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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】カーテンウォール
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
E04B2/96
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020109999
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022007200
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正夫
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-64470(JP,A)
【文献】特開2003-96952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/88-2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体に固定される方立と、方立に支持される複数のパネルユニットと、複数のパネルユニットを連結する連結部材を備え、
パネルユニットは、上枠、下枠及び左右の竪枠を有しており、
一方側の竪枠は、方立に固定する固定部と連結部材を係合する係合部を有しているとともに、他方側の竪枠は、連結部材を係合する係合部を有し、
連結部材は、隣接して配置されたパネルユニットの竪枠間に対して竪枠の端部より挿入することで竪枠同士を連結するカーテンウォール。
【請求項2】
建物躯体に固定される方立と、方立に固定される支持竪枠と、方立に支持されるパネルユニットと、パネルユニットと支持竪枠を連結する連結部材を備え、
パネルユニットは、上枠、下枠及び左右の竪枠を有しており、
パネルユニットの竪枠及び支持竪枠は、連結部材を係合する係合部を有しており、
連結部材は、パネルユニットの竪枠と支持竪枠との間に対して竪枠の端部より挿入することで竪枠と支持竪枠を連結するカーテンウォール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル等の複数階の建物の外周に複数のパネルを固定して形成されるカーテンウォールが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-118678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献1のカーテンウォールは、パネルを順番に配置することでカーテンウォールを施工することができる。
しかし、カーテンウォールをユニット式にすることで、施工性が向上させることができるが、ユニット式のカーテンウォールの施工は、施工上隣接するパネルユニット間の寸法が大きくなる傾向にあり、隣接するパネル間の寸法を小さくしての施工は難しかった。
【0005】
本発明は、ユニット式のカーテンウォールにおいて、施工性の優れたカーテンウォールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、建物躯体に固定される方立と、方立に支持される複数のパネルユニットと、複数のパネルユニットを連結する連結部材を備え、パネルユニットは、上枠、下枠及び左右の竪枠を有しており、一方側の竪枠は、方立に固定する固定部と連結部材を係合する係合部を有しているとともに、他方側の竪枠は、連結部材を係合する係合部を有し、連結部材は、隣接して配置されたパネルユニットの竪枠間に対して竪枠の端部より挿入することで竪枠同士を連結するカーテンウォールである。
また、他の実施形態は、建物躯体に固定される方立と、方立に固定される支持竪枠と、方立に支持されるパネルユニットと、パネルユニットと支持竪枠を連結する連結部材を備え、パネルユニットは、上枠、下枠及び左右の竪枠を有しており、パネルユニットの竪枠及び支持竪枠は、連結部材を係合する係合部を有しており、連結部材は、パネルユニットの竪枠と支持竪枠との間に対して竪枠の端部より挿入することで竪枠同士もしくは竪枠と支持竪枠を連結するカーテンウォールである。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、ユニット式のカーテンウォールにおいて、施工性の優れたカーテンウォールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るカーテンウォールの外観図である。
図2】一実施形態に係るカーテンウォールの竪断面図であり、図1におけるx-x断面図である。
図3】一実施形態に係るカーテンウォールの横断面図であり、図1におけるy-y断面図である。
図4】一実施形態に係るカーテンウォールの一部拡大横断面図である。
図5】一実施形態に係るカーテンウォールの連結部材の図であり、(a)は全体斜視図であり、(b)は断面図である。
図6】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する図であり、(a)は横断面図であり、(b)は一部横断面図である。
図7】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する図であり、(a)は横断面図であり、(b)は一部横断面図である。
図8】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する図であり、(a)は横断面図であり、(b)は一部横断面図である。
図9】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する斜視図である。
図10】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する横断面図である。
図11】一実施形態に係るカーテンウォールの施工手順を説明する図であり、(a)は横断面図であり、(b)は一部横断面図である。
図12】一実施形態に係るカーテンウォールの横断面図であり、(a)は断面図であり、(b)は一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態のカーテンウォールについて、ビル等の複数階の建物の外周に複数のパネルユニットを順番に固定して形成されるカーテンウォールの例を用いて、図面を参考に説明する。
【0010】
本実施形態のカーテンウォールは、図1に示すように、複数階の建物の外周で各階の間部分に左右方向に並べられて配置される外壁部3(3A~3F)と、外壁部3の上下、すなわち各階の外周部分(ビジョン部)に左右方向に並べられて配置される複数のパネルユニット1(1A~1C)を備えている。外壁部3(3A~3F)とパネルユニット1(1A~1C)は、建物躯体に固定される方立を介して、建物の外周に固定されている。
【0011】
(方立)
外壁部3(3A~3F)とパネルユニット1(1A~1C)を建物に固定する方立2は、金属材料によって形成され、図3に示すように、断面略矩形中空状をなしており、図示しない固定手段によって建物躯体に固定されている。そして、図4に示すように、建物躯体に固定された方立2の屋内側面にパネルユニット1を固定する固定面2aを有するとともに、屋内側面にパネルユニット1を係合するための係合部2bが設けられている。
【0012】
また、方立2は、左右見込面に取付ブラケット21がボルトb1によって固定されており、外壁部3の上枠31および下枠32が取付ブラケット21を介して方立2に固定される。
方立2の中空部内には、必要に応じて、補強部材が配置されていてもよい。
【0013】
取付ブラケット21は、図2,3に示すように、見込壁21aと見付壁21bを有しており、見付壁21bが建物外周面と平行となるように、すなわち外壁部3と平行となるように配置され、見込壁21aが方立2の見込面に固定されている。なお、本実施形態の取付ブラケット21は、見込壁21aと見付壁21bとの間に水平板である補強板21cが取付けられ、取付ブラケット21が補強されている。
【0014】
(外壁部)
外壁部3(3A~3F)は、アルミ合金等の金属材料からなり、図1に示すように、上枠31、下枠32及び左、右竪枠33,34を有しており、上枠31、下枠32及び左、右竪枠33,34の内周にガラス等のパネル体35が配置される。
【0015】
外壁部3の上枠31は、図2に示すように、外周壁31aと、外周壁31aの屋内側内周面(下面)から内周方向(下方)に突設された屋内側中空壁部31bと、外周壁31aの屋外側から内周方向に突設された屋外側壁31cを有しており、屋内側中空壁部31bの屋内側上方に屋内方向に開口する固定溝31dが設けられているとともに、外周壁31aの外周面(上面)で見込み方向で中央位置から外周方向に突出する取付片31eが設けられている。
外壁部3の上枠31は、屋内側中空壁部31bと屋外側壁31cとの間に単層ガラス等のパネル体35を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0016】
外壁部3の下枠32は、外周壁32aと、外周壁32aの屋内側内周面(上面)から内周方向(上方)に突設された屋内側中空壁部32bと、外周壁32aの屋外側の内周側に取付けられる押縁32cを有しており、屋内側中空壁部32bの屋内側下方に屋内方向に開口する固定溝32dが設けられているとともに、外周壁32aの外周面(下面)で見込み方向で中央位置から外周方向に突出する取付片32eを有している。
外壁部3の下枠32は、屋内側中空壁部32bと押縁32cとの間に単層ガラス等のパネル体35を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0017】
外壁部3の上枠31及び下枠32は、図2,3に示すように、両端部近傍位置において固定溝31d,32d内にボルト座41が挿入されており、固定溝31d,32dの開口から屋内方向にボルトb2が突出している。ボルトb2は、方立2に固定された取付ブラケット21の見付壁21bにナットによって固定され、上枠31及び下枠32は左右の方立2,2間に固定される。
なお、左右の方立2,2に固定された取付ブラケット21,21間に補強部材24を配置して、ボルトb2によって取付ブラケット21に共締め固定してもよい。
【0018】
(パネルユニット)
パネルユニット1(1A~1C)は、アルミ合金等の金属材料からなり、図1に示すように、上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14を有しており、左、右竪枠13,14の内周に上枠11及び下枠12の端面を当接させた状態で四周に組まれて枠体が形成されている。
四周に組まれた枠体の内周には、複層ガラス等のパネル体15が配置される。
【0019】
図2に示すように、パネルユニット1の上枠11は、パネルユニット1の外周を形成する外周壁11aと、外周壁11aの屋内側内周面から内周方向に突設された屋内側中空壁部11bと、外周壁11aの屋外側から内周側に突設された屋外側壁11cを有しており、外周壁11aの外周面で見込み方向で屋内側位置および中央位置に外周方向に突出する二つの取付片11d,11eが設けられている。
上枠11は、屋内側中空壁部11bと屋外側壁11cとの間にパネル体15を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0020】
そして、パネルユニット1の上枠11は、屋内側中空壁部11b及び屋内側位置の取付片11dの屋内側面が上方位置にある外壁部3の下枠32の固定溝32dの裏面(屋外側面)に当接されてビスb3により固定されると共に、上枠11の中央位置の取付片11eと外壁部3の下枠32の取付片32eがビスb4により固定されて、上方に配置される外壁部3の下枠32に連結される。
【0021】
パネルユニット1の下枠12は、パネルユニット1の外周を形成する外周壁12aと、外周壁12aの屋内側内周面から内周方向に突設された屋内側中空壁部12bと、外周壁12aの屋外側の内周側に取付けられる押縁12cを有しており、外周壁12aの外周面で見込み方向で屋内側位置および中央位置に外周方向に突出する二つの取付片12d,12eが設けられている。
下枠12は、屋内側中空壁部12bと押縁12cとの間にパネル体15を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0022】
そして、パネルユニット1の下枠12は、屋内側中空壁部12b及び屋内側位置の取付片12dの屋内側面が下方位置にある外壁部3の上枠31の固定溝31dの裏面(屋外側面)に当接してビスb5により固定されると共に、下枠12の中央位置の取付片12eと外壁部3の上枠31の取付片31eがビスb6により固定されて、下方に配置される外壁部3の上枠31に連結される。
【0023】
図4に示すように、パネルユニット1の左竪枠13は、パネルユニット1の外周を形成する外周壁13aと、外周壁13aの屋内側内周面から内周方向に突設された屋内側中空壁部13bと、外周壁13aの屋外側の内周側に取付けられる押縁13cを有しており、屋内側中空壁部13bの屋内側から外周方向(左方向)に延びる第1係合部13dが設けられているとともに、外周壁13aの外周面で見込み方向ほぼ中央位置から外周方向に延びる第2係合部13eが設けられている。
左竪枠13は、屋内側中空壁部13bと押縁13cとの間にパネル体15を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0024】
パネルユニット1の右竪枠14は、外周壁14aと、外周壁14aの屋内側内周面から内周方向に突設された屋内側中空壁部14bと、外周壁14aの屋外側の内周側に取付けられる押縁14cを有している。
右竪枠14は、屋内側中空壁部14bの屋内側の内周端から屋内方向に延設されたのちに外周方向に屈曲して見付壁が連設してなる固定部14eと固定部14eの外周端が屋外方向に屈曲してなる当接部14fを有する固定片14dが設けられている。
また、右竪枠14は、屋内側中空壁部14bの屋内側壁から屋内側に向かって延びる係合片14gが設けられている。
【0025】
さらに、右竪枠14の外周壁14aの外周面には、外周方向に突設された第1係合部14h及び第2係合部14iが設けられている。
右竪枠14は、屋内側中空壁部14bと押縁14cとの間にパネル体15を嵌め込むパネル間口が形成されている。
【0026】
そして、パネルユニット1の右竪枠14は、係合片14gが方立2の屋外側面に設けられた係合部2bに係合されるとともに、固定片14dの固定部14eが方立2の固定面2aにビスb7により固定されて、方立2に支持固定されている。
右竪枠14が固定されたパネルユニット1の右側に隣接するパネルユニット1の左竪枠13は、屋内側面が右竪枠14の当接部14fに当接して配置され、右竪枠14に形成された第1係合部14h及び第2係合部14iと左竪枠に形成された第1係合部13d及び第2係合部13eが連結部材5を介して連結されている。
【0027】
連結部材5は、アルミ合金等の金属材料からなり、例えば図5(a)(b)に示すように、平板状で長尺の部材として形成されている。
連結部材5は、パネルユニット1の左竪枠13の第1係合部13dと第2係合部13eの間隔とほぼ同程度の幅寸法を有しており、平板状の連結部本体5aと、連結部本体5aの幅方向両端に連設され連結部本体5aと直角な面を有する当接壁5b,5bを有し、連結部本体5aの一方面には、長手方向全長に亘って3条の係合爪5c,5d,5eが形成されている。
【0028】
そして、連結部材5は、図4に示すように、両端の当接壁5b,5bが左竪枠13の第1係合部13dと第2係合部13eに対向するように納められるとともに、係合爪5c,5d,5eのいずれかに対して右竪枠14の第1係合部14h及び第2係合部14iが係合することによって、方立2に固定された右竪枠14に対して左竪枠13を屋外方向に移動しないように連結している。
【0029】
以上の左右のパネルユニット1,1が連結された状態においては、左パネルユニット1の右竪枠14の第1係合部14h及び第2係合部14iと、右のパネルユニット1の左竪枠13の第1係合部13dと第2係合部13eは見込方向にみて重複しており、重複した係合部が連結部材5によって連結されている。
【0030】
以上のように、本実施形態のパネルユニット1は、一方側の竪枠(右竪枠14)を方立2に固定し、他方側の竪枠(左竪枠13)を隣接するパネルユニット1の右竪枠14に連結部材5を介して係合しているので、隣接するパネルユニット同士が拘束されず、部材の伸び等による変形を吸収することができ、破損等を抑制することができる。
【0031】
(カーテンウォールの施工方法)
本実施形態のカーテンウォールの施工は、建物下方より順次上方へ積み重ねて行う。
以下、方立2を介して各階の間部分に固定された外壁部3(3D~3F)に対して、その上に各階の外周部分(ビジョン部)に配置されるパネルユニット1(1A~1C)を順番に施工する工程の一例について説明する。
【0032】
(1)図6(a)に示すように、パネルユニット1が配置される外周部分(ビジョン部)において、複数の方立2(2A~2D)のうち両端の方立2(2D,2A)の屋外側面にパネルユニット1を支持する左、右支持竪枠63,64を固定する。
【0033】
左支持竪枠63(右支持竪枠64も同様である)は、パネルユニット1の右竪枠14と同様の固定構造及び連結構造を有している。
すなわち、左支持竪枠63は、図6(b)に示すように、屋内側の内周端から屋内方向に延設されたのちに外周方向に屈曲して見付壁が連続してなる固定部63eと固定部63eの外周端が屋外方向に屈曲してなる当接部63fを有する固定片63dと、屋内側壁から屋内側に向かって延びる係合片63gが設けられている。
そして、左支持竪枠63は、係合片63gが方立2の係合部2bに係合するとともに、固定片63dがビスb7によって方立2の固定面2aに固定されている。
【0034】
左支持竪枠63のパネルユニット1側の面には、パネルユニット1に向かって延びる第1係合部63h及び第2係合部63iが設けられている。なお、左支持竪枠63(右支持竪枠64)は、図12(b)に示すように、第1係合部63h及び第2係合部63iの内周端がいずれも屋内側に屈曲している点でパネルユニット1の右竪枠14の第1係合部63h及び第2係合部63iと異なっている。
【0035】
(2)図7(a)(b)に示すように、外壁部3(3D,3E,3F)の上枠31の上面に、外観で右側に配置されるパネルユニット1(1C)を配置して、該パネルユニット1の左竪枠13を方立2に固定された左支持竪枠63の当接部63fに当接させて、パネルユニット1の右竪枠14の係合片14gを方立2(2C)の係合部2bに係合するとともに、固定部14eを方立2(2C)の固定面2aに当接してビスb7により固定することで、右竪枠14を方立2(2C)に固定する。
【0036】
そして、パネルユニット1Cの左竪枠13の第1係合部13d及び第2係合部13eと方立2に固定された左支持竪枠63の第1係合部63h及び第2係合部63iとの間に連結部材5を上方から挿入することで、左支持竪枠63とパネルユニット1(1C)の左竪枠13を連結する。
【0037】
その後、図2に示すように、外壁部3(3F)の上枠31の固定溝31d及び取付片31eとパネルユニット1Cの下枠12の取付片12d及び取付片12eをビスb5,b6によって屋内外からビス止め固定することで、パネルユニット1を建物外周に設置する。
【0038】
なお、適宜のタイミングにおいて、パネルユニット1の下枠12と外壁部3の上枠31との間にシール材を充填するとともに、左支持竪枠63とパネルユニット1(1C)の左竪枠13との間にバックアップ材及びシール材を充填すればよい。
【0039】
(3)図8(a)(b),図9(a)(b)に示すように、隣接されるパネルユニット1(1B)についても、上記のパネルユニット1Cの設置方法と同様の方法によって、建物の外周に固定する。
【0040】
(4)図10(a)に示すように、右端のパネルユニット1(1A)の配置は、左竪枠13を隣接するパネルユニット1Bの右竪枠14に寄せた状態で、パネルユニット1(1A)を左竪枠13を中心にして右竪枠14が屋内側方向に向かうように回動させて隣接するパネルユニット1(1B)と右支持竪枠64との間に右端のパネルユニット1(1A)を収める。
このとき、右支持竪枠64の第1係合部64hの内周端が屋内方向に屈曲しているので、パネルユニット1の回動に干渉する部分を減少させることができ、スムーズな回動ができる。
【0041】
隣接するパネルユニット1(1B)と右支持竪枠64との間に収まった右端のパネルユニット1(1A)を、図10(b)に示すように、右支持竪枠64の方向に移動させて、連結位置に配置する。
【0042】
図11(a)(b)に示すように、右端のパネルユニット1(1A)は、他のパネルユニット1(1B,1C)のように、右竪枠14は固定片14dを備えておらず、他のパネルユニット1(1B,1C)の左竪枠13と同様の構成を有し、第1係合部14mと第2係合部14nが設けられている。
【0043】
隣接するパネルユニット1(1B)と右支持竪枠64との間で連結位置に配置された右端のパネルユニット1(1A)は、左竪枠13及び右竪枠14の屋内側面を左に隣接するパネルユニット1の右竪枠14の当接部14f及び右支持竪枠64の当接部64fに当接させる。
【0044】
そして、右端のパネルユニット1(1A)の左竪枠13の第1係合部13d及び第2係合部13eと隣接するパネルユニット1の右竪枠14の第1係合部14h及び第2係合部14iとの間に連結部材5を上方から挿入することで連結するとともに、右端のパネルユニット1(1A)の右竪枠14の第1係合片部14mと第2係合部片14nと方立2に固定された右支持竪枠64の第1係合部64h及び第2係合部64iとの間に連結部材5を上方から挿入することで連結する。
【0045】
その後、外壁部3(3D)の上枠31の固定溝31d及び取付片31eとパネルユニット1(1A)の下枠12の取付片12d及び取付片12eをビスb5,b6によって屋内外からビス止め固定することで、パネルユニット1の建物の外周への配置を完了する。
【0046】
一階部分のパネルユニット1の配置が完了したのちに、パネルユニット1の上方に外壁部3を施工し、上記の工程を繰り返すことで、カーテンウォールを施工することができる。
なお、パネルユニット1と外壁部3の施工は、並行して行われてもよい。
【0047】
以上のように、本実施形態のカーテンウォールは、左パネルユニット1の右竪枠14の係合部と、右のパネルユニット1の左竪枠13の係合部を見込方向にみて重複させ、重複した係合部の間に連結部材5を竪枠の上方より挿入して連結することができるので、パネルユニット間の隙間を小さくすることができ、施工性、意匠性に優れたカーテンウォールを施工することができる。
【0048】
なお、本実施形態の連結部材5を用いたパネルユニット1の固定は、方立2,2間に一枚のパネルユニット1を配置して形成されるカーテンウォールについても採用できる。
例えば、図12(a)に示すように、左右の方立2,2に左、右支持竪枠63,64を固定して、左、右支持竪枠63,64間にパネルユニット1を配置して連結部材5を竪枠の上方端部より挿入して連結することで、施工することができる。
【0049】
また、パネルユニット1の左、右竪枠13,14に設けられる係合部の形状についても何ら限定されるものでなく、例えば図12(b)に示す左支持竪枠63で採用されているように、第1係合部13d及び第3係合部13eの内周端がいずれも屋内側(同一方向)に屈曲しているものでもよい。
すなわち、竪枠間に上方から連結部材を挿入することで竪枠同士が連結できるのであれば、連結部材5及び両竪枠の連結部の形状等は、どのようなものでもよい。
特に、方立に固定される支持竪枠について、内周端を屋内側に屈曲して係合片を形成することで、パネルユニットを回動して納めるときの施工性を向上させることができる。
【0050】
また、各階の外周部分に配置されるパネルユニットは、各階の高さと概ね同じ高さ寸法を有するパネル体15が嵌め込まれたユニットでもよいが、高さ方向で中間付近に中骨を有し複数のパネル体が配置されたユニットでもよい。
【0051】
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1 :パネルユニット
2 :方立
2a :固定面
2b :係合部
3 :外壁部
5 :連結部材
13 :左竪枠
13d,13e:係合部
14 :右竪枠
14e :固定部
14h,14i:係合部
63 :左支持竪枠
64 :右支持竪枠
64e :固定部
64h,64i:係合部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12