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特許7386597固定型及びモバイル型素子のリアルタイム位置システムネットワークポリシー設定制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】固定型及びモバイル型素子のリアルタイム位置システムネットワークポリシー設定制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0453 20230101AFI20231117BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20231117BHJP
   H04W 72/566 20230101ALI20231117BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20231117BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W64/00 160
H04W72/566
H04W84/10 110
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018104425
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019024195
(43)【公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-05-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】15/619,042
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マキニス, マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シャー, パヤル
(72)【発明者】
【氏名】シング, ナヴプリート
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0183426(US,A1)
【文献】国際公開第2013/161136(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数スペクトルを割り当てるシステムであって、
フォーリンネットワーク(106)及びドメスティックネットワーク(104)を有する環境内において、フォーリンネットワークドメスティックネットワーク間でのネットワーク周波数チャネルの重複に起因する望ましくない干渉を避けるため、
1つ又は複数のモバイル型フォーリンネットワークデバイス(110)及び1つ又は複数のモバイル型ドメスティックネットワークデバイス(108)に関連付けられた1つ又は複数のリアルタイム位置タグ(124)を用いて前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のリアルタイム位置又は最新位置を検知するように構成された1つ又は複数のリアルタイム位置追跡システム(122)、並びに
記モバイル型ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの少なくとも1つと通信する少なくとも1つの制御ユニット(120)であって、前記リアルタイム位置又は前記最新位置に基づいて、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)に関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関して1つ又は複数のデータベースにクエリを行い、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用し、且つ発見された前記近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの前記1つ又は複数に対してデフォルトネットワーク設定を回復するように構成された、少なくとも1つの制御ユニット(120)を備え、
前記1つ又は複数の近接ポリシーは、1つ又は複数のモバイル型フォーリンネットワークデバイス(110)及び1つ又は複数のモバイル型ドメスティックネットワークデバイス(108)が動作している無線スペクトル、無線チャネル、無線チャネル変調に関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの近接ポリシー設定ファイルに関連付けられており、前記修正されたネットワーク設定の適用により、無線チャネルの共有から生じる可能性のある、1つ又は複数のモバイル型フォーリンネットワークデバイス(110)及び1つ又は複数のモバイル型ドメスティックネットワークデバイス(108)との間の干渉を軽減する、システム。
【請求項2】
前記リアルタイム位置追跡システム(102)が、前記リアルタイム位置タグ(124)の位置を検知することにより、前記1つ又は複数のフォーリンネットワークデバイス(110)及びドメスティックネットワークデバイス(108)の位置を追跡するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)が、1つ又は複数の固定型ネットワークデバイス(110-1、108-1)及びモバイル型ネットワークデバイス(110-2、108-2)を含み、前記リアルタイム位置タグ(124)が、少なくとも前記モバイル型ネットワークデバイス(110-2、108-2)に取り付けられている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フォーリンネットワークデバイス(110)が、固定型フォーリンネットワーク(106)と通信するように構成され、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)が、固定型ドメスティックネットワーク(104)と通信するように構成され、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの少なくとも1つが、前記固定型フォーリンネットワーク(106)と前記固定型ドメスティックネットワーク(104)との間で移動可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記リアルタイム位置追跡システム(102)が、固定型フォーリンネットワーク(106)及び固定型ドメスティックネットワーク(104)の内から前記リアルタイム位置タグ(124)を検知するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ユニット(120)が、前記近接ポリシーを読み出すために1つ又は複数のデータベース(126)と通信するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記近接ポリシーが、前記1つ又は複数のデータベース(126)内で読み出し可能に保存され、リアルタイム位置追跡システムタグ識別子が、フォーリンネットワークデバイス識別子、ドメスティックネットワークデバイス識別子、及び近接ポリシーと横断的に関連付けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
無線周波数スペクトルを割り当てる方法であって、
フォーリンネットワーク(106)及びドメスティックネットワーク(104)を有する環境内において、フォーリンネットワークドメスティックネットワーク間でのネットワーク周波数チャネルの重複に起因する望ましくない干渉を避けるため、
フォーリンネットワークデバイス(110)及びドメスティックネットワークデバイス(108)のリアルタイム位置又は最新位置を追跡することと、
前記リアルタイム位置又は前記最新位置に基づいて、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)に関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関して1つ又は複数のデータベースにクエリを行うことと、
少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用することと、
発見された前記近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの前記1つ又は複数に対して、デフォルトネットワーク設定を回復するか、又は、前記修正されたネットワーク設定を新しいデフォルトネットワーク設定として設定することと、を含み、
前記1つ又は複数の近接ポリシーは、フォーリンネットワークデバイス(110)及びドメスティックネットワークデバイス(108)が動作している無線スペクトル、無線チャネル、無線チャネル変調に関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの近接ポリシー設定ファイルに関連付けられており、前記修正されたネットワーク設定の適用により、無線チャネルの共有から生じる可能性のある、フォーリンネットワークデバイス(110)及びドメスティックネットワークデバイス(108)との間の干渉を軽減する、方法。
【請求項9】
ドメスティックネットワークデバイス(108)及びフォーリンネットワークデバイス(110)の両方を含む環境内で無線周波数チャネル及びスペクトルを割り当てるための制御ユニット(120)であって、請求項8の方法のステップを実行するように構成された1つ又は複数のモジュールを備えている、制御ユニット(120)。
【請求項10】
前記1つ又は複数の近接ポリシーが、1つ又は複数のネットワークデバイスが動作している無線スペクトル、無線チャネル、無線チャネル変調、及び送信器又はエミッタの出力に関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの近接ポリシー設定ファイルに関連付けられている、請求項9に記載の制御ユニット(120)。
【請求項11】
前記1つ又は複数の近接ポリシーのうちの少なくとも1つが、無線スペクトル共存ポリシーに依存して、ドメスティックネットワークデバイス(108)内の変更を組み込むためにアップロードされた無線インターフェース設定パラメータ及びオプションに関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの設定変更ファイルに関連付けられている、請求項10に記載の制御ユニット(120)。
【請求項12】
前記制御ユニット(120)は、1つ又は複数の適用可能な近接ポリシーが、ある領域で又は隣接する領域同士の間で発見されたときに、無線インターフェース設定変更決定を行うために、共存管理アルゴリズムを呼び出すようにさらに構成されている、請求項10又は11に記載の制御ユニット(120)。
【請求項13】
前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)が、1つ又は複数の固定型ネットワークデバイス(110-1、108-1)及びモバイル型ネットワークデバイス(110-2、108-2)を含み、追跡モジュールが、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)に取り付けられた位置タグ(124)を検知することにより、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)の前記リアルタイム位置又は前記最新位置を追跡するように任意選択的に構成され、前記追跡モジュールが、前記位置タグ(124)の前記リアルタイム位置又は前記最新位置を検知するために、1つ又は複数のリアルタイム位置追跡システム(102)と通信するように任意選択的に構成されている、請求項9から12のいずれか一項に記載の制御ユニット(120)。
【請求項14】
前記フォーリンネットワークデバイス(110)が、固定型フォーリンネットワーク(106)と通信するように構成され、前記ドメスティックネットワークデバイス(108)が、固定型ドメスティックネットワーク(104)と通信するように構成され、前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)のうちの少なくとも1つが、前記固定型フォーリンネットワーク(106)と前記固定型ドメスティックネットワーク(104)との間で移動可能であり、又は、追跡モジュールが、前記固定型フォーリンネットワーク(106)及び前記固定型ドメスティックネットワーク(104)の内から前記フォーリンネットワークデバイス(110)及び前記ドメスティックネットワークデバイス(108)を検知するように任意選択的に構成されている、請求項9から13のいずれか一項に記載の制御ユニット(120)。
【請求項15】
設定モジュールが、前記1つ又は複数の近接ポリシーを読み出すために、1つ又は複数のデータベース(126)と通信するように構成され、前記近接ポリシーが、任意選択的にあらかじめ定義され、且つ前記1つ又は複数のデータベース(126)内で読み出し可能に保存されている、請求項9から14のいずれか一項に記載の制御ユニット(120)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ネットワーク設定に関し、より具体的には、リアルタイム位置に基づいて、ネットワークデバイスを設定且つ制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク及びネットワークデバイスの有用性は、広がり続け、様々な環境において益々普及している。他の使用又は用途の中でも、ネットワークデバイスは、通常、工場環境、製造施設、屋外作業場、及び関連する環境において実装されている。ネットワークによって可能になる機械、ビークル、タスク等は、特に自動化と共に使用されると、効率性及び生産性を著しく向上させるために使用することができる。ネットワークデバイスには、無人搬送車(AGV)などのモバイルデバイス又は車両デバイス、及び固定ネットワークデバイスが含まれ得る。
【0003】
しかしながら、無線ネットワークデバイスが産業環境において益々一般的になるにつれて、無線ネットワーク無線周波数スペクトルの混雑、同一チャネル干渉、及び共存に関する懸念が表面化し始めている。施設には、例えば、複数のネットワークが組み込まれる場合があり、ネットワークにわたって複数のグループのネットワークデバイスが管理される。サードパーティベンダーによって設けられる”フォーリン”・ネットワークは、建物全体が幾つかの特定のRFチャネルに限定されるフォーリンネットワーク又はフォーリンサブネットワークによってカバーされ得るという意味で、通常、建物の幅に広がる。ドメスティック(オペレーターによって供給される)ネットワークも建物の幅に広がるが、より小さなサブネットワークに細分化することができ、ドメスティックデバイスは、あるサブネットワークから別のサブネットワークへとローミングする。例えば、あるWiFiアクセスポイントが特定のRFチャネルで動作しても、物理的に隣接するWiFiアクセスポイントが異なるRFチャネルに設定され、干渉がない状態で建物内のカバレッジがもたらされる。
【0004】
このような環境でさらに複雑なのは、フォーリンネットワークデバイスがモバイル型である場合であり、割り当てられたタスクを完成させながら近くのドメスティックネットワークのカバレッジ範囲に移動することがある。したがって、自動ネットワーク環境は、混雑又は干渉を防ぐために、多大な時間と注意を必要とする場合がある。
【0005】
ドメスティックネットワークデバイスとフォーリンネットワークデバイスとの間の干渉を緩和するために、同じスペクトル内でフォーリンネットワークデバイスに割り当てられた周波数チャネルをドメスティックネットワークデバイスに割り当てられた周波数チャネルから分離することが可能である。代替的に、同じ周波数スペクトル内の共存方法として、ドメスティックネットワーク周波数チャネルとフォーリンネットワーク周波数チャネルとの重複に起因する望ましくない干渉を避けるために、固定型又はモバイル型のドメスティックネットワークデバイス上の伝送電力をフォーリンネットワークデバイスにも割り当てられる無線チャネルにおいて恒久的に減少させてもよい。しかしながら、このような技法は、干渉を減らすことはできるが、任意の所与のドメスティックネットワークの固定型又はモバイル型デバイスが利用可能な無線スペクトル全体のカバレジ領域も縮小させる恐れがある。
【0006】
前に進む前に、本開示は、この背景技術で列挙された又は暗示された幾つかの欠点に対処することができるシステムを対象としていることを理解されたい。しかしながら、このようなあらゆる利点は、添付の特許請求の範囲において明示されていない限り、開示された原理の範囲又は特許請求の範囲を限定するものではない。
【0007】
さらに、この背景技術の章の議論は、発明者自身の観察、検討、考察を反映したものであり、決して、任意の先行技術の文献又は実施を正確に分類したり、包括的に要約したりすることを意図するものではない。したがって、発明者らは、この章が公認された又は想定された先行技術を表すことを明確に否認する。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一態様に従って、無線周波数スペクトルを割り当てるためのシステムが提供される。当該システムは、1つ又は複数の固定型又はモバイル型フォーリンネットワークデバイス及び固定型又はモバイル型ドメスティックネットワークデバイスに取り付けられた1つ又は複数のリアルタイム位置追跡タグ又はデバイス、1つ又は複数のリアルタイム位置追跡タグを検知するように構成された1つ又は複数のリアルタイム位置追跡システム、並びに固定型又はモバイル型ドメスティックネットワークデバイスのうちの少なくとも1つと通信する少なくとも1つの制御ユニットを含み得る。リアルタイム位置追跡システムは、超音波、無線周波数、光学(カメラ)、光波通信システムなどの広範囲の無線技術のいずれかを含み得る。制御ユニットは、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスに関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関してクエリを行い、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用し、且つ発見された近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対してデフォルトネットワーク設定を回復するように構成され得る。
【0009】
本開示の別の態様に従って、無線周波数スペクトルを割り当てるための制御ユニットが提供される。制御ユニットは、追跡モジュール及び設定モジュールを含み得る。追跡モジュールは、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡するように構成され得る。設定モジュールは、リアルタイム位置追跡システムタグ識別子が、フォーリンネットワークデバイス識別子、ドメスティックネットワークデバイス識別子、及び近接ポリシーと横断的に関連付けられた1つ又は複数のデータベースから1つ又は複数の近接ポリシーに関するクエリを行うように構成され得、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用し、且つ発見された近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対してデフォルトネットワーク設定を回復する。
【0010】
本開示のさらなる態様に従って、無線スペクトル、限定しないが、無線チャネル制限を含む無線チャネル、無線チャネル変調、及び送信器又はエミッタの出力電力レベルを割り当てるための共存方法が提供される。当該方法は、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡することと、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスに関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関してクエリを行うことと、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用することと、発見された近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、デフォルトネットワーク設定を回復するか、又は、修正されたネットワーク設定を新しいデフォルトネットワーク設定として設定することとを含み得る。近接ポリシーは、ドメスティック無線デバイス及びフォーリン無線デバイスのための設定ファイルである。設定ファイルは、フォーリンネットワークデバイスが動作している無線チャネル及びスペクトルの文書化に利用され得る。ドメスティックネットワーク設定変更ファイルは、無線スペクトル共存ポリシーに依存して、ドメスティックネットワークデバイス内の変更を組み込むためにアップロードされた無線インターフェース設定パラメータ及びオプションの文書化に利用され得る。さらに、1つ又は複数の近接ポリシーが、リアルタイム位置追跡システムゾーンで又は近接するゾーン同士の間で発見されたときに、無線インターフェース設定変更決定を行うために、共存管理アルゴリズムが呼び出され得る。位置ゾーンは、物理的無線カバレッジ領域、又はリアルタイム位置追跡システム内で画定された仮想地理位置フェンス(virtual geo-location fence)のいずれかとして定義される。
【0011】
上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であり、或いは、さらに別の実施形態において組み合わせることが可能である。これらの実施形態のさらなる詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】開示された原理の1つ又は複数の実施形態に従って配置されたネットワーク環境内で無線周波数スペクトルを割り当てるための例示的な管理システムの線図である。
図2】開示された原理の1つ又は複数の実施形態に係る、ネットワーク環境内で無線周波数スペクトルを割り当てるための別の例示的な管理システムの線図である。
図3】開示された原理の1つ又は複数の実施形態に係る、ネットワーク環境内で無線周波数スペクトルを割り当てるための1つの例示的な制御ユニットの概略図である。
図4】開示された原理の1つ又は複数の実施形態に係る、ネットワーク環境内で無線周波数スペクトルを割り当てるための1つの例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では多くの様々な実施形態の詳細な説明が記載されているが、保護の法的な範囲は、本特許の最後に記載された請求項の言葉によって規定されることを理解されたい。可能な実施形態を全て記載することは不可能ではないとしても非実用的であるため、詳細な説明は、あくまで例示的なものであると解釈されるべきであり、可能な実施形態を全て記載するものではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実装することができ、これらは、依然として保護の範囲を規定する請求項の範囲に含まれる。用語が本明細書で明確に定義されていない限り、その用語の意味を、明示的又は暗示的に、その平易な又は通常の意味を超えて制限する意図はないことも理解されるべきであり、またそのような用語は、請求項の文言以外の本特許のいかなる部分におけるいかなる記述に基づいても範囲が限定されると解釈されるべきではない。本特許の最後の部分の請求項に記載した任意の用語が本明細書において単一の意味と一致するように言及される場合、これは読者を混乱させないための明確性のみを目的とするものであり、そのような請求項の用語が、暗示的に又は他の方法で、その単一の意味に限定されることを意図するものではない。
【0014】
詳細な議論に移る前に、読者のこれからの理解を助けるために概要が提供される。以上における発明者の背景の観察から明らかであるように、ネットワークの混雑又は干渉の課題を効率良く最小限に留め、利用可能な無線スペクトルを不利に制限しないように、ドメスティックネットワークデバイス及びフォーリンネットワークデバイスの両方のより優れた管理が必要である。開示された原理の様々な実施形態では、ローカルネットワーク範囲内でのフォーリンネットワークデバイスの検知に応じて、ネットワークリソースの一時的使用を可能とするために、1つのネットワーク(例えば、ドメスティックネットワーク)における周波数の使用が動的に修正される。このようにして、フォーリンネットワークデバイスが、ローカルネットワークに進入したときに干渉が最小限となるが、フォーリンネットワークデバイスによるあらゆる侵入がないときには、ローカルネットワークデバイスには完全なローカルスペクトルが利用可能である。
【0015】
これより図1を参照すると、ネットワーク環境102内で無線周波数スペクトルを割り当てるためのネットワーク管理システムの例示的な一実施形態が提供される。ネットワーク環境102は、工場環境、製造施設、屋外作業場、又は2つ以上のネットワークを同時に支持する任意の他の環境を表し得る。例えば、図1に示すように、所与のネットワーク環境102は、少なくとも1つのローカル又はドメスティックネットワーク104、及び少なくとも1つの第三者又はフォーリンネットワーク106を利用し得る。さらに、ドメスティックネットワーク104は、1つ又は複数のドメスティックネットワークデバイス108にサーブし得るが、フォーリンネットワーク106は、1つ又は複数のフォーリンネットワークデバイス110にサーブし得る。さらに、ドメスティックネットワークデバイス108は、施設102に対して静止している固定型ネットワークデバイス108-1、及び車両用又はさもなければモバイル型のネットワークデバイス108-2を含み得る。同様に、フォーリンネットワークデバイス110は、固定型ネットワークデバイス110-1及びモバイル型ネットワークデバイス110-2をさらに含み得る。各固定型ネットワークデバイス108-1、110-1は、自律的な、半自律的な、又は少なくとも部分的にネットワーク接続に依存する、ツール、装置、ロボット、機械、又は任意の他のデバイスであってもよい。ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108-2、及びフォーリンモバイル型デバイス110-2は、モバイルであることを除いて、無人搬送車(AGV)等の似たようなデバイスを含み得る。
【0016】
図1に示すように、ドメスティックネットワーク104及びフォーリンネットワーク106のモバイル型デバイスは、それぞれ、施設102内の規定されたゾーン112、114でリアルタイム位置追跡システム122に追跡される。ドメスティックネットワークゾーン112は、ドメスティックネットワーク104デバイス108-1の範囲、及びゾーン112内でリアルタイム位置追跡システム122が、取り付けられた位置タグ124を用いてモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2を追跡することができる範囲を示すことができる。同様に、フォーリンネットワークゾーン114は、フォーリンネットワーク106デバイス110-1の有効範囲、及びゾーン114内でリアルタイム位置追跡システム122が、取り付けられた位置タグ124を用いてモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2を追跡することができる範囲を示すことができる。ゾーン114は、ドメスティックネットワークゾーン112と空間的に重複する場合があり、又は重複しない場合がある。図1で示すようにドメスティックネットワークゾーン112及びフォーリンネットワークゾーン114、並びに固定型ネットワークデバイス108-1、110-1は、それぞれ、図2で示すように、施設102に対して固定的であり得る。これに対して、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2は、それぞれ、いかなる時点でも、ドメスティックネットワークゾーン112又はフォーリンネットワークゾーン114のいずれかにおいて、出入り自由に移動したり、配置されたりすることができる。ドメスティック又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス108ー2、110ー2が、ドメスティックネットワークゾーン112内に配置されている場合、追跡システム122は、確立された仮想地理位置ゾーン112内で、位置タグ124を介して、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2を地理的に位置特定する。同様に、ドメスティック又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス108ー2、110-2の位置タグ124が、フォーリンネットワークゾーン114内に配置されている場合、追跡システム122は、確立された仮想地理位置ゾーン114内で、位置タグ124を地理的に位置特定する。
【0017】
図2を参照すると、別のネットワーク環境又は製造施設102が、幾つかのドメスティックネットワークゾーン112及びフォーリンネットワークゾーン114と共に示されている。図示するように、ドメスティックネットワーク104は、複数のドメスティック固定型ネットワークデバイス108-1を支持することができ、それぞれ、施設102内で搬送路116に沿って取り付けられたそれぞれのドメスティックネットワークゾーン112を有する。それと同時に、フォーリンネットワーク106は、複数のフォーリン固定型ネットワークデバイス110-1を支持することができる。固定型ネットワークデバイス110-1は、それぞれ、それぞれのフォーリンネットワークゾーン114を有し、搬送路116間で作業セル118内に取り付けられている。
【0018】
さらに、ドメスティック固定型ネットワークデバイス108-1は、無線接続を介して、互いに且つドメスティックネットワーク104に連結され得るが、フォーリン固定型ネットワークデバイス110-1は、それぞれの無線接続を介して、互いに且つフォーリンネットワーク106に連結され得る。さらに、それぞれのモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2が、搬送路116を移動するにつれて、少なくとも1つのネットワークゾーン112、114と無線接続するように、固定型ネットワークデバイス108-1、110-1が配置され得る。
【0019】
図1及び図2で示す実施形態によると、フォーリンネットワークゾーン114内に入るドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2は、フォーリンネットワーク106内で確立された他の無線通信に干渉する場合があり、ドメスティックネットワークゾーン112内に入るフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2は、ドメスティックネットワーク104内で確立された無線通信に干渉する場合がある。ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108-2とフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2との間の干渉を緩和するため、又は、無線チャネルの共有によって生じ得るその他の厄介な問題に対処するために、ネットワーク管理システムは、デバイス位置に基づいてネットワーク設定を動的に修正するように適応型スキームを実施することができる。ネットワーク設定は、ネットワークアドレス、名前、ホスト名、指数、識別番号、又は各ネットワークデバイス108、110に割り当てられたその他の割り当てに対応し得る。
【0020】
管理システムは、ドメスティックネットワーク104に適用された際、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2がドメスティックネットワークゾーン112内にある限り、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2と使用するために、周波数スペクトルの1つ又は複数のチャネルを一時的に割り当てるように構成され得る。このような割り当ては、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2が範囲内にある限り続くことができ、ネットワークデバイス108ー2がもはやドメスティックネットワークゾーン112にないときに初期状態に回復する。これは図示されていないが、フォーリンネットワーク106内のデバイス108ー2は、類似スキームによって管理することができることを理解されたい。
【0021】
図1に戻ると、一実施形態では、ネットワーク管理システムは、少なくとも1つの制御ユニット120、1つ又は複数の追跡システム122、1つ又は複数の位置タグ124、及び1つ又は複数のデータベース126からなる。ネットワーク管理システムは、制御ユニット120及び追跡システム122のうちの片方又はその両方を介して、ネットワークデバイス108のネットワーク設定を管理し、利用可能な周波数スペクトルのチャネルを割り当てるように構成され得、それにより、ネットワークの混雑又は干渉に関連する問題を緩和する。制御ユニット120は、コントローラ、マイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又はその他のプログラム可能なデバイスを用いて実装され得る。
【0022】
追跡システム122は、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2の位置を追跡する任意の数の異なる技法を使用し得る。例えば、追跡システム122は、無線識別(RFID)、画像又は視覚認識、全地球測位システム(GPS)、及び/又は任意の他の適切な追跡技法を使用し得る。
【0023】
使用される位置タグ124の種類は、実施される追跡スキームによって変わり得る。例えば、追跡システム122が能動的無線周波数ベースの追跡システムを用いる場合、位置タグ124は、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2の表面に取り付けられ且つリアルタイム位置追跡システムと無線的に相互作用するように構成された能動的無線周波数タグを利用することができる。その他の追跡技法は、他の形態の位置タグ124を利用し得る。
【0024】
図1に示すように、どの追跡スキームが実施されようと、追跡システム122は、位置タグ124の近接度又は位置に基づいて、少なくとも、モバイル型ネットワークデバイス 108ー2、110ー2が所与のネットワークゾーン112、114に出入りするときを判断するように構成され得る。したがって、追跡システム122は、ネットワークゾーン112、114の外周に近接するように、且つ/又は、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2の予期される移動経路(例えば、図2の搬送路116)の適切な範囲内に位置付けされてもよい。
【0025】
さらに、位置タグ124はそれぞれ、個別に認識可能であり得る。それにより、追跡システム122は、各モバイル型ネットワークデバイス108ー2、110ー2を識別することが可能である。したがって、制御ユニット120は、複数の位置タグ124の相対的位置に基づいて、それぞれのモバイル型ネットワークデバイス108ー2又は固定型デバイス108ー1のネットワーク設定を修正することが可能であり得る。さらに、制御ユニット120は、データベース126を参照することによって、適用するべき適切な修正を判断することができる。
【0026】
データベース126は、複数のあらかじめ定義された近接ポリシー、又は、所与のネットワークゾーン112、114に入るモバイル型ネットワークデバイス108ー2に対して適用すべき特定の修正を示唆するその他の関連データを読み出し可能に保存することができる。制御ユニット120は、モバイル型ネットワークデバイス108ー2がネットワークゾーン112、114から離れる際に、以前のネットワーク設定を回復することができる。
【0027】
これより図3を参照すると、ネットワーク管理システムの制御ユニット120の例示的な一実施形態が提供されている。制御ユニット120は、概して種々のモジュールに分類することができる1つ又は複数の組のアルゴリズム又はコードに従って予めプログラムされてもよく、或いは、実行されるタスクの種類によって区別可能なハードウェア及びソフトウェアの組み合わせであってもよい。例えば、図3の実施形態では、制御ユニット120は、少なくとも追跡モジュール128及び設定モジュール130を含むようにあらかじめプログラムされてもよい。概して、追跡モジュール128は、位置タグ124が取り付けられたモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2の位置を追跡するように構成され得る。
【0028】
設定モジュール130は、追跡モジュール128が収集したモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2の位置に対応する情報を受信し、効率良いネットワーク接続を維持し且つ干渉を緩和するような態様で、位置情報を使用して無線周波数スペクトルを割り当てるように構成され得る。ここでは実装形態が1つしか提供されていないが、制御ユニット120は、同等の機能を実行し且つ/又は同等の結果を生み出す他の任意の適切な構成のアルゴリズム又はコードのモジュラーセットに従ってあらかじめプログラムされ得ることを理解されたい。
【0029】
より具体的には、図3の追跡モジュール128は、個々のドメスティックネットワークデバイス108及びフォーリンネットワークデバイス110の位置を追跡するように構成され得る。追跡モジュール128は、リアルタイムで継続的に、又は、所定の時間間隔に従って周期的に、個々のモバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2を追跡することができる。追跡モジュール128は、モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2に取り付けられた又はその内にある位置タグ124を検知することにより、各モバイル型ネットワークデバイス108ー2、110ー2の近接度を検知することができる。さらに、追跡モジュール128は、各モバイル型ネットワークデバイス108-2、110-2を、その属しているネットワーク104、106に関係なく追跡することができる。
【0030】
例えば、モバイル型ネットワークデバイス108、110が追跡モジュール128の読み取り可能な範囲内にある限り、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2をドメスティックネットワーク104又はフォーリンネットワーク106のいずれにおいても追跡することができ、フォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2をフォーリンネットワーク106又はドメスティックネットワーク104のいずれにおいても追跡することができる。上述のように、追跡モジュール128は、RFID、画像又は視覚認識、全地球測位システム(GPS)、及び/又は任意の他の適切な追跡技法を実装し得る。固定型ネットワークデバイス108-1、110-1の位置は、追跡されるよりもむしろあらかじめ定義される場合があるが、それにも関わらず、幾つかの適用例では、固定型ネットワークデバイス108-1、110-1もさらに追跡され得る。
【0031】
さらに、図3の設定モジュール130は、リアルタイム位置又は最新位置に基づいて、各ネットワークデバイス108、110に割り当てられたネットワーク設定を動的に調節するように構成され得る。例えば、設定モジュール130は、各ネットワークデバイス108、110を、それらに設けられた固有の位置タグ124に基づいて、区別且つ識別することが可能であり得る。データベース126は、各位置タグ124又は識別されたネットワークデバイス108、110のための近接ポリシーを含み得る。各近接ポリシーは、所与のネットワーク104、106内にある各ネットワークデバイス108、110に対して最適なネットワーク設定を示唆することができる。
【0032】
一実施例では、1つ又は複数のモバイル型ネットワークデバイス108-2がドメスティックネットワークゾーン112に入った場合、関連付けられた近接ポリシーは、入ってきたドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108-2による使用のために、ドメスティック無線周波数スペクトルの一部を一時的に割り当てることを示唆し得る。ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108-2がドメスティックネットワークゾーン112内に留まる限り、この割り当ては持続することができる。1つ又は複数のドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108-2がドメスティックネットワークゾーン112を出た場合、関連付けられた近接ポリシーは、一時的に割り当てられた無線周波数スペクトルの一部をデフォルトのネットワーク設定に回復することを示唆し得る。似たような近接ポリシー及びスキームをフォーリンネットワークゾーン114内でデバイス108ー2のために利用することができる。
【0033】
これより図4を参照すると、ドメスティックネットワーク104の無線周波数スペクトルを割り当てるある例示的な方法132が図式的に示されている。ドメスティックネットワーク104の管理に関連して説明がなされているが、似たようなプロセスが、フォーリンネットワーク106のうちの1つ又は複数において反映且つ実施され得ることを理解されたい。図示されるように、ブロック132-1では、方法132は、各ネットワークデバイス108、110の位置を最初に追跡し得る。
【0034】
図3の追跡モジュール128に関連して説明されるように、例えば、フォーリンデバイス及びドメスティックデバイスの追跡のフロー工程を示す図4の方法132は、図1の位置タグ124を追跡することにより、各モバイル型ネットワークデバイス108ー2、110ー2のリアルタイム位置又は最新位置を追跡し得る。方法132は、各ドメスティック固定型ネットワークデバイス108ー1及び各フォーリン固定型ネットワークデバイス110ー1の位置を追加的に認証又はより少ない頻度で追跡し得る。ブロック132-2では、方法132は、ドメスティックネットワークモバイル型デバイス108ー2が、所与のドメスティックネットワーク104の範囲内、又は、ドメスティックネットワークゾーン112内にあるか否かをさらに判断し得る。
【0035】
ドメスティックネットワークゾーン112内にドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2が見出されなかった場合、方法132は、ブロック132-3に進むことができ、デフォルトのネットワーク設定(例えば、ドメスティックネットワーク104及びフォーリンネットワーク106の両方に普遍的に受け入れられるネットワークの割り当て)を維持又は回復する。方法132は、次いで、ブロック132-1に戻ることができ、ネットワークデバイス108、110を継続的に追跡する。
【0036】
しかしながら、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2が、ドメスティックネットワークゾーン112内に移動した場合、図4の方法132は、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2に割り当てられたネットワーク設定を動的に調節することに進み得る。例えば、ブロック132-4では、方法132は、進入してきたドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2に関連付けられた近接ポリシーに関するクエリを行い得る。より具体的には、方法132は、進入してきたドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2を、その固有の位置タグ124を用いて識別し、検知された位置タグ124に関連付けられた近接ポリシーについてデータベース126を検索し得る。フォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2が、ドメスティックネットワークゾーン112内に移動した場合、似たような近接ポリシー及びスキームを利用することができる。
【0037】
一旦、関連付けられた近接ポリシーがデータベース126から読み出されると、ブロック132ー5では、方法132は、読み出された近接ポリシーに従って、修正されたネットワーク設定をドメスティック固定型ネットワークデバイス108-1又は進入してきたドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2に適用し得る。例えば、近接ポリシーは、ドメスティック無線周波数スペクトルの一部をドメスティック固定型ネットワークデバイス108-1又は進入してきたドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2に一時的に割り当て得る。この割り当ては、フォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2がドメスティックネットワークゾーン112内にある限り、同一チャネル干渉によってその他のフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110-2が干渉されないように、ドメスティックネットワーク104とドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2との間のネットワーク接続性が修正されるよう構成され得る。
【0038】
一旦、ネットワーク設定又は割り当てに対する任意の修正が実行されると、図4の方法132は、ドメスティックモバイル型ネットワークデバイス108ー2又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2の位置の追跡を継続するために、反復してブロック132-1に戻り得る。家庭内モバイル型ネットワークデバイス108ー2又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2がドメスティックネットワークゾーン112内にある限り、方法132は、ドメスティックネットワークデバイスのために修正されたネットワーク設定を維持し得る。しかしながら、家庭内モバイル型ネットワークデバイス108ー2又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2がドメスティックネットワークゾーン112から出たことを追跡情報が示す場合、方法132は、ブロック132-3に再度進み、デフォルトのネットワーク設定を回復し得る。
【0039】
言い換えると、方法132は、続けてドメスティックネットワークゾーン112に入る任意の他の家庭内モバイル型ネットワークデバイス108ー2又はフォーリンモバイル型ネットワークデバイス110ー2による使用のために家庭内無線周波数スペクトルを解放するために、ブロック132-5で実行された任意の割り当てを元に戻すことができる。図4の方法132は、リアルタイムで又は所定の間隔で、継続的にこのような態様で持続且つ反復し得る。さらに、方法132の一実施形態のみが提供されているが、特許請求の範囲から逸脱せずに、他の構成のプロセスも可能であることを理解されたい。
【0040】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
【0041】
条項1
無線周波数スペクトルを割り当てるシステムであって、
1つ又は複数の固定型又はモバイル型フォーリンネットワークデバイス及び1つ又は複数の固定型又はモバイル型ドメスティックネットワークデバイスに関連付けられた1つ又は複数のリアルタイム位置タグを検知するように構成された1つ又は複数のリアルタイム位置追跡システム、並びに
前記固定型又はモバイル型ドメスティックネットワークデバイスのうちの少なくとも1つと通信する少なくとも1つの制御ユニットであって、前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスに関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関してクエリを行い、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用し、且つ発見された前記近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの前記1つ又は複数に対してデフォルトネットワーク設定を回復するように構成された、少なくとも1つの制御ユニット
を備えているシステム。
【0042】
条項2
前記リアルタイム位置追跡システムが、前記位置タグの位置を検知することにより、前記1つ又は複数のフォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡するように構成されている、条項1に記載のシステム。
【0043】
条項3
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスが、1つ又は複数の固定型ネットワークデバイス及びモバイル型ネットワークデバイスを含み、前記位置タグが、少なくとも前記モバイル型ネットワークデバイスに取り付けられる、条項1又は2に記載のシステム。
【0044】
条項4
前記フォーリンネットワークデバイスが、固定型フォーリンネットワークと通信するように構成され、前記ドメスティックネットワークデバイスが、固定型ドメスティックネットワークと通信するように構成され、前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの少なくとも1つが、前記固定型フォーリンネットワークと前記固定型ドメスティックネットワークとの間で移動可能である、条項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【0045】
条項5
前記リアルタイム位置追跡システムが、前記固定型フォーリンネットワーク及び前記固定型ドメスティックネットワークの内から前記位置タグを検知するように構成されている、条項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0046】
条項6
前記制御ユニットが、前記近接ポリシーを読み出すために1つ又は複数のデータベースと通信するように構成されている、条項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【0047】
条項7
前記近接ポリシーが、前記1つ又は複数のデータベース内で読み出し可能に保存され、リアルタイム位置追跡システムタグ識別子が、フォーリンネットワークデバイス識別子、ドメスティックネットワークデバイス識別子、及び近接ポリシーと横断的に関連付けられている、条項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0048】
条項8
ドメスティックネットワークデバイス及びフォーリンネットワークデバイスの両方を含む環境内で無線周波数チャネル及びスペクトルを割り当てるための制御ユニットであって、
フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡するように構成されたリアルタイム位置システム追跡モジュール、並びに
リアルタイム位置追跡システムタグ識別子が、フォーリンネットワークデバイス識別子、ドメスティックネットワークデバイス識別子、及び近接ポリシーと横断的に関連付けられた1つ又は複数のデータベースから1つ又は複数の近接ポリシーに関するクエリを行うように構成された設定モジュールであって、少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用し、且つ発見された前記近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの前記1つ又は複数に対してデフォルトネットワーク設定を回復する、設定モジュール
を備えている制御ユニット。
【0049】
条項9
前記1つ又は複数の近接ポリシーが、1つ又は複数のネットワークデバイスが動作している無線スペクトル、無線チャネル、無線チャネル変調、及び送信器又はエミッタの出力に関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの近接ポリシー設定ファイルに関連付けられている、条項8に記載の制御ユニット。
【0050】
条項10
前記1つ又は複数の近接ポリシーのうちの少なくとも1つが、無線スペクトル共存ポリシーに依存して、ドメスティックネットワークデバイス内の変更を組み込むためにアップロードされた無線インターフェース設定パラメータ及びオプションに関する情報を含む1つ又は複数のそれぞれの設定変更ファイルに関連付けられている、条項9に記載の制御ユニット。
【0051】
条項11
前記制御ユニットは、1つ又は複数の適用可能な近接ポリシーが、ある領域で又は隣接する領域同士の間で発見されたときに、共存管理アルゴリズムを呼び出して、無線インターフェース設定変更決定を行うようにさらに構成されている、条項9又は10に記載の制御ユニット。
【0052】
条項12
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスが、1つ又は複数の固定型ネットワークデバイス及びモバイル型ネットワークデバイスを含む、条項8から11のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【0053】
条項13
前記リアルタイム位置追跡モジュールが、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスに取り付けられた位置タグを検知することによって、フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡するように構成され、追跡モジュールが、位置タグの位置を検知するために1つ又は複数のリアルタイム位置追跡システムと通信するように構成されている、条項8から12のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【0054】
条項14
前記フォーリンネットワークデバイスが、固定型フォーリンネットワークと通信するように構成され、前記ドメスティックネットワークデバイスが、固定型ドメスティックネットワークと通信するように構成され、前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの少なくとも1つが、前記固定型フォーリンネットワークと前記固定型ドメスティックネットワークとの間で移動可能である、条項8から13のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【0055】
条項15
前記追跡モジュールが、前記固定型フォーリンネットワーク及び前記固定型ドメスティックネットワークの内から前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスを検知するように構成されている、条項14に記載の制御ユニット。
【0056】
条項16
前記設定モジュールが、前記1つ又は複数の近接ポリシーを読み出すために1つ又は複数のデータベースと通信するように構成されている、条項8から15のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【0057】
条項17
前記近接ポリシーが、あらかじめ定義され、且つ前記1つ又は複数のデータベース内で読み出し可能に保存されている、条項16に記載の制御ユニット。
【0058】
条項18
無線周波数スペクトルを割り当てる方法であって、
フォーリンネットワークデバイス及びドメスティックネットワークデバイスの位置を追跡することと、
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスに関連付けられた1つ又は複数の近接ポリシーに関してクエリを行うことと、
少なくとも1つの関連付けられた近接ポリシーが発見されたときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの1つ又は複数に対して、修正されたネットワーク設定を適用することと、
発見された前記近接ポリシーがもはや有効ではなくなったときに、前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの前記1つ又は複数に対して、デフォルトネットワーク設定を回復するか、又は、前記修正されたネットワーク設定を新しいデフォルトネットワーク設定として設定することと
を含む方法。
【0059】
条項19
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスが、1つ又は複数の固定型ネットワークデバイス及びモバイル型ネットワークデバイスを含む、条項18に記載の方法。
【0060】
条項20
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスに取り付けられた位置タグを検知することにより、前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスの位置が追跡され、前記位置タグが、条項18に記載の方法、リアルタイム位置追跡システムモジュールを使用して追跡される、条項18又は19に記載の方法。
【0061】
条項21
前記フォーリンネットワークデバイスが、固定型フォーリンネットワークと通信するように構成され、前記ドメスティックネットワークデバイスが、固定型ドメスティックネットワークと通信するように構成され、前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスのうちの少なくとも1つが、前記固定型フォーリンネットワークと前記固定型ドメスティックネットワークとの間で移動可能である、条項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
条項22
前記フォーリンネットワークデバイス及び前記ドメスティックネットワークデバイスの位置が、前記ドメスティックネットワーク内のリアルタイム位置追跡システムによって、前記固定型フォーリンネットワーク及び前記固定型ドメスティックネットワークから追跡される、条項21に記載の方法。
【0063】
条項23
前記近接ポリシーが、あらかじめ定義され、且つ1つ又は複数のデータベースから読み出される、条項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
上述の記載は、開示された装置、システム、及び方法の実施例を提供することを理解されたい。しかしながら、本開示の他の実装形態は、上述の実施例とは詳細において異なる場合があると考えられている。本開示及び本開示の実施例に対するすべての言及は、その時点で議論されている特定の実施例を参照することが意図されており、より概略的に本開示の範囲に対する何らかの限定を暗示することは意図されていない。特定の特徴に関する区別及び非難のあらゆる言葉は、それらの特徴に対する好みの欠如を示すことが意図されており、別途明示されていない限り、それらを本開示から全体的に除外することは意図されていない。本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書に別途記載されていない限り、又は、文脈に明らかに矛盾していない限り、任意の適切な順序で行うことができる。
図1
図2
図3
図4