(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】遠隔無線充電送信端部、受信端部、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20231117BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20231117BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20231117BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/20
H02J50/90
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2022520506
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(86)【国際出願番号】 CN2020087773
(87)【国際公開番号】W WO2021217495
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パン,ニーン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,ジーシア
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ビーン
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-068632(JP,A)
【文献】特開2016-181953(JP,A)
【文献】特表2018-506252(JP,A)
【文献】特開2018-113849(JP,A)
【文献】特表2019-526221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0285518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/20
H02J 50/90
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信端部を無線で充電するように構成されている遠隔無線充電送信端部であって、
当該送信端部は、送信端部プロセッサと、基本周波数・無線周波数変換ユニットと、送信端部アンテナとを備え、
前記送信端部プロセッサは、制御信号と電力信号とに基づいて複合信号を生成し、前記複合信号を前記基本周波数・無線周波数変換ユニットへ伝送するように構成され、前記制御信号は、前記受信端部の動作状態を制御するために使用され、前記電力信号は、前記受信端部を充電するために使用され、
前記基本周波数・無線周波数変換ユニットは、前記複合信号を無線周波数信号に変換し、前記無線周波数信号を前記送信端部アンテナへ伝送するように構成され、
前記送信端部アンテナは、前記複合信号に対応する前記無線周波数信号を送信するように構成され
、
前記送信端部アンテナは、前記受信端部によって送信されたフィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号を前記基本周波数・無線周波数変換ユニットへ伝送するようにさらに構成され、
前記基本周波数・無線周波数変換ユニットは、前記フィードバック信号を基本周波数信号に変換し、前記基本周波数信号を前記送信端部プロセッサへ伝送するようにさらに構成され、
前記送信端部プロセッサは、前記制御信号に基づいて位相変調信号を生成し、通信帯域幅と前記電力信号とに基づいて高ピーク対平均電力比PAPR波形を生成し、前記位相変調信号と前記高PAPR波形とに基づいて前記複合信号を生成するように構成されている、
遠隔無線充電送信端部。
【請求項2】
前記フィードバック信号は、前記受信端部の位置情報を搬送し、
前記送信端部プロセッサは、前記位置情報に基づいて、前記受信端部の位置が変化すると決定する場合に、前記電力信号を調整するように、さらに構成されている、請求項1記載の送信端部。
【請求項3】
前記フィードバック信号は、前記受信端部のバッテリレベル情報を搬送し、
前記送信端部プロセッサは、前記バッテリレベル情報に基づいて前記制御信号と前記電力信号とを調整するように、さらに構成されている、請求項1記載の送信端部。
【請求項4】
前記送信端部プロセッサは、前記通信帯域幅と、トーンの数量Ntと、前記電力信号とに基づいて、マルチトーン信号の高ピーク対平均電力比PAPR波形を生成するように、具体的に構成されている、請求項
1記載の送信端部。
【請求項5】
前記送信端部プロセッサは、前記フィードバック信号に基づいて前記高PAPR波形を調整するように、さらに構成されている、請求項
1記載の送信端部。
【請求項6】
当該送信端部は、第1切り替えスイッチをさらに備え、
前記基本周波数・無線周波数変換ユニットは、信号伝送路と信号受領路とを含み、
前記第1切り替えスイッチの第1端は、前記送信端部アンテナに接続され、
前記送信端部プロセッサは、前記第1切り替えスイッチの第2端を制御して前記信号伝送路に接続し、前記複合信号を伝送するように構成され、さらに、前記第1切り替えスイッチの前記第2端を制御して前記信号受領路に接続し、前記フィードバック信号を受信するように構成されている、請求項
1ないし
5のいずれか1項に記載の送信端部。
【請求項7】
前記送信端部アンテナは、送信端部送信アンテナと送信端部受信アンテナとを含み、
前記基本周波数・無線周波数変換ユニットは、信号伝送路と信号受領路とを含み、
前記送信端部送信アンテナは、前記信号伝送路に接続され、前記送信端部送信アンテナは、前記複合信号を送信するように構成され、
前記送信端部受信アンテナは、前記信号受領路に接続され、前記送信端部受信アンテナは、前記フィードバック信号を受信するように構成されている、請求項
1ないし
5のいずれか1項に記載の送信端部。
【請求項8】
受信端部プロセッサと、電力モジュールと、通信モジュールと、受信端部アンテナとを備え
た遠隔無線充電受信端部であって、
前記受信端部アンテナは、送信端部によって送信された無線周波数信号を受信するように構成され、前記無線周波数信号は、制御信号と電力信号とに基づいて前記送信端部によって生成された複合信号であり、
前記制御信号は、当該受信端部の動作状態を制御するために使用され、前記電力信号は、当該受信端部を充電するために使用され、
前記電力モジュールは、前記複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、電力を前記受信端部プロセッサと前記通信モジュールとに供給するように構成され、
前記通信モジュールは、前記複合信号から前記制御信号を取得し、前記制御信号を前記受信端部プロセッサへ伝送するように構成され、
前記受信端部プロセッサは、前記制御信号に基づいて
当該受信端部の動作状態を制御するように構成され
、
前記受信端部プロセッサは、前記通信モジュールにフィードバック信号を伝送するようにさらに構成され、
前記通信モジュールは、前記フィードバック信号を無線周波数信号に変換し、前記無線周波数信号を前記受信端部アンテナへ伝送するようにさらに構成され、
前記受信端部アンテナは、前記フィードバック信号に対応する前記無線周波数信号を送信し、
前記複合信号は、前記送信端部により、前記制御信号に基づいて位相変調信号を生成し、通信帯域幅と前記電力信号とに基づいて高ピーク対平均電力比PAPR波形を生成することによって、前記位相変調信号と前記高PAPR波形とに基づいて生成される、
遠隔無線充電受信端部。
【請求項9】
前記フィードバック信号は
当該受信端部の位置情報を搬送し、
前記位置情報に基づいて、
当該受信端部の位置が変化することを決定する場合に、前記電力信号
は、前記送信端部によって調整
される、請求項
8記載の受信端部。
【請求項10】
前記フィードバック信号は、
当該受信端部のバッテリレベル情報をさらに搬送し、
前記制御信号と前記電力信号
は、前記バッテリレベル情報に基づいて、前記送信端部によって調整
される、請求項
8記載の受信端部。
【請求項11】
当該受信端部は、第2切り替えスイッチと第3切り替えスイッチとをさらに備え、
前記通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み、
前記第2切り替えスイッチの第1端は、前記受信端部アンテナに接続され、
前記受信端部プロセッサは、前記複合信号を受信し、まず前記第2切り替えスイッチの第2端を制御して前記第3切り替えスイッチの第1端に接続し、前記第3切り替えスイッチの第2端を制御して前記通信受領路に接続し、次いで前記第2切り替えスイッチの前記第2端を制御して、前記電力モジュールに接続するように構成されている、請求項
8ないし
10のいずれか1項に記載の受信端部。
【請求項12】
当該受信端部は、第2切り替えスイッチと第3切り替えスイッチとをさらに備え、
前記通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み、
前記第2切り替えスイッチの第1端は、前記受信端部アンテナに接続され、
前記受信端部プロセッサは、前記フィードバック信号を伝送し、前記第2切り替えスイッチの第2端を制御して前記第3切り替えスイッチの第1端に接続し、前記第3切り替えスイッチの第2端を制御して前記通信伝送路に接続するように構成されている、請求項
8ないし10のいずれか1項に記載の受信端部。
【請求項13】
前記受信端部アンテナは、受信端部受信アンテナと受信端部トランシーバアンテナとを含み、
前記受信端部受信アンテナは、前記電力モジュールに接続され、前記受信端部受信アンテナは、前記複合信号を受信するように構成され、
当該受信端部は、第4切り替えスイッチをさらに備え、前記第4切り替えスイッチの第1端は、前記受信端部トランシーバアンテナに接続され、
前記通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み、
前記受信端部プロセッサは、前記第4切り替えスイッチの第2端を制御して前記通信受領路に接続し、前記複合信号を受信するように構成され、前記第4切り替えスイッチの前記第2端を制御して前記通信伝送路に接続し、前記フィードバック信号を伝送するように構成されている、請求項
8ないし10のいずれか1項に記載の受信端部。
【請求項14】
前記受信端部アンテナは、第1受信アンテナと、第2受信アンテナと、第1送信アンテナとを含み、
前記第1受信アンテナは、前記電力モジュールに接続され、前記第1受信アンテナは、前記複合信号を受信するように構成され、
前記通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み、
前記第2受信アンテナは、前記通信受領路に接続され、前記複合信号を受信するように構成され、
前記第1送信アンテナは、前記通信伝送路に接続され、
前記フィードバック信号を伝送するように構成されている、請求項
8ないし
10のいずれか1項に記載の受信端部。
【請求項15】
受信端部プロセッサと、電力モジュールと、通信モジュールと、受信端部アンテナと、を備えた遠隔無線充電受信端部であって、
前記受信端部アンテナは、送信端部によって送信された無線周波数信号を受信するように構成され、前記無線周波数信号は、制御信号と電力信号とに基づいて前記送信端部によって生成された複合信号であり、
前記電力モジュールは、前記複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、電力を前記受信端部プロセッサと前記通信モジュールとに供給するように構成され、
前記通信モジュールは、前記複合信号から前記制御信号を取得し、前記制御信号を前記受信端部プロセッサへ伝送するように構成され、
前記受信端部プロセッサは、前記制御信号に基づいて当該受信端部の動作状態を制御するように構成され、
当該受信端部は、第5切り替えスイッチをさらに備え、
前記第5切り替えスイッチの第1端は、前記受信端部アンテナに接続され、
前記受信端部プロセッサは、まず前記第5切り替えスイッチの第2端を制御して前記通信モジュールに接続し、次いで前記第5切り替えスイッチの前記第2端を制御して、前記電力モジュールに接続し、前記複合信号を受信するように構成されている、
遠隔無線充電受信端部。
【請求項16】
受信端部プロセッサと、電力モジュールと、通信モジュールと、受信端部アンテナと、を備えた遠隔無線充電受信端部であって、
前記受信端部アンテナは、送信端部によって送信された無線周波数信号を受信するように構成され、前記無線周波数信号は、制御信号と電力信号とに基づいて前記送信端部によって生成された複合信号であり、
前記電力モジュールは、前記複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、電力を前記受信端部プロセッサと前記通信モジュールとに供給するように構成され、
前記通信モジュールは、前記複合信号から前記制御信号を取得し、前記制御信号を前記受信端部プロセッサへ伝送するように構成され、
前記受信端部プロセッサは、前記制御信号に基づいて当該受信端部の動作状態を制御するように構成され、
前記受信端部アンテナは、第3受信アンテナと第4受信アンテナとを含み、
前記第3受信アンテナは、前記電力モジュールに接続され、前記第3受信アンテナは、前記複合信号を受信するように構成され、
前記第4受信アンテナは、前記通信モジュールに接続され、前記第4受信アンテナは、前記複合信号を受信するように構成されている、
遠隔無線充電受信端部。
【請求項17】
請求項1ないし
7のいずれか1項に記載の送信端部と、請求項
8ないし
14のいずれか1項に記載の受信端部とを備え、
前記送信端部は、前記受信端部を無線で充電するように構成されている、遠隔無線充電システム。
【請求項18】
前記送信端部と前記受信端部とは、帯域内通信により無線通信を実行する、請求項
17記載のシステム。
【請求項19】
前記
受信端部は、以下のもの、即ち、
インテリジェント通信端末、ウェアラブルデバイス、センサ、又はインテリジェントバッテリデバイスのうちの任意の1つである、請求項
17又は
18記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線充電技術の分野に関し、特に、遠隔無線充電送信端部、受信端部、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線充電は、受信端部を無線で充電するために、送信端部が受信端部に無線で電気エネルギーを供給することを意味する。無線充電は、通常、電磁誘導原理に従い、結合電磁場を介して無線でエネルギーを伝達することである。
【0003】
現在、遠隔無線充電を実現するために、送信端部によって送信される無線周波数信号は、エネルギーキャリアとして働く。受信端部は、無線周波数信号を受信し、無線周波数信号を直流電源に変換して、電力エネルギーを伝達する。
図1に示すように、遠隔無線充電システムは、送信端部1と受信端部2とを含む。送信端部1と受信端部2とはそれぞれ、電力モジュールと通信モジュールとを含む。送信端部の通信モジュール20は、制御信号を送信端部1の第1送信アンテナ30を介して送信し、受信端部2を制御するように構成され、具体的には、受信端部の動作状態(電源投入状態、スタンバイ状態、又はスリープ状態を含む)を制御するように構成されている。送信端部の電力モジュール10は、電力信号を生成し、電力信号は、送信端部の第2送信アンテナ20を介して送信され、その結果、受信端部2は、電気エネルギーを蓄積し、無線充電を実行する。
【0004】
しかしながら、送信端部は受信端部を充電及び制御する可能性があるが、送信端部は複雑なハードウェア構造を有し、比較的高コストである。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、内部ハードウェア構造を簡素化し、コストを低減するために、遠隔無線充電送信端部、受信端部、及びシステムを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の実施形態は、遠隔無線充電送信端部を提供する。受信端部を無線で充電するように構成されている遠隔無線充電送信端部であって、送信端部は、送信端部プロセッサと、基本周波数・無線周波数変換ユニットと、送信端部アンテナとを備え;送信端部プロセッサは、制御信号と電力信号とに基づいて複合信号を生成し、複合信号を基本周波数・無線周波数変換ユニットへ伝送するように構成され、制御信号は、受信端部の動作状態を制御するために使用され、電力信号は、受信端部を充電するために使用され;基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、無線周波数信号を送信端部アンテナへ伝送するように構成され;送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信するように構成されている。
【0007】
遠隔無線充電送信端部は、1つの複合信号のみを送信する。複合信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部プロセッサによって生成される。具体的には、制御信号と電力信号とを組み合せることにより、信号送信路が簡素化できる。具体的には、基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。送信端部は、1つの信号のみを送信し、別個の電力信号又は別個の制御信号は存在しない。従って、送信端部は、互いに分離された通信モジュール又は電力モジュールを含む必要はない。言い換えれば、2つの独立した信号送信路は必要とされない。従って、1つの複合信号送信路を使用して、受信端部を無線で充電及び制御する機能を実施することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。
【0008】
好ましくは、送信端部アンテナは、受信端部によって送信されたフィードバック信号を受信し、フィードバック信号を基本周波数・無線周波数変換ユニットへ伝送するように、さらに構成され;基本周波数・無線周波数変換ユニットは、フィードバック信号を基本周波数信号に変換し、基本周波数信号を送信端部プロセッサへ伝送するように、さらに構成され、ここで、フィードバック信号は、受信端部のバッテリレベル情報を搬送し;送信端部プロセッサは、バッテリレベル情報に基づいて制御信号と電力信号とを調整するように、さらに構成されている。受信端部のエネルギー要求は、位置の変化に伴って変化する。受信端部は、位置情報を搬送するフィードバック信号を送信端部へ伝送し、送信端部は、フィードバック信号内で搬送される位置情報に基づいて、受信端部の位置が変化することを決定する。換言すれば、受信端部の要求が変化すると、送信端部は、位置情報に基づいて電力信号を調整する、即ち、複合信号を調整して、受信端部のエネルギー要求を満たす。
【0009】
好ましくは、送信端部アンテナは、受信端部によって送信されたフィードバック信号を受信し、フィードバック信号を基本周波数・無線周波数変換ユニットへ伝送するように、さらに構成され;基本周波数・無線周波数変換ユニットは、フィードバック信号を基本周波数信号に変換し、基本周波数信号を送信端部プロセッサへ伝送するように、さらに構成され、フィードバック信号は、受信端部の位置情報を搬送し;送信端部プロセッサは、位置情報に基づいて、受信端部の位置が変化すると決定する場合に、電力信号を調整するように、さらに構成されている。受信端部のエネルギー要求は、受信端部のバッテリレベルの変化に伴って変化する。受信端部は、バッテリレベル情報を搬送するフィードバック信号を送信端部へ伝送し、送信端部は、フィードバック信号内に搬送されるバッテリレベル情報に基づいて制御信号と電力信号とを調整する、換言すれば、複合信号を調整して、受信端部のエネルギー要求を満たす。
【0010】
好ましくは、送信端部プロセッサは、通信帯域幅と、トーンの数量Ntと、電力信号とに基づいて、マルチトーン信号の高ピーク対平均電力比PAPR波形を生成し、高PAPR波形と位相変調信号とに基づいて複合信号を生成するように、具体的に構成されている。位相変調信号は、マルチトーン信号の波形が変化しないことを保証するために、高PAPR信号波形の振幅を調整するために使用されない。従って、比較的高いピーク対平均電力比が維持されるので、受信端部は比較的高い電力変換効率を有する。位相変調信号は、高PAPR信号の位相を調整し、制御情報を組み合せて位相変化を生じさせ、受信端部の動作状態を制御し、受信端部を一層良好に充電することを可能にし、受信端部によって出力される直流電力を増加させる。
【0011】
好ましくは、送信端部プロセッサは、フィードバック信号に基づいて高PAPR波形を調整するように、さらに構成されている。高PAPR波形は、低電力状態における受信端部の変換効率を向上させるために使用されてよい。従って、ターゲットオブジェクトが一層遠くの位置に位置する場合に、高PAPR波形を調整してPAPRを増加させてよく、帯域幅を特定の範囲内で増加させてマイクロ波ピーク繰り返し周波数を増加させてよく、受信端部の変換効率をさらに向上させる。
【0012】
好ましくは、送信端部は、第1切り替えスイッチをさらに備え;基本周波数・無線周波数変換ユニットは、信号伝送路と信号受領路とを含み;第1切り替えスイッチの第1端は、送信端部アンテナに接続され;送信端部プロセッサは、第1切り替えスイッチの第2端を制御して、信号伝送路に接続し、複合信号を伝送するように構成され、さらに、第1切り替えスイッチの第2端を制御して、信号受領路に接続し、フィードバック信号を受信するように構成されている。送信端部は、1つのアンテナを含む。アンテナの数量が減少し、送信端部の全体でのコストが減少する。
【0013】
好ましくは、送信端部アンテナは、送信端部送信アンテナと送信端部受信アンテナとを含み;基本周波数・無線周波数変換ユニットは、信号伝送路と信号受領路とを含み;送信端部送信アンテナは、信号伝送路に接続され、送信端部送信アンテナは、複合信号を送信するように構成され;送信端部受信アンテナは、信号受領路に接続され、送信端部受信アンテナは、フィードバック信号を受信するように構成されている。送信端部は、2つのアンテナを含む。スイッチの数が減り、経路間のスイッチを切り替えるために制御スイッチを使用する必要がなく、これにより、伝送端がより単純な方法で制御される。
【0014】
第2の態様によれば、本出願の実施形態は、遠隔無線充電受信端部を提供する。受信端部プロセッサと、電力モジュールと、通信モジュールと、受信端部アンテナとを備え;受信端部アンテナは、送信端部によって送信された無線周波数信号を受信するように構成され、無線周波数信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部によって生成された複合信号であり;電力モジュールは、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、電力を受信端部プロセッサと通信モジュールとに供給するように構成され;通信モジュールは、複合信号から制御信号を取得し、制御信号を受信端部プロセッサへ伝送するように構成され;受信端部プロセッサは、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御するように構成されている。
【0015】
受信端部アンテナは、複合信号送信路を介して複合信号を取得し、電力モジュールは、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、通信モジュールと受信端部プロセッサとに電気エネルギーを供給する。通信モジュールは、複合信号から制御信号を取得し、受信端部プロセッサは、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0016】
好ましくは、受信端部プロセッサは、通信モジュールにフィードバック信号を伝送するように、さらに構成され、フィードバック信号は受信端部の位置情報を搬送し;通信モジュールは、フィードバック信号を無線周波数信号に変換し、無線周波数信号を受信端部アンテナへ伝送するように、さらに構成され;受信端部アンテナは、フィードバック信号に対応する無線周波数信号を送信するように、さらに構成され、これにより、位置情報に基づいて、受信端部の位置が変化することを決定する場合に、送信端部は電力信号を調整する。受信端部は、位置情報を搬送するフィードバック信号を送信端部へ伝送し、その結果、受信端部の位置が変化するとき、即ち、受信端部のエネルギー要求が変化するとき、送信端部は、位置情報に基づいて電力信号を調整する、即ち、受信端部のエネルギー要求を満たすように複合信号を調整する。
【0017】
好ましくは、受信端部プロセッサは、通信モジュールにフィードバック信号を伝送するように、さらに構成され、フィードバック信号は、受信端部のバッテリレベル情報をさらに搬送し、これにより、送信端部は、バッテリレベル情報に基づいて制御信号と電力信号とを調整する。受信端部は、バッテリレベル情報を搬送するフィードバック信号を送信端部へ伝送し、その結果、受信端部のバッテリレベルが変化した場合に、即ち、受信端部のエネルギー要求が変化した場合に、送信端部は、バッテリレベル情報に基づいて電力信号と制御信号とを調整する、換言すれば、受信端部のエネルギー要求を満たすように複合信号を調整する。
【0018】
好ましくは、受信端部は、第2切り替えスイッチと第3切り替えスイッチとをさらに備え;通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み;第2切り替えスイッチの第1端は、受信端部アンテナに接続され;受信端部プロセッサは、複合信号を受信し、まず第2切り替えスイッチの第2端を制御して、第3切り替えスイッチの第1端に接続し、第3切り替えスイッチの第2端を制御して、通信受領路に接続し、次いで第2切り替えスイッチの第2端を制御して、電力モジュールに接続するように構成されている。1つのアンテナが、複合信号又はフィードバック信号を受領又は伝送するために使用され、受信端部アンテナの数量を少なくし、受信端部の構造を簡素化し、受信端部のコストを削減する。
【0019】
好ましくは、受信端部は、第2切り替えスイッチと第3切り替えスイッチとをさらに備え;通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み;第2切り替えスイッチの第1端は、受信端部アンテナに接続され;受信端部プロセッサは、フィードバック信号を伝送し、第2切り替えスイッチの第2端を制御して、第3切り替えスイッチの第1端に接続し、第3切り替えスイッチの第2端を制御して、通信伝送路に接続するように構成されている。1つのアンテナが、複合信号又はフィードバック信号を受領又は伝送するために使用され、受信端部アンテナの数量を少なくし、受信端部の構造を簡素化し、受信端部のコストを削減する。
【0020】
好ましくは、受信端部アンテナは、受信端部受信アンテナと受信端部トランシーバアンテナとを含み;受信端部受信アンテナは、電力モジュールに接続され、受信端部受信アンテナは、複合信号を受信するように構成され;受信端部は、第4切り替えスイッチをさらに備え、第4切り替えスイッチの第1端は、受信端部トランシーバアンテナに接続され;通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み;受信端部プロセッサは、第4切り替えスイッチの第2端を制御して、通信受領路に接続し、複合信号を受信するように構成され、第4切り替えスイッチの第2端を制御して、通信伝送路に接続し、フィードバック信号を伝送するように構成されている。アンテナを2つ、スイッチを1つ使用し、スイッチの数を削減する。
【0021】
好ましくは、受信端部アンテナは、第1受信アンテナと、第2受信アンテナと、第1送信アンテナとを含み;第1受信アンテナは、電力モジュールに接続され、第1受信アンテナは、複合信号を受信するように構成され;通信モジュールは、通信伝送路と通信受領路とを含み;第2受信アンテナは、通信受領路に接続され、複合信号を受信するように構成され;第1送信アンテナは、通信伝送路に接続され、フィードバック信号を伝送するように構成されている。3つのアンテナが使用され、スイッチの数が減り、モジュール又は経路の間を切り替えるために制御スイッチを使用する必要がない。
【0022】
好ましくは、受信端部は、第5切り替えスイッチをさらに備え;第5切り替えスイッチの第1端は、受信端部アンテナに接続され;受信端部プロセッサは、まず第5切り替えスイッチの第2端を制御して、通信モジュールに接続し、次いで第5切り替えスイッチの第2端を制御して、電力モジュールに接続するように構成されている。受信端部の内部構造を簡素化し、受信端部のコストを低減するために、受信端部は通信受領路のみを含み、通信伝送路を含まない。
【0023】
好ましくは、受信端部は、電力分割器をさらに備え;電力分割器の第1端は、受信端部アンテナに接続され、電力分割器の第2端は、電力モジュールと通信モジュールとに接続され、電力分割器は、受信された複合信号を2つの部分に分割し、それぞれ2つの部分を電力モジュールと通信モジュールとへ伝送するように構成されている。受信端部の内部構造を簡素化するために、受信端部は、通信受領路のみを含み、通信伝送路を含まない。さらに、受信端部のコストを低減するために、受信端部は、1つのアンテナを含む。また、電力分割器を使用しているため、モジュール間の切り替えに制御スイッチを使用する必要がない。
【0024】
好ましくは、受信端部アンテナは、第3受信アンテナと第4受信アンテナとを含み;第3受信アンテナは、電力モジュールに接続され、第3受信アンテナは、複合信号を受信するように構成され;第4受信アンテナは、通信モジュールに接続され、第4受信アンテナは、複合信号を受信するように構成されている。受信端部の内部構造を簡素化し、受信端部のコストを低減するために、受信端部は、通信受領路のみを含み、通信伝送路を含まない。2つのアンテナを使用するため、モジュール間の切り替えに制御スイッチを使用する必要はない。
【0025】
第3の態様によれば、本出願の実施形態は、遠隔無線充電システムを提供する。システムは、上述した送信端部と、上述した受信端部とを備え;送信端部は、受信端部を無線で充電するように構成されている。
【0026】
好ましくは、送信端部と受信端部とは、帯域内通信により無線通信を実行する。
【0027】
好ましくは、送信端部は、以下のもの、即ち、インテリジェント通信端末、ウェアラブルデバイス、センサ、又はインテリジェントバッテリデバイスのうちの任意の1つである。
【0028】
前述の技術的解決策から、本出願の実施形態が以下の利点を有することが分かる。
【0029】
実施形態において提供される遠隔無線充電送信端部は、1つの複合信号のみを送信する。複合信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部プロセッサによって生成される。具体的には、制御信号と電力信号とを組み合せることにより、信号送信路が簡素化できる。具体的には、基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。
【0030】
送信端部は、1つの信号のみを送信し、別個の電力信号又は別個の制御信号は存在しない。従って、通信モジュールを使用して制御信号を送信し、電力モジュールを使用して電力信号を送信するために、送信端部は、互いに分離された通信モジュール又は電力モジュールを含む必要はない。言い換えれば、2つの独立した信号送信路は必要とされない。送信端部は、1つの複合信号のみを生成及び送信するので、送信端部内に複合信号送信路が存在することを確実にする必要があるだけである。従って、本出願の実施形態で提供される送信端部は、1つの複合信号送信路を使用して、受信端部を無線で充電及び制御する機能を実施することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】実施形態による遠隔無線充電システムの概略図である。
【
図3】実施形態による遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【
図4】実施形態による送信端部プロセッサの概略図である。
【
図5】実施形態による別の送信端部プロセッサの概略図である。
【
図6】実施形態による基本周波数・無線周波数変換ユニットの概略図である。
【
図7】実施形態による別の基本周波数・無線周波数変換ユニットの概略図である。
【
図8】実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【
図9】実施形態に係り複合信号を生成することのフローチャートである。
【
図10】
図9に対応する、複合信号を生成することの概略図である。
【
図11】
図9におけるマルチトーン信号の振幅と共通等振幅信号の振幅との比較図である。
【
図12】入力電力の変化に伴う、
図9におけるマルチトーン信号の変化と、直流電力における一般的な位相変調信号の変化との間の比較図である。
【
図13】実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【
図14】実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【
図15】本出願の実施形態による遠隔無線充電受信端部の概略図である。
【
図16】実施形態による電力モジュールの概略図である。
【
図17】実施形態による通信モジュールの概略図である。
【
図18】実施形態による別の通信モジュールの概略図である。
【
図19】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図20】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図21】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図22】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図23】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図24】実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【
図25】実施形態による遠隔無線充電システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
当業者に本出願の実施形態に提供される技術的解決策を一層よく理解させるために、以下に、本発明の実施形態に添付の図面を参照して、本発明の実施形態の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。
【0033】
無線充電システムにおいて、通信は、帯域内通信又は帯域外通信により行われてよい。以下に、
図1を参照して簡単に説明する。
【0034】
図1に示すように、送信端部1は、それぞれ、2つの独立した送信路を介して制御信号と電力信号とを伝送する。次の2つの方式がある。
【0035】
方式1:帯域内通信
【0036】
送信端部1は、制御信号と電力信号とを送信するために同じ周波数帯を使用する。一般的な通信システムでは、同一の周波数帯域を使用して1種類の信号のみを同時に伝送することができるため、送信端部1が帯域内通信により信号を伝送する場合に、送信端部1は、異なる期間に制御信号と電力信号とを別々に伝送する必要がある。換言すれば、受信端部は制御信号と電力信号とを同時に受信することができない。
【0037】
方式2:帯域外通信
【0038】
送信端部1は、制御信号と電力信号とを伝送するために、それぞれ異なる周波数帯を使用する。電力信号を伝送するために1つの周波数帯が使用され、制御信号を伝送するために別の周波数帯が使用される。この場合に占有される周波数帯は、帯域内通信で占有される周波数帯よりも多い。
【0039】
送信端部と受信端部とが帯域内通信により通信するか、帯域外通信により通信するかは、本出願では限定されない。本出願の以下の実施形態では、帯域内通信が説明の例として使用される。言い換えると、制御信号と電力信号とを伝送するために同じ周波数帯が使用される。送信端部コントローラは、制御信号と電力信号とに基づいて複合信号を生成する。複合信号は1種類の信号しかないので、1つの送信路のみが必要とされ、同じ周波数帯域では、制御信号と電力信号とは2つの期間で伝送される必要はない。1つの周波数帯しかないという理由で、時分割多重化を行う問題はない。送信端部は、1つの信号送信路のみを必要とし、送信端部の内部構造は、簡素化されてよい。
【0040】
当業者に本出願の実施形態で提供される技術的解決策を一層よく理解させるために、以下では、実施形態で提供される遠隔無線充電システムの応用シナリオを最初に説明する。
【0041】
図2は、一実施形態による遠隔無線充電システムの概略図である。
【0042】
本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、送信端部1と受信端部2とを含み、送信端部1は、受信端部2を無線で充電する。
【0043】
無線充電システムにおける受信端部の数量は、以下の実施形態では特に限定されない。例えば、送信端部は、1つの受信端部を無線で充電してよく、又は複数の受信端部を無線で充電してよい。例えば、
図2の無線充電システムは、1つの送信端部1と、3つの受信端部2とを含む。
【0044】
この実施形態では、送信端部が複数の受信端部を充電する方式は限定されない。例えば、複数の受信端部を同時に無線で充電する場合に、送信端部は各受信端部を均等に充電してよい。言い換えれば、全ての受信端部は、同じエネルギーを受信する。これに代えて、複数の受信端部のうちの1つの受信端部が比較的低いバッテリレベルを有する場合に、送信端部は、比較的低いバッテリレベルを有する受信端部を優先的に充電してよい。
【0045】
送信端部1は、本実施形態では特に限定されない。例えば、送信端部1は、基地局、ルータ、又は無線周波数充電ステーションのようなデバイスであってよい。
【0046】
受信端部2は、本実施形態では特に限定されない。例えば、受信端部が動作したときに受信端部の位置が移動するか否かに基づいて、2つのタイプの受信端部、即ち移動端末又は固定端末があってよい。例えば、移動端末は、通信端末(携帯電話)、音声発生デバイス(例えば、オーディオ)、又はウェアラブルデバイス(例えば、腕時計、リストバンド、又はヘッドセット)であってよい。固定端末は、センサと、物のインターネットデバイスとを含んでよい。
図2は、一例として使用される。送信端部1は基地局であり、3つの受信端部はそれぞれ携帯電話、タブレットコンピュータ、及びスマートウォッチである。基地局は携帯電話、タブレットコンピュータ、及びスマートウォッチをそれぞれ、無線で充電する。
【0047】
以下では、1つの送信端部1が1つの受信端部2を無線で充電する例を使用して、無線充電の原理を説明する。
【0048】
送信端部1は、受信端部2に対して、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。複合信号は、電力信号と制御信号との両方を搬送する。受信端部2は、複合信号を受信して復調し、複合信号で搬送された電力信号に基づいて高周波エネルギーを直流電源に変換し、電気エネルギーの蓄積を実現し、複合信号で搬送された制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0049】
なお、本実施形態では、受信端部の動作状態は特に限定されない。例えば、動作状態は、受信端部が電源オンであること、又は受信端部がスリープすることであってよい。具体的には、受信端部のバッテリレベルがプリセットのバッテリレベルより低い場合に、受信端部は、電源オンに制御され、無線で充電される。送信端部が複数の受信端部に対応する場合に、全ての複数の受信端部のバッテリレベルがプリセットのバッテリレベルよりも同時に低い場合に、送信端部は、制限された電力を提供する可能性があるので、全ての受信端部を同時に無線充電することができない可能性がある。この場合に、いくつかの受信端部は、スリープ動作状態にはいるように制御されてよい。スリープ状態の受信端部は充電されず、スリープ状態でない受信端部はまず無線で充電される。充電された受信端部が完全に充電されるか、又は受信端部が作動可能なバッテリレベルまで充電された後、スリープ状態の受信端部は無線で充電される。
【0050】
また、受信端部2は、受信端部に関する情報をフィードバックするために、送信端部1にフィードバック信号を伝送してよい。この実施形態では、フィードバック信号の内容は特に制限されない。例えば、内容は電力要求又は位置情報であってよい。
【0051】
当業者に本出願の実施形態に提供される技術的解決策を一層よく理解させるために、以下に、実施形態に添付の図面を参照して、本出願の実施形態の技術的解決策を明確に説明する。
【0052】
送信端部の実施形態1:
【0053】
本出願の一実施形態は、遠隔無線充電送信端部を提供する。送信端部の送信端部プロセッサは、電力信号と制御信号とに基づいて複合信号を生成し、送信路を介して複合信号を伝送して、受信端部を無線で充電及び制御することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。
【0054】
以下、添付の図面を参照して、本出願で提供されるこの実施形態を詳細に説明する。
【0055】
図3は、本実施形態による遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【0056】
説明を簡単にするために、以下に1つの受信端部を例に使用して説明する。
【0057】
この実施形態で提供される送信端部1は、受信端部2を無線で充電するように構成されている。送信端部1は、送信端部プロセッサ100と、基本周波数・無線周波数変換ユニット200と、送信端部アンテナ300とを含む。
【0058】
送信端部プロセッサ100は、制御信号と電力信号とに基づいて複合信号を生成し、その複合信号を基本周波数・無線周波数変換ユニット200へ伝送するように構成されている。制御信号は、受信端部2の動作状態を制御するために使用され、電力信号は、無線で受信端部2を充電するために使用される。受信端部2の動作状態は、電源オン状態、電源オフ状態、スリープ状態等を含んでよい。
【0059】
複合信号のタイプは、この実施形態では特に限定されない。例えば、複合信号は、高ピーク対平均電力比(peak to average power ratio, PAPR)を有するマルチトーン信号であってよく、又は正弦波信号、方形波信号又は三角波信号であってよい。共通の等振幅信号と比較して、マルチトーン信号は、同じ電力で受信端部の一層高い電力変換効率を可能にする。
【0060】
マルチトーン信号は、同じ位相又は類似の位相を有する複数のウェーブレットを重畳することによって取得され、重畳信号は、比較的大きな瞬時電力ピーク値を生成するために、同じ初期位相を有する信号を使用して変調される。従って、マルチトーン信号は、共通信号よりも高いピーク対平均電力比を有し、その結果、無線充電システムの電力変換効率を向上させることができる。
【0061】
しかしながら、高PAPR信号のタイプは、この実施形態では特に限定されず、比較的高いピーク対平均電力比を有する種々の信号を使用してよい。例えば、高PAPR信号は、マルチトーン信号、オン/オフ信号、又は超広帯域信号であってよい。
【0062】
この実施形態で提供される送信端部は、複合信号を受信端部へ伝送するか、又は受信端部によって伝送されるフィードバック信号を受信してよい。送信端部がフィードバック信号を受信しない場合については
図4を参照して後述し、送信端部がフィードバック信号を受信する場合については
図5を参照して後述する。
【0063】
図4は、この実施形態による送信端部プロセッサの概略図である。
【0064】
送信端部プロセッサ100は、信号処理サブモジュール110と、波形選択モジュール120と、制御信号生成モジュール130と、ミキサ140と、デジタル/アナログ変換器(Digital-to-Analog Converter, DAC)150とを含む。
【0065】
図5は、この実施形態による別の送信端部プロセッサの概略図である。
【0066】
送信端部プロセッサ100は、信号処理サブモジュール110と、波形選択モジュール120と、制御信号生成モジュール130と、ミキサ140と、DAC150と、アナログ/デジタル変換器(Analog-to-Digital Converter, ADC)160とを含む。
【0067】
送信端部が受信端部からフィードバック信号を受信する必要がある場合に、フィードバック信号は、基本周波数・無線周波数変換ユニット200によって、無線周波数信号から基本周波数信号に変換され、基本周波数信号は、アナログ信号の形態に対応する。従って、アナログ/デジタル変換器160は、フィードバック信号に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換し、次いでデジタル信号を処理のために信号処理サブモジュール110へ伝送する必要がある。
【0068】
基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、複合信号を無線周波数信号に変換し、無線周波数信号を送信端部アンテナ300へ伝送するように構成されている。
【0069】
送信端部アンテナ300は、無線周波数信号の形態でエネルギーを受信端部へ送信するので、基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、基本周波数信号の形態から無線周波数信号の形態に、送信端部プロセッサ100によって送信される複合信号を変換し、次いで、複合信号を送信端部アンテナ300へ伝送する必要がある。
【0070】
図6は、本実施形態の基本周波数・無線周波数変換ユニットの概略図である。
【0071】
基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、ミキサ210、発振器220、及び電力増幅器230を含む。
【0072】
以下に、送信端部がフィードバック信号を受信する必要がある例を使用して、基本周波数・無線周波数変換ユニット200の構成を説明する。
【0073】
図7は、この実施形態に係る別の基本周波数・無線周波数変換ユニットの概略図である。
【0074】
送信端部が受信端部からフィードバック信号を受信する必要があるとき、送信端部は信号を送信する必要があるだけでなく、信号を受信する必要もある。換言すれば、基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、それぞれ通信伝送路と通信受領路とである2つの信号送信路を含む。2つの経路は、それぞれ、ミキサ210と、発振器220と、電力増幅器230とを含む。送信端部アンテナ300は、複合信号に対応する無線周波数信号を送信するように構成され、その結果、受信端部2は、受信端部アンテナを介して複合信号を受信する。
【0075】
送信端部アンテナ300は、この実施形態では特に限定されず、実際の要件に基づいて当業者によって選択されてよい。
【0076】
例えば、送信端部が信号を送信することのみを必要とする場合に、送信端部アンテナ300は、1つのアンテナ、又はアンテナアレイの1つの群であってよい。
【0077】
別の例では、送信端部が信号を伝送する必要があるだけでなく、信号を受信する必要もある場合に、送信端部アンテナ300は少なくとも2つのアンテナであってよい。1つのアンテナが、信号を送信するために使用され、1つのアンテナが、信号を受信するために使用される。あるいは、送信端部アンテナ300が、1つのアンテナであってよく、切り替えスイッチが、信号を受信又は信号を送信するためにアンテナを制御するために使用される。
【0078】
本実施形態で提供される遠隔無線充電送信端部は、1つの複合信号のみを送信する。複合信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部プロセッサによって生成される。具体的には、制御信号と電力信号とを組み合せることにより、信号送信路が簡素化できる。基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。
【0079】
送信端部は、1つの信号のみを送信し、別個の電力信号又は別個の制御信号は存在しない。従って、通信モジュールを使用して制御信号を送信し、電力モジュールを使用して電力信号を送信するために、送信端部は、互いに分離された通信モジュール又は電力モジュールを含む必要はない。言い換えれば、2つの独立した信号送信路は必要とされない。送信端部は、1つの複合信号のみを生成及び送信するので、送信端部内に複合信号送信路が存在することを確実にする必要があるだけである。従って、本出願のこの実施形態で提供される送信端部は、1つの複合信号送信路を使用して、受信端部を無線で充電及び制御する機能を実施することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。
【0080】
送信端部の実施形態2:
【0081】
本出願の一実施形態は、遠隔無線充電送信端部を提供する。送信端部の送信端部プロセッサは、フィードバック信号に基づいて高PAPR波形を生成し、制御信号に基づいて位相変調信号を生成することができる。位相変調信号は、高PAPR信号波形の包絡線振幅を調整するために使用されるのではなく、高PAPR信号の全体の位相を調整して複合信号を生成し、それによって、受信端部の効率的な電力変換を刺激し、受信端部によって出力される直流電力を増加させるために使用される。
【0082】
以下、添付の図面を参照して、本出願で提供されるこの実施形態を詳細に説明する。
【0083】
図8は、本実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【0084】
送信端部は、
図4に示す形態の送信端部プロセッサ100と、
図6に示す形態の基本周波数・無線周波数変換ユニット200と、送信端部アンテナ300とを含む。
【0085】
信号処理サブモジュール110は、電力信号と制御信号とを生成するように構成されている。信号処理サブモジュール110は、電力信号を波形選択モジュール120へ伝送し、制御信号を制御信号生成モジュール130へ伝送する。
【0086】
信号処理サブモジュールのタイプは、本実施形態では特に限定されない。例えば、信号処理サブモジュールは、シングルチップマイクロコンピュータ又はデジタル処理チップであってよい。
【0087】
信号処理サブモジュール110が電力信号と制御信号とを伝送するシーケンスは、本実施形態では特に限定されない。例えば、信号処理サブモジュール110は、最初に電力信号を伝送し、次いで制御信号を伝送してよく、最初に制御信号を伝送し、次いで電力信号を伝送してよく、あるいは同時に電力信号と制御信号とを伝送してよい。
【0088】
波形選択モジュール120は、電力及び通信帯域幅Bに基づいて対応する波形を生成する。本実施形態では、説明の例として、高PAPR波形を使用する。
【0089】
制御信号生成モジュール130は、制御信号に基づいて対応する位相変調信号を生成する。位相変調信号は、異なる制御信号に基づいて異なる形態を有し、この実施形態では、位相変調信号の形態は特に限定されない。例えば、制御信号は01101であり、位相変調信号は制御信号を搬送する位相情報である。
【0090】
ミキサ140は、高PAPR波形と位相変調信号とに基づいて複合信号を生成する。
【0091】
デジタル/アナログ変換器150は、デジタル信号からアナログ信号に複合信号を変換し、基本周波数・無線周波数変換ユニット200内のミキサ210にアナログ信号を伝送することにより、基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、複合信号を無線周波数信号に変換し、無線周波数信号を受信端部へ送信する。
【0092】
以下にさらに、高PAPR信号にマルチトーン信号を使用した複合信号の変調原理を例として説明する。
【0093】
図9は、この実施形態に係る複合信号を生成するフローチャートである。
【0094】
波形選択モジュール120よりも上方の信号パターンで示されるように、波形選択モジュール120は、信号処理サブモジュール110によって生成が行われる電力Ptと、トーンの数量Ntと、通信帯域幅Bとに基づいて、対応するマルチトーン信号を選択する。
【0095】
Ntが波形の性質を決定することに留意するものとする。たとえば、Nt=2は2つの正弦波が重畳されていることを示し、Nt=3は3つの正弦波が重畳されていることを示す。Ntの値が大きいほど、信号周期における波形のピーク振幅が高いことを示す。
【0096】
制御信号生成モジュール130は、制御信号生成モジュール130の右側の信号パターンによって示されるように、信号処理サブモジュール110によって生成された制御信号に基づいて位相変調信号を生成する。
【0097】
ミキサ140は、ミキサ140の右側の信号パターンによって示されるように、位相変調信号とマルチトーン信号とに基づいて複合信号を生成する。
【0098】
図10は、複合信号を生成し、
図9に対応する概略図である。
【0099】
第1列の信号は、Nt=4、B=8MHzの場合に対応するマルチトーン信号の波形である。マルチトーン信号は、4つの正弦波の波形を重畳して取得され、信号周期は0マイクロ秒から0.5マイクロ秒の範囲であり、信号周期には4つのピーク値がある。
【0100】
第2列の信号は、制御信号01101に基づいて生成される位相変調信号であり、0マイクロ秒ないし0.5マイクロ秒の信号期間において低レベルを有し、低レベルは0で示され、0.5マイクロ秒ないし1マイクロ秒の信号期間において高レベルを有し、高レベルは1で示される。
【0101】
第3列の信号は、第1列のマルチトーン信号と第2列の位相変調信号とに基づいて生成される複合信号である。複合信号の波形はマルチトーン信号の波形と同じであり、複合信号の位相は位相変調信号の位相と同じである。
【0102】
従って、マルチトーン信号の位相だけが変化するが、マルチトーン信号の波形は変化しない。言い換えると、マルチトーン信号の包絡線振幅は、そのマルチトーン信号が共通の等振幅信号又は低PAPR波形にならないことを確実にするように変化されず、それによって比較的高い電力変換効率が確実にされる。受信端部の動作状態を制御し、受信端部が一層良好に充電されることを可能にし、そして受信端部によって出力される直流電力を増加させるために、位相変化は制御情報を搬送する。
【0103】
図11は、
図9におけるマルチトーン信号の振幅と共通等振幅信号の振幅との比較図である。
【0104】
点線は共通の位相変調信号を示し、実線は複合信号を示す。複合信号の振幅は、共通等振幅信号の振幅よりも大きく、電力変換効率が高いことが分かる。
【0105】
図12は、入力電力の変化に伴う、
図9におけるマルチトーン信号の変化と、直流電力における一般的な位相変調信号の変化との間の比較図である。
【0106】
点線は入力電力が変化するときの直流電力における共通の位相変調信号の変化の曲線を示し、実線は入力電力が変化するときの直流電力における複合信号の変化の曲線を示す。このことから、同じ電力において、複合信号を使用する受信端部は、共通の位相変調信号を使用する受信端部で出力される直流電力よりも大きな直流電力を出力し、従って、一層高い電力変換効率を有することが分かる。
【0107】
この実施形態では、複合信号の位相変調モードは特に限定されない。例えば、二位相偏移(Binary Phase Shift Keying, BPSK)変調モード、四位相偏移(Quadrature Phase Shift Keying, QPSK)変調モード、又は16位相偏移16-PSK変調モードが使用されてよい。
【0108】
例えば、BPSK変調モードで変調された制御信号が01101である場合に、
図5の第2列に示される位相変調信号の波形が生成されてよい。
【0109】
以下に、基本周波数・無線周波数変換ユニット200を説明する。
図8をなお参照する。
【0110】
ミキサ210は、デジタル/アナログ変換器DAC150によって伝送されたアナログ信号を受領する。アナログ信号は基本周波数信号であるため、ミキサ210と発振器220とは、基本周波数信号を無線周波数信号に変換する。電力増幅器230は、無線周波数信号を増幅し、送信端部アンテナ300に無線周波数信号を伝送する。送信端部アンテナ300は、複合信号に対応する無線周波数信号を受信端部へ送信する。
【0111】
本実施形態で提供される遠隔無線充電送信端部は、送信端部プロセッサ内の制御信号生成モジュールを使用して位相変調信号を生成し、送信端部プロセッサ内の波形選択モジュールを使用して高PAPR信号波形を生成し、位相変調信号と高PAPR信号波形とに基づいて複合信号を生成する。基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。
【0112】
本出願のこの実施形態で提供される送信端部は、1つの複合信号送信路を使用して、受信端部を無線で充電及び制御する機能を実施することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。さらに、位相変調信号は、マルチトーン信号の波形が変化しないこと(高PAPR信号から共通等振幅信号、例えば正弦波信号に変化しないこと)を確実にするために、高PAPR信号波形の振幅を調整するために使用されない。従って、比較的高いピーク対平均電力比が維持されるので、受信端部は比較的高い電力変換効率を有する。位相変調信号は、高PAPR信号の位相を調整するために使用され、制御情報を位相変化に組み合せて、受信端部の動作状態を制御し、受信端部が一層良好に充電されることを可能にし、受信端部によって出力される直流電力を増加させる。
【0113】
送信端部の実施形態3:
【0114】
送信端部から発生するエネルギーは、距離が長くなるにつれて減少する。具体的には、送信端部と受信端部との間の距離が増加するにつれて、一層多くのエネルギーが送信路上で消費され、一層少ないエネルギーが受信端部によって受信され、それに応じて送信電力及び効率が低下する。受信端部が受信端部の要件を満たすエネルギーを受信することを確実にするために、以下では、受信端部の使用シナリオである静止シナリオと移動シナリオとを別々に説明する。
【0115】
静止シナリオは、無線充電中に受信端部の位置がほとんど変化しないシナリオである。例えば、受信端部が物のインターネットデバイスである場合に、物のインターネットデバイスの移動範囲は、通常、工場、倉庫、又は機械室であり、物のインターネットデバイスの位置はほとんど変化しない。言い換えると、受信端部の位置は不変のままである。これは、送信端部の実施形態2で提供された送信端部が無線充電を実施する場合に、一層適用可能である。例えば、受信端部は、工場内に配置されたセンサ、又は建物内に配置されたプリンタであってよい。
【0116】
移動シナリオは、無線充電中に送信端部の位置が変化するシナリオである。例えば、受信端部が携帯電話又はヘッドセットのようなインテリジェントデバイスである場合に、ユーザが移動するにつれてインテリジェントデバイスの位置が頻繁に変化する。受信端部の位置が変わると、それに応じて、受信端部が必要とするエネルギーも変わる。例えば、受信端部と送信端部との間の距離が長くなると、それに応じて、受信端部に一層多くのエネルギーを充電する必要がある。従って、受信端部のエネルギー要求を満たすために、送信端部は、受信端部のエネルギー要求に基づいて、複合信号における電力信号を調整してよい。
【0117】
受信端部は、受信端部のエネルギー要求をフィードバック信号の形態で送信端部へ伝送してよい。本実施形態では、フィードバック信号の内容は制限されない。例えば、フィードバック信号は、受信端部の位置情報と受信端部のバッテリレベル情報とのうちの1つ以上を含んでよい。
【0118】
図13は、本実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【0119】
送信端部は、
図5に示す形態の送信端部プロセッサ100と、
図7に示す形態の基本周波数・無線周波数変換ユニット200と、送信端部アンテナ300と、第1切り替えスイッチ400とを含む。
【0120】
基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、信号伝送路と、信号受領路とを含む。
図13では、DAC150に接続された経路は信号伝送路であり、ADC160に接続された経路は信号受領路である。
【0121】
第1切り替えスイッチ400の第1端は、送信端部アンテナに接続される。第1切り替えスイッチ400は、異なる経路に接続されているので、送信端部アンテナ300は、信号伝送状態又は信号受信状態にある。
【0122】
送信端部プロセッサ100は、第1切り替えスイッチ400の第2端を制御して、信号伝送路に接続し、複合信号を伝送する。経路の動作原理は、送信端部の実施形態2における複合信号を伝送する原理と同じであり、ここでは、詳細については再度説明しない。
【0123】
送信端部プロセッサ100は、第1切り替えスイッチ400の第2端を制御して、信号受領路に接続し、フィードバック信号を受信する。
【0124】
送信端部1は、送信端部アンテナ300を介して、受信端部2によって送信されたフィードバック信号を受信し、第1切り替えスイッチ400は、信号受領路に接続される。フィードバック信号は、基本周波数・無線周波数モジュール200内の電力増幅器230によって増幅され、ミキサ210と発振器220とによって無線周波数信号から基本周波数信号に変換された後、送信端部プロセッサ100内のADC160へ伝送される。
【0125】
ADC160は、基本周波数信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号処理サブモジュール110へ伝送する。信号処理サブモジュール110は、デジタル信号に変換されたフィードバック信号に基づいてキー情報を復調し、制御信号及び/又は電力信号を調整し、それによって複合信号を調整する。送信端部プロセッサ100は、受信端部からのフィードバック信号に基づいて、次回送信される複合信号を調整する。
【0126】
以下に、例を使用して、フィードバック信号に基づいて制御信号及び/又は電力信号を調整し、複合信号を調整することの動作原理を説明する。
【0127】
例えば、フィードバック信号は、受信端部の位置情報を搬送する。送信端部プロセッサ100は、位置情報に基づいて、受信端部の位置が変化するか否かを決定する。受信端部の位置が変化した後、電力信号が調整されて、受信端部のエネルギー要求を満たすように調整された複合信号が生成される。
【0128】
別の例では、フィードバック信号は、受信端部のバッテリレベル情報を搬送し、送信端部プロセッサ100は、バッテリレベル情報に基づいて制御信号と電力信号とを調整して、受信端部のエネルギー要求を満たすように調整された複合信号を生成する。
【0129】
さらに別の例では、フィードバック信号は、受信端部の位置情報とバッテリレベル情報とを搬送する。送信端部プロセッサ100は、位置情報に基づいて電力信号を調整し、バッテリレベル情報に基づいて制御信号と電力信号とを調整して、受信端部のエネルギー要求を満たすように調整された複合信号を生成する。
【0130】
フィードバック信号の変化を決定する主体は、この実施形態では限定されない。例えば、受信端部は、フィードバック信号が変化することを決定し、フィードバック信号を送信端部へ伝送し、送信端部は、フィードバック信号に基づいて複合信号を直接調整する。さらに別の例では、受信端部は、リアルタイム又は一定の時間間隔で、フィードバック信号を送信端部へ伝送し、フィードバック信号が変化することを決定した後、送信端部は、フィードバック信号に基づいて複合信号を調整する。
【0131】
さらに別の例では、送信端部は、フィードバック信号に基づいてPAPR信号の波形を調整してよい。具体的には、Nt及びB(Bがピーク繰り返し周波数を決定する)を調整してマルチトーン波形を調整するか、異なるPAPR特性を持つ波形を使用して複合信号を調整する。
【0132】
高PAPR波形は、低電力状態における受信端部の変換効率を向上させるために使用されてよい。従って、ターゲットオブジェクトが一層遠い位置に位置する場合(この場合に、比較的高い経路損失がある)、PAPRを増加させるためにNtを増加させ、マイクロ波ピーク繰り返し周波数を増加させるために特定の範囲内で帯域幅を増加させて、受信端部の変換効率をさらに向上させることができる。
【0133】
送信端部は、フィードバック信号に基づいて制御信号及び/又は電力信号を連続的に調整し、それにより、受信端部の要件を満たす複合信号を生成し、受信端部の連続的に変化する要件を満たす。
【0134】
図14は、本実施形態による別の遠隔無線充電送信端部の概略図である。
【0135】
基本周波数・無線周波数変換ユニット200は、信号伝送路と信号受領路とを含む。
【0136】
送信端部送信アンテナ310は、信号伝送路に接続され、送信端部受信アンテナ320は、信号受領路に接続されている。
【0137】
送信端部送信アンテナ310は、複合信号を送信するように構成され、送信端部受信アンテナ320は、フィードバック信号を受信するように構成されている。
【0138】
以下では、
図14と
図13との相違点のみを説明するが、同じ部分については、再度説明しない。
【0139】
図14では、送信端部アンテナ300を信号伝送状態又は信号受信状態にするように制御するために第1切り替えスイッチ400を使用する代わりに、送信端部送信アンテナ310と送信端部受信アンテナ320とは、信号をそれぞれ伝送及び受領するために直接使用される。
【0140】
この実施形態で提供される遠隔無線充電送信端部は、送信端部プロセッサ内の制御信号生成モジュールを使用して位相変調信号を生成し、送信端部プロセッサ内の波形選択モジュールを使用して高PAPR信号波形を生成し、位相変調信号と高PAPR信号波形とに基づいて複合信号を生成する。基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。
【0141】
本出願のこの実施形態で提供される送信端部は、移動シナリオにおいて受信端部を無線で充電することにより適用可能である。受信端部を無線で充電及び制御する機能は、1つの複合信号送信路を使用して実現することができる。送信端部の内部ハードウェア構造を簡素化し、送信端部の全体でのコストを低減する。さらに、位相変調信号は、マルチトーン信号が低PAPR信号に対する共通等振幅信号にならないように、高PAPR信号波形の包絡線振幅を調整するために使用されない。従って、受信端部は、比較的高い電力変換効率を維持する。位相変調信号は、高PAPR信号の位相を調整し、制御情報を組み合せて位相変化を生じさせ、受信端部の動作状態を制御し、受信端部を一層良好に充電することを可能にし、受信端部によって出力される直流電力を増加させるために使用される。
【0142】
受信端部の実施形態1:
【0143】
前述の実施形態で提供される遠隔無線充電送信端部に基づいて、本出願の実施形態は、遠隔無線充電受信端部をさらに提供する。受信端部は、送信端部によって伝送された複合信号に基づいて無線で充電される。以下、添付の図面を参照して、受信端部の動作原理を詳細に説明する。
【0144】
図15は、本出願のこの実施形態に基づく遠隔無線充電受信端部の概略図である。
【0145】
この実施形態で提供される受信端部2は、受信端部プロセッサ400と、電力モジュール500と、通信モジュール600と、受信端部アンテナ700とを含む。
【0146】
受信端部アンテナ700は、送信端部1によって送信される無線周波数信号を受信するように構成されている。無線周波数信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部によって生成される複合信号である。
【0147】
受信端部アンテナ700は、受信した無線周波数信号を電力モジュール500と通信モジュール600とへ送信する。
【0148】
受信端部アンテナ700が信号を送信するシーケンスは、この実施形態では限定されない。例えば、受信端部アンテナ700は、まず、無線周波数信号を電力モジュール500へ送信し、次いで、無線周波数信号を通信モジュール600へ送信してよい。これに代えて、受信端部アンテナ700は、まず無線周波数信号を通信モジュール600へ送信し、次いで無線周波数信号を電力モジュール500へ送信してよい。これに代えて、受信端部アンテナ700は、無線周波数信号を同時に電力モジュール500と通信モジュール600とへ送信してよい。
【0149】
電力モジュール500は、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、受信端部プロセッサ400と通信モジュール600とに電力を供給するように構成されている。
【0150】
以下では、添付の図面を参照して、電力モジュール500の具体的な実施の形態を説明する。
図16は、この実施形態に係る電力モジュールの概略図である。
【0151】
電力モジュール500は、整流器モジュール510と、電力管理モジュール520と、エネルギー蓄積モジュール530とを含む。
【0152】
整流器モジュール510は、受信端部アンテナ700から受信した無線周波数信号を直流電源に変換し、直流電源を電力管理モジュール520へ伝送する。電力管理モジュール520は、直流電源に基づいて電圧安定化源を形成し、取得されたエネルギーをエネルギー蓄積モジュール530に蓄積する。エネルギー蓄積モジュール530は、受信端部プロセッサ400と通信モジュール600とに電気エネルギーを供給する。
【0153】
通信モジュール600は、複合信号を制御信号に復調し、制御信号を受信端部プロセッサ400へ伝送するように構成されている。
【0154】
以下では、受信端部が送信端部にフィードバック信号を伝送することができない例を使用して、通信モジュール600の構造を説明する。
【0155】
図17は、この実施形態に係る通信モジュールの概略図である。
【0156】
受信端部が、送信端部にフィードバック信号を伝送する機能を必要としない場合に、受信端部は、信号受領路を有するだけでよい。通信モジュール600は、電力増幅器610と、ミキサ620と、発振器630と、ADC640と、信号処理サブモジュール650とを含む。
【0157】
信号処理サブモジュール650は、この実施形態では限定されない。例えば、信号処理サブモジュール650は、シングルチップマイクロコンピュータ又はマイクロプロセッサであってよい。
【0158】
以下では、受信端部が送信端部にフィードバック信号を伝送することができる例を使用して、通信モジュールの構造を説明する。
【0159】
図18は、この実施形態による別の通信モジュールの概略図である。
【0160】
受信端部が送信端部にフィードバック信号を伝送する必要があるとき、受信端部はさらに、送信端部によって伝送された無線周波数信号を受信する必要がある。通信モジュール600は、それぞれ通信伝送路と通信受領路とである2つの信号送信路を含む。通信受領路は、電力増幅器610と、ミキサ620と、発振器630と、ADC640とを含む。通信伝送路は、電力増幅器610と、ミキサ620と、発振器630と、DAC660とを含む。2つの経路は、信号処理サブモジュール650を使用して接続される。
【0161】
受信端部プロセッサ400は、制御信号に基づいて受信端部2の動作状態を制御するように構成されている。
【0162】
受信端部プロセッサ400は、通信モジュール600によって伝送される制御信号に基づいて受信端部2の動作状態を制御するように構成されている。例えば、制御信号が、電源をオンにするように受信端部2を制御する場合に、受信端部プロセッサ400は、電源をオンにするように受信端部2を制御する。
【0163】
受信端部プロセッサ400の接続方式は、この実施形態では特に限定されない。例えば、受信端部プロセッサ400は、不変の接続方式(例えば、ワイヤを介して)で電力モジュール500と通信モジュール600とに接続される。あるいは、受信端部プロセッサ400は、電力モジュール500と通信モジュール600とに、変更可能な接続方式(例えば、受信端部プロセッサ400をインターフェースに挿入するか、又は受信端部プロセッサ400をインターフェースから除去する接続方式)で接続される。
【0164】
この実施形態で提供される遠隔無線充電受信端部は、受信端部アンテナと、電力モジュールと、通信モジュールと、受信端部プロセッサとを含む。受信端部アンテナは、複合信号送信路を介して複合信号を取得し、電力モジュールは、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、通信モジュールと受信端部プロセッサとに電気エネルギーを供給する。通信モジュールは、複合信号から制御信号を取得し、受信端部プロセッサは、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0165】
受信端部の実施形態2:
【0166】
実施形態は、遠隔無線充電受信端部を提供する。受信端部は、無線で充電されるために送信端部によって伝送された複合信号を受信することができるだけでなく、さらに、送信端部にフィードバック信号を伝送することができる。その結果、受信端部の連続的に変化する要件を満たすために、送信端部は、フィードバック信号に基づいて複合信号を調整する。
【0167】
以下、添付の図面を参照して、本出願で提供されるこの実施形態を詳細に説明する。
【0168】
図19は、本実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【0169】
受信端部2は、受信端部プロセッサ400と、受信端部アンテナ700と、第2切り替えスイッチ810と、第3切り替えスイッチ820とを含む。電力モジュール500は、
図16に示す形態である。受信端部は、送信端部にフィードバック信号を伝送することができるので、通信モジュール600は、
図18に示す形態である。
【0170】
第2切り替えスイッチ810の第1端は、受信アンテナ700に接続される。通信モジュール600は、通信伝送路と通信受領路とを含む。
【0171】
1つのアンテナが、複合信号又はフィードバック信号を受領又は伝送するために使用され、受信端部アンテナの数量を少なくし、受信端部の構造を簡素化し、受信端部のコストを削減する。
【0172】
以下では、まず、受信端部で複合信号を受信する動作原理について説明する。
【0173】
受信端部プロセッサ400は、まず、第2切り替えスイッチ810の第2端を制御して第3切り替えスイッチ820の第1端に接続し、第3切り替えスイッチ820の第2端を制御して通信受領路に接続し、次いで、第2切り替えスイッチ810の第2端を制御して電力モジュールに接続する。
【0174】
受信端部アンテナ700は、複合信号に対応する無線周波数信号を受信し、次いで、通信モジュール600内の電力増幅器610は、無線周波数信号を増幅する。ミキサ620と発振器630とは、無線周波数信号を基本周波数信号に変換し、ADC640は、基本周波数信号をデジタル信号に変換し、処理のためにデジタル信号を信号処理サブモジュール650へ伝送する。
【0175】
信号処理サブモジュール650は、制御信号を取得するために、複合信号に対応する信号に基づいて複合信号を復調し、制御信号を受信端部プロセッサ400へ伝送する。受信端部プロセッサ400は、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0176】
信号処理サブモジュール650によって実行される復調方法は、この実施形態では限定されず、実際の要件に基づいて当業者によって選択されてよい。
【0177】
なお、本実施形態では、受信端部の動作状態は限定されない。例えば、受電モードが有効にされる。受信端部プロセッサ400は、制御信号に基づいて、第2切り替えスイッチ810の第2端を電力モジュール500に接続するように制御し、その結果、電力モジュール500内のエネルギー蓄積モジュールは、電力を蓄積して、信号処理サブモジュール650と受信端部プロセッサ400とに電気エネルギーを提供する。別の例では、受電モードは無効にされる。
【0178】
なお、受信端部が1本のアンテナしか持たない場合に、通常、充電時間は比較的長く、通信時間は比較的短いことに留意するものとする。従って、第2切り替えスイッチ810の第2端が電力モジュール500に接続される時間は、第2切り替えスイッチ810の第2端が通信モジュール600に接続される時間よりも長くてよい。
【0179】
受信端部の要件が変化する場合に、例えば、受信端部の位置が変化する場合に、又は受信端部のバッテリレベル情報が変化する場合に、受信端部は、変化した情報をフィードバック信号として送信端部へ伝送してよく、送信端部がフィードバック信号に基づいて複合信号を調整し、それによって受信端部の要件を満たす。
【0180】
以下に、受信端部でフィードバック信号を送信する動作原理を説明する。
【0181】
受信端部プロセッサ400は、第2切り替えスイッチ810の第2端を制御して第3切り替えスイッチ820の第1端に接続し、第3切り替えスイッチ820の第2端を制御して通信伝送路に接続する。
【0182】
受信端部プロセッサ400は、受信端部の要件変化に基づいてフィードバック信号を生成し、フィードバック信号を信号処理サブモジュール650へ伝送し、DAC660と、ミキサ620と、発振器630と、電力増幅器610とを使用して、受信端部アンテナ700に無線周波数形態でフィードバック信号を伝送し、受信端部アンテナ700を使用して、フィードバック信号に対応する無線周波数信号を送信端部へ伝送する。これにより、受信端部の連続的に変化する要件を満たすために、フィードバック信号に搬送される位置情報及び/又はバッテリレベル情報に基づいて、送信端部は複合信号を調整する。
【0183】
受信端部アンテナと切り替えスイッチとは、実際の要件に基づいて異なる組み合せを有してよく、この実施形態においては、組み合せ方式は特に限定されない。以下に、受信端部アンテナと切り替えスイッチとの2つの組み合せ方式を例に説明する。
【0184】
組み合せ方式1:2つのアンテナと1つの切り替えスイッチ
【0185】
図20は、本実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【0186】
受信端部アンテナ700は、受信端部受信アンテナ710と受信端部トランシーバアンテナ720とを含む。受信端部受信アンテナ710は、電力モジュール500に接続され、複合信号を受信し、複合信号を電力モジュールへ伝送するように構成されている。
【0187】
受信端部はさらに、第4切り替えスイッチ830を含み、第4切り替えスイッチ830の第1端は、受信端部トランシーバアンテナ720に接続される。
【0188】
通信モジュール600は、通信伝送路と通信受領路とを含む。
【0189】
受信端部トランシーバアンテナ720が複合信号を受信すると、受信端部プロセッサ400は、第4切り替えスイッチ830の第2端を制御して、通信受領路に接続する。受信端部トランシーバアンテナ720がフィードバック信号を伝送すると、受信端部プロセッサ400は、第4切り替えスイッチ830の第2端を制御して、通信伝送路に接続する。
【0190】
本実施形態で提供される受信端部の動作原理は、前述の受信端部の動作原理と同じであり、ここでは、再度、詳細を説明しない。
【0191】
組み合せ方式2:3つのアンテナ
【0192】
図21は、本実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【0193】
受信端部アンテナは、第1受信アンテナ710と、第2受信アンテナ720と、第1送信アンテナ730とを含む。
【0194】
第1受信アンテナ710は、電力モジュール500に接続され、複合信号を受信し、複合信号を電力モジュール500へ伝送するように構成されている。
【0195】
通信モジュール600は、通信伝送路と通信受領路とを含む。
【0196】
第2受信アンテナ720は、通信受領路に接続され、複合信号を受信するように構成されている。第1送信アンテナ730は、通信伝送路に接続され、フィードバック信号を送信するように構成されている。
【0197】
3つのアンテナを使用し、スイッチの数を減らすので、スイッチ間の切り替えに制御スイッチを使用する必要がない。
【0198】
本実施形態で提供される遠隔無線充電受信端部に基づいて、受信端部の要件が連続的に変化する場合に、受信端部が一層良好に充電されることを確実にするために、受信端部は、1つのフィードバック信号送信路を介してフィードバック信号を送信端部へ伝送し、その結果、送信端部は、フィードバック信号に基づいて複合信号を生成する。受信端部アンテナは、複合信号送信路を介して複合信号を取得し、電力モジュールは、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換して、通信モジュールと受信端部プロセッサとに電気エネルギーを供給する。通信モジュールは、複合信号から制御信号を取得し、これにより受信端部プロセッサは、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0199】
受信端部の実施形態3:
【0200】
受信端部の実施形態2における受信端部は、フィードバック信号を生成し、フィードバック信号を送信端部へ伝送してよい。その結果、連続的に変化する受信端部の要件を満たすために、送信端部は、フィードバック信号に基づいて複合信号を調整する。要件が変化しない受信端部については、受信端部は、送信端部にフィードバック信号を伝送する必要がない。この受信端部の構造を使用してコストを低減することができる。
【0201】
図22は、本実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【0202】
受信端部2は、受信端部プロセッサ400と、受信端部アンテナ700と、第5切り替えスイッチ840とを含む。電力モジュール500は、
図16に示す形態である。受信端部は、送信端部にフィードバック信号を伝送する必要がないので、通信モジュールは、
図17に示す形態であってよい。
【0203】
受信端部アンテナ700が送信端部によって伝送された複合信号を受信した場合に、受信端部プロセッサ400は、まず、第5切り替えスイッチ840の第2端を制御して通信モジュール600に接続し、次いで、第5切り替えスイッチ840の第2端を制御して電力モジュール500に接続する。
【0204】
本実施形態で提供される受信端部の動作原理は、前述の受信端部の動作原理と同じであり、ここでは、再度、詳細を説明しない。
【0205】
本出願のこの実施形態で提供される受信端部は、切り替えスイッチを使用して、電力モジュール又は通信モジュールに接続するために受信端部アンテナを制御してよいだけでなく、電力分割器を使用して電力モジュールと通信モジュールとの両方に接続してよい。
【0206】
図23は、本実施形態による別の無線充電受信端部の概略図である。
【0207】
受信端部は、電力分割器900をさらに含み、電力分割器900の第1端は、受信端部アンテナ700に接続され、電力分割器900の第2端は、電力モジュール500と通信モジュール600とに接続される。電力分割器900は、受信された複合信号を2つの部分に分割するように構成されている。いくつかの複合信号は電力モジュール500へ伝送され、他の複合信号は通信モジュール600へ伝送される。
【0208】
電力分割器によって複合信号を割り当てる比率は、本実施形態では特に限定されない。例えば、複合信号は、1:1の比率、又はn:1の比率で割り当てられる。ここでnは任意の自然数である。一層多くの電力エネルギーを蓄積するために、一層多くの複合信号が電力モジュールに割り当てられてよく、一層少ない複合信号が通信モジュールに割り当てられてよい。
【0209】
本実施形態で提供される受信端部の動作原理は、前述の受信端部の動作原理と同じであり、ここでは、再度、詳細を説明しない。
【0210】
本出願のこの実施形態で提供される受信端部は、代替的に、2つのアンテナを使用して電力モジュールと通信モジュールとの両方に接続されてよい。
【0211】
図24は、この実施形態による別の無線充電受信端部を示す。
【0212】
受信端部アンテナ700は、第3受信アンテナ740と第4受信アンテナ750とを含む。第3受信アンテナ740は、電力モジュール500に接続され、複合信号を受信するように構成されている。第4受信アンテナ750は、通信モジュール600に接続され、複合信号を受信するように構成されている。
【0213】
第3受信アンテナ740と第4受信アンテナ750とは、同時に動作し、第3受信アンテナ740は、いくつかの複合信号を受信し、第4受信アンテナ750は、いくつかの複合信号を受信する。
【0214】
第4受信アンテナに割り当てられた複合信号に対する、第3受信アンテナに割り当てられた複合信号の比率は、本実施形態では特に限定されない。例えば、複合信号は、1:1の比率、又はn:1の比率で割り当てられる。ここでnは任意の自然数である。一層多くの電力エネルギーを蓄積するために、一層多くの複合信号が電力モジュールに割り当てられてよく、一層少ない複合信号が通信モジュールに割り当てられてよい。
【0215】
本実施形態で提供される受信端部の動作原理は、前述の受信端部の動作原理と同じであり、ここでは、再度、詳細を説明しない。
【0216】
この実施形態で提供される遠隔無線充電受信端部は、複合信号送信路を介して複合信号を取得し、電力モジュールは、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換し、通信モジュールと受信端部プロセッサとに電気エネルギーを提供し、通信モジュールは、複合信号から制御信号を取得し、受信端部プロセッサは、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。従って、受信端部の実施形態2で提供されている受信端部と比較して、本実施形態で提供されている受信端部は通信伝送路を持たないため、受信端部の構成を簡素化し、受信端部のコストを低減する。
【0217】
無線充電システムの実施形態:
【0218】
前述の実施形態で提供された送信端部と受信端部とに基づいて、本出願は、さらに、前述の実施形態で説明した送信端部と受信端部とを含む無線充電システムを提供する。
【0219】
図25は、本実施形態による遠隔無線充電システムの概略図である。
【0220】
無線充電システムは、送信端部1と受信端部2とを含み、送信端部1は、受信端部2を無線充電するように構成されている。
【0221】
本実施形態で提供される送信端部の動作原理と受信端部の動作原理とは、前述の実施形態と同じであり、ここでは再度説明しない。
【0222】
送信端部1と受信端部2とは、帯域内通信により無線充電を行ってよい。受信端部は、インテリジェント通信端末、ウェアラブルデバイス、センサ、又はインテリジェントバッテリデバイスのうちの1つ以上であってよい。
【0223】
受信端部を一層よく充電するために、以下では、無線充電システムの受信端部が送信端部にフィードバック信号を送信することができる例を使用して説明する。
【0224】
無線充電システムは、送信端部と受信端部との異なる組み合せに基づいて異なる制御方針を有する。無線充電システムは、(a)複合信号生成段階、(b)通信段階、(c)充電段階の3つの段階での動作状態を含む。
【0225】
以下に、送信端部と受信端部との組み合せに応じて、それぞれ別々に説明する。
【0226】
組み合せ1:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図13の送信端部と、
図19の受信端部とを含む。
【0227】
無線充電システムは、(a)複合信号発生段階にはいる。受信端部2の第2切り替えスイッチ810の第2端は、第3切り替えスイッチ820の第1端に接続され、第3切り替えスイッチ820の第2端は、通信伝送路に接続され、受信端部2は、フィードバック信号を送信端部1へ送信する。送信端部1の第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号受領路に接続され、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成し、第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号伝送路に接続される。
【0228】
無線充電システムは、(b)通信段階にはいる。受信端部2は、受信端部アンテナ700を介して複合信号を受信し、受信端部2の第2切り替えスイッチ810の第2端は、第3切り替えスイッチ820の第1端に接続され、第3切り替えスイッチ820の第2端は、通信受信端部経路に接続される。通信モジュール600は、複合信号から制御信号を取得し、制御信号は、受信端部の動作状態を制御するために、受信端部プロセッサ400によって使用される。
【0229】
無線充電システムは、(c)充電段階にはいる。送信端部1は、複合信号送信状態を維持し、受信端部2の第2切り替えスイッチの第2端は、電力モジュール500に接続される。電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。
【0230】
組み合せ2:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図13の送信端部と、
図20の受信端部とを含む。
【0231】
無線充電システムは、(a)複合信号発生段階にはいる。受信端2の第4切り替えスイッチ830の第2端は、通信モジュール600内の通信伝送路に接続され、受信端部2は、送信端部1にフィードバック信号を送信する。この場合に、受信端部受信アンテナ710及び/又は電力モジュール500が動作しない。送信端1の第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号受領路に接続され、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成し、第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号伝送路に接続される。
【0232】
無線充電システムは、(b)通信段階と(c)充電段階とに同時にはいってよい。受信端部2は、受信端部トランシーバアンテナ720を介していくつかの複合信号を受信し、受信端部2の第4切り替えスイッチ830の第2端は、通信モジュール600内の通信受信端部経路に接続され、通信モジュール600は、受信端部プロセッサ400を制御するために、複合信号から制御信号を取得する。受信端部2は、受信端部受信アンテナ710を介していくつかの複合信号を受信し、電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。
【0233】
受信端部受信アンテナ710で受信された複合信号に対する、受信端部トランシーバアンテナ720で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0234】
組み合せ3:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図13の送信端部と、
図21の受信端部とを含む。
【0235】
無線充電システムは、(a)複合信号発生段階にはいる。受信端部2の第1送信アンテナ730は動作し、受信端部受信アンテナ710と受信端部トランシーバアンテナ720とは動作しない。通信モジュール600は、第1送信アンテナ730を介して、送信端部1にフィードバック信号を送信する。送信端部1の第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号受領路に接続され、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成し、第1切り替えスイッチ400の第2端は、信号伝送路に接続される。
【0236】
無線充電システムは、(b)通信段階と(c)充電段階に同時にはいってよい。受信端部2の第1送信アンテナ730は動作せず、受信端部受信アンテナ710と受信端部トランシーバアンテナ720とは動作する。受信端部受信アンテナ710は、いくつかの複合信号を受信し、電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。受信端部トランシーバアンテナ720は、いくつかの複合信号を受信し、通信モジュール600は、受信端部プロセッサ400を制御するために、複合信号から制御信号を取得する。
【0237】
受信端部受信アンテナ710で受信された複合信号に対する、受信端部トランシーバアンテナ720で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0238】
組み合せ4:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図14の送信端部と、
図19の受信端部とを含む。
【0239】
無線充電システムは、(a)複合信号発生段階にはいる。受信端2の第2切り替えスイッチ810の第2端は、第3切り替えスイッチ820の第1端に接続され、第3切り替えスイッチ820の第2端は、通信伝送路に接続され、受信端部2は、フィードバック信号を送信端部1へ送信する。送信端部受信アンテナ320は、フィードバック信号を受信し、送信端部送信アンテナ310は動作せず、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成する。
【0240】
無線充電システムは(b)通信段階にはいる。送信端部送信アンテナ310は、複合信号に対応する無線周波数信号を送信し、送信端部受信アンテナ320は動作しない。受信端部2は、受信端部アンテナ700を介して複合信号を受信し、受信端部2の第2切り替えスイッチ810の第2端は、第3切り替えスイッチ820の第1端に接続される。第3切り替えスイッチ820の第2端は、通信受信端部経路に接続され、通信モジュール600は、受信端部プロセッサ400を制御するために、複合信号から制御信号を取得する。
【0241】
無線充電システムは、(c)充電段階にはいる。送信端部送信アンテナ310は、複合信号送信状態を維持し、受信端部2の第2切り替えスイッチの第2端は、電力モジュール500に接続される。電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。
【0242】
組み合せ5:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図14の送信端部と、
図20の受信端部とを含む。
【0243】
無線充電システムは、(a)複合信号発生段階にはいる。受信端部2の第4切り替えスイッチ830の第2端は、通信モジュール600内の通信伝送路に接続され、受信端部2は、送信端部1にフィードバック信号を送信する。この場合に、受信端部受信アンテナ710及び/又は電力モジュール500が動作しない。送信端部受信アンテナ320は、フィードバック信号を受信し、送信端部送信アンテナ310は動作せず、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成する。
【0244】
無線充電システムは、(b)通信段階と(c)充電段階に同時にはいってよい。送信端部送信アンテナ310は、複合信号に対応する無線周波数信号を送信し、送信端部受信アンテナ320は動作しない。受信端部2は、受信端部トランシーバアンテナ720を介していくつかの複合信号を受信し、受信端部2の第4切り替えスイッチ830の第2端は、通信モジュール600内の通信受信端部経路に接続され、通信モジュール600は、受信端部プロセッサ400を制御するために、複合信号から制御信号を取得する。受信端部2は、受信端部受信アンテナ710を介していくつかの複合信号を受信し、電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。
【0245】
受信端部受信アンテナ710で受信された複合信号に対する、受信端部トランシーバアンテナ720で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0246】
組み合せ6:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図14の送信端部と、
図21の受信端部とを含む。
【0247】
無線充電システムは、(a)複合信号生成段階00にはいる。受信端2の第1送信アンテナ730は動作し、受信端部受信アンテナ710と受信端部トランシーバアンテナ720とは動作しない。通信モジュール600は、第1送信アンテナ730を介して、送信端部1にフィードバック信号を送信する。送信端部受信アンテナ320は、フィードバック信号を受信し、送信端部送信アンテナ310は動作せず、送信端部プロセッサ100は、フィードバック信号に基づいて対応する複合信号を生成する。
【0248】
無線充電システムは、(b)通信段階と(c)充電段階とに同時にはいってよい。送信端部送信アンテナ310は、複合信号に対応する無線周波数信号を送信し、送信端部受信アンテナ320は動作しない。受信端2の第1送信アンテナ730は動作せず、受信端部受信アンテナ710と受信端部トランシーバアンテナ720とは動作する。受信端部受信アンテナ710は、いくつかの複合信号を受信し、電力モジュール500は、通信モジュール600と受信端部プロセッサ400とに電力を供給するために、複合信号を蓄積のためのエネルギーに変換する。受信端部トランシーバアンテナ720は、いくつかの複合信号を受信し、通信モジュール600は、複合信号から制御信号を取得し、受信端部プロセッサ400は、制御信号に基づいて受信端部の動作状態を制御する。
【0249】
受信端部受信アンテナ710で受信された複合信号に対する、受信端部トランシーバアンテナ720で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0250】
無線充電システムの構造を簡素化し、無線充電システムのコストを低減するために、以下に、無線充電システムの受信端部が送信端部にフィードバック信号を送信することができない例を使用して、説明を行う。
【0251】
無線充電システムは、送信端部と受信端部との異なる組み合せに基づいて異なる制御方針を有する。無線充電システムは、(a)通信段階と(b)充電段階の2つの段階で動作状態を含む。
【0252】
以下に、送信端部と受信端部との組み合せに基づいて、それぞれに説明を行う。
【0253】
組み合せ1:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図8の送信端部と、
図22の受信端部とを含む。
【0254】
無線充電システムは、第5スイッチ840によって制御されて、(a)通信段階又は(b)充電段階にはいる。第5切り替えスイッチ840の第2端は、通信モジュール600に接続され、無線充電システムは、(a)通信段階にはいる。第5切り替えスイッチ840の第2端は、電力モジュール500に接続され、無線充電システムは(b)充電段階にはいる。
【0255】
組み合せ2:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図8の送信端部と、
図23の受信端部とを含む。
【0256】
無線充電システムは、(a)通信段階と(b)充電段階に同時にはいってよい。電力分割器900は、異なる比率で、通信モジュール600と電力モジュール500とに複合信号を割り当てる。
【0257】
電力モジュール500で受信された複合信号に対する、通信モジュール600で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0258】
組み合せ3:本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、
図8の送信端部と、
図24の受信端部とを含む。
【0259】
無線充電システムは、(a)通信段階と(b)充電段階に同時にはいってよい。電力分割器900は、異なる割り当て比で、通信モジュール600と電力モジュール500とに複合信号を割り当てる。
【0260】
電力モジュール500で受信された複合信号に対する、通信モジュール600で受信された複合信号の比率は、それぞれのアンテナの利得によって決定され、複合信号を割り当てる比率は、この実施形態では特に制限されない。
【0261】
本実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、送信端部と受信端部とを含み、送信端部は受信端部を無線で充電する。送信端部は、1つの複合信号のみを送信する。複合信号は、制御信号と電力信号とに基づいて送信端部プロセッサによって生成される。具体的には、制御信号と電力信号とを組み合せることにより、信号送信路が簡素化できる。基本周波数・無線周波数変換ユニットは、複合信号を無線周波数信号に変換し、送信端部アンテナは、複合信号に対応する無線周波数信号を送信する。
【0262】
送信端部は、1つの信号のみを送信し、別個の電力信号又は別個の制御信号は存在しない。従って、送信端部は、通信モジュールを使用して制御信号を送信し、電力モジュールを使用して電力信号を送信するために、互いに分離された通信モジュール又は電力モジュールを含む必要はない。言い換えれば、2つの独立した信号送信路は必要とされない。送信端部は、1つの複合信号のみを生成及び送信するので、送信端部内に複合信号送信路が存在することを確実にする必要があるだけである。従って、本出願のこの実施形態で提供される遠隔無線充電システムは、1つの複合信号送信路を使用して、受信端部を無線で充電及び制御する機能を実施することができる。無線充電システムの内部ハードウェア構造を簡素化し、無線充電システム全体のコストが削減される。
【0263】
本出願で、「少なくとも1項目(1個)」は1つ以上を意味し、「複数の」は2つ以上を意味することが理解されるものとする。ここで、「及び/又は」は、関連する物品の間の連合関係を記述するために使用され、3つの関係が存在してよいことを示す。例えば、「A及び/又はB」は、Aのみが存在し、Bのみが存在し、またAとBとの両方が存在することを示してよい。ここで、A及びBは、単数形でよく、又は複数形でよい。文字「/」は通常、関連する物品の間の「又は」関係を示す。ここで、「以下のもののうちの少なくとも1項目(1個)」又はこれに類する表現は、これらの項目の任意の組み合せを意味し、1項目(1個)又は複数の項目(複数個)の任意の組み合せを含む。例えば、a,b又はcのうちの少なくとも1項目(1個)は、a,b,c,「a及びb」,「a及びc」,「b及びc」,又は「a及びb及びc」を表してよい。ここで、a,b,cは、単数形でよく、又は複数形でよい。
【0264】
以上の実施形態は、単に本出願の技術的解決を記載することを意図したものであって、本出願を限定するものではない。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本出願の実施形態の技術的解決の精神及び範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に記載された技術的解決をさらに修正してよく、又はその技術的特徴のいくつかを同等に置き換えてよいことを理解するものとする。