(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】高圧ねじり装置及びそのような装置を使用してワークピースの材料特性を修正する方法
(51)【国際特許分類】
B21J 1/06 20060101AFI20231117BHJP
B21J 1/02 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
B21J1/06 Z
B21J1/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019222106
(22)【出願日】2019-12-09
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーマ, ラヴィ
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特許第4777775(JP,B2)
【文献】特開2009-131884(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008012550(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 1/06
B21J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ねじり装置(100)であって、
作動軸(102)と、
第1のアンビル(110)と、
前記第1のアンビル(110)に面し、前記作動軸(102)に沿って前記第1のアンビル(110)から離間した第2のアンビル(120)とを含み、
前記第1のアンビル(110)及び前記第2のアンビル(120)が、前記作動軸(102)に沿って互いに対して並進可能であり、
前記第1のアンビル(110)及び前記第2のアンビル(120)が、前記作動軸(102)の周りで互いに対して回転可能であり、
環状体(130)であって、
第1の導電性チラー(140)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
表面(194)及び前記作動軸(102)と同一直線上の中心軸(195)を有するワークピース(190)と熱伝導的に連結されるように構成され、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第1の導電性チラー(140)と、
第2の導電性チラー(150)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
前記ワークピース(190)と熱伝導的に連結するように構成され、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第2の導電性チラー(150)と、
ヒーター(160)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1の導電性チラー(140)と前記第2の導電性チラー(150)との間に配置され、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に加熱するように構成された、ヒーター(160)と
を含む、環状体(130)と
を含む、高圧ねじり装置(100)。
【請求項2】
前記ヒーター(160)と前記第1の導電性チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつ前記ワークピース(190)に接触するように構成された、第1の熱バリア(137)と、
前記ヒーター(160)と前記第2の導電性チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、かつ前記ワークピース(190)に接触するようにように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含む、請求項1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項3】
前記環状体(130)が、前記ワークピース(190)を受容する大きさの中央開口部(147)を有する、請求項1又は2に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項4】
前記第1のアンビル(110)が、ベース(117)と、前記作動軸(102)に沿って、前記ベース(117)から前記第2のアンビル(120)に向かって延びる突出部(115)とを含み、
前記突出部(115)が、前記ベース(117)の直径及び前記環状体(130)の前記中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、請求項3に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項5】
前記第1のアンビル(110)の前記突出部(115)が、前記作動軸(102)に沿って前記環状体(130)の最大寸法以上の最大寸法を有する、請求項4に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項6】
前記第1のアンビル(110)の前記突出部(115)が、前記作動軸(102)に沿って前記環状体(130)の最大寸法の少なくとも半分である最大寸法を有する、請求項4に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項7】
前記第2のアンビル(120)が、第2のベース(127)と、前記作動軸(102)に沿って、前記第2のベース(127)から前記第1のアンビル(110)に向かって延びる第2の突出部(125)とを含み、
前記第2のアンビル(120)の前記第2の突出部(125)が、前記第2のベース(127)の直径及び前記環状体(130)の前記中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、請求項4から6のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項8】
前記第1の導電性チラー(140)が、入口(144)、出口(145)、並びに前記入口(144)及び前記出口(145)と流体連通する中間部分(146)を含むチャネル(143)を含み、前記第1の導電性チラー(140)が、前記チャネル(143)の前記中間部分(146)を、前記環状体(130)の前記中央開口部(147)から流体的に分離する熱伝導体(148)を更に含む、請求項3から7のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項9】
前記チャネル(143)の前記中間部分(146)が、閉じた形状を有し、かつ前記作動軸(102)を取り囲んでいる、請求項8に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項10】
前記第1の導電性チラー(140)の前記熱伝導体(148)が、前記作動軸(102)に垂直ないかなる方向にも十分に柔軟であり、前記チャネル(143)の前記中間部分(146)が第1の冷却流体(198)で加圧されると、前記ワークピース(190)に直接接触する、請求項8又は9に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項11】
作動軸(102)、第1のアンビル(110)、第2のアンビル(120)、及び環状体(130)を含む高圧ねじり装置(100)を使用して、ワークピース(190)の材料特性を修正する方法(800)であって、
前記環状体(130)が、第1の導電性チラー(140)、第2の導電性チラー(150)、及び前記作動軸(102)に沿って、前記第1の導電性チラー(140)と前記第2の導電性チラー(150)との間に配置されたヒーター(160)を含み、方法(800)が、
前記ワークピース(190)の中心軸(195)に沿って前記ワークピース(190)を圧縮するステップと、
前記中心軸(195)に沿って前記ワークピース(190)を圧縮することと同時に、前記中心軸(195)の周りに前記ワークピース(190)をねじるステップと、
前記中心軸(195)に沿って前記ワークピース(190)を圧縮し、前記中心軸(195)の周りに前記ワークピース(190)をねじることの間に、前記ワークピース(190)の前記中心軸(195)と同一線上にある、前記高圧ねじり装置(100)の前記作動軸(102)に沿って、前記環状体(130)を並進させ、前記ヒーター(160)で前記ワークピース(190)を加熱するステップと、
前記ヒーター(160)で前記ワークピース(190)を加熱するステップと同時に、前記第1の導電性チラー(140)又は前記第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つで前記ワークピース(190)を冷却するステップと
を含む、方法(800)。
【請求項12】
前記第1の導電性チラー(140)で前記ワークピース(190)を冷却するステップが、前記第1の導電性チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップと、前記第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)を通して、前記ワークピース(190)から前記第1の冷却流体(198)に熱を伝達するステップとを含み、
前記第2の導電性チラー(150)で前記ワークピース(190)を冷却するステップが、前記第2の導電性チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップと、前記第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)を通して、前記ワークピース(190)から前記第2の冷却流体(199)に熱を伝達するステップとを含む、請求項11に記載の方法(800)。
【請求項13】
前記第1の導電性チラー(140)を通して前記第1の冷却流体(198)をルート決めする前記ステップ、及び前記第2の導電性チラー(150)を通して前記第2の冷却流体(199)をルート決めする前記ステップが、独立して制御され、
前記第1の冷却流体(198)及び前記第2の冷却流体(199)のそれぞれが液体である、請求項12に記載の方法(800)。
【請求項14】
前記環状体(130)が、前記第1の導電性チラー(140)の前記熱伝導体(148)及び前記第2の導電性チラー(150)の前記第2の熱伝導体(158)によって少なくとも部分的に形成された中央開口部(147)を備え、
前記第1の導電性チラー(140)の前記熱伝導体(148)を通して、前記ワークピース(190)から前記第1の冷却流体(198)に熱を伝達する前記ステップが、前記中央開口部(147)を通って突出する前記ワークピース(190)を、前記第1の導電性チラー(140)の前記熱伝導体(148)と接触させることを含み、
前記第2の導電性チラー(150)の前記第2の熱伝導体(158)を通して、前記ワークピース(190)から前記第2の冷却流体(199)に熱を伝達する前記ステップが、前記中央開口部(147)から突出する前記ワークピース(190)を、前記第2の導電性チラー(150)の前記第2の熱伝導体(158)と接触させることを含む、請求項13に記載の方法(800)。
【請求項15】
前記第1の導電性チラー(140)が、入口(144)、出口(145)、並びに前記入口(144)及び出口(145)入口(145)と流体連通する中間部分(146)を含むチャネル(143)を含み、
前記第1の導電性チラー(140)の前記熱伝導体(148)を通して、前記ワークピース(190)から前記第1の冷却流体(198)に熱を伝達する前記ステップが、
前記第1の冷却流体(198)を前記チャネル(143)の前記入口(144)から、前記チャネル(143)の前記中間部分(146)を通って、前記チャネル(143)の前記出口(145)に流すことを含み、
前記熱伝導体(148)が、前記チャネル(143)の前記中間部分(146)を前記環状体(130)の前記中央開口部(147)から流体的に分離する、請求項14に記載の方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]高圧ねじりは、ワークピースの結晶粒構造を制御するために使用される技術である。ただし、高圧及び高トルクの要件により、この技術は、特定の幾何学的制約を有するワークピース、例えば厚さが約1ミリメートル以下のディスクに制限されてきた。そのようなワークピースは、たとえあるとしても、実用的な用途が限られている。更に、ワークピースサイズのスケーリングが困難であることが判明した。細長いワークピースの漸進的な処理が提案されてきたが、上手く実施されていない。
【発明の概要】
【0002】
[0002]したがって、少なくとも上述の懸念に対処することを目的とした装置及び方法が有用性を見い出すことになるだろう。
【0003】
[0003]以下は、本書に開示される主題の、主張されることもされないこともある実施例の非網羅的な列挙である。
【0004】
[0004]本書に開示される主題の1つの実施例は、作動軸、第1のアンビル、第2のアンビル、及び環状体を備える高圧ねじり装置に関する。第2のアンビルは、第1のアンビルに面しており、作動軸に沿って第1のアンビルから離間している。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸の周りで互いに対して回転可能である。環状体は、第1の導電性チラー、第2の導電性チラー、及びヒーターを含む。第1の導電性チラーは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能である。第1の導電性チラーは、表面と、作動軸と同一直線上の中心軸とを有するワークピースと熱伝導的に連結されるように構成される。第1の導電性チラーは、ワークピースを選択的に冷却するように構成される。第2の導電性チラーは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能である。第2の導電性チラーは、ワークピースと熱伝導性に連結するように構成される。第2の導電性チラーは、ワークピースを選択的に冷却するように構成される。ヒーターは、作動軸に沿って、第1の導電性チラーと第2の導電性チラーとの間に配置される。ヒーターは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能であり、ワークピースを選択的に加熱するように構成される。
【0005】
[0005]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0006】
[0006]第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150の積層配置により、ワークピース190の各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。
【0007】
[0007]第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150が作動しているとき、ワークピース190の加熱部分は、第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分に隣接する。第1の冷却部分は、ワークピース190に対する第1の導電性チラー140の位置及び第1の導電性チラー140の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第2の冷却部分は、ワークピース190に対する第2の導電性チラー150の位置及び第2の導電性チラー150の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分は、ワークピース190内の内部熱伝達を制御するために使用され、それにより、
図4A~4Cに示す処理部分のいくつかの特性及び動作温度ゾーン400の形状を制御する。
【0008】
[0008]第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150は、作動軸102に沿って並進可能であり、ワークピース190の長さを画定するワークピース190の中心軸195に沿って、ワークピース190の異なる部分を処理する。結果として、高圧ねじり装置100は、例えば、ワークピース190全体が処理されるとき、従来の圧力ねじり技術に比べて長いワークピース190を処理するように構成される。
【0009】
[0009]本書に開示される主題の別の実施例は、高圧ねじり装置を使用して、ワークピースの材料特性を修正する方法に関する。高圧ねじり装置は、作動軸、第1のアンビル、第2のアンビル、及び環状体を含む。環状体は、第1の導電性チラーと、第2の導電性チラーと、作動軸に沿って第1の導電性チラーと第2の導電性チラーとの間に配置されたヒーターとを含む。この方法は、ワークピースの中心軸に沿ってワークピースを圧縮することを含む。この方法はまた、ワークピースを中心軸に沿って圧縮することと同時に、ワークピースを中心軸の周りにねじることも含む。この方法は、中心軸に沿ってワークピースを圧縮することと、中心軸の周りにワークピースをねじることとを含む一方で、ワークピースの中心軸と同一線上にある、高圧ねじり装置の作動軸に沿って環状体を並進させることと、ヒーターでワークピースを加熱することとを更に含む。方法は、ワークピースを加熱することと同時に、第1の導電性チラー又は第2の導電性チラーの少なくとも1つでワークピースを冷却することを更に含む。
【0010】
[0010]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0011】
[0011]処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。
【0012】
[0012]ヒーター160と、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方又は両方との組み合わせにより、動作温度ゾーン400によって画定された各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。ヒーター160がワークピース190の一部を選択的に加熱すると、ワークピース190は、加熱された部分から離れる内部熱伝達を受ける。ワークピース190の一方又は両方の隣接部分を冷却することにより、この内部熱伝達の影響を制御することができる。
【0013】
[0013]本開示の1つ又は複数の例は一般論として説明されているので、これより添付図面に言及するが、それらは必ずしも正寸で描かれているわけではなく、複数の図を通して、類似の参照記号は同じ又は類似の部分を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】[0014]
図1B及び
図1Cとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による高圧ねじり装置のブロック図である。
【
図1B】
図1A及び
図1Cとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、高圧ねじり装置のブロック図である。
【
図2A】[0015]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略図である。
【
図2B】[0016]本開示の1つ又は複数の例による、第1のアンビルによって係合されたワークピースの第1の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2C】[0016]本開示の1つ又は複数の例による、第1のアンビルによって係合されたワークピースの第1の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2D】[0017]本開示の1つ又は複数の例による、第2のアンビルによって係合されたワークピースの第2の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2E】[0017]本開示の1つ又は複数の例による、第2のアンビルによって係合されたワークピースの第2の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2のアンビルの概略断面上面図である。
【
図3A】[0018]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出するワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の概略断面側面図である。
【
図3B】[0019]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースが図示されていない状態の、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1の導電性チラーの概略断面上面図である。
【
図3C】[0020]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースが図示されていない状態の、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2の導電性チラーの概略断面上面図である。
【
図4】[0021]A~Cは、本開示の1つ又は複数の例による、第1の導電性チラー及び第2の導電性チラーの異なる動作モードを示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の概略断面側面図である。
【
図5】[0022]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出する突出部を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略断面側面図である。
【
図6】[0023]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出する第2の突出部を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略断面側面図である。
【
図7A】[0024]
図7B及び
図7Cとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、
図1Aと
図1Bの高圧ねじり装置を使用して、ワークピースの材料特性を修正する方法のブロック図である。
【
図7B】[0024]
図7A及び
図7Cとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、
図1Aと
図1Bの高圧ねじり装置を使用して、ワークピースの材料特性を修正する方法のブロック図である。
【
図7C】[0024]
図7A及び
図7Bとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、
図1Aと
図1Bの高圧ねじり装置を使用して、ワークピースの材料特性を修正する方法のブロック図である。
【
図8】[0025]航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0027]上記で参照した
図1A及び
図1Bにおいて、様々な要素及び/又は構成要素を結合する実線(存在する場合)は、機械的、電気、流体、光学、電磁気及び他の連結及び/又はそれらの組み合わせを表す場合がある。本書で使用される「連結された(coupled)」とは、直接的及び間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、又は例えば別の部材Cを介して、部材Bに間接的に関連付けられていてよい。開示される種々の要素間の全ての関係が必ずしも表されているわけではないと理解されるだろう。そのため、ブロック図に示されているもの以外の連結もまた、存在することがある。様々な要素及び/又は構成要素を指し示すブロック同士を結合する破線が存在する場合、これらの破線は、機能及び目的の点で実線によって表されているものに類似した連結を表わす。しかし、破線によって表わされた連結は、選択的に提供されるか、又は本開示の代替例に関連するかのいずれかでありうる。同様に、破線で表わされた要素及び/又は構成要素が存在する場合、それらは本開示の代替例を示す。実線及び/又は破線で示されている1つ又は複数の要素は、本開示の範囲から逸脱しなければ、特定の例から省略されてもよい。環境的な要素が存在する場合、点線で表される。分かりやすくするために、バーチャルな(架空の)要素も示されることがある。
図1A及び
図1Bに示す特徴のうちのいくつかは、
図1A及び
図1Bに記載された他の特徴を含むことを必要とせずに、様々な方法で組み合わせてもよいこと(1つ又は複数のこのような組み合わせは本書で明示されていないが)を、当業者は理解するだろう。同様に、提示されている例に限定されない更なる特徴が、本書で図示され、説明されている特徴の一部又は全部と組み合わされてもよい。
【0016】
[0028]上記を参照した
図8では、ブロックは工程及び/又はその一部を表すことが可能であり、様々なブロックを結合する線は、工程又はその一部のいかなる特定の順序又は従属関係も暗示しない。破線で表わされているブロックは、代替的な工程及び/又はその部分を示す。様々なブロックを結合する破線がある場合、この破線は工程又はその一部の代替的な従属関係を表わす。開示されている様々な工程間の全ての従属関係が必ずしも表わされているわけではないと理解されるだろう。本書に明記された1つ又は複数の方法の工程を記載している
図7Aから
図7C、並びに付随する開示は、工程が実行されるべき順序を必ずしも決定付けているわけではないと解釈すべきである。むしろ、ある例示的な順序が示されていても、工程のシーケンスは適宜改変されることがあると理解されたい。したがって、ある種の複数の工程は、異なる順序で、又は同時に実施されうる。加えて、説明されている全ての工程を実施する必要がないことを、当業者は認識するだろう。
【0017】
[0029]以下の説明において、開示される概念の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記されるが、これらの概念は、その特定事項の一部又は全部を伴わなくても実践されうる。他の事例では、開示を不必要に分かりにくくすることを回避するために、既知のデバイス及び/又はプロセスの詳細が省略されている。一部の概念は特定の例と併せて説明されるが、これらの例は、限定を目的とするものではないと理解されよう。
【0018】
[0030]「第1(first)」、「第2(second)」などの語は、別途指示されない限り、本書では単に符号として使用されており、これらの語が表わすアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」のアイテム又はより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」のアイテム又はより大きな数が振られたアイテムの存在を必要とすることも、排除することもない。
【0019】
[0031]本書における「一例(one example)」への言及は、その例に関連して説明される1つ又は複数の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。本書に頻出する「一例」という表現は、同一の例を表わすことも表わさないこともある。
【0020】
[0032]本書において、特定の機能を実施する「よう構成/設定された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、いかなる変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、更なる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。換言すると、特定の機能を実施する「よう構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計される。本書において、「よう構成/設定された」という表現は、更なる改変を伴わずにシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが特定の機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施する「よう構成/設定され」ていると説明されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合される(adapted to)」及び/又は「動作可能である(operative to)」とも説明されうる。
【0021】
[0033]本開示による主題の、特許請求されることもされないこともある例示的かつ非網羅的な例が、以下に提供される。
【0022】
[0034]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図4A~
図4C、
図5、及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100が開示される。高圧ねじり装置100は、作動軸102、第1のアンビル110、第2のアンビル120、及び環状体130を含む。第2のアンビル120は、第1のアンビル110に面しており、作動軸102に沿って第1のアンビル110から離間している。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102の周りで互いに対して回転可能である。環状体130は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー、及びヒーター160を含む。第1の導電性チラー140は、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能である。第1の導電性チラー140は、表面194及び作動軸102と同一直線上の中心軸195を有するワークピース190と熱伝導的に連結されるように構成される。第1の導電性チラー140は、ワークピース190を選択的に冷却するように構成される。第2の導電性チラー150は、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能である。第2の導電性チラー150は、ワークピース190と熱伝導的に連結されるように構成される。第2の導電性チラー150は、ワークピース190を選択的に冷却するように構成される。ヒーター160は、作動軸102に沿って第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150との間に配置される。ヒーター160は、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能であり、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例1を特徴付ける。
【0023】
[0035]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0024】
[0036]第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150の積層配置により、ワークピース190の各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0025】
[0037]第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150が作動しているとき、ワークピース190の加熱部分は、第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分に隣接する。第1の冷却部分は、ワークピース190に対する第1の導電性チラー140の位置及び第1の導電性チラー140の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第2の冷却部分は、ワークピース190に対する第2の導電性チラー150の位置及び第2の導電性チラー150の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分は、ワークピース190内の内部熱伝達を制御するために使用され、それにより、
図4A~4Cに示す処理部分のいくつかの特性及び動作温度ゾーン400の形状を制御する。
【0026】
[0038]第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150は、作動軸102に沿って並進可能であり、ワークピース190の長さを画定するワークピース190の中心軸195に沿って、ワークピース190の異なる部分を処理する。結果として、高圧ねじり装置100は、例えば、ワークピース190全体が処理されるとき、従来の圧力ねじり技術に比べて長いワークピース190を処理するように構成される。
【0027】
[0039]第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、それぞれの端部、例えば、第1の端部191及び第2の端部192で、ワークピース190と係合し及びそれらを保持するように設計される。ワークピース190が第1のアンビル110及び第2のアンビル120によって係合されるとき、第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、ワークピース190に圧縮力及びトルクを加えるためにも使用される。第1のアンビル110及び第2のアンビル120の一方又は両方は、移動可能である。一般に、第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、圧縮力を加え、異なる長さを有するワークピースと係合するために、互いに対して作動軸102に沿って移動可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、互いに対して作動軸102の周りで回転可能である。1つ又は複数の例において、第1のアンビル110及び第2のアンビル120のうちの少なくとも1つは、例えば
図2Aに概略的に示されるように、ドライブ104に連結される。
【0028】
[0040]環状体130は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160を一体化する。より具体的には、環状体130は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160の互いに対する向きを支持し維持する。例えば、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160が、作動軸102に沿ってワークピース190に対して並進されるときなどに、環状体130はまた、ワークピース190に対する第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160の位置も制御する。
【0029】
[0041]1つ又は複数の例では、高圧ねじり装置100の動作中に、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150のそれぞれは、ワークピース190と熱伝導的に連結され、ワークピース190のそれぞれの部分、例えば第1の冷却部分及び第2の冷却部分を選択的に冷却する。これらの第1及び第2の冷却部分は、作動軸102に沿って、加熱部分と呼ばれるヒーター160によって加熱される部分の反対側に配置される。これらの冷却部分と加熱部分の組み合わせは、処理中の動作温度ゾーン400の形状を定義する。
【0030】
[0042]1つ又は複数の例において、第1の導電性チラー140とワークピース190との間の熱伝導的な連結は、第1の冷却流体198によって提供される。第1の冷却流体198は、第1の導電性チラー140を通って流れ、第1の導電性チラー140からワークピース190に向かって放出される。第1の冷却流体198がワークピース190に接触すると、第1の冷却流体198の温度は、少なくともこの接触位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の対応する部分が冷却される。ワークピース190と接触した後に、第1の冷却流体198は、環境内に放出される。
【0031】
[0043]同様に、1つ又は複数の例において、第2の導電性チラー150とワークピース190との間の熱伝導的連結は、第2の冷却流体199によって提供される。第2の冷却流体199は、第2の導電性チラー150を通って流れ、第2の導電性チラー150からワークピース190に向かって放出される。第2の冷却流体199がワークピース190と接触すると、第2の冷却流体199の温度は、少なくともこの位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の対応する部分が冷却される。ワークピース190と接触した後に、第2の冷却流体199は、環境内に放出される。
【0032】
[0044]ヒーター160は、ワークピース190との直接接触又は放射のいずれかにより、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。放射加熱の場合、ヒーター160はワークピース190から離れており、ヒーター160とワークピース190との間に間隙が生じる。抵抗ヒーター、誘導ヒーターといった様々な種類のヒーターが、本開示の範囲内である。1つ又は複数の例では、ヒーター160の加熱出力は制御可能に調整することができる。上記のように、加熱出力は動作温度ゾーン400の形状を決定する。
【0033】
[0045]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図4A、
図5及び
図6を全体的に参照すると、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間のユニットとして、作動軸102に沿って並進可能である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例2を特徴付け、実施例2はまた、上記の実施例1による主題も含む。
【0034】
[0046]ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150がユニットとして並進可能である場合、第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150の向きは、互いに対して維持される。具体的には、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の距離は、同一のままである。同様に、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の距離は、同一のままである。これらの距離は、例えば
図4Aに概略的に示されるように、ワークピース190内の動作温度ゾーン400の形状を決定する。したがって、これらの距離が一定に保たれる場合、動作温度ゾーン400の形状も、同一のままであり、処理の一貫性が保証される。
【0035】
[0047]1つ又は複数の例では、環状体130は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150のハウジング及び/又は構造的支持体として動作可能である。環状体130は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を含む並進可能なユニットを確立する。1つ又は複数の例において、環状体130は、環状体130を並進させ、その結果、作動軸102に沿って、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150もまた並進させる、リニアアクチュエータ170に結合される。
【0036】
[0048]
図1A及び
図1B、特に例えば
図4A~
図4Cを全体的に参照すると、ヒーター160は、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の少なくとも一方がワークピース190を冷却しているときに、ワークピース190を加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例3を特徴付けており、実施例3は、上述の実施例1又は2による主題を更に含む。
【0037】
[0049]
図4A~4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、ヒーター160の加熱作用と、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の冷却作用によって制御される。ヒーター160がワークピース190の一部を加熱すると、ワークピース190を形成する材料の熱伝導率により、例えばワークピース190の中心軸195に沿って、この部分から熱が広がる。この内部熱伝達は、動作温度ゾーン400の形状に影響を与える。ワークピース190内のこの内部熱伝達の影響を低減する又は少なくとも制御するために、ワークピース190の加熱部分に隣接する第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の少なくとも一方が、ワークピース190ワークピース190の1つ又は複数の部分を冷却するために使用される。
【0038】
[0050]1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方が、ワークピース190の部分を選択的に冷却するために使用されるのに対し、ヒーター160は、ワークピース190の一部を選択的に加熱する。例えば、ある処理段階では、
図2Aに概略的に示されるように、環状体130は、第1のアンビル110又は第2のアンビル120から離れて配置される。この段階では、第1のアンビル110も第2のアンビル120も、ワークピース190の加熱部分にヒートシンクとして大きな影響を与えない。中心軸195に沿った両方向で加熱部分から離れるワークピース190内の内部熱伝達を制御するために、例えば
図4Aに模式的に示されるように、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方が同時に使用される。1つ又は複数の例において、第1の導電性チラー140の冷却出力は、第2の導電性チラー150の冷却出力と異なることに留意すべきである。特定の例では、環状体130が第1のアンビル110から第2のアンビル120に並進し、第2の導電性チラー150が第1の導電性チラー140よりも第2のアンビル120に近い場合、第2の導電性チラー150の冷却レベルは、第1の導電性チラー140の冷却レベルよりも低い。この例では、第2の導電性チラー150がヒーター160の前に移動するが、第1の導電性チラー140はヒーター160に続く。したがって、第2の導電性チラー150に面するワークピース190の部分は、同じ温度になるために第1の導電性チラー140に面するワークピース190の部分ほどは冷却を必要としない。
【0039】
[0051]代替的には、1つ又は複数の例において、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の一方のみが、ヒーター160がワークピース190を加熱する間にワークピース190を冷却するために使用される。第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の他方はオフにされ、冷却出力を提供しない。これらの例は、環状体130が第1のアンビル110又は第2のアンビル120に接近又はスライドするときに使用される。これらの処理段階で、第1のアンビル110又は第2のアンビル120は、ヒートシンクとして機能し、ワークピース190を冷却する。言い換えれば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120は、ワークピース190内の内部熱伝導の影響を既に低減しており、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150からの追加の冷却は必要とされない。
【0040】
[0052]
図1A及び
図1B、特に例えば
図4B及び
図4Cを全体的に参照すると、ヒーター160は、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の少なくとも一方がワークピース190を冷却していないときに、ワークピース190を加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例4を特徴付け、実施例4はまた、上記の実施例1又は実施例2による主題も含む。
【0041】
[0053]
図4Aから
図4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、ヒーター160の加熱作用と、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の冷却作用によって、少なくとも部分的に制御される。形状はまた、ワークピース190内の(例えば、加熱部分からの)内部熱伝達、及び1つ又は複数の例では、ワークピース190と他の構成要素との間などの外部熱伝達によって影響を受け、ワークピース190(例えば、第1のアンビル110及び第2のアンビル120)と係合する。外部熱伝達の影響を補償するために、1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150はオフにされ、ワークピース190を冷却することはない。
【0042】
[0054]
図4Bに示される処理段階を参照すると、ヒーター160は、第2のアンビル120の近くに位置するか又は係合するワークピース190の一部を加熱する。この段階で、第2のアンビル120は、ヒートシンクとして動作し、ワークピース190から第2のアンビル120に外部熱伝達を行う。この例では、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くに配置された、又は
図4Bに示すように第2のアンビル120の周囲にすでに配置された第2導電性チラー150は、オフになり、ワークピース190は冷却されない。代替的には、
図4Cを参照すると、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くになおも配置されている、又はすでに第2のアンビル120の周りに配置されている第2の導電性チラー150が、オンになり、ここで第2のアンビル120が冷却される。この特性は、第2のアンビル120の損傷を防ぐために使用される。
【0043】
[0055]第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の動作は、個別に制御可能である。一例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方が動作可能であり、ワークピース190のそれぞれの部分を冷却している。別の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方は動作可能であるが、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の他方は動作しない。例えば、環状体130が第1のアンビル110に接近するとき、及び/又は第1のアンビル110が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第2の導電性チラー150が動作可能である間は、第1の導電性チラー140は動作しない。代替的には、例えば、環状体130が第2のアンビル120に接近するとき、及び/又は第2のアンビル120が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第1の導電性チラー140が動作可能である一方で、第2の導電性チラー150は動作しない。更に、1つ又は複数の例において、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方は、ヒーター160が動作可能である間には、動作しない。1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150のそれぞれの動作は、(例えば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120に対する)環状体130の位置及び/又は以下で更に説明する温度フィードバックに基づいて制御される。更に、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の冷却出力のレベルは、個別に制御可能である。
【0044】
[0056]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Aを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、ヒーター160と第1の導電性チラー140を熱伝導的に互いに分離し、かつワークピース190と接触するように構成された第1の熱バリア137を更に備える。高圧ねじり装置100は、ヒーター160と第2の導電性チラー150を熱伝導的に互いに分離し、かつワークピース190と接触するように構成された第2の熱バリア138を更に備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例5を特徴付け、実施例5は、上記の実施例1~4のいずれか1つによる主題も含む。
【0045】
[0057]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第1の導電性チラー140の冷却効率を改善する。更に、例えば
図3Eに示すように、第1の熱バリア137がワークピース190まで延びて接触すると、第1の熱バリア137はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第1の冷却流体198の流れを防止する。言い換えれば、第1の熱バリア137は、シールとしても動作可能である。同様に、第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の導電性チラー150の冷却効率を改善する。例えば
図3Eに示されるように、第2の熱バリア138がワークピース190まで延びて接触すると、第2の熱バリア138はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第2の冷却流体199の流入を防止する。言い換えれば、第2の熱バリア138は、シールとしても動作可能である。
【0046】
[0058]1つ又は複数の例において、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあるが、これにより、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の距離、並びにヒーター160と第2の導電性チラー150との間の距離が確実に小さくなる。第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0047】
[0059]1つ又は複数の例において、第1の熱バリア137と第2の熱バリア138の内径は、ワークピース190の直径よりも小さく、第1の熱バリア137とワークピース190の間、及び別個に、第2の熱バリア138とワークピース190との間の締まり嵌め及びシールを確実にする。第1の熱バリア137がワークピース190まで延びて接触するとき、少なくとも第1の導電性チラー140の周りでは、環状体130とワークピース190との間に別個のシールは必要ない。同様に、第2の熱バリア138がワークピース190まで延びて接触するとき、少なくとも第2の導電性チラー150の周りでは、環状体130とワークピース190との間に別個のシールは必要ない。
【0048】
[0060]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3B及び
図3Cを全体的に参照すると、環状体130は、ワークピース190を受容する大きさの中央開口部147を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例6を特徴付けており、実施例6は、上述の実施例1から5のいずれかによる主題も含む。
【0049】
[0061]中央開口部147は、環状体130がワークピース190を囲むように、ワークピース190が環状体130を通って突出できるようにする。したがって、環状体130の様々な構成要素は、ワークピース190の全周囲にアクセスでき、全周囲を処理することができる。具体的には、第1の導電性チラー140は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の一部を選択的に冷却するように動作可能である。同様に、ヒーター160は、ワークピース190の周囲全体のワークピース190の別の部分を選択的に加熱するように動作可能である。最後に、第2の導電性チラー150は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の更に別の部分を選択的に冷却するように動作可能である。
【0050】
[0062]1つ又は複数の例において、特に加熱中にワークピース190が半径方向に膨張する場合、環状体130とワークピース190は隙間嵌めを有し、環状体130がワークピース190に対して自由に動くことができるようにする。より具体的には、半径方向における環状体130とワークピース190との間の間隙は、全周にわたって、1ミリメートルから10ミリメートルの間、より具体的には、2ミリメートルから8ミリメートルの間である。特定の例では、間隙は、前周囲で均一である。
【0051】
[0063]
図1A及び
図1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル110は、ベース117、及び作動軸102に沿って、ベース117から第2のアンビル120に向かって延びる突出部115を備える。突出部115は、ベース117の直径よりも小さく、環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい直径を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例7を特徴付けており、実施例7は上述の実施例6による主題も含む。
【0052】
[0064]突出部115の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい場合、例えば
図5に概略的に示すように、突出部115は、中央開口部147内に突出可能である。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例において、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の全部分は、第1の導電性チラー140、ヒーター160、及び第2の導電性チラー150などの環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0053】
[0065]1つ又は複数の例では、突出部115の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110及び第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第1の導電性チラー140が突出部115に面するとき、例えば、突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0054】
[0066]
図1A及び
図1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル110の突出部115は、環状体130の寸法以上の作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例8を特徴付けており、実施例8は上記の実施例7による主題も含む。
【0055】
[0067]作動軸102に沿った突出部115の最大寸法が環状体130の最大寸法以上である場合、突出部115は、環状体130を通って完全に突出可能である。したがって、環状体130の3つの動作構成要素はすべて、例えば
図5に示されるように、突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過する。したがって、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った突出部115の最大寸法は、環状体130の最大寸法よりも約5%から50%、又は、より具体的には約10%から30%大きい。
【0056】
[0068]
図1A及び1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル110の突出部115は、環状体130の寸法の少なくとも半分である作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例9を特徴付けており、実施例9は上記の実施例7による主題も含む。
【0057】
[0069]作動軸102に沿った突出部115の最大寸法が環状体130の少なくとも半分である場合、突出部115が環状体130の少なくとも半分を通って完全に突出する。そのため、外部接合点193は、少なくとも環状体130のヒーター160によって到達され加熱される。1つ又は複数の例において、ヒーター160は、作動軸102に沿って環状体130の中央に位置する。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った突出部115の最大寸法は、環状体130の半分よりも約5%~50%、又は、より具体的には約10%~30%大きい。
【0058】
[0070]
図1A及び
図1B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル120は、第2のベース127、及び第2のベース127から作動軸102に沿って第1のアンビル110に向かって延びる第2の突出部125を備える。第2のアンビル120の第2の突出部125は、第2のベース127の直径よりも小さく、環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい直径を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例10を特徴付け、実施例10は、上述の実施例7から9のいずれかによる主題も含む。
【0059】
[0071]環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい第2の突出部125の直径により、例えば
図6に概略的に示すように、第2の突出部125が中央開口部147に突出可能となる。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、第2の突出部125の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110と第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第2の導電性チラー150が第2の突出部125に面するとき、例えば、突出部115とワークピース190との間の外部接合点196を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0060】
[0072]
図1A及び
図1B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル120の第2の突出部125は、環状体130の寸法に等しい作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例11を特徴付けており、実施例11は上述の実施例10による主題も含む。
【0061】
[0073]作動軸102に沿った第2の突出部125の最大寸法が環状体130の最大寸法以上であるとき、第2の突出部125は、環状体130を通って完全に突出する。したがって、環状体130の3つの動作構成要素はすべて、第2の突出部125とワークピース190との間の外部接合点193を通過する。したがって、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第2の突出部125の最大寸法は、環状体130の最大寸法よりも約5%から50%、又は、より具体的には約10%から30%大きい。
【0062】
[0074]
図1A及び
図1B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル120の第2の突出部125は、環状体130の寸法の半分以上である作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例12を特徴付け、実施例12は上記の実施例10による主題も含む。
【0063】
[0075]作動軸102に沿った第2の突出部125の最大寸法が環状体130の少なくとも半分である場合、第2の突出部125は、環状体130の少なくとも半分を通って突出する。そのため、外部接合点193は、少なくとも環状体130のヒーター160によって到達され加熱される。1つ又は複数の例において、ヒーター160は、作動軸102に沿って環状体130の中央に位置する。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第2の突出部125の最大寸法は、環状体130の半分よりも約5%~50%、又は、より具体的には約10%~30%大きい。
【0064】
[0076]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Bを全体的に参照すると、第1の導電性チラー140は、入口144、出口145、並びに入口144及び出口145と流体連通する中間部分146を含むチャネル143を含む。第1の導電性チラー140は、環状体130の中央開口部147からチャネル143の中間部分146を流体的に分離する熱伝導体148を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例13を特徴付けており、実施例13は、上述の実施例6から12のいずれかによる主題も含む。
【0065】
[0077]
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の導電性チラー140が動作可能であるとき、第1の冷却流体198は、入口144を通してチャネル143内に供給される。第1の冷却流体198は、チャネル143を通って流れ、出口145を通って出る。第1の冷却流体198の温度はワークピース190の温度よりも低い。第1の冷却流体198は、熱伝導体148に接触し、熱伝導体148は、ワークピース190の一部から第1の冷却流体198に熱を伝達し、その部分を冷却する。熱伝導体148は、第1の冷却流体198とワークピース190との間の直接接触を防ぎ、また、チャネル143内に第1の冷却流体198をシールする。
【0066】
[0078]入口144は、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。1つ又は複数の例では、第1の冷却流体198の流量が制御される。
【0067】
[0079]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Bを全体的に参照すると、チャネル143の中間部分146は、閉じた形状を有し、作動軸102を取り囲む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例14を特徴付けており、実施例14は上述の実施例13による主題も含む。
【0068】
[0080]中間部分146は、第1の導電性チラー140に面するワークピース190の一部がこの部分の周囲で均一に冷却されるように、ワークピース190を取り囲む。第1の冷却流体198は、中間部分146を通って、入口144と出口145との間を流れる。
【0069】
一般に
図1A及び
図1B、特に
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の導電性チラー140の熱伝導体148は、作動軸102に垂直ないかなる方向にも十分に柔軟であり、チャネル143の中間部分146が第1の冷却液198で加圧されるときに、ワークピース190に直接接触する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例15を特徴付けており、実施例15は、上述の実施例13又は14による主題も含む。
【0070】
[0082]熱伝導体148の柔軟性は、熱伝導体148がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧される前に、熱伝導体148は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第1の導電性チラー140から突出可能となる。その上、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧されると、熱伝導体148がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。熱伝導体148とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第1の導電性チラー140は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0071】
[0083]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Bを全体的に参照すると、第1の冷却流体198は液体である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例16を特徴付けており、実施例16は上述の実施例15による主題も含む。
【0072】
[0084]液体は概して、ガスよりも熱容量が高く、例えば、水4,186Jkg-1K-1に対し、ガス993Jkg-1K-1である。更に、液体は概して、ガスよりも密度が高く、例えば、水1000kg/m3に対し、ガス1.275kg/m3である。そのため、体積容量(第1の導電性チラー140とワークピース190との間の空間を考慮する)は、液体の方が気体よりもはるかに大きく、水が空気の3000倍以上である。全体として、同量のチャネル143を通過する冷却液は、同一温度を想定すると、冷却ガスよりもはるかに高い冷却効率をもたらす。冷却液の1つ又は複数の例は、水、鉱油などである。
【0073】
[0085]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Cを全体的に参照すると、第2の導電性チラー150は、第2の入口154、第2の出口155、並びに第2の入口154及び第2の出口155と流体連通する第2の中間部分156を含む第2のチャネル153を含む。第2の導電性チラー150は、環状体130の中央開口部147から第2のチャネル153の第2の中間部分156を流体的に分離する第2の熱伝導体158を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例17を特徴付けており、実施例17は上述の実施例16による主題も含む。
【0074】
[0086]
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の導電性チラー150が作動可能なときに、第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル入口154を通って第2のチャネル153に供給される。第2の冷却流体199は、第2のチャネル153を通って流れ、第2の出口155を通って出る。第2の冷却流体199の温度はワークピース190の温度よりも低い。第2の冷却流体199は、第2の熱伝導体158に接触し、第2の熱伝導体158は、ワークピース190の一部から第2の冷却流体199に熱を伝達し、その部分を冷却する。第2の熱伝導体158は、第2の冷却流体199とワークピース190との間の直接接触を防ぎ、また、第2のチャネル153内に第2の冷却流体199をシールする。
【0075】
[0087]第2の入口154は、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。1つ又は複数の例では、第2の冷却流体199の流量が制御される。
【0076】
[0088]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Cを全体的に参照すると、第2のチャネル153の第2の中間部分156は、閉じた形状を有し、作動軸102を取り囲む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例18を特徴付けており、実施例18は上述の実施例17による主題も含む。
【0077】
[0089]第2の中間部分156は、第2の導電性チラー150に面するワークピース190の一部がこの部分の周囲で均一に冷却されるように、ワークピース190を取り囲む。第2の冷却流体199は、第2の中間部分156を通って、第2の入口154と第2の出口155との間を流れる。
【0078】
一般に
図1A及び
図1B、特に
図3Aを参照すると、第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158は、作動軸102に垂直ないかなる方向にも十分に柔軟であり、第2のチャネル153の第2の中間部分156が第2の冷却液199で加圧されるときに、ワークピース190に直接接触する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例19を特徴付けており、実施例19は上述の実施例18による主題も含む。
【0079】
[0091]第2の熱伝導体158の柔軟性は、第2の熱伝導体158がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、第2のチャネル153が第1の冷却流体199で加圧される前に、第2の熱伝導体158は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第2の導電性チラー150から突出可能となる。その上、第2のチャネル153が第2の冷却流体199で加圧されると、第2の熱伝導体158がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。第2の熱伝導体158とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第2の導電性チラー150は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0080】
[0092]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Cを全体的に参照すると、第2の冷却流体199は液体である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例20を特徴付けており、実施例20は上述の実施例19による主題も含む。
【0081】
[0093]液体は概して、ガスよりも熱容量が高く、例えば、水4,186Jkg-1K-1に対し、ガス993Jkg-1K-1である。更に、液体は概して、ガスよりも密度が高く、例えば、水1000kg/m3に対し、ガス1.275kg/m3である。そのため、体積容量(第1の導電性チラー140とワークピース190との間の空間を考慮する)は、液体の方が気体よりもはるかに大きく、水が空気の3000倍以上である。全体として、同量のチャネル143を通過する冷却液は、同一温度を想定すると、冷却ガスに関連するものよりもはるかに高い冷却効率をもたらす。冷却液の1つ又は複数の例は、水、鉱油などである。
【0082】
[0094]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図5及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、環状体130に結合され、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動させるように動作可能なリニアアクチュエータ170を更に備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例21を特徴付けており、実施例21は、上述の実施例1から20のいずれかによる主題も含む。
【0083】
[0095]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の部分を一度に処理するように設計される。この部分は、動作温度ゾーン400によって画定され、1つ又は複数の例では、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部よりも小さい。ワークピース190の他の部分を処理するために、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動する。リニアアクチュエータ170は、この移動を提供するために環状体130に連結される。
【0084】
[0096]1つ又は複数の例において、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150のうちの1つ又は複数が動作可能である間に、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を連続的に移動するように構成される。リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を移動させるリニア速度は、部分的に、動作温度ゾーン400のサイズ及び処理される各部分に要する処理時間に依存する。ヒーター160の加熱出力、並びに第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の冷却出力が一定に保たれる一方で、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を移動させる。
【0085】
[0097]代替的には、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を断続的に移動させるように構成され、「ストップアンドゴー(stop-and-go)」と称することもできる。これらの例では、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、ワークピース190の異なる部分に対応するある場所から別の場所に移動し、この位置に対応するワークピース190の一部が処理されている間、各位置で静止状態を維持する。より具体的な例では、ある場所から別の場所に移動している間、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つは動作しない。少なくとも、リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150を移動させる間、ヒーター160の加熱出力及び第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の冷却出力は減少する。
【0086】
[0098]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、リニアアクチュエータ170と通信可能に接続され、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御するように構成されたコントローラ180を更に備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例22を特徴付けており、実施例22は上述の実施例21による主題も含む。
【0087】
[0099]コントローラ180は、ワークピース190の材料特性の修正に関連する様々なプロセスパラメータが所定の範囲内に確実に維持されるようにするため使用される。1つ又は複数の例では、コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御して、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間のワークピース190の各部分が事前に特定された処理パラメータに従って確実に処理されるようにする。例えば、環状体130の並進速度は、各部分がヒーター160の加熱作用と、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方又は両方の冷却作用を受ける時間を決定する。更に、1つ又は複数の例において、コントローラ180は、ヒーター160の加熱出力と、第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150の冷却出力とを制御する。
【0088】
[00100]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、通信可能にコントローラ180と接続された、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の少なくとも1つを更に備える。ヒーター温度センサ169は、ヒーター160と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。第1のチラー温度センサ149は、第1の導電性チラー140と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。第2のチラー温度センサ159は、第2の導電性チラー150と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例23を特徴付けており、実施例23は上述の実施例22による主題も含む。
【0089】
[00101]コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力を使用して、処理部分の温度などの所望のパラメータに従ってワークピース190が確実に処理されるようにする。具体的には、これらの入力は、1つ又は複数の例において、例えば
図4Aに概略的に示されるように、ワークピース190内の動作温度ゾーン400の特定の形状を確保するために使用される。1つ又は複数の例では、コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力に基づいて、ヒーター160の加熱出力及び第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150の冷却出力を制御する。
【0090】
[00102]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、コントローラ180は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つと通信可能に接続される。コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の少なくとも1つから受信した入力に基づいて、ヒーター160、第1の導電性チラー140、又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つの動作を制御するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例24を特徴付けており、実施例24は上述の実施例23による主題も含む。
【0091】
[00103]コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159のうちの1つ又は複数の入力を使用して、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160の動作を制御することにより、フィードバック制御ループを確立する。様々な要因が、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150のそれぞれから必要な冷却出力の量と、ヒーター160から必要な加熱出力の量に影響する。フィードバック制御ループは、高圧ねじり装置100の動作中に、これらの要因に動的に対処することができる。
【0092】
[00104]1つ又は複数の例において、ヒーター温度センサ169の出力は、他の構成要素とは別に、ヒーター160を制御するために使用される。第1のチラー温度センサ149の出力は、他の構成要素とは別に、第1の導電性チラー140を制御するために使用される。最後に、第2のチラー温度センサ159の出力は、他の構成要素とは別に、第2の導電性チラー150を制御するために使用される。代替的には、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の出力は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160の統合制御のために、コントローラ180によって集合的に分析される。
【0093】
[00105]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御するよう更に構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例25を特徴付けており、実施例25は上述の実施例24による主題も含む。
【0094】
[00106]処理パラメータの別の例は、処理期間であり、これは、ワークピース190の一部が動作温度ゾーン400の一部である期間として定義される。コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方(又は両方)を制御して、処理期間が確実に所望の範囲内であるようにする。1つ又は複数の例では、コントローラ180はリニアアクチュエータ170に連結されて、この位置制御を保証する。
【0095】
[00107]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図2B及び
図2Cを全体的に参照すると、第1のアンビル110は、ワークピース190の第1の端部191を受容するための開口部119を備える。開口部119は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例26を特徴付けており、実施例26は、上述の実施例1から25のいずれかによる主題も含む。
【0096】
[00108]開口部119の非円形断面は、第1のアンビル110がワークピース190の第1の端部191を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第1の端部191に加えることを保証する。具体的には、開口部119の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第1の端部191が第1のアンビル110に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
図2Bを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Cを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0097】
[00109]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、ヒーター160は、抵抗ヒーター又は誘導ヒーターのうちの1つである。この段落の前述の主題は、本開示の実施例27を特徴付けており、実施例27は、上述の実施例1から26のいずれかによる主題も含む。
【0098】
[00110]抵抗ヒーター又は誘導ヒーターは、第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150との間の小さなスペースを占有しながら、高い加熱出力を提供することができる。第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150との間の空間は、1つ又は複数の例において、最小化される必要がある動作温度ゾーン400の高さを決定する。具体的には、動作温度ゾーン400の高さが低いほど、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で必要なトルク及び/又は圧縮は低くなる。
【0099】
[00111]
図7Aから
図7C、特に例えば
図2A、
図4A~
図4C、
図5及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100を使用してワークピース190の材料特性を修正する方法800が開示される。高圧ねじり装置100は、作動軸102、第1のアンビル110、第2のアンビル120、及び環状体130を含む。環状体130は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及び作動軸102に沿って第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150との間に配置されたヒーター160を含む。方法800は、ワークピース190の中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)を含む。方法800は、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮することと同時に、中心軸195の周りにワークピース190をねじること(ブロック820)も含む。加えて、方法800は、ワークピース190を中心軸195に沿って圧縮し、ワークピース190を中心軸195の周りにねじりながら、ワークピース190の中心軸195と同一直線上にある高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)と、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)とを含む。方法800は、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)と同時に、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つでワークピース190を冷却すること(ブロック850)を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例28を特徴付けるものである。
【0100】
[00112]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0101】
[00113]処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0102】
[00114]ヒーター160と、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方又は両方との組み合わせにより、例えば
図4Aに概略的に示すように、動作温度ゾーン400によって画定される各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。ヒーター160がワークピース190の一部を選択的に加熱すると、ワークピース190は、加熱された部分から離れる内部熱伝達を受ける。ワークピース190の一方又は両方の隣接部分を冷却することにより、この内部熱伝達の影響を制御することができる。
【0103】
[00115]方法800によれば、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)が、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。第1のアンビル110又は第2のアンビル120の少なくとも一方は、例えば、
図2Aに概略的に示されるように、圧縮力を提供するようにドライブ104に連結される。圧縮力は、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、処理された部分の温度、及び他のパラメータに依存する。
【0104】
[00116]方法800によれば、ワークピース190を中心軸195の周りにねじること(ブロック820)が、ワークピース190を中心軸195に沿って圧縮すること(ブロック810)と同時に実行される。方法800によれば、(ブロック820)ワークピース190をねじることはまた、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行される。上述のように、第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、それぞれの端部でワークピース190と係合し、それらを保持し、第1のアンビル110及び第2のアンビル120の少なくともは、ドライブ104に連結される。トルクは、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、処理された部分の温度、及び他のパラメータに依存する。
【0105】
[00117]方法800によれば、ワークピース190をヒーター160で加熱すること(ブロック840)は、ワークピース190を圧縮すること(ブロック810)、及びワークピース190をねじること(ブロック820)と同時に実行される。これらのステップの組み合わせにより、ワークピース190の少なくとも処理された部分の結晶粒構造が変化する。処理された部分は、ワークピース190の残りの部分よりも高い温度にさらされることに留意されたい。よって、ワークピース190の残りの部分での結晶粒構造の変化は起こらないか、ほとんど起こらない。更に、1つ又は複数の例では、環状体130を並進すること(ブロック830)、及びヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、互いに同時に実行される。これらの例では、ワークピース190の処理は、連続的に実行される。
【0106】
[00118]ヒーター160は、ワークピース190との直接接触又は放射のいずれかにより、ワークピース190を一度に1つずつ選択的に加熱するように構成される。ワークピースの一部に加えられる温度、圧縮力、及びトルクの特定の組み合わせにより、材料のゲイン構造が変化し、処理された部分が形成される。ヒーター160は、作動軸102に沿って移動可能であり、ワークピース190の異なる部分を処理する。
【0107】
[00119]1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、同時に実行される。言い換えれば、第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150の両方が同時に動作可能である。例えば、環状体130は、第1のアンビル110及び第2のアンビル120から離れて配置され、第1のアンビル110及び第2のアンビル120から離れたワークピースの部分を処理するとき、第1のアンビル110及び第2のアンビル120のヒートシンク効果は無視することができる。
【0108】
[00120]代替的には、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方のみが動作可能であり、他方はオフにされる。言い換えれば、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)の一方のみが、ワークピース190を加熱すること(ブロック840)と同時に実行される。
【0109】
[00121]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aから
図3Cを全体的に参照すると、方法800に従って、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)は、第1の冷却流体198を第1の導電性チラー140を通してルート決めすること(ブロック852)と、ワークピース190から第1の導電性チラー140の熱伝導体148を通して第1の冷却流体198に熱を伝達すること(ブロック854)とを含む。更に、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、第2の冷却流体199を第2の導電性チラー150を通してルート決めすること(ブロック862)と、第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158を通してワークピース190から第2の冷却流体199に熱を伝達すること(ブロック864)とを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例29を特徴付けており、実施例29は上述の実施例28による主題も含む。
【0110】
[00122]熱伝導体148は、第1の冷却流体198とワークピース190との間の熱伝達を提供する一方、ワークピース190を第1の冷却流体198から流体的に分離する。同様に、第2の熱伝導体158は、第2の冷却流体199からワークピース190を流体的に分離しながら、第2の冷却流体199とワークピース190との間の熱伝達を提供する。
【0111】
[00123]第1の冷却流体198が熱伝導体148に接触すると、第1の冷却流体198の温度はワークピース190の温度よりも低くなる。この温度勾配により、熱伝導体148を通して熱伝達が行われ、ワークピース190の一部が冷却され、熱接触又は熱伝導体148と直接接触することさえある。 ワークピース190の別の部分がこの冷却部分に隣接して加熱され、ワークピース190が加熱部分と冷却部分との間の内部熱伝達を受けることに留意されたい。同様に、第2の冷却流体199が第2の熱伝導体158に接触すると、第2の冷却流体199の温度はワークピース190の温度よりも低くなる。この温度勾配により、第2の熱伝導体158を通して熱が伝達され、ワークピース190の別の部分が冷却される。ワークピース190の加熱部分はまた、この第2の冷却部分に隣接している。1つ又は複数の例では、加熱部分は、2つの冷却部分の間に配置される。
【0112】
[00124]
図7Aから
図7C、特に例えば
図4Aから
図4Cを全体的に参照すると、方法800に従って、第1の冷却流体198を第1の導電性チラー140を通してルート決めすること(ブロック852)と、第2の冷却流体199を第2の導電性チラー150を通してルート決めすること(ブロック852)は、独立して制御される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例30を特徴付けており、実施例30は上述の実施例29による主題も含む。
【0113】
[00125]第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の独立した制御により、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150から異なる冷却出力を提供することが可能になる。これらの異なる冷却出力により、例えば
図4A~
図4Cに概略的に示されている動作温度ゾーン400の形状などの処理パラメータのより良好な制御が可能になる。
【0114】
[00126]
図4Aに示される1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150の両方が動作可能であり、よって、第1の冷却流体198が第1の導電性チラー140を通って流れ、同時に、第2の冷却流体199が第2の導電性チラー150を通って流れる。特定の例では、第1の冷却流体198と第2の冷却流体199の流量は同じである。代替的には、流量は異なる。よって、1つ又は複数の例において、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199の流量は、独立して制御される。
【0115】
[00127]他の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方のみが動作可能である。
図4Bは、第1の導電性チラー140のみが動作し、第2の導電性チラー150が動作しない例を示す。この例では、第1の冷却流体198が第1の導電性チラー140を流れるが、第2の冷却流体199は第2の導電性チラー150を流れない。
図4Cは、第2の導電性チラー150のみが動作し、第1の導電性チラー140が動作しない別の例を示す。この例では、第2の冷却流体199は第2の導電性チラー150を通って流れるが、第1の冷却流体198は、第1の導電性チラー140を通って流れない。
【0116】
[00128]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aから
図3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199のそれぞれは、液体である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例31を特徴付けており、実施例31は、上述の実施例29又は30による主題も含む。
【0117】
[00129]液体は概して、ガスよりも熱容量が高く、例えば、水4,186Jkg-1K-1に対し、ガス993Jkg-1K-1である。更に、液体は概して、ガスよりも密度が高く、例えば、水1000kg/m3に対し、ガス1.275kg/m3である。そのため、体積容量(第1の導電性チラー140とワークピース190との間の空間を考慮する)は、液体の方が気体よりもはるかに大きく、水が空気の3000倍以上である。全体として、同量のチャネル143を通過する冷却液は、同一温度を想定すると、冷却ガスによって提供されるものよりもはるかに高い冷却効率をもたらす。冷却液の1つ又は複数の例は、水、鉱油などである。
【0118】
[00130]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aから
図3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、環状体130は、第1の導電性チラー140の熱伝導体148及び第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158によって少なくとも部分的に形成される中央開口部147を備える。更に、第1の導電性チラー140の熱伝導体148を通してワークピース190から第1の冷却流体198に熱を伝達すること(ブロック854)は、中央開口部147を通って突出するワークピース190を、第1の導電性チラー140の熱伝導体148と接触させること(ブロック856)を含む。更に、第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158を通してワークピース190から第2の冷却流体199に熱を伝達すること(ブロック864)は、中央開口部147を通って突出するワークピース190を、第2の導電性チラー150の熱伝導体158と接触させること(ブロック866)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例32を特徴付けており、実施例32は上述の実施例31による主題も含む。
【0119】
[00131]中央開口部147は、環状体130がワークピース190を囲むように、ワークピース190が環状体130を通って突出できるようにする。したがって、環状体130の構成要素は、ワークピース190の全周囲にアクセスすることができる。特に、第1の導電性チラー140は、第1の冷却流体198を中央開口部147の一部を形成する熱伝導体148に方向付けることにより、ワークピース190の全周囲のワークピース190の一部を選択的に冷却するよう動作可能である。同様に、ヒーター160は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の別の部分を選択的に加熱するように動作可能である。最後に、第2の導電性チラー150は、第2の冷却流体199を中央開口部147の更に別の部分を形成する第2の熱伝導体158に方向付けることにより、ワークピース190の全周囲のワークピース190の更に別の部分を選択的に冷却するよう動作可能である。
【0120】
[00132]1つ又は複数の例において、特に加熱中にワークピース190が半径方向に膨張する場合、少なくとも環状体160とワークピース190は隙間嵌めを有し、ヒーター160がワークピース190に対して自由に動くことができるようにする。より具体的には、半径方向におけるヒーター160とワークピース190との間の間隙は、全周にわたって、1ミリメートルから10ミリメートルの間、より具体的には、2ミリメートルから8ミリメートルの間である。特定の例では、間隙は、前周囲で均一である。更に、1つ又は複数の実施例では、ワークピース190との隙間嵌めを有する熱伝導体148及び/又は第2の熱伝導体158は、少なくとも第1の冷却流体198及び/又は第2の冷却流体199が対応するチャネルで加圧される前に、隙間を有している。
【0121】
[00133]
図7Aから
図1B7C、特に例えば
図3A及び
図3Bを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の導電性チラー140は、入口144、出口145、並びに入口144及び出口145と流体連通する中間部分146を含むチャネル143を含む。更に、第1の導電性チラー140の熱伝導体148を通してワークピース190から第1の冷却流体198に熱を伝達すること(ブロック854)は、第1の冷却流体198をチャネル143の入口144から、チャネル143の中間部分146を通って、チャネル143の出口145に流すこと(ブロック858)を含む。熱伝導体148は、環状体130の中央開口部147からチャネル143の中間部分146を流体的に分離する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例33を特徴付けており、実施例33は上述の実施例32による主題も含む。
【0122】
[00134]
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の導電性チラー140が動作可能であるとき、第1の冷却流体198は、入口144を通してチャネル143内に供給される。第1の冷却流体198は、チャネル143を通って流れ、出口145を通って出る。第1の冷却流体198の温度はワークピース190の温度よりも低い。第1の冷却流体198は、熱伝導体148に接触し、熱伝導体148は、ワークピース190の一部から第1の冷却流体198に熱を伝達し、その部分を冷却する。熱伝導体148は、第1の冷却流体198とワークピース190との間の直接接触を防ぎ、また、チャネル143内に第1の冷却流体198をシールする。
【0123】
[00135]入口144は、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。1つ又は複数の例では、第1の冷却流体198の流量が制御される。
【0124】
[00136]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3A及び
図3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第2の導電性チラー150は、第2の入口154、第2の出口155、並びに第2の入口154及び第2の出口155と流体連通する第2の中間部分156を含む第2のチャネル153を含む。更に、第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158を通してワークピース190から第2の冷却流体199に熱を伝達すること(ブロック864)は、第2の冷却流体199を第2のチャネル153の第2の入口154から、第2のチャネル153の第2の中間部分156を通って、第2のチャネル153の第2の出口155に流すこと(ブロック868)を含む。第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158は、環状体130の中央開口部147から第2のチャネル543の第2の中間部分156を流体的に分離する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例34を特徴付けており、実施例34は、上述の実施例32又は33による主題も含む。
【0125】
[00137]
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の導電性チラー150が作動可能なときに、第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル入口154を通って第2のチャネル153に供給される。第2の冷却流体199は、第2のチャネル153を通って流れ、第2の出口155を通って出る。第2の冷却流体199の温度はワークピース190の温度よりも低い。第2の冷却流体199は、第2の熱伝導体158に接触し、第2の熱伝導体158は、ワークピース190の一部から第2の冷却流体199に熱を伝達し、その部分を冷却する。第2の熱伝導体158は、第2の冷却流体199とワークピース190との間の直接接触を防ぎ、また、第2のチャネル153内に第2の冷却流体199をシールする。
【0126】
[00138]第2の入口154は、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。1つ又は複数の例では、第2の冷却流体199の流量が制御される。
【0127】
[00139]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第2のチャネル153の第2の中間部分156は、閉じた形状を有し、作動軸102を取り囲む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例35を特徴付けており、実施例35は上述の実施例34による主題も含む。
【0128】
[00140]第2の中間部分156は、第2の導電性チラー150に面するワークピース190の一部がこの部分の周囲で均一に冷却されるように、ワークピース190を取り囲む。第2の冷却流体199は、第2の中間部分156を通って、第2の入口154と第2の出口155との間を流れる。
【0129】
[00141]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aから
図3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の導電性チラー140の熱伝導体148を通してワークピース190から第1の冷却流体198に熱を伝達すること(ブロック854)は、熱伝導体148を作動軸102に向かって曲げること(ブロック857)と、ワークピース190を熱伝導体148と直接接触させること(ブロック859)とを含む。更に、第2の導電性チラー150の第2の熱伝導体158を通してワークピース190から第2の冷却流体199に熱を伝達すること(ブロック864)は、第2の熱伝導体158を作動軸102に向かって曲げること(ブロック867)と、ワークピース190を第2の熱伝導体158と直接接触させること(ブロック869)とを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例36を特徴付けており、実施例36は、上述の実施例29から35のいずれかによる主題も含む。
【0130】
[00142]熱伝導体148の柔軟性は、熱伝導体148がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧される前に、熱伝導体148は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第1の導電性チラー140から突出可能となる。その上、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧されると、熱伝導体148がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。熱伝導体148とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第1の導電性チラー140は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0131】
[00143]第2の熱伝導体158の柔軟性は、第2の熱伝導体158がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、第2のチャネル153が第1の冷却流体199で加圧される前に、第2の熱伝導体158は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第2の導電性チラー150から突出可能となる。その上、第2のチャネル153が第2の冷却流体199で加圧されると、第2の熱伝導体158がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。第2の熱伝導体158とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第2の導電性チラー150は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0132】
[00144]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aから
図3Cを全体的に参照すると、方法800に従って、熱伝導体148を作動軸102に向かって曲げること(ブロック857)は、第1の導電性チラー140を通して第1の冷却流体198をルート決めすること(ブロック852)を含む。更に、第2の熱伝導体158を作動軸102に向かって曲げること(ブロック867)は、第2の冷却流体199を第2の導電性チラー150を通してルート決めすること(ブロック862)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例37を特徴付けており、実施例37は上述の実施例36による主題も含む。
【0133】
[00145]熱伝導体148の柔軟性は、熱伝導体148がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧される前に、熱伝導体148は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第1の導電性チラー140から突出可能となる。その上、チャネル143が第1の冷却流体198で加圧されると、熱伝導体148がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。熱伝導体148とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第1の導電性チラー140は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0134】
[00146]第2の熱伝導体158の柔軟性は、第2の熱伝導体158がワークピース190との直接接触及びこの直接接触による効率的な熱伝達を確実に実行できることを保証する。1つ又は複数の例において、第2のチャネル153が第1の冷却流体199で加圧される前に、第2の熱伝導体158は、ワークピース190から離れて配置され、例えば、隙間嵌めを有する。隙間嵌めにより、ワークピース190が第2の導電性チラー150から突出可能となる。その上、第2のチャネル153が第2の冷却流体199で加圧されると、第2の熱伝導体158がワークピース190に押し付けられ、それにより直接接触と熱伝達が確立される。第2の熱伝導体158とワークピース190とが直接接触していても、環状体130、又は、より具体的には第2の導電性チラー150は、ワークピース190に対して移動することができる。
【0135】
[00147]
図7Aから
図7C、特に例えば
図4Aから
図4Cを全体的に参照すると、方法800によれば、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150のうちの少なくとも1つでワークピース190を冷却すること(ブロック850)から独立している。この段落の前述の主題は、本開示の実施例38を特徴付けており、実施例38は、上述の実施例28から37のいずれかによる主題も含む。
【0136】
[00148]
図4A~4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、少なくとも部分的に、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150の加熱出力及び冷却出力によって制御される。ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150の独立した動作により、動作温度ゾーン400のより正確な制御が可能になる。例えば、ワークピース190のいくつかの部分は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150の3つすべてが動作している状態で処理される。他の例では、例えば第1のアンビル110又は第2のアンビル120に近接する他の部分は、第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150のうちの1つをオフにして処理される。
【0137】
[00149]第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の動作は、個別に制御される。更に、第1の導電性チラー140の冷却出力は制御可能に変更できる。同様に、第2の導電性チラー150の冷却出力は制御可能に変更できる。
【0138】
[00150]
図7Aから
図7C、特に例えば
図4B及び
図4Cを全体的に参照すると、方法800によれば、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、ワークピース190が第1の導電性チラー140又は第2の導電性チラー150のうちの少なくとも1つによって冷却されない間に実行される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例39を特徴付けており、実施例39は上述の実施例38による主題も含む。
【0139】
[00151]
図4B及び
図4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、少なくとも部分的に、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150の加熱作用及び冷却作用によって制御される。形状はまた、ワークピース190内、及びワークピース190と、ワークピース190と係合する他の構成要素、例えば第1のアンビル110及び第2のアンビル120などとの間の熱伝達によって制御される。
図4Bを参照すると、ヒーター160が、第2のアンビル120の近くに位置するか又は係合するワークピース190の一部を加熱すると、第2のアンビル120もまた、ヒートシンクとして動作し、ワークピース190から第2のアンビル120への熱伝達をもたらす。この例では、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くに配置された、又は
図4Bに示すように第2のアンビル120の周囲にすでに配置された第2導電性チラー150は、オフになり、ワークピース190は冷却されない。代替的には、
図4Cを参照すると、ヒーター160よりも第2のアンビル120に近接して位置する、又は既に第2のアンビル120の周りに位置する、第2の導電性チラー150がオンになり、例えば第2のアンビル120の損傷を防ぐために、第2のアンビル120を冷却する。
【0140】
[00152]第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の動作は、個別に制御される。一例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方が動作可能であり、ワークピース190のそれぞれの部分を冷却している。別の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の一方は動作可能であるが、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の他方は動作しない。例えば、環状体130が第1のアンビル110に接近するとき、及び/又は第1のアンビル110が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第2の導電性チラー150が動作可能である間は、第1の導電性チラー140は動作しない。代替的には、例えば、環状体130が第2のアンビル120に接近するとき、及び/又は第2のアンビル120が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第1の導電性チラー140が動作可能である一方で、第2の導電性チラー150は動作しない。更に、1つ又は複数の例において、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の両方は、ヒーター160が動作可能である間には、動作しない。1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150のそれぞれの動作は、(例えば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120に対する)環状体130の位置及び/又は以下で更に説明する温度フィードバックに基づいて制御される。更に、第1の導電性チラー140の冷却出力は制御可能に変更できる。同様に、第2の導電性チラー150の冷却出力は制御可能に変更できる。
【0141】
[00153]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aを全体的に参照すると、方法800は、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)が、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と同時に実行される一方で、第1の熱バリア137を使用して、ヒーター160を第1の導電性チラー140から互いに熱伝導的に分離すること(ブロック870)を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例40を特徴付けており、実施例40は、上述の実施例28から39のいずれかによる主題も含む。
【0142】
[00154]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第1の導電性チラー140の冷却効率を改善する。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第1の熱バリア137に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0143】
[00155]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の熱バリア137はワークピース190と接触する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例41を特徴付けており、実施例41は上述の実施例40による主題も含む。
【0144】
[00156]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の熱伝達を低減し、それによって、特にワークピース190との界面で、ヒーター160の加熱効率及び第1の導電性チラー140の冷却効率を改善する。
【0145】
[00157]1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあり、ヒーター160と第1の導電性チラー140との間の距離が確実に小さくなる。第1の導電性チラー140がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0146】
[00158]
図7A及び
図7B、特に例えば
図3Aを全体的に参照すると、方法800は、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)が、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)と同時に実行される一方で、第2の熱バリア138を使用して、ヒーター160及び第2の導電性チラー150を互いに熱伝導的に分離すること(ブロック875)を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例42を特徴付けており、実施例42は、上述の実施例28から41のいずれかによる主題も含む。
【0147】
[00159]第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の導電性チラー150の冷却効率を改善する。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第2の断熱層138に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0148】
[00160]
図7Aから
図7C、特に例えば
図3Aを全体的に参照すると、方法800によれば、第2の熱バリア138はワークピース190と接触する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例43を特徴付けており、実施例43は上述の実施例42による主題も含む。
【0149】
[00161]第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の導電性チラー150の冷却効率を改善する。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあり、ヒーター160と第2の導電性チラー150との間の距離が確実に小さくなる。第2の導電性チラー150がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0150】
[00162]
図7Aから
図7C、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、方法800は、高圧ねじり装置100のコントローラ180で、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159からの入力を受信すること(ブロック880)を更に含む。ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159のそれぞれは、コントローラ180と通信可能に接続される。方法800は、コントローラ180を使用して、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159からの入力に基づいて、ヒーター160、第1の導電性チラー140、又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つの動作を制御すること(ブロック885)を更に含む。ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150のそれぞれは、コントローラ180と通信可能に接続され、コントローラ180によって制御される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例44を特徴付けており、実施例44は、上述の実施例28から43のいずれかによる主題も含む。
【0151】
[00163]コントローラ180は、ワークピース190の材料特性の修正に関連する様々なプロセスパラメータが所定の範囲内に確実に維持されるようにするため使用される。特に、コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力を使用して、処理部分の温度などの所望のパラメータに従ってワークピース190が確実に処理されるようにする。具体的には、これらの入力は、1つ又は複数の例で、動作温度ゾーン400の特定の形状を確保するために使用される。
【0152】
[00164]1つ又は複数の例において、ヒーター温度センサ169の出力は、他の構成要素とは別に、ヒーター160を制御するために使用される。第1のチラー温度センサ149の出力は、他の構成要素とは別に、第1の導電性チラー140を制御するために使用される。最後に、第2のチラー温度センサ159の出力は、他の構成要素とは別に、第2の導電性チラー150を制御するために使用される。代替的には、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の出力は、第1の導電性チラー140、第2の導電性チラー150、及びヒーター160の統合制御のために、コントローラ180によって集合的に分析される。
【0153】
[00165]一般に
図7Aから
図7C、特に例えば
図2A、
図5及び
図6を参照すると、方法800に従って、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、コントローラ180に通信可能に接続され制御されるリニアアクチュエータ170を使用して実行される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例45を特徴付けており、実施例45は上述の実施例44による主題も含む。
【0154】
[00166]ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、一度にワークピース190の部分を処理するように設計される。この部分は、動作温度ゾーン400によって画定され、1つ又は複数の例では、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部よりも小さい。ワークピース190の追加部分を処理するために、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、リニアアクチュエータ170を使用して、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動する。
【0155】
[00167]1つ又は複数の例において、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150のうちの1つ又は複数が動作可能である間に、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を連続的に移動するように構成される。リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を移動させるリニア速度は、部分的に、動作温度ゾーン400の所望のサイズ及び処理される各部分に要する処理時間に依存する。
【0156】
[00168]代替的には、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150を断続的に移動させるように構成され、「ストップアンドゴー(stop-and-go)」方式と呼ぶこともできる。これらの例では、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び第2の導電性チラー150は、ワークピース190の異なる部分に対応するある場所から別の場所に移動し、ワークピースの対応する部分が処理されている間、各場所で静止状態を維持する。より具体的な例では、ある場所から別の場所に移動している間、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つは動作しない。
【0157】
[00169]
図7Aから
図7C、特に例えば
図2A、
図5、及び
図6を全体的に参照すると、方法800は、ワークピース190の第1の端部191を高圧ねじり装置100の第1のアンビル110と係合させること(ブロック890)を更に含む。方法800は、ワークピース190の第2の端部192を高圧ねじり装置100の第2のアンビル120と係合させること(ブロック895)を更に含む。更に、ワークピース190の中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)と、中心軸195の周りにワークピース190をねじること(ブロック820)とは、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例46を特徴付けており、実施例46は、上述の実施例28から45のいずれかによる主題も含む。
【0158】
[00170]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。
【0159】
[00171]方法800によれば、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)が、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。第1のアンビル110及び第2のアンビル120の少なくとも一方は、例えば、
図2Aに概略的に示されるように、圧縮力を提供するようにドライブ104に連結される。圧縮力は、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、及び他のパラメータに依存する。同様に、中心軸195の周りにワークピース190をねじること(ブロック820)は、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。トルクは、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った長さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、及び他のパラメータに依存する。
【0160】
[00172]
図7Aから
図7C、特に例えば
図5を全体的に参照すると、方法800によれば、第1のアンビル110は、ベース117、及び作動軸102に沿って、ベース117から第2のアンビル120に向かって延びる突出部115を備える。環状体130は、中央開口部147を含む。更に、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、環状体130の中央開口部147に第1のアンビル110の突出部115を前進させること(ブロック832)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例47を特徴付けており、実施例47は上述の実施例46による主題も含む。
【0161】
[00173]突出部115の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さいことにより、例えば
図5に概略的に示されるように、環状体130が第1のベース117に向かって前進するときなどに、突出部115が中央開口部147内に突出可能となる。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の任意の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0162】
[00174]1つ又は複数の例では、突出部115の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110及び第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第1の導電性チラー140が突出部115に面するとき、例えば、突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0163】
[00175]
図7A及び
図7C、特に、例えば
図5を全体的に参照すると、方法800によれば、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)は、第1のアンビル110の突出部115を第1の導電性チラー140の中央開口部147に前進させること(ブロック832)の間、中断される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例48を特徴付けており、実施例48は上述の実施例47による主題も含む。
【0164】
[00176]突出部115が第1の導電性チラー140の中央開口部147に前進するときなど、ワークピース190の加熱部分が第1のアンビル110に近接するときに、第1のアンビル110はヒートシンクとして動作する。動作温度ゾーン400の形状を維持するために、第1の導電性チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)が中断される。内部熱伝達の効果は、その時点で第1のアンビル110によって軽減される。第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の動作は、個別に制御される。
【0165】
[00177]
図7Aから
図7C、特に例えば
図6を全体的に参照すると、方法800によれば、第2のアンビル120は、第2のベース127、及び第2のベース127から作動軸102に沿って第1のアンビル110に向かって延びる第2の突出部125を備える。環状体130は、中央開口部147を含む。更に、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、環状体130の中央開口部147に第2のアンビル120の第2の突出部125を前進させること(ブロック834)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例49を特徴付けており、実施例49は、上述の実施例46から48のいずれかによる主題も含む。
【0166】
[00178]第2の突出部125の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さいことにより、例えば
図5に概略的に示されるように、環状体130が第2のベース127に向かって前進するときなどに、第2の突出部125が中央開口部147に突出可能になるこの特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の任意の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0167】
[00179]1つ又は複数の例では、第2の突出部125の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110と第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、高圧ねじり装置100のシール及び他の特性が確保される。
【0168】
[00180]
図7A及び
図7C、特に、例えば
図6を全体的に参照すると、方法800によれば、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、第2のアンビル120の第2の突出部125を第2の導電性チラー150の中央開口部147に前進させること(ブロック834)の間、中断される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例50を特徴付けており、実施例50は上述の実施例49による主題も含む。
【0169】
[00181]第2の突出部125が第2の導電性チラー150の中央開口部147に前進するときなど、ワークピース190の加熱部分が第2のアンビル120に近接するときに、第2のアンビル120はヒートシンクとして動作する。動作温度ゾーン400の形状を維持するために、第2の導電性チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)が中断される。内部熱伝達の効果は、その時点で第2のアンビル120によって軽減される。第1の導電性チラー140及び第2の導電性チラー150の動作は、個別に制御される。
【0170】
[00182]
図7Aから
図7C、特に例えば
図2Aから
図2Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第1のアンビル110は、ワークピース190の第1の端部191に係合する開口部119を含む。開口部119は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例51を特徴付けており、実施例51は、上述の実施例46から50のいずれかによる主題も含む。
【0171】
[00183]開口部119の非円形断面は、第1のアンビル110がワークピース190の第1の端部191を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第1の端部191に加えることを保証する。具体的には、開口部119の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第1の端部191が第1のアンビル110に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
【0172】
[00184]
図2Bを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Cを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0173】
[00185]
図7Aから
図87C、特に例えば
図2A、
図2D及び
図2Eを全体的に参照すると、方法800によれば、第2のアンビル120は、ワークピース190の第2の端部192に係合する第2の開口部129を含む。第2の開口部129は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。
【0174】
[00186]開口部129の非円形断面は、第2のアンビル120がワークピース190の第2の端部192を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第2の端部192に加えることを保証する。具体的には、第2のアンビル開口部129の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第2の端部192が第2のアンビル120に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
【0175】
[00187]
図2Dを参照すると、開口部129の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Eを参照すると、第2の開口部129の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0176】
[00188]本開示は、以下の例示的な非網羅的、列挙された実施例を更に含み、それらは特許請求されてもよく、されなくてもよい。
【0177】
[00189]実施例1. 作動軸(102)と、
第1のアンビル(110)と、
第1のアンビル(110)に面し、作動軸(102)に沿って第1のアンビル(110)から離間した第2のアンビル(120)と
を含み、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)に沿って互いに対して並進可能であり、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)の周りで互いに対して回転可能である、第2のアンビル(120)と、
環状体(130)であって、
第1の導電性チラー(140)であって、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
表面(194)及び作動軸(102)と同一直線上の中心軸(195)を有するワークピース(190)と熱伝導的に連結されるように構成され、かつ
ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第1の導電性チラー(140)と、
第2の導電性チラー(150)であって、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
ワークピース(190)と熱伝導的に連結するように構成され、かつ
ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第2の導電性チラー(150)と、
ヒーター(160)であって、
作動軸(102)に沿って、第1の導電性チラー(140)と第2の導電性チラー(150)との間に配置され、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、かつ
ワークピース(190)を選択的に加熱するように構成された、ヒーター(160)と
を含む、環状体(130)と
を含む、高圧ねじり装置(100)。
【0178】
[00190]実施例2. ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、及び第2の導電性チラー(150)が、作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間をユニットとして並進可能である、実施例1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0179】
[00191]実施例3. ヒーター(160)は、第1の導電性チラー(140)又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つがワークピース(190)を冷却しているときに、ワークピース(190)を加熱するように構成された、実施例1又は2に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0180】
[00192]実施例4. ヒーター(160)は、第1の導電性チラー(140)又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つがワークピース(190)を冷却していないときに、ワークピース(190)を加熱するように構成された、実施例1又は2に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0181】
[00193]実施例5. ヒーター(160)と第1の導電性チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつワークピース(190)に接触するように構成された、第1の熱バリア(137)と、
ヒーター(160)と第2の導電性チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、かつワークピース(190)に接触するようにように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含む、実施例1から4のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0182】
[00194]実施例6. 環状体(130)が、ワークピース(190)を受容する大きさの中央開口部(147)を有する、実施例1から5のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0183】
[00195]実施例7. 第1のアンビル(110)が、ベース(117)と、作動軸(102)に沿って、ベース(117)から第2のアンビル(120)に向かって延びる突出部(115)とを含み、
突出部(115)が、ベース(117)の直径及び環状体(130)の中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、実施例6に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0184】
[00196]実施例8.第1のアンビル(110)の突出部(115)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の最大寸法以上の最大寸法を有する、実施例7に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0185】
[00197]実施例9. 第1のアンビル(110)の突出部(115)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の最大寸法の少なくとも半分である最大寸法を有する、実施例7に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0186】
[00198]実施例10. 第2のアンビル(120)が、第2のベース(127)と、作動軸(102)に沿って、第2のベース(127)から第1のアンビル(110)に向かって延びる第2の突出部(125)とを含み、
第2のアンビル(120)の第2の突出部(125)が、第2のベース(127)の直径及び環状体(130)の中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、実施例7から9のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0187】
[00199]実施例11.第2のアンビル(120)の突出部(125)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の最大寸法以上の最大寸法を有する、実施例10に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0188】
[00200]実施例12.第2のアンビル(120)の第2の突出部(125)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の最大寸法以上の最大寸法を有する、実施例10に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0189】
[00201]実施例13. 第1の導電性チラー(140)が、入口(144)、出口(145)、並びに入口(144)及び出口(145)と流体連通する中間部分(146)を含むチャネル(143)を含み、
第1の導電性チラー(140)が、チャネル(143)の中間部分(146)を、環状体(130)の中央開口部(147)から流体的に分離する熱伝導体(148)を更に含む、実施例6から12のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0190】
[00202]実施例14. チャネル(143)の中間部分(146)が、閉じた形状を有し、かつ作動軸(102)を取り囲んでいる、実施例13に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0191】
[00203]実施例15. 第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)が、作動軸(102)に垂直ないかなる方向にも十分に柔軟であり、チャネル(143)の中間部分(146)が第1の冷却流体(198)で加圧されると、ワークピース(190)に直接接触する、実施例13又は14に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0192】
[00204]実施例16. 第1の冷却流体(198)が液体である、実施例15に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0193】
[00205]実施例17. 第2の導電性チラー(150)が、第2の入口(154)、第2の出口(155)、並びに第2の入口(154)及び第2の出口(155)と流体連通する第2の中間部分(156)を含む第2のチャネル(153)を含み、
第2の導電性チラー(150)が、第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)を、環状体(130)の中央開口部(147)から流体的に分離する第2の熱伝導体(158)を更に含む、実施例16に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0194】
[00206]実施例18. 第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)が、閉じた形状を有し、かつ作動軸(102)を取り囲んでいる、実施例17に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0195】
[00207]実施例19. 第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)が、作動軸(102)に垂直ないかなる方向にも十分に柔軟であり、第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)が第2の冷却液(199)で加圧されると、ワークピース(190)に直接接触する、実施例18に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0196】
[00208]実施例20. 第2の冷却流体(199)が液体である、実施例19に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0197】
[00209]実施例21. 環状体(130)に連結され、作動軸(102)に沿って第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で、ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、及び第2の導電性チラー(150)を動かすように動作可能なリニアアクチュエータ(170)を更に含む、実施例1から20のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0198】
[00210]実施例22. リニアアクチュエータ(170)と通信可能に接続され、かつ作動軸(102)に沿って環状体(130)の位置又は並進速度の少なくとも1つを制御するように構成されたコントローラ(180)を更に備える、実施例21に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0199】
[00211]実施例23. コントローラ(180)と通信可能に接続された、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、又は第2のチラー温度センサ(159)の少なくとも1つを更に含み、
ヒーター温度センサ(169)が、ヒーター(160)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成され、
第1のチラー温度センサ(149)が、第1の導電性チラー(140)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成され、
第2のチラー温度センサ(159)が、第2の導電性チラー(150)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成された、実施例22に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0200】
[00212]実施例24. コントローラ(180)が、ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、又は第2の導電性チラー(150)のうちの少なくとも1つと通信可能に接続され、かつヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、又は第2のチラー温度センサ(159)の少なくとも1つから受信した入力に基づいて、ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つの動作を制御するよう更に構成された、実施例23に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0201】
[00213]実施例25. コントローラ(180)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の位置又は並進速度の少なくとも1つを制御するよう更に構成される、実施例24に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0202】
[00214]実施例26. 第1のアンビル(110)が、ワークピース(190)の第1の端部(191)を受容するための開口部(119)を含み、
開口部(119)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例1から25のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0203】
[00215]実施例27. ヒーター(160)が、抵抗ヒーター又は誘導ヒーターの1つである、実施例1から26のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0204】
[00216]実施例28. 作動軸(102)、第1のアンビル(110)、第2のアンビル(120)、及び環状体(130)を含む高圧ねじり装置(100)を使用して、ワークピース(190)の材料特性を修正する方法(800)であって、
環状体(130)が、第1の導電性チラー(140)、第2の導電性チラー(150)、及び作動軸(102)に沿って、第1の導電性チラー(140)と第2の導電性チラー(150)との間に配置されたヒーター(160)を含み、方法(800)が、
ワークピース(190)の中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮するステップと、
中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮することと同時に、中心軸(195)の周りにワークピース(190)をねじるステップと、
中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮し、中心軸(195)の周りにワークピース(190)をねじることの間に、
ワークピース(190)の中心軸(195)と同一線上にある、高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って、環状体(130)を並進させ、ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップと、
ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップと同時に、第1の導電性チラー(140)又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つでワークピース(190)を冷却するステップと
を含む、方法(800)。
【0205】
[00217]実施例29. 第1の導電性チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップが、第1の導電性チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップと、第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)を通して、ワークピース(190)から第1の冷却流体(198)に熱を伝達するステップとを含み、
第2の導電性チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップが、第2の導電性チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップと、第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)を通して、ワークピース(190)から第2の冷却流体(199)に熱を伝達するステップとを含む、実施例28に記載の方法(800)。
【0206】
[00218]実施例30. 第1の導電性チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップと、第2の導電性チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップとが、独立して制御される、実施例29に記載の方法(800)。
【0207】
[00219]実施例31. 第1の冷却流体(198)及び第2の冷却流体(199)のそれぞれが液体である、実施例29又は30に記載の方法(800)。
【0208】
[00220]実施例32. 環状体(130)が、第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)及び第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)によって少なくとも部分的に形成された中央開口部(147)を備え、
第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)を通して、ワークピース(190)から第1の冷却流体(198)に熱を伝達するステップが、中央開口部(147)を通って突出するワークピース(190)を、第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)と接触させることを含み、
第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)を通して、ワークピース(190)から第2の冷却流体(199)に熱を伝達するステップが、中央開口部(147)から突出するワークピース(190)を、第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)と接触させることを含む、実施例31に記載の方法(800)。
【0209】
[00221]実施例33.
第1の導電性チラー(140)が、入口(144)、出口(145)、並びに入口(145)及び出口(145)と流体連通する中間部分(146)を含むチャネル(143)を含み、
第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)を通して、ワークピース(190)から第1の冷却流体(198)に熱を伝達するステップが、
第1の冷却流体(198)をチャネル(143)の入口(144)から、チャネル(143)の中間部分(146)を通って、チャネル(143)の出口(145)に流すことを含み、
熱伝導体(148)が、チャネル(143)の中間部分(146)を環状体(130)の中央開口部(147)から流体的に分離する、実施例32に記載の方法(800)。
【0210】
[00222]実施例34. 第2の導電性チラー(140)が、第2の入口(154)、第2の出口(155)、並びに第2の入口(154)及び第2の出口(155)と流体連通する第2の中間部分(156)を含む第2のチャネル(153)を含み、
第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)を通して、ワークピース(190)から第2の冷却流体(199)に熱を伝達するステップが、
第2の冷却流体(199)を、第2のチャネル(153)の第2の入口(154)から、第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)を通って、第2のチャネル(153)の第2の出口(155)に流すことを含み、
第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(148)が、第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)を環状体(130)の中央開口部(147)から流体的に分離する、実施例32又は33に記載の方法(800)。
【0211】
[00223]実施例35. 第2のチャネル(153)の第2の中間部分(156)が、閉じた形状を有し、かつ作動軸(102)を取り囲んでいる、実施例34に記載の方法(800)。
【0212】
[00224]実施例36. 第1の導電性チラー(140)の熱伝導体(148)を通して、ワークピース(190)から第1の冷却流体(198)に熱を伝達するステップが、熱伝導体(148)を作動軸(102)に向かって曲げ、ワークピース(190)を熱伝導体(148)と直接接触させるステップを含み、
第2の導電性チラー(150)の第2の熱伝導体(158)を通して、ワークピース(190)から第2の冷却流体(199)に熱を伝達するステップが、第2の熱伝導体(158)を作動軸(102)に向かって曲げ、ワークピース(190)を第2の熱伝導体(158)と直接接触させるステップを含む、実施例29から35のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0213】
[00225]実施例37. 熱伝導体(148)を作動軸(102)に向かって曲げるステップが、第1の導電性チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めすることを含み、
第2の熱伝導体(158)を作動軸(102)に向かって曲げるステップが、第2の導電性チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めすることを含む、実施例36に記載の方法(800)。
【0214】
[00226]実施例38. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の導電性チラー(140)又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つでワークピース(190)を冷却するステップから独立している、実施例28から37のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0215】
[00227]実施例39. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップは、ワークピース(190)が第1の導電性チラー(140)又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つによって冷却されていない間に、実行される、実施例38に記載の方法(800)。
【0216】
[00228]実施例40. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の導電性チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップと同時に実行される間に、第1の熱バリア(137)を使用して、ヒーター(160)と第1の導電性チラー(140)とを互いに熱伝導的に分離することを更に含む、実施例28から39のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0217】
[00229]実施例41. 第1の熱バリア(137)が、ワークピース(190)に接触している、実施例40に記載の方法(800)。
【0218】
[00230]実施例42. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第2の導電性チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップと同時に実行される間に、第2の熱バリア(138)を使用して、ヒーター(160)と第2の導電性チラー(150)とを互いに熱伝導的に分離することを更に含む、実施例28から41のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0219】
[00231]実施例43. 第2の熱バリア(138)が、ワークピース(190)に接触している、実施例42に記載の方法(800)。
【0220】
[00232]実施例44. 高圧ねじり装置(100)のコントローラ(180)で、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)からの入力を受信することであって、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)のそれぞれが、コントローラ(180)と通信可能に接続されている、入力を受信することと、
ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)からの入力に基づいて、コントローラ(180)を使用して、ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、又は第2の導電性チラー(150)の少なくとも1つの動作を制御することであって、ヒーター(160)、第1の導電性チラー(140)、第2の導電性チラー(150)のそれぞれが、コントローラ(180)と通信可能に接続され、コントローラ(180)によって制御される、少なくとも1つの動作を制御することと
を更に含む、実施例28から43のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0221】
[00233]実施例45. 高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って、環状体(130)を並進させるステップが、コントローラ(180)に通信可能に接続され、コントローラ(180)によって制御されるリニアアクチュエーター(170)を使用して実行される、実施例44に記載の方法(800)。
【0222】
[00234]実施例46. ワークピース(190)の第1の端部(191)を高圧ねじり装置(100)の第1のアンビル(110)と係合させることと、
ワークピース(190)の第2の端部(192)を、高圧ねじり装置(100)の第2のアンビル(120)と係合させることと
を更に含み、
ワークピース(190)の中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮するステップと、中心軸(195)の周りでワークピース(190)をねじるステップとが、第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)を使用して実行される、実施例28から45のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0223】
[00235]実施例47. 第1のアンビル(110)が、ベース(117)と、作動軸(102)に沿ってベース(117)から第2のアンビル(120)に向かって延びる突出部(115)とを含み、
環状体(130)が中央開口部(147)を含み、
高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って環状体(130)を並進させるステップが、第1のアンビル(110)の突出部(115)を環状体(130)の中央開口部(147)に前進させることを含む、実施例46に記載の方法(800)。
【0224】
[00236]実施例48. 第1のアンビル(110)の突出部(115)を第1の導電性チラー(140)の中央開口部(147)に前進させる間に、第1の導電性チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップが停止される、実施例47に記載の方法(800)。
【0225】
[00237]実施例49. 第2のアンビル(120)が、第2のベース(127)と、作動軸(102)に沿って第2のベース(127)から第1のアンビル(110)に向かって延びる第2の突出部(125)とを含み、
環状体(130)が中央開口部(147)を含み、
高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って環状体(130)を並進させるステップが、第2のアンビル(120)の第2の突出部(125)を環状体(130)の中央開口部(147)に前進させることを含む、実施例46から48のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0226】
[00238]実施例50. 第2のアンビル(120)の突出部(125)を第2の導電性チラー(150)の中央開口部(147)に前進させる間に、第2の導電性チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップが停止される、実施例49に記載の方法(800)。
【0227】
[00239]実施例51. 第1のアンビル(110)が、ワークピース(190)の第1の端部(191)に係合する開口部(119)を含み、
開口部(119)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例46から50のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0228】
[00240]実施例52. 第2のアンビル(120)が、ワークピース(190)の第2の端部(192)と係合する、第2の開口部(129)を含み、
第2の開口部(129)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例46から51のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0229】
[00241]本開示の例は、
図8に示す航空機の製造及び保守方法1100、並びに、
図9に示す航空機1102に照らして説明されうる。製造前段階において、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様及び設計(ブロック1104)と材料調達(ブロック1106)とを含みうる。製造段階では、航空機1102の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)と、システムインテグレーション(ブロック1110)とが行われうる。その後、航空機1102は、認可及び納品(ブロック1112)を経て運航(ブロック1114)に供されうる。運航中、航空機1102には、定期的な整備及び保守(ブロック1116)が予定されうる。定期的な整備及び保守は、航空機1102の1つ又は複数のシステムの改変、再構成、改修等を含みうる。
【0230】
[00242]例示的な方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されるわけではなく、かつ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0231】
[00243]
図9に示しているように、例示的な方法1100によって製造される航空機1102は、複数の高レベルシステム1120及び内装1122を有する、機体1118を含みうる。高レベルシステム1120の実施例としては、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの1つ又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれうる。航空宇宙産業の例を示しているが、本書で開示されている原理は、その他の産業(自動車産業など)にも適用されうる。したがって、本書で開示されている原理は、航空機1102に加えて、その他のビークル(例えば陸上ビークル、海洋ビークル、宇宙ビークル等)にも適用されうる。
【0232】
[00244]本書で図示され、説明されている装置(複数可)及び方法(複数可)は、製造及び保守方法1100の、1つ又は複数の任意の段階において用いられうる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で、作製又は製造されうる。また、装置(複数可)、方法(複数可)又はそれらの組み合わせの1つ又は複数の例は、例えば、航空機1102の組立てを著しく効率化すること、又はコストを削減することにより、製造段階1108及び1110において利用されうる。同様に、装置又は方法を実現する1つ又は複数の例、或いはそれらの組み合わせは、限定するわけではないが例としては、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に、及び/又は、整備及び保守(ブロック1116)において、利用されうる。
【0233】
[00245]本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の種々の例は、多種多様な構成要素、特徴及び機能を含む。本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の様々な例は、それ以外の本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の例のうち任意のものの、任意の構成要素、特徴及び機能を、任意の組み合わせにおいて含む可能性があること、及び、かかる可能性は全て本開示の範囲に含まれることが意図されていると理解すべきである。
【0234】
[00246]上記の説明及び関連した図面に提示された教示を利用することで、本開示に関する当業者には、本書に明記された例示の多数の修正例が想起されよう。
【0235】
[00247]したがって、本開示は例示されている特定の例に限定されないこと、及び、修正例及びその他の例は添付される特許請求の範囲に含まれることが意図されていると理解されたい。更に、上述の説明及び関連図面は、要素及び/又は機能のある例示的な組み合わせに照らして本開示の例を説明しているが、添付する特許請求の範囲から逸脱しなければ、代替的な実施態様によって、要素及び/又は機能の種々の組み合わせが提供されることがあると認識すべきである。したがって、添付する特許請求の範囲に記載されたカッコ内の参照番号は、例示のために提示されており、特許請求される主題の範囲を、本開示で提供されている特定の例に限定することを意図するものではない。