(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】軸受アセンブリ、ローターアセンブリ、及びブロア
(51)【国際特許分類】
F16C 19/08 20060101AFI20231117BHJP
F16C 19/16 20060101ALI20231117BHJP
F16C 19/18 20060101ALI20231117BHJP
F16C 33/32 20060101ALI20231117BHJP
F16C 35/063 20060101ALI20231117BHJP
F16C 35/067 20060101ALI20231117BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
F16C19/08
F16C19/16
F16C19/18
F16C33/32
F16C35/063
F16C35/067
H02K7/14 A
(21)【出願番号】P 2019560379
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2019102343
(87)【国際公開番号】W WO2020228174
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2019-11-01
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】201910401983.2
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419375
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼威▲靈▼▲電▼机制造有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519346321
【氏名又は名称】美的威▲靈▼▲電▼机技▲術▼(上▲海▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA WELLING MOTOR TECHNOLOGY(SHANGHAI)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 101 And 102,Building 42,1387 Zhangdong Road,Zhangjiang High Tech Park,Pudong New District,Shanghai 201203,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲義▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 甜甜
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】吉田 昌弘
【審判官】尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-180183(JP,A)
【文献】特開2001-50266(JP,A)
【文献】特開2016-154425(JP,A)
【文献】特開2002-218702(JP,A)
【文献】特開2010-196707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00
F16C 33/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトスリーブと、シャフトと、複数の転動体とを含み、
前記シャフトスリーブの内壁には周方向に沿って延びる2つの溝が設けられ、
前記シャフトスリーブは前記シャフトに嵌設され、前記シャフトには前記2つの溝の各々に対応するチャネルが設けられ、前記チャネルとそれに対応する前記溝とが回転軌道を構成し、
前記複数の転動体は、前記シャフトと前記シャフトスリーブとの間に設けられ前記回転軌道内で移動し、
前記シャフトスリーブの外径は13mmであり、前記シャフトの前記シャフトスリーブに対向して設けられる部分の径は5mmである、
前記シャフトスリーブは、第1アウタレース及び2つの第2アウタレースを含み、前記2つの第2アウタレースの一方が前記第1アウタレースの一端の内壁に設けられ、前記2つの第2アウタレースの他方が前記第1アウタレースの他端の内壁に設けられ、前記溝が前記第2アウタレースに設けられ、
前記2つの第2アウタレースは環状体
であり、
前記2つの第2アウタレースは、前記第1アウタレースに形成されたくぼみに配置される、
ことを特徴とする軸受アセンブリと、
前記軸受アセンブリのシャフトに設けられたインペラとを含み、
前記インペラはハブを含み、前記ハブの第1端の横断面積は、第2端の横断面積より小さく、前記軸受アセンブリのシャフトが前記ハブの前記第2端に取り付けられる、
ことを特徴とするローターアセンブリ。
【請求項2】
前記回転軌道内における複数の前記転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、
2つの前記回転軌道の前記基準面間の距離は16mm~18mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のローターアセンブリ。
【請求項3】
前記回転軌道内における複数の前記転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、
2つの前記回転軌道の前記基準面間の距離は10mm~12mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のローターアセンブリ。
【請求項4】
複数の前記転動体のいずれか1つが前記シャフトの軸線に垂直である横断面は第1円であり、前記第1円の円心が前記回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円であり、前記第2円の径は6.4mmであり、
前記回転軌道内における複数の前記転動体が前記シャフトの周方向に沿って均一に分布する、
ことを特徴とする請求項1に記載のローターアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の転動体と前記シャフトとはいずれも金属材により形成され、又は
前記シャフトは、金属材により形成され、
複数の前記転動体はセラミック材により形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のローターアセンブリ。
【請求項6】
2つの前記回転軌道内における前記転動体の数は等しく、2つの前記回転軌道のいずれか1つに設けられた前記複数の転動体の数は6又は7である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項7】
前記ハブは、錐体部及び円環部を含み、前記円環部が、前記錐体部における横断面積の大きい一端に接続され、
前記錐体部の内部には取付部が設けられ、前記シャフトが前記円環部を貫通して前記取付部に接続される、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項8】
2つの前記回転軌道のうちの、前記インペラに近い1つにおける複数の前記転動体が、
少なくとも部分的に前記円環部内に位置する、
ことを特徴とする請求項7に記載のローターアセンブリ。
【請求項9】
前記シャフトの軸線方向に沿った、前記シャフトが前記取付部に接続される部分の長さは、6mm以上且つ10mm以下である、
ことを特徴とする請求項7に記載のローターアセンブリ。
【請求項10】
前記インペラは前記ハブに取り付けられた羽根をさらに含み、
前記インペラは混合流型インペラであり、
前記羽根の個数は7枚である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項11】
シャフトスリーブと、シャフトと、複数の転動体とを含み、
前記シャフトスリーブの内壁には周方向に沿って延びる2つの溝が設けられ、
前記シャフトスリーブは前記シャフトに嵌設され、前記シャフトには前記2つの溝の各々に対応するチャネルが設けられ、前記チャネルとそれに対応する前記溝とが回転軌道を構成し、
前記複数の転動体は、前記シャフトと前記シャフトスリーブとの間に設けられ前記回転軌道内で移動し、
前記シャフトスリーブの外径は13mmであり、前記シャフトの前記シャフトスリーブに対向して設けられる部分の径は5mmである、
前記シャフトスリーブは、第1アウタレース及び2つの第2アウタレースを含み、前記2つの第2アウタレースの一方が前記第1アウタレースの一端の内壁に設けられ、前記2つの第2アウタレースの他方が前記第1アウタレースの他端の内壁に設けられ、前記溝が前記第2アウタレースに設けられ、
前記2つの第2アウタレースは環状体
であり、
前記2つの第2アウタレースは、前記第1アウタレースに形成されたくぼみに配置される、
ことを特徴とする軸受アセンブリと、
前記軸受アセンブリのシャフトに設けられた磁体アセンブリと、を含み、
前記磁体アセンブリは、
磁気リングと、
保護カバーと、をさらに含み、
前記保護カバーは、釣合部及び補強部を含み、
前記釣合部が前記補強部に接続され共通に前記磁気リングの外面を被覆し、
前記釣合部が前記磁気リングの一端に位置する、
ことを特徴とするローターアセンブリ。
【請求項12】
前記回転軌道内における複数の前記転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、
2つの前記回転軌道の前記基準面間の距離は16mm~18mmである、
ことを特徴とする請求項11に記載のローターアセンブリ。
【請求項13】
前記回転軌道内における複数の前記転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、
2つの前記回転軌道の前記基準面間の距離は10mm~12mmである、
ことを特徴とする請求項11に記載のローターアセンブリ。
【請求項14】
複数の前記転動体のいずれか1つが前記シャフトの軸線に垂直である横断面は第1円であり、前記第1円の円心が前記回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円であり、前記第2円の径は6.4mmであり、
前記回転軌道内における複数の前記転動体が前記シャフトの周方向に沿って均一に分布する、
ことを特徴とする請求項11に記載のローターアセンブリ。
【請求項15】
前記複数の転動体と前記シャフトとはいずれも金属材により形成され、又は
前記シャフトは、金属材により形成され、
複数の前記転動体はセラミック材により形成される、
ことを特徴とする請求項11に記載のローターアセンブリ。
【請求項16】
2つの前記回転軌道内における前記転動体の数は等しく、2つの前記回転軌道のいずれか1つに設けられた前記複数の転動体の数は6又は7である、
ことを特徴とする請求項11~15のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項17】
前記保護カバーは、一体に成形された構造であり、
前記保護カバーは、非磁性材により形成される、
ことを特徴とする請求項11~16のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項18】
前記磁体アセンブリは前記シャフトに嵌設された磁気リングを含み、
前記シャフトの軸線方向に沿った、前記磁気リングと前記シャフトスリーブとの間の距離は、3mm以上である、
ことを特徴とする請求項11~17のいずれか一項に記載のローターアセンブリ。
【請求項19】
請求項1~10のいずれか一項に記載のローターアセンブリ、又は
請求項11~18のいずれか一項に記載のローターアセンブリを含む、
ことを特徴とするブロア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年5月15日に中国特許庁に出願された、出願番号が第201910401983.2号であり、発明の名称が「軸受アセンブリ、ローターアセンブリ、及びブロア」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、ブロアの技術分野に関し、具体的には、軸受アセンブリ、ローターアセンブリ、及びブロアに関する。
【背景技術】
【0003】
高速ブロアは、モータによりインペラを駆動して高速で回転させ、封止ケース内に負圧環境を形成することにより、良好な送風効果を実現し、高回転数で小体積という利点を有し、手持ち型掃除機及びブロア等の分野でますます広く応用されている。そのため、モータの高速及び高効率の発展傾向も明らかになり、軸受の設計は、ブロアが達成できる限界回転数を决定するので、普及と適用に適した軸受アセンブリを設計してブロア運転の回転数を向上させることは、解決すべき緊急な技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解决することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本願の第1の態様は、軸受アセンブリを提供する。
【0006】
本願の第2の態様は、ローターアセンブリを提供する。
【0007】
本願の第3の態様は、ローターアセンブリをさらに提供する。
【0008】
本願の第4の態様は、ブロアを提供する。
【0009】
これに鑑みて、本願の第1の態様は、シャフトスリーブと、シャフトと、複数の転動体とを含み、シャフトスリーブの内壁には周方向に沿って2つのトレンチが設けられ、シャフトスリーブはシャフトに嵌設され、シャフトには2つのトレンチの各々に対応するチャネルが設けられ、チャネルとそれに対応するトレンチとが回転軌道を構成し、複数の転動体はシャフトとシャフトスリーブとの間に設けられて回転軌道内で移動し、シャフトスリーブの外径は13mmであり、シャフトのシャフトスリーブに対向して設けられる部分の径は5mmである、軸受アセンブリを提供する。
【0010】
本願で提供する軸受アセンブリは、シャフトスリーブ、シャフト、及び複数の転動体を含み、シャフトスリーブの内壁には周方向に沿って2つのトレンチが設けられ、シャフトスリーブはシャフトに嵌設され、シャフトには2つのトレンチの各々に対応するチャネルが設けられる。即ち、シャフトには2つのチャネルが設けられ、互いに対応するチャネルとトレンチとが回転軌道を構成する。即ち、2つのチャネルと2つのトレンチとが2つの回転軌道を構成し、複数の転動体がシャフトとシャフトスリーブとの間に設けられ各回転軌道内で移動する。即ち、2つの回転軌道内に位置する複数の転動体、シャフト、及びシャフトスリーブが軸受アセンブリを構成することにより、既存の規格の軸受アセンブリの構造を単純化し、生産コストを低下させる点で有利であり、シャフトスリーブの外径が13mmであり、シャフトにおけるシャフトスリーブに対向して設けられる部分の径が5mmである。これにより、当該軸受アセンブリを有するブロアを、少なくとも150000rpmの回転数で確実に運転させることができ、当該軸受アセンブリを有するブロアの作動回転数を大きく向上させ、生産コストを増加させず、普及と適用に有利である。
【0011】
更に、チャネルが直接にシャフトに設けられることで、シャフトに嵌設されるシャフトスリーブが占有する径方向サイズを減縮させ、軸径が縮小しないという前提の下で、軸受アセンブリの転動体の中心距離を減少する点において有利であり、軸受アセンブリの限界回転数を向上させる点において有利であり、これにより、当該軸受アセンブリを有するブロアの作動回転数をさらに向上させ、ユーザーの使用満足度を向上させる。更に、2つの回転軌道がシャフトの軸線方向に沿って間隔を空けて設けられ、複数の転動体を2つの回転軌道内に位置させ軸受をシャフトの外周に支持することにより、シャフトとシャフトスリーブ間による相対移動を滑らかに、確実に、正確にし、さらに軸受アセンブリの回転数を向上させることにも有利であり、軸受アセンブリの信頼性を向上させる。
【0012】
更に、関連技術の高速ブロアに採用されている軸受アセンブリは、単軸受のサイズがФ13×Ф5mmであり、アセンブリの外径が15mm以上であり、当該単軸受が軸径5mmのシャフトに嵌合すると、回転数が110000rpmに達することができる。もう1つの軸受アセンブリは、単軸受のサイズがФ13×Ф4mmであり、アセンブリの外径が15mm以上であり、単軸受に嵌合するシャフトの軸径が4mmであり、軸径が小さいので、鋼軸を採用する時に全体の剛性が不足であり、軸受スパン及び全体のローターの軸方向長さはいずれも大きく制限される。従って、鋼性の高いセラミック軸を採用すると、回転数が120000rpmに達することができ、転動体もセラミック球を採用すると、回転数がさらに130000rpmに上昇することができる。しかしながら、本願は、シャフトスリーブがシャフトに嵌設され、2組の転動体がシャフトとシャフトスリーブとの間に位置する。これにより、シャフトスリーブの外径が13mmであり、シャフトにおけるシャフトスリーブに対向して設けられる部分の径が5mmである場合、当該軸受アセンブリを有するブロアを、少なくとも150000rpmの回転数で確実に運転させることができ、従来の技術と比べて、当該軸受アセンブリを有するブロアの作動回転数が大きく向上し、製品の市場競争力が向上する。
【0013】
また、本願で提供する上記技術的手段の軸受アセンブリによれば、さらに以下のような付加な技術的特徴を有してもよい。
【0014】
上記技術的手段において、好ましくは、回転軌道内における複数の転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道の基準面間の距離は16mm~18mmである。
【0015】
当該技術的手段において、回転軌道内における複数の転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離は16mm~18mmであり、軸受アセンブリのシャフトの軸線方向に沿う距離が長いという要件を満たすことができ、同時に、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離は要件を満たす他のサイズにしてもよく、適用範囲は広い。
【0016】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、回転軌道内における複数の転動体の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道の基準面間の距離は10mm~12mmである。
【0017】
当該技術的手段において、回転軌道内における複数の転動体の球心の各々がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離は10mm~12mmであり、軸受アセンブリのシャフトの軸線方向に沿う距離が短いという要件を満たすことができ、同時に、2つの回転軌道の基準面間の距離は、要件を満たす他のサイズにしてもよく、適用範囲は広い。
【0018】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、複数の転動体のいずれか1つがシャフトの軸線に垂直である横断面は第1円であり、第1円の円心が回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円になり、第2円の径は6.4mmであり、回転軌道内における複数の転動体がシャフトの周方向に沿って均一に分布する。
【0019】
当該技術的手段において、複数の転動体のいずれか1つがシャフトの軸線に垂直である横断面は第1円であり、第1円の円心が回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円になり、第2円の径は6.4mmである。即ち、軸受アセンブリの転動体の中心距離は6.4mmであり、これにより、当該距離が小さいことによってシャフトの軸径が小さくてシャフトの剛性が保証できないことを避けることができ、同時に、当該距離が大きいことによる軸受アセンブリの回転数が低いことを避けることもできる。軸受アセンブリの転動体の中心距離のサイズを合理的に設定することにより、シャフトの剛性を保証するとともに、軸受アセンブリが高い回転数を有し、さらにブロアが高い回転数を有し高い回転数で確実に運転することができる。
【0020】
更に、回転軌道内における複数の転動体は、シャフトの周方向に沿って均一に分布するため、シャフト及びシャフトスリーブは、回転中にシャフトの周方向に均一に力を受け、これにより、シャフトとシャフトスリーブとが滑らか且つ確実に対向して回転することができ、製品の信頼性及び使用寿命をさらに向上させる。更に、転動体は球状転動体や円柱体転動体であってもよく、要件を満たす他の形状の転動体であってもよい。球状の転動体は高速回転に耐えることができ、ローターアセンブリが高速で回転する場合に適している。
【0021】
更に、軸受アセンブリの限界回転数は主に単一軸受の設計に依存しており、単一軸受の限界回転数は主に転動体の中心距離Dmの大きさに依存しており、一般的には、Dm・n値≧1.0x106mm・r/minの軸受を高速軸受と称する。従って、小さい中心距離の軸受アセンブリを選択することで高い回転数を得ることができる。しかし、本願は、軸受アセンブリの転動体の中心距離を6.4mmとすることにより、シャフトの剛性を保証するという前提の下で、高い限界回転数を有し、さらに当該軸受アセンブリを有するブロアが高い作動回転数を有し、製品の市場競争力を効果的に向上する。
【0022】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、シャフトスリーブは少なくとも1つのアウタレースからなり、少なくとも1つのアウタレースは、第1アウタレース及び2つの第2アウタレースを含み、2つの第2アウタレースの一方が第1アウタレースの一端の内壁に設けられ、2つの第2アウタレースの他方が第1アウタレースの他端の内壁に設けられ、トレンチが第2アウタレースに設けられる。
【0023】
当該技術的手段において、シャフトスリーブは少なくとも1つのアウタレースからなり、更には、シャフトスリーブは1つのアウタレースからなる。即ち、トレンチが直接にアウタレース内壁に設けられることにより、軸受アセンブリの構造を簡略化させ、アウタレースが径向方向に占有するサイズは小さく、アウタレースの厚さを増加することやアウタレースの外径サイズを縮小する点において有利である。即ち、シャフトスリーブの外径サイズを減少する点において有利であり、さらに製品全体の鋼性が向上し、又は軸受アセンブリの重量が軽減され、製品の信頼性及び使用寿命が向上する。
【0024】
少なくとも1つのアウタレースは第1アウタレース及び2つの第2アウタレースを含み、2つの第2アウタレースの一方が第1アウタレースの一端の内壁に設けられ、2つの第2アウタレースの他方が第1アウタレースの他端の内壁に設けられ、トレンチが第2アウタレースに設けられ、第1アウタレースの加工精度に対する要求が低下し、生産に有利である。同時に、このような構造の第1アウタレース及び第2アウタレースは組立部品であり、遊びを制御してプリテンション力を施すように2つの第2アウタレースの軸方向距離を調整することができる。
【0025】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、軸受アセンブリは、ホルダをさらに含み、複数の転動体がホルダによりシャフトの周方向に沿ってシャフトとシャフトスリーブとの間に均一に設けられる。
【0026】
当該技術的手段において、複数の転動体がホルダによりシャフトの周方向に沿ってシャフトとシャフトスリーブとの間に均一に設けられる。ホルダを利用して複数の転動体を離間させてシャフトの周方向に沿って均一に分布することにより、シャフト及びシャフトスリーブは、回転中にシャフトの周方向に均一に力を受け、さらにシャフトとシャフトスリーブとが滑らか且つ確実に対向して回転することができ、製品の信頼性及び使用寿命をさらに向上させる。
【0027】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、シャフトは貫通軸であり、シャフトには接着剤を収容する凹部が設けられる。
【0028】
当該技術的手段において、シャフトは貫通軸であり、即ち、シャフトにおけるチャネル以外の部分の径はいずれも5mmであり、貫通軸の加工難易度が段差付き軸より低く、加工精度が段差付き軸より高く、且つ段差付き軸による逃げ溝等の応力集中の発生しやすい部分特徴を避けることができ、鋼性及び強さを向上させる点において有利である。
【0029】
シャフトには接着剤を収容する凹部が設けられることにより、シャフトに接続された構造を確実にシャフトに固定され、製品の信頼性をさらに向上させる。
【0030】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、複数の転動体とシャフトとはいずれも金属材により形成され、又はシャフトは金属材により形成され、複数の転動体はセラミック材により形成される。
【0031】
当該技術的手段において、転動体とシャフトとはいずれも金属材により形成される場合、金属材のコストが低く、製品の生産コストを低下させる点において有利であり、生産コストを大きく削減するとともに、軸受アセンブリの限界回転数を向上させることができ、ブロアの作動回転数をさらに向上させ、軸受アセンブリを高い回転数で確実且つ滑らかに運転することができ、普及と適用に有利である。一方、シャフトは金属材により形成され、転動体はセラミック材により形成される場合、生産コストを少し増加するだけで、ブロアの回転数を大きく向上させることができ、普及と適用に適している。
【0032】
更に、転動体とシャフトとはいずれも金属材により形成される場合、当該軸受アセンブリを有するブロアは150000rpmの回転数で確実に運転することができ、シャフトが金属材により形成され、転動体がセラミック材により形成される場合、当該軸受アセンブリを有するブロアは160000から170000rpmの回転数で確実に運転することができる。具体的には、径が5mmである金属貫通軸は一定の鋼性を有し、ほとんどの小型高速ブロアの設計要求に適用することができ、セラミック材の転動体に嵌合すると、滑らかに運転する際の作動回転数を大きく向上させることができ、同時に限界回転数を向上させることができ、一定の経済性がある。
【0033】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、2つの回転軌道内における転動体の数は等しく、2つの回転軌道のいずれか1つに設けられた複数の転動体の数は6又は7である。
【0034】
当該技術的手段において、2つの回転軌道内における転動体の数は等しく、即ち、2つの回転軌道内には同じ数の転動体を有し、軸受アセンブリの信頼性をさらに向上させることができ、転動体の数は6又は7であってもよく、要件を満たす他の数であってもよい。
【0035】
本願のほかの態様によれば、ローターアセンブリを提供し、ローターアセンブリは、上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリと、軸受アセンブリのシャフトに設けられたインペラとを含む。
【0036】
本願で提供するローターアセンブリは、軸受アセンブリ及びインペラを含み、インペラが軸受アセンブリのシャフトに設けられ、ローターアセンブリは上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリを含むため、当該軸受アセンブリの有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0037】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、インペラはハブを含み、ハブの第1端の横断面積は、第2端の横断面積より小さく、シャフトがハブの第2端に取り付けられる。
【0038】
当該技術的手段において、インペラはハブを含み、ハブの第1端の横断面積は第2端の横断面積より小さく、シャフトがハブの第2端に取り付けられることにより、ハブの横断面積は、シャフトから離れた方向からシャフトに近づける方向へ徐々に大きくなり、気流をシャフトから離れた第1端からハブの外面を介して第2端までフローガイドする点において有利であり、同時に第1端での進風の衝撃損失を減少する点において有利であり、作動効率をさらに向上させる。
【0039】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、ハブは、錐体部及び円環部を含み、円環部が錐体部における横断面積の大きい一端に接続され、錐体部の内部には取付部が設けられ、シャフトが円環部を貫通して取付部に接続される。
【0040】
当該技術的手段において、ハブは錐体部及び円環部を含み、円環部が錐体部における横断面積の大きい一端に接続されることにより、錐体部がハブの外周面を第1端から第2端まで円滑に移行させ、フローガイド効率をさらに向上させ進風の衝撃損失を減少し、且つ円環部が錐体部における横断面積の大きい一端に接続されることにより、ハブの第2端は円環状であり、外面がインペラの羽根構造に効果的に嵌合することができ、経路から円環内部チャンバーへの流体の漏れが減少し、作動効率が向上する。錐体部の内部には取付部が設けられ、シャフトが円環部を貫通して取付部に接続され、取付部によりシャフトとハブを接続することでシャフトとハブとが同軸に設けられることが保証され、さらにローターアセンブリが高速で、確実且つ滑らかに回転することが保証される。シャフトが円環部を貫通して取付部に接続され、円環部が中空構造であるので、釣合環としてもよく、即ち、動釣合の切除材料としてもよく、ローターアセンブリはインペラ端の釣合環を個別に設置する必要がなく、部品の個数が効果的に簡略化され、装着プロセスが簡易化され、生産コストが削減される。
【0041】
更に、錐体部も中空構造であり、即ち、ハブは薄肉構造であり、インペラが成形する時の収縮整合性が保証され、インペラの回動慣性モーメントをさらに減少させ、作動効率を向上させる点において有利である。
【0042】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、取付部には取付孔が設けられ、第1端には取付孔に連通する貫通孔が設けられる。
【0043】
当該技術的手段において、取付部には取付孔が設けられ、シャフトが取付孔によりハブに嵌合して装着され、シャフトとハブとの同軸度が保証され、ハブの第1端には取付孔と連通する貫通孔が設けられ、貫通孔の径は取付孔の径より小さく、シャフトをハブまで取り付けられる時に取付部内における気体を貫通孔から排出させ、取付孔は密閉孔であることによる装着誤差が防止され、シャフトとハブとの同軸度がさらに保証され、回転の安定性が向上し、同時に貫通孔の設計に適用する材料が減少し、回動慣性モーメントがさらに減少し、回転効率を向上させる点において有利である。
【0044】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、2つの回転軌道のうちの、インペラに近い1つにおける複数の転動体は、少なくとも部分的に円環部内に位置する。
【0045】
当該技術的手段において、2つの回転軌道のうちの、インペラに近い1つにおける複数の転動体は、少なくとも部分的に円環部内に位置する。一方、インペラに近い回転軌道内における複数の転動体は、第2端の横断面に交差することができる。一方、インペラに近い回転軌道内における複数の転動体は、第1端の横断面と第2端の横断面との間に位置することにより、軸受アセンブリにおけるシャフトとシャフトスリーブとの間の支持位置をインペラの重心に近づけ、インペラの不釣合量による軸受アセンブリへの影響が減少し、製品の信頼性及び使用寿命が向上する。
【0046】
更に、軸方向サイズが許容するという前提の下で、転動件をできるだけインペラの重心に近づけるべきであり、これにより、インペラの不釣合量による軸受アセンブリへの影響をさらに減少し、製品の信頼性を大きく向上する。
【0047】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、シャフトの軸線方向に沿った、シャフトが取付部に接続される部分の長さは、6mm以上且つ10mm以下である。
【0048】
当該技術的手段において、シャフトの軸線方向に沿った、シャフトが取付部に接続される部分の長さは、6mm以上且つ10mm以下であり、シャフトが取付部に接続される部分の合理化の長さは、位置決めの信頼性が保証されることを前提として、軸方向空間を充分に利用することができる。
【0049】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、インペラはハブに取り付けられた羽根をさらに含み、インペラは、混合流型インペラであり、羽根の個数は、7枚である。
【0050】
当該技術的手段において、インペラは、ハブに取り付けられる羽根をさらに含み、羽根がシャフトの周方向に沿ってハブの外周面に均一に分布し、ハブはシャフトが回転する時に羽根が発生した気流に従ってシャフトの周方向に均一に分布し、ハブの錐体部によりフローガイドして磁体アセンブリの方向へ流れ、軸受アセンブリが滑らか且つ確実に回転する点でさらに有利である。更に、インペラは、混合流型インペラであり、羽根の数は7枚であり、理解できるのは、羽根の数は要件を満たす他の数であってもよい。
【0051】
本願のさらにほかの態様によれば、ローターアセンブリを提供し、ローターアセンブリは、上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリと、軸受アセンブリのシャフトに設けられる磁体アセンブリとを含む。
【0052】
本願で提供するローターアセンブリは、軸受アセンブリ及び磁体アセンブリを含み、磁体アセンブリが軸受アセンブリのシャフトに設けられ、ローターアセンブリは、上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリを含むため、当該軸受アセンブリの有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0053】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、磁体アセンブリは、磁気リングと保護カバーとを含み、保護カバーは釣合部及び補強部を含み、釣合部が補強部に接続され共通に磁気リング外面を被覆し、釣合部が磁気リングの一端に位置する。
【0054】
当該技術的手段において、磁体アセンブリは、保護カバーを含み、保護カバーは、磁気リングの外面を共通に被覆するように接続される釣合部及び補強部を含み、保護カバーは磁気リングが破壊されることを避けることができ、良好な保護作用を奏し、磁気リングの使用寿命が効果的に向上し、製品の信頼性がさらに向上する。
【0055】
釣合部が磁気リングの一端に位置する一方で、釣合部がシャフトスリーブから離れた一端に位置し、即ち、釣合部がローターアセンブリの端部に位置してローターアセンブリの重心から離れており、重量を取り除く点において有利であり、重量を取り除く効率及び信頼性をさらに向上させることができる。一方で、釣合部がシャフトスリーブに近い一端に位置し、即ち、釣合部が軸受と磁気リングとの間に設けられ、ローターの重心に近く、このように軸方向長さを短縮する点において有利であり、軸方向空間をさらに充分に利用することができ、製品の適用する範囲が拡大される。
【0056】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、保護カバーは、一体に成形された構造であり、保護カバーは、非磁性材により形成される。
【0057】
当該技術的手段において、保護カバーは一体に成形された構造であり、加工に有利であり、一括生産に適し、保護カバーは非磁性材により形成されることにより、保護カバーが磁性材料により形成されることによって、転動体が磁化されやすく軸受アセンブリの寿命に影響することを避けることができ、製品の信頼性が効果的に向上する。補強部の厚さは0.2mm~0.3mmであり、良好な保護作用を奏することができるとともに、補強部の厚さが大きいことによる磁気リングの磁性が減弱することを避けることができ、釣合部の厚さは1mmであり、良好に重量を取り除く効果が保証され、製品回転の安定性が向上する。
【0058】
更には、補強部は、スピニングプロセスにより磁気リングにおける釣合部から離れた一端の端面に固定され、磁気リングが高速で運転する時に解体されることがなく、製品の信頼性がさらに向上する。
【0059】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、磁体アセンブリは、シャフトに嵌設された磁気リングを含み、シャフトの軸線方向に沿った、磁気リングとシャフトスリーブとの間の距離は3mm以上である。
【0060】
当該技術的手段において、磁体アセンブリは、シャフトに嵌設された磁気リングを含み、シャフトの軸線方向に沿った、磁気リングとシャフトスリーブとの間の距離は3mm以上であり、シャフトの軸線方向における磁気リングとシャフトスリーブとの間の距離が小さいことによって、転動体が磁化されて軸受アセンブリの寿命に影響することを避けることができ、磁気リングとシャフトスリーブとがシャフトの軸線方向に沿う合理化の距離は、転動体の信頼性が効果的に保証され、製品の使用寿命がさらに向上する。
【0061】
本願のさらに他の態様によれば、ブロアを提供し、ブロアは上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリ、又は上記いずれか1つの技術的手段に記載のインペラを含むローターアセンブリ、又は上記いずれか1つの技術的手段に記載の磁体アセンブリを含むローターアセンブリとを備える。
【0062】
本願で提供するブロアは、上記いずれか1つの技術的手段に記載の軸受アセンブリを含むため、当該軸受アセンブリの有益な効果の全てを有し、又は上記いずれか1つの技術的手段に記載のインペラを含むローターアセンブリを備えるため、当該インペラを含むローターアセンブリの有益な効果の全てを有し、又は上記いずれか1つの技術的手段に記載の磁体アセンブリを含むローターアセンブリを備えるため、当該磁体アセンブリを含むローターアセンブリの有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0063】
本発明の他の態様やメリットは以下の説明によって明確になり、又は本発明を実施することで理解できる。
【0064】
本発明の上記及び/又は他の態様やメリットは以下の図面を結合した実施例の説明から明確になり、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本願の一実施例に係る部分ブロアを示す断面図である。
【
図2】本願のもう一つの実施例に係る部分ブロアを示す断面図である。
【
図3】本願の一実施例に係る部分ブロアを示す構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明についてさらに詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例中の特徴を組み合せすることができる。
【0067】
本発明を充分に理解するように、以下の説明で多くの具体的な詳細を説明するが、本発明はここで説明する形態と異なる形態で実施することもできるので、本発明の保護範囲は以下で開示する具体的な実施例に限定されない。
【0068】
以下、
図1~3を参照しながら本発明の幾つかの実施例に係る軸受アセンブリ1、ローターアセンブリ、及びブロアについて説明する。
【0069】
図1及び
図3に示すように、本願の一態様は、ローター軸受アセンブリ1を提供し、軸受アセンブリ1は、シャフトスリーブ14と、軸受アセンブリ12と、複数の転動体16とを含み、シャフトスリーブ14の内壁には周方向に沿って2つのトレンチが設けられ、シャフトスリーブ14がシャフト12に嵌設され、シャフト12には2つのトレンチの各々に対応するチャネルが設けられ、チャネルとそれに対応するトレンチが回転軌道を構成し、複数の転動体16がシャフト12とシャフトスリーブ14との間に設けられて回転軌道内で移動し、シャフトスリーブ14の外径は13mmであり、シャフト12のシャフトスリーブ14に対向して設けられる部分の径は5mmである。
【0070】
本願で提供する軸受アセンブリ1は、シャフトスリーブ14、シャフト12、複数の転動体16を含み、シャフトスリーブ14の内壁に周方向に沿って2つのトレンチが設けられ、シャフトスリーブ14がシャフト12に嵌設され、シャフト12には2つのトレンチの各々に対応するチャネルが設けられ、即ち、シャフト12には2つのチャネルが設けられ、対応するチャネルとトレンチとが回転軌道を構成し、即ち、2つのチャネルと2つのトレンチとが2つの回転軌道を構成する。複数の転動体16がシャフト12とシャフトスリーブ14との間に設けられ各回転軌道内で移動することにより、即ち、2つの回転軌道内に位置する複数の転動体16、シャフト12及びシャフトスリーブ14が軸受アセンブリ1を構成することにより、既存の規格の軸受アセンブリ1の構造を簡易化させ、生産コストを低下させる点において有利である。
図1に示すように、シャフトスリーブ14の外径Ф1は13mmであり、シャフト12におけるシャフトスリーブ14に対向して設けられる部分の径Ф2は5mmであり、これにより、当該軸受アセンブリ1を有するブロアを、少なくとも150000rpmの回転数で確実に運転させることができ、当該軸受アセンブリ1を有するブロアの作動回転数を大きく向上させ、生産コストを増加することもなく、普及と適用に有利である。
【0071】
更に、チャネルが直接にシャフト12に設けられることで、シャフト12に嵌設されるシャフトスリーブ14が占有する径方向サイズを減縮させ、軸径が縮小しないという前提の下で、軸受アセンブリ1の転動体16の中心距離を減少する点において有利であり、軸受アセンブリ1の限界回転数を向上させる点でも有利であり、これにより、当該軸受アセンブリ1を有するブロアの作動回転数をさらに向上させ、ユーザーの使用満足度を向上させる。更に、2つの回転軌道がシャフト12の軸線方向に沿って間隔を空けて設けられ、複数の転動体16が2つの回転軌道内に配置されてシャフト12の外周に軸受を支持することにより、シャフト12とシャフトスリーブ14との間の相対移動を滑らかに、確実に、正確にする点において有利であり、さらに軸受アセンブリ1の回転数を向上させることにも有利であり、軸受アセンブリ1の信頼性を向上させる。
【0072】
更に、関連技術の高速ブロアに採用されている軸受アセンブリは、単軸受のサイズがФ13×Ф5mmであり、アセンブリの外径が15mm以上であり、当該単軸受が軸径5mmのシャフトに嵌合すると、回転数は110000rpmに達することができる。もう1つの軸受アセンブリは、単軸受のサイズがФ13×Ф4mmであり、アセンブリの外径が15mm以上であり、単軸受に嵌合するシャフトの軸径が4mmであり、軸径が小さいので、鋼軸を採用する時に全体の剛性が不足であり、軸受スパン及び全体ローターの軸方向長さはいずれも大きく制限される。従って、鋼性の高いセラミック軸を採用すると、回転数が120000rpmに達することができ、転動体16もセラミック球を採用すると、回転数がさらに130000rpmに上昇することができる。しかしながら、本願では、シャフトスリーブ14がシャフト12に嵌設され、2組の転動体16がシャフト12とシャフトスリーブ14との間に位置し、これにより、シャフトスリーブ14の外径Ф1が13mmであり、シャフト12におけるシャフトスリーブ14に対向して設けられる部分の径Ф2が5mmである場合、当該軸受アセンブリ1を有するブロアを、少なくとも150000rpmの回転数で確実に運転させることができ、従来の技術と比べて、当該軸受アセンブリ1を有するブロアの作動回転数が大きく向上し、製品の市場競争力が向上する。
【0073】
図1に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、回転軌道内における複数の転動体16の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道の基準面間の距離は16mm~18mmである。
【0074】
当該実施例において、回転軌道内における複数の転動体16の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離Lは16mm~18mmであり、軸受アセンブリ1のシャフト12の軸線方向に沿う距離が長いという要件を満たすことができ、同時に、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離は要件を満たす他のサイズにしてもよく、適用範囲は広い。
【0075】
本願の一実施例において、好ましくは、回転軌道内における複数の転動体16の球心がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道の基準面間の距離は10mm~12mmである。
【0076】
当該実施例において、回転軌道内における複数の転動体16の球心の各々がともに存在する平面を基準面とすると、2つの回転軌道における2つの基準面間の距離Lは10mm~12mmであり、軸受アセンブリ1のシャフト12の軸線方向に沿う距離が短いという要件を満たすことができ、同時に、2つの回転軌道の基準面間の距離は、要件を満たす他のサイズにしてもよく、適用範囲は広い。
【0077】
図1に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、複数の転動体16のいずれか1つがシャフト12の軸線に垂直である横断面は第1円であり、第1円の円心が回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円になり、第2円の径は、6.4mmであり、回転軌道内における複数の転動体16がシャフト12の周方向に沿って均一に分布する。
【0078】
当該実施例において、複数の転動体16のいずれか1つがシャフト12の軸線に垂直である横断面は第1円であり、第1円の円心が回転軌道に沿って移動してなる一周の軌跡は第2円であり、第2円の径は、6.4mmであり、即ち、軸受アセンブリ1の転動体16の中心距離Dは6.4mmであり、これにより、当該距離が小さいことによって、シャフト12の軸径が小さくてシャフト12の剛性が保証できないことを避けることができ、同時に、当該距離が大きいことによる軸受アセンブリ1の回転数が低いことを避けることもできる。軸受アセンブリ1の転動体16の中心距離のサイズを合理的に設定することにより、シャフト12の剛性を保証するとともに、軸受アセンブリ1が高い回転数を有し、さらにブロアが高い回転数を有し高い回転数で確実に運転することができる。
【0079】
更に、回転軌道内における複数の転動体16は、シャフト12の周方向に沿って均一に分布するため、シャフト12及びシャフトスリーブ14は、回転中にシャフト12の周方向に均一に力を受け、これにより、シャフト12とシャフトスリーブ14とは滑らか且つ確実に対向して回転することができ、製品の信頼性及び使用寿命をさらに向上する。更に、転動体16は球状転動体16又は円柱体転動体16であってもよく、要件を満たす他の形状の転動体16であってもよい。球状の転動体16は高速回転に耐えることができ、ローターアセンブリが高速で回転する場合に適している。
【0080】
更に、軸受アセンブリ1の限界回転数は主に単一軸受の設計に依存しており、単一軸受の限界回転数は主に転動体16の中心距離Dmの大きさに依存しており、一般的には、Dm・n値≧1.0x106mm・r/minの軸受を高速軸受と称する。従って、小さい中心距離の軸受アセンブリ1を選択することで高い回転数を得ることができる。しかし、本願では、軸受アセンブリ1の転動体16の中心距離を6.4mmとすることにより、シャフト12の剛性を保証するという前提の下で、高い限界回転数を有し、さらに当該軸受アセンブリ1を有するブロアが高い作動回転数を有することを可能にし、製品の市場競争力を効果的に向上させる。
【0081】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、シャフトスリーブ14は少なくとも1つのアウタレースからなり、少なくとも1つのアウタレースは、第1アウタレース142及び2つの第2アウタレース144を含み、2つの第2アウタレース144の一方が第1アウタレース142の一端の内壁に設けられ、2つの第2アウタレース144の他方が第1アウタレース142の他端の内壁に設けられ、トレンチが第2アウタレース144に設けられる。
【0082】
当該実施例において、シャフトスリーブ14は少なくとも1つのアウタレースからなり、更には、シャフトスリーブ14は1つのアウタレースからなり、即ち、
図1に示すように、トレンチが直接にアウタレース内壁に設けられることにより、軸受アセンブリ1の構造を簡易化させ、アウタレースが径向方向に占有するサイズが小さく、アウタレースの厚さを増加することやアウタレースの外径サイズを縮小する点において有利であり、即ち、シャフトスリーブ14の外径サイズを減少する点において有利であり、さらに製品全体の鋼性が向上し、又は軸受アセンブリ1の重量が軽減され、製品の信頼性及び使用寿命が向上する。
【0083】
図2に示すように、少なくとも1つのアウタレースは、第1アウタレース142及び2つの第2アウタレース144を含み、2つの第2アウタレース144の一方が第1アウタレース142の一端の内壁に設けられ、2つの第2アウタレース144の他方が第1アウタレース142の他端の内壁に設けられ、トレンチが第2アウタレース144に設けられ、これにより、第1アウタレース142の加工精度に対する要求が低下され、生産に有利である。同時に、このような構造の第1アウタレース142及び第2アウタレース144は組立部品であり、遊びを制御してプリテンション力を施すように2つの第2アウタレース144の軸方向の距離を調整することができる。
【0084】
本願のもう一つの実施例において、好ましくは、軸受アセンブリ1は、ホルダをさらに含み、複数の転動体16がホルダによりシャフト12の周方向に沿ってシャフト12とシャフトスリーブ14との間に均一に設けられる。
【0085】
当該実施例において、複数の転動体16がホルダによりシャフト12の周方向に沿ってシャフト12とシャフトスリーブ14との間に均一に設けられる。ホルダを利用して複数の転動体16を離間させてシャフト12の周方向に沿って均一に分布することにより、シャフト12及びシャフトスリーブ14は、回転中にシャフト12の周方向に均一に力を受け、さらにシャフト12とシャフトスリーブ14とが滑らか且つ確実に対向して回転することができ、製品の信頼性及び使用寿命がさらに向上する。
【0086】
本願の一実施例において、好ましくは、シャフト12は貫通軸であり、シャフト12には接着剤を収容する凹部が設けられる。
【0087】
当該実施例において、シャフト12は貫通軸であり、即ち、シャフト12におけるチャネル以外の部分の径はいずれも5mmであり、貫通軸の加工難易度が段差付き軸より低く、加工精度が段差付き軸より高く、且つ段差付き軸による逃げ溝等の応力集中の発生しやすい部分特徴を避けることができ、鋼性と強さを向上させる点において有利である。
【0088】
シャフト12には凹部が設けられ、凹部に接着剤を収容することにより、シャフト12に接続された構造を確実にシャフト12に固定され、製品の信頼性をさらに向上する。
【0089】
本願の一実施例において、好ましくは、複数の転動体16とシャフト12とはいずれも金属材により形成され、又はシャフト12は金属材により形成され、複数の転動体16はセラミック材により形成される。
【0090】
当該実施例において、転動体16とシャフト12とはいずれも金属材により形成される場合、金属材のコストが低く、製品の生産コストを低下させる点で有利であり、生産コストを大きく低下させるとともに、軸受アセンブリ1の限界回転数を向上させることができ、ブロアの作動回転数をさらに向上させ、軸受アセンブリ1を高い回転数で確実且つ滑らかに運転することができ、普及と適用において有利である。一方、シャフト12は金属材により形成され、転動体16はセラミック材により形成される場合、生産コストを少し増加するだけで、ブロアの回転数を大きく向上させることができ、普及と適用に適している。
【0091】
更に、当転動体16とシャフト12とはいずれも金属材により形成される場合、当該軸受アセンブリ1を有するブロアは150000rpmの回転数で確実に運転することができる。シャフト12が金属材により形成され、転動体16がセラミック材により形成される場合、当該軸受アセンブリ1を有するブロアは160000~170000rpmの回転数で確実に運転することができる。具体的には、径が5mmである金属貫通シャフト12は一定の鋼性を有し、ほとんどの小型高速ブロアの設計要求に適用することができ、セラミック材の転動体16に嵌合すると、滑らかに運転する際の作動回転数を大きく向上することができ、同時に限界回転数を向上させることができ、一定の経済性がある。
【0092】
本願の一実施例において、好ましくは、2つの回転軌道内における転動体16の数は等しく、2つの回転軌道のいずれか1つに設けられた複数の転動体16の数は6又は7である。
【0093】
当該実施例において、2つの回転軌道内における転動体16の数は等しく、即ち、2つの回転軌道内には同じ数の転動体16を有し、軸受アセンブリ1の信頼性をさらに向上することができ、転動体16の数は6又は7であってもよく、要件を満たす他の数であってもよい。
【0094】
本願のほかの態様は、ローターアセンブリを提供し、当該ローターアセンブリは、上記いずれか一つの実施例に記載の軸受アセンブリ1と、軸受アセンブリ1のシャフト12に設けられたインペラ3と含む。
【0095】
本願で提供するローターアセンブリは、軸受アセンブリ1及びインペラ3を含み、インペラ3が軸受アセンブリ1のシャフト12に設けられ、ローターアセンブリは上記いずれか一つの実施例に記載の軸受アセンブリ1を含むので、当該軸受アセンブリ1を有する有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0096】
更に、軸受アセンブリ1のシャフト12の凹部内に接着剤を収容することにより、インペラ3がシャフト12の一端に安定に固定される。
【0097】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、インペラ3はハブ32を含み、ハブ32の第1端322の横断面積は、第2端324の横断面積より小さく、シャフト12がハブ32の第2端324に取り付けられる。
【0098】
当該実施例において、インペラ3はハブ32を含み、ハブ32の第1端322の横断面積は第2端324の横断面積より小さく、シャフト12がハブ32の第2端324に取り付けられることにより、ハブ32の横断面積は、シャフト12から離れた方向からシャフト12に近づく方向へ徐々に大きくなり、気流をシャフト12から離れた第1端322からハブ32の外面を介して第2端324までフローガイドする点において有利であり、同時に第1端322での進風の衝撃損失を減少する点において有利であり、作動効率をさらに向上させる。
【0099】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、ハブ32は、錐体部34及び円環部36を含み、円環部36が、錐体部34における横断面積の大きい一端に接続され、錐体部34の内部には取付部342が設けられ、シャフト12が円環部36を貫通して取付部342に接続される。
【0100】
当該実施例において、ハブ32は錐体部34及び円環部36を含み、円環部36が錐体部34における横断面積の大きい一端に接続されることにより、錐体部34がハブ32の外周面を第1端322から第2端324まで円滑に移行させ、フローガイド効率をさらに向上させて進風の衝撃損失を減少し、且つ円環部36が錐体部34における横断面積の大きい一端に接続されることにより、ハブ32の第2端324は円環状であり、外面がインペラ3の羽根38の構造に効果的に嵌合することができ、経路から円環内部チャンバーへの流体の漏れが減少し、作動効率が向上する。錐体部34の内部には取付部342が設けられ、シャフト12が円環部36を貫通して取付部342に接続され、取付部342によりシャフト12とハブ32を接続することでシャフト12とハブ32とが同軸に設けられることが保証され、さらにローターアセンブリが高速で、確実且つ滑らかに回転することが保証される。シャフト12が円環部36を貫通して取付部342に接続され、円環部36が中空構造であるので、釣合環としてもよく、即ち、動釣合の切除材料としてもよく、ローターアセンブリはインペラ3側の釣合環に個別に設置する必要がなく、部品の個数が効果的に簡易化され、装着プロセスが簡略化され、生産コストが削減される。
【0101】
更に、錐体部34も中空構造であり、即ち、ハブ32は薄肉構造であり、インペラ3が成形する時の収縮整合性が保証され、インペラ3の回動慣性モーメントをさらに減少させ、作動効率を向上させる点において有利である。
【0102】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、取付部342には取付孔344が設けられ、第1端322には取付孔344と連通する貫通孔346が設けられる。
【0103】
当該実施例において、取付部342には取付孔344が設けられ、シャフト12が取付孔344によりハブ32に嵌合して装着され、シャフト12とハブ32との同軸度が保証され、ハブ32の第1端322には取付孔344と連通する貫通孔346が設けられ、貫通孔346の径は取付孔344の径より小さく、シャフト12をハブ32まで取り付けられる時に取付部342内の気体を貫通孔346から排出させ、取付孔344は密閉孔であることによる装着誤差が防止され、シャフト12とハブ32との同軸度がさらに保証され、回転の安定性が向上し、同時に貫通孔346の設計に適用する材料が減少し、回動慣性モーメントがさらに減少し、回転効率を向上させる点において有利である。
【0104】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、2つの回転軌道におけるインペラ3に近い1つの回転軌道における複数の転動体16は、少なくとも円環部36内に部分的に位置する。
【0105】
当該実施例において、2つの回転軌道のうちの、インペラ3に近い1つにおける複数の転動体16は、少なくとも部分的に円環部36内に位置する。一方、インペラ3に近い回転軌道内における複数の転動体16は、第2端324の横断面に交差することができる。一方、インペラ3に近い回転軌道内における複数の転動体16は、第1端322の横断面と第2端324の横断面との間に位置することにより、軸受アセンブリ1におけるシャフト12とシャフトスリーブ14との間の支持位置をインペラ3の重心に近づけ、インペラ3の不釣合量による軸受アセンブリ1への影響が減少し、製品の信頼性及び使用寿命が向上する。
【0106】
更に、軸方向サイズが許容するという前提の下で、転動体をできるだけインペラ3の重心に近づけるべきであり、これにより、インペラ3の不釣合量による軸受アセンブリ1への影響をさらに減少し、製品の信頼性を大きく向上する。
【0107】
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、シャフト12の軸線方向に沿った、シャフト12が取付部342に接続される部分の長さは6mm以上且つ10mm以下である。
【0108】
当該実施例において、シャフト12の軸線方向に沿った、シャフト12が取付部342に接続される部分の長さdは6mm以上且つ10mm以下であり、シャフト12が取付部342に接続される部分の合理化の長さは、位置決めの信頼性が保証されることを前提として、軸方向空間を充分に利用することができる。
【0109】
図1~
図3に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、インペラ3はハブ32に取り付けられた羽根38をさらに含み、インペラ3は混合流型インペラであり、羽根38の個数は7枚である。
【0110】
当該実施例において、インペラ3は、ハブ32に取り付けられた羽根38をさらに含み、羽根38がシャフト12の周方向に沿ってハブ32の外周面に均一に分布し、ハブ32は、シャフト12が回転する時に羽根38が発生した気流に従ってシャフト12の周方向に均一に分布し、ハブ32の錐体部34によりフローガイドして軸受アセンブリ1の方向へ流れ、ローターアセンブリが滑らか且つ確実に回転する点でさらに有利である。
【0111】
更に、インペラ3は混合流型インペラであり、羽根38の数は7枚であり、理解できるのは、羽根38の数は要件を満たす他の数であってもよい。
【0112】
本願のさらに別の態様は、ローターアセンブリを提供し、ローターアセンブリは、上記いずれか1つの実施例に記載の軸受アセンブリ1と、軸受アセンブリ1のシャフト12に設けられた磁体アセンブリ2とを含む。
【0113】
本願で提供するローターアセンブリは、軸受アセンブリ1及び磁体アセンブリ2を含み、磁体アセンブリ2が軸受アセンブリ1のシャフト12に設けられ、ローターアセンブリは、上記いずれか1つの実施例に記載の軸受アセンブリ1を含むため、当該軸受アセンブリ1の有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0114】
更に、軸受アセンブリ1のシャフト12の凹部内に接着剤を収容することにより、磁体アセンブリ2がシャフト12の一端に安定に固定される。
【0115】
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、磁体アセンブリ2は、磁気リング24と保護カバー22とをさらに含み、保護カバー22は釣合部224及び補強部222を含み、釣合部224が補強部222に接続され共通に磁気リング24の外面を被覆し、釣合部224が磁気リング24の一端に位置する。
【0116】
当該実施例において、磁体アセンブリ2は、保護カバー22を含み、保護カバー22は、磁気リング24の外面を共通に被覆するように接続される釣合部224及び補強部222を含み、保護カバー22は磁気リング24が破壊されることを避けることができ、良好な保護作用を奏し、磁気リング24の使用寿命が効果的に向上し、製品の信頼性がさらに向上する。
【0117】
釣合部224が磁気リング24の一端に位置し、一方、釣合部224がシャフトスリーブ14から離れた一端に位置し、即ち、釣合部224がローターアセンブリの端部に位置してローターアセンブリの重心から離れており、重量を取り除く点において有利であり、重量を取り除く効率と信頼性をさらに向上させることができる。もう一方、釣合部224がシャフトスリーブ14に近い一端に位置し、即ち、釣合部224が軸受アセンブリ1と磁気リング24との間に設けられ、ローターの重心に近く、これにより、軸方向長さを短縮する点において有利であり、軸方向空間をさらに充分に利用することができ、製品の適用範囲が拡大される。
【0118】
本願の一実施例において、好ましくは、保護カバー22は、一体に成形された構造であり、保護カバー22は、非磁性材により形成される。
【0119】
当該実施例において、保護カバー22は一体に成形された構造であり、加工に有利であり、一括生産に適し、保護カバー22は非磁性材により形成されることにより、保護カバー22が磁性材料により形成されることによって、転動体16が磁化されやすく軸受アセンブリ1の寿命に影響することを避けることができ、製品の信頼性が効果的に向上する。補強部222の厚さは0.2mm~0.3mmであり、良好な保護作用を奏することができるとともに、補強部222の厚さが大きいことによる磁気リング24の磁性が減弱することを避けることができ、釣合部224の厚さは1mmであり、良好に重量を取り除く効果が保証され、製品回転の安定性が向上する。
【0120】
更に、補強部222は、スピニングプロセスにより磁気リング24における釣合部224から離れた一端の端面に固定され、磁気リング24が高速で運転する時に解体されることがなく、製品の信頼性がさらに向上する。
【0121】
図2に示すように、本願の一実施例において、好ましくは、磁体アセンブリ2は、シャフト12に嵌設された磁気リング24を含み、シャフト12の軸線方向に沿った、磁気リング24とシャフトスリーブ14との間の距離は3mm以上である。
【0122】
当該実施例において、磁体アセンブリ2は、シャフト12に嵌設された磁気リング24を含み、シャフト12の軸線方向に沿った、磁気リング24とシャフトスリーブ14との間の距離は3mm以上であり、シャフト12の軸線方向における磁気リング24とシャフトスリーブ14との間の距離が小さいことによって、転動体16が磁化されて軸受アセンブリ1の寿命に影響することを避けることができ、磁気リング24とシャフトスリーブ14とがシャフト12の軸線方向に沿う合理化の距離は、転動体16の信頼性が効果的に保証され、製品の使用寿命がさらに向上する。
【0123】
具体的な実施例において、モータ回転数が高くなると、全体ローターシステムの装着精度、取付鋼性、動釣合設計に対する要求もますます高くなっている。インペラ3の設計はブロアの指定回転数範囲内の効率により決まられ、ローターアセンブリの設計はモータの騒音、振動、寿命等の総合性能により決まられ、これにより高速化のブロアの設計製造方面には、まだ多くのパズルがある。現在、市場の高速ブロアのローターアセンブリ構造は、2つの軸受がローターの同側に設置されなく単側支持と両端支持に分けられる。単側支持方式は、一般的には、軸受アセンブリを採用し、即ち、一対の軸受インナレースがシャフトに固定され、アウタレースとシャフトスリーブとが固定され、シャフトがシャフトスリーブの両端へ延びてそれぞれインペラとローターを支持する。このような方式は、同軸度が保証されやすく、組立性がよく、両端支持よりも超高回転数の適用場面に更に適合される。
【0124】
そこで、本願はローターアセンブリを提供することもでき、ローターアセンブリは、インペラ3と、軸受アセンブリ1と、磁体アセンブリ2とを含み、軸受アセンブリ1は、同軸に設けられたシャフト12及びシャフトスリーブ14を含み、インペラ3と磁体アセンブリ2は、それぞれシャフト12のシャフトスリーブ14からはみ出した両端に固定され、シャフト12の軸線方向に沿って略並列に設けられ、2つの回転軌道内における複数の転動体16がシャフト12とシャフトスリーブ14との間に設けられシャフト12とシャフトスリーブ14とが対向して回転することができ、2つの回転軌道がシャフト12の軸線方向に沿って間隔を空けて設けられ、各回転軌道内には複数のシャフト12の周方向に沿って均一に設けられる球状転動体16が設けられ、転動体16がホルダによりシャフト12とシャフトスリーブ14との間に規定され、且つ2つの回転軌道における転動体16の数は同じである。軸受アセンブリ1の構造が簡略化され、生産コストが低下した。具体的には、インペラ3は混合流型インペラであり、シャフトスリーブ14の外径は13mmであり、シャフト12とシャフトスリーブ14とが対向して設けられた部分の径は5mmであり、これにより、ローターアセンブリのコストが増加しないという前提の下で、当該ローターアセンブリを有するブロアを、少なくとも150000rpmの回転数で確実に運転させることができ、ローターアセンブリの作動回転数を大きく向上し、ローターアセンブリを高い回転数で、確実且つ滑らかに運転させることができ、普及と適用に有利である。
【0125】
具体的な実施例において、インペラ3は、外周面が略テーパであるハブ32と、シャフト12の周方向に沿って間隔を空けてハブ32の外周面に設けられた複数の羽根38とを含み、ハブ32は薄肉構造であり、インペラ3が成形する時に収縮整合性が保証することができ、同時にインペラ3による回動慣性モーメントが減少することができ、作動効率が向上する。ハブ32は、錐体部34及び円環部36を含み、錐体部34の第1端322の横断面積が第2端324の横断面積より小さく、円環部36が第2端324に接続され、シャフト12が円環部36を貫通してハブ32の第2端324に取り付けられる。即ち、ハブ32の錐体部34の第1端322の径は最も小さく、錐体部34の第2端324の径は最も大きく、ハブ32の外周面と内周面とが第1端322により第2端324まで円滑に移行し、外周面の平滑が良好なフローガイド作用を奏した。錐体部34内部にはシャフト12と同軸に設けられ取付孔344を有する取付部342が形成され、取付部342が第1端322から第2端324の方向へ延びて円環部36を超えなく、錐体部34の内表面と取付部342との間にチャンバーが形成される。第1端322には取付孔344と連通する貫通孔346が設けられ、シャフト12をハブ32に取り付ける時に、貫通孔346により取付部342内の気体を排出し、取付孔344が密閉孔であることによる装着誤差が防止され、シャフト12とハブ32との同軸度がさらに保証され、回転の安定性が向上し、同時に貫通孔346の設計には材料の適用が減少し、回動慣性モーメントがさらに減少し、回転効率を向上させる点において有利である。
【0126】
ハブ32におけるシャフト12に近い一端は円環部36であり、即ち、ハブ32の最大径における端面は円環状であり、円環の内外円周は、それぞれ、ハブ32の錐体部34の内外周面の最大径から第1端322の方向と反対方向へ延び、且つ円環部36の端面と内周面及び取付部342との間にチャンバーが形成され、円弧の外面はインペラ3の羽根38の構造に効果的に嵌合することができ、経路から円環内部チャンバーへの流体の漏れが減少し、作動効率が向上し、同時にチャンバーが存在しているため、釣合環としてもよく、即ち、動釣合の切除材料としてもよく、ローターアセンブリはインペラ3側の釣合環を個別に設置する必要がなく、部品の個数が効果的に簡略化され、装着プロセスが簡略化され、生産コストが削減される。
【0127】
具体的な実施例において、2つの回転軌道のうちの、インペラ3に近い回転軌道内における複数の転動体16は、少なくともに部分的円弧部内に位置する。一方、インペラ3に近い回転軌道内における複数の転動体16は、第2端324の横断面と交差することができる。一方、インペラ3に近い回転軌道内における複数の転動体16は、第1端322の横断面と第2端324の横断面との間に位置することにより、軸受アセンブリ1におけるシャフト12とシャフトスリーブ14との間の支持位置をインペラ3の重心に近づけ、インペラ3の不釣合量による軸受アセンブリ1への影響が減少し、製品の信頼性及び使用寿命が向上する。
【0128】
具体的な実施例において、磁体アセンブリ2の磁気リング24が磁気リング24外部の保護カバー22に嵌設され、保護カバー22は磁気リング24の一端に位置する釣合部224を含む。一方で、釣合部224がシャフトスリーブ14から離れた一端に位置し、即ち、釣合部224がローターアセンブリの端部に位置してローターアセンブリの重心から離れており、重量を取り除く点において有利であり、重量を取り除く効率及び信頼性をさらに向上させることができる。一方で、釣合部224がシャフトスリーブ14に近い一端に位置し、即ち、釣合部224が軸受アセンブリ1と磁気リング24との間に設けられ、ローターの重心に近づけ、このように軸方向長さを短縮する点において有利であり、軸方向空間をさらに充分に利用することができ、製品の適用する範囲が拡大される。
【0129】
本願のさらにほかの態様は、ブロアを提供し、ブロアは、上記いずれか一つの実施例に記載の軸受アセンブリ1、又は上記いずれか一つの実施例に記載のインペラ3を含むローターアセンブリ、又は上記いずれか一つの実施例に記載の磁体アセンブリ2を含むローターアセンブリを備える。
【0130】
本願で提供するブロアは、上記いずれか一つの実施例の軸受アセンブリ1を含むため、当該軸受アセンブリ1の有益な効果の全てを有し、又は上記いずれか一つの実施例に記載のインペラ3を含むローターアセンブリを備えるため、当該インペラ3を含むローターアセンブリの有益な効果の全てを有し、又は上記いずれかの実施例に記載の磁体アセンブリ2を含むローターアセンブリを備えるため、当該磁体アセンブリ2を含むローターアセンブリの有益な効果の全てを有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0131】
好ましくは、本願で提供するブロアは、手持ち型掃除機とブロアに適用することができ、勿論、このモータは他の設備に適用することもでき、本願の設計思想を脱逸しない限り、いずれも本願の請求の範囲内に属する。
【0132】
本願において、「複数」という用語は、特に明記されていない限り、2つ以上を指している。用語「取り付け」、「接続」、「接続」、「固定」などの用語はいずれも広義に理解されるべきであり、例えば、「接続」は固定的に接続されてもよいし、また着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続される。「接続」は直接的に接続されてもよいし、また中間媒体を介して間接接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0133】
本明細書の説明において、用語である「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な実施例」などの記述は、該実施例又は例示に記載された具体的な特徴、構造、材料又は特長を参照して本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意図する。本明細書において、上記用語の例示的記述は同一の実施例又は例示を必ずしも意味しない。さらに、記載された具体的な特徴、構造、材料又は特長はいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示において適当な方式で組み合わせることができる。
【0134】
以上は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に様々な修正や変更が可能である。本発明の精神及び原則内での全ての修正、均等置換、改善などは、本発明の範囲内に含まれる。
【0135】
図1~
図3における符号が部材名称との間の対応関係は、以下の通りである。
【符号の説明】
【0136】
1 軸受アセンブリ
12 シャフト
14 シャフトスリーブ
142 第1アウタレース
144 第2アウタレース
16 転動体
2 磁体アセンブリ
22 保護カバー
222 補強部
224 釣合部
24 磁気リング
3 インペラ
32 ハブ
322 第1端
324 第2端
34 錐体部
342 取付部
344 取付孔
346 貫通孔
36 円環部
38 羽根