(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ハエを管理するための装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/60 20170101AFI20231117BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231117BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
G06T7/60 110
G06T7/00 350C
A01K29/00 A
(21)【出願番号】P 2020565838
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2019063092
(87)【国際公開番号】W WO2019228861
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-09
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508270727
【氏名又は名称】バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】フェーレ、ハメケルズ
(72)【発明者】
【氏名】ナジム、トルン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク、バーンズ
【審査官】淀川 滉也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0000575(US,A1)
【文献】国際公開第2017/001538(WO,A1)
【文献】特開2016-019505(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0056427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/60
G06T 7/00
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハエを管理するための装置(10)であって、
- 入力ユニット(20)と、
- 処理ユニット(30)と、
- 出力ユニット(40)と、
を含み、
前記入力ユニットは、農業環境の少なくとも1つの画像を前記処理ユニットに提供するように構成され、前記農業環境は複数のウシ科動物を含み、
前記少なくとも1つの画像は、前記複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含み、
前記処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内のハエの数を測定するように構成され、
前記処理ユニットは、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、前記決定することは、前記測定されたハエの数を利用することを含み、
前記出力ユニットは、前記決定された前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される、
ハエを管理するための装置(10)。
【請求項2】
少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の前記画像データが、前記ウシ科動物に隣接するウシ科動物の画像データ以外の画像データを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理ユニットが、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の前記画像データ内の、少なくとも1種の特定の種類のハエを識別するように構成され、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内で前記測定されたハエの数が、前記少なくとも1種の特定の種類のハエである、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内のハエの数である、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記画像内の前記ハエの数の測定が、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データを分析するために、画像処理アルゴリズムを実施することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記画像処理アルゴリズムが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記機械学習アルゴリズムが、ニューラルネットワークである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記機械学習アルゴリズムが、訓練された機械学習アルゴリズムであり、
機械学習の訓練は、グラウンドトゥルースデータおよび関連画像を利用することを含む、請求項5~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記機械学習アルゴリズムの後続の訓練が、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データを利用することを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記後続の訓練が、前記測定されたハエの数を利用することを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記入力ユニットが、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する前記表示の評価を、ユーザから受信するように構成され、前記後続の訓練が、前記評価を利用することを含む、請求項8~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内の
1画素が、2mm以下の前記少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部に投影されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する前記治療に関する前記表示が、複数の考えられる寄生レベルのうちの定義された寄生レベルの表示を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する前記治療に関する前記表示が、前記複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要であるというメッセージを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記処理ユニットが、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品を特定するように構成され、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する前記治療に関する前記表示が、ハエの寄生に対する治療に使用可能な前記少なくとも1つの化学製品に関するメッセージを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記入力ユニットが、前記農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を、ユーザが入力できるように構成され、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、前記少なくとも1つの化学製品の特定には、前記農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する前記情報を利用することを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する前記治療に関する前記表示が、前記複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要でないというメッセージを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する前記情報を決定することが、ハエの数の閾値を利用することを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの画像が、複数の画像を含み、前記少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部が、前記少なくとも1頭のウシ科動物の複数の部分を含み、前記複数の画像のそれぞれの画像が、前記複数の部分の異なる部分と関連付けられ、前記測定された少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内のハエの数が、前記複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を前記決定することが、前記複数の画像のそれぞれの画像内の前記ハエの数を統計分析することを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1頭のウシ科動物が、少なくとも2頭のウシ科動物を含み、前記複数の部分のうちの第1の部分が、前記少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第1のウシ科動物と関連付けられ、前記複数の部分のうちの第2の部分が、前記少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第2のウシ科動物と関連付けられる、請求項18~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記複数の部分のそれぞれの部分が、異なるウシ科動物と関連付けられる、請求項18~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記複数の画像のうちの少なくとも1つの第1の画像が、前記複数の画像のうちの少なくとも1つの第2の画像に対して異なる日に取得されている、請求項18~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの画像を分析して、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データを決定するために、セグメンテーションアルゴリズムを実行するように構成される、請求項1~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記セグメンテーションアルゴリズムが、1匹または複数のハエ以外の物体の画像データを有する、前記少なくとも1つの画像の少なくとも1つの領域を決定するように構成され、この物体は、前記少なくとも1頭のウシ以外のものであり、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の前記画像データを決定することは、前記少なくとも1つの画像から、前記少なくとも1つの領域を選択解除することを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記処理ユニットが、前記少なくとも1頭のウシ科動物を検出するように構成され、前記検出することが、前記少なくとも1つの画像を分析することを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1頭のウシ科動物を検出するために前記少なくとも1つの画像を分析することが、物体検出アルゴリズムを利用することを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
ハエを管理するためのデバイス(100)であって、
- カメラ(110)と、
- 請求項1~26のいずれか一項に記載の、ハエを管理するための装置(10)と、
- ハウジング(120)と、
を含み、
前記カメラおよび装置は、前記ハウジング内に収容され、
前記カメラは、前記農業環境の前記少なくとも1つの画像を取得するように構成される、
ハエを管理するためのデバイス(100)。
【請求項28】
前記入力ユニット(20)が、少なくとも1つの開始画像を前記処理ユニット(30)に提供するように構成され、前記少なくとも1つの開始画像が、多数のウシ科動物の画像データを含み、前記多数のウシ科動物が、前記少なくとも1頭のウシ科動物を含み、前記処理ユニットが、前記少なくとも1頭のウシ科動物を選択するように構成され、前記選択することが、前記少なくとも1つの開始画像を分析することを含む、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記出力ユニット(40)が、前記選択された少なくとも1頭のウシ科動物に関する少なくとも1つの表示を、前記デバイスのユーザに提示するように構成される、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記出力ユニットが、ビジュアルディスプレイユニット(130)を含み、前記ビジュアルディスプレイユニットが、前記選択された少なくとも1頭のウシに関する前記少なくとも1つの表示が前記少なくとも1つの開始画像上で強調表示されている、前記少なくとも1つの開始画像を表示するように構成される、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記入力ユニットが、前記出力ユニットの前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する前記表示の前記出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、前記複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成され、前記デバイスが、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニット(140)に、前記コマンド命令を伝送するように構成される、請求項27~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
ハエを管理するためのシステム(200)であって、
- カメラ(210)と、
- 第1のトランシーバ(220)と、
- 処理ユニット(230)と、
- 第2のトランシーバ(240)と、
- ハウジング(250)と、
を含み、
前記カメラおよび前記第1のトランシーバは、前記ハウジング内に収容され、
前記処理ユニットおよび前記第2のトランシーバは、前記ハウジング内に収容されておらず、
前記カメラは、農業環境の少なくとも1つの画像を取得するように構成され、前記農業環境は、複数のウシ科動物を含み、前記少なくとも1つの画像は、前記複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含み、
前記第1のトランシーバは、前記少なくとも1つの画像を伝送するように構成され、前記第2のトランシーバは、前記少なくとも1つの画像を受信するように構成され、前記第2のトランシーバは、前記処理ユニットに前記少なくとも1つの画像を提供するように構成され、
前記処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内のハエの数を測定するように構成され、
前記処理ユニットは、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、前記決定することは前記測定されたハエの数を利用することを含む、
ハエを管理するためのシステム(200)。
【請求項33】
前記システムが、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニット(260)を含み、前記少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットが、前記決定された前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、前記複数のウシ科動物に、ハエの寄生に対する治療を適用するように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記システムが、前記ハウジング内に収容された出力ユニット(270)を含み、前記第2のトランシーバが、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する前記情報を伝送するように構成され、前記第1のトランシーバが、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する前記情報を受信するように構成され、前記出力ユニットが、前記決定された前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される、請求項32~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
請求項33に従属する場合の請求項34に記載のシステムであって、前記システムが、前記ハウジング内に収容された入力ユニット(280)を含み、前記入力ユニットが、前記出力ユニットの前記複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する前記表示の前記出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、前記複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成され、前記第1のトランシーバが、前記少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットに、前記コマンド命令を送信するように構成される、システム。
【請求項36】
ハエを管理するための方法(300)であって、
a) 農業環境の少なくとも1つの画像を処理ユニットに提供すること(310)であって、前記農業環境は、複数のウシ科動物を含み、前記少なくとも1つの画像は、前記複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含むことと、
b) 前記処理ユニットによって少なくとも1頭のウシ科動物の前記少なくとも一部の前記画像データ内のハエの数を測定すること(320)と、
c) 前記処理ユニットによって前記複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定すること(330)であって、前記決定することは、前記測定されたハエの数を利用することを含むことと、
を含む、ハエを管理するための方法(300)。
【請求項37】
プロセッサによって実行される場合、請求項36の前記方法を実行するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置を制御するためのコンピュータプログラム構成要素、および/または、請求項27~31のいずれか一項に記載のデバイス、および/または、請求項32~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
請求項37に記載の、格納された前記コンピュータプログラム構成要素を有するコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハエを管理するための装置、ハエを管理するためのデバイス、ハエを管理するためのシステム、ハエを管理するための方法、ならびにコンピュータプログラム構成要素およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的な背景は、肉牛および乳牛の両方の環境における畜牛業のために、ハエを制御することである。ツノサシバエ、サシバエ、イエバエおよびウマバエなどのある種のハエは、肉牛および乳牛(以後、ウシまたはウシ科動物と称する)を、毎日、何回も吸血する。寄生されたウシは、患部をなめ、尾でむち打ち、横腹をひきつらせることによって反応する。かなりの数の、日常的に発生する痛みを伴う咬傷、および関連するストレスに加えて、そのような咬傷から生じる病変により、結果として二次感染を引き起こし、動物の皮に審美的欠陥をもたらす可能性がある。寄生されたウシの発育速度は、寄生されていないウシに対して大幅に低下し、乳汁分泌速度もまたはるかに低くなり、かつ低品質の皮は皮革業界に影響を与える。世界の畜牛業におけるハエの寄生が与える年間の影響は、数十億ドルと評価されるものと推定されている。しかしながら、農業者は、自身のウシを治療する時期について決定する簡単な方法を持っておらず、圃場内の1頭または数頭のウシの上およびその周囲にいるハエに基づいて、すべての圃場に沢山いるウシを治療すべきかどうかを決定することは、経験豊かな農業者であっても困難な場合がある。
【発明の概要】
【0003】
ハエの寄生に対してウシを治療しなくてはならないかどうかを決定する、改善された手段を有することは有利であろう。
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は従属請求項に組み込まれる。以下に記載される本発明の態様および例はまた、ハエを管理するための装置、ハエを管理するためのデバイス、ハエを管理するためのシステム、ハエを管理するための方法、ならびにコンピュータプログラム構成要素およびコンピュータ可読媒体に適用するものであるということに留意すべきである。
【0005】
第1の態様によれば、
- 入力ユニットと、
- 処理ユニットと、
- 出力ユニットと、を含む、ハエを管理するための装置が提供される。
【0006】
入力ユニットは、農業環境の少なくとも1つの画像を処理ユニットに提供するように構成され、農業環境は複数のウシ科動物を含む。少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含む。処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定するように構成される。処理ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含む。出力ユニットは、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される。
【0007】
換言すれば、ハエを検出するために、ウシ、または実際は1頭の雌牛/去勢牛の画像を分析し、この画像を使用して、領域内のすべてのウシにハエの寄生に対する治療をするべきかそうでないかについて、目的の情報を農業者に提供する。ハエの寄生に対して自身のウシを治療すべきかどうかを決定することが農業者にとって難しい場合がある。これにより、その時点で処置が必要か、または逆に処置が必要でないかという警告を、農業者に自動的に発するための単純な方法が提供される。従って、ハエの寄生に対して、より良好なウシの管理決定法を提供する、ハエ診断技術が提供される。
【0008】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データは、ウシ科動物に隣接するウシ科動物の画像データ以外の画像データを含む。
【0009】
このように、1頭または複数のウシの周囲の画像データが、1頭または複数のウシの画像データに加えて分析され、この方法で、1頭または複数のウシの上にいるハエ、および1頭または複数のウシの周囲で飛んでいるハエを計数することができる。
【0010】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内の、少なくとも1種の特定の種類のハエを識別するように構成される。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内で測定されたハエの数は、このとき、少なくとも1種の特定の種類のハエである、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数であり得る。
【0011】
従って、ハエの治療を適用するための決定は、根拠としてハエの種類を考慮に入れることができる。このように、他のハエに対して特定のハエと関連する、より有害な経済的影響に対して、それらのハエを識別して治療を適用することにより対処することができるが、このとき、それほど攻撃的でないか、または有害でないハエが存在した場合は、その治療は適用されない。また、適用される特定のハエの治療は、根拠としてハエの種類(複数可)を要因とすることができる。
【0012】
一例において、画像内のハエの数の測定は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを分析するために、画像処理アルゴリズムを実施することを含む。
【0013】
一例において、画像処理アルゴリズムは機械学習アルゴリズムを含む。
【0014】
一例において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークである。
【0015】
一例において、機械学習アルゴリズムは、訓練された機械学習アルゴリズムである。機械学習の訓練は、グラウンドトゥルースデータおよび関連画像を利用することを含み得る。
【0016】
一例において、機械学習アルゴリズムの後続の訓練は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを利用することを含む。
【0017】
このように、機械学習アルゴリズムを継続的に向上させることができる。
【0018】
一例において、後続の訓練は、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0019】
一例において、入力ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の評価を、ユーザから受信するように構成される。後続の訓練は、その評価を利用することを含み得る。
【0020】
このように、農業者またはユーザは、提供される表示に同意しても、または同意しなくても、または完全に同意しなくてもよい。このことにより、例えば、画像処理アルゴリズムにより多すぎるハエを計数することにつながる、ウシの上の泥の飛沫により、農業者に提示される寄生レベルおよび/またはハエの数(平均などの)が、結果として高すぎてしまう可能性がある、誤判定の影響を緩和することができる。農業者は、自らの経験を用いてこの結果を照会することができ、そのような泥のしみをハエとより良好に区別できるようにするために、画像データを訓練セットから削除するか、またはこれらを使用して、ニューラルネットワーク層内における重みを調整することができる。従って、時間が経つにつれて、更なるロバストな診断ツールが開発される。
【0021】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データの画素は、2mm以下の少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部に投影されている。
【0022】
換言すれば、ハエを他の物体と区別することができるような適切な解像度レベルで、1匹のハエと別のハエを区別する場合でも十分な高い解像度でハエを画像化する。従って、例えば、ハエの長さおよび/または幅をカバーする5画素以上を有することで、効率的に検出/識別ができるようにすることができる。
【0023】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数の考えられる寄生レベルのうちの定義された寄生レベルの表示を含む。
【0024】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要であるというメッセージを含む。
【0025】
一例において、処理ユニットは、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品を特定するように構成される。複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品に関するメッセージを含み得る。
【0026】
一例において、入力ユニットは、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を、ユーザが入力できるように構成される。ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品の特定には、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を利用することを含み得る。
【0027】
このように、有効成分のローテーションに関する情報、および/または、以前に何が機能したのか、または機能しなかったのかに関する情報が農業者に提供され、どのような治療が最適なのかについて情報に基づいて決定することが可能となり、それによって有効成分に対して耐性ができてしまうことが軽減される。
【0028】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要ではないというメッセージを含む。
【0029】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、ハエの数の閾値を利用することを含む。
【0030】
従って、経済的影響があると判断される特定閾値数を上回るハエにウシが寄生されたときに、処置を施すべきであることを農業者に通知することができる。および、同様に、その閾値に到達していない場合は、処置を施す必要がないことを農業者に通知することができる。
【0031】
一例において、少なくとも1つの画像は、複数の画像を含む。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部は、少なくとも1頭のウシ科動物の複数の部分を含むことができる。複数の画像のそれぞれの画像は、複数の部分の異なる部分と関連付けることができる。測定された少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数は、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を含むことができる。
【0032】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を統計分析することを含む。
【0033】
このように、例えば、いくつかの画像が平均よりもはるかに高いか、またははるかに低い、統計的に有意な数を有する異常値のケースを選択解除し、考慮に入れないことで、潜在的なハエの寄生をより良く認識することが決定され得る。また、戻ってきた平均値は、分析される画像の数の平方根で除した標準偏差から求められる、対応する許容誤差を有することが可能であり、これを使用して信頼水準を求めることができる。例えば、表示は閾値レベル以上だが、画像内のハエの数が大きく変動しているために許容誤差が大きい場合に、これを農業者に示すことができ、農業者は、どのように進めるかに関して十分考慮した決定をすることができる。同様に、画像当たりのハエの数が整合性のある範囲内にある場合、単に閾値に到達したときであっても、戻された表示は結果として誤差の範囲が小さいものとなり、これを使用して農業者に治療を開始させることができる。
【0034】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物は、少なくとも2頭のウシ科動物を含む。複数の部分のうちの第1の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第1のウシ科動物と関連付けることができ、複数の部分のうちの第2の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第2のウシ科動物と関連付けることができる。
【0035】
従って、単に1頭の雌牛/ウシ/去勢牛である可能性のある画像は、ウシの群れにハエの問題があるかどうかをより良く判断するために、ここでは多数の雌牛/ウシ/去勢牛を含む。
【0036】
一例において、複数の部分のそれぞれの部分は、異なるウシ科動物と関連付けられる。
【0037】
一例において、複数の画像のうちの少なくとも1つの第1の画像が、複数の画像のうちの少なくとも1つの第2の画像に対して異なる日に取得されている。
【0038】
このように、農業者は、問題が大きくなっているか、小さくなっているかについての理解を得ることができ、経済的に有害なものとなる前に、必要に応じて進展している問題に対して先制処置を施すことができるが、処置を行わないままでいる場合は、そのような有害な影響がもたらされることになる。
【0039】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの画像を分析して、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定するために、セグメンテーションアルゴリズムを実行するように構成される。
【0040】
一例において、セグメンテーションアルゴリズムは、1匹または複数のハエ以外の物体の画像データを有する、少なくとも1つの画像の少なくとも1つの領域を決定するように構成され、この物体とは少なくとも1頭のウシ以外のものである。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定することは、少なくとも1つの画像から少なくとも1つの領域を選択解除することを含む。
【0041】
このように、雌牛の上の泥の斑点、もしくは雌牛の商標マークなどの画像データ、または雌牛の前にある植物の画像データを識別して画像に含まれないようにすることができ、次にこれを分析し、根拠としてハエの数を測定することができる。これにより、そのような測定の速度および正確さが改善され、誤判定を軽減することが促進される。
【0042】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するように構成され、この検出することは、少なくとも1つの画像を分析することを含む。
【0043】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するために少なくとも1つの画像を分析することは、物体検出アルゴリズムを利用することを含む。
【0044】
第2の態様によれば、
- カメラと、
- 第1の態様による、ハエを管理するための装置と、
- ハウジングと、を含む、ハエを管理するためのデバイスが提供される。
【0045】
カメラおよび装置は、ハウジング内に収容されている。カメラは、農業環境の少なくとも1つの画像を取得するように構成されている。
【0046】
このように、農業者は、圃場を歩き回り、ウシおよびウシの周囲の画像を取得することができ、ハエの寄生に対してウシを治療するか、またはしないかに関する表示を農業者に提供することができる。
【0047】
一例において、入力ユニットは、少なくとも1つの開始画像を処理ユニットに提供するように構成される。少なくとも1つの開始画像は、多数のウシ科動物の画像データを含む。多数のウシ科動物は、少なくとも1頭のウシ科動物を含む。処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を選択するように構成され、この選択することは、少なくとも1つの開始画像を分析することを含む。
【0048】
このように、雌牛またはウシの群れのどこで画像が取得できるかを、農業者に通知することができる。従って、圃場内の雌牛1頭当たりのハエの平均数が人為的に低いかまたは高くなる結果となり得る、最初に遭遇したわずかな雌牛から画像を取得するのではなく、ハエの状況についてより良好な統計評価を得るために、群れの全体にわたって間隔を置いて存在する雌牛/ウシの画像を取得するように農業者に通知することができる。
【0049】
一例において、出力ユニットは、選択された少なくとも1頭のウシ科動物に関する少なくとも1つの表示を、デバイスのユーザに提示するように構成されている。
【0050】
一例において、出力ユニットはビジュアルディスプレイユニットを含む。ビジュアルディスプレイユニットは、選択された少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示が少なくとも1つの開始画像上で強調表示されている、少なくとも1つの開始画像を表示するように構成される。
【0051】
これは、農業者がどのような雌牛/ウシを画像化するか、または撮影するかについて決定するのに役立つ。
【0052】
一例において、入力ユニットは、出力ユニットの複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成される。デバイスは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットに、コマンド命令を伝送するように構成される。
【0053】
従って、農業者にはハエの問題に関する表示が提供されるが、このとき、農業者は、圃場内の雌牛/ウシを自動的に治療することを制御し、かつこの治療を開始するための簡単な手段を有する。
【0054】
第3の態様によれば、
- カメラと、
- 第1のトランシーバと、
- 処理ユニットと、
- 第2のトランシーバと、
- ハウジングと、を含む、ハエを管理するためのシステムが提供される。
【0055】
カメラおよび第1のトランシーバは、ハウジング内に収容されている。処理ユニットおよび第2のトランシーバは、ハウジング内に収容されていない。カメラは、農業環境の少なくとも1つの画像を取得するように構成されている。農業環境は、複数のウシ科動物を含む。少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含む。第1のトランシーバは、少なくとも1つの画像を伝送するように構成され、第2のトランシーバは、少なくとも1つの画像を受信するように構成されている。第2のトランシーバは、処理ユニットに少なくとも1つの画像を提供するように構成されている。処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定するように構成される。処理ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0056】
一例において、システムは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットを含む。少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットは、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物に、ハエの寄生に対する治療を適用するように構成されている。
【0057】
一例において、システムは、ハウジング内に収容された出力ユニットを含む。第2のトランシーバは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を伝送するように構成され、第1のトランシーバは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を受信するように構成されている。出力ユニットは、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される。
【0058】
一例において、システムは、ハウジング内に収容された入力ユニットを含む。入力ユニットは、出力ユニットの複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成される。第1のトランシーバは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットに、コマンド命令を送信するように構成される。
【0059】
第4の態様によれば、
a) 農業環境の少なくとも1つの画像を処理ユニットに提供することであって、農業環境は、複数のウシ科動物を含み、少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含むことと、
b) 処理ユニットによって少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定することと、
c) 処理ユニットによって複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することであって、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含むことと、を含む、ハエを管理するための方法が提供される。
【0060】
別の態様によれば、上記で記載されたような方法を実行するように構成されたプロセッサによって実行される場合、上記で記載されたものに従って装置を制御するためのコンピュータプログラム構成要素、および/または上記で記載されたようなデバイス、上記で記載されたようなシステムが提供される。
【0061】
別の態様によれば、上記で記載されたような格納されたコンピュータプログラム構成要素を有するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0062】
有利には、上記態様のいずれかによって提供される利点は、その他の態様のすべてに等しく適用されるものであり、逆もまた同様である。
【0063】
上記態様および例は、本明細書で記載される実施形態により明らかになり、これを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
以下の図面および表1を参照しながら、以下で例示的な実施形態を説明する。
【
図1】ハエを管理するための装置の一例の概略的な構成を示す。
【
図2】ハエを管理するためのデバイスの一例の概略的な構成を示す。
【
図3】ハエを管理するためのシステムの一例の概略的な構成を示す。
【
図5】ハエが寄生している画像、およびハエが寄生している画像の代表的な図を示す。
【
図6】ハエを管理するのに使用される機械学習アルゴリズムを訓練することに関係する、例示的な工程の概略図を示す。
【
図7】ハエを管理するのに使用される画像、およびハエを管理するのに使用される画像の概略図の一例を示す。
【
図8】ハエを管理するのに使用される画像を取得する一例の概略図、およびその画像を利用する際の例示的な工程の表示を示す。
【
図9】ハエの管理およびその画像の代表的な図に関係する工程の一例における、画像および処理画像を示す。
【
図10】ハエの管理の一部として計数されたハエの数の画像およびその画像の代表的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、ハエを管理するための装置10の一例を示す。装置10は、入力ユニット20、処理ユニット30、および出力ユニット40を含む。入力ユニット20は、農業環境の少なくとも1つの画像を処理ユニット30に提供するように構成されている。農業環境は、複数のウシ科動物を含む。本明細書では、ウシ科動物とは、雌牛、ウシ、去勢牛、バイソン、バッファローを意味する。少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含む。処理ユニット30は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定するように構成されている。処理ユニット30はまた、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含む。出力ユニット40は、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される。
【0066】
一例において、少なくとも1つの画像は、携帯用デバイスのカメラによって取得されている。
【0067】
一例において、少なくとも1つの画像は、スマートフォンのカメラによって取得されている。
【0068】
一例において、少なくとも1つの画像は、ズームレンズ機能付きのカメラによって取得されている。
【0069】
一例において、少なくとも1つの画像は、農業環境内で固定して取り付けられたカメラによって取得されている。
【0070】
一例において、少なくとも1つの画像は、無人航空機(UAV)のカメラによって取得されている。
【0071】
一例によれば、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データは、ウシ科動物に隣接するウシ科動物の画像データ以外の画像データを含む。
【0072】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内において、少なくとも1種の特定の種類のハエを識別するように構成される。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内で測定されたハエの数は、このとき、少なくとも1種の特定の種類のハエである、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数であり得る。
【0073】
一例によれば、画像内のハエの数の測定は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを分析するために、画像処理アルゴリズムを実施することを含む。
【0074】
一例によれば、画像処理アルゴリズムは機械学習アルゴリズムを含む。
【0075】
一例において、機械学習アルゴリズムは決定木アルゴリズムを含む。
【0076】
グラウンドトゥルースのハエの数によりウシおよびその周囲の画像間の相関関係を、存在するハエの種類に関するグラウンドトゥルース情報によりウシおよびその周囲の画像間の相関関係を、画像内の泥、植物などの特徴に関するグラウンドトゥルース情報によりウシおよびその周囲の画像間の相関関係を見出すために、機械学習モデルを使用する。このように、この方法で訓練された機械学習アプローチを使用して、植物および泥の斑点などの画像内の他の特長を考慮に入れ、画像を処理し、存在するハエの数およびハエの種類を決定することができる。
【0077】
この目的のために、TensorFlowを使用してもよい。TensorFlowとは、様々なタスクにわたる、データフロープログラミングのためのオープンソースソフトウェアライブラリである。TensorFlowはシンボリックな数学ライブラリであり、ニューラルネットワークなどの機械学習アプリケーションにも使用されている。TensorFlowは、Google内部で使用するためにGoogle Brain teamによって開発されたものである。Apache 2.0オープンソースライセンスの下で、2015年11月9日にリリースされている。
【0078】
一例によれば、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークである。
【0079】
一例において、深層学習ニューラルネットワーク内のニューラルネットワークは、少なくとも1つの隠れ層を含む。
【0080】
一例によれば、機械学習アルゴリズムは、訓練された機械学習アルゴリズムであり、機械学習訓練はグラウンドトゥルースデータおよび関連画像を利用することを含む。
【0081】
一例において、機械学習アルゴリズムは、複数の画像に基づいて教えられている。一例において、機械学習アルゴリズムは、少なくとも1種類のハエの画像を含む複数の画像に基づいて教えられており、この画像にはハエのいない画像が含まれる。一例において、機械学習アルゴリズムに、関連画像のグラウンドトゥルースの数として、数にゼロを含むハエの数が提供される。一例において、ウシの上およびその周囲にいるハエの画像と同様に、ハエのいないウシの皮、およびハエのいないウシに隣接した領域の画像が提供される。一例において、この画像は、例えば泥の斑点、植物などの、ハエ以外の物体の画像を有する。一例において、グラウンドトゥルース情報として、ハエの数と同様にハエの位置が関連画像と共に提供される。一例において、画像内の異なる種類のハエの識別が、グラウンドトゥルース情報として提供される。一例において、様々な日光および気象条件にわたって撮影された、すべての画像が提供される。
【0082】
一例によれば、機械学習アルゴリズムの後続の訓練は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを利用することを含む。
【0083】
一例によれば、後続の訓練は、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0084】
一例によれば、入力ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の評価をユーザから受信するように構成され、後続の訓練は、その評価を利用することを含む。
【0085】
一例によれば、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データの画素は、2mm以下の少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部に投影されている。
【0086】
一例において、物体面における画素の投影は、1.5mm以下である。
【0087】
一例において、物体面における画素の投影は、1.0mm以下である。
【0088】
一例において、物体面における画素の投影は、0.75mm以下である。
【0089】
一例において、物体面における画素の投影は、0.5mm以下である。
【0090】
一例において、物体面における画素の投影は、0.25mm以下である。
【0091】
一例によれば、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数の考えられる寄生レベルのうちの定義された寄生レベルの表示を含む。
【0092】
一例によれば、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要であるというメッセージを含む。
【0093】
一例によれば、処理ユニットは、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品を特定するように構成される。複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、このとき、ハエの寄生に対する治療に使用可能な少なくとも1つの化学製品に関するメッセージを含み得る。
【0094】
一例によれば、入力ユニットは、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を、ユーザが入力できるように構成される。ここで、ハエの寄生に対する治療に使用することができる、少なくとも1つの化学製品の特定には、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を利用することを含む。
【0095】
一例によれば、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要ではないというメッセージを含む。
【0096】
一例によれば、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、ハエの数の閾値を利用することを含む。
【0097】
一例によれば、少なくとも1つの画像は複数の画像を含み、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部は、少なくとも1頭のウシ科動物の複数の部分を含む。複数の画像のそれぞれの画像は、複数の部分の異なる部分と関連付けられる。測定された少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数は、このとき、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を含むことができる。
【0098】
一例によれば、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を統計分析することを含む。
【0099】
一例によれば、少なくとも1頭のウシ科動物は、少なくとも2頭のウシ科動物を含む。このとき、複数の部分のうちの第1の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第1のウシ科動物と関連付けることができ、複数の部分のうちの第2の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第2のウシ科動物と関連付けることができる。
【0100】
一例によれば、複数の部分のそれぞれの部分は、異なるウシ科動物と関連付けられる。
【0101】
一例において、2頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0102】
一例において、4頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0103】
一例において、8頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0104】
一例において、8頭を超えるウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0105】
一例によれば、複数の画像のうちの少なくとも1つの第1の画像が、複数の画像のうちの少なくとも1つの第2の画像に対して異なる日に取得されている。
【0106】
一例において、複数の画像のそれぞれの画像が、異なる日に取得されている。
【0107】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1つの画像を分析して、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定するために、セグメンテーションアルゴリズムを実行するように構成される。
【0108】
一例によれば、セグメンテーションアルゴリズムは、1匹または複数のハエ以外の物体の画像データを有する、少なくとも1つの画像の少なくとも1つの領域を決定するように構成され、この物体とは少なくとも1頭のウシ以外のものである。このとき、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定することは、少なくとも1つの画像から少なくとも1つの領域を選択解除することを含むことができる。
【0109】
一例において、セグメンテーションアルゴリズムは、ハエがいる画像、および泥の斑点ならびに植物の画像などのハエ以外の物体の画像に基づいて訓練される。
【0110】
一例において、セグメンテーションアルゴリズムには、画像処理アルゴリズムベースのニューラルネットワークなどの、画像処理アルゴリズムが含まれる。
【0111】
一例によれば、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するように構成され、この検出することは、少なくとも1つの画像を分析することを含む。
【0112】
一例によれば、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するために少なくとも1つの画像を分析することは、物体検出アルゴリズムを利用することを含む。
【0113】
図2は、ハエを管理するためのデバイス100の一例を示す。デバイス100は、カメラ110、
図1を参照して上記で記載したような、ハエを管理するための装置10、およびハウジング120を含む。カメラ110および装置10は、ハウジング120内に収容されている。カメラ110は、農業環境の少なくとも1つの画像を取得するように構成されている。
【0114】
一例において、デバイスは携帯用デバイスである。
【0115】
一例において、デバイスはスマートフォンである。
【0116】
一例において、デバイスは、ズームレンズ機能付きのカメラを有する。
【0117】
一例において、デバイスは、農業環境内で固定して取り付けられている。
【0118】
一例において、デバイスは無人航空機(UAV)である。一例において、UAVは、1頭または複数のウシ科動物のハエの寄生の治療を行うように構成されている。一例において、ハエの寄生の治療は、1頭または複数のウシ科動物に化学製品を適用することを含む。
【0119】
デバイスの一例によれば、装置10の入力ユニット20は、装置の処理ユニット30に少なくとも1つの開始画像を提供するように構成されている。少なくとも1つの開始画像は、多数のウシ科動物の画像データを含む。多数のウシ科動物は、少なくとも1頭のウシ科動物を含む。処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を選択するように構成され、この選択することは、少なくとも1つの開始画像を分析することを含む。
【0120】
デバイス100の一例によれば、装置10の出力ユニット40は、選択された少なくとも1頭のウシ科動物に関する少なくとも1つの表示を、デバイスのユーザに提示するように構成されている。
【0121】
一例によれば、出力ユニットはビジュアルディスプレイユニット130を含む。ビジュアルディスプレイユニットは、選択された少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示が少なくとも1つの開始画像上で強調表示されている、少なくとも1つの開始画像を表示するように構成される。
【0122】
一例によれば、入力ユニットは、出力ユニットの複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成される。デバイスは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニット140に、コマンド命令を伝送するように構成される。
【0123】
一例において、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットは、1または複数の無人航空機を含む。
【0124】
図3は、ハエを管理するためのシステム200の一例を示す。システム200は、カメラ210、第1のトランシーバ220、処理ユニット230、第2のトランシーバ240、およびハウジング250を含む。カメラ210および第1のトランシーバ220は、ハウジング250内に収容されている。処理ユニット230および第2のトランシーバ240は、ハウジング250内に収容されていない。カメラ210は、農業環境の少なくとも1つの画像を取得するように構成されている。農業環境は、複数のウシ科動物を含む。少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含む。第1のトランシーバ220は、少なくとも1つの画像を伝送するように構成され、第2のトランシーバ240は、少なくとも1つの画像を受信するように構成されている。第2のトランシーバ240は、処理ユニット230に少なくとも1つの画像を提供するように構成されている。処理ユニット230は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定するように構成されている。処理ユニット230はまた、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定するように構成され、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0125】
一例によれば、システムは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニット260を含む。少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットは、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物に、ハエの寄生に対する治療を適用するように構成されている。
【0126】
一例において、第2のトランシーバは、少なくとも1つのハエ寄生治療ユニットにコマンド命令を送信して、複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用するように構成されている。
【0127】
一例によれば、システムは、ハウジング内に収容された出力ユニット270を含む。第2のトランシーバは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を伝送するように構成され、第1のトランシーバは、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を受信するように構成されている。出力ユニットは、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力するように構成される。
【0128】
一例によれば、システムは、ハウジング内に収容された入力ユニット280を含む。入力ユニットは、出力ユニットの複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の出力に応答して、ユーザにコマンド命令を入力させ、複数のウシ科動物にハエの寄生に対する治療を適用することができるように構成される。第1のトランシーバは、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットに、コマンド命令を送信するように構成される。
【0129】
一例において、少なくとも1つのハエ寄生治療適用ユニットは、1または複数の無人航空機を含む。
【0130】
一例において、少なくとも1つの画像は、携帯用デバイスのカメラによって取得されている。
【0131】
一例において、少なくとも1つの画像は、スマートフォンのカメラによって取得されている。
【0132】
一例において、少なくとも1つの画像は、ズームレンズ機能付きのカメラによって取得されている。
【0133】
一例において、少なくとも1つの画像は、農業環境内で固定して取り付けられたカメラによって取得されている。
【0134】
一例において、少なくとも1つの画像は、無人航空機(UAV)のカメラによって取得されている。
【0135】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データは、ウシ科動物に隣接するウシ科動物の画像データ以外の画像データを含む。
【0136】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内の、少なくとも1種の特定の種類のハエを識別するように構成される。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内で測定されたハエの数は、このとき、少なくとも1種の特定の種類のハエである、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数であり得る。
【0137】
一例において、画像内のハエの数の測定は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを分析するために、画像処理アルゴリズムを実施することを含む。
【0138】
一例において、画像処理アルゴリズムは機械学習アルゴリズムを含む。
【0139】
一例において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークである。
【0140】
一例において、深層学習ニューラルネットワーク内のニューラルネットワークは、少なくとも1つの隠れ層を含む。
【0141】
一例において、機械学習アルゴリズムは、訓練された機械学習アルゴリズムであり、機械学習訓練はグラウンドトゥルースデータおよび関連画像を利用することを含む。
【0142】
一例において、機械学習アルゴリズムの後続の訓練は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを利用することを含む。
【0143】
一例において、後続の訓練は、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0144】
一例において、入力ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の評価をユーザから受信するように構成され、後続の訓練は、その評価を利用することを含む。
【0145】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データの画素は、2mm以下の少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部に投影されている。
【0146】
一例において、物体面における画素の投影は、1.5mm以下である。
【0147】
一例において、物体面における画素の投影は、1.0mm以下である。
【0148】
一例において、物体面における画素の投影は、0.75mm以下である。
【0149】
一例において、物体面における画素の投影は、0.5mm以下である。
【0150】
一例において、物体面における画素の投影は、0.25mm以下である。
【0151】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数の考えられる寄生レベルのうちの定義された寄生レベルの表示を含む。
【0152】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要であるというメッセージを含む。
【0153】
一例において、処理ユニットは、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品を特定するように構成される。複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、このとき、ハエの寄生に対する治療に使用可能な少なくとも1つの化学製品に関するメッセージを含むことができる。
【0154】
一例において、入力ユニットは、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を、ユーザが入力できるように構成される。このとき、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品の特定には、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を利用することを含み得る。
【0155】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要ではないというメッセージを含む。
【0156】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、ハエの数の閾値を利用することを含む。
【0157】
一例において、少なくとも1つの画像は複数の画像を含み、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部は、少なくとも1頭のウシ科動物の複数の部分を含む。複数の画像のそれぞれの画像は、複数の部分の異なる部分と関連付けることができる。測定された少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数は、このとき、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を含むことができる。
【0158】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を統計分析することを含む。
【0159】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物は、少なくとも2頭のウシ科動物を含む。複数の部分のうちの第1の部分は、少なくとも1頭のウシのうちの第1のウシと関連付けることができ、複数の部分のうちの第2の部分は、少なくとも1頭のウシのうちの第2のウシと関連付けることができる。
【0160】
一例において、複数の部分のそれぞれの部分は、異なるウシ科動物と関連付けられる。
【0161】
一例において、複数の画像のうちの少なくとも1つの第1の画像が、複数の画像のうちの少なくとも1つの第2の画像に対して異なる日に取得されている。
【0162】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの画像を分析して、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定するために、セグメンテーションアルゴリズムを実行するように構成される。
【0163】
一例において、セグメンテーションアルゴリズムは、1匹または複数のハエ以外の物体の画像データを有する、少なくとも1つの画像の少なくとも1つの領域を決定するように構成され、この物体とは少なくとも1頭のウシ以外のものである。このとき、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像を決定することは、少なくとも1つの画像から、少なくとも1つの領域を選択解除することを含む。
【0164】
一例において、入力ユニットは、少なくとも1つの開始画像を処理ユニットに提供するように構成され、少なくとも1つの開始画像は、多数のウシ科動物の画像データを含む。多数のウシ科動物は、少なくとも1頭のウシ科動物を含む。第1のトランシーバは、少なくとも1つの開始画像を伝送するように構成され、第2のトランシーバは、少なくとも1つの開始画像を受信するように構成されている。第2のトランシーバは、処理ユニットに少なくとも1つの開始画像を提供するように構成されている。処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を選択するように構成され、この選択することは、少なくとも1つの開始画像を分析することを含む。
【0165】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示を生成するように構成される。第2のトランシーバは、選択された少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示を伝送するように構成され、第1のトランシーバは、選択された少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示を受信するように構成されている。出力ユニットは、選択された少なくとも1頭のウシ科動物に関する少なくとも1つの表示を、デバイスのユーザに提示するように構成されている。
【0166】
一例において、出力ユニットはビジュアルディスプレイユニットを含む。ビジュアルディスプレイユニットは、選択された少なくとも1頭のウシに関する少なくとも1つの表示が少なくとも1つの開始画像上で強調表示されている、少なくとも1つの開始画像を表示するように構成される。
【0167】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するように構成され、この検出することは、少なくとも1つの画像を分析することを含む。
【0168】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するために少なくとも1つの画像を分析することは、物体検出アルゴリズムを利用することを含む。
【0169】
図3は、ハエを管理するための方法300を示すものであり、工程d)は任意である。方法300は、
工程a)とも称される、提供する工程310において、農業環境の少なくとも1つの画像を処理ユニットに提供することであって、農業環境は複数のウシ科動物を含み、少なくとも1つの画像は、複数のウシ科動物のうちの少なくとも1頭のウシ科動物の、少なくとも一部の画像データを含むことと、
工程b)とも称される、測定する工程320において、処理ユニットによって少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数を測定することと、
工程c)とも称される、決定する工程330において、処理ユニットによって複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することであって、この決定することは、測定されたハエの数を利用することを含むことと、を含む。
【0170】
一例において、方法は、工程d)である、決定された複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報に基づいて、出力ユニットによって複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示を出力すること340を含む。
【0171】
一例において、少なくとも1つの画像は、携帯用デバイスのカメラによって取得されている。
【0172】
一例において、少なくとも1つの画像は、スマートフォンのカメラによって取得されている。
【0173】
一例において、少なくとも1つの画像は、ズームレンズ機能付きのカメラによって取得されている。
【0174】
一例において、少なくとも1つの画像は、農業環境内で固定して取り付けられたカメラによって取得されている。
【0175】
一例において、少なくとも1つの画像は、無人航空機(UAV)のカメラによって取得されている。
【0176】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データは、ウシ科動物に隣接するウシ科動物の画像データ以外の画像データを含む。
【0177】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内の、少なくとも1種の特定の種類のハエを識別するように構成される。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内で測定されたハエの数は、このとき、少なくとも1種の特定の種類のハエである、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数であり得る。
【0178】
一例において、画像内のハエの数の測定は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを分析するために、画像処理アルゴリズムを実施することを含む。
【0179】
一例において、画像処理アルゴリズムは機械学習アルゴリズムを含む。
【0180】
一例において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークである。
【0181】
一例において、深層学習ニューラルネットワーク内のニューラルネットワークは、少なくとも1つの隠れ層を含む。
【0182】
一例において、機械学習アルゴリズムは、訓練された機械学習アルゴリズムである。機械学習の訓練は、グラウンドトゥルースデータおよび関連画像を利用することを含み得る。
【0183】
一例において、機械学習アルゴリズムの後続の訓練は、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを利用することを含む。
【0184】
一例において、後続の訓練は、測定されたハエの数を利用することを含む。
【0185】
一例において、入力ユニットは、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示の評価を、ユーザから受信するように構成される。後続の訓練は、その評価を利用することを含み得る。
【0186】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データの画素は、2mm以下の少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部に投影されている。
【0187】
一例において、物体面における画素の投影は、1.5mm以下である。
【0188】
一例において、物体面における画素の投影は、1.0mm以下である。
【0189】
一例において、物体面における画素の投影は、0.75mm以下である。
【0190】
一例において、物体面における画素の投影は、0.5mm以下である。
【0191】
一例において、物体面における画素の投影は、0.25mm以下である。
【0192】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数の考えられる寄生レベルのうちの定義された寄生レベルの表示を含む。
【0193】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要であるというメッセージを含む。
【0194】
一例において、処理ユニットは、ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品を特定するように構成される。複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、このとき、ハエの寄生に対する治療に使用可能な少なくとも1つの化学製品に関するメッセージを含むことができる。
【0195】
一例において、入力ユニットは、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を、ユーザが入力できるように構成される。ハエの寄生に対する治療に使用可能な、少なくとも1つの化学製品の特定には、農業環境においてハエの寄生を治療するために使用された、少なくとも1つの前回の化学製品に関する情報を利用することを含み得る。
【0196】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に対する治療に関する表示は、複数のウシ科動物がハエの寄生に対しての治療が必要ではないというメッセージを含む。
【0197】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、ハエの数の閾値を利用することを含む。
【0198】
一例において、少なくとも1つの画像は、複数の画像を含む。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部は、少なくとも1頭のウシ科動物の複数の部分を含む。複数の画像のそれぞれの画像は、複数の部分の異なる部分と関連付けることができる。測定された少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データ内のハエの数は、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を含むことができる。
【0199】
一例において、複数のウシ科動物のハエの寄生に関する情報を決定することは、複数の画像のそれぞれの画像内のハエの数を統計分析することを含む。
【0200】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物は、少なくとも2頭のウシ科動物を含む。複数の部分のうちの第1の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第1のウシ科動物と関連付けることができ、複数の部分のうちの第2の部分は、少なくとも1頭のウシ科動物のうちの第2のウシ科動物と関連付けることができる。
【0201】
一例において、複数の部分のそれぞれの部分は、異なるウシ科動物と関連付けられる。
【0202】
一例において、2頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0203】
一例において、4頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0204】
一例において、8頭のウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0205】
一例において、8頭を超えるウシ科動物の画像が取得され、分析される。
【0206】
一例において、複数の画像のうちの少なくとも1つの第1の画像が、複数の画像のうちの少なくとも1つの第2の画像に対して異なる日に取得されている。
【0207】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1つの画像を分析して、少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定するために、セグメンテーションアルゴリズムを実行するように構成される。
【0208】
一例において、セグメンテーションアルゴリズムは、1匹または複数のハエ以外の物体の画像データを有する、少なくとも1つの画像の少なくとも1つの領域を決定するように構成され、この物体とは少なくとも1頭のウシ以外のものである。少なくとも1頭のウシ科動物の少なくとも一部の画像データを決定することは、少なくとも1つの画像から少なくとも1つの領域を選択解除することを含む。
【0209】
一例において、処理ユニットは、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するように構成され、この検出することは、少なくとも1つの画像を分析することを含む。
【0210】
一例において、少なくとも1頭のウシ科動物を検出するために少なくとも1つの画像を分析することは、物体検出アルゴリズムを利用することを含む。
【0211】
ここで、ハエを管理するための装置、デバイス、システムおよび方法を、
図5~10と関連して、より詳細に記載する。
【0212】
図5aはハエに寄生された雌牛の画像であり、
図5bはその画像を表したものである。雌牛の皮にハエが止まっている雌牛の背中が示されており、ハエが雄牛の周囲を飛んでいる。当業者であれば、ハエがウシに寄生している、このような状況に気づくであろう。
図5は、ハエの寄生が問題であって、示されているものより低いレベルとなる可能性があり、なお経済的に有害である可能性があるという点において、記載される装置、デバイス、システムおよび方法が対処する問題を示す役割を果たしている。例えば、経験によって、群れにおける動物の平均レベルとして、肉牛用のウシ1頭当たり200匹のハエ、および乳牛用のウシ1頭当たり50匹のハエが経験則的な閾値レベルであり、それを上回ると、経済的影響を軽減するために治療を適用すべきであるということが示されている。しかしながら、記載される装置、デバイス、システムおよび方法以前では、農業者にはそのような閾値に到達していることを判断するための簡単な方法がなく、群れの平均よりもハエの数がはるかに多いか、または逆に平均よりもハエの数がはるかに少ないウシの個体に過度に注目することなく、群れ全体を正確に判断することは実質的に不可能であった。
【0213】
上記で記載したように、装置、デバイス、システムおよび方法は、この問題に対応するために開発されている。
【0214】
特定の例において、ハエを計数し、更には特定の雌牛/ウシにいるそれらのハエを識別するために、ニューラルネットワークを利用した画像処理システムを使用する。
図6は、ニューラルネットワークの訓練に関係する工程を示す。ハエの画像がハエの長手方向に伸びる少なくとも5画素を有するような解像度で、雌牛の上にいる、および実際に雌牛の周囲にいるハエ(
図5を参照のこと)を画像化すべきであるということが見出された。従って、画像化された雌牛/去勢牛/ウシにおいて必要となる画像解像度は、ある領域で蔓延している特定のハエ種に依存する。例えば、長さが1cmのハエは、少なくとも5画素がハエの長さにわたって伸びるように、雌牛において2mm以上の解像度で画像化される必要がある。従って、2000×2000画素、またはそれ以上の画素を有する検出器を備える標準的な撮像システムによって、雌牛全体、実際には2頭以上の雌牛/去勢牛を画像化することができ、必要とされる解像度でハエの画像を入手することができる。すべての異なる種類のハエを適切な解像度で画像化し、同様に雄牛全体も画像化することができるように、より多くの画素数を有する検出器を備える撮像システムを使用して、次に、雄牛における画像を0.5mmの解像度で入手することが好ましい。しかしながら、雌牛の一部のみを画像化する必要があり、上記で記載したように、雌牛において2mmの解像度を特定のハエ種に使用することができる。
【0215】
引き続き
図6では、雌牛の画像が取得され、ユーザによってハエのいる対象の領域が根拠として選択される。次に、ユーザは、ハエがいるものもあれば、ハエがいないものもある、この画像領域の一連の領域を特定する。ハエがいる画像領域は
図6において示され、他の領域にもまたハエがおり、ある領域にはハエがいないことが示される。すべての領域のこの画像データは、これらの領域のそれぞれにハエが存在しているか否かに関するグラウンドトゥルースデータと共に、ニューラルネットワークに供給される。ユーザは、実際に存在するハエ種を入力する。異なる時間帯、異なる照明条件において、異なる色の皮を持つ牛の上およびその周囲に存在する異なるハエ種に対して、および異なる品種のウシに対して、このプロセスを実行する。ハエの画像に加えて、場合によりハエと間違われる可能性のある泥の斑点および他のマークの画像も、ハエが存在しないグラウンドトゥルース情報と共にニューラルネットワークに供給される。更に、2匹または3匹以上のハエが近接している、実際には接触もしている画像が、このハエ種の数および種類に関するグラウンドトゥルース情報と共に、やはりこの場合もニューラルネットワークに供給される。
【0216】
次に、
図7は、どのように装置、デバイス、システムおよび方法を運用するかについての1つの例を示す。
図7aは画像を示しており、
図7bではその画像の概略図を示している。UAVは、ウシが存在する圃場の中を飛行しており、上記で記載されたような、ハエを計数する分析に相応する解像度で画像を取得している。群内でのハエの寄生を把握するために、存在する多数のウシの上のハエを計数する記載された装置の例により、この画像を分析用に保存または送信することができる。処置を次に施すことができる。UAVは、処理ユニットによって同様に分析された画像を取得することができ、それによって記載されたシステムの例の一部を形成する。しかしながら、UAVは、画像を取得し、それ自体で画像を分析することができるものであり、記載されたデバイスの例である。UAVが画像を取得するというよりはむしろ、UAVはカメラを有する携帯用ユニットであってよく、次にこのユニットは装置の例によって処理される画像を取得することができる、または、ユニットはシステムの一部の例であってよいか、もしくは記載されるようなデバイスの一例であってよい。
【0217】
図8は、あらかじめ必要な画像を取得するのに十分な解像度を備えたカメラを有するスマートフォンの形態における、そのような携帯用ユニットを実際に示すものである。
図8に示すように、第1の工程は、セグメンテーションアルゴリズムによる操作であり、更なる処理のために背景画像から雌牛が切り取られる。切り取られた画像は、
図5に示すように、飛んでいるハエを計数するために、必要に応じて雌牛の周囲の領域を含むことができる。しかしながら、そのような飛んでいるハエを計数することは必須ではない。
【0218】
図9は、画像処理に関する更なる詳細を示す。
図9aは画像を示しており、
図9bではその画像の概略図を示している。一番上の画像では、農業者が雌牛の画像を取得したところである。雌牛のその皮の上にはハエがいるが、この画像では、はっきりと認識できない。農業者は、最初に多数の雌牛の画像を取得し、農業者がハエの数についてより良い統計量を得るために、画像を取得する必要のある雌牛の表示をその画像に重畳した。従って、必要とされる解像度の画像で画像を取得するために(例えば、クローズアップ画像)、農業者は、例えば40頭のウシの画像を取得するが、群内の異なる位置に存在しているそのうちの4頭が強調表示されている。どのウシが特定されるのか、更には農業者がそれらの特定のウシ、または異なるウシの画像を撮影するかどうかは、特に重要ではない。このシステムが行おうとしていることは、農業者が群れの端で出会う最初の4頭の雌牛の画像を取得しないようにすることを確実にすることである。および、群れ全体で無作為に雌牛を画像化するように農業者に通知することができるため、実際に、画像化するためのそのような雌牛を表示することを必要としない。しかしながら、この表示は、農業者に群れ全体の画像を取得することを思い起こさせるのに有用であり得る。
【0219】
引き続き
図9では、一番上の画像に対して2番目の画像において、上記で記載されたセグメンテーションアルゴリズムにより、背景から雌牛が切り取られ、前景の植物が雌牛の一部を覆っている一定量の「ノイズが多い」画像が除去されている。一番上から3番目の画像では、次の画像処理の工程により、ハエを計数するために使用される雌牛の一部が特定されている。従って、この画像は、上の2つの画像よりも高い倍率で示され、雌牛の端部がフレームの外側にある。しかしながら、この時点でハエを認識することが可能となる。この、雌牛の一部を特定することとは、脇腹などのハエを引き寄せることで知られている雌牛の一部を選択することに基づき得るか、または最初にハエである可能性のあるものを検出することに基づき得るか、または両方の技術の組み合わせであり得る。この処理工程では、ハエではない物体が特定される。ハエではない物体とは、フレームの右下にある草の上端部分、および画像の左にある雌牛の皮の傷跡である。従って、ハエの計数の精度を最適化するために、これらの物体は一番下の太枠内の画像に示すように画像から選択解除され、残りの雌牛の部分のみがハエの数を測定するために処理される画像となる(破線で周囲を囲んだ領域)。
【0220】
図10aは、適切な雌牛の一部の検出されたハエの画像を示しており、
図10bではその画像の概略図を示している。上記で記載したように、ハエの計数に使用される雌牛の一部が選択されている。農業者によって画像化された他の雌牛も、同様の方法で処理される。次に、ハエの平均数が算出され、必要に応じて画像化される領域を考慮に入れるために、この数をスケール化することができる。ウシ1頭当たりのハエの閾値数に到達した場合、ウシが牛肉なのか、または乳牛なのかを考慮に入れ、存在するハエの種類を考慮に入れて、群れにハエの治療を適用するように、農業者に表示が提供される。また、ウシ1頭当たりの測定されたハエの平均数が、閾値レベルをどれくらい上回るかに応じて、農業者に寄生の深刻度に関する表示が提供される。例えば、閾値レベルが超過している場合、農業者にスケールを提示することができ、この情報を、解釈するための単純な視覚的様式で提供することができる。例えば、レベル7の温度スケールが1~20の範囲で表示することができ、琥珀色で照らされる。しかしながら、閾値レベルが大幅に超過した場合、温度スケールは19~20の高いレベルとすることができ、赤色で照らされ、それによって処置が直ちに必要であることが農業者に示される。7を中央に置いているが、6.5~7.5に伸びる、スケール上で伸びるバーが、実際に農業者に提示される。これにより、農業者に決定された寄生レベルの精度の表示が提供される。画像当たりのハエの数の平均からバーの中心位置が決定され、画像数の平方根で除した、画像当たりのハエの数の標準偏差、つまり平均誤差(error on a mean)から、中心の両側のバーの幅が決定される。従って、農業者が画像を取得すると、画像が取得されるにつれて視覚的な表示が絶えず更新され、バーの中心位置はハエの数の平均値で変動し、撮影される画像が増加して誤差が減少するにつれて、バーのサイズは小さくなる。従って、農業者はまた、自身の群れの、ハエの寄生についての正確な認識を提供するのに十分な画像を取得したかどうかを判断する簡単な方法を有し、必要に応じて、農業者に処置が必要であるかそうでないかを判断させることができる許容誤差(例えば、バーのサイズは数字の7を中心とする)が戻ってきた結果に提供されるまで、圃場内のウシの画像を取得し続けることができる。加えて、例えば農業者が、一度または以前に圃場を訪れたことがあり、寄生レベルの決定を取得したことがある場合、農業者に簡単な時間履歴を提供することができる。このように、閾値レベルが適合しない場合があり、表示レベル6が黄色の琥珀色で表示される。しかしながら、10日前ではこの表示レベルは1であり、5日前では表示レベルは3であった。そのため、その時点での寄生レベルの温度スケールに加えて、x軸が日付、およびy軸が寄生レベルの簡単な時間的グラフが農業者に提示される。従って、寄生レベルがそのときに実際に適合していない場合であっても、問題が発生していることを示す情報が農業者に提示され、ハエの寄生に対する治療を開始することを決定することができる。これらは、深刻度レベルの表示、およびそれがどのように時間の経過と共に進展しているのか、ならびにどのように他の方法を実行することができるのかということを農業者に提供することができる、1つの方法にすぎない。
【0221】
引き続き
図10では、以前にどのような治療が行われていたのかに基づいて、上記で記載されたように治療が必要であるという表示がスマートフォン上で農業者に最初に提示され、これにより、寄生の深刻度および時間的情報の表示を提供することもできる。また、農業者には、使用すべき、提案された有効成分/製品が提示される。次に、農業者は自分でこの作業を行うことができる。しかしながらこの場合、農業者は、UAVのフリートによって群れの遠隔治療を作動させるために、電話のボタンを押す。そのようなUAVの1つは、
図7に示されるものと同一であってよく、撮像カメラシステムに加えて薬剤散布ユニットを有する。実際に、ハエの治療が必要かどうかを判断するために、画像を取得して分析し、次に治療を適用するというこの全プロセスにより、UAVが必要とされる農業者を介入させずに、必要に応じて他のUAVと共に治療を行うことができる。
【0222】
上記の記載は、ハエの寄生の管理の例を主に対象としたものであるが、上記で記載された発明の概念の範囲内で当業者によって理解されるように、提供された装置、デバイス、システムおよび方法を使用して、ダニおよび他の寄生生物のための改善された治療を有効にすることができるということに留意すべきである。
【0223】
別の代表的な実施形態では、適切な装置、デバイスまたはシステム上で前述の実施形態のうちの1つによる方法の方法工程を実行するように構成されることによって特徴づけられる、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム構成要素が提供される。
【0224】
従って、コンピュータプログラム構成要素はコンピュータユニット内に格納することができ、また、それは実施形態の一部であってよい。このコンピューティングユニットは、上記で記載された方法の工程を実行するか、または実行させるように構成されてもよい。更に、上記で記載された装置および/またはシステムの構成要素を作動するように構成されてもよい。コンピューティングユニットは、自動的に作動するように、および/またはユーザの命令を実行するように構成することができる。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリにロードされてもよい。従って、前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行するために、データプロセッサが搭載されてもよい。
【0225】
この本発明の例示的な実施形態は、本発明を完全に最初から使用するコンピュータプログラムと、更新によって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムへと変えるコンピュータプログラムとの両方に及ぶものである。
【0226】
更に、コンピュータプログラム構成要素は、前述の通り、本方法の代表的な実施形態の手順を実現するために、すべての必要な工程を提供することが可能であってよい。
【0227】
本発明の更なる代表的な実施形態によれば、CD-ROM、USBスティックなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体はそこに格納された、前述の項によって記載されるコンピュータプログラム構成要素を有する。
【0228】
コンピュータプログラムは、その他のハードウェアと共に、またはその一部として供給される光学的記憶媒体またはソリッドステートメディアなどの好適な媒体に格納および/または配布されてもよいが、インターネットまたはその他の有線もしくは無線通信システムを介してなどの、その他の形式で配布されてもよい。
【0229】
しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワークを通じて提示されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本発明の更なる代表的な実施形態によれば、コンピュータプログラム構成要素をダウンロードするために利用可能にする媒体が提供され、そのコンピュータプログラム構成要素は、前述の本発明の実施形態のうちの1つによる方法を実行するために構成される。
【0230】
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して記載されているということに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は方法タイプの請求項を参照して記載され、一方でその他の実施形態は装置タイプの請求項を参照して記載される。しかしながら、当業者であれば、上記および以下の記載により、別途通知のない限り、主題の1つのタイプに属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせもまた、本出願によって開示されると考えられるということを推測するであろう。しかしながら、すべての特徴を組み合わせて、特徴の単なる合計以上の相乗効果をもたらすことができる。
【0231】
図面および上記の明細書において本発明を詳細に図示、記載したが、こうした図示および記載は、例示的または代表的なものとみなされ、限定的なものとはみなされない。本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対するその他の変形形態は、特許請求される発明を実施するに際して、図面、開示および従属請求項を検討することにより、当業者によって理解および達成され得る。
【0232】
請求項において、単語「含む」はその他の構成要素または工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外するものではない。シングルプロセッサまたはその他のユニットは、請求項において詳述されるいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が異なる従属請求項において相互に詳述されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。請求項内の任意の参照記号は、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。