(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】微小被包化した生成物、その透明な溶液、および作製法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20231117BHJP
【FI】
A23L5/00 C
(21)【出願番号】P 2020568936
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 US2019020107
(87)【国際公開番号】W WO2019169167
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520332542
【氏名又は名称】463アイピー パートナーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グロチョスキー, グレゴリー トーマス
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104805162(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0105994(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0286260(US,A1)
【文献】特開平03-160969(JP,A)
【文献】特開2015-204849(JP,A)
【文献】特開2001-238641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で透明な溶液を
形成する微小被包化した生成物を生成するための方法であって、前記方法は、
溶質を封入剤の中に微小被包化する工程;
を包含し、ここで前記封入剤は、第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含み、
前記第1の封入剤物質は、ハイドロコロイドガムであり、前記第2の封入剤物質は、デキストリンであり、前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸
および可溶性トウモロコシ線維を含
み、前記封入剤は1種またはこれより多くのフレーバーオイルをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記微小被包化する工程は、噴霧乾燥によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の封入剤物質は、アラビアガムまたはアカシアガムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の封入剤物質は、マルトデキストリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記封入剤は、前記封入剤の重量で
、10 wt%
~50 wt%の前記第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記封入剤は、Cano-Chauca法によって決定される場合に、水において少なくと
も95%の溶解度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記噴霧乾燥は、噴霧乾燥器入り口を有する噴霧乾燥器によって行われ、前記噴霧乾燥器入り口は
、135
~150℃の温度を有し、前記噴霧乾燥は、ある噴霧乾燥器流速を有する噴霧乾燥器によって行われ、前記噴霧乾燥器流速は、少なくと
も0.75 L/hである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記溶質は、
必須アミノ酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記封入剤は、レシチンを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記溶質は、2種またはこれより多くのアミノ酸のブレンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記溶質は、ビタミンD、カフェインおよびL-グルタミンからなる群から選択される1種またはこれより多くの食品成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶質は、タンパク質、炭水化物および脂肪からなる群から選択される1種またはこれより多くの食物成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記溶質は、1種またはこれより多くの食物成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記溶質は、1種またはこれより多くの栄養補助食品成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶質は、1種またはこれより多くの薬物成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶質は、1種もしくはこれより多くの動物性食物成分および/または1種もしくはこれより多くの動物性薬物成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
封入剤の中に微小被包化された溶質を含む微小被包化した生成物であって、ここで前記封入剤は、第1の封入剤物質、または第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含み、
前記第1の封入剤物質は、ハイドロコロイドガムであり、前記第2の封入剤物質は、デキストリンであり、前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸
および可溶性トウモロコシ線維を含
み、前記封入剤は1種またはこれより多くのフレーバーオイルをさらに含む、
生成物。
【請求項18】
前記第1の封入剤物質は、アラビアガムまたはアカシアガムである、請求項
17に記載の生成物。
【請求項19】
前記第2の封入剤物質は、マルトデキストリンである、請求項
17に記載の生成物。
【請求項20】
前記溶質は、1種またはこれより多くの必須アミノ酸を含む、請求項
17に記載の生成物。
【請求項21】
前記溶質は、前記溶質の重量
で40 wt%
~90 wt%の全アミノ酸含有量、および前記溶質の重量
で5 wt%
~25 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含み;前記封入剤は、前記封入剤の重量
で50 wt%
~90 wt%の全フレーバー
オイル含有量、および前記封入剤の重量
で10 wt%
~50 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む、請求項
17に記載の生成物。
【請求項22】
前記微小被包化した生成物の溶質は、前記溶質の重量
で50 wt%
~80 wt%の全アミノ酸含有量、および前記溶質の重量
で5 wt%
~15 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含み;そして
前記微小被包化した生成物の封入剤は、前記封入剤の重量
で70 wt%
~90 wt%の全フレーバー
オイル含有量、および前記封入剤の重量
で10 wt%
~30 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む、
請求項
21に記載の生成物。
【請求項23】
溶質:封入剤の重量比は
、12:1
~4:1である、請求項
21または22に記載の生成物。
【請求項24】
前記微小被包化した生成物は、前記微小被包化した生成物の重量で:
30 wt%
~80 wt%の全アミノ酸含有量;
4 wt%
~20 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
5 wt%
~15 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
0.5 wt%
~5 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む、請求項
17に記載の生成物。
【請求項25】
前記微小被包化した生成物は、前記微小被包化した生成物の重量で:
50 wt%
~70 wt% of 全アミノ酸含有量;
5 wt%
~12 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
6 wt%
~13 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
1 wt%
~3 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む、請求項
24に記載の生成物。
【請求項26】
前記微小被包化した生成物は、Cano-Chauca法によって決定される場合に水中で少なくと
も95%の溶解度を有する、請求項
17~25のいずれか1項に記載の生成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
タンパク質(例えば、ホエイタンパク質、ミルクタンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質など)、およびこれらのタンパク質を構成するアミノ酸の範囲は、水および水性ベースの溶媒(例えば、水-アルコール溶媒)中に種々の程度の完全性で分散および溶解するということは、食品化学において十分に記録されている。
【0002】
これらのタンパク質およびアミノ酸が、集塊化ならびに容易に分散および/または可溶化されることに対して他の制限を経験することも、十分に記録されている。この理由のために、「即席化、すぐ使えるようにする、インスタンタイジング(instantizing)」として公知のプロセスは、それらの分散性および可溶性を改善するために、これらの物質に適用される。そのタンパク質またはアミノ酸は、少量のレシチンとともに供給され、噴霧乾燥される。その得られた粉末は、改善されたぬれ(より低い集塊化)、分散性および可溶化速度を示す。
【0003】
アミノ酸の親水性テールおよびタンパク質を構成するアミノ酸は、水の中でのそれらの分散および溶解を促進する。
【0004】
タンパク質およびアミノ酸基質に添加されるフレーバーオイルは、大部分は疎水性であり、水中での分散および溶解に抵抗する。
【0005】
親水性特性および疎水性特性というこれら2つのクラスの物質を1つの粉末に合わせると、最も一般的には、分散しづらいおよび/または濁った溶液が生じる。
【0006】
単一のアミノ酸、アミノ酸のブレンド、およびアミノ酸および他の成分のブレンド、ならびに他の摂取可能なおよび注射用の物質は、一般には、水または水性溶液(例えば、水アルコール性)の中で混合した場合に、濁った溶液を形成する。溶液の清澄性は、消費者(ユーザー)が、物質を完全に溶解した場合を見分ける、単純かつ有効な手段を提供する。完全に溶解した物質は、それらの吸収性および使用性が最も高い状態にあることが概して公知である。さらに、溶液の清澄性は、消費者(ユーザー)が、不溶性の夾雑物がその生成物の中に存在するか否かを見分ける有効な手段を提供する。一連の実験の間に、原料物質および処理条件の選択は、一般に濁っているおよび/または完全には溶解しなかった溶質を含む溶液の清澄性を改善し得ることが発見されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要旨
本発明の一局面において、透明な溶液を生成するための方法であって、上記方法は、
封入剤の中で溶質を微小被包化する工程;
を包含し、ここで上記封入剤は、第1の封入剤物質、または第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む方法が提供される。
【0008】
本発明の別の局面において、微小被包化した生成物であって、封入剤の中に微小被包化された溶質を含み、上記封入剤は、第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む生成物が提供される。
【0009】
本発明の別の局面において、水中での微小被包化した生成物の溶液が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、微小被包化していない生成物の溶液の濁度と比較して、本発明の微小被包化した生成物の溶液の清澄性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
微小被包化技術は、食品調製の分野において公知である。材料を選択する手段、および透明な溶液という希な結果を生成する他と全く別の処理技術が、本明細書で提供される。一連の実験を通じて、本発明者らは、親水性および疎水性の物質の分散および可溶化という競合する特性を1つの容易に分散性かつ可溶性の粉末の中で両立させる方法を特定できた。
【0012】
本発明の一局面は、成分スクリーニングおよび選択、噴霧乾燥、および/またはブレンドすること、および/または流動床における特定の処理条件下での処理を経て透明な溶液を作製するための方法を提供する。
【0013】
噴霧乾燥を介する微小被包化は、代表的には、水および水アルコール性溶媒の中で混合した場合に視覚的に透明な溶液を形成するには不十分な溶解度を有する微小被包物を生じる。材料および処理条件を選択することによって、透明な溶液が生成され得る。
【0014】
一局面において、本発明は、透明な溶液を生成するための方法であって、その方法は、
溶質を封入剤の中に微小被包化する工程;
を包含し、ここでその封入剤は、第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態において、その微小被包化する工程は、噴霧乾燥によって行われる。
【0016】
一実施形態において、その第1の封入剤物質は、ハイドロコロイドガムである。いくつかの実施形態において、そのハイドロコロイドガムは粉末である。いくつかの実施形態において、ハイドロコロイドガムは、壁材料(被包化剤)として使用される。いくつかの実施形態において、そのハイドロコロイドガムは、アラビアガム、グアールガム、アカシアガム、またはキサンタンガムである。いくつかの実施形態において、そのハイドロコロイドガムは、アラビアガムである。いくつかの実施形態において、そのハイドロコロイドガムは、アカシアガムである。いくつかの実施形態において、その封入剤は、その封入剤の重量で、約0 wt%~約50 wt%(例えば、約1 wt%~約50 wt%、約2 wt%~約25 wt%、約1 wt%~約10 wt%、または約5 wt%~約15 wt%)の量のハイドロコロイドガムを含む。
【0017】
一実施形態において、その第2の封入剤物質は、デキストリンである。いくつかの実施形態において、そのデキストリンは、約504.5g/mol~約2774.7g/molの分子量を有する。いくつかの実施形態において、そのデキストリンは粉末である。いくつかの実施形態において、そのデキストリンは、マルトデキストリンである。いくつかの実施形態において、その封入剤は、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)を含む。いくつかの実施形態において、その封入剤は、その封入剤の重量で、約5%~約100%(例えば、約5 wt%~約95 wt%、約5wt%~約50 wt%、約5 wt%~約25 wt%、または約5 wt%~約15 wt%、または約10 wt%~約20 wt%)の量のデキストリン(例えば、マルトデキストリン)を含む。一実施形態において、その第2の封入剤物質は、ポリサッカリドである。一実施形態において、その第2の封入剤物質は、糖タンパク質である。
【0018】
いくつかの実施形態において、その封入剤は、第1の封入剤物質を含むが、第2の封入剤物質を含まない。他の実施形態において、その封入剤は、第2の封入剤物質を含むが、第1の封入剤物質を含まない。いくつかの実施形態において、その封入剤は、第1の封入剤物質および第2の封入剤物質を含む。いくつかの実施形態において、その封入剤は、封入剤ブレンドである。その封入剤ブレンドは、1種もしくはこれより多くのさらなる成分を有するその第1の封入剤物質、1種もしくはこれより多くのさらなる成分を有するその第2の封入剤物質、さらなる成分を含まないその第1の封入剤物質およびその第2の封入剤物質、または1種もしくはこれより多くのさらなる成分を有するその第1の封入剤物質および第2の封入剤物質を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、その封入剤ブレンドは、約0:100~約95:5、例えば、いくつかの実施形態において、約5:95~約95:5、約25:75~約75:25、約40:60~約60:40、約0:100~約20:80、約50:50、または約0:100の重量比において、その第1の封入剤およびその第2の封入剤を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、その封入剤ブレンドは、1種またはこれより多くのフレーバーをさらに含む。いくつかの実施形態において、その封入剤ブレンドは、1種またはこれより多くのフレーバーオイルをさらに含む。いくつかの実施形態において、そのフレーバーは、マルトール、ベンジルアルコール、イソ吉草酸ブチル、リナロール、イソ吉草酸エチル、酪酸エチル、γデカラクトン、アニシルアセトン、βイオノン、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、その封入剤ブレンドは、その封入剤ブレンドの重量で、約5 wt%~約95 wt%のフレーバー(例えば、フレーバーオイル)(例えば、約50 wt%~約90 wt%、約70 wt%~約90 wt%、または約50 wt%~約70 wt%)を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、その封入剤およびその溶質(すなわち、「搭載物質ブレンド(payload blend)」と混合した封入剤は、Cano-Chauca法によって決定される場合に、水中で少なくとも約95%の溶解度を示し得る。Cano-Chauca, M, et al. Effect of carriers on the microstructure of mango powder obtained by spray drying and its functional characterization. Innovative Food Science and Emerging Technologies, v.6, n.4, p. 420-428, 2005(1gの粉末を、25ml 蒸留水へと5分間、ブレンダーを使用しながら撹拌。10分間、3000×gで遠心分離。20mlを、105℃で一晩乾燥させ、乾燥した上清を秤量し、元の粉末重量と比較)。
【0022】
いくつかの実施形態において、その噴霧乾燥器入り口温度は、約135~約150℃の間である。
【0023】
いくつかの実施形態において、その噴霧乾燥器流速は、少なくとも約0.75 L/時間である。
【0024】
いくつかの実施形態において、その壁密度値は、約22%~約25%の間である。
【0025】
本明細書で記載される方法は、飲料中に組み込むために適した組成物を提供するために使用され得る。その生成した組成物の、水または別の溶液への組み込みは、透明な配合物を生じる。多数の溶質を、その微小被包化プロセスにおいて組み込んで、乾燥飲料中に組み込むための組成物を提供し得る。用語、溶質は、その材料が溶解され得る、すなわち、水の中で透明な溶液になることを示すために使用される。
【0026】
いくつかの実施形態において、その溶質は、個々のアミノ酸を含む。他の実施形態において、その溶質は、2種またはこれより多くのアミノ酸のブレンドを含む。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸は、必須アミノ酸である。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸は、L-ロイシン、L-リジンHCl、L-バリン、L-イソロイシン、L-アルギニン、L-スレオニン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン、L-ヒスチジン、L-トリプトファン、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、その溶質は、その溶質の重量で、約25 wt%~約90 wt%のアミノ酸(例えば、約40 wt%~約80 wt%、または約60 wt%~約75 wt%)を含む。別の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および他の食品成分(例えば、ビタミンD、カフェイン、L-グルタミンが挙げられるが、これらに限定されない)を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および他の食物成分(例えば、タンパク質、炭水化物および/または脂肪)を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および1種またはこれより多くの薬物成分を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くの食物成分を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くの栄養補助食品成分を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くの薬物成分を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くの動物性食物成分を含む。他の実施形態において、その溶質は、1種またはこれより多くの動物性薬物成分を含む。いくつかの実施形態において、その溶質は、粉末である。
【0027】
いくつかの実施形態において、その溶質は、可溶性トウモロコシ線維をさらに含む。いくつかの実施形態において、その溶質は、その溶質の重量で、約2 wt%~約25 wt% 可溶性トウモロコシ線維(例えば、約5 wt%~約20 wt%、約5 wt%~約15 wt%、または約10 wt%)を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、その溶質は、クエン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、スクラロース、およびアセスルファムカリウムのうちの1種または複数をさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、その溶質:封入剤の重量比は、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約15:1~約5:1、約10:1~約2:1、約10:1~約5:1、または約12:1~約4:1)である。
【0030】
その溶質がアミノ酸である実施形態において、そのアミノ酸は、微小被包化する前に噴霧乾燥され得る。いくつかの実施形態において、その溶質は、アミノ酸のブレンドであり、その個々のアミノ酸のうちのいくらかは、微小被包化する前に噴霧乾燥される。
【0031】
本発明の別の局面において、微小被包化した生成物であって、第1の封入剤物質、または第2の封入剤物質。またはこれらの組み合わせの中で微小被包化した溶質を含むものが提供される。
【0032】
当業者が容易に理解するように、その微小被包化した生成物は、その材料のうちのいずれかを、その量のうちのいずれかで含み得、上記で記載されるプロセスのうちのいずれかに従って生成され得る。同様に、以下で記載される生成物の材料、量、および構造は、上記で記載される方法によって生成され得る。
【0033】
一実施形態において、その微小被包化した生成物は、溶質(例えば、上記のとおり)を含むコアおよび第1の封入剤物質、または第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせ(例えば、上記のとおり)を含む殻を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、Cano-Chauca法によって決定される場合に、水の中で少なくとも約95%の溶解度を示し得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、封入剤の中に微小被包化された溶質であって、ここで
その溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸を含み;そして
その封入剤は、ハイドロコロイドガム、デキストリン、またはこれらの組み合わせを含むものを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物の溶質は、可溶性トウモロコシ線維をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物の封入剤は、1種またはこれより多くのフレーバー、例えば、フレーバーオイルをさらに含む。
【0038】
一実施形態において、その微小被包化した生成物は、封入剤の中に微小被包化された溶質を含み、ここで
その溶質は、その溶質の重量で、約40 wt%~約90 wt%の全アミノ酸含有量、およびその溶質の重量で、約5 wt%~約25 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含み;そして
その封入剤は、その封入剤の重量で、約50 wt%~約90 wt%の全フレーバー含有量、その封入剤の重量で、約10 wt%~約50 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む生成物を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、約20:1~約1:1(例えば、約12:1~約4:1)の溶質:封入剤の重量比を有する。
【0040】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物の溶質は、その溶質の重量で、約50 wt%~約80 wt%の全アミノ酸含有量、およびその溶質の重量で、約5 wt%~約15 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物の封入剤はその封入剤の重量で、約70 wt%~約90 wt%の全フレーバー含有量、およびその封入剤の重量で、約10 wt%~約30 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物の封入剤は、その封入剤の重量で、約70 wt%~約90 wt%の全フレーバーオイル含有量、およびその封入剤の重量で、約10 wt%~約30 wt%のマルトデキストリンを含む。
【0043】
一実施形態において、その微小被包化した生成物は、封入剤の中に微小被包化された溶質を含み、ここで
その溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および可溶性トウモロコシ線維を含み;そして
その封入剤は、1種またはこれより多くのフレーバー、および(i)デキストリン、(ii)ハイドロコロイドガム、または(iii)これらの組み合わせを含み;
ここでその微小被包化した生成物は、その微小被包化した生成物の重量で:
約30 wt%~約80 wt%の全アミノ酸含有量;
約4 wt%~約20 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
約5 wt%~約15 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
約0.5 wt%~約5 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、その微小被包化した生成物の重量で:
約50 wt%~約70 wt%の全アミノ酸含有量;
約5 wt%~約12 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
約6 wt%~約13 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
約1 wt%~約3 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、その微小被包化した生成物の重量で:約1 wt%~約3 wt%のマルトデキストリンを含む。
【0046】
本発明の別の局面において、水中の微小被包化した生成物の溶液が提供される。
【0047】
いくつかの実施形態において、その微小被包化した生成物は、Cano-Chauca法によって決定される場合に、水の中で少なくとも約95%可溶性である。
【実施例】
【0048】
実施例1. 透明な溶液のための配合物を調製するための例示的手順
封入剤ブレンドを、アラビアガムおよびマルトデキストリンを水の中で混合することによって調製した。溶質を、搭載物質ブレンドを生成するために撹拌しながら、その封入剤ブレンドに徐々に添加した。その搭載物質ブレンドの相対的濃度は、その溶質の特性に依存して変動した。その搭載物質ブレンドを、噴霧乾燥のための供給液体として使用した。
【0049】
その搭載物質ブレンドを、噴霧乾燥器を使用して乾燥させた。入り口空気温度を、その搭載物質ブレンドの特性に応じて変動させた。供給流速を、その搭載物質ブレンドの特性に応じて変動させた。噴霧乾燥の際に、微小被包化した生成物が形成した。
【0050】
その得られた微小被包化した生成物は、水に添加した際に、予測外に透明であった。本発明の一実施形態である微小被包化した生成物を、実施例1に従って調製し、コップ1杯の水に添加した。微小被包化していない生成物を、比較としてコップ1杯の水に添加した。
図1に示されるように、その微小被包化した生成物は、微小被包化していない生成物より顕著に良好な清澄性および溶解度を有した。
【0051】
その記載される発明の方法を使用して作製した配合物の例は、以下の実施例2~5に提供される。
【0052】
実施例2. 第1のブラジリアンベリー配合物の組成
【表1】
実施例2A. 第1の封入剤ブレンド配合物
【表2】
実施例2B. 第2の封入剤ブレンド配合物
【表3】
【0053】
実施例3. 第2のブラジリアンベリー配合物の組成
【表4】
【0054】
実施例4. フジグレープ(Fuji Grape)配合物の組成
【表5】
【0055】
実施例5. コナドラゴンフルーツ配合物の組成
【表6】
【0056】
前述の開示は、明瞭性および理解を目的として、例証および例示によって幾分詳細に記載されている。本発明は、種々の具体的および好ましい実施形態および技術を参照しながら記載されている。しかし、多くのバリエーションおよび改変が、本発明の趣旨および範囲内のまま行われ得ることは、理解されるべきである。変更および改変が、添付の請求項の範囲内で実施され得ることは、当業者に明らかである。従って、上記の説明が、例証であって限定ではないと意図されることは理解されるべきである。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに、このような請求項によって権利が与えられる完全な均等の範囲とともに、以下の添付の請求項を参照して決定されるべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
透明な溶液を生成するための方法であって、前記方法は、
溶質を封入剤の中に微小被包化する工程;
を包含し、ここで前記封入剤は、第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む、方法。
(項目2)
前記微小被包化する工程は、噴霧乾燥によって行われる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の封入剤物質は、ハイドロコロイドガムである、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1の封入剤物質は、アラビアガムまたはアカシアガムである、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第2の封入剤物質は、デキストリンである、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第2の封入剤物質は、マルトデキストリンである、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記封入剤は、前記封入剤の重量で、約10 wt%~約50 wt%の前記第1の封入剤物質、第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記封入剤は、Cano-Chauca法によって決定される場合に、水において少なくとも約95%の溶解度を有する、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記噴霧乾燥は、噴霧乾燥器入り口を有する噴霧乾燥器によって行われ、前記噴霧乾燥器入り口は、約135~約150℃の温度を有する、項目2に記載の方法。
(項目10)
前記噴霧乾燥は、ある噴霧乾燥器流速を有する噴霧乾燥器によって行われ、前記噴霧乾燥器流速は、少なくとも約0.75 L/hである、項目2に記載の方法。
(項目11)
前記封入剤は、壁密度値を有し、前記壁密度値は、約22%~約25%である、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記溶質は、個々のアミノ酸を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記封入剤は、レシチンを含まない、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記溶質は、2種またはこれより多くのアミノ酸のブレンドを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸、およびビタミンD、カフェイン、L-グルタミンなどが挙げられるがこれらに限定されない他の食品成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸、ならびにタンパク質、炭水化物および/または脂肪のような他の食物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および1またはこれより多くの薬物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記溶質は、1種またはこれより多くの食物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記溶質は、1種またはこれより多くの栄養補助食品成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記溶質は、1種またはこれより多くの薬物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記溶質は、1種またはこれより多くの動物性食物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記溶質は、1種またはこれより多くの動物性薬物成分を含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
封入剤の中に微小被包化された溶質を含む微小被包化した生成物であって、ここで前記封入剤は、第1の封入剤物質、または第2の封入剤物質、またはこれらの組み合わせを含む、生成物。
(項目24)
前記第1の封入剤物質は、ハイドロコロイドガムである、項目23に記載の生成物。
(項目25)
前記第1の封入剤物質は、アラビアガムまたはアカシアガムである、項目24に記載の生成物。
(項目26)
前記第2の封入剤物質は、デキストリンである、項目23に記載の生成物。
(項目27)
前記第2の封入剤物質は、マルトデキストリンである、項目26に記載の生成物。
(項目28)
前記封入剤は、1種またはこれより多くのフレーバーをさらに含む、項目23~27のいずれか1項に記載の生成物。
(項目29)
前記1種またはこれより多くのフレーバーは、1種またはこれより多くのフレーバーオイルを含む、項目28に記載の生成物。
(項目30)
前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸を含む、項目23~29のいずれか1項に記載の生成物。、
(項目31)
前記溶質は、1種またはこれより多くの必須アミノ酸を含む、項目30に記載の生成物。
(項目32)
前記溶質は、可溶性トウモロコシ線維をさらに含む、項目30または31に記載の生成物。
(項目33)
前記封入剤は、マルトデキストリンを含む、項目23に記載の生成物。
(項目34)
前記封入剤は、アラビアガムまたはアカシアガムをさらに含む、項目33に記載の生成物。
(項目35)
前記溶質は、前記溶質の重量で約40 wt%~約90 wt%の全アミノ酸含有量、および前記溶質の重量で約5 wt%~約25 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含み;前記封入剤は、前記封入剤の重量で約50 wt%~約90 wt%の全フレーバー含有量、および前記封入剤の重量で約10 wt%~約50 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む、
項目23に記載の生成物。
(項目36)
前記微小被包化した生成物の溶質は、前記溶質の重量で約50 wt%~約80 wt%の全アミノ酸含有量、および前記溶質の重量で約5 wt%~約15 wt%の可溶性トウモロコシ線維を含み;そして
前記微小被包化した生成物の封入剤は、前記封入剤の重量で約70 wt%~約90 wt%の全フレーバー含有量、および前記封入剤の重量で約10 wt%~約30 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせを含む、
項目35に記載の生成物。
(項目37)
溶質:封入剤の重量比は、約12:1~約4:1である、項目35または36に記載の生成物。
(項目38)
前記溶質は、1種またはこれより多くのアミノ酸および可溶性トウモロコシ線維を含み;そして
前記封入剤は、1種またはこれより多くのフレーバー、および(i)デキストリン、(ii)ハイドロコロイドガム、または(iii)これらの組み合わせを含み;
ここで前記微小被包化した生成物は、前記微小被包化した生成物の重量で:
約30 wt%~約80 wt%の全アミノ酸含有量;
約4 wt%~約20 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
約5 wt%~約15 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
約0.5 wt%~約5 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む、項目23に記載の生成物。
(項目39)
前記微小被包化した生成物は、前記微小被包化した生成物の重量で:
約50 wt%~約70 wt% of 全アミノ酸含有量;
約5 wt%~約12 wt% 可溶性トウモロコシ線維;
約6 wt%~約13 wt%の全フレーバーオイル含有量;および
約1 wt%~約3 wt%のデキストリン、ハイドロコロイドガム、またはこれらの組み合わせ、
を含む、項目38に記載の生成物。
(項目40)
前記微小被包化した生成物は、Cano-Chauca法によって決定される場合に水中で少なくとも約95%の溶解度を有する、項目23~39のいずれか1項に記載の生成物。