ステップと、
前記ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の前記応対ルールのそれぞれを、接続されるユーザの前記優先度に応じて識別可能な態様で提示する優先度提示ステップと、
を実行する、
プログラム。
【請求項11】
前記通信処理ステップは、
前記所定の顧客からの通信を接続可能な複数のユーザ候補を特定するステップと、
前記複数のユーザ候補のうち、前記所定の顧客からの通信日時が応対可能期間に含まれる1または複数のユーザ候補を特定するステップと、
前記1または複数のユーザ候補の優先度に基づき、所定のユーザに接続する処理を行うステップと、
を含む、
請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記プロセッサが、
前記ルール記憶ステップにおいて記憶された前記応対ルールのそれぞれに関連付けて記憶された適用期間において、応対可能なユーザが存在しない場合に、応対可能なユーザが存在しないことを示す通知を行う通知ステップと、
を実行する、
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記プロセッサが、
ユーザが顧客との対話に応対可能な応対可能期間を、前記コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスから取得する応対可能期間取得ステップと、
を実行する、
請求項11記載のプログラム。
【請求項14】
前記応対可能期間取得ステップは、前記カレンダーサービスにおいてユーザに関連付けて記憶された予定情報の内容に基づき、前記応対可能期間を取得するステップである、
請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記応対可能期間取得ステップにおいて取得した前記応対可能期間を、前記コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスへ出力する応対可能期間出力ステップと、
を実行する、
請求項13記載のプログラム。
【請求項16】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項17】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項18】
請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客からの電話等による問合せにオペレータが応対することを効率化する情報処理システムが知られている。
特許文献1には、迅速に営業担当者を選定することができるとともに、顧客の満足度の向上を図ることが可能な送客管理システムおよび送客管理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客からの着信に対して、顧客の属性に関する顧客属性に適した処理を行うことができていないという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行う技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、プロセッサが、複数の顧客に、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップと、複数の顧客属性の少なくとも一部に、応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップと、所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップと、通信受付ステップにおいて受け付けた所定の顧客からの通信に応じて、属性記憶ステップにおいて所定の顧客に関連付けて記憶された所定の顧客属性に基づき、ルール記憶ステップにおいて所定の顧客属性に関連付けて記憶された所定の応対ルールを特定するルール特定ステップと、ルール特定ステップにおいて特定された所定の応対ルールに基づき、所定の顧客から受け付けた通信に対する処理を行う通信処理ステップと、を実行するプログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】システム1の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図6】グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図7】対話テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【
図8】ラベルテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図9】音声区間テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【
図10】顧客テーブル1021のデータ構造を示す図である。
【
図11】顧客グループテーブル1022のデータ構造を示す図である。
【
図12】ルールテーブル1023のデータ構造を示す図である。
【
図13】設定処理の動作を示すフローチャートである。
【
図14】着信処理の動作を示すフローチャートである。
【
図18】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、顧客からの電話等による問合せを効率的に管理するための情報処理サービスを提供する情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30、音声サーバ(PBX)50の情報処理装置を備える。
図1は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30、音声サーバ(PBX)50のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、顧客からの電話等による問合せに応じて所定の情報処理を実行する情報処理サービスを提供する情報処理装置である。
本開示におけるサーバ10は、オペレータである第1ユーザと顧客である第2ユーザとの間でオンラインで行われる対話サービス(オンライン対話サービス)を提供する情報処理装置である。なお、本開示におけるサーバ10は、複数のオペレータ、複数の顧客を含む三者以上のユーザ間でオンラインで行われる対話サービスも提供可能としても良い。
なお、顧客は本開示にかかる情報処理サービスのユーザである必要は必ずしもない。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、グループテーブル1013、対話テーブル1014、ラベルテーブル1015、音声区間テーブル1016、顧客テーブル1021、顧客グループテーブル1022、ルールテーブル1023を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラム1011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0014】
ユーザテーブル1012は、ユーザの情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。本開示においては、
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、グループID、ユーザ名、優先度、応対可能期間、ユーザ属性のカラム等を有するテーブルである。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0015】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。ユーザごとに1または複数のグループ識別情報が関連付けて記憶されることにより、ユーザが1または複数のグループに所属することが表現される。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
優先度は、ユーザの優先度を規定する情報を記憶する項目である。具体的には、ユーザの優先度を示す文字列、数値等が記憶される。例えば、0~100の範囲の数値において、優先度が高いユーザほど高い数値を割り当てる。なお、異なるユーザに同じ優先度の値を割り当ててもよい。
応対可能期間は、ユーザが顧客からの電話等による問合せに応対可能な日時、曜日、期間、時間帯に関する情報を記憶する。例えば、「平日の9時から17時」、「土日祝日は9時から12時」といった、期間に関する情報が記憶される。
ユーザ属性はユーザIDにより特定されるユーザが備える属性に関する属性情報を記憶する項目である。例えば、ユーザ属性は、優良会員対応ユーザ、VIP対応ユーザ、悪質顧客対応ユーザ、システム管理者等のユーザの属性を特定するための文字列を含む。また、ユーザテーブル1012においては、自然人にかかるユーザだけではなく、自動応答音声を再生可能な仮想的なユーザ(自動応対プログラム等)に対してユーザーIDを割り当てることでユーザとして含めるようにしても構わない。
【0016】
グループテーブル1013は、ユーザが所属するグループに関する情報(グループ情報)を記憶し管理するテーブルである。グループは、会社、法人、企業グループ、サークル、各種団体など任意のグループ、グループが含まれる。グループは、会社の部署(営業部、総務部、カスタマーサポート部)などのより詳細なサブグループごとに定義しても良い。
グループテーブル1013は、グループIDを主キーとして、グループID、グループ名、グループ属性、優先度のカラムを有するテーブルである。
図6は、グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0017】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループ情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループ名は、グループの名称を記憶する項目である。グループ名は任意の文字列を設定できる。
グループ属性は、グループ種別(会社、企業グループ、その他団体など)、業種(不動産、金融など)などのグループの属性に関する情報を記憶する項目である。また、グループ属性は、VIP対応グループ、悪質顧客対応グループ等のグループの属性を特定するための文字列を含む。本開示においては、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザにグループIDを関連付けることにより、グループテーブル1013のグループ属性を複数のユーザのユーザ属性に対してまとめて適用することができる。
なお、ユーザのユーザ属性は、ユーザテーブル1012においてユーザに関連付けられたユーザ属性、グループテーブル1013においてグループIDを介して関連付けられたグループ属性のいずれか一方の属性情報、または、両方の属性情報として扱っても良い。
優先度は、グループに所属するユーザの優先度を規定する情報を記憶する項目である。優先度は、ユーザテーブル1012の優先度と同様であるため説明を省略する。
本開示においては、ユーザテーブル1012においてユーザごとに優先度を割り当てたり、グループテーブル1013においてユーザが所属するグループごとに優先度を割り当てることができる。なお、優先度は、ユーザごと、ユーザが所属するグループごとのいずれか1つのみに割り当てても良い。また、所定のユーザについて、ユーザテーブル1012における優先度、当該所定のユーザが所属するグループに対してグループテーブル1013の優先度の両方が割り当てられている場合には、いずれか片方の優先度のみを当該所定のユーザの優先度としたり、優先度が高いまたは低い優先度を当該所定のユーザの優先度としても良い。
【0018】
対話テーブル1014は、ユーザと顧客との間で行われる対話に関連する情報(対話情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
対話テーブル1014は、対話IDを主キーとして、対話ID、ユーザID、顧客ID、対話カテゴリ、受発信種別、音声データ、動画データのカラムを有するテーブルである。
図7は、対話テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0019】
対話IDは、対話を識別するための対話識別情報を記憶する項目である。対話識別情報は、対話情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザIDは、ユーザと顧客との間で行われる対話において、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。対話情報ごとに、複数のユーザIDが関連づけられていても良い。
顧客IDは、ユーザと顧客との間で行われる対話において、顧客を識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。対話情報ごとに、複数の顧客のユーザIDが関連づけられていても良い。
対話カテゴリは、ユーザと顧客との間で行われた対話の種類(カテゴリ)を記憶する項目である。対話データは、対話カテゴリにより分類される。対話カテゴリには、ユーザと顧客との間で行われる対話の目的などに応じて、テレフォンユーザー、テレマーケティング、カスタマーサポート、テクニカルサポートなどの値が記憶される。
受発信種別は、ユーザと顧客との間で行われた対話が、ユーザが発信した(アウトバウンド)ものか、ユーザが受信した(インバウンド)もののいずれかを区別するための情報を記憶する項目である。また、3者以上のユーザによる対話の際には、ルームという受発信種別が記憶される。
音声データは、マイクにより集音された音声データを記憶する項目である。他の場所に配置された音声データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。音声データのフォーマットは、AAC,ATRAC、mp3、mp4など任意のデータフォーマットで良い。
音声データは、ユーザの音声と顧客の音声とが、それぞれ独立して識別可能な識別子が設定された形式のデータであっても良い。この場合、サーバ10の制御部104は、ユーザの音声、顧客の音声に対してそれぞれ独立した解析処理を実行できる。また、ユーザ、顧客の音声データに基づき、ユーザID、顧客IDを特定できる。
本開示において、音声データに替えて、音声情報を含む動画データを用いても構わない。また、本開示における音声データは、動画データに含まれる音声データも含む。
動画データは、カメラ等による撮影された動画データを記憶する項目である。他の場所に配置された動画データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。動画データのフォーマットは、MP4、MOV、WMV、AVI、AVCHDなど任意のデータフォーマットで良い。
動画データは、ユーザの動画と顧客の動画とが、それぞれ独立して識別可能な識別子が設定された形式のデータであっても良い。この場合、サーバ10の制御部104は、ユーザの動画、顧客の動画に対してそれぞれ独立した解析処理を実行できる。また、ユーザ、顧客の動画データに基づき、ユーザID、顧客IDを特定できる。
【0020】
ラベルテーブル1015は、ラベルに関する情報(ラベル情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
ラベルテーブル1015は、対話ID、ラベルデータのカラムを有するテーブルである。
図8は、ラベルテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0021】
対話IDは、対話を識別するための対話識別情報を記憶する項目である。
ラベルデータは、対話を管理するためのラベル情報を記憶する項目である。ラベル情報は、分類名、ラベル、分類ラベル、タグなど、対話情報を管理するための付加的な情報である。
ラベルデータはラベル情報の名称を示す文字列でも良いし、他のテーブルに記憶されたラベル情報の名称を参照するためのラベルID等でも良い。
ラベルデータは、特定の対話における話者の感情状態に応じた分類情報を含む。分類データは、特定の対話において話者の応対の善し悪しを分類するための分類情報を含む。
【0022】
音声区間テーブル1016は、対話情報に含まれる複数の音声区間に関する情報(音声区間情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
音声区間テーブル1016は、区間IDを主キーとして、区間ID、対話ID、話者ID、開始日時、終了日時、区間音声データ、区間動画データ、区間読上テキストのカラムを有するテーブルである。
図9は、音声区間テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0023】
区間IDは、音声区間を識別するための区間識別情報を記憶する項目である。区間識別情報は、音声区間情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
対話IDは、音声区間情報が関連づけられる対話を識別するための対話識別情報を記憶する項目である。
話者IDは、音声区間情報が関連づけられる話者を識別するための話者識別情報を記憶する項目である。具体的に、話者IDは、対話に参加した、複数のユーザID、顧客IDを記憶する項目である。
開始日時は、音声区間、動画区間の開始日時を記憶する項目である。
終了日時は、音声区間、動画区間の終了日時を記憶する項目である。
区間音声データは、音声区間に含まれる音声データを記憶する項目である。他の場所に配置された音声データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。また、開始日時、終了日時に基づき対話テーブル1014の音声データの開始日時から終了日時までの期間の音声データに対する参照を記憶しても良い。また、区間音声データは、区間動画データに含まれる音声データを含むものとしても構わない。
音声データのフォーマットは、AAC,ATRAC、mp3、mp4など任意のデータフォーマットで良い。
区間動画データは、音声区間に含まれる動画データを記憶する項目である。他の場所に配置された動画データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。また、開始日時、終了日時に基づき対話テーブル1014の動画データの開始日時から終了日時までの期間の動画データに対する参照を記憶しても良い。
動画データのフォーマットは、MP4、MOV、WMV、AVI、AVCHDなど任意のデータフォーマットで良い。
区間読上テキストは、音声区間に含まれる区間音声データにおいて話者により発話された内容のテキスト情報を記憶する項目である。具体的に、区間読上テキストは、区間音声データ、区間動画データに基づき、人手、任意の機械学習、深層学習等の学習モデルを用いることにより生成しても良い。
【0024】
顧客テーブル1021は、顧客に関する情報(顧客情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
顧客テーブル1021は、顧客IDを主キーとして、顧客ID、顧客名、電話番号、顧客グループID、顧客属性のカラムを有するテーブルである。
図10は、顧客テーブル1021のデータ構造を示す図である。
【0025】
顧客IDは、顧客を識別するための顧客識別情報を記憶する項目である。顧客識別情報は、顧客情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
顧客名は、顧客の名称を記憶する項目である。顧客名は任意の文字列を設定することができる。
電話番号は、顧客の電話番号を記憶する項目である。
顧客グループIDは、顧客グループを識別するための顧客グループ識別情報を記憶する項目である。顧客情報ごとに1または複数の顧客グループ識別情報が関連付けて記憶されることにより、顧客が1または複数の顧客グループに所属することが表現される。
顧客属性は、顧客IDにより特定される顧客が備える属性に関する属性情報を記憶する項目である。例えば、顧客属性は、優良会員顧客、VIP顧客、悪質顧客等の個別の顧客を特定するための文字列を含む。
【0026】
顧客グループテーブル1022は、顧客グループに関する情報(顧客グループ情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
顧客グループテーブル1022は、顧客グループIDを主キーとして、顧客グループID、顧客グループ名、顧客属性のカラムを有するテーブルである。
図11は、顧客グループテーブル1022のデータ構造を示す図である。
【0027】
顧客グループIDは、顧客グループを識別するための顧客グループ識別情報を記憶する項目である。顧客グループ識別情報は、顧客グループ情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
顧客グループ名は、顧客グループの名称を記憶する項目である。顧客グループ名は任意の文字列を設定することができる。
顧客属性は、顧客グループIDに関連付けられた顧客が備える属性に関する顧客属性を記憶する項目である。具体的に、顧客属性は、「優良顧客」、「特別待遇」、「クレーマー」、顧客が居住する地域等の、ユーザが顧客グループに所属する顧客がどのような属性の顧客であるかを特定するための文字列を含む。本開示においては、顧客テーブル1021に記憶された顧客に顧客グループIDを関連付けることにより、顧客グループテーブル1022の顧客属性を複数の顧客の顧客属性に対してまとめて適用することができる。
なお、顧客の顧客属性は、顧客テーブル1021において顧客に関連付けられた顧客属性、顧客グループテーブル1022において顧客グループIDを介して関連付けられた顧客属性のいずれか一方の属性情報、または、両方の属性情報としても扱っても良い。
【0028】
ルールテーブル1023は、顧客からの電話等による問合せに対する応対ルールに関する情報(ルール情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
ルールテーブル1023は、ルールIDを主キーとして、ルールID、ルール内容、ルール条件、ルール優先度のカラムを有するテーブルである。
図12は、ルールテーブル1023のデータ構造を示す図である。
【0029】
ルールIDは、ルールを識別するためのルール識別情報を記憶する項目である。ルール識別情報は、ルール情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
ルール内容は、応対ルールの内容を記憶する項目である。
ルール内容は、顧客テーブル1021、ユーザテーブル1012に含まれる情報に関するルールを含み、例えば顧客からの着信に対してユーザテーブル1012に記憶されたユーザ(オペレータ)に接続させる処理を実行させるか否か、不在時の自動応答音声等を顧客に対して再生させるか否か等の処理内容を含む。なお、ルール内容には顧客からの問い合わせ内容や問い合わせ先等のルールを含んでもよい。
ルール内容は、ユーザに接続させる処理を実行する際に、ユーザテーブル1012における所定のユーザを指定して着信させるといった応対ルールを含めても良いし、ルール内容は、ルールIDに対応したルール名を含んでもよい。これにより、ルール情報ごとに、顧客からの着信を所定のオペレータに接続させることができる。なお、ルール内容において、何れかのユーザに接続を指定する場合に、優先度が所定の閾値以上か否かや複数のユーザをユーザID、ユーザ属性等に基づきく範囲により指定可能としてもよい。また、ルール内容において着信先のユーザIDを指定する代わりに、コンピュータによる所定の対応を行う自動応答音声を再生するように設定してもよい。
ルール内容は、一例としてユーザに接続させる処理を実行する際に、所定のユーザ属性を有するか又は所定の優先度以上のユーザのみに着信させるといった応対ルールを含めても良い。これにより、例えば、優良顧客に対して未熟なユーザが対応することによる機会損失を防ぐことができる。
ルール条件は、応対ルールを適用する条件を記憶する項目である。ルール条件は、ルールを適用する日時、曜日、期間、時間帯に関する応対ルールの適用期間を記憶する。例えば、「平日の9時から17時」、「土日祝日は9時から12時」といった、期間に関する情報が記憶される。また、ルール条件は、顧客テーブル1021、顧客グループテーブル1022、ユーザテーブル1012に含まれる顧客ID、顧客属性、顧客グループID、顧客属性、ユーザ属性、優先度等の任意の情報に対する条件を含んでもよい。例えば、ルール条件は、所定の属性情報を備える顧客からの問い合わせか否かを判定するための情報、顧客テーブル1021における顧客の優先度をルール条件に含んでもよい。また、ルール条件は、複数のルールが適用され得る場合において、適用される所定の1または複数のルールを特定するための優先度に関する情報(ルール優先度)を含んでもよい。
ルール優先度は、複数のルールが適用され得る場合において、最も優先度が高い1のルール、または、所定の優先度以上の1または複数のルールを適用するための優先度に関する情報を記憶する項目である。
【0030】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、設定部1042を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0031】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用できるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0032】
設定部1042は、設定処理を実行する。詳細は、後述する。
【0033】
<第1ユーザ端末20の構成>
第1ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。第1ユーザ端末20は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第1ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0034】
<第1ユーザ端末20の記憶部201の構成>
第1ユーザ端末20の記憶部201は、第1ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0035】
第1ユーザID2011は、オペレータのユーザ識別情報を記憶する。オペレータは、第1ユーザ端末20から第1ユーザID2011を、音声サーバ(PBX)60へ送信する。音声サーバ(PBX)60は、第1ユーザID2011に基づきオペレータを識別し、本開示にかかるサービスをオペレータに対して提供する。なお、第1ユーザID2011には、第1ユーザ端末20を利用しているオペレータを識別するにあたり音声サーバ(PBX)60から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0036】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、第1ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0037】
<第1ユーザ端末20の制御部204の構成>
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0038】
<第1ユーザ端末20の入力装置206の構成>
第1ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、キーボード2065を備える。
【0039】
<第1ユーザ端末20の出力装置208の構成>
第1ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0040】
<第2ユーザ端末30の構成>
第2ユーザ端末30は、サービスを利用する顧客が操作する情報処理装置である。第2ユーザ端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第2ユーザ端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0041】
<第2ユーザ端末30の記憶部301の構成>
第2ユーザ端末30の記憶部301は、アプリケーションプログラム3012、電話番号3013を備える。
【0042】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム3012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム3012は、第2ユーザ端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0043】
<第2ユーザ端末30の制御部304の構成>
第2ユーザ端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0044】
<第2ユーザ端末30の入力装置306の構成>
第2ユーザ端末30の入力装置306は、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、タッチデバイス3065を備える。
【0045】
<第2ユーザ端末30の出力装置308の構成>
第2ユーザ端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082、送信部6041を備える。
【0046】
送信部6041は、外部サーバ60においてユーザから受け付けた評価データを、サーバ10へ送信する処理を実行する制御部である。
【0047】
<音声サーバ(PBX)50の構成>
音声サーバ(PBX)50は、ネットワークNと電話網Tとを互いに接続することで第1ユーザ端末20と第2ユーザ端末30との間における対話を可能とする交換機として機能する情報処理装置である。
音声サーバ(PBX)50は、記憶部501を備える。
【0048】
<音声サーバ(PBX)50の記憶部501の構成>
音声サーバ(PBX)50の記憶部501は、アプリケーションプログラム5011を備える。
【0049】
アプリケーションプログラム5011は、音声サーバ(PBX)50の制御部504を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラム5011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0050】
<システム1の動作>
以下、システム1の各処理について説明する。
図13は、設定処理の動作を示すフローチャートである。
図14は、着信処理の動作を示すフローチャートである。
図15は、設定処理の動作を示す第一画面例である。
図16は、設定処理の動作を示す第二画面例である。
図17は、設定処理の動作を示す第三画面例である。
【0051】
<設定処理>
設定処理は、本開示にかかる情報処理サービスにおいて、オペレータ情報の入力および編集、顧客情報の入力および編集、顧客グループ情報の入力および編集、ルール情報の入力および編集を行う処理である。
本開示においては、第1ユーザ(オペレータ)による第1ユーザ端末20を用いた設定処理を一例として開示するが、設定処理は特定の管理者権限を有する特定のユーザ(管理者)のみが実行できるものとしても良い。また、ユーザテーブル1012に記憶された任意のユーザが設定処理を実行できるものとしても良い。また、設定処理用の端末を用いて設定を行ってもよいし、所定の設定情報を含むファイルをサーバ10に送信することで設定を行ってもよい。
【0052】
<設定処理の概要>
設定処理は、オペレータ情報の入力および編集、顧客情報の入力および編集、顧客グループ情報の入力および編集、ルール情報の入力および編集を行う一連の処理である。
【0053】
<設定処理の詳細>
以下に、設定処理の詳細を説明する。
【0054】
ステップS101において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ウェブブラウザ等に設定処理を実行するためのページ(設定処理ページ)のURLを入力し、設定処理ページを開く。第1ユーザ端末20の制御部204は、設定処理ページを開くためのリクエストを、サーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、受信したリクエストに基づき、設定処理ページを生成し第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した設定処理ページを第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
【0055】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、設定処理ページに含まれるオペレータ情報の入力、編集画面を表示させるためのボタンを押下することにより、オペレータ情報の入力、編集画面(第一画面D1)を表示させるリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10の設定部1042は、ユーザテーブル1012を検索し、ユーザID、ユーザ名、優先度等を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得したユーザID、ユーザ名、優先度等を並べた第一画面D1を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した第一画面D1を、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示させる。
【0056】
図15は、設定処理の動作を示すオペレータ情報の入力、編集画面例(第一画面D1)である。第一画面D1は、複数のユーザごとにユーザ名D111、D112、D113・・・、それぞれのユーザごとの優先度D121、D122、D123・・・、ユーザ登録ボタンD13を含む。
第1ユーザは、ユーザ登録ボタンD13を押下することにより表示されるダイアログに含まれるグループID、ユーザ名、優先度、応対可能期間を入力可能な入力欄に所定の値を入力することにより、新たなオペレータをユーザテーブル1012に登録することができる。
【0057】
ステップS101において、サーバ10の設定部1042は、複数のユーザのそれぞれに、優先度を関連付けて記憶する優先度記憶ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ユーザ名D111、D112、D113・・・のそれぞれに対して、ユーザごとの優先度D121、D122、D123・・・を入力および編集することができる。本開示においては、一例として優先度として0から100までの数値を入力することができる。
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力された優先度D121、D122、D123・・・を、それぞれの入力欄に対応するユーザのユーザIDとともにサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部1042は、受信したユーザIDに基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索して特定されるレコードの優先度の項目に、優先度D121、D122、D123・・・の入力値を記憶する。これにより、複数のユーザのそれぞれに優先度が関連付けて記憶される。
【0058】
ステップS101において、優先度記憶ステップは、複数のユーザのそれぞれに、優先度ごとに割り当てられた優先度グループを関連付けて記憶するステップを実行しても良い。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ユーザ名D111、D112、D113・・・のそれぞれに対して、所定の優先度が割り当てられた優先度グループを設定する構成としても良い。例えば、ユーザ名D111、D112のユーザに対して、優先度の値が80の優先度グループA、ユーザ名D113のユーザに対して、優先度の値が60の優先度グループBを設定しても良い。
この場合、 第1ユーザ端末20の制御部204は、ユーザごとに設定された優先度グループを特定する優先度グループ識別情報の文字列を、それぞれに対応するユーザのユーザIDとともにサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、受信したユーザIDに基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索して特定されるレコードの優先度又はユーザ属性の項目に、優先度グループ識別情報の文字列を記憶する。なお、不図示のテーブル等において、優先度グループ識別情報のそれぞれに対して優先度の値が関連付けられる。
これにより、複数のユーザのそれぞれに優先度グループが関連付けて記憶される。複数のユーザを優先度グループごとにまとめて効率的に管理することができる。
【0059】
ステップS101において、サーバ10の設定部1042は、応対可能期間取得ステップにおいて取得した応対可能期間を、コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスへ出力する応対可能期間出力ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、不図示の応対可能期間入力欄を入力、編集することにより、ユーザ名D111、D112、D113・・・のそれぞれに対して、応対可能期間を設定することができる構成としても良い。第1ユーザ端末20の制御部204は、入力されたユーザごとの応対可能期間を、それぞれに対応するユーザのユーザIDとともにサーバ10へ送信する。
サーバ10の設定部1042は、受信したユーザIDに基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索して特定されるレコードの応対可能期間の項目に、応対可能期間入力欄の入力値を記憶する。
サーバ10の設定部1042は、ユーザIDと、ユーザIDに関連付けられた応対可能期間のデータを、所定のカレンダーサービスへ送信する。カレンダーサービスは、受信したユーザID、応対可能期間に基づき、ユーザIDにより特定されるユーザのカレンダーに対して、応対可能期間に基づき特定される期間に応対業務に関する予約情報を記憶する。
これにより、本開示にかかるサービスにおいてユーザが登録した応答可能期間を、カレンダーサービスにおける予約情報として反映させることができる。ユーザは、本開示におけるサービスにおいて登録した応答可能期間をカレンダーサービスへ手作業で反映する(転記する)作業を省略することができる。なお、カレンダーサービスは、例えば、Googleカレンダー、Microsoft Outlookなどの外部のカレンダーサービスを含んでもよい。
また、本開示においてはオペレータの応対可能期間が第1ユーザにより入力、編集させる構成を一例として説明したが、それぞれのオペレータが自身の応対可能期間を入力、編集できる構成としても良い。
【0060】
ステップS102において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、設定処理ページに含まれる顧客情報の入力、編集画面を表示させるためのボタンを押下することにより、顧客情報の入力、編集画面(第二画面D2)を表示させるリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10の設定部1042は、顧客テーブル1021を検索し、顧客ID、顧客名、電話番号、顧客グループID、顧客属性を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得した顧客グループIDに基づき、顧客グループテーブル1022の顧客グループIDの項目を検索し、顧客グループ名を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得した顧客ID、顧客名、電話番号、顧客グループ名を含む第二画面D2を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した第二画面D2を、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示させる。
【0061】
図16は、設定処理の動作を示す顧客情報の入力、編集画面例(第二画面D2)である。第二画面D2は、顧客情報ごとに顧客名D211、顧客ごとの電話番号D221、顧客グループ名D231、顧客登録ボタンD24を含む。なお、第二画面D2は、顧客グループ名の代わりに、または、顧客グループ名に加えて、顧客属性や優先度を含む構成としても良い。なお、顧客の顧客属性は、顧客テーブル1021において顧客に関連付けられた顧客属性、顧客グループテーブル1022において顧客グループIDを介して関連付けられた顧客属性のいずれか一方の属性情報、または、両方の属性情報としても良い。
【0062】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客名D211、電話番号D221、顧客グループ名D231、を入力および編集することができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客登録ボタンD24を押下する。第1ユーザ端末20の制御部204は、入力された顧客名D211、電話番号D221、顧客グループ名D231をサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部1042は、顧客テーブル1021の新たなレコードの顧客名、電話番号、顧客グループの項目に、顧客名D211、電話番号D221、顧客グループ名D231、の入力値を記憶する。サーバ10の設定部1042は、顧客IDを新たに採番する。
また、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客テーブル1021に既に記憶された顧客名D211、電話番号D221、顧客グループ名D231を入力および編集できる構成としても良い。これにより、第1ユーザは、顧客情報を入力および編集することができる。また、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客ごとの顧客属性や優先度を入力および編集することができる。
【0063】
サーバ10の設定部1042は、複数の顧客に、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客グループ名D231の入力欄を編集することにより、顧客ごとにそれぞれ顧客グループ名D231に対応する顧客グループIDを関連付けて記憶することができる。
顧客グループIDは、それぞれ、顧客グループテーブル1022を介して顧客属性と関連付けられている。これにより、顧客グループテーブル1022は、複数の顧客のそれぞれに、顧客グループIDを介して顧客属性を関連付けて記憶する。
【0064】
ステップS103において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、設定処理ページに含まれる顧客グループ情報の入力、編集画面を表示させるためのボタンを押下することにより顧客グループ情報の入力、編集画面を表示させるリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10の設定部1042は、顧客グループテーブル1022を検索し、顧客グループID、顧客グループ名、顧客属性を含む顧客グループ情報を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得した顧客グループID、顧客グループ名、顧客属性を並べた画面を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した画面を、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示させる。
【0065】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客グループ名、顧客属性の入力欄を編集することにより、顧客グループ名、顧客属性の値の入力および編集をすることができる。
例えば、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客グループ追加ボタン等を押下することにより新たな顧客グループ情報を顧客グループテーブル1022に登録することができる。
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力された顧客グループ名、顧客属性を、対応する顧客グループの顧客グループIDとともにサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部1042は、受信した顧客グループIDに基づき、顧客グループテーブル1022の顧客グループIDの項目を検索して特定されるレコードの顧客グループ名、顧客属性の項目に、顧客グループ名、顧客属性のそれぞれの入力値を記憶する。これにより、顧客グループ情報を入力および編集することができる。
【0066】
ステップS104において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、設定処理ページに含まれるルール情報の入力、編集画面を表示させるためのボタンを押下することにより、ルール情報の入力、編集画面(第三画面D3)を表示させるリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10の設定部1042は、ルールテーブル1023を検索し、ルールID、ルール内容、ルール条件を含むルール情報を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得したルールIDに基づき顧客グループテーブル1022のルールIDの項目を検索し、顧客グループID、顧客グループ名を取得する。サーバ10の設定部1042は、取得した複数のルール情報ごとに、当該ルール情報が関連付けられている顧客グループ名と関連付けて表示する第三画面D3を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した第三画面D3を、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示させる。
【0067】
図17は、設定処理の動作を示すルール情報の入力、編集画面例(第三画面D3)である。第三画面D3は、複数のルール情報D301、D302、D303・・・、複数のルール情報ごとのルール名D311、D312、D313・・・、それぞれのルール情報に関連付けられた顧客グループ名D321、D322、D323・・・、カレンダーD33、それぞれのルール情報ごとのルール条件に含まれる応対ルールの適用期間D331、D332、D333・・・、ルール登録ボタンD34を含む。なお、ルール情報はルール内容またはルール条件に含まれる情報から構成されるようにすることが好ましい。
第1ユーザは、ルール登録ボタンD34を押下することにより表示されるダイアログに含まれるルール内容、ルール条件を入力可能な入力欄に所定の値を入力することにより、新たな応対ルールをルールテーブル1023に登録することができる。
【0068】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、応対ルールが適用される適用期間が識別可能な態様で提示するルール提示ステップを実行する。例えば、顧客からの着信がユーザへ接続可能な適用期間が識別可能な態様で提示される。
具体的に、第三画面D3において、カレンダーの日時を軸として複数のルール情報D301、D302、D303・・・のそれぞれの適用期間D331、D332、D333・・・は、ルール情報が適用されない期間D341、D342、D343・・・と異なる色で描画される。これにより、応対ルールが適用される適用期間D331、D332、D333・・・が、第1ユーザに対して視覚的に識別可能な態様で提示される。
【0069】
ルール提示ステップは、ルール記憶ステップにおいてルールテーブル1023に記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、ルール記憶ステップにおいて関連付けて記憶された属性や日時と関連付けて提示するステップと、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、応対ルールが適用される適用期間がカレンダーと重なるように提示するステップと、を含む。
具体的に、第三画面D3において、複数のルール情報D301、D302、D303・・・は、日時に対する軸として顧客グループ名D321、D322、D323・・・等の各ルールに関連する属性と関連付けて提示される。なお、顧客グループ名D321、D322、D323・・・の代わりに、または、顧客グループ名に加えて、顧客属性やユーザ属性等の属性や所定のフラグ等を含む構成としても良い。
これにより、複数のルール情報D301、D302、D303・・・のそれぞれが、どのような顧客属性と関連付けられているか、第1ユーザは視覚的に確認することができる。
また、複数のルール情報D301、D302、D303・・・の適用期間D331、D332、D333・・・は、カレンダーD33と重ねた表示態様で第1ユーザに対して提示される。
これにより、第1ユーザは、日時を軸として所定の属性、グループまたはフラグ等の管理対象ごとに適用される複数の応対ルールと、応対ルールごとの適用期間をカレンダーと重ねて視覚的に認知しやすい態様で確認することができる。なお、適用期間D331、D332、D333・・・が何れも適用されていない期間が存在する場合や、適用期間D331、D332、D333・・・の適用が重畳している場合には、カレンダー上に警告表示を行うようにしてもよい。例えば、ルール情報が適用されない期間D341、D342、D343・・・等において赤やオレンジ等の警告色による矩形表示を行ってもよい。
【0070】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、複数の顧客属性の少なくとも一部に、応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、顧客グループ名D321、D322、D323・・・の入力欄に、応対ルールに関連付ける顧客グループ情報の顧客グループ名を入力、編集することにより、ルール情報に関連付ける顧客グループ情報を入力、編集することができる。なお、応対ルールに関連付ける情報としては顧客グループ名には限定されず、顧客からの着信日時に応対するユーザーを特定するための一つ以上の情報を指定することが可能であればよい。例えば、顧客テーブル1021、顧客グループテーブル1022、ユーザテーブル1012に含まれる顧客ID、顧客属性、顧客グループID、顧客属性、ユーザ属性、優先度等の任意の情報に対する条件を応対ルールに含めることができる。
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力、編集された顧客グループ名に対応する顧客グループIDを、入力および編集対象のルール情報のルールIDとともにサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部1042は、受信したルールIDに基づいてルールテーブル1023のルールIDの項目を検索して特定されるレコードのルール条件の項目に顧客グループ情報に関する条件を記憶する。これにより、顧客グループIDにより特定される顧客グループ情報の顧客属性と、ルール情報が関連付けて記憶される。
【0071】
ステップS104において、ルール記憶ステップは、応対ルールのそれぞれに、応対ルールを適用する適用期間を関連付けて記憶するステップを含む。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、適用期間D331、D332、D333・・・を入力、編集することにより、ルール情報の適用期間を入力、編集することができる。例えば、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、適用期間D331、D332、D333・・・の右端または左端を選択し、移動させることによりカレンダーD33における、適用期間D331、D332、D333・・・の適用範囲を視覚的に編集することができる。
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力、編集された適用期間を、編集対象のルール情報のルールIDとともにサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部1042は、受信したルールIDに基づき、ルールテーブル1023のルールIDの項目を検索して特定されるレコードのルール条件の項目に受信した適用期間に関する情報を記憶する。これにより、第1ユーザは、ルールテーブル1023に記憶されたそれぞれの応対ルールの適用期間を編集することができる。
【0072】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、ルール記憶ステップにおいて記憶された応対ルールのそれぞれに関連付けて記憶された適用期間において、応対可能なユーザが存在しない場合に、応対可能なユーザが存在しないことを示す通知を行う通知ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の設定部1042は、ルール情報D301、D302、D303・・・ごとに、適用期間D331、D332、D333・・・に基づき、ユーザテーブル1012の応対可能期間の項目を検索し、適用期間D331、D332、D333・・・の期間内に応対可能期間が含まれる、顧客からの着信に対して応対可能なユーザが存在するか否かの判定を行う。
なお、サーバ10の設定部1042は、応対可能なユーザの存在を検索する際に、ルール情報D301、D302、D303・・・のルール内容に所定の優先度以上のユーザのみに着信させるといったルールが含まれている場合には、適用期間の範囲内において、所定の優先度以上のユーザが存在するか否かの判定を行う。
サーバ10の設定部1042は、ユーザが存在しないと判定された場合に、応対可能なユーザが存在しないことを示すメッセージを第1ユーザに対して通知する。
また、第三画面D3において、応対可能なユーザが存在しない適用期間D3311、D3321、D3331・・・は、適用期間D331、D332、D333・・・とは異なる色で描画される。これにより、応対可能なユーザが存在しない適用期間が、第1ユーザに対して視覚的に識別可能な態様で提示される。これにより、第1ユーザは、応対可能なユーザが存在しない期間を視覚的に直感的に確認することができる。例えば、第1ユーザは、ルールを調整する、または、ユーザの勤務シフトを調整することにより応対可能なユーザが存在しない適用期間が生じないように調整することができる。
【0073】
ステップS104において、ルール記憶ステップは、所定の顧客からの着信を所定のユーザに接続させる応対ルールを記憶するステップ、応対ルールのそれぞれに接続させるユーザの優先度に関する条件を関連付けて記憶するステップを含む。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ルール情報D301、D302、D303・・・を選択操作することにより、ルール情報ごとのルール内容を入力、編集するためのダイアログを表示させることができる。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、ルール情報ごとに、顧客からの着信に対して、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザに接続させる処理を実行するか否か、不在時の自動応答音声等を顧客に対して再生するか否か等の実行する処理を設定することができる。
また、ルール情報D301、D302、D303・・・ごとにルール内容を記憶することにより、所定の顧客から着信があった場合に所定のルール情報またはルール条件に基づき、当該顧客からの着信を接続させる所定のユーザが特定されるような応対ルールを設定することができる。なお、顧客からの着信に対して複数のルールが適用可能である場合には、事前に決められたルール優先度に基づいて適用する1または複数のルールを特定し、当該特定されたルールに基づき所定のユーザーを特定するようにしてもよい。また適用されるルールは、第三画面D3において上位に表示されているルールをルール優先度が高いルールとして適用してもよい。
また、ルール情報ごとのルール内容として、顧客からの着信をユーザに接続させる処理を実行する際に、所定の優先度以上のユーザのみに着信させるといった応対ルールを含めても良い。これにより、例えば、優良顧客に対して優先度が所定値以上のユーザのみを接続させることができる。同様に、顧客からの着信を所定の優先度グループのユーザのみに着信させるといった応対ルールを含めても良い。
【0074】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、接続されるユーザの優先度ごとに識別可能な態様で提示する優先度提示ステップを実行する。
具体的に、第三画面D3において、複数のルール情報D301、D302、D303・・・について、適用期間D331、D332、D333・・・のそれぞれに応対可能なユーザが存在する場合において、当該応対可能なユーザの優先度の値に応じて、適用期間D331、D332、D333・・・の色を異なる色で視覚的に識別可能な態様で描画しても良い。なお、適用期間D331、D332、D333・・・ごとに複数の応対可能なユーザが存在する場合には、ユーザごとの優先度のうち、最大または最小の値を適用期間D331、D332、D333・・・の優先度としても良い。
例えば、優先度の値に応じて、適用期間D331、D332、D333・・・の透過度を設定しても良い。例えば、優先度が低いほど、適用期間D331、D332、D333・・・の透過度を高い値に設定しても良い。これにより、優先度が低い適用期間D331、D332、D333・・・は視覚的に色が薄い描画オブジェクトとして描画される。
また、適用期間D331、D332、D333・・・に重ねて、優先度の値D3312、D3322、D3332・・・を描画しても良い。これにより、複数の適用期間D331、D332、D333・・・ごとに、第1ユーザは、応対可能なユーザの優先度の値を関連付けて視覚的に識別可能な態様で確認することができる。
これにより、第1ユーザは、応対ルール、適用期間ごとにどのような優先度のユーザが割り当てられているのか、視覚的に確認することができる。なお、複数の応対可能なユーザが存在する場合には、複数の応対可能なユーザの優先度のうち最小値を提示することにより、第1ユーザは、顧客に対して割り当てられた応対可能なユーザの優先度の最小値を確認することができる。
【0075】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、属性記憶ステップにおいて記憶された複数の顧客属性のそれぞれを、顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度に関する情報と関連付けて提示する属性提示ステップを実行する。
第三画面D3において、複数のルール情報D301、D302、D303・・・について、優先度の値D3312、D3322、D3332・・・を描画することにより、顧客グループ名D321、D322、D323・・・(顧客属性)ごとに、第1ユーザは、応対可能なユーザの優先度の値を視覚的に確認することができる。なお、ルール情報において優先度の値以外の値を表示するようにしてもよい。例えば、ルール条件の一部の情報や、ルールに関する注意事項等のメモを表示してもよい。また、具体的な情報の表示に変えて色彩や図形等を用いて、又は組み合わせて表示してもよい。
これにより、顧客属性が優良顧客である顧客に対して優先度が所定値以下(例えば、「優先度60」)のユーザのみが応対可能である状態を視覚的に確認することができるとともに、他のユーザ(例えば、「優先度80」)の応対可能期間(勤務シフト)を調整することにより、優良顧客からの着信に対して優先度が所定値以上の好適なユーザのみを接続させるようにすることができる。
【0076】
ステップS104において、サーバ10の設定部1042は、属性記憶ステップにおいて記憶された複数の顧客属性のそれぞれを、顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度グループと関連付けて提示する属性提示ステップを実行する。
具体的に、第三画面D3において、複数のルール情報D301、D302、D303・・・について、優先度の値D3312、D3322、D3332・・・に替えて、応対可能なユーザの優先度グループを提示しても良い。例えば、適用期間D331、D332、D333・・・ごとに複数の応対可能なユーザが存在する場合には、複数のユーザに関連付けられた複数の優先度グループのうち、優先度が最大または最小の優先度グループを採用しても良い。
例えば、複数の応対可能なユーザの優先度グループのうち、優先度が最小の優先度グループを提示することにより、第1ユーザは、顧客属性ごとに応対可能なユーザの優先度が最小の優先度グループを確認することができる。
これにより、顧客属性が優良顧客の顧客に対して優先度が所定値以下の優先度グループ(例えば、「ランクC」)のユーザのみが応対可能である状態を視覚的に確認することができるとともに、他の優先度が所定値以上の優先度グループ(例えば、「ランクA」)に関連付けられたユーザの応対可能期間(勤務シフト)を調整することにより、優良顧客に対して優先度が所定値以上の好適なユーザのみを接続させるようにできる。
【0077】
なお、本開示において、設定処理は、オペレータ情報の入力および編集、顧客情報の入力および編集、顧客グループ情報の入力および編集、ルール情報の入力および編集の順番で処理を実行する構成を一例として開示したがこれに限られない。例えば、オペレータ情報の入力および編集、顧客情報の入力および編集、顧客グループ情報の入力および編集、ルール情報の入力および編集は、それぞれ個別の独立した処理として任意のタイミングで実行できる構成としても構わない。また、これらの処理の実行順序は前後しても構わない。
【0078】
<対話処理>
第1ユーザ(オペレータ)が第2ユーザ(顧客)から着信(受電)する着信処理、第1ユーザ(オペレータ)から第2ユーザ(顧客)に対し発信(架電)する発信処理により第1ユーザおよび第2ユーザが対話可能な状態となる処理を以下に説明する。
その他、第1ユーザと、第2ユーザとが対話可能状態となる方法はこれらに限られない。例えば、第1ユーザが第2ユーザとの間で対話を行う処理として、ルームとよばれる仮想的な対話空間において複数のユーザ間で対話を行う処理をルーム対話処理として説明する。
本開示にかかる発明は、着信処理、発信処理、任意の方法により、第1ユーザと、第2ユーザとが対話可能状態となる方法に対して適用可能である。
【0079】
<着信処理>
着信処理は、ユーザが顧客から着信(受電)する処理である。
【0080】
<着信処理の概要>
着信処理は、ユーザが第1ユーザ端末20においてアプリケーションを立ち上げている場合に、顧客がユーザに対して発信した場合に、顧客に適用する応対ルールを特定し、特定した応対ルールに基づく着信判定処理を実行し、判定結果に応じてユーザに接続する処理を実行する一連の処理である。
なお、本開示においては、電話による着信処理を一例として説明するが、任意のオンライン対話サービス等を利用した着信処理に対しても適用可能である。
【0081】
<着信処理の詳細>
ユーザが顧客から着信(受電)する場合におけるシステム1の着信処理について説明する。
【0082】
ユーザが顧客から着信する場合、システム1において以下の処理が実行される。
【0083】
ステップS301において、ユーザは第1ユーザ端末20を操作することにより、ウェブブラウザを起動し、CRMシステム50が提供するCRMサービスのウェブサイトへアクセスする。このとき、ユーザはウェブブラウザにおいて、自身のアカウントにてCRMシステム50にログインし待機しているものとする。なお、ユーザはCRMシステム50にログインしていれば良く、CRMサービスにかかる他の作業などを行っていても良い。
【0084】
ステップS302において、顧客は、第2ユーザ端末30を操作し、音声サーバ(PBX)50に割り当てられた所定の電話番号を入力し、音声サーバ(PBX)50に対して発信する。音声サーバ(PBX)50は、第2ユーザ端末30の発信を着信イベントとして受信する。
音声サーバ(PBX)50は、サーバ10に対し、着信イベントを送信する。具体的には、音声サーバ(PBX)50は、サーバ10に対して顧客の電話番号3011を含む着信リクエストを送信する。
【0085】
ステップS303において、サーバ10の制御部104は、所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、受信した顧客の電話番号3011に基づき、顧客テーブル1021の電話番号の項目を検索し、顧客ID、顧客名、顧客グループIDを含む顧客情報を取得する。
【0086】
なお、本開示においては顧客の電話番号3011に基づき、第2ユーザを特定する構成を一例として開示したがそれに限られない。例えば、任意のオンライン対話サービス等において、第2ユーザから受信した任意の識別情報(第2ユーザID3011等)に基づき、顧客テーブル1021における顧客情報を特定する構成としても構わない。この場合も特定された顧客情報に基づきステップS303~S306が実行される構成としても良い。
オンライン対話サービスは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、LINE、WhatsApp、Skype、WeChat、Slack、Chatwork、Facebook Messenger等を含む。
【0087】
ステップS303において、サーバ10の制御部104は、通信受付ステップにおいて受け付けた所定の顧客からの通信に応じて、属性記憶ステップにおいて所定の顧客に関連付けて記憶された所定の顧客属性に基づき、ルール記憶ステップにおいて所定の顧客属性に関連付けて記憶された所定の応対ルールを特定するルール特定ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、取得した顧客情報、当該顧客に関連付けられた顧客グループ情報に基づき、ルールテーブル1023のルール条件の項目を検索し、当該顧客情報、当該顧客グループ情報をルール条件が満たすルール情報のルールIDを取得する。サーバ10の制御部104は、取得したルールIDに基づき、ルールテーブル1023のルールIDの項目を検索し、ルール内容、ルール条件を含むルール情報を取得し、特定する。
サーバ10の制御部104は、複数のルール情報が特定された場合には、複数のルール情報のうち最新の1のルール情報のみ特定しても良いし、複数のルール情報のルール条件、ルール内容の論理積、論理和等を、ルール条件、ルール内容として特定しても良い。
【0088】
<着信判定処理(第一実施形態)>
ステップS304において、サーバ10の制御部104は、ルール特定ステップにおいて特定された所定の応対ルールに基づき、所定の顧客から受け付けた通信に対する処理を行う通信処理ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、顧客からの着信を取得した際の日時や顧客属性等がルール条件を満たしているか否かを判定する。サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていると判定した場合に、ルール内容に記憶された処理を実行する。一方、サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていないと判定した場合に、ルール内容に記憶された処理を実行しない。
【0089】
通信処理ステップは、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれる場合に、所定の応対ルールに基づき通信に対する処理を行うステップと、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれない場合に、所定の応対ルールに基づき通信に対する処理とは異なる処理を行うステップと、を含む。
具体的に、サーバ10の制御部104は、ルール条件が応対ルールを適用する適用期間に関する条件を含む場合において、着信日時が適用期間に含まれている場合にルール条件を満たしていると判定する。一方、サーバ10の制御部104は、着信日時が適用期間に含まれていない場合にルール条件を満たしていないと判定する。
【0090】
ステップS304において、通信処理ステップは、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれる場合に、所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる処理を行うステップと、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれない場合に、所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる処理とは異なる処理を行うステップと、を含む。
具体的に、サーバ10の制御部104は、ルール内容が顧客からの着信をユーザに接続させる処理を含んでいる場合において、ルール条件を満たしていると判定した場合に、顧客からの着信をユーザに接続させる処理を実行する。一方、サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていないと判定した場合に、顧客からの着信をユーザに接続させない処理を実行する。
なお、サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていないと判定した場合に、顧客に対して自動応答音声等を再生しても良い。その他、サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていないと判定した場合に、処理を実行しない場合としても良い。なお、着信に対する処理とは異なる処理とは、所定の顧客からの着信を所定のユーザに接続させる処理を実行しない処理であれば任意の処理を含み、例えば、処理を実行しない場合(何もしない処理)も含む。
【0091】
ステップS304において、通信処理ステップは、所定の顧客からの通信を接続可能な複数のユーザ候補を特定するステップと、複数のユーザ候補のうち、所定の顧客からの通信日時が応対可能期間に含まれる1または複数のユーザ候補を特定するステップと、1または複数のユーザ候補の優先度に基づき、所定のユーザに接続される処理を行うステップと、を含む。
具体的に、サーバ10の制御部104は、顧客からの通信日時に基づき、ユーザテーブル1012の応対可能期間を検索し、顧客からの着信日時を応対可能期間に含む1または複数のユーザ候補のユーザID、優先度を含むユーザ情報を取得する。
サーバ10の制御部104は、複数のユーザ情報を取得した場合において、最も優先度が高いユーザを顧客からの着信を接続させる所定のユーザとして特定しても良い。また、現在通話中で顧客からの着信に応答できないユーザを除外して、所定のユーザを特定しても良い。
【0092】
ステップS304において、通信処理ステップは、所定の応対ルールに関連付けられて記憶された優先度に基づき、所定のユーザに接続させる処理を行うステップを含む。
具体的に、サーバ10の制御部104は、取得したルール内容に所定の優先度以上のユーザのみに着信させるといった応対ルールが含まれている場合には、複数のユーザ候補のうち、所定の優先度以上のユーザ候補の中から、顧客からの着信を接続させる所定のユーザを特定しても良い。
【0093】
なお、サーバ10の制御部104は、取得した複数のユーザ候補から、ランダム、または、ユーザごとの忙しさに関する繁忙度等の指標を考慮して、顧客からの着信を接続させる所定のユーザを特定しても構わない。
【0094】
<着信判定処理(第二実施形態)>
ステップS304において、サーバ10の制御部104は、所定のユーザが顧客との対話に応対可能な応対可能期間を、コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスから取得する応対可能期間取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、ユーザテーブル1012を検索しユーザ候補のユーザIDを取得する。なお、サーバ10の制御部104は、取得したルール内容に所定の優先度以上のユーザのみに着信させるといった応対ルールが含まれている場合には、複数のユーザ候補のうち、所定の優先度以上のユーザ候補の中から、顧客からの着信を接続させる所定のユーザを特定しても良い。
サーバ10の制御部104は、取得したユーザ候補のユーザIDに基づき、外部のカレンダーサービスに、ユーザIDごとの予定情報を取得するためのリクエストを送信する。なお、サーバ10の設定部1042は、取得したユーザIDごとの応対可能期間を取得するためのリクエストを外部のカレンダーサービスに送信する構成としても良い。
外部のカレンダーサービスは、リクエストを受信すると受信したユーザIDに基づき、当該ユーザIDと関連付けられて記憶されている予定情報を取得しサーバ10へ送信する。予定情報は、予定のタイトルテキスト、説明テキスト、開催期間(開始日時、終了日時)、参加者の情報、開催場所、優先度、公開可否等の情報を含む。
【0095】
応対可能期間取得ステップは、カレンダーサービスにおいてユーザに関連付けて記憶された予定情報の内容に基づき、応対可能期間を取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、外部のカレンダーサービスから取得した予約情報に含まれるタイトルテキストまたは説明テキストに「応対可能期間」等の所定の文字列を含む予約情報を、ユーザの応対可能期間に関する予約情報として特定する。サーバ10の制御部104は、特定した予約情報の開催期間を、当該予約情報の応対可能期間として特定する。これにより、サーバ10の制御部104は、ユーザごとの予約情報に基づき、ユーザごとの応対可能期間を特定することができる。なお、本開示においては一例として、タイトルテキストまたは説明テキストに基づき、応対可能期間に関する予約情報を特定する構成を一例として開示したが、予約情報に含まれる任意の情報を解析することにより、ユーザごとの応対可能期間を特定する構成としても構わない。
【0096】
なお、外部のカレンダーサービスは、ユーザIDごとの応対可能期間を取得するためのリクエストに応じて、ユーザIDごとの応対可能期間に関する情報をサーバ10へ直接送信する構成としても構わない。この場合、サーバ10の制御部104は、予約情報を解析することなく、ユーザ候補のユーザIDごとの応対可能期間を取得することができる。
【0097】
サーバ10の設定部1042は、顧客からの通信日時と、ユーザ候補のユーザIDごとの応対可能期間を比較し、応対可能期間に顧客からの通信日時が含まれるユーザ候補のユーザIDの中から、顧客からの通信を接続させる所定のユーザを特定する。
着信判定処理(第一実施形態)と同様に、ルール条件の優先度、ユーザ候補の優先度を考慮して、顧客からの通信を接続させる所定のユーザを特定する構成としても構わない。
【0098】
本開示においては、顧客からの着信を接続させる所定のユーザとして第1ユーザが特定される場合を一例として開示する。なお、顧客からの着信を接続させる所定のユーザは、第1ユーザである必要はなく、ユーザテーブル1012に記憶された任意のユーザ(オペレータ)を接続対象として特定しても構わない。
【0099】
サーバ10は、CRMシステム50を介して第1ユーザ端末20に対して着信リクエストを送信する。
これに伴い、第1ユーザ端末20は、スピーカ2082などを制御し音声サーバ(PBX)50により着信が行われている旨を示す鳴動を行う。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、音声サーバ(PBX)50により顧客から着信があること旨を示す情報を表示する。例えば、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、「着信中」という文字を表示してもよい。
【0100】
サーバ10の制御部104は、ルール条件を満たしていないと判定した場合、顧客からの着信を接続させる所定のユーザが存在せず特定できなかった場合は処理を終了する。なお、この場合、サーバ10の制御部104は、顧客の第2ユーザ端末30に対して、不在時の自動応答音声、ルール条件の適用期間に基づき、応対可能期間を案内するメッセージ音声を出力しても良い。
【0101】
ステップS305において、第1ユーザ端末20は、ユーザによる応答操作を受付ける。応答操作は、例えば、第1ユーザ端末20において不図示の受話器を持ち上げたり、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に「電話に出る」と表示されたボタンを、ユーザがマウス2066を操作して押下する操作などにより実現される。
第1ユーザ端末20は、応答操作を受付けると、音声サーバ(PBX)50に対し、CRMシステム50、サーバ10を介して応答リクエストを送信する。音声サーバ(PBX)50は、送信されてきた応答リクエストを受信し、音声通信を確立する。これにより、第1ユーザ端末20は、第2ユーザ端末30と対話可能状態となる。
第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、対話が行われていることを示す情報を表示する。例えば、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、「対話中」という文字を表示してもよい。
【0102】
<対話記憶処理>
ステップS306において対話記憶処理が実行される。対話記憶処理は、ユーザと顧客との間で行われる対話に関するデータを記憶する処理である。
【0103】
<対話記憶処理の概要>
対話記憶処理は、ユーザと顧客との間で対話が開始された場合に、対話に関するデータを対話テーブル1014に記憶する一連の処理である。
【0104】
<対話記憶処理の詳細>
ユーザと顧客との間で対話が開始されると、音声サーバ(PBX)50は、ユーザと顧客との間で行われる対話に関する音声データを録音し、サーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、音声データを受信すると、対話テーブル1014に新たなレコードを作成し、ユーザと顧客との間で行われる対話に関するデータを記憶する。具体的に、サーバ10の制御部104は、ユーザID、顧客ID、対話カテゴリ、受発信種別、音声データの内容を対話テーブル1014の新たなレコードに記憶する。
【0105】
サーバ10の制御部104は、発信処理または着信処理において第1ユーザ端末20から、ユーザの第1ユーザID2011を取得し、対話テーブル1014の新たなレコードのユーザIDの項目に記憶する。
サーバ10の制御部104は、発信処理または着信処理において電話番号に基づきCRMシステム50へ問い合わせを行なう。CRMシステム50は、顧客テーブル5012を電話番号により検索することにより、顧客IDを取得し、サーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、取得した顧客IDを対話テーブル1014の新たなレコードの顧客IDの項目に記憶する。
サーバ10の制御部104は、予めユーザまたは顧客ごとに設定された対話カテゴリの値を、対話テーブル1014の新たなレコードの対話カテゴリの項目に記憶する。なお、対話カテゴリは、対話ごとにユーザが値を選択、入力することにより記憶しても良い。
サーバ10の制御部104は、行われている対話がユーザにより発信したものか、顧客から発信されたものかを識別し、対話テーブル1014の新たなレコードの受発信種別の項目にアウトバウンド(ユーザから発信)、インバウンド(顧客から発信)のいずれかの値を記憶する。
【0106】
サーバ10の制御部104は、音声サーバ(PBX)50から受信する音声データを、対話テーブル1014の新たなレコードの音声データの項目に記憶する。なお、音声データは他の場所に音声データファイルとして記憶し、対話終了後に、音声データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。また、サーバ10の制御部104は、対話終了後に音声データを記憶する構成としても良い。
【0107】
また、ビデオ対話サービスにおいては、サーバ10の制御部104は、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30のから受信する動画データを、対話テーブル1014の新たなレコードの動画データの項目に記憶する。なお、動画データは他の場所に動画データファイルとして記憶し、対話終了後に、動画データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。また、サーバ10の制御部104は、対話終了後に動画データを記憶する構成としても良い。
【0108】
サーバ10の制御部104は、受付ステップにおいて受け付けた音声データから、発話区間ごとに複数の区間音声データを抽出する音声抽出ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の制御部104は、対話テーブル1014に記憶された対話ID、音声データ、動画データを取得する(受け付ける)。サーバ10の制御部104は、取得(受付)した音声データ、動画データから、発話音声が連続して存在する区間(発話区間)を検出し、発話区間のそれぞれに対して音声データ、動画データを、それぞれ、区間音声データ、区間動画データとして抽出する。例えば、音声データ、動画データを、発話音声がない無言区間により分割することにより、区間音声データ、区間動画データを抽出しても良い。また、音声データ、動画データに含まれる発話内容について、分節、文、段落等の文章単位で、音声データ、動画データを分割することにより、区間音声データ、区間動画データを抽出しても良い。区間音声データ、区間動画データは、発話区間ごとに話者のユーザID、発話区間の開始日時、発話区間の終了日時と関連づけられる。
サーバ10の制御部104は、抽出された区間音声データ、区間動画データの発話内容に対してテキスト認識を行うことにより、区間音声データ、区間動画データを文字(テキスト)である区間読上テキストに変換し、文字に起こす。なお、テキスト認識の具体的手法は特に限定されない。例えば信号処理技術、AI(人工知能)を利用した機械学習や深層学習等によって変換してもよい。
【0109】
サーバ10の制御部104は、処理対象の対話ID、話者のユーザID(第1ユーザID2011または第2ユーザID3011)、開始日時、終了日時、区間音声データ、区間動画データ、区間読上テキストを、それぞれ、音声区間テーブル1016の新たなレコードの対話ID、話者ID、開始日時、終了日時、区間音声データ、区間動画データ、区間読上テキストの項目に記憶する。
【0110】
音声区間テーブル1016には、音声データの発話区間ごとの区間読上テキストが、開始日時、話者と関連づけられ連続的な時系列データとして記憶される。ユーザは、音声区間テーブル1016に記憶された区間読上テキストを確認することにより、音声データの内容を確認することなしにテキスト情報として対話内容を確認できる。
【0111】
なお、テキスト認識処理の際に、予めテキストに含まれるフィラーなどのユーザと顧客との間で行われた対話を把握する上で無意味な情報をテキストから除外して、音声認識情報を音声区間テーブル1016に記憶する構成としても良い。
【0112】
<発信処理>
発信処理は、ユーザ(第1ユーザ)から顧客(第2ユーザ)に対し発信(架電)する処理である。
【0113】
<発信処理の概要>
発信処理は、ユーザは第1ユーザ端末20の画面に表示された複数の顧客のうち発信を希望する顧客を選択し、発信操作を行うことにより、顧客に対して発信を行なう一連の処理である。本開示においては、顧客として第2ユーザを選択する場合を一例として説明する。
【0114】
<発信処理の詳細>
ユーザから顧客に発信する場合におけるシステム1の発信処理について説明する。
【0115】
ユーザが顧客に発信する場合、システム1において以下の処理が実行される。
【0116】
ユーザは第1ユーザ端末20を操作することにより、ウェブブラウザを起動し、CRMシステム50が提供するCRMサービスのウェブサイトへアクセスする。ユーザは、CRMサービスが提供する顧客管理画面を開くことにより自身の顧客を第1ユーザ端末20のディスプレイ2081へ一覧表示できる。
具体的に、第1ユーザ端末20は、CRMID2013および顧客を一覧表示する旨のリクエストをCRMシステム50へ送信する。CRMシステム50は、リクエストを受信すると、顧客テーブル5012を検索し、顧客ID、氏名、電話番号、顧客属性、顧客組織名、顧客組織属性などのユーザの顧客に関する情報を第1ユーザ端末20に送信する。第1ユーザ端末20は、受信した顧客に関する情報を第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
【0117】
ユーザは、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に一覧表示された顧客から発信を希望する顧客(第2ユーザ)を押下し選択する。顧客が選択された状態で、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された「発信」ボタンまたは、電話番号ボタンを押下することにより、CRMシステム50に対し電話番号を含むリクエストを送信する。リクエストを受信したCRMシステム50は、電話番号を含むリクエストをサーバ10へ送信する。リクエストを受信したサーバ10は、音声サーバ(PBX)50に対し、発信リクエストを送信する。音声サーバ(PBX)50は、発信リクエストを受信すると、受信した電話番号に基づき第2ユーザ端末30に対し発信(呼出し)を行う。
【0118】
これに伴い、第1ユーザ端末20は、スピーカ2082などを制御し音声サーバ(PBX)50により発信(呼出し)が行われている旨を示す鳴動を行う。また、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、音声サーバ(PBX)50により顧客に対して発信(呼出し)が行われている旨を示す情報を表示する。例えば、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、「呼出中」という文字を表示してもよい。
【0119】
顧客は、第2ユーザ端末30において不図示の受話器を持ち上げたり、第2ユーザ端末30の入力装置306に着信時に表示される「受信」ボタンなどを押下することにより、第2ユーザ端末30は対話可能状態となる。これに伴い、音声サーバ(PBX)50は、第2ユーザ端末30による応答がなされたことを示す情報(以下、「応答イベント」と呼ぶ)を、サーバ10、CRMシステム50などを介して第1ユーザ端末20に送信する。
これにより、ユーザと顧客は、それぞれ第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30を用いて対話可能状態となり、ユーザと顧客との間で対話できるようになる。具体的には、第1ユーザ端末20のマイク2062により集音されたユーザの音声は、第2ユーザ端末30のスピーカ3082から出力される。同様に、第2ユーザ端末30のマイク3062から集音された顧客の音声は、第1ユーザ端末20のスピーカ2082から出力される。
【0120】
第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、対話可能状態になると、応答イベントを受信し、対話が行われていることを示す情報を表示する。例えば、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081は、「応答中」という文字を表示してもよい。
【0121】
<ルーム対話処理>
サーバ10上に、第1ユーザと第2ユーザとの間で対話を行うためのルームとよばれる仮想的な対話空間を作成し、第1ユーザおよび第2ユーザが当該ルームへ第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30に記憶されたウェブブラウザまたはアプリケーションプログラムを介してアクセスすることにより対話可能状態となる方法がある。この場合、音声サーバ(PBX)50は不要な構成となる。
具体的には、対話の主催者となる第1ユーザが第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、サーバ10へ対話開催に関するリクエストを送信する。サーバ10の制御部104は、リクエストを受信するとユニークなルームIDなどのルーム識別情報を発行し、第1ユーザ端末20へレスポンスを送信する。第1ユーザは、受信したルーム識別情報を、対話相手である第2ユーザへメール、チャットなど任意の通信手段により送信する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、ウェブブラウザなどでサーバ10のルームに関するサービスを提供するURLへアクセスし、ルーム識別情報を入力することによりルームに入室できる。同様に、第2ユーザは第2ユーザ端末30の入力装置306を操作し、ウェブブラウザなどでサーバ10のルームに関するサービスを提供するURLへアクセスし、ルーム識別情報を入力することによりルームに入室できる。これにより、第1ユーザと第2ユーザとはルーム識別情報により関連付けられたルームとよばれる仮想的な対話空間内で、それぞれ第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30を介して対話を行うことができる。
ルーム識別情報を入力することにより、第1ユーザ、第2ユーザに加えて、他の1または複数のユーザが1つのルームに入室できる。これにより、三者以上の複数のユーザは、ルーム識別情報により関連付けられたルームとよばれる仮想的な対話空間内で、それぞれのユーザ端末を介して対話を行うことができる。
【0122】
ルーム対話処理においては、第2ユーザからの着信を、着信処理における電話番号ではなく第2ユーザ識別情報等により特定することができる。ルーム対話処理においても、第2ユーザ識別情報により第2ユーザを特定し、着信処理におけるステップS303、S304と同様の処理を実行することにより、ルール条件を判定し、ルール内容に基づき第2ユーザのルームへの入室可否を判定および許否する処理を実行することができる。
また、ルール内容に応じて所定のユーザ(オペレータ)の情報処理端末をルームへ入室するよう制御しても良い。これにより、第2ユーザの入室に応じて、所定のオペレータをルームへ入室させることにより顧客と、オペレータとの対話を実現することができる。
【0123】
<動画対話>
本開示におけるシステム1は、動画データを含むオンライン対話サービス(ビデオ対話サービス)を提供しても良い。例えば、第1ユーザ端末20の制御部204、第2ユーザ端末30の制御部304は、それぞれ、第1ユーザ端末20のカメラ2061、第2ユーザ端末30のカメラ3061により撮影された動画データをサーバ10へ送信する。
サーバ10は、受信した動画データに基づき、第1ユーザ端末20のカメラ2061により撮影された動画データを第2ユーザ端末30へ、第2ユーザ端末30のカメラ3061により撮影された動画データを第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した第2ユーザ端末30のカメラ3061により撮影された動画データをディスプレイ2081に表示する。第2ユーザ端末30の制御部304は、受信した第1ユーザ端末20のカメラ2061により撮影された動画データをディスプレイ3081に表示する。
サーバ10は、オンライン対話に参加している一部またはすべての複数のユーザの動画データを第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30へ送信しても良い。この場合、第1ユーザ端末20の制御部204は、受信したオンライン対話に参加している一部またはすべての複数のユーザの動画データを一画面に並べて第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。これにより、オンライン対話に参加している複数のユーザの対話状況を確認できる。第2ユーザ端末30においても同様の処理を実行しても良い。
【0124】
発信処理、ルーム対話処理においても、ユーザと顧客との間で対話が開始された場合に、着信処理と同様に対話記憶処理を実行する。対話記憶処理は、着信処理のステップS306と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
ルーム対話処理は、本開示にかかる情報処理サービスとは異なる事業者が運営するオンライン会議サービス等により実行されても構わない。オンライン会議サービスは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams等を含む。
【0126】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図18は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0127】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0128】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0129】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0130】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0131】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0132】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図18)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0133】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0134】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0135】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0136】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示にかかる情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0137】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0138】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0139】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0140】
(付記1)
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、プロセッサが、複数の顧客に、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップ(S102)と、複数の顧客属性の少なくとも一部に、応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップ(S104)と、所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップ(S303)と、通信受付ステップにおいて受け付けた所定の顧客からの通信に応じて、属性記憶ステップにおいて所定の顧客に関連付けて記憶された所定の顧客属性に基づき、ルール記憶ステップにおいて所定の顧客属性に関連付けて記憶された所定の応対ルールを特定するルール特定ステップ(S303)と、ルール特定ステップにおいて特定された所定の応対ルールに基づき、所定の顧客から受け付けた通信に対する処理を行う通信処理ステップ(S304)と、を実行するプログラム。
これにより、複数の顧客に対して、顧客の顧客属性に応じた応対ルールを割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行うことができる。
【0141】
(付記2)
ルール記憶ステップ(S104)は、応対ルールのそれぞれに、応対ルールを適用する適用期間を関連付けて記憶するステップを含み、通信処理ステップ(S304)は、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれる場合に、所定の応対ルールに基づき通信に対する処理を行うステップと、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれない場合に、所定の応対ルールに基づき通信に対する処理とは異なる処理を行うステップと、を含む、付記1記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとに適用期間を割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した適用期間に応じて、適切な処理を行うことができる。
【0142】
(付記3)
プロセッサが、ルール記憶ステップ(S104)は、所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる応対ルールを記憶するステップであり、通信処理ステップ(S304)は、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれる場合に、所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる処理を行うステップと、所定の顧客からの通信日時が適用期間に含まれない場合に、所定の顧客からの通信を所定のユーザに接続させる処理とは異なる処理を行うステップと、を含む、付記2記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとにユーザが着信可能な期間を割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した適用期間に応じて、ユーザへ接続させることができる。
【0143】
(付記4)
プロセッサが、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、応対ルールが適用される適用期間が識別可能な態様で提示するルール提示ステップ(S104)と、を実行する、付記2または3記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとの適用期間を視認可能な態様で確認することができる。
【0144】
(付記5)
ルール提示ステップ(S104)は、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、顧客からの通信がユーザへ接続可能な適用期間が識別可能な態様で提示するステップである、付記4記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとにユーザが着信可能な期間を視認可能な態様で確認することができる。
【0145】
(付記6)
ルール提示ステップ(S104)は、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、ルール記憶ステップにおいて関連付けて記憶された顧客属性と関連付けて提示するステップと、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、応対ルールが適用される適用期間がカレンダーと重なるように提示するステップと、を含む、付記4記載のプログラム。
これにより、顧客の顧客属性ごとに適用される応対ルールと、応対ルールごとの適用期間をカレンダーと重ねて視覚的に認知しやすい態様で確認することができる。
複数の顧客に対して、応対ルールを容易に割り当てることができる。
【0146】
(付記7)
ルール記憶ステップ(S104)は、応対ルールのそれぞれに、接続させるユーザの優先度に関する条件を関連付けて記憶するステップを含み、通信処理ステップ(S304)は、所定の応対ルールに関連付けられて記憶された優先度に基づき、所定のユーザに接続させる処理を行うステップを含む、付記3記載のプログラム。
これにより、ユーザごとに割り当てられた優先度に応じて、顧客からの着信がユーザに対して接続される。
複数の顧客に対して、顧客の顧客属性に応じた適切なユーザに接続させることができる。
【0147】
(付記8)
プロセッサが、複数のユーザのそれぞれに、優先度を関連付けて記憶する優先度記憶ステップ(S101)と、ルール記憶ステップにおいて記憶された複数の応対ルールのそれぞれを、接続されるユーザの優先度に応じた識別可能な態様で提示する優先度提示ステップ(S104)と、を実行する、付記7記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとにどのような優先度のユーザが割り当てられているのか、確認することができる。
【0148】
(付記9)
通信処理ステップ(S304)は、所定の顧客からの通信を接続可能な複数のユーザ候補を特定するステップと、複数のユーザ候補のうち、所定の顧客からの通信日時が応対可能期間に含まれる1または複数のユーザ候補を特定するステップと、1または複数のユーザ候補の優先度に基づき、所定のユーザに接続される処理を行うステップと、を含む、付記7記載のプログラム。
これにより、顧客からの着信に対して、ユーザそれぞれの応対可能期間、優先度に応じて適切なユーザを割り当てることができる。
【0149】
(付記10)
プロセッサが、ルール記憶ステップにおいて記憶された応対ルールのそれぞれに関連付けて記憶された適用期間において、応対可能なユーザが存在しない場合に、応対可能なユーザが存在しないことを示す通知を行う通知ステップ(S104)と、を実行する、付記9記載のプログラム。
これにより、応対可能なユーザが存在しない応対ルールを確認することができる。応対ルールごとに、応対可能なユーザを適切に割り当てるよう設定することができる。
【0150】
(付記11)
プロセッサが、属性記憶ステップにおいて記憶された複数の顧客属性のそれぞれを、当該顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度に関する情報と関連付けて提示する属性提示ステップ(S104)と、を実行する、付記9記載のプログラム。
これにより、応対ルールごとに応対可能なユーザの優先度を確認することができる。例えば、顧客属性に応じて適切な優先度のユーザが割り当てられているか否かを確認することができる。
【0151】
(付記12)
プロセッサが、所定のユーザが顧客との対話に応対可能な応対可能期間を、コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスから取得する応対可能期間取得ステップ(S304)と、を実行する、付記9記載のプログラム。
これにより、ユーザについて外部のカレンダーサービスに登録された予定情報に基づき、ユーザの応答可能期間を自動的に設定することができる。ユーザは、自身の応答可能期間の設定を省略することができる。
【0152】
(付記13)
応対可能期間取得ステップ(S304)は、カレンダーサービスにおいてユーザに関連付けて記憶された予定情報の内容に基づき、応対可能期間を取得するステップである、付記12記載のプログラム。
これにより、ユーザについて外部のカレンダーサービスに登録された予定情報のタイトル、説明等の内容に基づき、ユーザの応答可能期間を自動的に設定することができる。ユーザは、自身の応答可能期間の設定を省略することができる。
【0153】
(付記14)
プロセッサが、応対可能期間取得ステップにおいて取得した応対可能期間を、コンピュータとは異なる事業者が運営するカレンダーサービスへ出力する応対可能期間出力ステップ(S101)と、を実行する、付記12記載のプログラム。
これにより、本開示にかかるサービスにおいてユーザが登録した応答可能期間を、外部のカレンダーサービスに反映させることができる。
ユーザは、登録した応答可能期間を外部のカレンダーサービスへ手作業で反映させる作業を省略することができる。
【0154】
(付記15)
優先度記憶ステップ(S101)は、複数のユーザのそれぞれに、優先度ごとに割り当てられた優先度グループを関連付けて記憶するステップである、付記8記載のプログラム。
これにより、複数のユーザを優先度ごとのグループで効率的にまとめて管理することができる。
【0155】
(付記16)
プロセッサが、属性記憶ステップにおいて記憶された複数の顧客属性のそれぞれを、当該顧客属性に関連付けられた応対ルールに基づき特定される応対可能なユーザの優先度グループと関連付けて提示する属性提示ステップ(S104)と、を実行する、付記15記載のプログラム。
これにより、顧客の顧客属性ごとにどのような優先度グループが割り当てられているのか、確認することができる。
【0156】
(付記17)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサが、付記1から16のいずれか記載のプログラムを実行する、情報処理装置。
これにより、複数の顧客に対して、顧客の顧客属性に応じた応対ルールを割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行うことができる。
【0157】
(付記18)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムの製造方法であって、情報処理装置に、付記1から16のいずれか記載のプログラムを提供することを含む、情報処理システムの製造方法。
これにより、複数の顧客に対して、顧客の顧客属性に応じた応対ルールを割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行うことができる。
【0158】
(付記19)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、コンピュータが、付記1から16のいずれか記載のプログラムを実行する、情報処理方法。
これにより、複数の顧客に対して、顧客の顧客属性に応じた応対ルールを割り当てることができる。顧客からの着信に対して、顧客の顧客属性に適した処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0159】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 第1ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 第2ユーザ端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置、50 音声サーバ(PBX)、501 記憶部、504 制御部、506 入力装置、508 出力装置
【要約】
プロセッサと記憶部とを備えるコンピュータに、ユーザと顧客との間の対話に関する情報を処理させるプログラムであって、プロセッサが、複数の顧客に、顧客の属性に関する顧客属性を関連付けて記憶する属性記憶ステップと、複数の顧客属性の少なくとも一部に、応対に関する応対ルールを関連付けて記憶するルール記憶ステップと、所定の顧客から通信を受け付ける通信受付ステップと、通信受付ステップにおいて受け付けた所定の顧客からの通信に応じて、属性記憶ステップにおいて所定の顧客に関連付けて記憶された所定の顧客属性に基づき、ルール記憶ステップにおいて所定の顧客属性に関連付けて記憶された所定の応対ルールを特定するルール特定ステップと、ルール特定ステップにおいて特定された所定の応対ルールに基づき、所定の顧客から受け付けた通信に対する処理を行う通信処理ステップと、を実行するプログラム。