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特許7386864電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20231117BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20231117BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20231117BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20231117BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/54
H01M50/536
H01M50/55 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021526280
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2019081824
(87)【国際公開番号】W WO2020120081
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】102018132179.1
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バウアー・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ダーウプ・リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】ルックス・ジーモン
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ソクユン
(72)【発明者】
【氏名】フクス・フランツ
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-149353(JP,A)
【文献】特開2013-089592(JP,A)
【文献】特開2009-187768(JP,A)
【文献】特開2013-161686(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108258180(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/533
H01M 50/54
H01M 50/536
H01M 50/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触片(4a,4b)の縁部(46a,46b)が、電極スタック(2a,2b)から突出している前記電極スタック(2a,2b)の通電部材装置(3a,3b)の第1側面(30a,30b)に当接するように、前記電極スタック(2a,2b)をセル端子(5)に電気接続するように構成されている、前記接触片(4a,4b)を有する通電部材(4)が、前記電極スタック(2a,2b)に対して位置決めされる位置決めステップ(S4)と、
前記通電部材装置(3a,3b)の前記第1側面(30a,30b)の少なくとも一部が、第1接触片側面(47a,47b)に当接するように、前記通電部材装置(3a,3b)が、前記接触片(4a,4b)の前記縁部(46a,46b)を中心軸として屈曲される屈曲ステップ(S5)と、
前記接触片(4a,4b)が、前記第1接触片側面(47a,47b)に対向する第2接触片側面(48a,48b)で支持される支持ステップ(S6)と、
接触圧力が、前記第1接触片側面(47a,47b)の少なくとも一部に当接する前記通電部材装置(3a,3b)に印加される押圧ステップ(S7)と、
前記通電部材装置(3a,3b)が、前記通電部材(4)に結合される結合ステップ(S8)とを有する電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法(100)。
【請求項2】
前記位置決めステップ(S4)では、中間空間が、前記第2接触片側面(48a,48b)と前記電極スタック(2a,2b)との間に規定されるように、前記通電部材(4)が、前記電極スタック(2a,2b)に対して位置決めされ、前記支持ステップ(S6)では、支持要素(60)が、前記接触圧力に対して前記接触片(4a,4b)を支持するために前記中間空間(61)内に挿入される請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記支持要素(60)は、前記通電部材装置(3a,3b)を前記通電部材(4)に結合した後に前記中間空間(61)から取り出される請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記結合ステップ(S8)では、レーザービームが、前記通電部材装置(3a,3b)を前記通電部材(4)に溶接するために前記接触片(4a,4b)の少なくとも一部に沿って照射される請求項1~3のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項5】
結合要素(8a,8b)が、前記接触片(4a,4b)の縁部(46a,46b)を中心軸線とした前記通電部材装置(3a,3b)の屈曲時に前記接触片(4a,4b)に沿って延在するこの接触片(4a,4b)の段部(49a,49b)にほぼ同一平面状に終端するように、前記結合要素(8a,8b)は、前記第1側面(30a,30b)に対向する前記通電部材装置(3a,3b)の第2側面(31a,31b)に装着される装着ステップをさらに有する請求項1~4のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記結合要素(8a,8b)は、超音波溶接によって前記第2側面(31a,31b)に装着される請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記結合要素(8a,8b)内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部(35)と、当該位置決めピン用貫通接続部(35)に対応する前記接触片(4a,4b)内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部(45)とが、位置決めピンによって貫通把持される整合ステップをさらに有する請求項5又は6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記位置決めステップ(S4)では、前記電極スタック(2a)の前記通電部材装置(3a)が、別の電極スタック(2b)の別の通電部材装置(3b)と一緒に、前記通電部材(4)の前記接触片(4a)とこの接触片(4a)に対して平行に延在するこの通電部材(4)の別の接触片(4b)との間に規定された接触介在空間(44)内に差し込まれる結果、前記通電部材装置(3a)の第2側面(31a)が、前記別の通電部材装置(3b)の第2側面(31b)に対向する請求項1~7のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項9】
少なくとも前記屈曲ステップ(S5)と前記支持ステップ(S6)と前記押圧ステップ(S7)と前記結合ステップ(S8)とが、2つの通電部材装置(3a,3b)のそれぞれの通電部材装置に対して実行される請求項8に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法、このような方法によって製造された電気化学エネルギー貯蔵セル、及びこのような製造方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気化学エネルギー貯蔵セルは、反対の極性の2つのセル端子(英語で、terminals)を有する。当該電気化学エネルギー貯蔵セルは、これらのセル端子を介して電気回路に組み込まれ得る。この場合、これらのセル端子は、当該エネルギー貯蔵セルの電極に電気接続される必要がある。このため、一般に、例えば電極スタック内に配置された電極の通電突出部をセル端子に繋げる通電部材が設けられている。
【0003】
電気化学エネルギー貯蔵セルが、電気自動車の少なくとも一部で使用されなければならない場合、当該エネルギー貯蔵セルが、車両内に、例えば車室の床に効率的に組み入れ得るように、一般に、当該エネルギー貯蔵セルは、その寸法に関して厳しい要求を満たさなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、電気化学エネルギー貯蔵セルにおける通電を改良すること、特に、同時に僅かな所要空間で通電の信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項に記載の電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法、このような方法によって製造された電気化学エネルギー貯蔵セル、及びこのような製造方法を実行するための装置によって解決される。
【0006】
本発明の第1の観点は、接触片の縁部が、電極スタックから突出している当該電極スタックの通電部材装置の第1側面に当接するように、当該電極スタックをセル端子に電気接続するように構成されていて、当該接触片を有する通電部材が、当該電極スタックに対して位置決めされる(i)位置決めステップと、当該通電部材装置の当該第1側面の少なくとも一部が、第1接触片側面に当接するように、当該通電部材装置が、当該接触片の当該縁部を中心軸として屈曲される(ii)屈曲ステップと、当該接触片が、当該第1接触片側面に対向する第2接触片側面で支持される(iii)支持ステップと、接触圧力が、当該第1接触片側面の少なくとも一部に当接する当該通電部材装置に印加される(iv)押圧ステップと、当該通電部材装置が、当該通電部材に結合される(v)結合ステップとを有する電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法に関する。
【0007】
当該方法は、特に有益である。何故なら、この場合、通電部材装置の少なくとも一部が、特に電極スタックの側面に沿って当該電極スタックに平坦密接して延在でき、したがって製造されたエネルギー貯蔵セル内の当該通電部材装置の所要空間が減少されるからである。換言すれば、当該方法は、通電部材を電極スタックに沿って非常に密に敷設することを可能にする。
【0008】
この場合、通電部材装置を第1接触片側面の少なくとも一部に対して押圧ことは、非常に正確で且つ丈夫な結合部分、例えば溶接結合部分を生成することを可能にする。通電部材装置から通電部材への通電又は通電部材から通電部材装置への通電が、当該結合部分によって妨げられないか又は少なくとも僅かしか妨げられない。当該少なくとも一部の押圧によって、特に、通電部材装置と通電部材との間の接触面積が可能な限り大きくなることが達成され得る。これにより、通電部材装置が、通電部材に非常に確実に結合され得る。このため、より良好な通電も、非常に確実な結合によって達成され得る。
【0009】
この場合、特に当該押圧に対する当該接触片の支持が、引き続く結合のために第1接触片側面上の少なくとも一部に当接する通電部材装置及び/又は当該第1接触片側面を正確に整合させることを可能にする。したがって、例えば、通電部材装置と第1接触片側面とは、焦点合わせされたレーザービームに対して正確に位置決めされ得る。当該正確な位置決めは、レーザーエネルギーの効率的な使用を可能にし、当該レーザービームによる例えば電極スタックの故意でない損傷が阻止され得る。
【0010】
通電部材装置の屈曲時に発生する力に対して通電部材を支持するため、支持ステップが、押圧ステップの前だけではなくて、屈曲ステップの前に既に実行されることが考えられる。これにより、通電部材が、損傷されること、例えば歪み変形されることが阻止され得る、及び/又は、通電部材が、結合ステップで実行されるべき結合に対して不正確に位置決めされることが阻止され得る。
【0011】
以上により、本発明は、電気化学エネルギー貯蔵セルにおける通電を改良すること、特に、同時に僅かな所要空間で通電の信頼性を向上させることを可能にする。
【0012】
以下に、明らかに排除されない限り互いに任意に組み合わせられ得て、さらに説明されている本発明の複数の観点と組み合わせられ得る本発明の好適な複数の実施の形態及びこれらの実施の形態のさらなる構成を説明する。
【0013】
特定の実施の形態では、当該位置決めステップでは、中間空間が、当該第2接触片側面と当該電極スタックとの間に規定されるように、当該通電部材が、当該電極スタックに対して位置決めされる。特に、当該支持ステップでは、支持要素が、当該接触圧力に対して当該接触片を支持するために当該中間空間内に挿入される。この場合、当該第2接触片側面の少なくとも一部が、当該支持要素上に当接するように、当該支持要素は、当該中間空間内に有益に位置決めされる。これにより、当該接触圧力が、非常に確実に吸収され得る。特に、当該接触圧力の印加時の当該通電部材と縁部を中心軸線として屈曲される通電部材装置との故意でない位置の変化が回避され得る。これにより、当該通電部材装置と当該通電部材との間の結合が、より確実に且つより正確に実行され得る。
【0014】
特定の実施の形態では、当該支持要素は、当該通電部材装置を当該通電部材に結合した後に当該中間空間から取り出される。これにより、例えば、製造されたエネルギー貯蔵セルの重量が減少され得る。当該中間空間を当該支持要素の取り出し後に充填すること、例えば発泡材で充填することも考えられる。これにより、通電部材と通電部材装置とから成る結合の安定性が向上され得る。
【0015】
特定の実施の形態では、当該結合ステップでは、レーザービームが、当該通電部材装置を当該通電部材に溶接するために当該接触片の少なくとも一部に沿って、特に当該接触片内の、特に当該接触片に沿って延在する段部に沿って溶接される。この場合、当該レーザービームは、特に焦点合わせされたレーザービームとして構成されている。このとき、当該第1接触片側面、特に当該接触片内の段部、及び/又は当該第1接触片側面で、特に当該接触片内の段部で屈曲されている通電部材装置の少なくとも一部が、当該レーザービームの焦点内に存在するように、当該通電部材は、当該位置決めステップで位置決めされ得る。したがって、当該通電部材装置と当該通電部材とは、非常に確実に且つ正確に溶接され得る。このため、当該レーザービームは、当該接触片を当該通電部材装置に結合するために必要なエネルギーを当該通電部材装置内に及び/又は当該接触片内に正確に及び/又は選択的に印可することを可能にする。その結果、当該通電部材装置及び/又は当該接触片は、例えば専ら局所的に加熱され、当該電極スタックは、故意でない熱入力によって損傷されない。
【0016】
特定の実施の形態では、この方法は、当該結合要素が、当該接触片の縁部を中心軸線とした当該通電部材装置の屈曲時に当該接触片に沿って延在するこの接触片の段部にほぼ同一平面状に終端するように、当該結合要素は、当該第1側面に対向する当該通電部材装置の第2側面に装着される(i)装着ステップをさらに有する。例えば、当該接触片は、ステップ状に形成され得るか又は、特に当該第1接触片側面上に段部を有し得る。結合要素を当該段部とほぼ同一平面状に終端し、特に当該段部と揃うことによって、当該結合要素は、例えばレーザービームを結合要素と段部との間の接触線に沿って照射することによって、当該通電部材に正確に且つ非常に安定に結合され得る。
【0017】
特定の実施の形態では、当該結合要素は、超音波溶接によって当該第2側面に装着される。これにより、当該結合要素は、第2側面に迅速に且つ確実に装着され得る、特に非常に正確に当該第2側面上に配置され得る。
【0018】
特定の実施の形態では、この方法は、当該結合要素内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部と、当該位置決めピン用貫通接続部に対応する当該接触片内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部とが、位置決めピンによって貫通把持される(i)整合ステップをさらに有する。例えば、これらの位置決めピン用貫通接続部が、当該接触片の縁部を中心軸線として当該通電部材装置を屈曲させることによって互いに揃うように、当該結合要素内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部及び/又は当該接触片内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部が、当該結合要素又は当該接触片に配置され得る。これらの位置決めピン用貫通接続部を少なくとも1つの当該位置決めピンによって貫通把持することは、結合ステップ中に、特にレーザー溶接中に、当該通電部材に対する当該通電部材装置の非常に正確な整合を可能にし、特に当該通電部材に対する当該通電部材装置の確実な確保を可能にする。このため、当該貫通把持は、製造された結合部分、例えば溶接継目の品質に関して有益である。
【0019】
特定の実施の形態では、当該位置決めステップでは、特に第1電極スタックの通電部材装置が、別の特に第2電極スタックの別の通電部材装置と一緒に、当該通電部材の特に第1接触片とこの第1接触片に対して平行に延在するこの通電部材の特に第2接触片との間に規定された接触介在空間内に差し込まれる結果、当該通電部材装置の第2側面が、当該別の通電部材装置の第2側面に対向する。例えば、第1電極スタックと第2電極スタックとが束ねられ得る、すなわち統合され得る。その結果、当該通電部材が、当該両電極スタックの通電部材装置に対して同時に位置決めされ得る。当該位置決めは、精度の向上を可能にする。当該通電部材は、当該向上した精度で当該通電部材装置に対して位置決めされる。この場合、特に、当該通電部材の両接触片が、当該両電極スタックの通電部材装置用のガイドレールとして使用され得る。
【0020】
この場合、当該第1電極スタックの通電部材装置の第2側面が、当該第2電極スタックの通電部材装置に面しているか、又は、当該第2電極スタックの通電部材装置の第2側面が、当該第1電極スタックの通電部材装置に面しているように、当該両電極スタックの通電部材装置が有益に形成、特に整合されている。例えば、当該第1電極スタック及び当該第2電極スタック、特に当該両電極スタックの通電部材装置が、対称面に対して対称に形成され得る。この場合、当該対称面は、特に当該第1電極スタックと当該第2電極スタックとの間の接触面によって規定される。
【0021】
特定の実施の形態では、少なくとも当該屈曲ステップと当該支持ステップと当該押圧ステップと当該結合ステップとが、2つの通電部材装置のそれぞれの通電部材装置に対して、特に少なくともほぼそれぞれ同時に実行される。これにより、複数のエネルギー貯蔵セルの既に組み立てられた構成要素の安定性が、製造方法の進行中に保証され得る。
【0022】
本発明の第2の観点は、本発明の第1の観点による方法にしたがって得られる電気化学エネルギー貯蔵セルに関する。
【0023】
本発明の第3の観点は、本発明の第1の観点による方法を実行するために構成されている電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための装置に関する。
【0024】
特定の実施の形態では、当該装置は、少なくとも1つの支持要素を有する。通電部材の接触片に作用する接触圧力に対抗するように、特に当該接触片の少なくとも一部に当接する通電部材装置に作用する接触圧力に対して当該接触片を支持するように、当該支持要素は構成されている。この場合、当該少なくとも1つの支持要素を、当該接触片と1つの電極スタックとの間に形成された中間空間内に挿入し、例えば当該中間空間内へ旋回させ、当該接触片が当該通電部材装置に結合された後に、例えば溶接された後に、取り出す、例えば当該中間空間外へ旋回させるように、当該装置は有益に構成されている。
【0025】
特定の実施の形態では、当該装置は、少なくとも1つの結合モジュールを有する。通電部材、特に当該通電部材の少なくとも1つの接触片を少なくとも1つの通電部材装置に、特に固着接続及び/又は導電接続するように、当該結合モジュールは構成されている。この場合、当該結合モジュールは、当該通電部材をレーザービームによって当該通電部材装置に溶接するように有益に構成されている。当該結合手段は、例えば、当該レーザービームを生成するために構成されているビーム源を有してもよい。この場合、当該生成されたレーザービームは、好ましくは当該レーザービームが焦点合わせされている焦点を有する。このため、当該焦点が、少なくとも1つの溶接線に沿って、特に当該通電部材装置又は結合要素と当該接触片の段部との間の接触線に沿って誘導されるように、当該レーザービームを操作するように、例えば偏向させるように、当該ビーム源は構成され得る。
【0026】
この場合、当該通電部材の少なくとも一部が、当該焦点に存在し、特に当該溶接線に沿って進行するように、当該通電部材は、電極スタックに対して有益に位置決めされる。これにより、当該通電部材は、当該通電部材装置に容易に且つ確実に結合され得る。
【0027】
本発明の第1の観点と当該第1の観点の好適な構成とに関して説明されている特徴及び利点は、少なくとも技術的な意味において、本発明の第2の観点及び第3の観点とこれらの観点の好適な構成とに対しても成立し、本発明の第2の観点及び第3の観点とこれらの観点の好適な構成とに関して説明されている特徴及び利点は、少なくとも技術的な意味において、本発明の第1の観点とこの観点の好適な構成とに対しても成立する。
【0028】
以下に、本発明のさらなる特徴及び使用可能性を図面に関連させて説明する。当該図面では、同じ符号が、本発明の同じ構成要素又は互いに対応する構成要素に対して一貫して使用される。当該構成要素の少なくとも一部が概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のエネルギー貯蔵セルの好適な実施の形態を分解図で示す。
図2】通電部材の好適な実施の形態を示す。
図3】エネルギー貯蔵セルの製造時の好適な第1組み立てステップにおけるエネルギー貯蔵セルの詳細図である。
図4】エネルギー貯蔵セルの製造時の好適な第2組み立てステップにおけるエネルギー貯蔵セルの詳細図である。
図5図4による詳細図の横断面を示す。
図6】本発明の方法の好適な実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明のエネルギー貯蔵セルの好適な実施の形態を分解図で示す。エネルギー貯蔵セル1は、電極スタック2a,2bから突出している通電部材装置3a,3bを有する2つの当該電極スタック2a,2b、2つの通電部材4、ハウジング蓋6に配置された2つの端子要素5及び1つのハウジング7を有する。この場合、エネルギー貯蔵セル1の組み立てられた状態では、通電部材4は、結合要素8a,8bを介して通電部材装置3a,3bに導電接続されている。さらに、通電部材4は、端子要素5にも導電接続されている。その結果、エネルギー貯蔵セル1は、端子要素5を介して電気回路、例えば車両のオンボード電源に組み込まれ得る。
【0031】
電極スタック2a,2bは、通電部材4と一緒に保持され、代わりに又はさらに側面保持部9によってハウジング蓋6と一緒に有益に保持される。しかし、側面保持部9は、電極スタック2a,2bと通電部材4とから成る配置を少なくとも安定化させ、代わりに又はさらにハウジング蓋6も安定化させる。
【0032】
電極スタック2a,2bと通電部材4の少なくとも一部とが、絶縁要素10によってハウジング7に対して有益に電気絶縁されている。絶縁要素10は、例えば絶縁テープとして形成され得る。この絶縁テープは、特に電極スタック2a,2bの周りに巻き付けられていて、通電部材4の一部の周りに少なくとも巻き付けられていて、場合によっては側面保持部9の周りにも巻き付けられている。
【0033】
特に、ハウジング蓋は、充填開口部11を有する。エネルギー貯蔵セル1は、この充填開口部11を通じて電解液で充填され得る。充填開口部11は、例えば弁でもよく、特に、エネルギー貯蔵セル1内に充填された電解液の流出を阻止する逆止弁でもよい。代わりに又はさらに、充填開口部11は、充填開口部閉鎖部材11aによって閉鎖されてもよい。
【0034】
図2は、通電部材4の好適な実施の形態を示す。並んで配置された2つの電極スタックの複数の通電部材装置が、1つの電気化学エネルギー貯蔵セルの1つの端子要素に導電接続され得る。
【0035】
通電部材4は、この通電部材4が特に90°だけ屈曲されている挟持領域40によって第2通電部材領域42から空間的に分離されている第1通電部材領域41を有する。第1通電部材領域41内では、通電部材4が、例えば、特にロッド状の接続手段(図示せず)によって1つの端子要素に導電接続され得る。当該接続手段は、第1領域41内に配置された通電部材4の接続手段収容部43内に嵌入し、例えばねじ止めされる。
【0036】
第2通電部材領域42内では、通電部材4が、特に互いに平行に延在する、特に2つの接触片4a,4bを有する。これらの接触片4a,4bは、通電部材装置に結合するために設けられている。この場合、当該通電部材装置をこれらの接触片4a,4b間に収容するため、接触片4a,4bは、クランプ状に有益に突出している。換言すれば、これらの接触片4a,4bは、当該通電部材装置が例えば差し込まれ得る接触片介在空間44を規定する。
【0037】
第2通電部材領域42内では、この第2通電部材領域42は、接触片4a,4bごとに特に複数の位置決めピン用貫通接続部45、特に2つの位置決めピン用貫通接続部45を有する。これらの位置決めピン用貫通接続部45内に差し込まれた位置決めピンによって、通電部材装置が、通電部材4に対して整合され得る。
【0038】
接触片4a,4bは、特に段状に形成されている。すなわち、これらの接触片4a,4bはそれぞれ、それぞれの接触片4a,4bに沿って延在する段部49a,49bを有する。段部49a,49bも、通電部材装置を通電部材4に対して整合させるために使用され得る。代わりに又はさらに、特に、複数の通電部材装置がそれぞれ、少なくとも段部49a,49bの領域内で通電部材4に溶接されることによって、特にそれぞれの接触片4a,4bに溶接されることによって、段部49a,49bは、これらの通電部材装置と通電部材4との間を確実に接合結合させることを可能にする。それぞれの通電部材装置を通電部材4に溶接するため、例えば、レーザービームが、両段差49a,49bのそれぞれの段差に沿って照射され得る。
【0039】
図3は、エネルギー貯蔵セル1の製造時の好適な第1組み立てステップにおけるエネルギー貯蔵セル1の詳細図である。この場合、少なくとも1つの通電部材4が、ハウジング蓋6に嵌入されている1つの端子要素に接続されていて、且つ、2つの電極スタック2a,2bから横向きに突出している通電部材装置3a,3bが、通電部材4の平行に延在する2つの接触片4a,4b間に規定された接触片介在空間44内に配置されているように、当該少なくとも1つの通電部材4は、これらの電極スタック2a,2bに対して位置決めされている。
【0040】
この場合、これらの電極スタック2a,2bから横向きに突出している通電部材装置3a,3bは、通電部材4の第2領域42内でこの通電部材4に対して好ましくは直角に延在する。接触片4a,4bも、この第2領域42内に配置されている。換言すれば、この場合、当該通電部材装置3a,3bは、2つの接触片4a,4bによって形成された平面を突き破っている。
【0041】
この場合、特に通電部材装置3a,3bの第1側面30a,30bがそれぞれ、それぞれ1つの接触片4a,4bの縁部46a,46bに当接している。
【0042】
結合要素8aが、特に接合結合によって、例えば超音波溶接によってこれらの通電部材装置のうちの第1通電部材装置3aに装着されている。この場合、結合要素8aは、特に、第1通電部材装置3aの第1側面30aに対向する第2側面31a上に配置されている。換言すれば、結合要素8aは、第1通電部材装置3aの第2側面31a上に配置されている。この第2側面31aは、これらの通電部材装置のうちの第2通電部材装置3bの第2側面31bに面している。
【0043】
図4は、エネルギー貯蔵セル1の製造時の好適な第2組み立てステップにおけるエネルギー貯蔵セル1の詳細図である。この場合、複数の電極スタックから横向きに突出している通電部材装置3a,3bが、それぞれの縁部46a,46bを中心軸線として屈曲されている。これらの通電部材装置3a,bはそれぞれ、通電部材4の接触片4a,4bの縁部46a,46bに当接している。当該屈曲は、これらの通電部材装置のうちの第1通電部材装置3aに対して矢印Bによって示されている。
【0044】
通電部材装置3a,3bが、接触片4a,4b間の接触片介在空間44内に位置決めされていることによって、これらの通電部材装置3a,3bは、それぞれの縁部46a,46bを中心軸線として反対方向に屈曲されている。この場合、これらの通電部材装置3a3bのそれぞれ1つの第1側面(図3参照)の少なくとも一部が、1つの第1接触片側面47a,47b上に当接している。
【0045】
結合要素8aが、通電部材装置3aの、特に第1側面に対向する第2側面上に装着されている。より良好に図示するため、これらの通電部材装置のうちの第2通電部材装置4bの、特に第2側面31b上に装着された結合要素は図示されていない。
【0046】
この場合、第1通電部材装置3aが、縁部46aを中心軸線として屈曲されていて、接触片4aに沿って延在する通電部材4、特にこの第1接触片4aの段部49aにほぼ同一平面状に当接しているように、結合要素8aが、特に第2側面31a上に配置されている。これに応じて、第2通電部材装置4bに装着された図示されなかった結合要素も、第2接触片4bの段部49bに同一平面状に有益に当接している。
【0047】
当該屈曲されている通電部材装置3a,3bを通電部材4に対して整合させるため、複数の位置決めピン(図示せず)が、結合要素8aの位置決めピン用貫通接続部35と、接触片4a,4b(図2参照)の対応する位置決めピン用貫通接続部45とに差し込まれ得る。この場合、結合要素8a内の位置決めピン用貫通接続部35は、それぞれの縁部46a,46bを中心軸線とした通電部材装置3a,3bの当該屈曲によって接触片4a,4bの位置決めピン用貫通接続部45に対して同心円状に配置されている。その結果、これらの位置決めピン用貫通接続部は、それぞれ1つの位置決めピンによって容易に差し込まれ得る。換言すれば、接触片4a,4bのそれぞれ1つの位置決めピン用貫通接続部35が、結合要素8aの1つの位置決めピン用貫通接続部と揃う。
【0048】
通電部材装置3a,3bを通電部材4に結合させるため、レーザービームが、それぞれの接触片4a,4bに沿って照射され得る。その結果、通電部材装置3a,3b、特に結合要素8aが、通電部材4に、特にそれぞれの接触片4a,4bに溶接される。この場合、特に、当該レーザービームは、段部49a,49bに沿って照射される。
【0049】
通電部材4又は接触片4a,4bと、当該屈曲されている通電部材装置3b,3aとが、結合時に接触を維持することを達成するため、例えば、第1側面(図3参照)の少なくとも一部が、接触片側面47a,47bに同一平面状に当接することを達成するため、好ましくは、接触圧力が、通電部材装置3a,3b上に、特に第2側面31a,31b上に又は結合要素8a上に印加される。この接触圧力は、支持要素(図示せず)によって確保され得る。当該支持要素は、接触片4a,4bの下に配置されている、すなわち接触片4a,4bと電極スタックとの間の中間空間内に挿入され、これらの接触片4a,4bを、特に第1接触片側面47a,47bに対向する第2接触片側面で支持する。
【0050】
この場合、特に、当該支持要素は、接触片4a,4bの段部49a,49bの下で移動されるか又はそこに位置決めされる。これは、図4に矢印Eによって示されている。
【0051】
図5は、図4による詳細図の横断面を示す。この場合、段部49a,49bを両接触片4a,4b内で良好に認識することができる。
【0052】
特に、第1接触片側面47a,47bのそれぞれ1つの第1部分50a,50bが、段部49a,49bによって規定される。この場合、通電部材装置3a,3bの第1側面30a,30bの少なくとも一部が、第1接触片側面47a,47bの第1部分50a,50b内で当接しているように、これらの通電部材装置3a,3bがそれぞれ、両接触片4a,4bの縁部46a,46bを中心軸線として屈曲されている。この場合、好ましくは、図4にも示された結合要素8aは、第1接触片4aの接触片側面47aの第2部分51aと揃っている。当該結合要素8aが、第1接触片4aの屈曲されている状態でこの第1接触片4aの段部49aにほぼ同一平面状に終端しているように、当該結合要素8aは、第1通電部材装置3aの第2側面31a上に有益に装着されている。これにより、それぞれの段部49a,49bの領域内の接触片4a,4bに沿って照射されるレーザービームが、通電部材4を通電部材装置3a,3b又は結合要素8aに確実に溶接する。
【0053】
屈曲されている通電部材装置3a,3bへの接触片4a,4bの溶接時に、特に接触圧力が、通電部材装置3a,3b上に印加されるので、支持要素60a,60bが、接触片4a,4bとセルスタック2a,2bとの間に規定された中間空間61内に配置されているか又は配置される。この場合、特に接触片4a,4bの第2接触片側面48a,48bの少なくとも一部が、支持要素60上に当接している。
【0054】
この場合、支持要素60は、特に中間空間61内に配置され得る。この中間空間61は、段部49a,49bによって接触片4a,4bと電極スタック2a,2bとの間に提供される。この場合、特に、接触片4a,4bの第2接触片側面48a,48bの第2下面部52a,52bが、支持要素60上に当接している。この場合、第2接触片側面48a,48bの第1下面部52a,52bと第2下面部53a,53bとが段部49a,49bによって規定されている。この場合、好ましくは、第2下面部53a,53bは、第1接触片側面47a,47bの第2部分51a,51bに対向する。
【0055】
図6は、電気化学エネルギー貯蔵セル1を製造するための本発明の方法100の好適な実施の形態を示す。
【0056】
準備ステップS1では、複数の陽極と複数の陰極とが、交互に前後して重ねられることによって、電極スタック2aが準備される。この場合、それぞれの電極が、電極スタック2aから突出している通電突出部2a′を有する。この場合、電極スタック2aの対向する側面上の陽極の通電突出部2a′と陰極の通電突出部2a′とが、この電極スタック2aから突出しているように、これらの通電突出部2a′は配置又は形成されている。
【0057】
例えば、金属薄片から製造されたこれらの通電突出部2a′が互いに押圧されることによって、2つの通電部材装置が製造される、特に陽極に対応する通電部材装置と、陰極に対応する通電部材装置とがそれぞれ製造される。次いで、装着ステップS2では、例えば超音波溶接によって、それぞれ1つの結合要素8aが、こうして製造された通電部材装置の第2側面31a上に装着される。この場合、装着ステップS2に相当し、破線によって示された詳細図に示されているように、第2側面31aは、当該通電部材装置の第1側面30aに対向する。
【0058】
2つの通電部材装置とこれらの通電部材装置に装着された結合要素とを有するもう1つの電極スタック2bを製造するため、準備ステップS1及び装着ステップS2は、特に少なくとも2回実行される。この代わりに、準備ステップS1では、当該準備された電極スタック2aが分割され、これにより第2電極スタック2bが製造されてもよい。
【0059】
装着ステップS2では、第1電極スタック2aの通電部材装置に装着された結合要素が、第2電極スタック2bの通電部材装置に装着された結合要素に面しているように、当該結合要素は、第2電極スタック2bの通電部材装置に有益に装着される。束ねステップS3では、こうして準備された第1電極スタック2aと第2電極スタック2bとが、互いに面した結合要素によって束ねられる。
【0060】
位置決めステップS4では、特に、陽極に相当する両通電部材装置に対して、及び陰極に相当する両通電部材装置に対して、ハウジング蓋6上にそれぞれ配置された端子要素5に電気接続されているそれぞれ1つの通電部材4が準備される。この場合、特に、通電部材4は、当該通電部材装置に対して位置決めされる。その結果、それぞれ2つの通電部材装置が、それぞれの通電部材4の2つの接触片4a,4b間に規定されている1つの介在空間44内に配置されている。
【0061】
例えば、複数の通電部材装置がそれぞれ、複数の通電部材4の接触片4a,4b間で摺動するように、ハウジング蓋6が、これらの通電部材4によって両電極スタック2b,2a上に装着され得る。この場合、特に、位置決めステップS4に相当し、破線によって示された詳細図に示されているように、これらの通電部材装置の第1側面がそれぞれ、これらの接触片4a,4bのうちの1つの接触片の縁部に当接している。
【0062】
屈曲ステップS5では、これらの通電部材装置が、接触片4a,4bのそれぞれの縁部を中心軸線として屈曲される。その結果、これらの通電部材装置の第1側面の少なくとも一部が、それぞれの第1接触片側面47a,47b上に当接している。支持ステップS6では、例えば、複数の支持要素が、接触片4a,4bと電極スタック2a,2bとの間に規定されている、特に電極スタック2a,2bの側面間に規定されている1つの中間空間内に挿入されることによって、こうして準備された通電部材装置及び接触片4a,4bが、第1接触片側面47a,47bに対向する第2接触片側面で支持される。これにより、押圧ステップS7では、接触圧力が、第1接触片側面47a,47bの少なくとも一部に当接しているこれらの通電部材装置に印加され得る。これにより、これらの通電部材装置は、第1接触片側面47a,47bに対して好ましくは平面状に押圧される。
【0063】
この場合、特に、それぞれの縁部を中心軸線としたこれらの通電部材装置の屈曲時に既に発生する力をこれらの支持要素によって吸収するため、支持ステップS6が、屈曲ステップS5の前に実行されることが考えられる。これにより、例えば、接触片4a,4bの望まない変形が回避され得る。
【0064】
結合ステップS8では、これらの通電部材装置、特に複数の結合要素が、例えばレーザー溶接によってこれらの通電部材4、特に接触片4a,4bに結合される。この場合、特に、レーザービームが、それぞれの接触片4a,4bに沿って、例えば接触片4a,4b内に形成された段部49a,49bに沿って照射される。結合ステップS8に相当し、破線によって示された詳細図に示されているように、好ましくは、これらの結合要素が、これらの段部49a,49bに同一平面状に及び/又は揃って終端している。
【0065】
保護ステップS9では、2つの電極スタック2a,2bが、特に通電部材4と一緒に側面保持部9によって保護される、例えば少なくとも部分的に挟持状の把持部材によって固定される。次いで、絶縁ステップS10では、こうして固定された電極スタック2a,2bは、絶縁要素10によって、特にこれらの電極スタック2a,2bが差し込まれるハウジング7に対して電気絶縁され得る。密封ステップS11では、ハウジング7とハウジング蓋6とが、特にレーザー溶接によって互いに結合、特に溶接される。
【0066】
上記の少なくとも1つの例示的な実施の形態を説明したが、これに対する多数のバリエーションが存在する点に留意すべきである。この場合、説明されている例示的な実施の形態は、規定されない例にすぎず、これにより、ここで説明されている装置及び方法の範囲、用途又は構成を規定することを目的としない。むしろ、上記の説明は、少なくとも1つの例示的な実施の形態を実行するための手引を当業者に提供する。この場合、添付されている特許請求の範囲にそれぞれ規定された対象と、当該対象と法的に均等なものとから外れることなしに、機能と例示的な実施の形態において説明されている要素の配置とが、様々に変更され得ることが分かる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下の構成も包含し得る:
1.
接触片(4a,4b)の縁部(46a,46b)が、電極スタック(2a,2b)から突出している前記電極スタック(2a,2b)の通電部材装置(3a,3b)の第1側面(30a,30b)に当接するように、前記電極スタック(2a,2b)をセル端子(5)に電気接続するように構成されている、前記接触片(4a,4b)を有する通電部材(4)が、前記電極スタック(2a,2b)に対して位置決めされる位置決めステップ(S4)と、
前記通電部材装置(3a,3b)の前記第1側面(30a,30b)の少なくとも一部が、第1接触片側面(47a,47b)に当接するように、前記通電部材装置(3a,3b)が、前記接触片(4a,4b)の前記縁部(46a,46b)を中心軸として屈曲される屈曲ステップ(S5)と、
前記接触片(4a,4b)が、前記第1接触片側面(47a,47b)に対向する第2接触片側面(48a,48b)で支持される支持ステップ(S6)と、
接触圧力が、前記第1接触片側面(47a,47b)の少なくとも一部に当接する前記通電部材装置(3a,3b)に印加される押圧ステップ(S7)と、
前記通電部材装置(3a,3b)が、前記通電部材(4)に結合される結合ステップ(S8)とを有する電気化学エネルギー貯蔵セルを製造するための方法(100)。
2.
前記位置決めステップ(S4)では、中間空間が、前記第2接触片側面(48a,48b)と前記電極スタック(2a,2b)との間に規定されるように、前記通電部材(4)が、前記電極スタック(2a,2b)に対して位置決めされ、前記支持ステップ(S6)では、支持要素(60)が、前記接触圧力に対して前記接触片(4a,4b)を支持するために前記中間空間(61)内に挿入される上記1に記載の方法(100)。
3.
前記支持要素(60)は、前記通電部材装置(3a,3b)を前記通電部材(4)に結合した後に前記中間空間(61)から取り出される上記2に記載の方法(100)。
4.
前記結合ステップ(S8)では、レーザービームが、前記通電部材装置(3a,3b)を前記通電部材(4)に溶接するために前記接触片(4a,4b)の少なくとも一部に沿って照射される上記1~3のいずれか1項に記載の方法(100)。
5.
結合要素(8a,8b)が、前記接触片(4a,4b)の縁部(46a,46b)を中心軸線とした前記通電部材装置(3a,3b)の屈曲時に前記接触片(4a,4b)に沿って延在するこの接触片(4a,4b)の段部(49a,49b)にほぼ同一平面状に終端するように、前記結合要素(8a,8b)は、前記第1側面(30a,30b)に対向する前記通電部材装置(3a,3b)の第2側面(31a,31b)に装着される装着ステップをさらに有する上記1~4のいずれか1つに記載の方法(100)。
6.
前記結合要素(8a,8b)は、超音波溶接によって前記第2側面(31a,31b)に装着される上記5に記載の方法(100)。
7.
前記結合要素(8a,8b)内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部(35)と、当該位置決めピン用貫通接続部(35)に対応する前記接触片(4a,4b)内の少なくとも1つの位置決めピン用貫通接続部(45)とが、位置決めピンによって貫通把持される整合ステップをさらに有する上記5又は6に記載の方法(100)。
8.
前記位置決めステップ(S4)では、前記電極スタック(2a)の前記通電部材装置(3a)が、別の電極スタック(2b)の別の通電部材装置(3b)と一緒に、前記通電部材(4)の前記接触片(4a)とこの接触片(4a)に対して平行に延在するこの通電部材(4)の別の接触片(4b)との間に規定された接触介在空間(44)内に差し込まれる結果、前記通電部材装置(3a)の第2側面(31a)が、前記別の通電部材装置(3b)の第2側面(31b)に対向する上記1~7のいずれか1つに記載の方法(100)。
9.
少なくとも前記屈曲ステップ(S5)と前記支持ステップ(S6)と前記押圧ステップ(S7)と前記結合ステップ(S8)とが、2つの通電部材装置(3a,3b)のそれぞれの通電部材装置に対して実行される上記8に記載の方法(100)。
10.
上記1~9のいずれか1つに記載の方法(100)にしたがって得られる電気化学エネルギー貯蔵セル(1)。
11.
上記1~7のいずれか1つに記載の方法(100)を実行するために構成されている電気化学エネルギー貯蔵セル(1)を製造するための装置。
【符号の説明】
【0067】
1 電気化学エネルギー貯蔵セル
2a,2b 電極スタック
3a,3b 通電部材装置
4 通電部材
4a,b 接触片
5 端子要素
6 ハウジング蓋
7 ハウジング
8a,8b 結合要素
9 側面保持部
10 絶縁要素
11 充填開口部
11a 充填開口部閉鎖部材
30a,30b 第1側面
31a,31b 第2側面
35 結合要素の位置決めピン用貫通接続部
40 挟持領域
41 第1通電部材領域
42 第2通電部材領域
43 接続手段収容部
44 接触片介在空間
45 通電部材の位置決めピン用貫通接続部
46a,46b 縁部
47a,47b 第1接触片側面
48a,48b 第2接触片側面
49a,49b 段部
50a,50b 第1部分
51a,51b 第2部分
52a,52b 第1下面部
53a,53b 第2下面部
60 支持要素
61 中間空間
100 方法
S1-S11 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6