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特許7386628アンビルバットレスを備えた外科用ステープル留め装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】アンビルバットレスを備えた外科用ステープル留め装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
A61B17/115
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019121509
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2020006165
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】62/693,167
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/429,416
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ウィリアムズ
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151194(JP,A)
【文献】特開2014-171880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-18/00
A61N 7/00
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル留め装置であって、
上面および底面を含み、前記底面がステープル形成ポケットを画定する、アンビルヘッドと、
前記アンビルヘッドの前記底面に支持され、前記ステープル形成ポケットを覆うように位置決めされた、バットレスと、
前記アンビルヘッドの前記上面に固定され、前記バットレスを前記アンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされた、アンビルキャップと、を備え、前記アンビルキャップが、内側リング組立体および外側リングを含み、前記外側リングが、前記バットレスと選択的に係合可能であり、前記アンビルキャップを前記バットレスから分離し、前記バットレスを前記アンビルヘッドから解放するように、前記内側リング組立体に対して移動可能である、ステープル留め装置。
【請求項2】
前記内側リング組立体が、前記バットレスに対する前記外側リングの移動を容易にするように可撓性である、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項3】
前記内側リング組立体が、可撓性カップと、前記可撓性カップを前記外側リングに接続する環状フランジと、を含む、請求項2に記載のステープル留め装置。
【請求項4】
前記アンビルキャップを前記アンビルヘッドに固定し、前記可撓性カップ内に着座する、締結具をさらに備える、請求項3に記載のステープル留め装置。
【請求項5】
前記アンビルヘッド内に位置決めされ、前記締結具が前記可撓性カップを前記アンビルヘッドに固定された状態を維持しながら、前記外側リングを前記バットレスから離れるように移動させるように、前記アンビルヘッドに対して移動可能である、ピンをさらに備える、請求項4に記載のステープル留め装置。
【請求項6】
前記ピンが、前記アンビルキャップと一体である、請求項5に記載のステープル留め装置。
【請求項7】
前記アンビルヘッドが、前記アンビルヘッドに対して移動可能であるバックアッププレートを支持し、前記バックアッププレートが、前記アンビルヘッドに対して前記ピンを移動させるように、前記ピンと選択的に係合可能である、請求項5に記載のステープル留め装置。
【請求項8】
前記バックアッププレートを前記アンビルヘッドに対して移動させるように、前記バックアッププレートと選択的に係合可能である円筒形ナイフをさらに備える、請求項7に記載のステープル留め装置。
【請求項9】
前記バットレスが、前記バットレスから延在するフィンガを含み、前記フィンガが、前記アンビルヘッドの前記上面に沿って位置決めされ、前記バットレスを前記アンビルヘッドの前記底面に対して支持するように、前記外側リングの下に配置される、請求項1に記載のステープル留め装置。
【請求項10】
外側リングが、前記フィンガと接触して、前記バットレスを前記アンビルヘッドに固定するように位置決めされた環状リップを含む、請求項9に記載のステープル留め装置。
【請求項11】
円形ステープル留め装置であって、
バットレスと、
アンビルヘッドおよび前記アンビルヘッドに固定されたアンビルキャップを含む、アンビルヘッド組立体と、を備え、前記アンビルキャップが、前記バットレスを前記アンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされ、前記アンビルキャップが、可撓性であり、内側リング組立体および外側リングを含み、前記外側リングが、前記アンビルヘッドから前記バットレスを解放するように、前記アンビルヘッドおよび前記内側リング組立体に対して選択的に移動可能である、円形ステープル留め装置。
【請求項12】
前記内側リング組立体が、前記アンビルヘッドに固定され前記内側リング組立体が、前記バットレスに対する前記外側リングの移動に応答して、撓むように構成される、請求項11に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項13】
前記内側リング組立体が、前記アンビルヘッドに固定された可撓性カップと、前記可撓性カップを前記外側リングに接続する、環状フランジと、を含む、請求項12に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項14】
前記可撓性カップによって画定されたポケット内に受容される締結具をさらに備え、前記締結具が、前記可撓性カップを前記アンビルヘッドに固定するように、前記アンビルヘッドにねじ連結される、請求項13に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項15】
前記アンビルヘッド組立体が、前記アンビルヘッド内に受容される少なくとも1つのピンを含み、前記少なくとも1つのピンが、前記外側リングと前記バットレスとを分離するように、前記アンビルヘッドに対して移動可能である、請求項14に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのピンが、前記アンビルキャップから独立している、請求項15に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのピンが、前記アンビルキャップの周りに位置決めされた複数の離間したピンを含む、請求項15に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項18】
ックアッププレートと係合するように選択的に移動可能な円筒形ナイフをさらに備え、前記バックアッププレートが、前記アンビルヘッドに対して前記バックアッププレートを移動させるように、前記アンビルヘッド内に支持され、前記バックアッププレートが、前記少なくとも1つのピンと係合するように位置決めされる、請求項15に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項19】
前記バットレスが、前記アンビルヘッド上で前記バットレスを支持するフィンガを含む、請求項11に記載の円形ステープル留め装置。
【請求項20】
前記外側リングが、前記フィンガを前記アンビルヘッドに対して選択的に捕捉する、環状リップを含む、請求項19に記載の円形ステープル留め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/693,167号の利益および優先権を主張し、この米国仮特許出願の開示内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、外科用ステープル留め装置に関し、より具体的には、吻合手技において使用するために、バットレス材を円形外科用ステープル留め装置に取り外し可能に取り付けるための構造および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
締結具は従来、例えば、腸または気管支などの様々な身体構造を接合するときに、縫合糸の代わりに使用されてきた。これらの締結具を適用するために用いられる外科用ステープル留め装置は、一般に、吻合手技に伴う時間および危険性を低減するために、組織を同時に切断および封止するように設計されている。
【0004】
円形外科用ステープル留め装置は、体組織のセグメントを一緒に接合する目的で、および/または吻合を形成する目的で、1つ以上の外科用締結具、例えば、ステープルまたは2つの部品からなる締結具を体組織に適用するために、外科医によって用いられる。円形外科用ステープル留め装置は、一般に、複数の環状列の締結具を支持する環状締結具カートリッジ組立体と、円形ステープル留め装置の発射時に締結具が形成される表面を提供する締結具カートリッジ組立体と動作可能に関連付けられた環状アンビル組立体と、組織を切断するための環状ブレードと、を含む。
【0005】
ほとんどの手技では、むき出しの締結具の使用は、締結具を患者の組織に直接接触させた状態で、一般的に許容可能である。組織の完全性は、通常、締結具が組織から抜去され、治癒が生じる前に封止し損なうことを防止する役目を果たす。しかしながら、いくつかの外科手術では、バットレス材は、円形ステープル留め装置と組み合わせて、外科医によって使用され、患者内の組織欠損を架橋、修復、および/または補強する。特に、バットレス材は、患者が被る外傷を低減し、漏出の事例を低減し、出血の事例を低減し、かつ隣接する身体組織間に比較的強い固着を作り出す。
【0006】
したがって、バットレス材が装置の動作に干渉せず、締結具が発射された後まで装置上に留まり、設置および使用が便利かつ容易であるように、バットレス材を円形ステープル留め装置に確実にかつ取り外し可能に取り付ける必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本開示は、ステープル留め装置を対象とする。ステープル留め装置は、アンビルヘッドと、バットレスと、アンビルキャップと、を含む。アンビルヘッドは、上面と、底面と、を含む。底面は、ステープル形成ポケットを画定する。バットレスは、アンビルヘッドの底面に支持され、ステープル形成ポケットを覆うように位置決めされている。アンビルキャップは、アンビルヘッドの上面に固定されており、バットレスをアンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされている。アンビルキャップは、内側リング組立体と、外側リングと、を含む。外側リングは、バットレスと選択的に係合可能であり、アンビルキャップをバットレスから分離し、バットレスをアンビルヘッドから解放するように、内側リング組立体に対して移動可能である。
【0008】
いくつかの実施形態において、内側リング組立体は、バットレスに対する外側リングの移動を容易にするために可撓性であり得る。内側リング組立体は、可撓性カップと、可撓性カップを外側リングに接続する環状フランジと、を含み得る。ステープル留め装置は、アンビルキャップをアンビルヘッドに固定し、可撓性カップ内に着座する、締結具をさらに含み得る。ステープル留め装置は、アンビルヘッド内に位置決めされ、締結具が可撓性カップをアンビルヘッドに固定した状態を維持しながら、外側リングをバットレスから離れるように移動させるように、アンビルヘッドに対して移動可能である、ピンをさらに含み得る。ピンは、アンビルキャップと一体であってもよい。アンビルヘッドは、アンビルヘッドに対して移動可能なバックアッププレートを支持し得る。バックアッププレートは、アンビルヘッドに対してピンを移動させるように、ピンと選択的に係合可能であり得る。ステープル留め装置は、バックアッププレートをアンビルヘッドに対して移動させるように、バックアッププレートと選択的に係合可能である、円筒形ナイフをさらに含み得る。
【0009】
特定の実施形態では、バットレスは、バットレスから延在するフィンガを含み得る。フィンガは、アンビルヘッドの上面に沿って位置決めされ、バットレスをアンビルヘッドの底面に対して支持するように、外側リングの下に配置され得る。外側リングは、フィンガと接触して、バットレスをアンビルヘッドに固定するように位置決めされた環状リップを含み得る。
【0010】
本開示の別の態様によれば、円形ステープル留め装置が提供される。円形ステープル留め装置は、バットレスと、アンビルヘッド組立体と、を含む。アンビルヘッド組立体は、アンビルヘッドと、アンビルヘッドに固定されたアンビルキャップと、を含む。アンビルキャップは、バットレスをアンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされる。アンビルキャップは、可撓性であり、アンビルヘッドからバットレスを解放するように、アンビルヘッドに対して選択的に移動可能である、外側リングを含む。
【0011】
特定の実施形態では、アンビルキャップは、アンビルヘッドに固定されている内側リング組立体を含み得る。内側リング組立体は、バットレスに対する外側リングの移動に応答して、撓むように構成されてもよい。内側リング組立体は、アンビルヘッドに固定された可撓性カップと、可撓性カップを外側リングに接続する環状フランジと、を含み得る。円形ステープル留め装置は、可撓性カップによって画定されたポケット内に受容される、締結具をさらに含み得る。締結具は、可撓性カップをアンビルヘッドに固定するためにアンビルヘッドにねじ連結することができる。アンビルヘッド組立体は、アンビルヘッド内に受容される1つ以上のピンを含み得る。1つ以上のピンは、外側リングとバットレスとを分離するように、アンビルヘッドに対して移動可能であり得る。1つ以上のピンは、アンビルキャップから独立していてもよい。1つ以上のピンは、アンビルキャップの周りに位置決めされた複数の離間したピンを含み得る。円形ステープル留め装置は、アンビルヘッドに対してバックアッププレートを移動させるように、アンビルヘッド内に支持されたバックアッププレートと係合するように選択的に移動可能な円筒形ナイフをさらに含み得る。バックアッププレートは、1つ以上のピンと係合するように位置決めされ得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、バットレスは、アンビルヘッド上でバットレスを支持するフィンガを含み得る。外側リングは、フィンガをアンビルヘッドに対して選択的に捕捉する、環状リップを含み得る。
【0013】
他の態様、特徴、および利点は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ステープル留め装置であって、
上面および底面を含み、前記底面がステープル形成ポケットを画定する、アンビルヘッドと、
前記アンビルヘッドの前記底面に支持され、前記ステープル形成ポケットを覆うように位置決めされた、バットレスと、
前記アンビルヘッドの前記上面に固定され、前記バットレスを前記アンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされた、アンビルキャップと、を備え、前記アンビルキャップが、内側リング組立体および外側リングを含み、前記外側リングが、前記バットレスと選択的に係合可能であり、前記アンビルキャップを前記バットレスから分離し、前記バットレスを前記アンビルヘッドから解放するように、前記内側リング組立体に対して移動可能である、ステープル留め装置。
(項目2)
前記内側リング組立体が、前記バットレスに対する前記外側リングの移動を容易にするように可撓性である、上記項目に記載のステープル留め装置。
(項目3)
前記内側リング組立体が、可撓性カップと、前記可撓性カップを前記外側リングに接続する環状フランジと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目4)
前記アンビルキャップを前記アンビルヘッドに固定し、前記可撓性カップ内に着座する、締結具をさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目5)
前記アンビルヘッド内に位置決めされ、前記締結具が前記可撓性カップを前記アンビルヘッドに固定された状態を維持しながら、前記外側リングを前記バットレスから離れるように移動させるように、前記アンビルヘッドに対して移動可能である、ピンをさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目6)
前記ピンが、前記アンビルキャップと一体である、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目7)
前記アンビルヘッドが、前記アンビルヘッドに対して移動可能であるバックアッププレートを支持し、前記バックアッププレートが、前記アンビルヘッドに対して前記ピンを移動させるように、前記ピンと選択的に係合可能である、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目8)
前記バックアッププレートを前記アンビルヘッドに対して移動させるように、前記バックアッププレートと選択的に係合可能である円筒形ナイフをさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目9)
前記バットレスが、前記バットレスから延在するフィンガを含み、前記フィンガが、前記アンビルヘッドの前記上面に沿って位置決めされ、前記バットレスを前記アンビルヘッドの前記底面に対して支持するように、前記外側リングの下に配置される、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目10)
外側リングが、前記フィンガと接触して、前記バットレスを前記アンビルヘッドに固定するように位置決めされた環状リップを含む、上記項目のいずれか一項に記載のステープル留め装置。
(項目11)
円形ステープル留め装置であって、
バットレスと、
アンビルヘッドおよび前記アンビルヘッドに固定されたアンビルキャップを含む、アンビルヘッド組立体と、を備え、前記アンビルキャップが、前記バットレスを前記アンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされ、前記アンビルキャップが、可撓性であり、前記アンビルヘッドから前記バットレスを解放するように、前記アンビルヘッドに対して選択的に移動可能である、外側リングを含む、円形ステープル留め装置。
(項目12)
前記アンビルキャップが、前記アンビルヘッドに固定されている内側リング組立体を含み、前記内側リング組立体が、前記バットレスに対する前記外側リングの移動に応答して、撓むように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目13)
前記内側リング組立体が、前記アンビルヘッドに固定された可撓性カップと、前記可撓性カップを前記外側リングに接続する、環状フランジと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目14)
前記可撓性カップによって画定されたポケット内に受容される締結具をさらに備え、前記締結具が、前記可撓性カップを前記アンビルヘッドに固定するように、前記アンビルヘッドにねじ連結される、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目15)
前記アンビルヘッド組立体が、前記アンビルヘッド内に受容される少なくとも1つのピンを含み、前記少なくとも1つのピンが、前記外側リングと前記バットレスとを分離するように、前記アンビルヘッドに対して移動可能である、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目16)
前記少なくとも1つのピンが、前記アンビルキャップから独立している、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目17)
前記少なくとも1つのピンが、前記アンビルキャップの周りに位置決めされた複数の離間したピンを含む、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目18)
前記アンビルヘッドに対して前記バックアッププレートを移動させるように、前記アンビルヘッド内に支持されたバックアッププレートと係合するように選択的に移動可能な円筒形ナイフをさらに備え、前記バックアッププレートが、前記少なくとも1つのピンと係合するように位置決めされる、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目19)
前記バットレスが、前記アンビルヘッド上で前記バットレスを支持するフィンガを含む、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(項目20)
前記外側リングが、前記フィンガを前記アンビルヘッドに対して選択的に捕捉する、環状リップを含む、上記項目のいずれか一項に記載の円形ステープル留め装置。
(摘要)
円形ステープル留め装置は、バットレスと、アンビルヘッド組立体と、を含む。アンビルヘッド組立体は、アンビルヘッドと、アンビルヘッドに固定されたアンビルキャップと、を含む。アンビルキャップは、バットレスをアンビルヘッドに選択的に固定するように位置決めされる。アンビルキャップは、可撓性であり、アンビルヘッドからバットレスを解放するように、アンビルヘッドに対して選択的に移動可能である、外側リングを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上記の開示の一般的な説明および以下に示される詳細な説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0015】
図1】本開示による外科用ステープル留め装置の斜視図であり、外科用ステープル留め装置は、接近解除位置で示されているエンドエフェクタの一実施形態を含んでいる。
図2図1に示す細部の指された領域の拡大図である。
図3】エンドエフェクタのアンビル組立体がエンドエフェクタのカートリッジ組立体から分離されて示されている、図1のエンドエフェクタの斜視図である。
図4図3のアンビル組立体のアンビルヘッド組立体の部品を分離した斜視図である。
図5図4のアンビルヘッド組立体のアンビルキャップの斜視図である。
図6図3のアンビル組立体の、部品を分離した斜視図である。
図7図1のエンドエフェクタの側面断面図であり、エンドエフェクタは接近位置で図示されている。
図8】吻合手技を実行する図1の外科用ステープル留め装置を示す進行図である。
図9】吻合手技を実行する図1の外科用ステープル留め装置を示す進行図である。
図10】吻合手技を実行する図1の外科用ステープル留め装置を示す進行図である。
図11】アンビル組立体の別の実施形態の斜視図である。
図12図11のアンビル組立体のアンビルヘッド組立体の部品を分離した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の外科用ステープル留め装置の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。一般に既知であるように、「臨床医」という用語は、医者、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、医療支援従事者を含み得る。さらに、「近位」という用語は、臨床医により近い構造の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医からより遠い構造の部分を指す。さらに、前側、後側、上側、下側、頂部、底部などの方向の用語は、単に説明の便宜のために使用されており、本明細書に添付の開示を限定することを意図するものではない。
【0017】
以下の説明では、周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0018】
ここで図1を参照すると、概して10と称される外科用ステープル留め装置が、提供されている。実施形態では、外科用ステープル留め装置10は、再使用に適合されており、特定の実施形態では、外科用ステープル留め装置10またはその一部は、単回使用および/または使い捨てに適合されていてもよい。外科用ステープル留め装置10は、中心線「CL」を画定し、電動ハンドヘルド電気機械的器具の形態の外科用デバイス100を含む。外科用ステープル留め装置10は、外科用デバイス100に選択的に取り付け可能である、アダプタ組立体200をさらに含む。アダプタ組立体200は、外科手術デバイス100から遠位方向に延在し、かつ遠位端まで延在する細長い筐体202を有する。細長い筐体202の遠位端は、エンドエフェクタ300を支持する。エンドエフェクタ300は、組織「T」の切断および/またはステープル留めのため、組織「T」(図10を参照)を選択的に挟持するために、挟持解除または接近解除位置(図1を参照)と、挟持または接近位置(図7を参照)との間に位置決め可能なシェルまたはカートリッジ組立体310およびアンビル組立体320を含む。外科用デバイス100は、アダプタ組立体200と選択的に接続するように構成されており、次に、アダプタ組立体200は、エンドエフェクタ300と選択的に接続するように構成されている。外科用デバイス100およびアダプタ組立体200は、共に協働してエンドエフェクタ300を操作する。
【0019】
外科用ステープル留め装置10の外科用デバイス100は、充電式バッテリ103を選択的に取り外し可能に受容するように構成されたハンドルハウジング102を含む。バッテリ103は、外科用デバイス100の電気部品に電力を供給するように構成されている。ハンドルハウジング102は、外科用デバイス100の様々な動作を制御するように構成されているコントローラまたは回路基板105を支持するキャビティ「C」を画定する。
【0020】
外科用ステープル留め装置10は、外科用ステープル留め装置10の様々な動作を実行するために、ハンドルハウジング102内の回転可能シャフトおよび/またはギア構成要素(図示せず)を駆動するように構成された駆動機構106をさらに含む。例えば、駆動機構106は、外科用ステープル留め装置10の中心線「CL」の周りで、および/もしくはそれに対して、エンドエフェクタ300を選択的に回転させるように;アンビル組立体320をカートリッジ組立体310に対して選択的に移動して組織を選択的に挟持するように;ならびに/または挟持された組織を固定および/または切断するために外科用ステープル留め装置10を発射するように、動作可能であり得る。バッテリ103、コントローラ105、および/または駆動機構106は、指で作動させる制御ボタン、ロッカーデバイスなどのような1つ以上のアクチュエータ107a、107bに動作可能に連結し、上述のものなどの、外科用ステープル留め装置10の様々な機能を実現することができる。
【0021】
電気機械的外科用ステープル留め装置10の駆動機構106は、細長い筐体202を通って遠位方向に延在する接近機構108を含む。接近機構108は、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる、Millimanらの米国特許第7,303,106号に記載されているように、アンビル組立体320に選択的または取り外し可能に連結するように構成されている。接近機構108はまた、外科用ステープル留め装置10の中心線「CL」に沿って遠位位置と近位位置との間で移動し、アンビル組立体320をカートリッジ組立体310に対して接近位置と接近解除位置との間で移動させて、組織を選択的に挟持および/または挟持解除するように構成される。
【0022】
例示的な電気機械的外科用ステープル留め装置の構成および動作の詳細な説明については、Rossらの米国特許第8,806,973号が参照可能であり、その全体の内容は参照により本明細書に組み込まれ、その構成要素は、本明細書に記載の外科用ステープル留め装置10の1つ以上の構成要素と組み合わせ可能および/または交換可能である。
【0023】
外科用ステープル留め装置10は、電気機械式の電動外科用ステープル留め装置として記載されているが、本開示の外科用ステープル留め装置は、手動式の電動ステープル留め装置として提供されてもよい。例示的な手動式の電動ステープル留め装置の構造および動作のより詳細な説明については、その1つ以上の構成要素を本明細書に記載の電気機械式の電動ステープル留め装置と組み合わせおよび/または交換することが可能であり、より詳細な説明については、Violaらの米国特許第5,915,616号、Millimanらの米国特許第8,109,426号、Holstenらの米国特許第8,272,552号、Millimanの米国特許第9,504,470号、およびPennaの米国特許第9,414,839号を参照することができ、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
ここで図2図10を参照すると、エンドエフェクタ300のアンビル組立体320は、中心ロッド組立体322と、中心ロッド組立体322から遠位方向に延在し、非傾斜位置(図2)と傾斜位置(図9)との間でそれに旋回可能に連結されるアンビルヘッド組立体324と、を含む。簡潔に述べると、中心ロッド組立体322は、プランジャ組立体322bを支持する中心ロッド322aと、エンドエフェクタ300が発射され、かつアンビル組立体320がカートリッジ組立体310から接近解除された後に、アンビル組立体324が非傾斜位置から傾斜位置に移動することを可能にするように協働する、カムラッチ322cと、を含む。中心ロッド組立体322、および/またはその構成要素の構造および動作のより詳細な説明については、上記で本明細書に参照により組み込まれている、Millimanらの米国特許第8,109,426号を参照することができる。
【0025】
アンビル組立体320のアンビルヘッド組立体324は、アンビルヘッド326と、アンビルキャップ330によってアンビルヘッド326に選択的に固定されたバットレス328と、アンビルキャップ330をアンビルヘッド326に固定する締結具340と、を含む。
【0026】
アンビルヘッド326は、ステープル形成ポケット326bを画定する底面326aと、その中にバックアッププレート凹部326xと、を含む。アンビルヘッド326はまた、その中にピン穴326dおよび締結具穴326eを画定する上面326cを含み、それは、ねじ山付きであり得る。さらに、アンビルヘッド326は、バックアッププレート凹部326x内でバックアッププレート組立体327を支持する。バックアッププレート組立体327は、アンビルヘッド326のバックアッププレート凹部326xを通って近位位置(図7)から遠位位置(図8)まで、軸方向に移動可能である。バックアッププレート組立体327、および/またはその構成要素の構造および動作のより詳細な説明については、上記で本明細書に参照により組み込まれている、Millimanらの米国特許第8,109,426号を参照することができる。
【0027】
アンビルヘッド組立体324のバットレス328は、環状本体328aと、環状本体328aから延在する、円周方向に離間した複数のフィンガ328bと、を含む。環状本体328aは、底面326aに画定されたステープルポケット326bを覆うように、アンビルヘッド326の底面326aの上に延在するように構成される。環状本体328aは、それを貫通する中央開口部328cを画定する。フィンガ328bは、アンビルヘッド326の上面326cの上に、かつアンビルキャップ330の下に延在するように位置決めされて、アンビルヘッド326の底面326aに装着されたバットレス328の環状本体328aを選択的に維持する。
【0028】
アンビルヘッド組立体324のアンビルキャップ330は、外側リング332と、内側リング組立体334と、アンビルキャップ330の底面から近位方向に延在する離間したピン336と、を含む。ピン336は、アンビルキャップ330と一体的に、またはモノリシックに形成され得る。外側リング332は、アンビルキャップ330がアンビルヘッド326と係合したとき(図7)に、バットレス328のフィンガ328bをアンビルヘッド326に対して捕捉し、アンビルキャップ330がアンビルヘッド326から係合解除したとき(図8)に、バットレス328のフィンガ328bを解放するように位置決めされた、環状リップ332aを含む。内側リング組立体334は、可撓性カップ334aと、可撓性カップ334aを外側リング332に結合する可撓性環状フランジ334bと、を含む。可撓性カップ334aは、その中に締結具340を支持するポケット334cおよび開口部334dを画定する。可撓性カップ334aおよび可撓性環状フランジ334bは、アンビルヘッド326からバットレス328を選択的に解放するために、アンビルキャップ330がアンビルヘッド326に対して第1の位置または係合位置(図7)から第2の位置または係合解除位置(図8)に移動することを可能にするのに十分に可撓性である任意の好適な材料で形成され得る。係合位置では、アンビルキャップ330の外側リング332は、バットレス328aのフィンガ328bをアンビルヘッド326の上面に固定するように構成され、係合解除位置では、アンビルキャップ330の外側リング332は、バットレス328aのフィンガ328bがアンビルヘッド326から分離し、バットレス328をアンビルヘッド326から解放することを可能にするように、アンビルヘッド326の上面から離間する。
【0029】
アンビルヘッド組立体324の締結具340は、アンビルキャップ330の可撓性カップ334aのポケット334c内に着座して、アンビルヘッド326の上面に対して可撓性カップ334aを保持するヘッド部分342を含む。締結具340は、アンビルヘッド326の締結具穴326eとねじ係合するようにヘッド部分342から近位方向に延在する、ねじ山付きシャフト部分344をさらに含み、それによりアンビルキャップ330をアンビルヘッド326に固定する。ヘッド部分342は、その上面に駆動凹部342aを画定し、駆動凹部342aは、ねじ回しなどの駆動器具(図示せず)を受容して、締結具340をアンビルキャップ330およびアンビルヘッド326に固定するように構成される。駆動凹部342aは、星型、十字型、六角小葉型などの任意の好適な構成を有してもよい。
【0030】
エンドエフェクタ300のカートリッジ組立体310は、シェル312と、締結具317(例えば、ステープル)をアンビル組立体320内に発射させるためのプッシャ313と、組織を切断するための円筒形ナイフ314と、カートリッジ組立体310内の締結具317を支持するためのステープルカートリッジ315と、を含む。カートリッジ組立体310は、矢印「A」で示すように、ステープルカートリッジ315に対してプッシャ313を遠位方向に前進させるように構成された外側駆動スリーブ318と、外側駆動スリーブ318上に支持された内側駆動スリーブ319と、をさらに含む。アンビル組立体320のアンビルヘッド326に対して締結具317を形成するために、外側駆動スリーブ318がステープルカートリッジ315に対してプッシャ313を遠位方向に前進させるとき、内側駆動スリーブ319は、矢印「B」によって示されるように、ステープルカートリッジ315に対して円筒形ナイフ314を遠位方向に前進させるように構成される。
【0031】
カートリッジ組立体310のシェル312は、アダプタ組立体202(図1)の細長い筐体202の遠位端部分に固定されている。シェル312は、ステープルカートリッジ315を支持するように構成された外側ハウジング312aと、アンビル組立体320の中心ロッド組立体322を中に受容するように構成された内側ハウジング312bと、カートリッジ組立体310をアダプタ組立体200の細長い筐体202に連結するように構成された連結部分312xと、を含む。
【0032】
カートリッジ組立体310のプッシャ313は、シェル312の内側ハウジング312bの周りに摺動可能に位置決めされる。プッシャ313は、締結具317のアレイを支持するように構成された、遠位方向に延在するフィンガ313aの環状アレイを含む。フィンガ313aのうちの1つ以上および/または締結具317のうちの1つ以上は、異なる高さを有し得る。いくつかの実施形態において、フィンガ313aのうちの1つ以上および/または締結具317のうちの1つ以上は、同じ高さを有し得る。
【0033】
カートリッジ組立体310の円筒形ナイフ314は、プッシャ313内に摩擦保持されて、プッシャ313に対してナイフ314をしっかりと固定する。ナイフ314の遠位端は、組織を切断するように構成された円形の切刃314aを含む。
【0034】
カートリッジ組立体310のステープルカートリッジ315は、組織接触面315aを含み、そこにスロット315bの環状アレイが、形成され、およびアンビルヘッド326のステープル形成ポケット326bと位置合わせして位置決めされる。ステープルカートリッジ315のスロット315bの環状アレイは、その中に締結具317の環状アレイを支持し、かつ摺動可能に受容するように構成される。
【0035】
ここで図7図10を参照すると、手術中に、外科用ステープル留め装置10のエンドエフェクタ300が外科手術部位に隣接して位置決めされると、エンドエフェクタ300のアンビル組立体320は、エンドエフェクタ300のカートリッジ組立体310に接近して、カートリッジとアンビル組立体310、320との間の組織を把持し得る。次いで、ステープル留め装置10を発射し得、その結果、締結具317を組織「T」内に発射して、組織「T」を切断するために、外側および内側の駆動スリーブ317、319が、プッシャ313および円筒形ナイフ314を遠位方向に前進させる。円筒形ナイフ314がバットレス328を通って軸方向に前進し、アンビル組立体320のバックアッププレート327と係合すると、矢印「C」で示されるように、円筒形ナイフ314は、アンビル組立体320のバックアッププレート327をアンビルヘッド326に対して移動させる。矢印「E」で示されるように、アンビルヘッド326に対するバックアッププレート327のその第1の位置(図7)からその第2の位置(図8)への移動により、バックアッププレート327は、アンビルヘッド326に対してアンビルキャップ330のピン336を遠位方向に駆動する。ピン336がアンビルヘッド326に対して遠位方向に移動すると、アンビルキャップ330の外側リング332は、バットレス328およびアンビルヘッド326から分離する。特に、アンビル組立体320の締結具340が、アンビル組立体320のアンビルヘッド326に固定されたアンビルキャップ330の内側リング組立体334の可撓性カップ334aを保持した状態で、内側リング組立体334、すなわち可撓性カップ334aおよびその可撓性環状フランジ334bは、アンビルキャップ330の外側リング332をバットレス328から離れるように移動させることを容易にするために、矢印「F」で示されるように、遠位方向および半径方向内向きに、第1の状態(例えば、内側リング組立体334が撓んでいない状態にある、図7参照)から、第2の状態(例えば、内側リング組立体334が撓んだ状態にある、図8参照)まで移動する。外側リング332がアンビルヘッド326およびバットレス328のフィンガ328bから離れるように移動すると、バットレス328がアンビルヘッド326から解放され、その結果、エンドエフェクタ300が発射され、および挟持解除されたときに、バットレス328は、アンビル組立体320から分離し、組織「T」に対する締結具317のステープルライン補強を提供することができる。有利には、そのようなバットレス分離は、ステープルライン圧力を低減または排除する。
【0036】
一旦エンドエフェクタ300が発射されると、次いで、エンドエフェクタ300のアンビル組立体320は、エンドエフェクタ300のカートリッジ組立体310から接近解除または分離(例えば、挟持解除)され得、その結果、アンビル組立体320が、非傾斜位置(図8)から傾斜位置(図9)まで移動して、ステープル留めされた組織を解放し、外科手術部位からエンドエフェクタ300を取り外す。アンビルおよび/またはカートリッジ組立体310、320は、次いで、所望の場合に、外科用ステープル留め装置10から取り外され、および/または交換され得る。締結具317の発射、切断、および/もしくは締結、ならびに/またはアンビルおよび/もしくはカートリッジ組立体310、320の交換のより詳細な説明については、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,303,106号を参照することができる。
【0037】
図11および図12を参照すると、アンビル組立体420の別の実施形態は、アンビル組立体324と実質的に同様のアンビルヘッド組立体424を含むが、アンビルキャップ430とは別個のまたは独立したピン436を含む。
【0038】
理解され得るように、本開示の装置の構成要素のうちのいずれかの固定は、溶接、圧着、接着、締結などのような既知の固定技術を使用して達成され得る。
【0039】
本明細書に開示される様々な実施形態はまた、ロボット手術システムおよび一般に「遠隔手術」と称されるものと共に動作するように構成され得る。このようなシステムは、臨床医を支援し、手術器具の遠隔操作(または部分遠隔操作)を可能にする様々なロボット要素を使用する。様々なロボットアーム、歯車、カム、滑車、電気モータおよび機械モータなどをこの目的のために使用することができ、手術または治療の過程で臨床医を補助するようにロボット外科手術システムにより設計することができる。このようなロボットシステムは、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル外科手術システム、遠隔フレキシブル外科手術システム、遠隔関節運動外科手術システム、無線外科手術システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔動作式外科手術システムなどを含み得る。
【0040】
ロボット外科手術システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールと共に用いられ得る。この場合、臨床医の1つのチームが外科手術のために患者を準備し得、かつ別の臨床医(または臨床医のグループ)がロボット外科手術システムを介して器具を遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される器具のうちの1つ以上を用いてロボット外科手術システムを構成し得る。理解され得るように、高度に熟練した臨床医は、自身の遠隔コンソールを離れることなく、複数の場所で複数の動作を行うことができ、これは、経済的に有益であり、患者または一連の患者にとっての利益となり得る。例示的な医療用ワークステーションおよび/またはその構成要素の詳細な説明については、米国特許出願公開第2012/0116416号およびPCT出願公開第WO2016/025132号を参照することができ、それぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、添付の図に示される構造および方法が、非限定的で例示的な実施形態であり、説明、開示、および図面が、単に特定の実施形態を例示しているものと解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明される厳密な実施形態に限定されることがなく、種々の他の変更および修正を、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、当業者により行うことができることを理解されたい。さらに、例示的な一実施形態に関連して図示または記載された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の要素および特徴と組み合わせることができ、そのような変更および変形も本開示の範囲内に含まれることが想定される。実際、本明細書に開示されている要素および特徴のいずれかの任意の組み合わせは、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の主題は、特に示され、説明されているものによって限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12