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特許7386845自己整列型攪拌機及び扉ベアリングアセンブリを備える焙煎システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】自己整列型攪拌機及び扉ベアリングアセンブリを備える焙煎システム
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/10 20060101AFI20231117BHJP
   A23F 5/04 20060101ALN20231117BHJP
【FI】
A23N12/10 Z
A23F5/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021506617
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019027878
(87)【国際公開番号】W WO2019204444
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】62/660,588
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520292224
【氏名又は名称】ベルウェザー コーヒー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サンデュ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホルシュー,アルノ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ピーヴィーハウス,エレミヤ
(72)【発明者】
【氏名】シュメール,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】サンデュ,ニール
(72)【発明者】
【氏名】ワイアット,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】オーグリフィン,モーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダマリ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ショウバー,マイケル
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-529888(JP,A)
【文献】特開2016-123303(JP,A)
【文献】特開2004-105185(JP,A)
【文献】実開昭61-007990(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 12/10
A23F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焙煎室アセンブリを有する豆焙煎システムであって、
開口部と、後端及び前端を有する内面とを有する焙煎ドラム、
アキシャルシャフトに取り付けられたブレードを有し、前記アキシャルシャフトは前端部分を有する攪拌機、並びに
前記焙煎ドラムの前記開口部に対して回転式に取り付けられた扉であって、
前記扉が前記開口部上で閉鎖されているときに前記焙煎ドラム内部の中身への視覚的アクセスを提供するガラス板と、
前記ガラス板に取り付けられた外側ハウジング、及び前記扉が閉鎖されているときに前記アキシャルシャフトの前記前端部分を受け入れて支持する受入れ穴を画定する内側ベアリングを含む、ベアリングアセンブリと
を含む扉
を備える豆焙煎システム。
【請求項2】
前記アキシャルシャフトが後端部を有し、前記豆焙煎システムが、前記後端部を支持し回転させるように構成されたモータシステムをさらに備える、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項3】
前記扉が前記開口部から離れる方に回転されて開放位置にあるとき、前記攪拌機のブレードは前記焙煎ドラムの内面下側に載っている、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項4】
前記扉を閉鎖位置に動かすと、前記ベアリングアセンブリの前記受入れ穴が前記前端部分に係合し、前記焙煎ドラムの前記内面下側から前記ベアリングアセンブリまで持ち上がる、請求項3に記載の豆焙煎システム。
【請求項5】
前記ベアリングアセンブリの前記受入れ穴が、前記受入れ穴と前記アキシャルシャフトの前記前端部分との間の整列を提供するためにテーパ状である、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項6】
前記アキシャルシャフトが前記前端部分に向かってテーパ状である、請求項5に記載の豆焙煎システム。
【請求項7】
前記アキシャルシャフトの前記前端部分が、前記受入れ穴のテーパ角度に実質的に一致するテーパ角度を有する、請求項6に記載の豆焙煎システム。
【請求項8】
前記ベアリングアセンブリの前記外側ハウジングと前記内側ベアリングとの間に円形ボールベアリングレースをさらに備える、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項9】
前記ガラス板が中央開口部を有し、前記ベアリングアセンブリが、前記ガラス板の前記中央開口部をシールするために前記ガラス板に対してシールを形成する、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項10】
前記焙煎ドラムの前記内面が前記焙煎ドラムの中心軸を画定し、前記攪拌機の前記アキシャルシャフトが前記攪拌機の中心軸を画定し、前記扉が閉鎖位置に移動されるときに前記アキシャルシャフトの前記前端部分が前記受入れ穴に係合すると、前記焙煎ドラムの中心軸が実質的に前記攪拌機の中心軸に整列される、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項11】
前記焙煎ドラムに固く結合され、前記焙煎ドラムの前記開口部と実質的に整列された開口部を画定し、前記扉が回転式に取り付けられる前板をさらに備える、請求項1に記載の豆焙煎システム。
【請求項12】
開口部、水平中心軸、後端及び前端を画定する焙煎ドラムと、
アキシャルシャフトに取り付けられたブレードを有する攪拌機であって、前記アキシャルシャフトは前端部分を有し、前記攪拌機の回転軸を画定する攪拌機と、
前記焙煎ドラムに対して回転式に取り付けられた扉であって、
(1)前記扉に取り付けられた外側ハウジング、及び(2)前記扉が閉鎖位置に移動されているときに前記アキシャルシャフトの前記前端部分と係合して前記回転軸を前記焙煎ドラムの前記水平中心軸と実質的に整列させる受入れ穴を画定する内側ベアリングを含むベアリングアセンブリ
を含む扉と
を備える豆焙煎システム。
【請求項13】
前記焙煎ドラムに固く結合され、前記焙煎ドラムの前記開口部と実質的に整列された開口部を画定し、前記扉が回転式に取り付けられる前板をさらに備える、請求項12に記載の豆焙煎システム。
【請求項14】
水平中心軸を画定する焙煎ドラムと、
アキシャルシャフトに取り付けられたブレードを有する攪拌機であって、前記アキシャルシャフトは前端部分を有し、前記攪拌機の回転軸を画定する攪拌機と、
前記焙煎ドラムに動作的に結合され、前記焙煎ドラムに対して開放位置及び閉鎖位置を有する扉と、
前記扉に固く結合されたベアリングアセンブリであって、前記扉が閉鎖位置に移動されているときに前記アキシャルシャフトの前記前端部分と取り外し可能に係合して前記回転軸を前記焙煎ドラムの前記水平中心軸と実質的に整列させる受入れ穴を画定するベアリングアセンブリと
を備える装置。
【請求項15】
焙煎システムを動作させる方法であって、
焙煎ドラムの扉が開放位置から閉鎖位置へ移動されていることに応答して攪拌機のアキシャルシャフトの前端部分を取り外し可能に係合することと、
前記係合に応答して、前記アキシャルシャフトの回転軸を持ち上げて、それにより前記アキシャルシャフトに取り付けられたブレードを上昇させて、前記焙煎ドラムとの接触から外すことと
を含む方法。
【請求項16】
前記係合が前記回転軸を前記焙煎ドラムの水平中心軸と実質的に整列させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記扉が、受入れ穴を画定する内側ベアリングを含むベアリングアセンブリを含み、前記係合は前記前端部分の最も細い端部が前記受入れ穴の入口に受け入れられることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記内側ベアリングが、前記係合の間、前記アキシャルシャフトの前記回転軸と実質的に整列する回転軸の周りを回転するように構成される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[1001] この非仮特許出願は、米国特許法第119条(e)の利益の下、2018年4月20日に提出された「ROASTING SYSTEM HAVING SELF-ALIGNING AGITATOR AND DOOR BEARING ASSEMBLY」と題された米国仮特許出願第62/660,588号の優先権を主張する。前記仮特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
[1002] 本開示は、食品、特に豆、より具体的にはコーヒー豆の焙煎に関する。さらにより具体的には、本開示は、焙煎プロセス中に内容物を視覚的に観察することを可能にする一方で、内部豆攪拌機に自己整列型機械的マウントを提供する改良された焙煎ドラムを有する焙煎システムを記載する。
【背景技術】
【0003】
背景
[1003] 食品焙煎機は広く使用されている。1つの特に典型的な焙煎機は、包装されるか、又は挽かれて抽出されるコーヒー豆を調製するために利用される。典型的な焙煎機は、豆を支持し、攪拌し、そして焙煎するための焙煎室を含む。豆が焙煎されているときに、豆を視覚的に観察できることが望ましい。この機能を提供する一方で、豆の自動攪拌のための安定した機械的システムも提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面の簡単な説明
図1】[1004]例示的な焙煎システムのブロック図の概略図である。
図2】[1005]例示的な焙煎システムの電気ブロック図である。
図3】[1006]焙煎システムの動作の例示的なシーケンスを表すフローチャートである。
図4】[1007]温度(実線)及び湿度(破線)対時間のグラフを含む、焙煎プロファイルの例のグラフ表示である。
図5】[1008]焙煎動作中に起こり得るプロセスを表すフローチャートである。
図6】[1009]一実施形態による、制御器が所与の動作モードのために触媒コンバータ及び焙煎室の温度を調整する例示的な方法を示すフローチャートである。
図7】[1010]一実施形態による、焙煎室アセンブリの一部の等角図である。
図8】[1011]図7に部分的に示されている焙煎室アセンブリの上面図である。
図9】[1012]図7の扉単独の等角図である。
図10】[1013]図9のAA’から取られた断面図であり、扉の組み立てられた構成要素を示す。
図11】[1014]図10から取られた詳細図であり、扉の中央部分を示す。
図12】[1015]図7の攪拌機単独の等角図である。
図13】[1016]図11と同様であるが、図13は内側ベアリングの中央穴に受け入れられたシャフトの前端部を含むことが異なる。
図14】[1017]一実施形態による、扉の閉鎖に応答して、攪拌機の軸を焙煎ドラムの軸に自己整列させる方法である。
図15A】[1018]図7の焙煎室アセンブリの等角図であり、外部扉がなく、ドラムの底面の開口部はシールされた状態である。
図15B】[1019]図15Aと同様であるが、ドラムの底面の開口部が開放状態であることが異なる。
図16A】[1020]シールされた状態にある図7のドラムのより低い外側部分の等角図である。
図16B】[1021]開放状態にある図7のドラムのより低い外側部分の等角図である。
図17】[1022]一実施形態による、焙煎ドラムの中身を取り除くための方法のフローチャートである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1023] 本開示の一態様では、豆焙煎システムは、焙煎ドラム、攪拌機、及び扉を含む。焙煎ドラムは、後端から前端まで延びる内面を有する。攪拌機は、アキシャルシャフトに取り付けられたブレードを有する。アキシャルシャフトは前端部を有する。扉は焙煎ドラムに対して回転式に取り付けられ、ガラス板及びベアリングアセンブリを含む。ガラス板は、扉が閉鎖されているときにドラム内部の中身への視覚的アクセスを提供する。ベアリングアセンブリは、外側ハウジングと内側ベアリングを含む。外側ハウジングはガラス板に取り付けられる。内側ベアリングは、扉が閉鎖されているときにアキシャルシャフトの前端部を受け入れて支持する受入れ穴を画定する。
【0006】
[1024] 一実施形態では、アキシャルシャフトは後端部を有する。豆焙煎システムは、アキシャルシャフトの後端部に結合された攪拌機モータを含む。
【0007】
[1025] 別の実施形態では、扉が焙煎ドラムから離れる方に回転されて開放位置にあるとき、攪拌機ブレードは、焙煎ドラムの内面下側に載っている。扉を閉鎖位置に動かすと、ベアリングアセンブリの受入れ穴が前端部分に係合し、ドラムの内面下側からベアリングアセンブリまで持ち上がる。
【0008】
[1026] さらに別の実施形態では、ベアリングアセンブリの受入れ穴は、受入れ穴とアキシャルシャフトの前端部分との間の整列を提供するためにテーパ状になっている。アキシャルシャフトは前端部分に向かってテーパ状である。アキシャルシャフト前端部分は、受入れ穴のテーパ角度に実質的に一致するテーパ角度を有する。
【0009】
[1027] さらなる実施形態において、ベアリングアセンブリは、ベアリングアセンブリの外側ハウジングと内側ベアリングとの間に円形ボールベアリングレースを含む。
【0010】
[1028] なおもさらなる実施形態において、ガラス板は中央開口部を有する。ベアリングアセンブリは、ガラス板の中央開口部をシールするためにガラス板に対してシールを形成する。
【0011】
[1029] 別の実施形態では、ドラムの内面は、ドラムの中心軸を画定する。攪拌機のアキシャルシャフトは、攪拌機の中心軸を画定する。扉が閉鎖位置に移動されるときにアキシャルシャフトの前端部分が受入れ穴に係合すると、ドラムの中心軸は攪拌機の中心軸に整列される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
[1030] 以下の説明は、2017年4月13日に提出されたRicardo Lopezらによる「ROASTING SYSTEM WITH CLEAN EMISSIONS AND HIGH THERMAL EFFICIENCY」と題された米国仮特許出願第62/485,206号の非仮特許対応物である2018年4月10日に提出された特許出願の米国特許出願第15/949,903号の内容を組み込む。
【0013】
[1031] 図1は、一実施形態による、焙煎システム2のブロック図の概略図である。焙煎システム2は、ガス出口6及びガス入口8を有する焙煎室4を含む。ガス導管10は、後述される他の関連する構成要素と組み合わせて、再循環ガス流路(本明細書ではガス導管10又は再循環ガス流路10と交換可能に呼ばれる)を画定し、焙煎室4に結合され、焙煎室4を含む。再循環ガス流路10は、焙煎プロセスに由来する破砕物及び有害ガスの除去、及び焙煎室4の温度の調整を含む多くの機能を実行する。焙煎システム2はまた、未焙煎豆を焙煎室4に投入する前にローディングするための豆ホッパ12も含む。豆ホッパ12と焙煎室4の間には、豆をホッパ12から焙煎室4に放出するためのローディング弁14がある。アンローディング弁16は、豆を豆冷却システム(図示せず)に放出するためのものである。
【0014】
[1032] 焙煎システム2の動作中、ガス流ストリーム18が、焙煎室4のガス出口6からガス入口8まで再循環ガス流路10内に確立される。ガス出口6を出た後、ガス流ストリーム18はサイクロン分離器20に流れる。サイクロン分離器20はガス流ストリーム18から破砕物を除去し、破砕物はサイクロン分離器20の下に集められる。
【0015】
[1033] 次に、ガス流ストリーム18は、可変ダイバータ22に流れる。可変ダイバータ22は、ガス流路10を、処理流路セグメント24及びバイパス流セグメント26を含む少なくとも2つの流路セグメントに分割する。可変ダイバータ22は、「バイパス率」を制御する。「バイパス率」は、バイパス流セグメント26に方向転換されるガス流ストリーム18のパーセンテージである。バイパス率は、ガス流ストリーム18の質量流量の0パーセント~100パーセントの間で変化させることができる。バイパス率がゼロの場合、ガス流ストリーム18のすべての質量流量は、処理流路セグメント24を通って流れる。バイパス率がXの場合、ガス流ストリームの質量流量の100-Xパーセントが処理流路セグメント24を通って流れ、ガス流ストリーム18の質量流量のXパーセントがバイパス流セグメント26を通って流れる。バイパス率が100の場合、ガス流ストリーム18のすべての質量流量がバイパス流セグメント26を通って流れる。
【0016】
[1034] 処理流路セグメント24は、ヒータ28及び触媒コンバータ30を流体的直列で含む。図1に示す実施形態では、ヒータ28は、触媒コンバータ30及び焙煎室4のメインヒータ28である。触媒コンバータ30は、触媒作用に使用される動作温度(触媒温度TCTと呼ばれる)を有する。触媒温度TCTは、通常、華氏500~1000度の範囲である。他方、焙煎室4は、所望の焙煎プロセス及びプロセス内のステップに応じて華氏150度~500度の間で変化し得る焙煎室温度TRCを有する。
【0017】
[1035] バイパス流セグメント26は、混合室32(本明細書では合流部32とも呼ばれる)に結合されている。混合室32(合流部32)は、分離又は分割された流路が1つの流路に再結合する点を画定する。合流部32と焙煎室4のガス入口8との間には、メインブロワ34がある。
【0018】
[1036] バイパス流セグメント26に結合されているのは、周囲空気が再循環ガス流路10に入ることを可能にする入口構成要素36である。入口構成要素36は、周囲空気を再循環ガス流路10に許容し押し込むために直列に結合された入口制御弁及び入口ブロワを含む。混合室32に結合されているのは、再循環ガス流路10から周囲環境にガスを放出するための出口構成要素38である。出口構成要素38は、出口制御弁、凝縮器、及びフィルタを直列で含む。
【0019】
[1037] 焙煎システム2は、温度センサTを含む様々なセンサ40を使用する。これらのセンサ40は、焙煎システム2内の様々なプロセスの閉ループ制御を可能にするために利用される。
【0020】
[1038] 代替の実施形態では、バイパス流セグメントは、補助加熱及び/又は冷却温度調整器44を含むことができる。別の代替の実施形態では、メインブロワ34は、再循環ガス流路10の他の場所に配置することができ、又は複数のブロワを使用することができる。さらに別の代替の実施形態では、入口構成要素36は、混合室に一体化されてもよく、出口構成要素38は、触媒コンバータの直後の流体流路内の点に移動されてもよい。
【0021】
[1039] 図2図1の焙煎システム2の電気ブロック図である。図2のいくつかの参照番号は、図1の参照番号に対応する。焙煎システム2は、センサ40から信号を受信し、弁14及び16、可変ダイバータ22、メインヒータ28、メインブロワ34、入口構成要素36、出口構成要素38、及び任意選択的に補助温度調整器44(加熱及び/又は冷却を提供する)に制御信号を提供する制御器42を含む。制御器はまた、攪拌機モータ41及び豆落下アクチュエータ43に制御可能に結合されている。
【0022】
[1040] 制御器40は、情報記憶装置48に結合されたプロセッサ46を含む。情報記憶装置48は、プロセッサ46によって実行されると、焙煎システム2の様々な構成要素を制御し、制御器42が構成される機能を提供するソフトウェアを記憶する非一時的又は不揮発性記憶装置を含む。制御器42は、焙煎システム2内の1つの場所に配置することも、複数の場所に分散させることもできる。例えば、制御器42は、焙煎システム2のハウジング(図示せず)内、及び/又は可変ダイバータ22のハウジングなど焙煎システム22の適切な構成要素のハウジング内に配置することができる。制御器は焙煎システム2の様々な構成要素に電気的及び/又は無線式にリンクすることができる。
【0023】
[1041] 制御器42は、複数の異なる所定の又は事前定義された動作モードを定義及びアクティブ化するように構成される。各動作モードは、焙煎システム2の動作中に実行されるステップ及びプロセスシーケンスのステップ又はプロセスを定義することができる。例示的なシーケンスを図3に関して記載する。
【0024】
[1042] 特定の動作モードは、例えば、焙煎システム2の様々な構成要素の持続時間及び状態によって部分的に定義することができる。直接制御される状態は、制御器42から直接制御信号を受信する構成要素の状態である。直接制御された状態の例には、可変ダイバータ22のバイパス率、メインヒータ28の出力パワー、メインブロワ34の空気流量、及び入口及び出口構成要素36及び38それぞれの制御が含まれる。任意選択の例は補助温度調整器44の制御であり得る。
【0025】
[1043] 間接的に決定される状態は、直接決定されるそれらの状態の結果であるそれらの状態である。これらには、焙煎室4の温度及び触媒コンバータ30の内部温度が含まれる。これらの温度は、メインヒータ28、メインブロワ34、及び可変ダイバータ22の制御によって決定される(したがって、間接的に制御される)。
【0026】
[1044] 制御器42は、焙煎システム2内の様々な温度を示すセンサ40からの信号又はデータを読み取る。これらの信号又はデータは、焙煎室4、触媒コンバータ30、又は再循環流路10の様々な部分の温度を示し得る。次に、制御器42は、直接制御された状態を調整して、所望の温度設定点を維持する。
【0027】
[1045] 制御器はまた、豆が焙煎室4から冷却室に落下するときに、攪拌機モータ41及び豆落下アクチュエータ43を動作させるように構成されている。これについて以下で詳しく記載する。
【0028】
[1046] 図3は、焙煎システム2の動作シーケンス50の例を表すフローチャートである。動作シーケンスの各ステップは、そのためのインジケータが制御器42に格納されている所定の動作モードに基づく。これらのステップのそれぞれについて、制御器42は、図2に関して考察したように様々な構成要素を制御する。
【0029】
[1047] ステップ52は、周囲環境と平衡化するのに十分長くオフにされていた後の焙煎システム2の初期状態を表す。ヒータパワーはゼロであり、これは、電力がメインヒータ28に送られていないことを意味する。メインブロワ34はオフである。結果として、触媒コンバータ30の温度及び焙煎室4の温度は両方とも、華氏約70度であり得る周囲温度にある。
【0030】
[1048] ステップ54は、焙煎システム2の予熱モードを表す。この動作モードは、約30分の持続時間を有することができる。このモードの間、メインヒータ28に供給される電力は「高」状態にある。一実施形態では、メインヒータ28に供給される電力は、メインヒータ28に使用される最大電力レベルの75パーセント超又は100パーセントですらある。メインブロワ34は、「高」状態で動作する。1つの特定の実施形態では、メインブロワ34は、200立方フィート/分の流量で動作し、バイパス率は、低い値すなわち10パーセント未満又はさらにはゼロで始まり、その後、50パーセント超、75パーセント超又は約85~90パーセントのバイパス率まで上昇する。別の実施形態では、バイパス率は予熱の間じゅう低い値に保たれ、システムの様々な部分への供給エネルギーを減らすために、システムが加熱されるにつれてブロワ速度が低下される。この場合、ヒータの温度は高いままであるが、エネルギー輸送の減少により、ヒータによって引き出され、出力されるエネルギーはより低い。予熱モードの間、触媒コンバータ30の温度は、周囲温度から華氏500~1000度の範囲の有効触媒温度まで上昇する。一実施形態では、触媒温度は華氏約800度である。焙煎室4の温度もまた、焙煎プロセスを開始する温度範囲まで上昇する。一実施形態では、この温度は華氏300~400度の範囲又は華氏約350度である。
【0031】
[1049] ステップ56は、不確定な持続時間を有するスタンバイモードを表す。この動作モードの間、メインヒータ28に供給される電力は「低」状態にある。一実施形態では、ヒータ28に供給される電力は、メインヒータに使用される最大電力レベルの約5~15パーセントの範囲で50パーセント未満である。この低いメインヒータ28の電力は、触媒コンバータ30の温度及び焙煎室4の温度を維持するために使用されるすべてである。一実施形態では、メインブロワは「低」状態で動作する。一実施形態では、メインブロワは、100立方フィート/分(CFM)の流量で動作する。この場合、バイパス率は50%超、75%超、又は約85~90%の範囲である。別の実施形態では、メインブロワは100立方フィート/分(CFM)未満の出力で動作し、その速度はシステム全体のエネルギー分布を制御するように調整される。この場合、バイパス率は低く保たれ、約0~10%である。すべての場合において、触媒コンバータ30の温度は華氏500~1000度の範囲又は華氏約800度である。焙煎室4の温度は華氏300度~400度の範囲又は華氏約350度である。
【0032】
[1050] ステップ58は、豆をホッパ12から焙煎室4にローディングするために弁14が開かれる動作モードを表す。ステップ58の構成要素の状態は、メインブロワが「高」状態で動作することを除いて、ステップ57の構成要素の状態と同じである。一実施形態では、メインブロワ34は200立方フィート/分の流量で動作する。
【0033】
[1051] ステップ60、62、及び64は、豆の焙煎の完全なサイクルを表す。これらのステップの間、メインブロワ34は、200立方フィート/分であり得る「高」状態で動作する。ステップ60、62、及び64の合計持続時間は約10~15分である。
【0034】
[1052] ステップ60は、豆を乾燥させるための動作モードであり、約1~3分続く場合がある。メインヒータ28は、「低」電力レベルで動作し、これは最大電力の10~20パーセントの範囲にあり得る。バイパス率は、50~90%の範囲又は約71%である。華氏500~1000度の範囲又は華氏約800度の触媒温度。焙煎室4の温度は、華氏約170~180度の範囲又は華氏約175度である。
【0035】
[1053] ステップ62は、焙煎室温度が焙煎発展温度まで上昇する「回復ランプ」モードである。「回復ランプ」モードの持続時間は約3~6分であり得る。メインヒータ28は、最大電力の75~100パーセントの範囲にあり得る「高」電力レベルで動作する。メインヒータ28からのより高い温度を有する一部のガスが焙煎室4に向けられるようにバイパス率は0~10パーセントの範囲である。その結果、焙煎室温度は焙煎発展温度まで上昇し、これは華氏約390度であり得る。ステップ62の間、触媒温度は華氏約650度に低下し得る。
【0036】
[1054] ステップ64は、焙煎室4の温度が上昇する焙煎発展モードである。焙煎発展モードの持続時間は約3分である。メインヒータ28は、最大電力の20~30パーセントであり得る「低」電力で動作する。バイパス率は、50~100%の範囲又は約76%である。このモードの間、ヒータ入力を減らしながらバイパス率を上げることができる。焙煎室4の温度は華氏約390度~華氏約460度に上昇する。触媒温度は華氏約650度~華氏約750度に上昇する。また、このモードの一部として、入口36及び出口38の構成要素は、周囲空気環境との1~5パーセントのガス交換を可能にするように動作する。
【0037】
[1055] ステップ66の間、焙煎された豆を冷却室に落下させるように弁16が開かれる。ステップ68の間、豆は冷却され、システム状態は、予熱動作の後、ステップ56のスタンバイモードの状態に戻る。
【0038】
[1056] 図3に関して上に記載した特定の状態は、所望の「焙煎プロファイル」に応じて変化し得ることに留意されたい。特に、焙煎室4の温度状態は、そのような焙煎プロファイルの関数である。したがって、記載されたシーケンス50は、構成要素の状態に関して変化を有することができ、図3に関して示された温度は、特定の焙煎プロファイル又は焙煎プロファイルセットの例である。
【0039】
[1057] 図1を参照すると、センサ40は、湿度(Hで指定される)及び酸素(Oで指定される)センサを含むことができる。制御器42は、これらのセンサからの情報を使用して、(図3の)焙煎ステップ60~64の進行を追跡することができる。独特の例として、制御器42は、焙煎室4の出口6を出るガスの湿度対時間を分析することによって、焙煎プロセスに関する情報を推測することができる。
【0040】
[1058] 焙煎ステップ60~64の間のマイルストーンイベントは、豆の「最初の亀裂」である。これが始まると、焙煎プロファイルの残り時間と温度をより正確に決定することができる。追加される時間と温度は、焙煎の種類に依存する(例えば、ライト焙煎対フルフレンチ焙煎)。
【0041】
[1059] 図4は、温度及び湿度対時間の例のグラフである。このグラフの値は、焙煎室4の出口6に又はその近くに配置されたセンサ40を使用して生成される。示されるように、湿度対時間のグラフの比較的鋭いピークは、焙煎発展ステップ64の「最初の亀裂」マイルストーンに対応する。
【0042】
[1060] 図5は、例示的な焙煎プロセス70を示すフローチャートである。焙煎プロセス70は、追加の動作を組み込むことを除いて、焙煎ステップ60~64と同様であり、及び/又はそれと組み合わせて実行することができる。ステップ72によれば、湿度は、焙煎室4の出口6にあるHセンサ40によって監視される。ステップ72の一部として、制御器42は、湿度対時間のグラフ(又はメモリに記憶されたルックアップテーブル、湿度-時間曲線を表す方程式などの同等物)を分析し、勾配の程度の急激な変化及び局所的な最大値を識別する。
【0043】
[1061] ステップ74によれば、湿度ピークが識別される。これは、豆の「最初の亀裂」に対応する。湿度ピークのこの識別は、焙煎プロセス70の特定の進行を示す。
【0044】
[1062] ステップ76によれば、応答又はアクションが、最初の亀裂マイルストーンの識別に応答してアクティブ化される。これは任意の数の形式を取ることができる。
【0045】
[1063] 一実施形態では、焙煎発展持続時間は、マイルストーン識別及び所望の焙煎の種類に基づいて自動的に調整される。この実施形態では、ヒータ電力、空気流、及び/又はバイパス率などのパラメータも調整することができる。
【0046】
[1064] 別の実施形態では、焙煎作業の責任者にアラートを自動的に送信することができる。例えば、これは、責任者が利用するモバイルデバイスに無線式に送信されるメッセージであり得る。メッセージは、マイルストーンのタイミングに基づいて責任者が焙煎プロファイルを調整するオプションを提供することができる。
【0047】
[1065] 図6は、制御器42が、所与の動作モードについて、触媒コンバータ30及び焙煎室4の温度を調整する例示的な方法80を示すフローチャートである。上述のように、触媒コンバータ30の温度TCTは、焙煎システム2の動作モードの関数として変化しない傾向がある触媒作用に最適な温度に維持することができる。一方、焙煎室4の温度TRCは動作モードの関数である。
【0048】
[1066] ステップ82によれば、方法80は、指定された焙煎室設定TRCを含む動作モードの動作パラメータの受信から始まる。次に、方法80は、同時に実行することができる2つの独立した温度制御ループを含む。例示的な触媒コンバータ30温度TCT制御ループは、ステップ84~88によって示されている。例示的な焙煎室4温度制御ループは、ステップ90~94によって示されている。
【0049】
[1067] ステップ84によれば、触媒コンバータ30の温度TCTが監視される。ステップ84の一部として、制御器42は、触媒コンバータ30内にあるか、それに近接するか、又はそれから出る空気を受ける温度センサ40から、触媒コンバータ30の温度TCTデータを受け取る。
【0050】
[1068] ステップ86によれば、触媒コンバータ30の温度TCTが指定された範囲内にあるかどうかに関して決定がなされる。この指定された温度範囲は、例えば華氏500~1000度の全体的な温度範囲内にある。一実施形態では、指定された温度範囲はより狭く、例えば華氏約800度の温度を中心とする。触媒コンバータ30の温度TCTが指定された範囲から逸脱する場合、方法80はステップ88に進む。ステップ88によれば、メインヒータ28に供給される電力は、ステップ86で決定された温度逸脱を打ち消すように調整される。ステップ88の一部として、制御器42は、ヒータ28への電力入力を調整するための制御信号を送信する。次に、ステップ84及び86が繰り返される。ステップ86によれば、触媒コンバータ30の温度TCTが指定された範囲内にあるとき、ループはステップ84に進み、触媒コンバータ30の温度TCTの監視を継続する。
【0051】
[1069] ステップ90によれば、焙煎室4の温度TRCが監視される。ステップ90の一部として、制御器42は、焙煎室4内にあるか、それに近接するか、又はそれから出る空気を受ける温度センサ40から、焙煎室4の温度TRCデータを受け取る。
【0052】
[1070] ステップ92によれば、焙煎室4の温度TRCが指定された範囲内にあるかどうかに関して決定がなされる。この指定された範囲は、ステップ82からの現在の動作モードに対する指定された焙煎室温度設定TRCに基づく。焙煎室4の温度TRCが指定された範囲から逸脱する場合、方法80はステップ94に進む。
【0053】
[1071] ステップ94によれば、可変ダイバータ22は、逸脱を打ち消すように調整される。ステップ94の一部として、制御器42は、制御信号を可変ダイバータ22に送信する。制御信号に応答して、可変ダイバータ22は、バイパス率を増減させる。例えば、温度が高すぎると、バイパス率は増大される。次に、ステップ90と92が繰り返される。ステップ92によれば、焙煎室4の温度TRCが指定された範囲内にあるとき、ループはステップ90に進み、焙煎室4の温度TRCの監視を継続する。
【0054】
[1072] 触媒コンバータ30及び焙煎室4の2つの温度制御ループは、制御システム動作の観点から、互いに独立して継続する。しかしながら、それらには間接的な依存関係がある。ステップ88に従ってヒータ28が調整されると、これは焙煎室4の温度TRCに影響を与える。次に、焙煎室4の制御ループは、おそらく応答する必要がある。
【0055】
[1073] 図7~13及び15~16は、焙煎室アセンブリ4の実施形態を示す。焙煎室アセンブリ4の記載において、相互に直交する軸X、Y、及びZを使用する。軸XとYは、ほぼ水平であり得る概ね横軸である。軸Zは、重力基準とほぼ整列され得る垂直軸である。+Xの方向は前方又は前部に向かい、-Xの方向は後方又は後部に向かう。+Zの方向は上向きで、-Zの方向は下向きである。
【0056】
[1074] 図7は、焙煎室アセンブリ4の一部の等角図である。焙煎室アセンブリ4は、X軸と整列する水平中心軸を画定する円筒形の焙煎ドラム100を含む。ドラム100は、後端102から前端104まで延びる。ドラム100の前端104は、焙煎室アセンブリ4の前部106に近接している。図示の実施形態では、前部106は前板106である。他の実施形態では、前部又は前板106は、焙煎室アセンブリ4のハウジングの一部であり得る。前板106は、ドラムの前端104に近接する垂直開口部108を画定する。
【0057】
[1075] ドラム100内には、シャフト114に取り付けられた複数のブレード112を含む攪拌機110がある。中央シャフト114は、円錐形のテーパを備えた前端部分116を有する。前端部分116は、+X方向にテーパ状である。シャフト114は、ドラム100の後端102に近接する後端118(焙煎室アセンブリ4の上面図である図8)を有する。シャフト114の後端118は、攪拌機モータ41に結合されている。攪拌機モータ41は、シャフト114の周りで攪拌機110を回転させるように構成される。
【0058】
[1076] ドラム100のより低い面101は、ハッチ120によって部分的に画定される。ハッチ120は、ドラム100の底部に開口部を提供するために下げることができる。これによりドラム100内に含まれる豆を冷却室の中に空けることができる。ハッチの詳細については後述する。
【0059】
[1077] 扉122が、ヒンジ124によって前板106に取り付けられる。扉122は、ピン126がキャッチ128によってラッチされ得るように、ヒンジ124の周りで内側に回転され得る。ラッチ状態では、扉122は前板106の垂直開口部108を閉じてシールする。扉は、焙煎作業中にドラム100の内容物を見ることを可能にするガラス板130を含む。扉122はまた、扉122が開口部108上で閉じられたときにシャフト114の前端部分116を受け入れるように構成されたベアリングアセンブリ132を含む。したがって、ベアリングアセンブリ132は、攪拌機110を支持する。
【0060】
[1078] 図8は、焙煎室アセンブリ4の上面図である。図示されているのは、ドラム100の水平中心軸133である。水平中心軸133は、攪拌機モータ41及び攪拌機110の回転軸と整列されている。
【0061】
[1079] 図9は、扉122単独の等角図である。ベアリングアセンブリ132は、ガラス板130上で中央に支持されている。ベアリングアセンブリ132は、外側ハウジング134及び内側ベアリング136を含む。扉130が閉じられると、ドラム100の水平中心軸133は、外側ハウジング134に対する内側ベアリング136の回転軸と本質的に一致する。内側ベアリング136は受入れ穴138を画定する。扉122はまた、ガラス板130を支持する扉ハウジング140を含む。扉ハウジングは、ヒンジ124に結合される。ヒンジ124は、扉122が閉位置に移動するときに扉の動きをX軸にほぼ平行にする複合ヒンジである。これにより、扉122が閉じるときに、シャフト114の前端部分116を受入れ穴138内に受け入れることが可能になる。
【0062】
[1080] 図10は、図9のAA’から取られた断面図であり、扉122の組み立てられた構成要素を示す。ベアリングアセンブリ132は、ガラス板130に取り付けられる。ベアリングアセンブリ132の外側ハウジング134は、ガラス板130の中央開口部142に密に結合されている。
【0063】
[1081] 図11は、図10から取られた詳細図であり、扉122の中央部分をより詳細に示している。例示的な実施形態によれば、ガラス板130は、中央円形穴142を有する。ベアリングアセンブリ132の外側ハウジング134は、ガラス板130の円形穴142に密に取り付けられる。内側ベアリング136は、外側ハウジング134内の円筒形の凹部144の内側に取り付けられる。円形ボールベアリングレース146は、内側ベアリング136が扉中心軸148の周りを自由に回転することを可能にする。内側ベアリング136に形成された中央穴138は、円錐形のテーパを画定する。穴138は、その入口150からその底部152に向かって内側にテーパ状になっている。扉122が閉じられているとき、テーパは+X又は前方向にある。図示の実施形態では、扉中心軸148は、実質的に、開口部142、中央穴138、及び外側ハウジング134に対する内側ベアリング136の回転軸の中心軸である。扉122が閉じられているとき、扉中心軸148は、ドラム100の水平中心軸と実質的に整列している。そのような軸は、等しいか又は機械的許容誤差のために正確に等しくない可能性があるという点で実質的に整列している。
【0064】
[1082] 図12は、攪拌機110単独の等角図である。シャフト114は、後端部分118と前端部分116との間で細長い。シャフト114の前端部分116は、円錐形のテーパを画定する。前端部分116は、前方向にテーパ状になっている(すなわち、前端部分116の端部に向かってテーパ状になっている)。シャフトは、シャフト軸154を画定する。扉122が開いているとき、ブレード112の(前端部分116に近いものの)いくつかは、ドラム100の内側底面101上に載っている。したがって、扉122が開いているとき、シャフト軸154は、ドラム100の水平中心軸133に対して下向きに傾斜している。扉122が閉じられると、テーパ状の穴138は、シャフトの前端部分116と係合する(例えば、取り外し可能、スライド可能、受入れ可能に接触する)。係合は、前端部分116を持ち上げ、シャフト軸154をドラム100の水平中心軸133及び扉中心軸148と実質的に整列させる。
【0065】
[1083] 図13は、図13が内側ベアリング136の中央穴138に受け入れられたシャフト114の前端部分116を含むことを除いて図11と同様である。これは、扉122が垂直開口部108上で閉じられたときの近接断面図である。例示的な実施形態によれば、内側ベアリング136の中央穴138及びシャフト114の前端部分116は両方とも同じ前方又は前方向にテーパ状である。この相互テーパは、扉122が閉じられるときに、前端部分116の穴138への適切な受入れ及び整列を促す。この相互テーパは、内側ベアリング136の中央穴138のテーパ角度がシャフト114の前端部分116のテーパ角度と実質的に一致するという意味で相互である。そのようなテーパ角度は、それらが等しいか又は機械的製造誤差のために正確に等しくない可能性があるという点で実質的に一致する。同様に、そのようなテーパ角度は、テーパ角度の違いにもかかわらず、扉122が閉じられるときに、前端部分116の穴138への適切な受入れ及び整列が依然として達成されるという点で実質的に一致し得る。扉122が閉じられる直前に、前端部分116の最も狭い端部156は、穴138のより広い入口150内に受け入れられる。扉122の最終的な閉鎖の間の穴138の円錐面と前端部分116の円錐面の係合は、軸154を軸148に、したがってドラム100の中心軸133に自己整列させる。これはまた、ブレード112をドラム100の内側底面から持ち上げ、攪拌機110をドラム100内で効果的に中心に置く。
【0066】
[1084] 図14は、一実施形態による、扉の閉鎖に応答して攪拌機の軸を焙煎ドラムの軸に自己整列させる方法である。図14は、図7~13及び15~16に関して考察される実施形態に関して記載されているが、図14の方法は、図7~13及び15~16に関して考察される実施形態とは異なる焙煎システムを用いて実施できることを理解されたい。図14に関して考察されるように、方法160は、扉122の閉鎖に応答して、焙煎ドラム100内で攪拌機110を「自動的に」整列させることができる。162で、扉122は開いており(例えば、開位置)、攪拌機ブレード116のいくつかはドラム100の底面101に載っている。164で、扉122は、閉鎖に向かって移動される(例えば、閉位置)。166で、内側ベアリング136の受入れ穴138は、扉122が閉鎖に向かって移動されることに応答して、攪拌機110の前端部分116と取り外し可能に係合する。166の一部として、シャフト114の最も狭い端部156は、穴138のより広い入口150に受け入れられる。168において、前端部分116の円錐面及び受入れ穴138は係合し、扉122が完全な閉鎖に移動されるにつれて、軸148及び154を実質的に自己整列させる。168の一部として、ブレード116は、内面158と一切干渉することなく(例えば、内面158に接触することなく)ドラム100内で適切に回転できるように、底面101から持ち上げられる。
【0067】
[1085] 図15Aは、扉122が取り外された、焙煎室アセンブリ4の実施形態の等角図である。ドラムは、凹状の円筒形の内面158を有する。ハッチ120は、ドラム100の内面158のより低い面又は底面101の一部を画定する。図15Aは、ハッチ120の「上位置」を示し、それにより、ハッチ120は、より低い面101に形成された開口部170をシールする。例示的な実施形態では、ハッチ120は、ドラム100の内面158と厳密に一致するため、ハッチ120と内面158の間にはギャップ及び継ぎ目がないか、又は最小限しかない。
【0068】
[1086] 図15B図15Aと同様であるが、ハッチ120が下げられた状態にあり、それによって開口部170がシールされずに開放され、それによってドラム100内の豆がドラム100から垂直下向き(-Z)方向に冷却室(図示せず)に出始めることができることが異なる。開口部170は、ドラム100の中心軸133に実質的に平行な長軸を有する。開口部170は、中心軸133に平行な寸法に沿ってドラム100にほぼ広がるので、豆をドラム100からより完全に空けることが可能になる。
【0069】
[1087] 図16A及び16Bは、ドラム100のより低い外側部分の等角底面図である。図16A及び16Bは、それぞれ、ハッチ120の上位置及び下位置を示している。図示の実施形態では、ハッチ120は、ヒンジ172によってドラム100のより低い外面に結合されている。ヒンジ172は、ドラム100の中心軸133に平行な回転軸を有する。同じく示されているのは、制御器42の制御下でヒンジ172の周りでハッチ120を回転させるように構成された(図2に関して豆落下アクチュエータ43とも呼ばれる)アクチュエータ43である。一実施形態では、アクチュエータ43は、ハッチ120の回転を提供するためにアクチュエータ43を伸縮する電動ねじを含む。
【0070】
[1088] ドラム100のより低い面101の開口部170は、垂直の内向きの縁174によって境界が定められている。ハッチ120は、外向きの縁176を有する。ハッチが上部(図16A)位置にあるとき、縁174と176は対面関係にある。縁174は176であり、それらの間に最小のギャップがあるように密接に一致している。
【0071】
[1089] ドラム100内の豆が焙煎プロセスを終えると、それらは冷却室に移される。図17は、制御器42の制御下での移動のための方法180を示している。方法180は、図3の方法50の豆落下ステップ66に対応する。初期条件182によれば、ハッチ120は、図15A及び16Aに示されるように、上(シール)位置にある。184において、アクチュエータ43は、ハッチ120を回転させて、図15B及び16Bに示されるように下方(開口部170については開放状態)状態に下降させるように動作する。
【0072】
[1090] 186において、攪拌機モータ41は、攪拌機110を軸154の周りで前後に回転させるように動作する。これは、豆が本質的にすべて開口部170を通って冷却室に落下するまで、ドラム100の軸133に平行な成分を有する方向に前後に豆を押す。188で、アクチュエータ43は、ハッチ120を回転させ、初期の上(シール)位置まで上昇させるように動作する。
【0073】
[1091] 上記の特定の実施形態及びその適用は、例示のみを目的としており、以下の特許請求の範囲に含まれる修正及び変形を排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17