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特許7386856ランダムアクセス構成方法、信号送信方法、装置及び通信システム
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  • 特許-ランダムアクセス構成方法、信号送信方法、装置及び通信システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ランダムアクセス構成方法、信号送信方法、装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20231117BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20231117BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/0446
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021518155
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2018113846
(87)【国際公開番号】W WO2020087547
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】ジアン・チンイェヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・シヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・グオユィ
(72)【発明者】
【氏名】ジア・メイイ
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】角張 亜希子
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/083662(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/112918(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/078602(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106941730(CN,A)
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Remaining details on PRACH formats,3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1720794,<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720794.zip>,2017年11月18日アップロード
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク装置に構成されるランダムアクセス構成装置であって、
端末装置に第1指示情報を送信する第1送信部、を含み、
前記第1指示情報は、
ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)と、チャネルアクセスのタイプとを
前記ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成に対応する、装置。
【請求項2】
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)は、
時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、
利用不可能なランダムアクセスリソース、
スロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、
チャネルアクセス試みの回数、及び
チャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、ライセンス周波数帯域に用いられず、或いは、
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、アンライセンス周波数帯域に用いられない、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示するために用いられ、
前記ランダムアクセス構成は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成及び/又はチャネルアクセスの構成を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1ランダムアクセスリソースセットの構成は、第1ランダムアクセスリソース及び第2ランダムアクセスリソースを含み、
前記第1ランダムアクセスリソースと前記第2ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なり、
前記第2ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、前記第1ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1ランダムアクセスリソースセットの構成に含まれる全てのランダムアクセスリソースは、第1アップリンク帯域幅部分(UL BWP)内に位置し、或いは同一のプリアンブルフォーマット(preamble format)に対応する、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記端末装置に第2指示情報を送信する第2送信部、をさらに含み、
前記第2指示情報は、
第2ランダムアクセスリソースセット、
ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、
チャネルアクセス試みの回数、及び
チャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つを指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2ランダムアクセスリソースセットは、第3ランダムアクセスリソース及び第4ランダムアクセスリソースを含み、
前記第3ランダムアクセスリソースと前記第4ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なる、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1指示情報は、リストインデックスをさらに含み、
前記ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第2ランダムアクセスチャネル構成セット(第2リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成にさらに対応する、請求項に記載の装置。
【請求項10】
端末装置に構成される信号送信装置であって、
ネットワーク装置により送信された第1指示情報を受信する第1受信部であって、前記第1指示情報は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成を指示するランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)と、チャネルアクセスのタイプとを含む、第1受信部と、
前記第1ランダムアクセスリソースセットから第3ランダムアクセスリソースセットを決定する決定部と、
前記第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前の前記チャネルアクセスのタイプに応じて実行されるチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信する送信部であって、前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む、送信部と、を含む、装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記第1指示情報に基づいて前記第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、前記第1ランダムアクセスリソースセットから前記第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記決定部は、前記第1指示情報、及び予め定義され、或いは予め構成されたルールに基づいて前記第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、前記第1ランダムアクセスリソースセットから前記第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ルールは、
スロット内の1番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、
スロット内の奇数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、及び
スロット内の偶数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であることのうちの何れかである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1指示情報は、チャネルアクセス試みの回数をさらに含み、
前記決定部は、前記チャネルアクセス試みの回数に基づいて、前記第1ランダムアクセスリソースセットから第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ネットワーク装置により送信された第2指示情報を受信する第2受信部であって、前記第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセットを指示する、第2受信部、をさらに含み、
前記決定部は、前記第2ランダムアクセスリソースセットに基づいて前記第3ランダムアクセスリソースセットを決定し、
前記第3ランダムアクセスリソースセットは、前記第2ランダムアクセスリソースセットである、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記第5ランダムアクセスリソースは、少なくとも2つの時間領域開始位置を含み、
前記少なくとも2つの時間領域開始位置は、第1時間領域開始位置及び第2時間領域開始位置を含み、
前記第1時間領域開始位置は、前記第2時間領域開始位置の前に位置する、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記送信部は、前記第1メッセージの一部をパンクチャ(puncture)することで前記第1メッセージを送信する、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記送信部は、前記第1メッセージに対応するシーケンス又はシンボルの一部をパンクチャ(puncture)する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第6ランダムアクセスリソースをさらに含み、
前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、特にランダムアクセス構成方法、信号送信方法、装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リッスンビフォアトーク(LBT:Listen Before Talk)は、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)に同一の周波数スペクトルリソースを効果的に共有させるチャネルアクセスのメカニズムである。アンライセンス周波数帯域でのチャネルの可用性は常に確保されることではないため、LBTでは、装置がデータを送信する前にチャネルを検出し、チャネルの評価を行い、評価結果としてチャネルがアイドル状態である場合にデータを送信する必要がある。
【0003】
ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)のライセンス補助アクセス(LAA:Licensed Assisted Access)では、2種類のLBT、即ちコンテンションウィンドウのサイズが可変なランダムバックオフを有するLBT(LBT with random back-off with variable size of contention window)と、時間の長さが固定された(例えば25μs)LBTが採用されている。
【0004】
なお、背景技術に関する上記の説明は、単なる本発明の構成をより明確、完全に説明するためのものであり、当業者を理解させるために説明するものである。これらの構成が本発明の背景技術の部分に説明されているから当業者にとって周知の技術であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者の発見により、新しい無線(NR:New Radio)のバージョン15(Rel-15)では、ランダムアクセスの設計についてライセンス周波数帯域のみを考慮している。アンライセンス周波数帯域のランダムアクセスはチャネルアクセスの影響を考慮する必要があるため、ランダムアクセスを強化又は再設計する必要がある。
【0006】
具体的には、NRのRel-15のランダムアクセスの設計によれば、ランダムアクセスリソースは時間的に隣接している可能性がある。アンライセンス周波数帯域が考慮される場合、端末装置がランダムアクセスリソースを用いてmsg.1を送信する前に、チャネルを検出し、チャネルがアイドル状態であると検出されたときにのみmsg.1を送信する必要があると想定する。上記の時間的に隣接するランダムアクセスリソースを用いて異なる端末装置からのmsg.1を送信することができないため、リソースの浪費が発生し、周波数スペクトル効率が低下し、ランダムアクセス遅延が増加してしまう。
【0007】
上記の問題の少なくとも1つ、又は他の同様な問題を解決するために、本発明の実施例は、ランダムアクセス構成方法、信号送信方法、装置及び通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例の第1態様では、ランダムアクセス構成方法であって、ネットワーク装置が第1指示情報を送信するステップ、を含み、前記第1指示情報は、ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つの情報を含む、方法を提供する。
【0009】
本発明の実施例の第2態様では、信号送信方法であって、端末装置が第3ランダムアクセスリソースセットを決定するステップと、前記端末装置が前記第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信するステップであって、前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む、ステップと、を含む、方法を提供する。
【0010】
本発明の実施例の第3態様では、ネットワーク装置に構成されるランダムアクセス構成装置であって、端末装置に第1指示情報を送信する第1送信部、を含み、前記第1指示情報は、ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つの情報を含む、装置を提供する。
【0011】
本発明の実施例の第4態様では、端末装置に構成される信号送信装置であって、第3ランダムアクセスリソースセットを決定する決定部と、前記第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信する送信部であって、前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む、送信部と、を含む、装置を提供する。
【0012】
本発明の実施例の第5態様では、上記の実施例の第3態様に記載の装置を含む、ネットワーク装置を提供する。
【0013】
本発明の実施例の第6態様では、上記の実施例の第4態様に記載の装置を含む、端末装置を提供する。
【0014】
本発明の実施例の第7態様では、上記の実施例の第態様に記載のネットワーク装置と、上記の実施例の第態様に記載の端末装置と、を含む通信システムを提供する。
【0015】
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、ネットワーク装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに前記ネットワーク装置において上記の実施例の第1態様に記載の方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0016】
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータにネットワーク装置において実施例の第1態様に記載の方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0017】
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、端末装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに前記端末装置において上記の実施例の第2態様に記載の方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0018】
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータに端末装置において実施例の第2態様に記載の方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0019】
本発明の実施例の有利な効果としては、構成又は事前定義の方式により、隣接するランダムアクセスリソース間でLBTチャネル検出を行うための十分な間隔を確保し、或いは、LBT検出結果に基づいて異なる開始位置又は異なるランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することで、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0020】
下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる方式が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
【0021】
1つの実施形態に記載された特徴及び/又は示された特徴は、同一又は類似の方式で1つ又はさらに多くの他の実施形態で用いられてもよいし、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよいし、他の実施形態における特徴に代わってもよい。
【0022】
なお、本文では、用語「含む/有する」は、特徴、部材、ステップ又は構成要件が存在することを意味し、一つ又は複数の他の特徴、部材、ステップ又は構成要件の存在又は付加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例の1つの図面及び1つの実施形態に記載された要素及び特徴は、1つ又はさらに多くの図面又は実施形態に示された要素及び特徴と組み合わせてもよい。また、図面において、類似の符号は複数の図面における対応する素子を示し、1つ以上の実施形態に用いられる対応素子を示してもよい。
【0024】
含まれる図面は、本発明の実施例をさらに理解するために用いられ、明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示するために用いられ、文言の記載と共に本発明の原理を説明する。なお、以下に説明される図面は、単なる本発明の一部の実施例であり、当業者にとっては、これらの図面に基づいて他の図面を容易に想到できる。
図1】本実施例の通信システムの概略図である。
図2a】NRにおけるランダムアクセスリソースの1つの概略図である。
図2b】端末装置によるチャネル検出の1つの概略図である。
図3】実施例1のランダムアクセス構成方法の概略図である。
図4】第1ランダムアクセスリソースと第2ランダムアクセスリソースとの時間領域位置関係の1つの例の概略図である。
図5】実施例2の信号送信方法の概略図である。
図6】msg.1の1つの例の概略図である。
図7】msg.1のもう1つの例の概略図である。
図8】ランダムアクセスリソースの1つの例の概略図である。
図9】ランダムアクセスリソースのもう1つの例の概略図である。
図10図10図12は、msg.1をパンクチャすることの3つの例の概略図である。
図11図10図12は、msg.1をパンクチャすることの3つの例の概略図である。
図12図10図12は、msg.1をパンクチャすることの3つの例の概略図である。
図13図13及び図14は、第5ランダムアクセスリソース及び第6ランダムアクセスリソースの2つの例の概略図である。
図14図13及び図14は、第5ランダムアクセスリソース及び第6ランダムアクセスリソースの2つの例の概略図である。
図15】実施例3のランダムアクセス構成装置の概略図である。
図16】実施例4の信号送信装置の概略図である。
図17】実施例5のネットワーク装置の概略図である。
図18】実施例6の端末装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の上記及び他の特徴は以下の説明により明らかになる。明細書及び図面において、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる実施形態の一部が示される。なお、本発明は説明される実施形態に限定されない。本発明は、添付される特許請求の範囲内の全ての変更されたもの、変形されたもの及び均等的なものを含む。以下は、図面を参照しながら本発明の各実施形態を説明する。これらの実施形態は単なる例示的なものであり、本発明を制限するものではない。
【0026】
本発明の実施例では、用語「第1」、「第2」などは、タイトルで異なる要素を区別するために用いられるが、これらの要素の空間的配列又は時間的順序などを表すものではなく、これらの要素はこれらの用語に制限されない。用語「及び/又は」は、関連するリストに列挙された用語の1つ又は複数のうち何れか1つ及び全ての組み合わせを含む。用語「含む」、「包括する」、「有する」などは、列挙された特徴、要素、素子又は構成部材の存在を意味するが、1つ又は複数の他の特徴、要素、素子又は構成部材の存在又は追加を排除するものではない。
【0027】
本発明の実施例では、単数形の「1つ」、「該」などは複数形を含み、「1種類」又は「1類」と広義的に理解されるべきであり、「1個」に限定されない。また、用語「前記」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、単数形及び複数形両方を含むと理解されるべきである。また、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、用語「に記載の」は「少なくとも一部に記載の」と理解されるべきであり、用語「に基づいて」は「少なくとも一部に基づいて」と理解されるべきである。
【0028】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、例えばロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、進化したロングタームエボリューション(LTE-A、LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)などの任意の通信規格に適合するネットワークを意味してもよい。
【0029】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われてもよく、該通信プロトコルは、例えば1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G、及び将来の5G、新しい無線(NR:New Radio)等、及び/又は現在の既知の他の通信プロトコル若しくは将来開発される他の通信プロトコルを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば通信システムに端末装置をアクセスさせて該端末装置にサービスを提供する通信システム内の装置を意味する。ネットワーク装置は、基地局(BS:Base Station)、アクセスポイント(AP:Access Point)、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobile Management Entity)、ゲートウェイ、サーバ、無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)、基地局コントローラ(BSC:Base Station Controller)などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0031】
そのうち、基地局は、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)、及び5G基地局(gNB)など、並びにリモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、中継装置(relay)又は低電力ノード(例えばfemto、picoなど)を含んでもよいが、これらに限定されない。また、用語「基地局」はそれらの機能の一部又は全てを含んでもよく、各基地局は特定の地理的エリアに対して通信カバレッジを提供してもよい。用語「セル」は、該用語が使用されるコンテキストに応じて、基地局及び/又はそのカバレッジエリアを意味してもよい。
【0032】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE:User Equipment)又は用語「端末装置」(TE:Terminal Equipment)は、例えばネットワーク装置を介して通信ネットワークにアクセスし、ネットワークサービスを受ける装置を意味する。端末装置は、固定的なもの又は移動的なものであってもよく、移動局(MS:Mobile Station)、端末、加入者ステーション(SS:Subscriber Station)、アクセス端末(AT:Access Terminal)、ステーションなどと称されてもよい。
【0033】
そのうち、端末装置は、携帯電話(Cellular Phone)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、無線変復調装置、無線通信装置、ハンドヘルドデバイス、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0034】
例えば、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)などのシナリオでは、ユーザ装置は、監視又は測定を行う機器又は装置であってもよく、例えばマシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)端末、車載通信端末、デバイスツーデバイス(D2D:Device to Device)端末、マシンツーマシン(M2M:Machine to Machine)端末などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0035】
以下は、一例を参照しながら本発明の実施例のシナリオを説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
図1は、本発明の実施例の通信システムの概略図であり、ユーザ装置及びネットワーク装置の例を概略的に示している。図1に示すように、通信システム100は、ネットワーク装置101及び端末装置102を含んでもよい。説明の便宜上、図1は、1つの端末装置のみを一例にして説明する。ネットワーク装置101は、例えばNRのネットワーク装置gNBである。
【0037】
本発明の実施例では、ネットワーク装置101と端末装置102との間では、既存のサービス又は将来に実装可能なサービスを行うことができる。例えば、これらのサービスは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive Machine Type Communication)及び高信頼性低遅延通信(URLLC:Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)などを含むが、これらに限定されない。
【0038】
ここで、端末装置102は、例えばグラントフリー(grant-free)の伝送方式を用いてネットワーク装置101にデータを送信してもよい。ネットワーク装置101は、1つ又は複数の端末装置102により送信されたデータを受信し、端末装置102に情報(例えば肯定応答(ACK)/非肯定応答(NACK))をフィードバックしてもよく、端末装置102は、フィードバック情報に基づいて伝送プロセスの終了を確認してもよいし、新しいデータ伝送又はデータ再送を行ってもよい。
【0039】
発明者の発見により、NR Rel-15のランダムアクセス構成では、短いシーケンスの物理的ランダムアクセスチャネルフォーマット(PRACH Format、プリアンブルフォーマット(preamble format)とも称される)、例えばFormat A1/A2/A3/B1/B2/B3などについて、PRACHスロット(PRACH slot)に構成された時間領域ランダムアクセスリソース(time-domain PRACH occasions)(或いは、時間領域で隣接するランダムアクセスリソース)が時間領域で連続し、或いは、時間領域で間隔がない。図2aは、フォーマットB1を例として構成状況を概略的に示している。PRACHスロットは、ランダムアクセスリソースを含むスロット(slot)を意味し、1つのスロットは14個のシンボル(#0~#13)を含む。
【0040】
しかし、アンライセンス周波数帯域(unlicensed band)(或いは、共有周波数帯域(sharing band))では、端末装置は、ランダムアクセスリソースを用いてmsg.1を送信する前にチャネル検出を行い、チャネルがアイドル状態であると検出された後にmsg.1を送信する場合がある。図2bに示すように、UE1がRO1を選択し、UE2がRO2を選択する場合、UE1がRO1でmsg.1を送信すると、UE2がRO2でmsg.1を送信することができず、後続のROのみを再選択できる。従って、アンライセンス周波数帯域(unlicensed band)(或いは、共有周波数帯域(sharing band))がNR Rel-15と同様なランダムアクセス構成を採用すると、リソースの浪費が発生し、周波数スペクトル効率が低下し、ランダムアクセス遅延が増加する可能性がある。
【0041】
以下は、図面を参照しながら本発明の実施例の各態様を説明する。これらの態様は単なる例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0042】
<実施例1>
本実施例はランダムアクセス構成方法を提供し、該方法はネットワーク装置、例えば上記のgNBなどに適用される。図3は本実施例のランダムアクセス構成方法の概略図である。図3に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0043】
ステップ301:ネットワーク装置が端末装置に第1指示情報を送信する。ここで、該第1指示情報は、ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックスと称される)、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つの情報を含む。
【0044】
本実施例では、上記のランダムアクセス構成方法によれば、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔又はより多くの機会を確保することができる。従って、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0045】
本実施例では、ランダムアクセスリソースは、PRACH resource、PRACH occasion、RACH occasion(RO)とも称され、第1メッセージ(msg.1)を送信するための時間周波数リソースである。ランダムアクセスリソースの周波数領域リソースは、連続的なものであってもよいし、不連続的なものであってもよい。
【0046】
本実施例では、上記の第1インデックスは、第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リストと称される)におけるランダムアクセスチャネル構成に対応してもよい。上記の第1リストは、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、スロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0047】
本実施例では、第1リストにおけるランダムアクセスチャネル構成は、ランダムアクセスリソースの時間領域位置構成のみを含んでもよい。
【0048】
本実施例では、上記の第1インデックスを指示することで、端末装置は、該第1インデックスに対応するランダムアクセスチャネル構成を決定し、上記のパラメータのうちの少なくとも1つを決定し、上記のパラメータのうちの少なくとも1つに基づいて利用可能なランダムアクセスリソースを決定し、チャネル検出により適切なランダムアクセスリソースを用いてmsg.1を送信することができる。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0049】
本実施例では、上記の第1リストは新しいリストであってもよい。例えば、該第1リストのうちの少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、ライセンス周波数帯域に用いられない。即ち、該第1リストに含まれる少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、アンライセンス周波数帯域(或いは、共有周波数帯域(sharing band))にのみ用いられる。本実施例はこれに限定されず、該第1リストは現在のNRのリストをそのまま用いてもよく、或いは現在のNRのリストに新しいリストを追加してもよい。例えば、該第1リストにおける少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、アンライセンス周波数帯域(或いは、共有周波数帯域(sharing band))に用いられない。即ち、該第1リストに含まれる少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、ライセンス周波数帯域にのみ用いられる。現在のNRのリストは、例えばtable 6.3.3.2-3、table 6.3.3.2-4などの既存の規格を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0050】
本実施例では、第1リストのパラメータに時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔が含まれる場合、第1リストは、例えば、表1に示すものである。時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔は、シンボルの数、絶対的な時間の長さ(absolute time length)(例えばμs)、又は第2インデックスで表されてもよい。
【0051】
該時間間隔がシンボルの数で表される場合、異なるサブキャリア間隔(SCS:sub-carrier spacing)に対応し、該時間間隔(シンボルの数)は異なる値であってもよい。例えば、該ランダムアクセスリソースのサブキャリア間隔が15kHz又は30kHzである場合、間隔のシンボルの数は少なくとも1であり、ランダムアクセスリソースのサブキャリア間隔が60kHz又は120kHzである場合、間隔のシンボルの数は少なくとも2である。
【0052】
該時間間隔が第2インデックスで表される場合、間隔のシンボルの数又は絶対的な時間の長さは、例えば表2に示すように、該第2インデックス及びSCSにより決定されてもよい。表2に示す時間間隔が「2」であり、SCSが120kHzである場合、表2を参照することで、間隔のシンボルの数又は絶対的な時間の長さが「4」であると決定することができる。
【0053】
表1
【0054】
【表1】

表2
【0055】
【表2】

本実施例では、第1リストのパラメータにスロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置が含まれる場合、第1リストは、例えば、表3に示すものである。ここで、少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成に対応するスロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、少なくとも2つの開始位置、例えば、インデックスが「1」のランダムアクセスチャネル構成、又はインデックスが「N-2」のランダムアクセスチャネル構成を含む。ここで、各開始位置は、同一の時間領域開始位置を有する一組のランダムアクセスリソース(PRACH occasions)にそれぞれ対応する。
【0056】
表3
【0057】
【表3】

本実施例では、第1リストのパラメータにランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置が含まれる場合、第1リストは、例えば表4に示すものである。ここで、少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成に対応する1つのランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置は、少なくとも2つの時間領域開始位置、例えば表4に示すインデックスが0のランダムアクセスチャネル構成、又は表4に示すインデックスがN-2のランダムアクセスチャネル構成を含む。ここで、ランダムアクセスリソースの各選択可能な時間領域開始位置は、チャネルアクセス試みの機会にそれぞれ対応する。該選択可能な時間領域開始位置は、例えばランダムアクセスリソースにおける相対的なシンボル位置で表される。表4に示すように、最後から2番目の列の「0」はランダムアクセスリソースにおける1番目のシンボルを表し、最後から2番目の列の「1」は2番目のシンボルを表し、他も同様である。
【0058】
表4
【0059】
【表4】

本実施例では、第1リストのパラメータにランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、又はチャネルアクセスのタイプが含まれる場合、第1リストの形式は、上記の表1~表4と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0060】
本実施例では、上記の第1リストが新たに追加されたリストである場合、第1指示情報は、上記の第1インデックスのみを介してランダムアクセス構成を指示することができる。即ち、第1指示情報は、上記の第1インデックスのみを含んでもよい。なお、本実施例はこれに限定されず、上記の第1リストが新たに追加されたリスト又はNRをそのまま利用するリストである場合、上記の第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示するために、上記の第1インデックス、及びステップ301における第1インデックス以外の他の情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0061】
本実施例では、上記の時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔を指示することで、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔を確保することができ、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができる。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0062】
本実施例では、該時間間隔は、ランダムアクセスリソースの最初のシンボルと直前の隣接するランダムアクセスリソースの最後のシンボルとの間隔であってもよい。本実施例はこれに限定されず、該時間間隔は、絶対的な時間の長さ又はシンボルの数であってもよい。
【0063】
本実施例では、利用できないランダムアクセスリソースを指示することで、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔を確保することができ、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができる。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0064】
本実施例では、利用できないランダムアクセスリソースの指示方式として、上記の第1指示情報は、ランダムアクセスチャネルのスロット(PRACH slot)内の偶数番目のランダムアクセスリソースが利用できないことを指示し、或いはランダムアクセスチャネルのスロット(PRACH slot)内の奇数番目のランダムアクセスリソースが利用できないことを指示し、或いはPRACH slot内の1番目のランダムアクセスリソースのみが利用できることを指示し、或いはランダムアクセスリソースのmaskを指示してもよい。該maskは、利用可能なランダムアクセスリソース、及び利用不可能なランダムアクセスリソースを示す。
【0065】
本実施例では、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置を指示することで、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つのチャネルアクセスの機会を指示することと同等である。端末装置は、これに基づいてチャネルを検出し、該ランダムアクセスリソースの1つの時間領域開始位置からmsg.1を送信することができる。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0066】
本実施例では、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置を指示することで、該ランダムアクセスリソースと直後の隣接するランダムアクセスリソースとの間でチャネル検出のための十分な間隔を確保することができ、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、直後のランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができる。
【0067】
本実施例では、該時間領域終了位置は、例えば、ランダムアクセスリソースにおける相対的なシンボル位置で表されてもよい。例えば、ランダムアクセスリソースに対応するpreamble formatがFormat B2である場合、NR Rel-15によれば、Format B2が4つのシンボルに対応し、時間領域終了位置により、ランダムアクセスリソースが3番目のシンボルで終了することが示されているとき、端末装置は、4番目のシンボルでデータを送信しない。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0068】
本実施例では、チャネルアクセス試みの回数を指示することで、端末装置は、チャネル検出を行ってランダムアクセスリソースでmsg.1を送信するためのより多くの機会を有し、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0069】
本実施例では、該チャネルアクセス試みの回数は、ランダムアクセスリソースに対応するチャネルアクセスの最大の試み回数であってもよく、或いは、該チャネルアクセス試みの回数は、1回のmsg.1の送信について端末装置により選択可能なランダムアクセスリソースの数でもよく、或いは、該チャネルアクセス試みの回数は、1回のmsg.1の送信について端末装置により選択可能な全てのランダムアクセスリソースに対応するチャネルアクセスの最大試み回数であってもよい。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0070】
本実施例では、チャネルアクセスのタイプを指示することで、端末装置は対応するチャネルアクセスを試みることができる。例えば、チャネルアクセスのタイプは、検出時間が短い(例えば25μs)チャネルアクセス(one shot LBTとも称される)又はチャネルアクセスなし(no LBT)を含む。これによって、端末装置は、短い時間を用いてチャネルにアクセスし、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することで、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。具体的な内容は、実施例2で説明される。
【0071】
本実施例では、該第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示するために用いられ、該ランダムアクセス構成は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成及び/又はチャネルアクセスの構成を含んでもよい。即ち、上記の第1指示情報により、端末装置について第1ランダムアクセスリソースセットの構成及び/又はチャネルアクセスの構成を行うことができる。
【0072】
本実施例では、NR Rel-15のRRCメッセージ名を参照すると、該ランダムアクセス構成は、例えば、RACH-ConfigGeneric、RACH-ConfigCommon、RACH-ConfigDedicatedなどである。或いは、アンライセンス周波数帯域(又は共有周波数帯域(sharing band))について新しい名称が採用され、該ランダムアクセス構成は、例えば、RACH-ConfigGeneric_unlicense、RACH-ConfigCommon_unlicnesなどであり、本実施例はこれに限定されない。
【0073】
本実施例では、該第1ランダムアクセスリソースセットの構成は、利用可能なランダムアクセスリソース、例えば第1ランダムアクセスリソース及び第2ランダムアクセスリソースを含み、該第1ランダムアクセスリソースと該第2ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なってもよい。例えば、該第2ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、該第1ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する。これによって、端末装置は、時間領域で重なっている利用可能なランダムアクセスリソースに対してチャネル検出(例えばLBT)を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信してもよい。具体的な内容は、実施例2で説明される。図4は第1ランダムアクセスリソースと第2ランダムアクセスリソースとの時間領域位置関係の1つの例の概略図であり、本発明はこれに限定されない。
【0074】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスリソースセットに含まれる全てのランダムアクセスリソースは、特定の帯域幅部分(BWP)内に位置し、例えば第1アップリンク(UL)BWP内に位置してもよい。なお、本実施例はこれに限定されない。上記の第1ランダムアクセスリソースセットに含まれる全てのランダムアクセスリソースは、同一のpreamble format(例えば、A1/A2…)に対応してもよい。
【0075】
本実施例では、上記の第1指示情報は、システムメッセージを介して送信されてもよいし、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して送信されてもよいし、システムメッセージ及びRRCシグナリングの両方を介して送信されてもよい。具体的には、例えば、SIB1、BWP-UplinkCommon、BWP-UplinkDedicated、beamFailureRecoveryConfigなどを介して送信されるが、本実施例はこれに限定されない。また、第1指示情報は、ステップ301における情報に加えて、ランダムアクセス構成を指示するための他の情報、例えばランダムアクセスリソースを指示するための周波数領域位置情報を含んでもよい。具体的な内容は、従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0076】
本実施例では、ランダムアクセスプロセスは、端末装置によりトリガーされてもよいし、ネットワーク装置によりトリガーされてもよい。端末装置によりトリガーされる場合、端末装置は、上記の第1指示情報により指示されるランダムアクセス構成に基づいてランダムアクセスを行う。具体的なランダムアクセスのプロセスは、従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。ネットワーク装置によりトリガーされる場合、図3に示すように、該方法は以下のステップをさらに含む。
【0077】
ステップ300:ネットワーク装置が端末装置に第2指示情報を送信する。該第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセット、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つを指示する。
【0078】
本実施例では、上記の第2指示情報は、端末装置がランダムアクセスを行うようにトリガーするために用いられる。即ち、ネットワーク装置は、上記の少なくとも1つに基づいて、端末装置にランダムアクセスを行わせてもよい。
【0079】
本実施例では、上記の第2ランダムアクセスリソースセットは、利用可能なランダムアクセスリソース、例えば第3ランダムアクセスリソース及び第4ランダムアクセスリソースを含み、該第3ランダムアクセスリソースと該第4ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なってもよい。両者の関係は、上記の第1ランダムアクセスリソースと第2ランダムアクセスリソースとの関係と同様であってもよく、ここでその説明を省略する。なお、本実施例はこれに限定されない。
【0080】
本実施例では、該第2ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースと、上記の第1指示情報により指示される第1ランダムアクセスリソースセットの構成におけるランダムアクセスリソースとは、完全に同一でなくてもよい。例えば、該第2ランダムアクセスリソースセットにおける少なくとも1つのランダムアクセスリソースは、上記第1ランダムアクセスリソースセットに属さなくてもよい。なお、本実施例はこれに限定されず、該第1ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースと該第2ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースとは、同一であってもよい。
【0081】
本実施例では、上記の第2指示情報は、RRCシグナリングを介して送信されてもよいし、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して送信されてもよく、本実施例はこれに限定されない。さらに、ステップ300における情報に加えて、該第2指示情報は、ランダムアクセスをトリガーするための他の情報を含んでもよい。具体的な内容は、従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0082】
本実施例では、上記の第1指示情報は、リストインデックスをさらに含んでもよく、該リストインデックスはリストを指示するために用いられる。ここで、リストは、上記の第1リストであってもよいし、他のリストであってもよい。言い換えれば、上記の第1インデックスは、上記の第1リストにおけるランダムアクセスチャネル構成に加えて、他のリストのランダムアクセスチャネル構成にさらに対応してもよく、例えば第2ランダムアクセスチャネル構成セット(第2リストとも称される)におけるランダムアクセスチャネル構成にさらに対応してもよい。言い換えれば、本実施例では、ランダムアクセスチャネル構成セットは、1つのリストにより実現されてもよいし、複数のリストにより実現されてもよい。これによって、ランダムアクセスチャネル構成の柔軟性を向上させることができる。
【0083】
本実施例の方法によれば、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔又はより多くの機会を確保することができる。従って、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0084】
<実施例2>
本実施例は、信号送信方法を提供し、該方法は端末装置、例えば上記のUEに適用される。該方法は、実施例1の方法に対応する端末装置側の処理であり、実施例1と同様な内容についてその説明を省略する。
【0085】
図5は本実施例の信号送信方法の概略図であり、図5に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0086】
ステップ501:端末装置が第3ランダムアクセスリソースセットを決定する。
【0087】
ステップ502:該端末装置が該第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信する。該第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む。
【0088】
本実施例では、端末装置は、第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前の検出結果に基づいて、msg.1を送信するためのランダムアクセスリソースを決定することで、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0089】
本実施例の1つの態様では、端末装置は、ネットワーク装置により送信された第1指示情報を受信してもよい。該第1指示情報は、第1ランダムアクセスリソースセットに関する構成を指示する。端末装置は、該第1指示情報(即ち該構成)に基づいて第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、該第1ランダムアクセスリソースセットから上記の第3ランダムアクセスリソースセットを選択する。これによって、端末装置は、受信された第1指示情報に基づいて上記の利用可能なランダムアクセスリソースを決定することができる。該第1指示情報は、時間領域で隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出のために十分な間隔を確保することで、端末装置は検出結果に基づいてmsg.1を送信するためのランダムアクセスリソースを決定することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0090】
本実施例では、該第1指示情報の内容は実施例1に説明されているため、ここでその内容を援用し、その説明を省略する。
【0091】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスリソースセットの構成が第1ランダムアクセスリソースセットを明確にしている場合、端末装置は、それに応じて該第1ランダムアクセスリソースセットを直接決定してもよく、即ち、端末装置は、上記の第1指示情報に基づいて第1ランダムアクセスリソースセットを決定してもよい。第1ランダムアクセスリソースセットの構成が第1ランダムアクセスリソースセットを明確にしていない場合、端末装置は、予め定義され、或いは予め構成されたルールをさらに参照して該第1ランダムアクセスリソースセットを決定してもよく、即ち、端末装置は、該第1指示情報、及び予め定義され、或いは予め構成されたルールに基づいて第1ランダムアクセスリソースセットを決定してもよい。
【0092】
本実施例では、上記のルールは、スロット内の1番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、スロット内の奇数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、及びスロット内の偶数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であることのうちの何れかであってもよい。
【0093】
上記のルールは、単なる一例であり、本実施例はこれに限定されない。
【0094】
本実施例では、端末装置の上位層(例えばMAC層)は、チャネル検出を行うために、上記の第1ランダムアクセスリソースセットから一部のランダムアクセスリソースを選択(select、決定(determine)と称されてもよい)してもよい。選択されたランダムアクセスリソースにより構成されたセットは、第3ランダムアクセスリソースセットと称される。該端末装置の上位層は、該端末装置の物理層に第3ランダムアクセスリソースセットを通知する。物理層は、第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前にチャネルを検出し、ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前にチャネルがアイドル状態であると検出された場合、該ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信する。このランダムアクセスリソースは、第5ランダムアクセスリソースと称される。
【0095】
本実施例では、実施例1に説明されるように、上記の第1指示情報は、チャネルアクセス試みの回数をさらに含んでもよい。この場合、端末装置は、該チャネルアクセス試みの回数に基づいて、該第1ランダムアクセスリソースセットから対応する数のランダムアクセスリソースを第3ランダムアクセスリソースセットとして選択してもよい。例えば、端末装置は、まず、該チャネルアクセス試みの回数に基づいて上記の第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの数を決定し、そして、該決定された数に基づいて第1ランダムアクセスリソースセットから対応する数のランダムアクセスリソースを第3ランダムアクセスリソースセットとして選択する。例えば、各ランダムアクセスリソースは2回のチャネルアクセス試みに対応し、第1指示情報により指示されるチャネルアクセス試みの回数が4である場合、該第1ランダムアクセスリソースセットから2つのランダムアクセスリソースを第3ランダムアクセスリソースセットとして選択する。
【0096】
本実施例のもう1つの態様では、端末装置は、ネットワーク装置により送信された第2指示情報を受信してもよく、該第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセットを指示する。該端末装置は、該第2ランダムアクセスリソースセットに基づいて上記の第3ランダムアクセスリソースセットを決定してもよく、ここで、該第3ランダムアクセスリソースセットは、該第2ランダムアクセスリソースセットである。即ち、この態様では、ネットワーク装置は、該第3ランダムアクセスリソースセットを直接指示する。
【0097】
本実施例では、該第2指示情報の内容は実施例1に既に説明されており、ここでその内容を援用し、その説明を省略する。
【0098】
本実施例では、上記のチャネル検出は、チャネルアクセス検出又はLBT検出などと称されてもよく、本実施例はチャネル検出の名称に限定されない。
【0099】
本実施例では、上記の第1メッセージは、mgs.1と称されてもよく、プリアンブルシーケンス(preamble)を含み、或いはpreamble及びアップリンクデータを含むが、本実施例はこれに限定されない。プリアンブルシーケンスのみを含むmsg.1を一例にすると、msg.1は、図6又は図7に示す番号が1のメッセージであってもよい。ここで、図6は競合に基づくランダムアクセスの概略図であり、図7はネットワーク装置によりトリガーされる(非競合の)ランダムアクセスの概略図である。
【0100】
本実施例では、上記の第3ランダムアクセスリソースセットは、同一のダウンリンク信号に関連付けられてもよい。該ダウンリンク信号は、同期信号ブロック(SSB)又はNR-U DRSであり、ここで、SSBはSS/PBCH blockである。ここで、NR-U DRSは、少なくとも1つのSSBを含み、RMSI、CSI-RSなどを含んでもよい。本実施例はこれに限定されない。同一のダウンリンク信号とは、同一のインデックスに対応する信号を意味する。SSBを一例にすると、ネットワーク装置は、時間周期内に複数のSSBを送信し、各SSBは1つのインデックスに対応し、該インデックスはSSBの時間周波数領域の位置及び/又は用いられる送信ビームを表す。
【0101】
本実施例では、ネットワーク装置がランダムアクセスをトリガーするために第2指示情報を送信する場合、第2指示情報は、SSBのインデックスを指示することで第3ランダムアクセスリソースセットを指示してもよい。例えば、第3ランダムアクセスリソースセットは、図8におけるランダムアクセスリソースセット_0である場合、第2指示情報に含まれるSSB indexの値は0である。NR-U DRSは同様である。
【0102】
本実施例では、上記の第5ランダムアクセスリソースは、少なくとも2つの時間領域開始位置を含んでもよく、該少なくとも2つの時間領域開始位置は、第1時間領域開始位置及び第2時間領域開始位置を含み、該第1時間領域開始位置は、該第2時間領域開始位置の前に位置する。これによって、端末装置は、第1時間領域開始位置及び/又は第2時間領域開始位置の前にチャネル検出を行い、チャネル検出結果に基づいて該第1時間領域開始位置又は第2時間領域から上記の第1メッセージの送信を開始してもよい。図9は該第5ランダムアクセスリソースの1つの例の概略図である。
【0103】
本実施例では、上記の第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さよりも大きくてもよい。言い換えれば、端末装置は、異なる時間領域開始位置に基づいて、時間領域の長さが異なる第1メッセージを送信してもよい。これによって、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出のための十分な時間間隔を確保することができる。ここで、「時間領域開始位置に対応する第1メッセージ」とは、該時間領域開始位置から第1メッセージの送信を開始することを意味する。
【0104】
1つの態様では、端末装置は、上記の第1メッセージの一部をパンクチャ(puncture)することで該第1メッセージを送信してもよい。例えば、端末装置は、該第1メッセージのシーケンスの一部又はシンボルの一部をパンクチャしてもよい。これによって、第1メッセージの時間領域の長さを短縮し、該送信される第1メッセージの、後続の隣接するランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出への影響を回避することができる。ここで、該第1メッセージのシーケンスの一部をパンクチャすることは、該第1メッセージのシーケンスの一部を送信しないことを意味する。第1メッセージのシンボルの一部をパンクチャすることは、該シンボルの一部に対応するシーケンスを送信しないことを意味する。図10図12は、3つの例の概略図であり、ここで、図12の例は、第2指示情報により指示される時間領域終了位置の場合にのみ用いられる。
【0105】
もう1つの態様では、端末装置は、上記の第1メッセージに対してパンクチャ伝送を行わず、該第1メッセージに対して全体的なオフセット伝送を行ってもよい。例えば、第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さに等しい。即ち、この方式では、第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さを変更せずに、決定された時間領域開始位置のみに基づいて第1メッセージを伝送する。
【0106】
本実施例では、上記の第3ランダムアクセスリソースセットは、上記の第5ランダムアクセスリソース以外の他のランダムアクセスリソースをさらに含んでもよく、該他のランダムアクセスリソースは第6ランダムアクセスリソースと称される。該第6ランダムアクセスリソース及び上記の第5ランダムアクセスリソースは、何れも端末装置の選択可能な、上記の第1メッセージを送信するためのランダムアクセスリソースとして用いられる。
【0107】
本実施例では、該第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、該第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置してもよい。端末装置は、チャネルがアイドル状態であると検出されるまで、この2つの時間領域開始位置のうちの何れか1つ又は2つの前にチャネル検出を行い、上記の第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置又は上記の第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置から上記の第1メッセージの送信を開始してもよい。図13及び図14は、第5ランダムアクセスリソース及び第6ランダムアクセスリソースの2つの例の概略図である。ここで、RO2は第5ランダムアクセスリソースに対応し、RO1は第6ランダムアクセスリソースに対応する。
【0108】
本実施例では、この2つの選択可能なランダムアクセスリソースは、時間領域で重なってもよいし、重ならなくてもよい。例えば、第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置は、第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置してもよい。
【0109】
本実施例では、この2つの選択可能なランダムアクセスリソースの時間領域の長さは、同一であってもよいし、異なってもよい。例えば、第5ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置と前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置とは同一である。
【0110】
本実施例の方法によれば、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔又はより多くの機会を確保することができる。従って、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができ、或いは、端末装置がチャネル検出結果に基づいて異なる開始位置又は異なるランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0111】
<実施例3>
本実施例は、ランダムアクセス構成装置を提供し、該装置はネットワーク装置に適用されてもよい。該装置の問題解決の原理は実施例1の方法と類似するため、その具体的な実施は実施例1の方法の実施を参考してもよく、同様な内容について説明を省略する。
【0112】
図15は本実施例のランダムアクセス構成装置の概略図である。図10に示すように、ランダムアクセス構成装置1500は、第1送信部1501を含む。第1送信部1501は、端末装置に第1指示情報を送信する。該第1指示情報は、ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つの情報を含む。
【0113】
該第1指示情報の内容は、実施例1に既に説明されており、ここでその内容を援用し、その説明を省略する。
【0114】
本実施例では、上記のランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成に対応してもよい。
【0115】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)は、時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、利用不可能なランダムアクセスリソース、スロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0116】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、ライセンス周波数帯域に用いられず、或いは、上記の第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、アンライセンス周波数帯域(或いは、共有周波数帯域(sharing band))に用いられなくてもよい。
【0117】
本実施例では、上記の第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示するために用いられ、該ランダムアクセス構成は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成及び/又はチャネルアクセスの構成を含む。
【0118】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスリソースセットの構成は、第1ランダムアクセスリソース及び第2ランダムアクセスリソースを含み、該第1ランダムアクセスリソースと該第2ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なり、該第2ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、該第1ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置してもよい。
【0119】
本実施例では、上記の第1ランダムアクセスリソースセットの構成に含まれる全てのランダムアクセスリソースは、第1アップリンク帯域幅部分(UL BWP)内に位置し、或いは同一のプリアンブルフォーマット(preamble format)に対応してもよい。
【0120】
本実施例では、第1送信部1501は、システムメッセージ及び/又は無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して該第1指示情報を送信してもよい。
【0121】
本実施例では、図15に示すように、ランダムアクセス構成装置1500は、第2送信部1502をさらに含んでもよい。
【0122】
第2送信部1502は、端末装置に第2指示情報を送信する。該第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセット、ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、チャネルアクセス試みの回数、及びチャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つを指示する。
【0123】
該第2指示情報の内容は、実施例1に既に説明されており、ここでその内容を援用し、その説明を省略する。
【0124】
本実施例では、上記の第2指示情報は、ランダムアクセスをトリガーするために用いられる。
【0125】
本実施例では、上記の第2ランダムアクセスリソースセットは、第3ランダムアクセスリソース及び第4ランダムアクセスリソースを含み、該第3ランダムアクセスリソースと該第4ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なってもよい。
【0126】
本実施例では、上記の第2ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースは、該第1ランダムアクセスリソースセットに属さない。
【0127】
本実施例では、第2送信部1502は、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して該第2指示情報を送信してもよい。
【0128】
本実施例では、上記の第1指示情報は、リストインデックスをさらに含んでもよく、上記のランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第2ランダムアクセスチャネル構成セット(第2リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成にさらに対応してもよい。
【0129】
本実施例の装置によれば、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔又はより多くの機会を確保することができる。従って、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0130】
<実施例4>
本実施例は、信号送信装置を提供し、該装置は端末装置に適用されてもよい。該装置の問題解決の原理は実施例2の方法と類似するため、その具体的な実施は実施例2の方法の実施を参考してもよく、同様な内容について説明を省略する。
【0131】
図16は本実施例の信号送信装置の概略図である。図16に示すように、信号送信装置1600は、決定部1601及び送信部1602を含む。決定部1601は、第3ランダムアクセスリソースセットを決定してもよい。送信部1602は、該第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信してもよい。該第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む。
【0132】
言い換えれば、該第5ランダムアクセスリソースは、第3ランダムアクセスリソースセット内のランダムアクセスリソースであり、且つチャネル検出結果に基づいてチャネルがアイドル状態であると判断されたランダムアクセスリソースである。送信部1602は、該第5ランダムアクセスリソースで該第1メッセージを送信する。
【0133】
本実施例の1つの態様では、図16に示すように、信号送信装置1600は、第1受信部1603をさらに含んでもよい。
【0134】
第1受信部1603は、ネットワーク装置により送信された第1指示情報を受信する。該第1指示情報は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成を指示する。決定部1601は、該第1指示情報に基づいて第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、該第1ランダムアクセスリソースセットから第3ランダムアクセスリソースセットを選択してもよい。
【0135】
本実施例では、決定部1601は、該第1指示情報、及び予め定義され、或いは予め構成されたルールに基づいて、該第1ランダムアクセスリソースセットを決定してもよい。ここで、該ルールは、スロット内の1番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、スロット内の奇数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、及びスロット内の偶数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であることのうちの何れかであってもよい。
【0136】
本実施例では、上記の第1指示情報は、チャネルアクセス試みの回数をさらに含んでもよい。決定部1601は、該チャネルアクセス試みの回数に基づいて該第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの数を決定し、該決定された数に基づいて該第1ランダムアクセスリソースセットから第3ランダムアクセスリソースセットを選択してもよい。
【0137】
本実施例のもう1つの態様では、図16に示すように、信号送信装置1600は第2受信部1604をさらに含んでもよい。
【0138】
第2受信部1604は、ネットワーク装置により送信された第2指示情報を受信する。該第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセットを指示する。決定部1601は、該第2ランダムアクセスリソースセットに基づいて該第3ランダムアクセスリソースセットを決定してもよく、該第3ランダムアクセスリソースセットは、該第2ランダムアクセスリソースセットである。
【0139】
本実施例では、上記の第3ランダムアクセスリソースセットは、ダウンリンク信号に関連付けられてもよい。ここで、ダウンリンク信号は、SSB(SS/PBCH block)又はNR-U DRSであるが、本実施例はこれに限定されない。
【0140】
本実施例では、上記の第5ランダムアクセスリソースは、少なくとも2つの時間領域開始位置を含んでもよい。該少なくとも2つの時間領域開始位置は、第1時間領域開始位置及び第2時間領域開始位置を含んでもよく、該第1時間領域開始位置は、第2時間領域開始位置の前に位置する。
【0141】
本実施例では、図16に示すように、信号送信装置1600は、第1検出部1605をさらに含んでもよい。
【0142】
第1検出部1605は、該第1時間領域開始位置及び/又は該第2時間領域開始位置の前にチャネルを検出する。送信部1602は、チャネル検出の結果に基づいて、該第1時間領域開始位置又は該第2時間領域開始位置から該第1メッセージの送信を開始してもよい。
【0143】
本実施例では、第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さよりも大きくてもよい。
【0144】
本実施例では、送信部1602は、該第1メッセージの一部をパンクチャ(puncture)することで該第1メッセージを送信してもよい。例えば、送信部1602は、該第1メッセージに対応するシーケンス又はシンボルの一部をパンクチャ(puncture)してもよい。
【0145】
本実施例では、上記の第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、上記第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さに等しくてもよい。
【0146】
本実施例では、第3ランダムアクセスリソースセットは、第6ランダムアクセスリソースをさらに含んでもよく、該第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、該第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する。
【0147】
本実施例では、図16に示すように、信号送信装置1600は、第2検出部1606をさらに含んでもよい。
【0148】
第2検出部1606は、第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前、及び/又は第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前にチャネルを検出する。送信部1602は、第2検出部1606の検出結果に基づいて、アイドル状態の第5ランダムアクセスリソース又はアイドル状態の第6ランダムアクセスリソースで上記の第1メッセージを送信する。
【0149】
本実施例では、該第5ランダムアクセスリソースと該第6ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なってもよい。
【0150】
本実施例では、該第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置は、該第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置してもよい。
【0151】
本実施例では、該第5ランダムアクセスリソースの時間領域の長さと該第6ランダムアクセスリソースの時間領域の長さとは、異なってもよい。
【0152】
本実施例では、該第5ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置と該第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置とは、同一であってもよい。
【0153】
本実施例の装置によれば、隣接するランダムアクセスリソース間でチャネル検出を行うための十分な間隔又はより多くの機会を確保することができる。従って、端末装置がこれに基づいてチャネル検出を行い、ランダムアクセスリソースでmsg.1を送信することができるため、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0154】
<実施例5>
本実施例は、ネットワーク装置、例えばgNB(NRにおける基地局)などを提供する。ここで、該ネットワーク装置は、実施例3に記載のランダムアクセス構成装置1500を含む。
【0155】
図17は本実施例のネットワーク装置の概略図である。図17に示すように、ネットワーク装置1700は、中央処理装置(CPU)1701及びメモリ1702を含んでもよく、メモリ1702は中央処理装置1701に接続される。メモリ1702は、各種のデータを記憶してもよいし、情報処理のプログラムをさらに記憶し、中央処理装置1701の制御で該プログラムを実行し、端末装置により送信された各種の情報を受信し、端末装置に各種の情報を送信する。
【0156】
1つの態様では、実施例3のランダムアクセス構成装置1500の機能は中央処理装置1701に統合され、ここで、中央処理装置1701により実施例3のランダムアクセス構成装置1500の機能を実現してもよい。実施例3のランダムアクセス構成装置1500の機能はここで援用し、その説明を省略する。
【0157】
もう1つの態様では、実施例3のランダムアクセス構成装置1500は中央処理装置1701とそれぞれ配置されてもよく、例えば実施例3のランダムアクセス構成装置1500は中央処理装置1701に接続されたチップであり、中央処理装置1701の制御により実施例3のランダムアクセス構成装置1500の機能を実現してもよい。
【0158】
また、図17に示すように、ネットワーク装置1700は、送受信機1703及びアンテナ1704などをさらに含んでもよい。上記部材の機能は従来技術と類似し、ここでその説明を省略する。なお、ネットワーク装置1700は図17に示す全てのユニットを含む必要がない。また、ネットワーク装置1700は、図17に示されていないユニットをさらに含んでもよく、従来技術を参照してもよい。
【0159】
本実施例のネットワーク装置によれば、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0160】
<実施例6>
本実施例は、端末装置を提供する。ここで、該端末装置は、実施例4の信号送信装置1600を含む。
【0161】
図18は本実施例の端末装置の概略図である。図18に示すように、端末装置1800は、中央処理装置(CPU)1801及びメモリ1802を含んでもよく、メモリ1802は中央処理装置1801に接続される。なお、この図は例示的なものであり、他のタイプの構造を用いてこの構造を補足又は置換して、通信機能又は他の機能を実現してもよい。
【0162】
1つの態様では、実施例4の信号送信装置1600の機能は中央処理装置1801に統合され、中央処理装置1801により実施例4の信号送信装置1600の機能を実現してもよい。実施例4の信号送信装置1600の機能はここで援用し、その説明を省略する。
【0163】
もう1つの態様では、実施例4の信号送信装置1600は中央処理装置1801とそれぞれ配置されてもよく、例えば実施例4の信号送信装置1600は中央処理装置1801に接続されたチップであり、中央処理装置1801の制御により実施例4の信号送信装置1600の機能を実現してもよい。
【0164】
また、図18に示すように、端末装置1800は、通信モジュール1803、入力部1804、音声処理部1805、ディスプレイ1806、及び電源1807をさらに含んでもよい。なお、端末装置1800は図18に示す全てのユニットを含む必要がない。また、端末装置1800は、図18に示されていないユニットをさらに含んでもよく、従来技術を参照してもよい。
【0165】
図18に示すように、中央処理装置1801は、コントローラ又は操作制御部とも称され、マイクロプロセッサ又は他の処理装置及び/又は論理装置を含んでもよく、中央処理装置1801は入力を受け付け、端末装置1800の各部の操作を制御する。
【0166】
ここで、メモリ1802は、例えばバッファ、フラッシュメモリ、ハードディスク、移動可能な媒体、発揮性メモリ、不発揮性メモリ、又は他の適切な装置の1つ又は複数であってもよく、各種のデータ及び関連情報を実行するためのプログラムを記憶している。また、中央処理装置1801は、メモリ1802に記憶されたプログラムを実行し、情報の記憶又は処理などを実現してもよい。他の部材は従来技術に類似するため、ここでその説明が省略される。端末装置1800の各部は、本発明の範囲から逸脱することなく、特定のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその組み合わせによって実現されてもよい。
【0167】
本実施例の端末装置によれば、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0168】
<実施例7>
本実施例は、ネットワーク装置と端末装置とを含む通信システムを提供する。ネットワーク装置は例えば実施例5に記載のネットワーク装置1700であり、端末装置は例えば実施例6に記載の端末装置1800である。
【0169】
本実施例では、該ネットワーク装置は、例えば、NRにおけるgNBであってもよく、実施例3のランダムアクセス構成装置1500の機能を含んでもよく、実施例1の方法を実現し、さらに、実施例5のようなネットワーク装置の従来の構成及び機能をさらに含んでもよく、ここでその説明を省略する。
【0170】
本実施例では、該端末装置は、例えば、gNBによりサービングされるUEであってもよく、実施例4の信号送信装置1600の機能を含んでもよく、実施例2の方法を実現し、さらに、実施例6のような端末装置の従来の構成及び機能をさらに含んでもよく、ここでその説明を省略する。
【0171】
本実施例の通信システムによれば、リソースの浪費を効果的に回避し、ランダムアクセス遅延を低減させ、周波数スペクトル効率を向上させることができる。
【0172】
本発明の実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、ネットワーク装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに前記送信装置において上記の実施例1に記載の方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0173】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータにネットワーク装置において実施例1に記載の方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0174】
本発明の実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、端末装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに前記受信装置において上記の実施例2に記載の方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0175】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータに端末装置において実施例2に記載の方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0176】
本発明の以上の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを結合して実現されてもよい。本発明はコンピュータが読み取り可能なプログラムに関し、該プログラムはロジック部により実行される際に、該ロジック部に上述した装置又は構成要件を実現させる、或いは該ロジック部に上述した各種の方法又はステップを実現させることができる。本発明は上記のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えばハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ等に関する。
【0177】
本発明の実施例を参照しながら説明した各装置における各処理方法は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせで実施されてもよい。例えば、図面に示す機能的ブロック図における1つ若しくは複数、又は機能的ブロック図の1つ若しくは複数の組み合わせ(例えば受信部、決定部、送信部など)は、コンピュータプログラムフローの各ソフトウェアモジュールに対応してもよいし、各ハードウェアモジュールに対応してもよい。これらのソフトウェアモジュールは、図面に示す各ステップにそれぞれ対応してもよい。これらのハードウェアモジュールは、例えばフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を用いてこれらのソフトウェアモジュールをハードウェア化して実現されてもよい。
【0178】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、モバイルハードディスク、CD-ROM又は当業者にとって既知の任意の他の形の記憶媒体に位置してもよい。プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ったり、記憶媒体に情報を書き込むように該記憶媒体をプロセッサに接続してもよいし、記憶媒体がプロセッサの構成部であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに位置してもよい。該ソフトウェアモジュールは移動端末のメモリに記憶されてもよいし、移動端末に挿入されたメモリカードに記憶されてもよい。例えば、機器(例えば移動端末)が比較的に大きい容量のMEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置を用いる場合、該ソフトウェアモジュールは該MEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置に記憶されてもよい。
【0179】
図面に記載されている機能的ブロック図における一つ以上の機能ブロック及び/又は機能ブロックの一つ以上の組合せは、本願に記載されている機能を実行するための汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の適切な組み合わせで実現されてもよい。図面に記載されている機能的ブロック図における一つ以上の機能ブロック及び/又は機能ブロックの一つ以上の組合せは、例えば、コンピューティング機器の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSP通信と組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成で実現されてもよい。
【0180】
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び変更を行ってもよく、これらの変形及び変更も本発明の範囲内のものである。
【0181】
また、上述の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ネットワーク装置に構成されるランダムアクセス構成装置であって、
端末装置に第1指示情報を送信する第1送信部、を含み、
前記第1指示情報は、
ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)、
時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、
利用不可能なランダムアクセスリソース、
ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、
チャネルアクセス試みの回数、及び
チャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つの情報を含む、装置。
(付記2)
前記ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成に対応する、付記1に記載の装置。
(付記3)
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)は、
時間領域で隣接するランダムアクセスリソースの時間間隔、
利用不可能なランダムアクセスリソース、
スロット内のランダムアクセスリソースの時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの選択可能な時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、
チャネルアクセス試みの回数、及び
チャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、付記2に記載の装置。
(付記4)
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、ライセンス周波数帯域に用いられず、或いは、
前記第1ランダムアクセスチャネル構成セット(第1リスト)における少なくとも1つのランダムアクセスチャネル構成は、アンライセンス周波数帯域に用いられない、付記2に記載の装置。
(付記5)
前記第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示するために用いられ、
前記ランダムアクセス構成は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成及び/又はチャネルアクセスの構成を含む、付記1乃至4の何れかに記載の装置。
(付記6)
前記第1ランダムアクセスリソースセットの構成は、第1ランダムアクセスリソース及び第2ランダムアクセスリソースを含み、
前記第1ランダムアクセスリソースと前記第2ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なり、
前記第2ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、前記第1ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する、付記5に記載の装置。
(付記7)
前記第1ランダムアクセスリソースセットの構成に含まれる全てのランダムアクセスリソースは、第1アップリンク帯域幅部分(UL BWP)内に位置し、或いは同一のプリアンブルフォーマット(preamble format)に対応する、付記5に記載の装置。
(付記8)
前記第1送信部は、システムメッセージ及び/又は無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記第1指示情報を送信する、付記1乃至7の何れかに記載の装置。
(付記9)
前記端末装置に第2指示情報を送信する第2送信部、をさらに含み、
前記第2指示情報は、
第2ランダムアクセスリソースセット、
ランダムアクセスリソースの少なくとも2つの時間領域開始位置、
ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置、
チャネルアクセス試みの回数、及び
チャネルアクセスのタイプのうちの少なくとも1つを指示する、付記1乃至8の何れかに記載の装置。
(付記10)
前記第2指示情報は、ランダムアクセスをトリガーするために用いられる、付記9に記載の装置。
(付記11)
前記第2ランダムアクセスリソースセットは、第3ランダムアクセスリソース及び第4ランダムアクセスリソースを含み、
前記第3ランダムアクセスリソースと前記第4ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なる、付記9に記載の装置。
(付記12)
前記第1指示情報は、ランダムアクセス構成を指示し、
前記ランダムアクセス構成は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成を含み、
前記第2ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースは、前記第1ランダムアクセスリソースセットに属さない、付記9に記載の装置。
(付記13)
前記第2送信部は、無線リソース制御(RRC)シグナリング又は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して前記第2指示情報を送信する、付記9に記載の装置。
(付記14)
前記第1指示情報は、リストインデックスをさらに含み、
前記ランダムアクセスチャネル構成インデックス(第1インデックス)は、第2ランダムアクセスチャネル構成セット(第2リスト)におけるランダムアクセスチャネル構成にさらに対応する、付記2乃至4の何れかに記載の装置。
(付記1B)
端末装置に構成される信号送信装置であって、
第3ランダムアクセスリソースセットを決定する決定部と、
前記第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前のチャネル検出の結果に基づいて第5ランダムアクセスリソースで第1メッセージを送信する送信部であって、前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第5ランダムアクセスリソースを含む、送信部と、を含む、装置。
(付記2B)
ネットワーク装置により送信された第1指示情報を受信する第1受信部であって、前記第1指示情報は、第1ランダムアクセスリソースセットの構成を指示する、第1受信部、をさらに含み、
前記決定部は、前記第1指示情報に基づいて第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、前記第1ランダムアクセスリソースセットから前記第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、付記1Bに記載の装置。
(付記3B)
前記決定部は、前記第1指示情報、及び予め定義され、或いは予め構成されたルールに基づいて前記第1ランダムアクセスリソースセットを決定し、前記第1ランダムアクセスリソースセットから前記第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、付記2Bに記載の装置。
(付記4B)
前記ルールは、
スロット内の1番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、
スロット内の奇数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であること、及び
スロット内の偶数番目のランダムアクセスリソースのみが利用可能であることのうちの何れかである、付記3Bに記載の装置。
(付記5B)
前記第1指示情報は、チャネルアクセス試みの回数をさらに含み、
前記決定部は、前記チャネルアクセス試みの回数に基づいて前記第3ランダムアクセスリソースセットにおけるランダムアクセスリソースの数を決定し、前記ランダムアクセスリソースの数に基づいて前記第1ランダムアクセスリソースセットから第3ランダムアクセスリソースセットを選択する、付記2Bに記載の装置。
(付記6B)
前記ネットワーク装置により送信された第2指示情報を受信する第2受信部であって、前記第2指示情報は、第2ランダムアクセスリソースセットを指示する、第2受信部、をさらに含み、
前記決定部は、前記第2ランダムアクセスリソースセットに基づいて前記第3ランダムアクセスリソースセットを決定し、
前記第3ランダムアクセスリソースセットは、前記第2ランダムアクセスリソースセットである、付記1Bに記載の装置。
(付記7B)
前記第3ランダムアクセスリソースセットは、ダウンリンク信号に関連付けられており、
前記ダウンリンク信号は、SSB又はNR-U DRSである、付記1B乃至6Bの何れかに記載の装置。
(付記8B)
前記第5ランダムアクセスリソースは、少なくとも2つの時間領域開始位置を含み、
前記少なくとも2つの時間領域開始位置は、第1時間領域開始位置及び第2時間領域開始位置を含み、
前記第1時間領域開始位置は、前記第2時間領域開始位置の前に位置する、付記1B乃至6Bの何れかに記載の装置。
(付記9B)
前記第1時間領域開始位置及び/又は前記第2時間領域開始位置の前にチャネルを検出する第1検出部、をさらに含み、
前記送信部は、チャネル検出の結果に基づいて、前記第1時間領域開始位置又は前記第2時間領域開始位置から前記第1メッセージの送信を開始する、付記8Bに記載の装置。
(付記10B)
前記第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、前記第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さよりも大きい、付記8Bに記載の装置。
(付記11B)
前記送信部は、前記第1メッセージの一部をパンクチャ(puncture)することで前記第1メッセージを送信する、付記8Bに記載の装置。
(付記12B)
前記送信部は、前記第1メッセージに対応するシーケンス又はシンボルの一部をパンクチャ(puncture)する、付記11Bに記載の装置。
(付記13B)
前記第1時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さは、前記第2時間領域開始位置に対応する第1メッセージにより占有される時間領域リソースの長さに等しい、付記9Bに記載の装置。
(付記14B)
前記第3ランダムアクセスリソースセットは、第6ランダムアクセスリソースをさらに含み、
前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置は、前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する、付記1B乃至6Bの何れかに記載の装置。
(付記15B)
前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前、及び/又は前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前にチャネルを検出する第2検出部、をさらに含む、付記14Bに記載の装置。
(付記16B)
前記第5ランダムアクセスリソースと前記第6ランダムアクセスリソースとは、時間領域で重なる、付記14Bに記載の装置。
(付記17B)
前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置は、前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域開始位置の前に位置する、付記14Bに記載の装置。
(付記18B)
前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域の長さと前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域の長さとは異なる、付記16Bに記載の装置。
(付記19B)
前記第5ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置と前記第6ランダムアクセスリソースの時間領域終了位置とは同一である、付記16B又は17Bに記載の装置。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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