(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】食品パッケージ用のスパウト
(51)【国際特許分類】
B65D 25/42 20060101AFI20231117BHJP
B65D 17/30 20060101ALI20231117BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
B65D25/42 Z
B65D17/30
B65D75/58
(21)【出願番号】P 2019566333
(86)(22)【出願日】2018-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2018064109
(87)【国際公開番号】W WO2018219971
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】レナルト・スティレルド
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501763(JP,A)
【文献】特開2011-225220(JP,A)
【文献】特表2016-522128(JP,A)
【文献】特開2006-062752(JP,A)
【文献】米国特許第04747501(US,A)
【文献】国際公開第2011/144569(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/42
B65D 17/30
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(10)のネック部(20)の一部を形成するスパウト(100)であって、
前記スパウト(100)をシールし、キャップがねじ留めされる際に直径が増加するように撓む膜(150)と、
本体(112)と、前記本体(112)から軸方向に延びており、前記膜(150)への接続部を形成する端部(114)とを有する管状部材(110)と、を備え、
前記本体(112)が前記膜(150)及び前記端部(114)から分離可能であり、
前記端部(114)は前記本体(112)の半径方向内側に配置され、
前記端部(114)が内面(114b)を有し、前記本体(112)が内面(112b)を有し、前記端部(114)の前記内面(114b)が前記本体(112)の前記内面(112b)の半径方向内側に配置される、スパウト(100)。
【請求項2】
前記端部(114)が外面(114a)を有し、前記本体(112)が外面(112a)を有し、前記端部(114)の前記外面(114a)が前記本体(112)の前記外面(112a)の半径方向内側に配置される、請求項1に記載のスパウト(100)。
【請求項3】
前記膜(150)から下方に突出しているシールリップ(160)を備え、キャップがねじ留めされる際に、前記シールリップ(160)が前記本体(112)の前記内面(112b)に向かって押される、請求項1又は2に記載のスパウト(100)。
【請求項4】
前記本体(112)の前記内面(112b)と前記外面(112a)との間の半径方向距離が前記端部(114)の前記内面(114b)と前記外面(114a)との間の半径方向距離よりも長い、請求項
2に記載のスパウト(100)。
【請求項5】
前記本体(112)の前記内面(112b)と前記外面(112a)との間の半径方向距離が前記端部(114)の前記内面(114b)と前記外面(114a)との間の半径方向距離に等しい、請求項
2に記載のスパウト(100)。
【請求項6】
前記端部(114)の軸方向長さが0.1~1.0mmである、請求項1~5のいずれか一項に記載のスパウト(100)。
【請求項7】
パッケージ(10)のネック部(20)の一部を形成するスパウト(100)であって、
前記ネック部(20)から膜(150)を分離した後に切断面(112c)が形成される本体(112)と、前記本体(112)から軸方向に延びており、前記膜(150)への接続部を形成する端部(114)とを有する管状部材(110)と、を含み、
前記切断面(112c)は前記本体(112)の上部自由端(112d)から半径方向内側に及び下方に延在し、
前記切断面(112c)が、前記上部自由端(112d)が前記本体(112)
の外面(112a)と接続する位置から離れて配置される、スパウト(100)。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のスパウト(100)及びキャップ(30)を備え、前記キャップ(30)が前記スパウト(100)を閉鎖するように構成され、前記キャップ(30)が、前記膜(150)を前記スパウト(100)の前記管状部材(110)から分離するように構成された少なくとも1つの切断要素(50)を備える、ネック部アセンブリ。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載のスパウト及びキャップ(30)を備えるネック部アセンブリを備え、前記キャップ(30)が前記スパウト(100)を閉鎖するように構成され、前記キャップ(30)が、前記膜(150)を前記スパウト(100)の前記管状部材(110)から分離するように構成された少なくとも1つの切断要素(50)を備える、液体食品を含有するパッケージ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本解決策は、食品パッケージ用のスパウトに関する。特に、本解決策は、前記スパウトの端部をシールする膜を有するスパウトに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、食品パッケージには、封入された食品の放出を容易にするために開封装置が設けられている。開封装置は、不可逆的な開封装置、すなわち、一度パッケージが開封されると閉鎖することができない、又は再閉鎖可能な開封装置のどちらかであり得る。食品製品の貯蔵寿命と品質を延長するために、後者がしばしば望まれる。再閉鎖可能な開封装置を提供する一般的な方法は、注出用スパウトを含むねじ山付きネック部をパッケージの上部に配置することである。ねじ山付きネック部は、雌ねじを含むキャップを受けることができるように設計され、その結果キャップはネック部から緩めることができる。キャップはネック部の開封されたスパウトを覆うため、封入された食品は外部環境から保護され、したがって製品の品質をしばらくの間保つことができる。
【0003】
上記の解決策は、常に開封されたままである不可逆的な開口部に対する改善を提供するが、汚染された媒体がネック部/キャップの界面を介して、例えばねじ山を介してパッケージの内部に侵入する可能性が依然ある。したがって、パッケージが保管されているときにネック部の開封されたスパウトをシールするためのさらなる改善が提案されている。
【0004】
国際公開第2011144569号パンフレットでは、スパウトに膜が設けられる解決策が記載されている。最初にスパウトに接続され、スパウトを完全に閉鎖されたままにする膜は、開封動作中、つまり、キャップがネック部から緩められると、スパウトから切断される。
【0005】
同じ一般的な概念に基づいて、国際公開第2013072475号パンフレットは、食品パッケージをシールするための膜を有するキャップとネック部のアセンブリを記載している。膜は、スパウトの内側壁に向かって外端で角度が付けられることによりキャップがネック部上にねじ留めされているときに食品パッケージの改善された再シールを可能にするように成形される。
【0006】
上記の解決策は、実績のある信頼性の高いパッケージの再シールを提供するが、スパウトから膜を分離するために必要な切断動作により、スパウトの上端に粗い又は不均一な表面が残る場合がある。これらの種類の再閉鎖可能な開口部を有するパッケージは、さまざまなサイズで、及びさまざまな内容物と共に製造され、一部の消費者は実際にパッケージから直接飲んでいる。粗い表面は消費者の唇と接触するため、容器から飲むことの体験を改善するために改良が必要とされている、すなわち、スパウトの上端の縁部の周りの存在し得る粗い表面の除去が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上記の問題を克服又は軽減することが本解決策の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本解決策は、パッケージのネック部の一部を形成するスパウトであって、膜と、本体及び本体から軸方向に延びる端部を有する管状部材であって、膜に分離可能に取り付けられている管状部材とを備え、端部は本体の半径方向内側に配置されている、スパウトによって提供される。
【0009】
この解決策の利点は、主要部分に対する端部の半径方向の位置がネック部のシールを提供すると同時に、膜がネック部から分離される任意の分離動作が本体から半径方向内側の端部に作用することを可能にすることである。これは、膜が分離された後、結果として得られるスパウトのより滑らかな縁部の形成を促す。
【0010】
第2の態様によれば、本解決策は、パッケージのネック部の一部を形成するスパウトであって、ネック部から膜を分離した後に切断面が形成される本体を有する管状部材を備えるスパウトによって達成される。スパウトは、管状部材から、本体から軸方向に最初に延びる管状端部を含み、切断面は本体の上部自由端から半径方向内側に及び下方に延在する。
【0011】
このような切断面の利点は、それがスパウトの中心に向かって内側に配置される一方で、切断面から半径方向外側のスパウトの本体に比較的滑らかな縁部を残すことである。これにより、消費者の唇と接触する鋭い切断面を備えたスパウトとは対照的に、そのようなスパウトから直接飲むことが促される。
【0012】
第3の態様によれば、本解決策は、上記実施形態の1つによるスパウトを備えたネックアセンブリを含む液体食品をその中に含有するためのパッケージによって提供され、パッケージはスパウトを閉鎖するように構成されたキャップをさらに備える。キャップは、スパウト(100)の管状部材から膜を分離するように構成された少なくとも1つの切断要素を備える。
【0013】
このような容器の利点は、スパウトの十分なシールと再シールの両方を提供するだけでなく、スパウトをシールする膜がキャップの開封動作によって切り離された後のスパウトのより滑らかな縁部によるより快適な飲む体験を提供することである。
【0014】
本解決策の上記及び追加の目的、特徴、及び利点は、添付図面を参照して、本解決策の好ましい実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な記載を通してより深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態によるスパウトを有するパッケージの概略図である。
【
図2a】様々な実施形態によるスパウトと共に使用するためのキャップの断面図である。
【
図2b】一実施形態によるスパウトを含むネック部の断面図である。
【
図2c】一実施形態による、ネック部から膜を分離するための切断要素の上面図である。
【
図3-6】スパウトの閉鎖中のネック部及びキャップを含むアセンブリの断面図である。
【
図7a】一実施形態によるスパウトの断面図である。
【
図7b】
図7aに示されるスパウトの部品の拡大図である。
【
図7c】
図7a-bに示されるスパウトの断面図であり、膜がスパウトから切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~6に関連する記載から初めて、キャップとスパウトのアセンブリの原理に関するいくつかの一般的なコメントが与えられる。
【0017】
図1を参照すると、食品パッケージ10の一例が概略的に示されている。食品パッケージ10は、好ましくはカートンベースのラミネートで作られる本体部分11と、好ましくはプラスチックで作られる頂部12とによって形成されるボトルの形状を有する。頂部12には、プラスチック頂部12の上部を形成するネック部20が設けられている。ネック部20は、ネック部20を含む頂部12全体が単一部品として製造できるように、頂部12と一体に形成することができる。
【0018】
ネック部20の上端を形成するスパウト100(例えば
図2bを参照)をシールするために、キャップ30がネック部上に配置される。キャップ30は、当技術分野で周知のタンパーリング40を任意選択的に備えてもよい。
【0019】
パッケージ10は、カートンベースのラミネートのスリーブ、すなわち2つの開口端の間に延びる管状体を最初に形成することにより製造することができる。スリーブ形成の前、後、又はそれと並行して実行される第2のステップでは、プラスチック頂部12が成形により製造される。プラスチック頂部12は、
図1に示されるように、ネック部20の下に配置された肩部13を備えてもよく、それは管状体の頂部に成形されてもよい。したがって、肩部13は、本体部分11の基礎を形成するスリーブをネック部20に接続するように配置される。ネック部20には、タンパーリング40を含むキャップ30の対応するねじ山と係合するねじ山が設けられることが好ましい。先に説明したように、ネック部20及び肩部13は、成形により一部品として、又は一緒に成形される2つの別個の部品として提供され得る。
【0020】
キャップ30が頂部12上にねじ留めされた後、スリーブは食物内容物で充填される。好ましくは、これは、頂部12がスリーブ上に成形され、パッケージが上下逆さまに向けられ、その結果スリーブの残りの開口端が上を向いた後に行われる。充填後、
図1に示すように、スリーブの開口端をシールし、折り畳んで平らな底面にすることができる。
【0021】
或いは、キャップ30は、パッケージ10が充填された後、頂部12にねじ留めされる。これは、例えば、以下でより詳細に記載するように、ネック部20にネック部20のスパウト100をシールする膜150(
図2b及びそれ以降を参照)が設けられている場合のケースであり得る。
【0022】
次に
図2a及び2bを参照して、ネック部20及びキャップ30の詳細をさらに記載する。タンパーリング40を含むキャップ30が
図2aに示されている。キャップ30は、雌ねじ32が設けられた下部31を有する。ねじ山32は、ネック部20の対応するねじ山22と係合するように構成される(例えば、
図2bを参照)。下部31は、キャップ30の閉鎖した上端を形成する上部33内に延びている。上部33の内部には、膜150をスパウト100から分離し、及び切り離された膜150を保持するための手段が設けられている。
【0023】
この目的のために、ねじ山32に続いて切断要素50が配置される。切断要素又はナイフ50の目的は、膜150のすぐ下のスパウト100の部分を貫き、その膜150をスパウト100の残りの部分から分離することである。そのステップの後、切断要素50は、膜150を切断要素50と上部33の頂部の内側との間で軸方向位置(すなわち、
図2AのA軸に沿って)に固定する目的を果たす。これにより、発生するリター(litter)の量が減少するが、その技術的な理由は、クロージャを再シールするときに膜150が重要な目的を果たすことである。上部33の周囲に多数の切断要素50が分布している。本実施形態では5つある。切断要素50の数はいくつかの要因に依存するが、1つの重要な要因はねじ山32の上昇である。切断動作はキャップ30を緩めるときに行われ、切断要素50はキャップ30の回転運動並びにその軸方向運動に従い、そのすべてはネック部20に対するものである。これは、切断動作、又はより一般的には「除去動作」が、特定の回転角度内で完了しなければならないことを意味する。それというのも、そうでない場合、軸方向運動が切断要素50を切断されるべき領域から手の届かないところへ移動するからである。したがって、ねじ山の上昇が急になるほど、より多くの切断要素50が必要になる。一方、各切断要素50は、キャップ30が最初に緩められたときにトルク抵抗を生成する。この開封トルクを許容可能なレベルに減らすために、切断要素50が多すぎることは賢明ではない。したがって、本実施形態では5つの切断要素50が使用されているが、適切な数を推測することは当業者次第である。一般に、スパウト100から膜150を分離するために切断動作を実行するのに1つの切断要素50で十分である。しかしながら、切断を実行し、膜150がスパウト100から切り離された後、膜150の保持動作を実行するには少なくとも3つの切断要素50が必要であることが判明している。
【0024】
切断要素50とほぼ同じ軸方向位置に、停止要素60が配置されている。本実施形態では、停止要素60は、停止棚、すなわち、上部33の頂部から特定の軸方向位置まで、及び半径方向内側に短い距離だけ延びるフランジによって実現される。本明細書の文脈内で、「軸方向」又は「半径方向」へのすべての言及は、
図2aの破線矢印で示されるように解釈されることに留意されたい。軸方向は文字「A」で示され、半径方向は文字「R」で示される。
【0025】
本実施形態では、合計5つの停止棚60があり、それらは、膜150がそれらの間に収まることができるように寸法決めされている。停止要素60の目的は、キャップ30がネック部20に過度に下方に(すなわち、閉鎖方向に)ねじ留めされることを防止することであり、したがって、キャップ30の適用中又は初期開封後のクロージャの再シール時の膜150の損傷を防止する。キャップ30の停止要素60は、ネック部20のカウンタ要素24と協働する(
図2bを参照)。この実施形態では、カウンタ要素24は、半径方向外向きに延びる肩部として表されている。
【0026】
キャップ30がネック部20の特定の位置に到達すると、キャップ30がそれ以上回転しないようにする他の手段がある。その例としてねじ山32の様々な停止構成が挙げられ、それは、ねじ山32が乗り越えられないネック部20のねじ山22の端部の物理的障壁、又はキャップ30のさらなる回転を防止するネック部20のねじ山22の上昇の変化であり得る。より多くの選択肢が利用可能である。本実施形態で使用される解決策は、シンプルで単純であり、キャップ30又はネック部20の他の動作部分を一切含まず、予測可能であり、明確な停止を提供する。
【0027】
切断要素50の例が、
図2cにさらに詳細に示されている。この図では、切断要素50は上から示されている。明確に示されるように、切断要素50は、
図2aに示される軸方向位置で、キャップ30の内周に取り付けられる。切断要素50は、キャップ30の内周とのヒンジ接続によって回動することができる。この実施形態では、ヒンジ接続は、キャップ30の内周に直接隣接する領域52の厚さを薄くすることにより実現される。
【0028】
領域54は、切断要素50の切断領域であり、この領域では、切断要素50の厚さが減少して、切断縁部54を形成する。切断縁部54は、本実施形態のように直線であり得る。
【0029】
ヒンジ式アタッチメントから離れた自由端56は、好ましくは鈍く、切断領域54より鋭くないことが好ましい。その結果、自由端56が、それが損傷してはいけないことになっている場合、膜150とスパウト100の残りの部分との間の接続領域を損傷しにくいという利点がある。これは例えばキャップ30を初めてスパウト100に配置する場合に重要であり得る。
【0030】
次に、
図3~6を参照して、キャップ30とネック部20との間の係合について記載する。
【0031】
図3から開始して、キャップ30は初めて、すなわち膜150がネック部20に取り付けられているとき、ネック部20上にねじ留めされている。
図3で理解できるように、キャップ30がネック部20から緩められると、切断要素50は下向きに(すなわち、
図1のパッケージ10の内容物に向かう方向に)曲がり、それにより切断要素50は内側に(すなわち、ネック部に向かう方向に)押され、したがって膜150をネック部20から切り離す。
【0032】
好ましくは、膜50がネック部20から分離された後、切断要素50は、膜150の半径方向外側部分を越えて突出するアイドル位置に置かれる、より具体的には、切断要素50の自由端は、膜150の周縁を越えて延びる。したがって、切断要素50は、キャップ30がネック部20から完全に緩められた後、キャップ30内に膜150を保持する。
【0033】
次に、
図4~6を参照すると、キャップとネック部のアセンブリの閉鎖シーケンスが示されている。そのようなシーケンスの前に、キャップ30は一度ネック部20から緩められ、その結果、膜150はネック部20から分離されたと仮定される。
【0034】
図4から開始すると、キャップ30はネック部20にねじ戻されている。しかしながら、切断要素50が最初に膜150を保持しているので、膜150がネック部20の開封されたスパウト100に達すると切断要素50は膜150から離される。したがって、
図4に示すように、キャップ30がねじ山の提供のためにネック部を下りていき、回転運動を垂直運動に変換する間、膜150はスパウト100に載る。
【0035】
図4において、膜150はその上側でキャップ30の閉鎖端と接触し、その下側でネック部20の開封されたスパウト100に載っている。
【0036】
図5に示されるように、キャップ400がさらに下方へとねじ留めされると、キャップ30の閉鎖端は膜150と相互作用する。したがって、膜150は、その直径が増加するように撓み、それにより、膜150のシールリップ160はスパウト100の内側に向かって移動する。
【0037】
この手順は、キャップ30がさらに回転されてネック部20を下りていくにつれて継続される。
図6では、キャップ30はネック部20上に密にねじ留めされ、膜150はさらに撓められている。したがって、シールリップ160は、ネック部20のスパウト100の内壁に接触するまで半径方向外向きに押される。同時に、スパウト100の上端は、膜150が所望のシール位置でロックされるように膜フランジ170と係合する。したがって、膜150は、ネック部150のスパウト100をシールし、その結果、外部環境は、膜150を含むネック部スパウト100及びキャップ30を備えたパッケージ内に封入された食品に影響を及ぼすことができない。
【0038】
次に、
図7a~cを参照して、スパウト100の詳細を記載する。先に説明したように、スパウト100は、パッケージの内容物が放出されるネック部20の上部として定義される。したがって、パッケージを開封する前に、スパウト100は膜150を備えている。しかしながら、一度開封されると、膜150はスパウト100から分離される。
図7a~bでは、パッケージを開封する前のスパウト100が示されている。すなわち、膜150はスパウト100の一部を形成している。
図7aの破線ボックスで示すように、スパウト100は、ほぼ肩部24を起点にして上方に延びながらネック部20の上部を形成している。
【0039】
スパウト100は、ネック部の肩部24から上方に延びる管状部材110によって形成される。管状部材110は、本体112と、膜150への接続部を形成する上端部114とを有する。開封する間、
図7cを参照してさらに説明されるように、キャップ30の切断要素50は、膜150が本体112から分離されるようにスパウト100の上端部114を切断する。
【0040】
スパウト100の円形クロージャを形成する膜150は、中央円形ディスク部材152及び外側環状ディスク部材154を含む。外側環状ディスク部材は、中央円形ディスク部材152と膜フランジ170との間に半径方向に配置される。
【0041】
図7aに見られるように、外側環状ディスク部材154は角度αで中央円形ディスク部材152に接続され、膜フランジ170は角度βで外側環状ディスク部材154に接続される。これらの角度は、再シール中の膜150の撓みを促し、その結果、膜150の中心での下向きの押圧作用により角度α、βが増加するにつれて膜150の直径全体が増加し得る。膜150の直径がそのように増加すると、最初は下方に突出しているシールリップ160は、管状部材110の本体112の内側壁に向かって押される。
【0042】
図7bには、管状部材110と膜150との間の接続がさらに詳細に示されている。膜フランジ170は、2つの隣接する部品によって形成される、すなわち、管状部材110の端部114の半径方向外側に延びる外側部分172、及び内側部分174によって形成される。管状部材110の端部114は、膜フランジ170の内側部分172と外側部分174との間の界面に取り付けられる。
【0043】
したがって、管状部材110の端部114は、本体112の上端から膜フランジ170の内側部分172と外側部分174との間の界面まで延びる。液体食品パッケージに適したいくつかの一般的な値を与えるために、端部114の軸方向の長さは、例えば0.1~0.4mmの範囲内であり得る。
【0044】
図7a~bで見ることができるように、端部114の位置は本体112から半径方向にオフセットされている。詳細には、端部114は第1の厚さ又は半径方向幅を有し、一方、本体112は第2の厚さ又は半径方向幅を有する。これらの幅は同じでも異なっていてもよい。端部114は、本体112の外端112aの半径方向内側に配置された位置で本体112に接続された外面114aを有する。端部114の内面114bは、本体112の内面112bと同一平面ではないが、端部114の内面114bは、本体112の内面112bの半径方向内側に配置されている。
【0045】
図7bにおいて、破線115は、膜150がスパウト100から初めて分離されるときの切断線を示す。理解できるように、切断要素50によって引き起こされる切断動作は、切断要素50が、端部114の外面114aが本体112と交わる位置から、本体112の内面112bが端部114と交わる位置まで切断するように、下向き及び内向きに向けられる。
図7bで見られるように、切断に必要な距離は、切断動作が最小材料厚さで実行されるように、実際に可能な限り最短である。
【0046】
スパウト100からの膜150の分離が
図7cに示されている。ここで本体112から切り離された端部114には、切断面114cが残っている。この表面114cは特定の粗さを備え得るが、スパウト100ではなく膜150に接続されているため、潜在的に粗い表面114cは消費者の唇と接触する危険性がない。
【0047】
本体112にも切断面112cが形成される。同じくこの表面112cもある程度粗いかもしれない。しかしながら、この表面112cは、通常は消費者の唇と接触しない本体112の内面112bに主に配置される。膜150を分離した後、スパウトはそれにより、上部自由端112dが半径方向内側及び下方に延びる切断面112cを備えた本体112を有することになる。好ましくは、切断面112cは、上部自由端112dが本体112の外面112aと接続する位置まで半径方向外側に延びない。
【0048】
上記の記載は食品パッケージを参照して作成されたが、開封装置を備えたあらゆる種類のパッケージにこのネック部とキャップの一般原理を適用できることは容易に理解されるはずである。
【0049】
さらに、本発明は、いくつかの実施形態を参照して主に記載されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で、上で開示されたもの以外の実施形態も等しく可能である。
【0050】
「上」、「下」、「上方」、「下方」等へのすべての言及は、直立したパッケージに関してなされている。