(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】熱電発電装置
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20231117BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20231117BHJP
【FI】
H02N11/00 A
H10N10/17 Z
(21)【出願番号】P 2020004708
(22)【出願日】2020-01-15
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸澤 利彦
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-12957(JP,A)
【文献】特開2015-171308(JP,A)
【文献】特開2013-45929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H10N 10/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受熱部及び放熱部を有し前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電発電モジュールと、
前記放熱部を冷却する冷却装置と、
制御装置と、を備え、
前記熱電発電モジュールの発電電力は、前記冷却装置に使用される消費電力と外部負荷に使用される実効電力とに分配され、
前記制御装置は、
前記冷却装置の状態を監視して監視データを出力する監視部と、
前記外部負荷に供給される前記実効電力を調整可能な調整部と、
前記監視データに基づいて前記調整部を制御する制御指令を出力する制御指令部と、
を有する、
熱電発電装置。
【請求項2】
前記監視データは、前記冷却装置の消費電力を含み、
前記制御指令部は、前記冷却装置の消費電力が低下した場合に前記実効電力を低下させる、
請求項1に記載の熱電発電装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、モータを含み、
前記冷却装置の消費電力は、前記モータの消費電力を含む、
請求項2に記載の熱電発電装置。
【請求項4】
前記消費電力に係る閾値を記憶する記憶部を備え、
前記制御指令部は、前記冷却装置の消費電力と前記閾値との比較結果に基づいて前記制御指令を出力する、
請求項2又は請求項3に記載の熱電発電装置。
【請求項5】
前記閾値は、前記実効電力の値の変更に係る変更閾値を含み、
前記制御指令部は、前記冷却装置の消費電力が前記変更閾値以下に低下した場合に前記実効電力を規定量だけ低下させる、
請求項4に記載の熱電発電装置。
【請求項6】
前記閾値は、前記実効電力の供給停止に係る停止閾値を含み、
前記制御指令部は、前記冷却装置の消費電力が前記停止閾値以下に低下した場合に前記実効電力の供給を停止させる、
請求項5に記載の熱電発電装置。
【請求項7】
前記冷却装置の消費電力は、前記冷却装置に印加される電圧を含み、
前記外部負荷の実効電力は、前記外部負荷に供給される電流を含む、
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の熱電発電装置。
【請求項8】
前記冷却装置は、ファン及び前記ファンを回転させるモータを含み、
前記監視データは、前記ファンの回転数を含み、
前記制御指令部は、前記回転数が低下した場合に前記実効電力を低下させる、
請求項1又は請求項2に記載の熱電発電装置。
【請求項9】
前記監視部は、前記熱電発電モジュールの状態を監視して前記監視データを出力し、
前記制御指令部は、前記監視データに基づいて前記制御指令を出力する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱電発電装置。
【請求項10】
受熱部及び放熱部を有し前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電発電モジュールと、
前記放熱部を冷却する冷却装置と、
制御装置と、を備え、
前記熱電発電モジュールの発電電力は、前記冷却装置に使用される消費電力と外部負荷に使用される実効電力とに分配され、
前記制御装置は、
前記熱電発電モジュールの状態を監視して監視データを出力する監視部と、
前記外部負荷に供給される前記実効電力を調整可能な調整部と、
前記監視データに基づいて前記調整部を制御する制御指令を出力する制御指令部と、
を有する、
熱電発電装置。
【請求項11】
前記監視データは、前記冷却装置に冷却される前記放熱部の温度を含み、
前記制御指令部は、前記温度が上昇した場合に前記実効電力を低下させる、
請求項9又は請求項10に記載の熱電発電装置。
【請求項12】
前記受熱部の温度を調整する加熱装置を備え、
前記熱電発電モジュールの発電電力は、前記冷却装置に使用される消費電力と外部負荷に使用される実効電力と前記加熱装置に使用される消費電力とに分配され、
前記監視部は、前記加熱装置の状態を監視して前記監視データを出力し、
前記制御指令部は、前記監視データに基づいて前記制御指令を出力する、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の熱電発電装置。
【請求項13】
受熱部及び放熱部を有し前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電発電モジュールと、
前記放熱部を冷却する冷却装置と、
前記受熱部の温度を調整する加熱装置と、
制御装置と、を備え、
前記熱電発電モジュールの発電電力は、前記冷却装置に使用される消費電力と外部負荷に使用される実効電力と前記加熱装置に使用される消費電力とに分配され、
前記制御装置は、
前記冷却装置の状態及び前記加熱装置の状態のそれぞれを監視して監視データを出力する監視部と、
前記外部負荷に供給される前記実効電力を調整可能な調整部と、
前記監視データに基づいて前記調整部を制御する制御指令を出力する制御指令部と、
を有する、
熱電発電装置。
【請求項14】
前記監視データは、前記冷却装置の消費電力及び前記加熱装置の消費電力を含み、
前記制御指令部は、前記冷却装置の消費電力が低下した場合に前記実効電力を低下させ、前記加熱装置の消費電力が低下した場合に前記実効電力を低下させる、
請求項13に記載の熱電発電装置。
【請求項15】
前記熱電発電モジュールと前記冷却装置とを接続する第1電力ラインと、
前記熱電発電モジュールと前記外部負荷とを接続する第2電力ラインと、を備え、
前記調整部は、前記第2電力ラインに配置される、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の熱電発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱電発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼーベック効果を利用して発電する熱電発電モジュールを備える熱電発電装置が知られている。熱電発電モジュールは、受熱部と放熱部とを有する。熱電発電モジュールは、受熱部と放熱部との温度差により発電する。受熱部と放熱部との温度差が大きいほど、熱電発電モジュールの発電効率は向上する。特許文献1には、熱電変換モジュールの低温部側に接合された放熱部材と、熱電変換モジュールの発電電力によって駆動され、放熱部材を冷却するファンとを備える熱電発電装置が開示されている。ファンにより放熱部材が冷却されることにより、高温部(受熱部)と低温部(放熱部)との温度差が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱電発電モジュールの発電電力がファンと外部負荷とに分配される場合、外部負荷に分配される電力が上昇すると、ファンに分配される電力が低下する。ファンに分配される電力が低下すると、ファンによる冷却効率が低下する。ファンによる冷却効率が低下すると、受熱部と放熱部との温度差が大きくならず、その結果、熱電発電モジュールの発電効率が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、熱電発電モジュールの発電効率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、受熱部及び放熱部を有し前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電発電モジュールと、前記放熱部を冷却する冷却装置と、制御装置と、を備え、前記熱電発電モジュールの発電電力は、前記冷却装置に使用される消費電力と外部負荷に使用される実効電力とに分配され、前記制御装置は、前記冷却装置の状態を監視して監視データを出力する監視部と、前記外部負荷に供給される前記実効電力を調整可能な調整部と、前記監視データに基づいて前記調整部を制御する制御指令を出力する制御指令部と、を有する、熱電発電装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、熱電発電モジュールの発電効率の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る熱電発電装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る熱電発電モジュールを模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る熱電発電装置の使用例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る熱電発電装置を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る閾値と実効電力との関係を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る熱電発電装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る熱電発電装置の効果についての実験結果を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る熱電発電装置を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る熱電発電装置を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態に係る熱電発電装置を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、第5実施形態に係る熱電発電装置を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第6実施形態に係る熱電発電装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る熱電発電装置100Aを模式的に示す図である。
図1に示すように、熱電発電装置100Aは、受熱部11及び放熱部12を有する熱電発電モジュール10と、熱電発電モジュール10の受熱部11に接続される受熱部材20と、熱電発電モジュール10の放熱部12に接続される放熱部材30と、放熱部材30を介して放熱部12を冷却する冷却装置40Aと、制御装置50と、を備える。
【0011】
熱電発電モジュール10は、ゼーベック効果を利用して発電する。熱電発電モジュール10の受熱部11は、受熱部材20を介して熱源200により加熱される。熱電発電モジュール10の放熱部12は、放熱部材30を介して冷却装置40Aにより冷却される。受熱部11が加熱され、放熱部12が冷却されることにより、受熱部11と放熱部12とに温度差が生じる。熱電発電モジュール10は、受熱部11と放熱部12との温度差により発電する。
【0012】
受熱部材20は、熱電発電モジュール10の受熱部11に接続される。受熱部材20は、板状である。受熱部材20は、アルミニウム又は銅のような金属材料製である。受熱部材20が熱源200により加熱されることによって、受熱部11が加熱される。
【0013】
放熱部材30は、熱電発電モジュール10の放熱部12に接続される。放熱部材30は、放熱部12に接続されるプレート部31と、プレート部31に接続されるフィン部32とを有する。フィン部32は、ピンフィン又はプレートフィンである。放熱部材30は、アルミニウム又は銅のような金属材料製である。放熱部材30は、放熱部12から熱を奪うヒートシンクである。放熱部材30が冷却装置40Aにより冷却されることによって、放熱部12が冷却される。
【0014】
冷却装置40Aは、放熱部材30を介して放熱部12を冷却する。本実施形態において、冷却装置40Aは、ファン41と、ファン41を回転させるモータ42とを有する。ファン41は、放熱部材30と対向するように配置される。モータ42の駆動により、ファン41が回転する。ファン41が回転することにより、放熱部材30の周囲の少なくとも一部に気流が生成される。放熱部材30の周囲の少なくとも一部に気流が生成されることにより、放熱部材30が冷却される。
【0015】
熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、冷却装置40Aに使用される消費電力Pcと外部負荷300に使用される実効電力Peとに分配される。発電電力Pgとは、熱電発電モジュール10が発生した電力をいう。消費電力Pcとは、熱電発電モジュール10から冷却装置40Aに供給され、冷却装置40Aに消費される電力をいう。実効電力Peとは、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給され、外部負荷300に消費される電力をいう。なお、発電電力Pgと消費電力Pcと実効電力Peとの間に、以下の(1)式の関係が成立する。
【0016】
[実効電力Pe]=[発電電力Pg]-[消費電力Pc] …(1)
【0017】
発電電力Pgは、熱電半導体素子13の受熱部側の端部と放熱部側の端部との温度差の二乗に比例する。そのため、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなるように、放熱部12が冷却装置40Aにより冷却されることにより、熱電発電モジュール10の発電効率が向上する。すなわち、放熱部12が冷却装置40Aにより冷却されることにより、熱電発電モジュール10は、大きい発電電力Pgを出力することができる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る熱電発電モジュール10を模式的に示す斜視図である。熱電発電モジュール10は、受熱部11と、放熱部12と、受熱部11と放熱部12との間に配置される複数の熱電半導体素子13と、第1電極15と、第2電極16とを有する。
【0019】
受熱部11は、プレート状である。受熱部11は、セラミックス又はポリイミドのような電気絶縁材料製である。受熱部11は、受熱部材20に接続される外面11Sと、外面11Sの反対方向を向く内面11Tとを有する。外面11Sと内面11Tとは平行である。第1電極15は、内面11Tに配置される。
図2に示す例において、外面11Sは下方を向き、内面11Tは上方を向く。
【0020】
放熱部12は、プレート状である。放熱部12は、セラミックス又はポリイミドのような電気絶縁材料製である。放熱部12は、放熱部材30に接続される外面12Sと、外面12Sの反対方向を向く内面12Tとを有する。外面12Sと内面12Tとは平行である。第2電極16は、内面12Tに配置される。
図2に示す例において、外面12Sは上方を向き、内面12Tは下方を向く。
【0021】
受熱部11と放熱部12とは、内面11Tと内面12Tとが対向するように配置される。内面11Tと内面12Tとは平行である。
【0022】
熱電半導体素子13は、受熱部11と放熱部12との間に配置される。熱電半導体素子13は、例えばBiTe系熱電材料を含む。熱電半導体素子13は、p型熱電半導体素子13Pとn型熱電半導体素子13Nとを含む。内面11T及び内面12Tのそれぞれと平行な面内において、p型熱電半導体素子13Pとn型熱電半導体素子13Nとは、交互に配置される。
【0023】
第1電極15は、受熱部11の内面11Tに複数配置される。複数の第1電極15は、間隔をあけて内面11Tに配置される。第1電極15は、p型熱電半導体素子13P及びn型熱電半導体素子13Nのそれぞれに接続される。p型熱電半導体素子13Pの一方の端部及びn型熱電半導体素子13Nの一方の端部は、第1電極15に接続される。
【0024】
第2電極16は、放熱部12の内面12Tに複数配置される。複数の第2電極16は、間隔をあけて内面12Tに配置される。第2電極16は、p型熱電半導体素子13P及びn型熱電半導体素子13Nのそれぞれに接続される。p型熱電半導体素子13Pの他方の端部及びn型熱電半導体素子13Nの他方の端部は、第2電極16に接続される。
【0025】
受熱部11が加熱され、放熱部12が冷却されることによって、p型熱電半導体素子13P及びn型熱電半導体素子13Nのそれぞれの一方の端部と他方の端部とに温度差が生じる。p型熱電半導体素子13Pの一方の端部と他方の端部とに温度差が生じると、p型熱電半導体素子13Pにおいて正孔が移動する。n型熱電半導体素子13Nの一方の端部と他方の端部とに温度差が生じると、n型熱電半導体素子13Nにおいて電子が移動する。p型熱電半導体素子13Pとn型熱電半導体素子13Nとは、第1電極15及び第2電極16を介して接続される。正孔と電子とによって第1電極15と第2電極16とに電位差が生じる。第1電極15と第2電極16とに電位差が生じることにより、熱電発電モジュール10は発電する。
【0026】
第1電極15にリード線14が接続される。熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、リード線14を介して出力される。
【0027】
図3は、本実施形態に係る熱電発電装置100Aの使用例を示す図である。熱電発電装置100Aが熱源200に設置される。
図3に示す例において、熱源200は、カセットコンロである。なお、熱源200は、カセットコンロに限定されない。熱源200として、暖炉用ストーブ、焚火、炭火、及び工業用機器からの排熱が例示される。受熱部材20が熱源200により加熱され、放熱部材30が冷却装置40Aにより冷却されることにより、熱電発電装置100Aは発電する。
【0028】
熱電発電装置100Aは、熱電発電モジュール10と冷却装置40Aのモータ42とを接続する第1電力ライン80と、熱電発電モジュール10と外部負荷300とを接続する第2電力ライン90とを備える。第1電力ライン80及び第2電力ライン90のそれぞれは、上述のリード線14を含む。また、第1電力ライン80及び第2電力ライン90のそれぞれは、リード線14とは別の電気ケーブルを含む。第1電力ライン80及び第2電力ライン90の少なくとも一方は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルでもよい。
【0029】
熱電発電モジュール10の発電電力Pgのうち、冷却装置40Aのモータ42に使用される消費電力Pcは、第1電力ライン80を介して、熱電発電モジュール10からモータ42に供給される。熱電発電モジュール10の発電電力Pgのうち、外部負荷300に使用される実効電力Peは、第2電力ライン90を介して、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される。
【0030】
外部負荷300は、実効電力Peにより駆動する電気機器又は電子機器である。外部負荷300として、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータが例示される。外部負荷300が充電池を有する場合、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peにより、外部負荷300の充電池が充電される。熱電発電装置100Aは、外部負荷300の充電器として機能することができる。例えば非常時又はアウトドア活動時において、熱電発電装置100Aは、外部負荷300の充電池を充電することができる。
【0031】
図4は、本実施形態に係る熱電発電装置100Aを示すブロック図である。
図4に示すように、熱電発電装置100Aは、熱電発電モジュール10と、モータ42を含む冷却装置40Aと、制御装置50と、熱電発電モジュール10と冷却装置40Aとを接続する第1電力ライン80と、熱電発電モジュール10と外部負荷300とを接続する第2電力ライン90と、を備える。制御装置50の少なくとも一部は、第2電力ライン90に配置される。
【0032】
熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、冷却装置40Aのモータ42に使用される消費電力Pcと外部負荷300に使用される実効電力Peとに分配される。消費電力Pcは、第1電力ライン80を介して、熱電発電モジュール10からモータ42に供給される。実効電力Peは、第2電力ライン90を介して、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される。
【0033】
制御装置50は、冷却装置40Aの状態を監視する。制御装置50は、冷却装置40Aの状態の監視結果を示す監視データMdに基づいて、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peを調整する。
【0034】
本実施形態において、制御装置50は、冷却装置40Aの消費電力Pcを監視する。冷却装置40Aの消費電力Pcは、モータ42の消費電力Pcを含む。
【0035】
外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、電圧降下により、モータ42に分配される消費電力Pcが低下する。モータ42に分配される消費電力Pcが低下すると、ファン41の回転数が低下し、ファン41による冷却効率が低下する。ファン41による冷却効率が低下すると、熱電発電モジュール10の受熱部11と放熱部12との温度差が大きくならず、その結果、熱電発電モジュール10の発電効率が低下する可能性がある。
【0036】
また、外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcが不足し、モータ42の駆動が停止してしまう可能性がある。熱電発電モジュール10が熱源200により加熱されている状態で、モータ42の駆動が停止し、ファン41の回転が停止してしまうと、熱電発電モジュール10が過度に加熱されてしまう。熱電発電モジュール10が過度に加熱されてしまうと、熱電発電装置100Aが劣化したり故障したりする可能性がある。
【0037】
本実施形態において、制御装置50は、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcを監視する。熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcは低下する。制御装置50は、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが低下した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。モータ42に分配される消費電力Pcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したりファン41の回転が停止したりすることが抑制される。そのため、放熱部12は、ファン41により十分に冷却される。したがって、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなり、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0038】
図4に示すように、制御装置50は、電源部51と、制御部52と、調整部53と、記憶部54とを有する。制御部52は、監視部52Aと、制御指令部52Bとを含む。調整部53は、調整部53は、スイッチ部53Aと、電流変更部53Bとを含む。
【0039】
本実施形態において、制御装置50は、制御回路のようなハードウエアを含む。電源部51は、直流電源装置を含む。制御部52は、集積回路(IC:Integrated Circuit)を含む。スイッチ部53Aは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を含む。電流変更部53Bは、DC/DCコンバータを含む。記憶部54は、ROM(Read Only Memory)又はフラッシュメモリ(Flash Memory)のような不揮発性メモリを含む。
【0040】
電源部51は、制御部52の電源として機能する。熱電発電モジュール10は、第2電力ライン90を介して、実効電力Peの一部を電源部51に供給することができる。電源部51は、熱電発電モジュール10から供給された実効電力Peに基づいて、制御部52を駆動するための駆動電力Pdを出力する。
【0041】
監視部52Aは、冷却装置40Aの状態を監視して、冷却装置40Aの状態の監視結果を示す監視データMdを制御指令部52Bに出力する。本実施形態において、監視部52Aは、冷却装置40Aの消費電力Pcを監視する。冷却装置40Aの消費電力Pcは、モータ42の消費電力Pcを含む。監視部52Aから制御指令部52Bに出力される監視データMdは、モータ42の消費電力Pcを示す。
【0042】
本実施形態において、冷却装置40Aの消費電力Pcは、冷却装置40Aに印加される電圧Vcを含む。冷却装置40Aに印加される電圧Vcは、モータ42に印加される電圧Vcを含む。本実施形態において、監視部52Aは、モータ42に印加される電圧Vcを監視する。監視部52Aから制御指令部52Bに出力される監視データMdは、モータ42に印加される電圧Vcを示す。
【0043】
熱電発電モジュール10からモータ42に供給される消費電力Pcとモータ42に印加される電圧Vcとは、1対1で対応する。消費電力Pcが大きいほど、モータ42に印加される電圧Vcは高くなり、消費電力Pcが小さいほど、モータ42に印加される電圧Vcは低くなる。監視部52Aは、モータ42に印加される電圧Vcを監視することによって、モータ42の消費電力Pcを監視することができる。
【0044】
調整部53は、外部負荷300に供給される実効電力Peを調整可能である。調整部53は、熱電発電モジュール10と外部負荷300との間の第2電力ライン90に配置される。
【0045】
本実施形態において、外部負荷300の実効電力Peは、外部負荷300に供給される電流Ieを含む。本実施形態において、調整部53は、外部負荷300に供給される電流Ieを調整する。
【0046】
熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peと外部負荷300に供給される電流Ieとは、1対1で対応する。実効電力Peが大きいほど、外部負荷300に供給される電流Ieは大きくなり、実効電力Peが小さいほど、外部負荷300に供給される電流Ieは小さくなる。調整部53は、外部負荷300に供給される電流Ieを調整することによって、外部負荷300に供給される実効電力Peを調整することができる。
【0047】
スイッチ部53Aは、外部負荷300に対する電流Ieの供給と供給停止とを切り換える。電流変更部53Bは、外部負荷300に供給される電流Ieの値を調整する。スイッチ部53Aと電流変更部53Bとは、直列に配置される。
【0048】
制御指令部52Bは、監視部52Aから出力された監視データMdに基づいて、調整部53を制御する制御指令を出力する。制御指令部52Bから出力される制御指令は、スイッチ部53Aに出力される切換指令Cs及び電流変更部53Bに出力される変更指令Ccを含む。スイッチ部53Aは、切換指令Csに基づいて、外部負荷300に対する電流Ieの供給と供給停止とを切り換える。電流変更部53Bは、変更指令Ccに基づいて、外部負荷300に供給される電流Ieの値を調整する。
【0049】
制御指令部52Bは、監視部52Aから出力された監視データMdに基づいて、冷却装置40Aの消費電力Pcが低下したと判定した場合に、外部負荷300の実効電力Peを低下させる制御指令を出力する。制御指令部52Bは、監視部52Aから出力された監視データMdに基づいて、冷却装置40Aの消費電力Pcが上昇したと判定した場合に、外部負荷300の実効電力Peを上昇させる制御指令を出力する。
【0050】
記憶部54は、監視データMdに係る閾値Shを記憶する。本実施形態において、記憶部54は、冷却装置40Aの消費電力Pcに係る閾値Shを記憶する。閾値Shは、予め定められた値である。
【0051】
制御指令部52Bは、監視部52Aから出力された冷却装置40Aの消費電力Pcを示す監視データMdと、記憶部54に記憶されている閾値Shとの比較結果に基づいて、制御指令を出力する。閾値Shは、実効電力Peの値の変更に係る変更閾値Shvと、実効電力Peの供給停止に係る停止閾値Shpとを含む。停止閾値Shpは、変更閾値Shvよりも低い値である。
【0052】
図5は、本実施形態に係る閾値Shと実効電力Peとの関係を説明するための模式図である。閾値Shは、モータ42に印加される電圧Vcに係る閾値である。変更閾値Shvは、外部負荷300に供給される電流Ieの値の変更に係る閾値である。停止閾値Shpは、外部負荷300に対する電流Ieの供給停止に係る閾値である。
【0053】
図5に示すように、変更閾値Shvは、第1変更閾値Shv1と、第1変更閾値Shv1よりも低い第2変更閾値Shv2と、第2変更閾値Shv2よりも低い第3変更閾値Shv3とを含む。停止閾値Shpは、変更閾値Shvよりも低い。第1変更閾値Shv1は、例えば7.0[V]である。第2変更閾値Shv2は、例えば6.5[V]である。第3変更閾値Shv3は、例えば5.5[V]である。停止閾値Shpは、例えば5.0[V]である。
【0054】
監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3を上回る場合に、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieが現状の値を維持するように、制御指令を出力する。例えば、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が600[mA]であり、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3を上回る場合に、外部負荷300に供給される電流Ieは、600[mA]に維持される。
【0055】
監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3以下に低下した場合に、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieを規定量ΔIeだけ低下させるように、制御指令を出力する。規定量ΔIeは、例えば50[mA]である。例えば、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が600[mA]であり、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3以下に低下した場合に、外部負荷300に供給される電流Ieは、550[mA]に低下される。
【0056】
監視部52Aにより監視された電圧Vcが停止閾値Shp以下に低下した場合に、制御指令部52Bは、外部負荷300に対する電流Ieの供給を停止させるように、制御指令を出力する。
【0057】
なお、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第1変更閾値Shv1を上回り、かつ、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が第1所定値Ie1以下である場合に、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieを規定量ΔIeだけ上昇させるように、制御指令を出力する。第1所定値Ie1は、例えば750[mA]である。規定量ΔIeは、例えば50[mA]である。例えば、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第1変更閾値Shv1を上回り、かつ、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が第1所定値Ie1以下の700[mA]である場合に、外部負荷300に供給される電流Ieは、750[mA]に上昇される。
【0058】
なお、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第1変更閾値Shv1と第2変更閾値Shv2との間にあり、かつ、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が第2所定値Ie2以下である場合に、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieを規定量ΔIeだけ上昇させるように、制御指令を出力する。第2所定値Ie2は、第1所定値Ie1よりも低い値である。第2所定値Ie2は、例えば650[mA]である。規定量ΔIeは、例えば50[mA]である。例えば、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第1変更閾値Shv1と第2変更閾値Shv2との間にあり、かつ、外部負荷300に供給されている現状の電流Ieの値が第2所定値Ie2よりも低い600[mA]である場合に、外部負荷300に供給される電流Ieは、650[mA]に上昇される。
【0059】
図6は、本実施形態に係る熱電発電装置の動作を示すフローチャートである。熱電発電装置100Aが熱源200に設置されると、熱電発電モジュール10が発電を開始する。熱電発電モジュール10が発電を開始されることにより、モータ42に電圧Vcが印加される。監視部52Aは、モータ42に印加される電圧Vcを監視する。
【0060】
制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが開始閾値Shs以上であり、かつ、スイッチ部53Aが電流Ieの供給を停止しているか否かを判定する(ステップS10)。
【0061】
開始閾値Shsは、電圧Vcに係る閾値Shである。
図5に示すように、開始閾値Shsは、第2変更閾値Shv2よりも低く、第3変更閾値Shv3よりも高い値である。開始閾値Shsは、例えば6.0[V]である。
【0062】
ステップS10において、電圧Vcが開始閾値Shs以上であり、かつ、スイッチ部53Aが電流Ieの供給を停止していると判定した場合(ステップS10:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に対する電流Ieの供給が開始されるように、スイッチ部53Aに切換指令Csを出力する(ステップS20)。
【0063】
ステップS20において、外部負荷300に供給される電流Ieは、例えば150[mA]である。すなわち、電流Ieの供給が開始された直後の電流Ieの初期値は、停止閾値Shpよりも低い150[mA]である。
【0064】
制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第2変更閾値Shv2以上であり、かつ、外部負荷300に供給されている電流Ieが第2所定値Ie2以下か否かを判定する(ステップS30)。
【0065】
ステップS30において、電圧Vcが第2変更閾値Shv2以上であり、かつ、外部負荷300に供給されている電流Ieが第2所定値Ie2以下であると判定した場合(ステップS30:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieが規定量ΔIeだけ上昇するように、電流変更部53Bに変更指令Ccを出力する(ステップS40)。
【0066】
制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第1変更閾値Shv1以上であり、かつ、外部負荷300に供給されている電流Ieが第1所定値Ie1以下か否かを判定する(ステップS50)。
【0067】
ステップS50において、電圧Vcが第1変更閾値Shv1以上であり、かつ、外部負荷300に供給されている電流Ieが第1所定値Ie1以下であると判定した場合(ステップS50:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieが規定量ΔIeだけ上昇するように、電流変更部53Bに変更指令Ccを出力する(ステップS60)。
【0068】
制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3以下であり、かつ、外部負荷300に電流Ieが供給されているか否かを判定する(ステップS70)。
【0069】
ステップS70において、電圧Vcが第3変更閾値Shv3以下であり、かつ、外部負荷300に電流Ieが供給されていると判定した場合(ステップS70:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieが規定量ΔIeだけ低下するように、電流変更部53Bに変更指令Ccを出力する(ステップS80)。
【0070】
制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが第3変更閾値Shv3以上か否かを判定する(ステップS90)。
【0071】
ステップS90において、電圧Vcが第3変更閾値Shv3以上であると判定した場合(ステップS90:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に供給される電流Ieの値を維持する(ステップS100)。
【0072】
ステップS10において、電圧Vcが開始閾値Shs以上ではない、又は、外部負荷300に電流Ieが供給されていると判定した場合(ステップS10:No)、制御指令部52Bは、監視部52Aにより監視された電圧Vcが停止閾値Shp以下であり、かつ、外部負荷300に電流Ieが供給されている否かを判定する(ステップS110)。
【0073】
ステップS110において、監視部52Aにより監視された電圧Vcが停止閾値Shp以下であり、かつ、外部負荷300に電流Ieが供給されていると判定した場合(ステップS110:Yes)、制御指令部52Bは、外部負荷300に対する電流Ieの供給が停止されるように、スイッチ部53Aに切換指令Csを出力する(ステップS120)。
【0074】
ステップS30において、電圧Vcが第2変更閾値Shv2以上ではない、又は、外部負荷300に供給されている電流Ieが第2所定値Ie2以下ではないと判定した場合(ステップS30:No)、制御指令部52Bは、ステップS10の処理に戻る。
【0075】
ステップS50において、電圧Vcが第1変更閾値Shv1以上ではない、又は、外部負荷300に供給されている電流Ieが第1所定値Ie1以下ではないと判定した場合(ステップS50:No)、制御指令部52Bは、ステップS10の処理に戻る。
【0076】
ステップS70において、電圧Vcが第3変更閾値Shv3以下ではない、又は、外部負荷300に電流Ieが供給されていないと判定した場合(ステップS70:No)、制御指令部52Bは、ステップS10の処理に戻る。
【0077】
ステップS90において、電圧Vcが第3変更閾値Shv3以上ではないと判定した場合(ステップS90:No)、制御指令部52Bは、ステップS10の処理に戻る。
【0078】
ステップS110において、監視部52Aにより監視された電圧Vcが停止閾値Shp以下ではない、又は、外部負荷300に電流Ieが供給されていないと判定した場合(ステップS110:No)、制御指令部52Bは、ステップS10の処理に戻る。
【0079】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、熱電発電モジュール10の発電電力Pgが冷却装置40Aに使用される消費電力Pcと外部負荷300に使用される実効電力Peとに分配される場合において、冷却装置40Aの状態を示す監視データMdに基づいて、外部負荷300に供給される実効電力Peが調整される。実効電力Peが変化すると、冷却装置40Aの状態は変化する。そのため、制御装置50は、冷却装置40Aの状態を監視し、冷却装置40Aの状態を示す監視データMdに基づいて、実効電力Peを調整することにより、冷却装置40Aによる冷却効率の低下を抑制することができる。冷却装置40Aによる冷却効率の低下が抑制されるため、放熱部12は十分に冷却される。したがって、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなることにより、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0080】
本実施形態において、監視データMdは、冷却装置40Aのモータ42の消費電力Pcである。監視部52Aは、熱電発電モジュール10から冷却装置40Aのモータ42に分配される消費電力Pcを監視する。熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcは低下する。制御指令部52Bは、監視部52Aにより取得された監視データMdに基づいて、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが低下したと判定した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇し、モータ42に印加される電圧Vcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したり、ファン41の回転が停止したりすることが抑制される。そのため、熱電発電モジュール10は、ファン41により十分に冷却され、過度に加熱されることが抑制される。また、ファン41により放熱部12が十分に冷却されるので、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。そのため、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0081】
また、制御指令部52Bは、監視部52Aから取得された監視データMdに基づいて、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが上昇したと判定した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを上昇させることができる。受熱部11と放熱部12との温度差が十分であり、発電電力Pgが十分である場合、制御指令部52Bは、消費電力Pc及び実効電力Peの両方を上昇させることができる。
【0082】
本実施形態において、制御指令部52Bは、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが予め定められている第3変更閾値Shv3以下に低下した場合に、電流変更部53Bに変更指令Ccを出力して、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に供給される実効電力Peが低下されることにより、モータ42に供給される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇し、モータ42に印加される電圧Vcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したり、ファン41の回転が停止したりすることが抑制される。そのため、熱電発電モジュール10は、ファン41により十分に冷却され、過度に加熱されることが抑制される。また、ファン41により放熱部12が十分に冷却されるので、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。そのため、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0083】
本実施形態において、制御指令部52Bは、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが予め定められている停止閾値Shp以下に低下した場合に、スイッチ部53Aに切換指令Csを出力して、熱電発電モジュール10から外部負荷300に対する実効電力Peの供給を停止させる。外部負荷300に対する実効電力Peの供給が停止されることにより、モータ42に供給される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇し、モータ42に印加される電圧Vcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したり、ファン41の回転が停止したりすることが抑制される。そのため、熱電発電モジュール10は、ファン41により十分に冷却され、過度に加熱されることが抑制される。また、ファン41により放熱部12が十分に冷却されるので、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。そのため、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0084】
本実施形態において、制御指令部52Bは、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが予め定められている第2変更閾値Shv2以上に上昇した場合に、電流変更部53Bに変更指令Ccを出力して、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peを上昇させる。また、制御指令部52Bは、消費電力Pcが第1変更閾値Shv1以上に上昇した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される実効電力Peを更に上昇させる。これにより、冷却装置40Aによる冷却効率の低下が抑制されつつ、外部負荷300に適正な実効電力Peが供給される。
【0085】
本実施形態において、冷却装置40Aの消費電力Pcは、モータ42に印加される電圧Vcを含み、外部負荷300の実効電力Peは、外部負荷300に供給される電流Ieを含む。監視部52Aは、電圧Vcを監視し、制御指令部52Bは、電圧Vcを示す監視データMdに基づいて、電流Ieを調整するための制御指令を調整部53に出力する。熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される電流Ieが上昇すると、モータ42に印加される電圧Vcは低下する。制御指令部52Bは、監視部52Aにより取得された監視データMdに基づいて、モータ42に印加される電圧Vcが低下したと判定した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に供給される電流Ieを低下させる。外部負荷300に供給される電流Ieが低下することにより、モータ42に印加される電圧Vcは上昇する。モータ42に印加される電圧Vcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したり、ファン41の回転が停止したりすることが抑制される。そのため、熱電発電モジュール10は、ファン41により十分に冷却され、過度に加熱されることが抑制される。また、ファン41により放熱部12が十分に冷却されるので、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。そのため、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0086】
図7は、本実施形態に係る熱電発電装置100Aの効果についての実験結果を示す図である。
図7に示すグラフにおいて、横軸は、受熱部11の温度を示し、縦軸は、外部負荷300に使用される実効電力Peを示す。
図7において、最大電力とは、モータ42を停止させることなく外部負荷300に供給可能な実効電力Peの最大値をいう。シャットダウン電力とは、外部負荷300に供給される実効電力Peを徐々に上昇させ、制御指令部52Bが実効電力Peの供給を停止したときの実効電力Peの値をいう。
図7に示すように、実効電力Peが最大電力を上回ろうとすると、制御指令部52Bが実効電力Peの供給を停止する切換指令Csを出力することを確認できた。
【0087】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0088】
上述の実施形態においては、監視データMdがモータ42の消費電力Pcを示すこととした。本実施形態においては、監視データMdがファン41の回転数Rcを示すこととする。
【0089】
図8は、本実施形態に係る熱電発電装置100Bを示すブロック図である。
図8に示すように、監視部52Aは、ファン41の単位時間当たりの回転数Rcを監視する。本実施形態において、熱電発電装置100Bは、ファン41の回転数Rcを検出する回転センサ43を備える。回転センサ43の検出データは、監視部52Aに出力される。監視部52Aは、回転センサ43の検出データを取得することにより、ファン41の回転数Rcを監視することができる。
【0090】
熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcは低下する。モータ42に分配される消費電力Pcが低下すると、ファン41の回転数Rcは低下する。制御指令部52Bは、ファン41の回転数Rcが低下した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇することにより、ファン41の回転数Rcが上昇する。そのため、放熱部12がファン41により十分に冷却され、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。したがって、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0091】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0092】
上述の実施形態においては、監視データMdが冷却装置40Aの状態の監視結果を示すこととした。本実施形態においては、監視データMdが、熱電発電モジュール10の状態を示すこととする。一例として、監視データMdが、冷却装置40Aに冷却される熱電発電モジュール10の放熱部12の温度Tcを示すこととする。
【0093】
放熱部12は、冷却装置40Aにより冷却される。冷却装置40Aの冷却能力と放熱部12の温度Tcとは、1対1で対応する。監視部52Aは、放熱部12の温度Tcを監視することにより、冷却装置40Aの状態を監視することができる。
【0094】
図9は、本実施形態に係る熱電発電装置100Cを示すブロック図である。
図9に示すように、監視部52Aは、放熱部12の温度Tcを監視する。本実施形態において、熱電発電装置100Cは、放熱部12の温度Tcを検出する温度センサ44を備える。温度センサ44の検出データは、監視部52Aに出力される。監視部52Aは、温度センサ44の検出データを取得することにより、放熱部12の温度Tcを監視することができる。
【0095】
熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcは低下する。モータ42に分配される消費電力Pcが低下すると、ファン41の回転数Rcは低下する。ファン41の回転数Rcが低下すると、放熱部12の温度は上昇する。制御指令部52Bは、放熱部12の温度Tcが上昇した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇することにより、ファン41の回転数Rcが上昇する。そのため、放熱部12は、ファン41により十分に冷却され、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。したがって、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0096】
なお、本実施形態において、監視データMdは、受熱部11と放熱部12との温度差を示してもよい。放熱部12の温度Tcを検出する温度センサ44のみならず、受熱部11の温度を検出する温度センサが設けられることにより、監視部52Aは、受熱部11と放熱部12との温度差を監視することができる。熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pcは低下する。モータ42に分配される消費電力Pcが低下すると、ファン41の回転数Rcは低下する。ファン41の回転数Rcが低下すると、受熱部11と放熱部12との温度差が小さくなる。制御指令部52Bは、受熱部11と放熱部12との温度差が小さくなった場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。消費電力Pcが上昇することにより、ファン41の回転数Rcが上昇する。そのため、放熱部12は、ファン41により十分に冷却され、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。したがって、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0097】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0098】
図10は、本実施形態に係る熱電発電装置100Dを模式的に示す図である。
図10に示すように、本実施形態において、熱電発電装置100Dは、受熱部11及び放熱部12を有する熱電発電モジュール10と、受熱部11に接続される受熱部材20と、放熱部12に接続される放熱部材30と、放熱部12を冷却する冷却装置40Aと、受熱部11の温度を調整する加熱装置60と、制御装置50とを備える。
【0099】
上述の実施形態と同様、制御装置50は、監視部52A及び制御指令部52Bを含む制御部52と、スイッチ部53A及び電流変更部53Bを含む調整部53とを有する。
【0100】
上述の実施形態と同様、冷却装置40Aは、ファン41及びファン41を回転させるモータ42を含む。冷却装置40Aは、放熱部材30を介して放熱部12を冷却する。
【0101】
受熱部11は、熱源200により加熱される。熱源200は、燃料FLを燃焼させることにより発熱する。熱源200の発熱量は、燃料FLの量に基づいて変化する。
【0102】
加熱装置60は、熱源200に供給される燃料FLの量を調整する。熱源200に供給される燃料FLの量が多いほど、熱源200の発熱量は高くなる。熱源200に供給される燃料FLの量が少ないほど、熱源200の発熱量は低くなる。熱源200の発熱量が高いほど、受熱部11の温度は高くなる。熱源200の発熱量が低いほど、受熱部11の温度は低くなる。加熱装置60は、熱源200に供給される燃料FLの量を調整することによって、受熱部11の温度を調整することができる。
【0103】
加熱装置60は、燃料FLを収容する燃料タンク61と、燃料タンク61から熱源200に燃料FLを搬送可能な搬送部材62と、搬送部材62を駆動するモータ63とを備える。
【0104】
燃料タンク61は、燃料FLを収容する。燃料タンク61の下端部に供給口64が設けられる。燃料タンク61の燃料FLは、供給口64を介して、熱源200に供給される。
【0105】
搬送部材62は、燃料タンク61の内部に配置される搬送ローラを含む。搬送部材62が回転することにより、燃料タンク61の燃料FLは、供給口64を搬送される。供給口64に搬送された燃料FLは、重力の作用により、供給口64から熱源200に供給される。
【0106】
モータ63は、プーリ及びベルトを含む動力伝達機構65を介して、搬送部材62に連結される。モータ63が発生した動力は、動力伝達機構65を介して、搬送部材62に伝達される。搬送部材62は、動力伝達機構65を介してモータ63から伝達されたモータ63の動力により回転する。モータ63が駆動すると、燃料タンク61から熱源200に燃料FLが供給される。モータ63の回転数が高くなると、搬送部材62による燃料FLの搬送量が増加し、燃料タンク61から熱源200に供給される燃料FLの量が多くなる。モータ63の回転数が低くなると、搬送部材62による燃料FLの搬送量が減少し、燃料タンク61から熱源200に供給される燃料FLの量が少なくなる。モータ63の駆動が停止すると、燃料タンク61から熱源200に対する燃料FLの供給が停止される。
【0107】
本実施形態において、熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、冷却装置40Aに使用される消費電力Pcと、外部負荷300に使用される実効電力Peと、加熱装置60に使用される消費電力Phとに分配される。消費電力Phとは、熱電発電モジュール10から加熱装置60に供給され、加熱装置60に消費される電力をいう。冷却装置40Aの消費電力Pcは、モータ42の消費電力Pcを含む。加熱装置60の消費電力Phは、モータ63の消費電力Phを含む。なお、発電電力Pgと消費電力Pcと実効電力Peと消費電力Phとの間に、以下の(2)式の関係が成立する。
【0108】
[実効電力Pe]=[発電電力Pg]-([消費電力Pc]+[消費電力Ph]) …(2)
【0109】
制御装置50の監視部52Aは、冷却装置40Aの状態及び加熱装置60の状態のそれぞれを監視して監視データMdを出力する。本実施形態において、監視データMdは、冷却装置40Aのモータ42の消費電力Pc及び加熱装置60のモータ63の消費電力Phを含む。
【0110】
制御装置50の制御指令部52Bは、監視部52Aから出力された監視データMdに基づいて、調整部53を制御する制御指令を出力する。
【0111】
制御指令部52Bは、監視データMdに基づいて、冷却装置40Aの消費電力Pcが低下したと判定した場合に、実効電力Peを低下させ、加熱装置60の消費電力Phが低下したと判定した場合に、実効電力Peを低下させる。
【0112】
熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peが上昇すると、モータ42に分配される消費電力Pc及びモータ63に分配される消費電力Phのそれぞれは低下する。
【0113】
制御指令部52Bは、熱電発電モジュール10からモータ42に分配される消費電力Pcが低下した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pcは上昇する。モータ42に分配される消費電力Pcが上昇することにより、ファン41の回転数が低下したり、ファン41の回転が停止したりすることが抑制される。
【0114】
また、制御指令部52Bは、熱電発電モジュール10からモータ63に分配される消費電力Pcが低下した場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ63に分配される消費電力Pcは上昇する。モータ63に分配される消費電力Pcが上昇することにより、熱源200に供給される燃料FLの量が減少したり、燃料FLの供給が停止したりすることが抑制される。
【0115】
受熱部11が熱源200により十分に加熱され、放熱部12が冷却装置40Aにより十分に冷却されため、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。したがって、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0116】
なお、本実施形態において、監視データMdは、受熱部11と放熱部12との温度差を示してもよい。受熱部11の温度を検出する温度センサ及び放熱部12の温度を検出する温度センサが設けられることにより、監視部52Aは、受熱部11と放熱部12との温度差を監視することができる。制御指令部52Bは、受熱部11と放熱部12との温度差が小さくなった場合に、熱電発電モジュール10から外部負荷300に分配される実効電力Peを低下させる。外部負荷300に分配される実効電力Peが低下することにより、モータ42に分配される消費電力Pc及びモータ63に分配される消費電力Phは上昇する。これにより、受熱部11と放熱部12との温度差が大きくなる。したがって、熱電発電モジュール10の発電効率の低下が抑制される。
【0117】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0118】
図11は、本実施形態に係る熱電発電装置100Eを模式的に示す図である。上述の実施形態においては、放熱部12は、ファン41及びモータ42を含む冷却装置40Aにより冷却されることとした。本実施形態において、放熱部12を冷却する冷却装置40Eは、冷媒の温度を調整する温調装置45と、放熱部12に接続される冷媒ジャケット46と、温調装置45から冷媒ジャケット46に供給される冷媒が流通する第1流路47Aと、冷媒ジャケット46から温調装置45に供給される冷媒が流通する第2流路47Bとを有する。冷媒は、温調装置45、第1流路47A、冷媒ジャケット46、及び第2流路47Bを含む冷却装置40Eの循環系において循環する。
【0119】
温調装置45は、冷媒の温度を調整する。温調装置45は、例えば熱交換器及び循環ポンプを含み、冷媒の温度を調整するとともに、温度調整された冷媒を冷媒ジャケット46に供給する。温調装置45の熱交換器及び循環ポンプは、熱電発電モジュール10から供給された消費電力Pcにより駆動する。
【0120】
冷媒ジャケット46は、冷媒が流通する内部空間を有する。冷媒ジャケット46は、放熱部12に接触するように配置される。温調装置45で温度調整された冷媒が、第1流路47Aを介して冷媒ジャケット46に供給される。冷媒ジャケット46の内部空間を流通する冷媒は、放熱部12から熱を奪った後、第2流路47Bを介して、温調装置45に戻される。
【0121】
熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、冷却装置40Eの温調装置45に使用される消費電力Pcと外部負荷300に使用される実効電力Peとに分配される。監視部52Aは、温調装置45の消費電力Pcを監視して監視データMdを出力する。制御指令部52Bは、温調装置45の消費電力Pcが低下した場合に、外部負荷300の実効電力Peを低下させる。
【0122】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0123】
図12は、本実施形態に係る熱電発電装置100Fを模式的に示す図である。上述の第5実施形態においては、冷却装置40Eは、温調装置45を有することとした。本実施形態において、放熱部12を冷却する冷却装置40Fは、冷媒を放熱させるラジエータ48と、放熱部12に接続される冷媒ジャケット46と、温調装置45から冷媒ジャケット46に供給される冷媒が流通する第1流路47Aと、冷媒ジャケット46から温調装置45に供給される冷媒が流通する第2流路47Bと、第2流路47Bに配置された循環ポンプ49とを有する。冷媒は、ラジエータ48、第1流路47A、冷媒ジャケット46、及び第2流路47Bを含む循環系において循環する。
【0124】
ラジエータ48は、冷媒を放熱させる。ラジエータ48で温度低下された冷媒が、第1流路47Aを介して冷媒ジャケット46に供給される。冷媒ジャケット46の内部空間を流通する冷媒は、放熱部12から熱を奪った後、第2流路47Bを介して、ラジエータ48に戻される。循環ポンプ49は、冷却装置40Fの循環系において冷媒が循環するように駆動する。循環ポンプ49は、熱電発電モジュール10から供給された消費電力Pcにより駆動する。
【0125】
熱電発電モジュール10の発電電力Pgは、冷却装置40Fの循環ポンプ49に使用される消費電力Pcと外部負荷300に使用される実効電力Peとに分配される。監視部52Aは、循環ポンプ49の消費電力Pcを監視して監視データMdを出力する。制御指令部52Bは、循環ポンプ49の消費電力Pcが低下した場合に、外部負荷300の実効電力Peを低下させる。
【符号の説明】
【0126】
10…熱電発電モジュール、11…受熱部、11S…外面、11T…内面、12…放熱部、12S…外面、12T…内面、13…熱電半導体素子、13P…p型熱電半導体素子、13N…n型熱電半導体素子、14…リード線、15…第1電極、16…第2電極、20…受熱部材、30…放熱部材、31…プレート部、32…フィン部、40A…冷却装置、40E…冷却装置、40F…冷却装置、41…ファン、42…モータ、43…回転センサ、44…温度センサ、45…温調装置、46…冷媒ジャケット、47A…第1流路、47B…第2流路、48…ラジエータ、49…循環ポンプ、50…制御装置、51…電源部、52…制御部、52A…監視部、52B…制御指令部、53…調整部、53A…スイッチ部、53B…電流変更部、54…記憶部、60…加熱装置、61…燃料タンク、62…搬送部材、63…モータ、64…供給口、65…動力伝達機構、80…第1電力ライン、90…第2電力ライン、100A…熱電発電装置、100B…熱電発電装置、100C…熱電発電装置、100D…熱電発電装置、100E…熱電発電装置、100F…熱電発電装置、200…熱源、300…外部負荷、Cc…変更指令、Cs…切換指令、Ie…電流、Ie1…第1所定値、Ie2…第2所定値、Md…監視データ、Pc…消費電力、Pd…駆動電力、Pe…実効電力、Pg…発電電力、Ph…消費電力、Rc…回転数、Sh…閾値、Shp…停止閾値、Shs…開始閾値、Shv…変更閾値、Shv1…第1変更閾値、Shv2…第2変更閾値、Shv3…第3変更閾値、Tc…温度、Vc…電圧、ΔIe…規定量。