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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】撓み噛合い式歯車装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20231117BHJP
   F16H 55/08 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
F16H1/32 B
F16H55/08 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018235954
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020097980
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117499
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 誠
(72)【発明者】
【氏名】田村 光拡
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】小川 恭司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-155313(JP,A)
【文献】特開2018-91444(JP,A)
【文献】特開2018-96510(JP,A)
【文献】特開2016-23743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/00
F16H 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起振体を有する起振体軸と、
前記起振体の径方向外側に配置され、当該起振体により撓み変形される外歯歯車と、
前記外歯歯車と噛合う第1内歯歯車および第2内歯歯車と、
前記外歯歯車の軸方向端面と当接し、当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材と、
前記起振体軸を回転自在に支持する支持部材と、
を有する撓み噛合い式歯車装置であって、
前記規制部材は、前記支持部材および前記外歯歯車とは別体に構成され、軸方向におい
て、前記支持部材と前記外歯歯車の間に配置され、
前記外歯歯車は、筒状の基部と、基部の外周側に設けられた外歯部と、を有し、
前記外歯部は、その軸方向端部に、軸方向外側に行くに従って外径が徐々に小さくなる外側傾斜部を有し、
前記基部は、その軸方向端部に、軸方向外側に行くに従って内径が徐々に大きくなる内側傾斜部を有し、
前記内側傾斜部の径方向範囲は、0.1mm以上であり、前記内側傾斜部の軸方向範囲が、前記内側傾斜部の径方向範囲より広い撓み噛合い式歯車装置。
【請求項2】
前記起振体軸と前記支持部材の間に配置される支持軸受を有し、
前記規制部材は、前記支持部材および前記支持軸受の両方と軸方向に対向し
前記外歯部の径方向範囲は、前記基部の径方向範囲より大きく、
前記外側傾斜部の径方向長さは、前記内側傾斜部の径方向長さよりも大きく、
前記外歯部は、前記外側傾斜部の径方向内側の終端は前記基部に達している、
請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項3】
前記外歯歯車と起振体との間に起振体軸受を有し、
前記基部よりも径方向内側において、前記起振体軸受の外輪と前記内側傾斜部の間には
、隙間が設けられている
請求項1又は2に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項4】
前記外側傾斜部および前記内側傾斜部はともに軸方向断面が曲線形状であり、前記外側
傾斜部の方が曲率半径が大きい、
請求項1から3のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項5】
前記外側傾斜部および前記内側傾斜部はともに軸方向断面が曲線形状であり、前記外側
傾斜部の径方向内側の終端部と前記内側傾斜部の径方向外側の終端部とが連続している、
請求項1から4のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項6】
前記外側傾斜部は、軸方向断面が曲線形状であり、
前記内側傾斜部は、軸方向断面が直線形状である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項7】
前記外側傾斜部の径方向範囲の寸法と前記内側傾斜部の径方向範囲の寸法の合計が、前
記外歯歯車の径方向の最大厚みの2/3以上である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【請求項8】
前記外側傾斜部の径方向範囲および軸方向範囲は、一致している、
請求項1から7のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撓み変形する筒型の外歯歯車を備えた撓み噛合い式歯車装置がある(例えば特許文献1を参照)。この外歯歯車は、起振体軸受を介して起振体が内嵌され、起振体が内側で回転することで撓み変形する。さらに、外歯歯車は剛性を有する内歯歯車と噛合う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-91444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の撓み噛合い式歯車装置は、筒型の外歯歯車が軸方向については拘束されていないので、位置を規制するために、外歯歯車の軸方向の両側にプレートを配置していた。
このため、外歯歯車の軸方向の端部がプレートに摺接して摩耗粉が生じ、周囲に付着して、良好な動作の妨げや周囲の部材の破損、故障等の原因となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、外歯歯車の摩耗低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、起振体を有する起振体軸と、
前記起振体により撓み変形される外歯歯車と、
前記外歯歯車と噛合う第1内歯歯車および第2内歯歯車と、
前記外歯歯車の軸方向端面と当接し、当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材と、
前記起振体軸を回転自在に支持する支持部材と、
を有する撓み噛合い式歯車装置であって、
前記規制部材は、前記支持部材および前記外歯歯車とは別体に構成され、軸方向において、前記支持部材と前記外歯歯車の間に配置され、
前記外歯歯車は、筒状の基部と、基部の外周側に設けられた外歯部と、を有し、
前記外歯部は、その軸方向端部に、軸方向外側に行くに従って外径が徐々に小さくなる外側傾斜部を有し、
前記基部は、その軸方向端部に、軸方向外側に行くに従って内径が徐々に大きくなる内側傾斜部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外歯歯車の摩耗低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置の軸方向断面図である。
図2図2(A)は外歯歯車の軸方向断面図、図2(B)は外歯歯車の軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
図3図3(A)は他の例(1)の外歯歯車の軸方向断面図、図3(B)は他の例(1)の外歯歯車の軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
図4図4(A)は他の例(2)の外歯歯車の軸方向断面図、図4(B)は他の例(2)の外歯歯車の軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
図5図5(A)は他の例(3)の外歯歯車の軸方向断面図、図5(B)は他の例(3)の外歯歯車の軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[撓み噛合い式歯車装置]
図1は本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置1の軸方向断面図を示す。本明細書では、回転軸O1に沿った方向を「軸方向」、回転軸O1から垂直な方向を「径方向」、回転軸O1を中心とする回転方向を「周方向」と定義する。
【0011】
撓み噛合い式歯車装置1は、図1に示すように、起振体軸10、起振体軸10により撓み変形される外歯歯車12、外歯歯車12と噛合う2つの内歯歯車22g、23g、及び、起振体軸受15を備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、第1ケーシング22、内歯歯車部材23、第2ケーシング24、第1カバー26、第2カバー27、軸受31、32及び主軸受33、シール用のOリング34,35,38及びオイルシール41,42,43を備える。
【0012】
[起振体軸]
起振体軸10は、中空軸状であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が楕円状である起振体10Aと、起振体10Aの軸方向の両側に設けられ回転軸O1に垂直な断面の外形が円形である軸部10B、10Cとを有する。なお、楕円状とは、幾何学的に厳密な楕円に限定されるものではなく、略楕円を含む。起振体軸10は、回転軸O1を中心に回転し、起振体10Aの回転軸O1に垂直な断面(軸垂直断面とする)の外形形状の中心は回転軸O1と一致する。
【0013】
[内歯歯車]
2つの内歯歯車(第1内歯歯車、第2内歯歯車)22g、23gは、回転軸O1を中心として起振体軸10の周囲で回転を行う。
これらの内歯歯車22g、23gは、軸方向に並んで設けられており、外歯歯車12は、二つの内歯歯車22g、23gと噛合することが可能な十分な歯幅を有している。即ち、二つの内歯歯車22g、23gの一方が、外歯歯車12の軸方向の中央より片側の歯部に噛合し、他方が、外歯歯車12の軸方向の中央よりもう一方の片側の歯部に噛合する。内歯歯車22gは、第1ケーシング22の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。内歯歯車23gは、内歯歯車部材23の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。
【0014】
[外歯歯車]
外歯歯車12は、可撓性を有する円筒状の金属であり、外周に歯が設けられている。この外歯歯車12は、その軸方向断面形状に特徴を有するが、当該軸方向断面形状の詳細については後述する。
【0015】
[起振体軸受]
起振体軸受15は、起振体10Aと外歯歯車12との間に配置される。起振体軸受15は、複数の転動体(コロ)15Aと、外輪15Bと、複数の転動体15Aを保持する保持器15Cとを有する。複数の転動体15Aは、一方の内歯歯車22gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体15Aと、他方の内歯歯車23gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体15Aとを有する。複数の転動体15Aは、起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面とを転動面として転動する。起振体軸受15は、起振体10Aとは別体の内輪を有してもよい。
【0016】
[スペーサリング]
外歯歯車12は、軸方向について拘束されておらず、外部から保持しない状態では軸方向に移動を生じるおそれがある。
このため、外歯歯車12、外輪15B及び保持器15Cの軸方向の両側には、これらに当接して、これらの軸方向の移動を規制する規制部材としてのスペーサリング36、37が設けられている。
この実施形態では、これらスペーサリング36,37が、外歯歯車12よりも硬質の金属材料で形成されている場合を例示するが、外歯歯車12より硬質な金属材料に限定されるものではない。
【0017】
[ケーシング及びカバー]
第1ケーシング22及び第2ケーシング24は、例えば、図示しないボルト等の連結部材により互いに連結されて、内歯歯車22g、23g及び外歯歯車12の径方向外方を覆う。
前述したように、第1ケーシング22は、内周部の一部に内歯が設けられており、第1内歯歯車22gと一体的に構成されている。
第2ケーシング24は、内周部の一部に主軸受33の外輪となる部分を有している。第2ケーシング24は、主軸受33の外輪と一体的に構成されている。
【0018】
内歯歯車部材23は、第2ケーシング24の径方向内方でかつ起振体軸10の径方向外方に、少なくとも一部が配置されている。そして、内歯歯車部材23は、外周部の一部に主軸受33の内輪となる部分を有している。内歯歯車部材23は、主軸受33の内輪と一体的に構成されている。
また、内歯歯車部材23は、内周部の一部に内歯が設けられており、第2内歯歯車23gと一体的に構成されている。
【0019】
第1カバー26は、ボルト等の連結部材により第1ケーシング22と連結されて、起振体軸10の一端側における外周部を覆う。
【0020】
第2カバー27は、起振体軸10の他端側における外周部を覆う。第2カバー27及び内歯歯車部材23には、負荷側の端部に軸方向に一続きに延びるボルト連結用穴27h、23hが設けられている。撓み噛合い式歯車装置1が外部の相手装置と接続される際、第2カバー27と内歯歯車部材23はボルト連結用穴27h、23hを介して相手装置の被駆動部材に共締めにより連結される。ボルト連結用穴27h、23hは、周方向の複数の箇所に設けられている。第2カバー27及び内歯歯車部材23には、両者を仮止めするためのボルト穴27j、23jが設けられている。
【0021】
[各種の軸受]
主軸受33は、例えばクロスローラ軸受であり、内歯歯車部材23と第2ケーシング24との間に配置される。第2ケーシング24は、主軸受33を介して内歯歯車部材23を回転自在に支持する。主軸受33は、内歯歯車部材23と一体化された内輪と、第2ケーシング24と一体化された外輪と、内輪と外輪との間に配置される複数の転動体とを有する。なお、主軸受33は、内歯歯車部材23と第2ケーシング24との間で、軸方向に離間した複数の軸受(アンギュラ玉軸受、テーパ軸受等)から構成されてもよい。
【0022】
軸受31は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Bと第1カバー26との間に配置される。第1カバー26は、軸受31を介して起振体軸10を回転自在に支持する。
起振体軸10には、軸受31の配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きくなるように変化する段差h1が設けられている。第1カバー26には、軸受31の配置箇所に隣接して(軸方向の一端側に)内径が小さくなるように変化する段差h2が設けられている。軸方向において、軸受31は、段差h1、h2の間に配置される。つまり、軸受31は、第1カバー26及び起振体軸10のそれぞれに対してインロー嵌合構造によって取り付けられ、段差h1、h2が軸受31の軸方向の位置決めを行う。
【0023】
軸受32は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Cと第2カバー27との間に配置される。第2カバー27は、軸受32を介して起振体軸10を回転自在に支持する。
起振体軸10には、軸受32の配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きくなるように変化する段差h3が設けられている。第2カバー27には、軸受32の配置箇所に隣接して(軸方向の他端側に)内径が小さくなるように変化する段差h4が設けられている。軸方向において、軸受32は、段差h3、h4の間に配置される。つまり、軸受32は、第2カバー27及び起振体軸10のそれぞれに対してインロー嵌合構造によって取り付けられ、段差h3、h4が軸受32の軸方向の位置決めを行う。
【0024】
[オイルシール及びOリング]
一方のオイルシール41は、軸方向の一端部で、起振体軸10と第1カバー26との間に配置され、軸方向外側への潤滑剤の流出を抑制する。
もう一方のオイルシール42は、軸方向の他端部で、起振体軸10と第2カバー27との間に配置され、軸方向外側への潤滑剤の流出を抑制する。
オイルシール43は、第2ケーシング24と内歯歯車部材23との間に配置され、この部分からの潤滑剤の流出を抑制する。
【0025】
シール用のOリング34,35,38は、それぞれ、第1ケーシング22と第1カバー26との間、第1ケーシング22と第2ケーシング24との間、内歯歯車部材23と第2カバー27との間を、シールし、潤滑剤の漏れを抑止する。つまり、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1の内部空間(外歯歯車12や主軸受33の存在する空間)は、潤滑剤が封入される潤滑剤封入空間とされ、Oリング34,35,38やオイルシール41,42,43によって密封されている。
【0026】
[外歯歯車の形状]
図2(A)は外歯歯車12の軸方向断面図、図2(B)は外歯歯車12の軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
外歯歯車12は、筒状の基部121と、基部121の外周側に設けられた外歯部122とを有している。
外歯歯車12は、基部121の幅方向及び外歯部122の歯幅方向が軸方向に平行となるように、起振体軸受15を介して起振体10Aの外周に設けられている。
【0027】
そして、外歯部122は、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って外径が徐々に小さくなる外側傾斜部123を有し、基部121は、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って内径が徐々に大きくなる内側傾斜部124を有している。
なお、外側傾斜部123及び内側傾斜部124は、外歯歯車12の軸方向一方側の端部のみに設けられてもよい。後述する図3図5の例も同様である。
【0028】
なお、軸方向外側とは、基部121又は外歯部122の軸方向における中心部に対する軸方向両端部側を示す。
また、図2(B)では外歯歯車12の軸方向の一端部側の外側傾斜部123及び内側傾斜部124のみを図示しているが、外歯歯車12の軸方向の他端部側の外側傾斜部123及び内側傾斜部124は、軸方向に垂直な対称面を中心として対称形状であるので、主に、外歯歯車12の軸方向の一端部側の外側傾斜部123及び内側傾斜部124について説明する。
【0029】
外側傾斜部123は、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向内側(回転軸O1側)に向かう方向に直線的に傾斜した形状となっている。
また、内側傾斜部124は、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向外側(回転軸O1とは逆側)に向かう方向に直線的に傾斜した形状となっている。
そして、外側傾斜部123の軸方向範囲(軸方向の幅)w1は、内側傾斜部124の軸方向範囲w2より広くなっている(w1>w2)。
また、外側傾斜部123の径方向範囲(径方向の幅)t1が、内側傾斜部124の径方向範囲(径方向の幅)t2より広くなっている(t1>t2)。
また、外側傾斜部123の軸方向に対する傾斜角度が内側傾斜部124より大きな場合を例示しているが、これに限定されず、外側傾斜部123と内側傾斜部124と等しくしてもよいし、内側傾斜部124を外側傾斜部123より大きくしてもよい。
【0030】
また、外側傾斜部123の径方向範囲t1の寸法と内側傾斜部124の径方向範囲t2の寸法の合計は、次式(1)に示すように、少なくとも外歯歯車12の径方向の最大厚みt0の1/2以上とすることが望ましく、次式(2)に示すように、2/3以上とすることがより望ましい。なお、外歯歯車12の径方向の最大厚みt0とは、基部121の内周面から外歯部122の歯先までの径方向の幅を示す。
t1+t2≧t0*1/2 …(1)
t1+t2≧t0*2/3 …(2)
【0031】
また、外側傾斜部123の径方向内側の終端eは基部121に達している。つまり、外側傾斜部123の径方向範囲t1は、外歯部122の全体的な径方向範囲thよりも大きくなっており(t1>th)、外側傾斜部123の外周の円錐面が外歯部122から基部121にまで及んでいる。
【0032】
また、外側傾斜部123の径方向範囲t1と内側傾斜部124の径方向範囲t2の大小関係並びにこれらが外歯歯車12の径方向の最大厚みt0を占める割合を上記に規定したが、これらの条件を満たす範囲で、内側傾斜部124の径方向範囲t2は、少なくとも0.1[mm]以上、望ましくは、0.2[mm]以上とすべきである。
【0033】
[動作説明]
モータ等の駆動源により起振体軸10の回転駆動が行われると、起振体10Aの運動が外歯歯車12に伝わる。このとき、外歯歯車12は、起振体10Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車12は、固定された第1内歯歯車22gと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車12は起振体10Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車12の内側で起振体10Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車12は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸10の回転周期に比例する。
【0034】
外歯歯車12が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車12と第1内歯歯車22gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、例えば、外歯歯車12の歯数が100で、第1内歯歯車22gの歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車12と第1内歯歯車22gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車12が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車12に伝達される。
【0035】
一方、外歯歯車12は第2内歯歯車23gとも噛合っているため、起振体軸10の回転によって外歯歯車12と体2内歯歯車23gとの噛合う位置も回転方向に変化する。ここで、第2内歯歯車23gの歯数と外歯歯車12の歯数とが同数であるとすると、外歯歯車12と第2内歯歯車23gとは相対的に回転せず、外歯歯車12の回転運動が減速比1:1で第2内歯歯車23gへ伝達される。これらによって、起振体軸10の回転運動が減速比100:2で減速されて、内歯歯車部材23及び第2カバー27へ伝達され、この回転運動が被駆動部材に出力される。
【0036】
上記回転運動の伝達時において、外歯歯車12は、軸方向に並んだ第1内歯歯車22g及び第2内歯歯車23gに噛合しているので、回転軸を中心とする捻りトルクが加わる。その結果、外歯歯車12の軸方向両端部の軸方向に垂直な端面は斜めに傾斜を生じる。
このように、外歯歯車12の軸方向両端部の軸方向に垂直な端面に、外側傾斜部123及び内側傾斜部124が仮に形成されていない場合には、外歯歯車12の外歯部122の直角をなす外周側の角部や基部121の直角をなす内周側の角部がスペーサリング36,37に突き当てられた状態で摺動を生じ、外歯歯車12は摩耗粉を生じながら大きく摩耗する。
しかしながら、外歯歯車12の軸方向両端部には、外側傾斜部123及び内側傾斜部124が形成されている。このため、外側傾斜部123及び内側傾斜部124は、スペーサリング36,37に対して面接触又は鈍角となる角部で摺動するので、摩耗を抑制する。
【0037】
[外歯歯車の形状の他の例(1)]
ここで、図3に基づいて外歯歯車の形状の他の例(1)について説明する。
図3(A)は他の形状を有する外歯歯車12Aの軸方向断面図、図3(B)は他の形状を有する外歯歯車12Aの軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
以下の説明において、外歯歯車12Aにおいて外歯歯車12と同一の構成部分は外歯歯車12と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0038】
外歯歯車12Aは、筒状の基部121と、基部121の外周側に設けられた外歯部122Aとを有している。
そして、外歯部122Aは、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って外径が徐々に小さくなる外側傾斜部123Aを有している。
なお、外歯歯車12Aも、また、軸方向両側の外側傾斜部123Aは、軸方向に垂直な対称面を中心として対称形状であるので、一方の外側傾斜部123Aについて説明する。
【0039】
外側傾斜部123Aは、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向内側(回転軸O1側)に向かう方向に曲線的に傾斜した形状となっている。特に、ここでは、外側傾斜部123Aが円弧状、さらには、90°の角度範囲で形成された円弧状である場合を例示する。
但し、外側傾斜部123Aは90°の角度範囲でなくともよいし、径方向外側に凸となる曲線状であれば円弧でなくともよい。
【0040】
この外側傾斜部123Aの軸方向範囲wa1は、内側傾斜部124の軸方向範囲w2より広く(wa1>w2)、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1は、内側傾斜部124の径方向範囲t2より広くなっている(ta1>t2)。
なお、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1及び軸方向範囲wa1は、外側傾斜部123Aの軸方向断面形状の円弧の半径r1と一致している。(wa1=ta1=r1)。
【0041】
また、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1の寸法と内側傾斜部124の径方向範囲t2の寸法の合計は、少なくとも外歯歯車12Aの径方向の最大厚みta0の1/2以上(次式(3))、より望ましくは、2/3以上としている(次式(4))。
ta1+t2≧ta0*1/2 …(3)
ta1+t2≧ta0*2/3 …(4)
【0042】
また、外側傾斜部123Aの径方向内側の終端e(円弧形状の終端)は基部121に達している。つまり、外側傾斜部123の径方向範囲ta1は、外歯部122Aの全体的な径方向範囲tahよりも大きくなっている(ta1>tah)。
【0043】
[外歯歯車の形状の他の例(2)]
図4に基づいて外歯歯車の形状の他の例(2)について説明する。
図4(A)は他の形状を有する外歯歯車12Bの軸方向断面図、図4(B)は他の形状を有する外歯歯車12Bの軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
以下の説明において、外歯歯車12Bにおいて外歯歯車12又は12Aと同一の構成部分は外歯歯車12,12Aと同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0044】
外歯歯車12Bは、筒状の基部121Bと、基部121Bの外周側に設けられた外歯部122Aとを有している。
そして、基部121Bは、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って内径が徐々に大きくなる内側傾斜部124Bを有している。
なお、外歯歯車12Bも、また、軸方向両側の内側傾斜部124Bは、軸方向に垂直な対称面を中心として対称形状であるので、一方の内側傾斜部124Bについて説明する。
【0045】
内側傾斜部124Bは、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向外側(回転軸O1とは逆側)に向かう方向に曲線的に傾斜した形状となっている。特に、ここでは、内側傾斜部124Bが円弧状、さらには、90°の角度範囲で形成された円弧状である場合を例示する。
但し、内側傾斜部124Bは90°の角度範囲でなくともよいし、径方向内側に凸となる曲線状であれば円弧でなくともよい。
【0046】
この内側傾斜部124Bの軸方向範囲wb2は、外側傾斜部123Aの軸方向範囲wa1より狭く(wa1>wb2)、内側傾斜部124Bの径方向範囲tb2は、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1より狭くなっている(ta1>tb2)。
なお、内側傾斜部124Bの径方向範囲tb2及び軸方向範囲wb2は、内側傾斜部124Bの軸方向断面形状の円弧の半径r2と一致している。(wb2=tb2=r2)。
【0047】
また、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1と内側傾斜部124Bの径方向範囲tb2の寸法の合計は外歯歯車12Bの径方向の最大厚みtb0と一致している(次式(5))。
但し、外側傾斜部123Aの径方向範囲ta1の寸法と内側傾斜部124Bの径方向範囲tb2の寸法の合計は、外歯歯車12Bの径方向の最大厚みtb0の1/2以上であればよく(次式(6))、2/3以上であればより望ましい(次式(7))。
ta1+tb2=tb0 …(5)
ta1+tb2≧tb0*1/2 …(6)
ta1+tb2≧tb0*2/3 …(7)
【0048】
また、外側傾斜部123Aと内側傾斜部124Bは、軸方向断面が共に円弧状(曲線形状)であって、外側傾斜部123Aの径方向内側の終端部と内側傾斜部124Bの径方向外側の終端部とが連続している。
ここでいう連続とは、外側傾斜部123Aの径方向内側の終端部における接線と内側傾斜部124Bの径方向外側の終端部における接線が共通であることを示す。
【0049】
[外歯歯車の形状の他の例(3)]
図5に基づいて外歯歯車の形状の他の例(3)について説明する。
図5(A)は他の形状を有する外歯歯車12Cの軸方向断面図、図5(B)は他の形状を有する外歯歯車12Cの軸方向の一端部における拡大した軸方向断面図を示す。
以下の説明において、外歯歯車12Cにおいて外歯歯車12と同一の構成部分は外歯歯車12と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0050】
外歯歯車12Cは、筒状の基部121Cと、基部121Cの外周側に設けられた外歯部122Cとを有している。
外歯歯車12Cは、基部121Cの幅方向及び外歯部122Cの歯幅方向が軸方向に平行となるように、起振体軸受15を介して起振体10Aの外周に設けられている。
【0051】
そして、外歯部122Cは、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って外径が徐々に小さくなる外側傾斜部123Cを有し、基部121Cは、その軸方向両側の端部に、軸方向外側に行くに従って内径が徐々に大きくなる内側傾斜部124Cを有している。
なお、外歯歯車12Cも、また、軸方向両側の外側傾斜部123C及び内側傾斜部124Cは、軸方向に垂直な対称面を中心として対称形状であるので、一方の外側傾斜部123C及び内側傾斜部124Cについて説明する。
【0052】
外側傾斜部123Cは、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向内側(回転軸O1側)に向かう方向に曲線的に傾斜した形状となっている。特に、ここでは、外側傾斜部123Cが円弧状、さらには、90°の角度範囲で形成された円弧状である場合を例示する。
但し、外側傾斜部123Cは90°の角度範囲でなくともよいし、径方向外側に凸となる曲線状であれば円弧でなくともよい。
【0053】
内側傾斜部124Cは、軸断面形状が、軸方向外側に向かうにつれて径方向外側(回転軸O1とは逆側)に向かう方向に曲線的に傾斜した形状となっている。特に、ここでは、内側傾斜部124Cが円弧状、さらには、90°の角度範囲で形成された円弧状である場合を例示する。
但し、内側傾斜部124Cは90°の角度範囲でなくともよいし、径方向内側に凸となる曲線状であれば円弧でなくともよい。
【0054】
外側傾斜部123Cの軸方向範囲wc1と内側傾斜部124Cの軸方向範囲wc2とは等しく(wc1=wc2)、外側傾斜部123Cの径方向範囲tc1と内側傾斜部124Cの径方向範囲tc2とは等しくなっている(tc1=tc2)。
また、外側傾斜部123Cの軸方向断面形状の円弧の半径rc1と内側傾斜部124Cの軸方向断面形状の円弧の半径rc2は等しく、これらと軸方向範囲wc1、軸方向範囲wc2、径方向範囲tc1及び径方向範囲tc2も一致している(rc1=rc2=wc1=wc2=tc1=tc2)。
【0055】
また、外側傾斜部123Cの径方向範囲tc1の寸法と内側傾斜部124Cの径方向範囲tc2の寸法は、いずれも、外歯歯車12Cの径方向の最大厚みtc0の1/2と一致している(次式(8))。
但し、外側傾斜部123Cの径方向範囲tc1の寸法と内側傾斜部124Cの径方向範囲tc2の寸法の合計は、外歯歯車12Bの径方向の最大厚みtc0の1/2以上であればよく(次式(9))、2/3以上であればより望ましい(次式(10))。
tc1=tc2=tc0*1/2 …(8)
tc1+tc2≧tc0*1/2 …(9)
tc1+tc2≧tc0*2/3 …(10)
【0056】
また、外側傾斜部123Cと内側傾斜部124Cは、軸方向断面が共に円弧状(曲線形状)であって、外側傾斜部123Cの径方向内側の終端部と内側傾斜部124Cの径方向外側の終端部とが連続している。
ここでいう連続とは、外側傾斜部123Cの径方向内側の終端部における接線と内側傾斜部124Cの径方向外側の終端部における接線が共通であることを示す。
つまり、この外歯歯車12Cでは、軸方向端部における軸方向断面形状が半径rc1(=rc2)の半円弧状となっている。
【0057】
[本発明の実施形態の技術的効果]
以上のように、撓み噛合い式歯車装置1は、外歯歯車12の外歯部122に外側傾斜部123を有し、基部121に内側傾斜部124を有している。
このため、外歯歯車12の軸方向両端部の端面に傾斜を生じた場合に、スペーサリング36,37に対して角度が鋭い角部での摺接を回避し、外側傾斜部123又は内側傾斜部124による接触圧を緩和して摺動させることができ、外歯歯車12やスペーサリング36,37の摩耗を低減し、摩耗粉の発生を抑制して、内部での動作の妨げや周囲の部材の破損、故障等の発生を低減することが可能となる。
また、外歯歯車12A~12Cについても同じ効果を得ることができる。
【0058】
また、外歯歯車12では、外側傾斜部123の軸方向範囲w1が内側傾斜部124の軸方向範囲w2より広くしているが、外歯歯車12の軸方向両端部の端面に傾斜を生じた場合には、径方向の外側の方がスペーサリング36,37に摺接する頻度が高いので、上記構成により、外歯歯車12の軸方向端部の径方向厚みを小さくし過ぎることなく、外歯歯車12やスペーサリング36,37の摩耗をより効果的に低減することが可能となる。
また、外歯歯車12A,12Bについても同じ効果を得ることができる。
【0059】
また、外歯歯車12では、外側傾斜部123の径方向範囲t1が内側傾斜部124の径方向範囲t2より広くしているが、前述したように、径方向の外側の方がスペーサリング36,37に摺接する頻度が高いので、上記構成により、外歯歯車12の軸方向端部の径方向厚みを小さくし過ぎることなく、外歯歯車12やスペーサリング36,37の摩耗をより効果的に低減することが可能となる。
また、外歯歯車12A,12Bについても同じ効果を得ることができる。
【0060】
また、外歯歯車12Aでは、外側傾斜部123Aの軸方向断面を曲線形状とし、内側傾斜部124の軸方向断面を直線形状としている。軸方向断面を曲線形状とする場合には、摩耗低減の効果に優れ、軸方向断面を直線形状とする場合には加工容易性に優れる。従って、摺接頻度の高い外側傾斜部123Aを曲線形状とすることで摩耗低減効果を高めつつ加工容易性を確保することが可能となる。
【0061】
また、外歯歯車12Bでは、外側傾斜部123A、内側傾斜部124Bともに軸方向断面を曲線形状とし、外側傾斜部123Aの曲率半径r1を内側傾斜部124Bの曲率半径r2よりも大きくしている。
これにより、さらに高い摩耗低減効果を得ると共に外側傾斜部123Aと内側傾斜部124Bとで摺接頻度に応じてバランスよく摩耗低減を図ることが可能となる。
【0062】
また、外歯歯車12Bでは、外側傾斜部123Aおよび内側傾斜部124Bはともに軸方向断面が曲線形状であり、外側傾斜部123Aの径方向内側の終端部と内側傾斜部124Bの径方向外側の終端部とが連続している。
このため、外歯歯車12Bの軸方向両端部の端面の傾斜方向に拘わらず、スペーサリング36,37に対する接触圧を効果的に緩和することができ、より高い摩耗低減効果を得ることが可能となる。
また、外歯歯車12Cについても同じ効果を得ることができる。
【0063】
また、外歯歯車12では、外側傾斜部123の径方向範囲t1の寸法と内側傾斜部124の径方向範囲t2の寸法の合計を外歯歯車12の径方向の最大厚みt0の1/2以上としているので、外歯歯車12の軸方向両端部の端面の傾斜方向の広範囲でスペーサリング36,37に対する接触圧を緩和することができ、より高い摩耗低減効果を得ることが可能となる。
また、外歯歯車12A~12Cについても同じ効果を得ることができる。
【0064】
また、外歯歯車12では、外側傾斜部123の径方向内側の終端は基部121に達している。このため、外側傾斜部123を広範囲に形成することができ、摺接する頻度が高い径方向の外側における、外歯歯車12やスペーサリング36,37の摩耗をより効果的に低減することが可能となる。
また、外歯歯車12A,12Bについても同じ効果を得ることができる。
【0065】
[その他]
上述した実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した撓み噛合い式歯車装置1では、規制部材としてスペーサリング36,37を例示したが、外歯歯車12に当接して軸方向の移動を規制することが可能なあらゆる部材や構造を規制部材とすることが可能である。例えば、第1カバー26や第2カバー27が外歯歯車12の軸方向の両側に配置され、当接することで軸方向の移動を規制する構造としても良い。或いは、軸受31,32の外輪が規制部材を兼ねても良い。
【0066】
また、撓み噛合い式歯車装置1の動作説明では、第1内歯歯車22gを固定し、第2内歯歯車23gを回転させる場合を例示したが、これに限らず、第1内歯歯車22gと第2内歯歯車23gのいずれを固定側としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 撓み噛合い式歯車装置
10 起振体軸
10A 起振体
10B、10C 軸部
12 外歯歯車
12A~12C 外歯歯車
22g 第1内歯歯車
23g 第2内歯歯車
36、37 スペーサリング(規制部材)
121,121B,121C 基部
122,122A,122C 外歯部
123,123A,123C 外側傾斜部
124,124B,124C 内側傾斜部
O1 回転軸
e 終端
r1,r2,rc1,rc2 半径(曲率半径)
t0,ta0,tb0,tc0 最大厚み
t1,t2,ta1,tb2,tc1,tc2 径方向範囲
w1,w2,wa1,wb2,wc1,wc2 軸方向範囲
図1
図2
図3
図4
図5