(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20231117BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20231117BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H01M8/04 N
B01D53/22
B01D63/08
(21)【出願番号】P 2022110918
(22)【出願日】2022-07-11
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】10 2021 207 424.3
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイザー スヴェン アレクサンダー
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/262912(WO,A1)
【文献】特表2013-544145(JP,A)
【文献】特開昭61-057207(JP,A)
【文献】特表2015-529787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04
B01D 53/22
B01D 63/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムにおいて、湿潤カソード排出空気(K-AL)により乾燥カソード供給空気(K-ZL)を加湿する、加湿器(1)であって、
- 前記加湿器(1)は、ハウジング(21)と膜スタック(2)とを有し、該膜スタック(2)は、該膜スタック(2)の縦方向(LR)を横切る方向に積層された複数の膜(7)を有し、
- 前記膜スタック(2)は、空気が流通可能な2つの第1の側面(4a
,4b)と、空気が流通可能な2つの第2の側面(5a
,5b)と、2つの第3の気密側面(6a
,6b)とを有し、
- それぞれの前記側面(4a,4b,5a,5b,6a,6b)は、互いに反対側に位置し、前記第1の側面(4a,4b)は、前記縦方向(LR)を横切る方向に沿い、残りの側面(5a,5b,6a,6b)は、前記縦方向(LR)と平行に配置され、
- 前記加湿器(1)は、2つのシールフレーム(11a,11b)を有するシール部材(3)を有し、それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)は、それぞれの前記第1の側面(4a
,4b)に割り当てられ、
- 前記各シールフレーム(11a,11b)は、前記縦方向(LR)を横切る方向に沿うフレーム状の接触領域(12)と、該接触領域(12)から前記縦方向(LR)に突出する保持縁部(13)とを有し、
- それぞれの前記シールフレーム(11a
,11b)は、少なくとも一定の領域において前記接触領域(12)でそれぞれの第1の流通面(4a
,4b)に支持され、前記保持縁部(13)で前記膜スタック(2)に対面し、
- それぞれの前記シールフレーム(11a
,11b)の前記保持縁部(13)は、前記膜スタック(2)を距離を置いて囲み、それによって、前記保持縁部(13)と前記膜スタック(2)との間に前記膜スタック(2)の周囲のそれぞれの溝(14a
,14b)を形成しており、
- それぞれの前記溝(14a
,14b)には接着剤が充填され、それぞれの前記シールフレーム(11a
,11b)は前記膜スタック(2)に気密に結合されている、
ことを特徴とする、加湿器(1)。
【請求項2】
請求項1記載の加湿器において、
- 前記膜スタック(2)の前記膜(7)は、それぞれの前記第1の側面(4a
,4b)とそれぞれの前記第2の側面(5a
,5b)とを接続する、前記膜スタック(2)の接着縁部(10)で、互いに結合されており、
- 前記膜スタック(2)の前記接着縁部(10)には、それぞれの前記第1の側面(4a
,4b)の、空気が流通できない第1の接着領域(17)と、それぞれの前記第2の側面(5a
,5b)の、空気が流通できない第2の接着領域(18)とが形成されている、
ことを特徴とする、加湿器(1)。
【請求項3】
請求項2記載の加湿器において、
それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記接触領域(12)は、それぞれの前記第1の側面(4a,4b)の前記第1の接着領域(17)を、前記縦方向(LR)において、覆う、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項4】
請求項2又は3記載の加湿器において、
それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記保持縁部(13)は、それぞれの前記第2の側面(5a,5b)の前記第2の接着領域(18)を、前記縦方向(LR)を横切る方向において、を覆う、ことを特徴とする、加湿器。
【請求項5】
請求項
1記載の加湿器において、
- 各場合において、それぞれの前記第1の側面(4a,4b)とそれぞれの前記第3の
気密側面(6a,6b)とを接続する、前記膜スタック(2)の1つの接続縁部(19)が、前記膜スタック(2)のそれぞれの最後の前記膜(7)のそれぞれの縁部により形成されており、
- 空気が、前記膜スタック(2)の前記接続縁部(19)においてそれぞれの前記第1の側面(4a,4b)を通って
、完全に、流通可能である、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項6】
請求項5記載の加湿器において、
それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記接触領域(12)は、前記接続縁部(19)に支持されていない、又は前記縦方向(LR)において前記膜スタック(2)のそれぞれの最後の前記膜(7)の縁部のみを覆う、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項7】
請求項5又は6記載の加湿器において、
前記接続縁部(19)におけるそれぞれの前記シールフレーム(11a
,11b)の前記保持縁部(13)は、それぞれの前記第3の
気密側面(6a
,6b)を、前記縦方向(LR)を横切る方向において、覆う、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項8】
請求項
1記載の加湿器において、
- 前記膜スタック(2)に対面する複数のスペーサカム(16)が、それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記保持縁部(13)に形成されており、
- それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)が前記膜スタック(2)を中心に位置付け、且つ、前記溝(14a,14b)が前記縦方向(LR)を横切る一定の幅を有するように、それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)は、複数の前記スペーサカム(16)とともに前記膜スタック(2)に対して支持されている
、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項9】
請求項8記載の加湿器において、
それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記スペーサカム(16)は、前記接触領域(12)からの前記縦方向(LR)への高さが、それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)の前記保持縁部(13)よりも小さい、
ことを特徴とする、加湿器。
【請求項10】
請求項
1記載の加湿器において、
- それぞれの前記シールフレーム(11a,11b)は、フレーム状のシール領域(20)を有し、該シール領域(20)は、前記膜スタック(2)に対面していない前記接触領域(12)に固定又は形成されており、
- 前記シール領域(20)は、前記加湿器(1)の前記ハウジング(21)に気密に支持され、それぞれの前記第1の側面(4a,4b)を周方向にシールしている、
ことを特徴とする、加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のように、燃料電池システムにおいて、湿潤カソード排出空気により乾燥カソード供給空気を加湿する加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおける加湿器は、湿潤カソード排出空気を用いて乾燥カソード供給空気を加湿するために使用される。燃料電池システムは、特に車両の駆動に使用できる。この種の加湿器は、通常、ハウジングと、ハウジング内に収容され、互いに距離をおいて積層された複数の膜を有する、膜スタックとを有する。膜スタックの隣接する膜の間にチャネルが形成され、これを通してカソード供給空気とカソード排出空気とが交互に流れる。膜は、空気に対して不透過性であり、水蒸気に対して透過性であり、その結果、カソード供給空気及びカソード排出空気は、膜により分離され、カソード供給空気は、膜を通してカソード排出空気で加湿され得る。DE102014006394A1は、例えば、複数のシールにより加湿装置のハウジング内のカソード供給空気とカソード排出空気との気密な分離を開示している。これの欠点は、加湿器が非常に複雑な構造を有することである。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、記載された欠点が克服される、一般的なタイプの加湿器のための、改善された、又は少なくとも代替の、実施形態を提供することにある。
【0004】
この課題は、本発明によれば、独立請求項1の主題により解決される。有利な実施形態は、従属請求項、その説明及び図面の主題である。
【0005】
燃料電池システムにおける加湿器は、湿潤カソード排出空気を用いて乾燥カソード供給空気を加湿するために使用される。加湿器は、ハウジングと膜スタックとを有し、膜スタックは、膜スタックの縦方向を横切る方向に互いに積層された複数の膜を有する。膜スタックは、空気が流通可能な2つの第1の側面と、空気が流通可能な2つの第2の側面と、2つの第3の気密な側面とを有する。それぞれの側面は、互いに反対側に位置する。さらに、第1の側面は、縦方向を横切る方向に沿い、残りの側面は、縦方向と平行に配置されている。それぞれの側面は、外側から膜スタックを画定する。加湿器はまた、2つのシールフレームを有するシール部材を有し、それぞれのシールフレームは、それぞれの第1の側面に割り当てられる。本発明によれば、それぞれのシールフレームは、縦方向を横切る方向に沿うフレーム状の接触領域と、その接触領域から縦方向に突出する保持縁部とを有する。それぞれのシールフレームの接触領域は、少なくとも一部の領域において、それぞれの第1の流動面に支持され、その保持縁部は、膜スタックに対面している。それぞれのシールフレームの保持縁部は、膜スタックを距離をおいて囲み、その結果、保持縁部と膜スタックとの間に膜スタックを囲むそれぞれの溝が形成されている。それぞれの溝には接着剤が充填され、それぞれのシールフレームは、膜スタックに気密に結合されている。
【0006】
それぞれのシールフレームは、空気が互いに流通可能な膜スタックのそれぞれの側面を確実にシールするために有利に使用できる。シールフレームは、膜スタックに結合され、従って一体的に結合されている。さらに、空気が流通可能な第1の側面と、空気が流通可能な第2の側面とは、それぞれのシールフレームにより、ハウジング内で、気密に互いに分離され得る。それぞれのシールフレーム又はそれぞれのシールフレームの接触領域は、フレーム状であり、空気が流通可能なそれぞれの第1の側面の縁部を囲む。したがって、空気は、空気が流通可能なそれぞれの第1の側面を通って、すなわち、それぞれのシールフレームを通って、又はそれぞれのシールフレームの接触領域を通って、流通可能である。
【0007】
加湿器では、空気が流通可能な膜スタックの第1の側面は、縦方向を横切る方向に沿っている。縦方向は、膜スタックの膜に平行である。膜スタックは、有利には、ハウジング内に縦方向に押し込むことができる。膜スタックは、有利には、直方体であり得る。膜スタックの最長縁部は、有利には、縦方向に平行であり得る。それぞれの第1の側面の幾何学的表面は、有利には、それぞれの第2の側面の幾何学的表面よりも、及び/又はそれぞれの第3の側面の幾何学的表面よりも、小さくし得る。それぞれの第3の気密な側面は、膜スタックのそれぞれの最後の膜により形成し得る。膜は、空気に対して不透過性であり、水蒸気に対して透過性であるので、第3の側面は気密状態を維持する。
【0008】
本発明に関連して、用語「接着剤」は、特に、結合剤、接着シーラント又は接着剤充填物を意味すると理解される。有利には、溝に充填された接着剤は、フォームレス(formless)及び/又は硬化性であり得る。硬化性接着剤は、例えば、冷却又は架橋により硬化し得る。溝内の接着剤は、有利には、フレーム状及び/又は連続的であり、及び/又は膜スタックを囲み、及び/又は寸法的に安定であり、シールを形成し得る。シールは、有利には、それぞれのシールフレーム及び膜スタックに一体的に結合され得る。シールは、有利には、フレーム状及び/又は連続的及び/又は周方向に沿い及び/又は寸法的に安定であり得る。
【0009】
本発明に関連して、「…の縦方向を覆う」という表現は、2つの重なり合う要素が、縦方向に互いに直接続くか、又は縦方向に互いに直接隣接して配置されることを意味する。そのとき、2つの要素の間に形成される接触面は、縦方向を横切る方向に沿う。同様に、「…の縦方向を横切る方向を覆う」という文言は、縦方向を横切る方向に、2つの重なり合う要素が互いに直接続くか、又は互いに直接隣接して配置されることを意味する。そのとき、2つの要素の間に形成される接触面は、縦方向を横切る方向に沿う。
【0010】
カソード供給空気用の供給空気ダクト及びカソード排出空気用の排出空気ダクトは、有利には、膜スタックの膜の間に形成し得る。供給空気ダクトは、有利には、それぞれの第1の側面に割り当て得る。カソード供給空気は、有利には、供給空気ダクトを介して、一方の第1の側面から他方の第1の側面まで、膜スタックを流通し得る。供給空気ダクトは、有利には、それぞれの第1の側面に割り当て得る。カソード供給空気は、有利には、供給空気ダクトを介して、一方の第1の側面から他方の第1の側面まで、膜スタックを流通し得る。供給空気ダクト及び排出空気ダクトは、有利には、膜スタック内で互いに垂直に並び得る。膜スタックの膜は、有利には、空気に対して不透過性であり、水蒸気に対して透過性であり得る。カソード供給空気及びカソード排出空気は、有利には、混合することなく膜スタックを流通し得る。カソード供給空気は、有利には、膜スタック内のカソード排出空気により、膜を通過して加湿され得る。
【0011】
膜スタックの膜は、有利には、それぞれの第1の側面とそれぞれの第2の側面とを接続する膜スタックの接着縁部で互いに結合され、従って一体的に結合され得る。膜スタックの接着縁部では、それぞれの第1の側面で空気が流通できない第1の接着領域と、空気が流通できない第2の接着領域とを、それぞれの第2の側面に、形成し得る。膜スタックは、合計4つの接着縁部を有し、これらは縦方向を横切る方向に沿い、且つ互いに平行である。それぞれの接着縁部は、第1の側面のうちの1つと第2の側面のうちの1つとに割り当てられる。そして、それぞれの第1又は第2の側面に、互いに反対側に位置する2つの接着縁部が割り当てられる。そして、それぞれの第1又は第2の側面に、互いに反対側にある2つの第1又は第2の接着領域が割り当てられる。空気は、それぞれの第1及び第2の接着領域を流通できないので、それぞれの第1又は第2の側面の流通可能な幾何学的面積は、2つの第1又は第2の接着領域の面積により小さくなる。
【0012】
有利には、それぞれのシールフレームの接触領域は、それぞれの第1の側面の第1の接着領域の縦方向を覆うようにし得る。特に、それぞれのシールフレームの接触領域は、それぞれの第1の側面の第1の接着領域の縦方向を排他的に覆い得る。換言すれば、それぞれのシールフレームの接触領域は、第1の側面の空気が流通可能な領域が覆われず、空気が依然として流通し得るように、それぞれの第1の側面の縦方向を覆い得る。その結果、それぞれの第1の側面の空気が流通可能な幾何学的領域は、有利には、それぞれのシールフレームにより小さくならない。前記のように、2つの互いに反対側にある第1の接着領域が、それぞれの第1の側面に割り当てられる。その結果、それぞれのシールフレームの接触領域は、2つの第1の接着領域の縦方向を覆うことができ、従って、耐傾斜方法(a tilt-proof manner)でそれぞれの第1の側面に支持される。
【0013】
有利には、それぞれのシールフレームの保持縁部は、それぞれの第2の側面の第2の接着領域の縦方向を横切る方向を覆い得る。特に、それぞれのシールフレームの保持縁部は、それぞれの第2の側面の第2の接着領域の縦方向を横切る方向のみを覆い得る。換言すると、それぞれのシールフレームの保持縁部は、第1の側面の空気が流通可能な領域が覆われず、空気が依然として流通し得るように、それぞれの第1の側面の縦方向を覆い得る。その結果、空気が流通可能なそれぞれの第2の側面の幾何学的領域は、有利には、それぞれのシールフレームにより小さくならない。言うまでもなく、膜スタックと保持縁部との間に形成された溝内の接着剤は、溝内にのみ残り、流通可能なそれぞれの第2の側面の領域は、それゆえ覆われず、それゆえ遮断されない。
【0014】
それぞれの第1の側面とそれぞれの第3の側面とを接続する膜スタックの接続縁部は、有利には、膜スタックのそれぞれの最後の膜のそれぞれの縁部により形成し得る。膜スタックの接続縁部において、空気は、好ましくは完全に、それぞれの第1の側面を通って流通し得る。用語「完全に」は、膜スタックのそれぞれの第1の側面の、空気が流通可能な領域が、それぞれのシールフレームの接触領域により覆われず、且つ小さくならないことを意味する。この目的のために、それぞれのシールフレームは、それぞれの接続縁部に直接隣接して配置することができ、空気が縦方向に流通できるそれぞれの第1の側面を覆わないようにすることができる。膜スタックは合計4つの接続縁部を有し、これらは、縦方向を横切る方向に沿い、互いに平行である。それぞれの接続縁部は、第1の側面のうちの1つ及び第2の側面のうちの1つに割り当てられる。そして、それぞれの第1又は第2の側面には、互いに反対側に位置する2つの接続縁部が割り当てられる。
【0015】
有利には、それぞれのシールフレームの接触領域は、接続縁部に支持されないか、又は膜スタックのそれぞれの最後の膜の縁部の縦方向のみを覆うようにし得る。換言すると、それぞれのシールフレームの接触領域は、それぞれの第1の側面から外側に移動させる。その結果、空気が流通可能なそれぞれの第2の側面の幾何学的領域は、有利には、それぞれのシールフレームにより小さくならない。
【0016】
有利には、接続縁部におけるそれぞれのシールフレームの保持縁部が、それぞれの第3の側面の縦方向を横切る方向を覆うようにし得る。その結果、それぞれの第3の側面と保持縁部との間に溝が形成される。それぞれの第3の側面は空気が流通できないので、結果として膜スタックの、空気が流通可能な幾何学的表面は遮断されない。溝が接着剤で充填され、膜スタックがそれぞれのシールフレームに結合され、それゆえ一体的に結合される場合、それぞれの第1の側面及びそれぞれの第3の側面も、それぞれの接続縁部で互いに気密に分離される。
【0017】
有利には、それぞれのシールフレームが複数のスペーサカムを有するようにし得る。スペーサカムは、それぞれのシールフレームの保持縁部に形成され、膜スタックに対面する。そして、それぞれのシールフレームが膜スタックを中心に位置付け、且つ、溝が縦方向を横切る一定の幅を有するように、それぞれのシールフレームは、複数のスペーサカムとともに膜スタックに対して支持され得る。有利には、スペーサカムは、それぞれの第1の側面の周囲又は膜スタックの周囲に、周方向に均等に分布するように配置し得る。
【0018】
それぞれのシールフレームのスペーサカムは、有利には、接触領域から縦方向への高さが、それぞれのシールフレームの保持縁部よりも小さくなるようにし得る。その結果、それぞれのスペーサカムが膜スタックと接触しているものの、溝はそれぞれのスペーサカムの上方で縦方向に接続されたままにし得る。それゆえ、溝に充填された接着剤は、密着したフレーム状のシールを形成でき、膜スタックのシールは、それぞれのシールフレームにより改善され得る。
【0019】
それぞれのシールフレームは、有利には、フレーム状のシール領域を有し、シール領域は、膜スタックに対面していない接触領域に固定又は形成され得る。そして、シール領域は、加湿器のハウジングに気密に支持され、それぞれの第1の側面の周囲全体をシールし得る。その結果、空気が流通可能な膜スタックのそれぞれの第1の側面は、ハウジング内で、空気が流通可能な、膜スタックのそれぞれの第2の側面から分離でき、互いに気密に分離できる。
【0020】
空気が流通可能な2つの第2の側面は、有利には、ハウジング内で互いに気密に分離され得る。有利には、シール部材は、2つのシールプレートを有し得る。それぞれのシールプレートは、空気が流通できないダイヤフラムスタックのそれぞれの第3の側面に対して一方の側が、ハウジングに対して他方の側が、気密的に支持され得る。それぞれのシールプレートは、更に、関連するそれぞれの第3の側面に、一体的に、且つ気密に、例えば接着され得る。
【0021】
本発明の更なる重要な特徴及び利点は、従属請求項、図面及び図面に基づく添付の説明から明らかになるであろう。
【0022】
言うまでもなく、前記の特徴及び以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、各場合に示される組合せだけでなく、他の組み合わせでも、又は別々でも、使用され得る。
【0023】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。ここで、同一の参照番号は、同一の又は類似の又は機能的に同一のコンポーネントを指す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る加湿器の膜スタックとシール部材とからなる構成を示す図である。
【
図3】本発明に係る加湿器の膜スタックを示す図である。
【
図4】本発明に係る加湿器の膜スタックを示す部分図である。
【
図5】
図1に示す構成において、膜スタックの接着縁部を横切る断面を示す図である。
【
図6】
図1に示す構成において、膜スタックの接続縁部を横切る断面を示す図である。
【
図7】
図1に示す構成において、接着剤なしの膜スタックの接着縁部を横切る断面を示す図である。
【
図8】
図1に示す構成において、接着剤を用いた膜スタックの接着縁部を横切る断面を示す図である。
【
図9】
図1に示す構成において、接着剤なしの膜スタックの接着縁部を横切る、
図7とは異なる断面を示す図である。
【
図10】
図1に示す構成において、接着剤を用いた膜スタックの接着縁部を横切る、
図8とは異なる断面を示す図である。
【
図11】
図1に示す構成において、接着剤なしの膜スタックの接続縁部を横切る断面を示す図である。
【
図12】
図1に示す構成において、接着剤を用いた膜スタックの接続縁部を横切る断面を示す図である。
【
図13】
図1に示す構成において、接着剤なしの膜スタックの接続縁部を横切る、
図11とは異なる断面を示す図である。
【
図14】
図1に示す構成において、接着剤を用いた膜スタックの接続縁部を横切る、
図12とは異なる断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係る加湿器1を示す。加湿器1は、燃料電池システム内の湿潤カソード排出空気K-ALにより乾燥カソード供給空気K-ZLを加湿するために設けられている。
【0026】
加湿器1は、膜スタック2とシール部材3とを有する。また、加湿器1は、
図15に示すように、ハウジング21を有し、このハウジングには、膜スタック2と、それに設けられたシール部材3とが収容されている。ハウジング21は、明確にするためにここでは示されていない。
【0027】
膜スタック2は直方体であり、2つの第1の側面4a及び4bと、2つの第2の側面5a及び5bと、2つの第3の側面6a及び6bとを有する。膜スタック2には縦方向LRが規定されており、第1の側面4a及び4bは縦方向LRを横切る方向に沿っている。第2の側面5a及び5b並びに第3の側面6a及び6bは、これに対応して縦方向LRと平行である。言うまでもなく、それぞれの側面4a、4b、5a、5b、6a、6cは、外側に向かって閉じた膜スタック2の輪郭を形成する。
【0028】
膜スタック2は、複数の膜7(ここでは平坦な膜)を有し、これらの膜は、膜スタック2の縦方向LRを横切る方向に互いに距離を置いて積層されている。その結果、膜スタック2では、第1の側面4a及び4b並びに第2の側面5a及び5bを空気が流通可能であり、その一方で、第3の側面6a及び6bは空気が流通できない、すなわち気密である。カソード供給空気K-ZLが流通可能な供給空気ダクト8、及びカソード排出空気K-ALが流通可能な排出空気ダクト9は、個々の膜7の間に形成される。膜スタック2の膜7は気密で水蒸気に対して透過性であるため、カソード供給空気K-ZL及びカソード排出空気K-ALは混合せずに膜スタック2を流通するものの、膜スタック2内のカソード供給空気K-ZLはカソード排出空気K-ALにより膜7を介して加湿される。ここに示す膜スタック2では、乾燥カソード供給空気K-ZLは第1の側面4a及び4bを流通可能であり、湿潤カソード排出空気K-ALは第2の側面5a及び5bを流通可能である。
【0029】
シール部材3は、2つのシールフレーム11a及び11bを有し、それぞれのシールフレーム11a又は11bは、それぞれの第1の側面4a又は4bに割り当てられている。それぞれのシールフレーム11a又は11bは、縦方向LRを横切る方向に沿うフレーム状の接触領域12と、接触領域12から膜スタック2に向かって縦方向LRに突出する保持縁部13とを有する。保持縁部13は、接触領域12を外側で囲んでいる。それぞれのシールフレーム11a又は11bの接触領域12は、それぞれの第1の側面4a又は4bに支持されている。各場合において、保持縁部13と膜スタック2との間に周方向の溝14a又は14bが形成されるように、それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13は、膜スタック2を距離を置いて囲んでいる。それぞれの溝14a又は14bには接着剤が充填され、それぞれのシールフレーム11a又は11bは膜スタックに気密に結合されている。接着剤は成形されておらず、硬化後に周りを囲むフレーム状シール15a又は15bを形成し、これはそれぞれの溝14a又は14bに配置され、膜スタック2及びそれぞれのシールフレーム11a又は11bに一体的に結合される。
【0030】
また、それぞれのシールフレーム11a又は11bは、フレーム状のシール領域20を有している。シール領域20は、接触領域12に形成され、膜スタック2又は保持縁部13に対面していない。膜スタック2がハウジング21内に配置される場合(
図15参照)、シール領域20は、ハウジングに気密に支持され、空気が流通可能なハウジング21内の残りの側面からそれぞれの第1の側面4a又は4bをシールする。
【0031】
図2は、本発明に係る加湿器1の分解図である。
図2では、シールフレーム11aは膜スタック2から分離され、シールフレーム11bは示されていない。2つのシールフレーム11a及び11bは互いに同一であるので、以下の説明は2つのシールフレーム11a及び11bに当てはまる。それぞれのシールフレーム11a又は11bは、それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13に形成された複数のスペーサカム16を有する。スペーサカム16は、膜スタック2に対面し、膜スタック2と接している。その結果、それぞれのシールフレーム11a又は11bは、膜スタック2を中心に位置付け、それぞれの溝14a又は14bは、縦方向LRを横切る方向に一定の幅を有する。また、スペーサカム16は、(接触領域12から縦方向LRに測った)高さが保持縁部13よりも小さい。その結果、それぞれの溝14a又は14b内の接着剤により形成されたシール15a又は15bは、全周にわたって連続している。
【0032】
図3は、本発明に係る加湿器1の膜スタック2を示す図である。
図3において、膜スタック2の個々の膜7は、合計4つの接着縁部10で互いに結合されていることが特に明確に分かる。それぞれの接着縁部10は、それぞれの第1の側面4a又は4bとそれぞれの第2の側面5a又は5bとの間に形成される。それぞれの接着縁部10には、空気が流通できない第1の接着領域17と、空気が流通できない第2の接着領域18とが、個々の膜7の接着剤の結合により形成されている。第1の接着領域17は、それぞれの第1の側面4a又は4bに割り当てられ、第2の接着領域18は、それぞれの第2の側面5a又は5bに割り当てられている。
【0033】
反対側にある2つの第1の接着領域17は、それぞれの第1の側面4a又は4bに配置されている。反対側にある2つの第2の接着領域18は、それぞれの第2の側面5a又は5bに配置されている。空気は、接着領域17及び18を流通できず、それらはそれぞれの第1の側面4a及び4b並びにそれぞれの第2の側面5a及び5bの幾何学的流通可能領域を小さくしている。
【0034】
さらに、4つの接続縁部19が、それぞれの第1の側面4a又は4bとそれぞれの第3の側面6a又は6bとの間の膜スタック2に形成されている。それぞれの接続縁部19は、膜スタック2のそれぞれの最後の膜7の縁部により形成されている。したがって、それぞれの接続縁部19では、それぞれの第1の側面4a又は4bの、空気が流通可能な幾何学的表面は小さくならない。それぞれの接続縁部19は、縦方向LRを横切る方向に沿っている。それぞれの第1の側面4a又は4bには、互いに反対側に位置する2つの接続縁部19が割り当てられている。
【0035】
図4は、接着縁部10における、本発明に係る加湿器1の膜スタック2の部分図である。
図4では、それぞれの接着縁部10におけるそれぞれの第1の接着領域17及びそれぞれの第2の接着領域18が、特によく示されている。また、それぞれの接続縁部19は、膜スタック2の最後の膜7の縁部により形成されていることが分かる。
【0036】
図5は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接着縁部10を横切る断面図である。
図5では、シールフレーム11aが示されており、シールフレーム11bは示されていない。2つのシールフレーム11a及び11bは互いに同一であるので、以下の説明は2つのシールフレーム11a及び11bに当てはまる。それぞれのシールフレーム11a又は11bの接触領域12は、それぞれの第1の側面4a又は4bの第1の接着領域17の縦方向LRのみを覆っている。それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13は、それぞれの第2の側面5a又は5bの第2の接着領域18の縦方向LRを横切る方向のみを覆っている。換言すると、それぞれのシールフレーム11a又は11bの接触領域12及び保持縁部13は、それぞれの第1の側面4a又は4b及びそれぞれの第2の側面5a又は5bの、空気が流通可能ないかなる領域も覆っていない。その結果、それぞれの第1の側面4a又は4b及びそれぞれの第2の側面5a又は5bにおける膜スタック2を通る流れは、シールフレーム11a又は11bにより悪影響を受けない。
【0037】
図6は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接続縁部19を横切る断面図である。
図6では、シールフレーム11aが示されており、シールフレーム11bは示されていない。2つのシールフレーム11a及び11bは互いに同一であるので、以下の説明は2つのシールフレーム11a及び11bに当てはまる。それぞれのシールフレーム11a又は11bの接触領域12は、それぞれ第1の側面4a又は4bの縦方向LRを覆っていない。その結果、それぞれの第1の側面4a又は4bにおいて膜スタック2を通る流れは、シールフレーム11a又は11bにより悪影響を受けない。しかし、それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13は、それぞれの第3の側面5a又は5bの縦方向LRを横切る方向を部分的に覆っている。空気は、それぞれの第3の側面6a及び6bを流通できないので、膜スタック2を通る流れは、同様に、悪影響を受けない。
【0038】
図7~10は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、接着縁部10を横切る異なる断面図である。
図7~10では、シールフレーム11aが示されており、シールフレーム11bは示されていない。2つのシールフレーム11a及び11bは互いに同一であるので、
図7~10の説明は2つのシールフレーム11a及び11bに当てはまる。
【0039】
図7は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接着縁部10を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16外を通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤なしで示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されるそれぞれのシール15a又は15bなしで示されている。
【0040】
図8は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接着縁部10を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16外を通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤とともに示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されたそれぞれのシール15a又は15bとともに示されている。
【0041】
図9は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接着縁部10を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16の1つを通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤なしで示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されるそれぞれのシール15a又は15bなしで示されている。
【0042】
図10は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接着縁部10を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにあるスペーサカム16の1つを通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤とともに示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されたそれぞれのシール15a又は15bとともに示されている。
【0043】
図7~10で特によく分かるように、それぞれのシールフレーム11a又は11bは、空気が流通可能なそれぞれの第1の側面4a又は4b及びそれぞれの第2の側面5a又は5bのいかなる領域も覆っていない。これは、膜スタック2を通る流れに影響を及ぼさない。前記のように、それぞれのスペーサカム16は、(接触領域12から縦方向LRに測った)高さが、それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13よりも小さい。その結果、溝14a又は14bに形成されたシール15a又は15bは、フレーム状で且つ連続している。
【0044】
図11~14は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、接続縁部19を横切る異なる断面図である。
図11~14では、シールフレーム11aが示されており、シールフレーム11bは示されていない。2つのシールフレーム11a及び11bは同一であるので、
図11~14の説明は、2つのシールフレーム11a、11bに当てはまる。
【0045】
図11は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接続縁部19を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16外を通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤なしで示されており、それに対応して、硬化した接着剤から形成されるそれぞれのシール15a又は15bなしで示されている。
【0046】
図12は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接続縁部19を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16外を通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤とともに示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されたそれぞれのシール15a又は15bとともに示されている。
【0047】
図13は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接続縁部19を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16の1つを通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤なしで示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されるそれぞれのシール15a又は15bなしで示されている。
【0048】
図14は、シール部材3とともに膜スタック2を示す、膜スタック2の接続縁部19を横切る断面図である。ここで、それぞれの溝14a又は14bを通る切断面は、それぞれの溝14a又は14bにおいてスペーサカム16を通っている。溝14a又は14bはまた、接着剤とともに示され、それに対応して、硬化した接着剤から形成されたそれぞれのシール15a又は15bとともに示されている。
【0049】
図11~14で特によく分かるように、それぞれのシールフレーム11a又は11bは、空気が流通可能なそれぞれの第1の側面4a又は4bのいかなる領域も覆っていない。これは、それぞれの第1の側面4a又は4bにおいて、膜スタック2を通る流れに影響を及ぼさない。空気は、それぞれの第3の側面6a及び6bを流通できないので、それぞれの第3の側面6a又は6bを保持縁部13で覆っても、膜スタック2を通る流れに影響を及ぼさない。
図7~10に示すように、それぞれのスペーサカム16は、縦方向LRにおいて、それぞれのシールフレーム11a又は11bの保持縁部13よりも小さく形成されている。その結果、溝14a又は14bに形成されたシール15a又は15bは、フレーム状で且つ連続している。
【0050】
図15は、本発明に係る加湿器1の分解図である。前記のように、加湿器はハウジング21を有し、シール部材3を有する膜スタック2が、ハウジング21内に収容されている。ハウジング21は、ポット状のハウジング本体22と、ハウジング本体22とは別体のカバー23とを有している。カバー23は、ハウジング本体22又はハウジング本体22内の組立開口部22の縦方向LRを横切る方向を閉じる。シール部材3を有する膜スタック2は、組立開口部22aを介して縦方向LRに沿ってハウジング本体22内に押し込むことができる。
【0051】
ハウジング21、すなわちハウジング本体22及びカバー23には、合計4つの空気孔24a,24b及び25a,25bが形成されている。空気が流通可能な側面4a及び4bは、空気孔24a及び24bと、空気が流通可能な側面5a及び5bとを介して、空気孔25a及び25bを通って、外部につながることができる。