(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】高圧ねじり装置及びそのような装置を使用してワークピースの材料特性を修正する方法
(51)【国際特許分類】
B21J 1/06 20060101AFI20231117BHJP
B21J 1/02 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
B21J1/06 Z
B21J1/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019226182
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーマ, ラヴィ
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特許第4777775(JP,B2)
【文献】特開2019-131884(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008012550(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 1/06
B21J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ねじり装置(100)であって、
作動軸(102)と、
第1のアンビル(110)と、
前記第1のアンビル(110)に面し、前記作動軸(102)に沿って前記第1のアンビル(110)から離間した第2のアンビル(120)と
を含み、
前記第1のアンビル(110)及び前記第2のアンビル(120)が、前記作動軸(102)に沿って互いに対して並進可能であり、
前記第1のアンビル(110)及び前記第2のアンビル(120)が、前記作動軸(102)の周りで互いに対して回転可能であり、
環状体(130)であって、
第1の全損失対流チラー(140)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
ワークピース(190)と熱対流的に連結するように構成され、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第1の全損失対流チラー(140)と、
第2の全損失対流チラー(150)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
前記ワークピース(190)と熱対流的に連結するように構成され、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第2の全損失対流チラー(150)と、
ヒーター(160)であって、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1の全損失対流チラー(140)と前記第2の全損失対流チラー(150)との間に配置され、
前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビル(110)と前記第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、かつ
前記ワークピース(190)を選択的に加熱するように構成された、ヒーター(160)と
を含む、環状体(130)と
を含む、高圧ねじり装置(100)。
【請求項2】
前記ヒーター(160)は、前記第1の全損失対流チラー(140)又は前記第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つが前記ワークピース(190)を冷却しているときに、前記ワークピース(190)を加熱するように構成された、請求項1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項3】
前記ヒーター(160)は、前記第1の全損失対流チラー(140)又は前記第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つが前記ワークピース(190)を冷却していないときに、前記ワークピース(190)を加熱するように構成される、請求項1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項4】
前記第1の全損失対流チラー(140)が、第1のチラーチャネル入口(144)、及び前記第1のチラーチャネル入口(144)から離間した第1のチラーチャネル出口(145)を有する、第1のチラーチャネル(143)を含み、
前記第1のチラーチャネル出口(145)が、前記ワークピース(190)に向けられるように構成され、
前記第2の全損失対流チラー(150)が、第2のチラーチャネル入口(154)、及び前記第2のチラーチャネル入口(154)から離間した第2のチラーチャネル出口(155)を有する、第2のチラーチャネル(153)を含み、
前記第2のチラーチャネル出口(155)が、前記ワークピース(190)に向けられるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項5】
前記作動軸(102)に沿って、前記ヒーター(160)と前記第1の全損失対流チラー(140)の前記第1のチラーチャネル出口(145)との間に配置され、かつ前記ワークピース(190)と接触するように構成された、第1の熱シール(131)と、
前記作動軸(102)に沿って、前記ヒーター(160)と前記第2の全損失対流チラー(150)の前記第2のチラーチャネル出口(155)との間に配置され、かつ前記ワークピース(190)と接触するように構成された、第2の熱シール(132)と
を更に含む、請求項4に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項6】
前記ヒーター(160)と前記第1の全損失対流チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつ前記ワークピース(190)から離間されるように構成された、第1の熱バリア(137)と、
前記ヒーター(160)と前記第2の全損失対流チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、かつ前記ワークピース(190)から離間されるように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含み、
前記第1の熱バリア(137)が、前記第1の熱シール(131)と接触し、
前記第2の熱バリア(138)が、前記第2の熱シール(132)と接触する、請求項5に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項7】
前記ヒーター(160)と前記第1の全損失対流チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつ前記ワークピース(190)に接触するように構成された、第1の熱バリア(137)と、
前記ヒーター(160)と前記第2の全損失対流チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、前記ワークピース(190)に接触するようにように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項8】
前記環状体(130)が、隙間嵌めで前記ワークピース(190)を受容する大きさの中央開口部(147)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項9】
前記第1のアンビル(110)が、第1のアンビルベース(117)と、前記作動軸(102)に沿って、前記第1のアンビルベース(117)から前記第2のアンビル(120)に向かって延びる第1のアンビル突出部(115)とを含み、
前記第1のアンビル突出部(115)が、前記第1のアンビルベース(117)の直径よりも小さく、かつ前記環状体(130)の前記中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、請求項8に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項10】
前記第1のアンビル(110)が、前記ワークピース(190)の第1の端部(191)を受容するための第1のアンビル開口部(119)を含み、
前記第1のアンビル開口部(119)が、前記作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【請求項11】
作動軸(102)、第1のアンビル(110)、第2のアンビル(120)、及び環状体(130)を含む高圧ねじり装置(100)を使用して、ワークピース(190)の材料特性を修正する方法(800)であって、前記環状体(130)が、第1の全損失対流チラー(140)、第2の全損失対流チラー(150)、及び前記作動軸(102)に沿って、前記第1の全損失対流チラー(140)と前記第2の全損失対流チラー(150)との間に配置されたヒーター(160)を含み、前記方法(800)が、
前記ワークピース(190)の中心軸(195)に沿って前記ワークピース(190)を圧縮するステップと、
前記中心軸(195)に沿って、前記ワークピース(190)を圧縮することと同時に、前記中心軸(195)の周りに前記ワークピース(190)をねじるステップと、
前記中心軸(195)に沿って前記ワークピース(190)を圧縮し、前記中心軸(195)の周りに前記ワークピース(190)をねじることの間に、前記ワークピース(190)の前記中心軸(195)と同一線上にある、前記高圧ねじり装置(100)の前記作動軸(102)に沿って、前記環状体(130)を並進させ、前記ヒーター(160)で前記ワークピース(190)を加熱するステップと
を含む、方法(800)。
【請求項12】
前記ワークピース(190)を加熱する前記ステップと同時に、前記第1の全損失対流チラー(140)で前記ワークピース(190)を冷却するステップ、又は前記第2の全損失対流チラー(150)で前記ワークピース(190)を冷却するステップのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項11に記載の方法(800)。
【請求項13】
前記第1の全損失対流チラー(140)で前記ワークピース(190)を冷却する前記ステップが、前記第1の全損失対流チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップ、前記ワークピース(190)の一部を前記第1の冷却流体(198)と接触させるステップ、及び前記第1の全損失対流チラー(140)を出るステップを含み、
前記第2の全損失対流チラー(150)で前記ワークピース(190)を冷却する前記ステップが、前記第2の全損失対流チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップ、前記ワークピース(190)の一部を前記第2の冷却流体(199)と接触させるステップ、及び前記第2の全損失対流チラー(150)を出るステップを含む、請求項12に記載の方法(800)。
【請求項14】
前記第1の全損失対流チラー(140)を通して前記第1の冷却流体(198)をルート決めする前記ステップと、前記第2の全損失対流チラー(150)を通して前記第2の冷却流体(199)をルート決めする前記ステップとが、独立して制御される、請求項13に記載の方法(800)。
【請求項15】
前記環状体(130)が、前記ワークピース(190)を囲むように構成された中央開口部(147)を含み、
前記第1の全損失対流チラー(140)を通して前記第1の冷却流体(198)をルート決めする前記ステップが、前記第1の冷却流体(198)を前記中央開口部(147)内に放出するステップを含み、
前記第2の全損失対流チラー(150)を通して前記第2の冷却流体(199)をルート決めする前記ステップが、前記第2の冷却流体(199)を前記中央開口部(147)内に放出するステップを含む、請求項14に記載の方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]高圧ねじりは、ワークピースの結晶粒構造を制御するために使用される技術である。ただし、高圧及び高トルクの要件により、この技術は、特定の幾何学的制約を有するワークピース、例えば厚さが約1ミリメートル以下のディスクに制限されてきた。そのようなワークピースは、たとえあるとしても、実用的な用途が限られている。更に、ワークピースサイズのスケーリングが困難であることが判明した。細長いワークピースの漸進的な処理が提案されてきたが、上手く実施されていない。
【発明の概要】
【0002】
[0002]したがって、少なくとも上述の懸念に対処することを目的とした装置及び方法が有用性を見い出すことになるだろう。
【0003】
[0003]以下は、本書に開示される主題の、主張されることもされないこともある実施例の非網羅的な列挙である。
【0004】
[0004]本書に開示される主題の1つの実施例は、作動軸、第1のアンビル、第2のアンビル、及び環状体を備える高圧ねじり装置に関する。第2のアンビルは、第1のアンビルに面しており、作動軸に沿って第1のアンビルから離間している。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸の周りで互いに対して回転可能である。環状体は、第1の全損失対流チラー、第2の全損失対流チラー、及びヒーターを含む。第1の全損失対流チラーは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能である。第1の全損失対流チラーは、ワークピースと熱対流的に連結されるように構成され、ワークピースを選択的に冷却するように構成される。第2の全損失対流チラーは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能である。第2の全損失対流チラーは、ワークピースと熱対流的に連結されるように構成され、ワークピースを選択的に冷却するように構成される。ヒーターは、作動軸に沿って、第1の全損失対流チラーと第2の全損失対流チラーとの間に配置される。ヒーターは、作動軸に沿って第1のアンビルと第2のアンビルとの間で並進可能であり、ワークピースを選択的に加熱するように構成される。
【0005】
[0005]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0006】
[0006]第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150の積層配置により、ワークピース190の各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0007】
[0007]第1の全損失対流チラー140及び/又は第2の全損失対流チラー150が作動しているとき、ワークピース190の加熱部分は、第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分に隣接する。第1の冷却部分は、ワークピース190に対する第1の全損失対流チラー140の位置及び第1の全損失対流チラー140の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第2の冷却部分は、ワークピース190に対する第2の全損失対流チラー150の位置及び第2の全損失対流チラー150の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分は、ワークピース190内の内部熱伝達を制御するために使用され、それにより、
図4A~4Cに示す処理部分のいくつかの特性及び動作温度ゾーン400の形状を制御する。
【0008】
[0008]第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150は、作動軸102に沿って並進可能であり、ワークピース190の長さを画定するワークピース190の中心軸195に沿って、ワークピース190の異なる部分を処理する。結果として、高圧ねじり装置100は、例えば、ワークピース190全体が処理されるとき、従来の圧力ねじり技術に比べて長いワークピース190を処理するように構成される。
【0009】
[0009]本明細書に開示される主題の別の実施例は、作動軸、第1のアンビル、第2のアンビル、及びヒーターを備える高圧ねじり装置に関する。第2のアンビルは、第1のアンビルに面しており、作動軸に沿って第1のアンビルから離間している。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル及び第2のアンビルは、作動軸の周りで互いに対して回転可能である。ヒーターは、作動軸に沿って、第1のアンビルと第2のアンビルとの間を移動可能であり、ワークピースを選択的に加熱するように構成される。
【0010】
[0010]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。具体的には、ヒーター160は、作動軸102に沿って移動可能である。
【0011】
[0011]本書に開示される主題の別の実施例は、作動軸、第1のアンビル、第2のアンビル、及び環状体を備える高圧ねじり装置を使用して、ワークピースの材料特性を修正する方法に関する。高圧ねじり装置の環状体は、第1の全損失対流チラーと、第2の全損失対流チラーと、作動軸に沿って第1の全損失対流チラーと第2の全損失対流チラーとの間に配置されたヒーターとを含む。この方法は、ワークピースの中心軸に沿ってワークピースを圧縮することと、中心軸に沿ってワークピースを圧縮することと同時に、中心軸の周りにワークピースをねじることとを含む。この方法は、中心軸に沿ってワークピースを圧縮することと、中心軸の周りにワークピースをねじることとを含む一方で、ワークピースの中心軸と同一線上にある、高圧ねじり装置の作動軸に沿って環状体を並進させることと、ヒーターでワークピースを加熱することとを更に含む。
【0012】
[0012]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0013】
[0013]処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0014】
[0014]本開示の1つ又は複数の例は一般論として説明されているので、これより添付図面に言及するが、それらは必ずしも正寸で描かれているわけではなく、複数の図を通して、類似の参照記号は同じ又は類似の部分を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】[0015]
図1Bとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による高圧ねじり装置のブロック図である。
【
図1B】
図1Aとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、高圧ねじり装置のブロック図である。
【
図2A】[0016]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略図である。
【
図2B】[0017]本開示の1つ又は複数の例による、第1のアンビルによって係合されたワークピースの第1の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2C】本開示の1つ又は複数の例による、第1のアンビルによって係合されたワークピースの第1の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2D】[0018]本開示の1つ又は複数の例による、第2のアンビルによって係合されたワークピースの第2の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2のアンビルの概略断面上面図である。
【
図2E】本開示の1つ又は複数の例による、第2のアンビルによって係合されたワークピースの第2の端部とともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2のアンビルの概略断面上面図である。
【
図3A】[0019]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出するワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の概略断面側面図である。
【
図3B】[0020]本開示の1つ又は複数の例による、第1の全損失対流チラーから突出しているワークピースとともに示された、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1の全損失対流チラーの概略断面上面図である。
【
図3C】[0021]本開示の1つ又は複数の例による、第2の全損失対流チラーから突出しているワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第2の全損失対流チラーの概略断面上面図である。
【
図3D】[0022]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースに対する環状体の第1の熱シール、第2の熱シール、第1の熱バリア、及び第2の熱バリアの位置を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の一部の概略断面側面図である。
【
図3E】[0023]本開示の1つ又は複数の例による、ワークピースに対する環状体の第1の熱バリア及び第2の熱バリアの位置を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の一部の概略断面側面図である。
【
図3F】[0024]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出するワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の概略断面側面図である。
【
図3G】[0025]本開示の1つ又は複数の例による、第1の全損失対流チラーから突出しているワークピースとともに示される、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の第1の全損失対流チラーの概略断面上面図である。
【
図4】[0026]A~Cは、本開示の1つ又は複数の例による、第1の全損失対流チラー及び第2の全損失対流チラーの異なる動作モードを示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の環状体の概略断面側面図である。
【
図5】[0027]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出する第1のアンビル突出部を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略断面側面図である。
【
図6】[0028]本開示の1つ又は複数の例による、環状体の中央開口部を通って突出する第2のアンビル突出部を示す、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略断面側面図である。
【
図7】[0029]本開示の1つ又は複数の例による、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置の概略図である。
【
図8A】[0030]
図8Bとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置を使用してワークピースの材料特性を修正する方法のブロック図である。
【
図8B】
図8Aとまとめて、本開示の1つ又は複数の例による、
図1A及び
図1Bの高圧ねじり装置を使用してワークピースの材料特性を修正する方法のブロック図である。
【
図9】[0031]航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0033]上記で参照した
図1A及び
図1Bにおいて、様々な要素及び/又は構成要素を結合する実線(存在する場合)は、機械的、電気、流体、光学、電磁気及び他の連結及び/又はそれらの組み合わせを表す場合がある。本書で使用される「連結された(coupled)」とは、直接的及び間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、又は例えば別の部材Cを介して、部材Bに間接的に関連付けられていてよい。開示される種々の要素間の全ての関係が必ずしも表されているわけではないと理解されるだろう。そのため、ブロック図に示されているもの以外の連結もまた、存在することがある。様々な要素及び/又は構成要素を指し示すブロック同士を結合する破線が存在する場合、これらの破線は、機能及び目的の点で実線によって表されているものに類似した連結を表わす。しかし、破線によって表わされた連結は、選択的に提供されるか、又は本開示の代替例に関連するかのいずれかでありうる。同様に、破線で表わされた要素及び/又は構成要素が存在する場合、それらは本開示の代替例を示す。実線及び/又は破線で示されている1つ又は複数の要素は、本開示の範囲から逸脱しなければ、特定の例から省略されてもよい。環境的な要素が存在する場合、点線で表される。分かりやすくするために、バーチャルな(架空の)要素も示されることがある。
図1A及び
図1Bに示す特徴のうちのいくつかは、
図1A及び
図1Bに記載された他の特徴を含むことを必要とせずに、様々な方法で組み合わせてもよいこと(1つ又は複数のこのような組み合わせは本書で明示されていないが)を、当業者は理解するだろう。同様に、提示されている例に限定されない更なる特徴が、本書で図示され、説明されている特徴の一部又は全部と組み合わされてもよい。
【0017】
[0034]上記の
図8A及び
図8Bでは、ブロックは工程及び/又はその一部を表すことが可能であり、様々なブロックを結合する線は、工程又はその一部のいかなる特定の順序又は従属関係も暗示しない。破線で表わされているブロックは、代替的な工程及び/又はその部分を示す。様々なブロックを結合する破線がある場合、この破線は工程又はその一部の代替的な従属関係を表わす。開示されている様々な工程間の全ての従属関係が必ずしも表わされているわけではないと理解されるだろう。本書に明記された1つ以上の方法の工程を記載している
図8A及び
図8B、並びに付随する開示は、工程が実行されるべき順序を必ずしも決定付けているわけではないと解釈すべきである。むしろ、ある例示的な順序が示されていても、工程のシーケンスは適宜改変されることがあると理解されたい。したがって、ある種の複数の工程は、異なる順序で、又は同時に実施されうる。加えて、説明されている全ての工程を実施する必要がないことを、当業者は認識するだろう。
【0018】
[0035]以下の説明において、開示される概念の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記されるが、これらの概念は、その特定事項の一部又は全部を伴わなくても実践されうる。他の事例では、開示を不必要に分かりにくくすることを回避するために、既知のデバイス及び/又はプロセスの詳細が省略されている。一部の概念は特定の例と併せて説明されるが、これらの例は、限定を目的とするものではないと理解されよう。
【0019】
[0036]「第1(first)」、「第2(second)」などの語は、別途指示されない限り、本書では単に符号として使用されており、これらの語が表わすアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」のアイテム又はより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」のアイテム又はより大きな数が振られたアイテムの存在を必要とすることも、排除することもない。
【0020】
[0037]本書における「一例(one example)」への言及は、その例に関連して説明される1つ又は複数の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。本書に頻出する「一例」という表現は、同一の例を表わすことも表わさないこともある。
【0021】
[0038]本書において、特定の機能を実施する「よう構成/設定された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、いかなる変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、更なる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。換言すると、特定の機能を実施する「よう構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計される。本書において、「よう構成/設定された」という表現は、更なる改変を伴わずにシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが特定の機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施する「よう構成/設定され」ていると説明されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合される(adapted to)」及び/又は「動作可能である(operative to)」とも説明されうる。
【0022】
[0039]本開示による主題の、特許請求されることもされないこともある例示的かつ非網羅的な例が、以下に提供される。
【0023】
[0040]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図4A~
図4C、
図5、及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100が開示される。高圧ねじり装置100は、作動軸102、第1のアンビル110、第2のアンビル120、及び環状体130を含む。第2のアンビル120は、第1のアンビル110に面しており、作動軸102に沿って第1のアンビル110から離間している。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102の周りで互いに対して回転可能である。環状体130は、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160を含む。第1の全損失対流チラー140は、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能である。第1の全損失対流チラー140は、ワークピース190と熱対流的に連結されるように構成され、ワークピース190を選択的に冷却するように構成される。第2の全損失対流チラー150は、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能である。第2の全損失対流チラー150は、ワークピース190と熱対流的に連結されるように構成され、かつワークピース190を選択的に冷却するように構成される。ヒーター160は、作動軸102に沿って第1の全損失対流チラー140と第2の全損失対流チラー150との間に配置され、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で並進可能である。ヒーター160は、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例1を特徴付ける。
【0024】
[0041]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0025】
[0042]第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150の積層配置により、ワークピース190の各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0026】
[0043]第1の全損失対流チラー140及び/又は第2の全損失対流チラー150が作動しているとき、ワークピース190の加熱部分は、第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分に隣接する。第1の冷却部分は、ワークピース190に対する第1の全損失対流チラー140の位置及び第1の全損失対流チラー140の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第2の冷却部分は、ワークピース190に対する第2の全損失対流チラー150の位置及び第2の全損失対流チラー150の冷却出力によって、少なくとも部分的に、画定される。第1の冷却部分及び/又は第2の冷却部分は、ワークピース190内の内部熱伝達を制御するために使用され、それにより、
図4A~4Cに示す処理部分のいくつかの特性及び動作温度ゾーン400の形状を制御する。
【0027】
[0044]第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150は、作動軸102に沿って並進可能であり、ワークピース190の長さを画定するワークピース190の中心軸195に沿って、ワークピース190の異なる部分を処理する。結果として、高圧ねじり装置100は、例えば、ワークピース190全体が処理されるとき、従来の圧力ねじり技術に比べて長いワークピース190を処理するように構成される。
【0028】
[0045]第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、それぞれの端部、例えば、第1の端部191及び第2の端部192で、ワークピース190と係合し及びそれらを保持するように設計される。ワークピース190が第1のアンビル110及び第2のアンビル120によって係合されるとき、第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、ワークピース190に圧縮力及びトルクを加えるためにも使用される。第1のアンビル110及び第2のアンビル120の一方又は両方は、移動可能である。一般に、第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、圧縮力を加え、異なる長さを有するワークピースと係合するために、互いに対して作動軸102に沿って移動可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、互いに対して作動軸102の周りで回転可能である。1つ又は複数の例において、第1のアンビル110及び第2のアンビル120のうちの少なくとも1つは、例えば
図2Aに概略的に示されるように、ドライブ104に連結される。
【0029】
[0046]環状体130は、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160を統合する。より具体的には、環状体130は、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160の互いに対する向きを支持し維持する。例えば、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160が、作動軸102に沿ってワークピース190に対して並進されるときなどに、環状体130はまた、ワークピース190に対する第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160の位置も制御する。
【0030】
[0047]1つ又は複数の例では、高圧ねじり装置100の動作中に、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150のそれぞれは、ワークピース190と熱対流結合され、ワークピース190のそれぞれの部分、例えば第1の冷却部分及び第2の冷却部分を、選択的に冷却する。これらの第1及び第2の冷却部分は、作動軸102に沿って、加熱部分と呼ばれるヒーター160によって加熱される部分の反対側に配置される。これらの冷却部分と加熱部分の組み合わせは、処理中の動作温度ゾーン400の形状を定義する。
【0031】
[0048]1つ又は複数の例において、第1の全損失対流チラー140とワークピース190との間の熱対流結合は、第1の冷却流体198によって提供される。第1の冷却流体198は、第1の全損失対流チラー140を通って流れ、第1の全損失対流チラー140からワークピース190に向かって放出される。第1の冷却流体198がワークピース190に接触すると、第1の冷却流体198の温度は、少なくともこの接触位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の対応する部分が冷却される。ワークピース190と接触した後に、第1の冷却流体198は、環境内に放出される。
【0032】
[0049]同様に、1つ又は複数の例において、第2の全損失対流チラー150とワークピース190との間の熱対流結合は、第2の冷却流体199によって提供される。第2の冷却流体199は、第2の全損失対流チラー150を通って流れ、第2の全損失対流チラー150からワークピース190に向かって放出される。第2の冷却流体199がワークピース190と接触すると、第2の冷却流体199の温度は、少なくともこの位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の対応する部分が冷却される。ワークピース190と接触した後に、第2の冷却流体199は、環境内に放出される。
【0033】
[0050]ヒーター160は、ワークピース190との直接接触又は放射のいずれかにより、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。放射加熱の場合、ヒーター160はワークピース190から離れており、ヒーター160とワークピース190との間に間隙が生じる。抵抗ヒーター、誘導ヒーターといった様々な種類のヒーターが、本開示の範囲内である。1つ又は複数の例では、ヒーター160の加熱出力は制御可能に調整することができる。上記のように、加熱出力は動作温度ゾーン400の形状を決定する。
【0034】
[0051]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図4A、
図5及び
図6を全体的に参照すると、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間のユニットとして、作動軸102に沿って並進可能である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例2を特徴付け、実施例2はまた、上記の実施例1による主題も含む。
【0035】
[0052]ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150がユニットとして並進可能である場合、第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150の向きは、互いに対して維持される。具体的には、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離は、同一のままである。同様に、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離は、同一のままである。これらの距離は、例えば
図4Aに概略的に示されるように、ワークピース190内の動作温度ゾーン400の形状を決定する。したがって、これらの距離が一定に保たれる場合、動作温度ゾーン400の形状も、同一のままであり、処理の一貫性が保証される。
【0036】
[0053]1つ又は複数の例では、環状体130は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150のハウジング及び/又は構造的支持体として動作可能である。環状体130は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を含む並進可能なユニットを確立する。1つ又は複数の例において、環状体130は、環状体130を並進させ、その結果、作動軸102に沿って、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150もまた並進させる、リニアアクチュエータ170に結合される。
【0037】
[0054]
図1A及び
図1B、特に例えば
図4A~
図4Cを全体的に参照すると、ヒーター160は、第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも一方がワークピース190を冷却しているときに、ワークピース190を加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例3を特徴付けており、実施例3は、上述の実施例1又は2による主題を更に含む。
【0038】
[0055]
図4A~4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、ヒーター160の加熱作用と、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の冷却作用によって制御される。ヒーター160がワークピース190の一部を加熱すると、ワークピース190を形成する材料の熱伝導率により、例えばワークピース190の中心軸195に沿って、この部分から熱が広がる。この内部熱伝達は、動作温度ゾーン400の形状に影響を与える。ワークピース190内のこの内部熱伝達の影響を低減する又は少なくとも制御するために、ワークピース190の加熱部分に隣接する第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも一方が、ワークピース190ワークピース190の1つ又は複数の部分を冷却するために使用される。
【0039】
[0056]1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方が、ワークピース190の部分を選択的に冷却するために使用されるのに対し、ヒーター160は、ワークピース190の一部を選択的に加熱する。例えば、特定の処理段階では、
図2Aに概略的に示されるように、環状体130は、第1のアンビル110又は第2のアンビル120から離れて配置される。この段階では、第1のアンビル110も第2のアンビル120も、ワークピース190の加熱部分にヒートシンクとして大きな影響を与えない。中心軸195に沿った両方向で加熱部分から離れるワークピース190内の内部熱伝達を制御するために、例えば
図4Aに模式的に示されるように、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方が同時に使用される。1つ又は複数の例において、第1の全損失対流チラー140の冷却出力は、第2の全損失対流チラー150の冷却出力と異なることに留意すべきである。特定の例では、環状体130が第1のアンビル110から第2のアンビル120に並進し、第2の全損失対流チラー150が第1の全損失対流チラー140よりも第2のアンビル120に近い場合、第2の全損失対流チラー150の冷却レベルは、第1の全損失対流チラー140の冷却レベルよりも低い。この例では、第2の全損失対流チラー150がヒーター160の前に移動するが、第1の全損失対流チラー140はヒーター160に続く。したがって、第2の全損失対流チラー150に面するワークピース190の部分は、同じ温度になるために第1の全損失対流チラー140に面するワークピース190の部分ほどは冷却を必要としない。
【0040】
[0057]代替的には、1つ又は複数の例において、第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150の一方のみが、ヒーター160がワークピース190を加熱する間にワークピース190を冷却するために使用される。第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150の他方はオフにされ、冷却出力を提供しない。これらの例は、環状体130が第1のアンビル110又は第2のアンビル120に接近又はスライドするときに使用される。これらの処理段階で、第1のアンビル110又は第2のアンビル120は、ヒートシンクとして機能し、ワークピース190を冷却する。言い換えれば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120は、ワークピース190内の内部熱伝導の影響を既に低減しており、第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150からの追加の冷却は必要とされない。
【0041】
[0058]
図1A及び
図1B、特に例えば
図4B及び
図4Cを全体的に参照すると、ヒーター160は、第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも一方がワークピース190を冷却していないときに、ワークピース190を加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例4を特徴付け、実施例4はまた、上記の実施例1又は実施例2による主題も含む。
【0042】
[0059]
図4A~4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、ヒーター160の加熱作用と、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の冷却作用によって、少なくとも部分的に制御される。形状はまた、ワークピース190内の(例えば、加熱部分からの)内部熱伝達、及び1つ又は複数の例では、ワークピース190と他の構成要素との間などの外部熱伝達によって影響を受け、ワークピース190(例えば、第1のアンビル110及び第2のアンビル120)と係合する。外部熱伝達の影響を補償するために、1つ又は複数の例では、第1の導電性チラー140及び/又は第2の導電性チラー150はオフにされ、ワークピース190を冷却することはない。
【0043】
[0060]
図4Bに示される処理段階を参照すると、ヒーター160は、第2のアンビル120の近くに位置するか又は係合するワークピース190の一部を加熱する。この段階で、第2のアンビル120は、ヒートシンクとして動作し、ワークピース190から第2のアンビル120に外部熱伝達を行う。この例では、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くに配置された、又は
図4Bに示すように第2のアンビル120の周囲にすでに配置された第2全損失対流チラー150は、オフになり、ワークピース190は冷却されない。代替的には、
図4Cを参照すると、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くになおも配置されている、又はすでに第2のアンビル120の周りに配置されている第2の全損失対流チラー150が、オンになり、ここで第2のアンビル120が冷却される。この特性は、第2のアンビル120の損傷を防ぐために使用される。
【0044】
[0061]第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の動作は、個別に制御可能である。一例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方が動作可能であり、ワークピース190のそれぞれの部分を冷却している。別の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方は動作可能であるが、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の他方は動作しない。例えば、環状体130が第1のアンビル110に接近するとき、及び/又は第1のアンビル110が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第2の全損失対流チラー150が動作可能である間は、第1の全損失対流チラー140は動作しない。代替的には、例えば、環状体130が第2のアンビル120に接近するとき、及び/又は第2のアンビル120が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第1の全損失対流チラー140が動作可能である一方で、第2の全損失対流チラー150は動作しない。更に、1つ又は複数の例において、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方は、ヒーター160が動作可能である間には、動作しない。1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150のそれぞれの動作は、(例えば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120に対する)環状体130の位置及び/又は以下で更に説明する温度フィードバックに基づいて制御される。更に、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の冷却出力のレベルは、個別に制御可能である。
【0045】
[0062]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A、
図3B及び
図3Cを全体的に参照すると、第1の全損失対流チラー140は、第1のチラーチャネル入口144、及び第1のチラーチャネル入口144から離間した第1のチラーチャネル出口145を有する第1のチラーチャネル143を含む。第1のチラーチャネル出口145は、ワークピース190に向けられるように構成される。第2の全損失対流チラー150は、第2のチラーチャネル入口154と第2のチラーチャネル入口154から離間した第2のチラーチャネル出口155とを有する第2のチラーチャネル153を含む。第2のチラーチャネル出口155は、ワークピース190に向けられるように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例5を特徴付け、実施例5は、上記の実施例1~4のいずれか1つによる主題も含む。
【0046】
[0063]
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の全損失対流チラー140が動作可能であるとき、第1の冷却流体198は、第1のチラーチャネル入口144を通して第1のチラーチャネル143に供給される。第1の冷却流体198は、第1のチラーチャネル143を通って流れ、第1のチラーチャネル出口145を通って出る。この時点で、第1の冷却流体198の温度は、ワークピース190の温度よりも低い。第1の冷却流体198は、ワークピース190の一部と接触し、その部分を冷却する。
【0047】
[0064]
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の全損失対流チラー150が作動可能なときに、第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル入口154を通って第2のチラーチャネル153に供給される。第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル153を通って流れ、第2のチラーチャネル出口155を通って第2のチラーチャネル153に出る。この時点で、第2の冷却流体199の温度は、ワークピース190の温度よりも低い。第2の冷却流体199は、ワークピース190の一部に接触し、その部分を冷却する。
【0048】
[0065]第1のチラーチャネル入口144及び第2のチラーチャネル入口154のそれぞれは、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。より具体的な例では、第1のチラーチャネル入口144と第2のチラーチャネル入口154は、同じ流体源に結合されている。代替的には、異なる冷却流体源が、第1のチラーチャネル入口144と第2のチラーチャネル入口154に結合される。より具体的な例では、第1の冷却流体198は、第2の冷却流体199とは異なる。あるいは、第1の冷却流体198と第2の冷却流体199は、同じ組成を有する。1つ又は複数の例では、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199の流量は、独立して制御される。
【0049】
[0066]
図3A及び
図3Bに示される例を参照すると、第1の全損失対流チラー140は、第1のチラーチャネル入口144及び第1のチラーチャネル出口145をそれぞれ含む第1のチラーチャネル143の複数の実例を含む。この例では、これらのチャネルは、作動軸102の周りの環状体130の周囲に均等に分散される。複数のチャネルを使用すると、ワークピース190の周囲に冷却の均一性が提供される。同様に、
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の全損失対流チラー150は、第2のチラーチャネル153の複数の実例を含む。複数のチャネルのそれぞれは、第2のチラーチャネル入口154及び第2のチラーチャネル出口155を備える。これらの複数のチャネルは、作動軸102の周りに均等に分散される。
【0050】
[0067]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3F及び
図3Gを全体的に参照すると、第1のチラーチャネル出口145及び第2のチラーチャネル出口155のそれぞれは環状であり、作動軸102を取り囲む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例6を特徴付け、実施例6は、上記の実施例5による主題も含む。
【0051】
[0068]第1のチラーチャネル出口145及び第2のチラーチャネル出口155の環状構成は、それぞれ第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199が均一に分布するように使用される。具体的には、環状の第1のチラーチャネル出口145は、作動軸102の周りに第1の冷却流体198を連続的に分布させる。同様に、環状である第2のチラーチャネル出口155は、作動軸102の周りに第2の冷却流体199を連続的に分布させる。第1のチラーチャネル出口145及び第2のチラーチャネル出口155のそれぞれは、ワークピース190を囲む連続した開口部である。
【0052】
[0069]
図3F及び
図3Gを参照すると、第1の全損失対流チラー140は、第1のチラーチャネル入口144から第1の冷却流体198を供給するための第1のチラーチャネル143の1つ又は複数の実例を含む。更に、第1のチラーチャネル143は、環状であり作動軸102を取り囲む再分配チャネル146を含む。第1の冷却流体198は、第1のチラーチャネル143から再分配チャネル146に供給される。しかしながら、既存の第1の全損失対流チラー140が第1のチラーチャネル出口145を通過する前に、第1の冷却流体198は、再分配チャネル146内の作動軸102の周りを円形方向に流れる。したがって、第1の冷却流体198が第1のチラーチャネル出口145に出るとき、第1の冷却流体198の流れは、作動軸102の周りで連続的かつ均一である。1つ又は複数の例において、第2の全損失対流チラー150は、同様の方法で構成され動作する。
【0053】
[0070]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Dを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、第1の熱シール131及び第2の熱シール132を更に備える。第1の熱シール131は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140の第1のチラーチャネル出口145との間に作動軸102に沿って位置し、ワークピース190と接触するように構成される。第2の熱シール132は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150の第2のチラーチャネル出口145との間に作動軸102に沿って位置し、ワークピース190と接触するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例7を特徴付け、実施例7は、上記の実施例5による主題も含む。
【0054】
[0071]第1の熱シール131は、第1のチラーチャネル出口145からワークピース190に供給される第1の冷却流体198が、ヒーター160とワークピース190との間の空間に進入することを防止する。ヒーター160が第1のチラーチャネル出口145に近接して配置されることに留意されたい。更に、1つ又は複数の例では、第1のチラーチャネル出口145及びヒーター160の両方が、ワークピース190からの間隙によってオフセットされる。第1の熱シール131は、第1のチラーチャネル出口145とワークピース190との間の間隙を、ヒーター160とワークピース190との間の間隙から流体的に分離する。同様に、第2の熱シール132は、第2のチラーチャネル出口155からワークピース190に供給される第2の冷却流体199が、ヒーター160とワークピース190との間の同じ空間に進入することを防止する。結果として、第1のチラーチャネル出口145及び/又は第2のチラーチャネル出口155が動作可能であるときでさえ、ヒーター160の効率が維持される。
【0055】
[0072]1つ又は複数の例では、ワークピース190が環状体130を通って突出する場合、第1の熱シール131及び第2の熱シール132のそれぞれは、環状体130及びワークピース190の両方に直接接触し、それらに対してシールされる。第1の熱シール131及び第2の熱シール132の各々は、第1の熱シール131及び第2の熱シール132がワークピース190に対して作動軸102に沿って環状体130とともに並進しても、ワークピース190に対して更にシールされた状態を維持する。1つ又は複数の例では、第1の熱シール131及び第2の熱シール132は、ゴムなどの弾性材料から形成される。
【0056】
[0073]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Dを全体的に参照すると、第1の熱シール131及び第2の熱シール132のそれぞれは、環状であり、作動軸102を取り囲む。この段落の前述の記載は、本開示の実施例8を特徴付けており、実施例8は上記の実施例7による主題も含む。
【0057】
[0074]第1の熱シール131の環状構成は、第1の冷却流体198がワークピース190の周囲の任意の位置でヒーター160とワークピース190との間の空間に確実に流入しないようにする。言い換えれば、第1の熱シール131は、ワークピース190の全周囲でワークピース190と接触する。同様に、第2の熱シール132の環状構成は、第2の冷却流体199がワークピース190の周囲の任意の位置でヒーター160とワークピース190との間の空間に確実に流入しないようにする。第2の熱シール132は、ワークピース190の周囲全体でワークピース190と接触する。
【0058】
[0075]いくつかの例では、第1の熱シール131及び第2の熱シール132のそれぞれの形状は、ワークピース190の周囲の形状と同じである。この形状は、第1の熱シール131及び第2の熱シール132とワークピース190との間の均一な接触及びシールを保証する。1つ又は複数の例では、第1の熱シール131及び第2の熱シール132の内径は、ワークピース190の外径よりも小さく、締まり嵌め、第1の熱シール131及び第2の熱シール132の圧縮、並びにワークピース190に対する第1の熱シール131及び第2の熱シール132のそれぞれの密封を確実にする。
【0059】
[0076]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Dを全体的に参照すると、環状体130は、第1の環状溝133及び第2の環状溝134を更に備える。第1の環状溝133は、作動軸102に沿って第1のチラーチャネル出口145とヒーター160との間に配置される。第2の環状溝134は、作動軸102に沿ってヒーター160と第2のチラーチャネル出口155との間に配置される。第1の熱シール131の一部は第1の環状溝133内に受容され、第2の熱シール132の一部は第2の環状溝134内に受容される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例9を特徴付けており、実施例9は上記の実施例8による主題も含む。
【0060】
[0077]第1の環状溝133は、第1の熱シール131を少なくとも作動軸102に沿った方向に支持する。具体的には、第1の環状溝133は、環状体130に対する第1の熱シール131の位置を維持しながら、作動軸102に沿ってワークピース190に対して第1の熱シール131を並進可能にする。更に、第1の熱シール131とワークピース190との間のシール接合は保持される。したがって、第1の全損失対流チラー140及びヒーター160に対するシール接合の位置は保持される。同様に、第2の環状溝134は、環状体130に対する第2の熱シール132の位置を維持しながら、作動軸102に沿ってワークピース190に対して第2の熱シール132を並進可能にする。第2の熱シール132とワークピース190との間のシール接合も保持される。
【0061】
[0078]いくつかの例では、第1の環状溝133の形状は、第1の熱シール131の少なくとも一部の形状に対応し、それにより、第1の環状溝133内で環状体130と第1の熱シール131との間の接触面を最大化する。同様に、第2の環状溝134の形状は、第2の環状溝134内に位置する第2の熱シール132の少なくとも一部の形状に対応し、それにより環状体130と第2の熱シール132との間の接触面を最大化する。1つ又は複数の例において、第1の熱シール131は、第1の環状溝133内の環状体130に接着されるか、別の方法で取り付けられる。同様に、第2の熱シール132は、第2の環状溝134内の環状体130に接着されるか、別の方法で取り付けられる。
【0062】
[0079]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Dを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、第1の熱バリア137及び第2の熱バリア138を更に備える。第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140とを熱伝導的に分離し、ワークピース190から離間するように構成される。第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150とを熱伝導的に分離し、ワークピース190から離間するように構成される。第1の熱バリア137は、第1の熱シール131と接触している。第2の熱バリア138は、第2の熱シール132と接触している。この段落の前述の主題は、本開示の実施例10を特徴付け、実施例10は、上述の実施例7から9のいずれかによる主題も含む。
【0063】
[0080]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達を、両方が動作可能であるときに低減する。したがって、ヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率が改善される。同様に、第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の全損失対流チラー150の冷却効率を改善する。
【0064】
[0081]1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)などである。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、更には5ミリメートル未満である。第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離、並びにヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離は小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0065】
[0082]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A~3Cを全体的に参照すると、第1の全損失対流チラー140の第1のチラーチャネル入口144及び第2の全損失対流チラー150の第2のチラーチャネル入口154の各々が、圧縮ガスを受容するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例11を特徴付け、実施例11は、上述の実施例5から10のいずれかによる主題も含む。
【0066】
[0083]圧縮ガスは、第1のチラーチャネル143及び第2のチラーチャネル153からワークピース190に向かって放出されるときに、ワークピース190を冷却するために使用される。具体的には、圧縮ガスは、第1のチラーチャネル出口145から排出されると、第1の全損失対流チラー140とワークピース190との間の空間で膨張する。この膨張により、ガス温度が低下する。次いで、冷却されたガスは、ワークピース190の一部と接触し、この部分が効率的に冷却される。同様に、圧縮ガスは、第2のチラーチャネル出口155から排出されると、膨張し、第2の全損失対流チラー150とワークピース190との間の空間で冷却される。冷却されたガスは、ワークピース190の一部と接触し、その部分を効率的に冷却する。
【0067】
[0084]第1の全損失対流チラー140で使用される第1の冷却流体198又は第2の全損失対流チラー150で使用される第2の冷却流体199として動作可能な圧縮ガスのいくつかの例は、圧縮空気及び窒素である。これらのガスがワークピース190の冷却に使用されると、ガスは環境に放出される。1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150において異なる圧縮ガスが使用される。
【0068】
[0085]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Dを全体的に参照すると、第1の全損失対流チラー140の第1のチラーチャネル出口145は、第1の流量制限器142を含む。第2の全損失対流チラー150の第2のチラーチャネル出口155は、第2の流量制限器152を備える。この段落の前述の記載は、本開示の実施例12を特徴付け、実施例12は上記の実施例11による主題も含む。
【0069】
[0086]第1の流量制限器142は、第1の冷却流体198が第1のチラーチャネル143から排出されるとき、第1の冷却流体198(例えば、圧縮ガス)の流量を制限するために使用される。次に、この流量制限は、放出の前後で第1の冷却流体198の異なる圧力レベルを維持するために使用され、その結果、放出中に第1の冷却流体198の膨張及び冷却をもたらす。同様に、第2の冷却流体199が第2のチラーチャネル153から排出されるときに、第2の流量制限器152は、第2の冷却流体199(例えば、圧縮ガス)の流量を制限するために使用される。次に、この流量制限は、放出の前後で第2の冷却流体199の異なる圧力レベルを維持するために使用され、放出中に第2の冷却流体199の膨張及び冷却をもたらす。
【0070】
[0087]1つ又は複数の例において、第1の流量制限器142及び第2の流量制限器152は、それぞれ第1のチラーチャネル143及び第2のチラーチャネル153に統合される。より具体的な例では、第1の流量制限器142は、第1のチラーチャネル出口145に配置された第1のチラーチャネル143の狭窄部分である。同様に、第2の流量制限器152は、第2のチラーチャネル出口155に配置された第2のチラーチャネル153の狭窄部分である。代替的には、第1の流量制限器142及び第2の流量制限器152は、取り外し可能であり、かつ交換可能である。例えば、第1の流量制限器142及び第2の流量制限器152の一方又は両方は、例えば、異なるサイズのオリフィスを有し、その結果、異なる冷却レベルを有する他の流量制限器に置き換えられる。
【0071】
[0088]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A~3Cを全体的に参照すると、第1の全損失対流チラー140の第1のチラーチャネル出口145は、第1の膨張弁141を含む。第2の全損失対流チラー150の第2のチラーチャネル出口155は、第2の膨張弁151を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例13を特徴付け、実施例13は、上述の実施例11又は12による主題も含む。
【0072】
[0089]第1の膨張弁141は、第1の冷却流体198の流れを制御可能に制限するために使用される。この流れ制御により、第1の冷却流体198が膨張により第1の冷却チャネル143から放出されるときに、第1の冷却チャネル143からの放出の前後で第1の冷却流体198の圧力レベルが異なり、かつ第1の全損失対流チラー140の冷却力が異なる結果となる。全体として、第1の冷却流体198の流量及び圧力差(第1の冷却流体198の膨張の前後)は、第1の膨張弁141によって少なくとも部分的に制御される。同様に、第2の膨張弁151は、第2の冷却流体199の流れを制御可能に制限するために使用される。この流れ制御により、第2のチラーチャネル153からの放出前後に第2の冷却流体199の圧力レベルが異なり、かつ第2の全損失対流チラー150の冷却力が異なる結果となる。全体として、第2の冷却流体199の流量及び圧力差(第2の冷却流体199の膨張の前後)は、第2の膨張弁151によって少なくとも部分的に制御される。
【0073】
[0090]1つ又は複数の例では、第1の膨張弁141及び第2の膨張弁151は独立して制御され、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150には異なる冷却力が生じる。例えば、第1の膨張弁141及び第2の膨張弁151は、他の処理態様も制御するコントローラ180に結合される。第1の膨張弁141及び第2の膨張弁151のそれぞれは、完全に開く、完全に閉じる、又は複数の異なる中間位置を有するように動作可能である。
【0074】
[0091]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3Eを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、第1の熱バリア137及び第2の熱バリア138を更に備える。第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140とを熱伝導的に分離し、ワークピース190と接触するように構成される。第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150とを熱伝導的に分離し、ワークピース190と接触するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例14を特徴付け、実施例14は、上述の実施例1から9のいずれかによる主題も含む。
【0075】
[0092]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率を改善する。更に、例えば
図3Eに示すように、第1の熱バリア137がワークピース190まで延びて接触すると、第1の熱バリア137はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第1の冷却流体198の流れを防止する。言い換えれば、第1の熱バリア137は、シールとしても動作可能である。同様に、第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の全損失対流チラー150の冷却効率を改善する。例えば
図3Eに示されるように、第2の熱バリア138がワークピース190まで延びて接触すると、第2の熱バリア138はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第2の冷却流体199の流入を防止する。言い換えれば、第2の熱バリア138は、シールとしても動作可能である。
【0076】
[0093]1つ又は複数の例において、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあるが、これにより、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離、並びにヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離が確実に小さくなる。第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0077】
[0094]1つ又は複数の例において、第1の熱バリア137と第2の熱バリア138の内径は、ワークピース190の直径よりも小さく、第1の熱バリア137とワークピース190の間、及び別個に、第2の熱バリア138とワークピース190との間の締まり嵌め及びシールを確実にする。第1の熱バリア137がワークピース190まで延びて接触するとき、少なくとも第1の全損失対流チラー140の周りでは、環状体130とワークピース190との間に別個のシールは必要ない。同様に、第2の熱バリア138がワークピース190まで延びて接触するとき、少なくとも第2の全損失対流チラー150の周りでは、環状体130とワークピース190との間に別個のシールは必要ない。
【0078】
[0095]
図1A及び
図1B、特に例えば
図3A及び
図3Bを全体的に参照すると、環状体130は、隙間嵌めでワークピース190を受容する大きさの中央開口部147を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例15を特徴付けており、実施例15は、上述の実施例1から14のいずれかによる主題も含む。
【0079】
[0096]中央開口部147は、環状体130がワークピース190を囲むように、ワークピース190が環状体130を通って突出できるようにする。したがって、環状体130の様々な構成要素は、ワークピース190の全周囲にアクセスでき、全周囲を処理することができる。具体的には、第1の全損失対流チラー140は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の一部を選択的に冷却するように動作可能である。同様に、ヒーター160は、ワークピース190の周囲全体のワークピース190の別の部分を選択的に加熱するように動作可能である。最後に、第2の全損失対流チラー150は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の更に別の部分を選択的に冷却するように動作可能である。
【0080】
[0097]1つ又は複数の例において、特に加熱中にワークピース190が半径方向に膨張する場合、環状体130とワークピース190は隙間嵌めを有し、環状体130がワークピース190に対して自由に動くことができるようにする。より具体的には、半径方向における環状体130とワークピース190との間の間隙は、全周にわたって、1ミリメートルから10ミリメートルの間、より具体的には、2ミリメートルから8ミリメートルの間である。特定の例では、間隙は、前周囲で均一である。
【0081】
[0098]
図1A及び
図1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル110は、第1のアンビルベース117、及び作動軸102に沿って、第1のアンビルベース117から第2のアンビル120に向かって延びる第1のアンビル突出部115を備える。第1のアンビル突出部115は、第1のアンビルベース117の直径よりも小さく、環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい直径を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例16を特徴付けており、実施例16は上記の実施例15による主題も含む。
【0082】
[0099]第1のアンビル突出部115の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい場合、例えば
図5に概略的に示すように、第1のアンビル突出部115は、中央開口部147内に突出可能である。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例において、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の全部分は、第1の全損失対流チラー140、ヒーター160、及び第2の全損失対流チラー150などの環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0083】
[00100]1つ又は複数の例では、第1のアンビル突出部115の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110及び第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第1の全損失対流チラー140が第1のアンビル突出部115に面するとき、例えば、第1のアンビル突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0084】
[00101]
図1A及び
図1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル突出部115は、環状体130の寸法以上の作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例17を特徴付けており、実施例17は上記の実施例16による主題も含む。
【0085】
[00102]作動軸102に沿った第1のアンビル突出部115の最大寸法が環状体130の最大寸法以上である場合、第1のアンビル突出部115は、環状体130を通って完全に突出可能である。したがって、環状体130の3つの動作構成要素はすべて、例えば
図5に示されるように、第1のアンビル突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過する。したがって、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第1のアンビル突出部115の最大寸法は、環状体130の最大寸法よりも約5%から50%、又は、より具体的には約10%から30%大きい。
【0086】
[00103]
図1A及び1B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、第1のアンビル突出部115は、環状体130の寸法の少なくとも半分である作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例18を特徴付けており、実施例18は上述の実施例16による主題も含む。
【0087】
[00104]作動軸102に沿った第1のアンビル突出部115の最大寸法が環状体130の少なくとも半分である場合、第1のアンビル突出部115が環状体130の少なくとも半分を通って完全に突出する。そのため、外部接合点193は、少なくとも環状体130のヒーター160によって到達され加熱される。1つ又は複数の例において、ヒーター160は、作動軸102に沿って環状体130の中央に位置する。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第1のアンビル突出部115の最大寸法は、環状体130の半分よりも約5%~50%、又は、より具体的には約10%~30%大きい。
【0088】
[00105]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A及び
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル120は、第2のアンビルベース127、及び第2のアンビルベース127から作動軸102に沿って第1のアンビル110に向かって延びる第2のアンビル突出部125を備える。第2のアンビル突出部125は、第2のアンビル基部127の直径よりも小さく、環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい直径を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例19を特徴付けており、実施例19は、上述の実施例16から18のいずれかによる主題も含む。
【0089】
[00106]環状体130の中央開口部147の直径よりも小さい第2のアンビル突出部125の直径により、例えば
図6に概略的に示すように、第2のアンビル突出部125が中央開口部147に突出可能となる。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、第2のアンビル突出部125の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110と第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第2の全損失対流チラー150が第2のアンビル突出部125に面するとき、例えば、第1のアンビル突出部115とワークピース190との間の外部接合点196を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0090】
[00107]
図1A及び
図1B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル突出部125は、環状体130の寸法に等しい作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例20を特徴付けており、実施例20は上記の実施例19による主題も含む。
【0091】
[00108]作動軸102に沿った第2のアンビル突出部125の最大寸法が環状体130の最大寸法以上であるとき、第2のアンビル突出部125は、環状体130を通って完全に突出する。したがって、環状体130の3つの動作構成要素はすべて、第2のアンビル突出部125とワークピース190との間の外部接合点193を通過する。したがって、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第2のアンビル突出部125の最大寸法は、環状体130の最大寸法よりも約5%から50%、又は、より具体的には約10%から30%大きい。
【0092】
[00109]
図1A及び
図1B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、第2のアンビル突出部125は、環状体130の寸法の半分以上である作動軸102に沿った最大寸法を有する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例21を特徴付けており、実施例21は上記の実施例20による主題も含む。
【0093】
[00110]作動軸102に沿った第2のアンビル突出部125の最大寸法が環状体130の少なくとも半分である場合、第2のアンビル突出部125は、環状体130の少なくとも半分を通って突出する。そのため、外部接合点193は、少なくとも環状体130のヒーター160によって到達され加熱される。1つ又は複数の例において、ヒーター160は、作動軸102に沿って環状体130の中央に位置する。1つ又は複数の例では、作動軸102に沿った第2のアンビル突出部125の最大寸法は、環状体130の半分よりも約5%~50%、又は、より具体的には約10%~30%大きい。
【0094】
[00111]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図5及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、環状体130に結合され、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動させるように動作可能なリニアアクチュエータ170を更に備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例22を特徴付けており、実施例22は、上述の実施例1から21のいずれかによる主題も含む。
【0095】
[00112]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の個々の部分を一度に処理するように設計される。この部分は、動作温度ゾーン400によって画定され、1つ又は複数の例では、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部よりも小さい。ワークピース190の他の部分を処理するために、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動する。リニアアクチュエータ170は、この移動を提供するために環状体130に連結される。
【0096】
[00113]1つ又は複数の例において、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150のうちの1つ又は複数が動作可能である間に、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を連続的に移動するように構成される。リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を移動させるリニア速度は、部分的に、動作温度ゾーン400のサイズ及び処理される各部分の処理時間に依存する。ヒーター160の加熱出力、並びに第1の全損失対流チラー140、及び/又は第2の全損失対流チラー150の冷却出力が一定に保たれる一方で、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を移動させる。
【0097】
[00114]代替的には、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を断続的に移動させるように構成され、「ストップアンドゴー(stop-and-go)」と称することもできる。これらの例では、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、ワークピース190の異なる部分に対応するある場所から別の場所に移動し、ワークピースの対応する部分が処理されている間、各場所で静止状態を維持する。より具体的な例では、ある場所から別の場所に移動している間、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つは動作しない。少なくとも、リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150を移動させる間、ヒーター160の加熱出力及び第1の全損失対流チラー140、及び/又は第2の全損失対流チラー150の冷却出力は減少する。
【0098】
[00115]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、リニアアクチュエータ170と通信可能に接続され、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御するように構成されたコントローラ180を更に備える。この段落の前述の記載は、本開示の実施例23を特徴付けており、実施例23は上記の実施例22による主題も含む。
【0099】
[00116]コントローラ180は、ワークピース190の材料特性の修正に関連する様々なプロセスパラメータが所定の範囲内に確実に維持されるようにするため使用される。1つ又は複数の例では、コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御して、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間のワークピース190の各部分が事前に特定された処理パラメータに従って確実に処理されるようにする。例えば、環状体130の並進速度は、各部分がヒーター160の加熱作用と、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方又は両方の冷却作用を受ける時間を決定する。更に、1つ又は複数の例において、コントローラ180は、ヒーター160の加熱出力と、第1の全損失対流チラー140及び/又は第2の全損失対流チラー150の冷却出力とを制御する。
【0100】
[00117]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、通信可能にコントローラ180と接続された、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の少なくとも1つを更に備える。ヒーター温度センサ169は、ヒーター160と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。第1のチラー温度センサ149は、第1の全損失対流チラー140と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。第2のチラー温度センサ159は、第2の全損失対流チラー150と熱的に連結されたワークピース190の表面194の一部の温度を測定するように構成される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例24を特徴付けており、実施例24は上記の実施例23による主題も含む。
【0101】
[00118]コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力を使用して、処理部分の温度などの所望のパラメータに従ってワークピース190が確実に処理されるようにする。具体的には、これらの入力は、1つ又は複数の例において、例えば
図4Aに概略的に示されるように、ワークピース190内の動作温度ゾーン400の特定の形状を確保するために使用される。1つ又は複数の例では、コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力に基づいて、ヒーター160の加熱出力及び第1の全損失対流チラー140及び/又は第2の全損失対流チラー150の冷却出力を制御する。
【0102】
[00119]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、コントローラ180は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも1つと通信可能に接続される。コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の少なくとも1つから受信した入力に基づいて、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも1つの動作を制御するように構成される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例25を特徴付けており、実施例25は上記の実施例24による主題も含む。
【0103】
[00120]コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159のうちの1つ又は複数の入力を使用して、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160の動作を制御することにより、フィードバック制御ループを確立する。様々な要因が、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150のそれぞれから必要な冷却出力の量と、ヒーター160から必要な加熱出力の量に影響する。フィードバック制御ループは、高圧ねじり装置100の動作中に、これらの要因に動的に対処することができる。
【0104】
[00121]1つ又は複数の例において、ヒーター温度センサ169の出力は、他の構成要素とは別に、ヒーター160を制御するために使用される。第1のチラー温度センサ149の出力は、他の構成要素とは別に、第1の全損失対流チラー140を制御するために使用される。最後に、第2のチラー温度センサ159の出力は、他の構成要素とは別に、第2の全損失対流チラー150を制御するために使用される。代替的には、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の出力は、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160の統合制御のために、コントローラ180によって集合的に分析される。
【0105】
[00122]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方を制御するよう更に構成される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例26を特徴付けており、実施例26は上記の実施例25による主題も含む。
【0106】
[00123]処理パラメータの別の例は、処理期間であり、これは、ワークピース190の一部が動作温度ゾーン400の一部である期間として定義される。コントローラ180は、作動軸102に沿った環状体130の位置又は並進速度の少なくとも一方(又は両方)を制御して、処理期間が確実に所望の範囲内であるようにする。1つ又は複数の例では、コントローラ180はリニアアクチュエータ170に連結されて、この位置制御を保証する。
【0107】
[00124]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2A、
図2B及び
図2Cを全体的に参照すると、第1のアンビル110は、ワークピース190の第1の端部191を受容するための第1のアンビル開口部119を備える。第1のアンビル開口部119は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例27を特徴付けており、実施例27は、上述の実施例1から26のいずれかによる主題も含む。
【0108】
[00125]第1のアンビル開口部119の非円形断面は、第1のアンビル110がワークピース190の第1の端部191を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第1の端部191に加えることを保証する。具体的には、第1のアンビル開口部119の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第1の端部191が第1のアンビル110に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
図2Bを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Cを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0109】
[00126]
図1A及び
図1B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、ヒーター160は、抵抗ヒーター又は誘導ヒーターのうちの1つである。この段落の前述の主題は、本開示の実施例28を特徴付けており、実施例28は、上述の実施例1から27のいずれかによる主題も含む。
【0110】
[00127]抵抗ヒーター又は誘導ヒーターは、第1の全損失対流チラー140と第2の全損失対流チラー150との間の小さなスペースを占有しながら、高い加熱出力を提供することができる。第1の導電性チラー140と第2の導電性チラー150との間の空間は、1つ又は複数の例において、最小化される必要がある動作温度ゾーン400の高さを決定する。具体的には、動作温度ゾーン400の高さが低いほど、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で必要なトルク及び/又は圧縮は低くなる。
【0111】
[00128]
図1A及び
図1B、特に例えば
図4A及び
図7を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100は、作動軸102、第1のアンビル110、第2のアンビル120、及びヒーター160を備える。第2のアンビル120は、第1のアンビル110に面しており、作動軸102に沿って第1のアンビル110から離間している。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102に沿って互いに対して並進可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、作動軸102の周りで互いに対して回転可能である。ヒーター160は、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間で移動可能であり、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例29を特徴付けるものである。
【0112】
[00129]高圧ねじり装置100は、ワークピース190の一部を加熱しつつ、この加熱部分へのワークピース190の圧縮とトルクを加えることにより、ワークピース190を処理するように構成される。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。具体的には、ヒーター160は、作動軸102に沿って移動可能である。
【0113】
[00130]第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、それぞれの端部、例えば、第1の端部191及び第2の端部192で、ワークピース190と係合し及びそれらを保持するように設計される。ワークピース190が第1のアンビル110及び第2のアンビル120によって係合されるとき、第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、ワークピース190に圧縮力及びトルクを加えるためにも使用される。第1のアンビル110及び第2のアンビル120の一方又は両方は、移動可能である。一般に、第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、圧縮力を加え、異なる長さを有するワークピースと係合するために、互いに対して作動軸102に沿って移動可能である。第1のアンビル110及び第2のアンビル120はまた、互いに対して作動軸102の周りで回転可能である。1つ又は複数の例において、第1のアンビル110及び第2のアンビル120のうちの少なくとも1つは、例えば
図2Aに概略的に示されるように、ドライブ104に連結される。
【0114】
[00131]ヒーター160は、ワークピース190との直接接触又は放射のいずれかにより、ワークピース190を選択的に加熱するように構成される。放射加熱の場合、ヒーター160はワークピース190から離れており、ヒーター160とワークピース190との間に間隙が生じる。抵抗ヒーター、誘導ヒーターといった様々な種類のヒーターが、本開示の範囲内である。1つ又は複数の例では、ヒーター160の加熱出力は制御可能に調整することができる。上記のように、加熱出力は動作温度ゾーン400の形状を決定する。
【0115】
[00132]ヒーター160は、作動軸190に沿って移動可能であり、ワークピース190の異なる部分を処理する。例えば、
図7は、ヒーター160を移動させるためにヒーター160に連結されたリニアアクチュエータ170を示す。1つ又は複数の例では、ヒーター160は、ワークピース190を処理している間、作動軸102に沿って連続的に移動される。これらの例でヒーター160を移動する速度は、処理部分のサイズと処理時間に依存する。代替的には、ヒーター160は、ワークピース190の異なる部分に対応する場所から別の場所に移動する。ヒーター160が移動している間、又はヒーター160の少なくとも加熱出力が減少している間、ヒーター160は動作しない。更に、これらの代替例では、ワークピース190の各部分を処理している間、ヒーター160は静止している。
【0116】
[00133]
図8A及び
図8B、特に例えば
図2A、
図4A~
図4C、
図5及び
図6を全体的に参照すると、高圧ねじり装置100を使用してワークピース190の材料特性を修正する方法800が開示される。高圧ねじり装置100は、作動軸102、第1のアンビル110、第2のアンビル120、並びに第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及び第1の全損失対流チラー140と第2の全損失対流チラー150との間に作動軸102に沿って配置されたヒーター160を含む環状体130を備える。方法800は、ワークピース190の中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮し、同時に、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)と、ワークピース190を中心軸195の周りにねじること(ブロック820)とを含む。方法800は、ワークピース190を中心軸195に沿って圧縮し、ワークピース190を中心軸195の周りにねじりながら、ワークピース190の中心軸195と同一直線上にある高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)と、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)とを更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例30を特徴付けるものである。
【0117】
[00134]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。例えば、超微細粒材料は、より高い強度とより良好な延性を示すより粗い粒材料に比べてかなりの利点がある。最後に、高圧ねじり装置100は、そうでなければワークピース190が全体として同時に処理される場合に可能であろうよりも、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って延びる、長さなどの、大きな寸法を有するワークピース190を処理することができる。
【0118】
[00135]処理された部分は、一般に、ワークピース190に対するヒーター160の位置及びヒーター160の加熱出力によって、少なくとも部分的に画定される加熱部分に対応する。圧縮及びトルクがワークピース190全体に加えられる間に、材料特性の修正が主に加熱部分で起こる。より具体的には、修正は、動作温度ゾーン400として画定される所望の処理範囲内の温度を有する処理された部分で起こる。動作温度ゾーン400の様々な例が、
図4A~4Cに示される。
【0119】
[00136]方法800によれば、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)が、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。第1のアンビル110又は第2のアンビル120の少なくとも一方は、例えば、
図2Aに概略的に示されるように、圧縮力を提供するようにドライブ104に連結される。圧縮力は、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、処理された部分の温度、及び他のパラメータに依存する。
【0120】
[00137]方法800によれば、ワークピース190を中心軸195の周りにねじること(ブロック820)が、ワークピース190を中心軸195に沿って圧縮すること(ブロック810)と同時に実行される。方法800によれば、(ブロック820)ワークピース190をねじることはまた、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行される。上述のように、第1のアンビル110及び第2のアンビル120は、それぞれの端部でワークピース190と係合し、それらを保持し、第1のアンビル110及び第2のアンビル120の少なくともは、ドライブ104に連結される。トルクは、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、処理された部分の温度、及び他のパラメータに依存する。
【0121】
[00138]方法800によれば、ワークピース190をヒーター160で加熱すること(ブロック840)は、ワークピース190を圧縮すること(ブロック810)、及びワークピース190をねじること(ブロック820)と同時に実行される。これらのステップの組み合わせにより、ワークピース190の少なくとも処理された部分の結晶粒構造が変化する。処理された部分は、ワークピース190の残りの部分よりも高い温度にさらされることに留意されたい。よって、ワークピース190の残りの部分での結晶粒構造の変化は起こらないか、ほとんど起こらない。更に、1つ又は複数の例では、環状体130を並進すること(ブロック830)、及びヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、互いに同時に実行される。これらの例では、ワークピース190の処理は、連続的に実行される。
【0122】
[00139]ヒーター160は、ワークピース190との直接接触又は放射のいずれかにより、ワークピース190を一度に1つずつ選択的に加熱するように構成される。ワークピースの一部に加えられる温度、圧縮力、及びトルクの特定の組み合わせにより、材料のゲイン構造が変化し、処理された部分が形成される。ヒーター160は、作動軸102に沿って移動可能であり、ワークピース190の異なる部分を処理する。
【0123】
[00140]
図8A及び8B、特に例えば
図4A~4Cを全体的に参照すると、方法800は、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)、又はワークピース190を加熱することと同時に、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)の少なくとも1つを更に含む。この段落の前述の記載は、本開示の実施例31を特徴付けており、実施例31は上記の実施例30による主題も含む。
【0124】
[00141]ヒーター160と、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方又は両方との組み合わせにより、例えば
図4Aに概略的に示すように、動作温度ゾーン400によって画定される各処理部分のサイズ及び位置を制御することができる。ヒーター160がワークピース190の一部を選択的に加熱すると、ワークピース190は、加熱された部分から離れる内部熱伝達を受ける。ワークピース190の一方又は両方の隣接部分を冷却することにより、この内部熱伝達の影響を制御することができる。
【0125】
[00142]1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、同時に実行される。言い換えれば、第1の全損失対流チラー140と第2の全損失対流チラー150の両方が同時に動作可能である。例えば、環状体130は、第1のアンビル110及び第2のアンビル120から離れて配置され、第1のアンビル110及び第2のアンビル120から離れたワークピースの部分を処理するとき、第1のアンビル110及び第2のアンビル120のヒートシンク効果は無視することができる。
【0126】
[00143]代替的には、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方のみが動作可能であり、他方はオフにされる。言い換えれば、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)の一方のみが、ワークピース190を加熱すること(ブロック840)と同時に実行される。
【0127】
[00144]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A~
図3Cを全体的に参照すると、方法800に従って、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)は、第1の冷却流体198を第1の全損失対流チラー140を通してルート決めすること(ブロック852)と、ワークピース190の一部を第1の冷却流体198と接触させ、第1の全損失対流チラー140を出ること(ブロック854)とを含む。方法800によれば、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、第2の冷却流体199を第2の全損失対流チラー150を通してルート決定すること(ブロック862)と、ワークピース190の一部を第2の冷却流体199と接触させ、第2の全損失対流チラー150を出ること(ブロック864)とを含む。この段落の前述の記載は、本開示の実施例32を特徴付けており、実施例32は上記の実施例31による主題も含む。
【0128】
[00145]第1の冷却流体198とワークピース190との間、及び第2の冷却流体199とワークピース190との間が直接接触することで、これらの接触が生じるワークピース190のそれぞれの部分を効果的に冷却する。1つ又は複数の例では、第1の冷却流体198は、第1の全損失対流チラー140を通って流れ、第1の全損失対流チラー140からワークピース190に向かって放出される。第1の冷却流体198がワークピース190に接触すると、第1の冷却流体198の温度は、少なくともこの位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の対応する部分が冷却される。ワークピース190の別の部分がこの冷却部分に隣接して加熱され、ワークピース190が加熱部分と冷却部分との間の内部熱伝達を受けることに留意されたい。ワークピース190と接触した後に、第1の冷却流体198は、環境内に放出される。同様に、第2の冷却流体199は、第2の全損失対流チラー150を通って流れ、第2の全損失対流チラー150からワークピース190に向かって放出される。第2の冷却流体199がワークピース190と接触すると、第2の冷却流体199の温度は、少なくともこの位置で、ワークピース190の温度よりも低く、その結果、ワークピース190の別の部分が冷却される。ワークピース190の加熱部分はまた、この第2の冷却部分に隣接している。1つ又は複数の例では、加熱部分は、2つの冷却部分の間に配置される。
【0129】
[00146]
図8A及び
図8B、特に例えば
図4A~4Cを一般的に参照すると、方法800に従って、第1の冷却流体198を第1の全損失対流チラー140を通してルート決めすること(ブロック852)と、第2の冷却流体199を第2の全損失対流チラー150を通してルート決めすること(ブロック862)は、独立して制御される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例33を特徴付けており、実施例33は上記の実施例32による主題も含む。
【0130】
[00147]第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の独立した制御により、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150から異なる冷却出力を提供することが可能になる。これらの異なる冷却出力により、例えば
図4A~
図4Cに概略的に示されている動作温度ゾーン400の形状などの処理パラメータのより良好な制御が可能になる。
【0131】
[00148]
図4Aに示される1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140と第2の全損失対流チラー150の両方が動作可能であり、よって、第1の冷却流体198が第1の全損失対流チラー140を通って流れ、同時に、第2の冷却流体199が第2の全損失対流チラー150を通って流れる。特定の例では、第1の冷却流体198と第2の冷却流体199の流量は同じである。代替的には、流量は異なる。よって、1つ又は複数の例において、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199の流量は、独立して制御される。
【0132】
[00149]他の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方のみが動作可能である。
図4Bは、第1の全損失対流チラー140のみが動作し、第2の全損失対流チラー150が動作しない例を示す。この例では、第1の冷却流体198が第1の全損失対流チラー140を流れるが、第2の冷却流体199は第2の全損失対流チラー150を流れない。
図4Cは、第2の全損失対流チラー150のみが動作し、第1の全損失対流チラー140が動作しない別の例を示す。この例では、第2の冷却流体199は第2の全損失対流チラー150を通って流れるが、第1の冷却流体198は、第1の全損失対流チラー140を通って流れない。
【0133】
[00150]
図8A及び8B、特に例えば
図3A~3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199のそれぞれは、圧縮ガスである。この段落の前述の記載は、本開示の実施例34を特徴付けており、実施例34は上記の実施例33による主題も含む。
【0134】
[00151]圧縮ガスは、第1のチラーチャネル143及び第2のチラーチャネル153からワークピース190に向かって放出されるときに、ワークピース190を冷却するために使用される。具体的には、圧縮ガスは、第1のチラーチャネル出口145から排出されると、第1の全損失対流チラー140とワークピース190との間の空間で膨張する。この膨張により、ガス温度が低下する。ワークピース190の一部は、この膨張し冷却されたガスに接触し、この部分が冷却される。同様に、圧縮ガスは、第2のチラーチャネル出口155から排出されると、第2の全損失対流チラー150とワークピース190との間の空間で膨張し冷却され、ワークピース190の別の部分が冷却される。
【0135】
[00152]第1の全損失対流チラー140で使用される第1の冷却流体198又は第2の全損失対流チラー150で使用される第2の冷却流体199として動作可能な圧縮ガスのいくつかの例は、圧縮空気及び窒素である。これらのガスがワークピース190の冷却に使用されると、ガスは環境に放出される。1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150において異なる圧縮ガスが使用される。
【0136】
[00153]
図8A及び8B、特に例えば
図3A~3Cを全体的に参照すると、方法800によれば、環状体130は、ワークピース190を囲むように構成された中央開口部147を含む。方法800によれば、第1の冷却流体198を第1の全損失対流チラー140を通してルート決めすること(ブロック852)は、第1の冷却流体198を中央開口部147に放出すること(ブロック853)を含む。方法800によれば、第2の冷却流体199を第2の全損失対流チラー150を通してルート決めすること(ブロック862)は、第2の冷却流体199を中央開口部147に放出すること(ブロック863)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例35を特徴付け、実施例35は、上述の実施例33又は34による主題も含む。
【0137】
[00154]中央開口部147は、環状体130がワークピース190を囲むように、ワークピース190が環状体130を通って突出できるようにする。したがって、環状体130の構成要素は、ワークピース190の全周囲にアクセスすることができる。具体的には、第1の全損失対流チラー140は、第1の冷却流体198を中央開口部147に放出すること(ブロック853)により、ワークピース190の全周囲のワークピース190の一部を選択的に冷却するように動作可能である。同様に、ヒーター160は、ワークピース190の全周囲のワークピース190の別の部分を選択的に加熱するように動作可能である。最後に、第2の全損失対流チラー150は、第2の冷却流体199を中央開口部147に放出すること(ブロック863)により、ワークピース190の全周囲のワークピース190の更に別の部分を選択的に冷却するように動作可能である。更に、中央開口部147は、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199が放出されるための、環状体130とワークピース190との間の空間を形成する。
【0138】
[00155]1つ又は複数の例において、特に加熱中にワークピース190が半径方向に膨張する場合、環状体130とワークピース190は隙間嵌めを有し、環状体130がワークピース190に対して自由に動くことができるようにする。より具体的には、半径方向における環状体130とワークピース190との間の間隙は、全周にわたって、1ミリメートルから10ミリメートルの間、より具体的には、2ミリメートルから8ミリメートルの間である。特定の例では、間隙は、前周囲で均一である。更に、隙間嵌めは、第1の全損失対流チラー140とワークピース190との間の第1の冷却流体198の流れを収容し、別個に、第2の全損失対流チラー150とワークピース190との間の第2の冷却流体199の流れを収容する。
【0139】
[00156]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A~
図3Cを全体的に参照すると、方法800に従って、第1の全損失対流チラー140は、第1のチラーチャネル入口144、及び第1チラーチャネル入口144から離間した第1のチラーチャネル出口145を有する第1のチラーチャネル143を含む。第1のチラーチャネル出口145は、ワークピース190に向けられている。第2の全損失対流チラー150は、第2のチラーチャネル入口154と第2のチラーチャネル入口154から離間した第2のチラーチャネル出口155とを有する第2のチラーチャネル153を含む。第2のチラーチャネル出口155は、ワークピース190に向けられている。この段落の前述の記載は、本開示の実施例36を特徴付けており、実施例36は上記の実施例35による主題も含む。
【0140】
[00157]
図3A及び
図3Bを参照すると、第1の全損失対流チラー140が動作可能であるとき、第1の冷却流体198は、第1のチラーチャネル入口144を通して第1のチラーチャネル143に供給される。第1の冷却流体198は、第1のチラーチャネル143を通って流れ、第1のチラーチャネル143を通って第1のチラーチャネル出口145を通って出る。この時点で、第1の冷却流体198の温度はワークピース190の温度よりも低い。第1の冷却流体198は、ワークピース190の一部と接触し、その部分を冷却する。
【0141】
[00158]
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の全損失対流チラー150が作動可能なときに、第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル入口154を通って第2のチラーチャネル153に供給される。第2の冷却流体199は、第2のチラーチャネル153を通って流れ、第2のチラーチャネル出口155を通って第2のチラーチャネル153に出る。この時点で、第2の冷却流体199の温度は、ワークピース190の温度よりも低い。第2の冷却流体199は、ワークピース190の一部に接触し、その部分を冷却する。
【0142】
[00159]第1のチラーチャネル入口144及び第2のチラーチャネル入口154のそれぞれは、ライン又は導管、圧縮ガスシリンダー、ポンプなどのような冷却流体源に結合するように構成される。より具体的な例では、第1のチラーチャネル入口144と第2のチラーチャネル入口154は、同じ流体源に結合されている。代替的には、異なる冷却流体源が、第1のチラーチャネル入口144と第2のチラーチャネル入口154に結合される。より具体的な例では、第1の冷却流体198は、第2の冷却流体199とは異なる。あるいは、第1の冷却流体198と第2の冷却流体199は、同じ組成を有する。1つ又は複数の例では、第1の冷却流体198及び第2の冷却流体199の流量は、独立して制御される。
【0143】
[00160]
図3A及び
図3Bに示される例を参照すると、第1の全損失対流チラー140は、第1のチラーチャネル入口144及び第1のチラーチャネル出口145をそれぞれ含む第1のチラーチャネル143の複数の実例を含む。この例では、これらのチャネルは、作動軸102の周りの環状体130の周囲に均等に分散される。複数のチャネルを使用すると、ワークピース190の周囲に冷却の均一性が提供される。同様に、
図3A及び
図3Cを参照すると、第2の全損失対流チラー150は、第2のチラーチャネル153の複数の実例を含む。複数のチャネルのそれぞれは、第2のチラーチャネル入口154及び第2のチラーチャネル出口155を備える。これらの複数のチャネルは、作動軸102の周りに均等に分散される。
【0144】
[00161]概して
図8A及び
図8B、特に例えば
図3Dを参照すると、方法800により、第1の冷却流体198を中央開口部147に放出すること(ブロック853)は、第1のチラーチャネル出口145で第1の流量制限器142によって制御される。方法800によれば、第2の冷却流体199を中央開口部147に放出すること(ブロック863)は、第2のチラーチャネル出口155で第2の流量制限器152によって制御される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例37を特徴付けており、実施例37は上記の実施例36による主題も含む。
【0145】
[00162]第1の流量制限器142は、第1の冷却流体198が第1のチラーチャネル143から排出されるとき、第1の冷却流体198(例えば、圧縮ガス)の流量を制限するために使用される。次に、この流量制限は、放出の前後で第1の冷却流体198の異なる圧力レベルを維持するために使用され、放出中に第1の冷却流体198の膨張及び冷却をもたらす。同様に、第2の冷却流体199が第2のチラーチャネル153から排出されるときに、第2の流量制限器152は、第2の冷却流体199(例えば、圧縮ガス)の流量を制限するために使用される。次に、この流量制限は、放出の前後で第2の冷却流体199の異なる圧力レベルを維持するために使用され、放出中に第2の冷却流体199の膨張及び冷却をもたらす。
【0146】
[00163]1つ又は複数の例において、第1の流量制限器142及び第2の流量制限器152は、それぞれ第1のチラーチャネル143及び第2のチラーチャネル153に統合される。より具体的な例では、第1の流量制限器142は、第1のチラーチャネル出口145に配置された第1のチラーチャネル143の狭窄部分である。同様に、第2の流量制限器152は、第2のチラーチャネル出口155に配置された第2のチラーチャネル153の狭窄部分である。代替的には、第1の流量制限器142及び第2の流量制限器152は、取り外し可能であり、かつ交換可能である。例えば、第1の流量制限器142は、例えば、異なるサイズのオリフィスを有し、その結果、異なる冷却レベルを有する別の流量制限器と交換される。
【0147】
[00164]概して
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A~
図3Cを全体的に参照すると、方法800に従って、第1の冷却流体198を中央開口部147に放出すること(ブロック853)は、第1のチラーチャネル出口145の第1の膨張弁141によって制御される。方法800によれば、第2の冷却流体199を中央開口部147に放出すること(ブロック863)は、第2のチラーチャネル出口155で第2の膨張弁151によって制御される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例38を特徴付けており、実施例38は上記の実施例36による主題も含む。
【0148】
[00165]この段落の前述の記載は、本開示の実施例38を特徴付けており、実施例38は上記の実施例36による主題も含む。この流れ制御により、第1のチラーチャネル143からの放出前後に第1の冷却流体198の圧力レベルが異なり、かつ第1の全損失対流チラー140の冷却力が異なる結果となる。全体として、第1の冷却流体198の流量及び圧力差(第1の冷却流体198の膨張の前後)は、第1の膨張弁141によって少なくとも部分的に制御される。同様に、第2の膨張弁151は、第2の冷却流体199の流れを制御可能に制限するために使用される。この流れ制御により、第2のチラーチャネル153からの放出前後に第2の冷却流体199の圧力レベルが異なり、かつ第2の全損失対流チラー150の冷却力が異なる結果となる。全体として、第2の冷却流体199の流量及び圧力差(第2の冷却流体199の膨張の前後)は、第2の膨張弁151によって少なくとも部分的に制御される。
【0149】
[00166]1つ又は複数の例では、第1の膨張弁141及び第2の膨張弁151は独立して制御され、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150には異なる冷却力が生じる。第1の膨張弁141及び第2の膨張弁151のそれぞれは、完全に開く、完全に閉じる、又は複数の異なる中間位置を有するように動作可能である。
【0150】
[00167]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び
図3Dを全体的に参照すると、方法800により、高圧ねじり装置100は、第1の熱シール131及び第2の熱シール132を更に備える。第1の熱シール131は、作動軸102に沿ってヒーター160と第1のチラーチャネル出口145との間に配置され、ワークピース190と接触しており、これにより、第1の熱シール131は、第1の冷却流体198がヒーター160とワークピース190との間の空間に流入することを防止する。第2の熱シール132は、作動軸102に沿ってヒーター160と第2のチラーチャネル出口155との間に配置され、ワークピース190と接触しており、これにより、第2の熱シール132は、第2の冷却流体199がヒーター160とワークピース190との間の空間に流入することを防止する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例39を特徴付けており、実施例39は、上述の実施例36から38のいずれかによる主題も含む。
【0151】
[00168]第1の熱シール131は、第1のチラーチャネル出口145からワークピース190に供給される第1の冷却流体198が、ヒーター160とワークピース190との間の空間に進入することを防止する。ヒーター160が第1のチラーチャネル出口145に近接して配置されることに留意されたい。同様に、第2の熱シール132は、第2のチラーチャネル出口155からワークピース190に供給される第2の冷却流体199が、ヒーター160とワークピース190との間の同じ空間に進入することを防止する。結果として、第1のチラーチャネル出口145及び/又は第2のチラーチャネル出口155が動作可能であるときでさえ、ヒーター160の効率が維持される。
【0152】
[00169]1つ又は複数の例では、ワークピース190が環状体130を通って突出する場合、第1の熱シール131及び第2の熱シール132のそれぞれは、環状体130及びワークピース190の両方に直接接触し、それらに対してシールされる。第1の熱シール131及び第2の熱シール132は、第1の熱シール131及び第2の熱シール132がワークピース190に対して作動軸102に沿って環状体130とともに並進しても、ワークピース190に対して更にシールされた状態を維持する。1つ又は複数の例では、第1の熱シール131及び第2の熱シール132は、ゴムなどの弾性材料から形成される。
【0153】
[00170]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び
図3Dを全体的に参照すると、方法800は、第1の熱バリア137を使用して、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140とを互いに熱伝導的に分離すること(ブロック870)を更に含み、他方で、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)、又は第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)の少なくとも1つと同時に実行される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例40を特徴付けており、実施例40は上記の実施例39による主題も含む。
【0154】
[00171]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率を改善する。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第1の熱バリア137に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0155】
[00172]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び3Dを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の熱バリア137は、第1の熱シール131に接触する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例41を特徴付けており、実施例41は上記の実施例40による主題も含む。
【0156】
[00173]第1の熱バリア137が第1の熱シール131に接触すると、ワークピースの冷却部分のサイズが最大化される。具体的には、第1の冷却流体198は、第1の熱シール131を通過しない。したがって、第1の熱シール131は、冷却部分の境界を画定する。同時に、第1の熱バリア137は、第1の全損失対流チラー140とヒーター160との間の直接的な熱伝達を防止する。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、第1の熱シール131が作動軸102に沿ってワークピース190に対して移動するときに、第1の熱シール131を軸方向に支持する。
【0157】
[00174]1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、第1の熱シール131に接着される。このように、第1の熱バリア137は、第1の熱シール131が作動軸102に沿ってワークピース190に対して両軸方向に移動するとき、第1の熱シール131を軸方向に支持することができる。
【0158】
[00175]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び3Dを全体的に参照すると、方法800は、第2の熱バリア138を使用して、ヒーター160及び第2の全損失対流チラー150を互いから熱伝導的に分離すること(ブロック875)を更に含み、他方で、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)、又は第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)の少なくとも1つと同時に実行される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例42を特徴付けており、実施例42は、上述の実施例39から41のいずれかによる主題も含む。
【0159】
[00176]第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の全損失対流チラー150の冷却効率を改善する。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第2の断熱層138に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0160】
[00177]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び3Dを全体的に参照すると、方法800によれば、第2の熱バリア138は、第2の熱シール132に接触する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例43を特徴付けており、実施例43は上記の実施例42による主題も含む。
【0161】
[00178]第2の熱バリア138が第2の熱シール132に接触すると、ワークピースの冷却部分のサイズが最大化される。具体的には、第2の冷却流体199は、作動軸102に沿った軸方向に第2の熱シール132を通過することはない。したがって、第2の熱シール132は、冷却部分の境界を画定する。同時に、第2の熱バリア138は、第2の全損失対流チラー150とヒーター160との間の直接的な熱伝達を防止する。更に、1つ又は複数の例において、第2の熱バリア138は、第2の熱シール132が作動軸102に沿ってワークピース190に対して移動するとき、第2の熱シール132を軸方向に支持する。
【0162】
[00179]1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、第2の熱シール132に接着される。このように、第2の熱バリア138は、第2の熱シール132が作動軸102に沿ってワークピース190に対して両軸方向に移動するとき、第2の熱シール132を軸方向に支持することができる。
【0163】
[00180]
図8A及び8B、特に例えば
図4A~4Cを全体的に参照すると、方法800によれば、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)又は第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)から独立している。この段落の前述の主題は、本開示の実施例44を特徴付けており、実施例44は、上述の実施例31から43のいずれかによる主題も含む。
【0164】
[00181]
図4A~4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、少なくとも部分的に、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150の加熱出力及び冷却出力によって制御される。ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150の独立した動作により、動作温度ゾーン400のより正確な制御が可能になる。例えば、ワークピース190のいくつかの部分は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150の3つすべてが動作している状態で処理される。他の例では、例えば第1のアンビル110又は第2のアンビル120に近接する他の部分は、第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150のうちの1つをオフにして処理される。
【0165】
[00182]第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の動作は、個別に制御可能である。更に、第1の全損失対流チラー140の冷却出力は制御可能に変更できる。同様に、第2の全損失対流チラー150の冷却出力は制御可能に変更できる。
【0166】
[00183]
図8A及び
図8B、特に例えば
図4B及び
図4Cを全体的に参照すると、方法800によれば、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)は、ワークピース190が第1の全損失対流チラー140又は第2の全損失対流チラー150のうちの少なくとも1つによって冷却されない間に実行される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例45を特徴付けており、実施例45は上記の実施例44による主題も含む。
【0167】
[00184]
図4B及び
図4Cに概略的に示される動作温度ゾーン400の形状は、少なくとも部分的に、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150の加熱作用及び冷却作用によって制御される。形状はまた、ワークピース190内、及びワークピース190と、ワークピース190と係合する他の構成要素、例えば第1のアンビル110及び第2のアンビル120などとの間の熱伝達によって制御される。
図4Bを参照すると、ヒーター160が、第2のアンビル120の近くに位置するか又は係合するワークピース190の一部を加熱すると、第2のアンビル120もまた、ヒートシンクとして動作し、ワークピース190から第2のアンビル120への熱伝達をもたらす。この例では、ヒーター160よりも第2のアンビル120の近くに配置された、又は
図4Bに示すように第2のアンビル120の周囲にすでに配置された第2の全損失対流チラー150は、オフになり、ワークピース190は冷却されない。代替的には、
図4Cを参照すると、ヒーター160よりも第2のアンビル120に近接して位置する、又は既に第2のアンビル120の周りに位置する、第2の全損失対流チラー150がオンになり、例えば第2のアンビル120の損傷を防ぐために、第2のアンビル120を冷却する。
【0168】
[00185]第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の動作は、個別に制御される。一例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方が動作可能であり、ワークピース190のそれぞれの部分を冷却している。別の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の一方は動作可能であるが、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の他方は動作しない。例えば、環状体130が第1のアンビル110に接近するとき、及び/又は第1のアンビル110が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第2の全損失対流チラー150が動作可能である間は、第1の全損失対流チラー140は動作しない。代替的には、例えば、環状体130が第2のアンビル120に接近するとき、及び/又は第2のアンビル120が環状体130を通って少なくとも部分的に突出するときなどに、第1の全損失対流チラー140が動作可能である一方で、第2の全損失対流チラー150は動作しない。更に、1つ又は複数の例において、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の両方は、ヒーター160が動作可能である間には、動作しない。1つ又は複数の例では、第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150のそれぞれの動作は、(例えば、第1のアンビル110又は第2のアンビル120に対する)環状体130の位置及び/又は以下で更に説明する温度フィードバックに基づいて制御される。更に、第1の全損失対流チラー140の冷却出力は制御可能に変更できる。同様に、第2の全損失対流チラー150の冷却出力は制御可能に変更できる。
【0169】
[00186]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び3Dを全体的に参照すると、方法800は、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)が、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)と同時に実行される一方で、第1の熱バリア137を使用して、ヒーター160及び第1の全損失対流チラー140を互いに熱伝導的に分離すること(ブロック870)を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例46を特徴付けており、実施例46は、上述の実施例31から38のいずれかによる主題も含む。
【0170】
[00187]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140が動作している間、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達を低減する。ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達の間に第1の熱バリア137を追加すると、第1の熱バリア137を使用して、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140を互いに熱伝導的に分離する(ブロック870)。その結果、ヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率が改善される。
【0171】
[00188]1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第1の熱バリア137に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第1の熱バリア137及び/又は第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0172】
[00189]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3Eを全体的に参照すると、方法800によれば、第1の熱バリア137はワークピース190と接触する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例47を特徴付けており、実施例47は上記の実施例46による主題も含む。
【0173】
[00190]第1の熱バリア137は、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率を改善する。更に、例えば
図3Eに示すように、第1の熱バリア137がワークピース190まで延びて接触すると、第1の熱バリア137はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第1の冷却流体198の流れを防止する。言い換えれば、第1の熱バリア137は、シールとしても動作可能である。
【0174】
[00191]1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第1の熱バリア137の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあり、ヒーター160と第1の全損失対流チラー140との間の距離が確実に小さくなる。第1の全損失対流チラー140がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0175】
[00192]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3A及び
図3Eを全体的に参照すると、方法800は、ヒーター160でワークピース190を加熱すること(ブロック840)が、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)と同時に実行される一方で、第12の熱バリア138を使用して、ヒーター160及び第2の全損失対流チラー150を互いに熱伝導的に分離すること(ブロック875)を更に含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例48を特徴付けており、実施例48は、上述の実施例46又は47による主題も含む。
【0176】
[00193]第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の全損失対流チラー150の冷却効率を改善する。ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達の間に第2の熱バリア138を追加すると、第2の熱バリア137を使用して、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150を互いに熱伝導的に分離する(ブロック875)。その結果、ヒーター160の加熱効率及び第1の全損失対流チラー140の冷却効率が改善される。
【0177】
[00194]1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。第2の熱バリア138に適した材料のいくつかの例は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体)である。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえある。第2の熱バリア138の厚さが薄いことにより、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離が小さくなり、それにより動作温度ゾーン400の高さが減少することが確実になる。
【0178】
[00195]
図8A及び
図8B、特に例えば
図3Eを全体的に参照すると、方法800によれば、第2の熱バリア138はワークピース190に接触する。この段落の前述の記載は、本開示の実施例49を特徴付けており、実施例49は上記の実施例48による主題も含む。
【0179】
[00196]第2の熱バリア138は、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の熱伝達を低減し、それによってヒーター160の加熱効率及び第2の全損失対流チラー150の冷却効率を改善する。更に、例えば
図3Eに示されるように、第2の熱バリア138がワークピース190まで延びて接触すると、第2の熱バリア138はまた、ヒーター160とワークピース190との間の空間への第2の冷却流体199の流入を防止する。言い換えれば、第2の熱バリア138は、シールとしても動作可能である。
【0180】
[00197]1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138は、断熱材料、例えば、1W/m*K未満の熱伝導率を有する材料から形成される。適切な材料のいくつかの例は、繊維ガラス、ミネラルウール、セルロース、ポリマーフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム)である。1つ又は複数の例では、第2の熱バリア138の厚さは薄く、例えば10ミリメートル未満、又は5ミリメートル未満でさえあり、ヒーター160と第2の全損失対流チラー150との間の距離が確実に小さくなる。第2の全損失対流チラー150がヒーター160に近接することにより、動作温度ゾーン400の高さ(軸方向寸法)が確実に小さくなる。
【0181】
[00198]
図8A及び
図8B、特に例えば
図2Aを全体的に参照すると、方法800は、高圧ねじり装置100のコントローラ180で、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159からの入力を受信すること(ブロック880)を更に含む。ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159のそれぞれは、コントローラ180と通信可能に接続される。方法800は、コントローラ180を使用して、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、及び第2のチラー温度センサ159からの入力に基づいて、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、又は第2の全損失対流チラー150の少なくとも1つの動作を制御すること(ブロック885)を更に含む。ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150のそれぞれは、コントローラ180と通信可能に接続され、コントローラ180によって制御される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例50を特徴付けており、実施例50は、上述の実施例31から49のいずれかによる主題も含む。
【0182】
[00199]コントローラ180は、ワークピース190の材料特性の修正に関連する様々なプロセスパラメータが所定の範囲内に確実に維持されるようにするため使用される。特に、コントローラ180は、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の1つ又は複数からの入力を使用して、処理部分の温度などの所望のパラメータに従ってワークピース190が確実に処理されるようにする。具体的には、これらの入力は、1つ又は複数の例で、動作温度ゾーン400の特定の形状を確保するために使用される。
【0183】
[00200]1つ又は複数の例において、ヒーター温度センサ169の出力は、他の構成要素とは別に、ヒーター160を制御するために使用される。1つ又は複数の例において、ヒーター温度センサ169の出力は、他の構成要素とは別に、ヒーター160を制御するために使用される。最後に、第2のチラー温度センサ159の出力は、他の構成要素とは別に、第2の全損失対流チラー150を制御するために使用される。代替的には、ヒーター温度センサ169、第1のチラー温度センサ149、又は第2のチラー温度センサ159の出力は、第1の全損失対流チラー140、第2の全損失対流チラー150、及びヒーター160の統合制御のために、コントローラ180によって集合的に分析される。
【0184】
[00201]一般に
図8A及び
図8B、特に例えば
図2A、
図5及び
図6を参照すると、方法800に従って、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、コントローラ180に通信可能に接続され制御されるリニアアクチュエータ170を使用して実行される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例51を特徴付けており、実施例51は上記の実施例50による主題も含む。
【0185】
[00202]ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、一度にワークピース190の別個の部分を処理するように設計される。この部分は、動作温度ゾーン400によって画定され、1つ又は複数の例では、作動軸102に沿って第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の一部よりも小さい。ワークピース190の追加部分を処理するために、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、リニアアクチュエータ170を使用して、作動軸102に沿って、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を移動する。
【0186】
[00203]1つ又は複数の例において、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150のうちの1つ又は複数が動作可能である間に、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を連続的に移動するように構成される。リニアアクチュエータ170がヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を移動させるリニア速度は、部分的に、動作温度ゾーン400のサイズ及び処理される各部分に要する処理時間に依存する。
【0187】
[00204]代替的には、リニアアクチュエータ170は、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150を断続的に移動させるように構成され、「ストップアンドゴー(stop-and-go)」方式と呼ぶこともできる。これらの例では、ヒーター160、第1の全損失対流チラー140、及び第2の全損失対流チラー150は、ワークピース190の異なる部分に対応するある場所から別の場所に移動し、ワークピースの対応する部分が処理されている間、各場所で静止状態を維持する。より具体的な例では、ある場所から別の場所に移動している間、ヒーター160、第1の導電性チラー140、及び/又は第2の導電性チラー150の少なくとも1つは動作しない。
【0188】
[00205]
図8A及び
図8B、特に例えば
図2A、
図5及び
図6を全体的に参照すると、方法800は、ワークピース190の第1の端部191を高圧ねじり装置100の第1のアンビル110と係合させること(ブロック890)と、ワークピース190の第2の端部192を高圧ねじり装置100の第2のアンビル120と係合させること(ブロック895)とを更に含む。方法800によれば、ワークピース190の中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)と、中心軸195の周りにワークピース190をねじること(ブロック820)とは、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例52を特徴付けており、実施例52は、上述の実施例31から51のいずれかによる主題も含む。
【0189】
[00206]方法800は、ワークピース190全体ではなく、ワークピース190の一部に加えられる圧縮、トルク、及び熱の組み合わせを利用する。ワークピース190全体を同時に加熱及び処理するのではなく、ワークピース190の一部のみを加熱することにより、すべての高圧ねじり変形が狭い加熱層のみに限定され、微粒子現像(fine-grain development)に必要な高い歪みが付与される。この圧縮及びトルクの減少は、より複雑でなく費用のかからない高圧ねじり装置100の設計につながる。更に、この圧縮とトルクの減少により、温度、圧縮負荷、トルク、処理時間などの処理パラメータをより正確に制御できる。したがって、ワークピース190のより具体的で制御された材料の微細構造が可能となる。
【0190】
[00207]方法800によれば、中心軸195に沿ってワークピース190を圧縮すること(ブロック810)が、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。第1のアンビル110及び第2のアンビル120の少なくとも一方は、例えば、
図2Aに概略的に示されるように、圧縮力を提供するようにドライブ104に連結される。圧縮力は、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った高さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、及び他のパラメータに依存する。同様に、中心軸195の周りにワークピース190をねじること(ブロック820)は、第1のアンビル110及び第2のアンビル120を使用して実行され、例えば、第1の端部191及び第2の端部192などのそれぞれの端部でワークピース190と係合し、それを保持する。トルクは、処理された部分のサイズ(例えば、中心軸195に沿った長さと、中心軸195に垂直な断面積)、ワークピース190の材料、及び他のパラメータに依存する。
【0191】
[00208]
図8A及び
図8B、特に例えば
図5を全体的に参照すると、方法800によれば、第1のアンビル110は、第1のアンビルベース117、及び作動軸102に沿って、第1のアンビルベース117から第2のアンビル120に向かって延びる第1のアンビル突出部115を備える。環状体130は、中央開口部147を含む。方法800によれば、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、環状体130の中央開口部147に第1のアンビル突出部115を前進させること(ブロック832)を含む。この段落の前述の記載は、本開示の実施例53を特徴付けており、実施例53は上記の実施例52による主題も含む。
【0192】
[00209]第1のアンビル突出部115の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さいことにより、例えば
図5に概略的に示されるように、環状体130が第1のアンビルベース117に向かって前進するときなどに、第1のアンビル突出部115が中央開口部147に突出可能になる。この特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の任意の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0193】
[00210]1つ又は複数の例では、第1のアンビル突出部115の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110及び第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、第1の全損失対流チラー140が第1のアンビル突出部115に面するとき、例えば、第1のアンビル突出部115とワークピース190との間の外部接合点193を通過すると、シールの連続性が確保される。
【0194】
[00211]
図8A及び8B、特に、例えば
図5を参照すると、方法800によれば、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)は、第1のアンビル突出部115を第1の全損失対流チラー140の中央開口部147に前進させる(ブロック832)間に、中断される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例54を特徴付けており、実施例54は上記の実施例53による主題も含む。
【0195】
[00212]第1のアンビル突出部115が第1の全損失対流チラー140の中央開口部147に前進するときなど、ワークピース190の加熱部分が第1のアンビル110に近接するときに、第1のアンビル110はヒートシンクとして動作する。動作温度ゾーン400の形状を維持するために、第1の全損失対流チラー140でワークピース190を冷却すること(ブロック850)が中断される。内部熱伝達の効果は、その時点で第1のアンビル110によって軽減される。第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の動作は、個別に制御される。
【0196】
[00213]
図8A及び
図8B、特に例えば
図6を全体的に参照すると、方法800によれば、第2のアンビル120は、第2のアンビルベース127、及び第2のアンビルベース127から作動軸102に沿って第1のアンビル110に向かって延びる第2のアンビル突出部125を備える。環状体130は、中央開口部147を含む。方法800によれば、高圧ねじり装置100の作動軸102に沿って環状体130を並進させること(ブロック830)は、環状体130の中央開口部147に第2のアンビル突出部125を前進させること(ブロック834)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例55を特徴付けており、実施例55は、上述の実施例52から54のいずれかによる主題も含む。
【0197】
[00214]第2のアンビル突出部125の直径が環状体130の中央開口部147の直径よりも小さいことにより、例えば
図5に概略的に示されるように、環状体130が第2のアンビルベース127に向かって前進するときなどに、第2のアンビル突出部125が中央開口部147に突出可能になるこの特性により、ワークピース190の処理される長さを最大化することができる。具体的には、1つ又は複数の例では、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延びるワークピース190の任意の部分は、環状体130の各処理構成要素にアクセス可能である。
【0198】
[00215]1つ又は複数の例では、第2のアンビル突出部125の直径は、第1のアンビル110と第2のアンビル120との間を延び、第1のアンビル110と第2のアンビル120と係合しないワークピース190の部分の直径と同じである。これにより、高圧ねじり装置100のシール及び他の特性が確保される。
【0199】
[00216]
図8A及び
図8B、特に、例えば
図4B及び
図6を参照すると、方法800によれば、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)は、第2のアンビル突出部125を第2の全損失対流チラー150の中央開口部147に前進させる(ブロック834)間に、中断される。この段落の前述の記載は、本開示の実施例56を特徴付けており、実施例56は上記の実施例55による主題も含む。
【0200】
[00217]第2のアンビル突出部125が第2の全損失対流チラー150の中央開口部147に前進するときなど、ワークピース190の加熱部分が第2のアンビル120に近接するときに、第2のアンビル120はヒートシンクとして動作する。動作温度ゾーン400の形状を維持するために、第2の全損失対流チラー150でワークピース190を冷却すること(ブロック860)が中断される。内部熱伝達の効果は、その時点で第2のアンビル120によって軽減される。第1の全損失対流チラー140及び第2の全損失対流チラー150の動作は、個別に制御される。
【0201】
[00218]
図8A及び
図8B、特に例えば
図2A~2Cを全体的に参照すると、方法800によれば、第1のアンビル110は、ワークピース190の第1の端部191に係合する第1のアンビル開口部119を含む。第1のアンビル開口部119は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例57を特徴付けており、実施例57は、上述の実施例52から56のいずれかによる主題も含む。
【0202】
[00219]第1のアンビル開口部119の非円形断面は、第1のアンビル110がワークピース190の第1の端部191を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第1の端部191に加えることを保証する。具体的には、第1のアンビル開口部119の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第1の端部191が第1のアンビル110に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
【0203】
[00220]
図2Bを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Cを参照すると、開口部119の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0204】
[00221]
図8A及び
図8B、特に例えば
図2A、
図2D及び
図2Eを全体的に参照すると、方法800によれば、第2のアンビル120は、ワークピース190の第2の端部192に係合する第2のアンビル開口部129を含む。第2のアンビル開口部129は、作動軸102に垂直な平面内で非円形断面を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例58を特徴付けており、実施例58は、上述の実施例52から57のいずれかによる主題も含む。
【0205】
[00222]第2のアンビル開口部129の非円形断面は、第2のアンビル120がワークピース190の第2の端部192を受容しつつ係合し、ワークピース190を作動軸102の周りに捻りながらトルクを第2の端部192に加えることを保証する。具体的には、第2のアンビル開口部129の非円形断面により、トルクが加えられたときに、ワークピース190の第2の端部192が第2のアンビル120に対して確実に滑らないようにする。非円形断面により、トルク伝達をサポート可能な複雑な滑り止めカップリングの必要性が事実上排除される。
【0206】
[00223]
図2Dを参照すると、開口部129の非円形断面は、1つ又は複数の例では、楕円形である。
図2Eを参照すると、第2の開口部129の非円形断面は、1つ又は複数の例では、長方形である。
【0207】
[00224]本開示は、以下の例示的な非網羅的、列挙された実施例を更に含み、それらは特許請求されてもよく、されなくてもよい。
【0208】
[00225]実施例1. 高圧ねじり装置(100)であって、
作動軸(102)と、
第1のアンビル(110)と、
第1のアンビル(110)に面し、作動軸(102)に沿って第1のアンビル(110)から離間した第2のアンビル(120)と
を含み、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)に沿って互いに対して並進可能であり、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)の周りで互いに対して回転可能であり、
環状体(130)であって、
第1の全損失対流チラー(140)であって、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
ワークピース(190)と熱対流的に連結するように構成され、かつ
ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第1の全損失対流チラー(140)と、
第2の全損失対流チラー(150)であって、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、
ワークピース(190)と熱対流的に連結するように構成され、かつ
ワークピース(190)を選択的に冷却するように構成された、第2の全損失対流チラー(150)と、
ヒーター(160)であって、
作動軸(102)に沿って、第1の全損失対流チラー(140)と第2の全損失対流チラー(150)との間に配置され、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で並進可能であり、かつ
ワークピース(190)を選択的に加熱するように構成された、ヒーター(160)と
を含む、環状体(130)と
を含む、高圧ねじり装置(100)。
【0209】
[00226]実施例2. ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、及び第2の全損失対流チラー(150)が、作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間をユニットとして並進可能である、実施例1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0210】
[00227]実施例3. ヒーター(160)は、第1の全損失対流チラー(140)又は第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つがワークピース(190)を冷却しているときに、ワークピース(190)を加熱するように構成された、実施例1に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0211】
[00228]実施例4. ヒーター(160)は、第1の全損失対流チラー(140)又は第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つがワークピース(190)を冷却していないときに、ワークピース(190)を加熱するように構成された、実施例1又は2に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0212】
[00229]実施例5. 第1の全損失対流チラー(140)が、第1のチラーチャネル入口(144)、及び第1のチラーチャネル入口(144)から離間した第1のチラーチャネル出口(145)を有する、第1のチラーチャネル(143)を含み、
第1のチラーチャネル出口(145)が、ワークピース(190)に向けられるように構成され、
第2の全損失対流チラー(150)が、第2のチラーチャネル入口(154)、及び第2のチラーチャネル入口(154)から離間した第2のチラーチャネル出口(155)を有する、第2のチラーチャネル(153)を含み、
第2のチラーチャネル出口(155)が、ワークピース(190)に向けられるように構成された、実施例1から4のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0213】
[00230]実施例6. 第1のチラーチャネル出口(145)及び第2のチラーチャネル出口(155)のそれぞれが環状であり、作動軸(102)を取り囲んでいる、実施例5に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0214】
[00231]実施例7. 作動軸(102)に沿って、ヒーター(160)と第1の全損失対流チラー(140)の第1のチラーチャネル出口(145)との間に配置され、かつワークピース(190)と接触するように構成された、第1の熱シール(131)と、
作動軸(102)に沿って、ヒーター(160)と第2の全損失対流チラー(150)の第2のチラーチャネル出口(155)との間に配置され、かつワークピース(190)と接触するように構成された、第2の熱シール(132)と
を更に含む、実施例5に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0215】
[00232]実施例8. 第1の熱シール(131)及び第2の熱シール(132)のそれぞれが環状であり、作動軸(102)を取り囲んでいる、実施例7に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0216】
[00233]実施例9. 環状体(130)が、作動軸(102)に沿って第1のチラーチャネル出口(145)とヒーター(160)との間に位置する第1の環状溝(133)と、作動軸(102)に沿ってヒーター(160)と第2のチラーチャネル出口(155)との間に位置する第2の環状溝(134)とを更に含み、第1の熱シール(131)の一部が、第1の環状溝(133)内に受容され、第2の熱シール(132)の一部が、第2の環状溝(134)内に受容される、実施例8に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0217】
[00234]実施例10.
ヒーター(160)と第1の全損失対流チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつワークピース(190)から離間されるように構成された、第1の熱バリア(137)と、
ヒーター(160)と第2の全損失対流チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、かつワークピース(190)から離間されるように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含み、
第1の熱バリア(137)が、第1の熱シール(131)と接触し、
第2の熱バリア(138)が、第2の熱シール(132)と接触する、実施例7から9のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0218】
[00235]実施例11. 第1の全損失対流チラー(140)の第1のチラーチャネル入口(144)及び第2の全損失対流チラー(150)の第2のチラーチャネル入口(154)のそれぞれが、圧縮ガスを受容するように構成された、実施例5から10のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0219】
[00236]実施例12. 第1の全損失対流チラー(140)の第1のチラーチャネル出口(145)が、第1の流量制限器(142)を含み、
第2の全損失対流チラー(150)の第2のチラーチャネル出口(155)が、第2の流量制限器(152)を含む、
実施例11に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0220】
[00237]実施例13. 第1の全損失対流チラー(140)の第1チラーチャネル出口(145)が、第1の膨張弁(141)を含み、
第2の全損失対流チラー(150)の第2のチラーチャネル出口(155)が、第2の膨張弁(151)を含む、実施例11又は12に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0221】
[00238]実施例14. ヒーター(160)と第1の全損失対流チラー(140)を互いに熱伝導的に分離し、かつワークピース(190)に接触するように構成された、第1の熱バリア(137)と、
ヒーター(160)と第2の全損失対流チラー(150)を互いに熱伝導的に分離し、ワークピース(190)に接触するようにように構成された、第2の熱バリア(138)と
を更に含む、実施例1から9のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0222】
[00239]実施例15. 環状体(130)が、隙間嵌めでワークピース(190)を受容する大きさの中央開口部(147)を有する、実施例1から14のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0223】
[00240]実施例16. 第1のアンビル(110)が、第1のアンビルベース(117)と、作動軸(102)に沿って、第1のアンビルベース(117)から第2のアンビル(120)に向かって延びる第1のアンビル突出部(115)とを含み、
第1のアンビル突出部(115)が、第1のアンビルベース(117)の直径よりも小さく、かつ環状体(130)の中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、実施例15に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0224】
[00241]実施例17. 第1のアンビル突出部(115)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の寸法以上の最大寸法を有する、実施例16に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0225】
[00242]実施例18. 第1のアンビル突出部(115)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の寸法の少なくとも半分である最大寸法を有する、実施例16に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0226】
[00243]実施例19. 第2のアンビル(120)が、第2のアンビルベース(127)と、作動軸(102)に沿って、第2のアンビルベース(127)から第1のアンビル(110)に向かって延びる第2のアンビル突出部(125)とを含み、第2のアンビル突出部(125)が、第2のアンビルベース(127)の直径よりも小さく、かつ環状体(130)の中央開口部(147)の直径よりも小さい直径を有する、実施例16から18のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0227】
[00244]実施例20. 第2のアンビル突出部(125)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の最大寸法に等しい最大寸法を有する、実施例19に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0228】
[00245]実施例21. 第2のアンビル突出部(125)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の寸法の半分以上の最大寸法を有する、実施例20に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0229】
[00246]実施例22. 環状体(130)に連結され、作動軸(102)に沿って第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間で、ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、及び第2の全損失対流チラー(150)を動かすように動作可能なリニアアクチュエータ(170)を更に含む、実施例1から20のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0230】
[00247]実施例23. リニアアクチュエータ(170)と通信可能に接続され、かつ作動軸(102)に沿って環状体(130)の位置又は並進速度の少なくとも1つを制御するように構成されたコントローラ(180)を更に備える、実施例22に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0231】
[00248]実施例24. コントローラ(180)と通信可能に接続された、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、又は第2のチラー温度センサ(159)の少なくとも1つを更に含み、
ヒーター温度センサ(169)が、ヒーター(160)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成され、
第1のチラー温度センサ(149)が、第1の全損失対流チラー(140)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成され、
第2のチラー温度センサ(159)が、第2の全損失対流チラー(150)と熱的に連結されたワークピース(190)の表面(194)の一部の温度を測定するように構成された、実施例23に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0232】
[00249]実施例25. コントローラ(180)が、ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、又は第2の全損失対流チラー(150)のうちの少なくとも1つと通信可能に接続され、かつヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、又は第2のチラー温度センサ(159)の少なくとも1つから受信した入力に基づいて、ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、又は第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つの動作を制御するよう更に構成された、実施例24に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0233】
[00250]実施例26. コントローラ(180)が、作動軸(102)に沿って環状体(130)の位置又は並進速度の少なくとも1つを制御するよう更に構成される、実施例25に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0234】
[00251]実施例27. 第1のアンビル(110)が、ワークピース(190)の第1の端部(191)を受容するための第1のアンビル開口部(119)を含み、
第1のアンビル開口部(119)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例1から26のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0235】
[00252]実施例28. ヒーター(160)が、抵抗ヒーター又は誘導ヒーターの1つである、実施例1から27のいずれか一項に記載の高圧ねじり装置(100)。
【0236】
[00253]実施例29. 高圧ねじり装置(100)であって、
作動軸(102)と、
第1のアンビル(110)と、
第1のアンビル(110)に面し、作動軸(102)に沿って第1のアンビル(110)から離間した第2のアンビル(120)と
を含み、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)に沿って互いに対して並進可能であり、
第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)が、作動軸(102)の周りで互いに対して回転可能であり、
作動軸(102)に沿って、第1のアンビル(110)と第2のアンビル(120)との間を移動可能であり、ワークピース(190)を選択的に加熱するように構成された、ヒーター(160)と
を含む、高圧ねじり装置(100)。
【0237】
[00254]実施例30. 作動軸(102)、第1のアンビル(110)、第2のアンビル(120)、及び環状体(130)を含む高圧ねじり装置(100)を使用して、ワークピース(190)の材料特性を修正する方法(800)であって、環状体(130)が、第1の全損失対流チラー(140)、第2の全損失対流チラー(150)、及び作動軸(102)に沿って、第1の全損失対流チラー(140)と第2の全損失対流チラー(150)との間に配置されたヒーター(160)を含み、方法(800)が、
ワークピース(190)の中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮するステップと、
中心軸(195)に沿って、ワークピース(190)を圧縮することと同時に、中心軸(195)の周りにワークピース(190)をねじるステップと、
中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮し、中心軸(195)の周りにワークピース(190)をねじることの間に、ワークピース(190)の中心軸(195)と同一線上にある、高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って、環状体(130)を並進させ、ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップと
を含む、方法(800)。
【0238】
[00255]実施例31. ワークピース(190)を加熱するステップと同時に、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップ、又は第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップのうちの少なくとも1つを更に含む、実施例30に記載の方法(800)。
【0239】
[00256]実施例32. 第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップが、第1の全損失対流チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップ、ワークピース(190)の一部を第1の冷却流体(198)と接触させるステップ、及び第1の全損失対流チラー(140)を出るステップを含み、第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップが、第2の全損失対流チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップ、ワークピース(190)の一部を第2の冷却流体(199)と接触させるステップ、及び第2の全損失対流チラー(150)を出るステップを含む、実施例31に記載の方法(800)。
【0240】
[00257]実施例33. 第1の全損失対流チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップと、第2の全損失対流チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップとが、独立して制御される、実施例32に記載の方法(800)。
【0241】
[00258]実施例34. 第1の冷却流体(198)及び第2の冷却流体(199)のそれぞれが圧縮ガスである、実施例33に記載の方法(800)。
【0242】
[00259]実施例35. 環状体(130)が、ワークピース(190)を囲むように構成された中央開口部(147)を含み、第1の全損失対流チラー(140)を通して第1の冷却流体(198)をルート決めするステップが、第1の冷却流体(198)を中央開口部(147)内に放出するステップを含み、第2の全損失対流チラー(150)を通して第2の冷却流体(199)をルート決めするステップが、第2の冷却流体(199)を中央開口部(147)内に放出するステップを含む、実施例33又は34に記載の方法(800)。
【0243】
[00260]実施例36. 第1の全損失対流チラー(140)が、第1のチラーチャネル入口(144)、及び第1のチラーチャネル入口(144)から離間した第1のチラーチャネル出口(145)を有する、第1のチラーチャネル(143)を含み、第1のチラーチャネル出口(145)が、ワークピース(190)に向けられ、第2の全損失対流チラー(150)が、第2のチラーチャネル入口(154)、及び第2のチラーチャネル入口(154)から離間した第2のチラーチャネル出口(155)を有する、第2のチラーチャネル(153)を含み、第2のチラーチャネル出口(155)が、ワークピース(190)に向けられる、実施例35に記載の方法(800)。
【0244】
[00261]実施例37. 第1の冷却流体(198)を中央開口部(147)内に放出するステップが、第1のチラーチャネル出口(145)で第1の流量制限器(142)によって制御され、
第2の冷却流体(199)を中央開口部(147)内に放出するステップが、第2のチラーチャネル出口(155)で第2の流量制限器(152)によって制御される、実施例36に記載の方法(800)。
【0245】
[00262]実施例38. 第1の冷却流体(198)を中央開口部(147)内に放出するステップが、第1のチラーチャネル出口(145)で第1の膨張弁(141)によって制御され、
第2の冷却流体(199)を中央開口部(147)内に放出するステップが、第2のチラーチャネル出口(155)で第2の膨張弁(151)によって制御される、実施例36に記載の方法(800)。
【0246】
[00263]実施例39. 高圧ねじり装置(100)が、
作動軸(102)に沿ってヒーター(160)と第1のチラーチャネル出口(145)との間に配置され、ワークピース(190)と接触する第1の熱シール(131)であって、第1の冷却流体(198)がヒーター(160)とワークピース(190)との間の空間に流入するのを防ぐための第1の熱シール(131)と、
作動軸(102)に沿ってヒーター(160)と第2のチラーチャネル出口(155)との間に配置され、ワークピース(190)と接触する第2の熱シール(132)であって、第2の冷却流体(199)がヒーター(160)とワークピース(190)との間の空間に流入するのを防ぐための第2の熱シール(132)と
を更に含む、実施例36から38のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0247】
[00264]実施例40. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップ、又は第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップの少なくとも1つと同時に実行される間に、第1の熱バリア(137)を使用して、ヒーター(160)と第1の全損失対流チラー(140)とを互いに熱伝導的に分離するステップを更に含む、実施例39に記載の方法(800)。
【0248】
[00265]実施例41. 第1の熱バリア(137)が、第1の熱シール(131)と接触する、実施例40に記載の方法(800)。
【0249】
[00266]実施例42. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップ、又は第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップの少なくとも1つと同時に実行される間に、第2の熱バリア(138)を使用して、ヒーター(160)と第2の全損失対流チラー(150)とを互いに熱伝導的に分離するステップを更に含む、実施例39から41のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0250】
[00267]実施例43. 第2の熱バリア(138)が、第2の熱シール(132)と接触する、実施例42に記載の方法(800)。
【0251】
[00268]実施例44. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップ、又は第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップから独立している、実施例31から43のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0252】
[00269]実施例45. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップは、ワークピース(190)が第1の全損失対流チラー(140)又は第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つによって冷却されていない間に、実行される、実施例44に記載の方法(800)。
【0253】
[00270]実施例46. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップと同時に実行される間に、第1の熱バリア(137)を使用して、ヒーター(160)と第1の全損失対流チラー(140)とを互いに熱伝導的に分離するステップを更に含む、実施例31から38のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0254】
[00271]実施例47. 第1の熱バリア(137)が、ワークピース(190)に接触している、実施例46に記載の方法(800)。
【0255】
[00272]実施例48. ヒーター(160)でワークピース(190)を加熱するステップが、第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップと同時に実行される間に、第2の熱バリア(138)を使用して、ヒーター(160)と第2の全損失対流チラー(150)とを互いに熱伝導的に分離するステップを更に含む、実施例46又は47に記載の方法(800)。
【0256】
[00273]実施例49. 第2の熱バリア(138)が、ワークピース(190)に接触している、実施例48に記載の方法(800)。
【0257】
[00274]実施例50. 高圧ねじり装置(100)のコントローラ(180)で、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)からの入力を受信することであって、ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)のそれぞれが、コントローラ(180)と通信可能に接続されている、入力を受信することと、
ヒーター温度センサ(169)、第1のチラー温度センサ(149)、及び第2のチラー温度センサ(159)からの入力に基づいて、コントローラ(180)を使用して、ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、又は第2の全損失対流チラー(150)の少なくとも1つの動作を制御することであって、ヒーター(160)、第1の全損失対流チラー(140)、第2の全損失対流チラー(150)のそれぞれが、コントローラ(180)と通信可能に接続され、コントローラ(180)によって制御される、少なくとも1つの動作を制御することと
を更に含む、実施例31から49のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0258】
[00275]実施例51. 高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って、環状体(130)を並進させるステップが、コントローラ(180)に通信可能に接続され、コントローラ(180)によって制御されるリニアアクチュエーター(170)を使用して実行される、実施例50に記載の方法(800)。
【0259】
[00276]実施例52. ワークピース(190)の第1の端部(191)を高圧ねじり装置(100)の第1のアンビル(110)と係合させることと、
ワークピース(190)の第2の端部(192)を、高圧ねじり装置(100)の第2のアンビル(120)と係合させることと
を更に含み、
ワークピース(190)の中心軸(195)に沿ってワークピース(190)を圧縮するステップと、中心軸(195)の周りでワークピース(190)をねじるステップとが、第1のアンビル(110)及び第2のアンビル(120)を使用して実行される、実施例31から51のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0260】
[00277]実施例53. 第1のアンビル(110)が、第1のアンビルベース(117)と、作動軸(102)に沿って第1のアンビルベース(117)から第2のアンビル(120)に向かって延びる第1のアンビル突出部(115)とを含み、
環状体(130)が中央開口部(147)を含み、
高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って環状体(130)を並進させるステップが、第1のアンビル突出部(115)を環状体(130)の中央開口部(147)に前進させることを含む、実施例52に記載の方法(800)。
【0261】
[00278]実施例54. 第1のアンビル突出部(115)を第1の全損失対流チラー(140)の中央開口部(147)に前進させる間に、第1の全損失対流チラー(140)でワークピース(190)を冷却するステップが停止される、実施例53に記載の方法(800)。
【0262】
[00279]実施例55. 第2のアンビル(120)が、第2のアンビルベース(127)と、作動軸(102)に沿って第1のアンビルベース(127)から第2のアンビル(110)に向かって延びる第2のアンビル突出部(125)とを含み、
環状体(130)が中央開口部(147)を含み、
高圧ねじり装置(100)の作動軸(102)に沿って環状体(130)を並進させるステップが、第2のアンビル突出部(125)を環状体(130)の中央開口部(147)に前進させることを含む、実施例52から54のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0263】
[00280]実施例56. 第2のアンビル突出部(125)を第2の全損失対流チラー(150)の中央開口部(147)に前進させる間に、第2の全損失対流チラー(150)でワークピース(190)を冷却するステップが停止される、実施例55に記載の方法(800)。
【0264】
[00281]実施例57. 第1のアンビル(110)が、ワークピース(190)の第1の端部(191)と係合する、第1のアンビル開口部(119)を含み、
第1のアンビル開口部(119)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例52から56のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0265】
[00282]実施例58. 第2のアンビル(120)が、ワークピース(190)の第2の端部(192)と係合する、第2のアンビル開口部(129)を含み、
第2のアンビル開口部(129)が、作動軸(102)に垂直な平面内で非円形断面を有する、実施例52から57のいずれか一項に記載の方法(800)。
【0266】
[00283]本開示の例は、
図9に示す航空機の製造及び保守方法1100、並びに、
図10に示す航空機1102に照らして説明されうる。製造前段階において、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様及び設計(ブロック1104)と材料調達(ブロック1106)とを含みうる。製造段階では、航空機1102の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)と、システムインテグレーション(ブロック1110)とが行われうる。その後、航空機1102は、認可及び納品(ブロック1112)を経て運航(ブロック1114)に供されうる。運航中、航空機1102には、定期的な整備及び保守(ブロック1116)が予定されうる。定期的な整備及び保守は、航空機1102の1つ又は複数のシステムの改変、再構成、改修等を含みうる。
【0267】
[00284]例示的な方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されるわけではなく、かつ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0268】
[00285]
図10に示しているように、例示的な方法1100によって製造される航空機1102は、複数の高レベルシステム1120及び内装1122を有する、機体1118を含みうる。高レベルシステム1120の実施例としては、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの1つ又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれうる。航空宇宙産業の例を示しているが、本書で開示されている原理は、その他の産業(自動車産業など)にも適用されうる。したがって、本書で開示されている原理は、航空機1102に加えて、その他のビークル(例えば陸上ビークル、海洋ビークル、宇宙ビークル等)にも適用されうる。
【0269】
[00286]本書で図示され、説明されている装置(複数可)及び方法(複数可)は、製造及び保守方法1100の、1つ又は複数の任意の段階において用いられうる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で、作製又は製造されうる。また、装置(複数可)、方法(複数可)又はそれらの組み合わせの1つ又は複数の例は、例えば、航空機1102の組立てを著しく効率化すること、又はコストを削減することにより、製造段階1108及び1110において利用されうる。同様に、装置又は方法を実現する1つ又は複数の例、或いはそれらの組み合わせは、限定するわけではないが例としては、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に、及び/又は、整備及び保守(ブロック1116)において、利用されうる。
【0270】
[00287]本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の種々の例は、多種多様な構成要素、特徴及び機能を含む。本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の様々な例は、それ以外の本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の例のうち任意のものの、任意の構成要素、特徴及び機能を、任意の組み合わせにおいて含む可能性があること、及び、かかる可能性は全て本開示の範囲に含まれることが意図されていると理解すべきである。
【0271】
[00288]上記の説明及び関連した図面に提示された教示を利用することで、本開示に関する当業者には、本書に明記された例示の多数の修正例が想起されよう。
【0272】
[00289]したがって、本開示は例示されている特定の例に限定されないこと、及び、修正例及びその他の例は添付される特許請求の範囲に含まれることが意図されていると理解されたい。更に、上述の説明及び関連図面は、要素及び/又は機能のある例示的な組み合わせに照らして本開示の例を説明しているが、添付する特許請求の範囲から逸脱しなければ、代替的な実施態様によって、要素及び/又は機能の種々の組み合わせが提供されることがあると認識すべきである。したがって、添付する特許請求の範囲に記載されたカッコ内の参照番号は、例示のために提示されており、特許請求される主題の範囲を、本開示で提供されている特定の例に限定することを意図するものではない。