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特許7386899光検出および測距(LIDAR)デバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定するための方法およびシステム
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  • 特許-光検出および測距(LIDAR)デバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定するための方法およびシステム 図1
  • 特許-光検出および測距(LIDAR)デバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定するための方法およびシステム 図2A
  • 特許-光検出および測距(LIDAR)デバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定するための方法およびシステム 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】光検出および測距(LIDAR)デバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/4861 20200101AFI20231117BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20231117BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20231117BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
G01S7/4861
G01S17/931
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
G08G1/16 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021564895
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 US2020028964
(87)【国際公開番号】W WO2020226886
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】16/404,499
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
(72)【発明者】
【氏名】マクロスキー,スコット
(72)【発明者】
【氏名】オスボルン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング-クルーズ,ニコラス
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-194481(JP,A)
【文献】特開2015-197329(JP,A)
【文献】国際公開第2018/31562(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
17/00 - 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
コンピューティングシステムによって、車両周辺の環境を走査するために光検出および測距(LIDAR)デバイスを操作することであって、前記操作することが、前記LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、前記LIDARデバイスが、前記検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されていることと、
前記コンピューティングシステムによって、前記車両が移動しているかまたは移動すると予想される、前記環境の特定の部分に基づいて、前記環境のオフターゲット部分を決定することと、
前記コンピューティングシステムによって、通信チャネルに関連する現在のまたは予想される帯域幅消費に基づいてドロッププロセスを実行することを決定することであって、前記ドロッププロセスは、(i)前記セットに含まれる1つ以上のデータ点を破棄すること、および/または(ii)前記LIDARデバイスによって放出される光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含むことと、
前記コンピューティングシステムによって、(i)前記環境の前記オフターゲット部分に基づいて前記ドロッププロセスのための戦略を決定し、(ii)前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することと、
前記セットに含まれる前記1つ以上のデータ点を破棄する場合、前記コンピューティングシステムによって、破棄される前記1つ以上のデータ点以外の前記セットに含まれる残りのデータ点を、前記通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記戦略を決定することが、前記車両のセンサシステムからの車載センサデータ、前記車両の外部の1つ以上のセンサからの外部センサデータ、前記車両の推進システムからの推進データ、前記車両の制御システムからの制御データ、前記コンピューティングデバイスからの他のデータ、前記車両周辺の前記環境を表す地図データ、前記車両周辺の前記環境内の交通量を示す交通量データ、前記LIDARデバイスの温度を示す温度データ、前記車両の温度を示す温度データ、または前記車両周辺の前記環境内の気象を示す気象データ、のうちの1つ以上に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドロッププロセスを実行することを決定することが、前記通信チャネルに関連する前記現在のまたは予想される帯域幅消費が閾値帯域幅消費以上であると決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ドロッププロセスのための前記戦略を決定することが、(i)破棄される前記1つ以上のデータ点、および/または(ii)放出が防止される光パルスを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドロッププロセスが、前記通信チャネルに関連する帯域幅の使用またはオーバーフィルを低減するか、または少なくとも維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記戦略を決定することが、検出された戻り光パルスの特性にさらに基づいており、
前記戦略を決定することが、1つ以上の事前定義された特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、前記セットに含まれる前記データ点のサブセットを識別することを含み、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することが、前記識別されたサブセットの前記データ点を破棄することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記識別することが、閾値強度よりも低いそれぞれの強度を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む前記識別されたサブセットに基づいて、前記サブセットを識別することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記戦略を決定することが、検出された戻り光パルスの特性にさらに基づいており、
前記戦略を決定することが、互いに実質的に同じ特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、前記セットに含まれる前記データ点のサブセットを識別することを含み、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することが、前記識別されたサブセットの前記データ点のすべてではなく一部を破棄することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記戦略を決定することが、識別プロセスを適用することを含み、前記識別プロセスが、(i)前記環境の前記オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、前記セットに含まれる前記データ点のサブセットを識別すること、および/または(ii)前記環境の前記オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別すること、を含み、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することが、前記識別されたサブセットの前記データ点の少なくとも一部を破棄すること、および/または前記識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記環境のオフターゲット部分を決定することが
なくとも前記特定の部分と異なる前記オフターゲット部分に基づいて、前記オフターゲット部分を決定すること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
コンピューティングシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されており、かつ前記1つ以上のプロセッサによって、
車両周辺の環境を走査するために光検出および測距(LIDAR)デバイスを操作することであって、前記操作することが、前記LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、前記LIDARデバイスが、前記検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されていることと、
前記車両が移動しているかまたは移動すると予想される、前記環境の特定の部分に基づいて、前記環境のオフターゲット部分を決定することと、
通信チャネルに関連する現在のまたは予想される帯域幅消費に基づいてドロッププロセスを実行することを決定することであって、前記ドロッププロセスは、(i)前記セットに含まれる1つ以上のデータ点を破棄すること、および/または(ii)前記LIDARデバイスによって放出される光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含むことと、
(i)前記環境の前記オフターゲット部分に基づいて前記ドロッププロセスのための戦略を決定し、(ii)前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することと、
前記セットに含まれる前記1つ以上のデータ点を破棄する場合、破棄される前記1つ以上のデータ点以外の前記セットに含まれる残りのデータ点を、前記通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信することと、
が実行可能なプログラム命令と、を備える、
コンピューティングシステム。
【請求項12】
車両であって、
光検出および測距(LIDAR)デバイスと、
コンピューティングシステムと、を備え、前記コンピューティングシステムが、
車両周辺の環境を走査するように前記LIDARデバイスを操作することであって、前記操作することが、前記LIDARデバイスに光パルスを放出させ、戻り光パルスを検出させることを含み、前記LIDARデバイスが、前記検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されていることと、
記車両が移動しているかまたは移動すると予想される、前記環境の特定の部分に基づいて、前記環境のオフターゲット部分を決定することと、
通信チャネルに関連する現在のまたは予想される帯域幅消費に基づいてドロッププロセスを実行することを決定することと、
前記環境の前記オフターゲット部分に基づいて前記ドロッププロセスのための戦略を決定することと、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することであって、前記ドロッププロセスが、(i)前記セットに含まれる1つ以上のデータ点を破棄すること、および/または(ii)前記LIDARデバイスによって放出される光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含むことと、を行うように構成されている、車両。
【請求項13】
記車両のスピードおよび/または方向の変更に基づいて、前特定の部分を決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ドロッププロセスを実行することを決定することが、前記通信チャネルに関連する前記現在のまたは予想される帯域幅消費が閾値帯域幅消費以上であると決定することを含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
前記戦略を決定することが、識別プロセスを適用することを含み、前記識別プロセスが、(i)前記環境の前記オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、前記セットに含まれる前記データ点のサブセットを識別すること、および/または(ii)前記環境の前記オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別することを含み、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することが、前記識別されたサブセットの前記データ点の少なくとも一部を破棄すること、および/または前記識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項16】
前記環境のオフターゲット部分を決定することが
なくとも前記特定の部分と異なる前記オフターゲット部分に基づいて、前記オフターゲット部分を決定すること
を含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項17】
記車両のスピードおよび/または方向の変更に基づいて、前特定の部分を決定する、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記ドロッププロセスを実行することを決定することが、破棄される前記1つ以上のデータ点以外の前記セットに含まれる残りのデータ点を送信する前記通信チャネルに関連する前記現在のまたは予想される帯域幅消費が閾値帯域幅消費以上であると決定することを含む、請求項12に記載の車両。
【請求項19】
前記戦略を決定することが、識別プロセスを適用することを含み、前記識別プロセスが、(i)前記環境の前記オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、前記セットに含まれる前記データ点のサブセットを識別すること、および/または(ii)前記環境の前記オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別すること、を含み、
前記決定された戦略に従って前記ドロッププロセスを実行することが、前記識別されたサブセットの前記データ点の少なくとも一部を破棄すること、および/または前記識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、を含む、請求項12に記載の車両。
【請求項20】
前記環境のオフターゲット部分を決定することが
なくとも前記特定の部分と異なる前記オフターゲット部分に基づいて、前記オフターゲット部分を決定すること
を含む、請求項12に記載の車両。
【請求項21】
記車両のスピードおよび/または方向の変更に基づいて、前特定の部分を決定する、請求項12に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月6日に出願された米国特許出願第16/404,499号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
車両は、人間の運転者からの入力がほとんどないか、または全くない状態であっても、車両が環境を通ってナビゲートする自律モードで動作するように構成され得る。そのような自律車両は、車両が動作する環境に関する情報を検出するように構成されている1つ以上のセンサを含み得る。このようなセンサには、光検出および測距(LIDAR)デバイスがある。
【0003】
一般に、LIDARデバイスは、シーン全体を走査して環境内の反射面を示す「点群」を組み立てながら、環境特徴までの距離を推定することに役立つことができる。点群の個々の点は、光パルスを放出し、環境内のオブジェクトから反射された戻り光パルスがあればそれを検出し、放出された光パルスと反射された戻り光パルスの検出との間の時間遅延に従ってオブジェクトまでの距離を測定することによって判定することができる。さらに、LIDARは一般に、シーン全体にわたって高速かつ繰り返し走査されて、シーン内の反射オブジェクトまでの距離に関する継続的なリアルタイム情報を提供することができるレーザ送信機などを含む。この配置により、各距離を測定しながら、測定された距離とレーザの向きを組み合わせることで、三次元位置を各戻り光パルスに関連付けることができる。このようにして、環境内の反射特徴の場所を示す点の三次元マップを、走査ゾーン全体に対して生成することができる。
【発明の概要】
【0004】
車両のLIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点を生成するように構成され得、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスは、帯域幅が制限された通信チャネルを介してそのようなデータ点を受信し得る。コンピューティングデバイスは、他の選択肢の中でもとりわけ、LIDARデバイスに搭載されたコンピューティングシステムからなど、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムからデータ点を受信することができる。コンピューティングデバイスは、データ点を使用して車両の環境内のオブジェクトを分析し、その分析に従って車両を操作することができる。
【0005】
状況によっては、LIDARデバイスは、所与の時間に帯域幅が制限された通信チャネルで送信され得るよりも多くのデータ点を生成する場合があり、これにより、特定のデータ点が、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスにタイムリーにまたは正常に送信されない場合がある。その結果、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスが車両の環境に関する関心のある情報を決定するために使用したであろう特定のデータ点を正常に受信しないことがある。
【0006】
本開示は、車両の環境に関する関心のある情報を決定するために使用できるデータ点をコンピューティングデバイスが受信することを依然として可能にしながら、通信チャネルに関連する輻輳を解決することに役立ち得る、LIDARデバイスに関連するドロッププロセスの戦略を決定することに関する。ドロッププロセスは、(i)検出された戻り光パルスを表すためにLIDARデバイスが生成した一部のデータ点を破棄すること、および/または(ii)まず特定のデータ点の生成を防止するために、LIDARデバイスによる一部の光パルスの放出を防止することを含み、それにより、帯域幅が制限された通信チャネルを介した送信のために設定された、そのようなデータ点の範囲を低減することに役立ち得る。さらに、ドロッププロセスの戦略は、破棄されるべきデータ点および/または放出が防止されるべき光パルスのインテリジェントな選択を容易にするために、車両周辺の環境、車両の動作、および/またはLIDARデバイスの動作の分析に基づいて決定され得る。
【0007】
したがって、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムは、決定された戦略に基づいてドロッププロセスに関与することができ、その結果、コンピューティングデバイスに有用なデータ点は保持されるか、そうでなければ生成され、コンピューティングデバイスにさほど有用でないデータ点は破棄されるか、そうでなければ生成されない。このようにして、ドロッププロセスは、通信チャネルに関連する輻輳を緩和するのに役立つことができる。
【0008】
一態様では、方法が開示される。本方法は、コンピューティングシステムによって、車両周辺の環境を走査するためにLIDARデバイスを操作することを含み得、操作することは、LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、LIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されており、コンピューティングシステムは、(i)セットの1つ以上のデータ点を破棄すること、または(ii)LIDARデバイスによって1つ以上の光パルスが放出されるのを防止すること、のうちの1つ以上を含むドロッププロセスに関与するように構成されており、かつコンピューティングシステムは、破棄される1つ以上のデータ点以外のセットの残りのデータ点を、通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信するようにさらに構成されている。本方法はまた、コンピューティングシステムによって、車両周辺の1つ以上の環境、車両の動作、またはLIDARデバイスの動作に関連付けられた情報を決定することを含み得る。本方法は、コンピューティングシステムによって、ドロッププロセスに関与するためのトリガを検出することを追加で含み得る。本方法は、トリガの検出に応答して、コンピューティングシステムが、(i)決定された情報を基礎として使用してドロッププロセスの戦略を決定すること、および(ii)決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与すること、をさらに含み得る。
【0009】
別の態様では、コンピューティングシステムが開示される。本コンピューティングシステムは、1つ以上のプロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納され、かつ動作を行うために1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令と、を含み得る。具体的には、プログラム命令は、車両周辺の環境を走査するためにLIDARデバイスを操作するように実行可能であり得、操作することは、LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、LIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されており、コンピューティングシステムは、(i)セットの1つ以上のデータ点を破棄すること、または(ii)LIDARデバイスによって1つ以上の光パルスが放出されるのを防止すること、のうちの1つ以上を含むドロッププロセスに関与するように構成されており、かつコンピューティングシステムは、破棄される1つ以上のデータ点以外のセットの残りのデータ点を、通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信するようにさらに構成されている。また、プログラム命令は、車両周辺の環境、車両の動作、またはLIDARデバイスの動作のうちの1つ以上に関連付けられた情報を決定するために実行可能であり得る。加えて、プログラム命令は、ドロッププロセスに関与するためのトリガを検出するために実行可能であり得る。さらに、プログラム命令は、トリガの検出に応答して、(i)決定された情報を基礎として使用してドロッププロセスの戦略を決定すること、および(ii)決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与すること、を実行可能であり得る。
【0010】
さらに別の態様では、車両が開示される。本車両は、LIDARデバイス、および動作を行うように構成されたコンピューティングシステムを含み得る。具体的には、本コンピューティングシステムは、車両周辺の環境を走査するようにLIDARデバイスを操作するように構成され得、操作することは、LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、LIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されている。また、本コンピューティングシステムは、車両周辺の環境、車両の動作、またはLIDARデバイスの動作のうちの1つ以上に関連付けられた情報を決定するように構成され得る。加えて、本コンピューティングシステムは、ドロッププロセスに関与するためのトリガを検出するように構成され得る。さらに、本コンピューティングシステムは、トリガの検出に応答して、決定された情報を基礎として使用してドロッププロセスの戦略を決定し、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与するように構成され得、ここでドロッププロセスは、(i)セットの1つ以上のデータ点を破棄すること、または(ii)LIDARデバイスによる1つ以上の光パルスの放出を防止すること、のうちの1つ以上を含む。
【0011】
さらに別の態様では、システムが提供される。本システムは、車両周辺の環境を走査するためにLIDARデバイスを操作する手段を含み得、操作することは、LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、LIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されており、コンピューティングシステムは、(i)セットの1つ以上のデータ点を破棄すること、または(ii)LIDARデバイスによって1つ以上の光パルスが放出されるのを防止すること、のうちの1つ以上を含むドロッププロセスに関与するように構成されており、かつコンピューティングシステムは、破棄される1つ以上のデータ点以外のセットの残りのデータ点を、通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信するようにさらに構成されている。本システムはまた、車両周辺の環境、車両の動作、またはLIDARデバイスの動作のうちの1つ以上に関連付けられた情報を決定するための手段を含み得る。本システムは、ドロッププロセスに関与するためのトリガを検出するための手段を追加で含み得る。本システムは、トリガの検出に応答して、(i)決定された情報を基礎として使用してドロッププロセスの戦略を決定し、(ii)決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与するための手段をさらに含み得る。
【0012】
これらの態様および他の態様、利点、および代替物は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。さらに、本概要の項および本文献の他の場所で提供される記載は、限定ではなく例として請求される主題を例解することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的な実施形態による、車両を例解する機能ブロック図である。
図2A】例示的な実施形態による、車両の物理的構成の例解図である。
図2B】例示的な実施形態による、車両の物理的構成の例解図である。
図2C】例示的な実施形態による、車両の物理的構成の例解図である。
図2D】例示的な実施形態による、車両の物理的構成の例解図である。
図2E】例示的な実施形態による、車両の物理的構成の例解図である。
図3】例示的な実施形態による、自律車両に関連する様々なコンピューティングシステム間の無線通信の概念例解図である。
図4】例示的な実施形態による、LIDARデバイスの簡素化されたブロック図である。
図5】例示的な実施形態による、動的に決定された戦略に基づいてドロッププロセスを実行することができる例示的な配置の例解図である。
図6】例示的な実施形態による、動的に決定された戦略に基づいてドロッププロセスに関与するための例示的なシナリオの例解図である。
図7】例示的な実施形態による、方法の例解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な方法およびシステムが本明細書で企図されている。本明細書において記載された任意の例示的な実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。本明細書において記載された例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。開示されるシステムおよび方法の特定の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、組み合わせることができ、これらの構成のすべてが、本明細書において企図されることは容易に理解されよう。
【0015】
さらに、図に示されている特定の配置は、限定的であると見なされるべきではない。他の実施形態は、所与の図に示される各要素をより多く、またはより少なく含むことができることを理解されたい。さらに、例解される要素のうちのいくつかは、組み合わせることができるか、または省略することができる。なおさらに、例示的な実施形態は、図に例解されていない要素を含み得る。
【0016】
I.概要
LIDARデバイスは、シーン全体を走査して環境内の表面の反射性を示す「点群」を組み立てながら、環境特徴までの距離を推定することができる。点群の個々の点は、光パルスを放出し、環境内のオブジェクトから反射された戻り光パルスがあればそれを検出し、放出された光パルスと反射された戻り光パルスの検出との間の時間遅延に従ってオブジェクトまでの距離を測定することによって決定することができる。
【0017】
実際には、LIDARデバイスは様々な目的に使用できる。例として、車両は、人間の運転者からの入力がほとんどないか、または全くない状態であっても、車両が環境を通ってナビゲートする自律モードで動作するように構成され得る。そして、そのような自律車両は、(i)車両の環境に関する情報を生成するように構成されたLIDARデバイス、および(ii)LIDARデバイスからの情報を使用するコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0018】
より具体的には、車両のコンピューティングデバイスは、検出された戻り光パルスを表すために、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を受信することができる。このコンピューティングデバイスは、データ点を使用して車両の環境内のオブジェクトに関する情報を決定することができ、場合によってはその情報に従って車両を操作することもできる。さらに、車両のコンピューティングデバイスは、有線または無線通信チャネルなどを介して、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステム(例えば、LIDARデバイスに搭載されたコンピューティングシステム)からデータ点を受信することができる。
【0019】
しかしながら、残念なことには、通信チャネルの帯域幅が限られている場合があり、様々な問題につながる恐れがある。例えば、所与の時間にLIDARデバイスによって生成されたデータ点の数が通信チャネルの利用可能な合計帯域幅を超える場合、そのようなシナリオが、「オーバーフィル」状態につながることがあり、一部のデータ点はタイムリーかつ正常にコンピューティングデバイスに送信され、他のデータ点はタイムリーおよび/または正常にコンピューティングデバイスに送信されない。その結果、車両のコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスが車両の環境に関する関心のある情報を決定するために使用したであろう特定のデータ点を受信しないことになり、それにより自律モードでの車両の円滑な操作に対する課題および/または他の課題を提示し得る。
【0020】
このような課題を克服することに役立つために、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムがドロッププロセスに関与し得る。ドロッププロセスは、(i)検出された戻り光パルスを表すためにLIDARデバイスが生成した一部のデータ点を破棄すること、および/または(ii)まず特定のデータ点の生成を防止するために、LIDARデバイスによる一部の光パルスの放出を防止することを含み得る。その結果、ドロッププロセスは、通信チャネルを介した送信のために設定されたそのようなデータ点の範囲を低減し、それによって帯域幅が制限された通信チャネルのオーバーフィル状態を回避または最小化することに役立つ。
【0021】
このようなドロッププロセスは有益ではあるが、インテリジェントな戦略(例えば、あまり有用ではないデータ点を破棄し、より有用なデータ点を保持する戦略)なしでドロッププロセスを実行すると、ドロッププロセスに欠陥が生じる可能性がある。例えば、LIDARデバイスのコンピューティングシステムがインテリジェントな戦略なしでドロッププロセスに関与する場合、コンピューティングシステムは、コンピューティングデバイスが車両の環境に関して関心のある情報を決定するために使用したであろうデータ点を破棄および/またはその生成を防止することになる。さらに、LIDARデバイスのコンピューティングシステムがインテリジェントな戦略なしにドロッププロセスに関与する場合、コンピューティングシステムは、通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに、関心のある情報を含まないかもしれないデータ点を送信し、それによって通信チャネルの帯域幅消費を不必要に増加させることがある。
【0022】
本開示によれば、コンピューティングシステムは、ドロッププロセスの戦略を動的に決定することができる。すなわち、インテリジェントな戦略なしに、または車両の変化する環境および/もしくは動作状態を考慮せずに静的に、データ点を破棄および/またはその生成を防止するのではなく、コンピューティングシステムは、車両周辺の環境、車両の動作、および/またはLIDARデバイスの動作の分析に基づいてドロッププロセスの戦略を決定することができる。コンピューティングシステムは、そのような分析を実行して、破棄されるデータ点および/または放出が防止されるべき光パルスを効果的に選択することができる。さらに、コンピューティングシステムは、そのような分析を継続的にまたは時々実行することができ、それにより、コンピューティングシステムは、必要に応じて、時間の経過とともにドロッププロセスの戦略を調整することができる。
【0023】
このように、コンピューティングシステムがインテリジェント戦略(例えば、車両周辺の環境、車両の動作、および/またはLIDARデバイスの動作を考慮に入れる戦略)に基づいてドロッププロセスに関与するとき、コンピューティングシステムは、車両のコンピューティングデバイスにとってあまり有用でないデータ点を破棄および/またはその生成を防止し、車両のコンピューティングデバイスにとってより有用なデータ点を保持および/または他の方法でその生成を確実にし、それにより通信チャネルに関連する輻輳を緩和することに役立つ。
【0024】
したがって、本開示は、ドロッププロセスの戦略を決定するための様々な方法およびシステムを企図し、それによりLIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムは、他の利点の中でもとりわけ本明細書に記載の様々な利点を提供するために、戦略に基づいてドロッププロセスに関与することができる。
【0025】
II.例示的なシステム
以下の説明および添付図面は、様々な例示的な実施形態の特徴を明らかにする。提供される実施形態は例としてのものであり、限定することを意図するものではない。したがって、図面の寸法は必ずしも縮尺通りではない。
【0026】
ここで、本開示の範囲内の例示的なシステムをより詳細に説明する。例示的なシステムは、自動車に実装され得るか、または自動車の形態を採り得る。しかしながら、例示的なシステムはまた、乗用車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、ブルドーザー、ボート、スノーモービル、航空機、レクリエーション車両、遊園地車両、農機具、建設機械、トラム、ゴルフカート、電車、トロリー、ロボットデバイスなどの、他の車両に実装され得るか、または他の車両の形態を採り得る。他の車両も同様に可能である。さらに、いくつかの実施形態では、例示的なシステムは、車両を含まない場合がある。
【0027】
ここで図を参照すると、図1は、自律モードで完全にまたは部分的に動作するように構成され得る、例示的な車両100を例解する機能ブロック図である。より具体的には、車両100は、コンピューティングシステムから制御命令を受信することを通して、人間の相互作用なしに自律モードで動作し得る。自律モードでの動作の一部として、車両100は、センサを使用して、周囲環境のオブジェクトを検出し、可能であれば識別して、安全なナビゲーションを可能にし得る。いくつかの実施形態では、車両100は、運転者が車両100の動作を制御することを可能にするサブシステムも含み得る。
【0028】
図1に示されるように、車両100は、推進システム102、センサシステム104、制御システム106、1つ以上の周辺機器108、電源110、コンピュータシステム112(コンピューティングシステムとも称され得る)、データ記憶装置114、およびユーザインターフェース116などの様々なサブシステムを含み得る。他の例では、車両100は、各々が多数の要素を含み得る、サブシステムをより多くまたはより少なく含み得る。車両100のサブシステムおよび構成要素は、様々な方法で相互接続され得る。さらに、本明細書で説明する車両100の機能は、追加の機能的または物理的構成要素に分割するか、または実施形態内でより少ない機能的もしくは物理的構成要素に組み合わせることができる。例えば、制御システム106およびコンピュータシステム112は、様々な動作に従って車両100を操作する単一のシステムに組み合わされ得る。
【0029】
推進システム102は、車両100に動力付き運動を提供するように動作可能な1つ以上の構成要素を含み得、他の可能な構成要素の中でも特に、エンジン/モータ118、エネルギー源119、トランスミッション120、および車輪/タイヤ121を含み得る。例えば、エンジン/モータ118は、エネルギー源119を機械的エネルギーに変換するように構成され得、他の可能な選択肢の中でも特に、内燃エンジン、電気モータ、蒸気エンジン、またはスターリングエンジンのうちの1つまたは組み合わせに対応し得る。例えば、いくつかの実施形態では、推進システム102は、ガソリンエンジンおよび電気モータなどの多数の種類のエンジンおよび/またはモータを含み得る。
【0030】
エネルギー源119は、完全にまたは部分的に、車両100の1つ以上のシステム(例えば、エンジン/モータ118)に動力を供給し得るエネルギー源を表す。例えば、エネルギー源119は、ガソリン、ディーゼル、他の石油系燃料、プロパン、他の圧縮ガス系燃料、エタノール、ソーラパネル、電池、および/または他の電力源に対応することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー源119は、燃料タンク、電池、コンデンサ、および/またはフライホイールの組み合わせを含み得る。
【0031】
トランスミッション120は、エンジン/モータ118からの機械動力を、車輪/タイヤ121および/または車両100の他の可能なシステムに伝達し得る。したがって、トランスミッション120は、他の可能な構成要素の中でも特に、ギアボックス、クラッチ、ディファレンシャル、および駆動シャフトを含み得る。駆動シャフトは、1つ以上の車輪/タイヤ121に接続する車軸を含み得る。
【0032】
車両100の車輪/タイヤ121は、例示的な実施形態内で様々な構成を有し得る。例えば、車両100は、他の可能な構成の中でも特に、一輪車、自転車/オートバイ、三輪車、または車/トラック四輪形式で存在し得る。したがって、車輪/タイヤ121は、様々な方法で車両100に接続することができ、金属およびゴムなどの異なる材料で存在することができる。
【0033】
センサシステム104は、他の可能なセンサの中でも特に、全地球測位システム(GPS)122、慣性計測ユニット(IMU)124、レーダ126、レーザ距離計/LIDAR128、カメラ130、ステアリングセンサ123、およびスロットル/ブレーキセンサ125などの様々な種類のセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサシステム104は、車両100の内部システムをモニタするように構成されたセンサ(例えば、Oモニタ、燃料計、エンジンオイル温度、ブレーキ摩耗)も含み得る。
【0034】
GPS122は、地球に対する車両100の位置に関する情報を提供するように動作可能なトランシーバを含み得る。IMU124は、1つ以上の加速度計および/またはジャイロスコープを使用する構成を有し得、慣性加速度に基づいて車両100の位置および向きの変化を感知し得る。例えば、IMU124は、車両100が静止しているかまたは動いている間に車両100のピッチおよび偏揺れを検出することができる。
【0035】
レーダ126は、オブジェクトの速さおよび進行方向を含めて、無線信号を使用して、車両100のローカル環境内のオブジェクトを感知するように構成された1つ以上のシステムを表すことができる。したがって、レーダ126は、無線信号を送受信するように構成されたアンテナを含み得る。いくつかの実施形態では、レーダ126は、車両100の周囲環境の測定値を得るように構成された取り付け可能なレーダシステムに対応し得る。
【0036】
レーザ距離計/LIDAR128は、他のシステム構成要素の中でも特に、1つ以上のレーザ源、レーザスキャナ、および1つ以上の検出器を含み得、コヒーレントモード(例えば、ヘテロダイン検出を使用)または非コヒーレント検出モードで動作し得る。いくつかの実施形態では、レーザ距離計/LIDAR128の1つ以上の検出器には、1つ以上の光検出器が含まれ得る。このような光検出器は、特に高感度検出器(例えば、アバランシェフォトダイオード(APD))であり得る。いくつかの例では、このような光検出器は、単一光子(例えば、単一光子アバランシェダイオード(SPAD))を検出することさえ可能であり得る。また、このような光検出器は、アレイに配置(例えば、直列の電気接続によって)され得る(例えば、シリコン光電子倍増管(SiPM)のように)。
【0037】
カメラ130は、車両100の環境の画像をキャプチャするように構成された1つ以上のデバイス(例えば、スチルカメラまたはビデオカメラ)を含み得る。
【0038】
ステアリングセンサ123は、車両100のステアリング角度を感知し得、これは、ステアリングホイールの角度を測定すること、またはステアリングホイールの角度を表す電気信号を測定することを含み得る。いくつかの実施形態では、ステアリングセンサ123は、車両100の前方軸に対する車輪の角度を検出するなど、車両100の車輪の角度を測定し得る。ステアリングセンサ123はまた、ステアリングホイールの角度、ステアリングホイールの角度を表す電気信号、および車両100の車輪の角度の組み合わせ(またはサブセット)を測定するように構成され得る。
【0039】
スロットル/ブレーキセンサ125は、車両100のスロットル位置またはブレーキ位置のいずれかの位置を検出し得る。例えば、スロットル/ブレーキセンサ125は、アクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの両方の角度を測定し得、または、例えば、アクセルペダル(スロットル)の角度および/もしくはブレーキペダルの角度を表すことができる電気信号を測定し得る。スロットル/ブレーキセンサ125はまた、エンジン/モータ118(例えば、バタフライバルブまたはキャブレタ)にエネルギー源119の変調を提供する物理的機構の一部を含み得る、車両100のスロットルボディの角度を測定し得る。加えて、スロットル/ブレーキセンサ125は、車両100のロータにかかる1つ以上のブレーキパッドの圧力、またはアクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの角度、アクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの角度を表す電気信号、スロットルボディの角度、ならびに少なくとも1つのブレーキパッドが車両100のロータに加える圧力の組み合わせ(またはサブセット)、を測定し得る。他の実施形態では、スロットル/ブレーキセンサ125は、スロットルまたはブレーキペダルなどの車両のペダルに加えられた圧力を測定するように構成され得る。
【0040】
制御システム106は、ステアリングユニット132、スロットル134、ブレーキユニット136、センサ融合アルゴリズム138、コンピュータビジョンシステム140、ナビゲーション/経路探索システム142、および障害物回避システム144など、車両100をナビゲートすることを支援するように構成された構成要素を含み得る。より具体的には、ステアリングユニット132は、車両100の進行方向を調整するように動作可能であり得、スロットル134は、エンジン/モータ118の動作速度を制御して、車両100の加速を制御し得る。ブレーキユニット136は、車両100を減速することができ、これは、摩擦を使用して車輪/タイヤ121を減速することを含み得る。いくつかの実施形態では、ブレーキユニット136は、車両100の1つ以上のシステムによるその後の使用のために、車輪/タイヤ121の運動エネルギーを電流に変換し得る。
【0041】
センサ融合アルゴリズム138は、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、またはセンサシステム104からのデータを処理することができる他のアルゴリズムを含み得る。いくつかの実施形態では、センサ融合アルゴリズム138は、個々のオブジェクトおよび/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、ならびに/または所与の状況内の可能性のある影響の評価など、着信センサデータに基づくアセスメントを提供し得る。
【0042】
コンピュータビジョンシステム140は、オブジェクト、環境オブジェクト(例えば、交通信号、車道境界など)、および障害物を決定しようとする際に画像を処理し、分析するように動作可能なハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。したがって、コンピュータビジョンシステム140は、オブジェクト認識、Structure From Motion(SFM)、ビデオ追跡、および、例えば、オブジェクトを認識し、環境をマッピングし、オブジェクトを追跡し、オブジェクトのスピードを推定するためなどにコンピュータビジョンで使用される他のアルゴリズムを使用し得る。
【0043】
ナビゲーション/経路探索システム142は、車両100の運転経路を決定することができ、これは、動作中にナビゲーションを動的に調整することを含み得る。したがって、ナビゲーション/経路探索システム142は、数ある情報源の中でも特に、センサ融合アルゴリズム138、GPS122、および地図からのデータを使用して、車両100をナビゲートし得る。障害物回避システム144は、センサデータに基づいて障害となり得るものを評価し、車両100のシステムに障害となり得るものを回避させるかまたは別の方法で切り抜けさせ得る。
【0044】
図1に示されるように、車両100はまた、無線通信システム146、タッチスクリーン148、マイクロフォン150、および/またはスピーカ152などの周辺機器108を含み得る。周辺機器108は、ユーザがユーザインターフェース116と相互作用するための制御装置または他の要素を提供し得る。例えば、タッチスクリーン148は、車両100のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェース116はまた、タッチスクリーン148を介してユーザからの入力を受け入れ得る。周辺機器108はまた、車両100が、他の車両のデバイスなどのデバイスと通信することを可能にし得る。
【0045】
無線通信システム146は、1つ以上のデバイスと直接または通信ネットワークを介して無線で通信し得る。例えば、無線通信システム146では、符号分割多元接続(CDMA)、進化データ最適化(EVDO)、グローバル移動体通信システム(GSM)/汎用パケット無線サービス(GPRS)などの3Gセルラ通信、またはワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)もしくはロングタームエボリューション(LTE)などの4Gセルラ通信を使用する可能性がある。代替的に、無線通信システム146は、WiFiまたは他の可能な接続を使用して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信し得る。無線通信システム146はまた、例えば、赤外線リンク、Bluetooth、またはZigBeeを使用してデバイスと直接通信し得る。様々な車両通信システムなどの他の無線プロトコルが、本開示の文脈内で可能である。例えば、無線通信システム146は、車両および/または道路沿いの給油所間の公共および/または私的データ通信を含み得る1つ以上の専用狭域通信(DSRC)デバイスを含み得る。
【0046】
車両100は、構成要素に電力を供給するための電源110を含み得る。電源110は、いくつかの実施形態では、再充電可能なリチウムイオンまたは鉛蓄電池を含み得る。例えば、電源110は、電力を提供するように構成された1つ以上の電池を含み得る。車両100はまた、他の種類の電源を使用し得る。例示的な実施形態では、電源110とエネルギー源119とが、統合されて単一のエネルギー源になり得る。
【0047】
車両100は、本明細書に記載の動作などの動作を行うためのコンピュータシステム112も含み得る。したがって、コンピュータシステム112は、データ記憶装置114などの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令115を実行するように動作可能な少なくとも1つのプロセッサ113(少なくとも1つのマイクロプロセッサが含まれ得る)を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、車両100の個々の構成要素またはサブシステムを分散方式で制御するように機能し得る複数のコンピューティングデバイスを表し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、データ記憶装置114は、図1に関連して上述したものを含めて、車両100の様々な機能を実行するための、プロセッサ113によって実行可能な命令115(例えば、プログラム論理)を含み得る。データ記憶装置114は、推進システム102、センサシステム104、制御システム106、および周辺機器108のうちの1つ以上にデータを送信する、それからデータを受信する、それと相互作用する、かつ/またはそれを制御するための命令を含む追加の命令も含み得る。
【0049】
命令115に加えて、データ記憶装置114は、他の情報の中でもとりわけ、道路地図、経路情報などのデータを格納し得る。そのような情報は、自律モード、半自律モード、および/または手動モードでの車両100の動作中に、車両100およびコンピュータシステム112によって使用され得る。
【0050】
車両100は、車両100のユーザに情報を提供するか、または車両100のユーザから入力を受信するためのユーザインターフェース116を含み得る。ユーザインターフェース116は、タッチスクリーン148上に表示され得るコンテンツおよび/もしくはインタラクティブ画像のレイアウトを制御することができるか、または制御を可能にし得る。さらに、ユーザインターフェース116は、無線通信システム146、タッチスクリーン148、マイクロフォン150、およびスピーカ152などの周辺機器108のセット内の1つ以上の入力/出力デバイスを含むことができる。
【0051】
コンピュータシステム112は、様々なサブシステム(例えば、推進システム102、センサシステム104、および制御システム106)ならびにユーザインターフェース116から受信した入力に基づいて、車両100の機能を制御し得る。例えば、コンピュータシステム112は、推進システム102および制御システム106によって生成された出力を推定するために、センサシステム104からの入力を利用し得る。実施形態に応じて、コンピュータシステム112は、車両100およびそのサブシステムの多くの態様をモニタするように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、センサシステム104から受信した信号に基づいて、車両100の一部またはすべての機能を無効にし得る。
【0052】
車両100の構成要素は、それらのそれぞれのシステム内またはシステム外の他の構成要素と相互接続して機能するように構成され得る。例えば、例示的な実施形態では、カメラ130は、自律モードで動作している車両100の環境の状態に関する情報を表すことができる複数の画像をキャプチャすることができる。環境の状態には、車両が動作している道路のパラメータが含まれ得る。例えば、コンピュータビジョンシステム140は、道路の複数の画像に基づいて、傾斜(勾配)または他の特徴を認識することができ得る。加えて、GPS122とコンピュータビジョンシステム140によって認識された特徴との組み合わせは、特定の道路パラメータを決定するために、データ記憶装置114に格納された地図データとともに使用され得る。さらに、レーダ126がまた、車両の周囲に関する情報を提供し得る。
【0053】
言い換えると、様々なセンサ(入力指標センサおよび出力指標センサと呼ぶことができる)とコンピュータシステム112との組み合わせが相互作用して、車両を制御するために提供される入力の指標または車両の周囲の指標を提供することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、無線システム以外のシステムによって提供されるデータに基づいて、様々なオブジェクトに関する判定を行い得る。例えば、車両100は、車両の視野内のオブジェクトを感知するように構成されたレーザまたは他の光学センサを有し得る。コンピュータシステム112は、様々なセンサからの出力を使用して、車両の視野内のオブジェクトに関する情報を判断し得、様々なオブジェクトまでの距離および方向の情報を判断し得る。コンピュータシステム112はまた、様々なセンサからの出力に基づいて、オブジェクトが望ましいか望ましくないかを判定し得る。
【0055】
図1は、車両100の様々な構成要素(すなわち、無線通信システム146、コンピュータシステム112、データ記憶装置114、およびユーザインターフェース116)を車両100に統合されているものとして示しているが、これらの構成要素のうちの1つ以上は、車両100とは別個に取り付けるかまたは関連付けることができる。例えば、データ記憶装置114が、部分的または完全に、車両100とは別個に存在し得る。したがって、車両100は、別個にまたはともに位置し得るデバイス要素の形態で提供され得る。車両100を構成するデバイス要素は、有線および/または無線方式でともに通信可能に結合され得る。
【0056】
図2A図2Eは、図1を参照して車両100に関連して説明された機能の一部またはすべてを含み得る例示的な車両200を示す。車両200は、例解の目的で、バンとして図2A図2Eに例解されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。例えば、車両200は、トラック、乗用車、セミトレーラートラック、オートバイ、ゴルフカート、オフロード車、または農業用車両などを表し得る。
【0057】
例示的な車両200は、センサユニット202、第1のLIDARユニット204、第2のLIDARユニット206、第1のレーダユニット208、第2のレーダユニット210、第1のLIDAR/レーダユニット212、第2のLIDAR/レーダユニット214、ならびに車両200上で、レーダユニット、LIDARユニット、レーザ距離計ユニット、および/または他の種類の1つ以上のセンサが位置し得る2つの追加の場所216、218を含む。第1のLIDAR/レーダユニット212および第2のLIDAR/レーダユニット214の各々は、LIDARユニット、レーダユニット、またはその両方の形態を採り得る。
【0058】
さらに、例示的な車両200は、図1の車両100に関連して説明された構成要素のいずれかを含み得る。第1および第2のレーダユニット208、210ならびに/または第1および第2のLIDARユニット204、206は、障害となり得るものがあるか周囲環境を能動的に走査することができ、車両100のレーダ126および/またはレーザ距離計/LIDAR128と同様のものであり得る。
【0059】
センサユニット202は、車両200の上部に取り付けられ、車両200を取り囲む環境に関する情報を検出し、情報の表示を出力するように構成された1つ以上のセンサを含む。例えば、センサユニット202は、カメラ、レーダ、LIDAR、距離計、および音響センサの任意の組み合わせを含み得る。センサユニット202は、センサユニット202内の1つ以上のセンサの向きを調整するように動作可能であり得る1つ以上の可動マウントを含み得る。一実施形態では、可動マウントは、車両200の周囲の各方向から情報を得るようにセンサを走査することができる回転プラットフォームを含み得る。別の実施形態では、センサユニット202の可動マウントは、角度および/または方位の特定の範囲内で走査的に移動可能であり得る。センサユニット202は、例えば、自動車のルーフの上に取り付けられ得るが、他の取り付け場所も可能である。
【0060】
加えて、センサユニット202のセンサは、様々な場所に分散され得、単一の場所に併置される必要はない。いくつかの考えられ得るセンサタイプおよび取り付け場所には、2つの追加の場所216、218が含まれる。さらに、センサユニット202の各センサは、センサユニット202の他のセンサとは独立して移動または走査されるように構成され得る。
【0061】
例示的な構成では、1つ以上のレーダスキャナ(例えば、第1および第2のレーダユニット208、210)が、電波反射オブジェクトがあるか、車両200の背面付近の環境を能動的に走査するように、車両200の後部付近に位置し得る。同様に、第1のLIDAR/レーダユニット212および第2のLIDAR/レーダユニット214が、車両200の正面付近の環境を能動的に走査するように、車両200の正面付近に取り付けられ得る。レーダスキャナは、例えば、車両200の他の特徴によって塞がれることなく、車両200の前進路を含む領域を照らすのに好適な場所に位置付けられ得る。例えば、レーダスキャナは、フロントバンパ、フロントヘッドライト、カウル、および/またはボンネットなどに埋め込まれ、かつ/またはその中かその近くに取り付けられ得る。また、1つ以上の追加のレーダ走査デバイスが、リアバンパ、サイドパネル、ロッカーパネル、および/または車台などに、またはその近くにこのようなデバイスを含むことなどによって、電波反射オブジェクトがあるか、車両200の側面および/または後部を能動的に走査するように位置し得る。
【0062】
図2A図2Eには示されていないが、車両200は、無線通信システムを含み得る。無線通信システムは、車両200の外部または内部のデバイスと通信するように構成され得る無線送信機および無線受信機を含み得る。具体的には、無線通信システムは、例えば、車両通信システムまたは道路給油所において、他の車両および/またはコンピューティングデバイスと通信するように構成されたトランシーバを含み得る。このような車両通信システムの例には、DSRC、無線周波数識別(RFID)、およびインテリジェントトランスポートシステム向けに提案された他の通信規格が含まれる。
【0063】
車両200は、場合によっては、センサユニット202の内側の場所にカメラを含み得る。カメラは、車両200の環境の複数の画像をキャプチャするように構成されている、スチルカメラ、ビデオカメラなどの感光性機器であり得る。この目的のために、カメラは、可視光を検出するように構成され得、追加的または代替的に、赤外光または紫外光などのスペクトルの他の部分からの光を検出するように構成され得る。カメラは、二次元検出器であり得、任意選択で、三次元空間の感度範囲を有し得る。いくつかの実施形態では、カメラは、例えば、カメラから環境内のいくつかの点までの距離を示す二次元画像を生成するように構成された範囲検出器を含み得る。この目的のために、カメラは、1つ以上の範囲検出技法を使用し得る。例えば、カメラは、構造化光技法を使用することによって範囲情報を提供することができ、この構造化光技法では、車両200が、格子またはチェッカーボードパターンなどの所定の光パターンで環境内のオブジェクトを照らし、またカメラを使用して、環境周囲からの所定の光パターンの反射を検出する。反射光パターンの歪みに基づいて、車両200は、オブジェクト上の点までの距離を決定し得る。所定の光パターンは、赤外光、またはそのような測定に好適な他の波長の放射線で構成され得る。いくつかの例では、カメラは、車両200のフロントガラスの内側に取り付けられ得る。具体的には、カメラは、車両200の向きに対して前方視から画像をキャプチャするように位置付けられ得る。カメラの他の取り付け場所および視野角もまた、車両200の内側または外側のいずれかで使用され得る。また、カメラは、調整可能な視野を提供するように動作可能な関連する光学素子を有し得る。さらにまた、カメラは、パン/チルト機構を介してなど、カメラの指向角を変えるように、可動マウントを用いて車両200に取り付けられ得る。
【0064】
車両200は、これら示されたものに加えて、またはその代わりに1つ以上の他の構成要素を含み得る。追加の構成要素は、電気的または機械的機能を含み得る。
【0065】
車両200の制御システムは、複数の可能な制御戦略の中から制御戦略に従って車両200を制御するように構成され得る。制御システムは、車両200に結合されたセンサ(車両200上または車両外)から情報を受信し、その情報に基づいて制御戦略(および関連する運転挙動)を修正し、修正された制御戦略に従って車両200を制御するように構成され得る。制御システムは、センサから受信した情報を監視し、運転状態を継続的に評価するようにさらに構成され得、また、運転状態の変化に基づいて、制御戦略および運転挙動を修正するように構成され得る。
【0066】
図3は、例示的な実施形態による、自律車両に関連する様々なコンピューティングシステム間の無線通信の概念例解図である。特に、無線通信は、ネットワーク304Aを介して、リモートコンピューティングシステム302と車両200との間で発生し得る。また、無線通信は、ネットワーク304Bを介して、サーバコンピューティングシステム306と車両200との間で発生し得る。さらに、無線通信は、サーバコンピューティングシステム306とリモートコンピューティングシステム302との間で(例えば、ネットワーク304A、ネットワーク304B、および/または別のネットワークを介して)発生し得る。
【0067】
車両200は、場所間で乗客またはオブジェクトを輸送することができる様々な種類の車両に対応することができ、上で考察される車両のうちの任意の1つ以上の形態を採り得る。場合によっては、車両200は、制御システムがセンサ測定値を使用して目的地間で車両200を安全にナビゲートすることを可能にする自律モードで動作し得る。自律モードで動作しているとき、車両200は、乗客の有無にかかわらずナビゲートし得る。その結果、車両200は、所望の目的地間で乗客を拾い、降ろし得る。
【0068】
リモートコンピューティングシステム302は、本明細書に記載のものを含むがこれに限定されない、リモートアシスタンス技法に関係する任意の種類のデバイスを表し得る。例の中で、リモートコンピューティングシステム302は、(i)車両200に関係する情報を受信し、(ii)インターフェースを提供し、それを通して、次に人間のオペレータが情報に気付き、情報に関係する応答を入力することができ、(iii)応答を車両200に、または他のデバイスに送信する、ように構成された任意の種類のデバイスを表し得る。リモートコンピューティングシステム302は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話(例えば、スマートフォン)、および/またはサーバなどの、様々な形態を採り得る。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム302は、ネットワーク構成でともに動作する多数のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0069】
リモートコンピューティングシステム302は、車両200のサブシステムおよび構成要素と同様または同一の1つ以上のサブシステムおよび構成要素を含み得る。最低でも、リモートコンピューティングシステム302は、本明細書で説明される様々な動作を行うように構成されたプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングシステム302は、タッチスクリーンおよびスピーカなどの入力/出力デバイスを含むユーザインターフェースも含み得る。他の例も、同様に可能である。
【0070】
ネットワーク304Aは、リモートコンピューティングシステム302と車両200との間の無線通信を可能にするインフラストラクチャを表し、ネットワーク304Bは、サーバコンピューティングシステム306と車両200との間の無線通信を可能にするインフラストラクチャを表す。いくつかの実装形態では、ネットワーク304はまた、サーバコンピューティングシステム306とリモートコンピューティングシステム302との間、および/またはサーバコンピューティングシステム306と車両200との間の無線通信を可能にすることができる。追加的または代替的に、いくつかの実装形態では、ネットワーク304Bはまた、サーバコンピューティングシステム306とリモートコンピューティングシステム302との間、および/またはリモートコンピューティングシステム302と車両200との間の無線通信を可能にすることができる。
【0071】
リモートコンピューティングシステム302の位置は、例の範囲内で変わり得る。例えば、リモートコンピューティングシステム302は、ネットワーク304Aを介した無線通信を有する車両200から遠隔位置を有し得る。別の例では、リモートコンピューティングシステム302は、車両200とは別個であるが、人間のオペレータが車両200の乗客または運転者と相互作用することができる、車両200内のコンピューティングデバイスに対応し得る。いくつかの例では、リモートコンピューティングシステム302は、車両200の乗客によって操作可能なタッチスクリーンを備えるコンピューティングデバイスであってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングシステム302によって行われる本明細書で説明される動作は、追加的または代替的に、車両200によって(すなわち、車両200の任意のシステムまたはサブシステムによって)行われ得る。言い換えれば、車両200は、車両の運転者または乗客が相互作用することができるリモートアシスタンス機構を提供するように構成され得る。
【0073】
サーバコンピューティングシステム306は、ネットワーク304を介してリモートコンピューティングシステム302および車両200と(または、場合によっては、リモートコンピューティングシステム302および/もしくは車両200と直接)無線通信するように構成され得る。サーバコンピューティングシステム306は、車両200およびそのリモートアシスタンスに関する情報を受信し、格納し、判断し、かつ/または送信するように構成された任意のコンピューティングデバイスを表し得る。このように、サーバコンピューティングシステム306は、リモートコンピューティングシステム302および/または車両200によって行われるものとして本明細書で説明される任意の動作またはそのような動作の部分を行うように構成され得る。リモートアシスタンスに関連する無線通信の一部の実施形態では、サーバコンピューティングシステム306を利用することができるが、他の実施形態では利用することができない。
【0074】
サーバコンピューティングシステム306は、本明細書に記載の様々な動作を行うように構成されたプロセッサ、ならびにリモートコンピューティングシステム302および車両200から情報を受信し、それらに情報を提供するための無線通信インターフェースなどの、リモートコンピューティングシステム302および/または車両200のサブシステムおよび構成要素と同様または同一の1つ以上のサブシステムおよび構成要素を含み得る。
【0075】
上記の様々なシステムは、様々な動作を行い得る。ここで、これらの動作および関連する特徴について説明する。
【0076】
上の考察に沿えば、コンピューティングシステム(例えば、リモートコンピューティングシステム302、サーバコンピューティングシステム306、または車両200にローカルなコンピューティングシステム)は、カメラを使用して自律車両の環境の画像をキャプチャするように動作することができる。一般に、少なくとも1つのコンピューティングシステムが画像を分析して、可能であれば自律車両を制御することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、自律動作を容易にするために、車両(例えば、車両200)は、車両が動作する環境内のオブジェクトを表すデータ(本明細書では「環境データ」とも称される)を様々な方法で受信し得る。車両のセンサシステムは、環境のオブジェクトを表す環境データを提供し得る。例えば、車両は、カメラ、レーダユニット、レーザ距離計、マイクロフォン、無線ユニット、および他のセンサを含む様々なセンサを有し得る。これらのセンサの各々は、各それぞれのセンサが受信する情報に関する環境データを車両内のプロセッサに伝達し得る。
【0078】
一例では、カメラが、静止画像および/またはビデオをキャプチャするように構成され得る。いくつかの実施形態では、車両は、異なる向きに位置付けられた2つ以上のカメラを有する場合がある。また、いくつかの実施形態では、カメラは、異なる方向で画像および/またはビデオをキャプチャするために移動することができる場合がある。カメラは、車両の処理システムによる後の処理のために、キャプチャされた画像およびビデオをメモリに格納するように構成され得る。キャプチャされた画像および/またはビデオは、環境データである場合がある。さらに、カメラは、本明細書で説明されるような画像センサを含み得る。
【0079】
別の例では、レーダユニットが、車両の近くの様々なオブジェクトによって反射される電磁信号を送信し、次いでオブジェクトから反射する電磁信号をキャプチャするように構成され得る。キャプチャされた反射電磁信号は、レーダシステム(または処理システム)が電磁信号を反射したオブジェクトについて様々な判定を行うことを可能にし得る。例えば、様々な反射オブジェクトまでの距離および位置が判定され得る。いくつかの実施形態では、車両は、異なる向きに2つ以上のレーダを有し得る。レーダシステムは、車両の処理システムによる後の処理のために、キャプチャされた情報をメモリに格納するように構成され得る。レーダシステムによってキャプチャされた情報は、環境データである場合がある。
【0080】
別の例では、レーザ距離計が、車両近くの対象オブジェクトによって反射される電磁信号(例えば、気体もしくはダイオードレーザ、または他の可能な光源からのものなどの赤外光)を送信するように構成され得る。レーザ距離計は、反射された電磁(例えば、レーザ)信号をキャプチャすることができ得る。キャプチャされた反射電磁信号は、測距システム(または処理システム)が様々なオブジェクトまでの距離を判定することを可能にし得る。レーザ距離計はまた、対象オブジェクトの速度またはスピードを判定することができ、それを環境データとして格納することができる。
【0081】
加えて、一例では、マイクロフォンが、車両を取り囲む環境のオーディオをキャプチャするように構成され得る。マイクロフォンでキャプチャされた音は、緊急車両のサイレンや他の車両の音を含み得る。例えば、マイクロフォンは、救急車、消防自動車、警察車両のサイレンの音をキャプチャし得る。処理システムは、キャプチャされたオーディオ信号が緊急車両を示していることを識別することができ得る。別の例では、マイクロフォンは、オートバイからの排気など、別の車両の排気の音をキャプチャし得る。処理システムは、キャプチャされたオーディオ信号がオートバイを示していることを識別することができ得る。マイクロフォンによってキャプチャされたデータは、環境データの一部分を形成し得る。
【0082】
さらに別の例では、無線ユニットが、Bluetooth信号、802.11信号、および/または他の無線技術信号の形態を採り得る電磁信号を送信するように構成され得る。第1の電磁放射信号は、無線ユニットに位置する1つ以上のアンテナを介して送信され得る。さらに、第1の電磁放射信号は、多くの異なる無線信号モードのうちの1つで送信され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、自律車両の近くに位置するデバイスからの応答を要求する信号モードで第1の電磁放射信号を送信することが望ましい。処理システムは、無線ユニットに返信された応答に基づいて近くのデバイスを検出し、この伝達された情報を環境データの一部分として使用し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、処理システムは、車両の環境をさらに判定するために、様々なセンサからの情報を組み合わせることが可能であり得る。例えば、処理システムは、レーダ情報およびキャプチャされた画像の両方からのデータを組み合わせて、別の車両または歩行者が自律車両の前にいるかどうかを判定し得る。他の実施形態では、センサデータの他の組み合わせを処理システムが使用して、環境についての判定を行い得る。
【0084】
自律モードで動作している間、車両はほとんどまたはまったく人間の入力なしでその動作を制御し得る。例えば、人間のオペレータが住所を車両に入力すると、車両は、人間からのさらなる入力なしに(例えば、人間がブレーキ/アクセルペダルを操縦したり触れたりする必要がなく)、指定された目的地まで運転することができ得る。さらに、車両が自律的に動作している間、センサシステムは環境データを受信していてもよい。車両の処理システムは、様々なセンサから受信した環境データに基づいて車両の制御を変更し得る。いくつかの例では、車両は、様々なセンサからの環境データに応答して、車両の速度を変え得る。車両は、障害物を回避し、交通法に従うなどのために速度を変え得る。車両の処理システムが車両の近くのオブジェクトを識別すると、車両は速度を変更するか、または別の方法で動きを変えることが可能であり得る。
【0085】
車両がオブジェクトを検出したがオブジェクトの検出に十分自信がない場合、車両は、人間のオペレータ(またはより強力なコンピュータ)に、(i)オブジェクトが実際に環境内に存在するかどうかを確認する(例えば、実際に一時停止標識があるか、または実際に一時停止標識がないか)、(ii)オブジェクトについての車両の識別が正しいかどうかを確認する、(iii)識別が正しくなかった場合、識別を修正する、および/または(iv)自律車両に対して補足的な命令を提供する(または現在の命令を変更する)などの、1つ以上のリモートアシスタンスタスクを行うよう要求することができる。リモートアシスタンスタスクにはまた、人間のオペレータが車両の動作を制御するための命令を提供する(例えば、人間のオペレータが、オブジェクトは一時停止標識であると判断した場合、一時停止標識で停止するよう車両に命令する)ことが含まれ得るが、場合によっては、オブジェクトの識別に関する人間のオペレータのフィードバックに基づいて、車両自体が自らの動作を制御することがある。
【0086】
これを容易にするために、車両は、環境のオブジェクトを表す環境データを分析して、閾値未満の検出信頼度を有する少なくとも1つのオブジェクトを決定し得る。車両のプロセッサは、様々なセンサからの環境データに基づいて環境の様々なオブジェクトを検出するように構成され得る。例えば、一実施形態では、プロセッサは、車両が認識するのに重要であり得るオブジェクトを検出するように構成され得る。このようなオブジェクトには、歩行者、道路標識、他の車両、他の車両のインジケータ信号、およびキャプチャされた環境データで検出された他の様々なオブジェクトが含まれ得る。
【0087】
検出信頼度は、決定されたオブジェクトが環境内で正しく識別されている、または環境内に存在している可能性を示し得る。例えば、プロセッサは、受信した環境データにおける画像データ内のオブジェクトのオブジェクト検出を行い、閾値を超える検出信頼度を有するオブジェクトを識別することができないことに基づいて、少なくとも1つのオブジェクトが閾値を下回る検出信頼度を有すると判断し得る。オブジェクトのオブジェクト検出またはオブジェクト認識の結果が決定的でない場合、検出信頼度が低いか、または設定閾値を下回っていることがある。
【0088】
車両は、環境データのソースに応じて、様々な方法で環境のオブジェクトを検出し得る。いくつかの実施形態では、環境データは、カメラから来る、画像またはビデオデータであり得る。他の実施形態では、環境データは、LIDARユニットから来る場合がある。車両は、キャプチャされた画像またはビデオデータを分析して、画像またはビデオデータ内のオブジェクトを識別し得る。方法および装置は、環境のオブジェクトがあるかについて、画像および/またはビデオデータをモニタするように構成され得る。他の実施形態では、環境データは、レーダ、オーディオ、または他のデータであり得る。車両は、レーダ、オーディオ、または他のデータに基づいて環境のオブジェクトを識別するように構成され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、オブジェクトを検出するために車両が使用する技術は、既知のデータのセットに基づき得る。例えば、環境オブジェクトに関連するデータは、車両に位置するメモリに格納され得る。車両は、受信したデータを格納されたデータと比較して、オブジェクトを判定し得る。他の実施形態では、車両は、データの文脈に基づいてオブジェクトを判定するように構成され得る。例えば、工事に関連する街路標識は、概してオレンジ色を有し得る。したがって、車両は、道路脇近くに位置するオレンジ色のオブジェクトを、工事関連の街路標識として検出するように構成され得る。加えて、車両の処理システムは、キャプチャされたデータ内のオブジェクトを検出すると、それはまた各オブジェクトの信頼度を計算し得る。
【0090】
さらに、車両はまた、信頼度閾値を有し得る。信頼度閾値は、検出されるオブジェクトの種類に応じて異なり得る。例えば、別の車両のブレーキライトなど、車両からの迅速な応答アクションを要求し得るオブジェクトについては、信頼度閾値が低くなり得る。しかしながら、他の実施形態では、検出されたすべてのオブジェクトについて、信頼度閾値が同じであってもよい。検出されたオブジェクトに関連付けられた信頼度が信頼度閾値より高い場合、車両は、オブジェクトが正しく認識されたと想定し、その想定に基づいて車両の制御を応答的に調整し得る。
【0091】
検出されたオブジェクトに関連付けられた信頼度が信頼度閾値より低い場合、車両が取るアクションは変わり得る。いくつかの実施形態では、車両は、低い信頼度レベルにもかかわらず、検出されたオブジェクトが存在するかのように反応することがある。他の実施形態では、車両は、検出されたオブジェクトが存在しないかのように反応することがある。
【0092】
車両は、環境のオブジェクトを検出すると、特定の検出されたオブジェクトに関連付けられた信頼度も計算することができる。信頼度は、実施形態に応じて様々な方法で計算され得る。一例では、環境のオブジェクトを検出すると、車両は、環境データを既知のオブジェクトに関連する所定のデータと比較し得る。環境データと所定のデータとの一致が近いほど、信頼度はより高くなる。他の実施形態では、車両は、環境データの数学的分析を使用して、オブジェクトに関連付けられた信頼度を判定し得る。
【0093】
オブジェクトが閾値を下回る検出信頼度を有するとの判定に応答して、車両は、リモートコンピューティングシステムに、オブジェクトの識別とともにリモートアシスタンスの要求を送信し得る。上で考察されるように、リモートコンピューティングシステムは、様々な形態を採り得る。例えば、リモートコンピューティングシステムは、車両とは別個の車両内のコンピューティングデバイスであるが、それによって人間のオペレータが車両の乗客または運転者と相互作用することができる、リモートアシスタンス情報を表示するためのタッチスクリーンインターフェースなどであり得る。追加的または代替的に、別の例として、リモートコンピューティングシステムは、車両の近くではない場所に位置するリモートコンピュータ端末または他のデバイスであってもよい。
【0094】
リモートアシスタンスの要求は、画像データ、オーディオデータなどの、オブジェクトを含む環境データを含み得る。車両は、ネットワーク(例えば、ネットワーク304A)上で、いくつかの実施形態では、サーバ(例えば、サーバコンピューティングシステム306)を介してリモートコンピューティングシステムに環境データを送信し得る。リモートコンピューティングシステムの人間のオペレータは、次に、要求に応答するための基礎として環境データを使用し得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、オブジェクトが信頼度閾値を下回る信頼度を有するとして検出された場合、オブジェクトには予備識別が与えられ得、車両は、予備識別に応答して車両の動作を調整するように構成され得る。そのような動作の調整は、他の可能な調整の中でもとりわけ、車両を停止する、車両を人間制御モードに切り替える、車両の速度(例えば、スピードおよび/または方向)を変更するといった形態を採り得る。
【0096】
他の実施形態では、車両が閾値を満たす、または超える信頼度を有するオブジェクトを検出した場合でも、車両は検出されたオブジェクトに従って動作し得る(例えば、オブジェクトが一時停止標識として高い信頼度で識別された場合に停止する)が、車両が検出されたオブジェクトに従って動作するのと同時に(または後で)リモートアシスタンスを要求するように構成され得る。
【0097】
III.LIDARデバイスの例示的な配置
次に、図4は、例示的な実施形態による、LIDARデバイス400の簡略化されたブロック図である。実際には、LIDARデバイス400は、他の可能性の中でもとりわけ、本明細書に記載のレーザ距離計/LIDAR128の一部であってよい。
【0098】
示されるように、LIDARデバイス400は、電源配置402、電子機器404、光源406、少なくとも1つの送信機408、少なくとも1つの受信機410、回転プラットフォーム412、アクチュエータ414、固定プラットフォーム416、コネクタ配置418、ロータリーリンク420、およびハウジング422を含む。他の実施形態では、LIDARデバイス400は、より多い、より少ない、または異なる構成要素を含み得る。追加的に、示された構成要素は、任意の数の方法で組み合わされ、または分割され得る。
【0099】
電源配置402は、LIDARデバイス400の様々な構成要素に対して電力を供給するように構成され得る。特に、電源配置402は、LIDARデバイス400内に配設され、任意の実現可能な方法でLIDARデバイス400の様々な構成要素に接続されて、それらの構成要素に電力を供給するための少なくとも1つの電源を含み得るか、そうでなければその形態を採り得る。追加的にまたは代替的に、電源配置402は、1つ以上の外部電源から(例えば、LIDARデバイス400が結合されている車両に配置された電源から)電力を受け取り、受け取ったその電力を任意の実現可能な方法でLIDARデバイス400の様々な構成要素に供給するように構成された電源アダプタなどを含み得るか、そうでなければその形態を採り得る。いずれの場合も、例えば、電池のような任意のタイプの電源が使用され得る。
【0100】
電子機器404は、各々がLIDARデバイス400の特定のそれぞれの動作を容易にすることに役立つように配置された1つ以上の電子部品および/またはシステムを含み得る。実際には、これらの電子機器404は、任意の実現可能な方法でLIDARデバイス400内に配設され得る。例えば、電子機器404の少なくともいくつかは、ロータリーリンク420の中央空洞領域内に配設され得る。それでもなお、電子機器404は、様々なタイプの電子部品および/またはシステムを含み得る。
【0101】
例えば、電子機器404は、コンピューティングシステムからLIDARデバイス400の様々な構成要素への制御信号の転送のために使用される、および/またはLIDARデバイス400の様々な構成要素からコンピューティングシステムへのデータの転送のために使用される、様々な配線を含み得る。一般に、コンピューティングシステムが受信するデータは、数ある可能性の中でもとりわけ、受信機410による光の検出に基づくセンサデータを含み得る。さらに、コンピューティングシステムによって送信される制御信号は、数ある可能性の中でもとりわけ、送信機406による光の放出を制御すること、受信機410による光の検出を制御すること、および/または回転プラットフォーム412を回転させるようにアクチュエータ414を制御することなどによって、LIDARデバイス400の様々な構成要素を動作させ得る。
【0102】
いくつかの配置では、電子機器404はまた、コンピューティングシステムを含み得る。このコンピューティングシステムは、1つ以上のプロセッサと、データ記憶装置と、データ記憶装置に格納され、様々な操作を容易にするために1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令とを有し得る。したがって、この配置により、コンピューティングシステムは、以下に記載する方法の操作などの、本明細書に記載の操作を実行するように構成することができる。追加的にまたは代替的に、コンピューティングシステムは、外部システムとLIDARデバイス400の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にすることに役立つように、外部コンピューティングシステム、制御システムなど(例えば、LIDARデバイス400が結合されている車両に配置されたコンピューティングシステム)と通信し得る。
【0103】
しかしながら、他の配置では、電子機器404は、コンピューティングシステムを含まなくてもよい。むしろ、上記の配線の少なくともいくつかは、外部コンピューティングシステムへの接続のために使用され得る。この配置により、配線は、外部コンピューティングシステムとLIDARデバイス400の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にすることに役立ち得る。他の配置も、同様に可能である。
【0104】
さらに、1つ以上の光源406は、それぞれ、波長範囲内の波長を有する複数の光ビームおよび/または複数のパルスを放出するように構成することができる。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分にあってもよい。いくつかの例では、波長範囲は、レーザによって提供されるような、狭い波長範囲であり得る。
【0105】
実際には、光源406の1つは、光のパルスを放出するように構成されたレーザダイオードであり得る。特に、レーザダイオードは、電流がpn接合を横切ってデバイスを通って流れる間に、反対に分極され、エネルギーを与えられた電荷キャリア(例えば、自由電子および/または正孔)が再結合する活性領域を有するpn接合を含む半導体デバイスであってよい。再結合の結果、電荷キャリアのエネルギー状態が変化するため光が放出される。活性領域がそのようなエネルギーを与えられたペアによって密集している(例えば、活性領域がエネルギーを与えられた状態の反転分布を有し得る)とき、活性領域を横切る誘導放出は、レーザダイオードから放出される光の実質的にコヒーレントな波面を生成し得る。再結合イベントおよびその結果生じる発光は、デバイスを流れる電流に応答して発生するため、レーザダイオードに電流のパルスを印加すると、結果としてレーザダイオードから光のパルスが放出される。
【0106】
したがって、本開示は本明細書において、一次光源406として使用されているレーザダイオードの文脈で概して説明される。ただし、いくつかの配置では、1つ以上の光源406は、追加的または代替的に、ファイバレーザ、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、ならびに/または選択的に光を送信、反射、および/もしくは放出して、複数の放出された光ビームおよび/もしくは複数のパルスを提供するように構成された任意の他のデバイス、を含み得る。
【0107】
さらに、送信機408は、環境に光を放出するように構成され得る。特に、送信機408は、光源406から環境に光を方向付けるように配置された光学配置を含み得る。この光学配置は、数ある光学部品の中でも、物理的空間全体に光の伝播を導くために使用されるミラーおよび/または光の特定の特性を調整するために使用されるレンズの、任意の実現可能な組み合わせを含み得る。例えば、光学配置は、光をコリメートするように配置された透過レンズを含み、それにより、互いに実質的に平行な光線を有する光をもたらし得る。さらに、レンズは、例えば、水平軸(例えば、水平軸は理想的には環境内の地面に平行である)から+7°~水平軸から-18°離れて拡散する垂直の光を引き起こすことなどによって、特定の方法で光を拡散または別様に散乱させるように成形され得る。
【0108】
前述のように、LIDARデバイス400は、少なくとも1つの受信機410を含み得る。受信機410はそれぞれ、送信機408から放出された光のうちの1つと同じ波長範囲の波長を有する光を少なくとも検出するように構成され得る。そうすることで、受信機410は、特定の分解能で光を検出することができる。例えば、受信機410は、0.036°(水平)×0.067°(垂直)の角度分解能で光を検出するように構成され得る。さらに、受信機410は、特定のFOVで環境を走査するように構成され得る。例えば、受信機410は、上記の水平軸から+7°~水平軸から-18°離れた範囲内の入射光に焦点を合わせるように配置され得る。このようにして、受信機410は、送信機408が提供する放出光の上記の例示的な垂直の広がりと一致する、+7°~-18°の範囲に沿った光の検出を可能にする。この分解能およびFOVは、例示的な目的でのみ記載されており、限定することを意味するものではないことに留意されたい。
【0109】
例示的な実装形態では、受信機410は、受信機410が上記のように解像度およびFOVを提供することを可能にする光学配置を有し得る。一般に、そのような光学配置は、少なくとも1つの光学レンズと光検出器アレイとの間に光路を提供するように配置され得る。
【0110】
より具体的には、受信機410は、LIDARデバイス400の環境内の1つ以上のオブジェクトから反射された光を受信機410の検出器に集束させるように配置された光学レンズを含み得る。そうするために、光学レンズは、特定の寸法(例えば、約10cm×5cm)ならびに特定の焦点距離(例えば、約35cm)を有し得る。さらに、光学レンズは、上記(例えば+7°~-18°)のように、特定の垂直FOVに沿って入射光を集束させるように成形され得る。第1の受信機の光学レンズのそのような成形は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な形態(例えば、球面成形)のうちの1つを採ることができる。
【0111】
さらに前述のように、受信機410は、(例えば、上記の波長範囲内の)検出光を、検出光を示す電気信号に変換するように各々が構成された2つ以上の検出器を含み得る、光検出器アレイを有し得る。実際には、そのような光検出器アレイは、様々な方法のうちの1つで配置することができる。例えば、検出器は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配設されて、光学レンズから光路に沿って進んでいる入射光を検出するように配置され得る。また、そのような光検出器アレイは、任意の実行可能な方法で整列された任意の実行可能な数の検出器を含むことができる。例えば、光検出器アレイは、検出器の13×16アレイを含み得る。この光検出器アレイは、例示的な目的でのみ記載されており、限定することを意味するものではないことに留意されたい。
【0112】
一般に、アレイの検出器は様々な形態を採ることができる。例えば、検出器は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(例えば、ガイガーモードおよび/または線形モードアバランシェフォトダイオード)、フォトトランジスター、カメラ、アクティブ画素センサ(APS)、電荷結合素子(CCD)、極低温検出器、および/または放出された光の波長範囲内の波長を有する集束された光を受光するように構成された任意の他の光センサの形態を採ることができる。他の例も、同様に可能である。
【0113】
さらに、前述のように、LIDARデバイス400は、軸の周りを回転するように構成された回転プラットフォーム412を含み得る。このようにして回転させるために、1つ以上のアクチュエータ414が回転プラットフォーム412を作動させることができる。実際には、これらのアクチュエータ414は、数ある可能性の中でもとりわけ、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータを含み得る。
【0114】
例示的な実装形態では、送信機408および受信機410は、これらの構成要素の各々が回転プラットフォーム412の回転に基づいて環境に対して移動するように、回転プラットフォーム412上に配置され得る。特に、これらの構成要素の各々は、LIDARデバイス400が様々な方向から情報を取得できるように、軸に対して回転し得る。このようにして、LIDARデバイス400は、回転プラットフォーム412を異なる方向に作動させることによって調整可能な、水平の視野方向を有し得る。
【0115】
この配置では、コンピューティングシステムは、環境に関する情報を様々な方法で取得するために、アクチュエータ414に指示して、回転プラットフォーム412を様々な方法で回転させることができる。特に、回転プラットフォーム412は、様々な範囲で、いずれの方向にも回転することができる。例えば、回転プラットフォーム412は、LIDARデバイス400が環境の360°の水平FOVを提供するように完全な回転を実行することができる。したがって、受信機410が回転プラットフォーム412の回転に基づいて回転することができるとすると、受信機410は、上記のように、水平FOV(例えば、360°以下)だけでなく垂直FOVを有することができる。
【0116】
さらに、回転プラットフォーム412は、LIDARデバイス400に様々なリフレッシュレートで環境を走査させるように、様々な速度で回転し得る。例えば、LIDARデバイス400は、15Hzのリフレッシュレート(例えば、LIDARデバイス400の毎秒15回の完全回転)を有するように構成され得る。この例では、LIDARデバイス400が以下でさらに説明するように車両に結合されていると仮定すると、走査はしたがって、車両周辺の360°FOVを毎秒15回走査することを伴う。他の例も可能である。例えば、回転プラットフォーム412は、LIDARデバイスを旋回させて、LIDARデバイスがより小さな角度の水平FOV内で前後に走査するようにし得る。
【0117】
なおさらに、前述のように、LIDARデバイス400は、固定プラットフォーム416を含み得る。実際には、固定プラットフォーム416は、任意の形状または形態を採ることができ、例えば、車両の上部などの様々な構造に結合するように構成することができる。また、固定プラットフォーム416の結合は、任意の実現可能なコネクタ配置418(例えば、ボルト、ねじおよび/または接着剤)を介して実行され得る。このようにして、LIDARデバイス400は、本明細書に記載されているような様々な目的に使用されるように構造物に結合され得る。
【0118】
さらに、LIDARデバイス400はまた、固定プラットフォーム416を回転プラットフォーム412に直接または間接的に結合するロータリーリンク420を含み得る。特に、ロータリーリンク420は、固定プラットフォーム416に対する軸を中心とした回転プラットフォーム412の回転を提供する任意の形状、形態、および材料を採ることができる。例えば、ロータリーリンク420は、アクチュエータ414からの作動に基づいて回転するシャフトなどの形態を採り得、それにより、アクチュエータ414から回転プラットフォーム412に機械力を伝達する。さらに、前述のように、ロータリーリンク420は、電子機器404および/またはLIDARデバイス400の1つ以上の他の構成要素を中に配設することができる中央空洞を有することができる。他の配置も、同様に可能である。
【0119】
なおさらに、前述のように、LIDARデバイス400は、ハウジング422を含み得る。実際には、ハウジング422は、任意の形状および形態を採ることができる。例えば、ハウジング422は、他の可能性の中でもとりわけ、ドーム型のハウジングにすることができる。さらに、ハウジング422は、LIDARデバイス400の他の構成要素に対して様々な方法で配置され得る。このハウジングは、例示的な目的でのみ記載されており、限定することを意味するものではないことに留意されたい。
【0120】
例示的な実装形態では、ハウジング422は、回転プラットフォーム412の回転に基づいて上記の軸を中心に回転するように構成されるように、回転プラットフォーム412に結合され得る。この実装形態では、送信機408、受信機410、および場合によってはLIDARデバイス400の他の構成要素は、各々、ハウジング422内に配設され得る。このようにして、送信機408および受信機410は、ハウジング422内に配設されている間、ハウジング422とともに回転し得る。
【0121】
さらに、ハウジング422は、その上に形成された開口部を有し得、これは、任意の実現可能な形状およびサイズを採ることができる。これに関して、送信機408は、開口部を通して環境に光を放出するように、ハウジング422内に配置することができる。このようにして、送信機408は、ハウジング422の対応する回転のために開口部とともに回転することができ、それにより、様々な方向への光の放出を可能にする。また、受信機410は、環境から開口部を通ってハウジング422に入る光を検出するように、ハウジング422内に配置することができる。このようにして、受信機410は、ハウジング422の対応する回転のために開口部とともに回転することができ、それにより、水平FOVに沿った様々な方向から入ってくる光の検出を可能にする。
【0122】
なおさらに、ハウジング422は、透明な材料で構成され得る開口部を除いて、少なくとも部分的に不透明な材料で構成され得る。このようにして、光は開口部を通って伝播することができ、それによって環境の走査が可能となる。しかし、ハウジング422は少なくとも部分的に不透明であるため、ハウジング422は、少なくとも一部の光がハウジング422の内部空間に入るのを遮断し得、したがって熱的効果を軽減するのに役立ち得る。例えば、ハウジング422は、太陽光線がハウジング422の内部空間に入るのを遮断することができ、これは、それらの太陽光線に起因するLIDARデバイス400の様々な構成要素の過熱を回避するのに役立ち得る。さらに、LIDARデバイス400の様々な構成要素がハウジング422内に配設されるため、およびハウジング422がそれらの構成要素とともに回転するため、ハウジング422は、様々な環境上の危険要因の中でもとりわけ雨および/または雪などからこれらの構成要素を保護するのに役立ち得る。
【0123】
しかしながら、他の実装形態では、ハウジング422は、LIDARデバイス400とともに回転しない外部固定ハウジングであってもよい。例えば、外部固定ハウジングは車両に結合することができ、LIDARデバイスもまた、外部固定ハウジング内で回転するように構成されながら車両に結合することができる。この状況では、外部固定ハウジングは、外部固定ハウジングを通る光の伝播を可能にするために、ひいてはLIDARデバイス400による環境の走査を可能にするために、透明である可能性が高いであろう。さらに、LIDARデバイス400はまた、光がそこを通って伝播し得る開口部を含み得、かかる開口部は、LIDARデバイス400の他の構成要素とともに外部固定ハウジング内で回転し得るLIDARデバイス400の内部ハウジング上にあってよい。他の実装形態も、同様に可能である。
【0124】
IV.LIDARデバイスに関連付けられたドロッププロセスの戦略の決定
上記のように、本開示は、LIDARデバイス(例えば、LIDARデバイス400)に関連付けられたドロッププロセスの戦略を決定することに関する。具体的には、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムは、帯域幅が制限された通信チャネルの輻輳を緩和することに役立つように、ドロッププロセスを実行することができる。この通信チャネルは、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスが、LIDARデバイスに関連付けられたコンピューティングシステムから、検出された戻り光パルスを表すためにLIDARデバイスによって生成されたデータ点を受信するチャネルであり得る。さらに、コンピューティングシステムは、破棄するデータ点および/または放出を防止する光パルスのインテリジェントな選択を容易にするために、固定戦略に従うかまたは戦略なしではなく、動的に決定される戦略に従ってドロッププロセスを実行することができる。
【0125】
実際には、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスは、通信チャネルを介してLIDARデバイスによって生成されたデータ点を受信し得る、任意のコンピューティングデバイスであり得る。例えば、問題となっているコンピューティングデバイスは、例えば、推進システム102、センサシステム104、制御システム106、周辺機器108、電源110、コンピュータシステム112、データ記憶装置114、および/またはユーザインターフェース116などの、上述した車両100のサブシステムのいずれか1つを含むか、またはその一部であり得る。別の例では、問題となっているコンピューティングデバイスは、例えば、リモートコンピューティングシステム302またはサーバコンピューティングシステム306などの、車両の外部のコンピューティングデバイスであり得る。他の例も可能である。
【0126】
さらに、決定された戦略に従ってドロッププロセスを実行するコンピューティングシステムは、LIDARデバイスに関連付けられた任意のコンピューティングシステムであり得る。例えば、問題となっているコンピューティングシステムは、例えばLIDARデバイス400の電子機器404の一部であるコンピューティングシステムなど、LIDARデバイスに搭載されたコンピューティングシステムであり得る。別の例では、問題となっているコンピューティングシステムは、例えば、電子機器404を介してLIDARデバイス400の構成要素とデータを通信する、および/またはそこからデータを受信するコンピューティングシステムなど、LIDARデバイスの外部のコンピューティングシステムであり得る。さらに、問題となっているコンピューティングシステムは、LIDARデバイスから直接データ点を受信し、次いでデータ点を直接または上述した通信チャネルにある中間コンピューティングシステムを介してコンピューティングデバイスに送信するコンピューティングシステムであり得る。また、場合によっては、問題となっているコンピューティングシステムがそれらの中間コンピューティングシステムのうちの1つであってもよい。さらに別の例では、LIDARデバイス400の1つ以上のプロセッサは、決定された戦略に従ってドロッププロセスを実行して、それらのプロセッサと別のエンティティ(例えば、LIDARデバイスまたは中間コンピューティングシステムから直接データ点を受信するコンピューティングシステム)との間の通信チャネルの輻輳を緩和することに役立つことができる。他の例も可能である。
【0127】
図5は、決定された戦略に従ってドロッププロセスを実行することができる例示的な配置500を例解する。示されるように、配置500は、LIDARデバイス400の受信機410、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)502、プロセッサ504、および制御システム106を含む。この配置500ではFPGA502は、LIDARデバイス400に搭載され得、戻り光パルスの検出に従って、受信機410によって提供されたデータ(例えば、波形)を処理するように構成され得る。データが処理されると、FPGA502は、通信リンク506(例えば、ネットワーク)を介してプロセッサ504に、検出された戻り光パルスを表すデータ点を送信し得る。次に、プロセッサ504は、データ点をさらに処理または他の方法で精製でき、次いで、別の通信リンク508を介して、精製されたデータ点を制御システム106に提供することができる。次に、制御システム106は、他の選択肢の中でもとりわけ、車両の環境内のオブジェクトを分析するため、およびおそらくその分析に従って車両を操作するためなど、本明細書に記載のデータ点を使用することができる。
【0128】
配置500において、本開示によれば、様々なエンティティは、LIDARデバイスに関連付けられた上述のコンピューティングシステムであり得、様々なエンティティは、車両に関連付けられた上述のコンピューティングデバイスであり得る。例えば、FPGA502は、決定された戦略に従ってドロッププロセスを実行するコンピューティングシステムであり得、プロセッサ504および/または制御システム106は、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスと見なされ得る。この例では、FPGA502は、通信チャネル506および/または通信チャネル508に関連する輻輳を軽減するためにドロッププロセスに関与し得る。別の例では、プロセッサ504は、決定された戦略に従ってドロッププロセスを実行するコンピューティングシステムであり得、制御システム106は、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスであり得る。この例では、プロセッサ504は、通信チャネル508に関連する輻輳を軽減するためにドロッププロセスに関与し得る。他の例も可能である。
【0129】
いくつかの実装形態では、配置500内の特定のエンティティは、本開示の態様を容易にすることに役立つように互いに調整できる。例として、プロセッサ504は、本明細書に記載されるようにドロッププロセスの戦略を決定することができ、次に、プロセッサ504は、決定された戦略を示す通信をFPGA502に送信することができる。次に、FPGA502は、示された戦略に従ってドロッププロセスを応答的に実行し得る。したがって、この例では、プロセッサ504およびFPGA502は、両方ともLIDARデバイスに関連付けられた上述のコンピューティングシステムの一部であると見なされ得る。他の例も可能である。
【0130】
本開示によれば、コンピューティングシステムは、車両周辺の環境、車両の動作、および/またはLIDARデバイスの動作に関連付けられた情報を決定することができ、かつドロッププロセスに関与するためのトリガを検出することに応答して、(i)決定された情報を基礎として使用して、ドロッププロセスの戦略を決定し、(ii)決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することができる。
【0131】
議論したように、ドロッププロセスは、(i)検出された戻り光パルスを表すためにLIDARデバイスが生成した一部のデータ点を破棄すること、および/または(ii)まず特定のデータ点の生成を防止するために、LIDARデバイスによる一部の光パルスの放出を防止することを含み得る。実際には、データ点の破棄は、他の選択肢の中でもとりわけ、データ点を削除すること、および/またはそれらのデータ点の将来の評価もしくは削除のためにデータ記憶デバイス(例えば、バッファ)にデータ点を一時的に格納することを伴い得る。また、光パルスの放出を防止することは、他の選択肢の中でもとりわけ、特定の光パルスの放出を指示する制御信号の送信を差し控えることを伴い得、および/またはLIDARデバイスに特定の光パルスを放出しないように明示的に指示する制御信号の送信を含み得る。
【0132】
これを考慮すると、ドロッププロセスは、通信チャネルの帯域幅消費を事前定義された閾値レベル未満に低減することに役立つことができ、かつ/または帯域幅消費をこの閾値未満に維持することができる。この帯域幅消費は、(i)通信チャネルの総帯域幅が使い果たされる程度、および/または(ii)送信可能なデータが総帯域幅を超える程度(例えば、LIDARデバイスが比較的大きい範囲のデータ点を生成する上述の「オーバーフィル」状態の間)に関連し得る。また、問題となっている閾値は、総帯域幅以下の帯域幅レベルとして定義され得るため、ドロッププロセスは、使用済み帯域幅の範囲を低減または維持して、総帯域幅以下にする。ただし他の実装形態では、閾値は、オーバーフィル状態を許可するが制限するために、総帯域幅を超える帯域幅レベルであるとして定義される場合がある。したがって、ドロッププロセス中にデータ点が破棄されるか、さもなければ生成されない程度は、例えば、送信可能なデータの量が事前定義された閾値を超える程度に基づくことができる。他の例も可能である。
【0133】
上記の議論に沿って、コンピューティングシステムは、本開示の態様を容易にすることに役立つようために、車両周辺の環境、車両の動作、および/またはLIDARデバイスの動作に関連付けられた情報を決定することができる。コンピューティングシステムは、様々な方法でそうすることができる。
【0134】
特に、コンピューティングシステムは、車両のサブシステムからのデータに基づいて、および/または車両の外部のエンティティからのデータに基づいて、この情報を決定することができる。例として(かつ限定することなく)、コンピューティングシステムは、車両の推進システム(例えば、推進システム102)からの推進データ、車両のセンサシステム(例えば、センサシステム104)からの車載センサデータ、車両の制御システム(例えば、制御システム106)からの制御データ、車両の周辺機器(例えば、周辺機器108)からの周辺データ、車両のコンピューティングデバイス(例えば、コンピュータシステム112)からの他のデータ、および/または車両の外部の1つ以上のセンサ(例えば、異なる自律車両のセンサ)からのセンサデータに基づいて、問題となっている情報を決定することができる。
【0135】
より具体的な例では、問題となっている情報を決定するために使用されるデータとして、車両の環境内のオブジェクトに関するオブジェクトデータ、車両周辺の環境を表す地図データ、車両周辺の環境内の交通量を示す交通量データ、および/車両周辺の環境内の気象を示す気象データ(例えば、車両の環境センサおよび/または国立海洋大気管理局(NOAA)のサーバからの気象データ)が挙げられ得る。本開示の範囲から逸脱することなく、他の多くの例も可能である。
【0136】
さらに、コンピューティングシステムは、ドロッププロセスに関与するためのトリガを様々な方法で検出することができる。例えば、コンピューティングシステムは、通信チャネルに関連付けられた現在のまたは予想される帯域幅消費が、上述の事前定義された閾値以上であると決定できる。別の例では、コンピューティングシステムは、例えば、車両のコンピューティングデバイスからなど、ドロッププロセスに関与する要求を受信できる。さらに別の例では、コンピューティングシステムは、所定のスケジュール(例えば、一日のうちの特定の時間、および/または数秒に1回)に従ってドロッププロセスに関与するように構成され得る。したがって、コンピューティングシステムは、ドロッププロセスを開始する必要があることを決定するための基礎として、所定のスケジュールを使用できる。さらに別の例では、特定の光パルスの放出を防止するドロッププロセスは、LIDARデバイスの過熱を防止することに役立つことなどによって、熱的利益を提供し得る。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、熱制限が満たされている(例えば、LIDARデバイスおよび/または車両に関連付けられた別の構成要素の温度が閾値温度を超える)との決定に応答して、ドロッププロセスに関与できる。他の例も可能である。
【0137】
ドロッププロセスの様々な例示的な戦略について、以下で詳細に説明する。コンピューティングシステムは、これらの戦略のうちの1つ以上に従っていつでもドロッププロセスに関与できること、かつこれらの戦略のうちの2つ以上を、本開示の範囲から逸脱することなく、実現可能な方法で組み合わせることができることが理解されるべきである。
【0138】
1つの例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、検出された戻り光パルスの特性の分析に従ってデータ点を破棄できる。特に、コンピューティングシステムは、他の可能性の中でもとりわけ、検出された戻り光パルスの特性に関連する情報、例えば、それぞれの強度値および/または検出された戻り光パルスに関連付けられた時間遅延などを決定できる。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、事前定義された特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、生成されたデータ点のサブセットを識別できる。このような事前定義された特性は、所与のデータ点を破棄する必要があること、または少なくとも破棄するべき候補であることを示すことに役立ち得る。したがって、コンピューティングシステムがドロッププロセスに関与するとき、コンピューティングシステムは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄する可能性がある。
【0139】
特定の例では、コンピューティングシステムは、低強度の戻り光パルスを表すデータ点を破棄できる。特に、点群は、それぞれの強度が比較的高い検出された戻り光パルスを表すデータ点に基づいて生成された場合、より有用な情報を含むことがある。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、事前定義された閾値強度よりも低いそれぞれの強度を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、生成されたデータ点のサブセットを識別できる。そしてコンピューティングシステムは、ドロッププロセス中に、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄できる。
【0140】
別の特定の例では、コンピューティングシステムは、関連する比較的長い時間遅延を伴う戻り光パルスを表すデータ点を破棄できる。特に、前述のように、オブジェクトまでの距離は、光パルスの放出と反射された戻り光パルスの検出との間の時間遅延に従って決定できる。典型的には、時間遅延が長いほど、オブジェクトが車両から離れていることを示し得る。そして状況によっては、車両に関連付けられたコンピューティングデバイスは、車両から非常に離れたオブジェクトの分析を、何の影響もなく延期する場合がある。したがって、コンピューティングシステムは、事前定義された閾値時間遅延よりも長い時間遅延に関連する、検出された戻り光パルスを表すデータ点を識別して破棄できる。
【0141】
さらに別の特定の例では、コンピューティングシステムは、関連する時間遅延が比較的短い戻り光を表すデータ点を破棄できる。典型的には、時間遅延が短いほど、オブジェクトが車両に近いことを示し得る。そして状況によっては、関連する時間遅延が非常に短い検出された戻り光パルスは、路面から、またはおそらく車両の一部分から反射されたものであり得、したがって、検出された戻り光パルスを分析する目的にはあまり重要でない場合がある。したがって、コンピューティングシステムは、(i)関連する時間遅延が事前定義された閾値時間遅延よりも短い検出された戻り光パルス、および(ii)(例えば、本明細書に記載の他の例および実装形態に沿って)検出されたそれらの戻り光パルスがあまり重要でないことを示す他の特性をおそらく有する検出された戻り光パルス、を表すデータ点を識別して破棄することが可能である。他の例も可能である。
【0142】
別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、冗長なデータ点を選択的に破棄できる。具体的には、検出された戻り光パルスが互いに実質的に同じ特性を有し得るいくつかの状況が生じ得る。例えば、検出された戻り光パルスは、それらが、大きなオブジェクトおよび/または平らなオブジェクトなどの特定のタイプのオブジェクトから反射される隣接する放出光パルスに対応するときには、実質的に同じ特性を有し得る。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、互いに実質的に同じ特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、生成されたデータ点のサブセットを識別することができる。そしてコンピューティングシステムは、ドロッププロセス中に、識別されたサブセットのデータ点のすべてではなく、一部を破棄することができる。
【0143】
より具体的な例では、LIDARデバイスは、LIDARデバイスによる環境の1つ以上の走査中にデータ点のセットを生成でき、コンピューティングシステムは、そのセットの冗長なデータ点を識別および破棄することができる。例えば、コンピューティングシステムは、互いに実質的に同じ強度および関連する時間遅延を有するセットのデータ点のサブセットを識別でき、これは、サブセットのデータ点が、同じオブジェクトから反射された検出された戻り光パルスを表していることを示し得る。また、コンピューティングシステムは、オブジェクトの分析を可能にするために、データ点の少なくとも一部を保持しながらドロッププロセスの利点を活用するように、ドロッププロセス中に識別されたサブセットのデータ点のすべてではなく一部を破棄することができる。他の例も可能である。
【0144】
さらに別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、車両の異なるセンサ(例えば、車両の異なるLIDARデバイス)によって生成されたデータ点の分析に従って、データ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。特に、コンピューティングシステムは、車両の異なるセンサが、環境の特定の部分を表すデータ点をすでに生成したという判断を行うことができる。LIDARデバイスがその特定のデータ点を表すデータ点も生成する場合、このような判断は、それらのデータ点の少なくとも一部が冗長であることを示している場合がある。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分に対応する検出された戻り光パルスを表す識別されたデータ点に基づき、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を識別することによって、この判断に応答することができる。そしてコンピューティングシステムは、次いで、ドロッププロセス中に識別されたデータ点の少なくとも一部を破棄できる。追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分に向かって放出される光パルスを識別し、次いで、ドロッププロセス中に識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止することによって、この判断に応答できる。他の例も可能である。
【0145】
さらに別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、車両によって実行されている、または実行されると予想される操作の分析に従って、データ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。特に、コンピューティングシステムは、車両による任意の実現可能なタイプの移動、車両の進行方向などに関連し得る操作を決定することができる。次に、コンピューティングシステムは、決定された操作に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することができ、オフターゲット部分とは、他の可能性の中でもとりわけ、操作中に車両を正常に動作させるために情報がほとんどまたはまったく必要とされない部分である。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表す識別されたデータ点に基づいて、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を識別できる。そしてコンピューティングシステムは、次いで、ドロッププロセス中に識別されたデータ点の少なくとも一部を破棄できる。追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別することができ、次いで、ドロッププロセス中に識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止することができる。
【0146】
より具体的な例では、車両が環境の特定の部分に向かって移動しているか、または移動すると予想される場合、環境の他の特定の部分と比較して、その特定の部分に関するより多くの情報を決定することが有利である場合がある。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、車両が環境の特定の部分に向かって移動しているか、または移動すると予想されることを(例えば、地図データおよび/または加速度計データに基づいて)決定することができ、次に、少なくとも特定の部分とは異なるオフターゲット部分に基づいて、環境のオフターゲット部分を決定できる。例えば、車両が前方に向かってかつ下り坂を走行している場合、コンピューティングシステムは、車両の背後の環境の一部(すなわち、車両の上り坂)をオフターゲット部分と見なすことができる。したがって、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に関連付けられた少なくとも一部のデータ点を破棄するか、さもなければその生成を防止することができる。他の例も可能である。
【0147】
さらに別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、車両周辺の環境内のオブジェクトの特性の分析に従って、データ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。具体的には、コンピューティングシステムは、他の選択肢の中でもとりわけ、車両に対するオブジェクトの位置を決定すること、オブジェクトが特定のタイプであると決定すること、および/またはオブジェクトを識別すること、などによって、オブジェクトの特性を決定することができる。次に、コンピューティングシステムは、オブジェクトの特性に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することができ、オフターゲット部分とは、例えば、車両の環境内にオブジェクトが存在する間に車両を正常に動作させるために、情報がほとんどまたはまったく必要とされない部分である。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表す識別されたデータ点に基づいて、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を識別できる。そしてコンピューティングシステムは、次いで、ドロッププロセス中に識別されたデータ点の少なくとも一部を破棄できる。追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別することができ、次いで、ドロッププロセス中に識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止することができる。
【0148】
より具体的な例では、コンピューティングシステムは、フェンスが車両の環境内にあると判断することができる。典型的に、フェンス(例えば、金網フェンス)は反射率の高い材料でできているため、LIDARデバイスがそれに向けて放出し得る多数の光パルスを反射することがある。これを考慮すると、フェンスは、LIDARデバイスによる走査の間に多数のデータ点を生成させ得る、高反射タイプのオブジェクトとして指定することができる。また、フェンスが車両の進行方向から離れて位置している場合、これは、車両の環境内にフェンスが存在する間に車両を正常に動作させるために、フェンスに関する追加情報がほとんどまたはまったく必要ないことを示し得る。これを考慮し、コンピューティングシステムは、フェンスが高反射タイプのオブジェクトであり、およびフェンスが車両の進行方向から離れて位置していると判断することができ、データ点を応答的に破棄し、および/またはフェンスが位置している環境の部分に関連付けられた光パルスの放出を防止することができる。
【0149】
さらに、フェンスは穴を含む障壁であり得るため、フェンスに向かって放出される光パルスは、フェンスから反射される戻り光パルス、およびフェンスの向こう側の場所から反射される戻り光パルスをもたらす可能性がある(例えば、車両がフェンスの片側の領域にあり、光パルスがフェンスの反対側の領域にあるオブジェクトから反射することがある)。実際には、フェンスが障壁であるため、フェンスの向こう側の場所から反射される戻り光パルスはあまり重要でない場合がある。したがって、コンピューティングシステムがデータ点を破棄するとき、および/または説明したようにフェンスが位置する環境の部分に関連付けられた光パルスの放出を防止するときは、問題となっている部分は他の可能性の中でもとりわけ、フェンスの位置(例えば、表面)、および/またはフェンスの向こう側の場所を含み得る。他の例も可能である。
【0150】
さらに別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、車両の環境の特定の部分でオブジェクトが検出されたかどうかの分析に従って、データ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。例えば、コンピューティングシステムは、環境のその特定の部分でオブジェクトが検出されないと判断することができ、これは、その特定の部分に関する追加情報が、少なくともある閾値期間はほとんどまたはまったく必要とされないことを示し得る。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分に対応する検出された戻り光パルスを表す識別されたデータ点に基づき、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を識別することによって、この判断に応答することができる。そしてコンピューティングシステムは、次いで、ドロッププロセス中に識別されたデータ点の少なくとも一部を破棄できる。追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分に向かって放出される光パルスを識別し、次いで、ドロッププロセス中に識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止することによって、この判断に応答できる。他の例も可能である。
【0151】
さらに別の例示的な実装形態では、コンピューティングシステムは、車両周辺の環境内の交通条件および/または気象条件の分析に従って、データ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。具体的には、コンピューティングシステムは、交通条件および/または気象条件に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することができ、オフターゲット部分とは、例えば、問題となっている条件下で車両を正常に動作させるために情報がほとんどまたはまったく必要とされない部分である。これを考慮すると、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表す識別されたデータ点に基づいて、LIDARデバイスによって生成されたデータ点を識別できる。そしてコンピューティングシステムは、次いで、ドロッププロセス中に識別されたデータ点の少なくとも一部を破棄できる。追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、オフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別することができ、次いで、ドロッププロセス中に識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止することができる。
【0152】
より具体的な例では、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分の交通量(例えば、車両および/または歩行者の交通量)の程度が交通量の閾値の程度を下回っていることを判断できる。例えば、コンピューティングシステムは、他の可能性の中でもとりわけ、特定の環境部分における単位面積あたりの車両数および/または歩行者数を示す交通密度を決定することなどによって、その特定の環境部分における車両および/または歩行者の交通量の程度を示す尺度を決定できる。そして、コンピューティングシステムは次いで、他の可能性の中でもとりわけ、交通密度が事前定義された閾値交通密度よりも低いと決定することによってなど、問題となっている測定値が閾値測定値を下回っていると決定できる。いずれにせよ、環境のその特定の部分の交通量の程度は、交通量の閾値範囲よりも低いため、その特定の部分に追加情報はほとんどまたはまったく必要ないことがある。したがって、コンピューティングシステムは、この特定の部分をオフターゲット部分と見なすことができ、次に、特定の部分に関連付けられたデータ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。
【0153】
別の特定の例では、コンピューティングシステムは、環境の特定の部分の気象条件を決定することができ、この気象条件は、他の中でもとりわけ、雪、雨、みぞれ、雹、氷、および/または霧など、事前定義された好ましくない気象条件に対応している。典型的に、このような好ましくない気象現象(例えば、雨)は、LIDARデバイスがその気象現象に向けて放出し得る多数の光パルスを反射し、それによって、LIDARデバイスによる走査中に、対応する多数のデータ点を生成させることがある。しかし、そのようなデータ点には、車両の正常な動作に必要な情報が少しもまたはまったく含まれていないことがある。実際、そのようなデータ点は、検出された散発的な戻り光パルスを表す場合があり、したがって環境内のオブジェクトの正常な検出に影響する場合がある。したがって、コンピューティングシステムは、事前定義された好ましくない気象条件が検出された、環境の特定の部分に関連付けられたデータ点を破棄および/またはその生成を防止することができる。
【0154】
これに関して、コンピューティングシステムは、特定のデータ点が、好ましくない気象現象(例えば、雨)から反射された特定の戻り光パルスを表すと判断するように構成することができる。例えば、LIDARデバイスは、環境の特定の走査中に特定のデータ点を生成する場合があり、問題となっている特定の走査の直前および/または直後の走査中に他のデータ点を生成する場合もある。これを考慮して、コンピューティングシステムが、これらの他のデータ点のいずれも、特定の戻り光パルスの特性と同じかまたは類似の特性を有する戻り光パルスを表していないと判断した場合、これは、特定の戻り光パルスが、好ましくない気象現象から反射された可能性が高い、孤立した戻り光パルスであるか、そうでなければランダムに現れる戻り光パルスであることを示し得る。したがって、コンピューティングシステムは、特定のデータ点を破棄することによって決定に応答することができる。他の例も可能である。
【0155】
さらなる態様では、コンピューティングシステムは、疑似ランダムコードを適用して、破棄されるデータ点および/または放出が防止される光パルスを選択することができる。例えば、上述の戦略により、コンピューティングシステムが、破棄される候補として識別されたデータ点の必ずしもすべてではなく一部を破棄する状況をもたらし得る。これを考慮して、コンピューティングシステムは、疑似ランダムコードを適用して、識別されたデータ点の中から破棄するデータ点を選択できる。同様のアプローチは、放出が防止されるべき光パルスを選択するための疑似ランダムコードの適用に拡張することができる。他の例も可能である。
【0156】
追加的または代替的に、コンピューティングシステムは、例えば上述した状況下などにおいて、破棄されるデータ点および/または放出が防止される光パルスを選択するためにラウンドロビン方式を適用できる。例えば、コンピューティングシステムは、第1の時間間隔中(例えば、LIDARデバイスによる環境の特定の走査中)に検出された戻り光パルスの第1のグループを表す、破棄するデータ点の第1のセットを識別でき、かつコンピューティングシステムは、ラウンドロビン方式を適用して、この第1のグループのデータ点の中から検出された第1の戻り光パルスを表す第1のセットのデータ点を選択できる。次に、コンピューティングシステムは、第2の時間間隔中(例えば、LIDARデバイスによる環境の後続の走査中)に検出された戻り光パルスの第2のグループを表す、破棄するデータ点の第2のセットを識別でき、かつコンピューティングシステムは、ラウンドロビン方式を適用して、この第2のグループのデータ点の中から検出された第2の戻り光パルスを表す第2のセットのデータ点を選択できる。他の例も可能である。
【0157】
さらに別の態様では、決定された戦略に従ってコンピューティングシステムがドロッププロセスに関与するとき、LIDARデバイスによって放出される光パルスは、互いに可変の間隔を有することになり得る。例えば、コンピューティングシステムは、例えば、車両の近くの路面に向けてなど、車両の環境の特定の部分に向けて光パルスが放出されるのを防止することができる。その結果、LIDARデバイスは、環境の所与の360°走査中にその特定の部分に向けて光パルスを放出しないが、その走査中に環境の他の部分に向けてはなおもそれぞれ光パルスを放出し得る。これを考慮して、走査は、走査全体にわたって等間隔である光パルスの放出ではなく、互いに対して可変の間隔を有する光パルスの放出を含み得る。さらに、本明細書に記載の様々な利点に加えて、特定の光パルスの放出を防止するドロッププロセスは、他の熱的利点の中でもとりわけ、LIDARデバイスの過熱を防止することに役立つことなどによる熱的利点を提供し得る。他の例も可能である。
【0158】
図6は、動的に決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与するための例示的なシナリオを例解する。示されるように、車両200は、LIDARユニット204を有し、環境600を走行中である。このシナリオでは、LIDARユニット204に関連付けられたコンピューティングシステムは、環境600の部分602でオブジェクトが検出されないと判断することができ、LIDARユニット204による環境600のその部分602に向けた一部の光パルスの放出を、少なくとも事前定義された期間中、応答的に防止することができる。さらに、コンピューティングシステムは、環境600の部分604における交通量の程度が交通量の閾値範囲よりも低いと判断することができ、この部分604から反射される検出された戻り光パルスを表すために、LIDARユニット204によって生成されたデータ点の一部を応答的に破棄し得る。他の例や例解も可能である。
【0159】
V.例示的なプロセス
図7は、例示的な実施形態による、方法700のフローチャート図である。いくつかの実施形態では、図7のブロックのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイスによって実施され得る。コンピューティングシステムは、不揮発性メモリ(例えば、ハードドライブまたは読み取り専用メモリ(ROM))、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアスクスメモリ(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM))、ユーザ入力デバイス(例えば、マウスまたはキーボード)、ディスプレイ(例えば、発光ダイオード(LED)ディスプレイまたは液晶ディスプレイ(LCD))、および/またはネットワーク通信コントローラ(例えば、IEEE 802.11規格に基づくWIFI(登録商標)コントローラ、またはイーサネットコントローラ)などのコンピューティング構成要素を含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、ハードドライブ)に格納された命令を実行して、本明細書に企図される動作のうちの1つ以上を行うことができる。
【0160】
ブロック702で、方法700は、コンピューティングシステムによって、車両周辺の環境を走査するために光検出および測距(LIDAR)デバイスを操作することを含み得、操作することは、LIDARデバイスに光パルスを放出させ、かつ戻り光パルスを検出させることを含み、LIDARデバイスは、検出された戻り光パルスを表すデータ点のセットを生成するように構成されており、コンピューティングシステムは、(i)セットの1つ以上のデータ点を破棄すること、または(ii)LIDARデバイスによって1つ以上の光パルスが放出されるのを防止すること、のうちの1つ以上を含むドロッププロセスに関与するように構成されており、かつコンピューティングシステムは、破棄される1つ以上のデータ点以外のセットの残りのデータ点を、通信チャネルを介してコンピューティングデバイスに送信するようにさらに構成されている。
【0161】
ブロック704で、方法700は、コンピューティングシステムによって、車両周辺の環境、車両の動作、またはLIDARデバイスの動作のうちの1つ以上に関連付けられた情報を決定することを含み得る。
【0162】
ブロック706で、方法700は、コンピューティングシステムによって、ドロッププロセスに関与するためのトリガを検出することを含み得る。
【0163】
ブロック708で、方法700は、トリガの検出に応答して、コンピューティングシステムが、(i)決定された情報を基礎として使用してドロッププロセスの戦略を決定すること、および(ii)決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与すること、を含み得る。
【0164】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両のセンサシステムからの車載センサデータ、車両の外部の1つ以上のセンサからの外部センサデータ、車両の推進システムからの推進データ、車両の制御システムからの制御データ、コンピューティングデバイスからの他のデータ、車両周辺の環境を表す地図データ、車両周辺の環境内の交通量を示す交通量データ、LIDARデバイスの温度を示す温度データ、車両の温度を示す温度データ、または車両周辺の環境の気象を示す気象データ、のうちの1つ以上に基づいて情報を決定することを含み得る。
【0165】
方法700のいくつかの実施形態では、トリガを検出することは、通信チャネルに関連する現在のまたは予想される帯域幅消費が閾値帯域幅消費以上であると決定することを含み得る。
【0166】
方法700のいくつかの実施形態では、ドロッププロセスの戦略を決定することは、(i)破棄されるセットのデータ点、または(ii)放出が防止される光パルス、のうちの1つ以上を決定することを含み得る。
【0167】
方法700のいくつかの実施形態では、ドロッププロセスに関与することは、通信チャネルに関連する帯域幅の使用またはオーバーフィルを低減するか、または少なくとも維持する。
【0168】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、検出された戻り光パルスの特性を決定することを含み得、戦略を決定することは、1つ以上の事前定義された特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別することを含み得、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点を破棄することを含み得る。
【0169】
そのような実施形態では、識別することは、閾値強度よりも低いそれぞれの強度を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む、識別されたサブセットに基づいてサブセットを識別することを含み得る。
【0170】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、検出された戻り光パルスの特性を決定することを含み得、戦略を決定することは、互いに実質的に同じ特性を有する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別することを含み得、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点のすべてではなく、一部を破棄することを含み得る。
【0171】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両の異なるセンサが環境の特定の部分を表すデータ点をすでに生成したという決定を行うことを含み得、戦略を決定することは、車両の異なるセンサが環境の特定の部分を表すデータ点をすでに生成したという決定を行うことに応答して、(i)環境の特定の部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別すること、または(ii)環境の特定の部分に向かって放出される光パルスを識別すること、のうちの1つ以上を含む識別プロセスを適用することを含み得、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄すること、または識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0172】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両によって実行されているかまたは実行されると予想される操作を決定することを含み得、戦略を決定することは、決定された操作に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することと、識別プロセスを適用することとを含み得、識別プロセスは、(i)環境のオフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別すること、または(ii)環境のオフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別すること、のうちの1つ以上を含み、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄すること、または識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0173】
そのような実施形態では、操作を決定することは、車両が環境の特定の部分に向かって移動しているかまたは移動すると予想されることを決定することを含み得、かつオフターゲット部分を決定することは、少なくとも特定の部分と異なるオフターゲット部分に基づいて、オフターゲット部分を決定することを含み得る。
【0174】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両周辺の環境内のオブジェクトの特性を決定することを含み得、戦略を決定することは、オブジェクトの決定された特性に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することと、識別プロセスを適用することとを含み得、識別プロセスは、(i)環境のオフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別すること、または(ii)環境のオフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別すること、のうちの1つ以上を含み、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄すること、または識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0175】
そのような実施形態では、オブジェクトの特性を決定することは、車両に対するオブジェクトの位置を決定すること、オブジェクトが特定のタイプであると決定すること、またはオブジェクトを識別すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0176】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両周辺の環境の特定の部分でオブジェクトが検出されないという決定を行うことを含み得、戦略を決定することは、車両周辺の環境の特定の部分でオブジェクトが検出されないという決定を行うことに応答して、(i)環境の特定の部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別すること、または(ii)環境の特定の部分に向かって放出される光パルスを識別すること、のうちの1つ以上を含む識別プロセスを適用することを含み得、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄すること、または識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0177】
方法700のいくつかの実施形態では、情報を決定することは、車両周辺の環境内の交通量または気象のうちの1つ以上に関連付けられた条件を決定することを含み得、戦略を決定することは、決定された条件に基づいて環境のオフターゲット部分を決定することと、識別プロセスを適用することとを含み得、識別プロセスは、(i)環境のオフターゲット部分に対応する検出された戻り光パルスを表すデータ点を含む識別されたサブセットに基づいて、セットのデータ点のサブセットを識別すること、または(ii)環境のオフターゲット部分に向かって放出される光パルスを識別すること、のうちの1つ以上を含み、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、識別されたサブセットのデータ点の少なくとも一部を破棄すること、または識別された光パルスの少なくとも一部の放出を防止すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0178】
そのような実施形態では、条件を決定することは、環境の特定の部分内の交通量の程度が交通量の閾値範囲を下回るという決定を行うことを含み得、かつオフターゲット部分を決定することは、上記決定に基づいて、特定の部分となるオフターゲット部分を選択することを含み得る。
【0179】
追加的または代替的に、そのような実施形態では、条件を決定することは、環境の特定の部分が、雪、雨、みぞれ、雹、氷、霧のうちの1つ以上または事前定義された別の気象条件を有するという決定を行うことを含み得、かつオフターゲット部分を決定することは、上記決定に基づいて、特定の部分となるオフターゲット部分を選択することを含み得る。
【0180】
方法700のいくつかの実施形態では、戦略を決定することは、擬似ランダムコードまたはラウンドロビン方式を適用して、(i)破棄されるセットのデータ点または(ii)放出が防止される光パルスのうちの1つ以上を選択することを含み得、かつ決定された戦略に従ってドロッププロセスに関与することは、(i)疑似ランダムコードもしくはラウンドロビン方式の適用に従って選択されたセットのデータ点を破棄すること、または(ii)疑似ランダムコードもしくはラウンドロビン方式の適用に従って選択された光パルスの放出を防止することのうちの1つ以上を含み得る。
【0181】
IV.結論
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されるものではなく、特定の実施形態は、様々な態様の例解として意図される。当業者には明らかなことであるが、多くの変形および変更を本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は当業者には、これまでの説明から明らかであろう。このような変形および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0182】
上記の詳細な説明は、添付の図を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。図では、特に文脈で記載しない限り、同様の記号は通常、同様の構成要素を指している。本明細書および図に記載の例示的な実施形態は、限定することを意図しているものではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で概して説明され、かつ図に例解されている、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、そのすべてが、本明細書において明示的に想定されていることが容易に理解されよう。
【0183】
図における、また本明細書において考察されるメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかまたはすべてに関して、各ステップ、ブロック、動作、および/または通信は、例示的な実施形態に従った情報の処理および/または情報の送信を表し得る。代替的な実施形態は、これらの例示的な実施形態の範囲内に含まれる。これらの代替的な実施形態では、例えば、ステップ、ブロック、送信、通信、要求、応答、および/またはメッセージとして説明される動作は、関わる機能性に応じて、図示または考察されるものとは異なる順序で、実質的に同時に、または逆の順序で実行され得る。さらに、それより多いまたは少ないブロックおよび/または動作を、本明細書において考察されるメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかで使用することができ、これらのメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートは、部分的にまたは全体として互いに組み合わせることができる。
【0184】
情報の処理を表すステップ、ブロック、または動作は、本明細書に記載の方法または技法の特定の論理機能を果たすように構成され得る回路網に対応し得る。代替的または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部分に対応し得る。プログラムコードは、特定の論理演算または動作を方法または技法において実施するためのプロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、RAM、ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または別の記憶媒体を含む記憶デバイスなど、いずれの種類のコンピュータ可読媒体にも格納され得る。
【0185】
さらに、1つ以上の情報送信を表すステップ、ブロック、または動作は、同じ物理デバイスにおけるソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間の情報送信に対応し得る。しかし、他の情報送信は、様々な物理デバイスにおけるソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間の情報送信であり得る。
【0186】
図に示す特定の配置は、限定としてみなされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をそれより多く、またはそれより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、例解される要素のうちのいくつかを組み合わせることも、または省略することもできる。なおさらに、例示的な実施形態は、図に例解されていない要素を含むことができる。
【0187】
様々な態様および実施形態が本明細書において開示されているが、当業者には、他の態様および実施形態が明らかとなるであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例解を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7