(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】無線装置システム構築方法及び無線装置システム構築装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/20 20090101AFI20231117BHJP
H04W 4/33 20180101ALI20231117BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20231117BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231117BHJP
H04W 88/18 20090101ALN20231117BHJP
【FI】
H04W16/20
H04W4/33
H04W4/38
H04W84/12
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2019177021
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(73)【特許権者】
【識別番号】508047288
【氏名又は名称】アーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】リンドン クレイグ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-086149(JP,A)
【文献】特開2019-140037(JP,A)
【文献】特開2018-107800(JP,A)
【文献】特開平07-073978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置を一意に識別できる情報である装置固有識別情報を用いた通信によって背景と識別可能にすることができるマーク
、を備えた複数台の無線装置を所定位置から一覧で撮像できる範囲内に前記撮像のための撮像装置を配置する配置ステップと、
前記一覧で撮像できる範囲内で装置固有識別情報を用いて配置された各無線装置が有するマークを撮像された画像中で背景と個別に識別可能な状態とする識別可能化ステップと、識別可能とされた
前記マーク、を有する各無線装置の装置固有識別情報と、前記一覧で撮像できる範囲内での位置情報とを関連付ける装置固有識別情報位置情報関連付けステップと、
関連付けた装置固有識別情報と位置情報とを保持する装置固有識別情報位置情報保持ステップと、
からなり、
前記マークは、光源によって構成されるマークであり、
前記位置情報は、三次元空間内の位置情報であり、
前記無線装置が有する前記光源の点滅周期を判別することによって、前記位置情報を取得することを特徴とする、
無線装置システム構築方法。
【請求項2】
識別可能化ステップの前に、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集する受動型装置固有識別情報収集ステップを有する請求項1に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項3】
識別可能化ステップの前に、全ての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストするブロードキャストステップと、
ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する能動型装置固有識別情報収集ステップと、
を有する請求項1に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項4】
装置固有識別情報位置情報関連付けステップは、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるディスプレイ上関連付サブステップを有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項5】
装置固有識別情報位置情報関連付けステップは、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける室内レイアウトマップ関連付サブステップを有する請求項1から請求項4のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項6】
位置情報保持ステップの後に、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する出力ステップを有する請求項1から請求項5のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項7】
前記無線装置は、照明装置である請求項1から請求項6のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項8】
前記無線装置は、取り出しし、又は/及び収納する対象物を種別単位で配置する区画単位に設けられている種別表示装置である請求項1から請求項6のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項9】
前記無線装置は、分散配置されたセンサである設けられている請求項1から請求項6のいずれか一に記載の無線装置システム構築方法。
【請求項10】
無線装置の装置固有識別情報を収集する装置固有識別情報収集部と、
無線装置に備えられたマークであり、撮像装置により撮像可能である前記マークを、収集した装置固有識別情報を利用して背景と識別可能に駆動するマーク駆動部と、
前記マーク駆動部によって駆動された
前記マーク
を撮像装置によって識別することにより、撮像空間内での無線装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
取得した位置情報と
前記マークの駆動に利用された装置固有識別情報とを関連付ける装置固有識別情報位置情報関連付部と、
関連付けられた装置固有識別情報と位置情報とを保持する装置固有識別情報位置情報保持部と、
を有し、
前記マークは、光源によって構成されるマークであり、
前記無線装置が有する光源の点滅周期を判別することによって、前記位置情報を取得することを特徴とする、
無線装置システム構築装置。
【請求項11】
装置固有識別情報収集部は、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集する受動型装置固有識別情報収集手段を有する請求項
10に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項12】
装置固有識別情報収集部は、全ての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストするブロードキャスト手段と、
ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する能動型装置固有識別情報収集手段と、
を有する請求項
10又は11に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項13】
装置固有識別情報位置情報関連付部は、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるディスプレイ上関連付手段を有する
請求項10から請求項12のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項14】
装置固有識別情報位置情報関連付部は、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける室内レイアウトマップ関連付手段を有する
請求項10から請求項13のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項15】
装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する出力部をさらに有する
請求項10から請求項14のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項16】
装置固有識別情報を保持する装置固有識別情報保持部と、
装置固有識別情報を用いて識別された無線通信をするための無線通信部と、
識別可能とすべき命令を含む通信によって背景と識別可能にすることができるマークと
、
を含む無線装置を、
さらに有する
請求項10から請求項15のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項17】
前記無線装置は、
定期的に保持されている装置固有識別情報を無線通信部から定期的に出力させる定期出力部をさらに有す
る請求項16に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項18】
前記無線装置は、
保持されている装置固有識別情報の無線通信部を介した出力命令をブロードキャスト命令によって受付けるブロードキャスト命令受付部と、
受付けたブロードキャスト命令に基づいて保持されている装置固有識別情報を無線通信部から出力する命令実行部と、
をさらに有する
請求項16又は17に記載の無線装置システム構築装置。
【請求項19】
請求項10から請求項18のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置であって、
前記無線装置は照明装置である無線装置システム構築装置。
【請求項20】
請求項10から請求項18のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置であって、
前記無線装置は、取り出しし、又は/及び収納する対象物を種別単位で配置する区画単位に設けられている種別表示装置である無線装置システム構築装置。
【請求項21】
請求項10から請求項18のいずれか一に記載の無線装置システム構築装置であって、
前記無線装置は、分散配置されたセンサである無線装置システム構築装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線装置が有する識別情報と無線装置が設置された位置についての情報との関連付けを、設置された無線装置を撮像することにより行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、個々に無線装置が備わる照明装置を室内の天井などの各所に配置し、配置された照明装置のそれぞれを独立に無線によって操作可能にしようとする場合、操作装置のお互いに識別可能に利用できる各スイッチと、操作対象となる照明装置とを関連付ける必要がある。このような関連付けは、例えば、設置者や操作者などが照明装置の無線装置を一つずつ手作業で駆動し(一つが駆動中は他の無線装置は駆動しない。)、駆動している無線装置の無線制御に利用可能な識別情報を得て、操作装置のスイッチに連動してそれが利用されるように構成作業する。この際に相互に識別可能なスイッチと、駆動させた天井などの無線装置を備えた照明装置との位置関係を保持する。そうすれば、どの位置の照明装置を駆動する際にどのスイッチを押下すればよいかがわかるようになる。
【0003】
このような関連付けは、設置された照明装置が数個程度であれば作業に要する時間は問題とならないが、設置する照明装置の数が多くなるほどにその作業に要する時間がかさんだり、人的ミスによる関連付けの間違いが発生したりすることが問題となる。
【0004】
係る問題を解決するために、特許文献1には、ネットワーク回線により接続され固有の識別番号であるネットワークアドレスが個々に付与された複数の照明機器と、それらの照明機器が配置される形態と同じ配置形態でもって複数のスイッチが配置されたパネル式スイッチ制御器における各スイッチとを対応付ける機器設定方法が開示されている。この先行技術では、照明機器に割り当てられたネットワークアドレスを利用して照明機器をひとつずつ点灯又は消灯させてネットワークアドレスと、点灯又は消灯した照明機器に対応する位置のスイッチを対応付けるような技術が記載されているようにも思える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の発明では、そもそも識別可能なスイッチと照明機器との対応関係を取得するのが目的であるにもかかわらず、あらかじめ識別可能な固定IPアドレスと照明機器とを関連付ける必要があり、一見作業効率が上がっているようにもみえるが、固定IPアドレスを割り当てる手間と、一つ一つ手作業で識別可能なスイッチと照明機器とを対応させる手間とは同等であって、決して作業効率が上がっているとは言えない。なお、ルーターによってLAN内の無線装置に自動的にIPアドレスを割り当てることはできるが、IPアドレスが無線装置のシャットダウンごとに変動するのでスイッチの割当にそのアドレスを利用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明において、装置固有識別情報を有しかつ装置固有識別情報を用いた通信によって背景と識別可能にすることができるマークを備えた複数台の無線装置を所定位置から一覧で撮像できる範囲内に配置する配置ステップと、前記一覧で撮像できる範囲内で装置固有識別情報を用いて配置された各無線装置が有するマークを撮像された画像中で背景と個別に識別可能な状態とする識別可能化ステップと、識別可能とされた各無線装置の装置固有識別情報と、前記一覧で撮像できる範囲内での位置情報とを関連付ける装置固有識別情報位置情報関連付けステップと、関連付けた装置固有識別情報と位置情報とを保持する装置固有識別情報位置情報保持ステップと、からなる無線装置システム構築方法を提供する。
【0008】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、識別可能化ステップの前に、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集する受動型装置固有識別情報収集ステップを有する無線装置システム構築方法を提供する。
【0009】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、識別可能化ステップの前に、全ての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストするブロードキャストステップと、ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する能動型装置固有識別情報収集ステップと、を有する無線装置システム構築方法を提供する。
【0010】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、装置固有識別情報位置情報関連付けステップは、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるディスプレイ上関連付サブステップを有する無線装置システム構築方法を提供する。
【0011】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、装置固有識別情報位置情報関連付けステップは、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける室内レイアウトマップ関連付サブステップを有する無線装置システム構築方法を提供する。
【0012】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、位置情報保持ステップの後に、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する出力ステップを有する無線装置システム構築方法を提供する。
【0013】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、前記無線装置は、照明装置である無線装置システム構築方法を提供する。
【0014】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、前記無線装置は、取出しし、又は/及び収納する対象物を種別単位で配置する区画単位で設けられている種別表示装置である無線装置システム構築方法を提供する。
【0015】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、前記無線装置は、分散配置されたセンサである無線装置システム構築方法を提供する。
【0016】
また、上記構成を備える無線装置システム構築方法であって、前記マークは、光源によって構成されるマークである無線装置システム構築方法を提供する。
【0017】
また、無線装置の装置固有識別情報を収集する装置固有識別情報収集部と、収集した装置固有識別情報を利用して無線装置に備えられた撮像可能なマークを背景と識別可能に駆動するマーク駆動部と、前記マーク駆動部によって駆動されたマークを用いて無線装置の撮像空間内での位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置情報とマークの駆動に利用された装置固有識別情報とを関連付ける装置固有識別情報位置情報関連付部と、関連付けられた装置固有識別情報と位置情報とを保持する装置固有識別情報位置情報保持部と、を有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0018】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、装置固有識別情報収集部は、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集する受動型装置固有識別情報収集手段を有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0019】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、装置固有識別情報収集部は、全ての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストするブロードキャスト手段と、ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する能動型装置固有識別情報収集手段と、を有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0020】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、装置固有識別情報位置情報関連付部は、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるディスプレイ上関連付手段を有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0021】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、装置固有識別情報位置情報関連付部は、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける室内レイアウトマップ関連付手段を有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0022】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する出力部をさらに有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0023】
また、装置固有識別情報を保持する装置固有識別情報保持部と、装置固有識別情報を用いて識別された無線通信をするための無線通信部と、識別可能とすべき命令を含む通信によって背景と識別可能にすることができるマークと、を含む無線装置を、さらに有する上記いずれかの無線装置システム構築装置を提供する。
【0024】
また、上記の無線装置システム構築装置であって、前記無線装置は、定期的に保持されている装置固有識別情報を無線通信部から定期的に出力させる定期出力部をさらに有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0025】
また、上記の無線装置システム構築装置であって、前記無線装置は、保持されている装置固有識別情報の無線通信部を介した出力命令をブロードキャスト命令によって受付けるブロードキャスト命令受付部と、受付けたブロードキャスト命令に基づいて保持されている装置固有識別情報を無線通信部から出力する命令実行部と、をさらに有する無線装置システム構築装置を提供する。
【0026】
また、上記いずれか一の無線装置システム構築装置であって、前記無線装置は照明装置である無線装置システム構築装置を提供する。
【0027】
また、上記いずれか一の無線装置システム構築装置であって、前記無線装置は、取り出しし、又は/及び収納する対象物を種別単位で配置する区画単位に設けられている種別表示装置である無線装置システム構築装置を提供する。
【0028】
また、上記いずれか一に記載の無線装置システム構築装置であって、前記無線装置は、分散配置されたセンサである無線装置システム構築装置を提供する。
【0029】
また、上記構成を備える無線装置システム構築装置であって、前記無線装置のマークは、光源によって構成されるマークである無線装置システム構築装置を提供する。
【発明の効果】
【0030】
非ネットワーク通信にて無線装置を固有に識別するための識別情報であって、あらかじめ無線装置製造時に割り当てられている装置固有識別情報を用いることで、固定IPアドレスを各無線装置に付与するという手間が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】実施形態1の無線装置システム構築方法を示すフロー図
【
図3】実施形態2の無線装置システム構築装置の機能的構成一例を示すブロック図
【
図4】実施形態2の無線装置システム構築装置のハードウェア構成の一例を示す概念図
【
図6】実施形態3の無線装置システム構築方法を示すフロー図
【
図7】実施形態3の無線装置システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【
図8】実施形態4の無線装置システム構築方法を示すフロー図
【
図9】室内レイアウトマップ関連付サブステップを説明するための概念図
【
図10】実施形態4の無線システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【
図11】実施形態5の無線装置システム構築方法を示すフロー図
【
図12】ディスプレイ上座標情報を、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報としてディスプレイ上に出力した場合の一例を示す概念図
【
図13】室内レイアウトマップ上の位置情報を、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報とした場合の一例を示す概念図
【
図14】装置固有識別情報と関連付けられた位置情報としてディスプレイ上のテキストが表示される各欄の領域を示す座標情報を出力する場合の一例を示す概念図
【
図15】実施形態5の無線システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【
図16】実施形態6の無線装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0033】
なお、実施形態1では、主に請求項1から3、7、10について説明する。実施形態2では、主に請求項11から13、20、23について説明する。実施形態3では、主に請求項4、14について説明する。実施形態4では、主に請求項5、15について説明する。実施形態5は、主に請求項6、16について説明する。実施形態6は、主に請求項17から19について説明する。実施形態7は、主に請求項8、21、23について説明する。実施形態8は、主に請求項9、22、23について説明する。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
【0034】
図1は、本実施形態の発明の概要を示す概念図である。図示するように、「タブレット端末」0101により会議室内を撮像している様子を示している。ここで、天井には「照明装置」0102が複数配置されており、複数の照明装置のそれぞれには無線装置が備わり、そのうちの一の「照明装置」0103のみを点灯させている。一方、タブレット端末の画面には、タブレット端末が取得した複数の無線装置のマックアドレス(Media Access Control address)の「リスト」0104が表示されている。これらのマックアドレスは、それぞれの無線装置が定期的に出力するビーコンに含まれており、このタブレット端末がそれらのビーコンを受信することで取得することができる。
【0035】
ここで、取得した複数のマックアドレスのうちの「一のマックアドレス」0105に対してそのマックアドレスを有する無線装置が備わる照明装置に対して照明の点灯をするよう命令信号を送出する。その命令信号により照明の点灯がなされている照明装置がタブレット端末により撮像された画像中に存在する場合には、タブレット端末は画像認識処理により当該撮像中にて点灯している領域を特定し位置情報(画面上の座標情報)を取得する。そして、取得した位置情報と点灯の命令信号の送出先であるマックアドレスとを関連付ける。この関連付けを、取得したマックアドレスのそれぞれに対して順に行っていくことで、撮像した画像中に存在するそれぞれの照明装置の位置情報と、その照明装置に備わる無線装置のマックアドレスとの関連付けが行われる。このようなマックアドレスと位置情報との関連付けにより、例えば、撮像画像中に照明が写っている画面上の領域をタッチすることにより当該照明の操作を可能とする操作用ユーザーインターフェイスを生成することや、さらに、照明装置がマッピングされた平面図の態様にて画面タッチによる各照明装置の操作を行うための操作用ユーザーインターフェイスを生成することなどが可能となる。
<実施形態1 構成>
【0036】
図2は、本実施形態の無線装置システム構築方法を示すフロー図である。図示するように、無線装置システム構築方法は、「配置ステップ」S0201と、「識別可能化ステップ」S0202と、「装置固有識別情報位置情報関連付けステップ」S0203と、「装置固有識別情報位置情報保持ステップ」S0204と、からなる。以下に各ステップについて説明する。
【0037】
なお、以下に記載する各ステップは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによる動作として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(フラッシュメモリやSSDなどの不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、照明装置、バーコードリーダ、RFタグリーダライタ、電子棚札、温度センサ、湿度センサ、ガス濃度センサ、各種センサ、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、液晶タッチパネルディスプレイ、ELタッチパネルディスプレイ、アンテナ、赤外線センサ、撮像素子、撮像装置、可視光センサ、紫外線センサ、気圧センサ、超音波センサ、赤外線LED、可視光LED、紫外線LED、超音波発振器、オペレーティングシステム、ファームウエア、I/Oプログラム、上記ハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインターフェイス用アプリケーション、撮像アプリケーション、画像中位置確定プログラム、画像と室内マップ、屋外マップを対応付けするアプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。
【0038】
また、本明細書に記載の各実施形態は動作方法として実現できるのみでなく、その一部または全部を装置としても実現可能である。また、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然に本明細書に記載の各実施形態の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
<実施形態1 配置ステップ>
【0039】
「配置ステップ」S0201は、非ネットワーク通信にて利用可能な装置識別情報である装置固有識別情報を有しかつ装置固有識別情報を用いた通信によって背景と識別可能にすることができるマークを備えた複数台の無線装置を所定位置から一覧で撮像できる範囲内に前記撮像のための撮像装置を配置するステップである。
【0040】
「無線装置」とは、前記装置固有識別情報で識別されて無線通信を行う機能を有する装置であって、ほかにどのような機能を有しているかは限定しない。照明装置、テレビ、エアコン、電子レンジ、コンロ、冷蔵庫、机、椅子、コンピュータ、ディスプレイ、洗濯機、食器洗い機、食器乾燥機、掃除機、ガス湯沸かし器、給湯器、グリル、電卓、棚札、各種センサ、梱包箱、トレー、皿、集合型のシューズロッカーの各ロッカー、クローゼット、コインロッカーの各ロッカー、洗面台、風呂湯沸かし器、街灯、住宅やビル、電車などの窓装置、ドア、電信柱、電信柱の付属装置、水道栓、工場のバルブ、工場に置かれた各装置、などであってよい。また複数の無線装置は、装置固有識別情報を用いて情報の受け渡しを行い、またルーティング、コピーなどを行ってよい。例えば自身宛てでない情報を受け取った際には、周辺の無線装置に対してその情報をコピーし、又はルーティングしてよい。
【0041】
また、無線装置は、端末であってノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用されるものであって、隣り合う次の端末に対してデータを送信する送信部を有し、送信部は前記次の端末に送信すべきデータを取得する送信データ取得手段と、送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファと、第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデータ蓄積処理手段と、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理するデータ送信処理手段と、を備える無線装置であってもよい。
【0042】
無線装置は、このように自身宛てでない情報を受け取った時にはあらかじめ定められている情報の伝達先があって、無線装置群全体で情報通路を作るように構成されていることが好ましい。この無線装置システム構築方法や、後述する無線装置システム構築装置の目的はリモートで無線装置を利用して各種作業を無線装置に実行させるシステムを構築するものであるが、このリモートで送信される命令はリモート信号の発信元からは直接的に電波が届かない位置に位置する無線装置に対しても届くようになり、好ましい。そして、無線装置によって構築されるこのようなネットワークの情報(例えば隣接ノードとなるべき無線装置の装置固有識別情報の設定:ルーティングテーブルの設定)は、本願発明のリモコンなどを利用して設定することも可能である。
【0043】
「非ネットワーク通信にて利用可能な装置識別情報である装置固有識別情報」とは、代表的にはマックアドレス(MACアドレス)を示しているが、無線装置を一意に識別できる情報であって、通信において送信先や送信元を示す情報として用いることのできるものであれば、その他の識別情報であってもよい。例えば、Public Address(これはIEEE 802準拠のアドレスであり製品製造時に機器ごとに書き込まれる固定のアドレス)、Random Address(セキュリティを考慮した、各端末(機器)で自動生成される端末アドレス。乱数を使い機器の製造工程で書き込む必要がないもの)であってもよい。この非ネットワーク通信にて利用可能な装置識別情報である装置固有識別情報は、その装置の工場での製造段階で割り当てて装置内に利用可能に格納されるもの、あるいは、機器が自動生成するものであり、利用者が購入後に割り振るものではない。
【0044】
非ネットワーク通信にて利用可能な装置識別情報との限定を加えているのは、本発明における装置固有識別情報にIP(インターネット・プロトコル)によるネットワークにおいて機器識別に用いられるIPアドレスが含まれないことを意味する。IPプロトコルあるいはIPネットワークに依らずにノード間で通信可能に構成されるメッシュネットワークや、小電力無線局によるデータ通信システムによるネットワークや、近距離無線通信によるネットワークや、赤外光通信や可視光通信によるネットワークなどを利用できる装置識別情報であってもノード間通信ができるものであればよい。また、ネットワークトポロジについても特段の限定はなく、ツリー型、スター型、メッシュ型など何れであってもよく、かつそれらが混在していてもよい。
【0045】
「マーク」は背景と識別可能に構成されるものであるが、この識別の主体は撮像装置である。撮像装置が可視光受光素子を用いたものである場合には、無線装置に光源を備え、その光源を光らせたり点滅させたり光色を変えることなどにより背景と識別可能にすることができる。また、無線装置に可動部材(モータやアクチュエータなどの駆動源とともに)を備え、その可動部材を動かすことで識別可能にすることができる。また、撮像装置が可視光受光素子に換えて、あるいは可視光受光素子とともに赤外光受光素子を備える場合には、発熱源をマークとしてもよい。赤外光源を点灯したり、発熱源(ペルチェ素子等)を発熱させたり、あるいは吸熱素子(ペルチェ素子)を駆動したり、発熱源を停止させたりすることにより相対的に降温させることなどにより赤外光受光素子により背景と識別可能にすることができる。マークが光源で構成され得ることや可動部材により構成されることは、後述する実施形態2以下についても同様である。
【0046】
「一覧で撮像する」とは、操作等の対象となる無線装置のすべてを撮像するということのみを意味するのではない。本発明では撮像された無線装置の位置情報とその無線情報の装置固有識別情報とを関連付けることが目的であり、これを効率的に行うためにより多くの無線装置が写るように撮像することが好ましく、そのような態様にて撮像することを「一覧で撮像する」と表現するものである。なお、一覧での撮像は、一の撮像装置によるものに限定されない。複数の撮像装置で合わせて広い範囲を撮像したり、複数の撮像装置で同じ領域を複数の角度から撮像する構成を含む。また、複数の撮像装置で撮像したものを一のディスプレイ上に合成表示するように構成することも可能である。撮像装置と、ディスプレイは必ずしも一体である必要はなく、別体であってもよい。
【0047】
そして、本ステップでは上述したように複数の無線装置を一覧で撮像できる所定の位置に撮像装置を配置する。なお、すべての無線装置の位置情報と装置固有識別情報との関連付けを行うにあたり、一の撮像画像にすべての無線装置が収まらない場合には、収まる範囲内で一旦関連づけを行い、撮像装置を移動させて収まらなかった無線装置が収まる位置に撮像装置を配置して撮像し同じように関連づけを行うようにすればよい。なお、配置は人の手によってなされてもよいし、スタンドなどの保持手段によってなされてもよい。
【0048】
撮像装置は、専ら撮像を目的としたカメラであってもよいし、撮像機能を有するスマートフォンやタブレット端末などのような情報処理端末であってもよい。また、多くの無線装置を一覧で撮像できるように広角レンズを備える撮像装置を用いたり、360度パノラマ画像を撮像できる撮像装置を用いてもよい。
<実施形態1 識別可能化ステップ>
【0049】
「識別可能化ステップ」S0202は、前記一覧で撮像できる範囲内で装置固有識別情報を用いて配置された各無線装置が有するマークを撮像された画像中で背景と個別に識別可能な状態とするステップである。識別可能とするためには、装置固有識別情報を宛先として無線装置に共通の点灯等の命令を一つずつ出力することによって行われる。
【0050】
このステップでは、配置ステップにて配置された撮像装置により複数台の無線装置が撮像される。撮像は、静止画の撮像であってもよいし、動画として撮像されるものであってもよい。そして、いずれかの態様で撮像された画像中で以下のように無線装置のマークを識別可能な状態とする。静止画像中で識別可能な状態とする場合には、撮像した時にマークが識別可能な状態となっているようにする。また、動画像中で識別可能な状態とする場合には、撮像されている時間内にてマークが識別可能な状態となるようにする。
【0051】
マークを識別可能な状態とするために、少なくとも一覧で撮像できる範囲内に存在する無線装置の装置固有識別情報を取得する。あるいは、予め取得し保持しておいてもよい。また、一覧で撮像できる範囲外に存在する無線装置の装置固有識別情報を併せて取得ないし保持してもよい。一覧で撮像できる範囲外に存在する無線装置に対して識別可能な状態とするための命令が出されても範囲外に存在するのでそれを撮像することはできないが、それは他の回に一覧で撮像できる範囲内に入れて処理をすればよいので、所定時間内に識別可能な情報を得られない場合には、未処理として次回以降に再度命令を送信するように構成するとよい。
【0052】
装置固有識別情報を取得する態様の一つとして、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別番号を取得する態様がある。無線装置が定期的に出力するビーコンにはマックアドレスなどの自身の装置固有識別情報が含まれている。このビーコンを受信することで装置固有識別情報を取得することができる。そして、それぞれの無線装置が出力するビーコンを受信することで、各無線装置の装置固有識別情報を収集することができる。
【0053】
このように、上述した識別可能化ステップの前に、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集するステップを、「受動型装置固有識別情報収集ステップ」として、本実施形態に係る無線装置システム構築方法が有するものとしてもよい。
【0054】
また、装置固有識別情報を取得する別の態様として、すべての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストし、その出力命令に基づき各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する態様がある。
【0055】
このように、上述した識別可能化ステップの前に、すべての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストするステップを「ブロードキャストステップ」とし、ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集するステップを「能動型装置固有識別情報収集ステップ」として、本実施形態に係る無線装置システム構築方法がそれらのステップを有するものとしてもよい。
【0056】
なお、ブロードキャストステップと能動型装置固有識別情報収集ステップと、によって、取得した装置固有識別情報が、予定していたすべての無線装置について装置固有識別情報位置情報保持ステップにて保持が完了したにもかかわらず依然として残っている場合には、壁などを通して隣接する部屋や、別の階の無線装置の装置固有識別情報を取得した可能性があるので、一旦削除するように構成することが好ましい。削除等によって装置固有識別情報の未処理のものがなくなった段階で一連の処理を終了することができるように構成するとなお好ましい。データ処理履歴として一連の処理経過を残すことができるからである。
【0057】
そして、取得し又は保持している装置固有識別情報によって識別される無線装置に対して無線装置が有するマークを撮像された画像中で背景と個別に識別可能な状態とするための命令を出力する。この命令の出力は、取得し又は保持する複数の装置固有識別情報のなかから一つずつ順次出力するのが基本であるが、これに限定されるものではない。複数の装置固有識別情報を用いて出力した場合には、それらの装置固有識別情報により識別される無線装置が各無線装置を識別可能に同時にすることができる場合には、複数の無線装置のそれぞれについて個別に背景と識別可能な状態とすることができる。
【0058】
マークの識別可能な状態とは、例えば、静止画像中での場合には他の無線装置が有するマークとしての光源が非発光状態であって、命令を受信した無線装置が有する光源のみが発光状態にあるとしたり、動画像中での場合には他の無線装置が有する光源が非発光状態又は発光状態が維持された状態であって、命令を受信した無線装置が有する光源のみが点滅状態にあるといった状態である。また、点滅周期を装置固有識別情報と関連付けて命令できる場合には、動画で撮影して、その命令した点滅周期を判別し、その無線装置の位置の情報を取得することができるように構成することができる。この場合には、複数の無線装置が同時に点滅してもその点滅のそれぞれを識別できるので同時に複数の無線装置の位置情報を得ることができる。
【0059】
また、可動部材をマークとする場合には、静止画像中では命令を受けた無線装置の可動部材の位置や姿勢と他の無線装置の可動部材の位置や姿勢とを異ならしめておくことで識別可能な状態とすることができる。また、動画像中では命令を受けた無線装置の可動部材のみを継続的に動かしておいて他の無線装置の可動部材を静止させておくことで識別可能な状態とすることができる。
【0060】
本ステップにおける撮像以外の工程を行う主体は、撮像の主体である撮像装置を備えるタブレット端末などの情報処理端末であってもよいし、前記撮像装置とは別体でありつつ当該撮像装置と通信可能に構成される他の情報処理装置(PC、スマートフォン、タブレット端末など)であってもよい。
<実施形態1 装置固有識別情報位置情報関連付けステップ>
【0061】
「装置固有識別情報位置情報関連付けステップ」S0203は、識別可能とされた各無線装置の装置固有識別情報と、前記一覧で撮像できる範囲内での位置情報とを関連付けるステップである。
【0062】
「一覧で撮像できる範囲内での位置情報」は一覧で撮像した領域内での位置情報でもよいし、撮像されている画像中での位置情報、すなわち、ディスプレイ上の座標位置であってもよい。前者の場合には、領域は三次元空間内とする場合と、二次元の面とする場合がある。無線装置が平面的に配置されているような場合、例えば、天井面に並んでいる照明装置や、壁面に並んでいるセンサ、棚面に並んでいるIDタグや種別表示装置のような場合には二次元の面内の位置として把握してもよい。また、家庭内に配置さえる各種家電製品(エアコン、照明器具、冷蔵庫、コンロ、洗濯機、テレビ、レンジフードなど)のような場合には、三次元空間内の位置情報として取得するのがよい。
【0063】
また、後者の場合には、ディスプレイ上の座標位置であるが、識別される画像部分の中心座標(重心座標)などを位置情報として取得する。例えば識別されるものが点滅する明かりである場合には、認識された明かりの重心を求めて、その位置情報を無線装置の代表位置情報として取得する。あるいは、点滅する明かりの輪郭をとらえて、その輪郭内の座標の集合体を無線装置の位置情報として取得するように構成してもよい。
【0064】
関連付けられた装置固有識別情報と位置情報とに、さらに識別情報を関連付けてもよい。例えば、装置固有識別情報としてマックアドレスを用いた場合、マックアドレスは「6y-mb-jc-9c-82」といった文字列で示され、位置情報についても「(10,10),(15,10),(10,5),(15,5)」などといった文字列で示される。このような場合、それらの情報の意味を人は把握しにくいため、所定の人為的なルールに則して別途識別情報をさらに関連付けるようにしてもよい。例えば、実際の照明装置の配置レイアウトに基づき「L1,L2,L3,・・・・」などのような符号を識別番号として用いる。このような人為的な識別番号をさらに関連付けることにより、例えば、照明装置の操作用インターフェースにおいて、それぞれの照明装置を示す符号として人為的な識別番号を用いることで操作者にとって分かりやすくなる。
<実施形態1 装置固有識別情報位置情報保持ステップ>
【0065】
「装置固有識別情報位置情報保持ステップ」S0204は、関連付けた装置固有識別情報と位置情報とを保持する。これらを保持することにより、各無線装置に対する制御等を行い、また制御(操作等)のためのインターフェースを作ることなどに供することができる。
<実施形態1 効果>
【0066】
本実施形態の無線装置システム構築方法により、無線装置に固有の装置固有識別情報とその識別情報で識別される無線装置の位置情報との関連付けを容易に行うことができる。
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
【0067】
本実施形態は、実施形態1の無線装置システム構築方法に係る発明を、無線装置システム構築装置として示すものである。
<実施形態2 機能的構成>
【0068】
図3は、本実施形態の無線装置システム構築装置の機能的構成一例を示すブロック図である。図示するように、「無線装置システム構築装置」0300は、「装置固有識別情報収集部」0301と、「マーク駆動部」0302と、「位置情報取得部」0303と、「装置固有識別情報位置情報関連付部」0304と、「装置固有識別情報位置情報保持部」0305と、を有する。
<実施形態2 装置固有識別情報収集部>
【0069】
「装置固有識別情報収集部」0301は、無線装置の装置固有識別情報を収集する。無線装置の装置固有識別情報は、実施形態1の配置ステップにおける無線装置が有する装置固有識別情報と同様である。
【0070】
装置固有識別情報の収集の態様としては、実施形態1の受動型装置固有識別情報収集ステップでの収集のように行うことができる。すなわち、それぞれの無線装置が出力するビーコンに含まれる装置固有識別情報を収集するように構成する。このような機能を有する構成として、受動型装置固有識別情報収集手段を装置固有識別情報収集部が有するようにしてもよい。
【0071】
また、装置固有識別情報の収集の他の態様として、実施形態1のブロードキャストステップと能動型装置固有識別情報収集ステップとにおける収集のように行うこともできる。すなわち、すべての無線装置に対して装置固有識別情報の出力命令をブロードキャストする構成としてのブロードキャスト手段と、ブロードキャストされた装置固有識別情報の出力命令に基づいて各無線装置から出力される装置固有識別情報を収集する能動型装置固有識別情報収集手段とを、装置固有識別情報収集部が有するようにしてもよい。なお、ブロードキャストによって複数の無線装置からの装置固有識別情報の返信が衝突する恐れがあるので、無線装置は、返信に際して返信タイミングをその装置の装置固有識別情報を利用した乱数などを利用して決定するように構成することが望ましい。そして無線装置システム構築装置は、取得した装置固有識別情報を利用して無線装置に対して取得積みである旨の再返信を行い、これを受けた無線装置は、装置固有識別情報の返信を停止するかインターバルを長くするように構成することが望ましい。逆に、この再返信を受け取らない無線装置は、これを受け取るまで継続的に装置固有識別情報の返信を継続するように構成することが望ましい。
<実施形態2 マーク駆動部>
【0072】
「マーク駆動部」0302は、収集した装置固有識別情報を利用して無線装置に備えられた撮像可能なマークを背景と識別可能に駆動する。マークは、実施形態1の配置ステップで説明したとおりである。また、マークを背景と識別可能な状態とすることは、実施形態1の識別可能化ステップにて説明したように、マークである光源を点灯や点滅などさせるための命令や可動部材を動かすためなどの命令を無線装置に対して出力することなどである。
<実施形態2 位置情報取得部>
【0073】
「位置情報取得部」0303は、前記マーク駆動部によって駆動されたマークを用いて無線装置の撮像空間内での位置情報を取得する。撮像空間内での無線装置の位置情報の取得は、実施形態1の装置固有識別情報位置情報関連付けステップにおける撮像空間内での無線装置の位置情報の取得と同様である。既知のパターンマッチング処理により撮像画像中に存在する予定されている識別可能な形態のマークを認識し、特定された無線装置等の画像中の領域を示す画像上の座標を位置情報として取得する、あるいは、その後さらにあらかじめ保持されている空間などのマップと照合し、そのマップ上に無線装置の位置を特定する、といった具合である。なお、この照合作業は、空間などを示すマップと、そのマップ内での撮像位置を特定することで容易に行うことができる。
<実施形態2 装置固有識別情報位置情報関連付部>
【0074】
「装置固有識別情報位置情報関連付部」0304は、取得した位置情報とマークの駆動に利用された装置固有識別情報とを関連付ける。この関連付けは、実施形態1の装置固有識別情報位置情報関連付ステップにおいて、識別可能な状態とされた無線装置の装置固有識別情報と位置情報とを関連付けることと同様である。
<実施形態2 装置固有識別情報位置情報保持部>
【0075】
「装置固有識別情報位置情報保持部」0305は、関連付けられた装置固有識別情報と位置情報とを保持する。装置固有識別情報保持部は、実施形態1の装置固有識別情報位置情報保持ステップによる処理を行う構成である。
<実施形態2 ハードウェア>
【0076】
図4は、本実施形態の無線装置システム構築装置のハードウェア構成の一例を示す概念図である。図示するように、無線装置システム構築装置は、CPU0401と、不揮発性メモリ(例えば、ROM、SSDなど)0402と、主メモリ0403と、撮像モジュール0404と、通信インターフェースI/F0405と、ユーザーインターフェイスI/F0406とを備え、それらの間で信号の授受等を行うためのシステムバス0407を備える。
【0077】
不揮発性メモリには、無線装置の装置固有識別情報を収集する装置固有識別情報収集プログラムと、収集した装置固有識別情報を利用して無線装置に備えられた撮像可能なマークを背景と識別可能に駆動するマーク駆動プログラムと、マーク駆動プログラムの実行によって駆動されたマークを用いて無線装置の撮像空間内での位置情報を取得する位置情報取得プログラムと、取得した位置情報とマークの駆動に利用された装置固有識別情報とを関連付ける装置固有識別情報位置情報関連付プログラムと、関連付けられた装置固有識別情報と位置情報とを保持する装置固有識別情報位置情報保持プログラムなどの各種プログラムや、撮像モジュールにより撮像された撮像画像や上述の各プログラムの実行により収集した装置固有識別情報、撮像画像、取得した位置情報、位置情報を取得するための空間特定情報、などの各種情報が格納される。そして、各プログラムを展開及び実行することで収集した装置固有識別情報と取得した位置情報とを関連付けて保持する。
<実施形態2 効果>
【0078】
本実施形態の無線装置システム構築装置により、無線装置に固有の装置固有識別情報と位置情報との関連付けを容易に行うことができる。
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
【0079】
図5は、本実施形態の概要を示す概念図である。図示するように、ユーザーが手にするタブレット端末0501には、複数の照明装置が天井に配置されている会議室内の撮像画像が表示されている。そして、表示されている一の照明装置0502をユーザーがタッチすることでその照明装置に対する操作を行うことができるように構成されている。すなわち撮像画像を用いて撮像画像中の照明装置を操作するためのユーザーインターフェイスとしている。
【0080】
本実施形態においては、図示するように、操作のためのユーザーインターフェイスとしてタブレット端末に表示することまでを必須の構成とするものではないが、このようなユーザーインターフェイスを構成するためには、撮像画像中の無線装置(あるいは無線装置を備える何らかの装置)の装置固有識別情報とその無線装置が表示されているディスプレイ上の座標情報とを関連付けることが必要となる。本実施形態は、この関連付を行うことに特徴を有する。
【0081】
また、本実施形態は、実施形態1を基本とする無線装置システム構築方法として構成されるとともに、実施形態2を基本とする無線装置システム構築装置としても構成することができる。
<実施形態3 無線システム構築方法 構成>
【0082】
図6は、本実施形態の無線装置システム構築方法を示すフロー図である。図示するように、無線装置システム構築方法は、「配置ステップ」S0601と、「識別可能化ステップ」S0602と、「ディスプレイ上関連付サブステップ」S0605を有する「装置固有識別情報位置情報関連付ステップ」S0603と、「装置固有識別情報位置情報保持ステップ」S0604と、からなる。ディスプレイ上関連付サブステップ以外のステップは実施形態1におけるステップと同様であるため、以下での説明は省略する。
<実施形態3 無線システム構築方法 ディスプレイ上関連付サブステップ>
【0083】
「ディスプレイ上関連付サブステップ」S0605は、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるステップである。
【0084】
ディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けることで、ディスプレイ上にて無線装置が表示されている点又は領域を、カーソルで指したりタッチしたりすることにより、その無線装置に対する操作等を行うことができるようになる。
<実施形態3 無線システム構築装置 構成>
【0085】
図7は、本実施形態の無線装置システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の「無線装置システム構築装置」0700は、実施形態2の無線システム構築装置を基本とし、「装置固有識別情報収集部」0701と、「マーク駆動部」0702と、「位置情報取得部」0703と、「装置固有識別情報位置情報関連付部」0704と、「装置固有識別情報位置情報保持部」0705と、を有し、装置固有識別情報位置情報関連付部は、「ディスプレイ上関連付手段」0706を有する。ディスプレイ上関連付手段は、上述した「ディスプレイ上関連付サブステップ」と同様の機能を有する構成である。ディスプレイ上関連付手段以外の構成は実施形態2における構成と同様であるため、以下での説明は省略する。
<実施形態3 無線システム構築装置 ディスプレイ上関連付手段>
【0086】
「ディスプレイ上関連付手段」0706は、撮像された画像内でポインティングデバイスによる座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付ける。
<実施形態3 無線システム構築装置 ハードウェア>
【0087】
本実施形態のハードウェア構成は、実施形態2のハードウェア構成に準じて実現することができ、さらに撮像された画像内でポインティングデバイスにより座標入力が可能なユーザーインターフェイスを有するディスプレイ上座標情報と装置固有識別情報とを関連付けるディスプレイ上関連付サブプログラムを保持し、適宜実行することで実現することができる。
<実施形態3 効果>
【0088】
本実施形態によれば、装置固有識別情報と関連付けられた無線装置をディスプレイ上にてポインティングデバイスにて操作入力することなどを可能にすることができる。
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
【0089】
本実施形態は、撮像画像中の無線装置の装置固有識別情報と、無線装置の配置が示される室内レイアウトマップ上の位置情報とを関連付けるものである。
【0090】
また、本実施形態は、実施形態1又は3を基本とする無線装置システム構築方法として構成されるとともに、実施形態2又は3を基本とする無線装置システム構築装置としても構成することができる。
<実施形態4 無線システム構築方法 構成>
【0091】
図8は、本実施形態の無線装置システム構築方法を示すフロー図である。図示するように、無線装置システム構築方法は、「配置ステップ」S0801と、「識別可能化ステップ」S0802と、「室内レイアウトマップ関連付サブステップ」S0805を有する「装置固有識別情報位置情報関連付けステップ」S0804と、「装置固有識別情報位置情報保持ステップ」S0805と、からなる。室内レイアウトマップ関連付サブステップ以外のステップは実施形態1又は3におけるステップと同様であるため、以下での説明は省略する。
<実施形態4 無線システム構築方法 室内レイアウトマップ関連付サブステップ>
【0092】
「室内レイアウトマップ関連付サブステップ」S0805は、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付けるステップである。
【0093】
「室内レイアウトマップ」は、撮像された画像内の無線装置が配置される室内のレイアウトマップである。
【0094】
図9は、室内レイアウトマップ関連付サブステップを説明するための概念図である。
図9(a)は、タブレット端末により撮像した撮像画像を表示している態様を示し、
図9(b)は、そのタブレット端末のディスプレイに室内レイアウトマップを表示している態様を示す概念図である。この「室内レイアウトマップ」0901には12個の照明装置(それぞれに無線装置が備わっている)の配置が示されており、各照明装置にはL11-L43までの人為的な識別番号が付されている。そして、各照明装置を示す「アイコン」0902は、ポインティングデバイスにより選択可能に構成されており、それぞれのアイコン領域が室内レイアウト上の位置情報となっている。このような室内レイアウトマップは予め作成されていてもよいし、撮像画像に基づいて生成してもよい。
【0095】
装置固有識別情報と室内レイアウト上の位置情報との関連付けは、例えば、撮像装置でもあるタブレット端末と、実施形態1にて説明したように撮像画像中の識別可能なマークをパターンマッチングなどにより認識するとともに、認識したマークとタブレット端末との距離を測定する。この距離測定は撮像装置のオートフォーカスと同じ原理で求めることができる。室内レイアウトマップにおける撮像場所を入力するなどして、撮像画像中の照明装置のそれぞれを室内レイアウトマップ上における照明装置に当てはめていき、当てはまった照明装置の室内レイアウトマップ上の位置情報とその照明装置に備わる無線装置の装置固有識別情報とを関連付ける。
【0096】
このような室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報との関連付けを行うことにより、室内レイアウトマップを操作用ユーザーインターフェイスとして利用することができる。
<実施形態4 無線システム構築装置 構成>
【0097】
図10は、本実施形態の無線システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の「無線システム構築装置」1000は、実施形態2又は3の無線システム構築装置を基本とし、「装置固有識別情報収集部」1001と、「マーク駆動部」1002と、「位置情報取得部」1003と、「装置固有識別情報位置情報関連付部」1004と、「装置固有識別情報位置情報保持部」1005と、を有し、装置固有識別情報位置情報関連付部は、上述した「室内レイアウトマップ関連付サブステップ」と同様の機能を有する構成である「室内レイアウトマップ関連付手段」1006を有するものである。室内レイアウトマップ関連付手段以外の構成は、実施形態2又は3で説明した構成と同様であるので、以下での説明は省略する。
<実施形態4 無線システム構築装置 室内レイアウトマップ関連付手段>
【0098】
「室内レイアウトマップ関連付手段」1006は、撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける。本手段における前述の関連付けは、室内レイアウトマップ関連付サブステップで説明した処理により行われる。
<実施形態4 無線システム構築装置 ハードウェア>
【0099】
本実施形態のハードウェア構成は、実施形態2又は3のハードウェア構成に準じて実現することができ、さらに撮像された画像内のディスプレイ上座標情報と関連付けられた座標入力可能なディスプレイ上に表示される室内レイアウトマップ上の位置情報と装置固有識別情報とを関連付ける。本手段における前述の関連付けは、室内レイアウトマップ関連付サブプログラムを保持し、適宜実行することで実現することができる。
<実施形態4 効果>
【0100】
本実施形態によれば、室内レイアウトマップを無線装置の操作用ユーザーインターフェイスとすることができる。
<実施形態5>
<実施形態5 概要>
【0101】
本実施形態は、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をタッチパネルなどに表示することで、タッチパネルにより無線装置の操作などを可能にするものである。
【0102】
また、本実施形態は、実施形態1又は3又は4を基本とする無線装置システム構築方法として構成されるとともに、実施形態2から4のいずれかを基本とする無線装置システム構築装置としても構成することができる。
<実施形態5 無線システム構築方法 構成>
【0103】
図11は、本実施形態の無線装置システム構築方法を示すフロー図である。図示するように、無線装置システム構築方法は、撮像装置を配置する「配置ステップ」S1101と、「識別可能化ステップ」S1102と、「装置固有識別情報位置情報関連付けステップ」S1103と、「装置固有識別情報位置情報保持ステップ」S1104と、「出力ステップ」S1105と、からなる。出力ステップ以外のステップは実施形態1又は3又は4におけるステップと同様であるため、以下での説明は省略する。
<実施形態5 無線システム構築方法 出力ステップ>
【0104】
「出力ステップ」S1105は、位置情報保持ステップの後に、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力するステップである。
【0105】
図12は、実施形態3で説明したディスプレイ上座標情報を、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報としてディスプレイ上に出力した場合の一例を示す概念図である。
図12(a)に示すように、「タブレット端末」1201のタッチパネルである「ディスプレイ」1202に表示されている会議室内の一の「照明装置」1203をユーザーがタッチする。それにより、
図12(b)に示すように、タッチした照明装置を操作するための「ポップアップメニュー」1204が表示され、そのメニューをタッチして適宜操作することによりディスプレイ上で指定した照明装置に対する操作が可能となる。このような態様が実現するのは、ディスプレイ上のそれぞれの照明装置に備わる無線装置の装置固有識別情報と位置情報とが関連付けられているからである。
【0106】
図13は、実施形態4で説明した室内レイアウトマップ上の位置情報を、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報とした場合の一例を示す概念図である。タッチパネルであるディスプレイ上に表示されている用いる場合を示す概念図である。
図13(a)に示すように、タッチパネルである「ディスプレイ」1301をポインティングデバイスとし、ディスプレイに「室内レイアウトマップ」1302を表示している。ここで、室内レイアウトマップ上の「照明装置L32のアイコン」1303にタッチして位置特定することにより、
図13(b)に示すように、照明装置L32のアイコンが表示されていた領域に「ポップアップメニュー」1304が表示され、その照明装置の操作等を行うことができる。
【0107】
図14は、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報としてディスプレイ上のテキストが表示される各欄の領域を示す座標情報を出力する場合の一例を示す概念図である。
図14においても、ポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いている。例えば、「L13」が表示されている欄をタッチすることで、「L13」の欄における「ON/OFF」及び「LEVEL」の領域がアクティブになり(1401)、タッチすることで照明のON/OFFを切り替えたり、「LEVEL」の領域に表示されている「スライダー」1402を指でスライドさせることで調光が可能になったりする。
【0108】
上述した、
図12から
図14までの各例においては、いずれもポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いた態様が示されているが、これはタブレット端末を用いて示したためであり、PCのようにキーボードやマウスが備わる装置を用いて構成する場合には、マウスやキーボード上の方向キーやタッチパッドなどがポインティングデバイスとして用いられる。
<実施形態5 無線システム構築装置 構成>
【0109】
図15は、本実施形態の無線システム構築装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の「無線システム構築装置」1500は、実施形態2から4のいずれかの無線システム構築装置を基本とし、「装置固有識別情報収集部」1501と、「マーク駆動部」1502と、「位置情報取得部」1503と、「装置固有識別情報位置情報関連付部」1504と、「装置固有識別情報位置情報保持部」1505と、「出力部」1506と、を有する。出力部は上述した「出力ステップ」と同様の機能を有する構成である。出力部以外の構成は、実施形態2から4のいずれかにて説明した構成と同様であるので、以下での説明は省略する。
<実施形態5 無線システム構築装置 出力部>
【0110】
「出力部」1506は、装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する。出力部により出力される位置情報は、上述した「出力ステップ」において出力される位置情報と同様である。
<実施形態5 無線システム構築装置 ハードウェア>
【0111】
本実施形態のハードウェア構成は、実施形態2から4のいずれかのハードウェア構成に準じて実現することができ、さらに装置固有識別情報と関連付けられた位置情報をポインティングデバイスによって位置特定可能なディスプレイ上に出力する出力プログラムを保持し、適宜実行することで実現することができる。
<実施形態5 効果>
【0112】
本実施形態によれば、ポインティングデバイスによる操作用ユーザーインターフェイスをディスプレイ上に表示することができる。
<実施形態6>
<実施形態6 概要>
【0113】
本実施形態は、無線装置システム構築装置が、さらに無線装置を有するものである。
<実施形態6 構成>
【0114】
本実施形態は、実施形態2から実施形態6のいずれかを基本とし、無線装置システム構築装置が、さらに無線装置を有するものである。無線装置をさらに有すること以外は、上記基本とした実施形態における無線装置システム構築装置と同様であるので、その構成についての説明は省略し、無線装置について以下に説明する。
【0115】
図16は、本実施形態の無線装置システム構築装置が有する無線装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図示するように、「無線装置」1600は、「装置固有識別情報保持部」1601と、「無線通信部」1602、「マーク」1603、とを有する。
【0116】
「装置固有識別情報保持部」1601は、装置固有識別情報を保持する。装置固有識別情報保持部は、ROMなどの不揮発性メモリに記憶されている。また、装置固有識別情報は、実施形態1などにおける装置固有識別情報と同様である。
【0117】
「無線通信部」1602は、装置固有識別情報を用いて識別された無線通信をする。この無線通信は、実施形態1などにおける無線通信と同様である。
【0118】
「マーク」1603は、識別可能とすべき命令を含む通信によって背景と識別可能にすることが可能に構成される。この「マーク」や「マークを識別可能にする」ということは、実施形態1などにおける「マーク」や「マークを識別可能にする」ことと同様である。
【0119】
また、無線装置は、さらに「定期出力部」を有するものと構成することができる。「定期出力部」は、定期的に保持されている装置固有識別情報を無線通信部から定期的に出力させる。無線装置は、例えば固有識別情報であるマックアドレスを含むビーコンを定期的に出力するように構成される。
【0120】
また、無線装置は、さらに「ブロードキャスト命令受付部」と「命令実行部」とを有するものと構成することができる。
【0121】
「ブロードキャスト命令受付部」は、保持されている装置固有識別情報の無線通信部を介した出力命令をブロードキャスト命令によって受付ける。この出力命令は、実施形態2などの無線装置システム構築装置における「ブロードキャスト手段」によってブロードキャストされる装置固有識別情報の出力命令である。
【0122】
「命令実行部」は、受付けたブロードキャスト命令に基づいて保持されている装置固有識別情報を無線通信部から出力する。
【0123】
本実施形態の無線装置において、装置固有識別情報を出力し、無線装置システム構築装置が出力された装置固有識別情報を取得し収集することについてのその他の事項は、実施形態1から5のいずれかにおいて説明したことと同様である。
<実施形態6 効果>
【0124】
本実施形態によれば、無線装置システム構築装置を、無線装置を有するものとすることができる。
<実施形態7>
<実施形態7 概要>
【0125】
本実施形態は、実施形態2から6のいずれかの無線装置システム構築装置における無線装置が商品などを保管する棚などに設けられる種別表示装置である態様に関する。
<実施形態7 構成>
【0126】
本実施形態は、実施形態1から7のいずれかの無線装置システム構築装置であって、無線装置は、取り出しし、又は/及び収納する対象物を種別単位で配置する区画単位に設けられている種別表示装置である無線装置システム構築装置である。
【0127】
ここで、対象物とは、例えば出荷のために保管されている商品であったり、組立作業に供ざれる部品や部材であったりする。そして、それらの商品や部品などは必要に応じて取り出され、あるいは収納される。また、それらの商品や部品はその種別単位で棚などの収納装置に区画単位で配置されている。本実施形態の無線装置はそのような各区画に設置される。
【0128】
ここで、棚の各区画には種別表示装置が配置され、区画に配置される商品名や数量などの情報を保持するとともに、出荷のために取り出される商品の数量を表示したり、あるいは集荷者が商品や数量を誤って取り出した場合に警報を発したりするなどの様々な機能を有している。これらの種別表示装置は棚の区画の数に応じた設置されるため、数多くの種別表示装置が散らばって設置されることになる。本実施形態によれば、どの種別表示装置がどこの区画に配置されているかといった種別表示装置そのものに関する情報や、それぞれの種別表示装置が保持している商品や数量などの各種情報を一元的に管理することが容易となる。
<実施形態7 効果>
【0129】
本実施形態によれば、種別表示装置の管理や、種別表示装置が保持する各区画に配置される商品等の管理などを容易に行うことができる。
<実施形態8>
<実施形態8 概要>
【0130】
本実施形態は、実施形態1から6のいずれかの無線装置システム構築装置における無線装置が分散配置されたセンサである態様に関する。
<実施形態8 構成>
【0131】
本実施形態の無線装置システム構築装置は、実施形態1から6のいずれかの無線装置システム構築装置であって、無線装置は、分散配置されたセンサである。
【0132】
分散配置されるセンサは種々考えられる。例えば、温度管理や湿度管理が必要な倉庫や店舗などには温度センサや湿度センサが倉庫内や店舗内に分散配置される。また、一酸化炭素、水素、アンモニア、硫化水素、都市ガス、プロパンガスなどの危険有毒性ガスのセンサは、それらのガスが生じ得る場所において分散配置される。放射線センサも同様である。
【0133】
これらのセンサを無線装置とすることで、どのセンサがどこに配置されているかを判別できるとともに、センサの検出値を無線装置によって出力するように構成することで、センサネットワークを構成し、各センサからのデータの一元管理等に寄与することもできる。より具体的な例としては、温度センサや湿度センサを医薬品物流倉庫、自動倉庫、保冷倉庫(冷蔵/冷凍)、輸送トラック、保管機器(冷蔵/冷凍)、保冷バッグなどの庫内に分散配置して実施する温度マッピングや温湿度マッピングに有効である。
<実施形態8 効果>
【0134】
本実施形態によれば、分散配置されるセンサの判別や管理、センサ出力の集約管理等に寄与し得る。
【符号の説明】
【0135】
S0201 配置ステップ
S0202 識別可能化ステップ
S0203 装置固有識別情報位置情報関連付けステップ
S0204 装置固有識別情報位置情報保持ステップ
0300 無線装置システム構築装置
0301 装置固有識別情報収集部
0302 マーク駆動部
0303 位置情報取得部
0304 装置固有識別情報位置情報関連付部
0305 装置固有識別情報位置情報保持部