(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ハンドヘルド外科手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2019124479
(22)【出願日】2019-07-03
【審査請求日】2022-07-01
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル プリバニック
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-106752(JP,A)
【文献】特開2009-090113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324514(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0005788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-18/00
A61N 7/00
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド外科手術器具であって、
ハンドルハウジングと、
前記ハンドルハウジング内に配設された第1のモータと、
前記ハンドルハウジングから遠位に延在するシャフト部分と、
前記第1のモータに動作可能に連結され、かつ前記シャフト部分内に配設されている関節接合シャフトであって、前記関節接合シャフトが、エンドエフェクタを関節接合させるために前記シャフト部分内で軸方向に動くように構成されている、関節接合シャフトと、
前記関節接合シャフトに関連付けられた位置センサであって、前記位置センサが、前記関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている、位置センサと、
前記関節接合シャフトと前記位置センサとの間に動作可能に連結されたラックであって、前記ラックが、前記位置センサを動かすように、前記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して並進し、前記ラックが弓形であり、前記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して弓形の経路に沿って並進する、ラックと
を備える、ハンドヘルド外科手術器具。
【請求項2】
前記位置センサが、前記ラックとインターフェースする回転可能歯車を有
し、これにより、前記ラックの並進が前記回転可能歯車を回転させる、請求項
1に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項3】
前記位置センサが、回転ポテンショメータである、請求項
2に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項4】
前記関節接合シャフトに固定された関節接合ブロックと前記ラックとをさらに備え、前記関節接合ブロックが、前記関節接合シャフトの前記軸方向の動きを前記ラックに伝達する、請求項
1に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項5】
前記第1のモータに動作可能に連結され、かつ前記第1のモータの作動に応答して回転可能である駆動ナットをさらに備え、前記駆動ナットの回転が、前記関節接合シャフトの前記軸方向の動きをもたらすように、前記駆動ナットが前記関節接合シャフトの近位端部分の周りに配設され、かつそれに螺合されている、請求項1に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項6】
前記位置センサが、ポテンショメータ、容量センサ、磁気抵抗センサ、渦電流センサ、ホール効果センサ、および光学的センサからなるグループから選択される、請求項1に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項7】
前記ハンドルハウジングに枢動可能に連結され、かつ前記第1のモータに動作可能に連結された関節接合スイッチをさらに備え、前記関節接合スイッチの作動が、前記第1のモータを作動させる、請求項1に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項8】
前記関節接合スイッチの上の場所で前記ハンドル
ハウジングに枢動可能に連結された発射スイッチをさらに備え、前記発射スイッチが、前記エンドエフェクタのクランピングまたは発射を作動させるように構成されている、請求項
7に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項9】
前記発射スイッチの近位であって前記関節接合スイッチの上の場所で前記ハンドルハウジングに回転式に連結された回転スイッチをさらに備え、前記回転スイッチが、前記エンドエフェクタの回転を作動させるように構成されている、請求項
8に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項10】
前記発射スイッチに動作可能に連結されている第2のモータと、
前記回転スイッチに動作可能に連結されている第3のモータと、をさらに備える、請求項
9に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項11】
前記ハンドルハウジング内に配設されたプリント回路基板をさらに備え、前記関節接合スイッチ、前記発射スイッチ、および前記回転スイッチが、前記プリント回路基板と電気的に連通している、請求項
9に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項12】
前記プリント回路基板にキー止めされた枢軸部材をさらに備え、前記回転スイッチが、前記枢軸部材に回転式に連結されている、請求項
11に記載のハンドヘルド外科手術器具。
【請求項13】
ハンドヘルド外科手術器具のハンドルアセンブリであって、
ハンドルハウジングと、
前記ハンドルハウジング内に配設されている第1のモータと、
関節接合スイッチであって、前記関節接合スイッチは、前記関節接合スイッチの作動が前記第1のモータを作動させるように、前記ハンドルハウジングに枢動可能に連結され、かつ前記第1のモータに動作可能に連結され
ている、関節接合スイッチと、
前記第1のモータに動作可能に連結され、かつ前記関節接合スイッチの作動に応答して軸方向に動くように構成されている関節接合シャフトと、
前記関節接合シャフトに関連付けられた位置センサであって、前記位置センサが、前記関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている、位置センサと、
前記関節接合シャフトと前記位置センサとの間に動作可能に連結されたラックであって、前記ラックが、前記位置センサを動かすように、前記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して並進し、前記ラックが弓形であり、前記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して弓形の経路に沿って並進する、ラックと
を備える、ハンドルアセンブリ。
【請求項14】
前記位置センサが、前記ラックとインターフェースする回転可能歯車を有
し、これにより、前記ラックの並進が前記回転可能歯車を回転させる、請求項
13に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項15】
前記位置センサが、回転ポテンショメータである、請求項
14に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項16】
前記関節接合シャフトに固定された関節接合ブロックと前記ラックとをさらに備え、前記関節接合ブロックが、前記関節接合シャフトの前記軸方向の動きを前記ラックに伝達する、請求項
13に記載のハンドルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月10日に出願された米国仮特許出願第62/695,883号の利益および優先権を主張し、この開示全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は外科手術器具に関する。より具体的には、本開示は、例えば、エンドエフェクタなどの外科手術アタッチメントの他の様々な機能を関節接合させ、回転させ、そして作動させるハンドヘルド電気機械外科手術器具に関する。
【背景技術】
【0003】
多数のハンドルアセンブリ製造業者が、電気機械外科手術器具を動作および/または操作するための専有の駆動システムを有する製品ラインを開発してきた。多くの場合、電気機械外科手術器具は、再使用可能なハンドルアセンブリ、および使い捨てローディングユニットおよび/または、例えば、使用前にハンドルアセンブリに選択的に接続され、その後、廃棄したり、場合によっては再使用のために滅菌したりするために使用後にハンドルアセンブリから切り離される外科手術エンドエフェクタなどの1回使用のローディングユニットを含む。
【0004】
ハンドルアセンブリは、外科手術エンドエフェクタの1つ以上の機能を作動させるために使用される様々なスイッチを含む。スイッチは、動作させるのに直感的であり、人間工学的設計であり、かつハンドヘルド電気機械外科手術器具の様々な独立した機能を作動させることができることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様において、ハンドヘルド外科手術器具が提供され、そしてこれは、ハンドルハウジング、ハンドルハウジング内に配設された第1のモータ、ハンドルハウジングから遠位に延在するシャフト部分、関節接合シャフト、および関節接合シャフトに関連付けられた位置センサを含む。関節接合シャフトは、第1のモータに動作可能に連結され、かつシャフト部分内に配設されている。関節接合シャフトは、エンドエフェクタを関節接合させるためにシャフト部分内で軸方向に動くように構成され、位置センサは、関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている。
【0006】
諸態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、関節接合シャフトと位置センサとの間に動作可能に連結されたラックをさらに含み得る。ラックは、関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して並進して位置センサを動かし得る。
【0007】
他の態様では、ラックは弓形であってもよく、関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して弓形の経路に沿って並進してもよい。
【0008】
いくつかの態様では、位置センサは、ラックとインターフェースする回転可能歯車を有し得、それにより、ラックの並進が回転可能歯車を回転させる。
【0009】
諸態様では、位置センサは回転ポテンショメータであってもよい。
【0010】
他の態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、関節接合シャフトに固定された関節接合ブロックとラックとをさらに含み得る。関節接合ブロックは、関節接合シャフトの軸方向の動きをラックに伝達し得る。
【0011】
いくつかの態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、第1のモータに動作可能に連結され、かつ第1のモータの作動に応答して回転可能である駆動ナットをさらに含み得る。駆動ナットは、関節接合シャフトの近位端部分の周りに配設され、それに螺合可能に連結され得、それにより、駆動ナットの回転は、関節接合シャフトの軸方向の動きをもたらす。
【0012】
諸態様では、位置センサは、ポテンショメータ、容量センサ、磁気抵抗センサ、渦電流センサ、ホール効果センサ、または光学センサであり得る。
【0013】
他の態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、ハンドルハウジングに枢動可能に連結され、かつ第1のモータに動作可能に連結された関節接合スイッチをさらに含み得る。関節接合スイッチの作動は、第1のモータを作動させ得る。
【0014】
いくつかの態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、関節接合スイッチの上の場所でハンドル部分に枢動可能に連結された発射スイッチをさらに含み得る。発射スイッチは、エンドエフェクタのクランピングまたは発射を作動させるように構成され得る。
【0015】
諸態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、発射スイッチの近位であって関節接合スイッチの上の場所でハンドルハウジングに回転式に連結された回転スイッチをさらに含み得る。回転スイッチは、エンドエフェクタの回転を作動させるように構成され得る。
【0016】
他の態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、発射スイッチに動作可能に連結された第2のモータと、回転スイッチに動作可能に連結された第3のモータとをさらに含み得る。
【0017】
いくつかの態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、ハンドルハウジング内に配設されたプリント回路基板をさらに含み得る。関節接合スイッチ、発射スイッチ、および回転スイッチは、プリント回路基板と電気的に連通し得る。
【0018】
諸態様では、ハンドヘルド外科手術器具は、プリント回路基板にキー止めされた枢軸部材をさらに含み得る。回転スイッチは、枢軸部材に回転式に連結され得る。
【0019】
本開示のさらなる態様では、ハンドヘルド外科手術器具のハンドルアセンブリが提供され、そしてこれは、ハンドルハウジング、ハンドルハウジング内に配設された第1のモータ、ハンドルハウジングに枢動可能に連結された関節接合スイッチ、第1のモータに動作可能に連結された関節接合シャフト、および関節接合シャフトに関連付けられた位置センサを含む。関節接合スイッチは、第1のモータに動作可能に連結され、それにより、関節接合スイッチの作動が第1のモータを作動させる。関節接合シャフトは、関節接合スイッチの作動に応答して軸方向に動くように構成され、位置センサは、関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成される。
【0020】
本明細書で使用される場合、平行したおよび垂直なという用語は、真の平行および真の垂直から最大で約+または-10度まで、略平行および略垂直である相対的な構成を含むものと理解される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ハンドヘルド外科手術器具であって、
ハンドルハウジングと、
上記ハンドルハウジング内に配設された第1のモータと、
上記ハンドルハウジングから遠位に延在するシャフト部分と、
上記第1のモータに動作可能に連結され、かつ上記シャフト部分内に配設されている関節接合シャフトであって、上記関節接合シャフトが、エンドエフェクタを関節接合させるために上記シャフト部分内で軸方向に動くように構成されている、関節接合シャフトと、
上記関節接合シャフトに関連付けられた位置センサであって、上記位置センサが、上記関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている、位置センサと、を備える、ハンドヘルド外科手術器具。
(項目2)
上記関節接合シャフトと上記位置センサとの間に動作可能に連結されたラックをさらに備え、上記ラックが、上記位置センサを動かすように、上記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して並進する、上記項目に記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目3)
上記ラックが弓形であり、上記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して弓形の経路に沿って並進する、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目4)
上記ラックの並進が上記回転可能歯車を回転させるように、上記位置センサが、上記ラックとインターフェースする回転可能歯車を有する、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目5)
上記位置センサが、回転ポテンショメータである、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目6)
上記関節接合シャフトに固定された関節接合ブロックと上記ラックとをさらに備え、上記関節接合ブロックが、上記関節接合シャフトの上記軸方向の動きを上記ラックに伝達する、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目7)
上記第1のモータに動作可能に連結され、かつ上記第1のモータの作動に応答して回転可能である駆動ナットをさらに備え、上記駆動ナットの回転が、上記関節接合シャフトの上記軸方向の動きをもたらすように、上記駆動ナットが上記関節接合シャフトの近位端部分の周りに配設され、かつそれに螺合されている、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目8)
上記位置センサが、ポテンショメータ、容量センサ、磁気抵抗センサ、渦電流センサ、ホール効果センサ、および光学的センサからなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目9)
上記ハンドルハウジングに枢動可能に連結され、かつ上記第1のモータに動作可能に連結された関節接合スイッチをさらに備え、上記関節接合スイッチの作動が、上記第1のモータを作動させる、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目10)
上記関節接合スイッチの上の場所で上記ハンドル部分に枢動可能に連結された発射スイッチをさらに備え、上記発射スイッチが、上記エンドエフェクタのクランピングまたは発射を作動させるように構成されている、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目11)
上記発射スイッチの近位であって上記関節接合スイッチの上の場所で上記ハンドルハウジングに回転式に連結された回転スイッチをさらに備え、上記回転スイッチが、上記エンドエフェクタの回転を作動させるように構成されている、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目12)
上記発射スイッチに動作可能に連結されている第2のモータと、
上記回転スイッチに動作可能に連結されている第3のモータと、をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目13)
上記ハンドルハウジング内に配設されたプリント回路基板をさらに備え、上記関節接合スイッチ、上記発射スイッチ、および上記回転スイッチが、上記プリント回路基板と電気的に連通している、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目14)
上記プリント回路基板にキー止めされた枢軸部材をさらに備え、上記回転スイッチが、上記枢軸部材に回転式に連結されている、上記項目のいずれかに記載のハンドヘルド外科手術器具。
(項目15)
ハンドヘルド外科手術器具のハンドルアセンブリであって、
ハンドルハウジングと、
上記ハンドルハウジング内に配設されている第1のモータと、
上記関節接合スイッチの作動が上記第1のモータを作動させるように、上記ハンドルハウジングに枢動可能に連結され、かつ上記第1のモータに動作可能に連結された関節接合スイッチと、
上記第1のモータに動作可能に連結され、かつ上記関節接合スイッチの作動に応答して軸方向に動くように構成されている関節接合シャフトと、
上記関節接合シャフトに関連付けられた位置センサであって、上記位置センサが、上記関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている、位置センサと、を備える、ハンドルアセンブリ。
(項目16)
上記関節接合シャフトと上記位置センサとの間に動作可能に連結されたラックをさらに備え、上記ラックが、上記位置センサを動かすように、上記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して並進する、上記項目のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
(項目17)
上記ラックが弓形であり、上記関節接合シャフトの軸方向の動きに応答して弓形の経路に沿って並進する、上記項目のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
(項目18)
上記ラックの並進が上記回転可能歯車を回転させるように、上記位置センサが、上記ラックとインターフェースする回転可能歯車を有する、上記項目のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
(項目19)
上記位置センサが、回転ポテンショメータである、上記項目のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
(項目20)
上記関節接合シャフトに固定された関節接合ブロックと上記ラックとをさらに備え、上記関節接合ブロックが、上記関節接合シャフトの上記軸方向の動きを上記ラックに伝達する、上記項目のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
(摘要)
ハンドヘルド外科手術器具は、ハンドルハウジング、ハンドルハウジング内に配設された第1のモータ、ハンドルハウジングから遠位に延在するシャフト部分、第1のモータに動作可能に連結され、かつシャフト部分内に配設された関節接合シャフト、および関節接合シャフトに関連付けられた位置センサを含む。関節接合シャフトは、エンドエフェクタを関節接合させるためにシャフト部分内で軸方向に動くように構成され、位置センサは、関節接合シャフトの関節接合位置を決定するように構成されている。
【0021】
添付の図面を参照しながら本開示の実施形態を本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施形態による、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結されたシャフト部分と、シャフト部分から分離された外科手術エンドエフェクタとを含む、ハンドヘルド電気機械外科手術器具の斜視図である。
【
図2】ハンドルハウジング半体を取り外した、
図1の外科手術器具の側面図である。
【
図3】部品を分離した、
図2に示す外科手術器具の側面斜視図である。
【
図4】
図1の外科手術器具のハンドルアセンブリの内部構成要素の側面斜視図である。
【
図5】
図4に示すハンドルアセンブリの内部構成要素の代替側面斜視図である。
【
図6】
図5に示すハンドルアセンブリの内部構成要素の拡大斜視側面図である。
【
図7】ハンドルハウジング半体を取り外した、
図1の外科手術器具の拡大側面図である。
【
図8】互いに分離して示されている、
図7のハンドルアセンブリの回転スイッチ、プリント回路基板、および枢軸部材の側面斜視図である。
【
図9】互いに組み立てられて示されている、
図8の回転スイッチ、プリント回路基板、および枢軸部材の側面斜視図である。
【
図10】
図1のハンドヘルド電気機械手術器具の外科手術エンドエフェクタの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ハンドルアセンブリおよびそれらスイッチを含む本開示の外科手術器具の実施形態が、図面を参照して詳細に説明されており、図面において、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を指示する。本明細書で使用されるとき、用語「遠位」は、ユーザからより遠い、外科手術器具のその部分またはその構成要素を指し、一方、用語「近位」は、ユーザにより近い、外科手術器具のその部分またはその構成要素を指す。
【0024】
以下に詳細に説明するように、エンドエフェクタの様々な機能を作動させるための複数のスイッチを有するハンドヘルド外科手術器具のハンドルアセンブリが提供されている。スイッチのうちの1つは、関節接合シャフトに動作可能に連結された関節接合スイッチである。関節接合シャフトは、関節接合スイッチの作動に応答して、取り付けられたエンドエフェクタの関節接合をもたらすために軸方向に動くように構成されている。ハンドルアセンブリは、関節接合シャフトの軸方向位置に基づいてエンドエフェクタの関節接合の向きを監視するための関節接合シャフトに関連付けられた位置センサを含む。さらに提供されるのは、外科手術器具の使用を臨床医にとってより直感的にするように配置されたスイッチを有する人間工学的ハンドルハウジングである。開示された外科手術器具の他の特徴および利点は、以下にさらに詳述される。
【0025】
図1および
図2を参照して、本開示の実施形態による、外科手術器具は、概して10として指示されており、複数の異なる外科用エンドエフェクタ、例えば、
図1および
図10の外科手術エンドエフェクタ200、をそれに選択的に連結するように構成された、電動ハンドヘルド電気機械外科手術器具の形態をしている。エンドエフェクタ200は、電動ハンドヘルド電気機械外科手術器具10による作動および操作のために構成されている。
【0026】
ハンドヘルド電気機械外科手術器具10は、ハンドルアセンブリ100と、例えば、エンドエフェクタ200(
図10)のような、外科手術アタッチメントとの選択的接続のために構成されたハンドルアセンブリ100から遠位に延在するシャフト部分102とを含む。ハンドルアセンブリ100は、エンドエフェクタ200の様々な機能を作動させるように構成および適合された発射スイッチ162を有する。加えて、ハンドルアセンブリ100は、本明細書でより詳細に説明されるように、エンドエフェクタ200の関節接合を作動させ(例えば、シャフト部分102と同軸の位置とシャフト部分102と整列していない複数の位置との間の水平面に沿ってエンドエフェクタ200を動かす)、エンドエフェクタ200を回転させる(例えば、シャフト部分102によって画定される中心長手方向軸「X」の周りでエンドエフェクタ200を回転させる)ようにそれぞれ構成された関節接合スイッチ160と回転スイッチ164とを有する。
【0027】
ハンドルアセンブリ100は、本体106と本体106から下方に垂直に延在するハンドル部分108とからなるハンドルハウジング104を含む。ハンドルハウジング104の本体106は、その中に位置する複数のモータ、例えば、第1のモータM1、第2のモータM2、および第3のモータM3を有する。ハンドルハウジング104は、複数のモータM1~M3に連結されたモータコントローラプリント回路基板112をさらに含む。第1のモータM1、第2のモータM2、および第3のモータM3は各々、ハンドルアセンブリ100のプリント回路基板112およびバッテリパック114に電気的に接続または無線接続されている。各モータM1~M3は、それぞれのモータコントローラまたはプロセッサ(明示的には示されていない)によって制御される。それぞれのモータM1~M3によるモータシャフトの回転は、エンドエフェクタ200(
図10)の様々な動作を実行するために、ハンドルアセンブリ100のシャフトおよび/または歯車構成要素を駆動するように機能する。例えば、第1のモータM1は、シャフト部分102に対してエンドエフェクタ200を関節接合させるように構成され、第2のモータM2は、エンドエフェクタ200の顎部材206、208(
図10)を互いに対して動かすように、および/またはエンドエフェクタ200からステープルを発射するように構成され、第3のモータM3は、シャフト部分102によって画定される長手方向軸「X」の周りでエンドエフェクタ200を回転させるように構成される。
【0028】
図2~
図7を参照して、ハンドルアセンブリ100は、エンドエフェクタ200(
図10)の関節接合をもたらすように構成された関節接合アセンブリ120を含む。関節接合アセンブリ120は、第1のモータM1に動作可能に連結された駆動ナット122と、駆動ナット122に動作可能に連結された関節接合シャフト124とを有する。駆動ナット122は、ハンドルハウジング104の本体106内に軸方向に抑止されかつ回転可能に支持されている。駆動ナット122は、歯車付き外面126とねじ山付き内面(明示的には示されていない)とを有する。駆動ナット122の歯車付き外面126は、第1のモータM1の駆動シャフトに固定された平歯車128とインターフェースし、それにより、第1のモータM1の作動による平歯車128の回転は、駆動ナット122を回転させる。駆動ナット122は、関節接合シャフト124の近位端部分124aの周りに配設され、駆動ナット122のねじ山付き内面が、関節接合シャフト124の近位端部分124aのねじ山付き外面130に螺合される。このように、駆動ナット122の回転は、駆動ナット122の回転方向に依存して、近位方向または遠位方向のいずれかに関節接合シャフト124の軸方向の動きを駆動する。
【0029】
関節接合シャフト124は、シャフト部分102によって画定される中心長手方向軸「X」から横方向にオフセットしており、ハンドルハウジング104内から遠位に延在し、シャフト部分102を通っている。関節接合シャフト124は、エンドエフェクタ200(
図10)の関節接合リンク203の近位端とインターフェースするように構成されたフック状の特徴部132を画定する遠位端部分124bを有し、エンドエフェクタ200の近位本体部分202に対してエンドエフェクタ200の用具アセンブリ204の関節接合を駆動する。実施形態では、関節接合シャフト124の遠位端部分124bは、2015年5月6日に出願された米国特許出願公開第2016/0324514号に示され記載されているような、ラックとピニオン接続などの、エンドエフェクタ200の関節接合をもたらすためのエンドエフェクタ200との任意の適切な連結構成を有してもよく、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
図5~
図7に最もよく示されるように、ハンドルアセンブリ100は、シャフト部分102に対するエンドエフェクタ200(
図10)の関節接合位置を感知するように構成された関節接合監視システム140をさらに含む。例えば、関節接合監視システム140は、エンドエフェクタ200によって画定される長手方向軸とシャフト部分102によって画定される長手方向軸「X」との間の角度を絶えず決定し得る。関節接合監視システム140は、関節接合ブロックまたはスライド142、ラック144、および位置センサ146を含む。
【0031】
関節接合監視システム140の関節接合ブロック142は、関節接合シャフト124の近位端部分124aと軸方向に固定され、それによって、関節接合ブロック142は、関節接合シャフト124と共に線形に並進する。関節接合監視システム140のラック144は、可撓性であって、弓形の形状を有し得る。実施形態では、ラック144は、例えば、線形などの任意の適切な形状を想定してもよい。ラック144は、ハンドルハウジング104と共に形成された一対のガイド148の間にスライド可能に配設されて、弓形経路に沿ったラック144の並進を可能にする。ラック144は、関節接合ブロック142に確保された遠位端部分150を有し、それにより、関節接合ブロック142の線形運動は、弓形経路に沿ったラック144の並進を駆動する。ラック144の歯車の歯は、関節接合シャフト124が軸方向に動くときに位置センサ146の平歯車152を回転させるように位置センサ146の平歯車152とインターフェースする。
【0032】
位置センサ146は回転ポテンショメータとして例示されているが、位置センサ146は、例えば、容量センサ、磁気抵抗センサ、渦電流センサ、ホール効果センサ、光学センサなどのような任意の適切な回転または線形位置センサであってもよいことが企図されている。位置センサ146は、ハンドルハウジング104内に固定されており、ラック144に連結されている。ラック144の動きに応答して、位置センサ146の平歯車152が回転すると、ワイパ接点(図示せず)のような、位置センサ146内の感知される要素が、抵抗トラック(図示せず)のような、位置センサ146内の感知要素に対して動き、これにより、ワイパ接点と抵抗トラックとの間の電圧が監視される。位置センサ146によって決定される電圧は、シャフト部分102に対するエンドエフェクタ200(
図10)の関節接合角度に比例し、このため、外科手術器具10に、常時エンドエフェクタ200の関節接合位置を検出するための手段を提供する。
【0033】
動作において、シャフト部分102に対してエンドエフェクタ200を関節接合させるために、ハンドルアセンブリ100の関節接合スイッチ160は、左または右のいずれかの方向に作動されて、対応する方向にエンドエフェクタ200を関節接合させる。例えば、関節接合スイッチ160を左に動かすと、プリント回路基板112は第1のモータM1に信号を送信してそのモータシャフトおよび取り付けられた平歯車128を時計方向に回転させ得、それにより、関節接合アセンブリ120の駆動ナット122を反時計方向に回転させる。駆動ナット122は、関節接合シャフト124に螺合されているので、駆動ナット122の反時計回りの回転は、シャフト部分102に対しておよびその内部で関節接合シャフト124の近位への移動を駆動し、エンドエフェクタ200を左に関節接合させる。エンドエフェクタ200の右方向への関節接合は、関節接合スイッチ160を右方向に動かすことによって達成され得、これは上述した一連のイベントを発動するが、方向は逆である。
【0034】
エンドエフェクタ200の関節接合をもたらすことに加えて、関節接合シャフト124の近位への移動は、関節接合監視システム140の関節接合ブロック142を後退させる。関節接合ブロック142が近位に動くと、ラック144はその弓形経路に沿って並進して位置センサ146の平歯車152を回転させる。平歯車152の回転量がエンドエフェクタ200の関節接合量と釣り合っているため、位置センサ146は、エンドエフェクタが関節接合した量を正確に決定し、臨床医、外科手術器具10、および/または関連するロボットシステムにエンドエフェクタ200の関節接合位置を与える。
【0035】
図7~
図9を参照して、ここで、ハンドルアセンブリ100のスイッチ160、162、164を詳細に説明する。関節接合スイッチ160は、上述の機械的連結によって、最終的に対応する方向にエンドエフェクタ200(
図10)の関節接合をもたらすために、ハンドルハウジング104のハンドル部分108に対して左右方向に旋回可能である。関節接合スイッチ160は、プリント回路基板112の対向する側にまたがる分岐した近位端166を有する。関節接合スイッチ160の分岐した近位端166は、プリント回路基板112の第1の接触スイッチ168aに当接する第1の指と、プリント回路基板112の第2の接触スイッチ(明示せず)に当接する第2の指とを有する。このように、関節接合スイッチ160を左方向に旋回させると、第1の接触スイッチ168aを作動させ、それが第1のモータM1を作動させてエンドエフェクタ200を左方向に関節接合させ、関節接合スイッチ160を右方向に旋回させると、第2の接触スイッチを作動させ、それが第1のモータM1を作動させてエンドエフェクタ200を右方向に関節接合させる。
【0036】
発射スイッチ162は、ハンドルハウジング104のハンドル部分108に枢動可能に連結されたトグルバーとして構成され得る。発射スイッチ162は、シャフト部分102の長手方向軸「X」に対して垂直に延在し、枢動軸の両側に配設された第1の端部162aおよび第2の端部162bを有する。第1の端部162aはプリント回路基板112の第3の接触スイッチ168bに当接し、第2の端部162bはプリント回路基板112の第4の接触スイッチ168cに当接する。このようにして、発射スイッチ162の第1の端部162aに近位方向の力を加えると、発射スイッチ162を第1の方向に枢動させて第3の接触スイッチ168bを作動させ、発射スイッチ162の第2の端部162bに近位方向の力を加えると、発射スイッチ162を第2の方向に枢動させて第4の接触スイッチ168cを作動させる。第3の接触スイッチ168bの作動は、第2のモータM1を作動させて外科手術器具10の発射ロッド105を前進させる。発射ロッド105は、エンドエフェクタ200の駆動アセンブリ209(
図10のナイフロッド211および作動そり213を含む)に連結されているので、発射ロッド105の前進はエンドエフェクタの駆動アセンブリ209を前進させ、これは、エンドエフェクタ200の顎部材206、208を閉じ、エンドエフェクタ200を発射する。第4接触スイッチ168cの作動は、第2モータM1を作動させて発射ロッド105を後退させ、それによってエンドエフェクタ200の駆動アセンブリ209のナイフロッド211は後退してエンドエフェクタ200の顎部材206、208を開く。
【0037】
回転スイッチ164は、発射スイッチ162の近位側(例えば、後方)および関節接合スイッチ160の上方に配設され、エンドエフェクタ200の回転軸と平行な枢動軸を中心に回転するように構成されている。回転スイッチ164は、プリント回路基板112をまたいで、ハンドルハウジング104のハンドル部分108の第1の側面に露出した第1の側面アーム164aと、ハンドルハウジング104のハンドル部分108の第2の側面に露出した第2の側面アーム164bとを有する。回転スイッチ164の第1および第2の側面アーム164a、164bは、臨床医の指による作動のために位置決めおよび構成されたそれぞれのタブ170a、170bを有する。
【0038】
例えば、ピボットピンなどの枢軸部材172が、プリント回路基板112にキー止めされている。回転スイッチ164の側面アーム164a、164bは各々、その中に枢軸部材172を収容する円筒形通路を一緒に画定する丸い凹部を画定する。回転スイッチ164の側面アーム164a、164bは、枢軸部材172に対してかつその周りで回転スイッチ164の回転を可能にするように、プリント回路基板112のそれぞれの対向する側から離間している。回転スイッチの第1の側面アーム164aは、プリント回路基板112の第5の接触スイッチ(明示せず)に当接し、回転スイッチ164の第2の側面アーム164bは、プリント回路基板112の第6の接触スイッチ168dに当接する。
【0039】
回転スイッチ164の第1の側面アーム164aに上向きの力または回転スイッチ164の第2の側面アーム164bに下向きの力を加えると、回転スイッチ164を枢軸部材172の周りに第1の方向に回転させて第6の接触スイッチ168dを作動させ、回転スイッチ164の第2の側面アーム164bに上向きの力または回転スイッチ164の第1の側面アーム164aに下向きの力を加えると、回転スイッチ164を枢軸部材172の周りに第2の方向に回転させて第5の接触スイッチを作動させる。第6の接触スイッチ168dの作動は、第3のモータM3を作動させて、順に、平歯車174、シャフト部分102、および取り付けられたエンドエフェクタ200を、シャフト部分102の長手方向軸「X」の周りに第1の方向に回転させ、第5の接点スイッチの作動は、第3のモータM3を作動させて、順に、平歯車174、シャフト部分102、および取り付けられたエンドエフェクタ200を、シャフト部分102の長手方向軸「X」の周りに第2の方向に回転させる。
【0040】
理解できるように、シャフト部分102の回転はまた、関節接合シャフト124を駆動ナット122に対して回転させ、それによって、エンドエフェクタ200の関節接合を不注意に駆動し得る。これを打ち消すために、プロセッサは、回転スイッチ164が作動されると同時に第1のモータM1を作動させるように構成され得る。このようにして、第1のモータM1は、関節接合アセンブリ120の駆動ナット122をシャフト部分102と同じ回転方向に回転させて、関節接合シャフト124と駆動ナット122との間の相対回転を防止する。第1のモータM1によって、駆動ナット122がシャフト部分102の長手方向軸「X」の周りで関節接合シャフト124と共に回転することを確実にすることによって、エンドエフェクタ200の意図しない関節接合を回避し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ100のスイッチ160、162、164は、様々な外科手術エンドエフェクタによって執り行われる様々な機能を作動させるように割り当てられ得る。スイッチ160、162、164は、例えば、スイッチ、ロッカ、フラップ、ラッチ、レバー、ダイヤル、ボタン、またはタッチスクリーンなど、様々に構成され得ることが企図されている。
【0042】
図5~
図9を参照して、ハンドルアセンブリ100は、ハンドルハウジング104の本体106を通って横方向に延在する細長いバーとして構成された安全スイッチ180をさらに含み得る。安全スイッチ180は、臨床医が、発射不可位置と発射可能位置との間で安全スイッチ180をスライドさせることを可能にするために、ハンドルハウジング104の外面から露出する対向端部182(
図7)、184(
図5)を有する。発射不可位置では、安全スイッチ180が、プリント回路基板112上の接触スイッチ186を接触または係脱し、それによってプロセッサは、発射スイッチ162の作動にもかかわらず、第2のモータM2の作動を防止するように合図される。発射可能位置では、安全スイッチ180が、接触スイッチ186を接触または係脱し、それによってプロセッサは、発射スイッチ162を作動すると第2のモータM2の作動を可能にするように合図される。発射可能位置にあるときに安全スイッチ180が点灯され、安全装置がオフであり、外科手術器具10が発射の準備ができている視覚表示を臨床医に与え得ることが企図されている。
【0043】
図1および
図10に図示するように、エンドエフェクタ200は、外科手術器具10のシャフト部分102の遠位端に連結されるように構成されている。エンドエフェクタ200は、近位本体部分202および用具アセンブリ204を含む。近位本体部分202は、ハンドル部分102の遠位端に解放可能に取り付けられ、用具アセンブリ204は、エンドエフェクタ200の近位本体部分202の遠位端に枢動可能に取り付けられる。近位本体部分202は、上述のように、関節接合リンク203の長手方向の並進を介してシャフト部分102の遠位端に対して関節接合するように構成されている。用具アセンブリ204は、アンビルアセンブリ206およびカートリッジアセンブリ208を含む。カートリッジアセンブリ208は、アンビルアセンブリ206に関して枢動可能であり、トロカールのカニューレを通して挿入するために開放または非クランプ位置と閉鎖またはクランプ位置との間で可動である。
【0044】
図1および
図10に図示されるように、外科手術エンドエフェクタ200の構造および動作の詳細な説明については、2009年8月31日に出願された、「外科手術ステープル留めデバイスのための用具アセンブリ」と題する、米国特許第7,819,896号を参照することができ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
本明細書に記載の構成要素のいずれも、強度、耐久性、耐摩耗性、重量、耐腐食性、製造の容易さ、製造コストなどを考慮して、金属、プラスチック、樹脂、複合材料などのいずれかから製造され得る。
【0046】
スイッチアセンブリを含む本開示の外科手術器具の実施形態に対して種々の改変がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、上の説明は、限定するものではなく、単に実施形態の例証として解釈されるべきである。当業者であれば、本開示の範囲および趣旨内での他の改変を想定するであろう。