(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】半導体構造及び半導体構造の作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20231117BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20231117BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H01L21/88 J
(21)【出願番号】P 2022538973
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2021112594
(87)【国際公開番号】W WO2022188358
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202110265111.5
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チャン チー-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ジエ
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-247139(JP,A)
【文献】特表2019-503580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0115462(US,A1)
【文献】特開2008-135482(JP,A)
【文献】特開2009-111061(JP,A)
【文献】特開2015-005659(JP,A)
【文献】特開2020-109452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
ベースと、
前記ベース内に位置し、第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含む連通部であって、前記第2接続層は前記第1接続層上に位置し、前記第3接続層は前記第2接続層上に位置する連通部と、を含み、
前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は異なる導電材料を含み、前記第2接続層及び前記第3接続層の熱膨張係数はいずれも前記第1接続層の熱膨張係数よりも小さ
く、前記第2接続層の熱膨張係数は前記第3接続層の熱膨張係数よりも小さい、半導体構造。
【請求項2】
前記第2接続層又は前記第3接続層はグラフェンを含み、前記第1接続層は銅を含み、又は、
前記第2接続層は前記第1接続層内に位置し、前記第3接続層は前記第1接続層内に位置する
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第2接続層及び前記第3接続層は、前記ベースに垂直な方向での投影が重なり、
前記第3接続層の頂端は前記第1接続層の頂端と面一になる
請求項
2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記第1接続層及び前記第3接続層は、前記ベースに垂直な方向での投影が重なる
請求項
2に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第3接続層の底端は、前記第2接続層の頂端及び前記第1接続層の頂端と面一になる
請求項
2に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は、前記ベースに垂直な方向での投影が重なる
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記ベースは、
シリコン基板であって、前記第2接続層の底端は前記シリコン基板の上面よりも低いシリコン基板と、
前記シリコン基板の上面を覆い、前記連通部の外面を覆う絶縁層と、を含む
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記シリコン基板内に機能層が形成されており、前記第2接続層の底端は前記機能層の下面よりも低く、又は、
前記第2接続層の頂端は前記シリコン基板の上面よりも高く、又は、
前記第2接続層は前記シリコン基板に入り込む深さが1μm以上である
請求項
7に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記連通部はシリコン貫通ビアであり、又は、
前記第2接続層の直径は200nm~10μmであり、前記第2接続層の深さは1μm~20μmである
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項10】
半導体構造であって、
ベースと、
ベース内に位置し、第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含む連通部であって、前記第2接続層は前記第1接続層上に位置し、前記第3接続層は前記第2接続層上に位置する連通部と、を含み、
前記第2接続層及び前記第3接続層はいずれもグラフェンを含み、前記第2接続層及び前記第3接続層の熱膨張係数はいずれも前記第1接続層の熱膨張係数よりも小さ
く、前記第2接続層の熱膨張係数は前記第3接続層の熱膨張係数よりも小さい、半導体構造。
【請求項11】
半導体構造の作製方法であって、
基体を提供するステップと、
前記基体に連通部を形成するステップであって、前記連通部は第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含み、前記第2接続層は前記第1接続層上に形成され、前記第3接続層は前記第2接続層上に形成されるステップと、を含み、
前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は異なる導電材料を含み、前記第2接続層及び前記第3接続層の熱膨張係数はいずれも前記第1接続層の熱膨張係数よりも小さ
く、前記第2接続層の熱膨張係数は前記第3接続層の熱膨張係数よりも小さい、半導体構造の作製方法。
【請求項12】
前記第2接続層又は前記第3接続層はグラフェンを含み、前記第1接続層は銅を含む
請求項
11に記載の半導体構造の作製方法。
【請求項13】
前記第1接続層には開口が形成されており、前記第2接続層及び前記第3接続層は順次、前記開口内に形成される
請求項
11又は
12に記載の半導体構造の作製方法。
【請求項14】
前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は順次、前記基体内に形成され、
前記第1接続層、前記第2接続層及び前記第3接続層は、前記基体に垂直な方向での投影が重なる
請求項
11又は
12に記載の半導体構造の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年03月10日に提出された出願番号が202110265111.5であり、名称が「半導体構造及び半導体構造の作製方法」である中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全てが参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は半導体技術分野に関し、特に半導体構造及び半導体構造の作製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、連通部内に充填される金属導電材料は、熱膨張プロセスにおいて連通部の周辺格子に影響を与えて、半導体構造の性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、半導体構造の性能を改善する、半導体構造及び半導体構造の作製方法を提供する。
【0005】
本開示の第1態様によれば、以下の半導体構造を提供する。前記半導体構造は、
ベースと、
ベース内に位置し、第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含む連通部であって、第2接続層が第1接続層上に位置し、第3接続層が第2接続層上に位置する連通部と、を含み、
第1接続層、第2接続層及び第3接続層は異なる導電材料を含み、第2接続層及び第3接続層の熱膨張係数はいずれも第1接続層の熱膨張係数よりも小さい。
【0006】
本開示の第2態様によれば、以下の半導体構造を提供する。前記半導体構造は、
ベースと、
ベース内に位置し、第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含む連通部であって、第2接続層が第1接続層上に位置し、第3接続層が第2接続層上に位置する連通部と、を含み、
第2接続層及び第3接続層はいずれもグラフェンを含み、第2接続層及び第3接続層の熱膨張係数はいずれも第1接続層の熱膨張係数よりも小さい。
【0007】
本開示の第3態様によれば、以下の半導体構造の作製方法を提供する。前記半導体構造の作製方法は、
基体を提供するステップと、
基体に連通部を形成するステップであって、連通部は第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含み、第2接続層は第1接続層上に形成され、第3接続層は第2接続層上に形成されるステップと、を含み、
第1接続層、第2接続層及び第3接続層は異なる導電材料を含み、第2接続層及び第3接続層の熱膨張係数はいずれも第1接続層の熱膨張係数よりも小さい。
【0008】
本開示の半導体構造はベース及び連通部を含み、連通部は異なる導電材料で形成される第1接続層、第2接続層及び第3接続層を含み、第2接続層及び第3接続層の熱膨張係数を全て第1接続層の熱膨張係数よりも小さくして、即ち第2接続層及び第3接続層は熱膨張による変化が小さく、これにより、連通部の周辺格子への影響を小さくして、半導体構造の性能を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1例示的実施形態により示される半導体構造の構造模式図である。
【
図2】第1例示的実施形態により示される半導体構造の連通部の構造模式図である。
【
図3】第2例示的実施形態により示される半導体構造の構造模式図である。
【
図4】第2例示的実施形態により示される半導体構造の連通部の構造模式図である。
【
図5】第3例示的実施形態により示される半導体構造の構造模式図である。
【
図6】一つの例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法のフローチャートである。
【
図7】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において開孔を形成する構造模式図である。
【
図8】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第2絶縁層孔を形成する構造模式図である。
【
図9】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第3絶縁層孔を形成する構造模式図である。
【
図10】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第1初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図11】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第2初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図12】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第2接続層を形成する構造模式図である。
【
図13】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第3初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図14】第1例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第3接続層を形成する構造模式図である。
【
図15】第2例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第1初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図16】第2例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第2初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図17】第2例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第2接続層を形成する構造模式図である。
【
図18】第2例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第3初期接続層を形成する構造模式図である。
【
図19】第2例示的実施形態により示される半導体構造の作製方法において第3接続層を形成する構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の種々の目的、特徴及び利点は、図面を参照しながら本開示の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を考慮することによって、さらに明らかにされる。図面は本開示の模式的な図示に過ぎず、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。図面において、同じ参照番号は全体にわたって同一又は同様の部材を指す。
【0011】
本開示の特徴及び利点を具体化する例示的な実施例は、以下の説明において詳細に説明される。本開示は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる実施例において様々な変化を有してもよく、且つその説明及び図面は本質的に説明するためのものであり、本開示を制限するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
本開示の様々な例示的な実施形態についての以下の説明は、図面を参照しながら行われ、図面は本開示の一部を形成し、本開示を実現可能な多くの異なる例示的な構造、システム及びステップが例示的に示されている。部材、構造、例示的な装置、システム、及びステップの他の特定の解決手段を用いてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的変更を行ってもよいことを理解すべきである。また、本明細書において、技術用語の「上に」、「間に」、「内に」等を用いて本開示の異なる例示的な特徴及び素子(要素)を説明することができるが、これらの技術用語、例えば図面に記載の例示的な方向は説明を容易にするために本明細書に用いられる。本明細書のいずれの開示も、本発明の範囲に含まれるためには構造の具体的な三次元の向きを必要とするものと解釈されるべきではない。
【0013】
本開示の一実施例は半導体構造を提供する。
図1から
図5を参照すると、半導体構造は、ベース10と、ベース10内に位置し、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213を含む連通部21であって、第2接続層212が第1接続層211上に位置し、第3接続層213が第2接続層212上に位置する連通部21と、を含み、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は異なる導電材料を含み、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数はいずれも第1接続層211の熱膨張係数よりも小さい。
【0014】
本開示の一実施例の半導体構造はベース10及び連通部21を含み、連通部21は異なる導電材料で形成される第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213を含み、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数を全て第1接続層211の熱膨張係数よりも小さくして、即ち第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張による変化を小さくすることで、連通部21の周辺格子への影響を小さくして、半導体構造の性能を改善する。
【0015】
説明すべきは、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数はいずれも第1接続層211の熱膨張係数よりも小さいため、低熱膨張係数の材料を連通部21の一部の導電材料として用いることで、能動素子領域の金属熱膨張による影響を小さくしてもよく、周辺格子MOS素子の電気変化を小さくして、チップ設計のサイズを小さくしてもよい。熱膨張係数の小さい第2接続層212及び第3接続層213の熱変形が少ないため、大きな圧力で連通部21の周辺格子を押圧するという問題が発生せず、ベース10内の他の部品への影響を回避することができる。
【0016】
いくつかの実施例において、連通部21は導電部20の一部に属し、導電部20は第1導電層22をさらに含み、第1導電層22は連通部21の上方に位置し、第3接続層213は第1導電層22に接続され、第2接続層212及び第3接続層213は第1導電層22に近いが、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数が小さいため、第1導電層22を過度に押圧しない。
【0017】
いくつかの実施例において、連通部21はシリコン貫通ビアである。
【0018】
一実施例において、第2接続層212の熱膨張係数は第3接続層213の熱膨張係数よりも小さく、即ち連通部21における熱膨張係数が最小の導電材料は中間位置にあり、一般的に、該位置に対応するベース10の位置に大量の部品が設置されており、熱膨張係数が最小の導電材料は熱膨張による影響が最小であるため、部品をほとんど押圧しない。
【0019】
一実施例において、第2接続層212又は第3接続層213はグラフェンを含み、第1接続層211は銅を含む。銅は熱膨張係数が大きいが、最下層に位置するため、ベース10内の部品に影響を与えず、第2接続層212又は第3接続層213はベース10内の部品により近く、グラフェンの熱膨張係数が負の数であるため、グラフェンは銅の熱膨張を相殺することができ、これにより、押圧問題の発生を回避することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、第1接続層211は銅で形成され、第2接続層212はグラフェンで形成され、第3接続層213はタングステンで形成される。
【0021】
説明すべきは、第2接続層212がグラフェンを含む場合、グラフェンは第1接続層211と第3接続層213との間に挟まれており、このとき、グラフェンは一定の蓄熱機能を有するため、熱膨張係数の大きい導電材料の熱を吸収し、即ち第1接続層211及び第3接続層213の熱を吸収することで、他の導電材料の熱膨張を低下させることができる。
【0022】
第2接続層212がグラフェンを含む場合、第1接続層211及び第2接続層212で発生した熱は、グラフェンによってタイムリーに第1導電層22に伝達され、第1導電層22に接続される構造によって外部へ伝達されて、迅速に放熱するという効果を達成する。
【0023】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、第2接続層212は第1接続層211内に位置し、即ち第2接続層212の周方向は第1接続層211によって囲まれており、高熱膨張係数を有する第1接続層211は、第2接続層212を保護するという役割を果たすことができ、第2接続層212の熱膨張係数が相対的に小さいため、熱で膨張して大きな押圧力を生成することもない。
【0024】
いくつかの実施例において、第2接続層212は第1接続層211内に位置し、第3接続層213の底端は、第2接続層212の頂端及び第1接続層211の頂端と面一になる。
【0025】
いくつかの実施例において、第2接続層212は第1接続層211内に位置し、第3接続層213は第1接続層211内に位置し、即ち第2接続層212及び第3接続層213の周方向はいずれも第1接続層211によって囲まれており、具体的には、
図1及び
図2に示すとおりである。
【0026】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、第2接続層212及び第3接続層213は、ベース10に垂直な方向での投影が重なり、即ち第2接続層212の断面積は第3接続層213の断面積に等しい。
【0027】
選択的には、第3接続層213の頂端は第1接続層211の頂端と面一になり、このとき、第1接続層211には1つの凹溝が形成され、第2接続層212及び第3接続層213はこの凹溝内に位置し、第1接続層211の頂端及び第3接続層213の頂端は第1導電層22に接続され、具体的には、
図1及び
図2に示すとおりである。本実施例において、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は異なる導電材料を含み、第2接続層212の熱膨張係数は第3接続層213の熱膨張係数よりも小さく、第3接続層213の熱膨張係数は第1接続層211の熱膨張係数よりも小さく、第1接続層211は銅で形成され、第2接続層212はグラフェンで形成され、第3接続層213はタングステンで形成される。
【0028】
一実施例において、
図3及び
図4に示すように、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は、ベース10に垂直な方向での投影が重なり、即ち第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213はベース10の高さ方向に沿って順次積層され、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213の断面積はいずれも等しく、このとき、第3接続層213のみは第1導電層22に直接接続される。本実施例において、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は異なる導電材料を含み、第2接続層212の熱膨張係数は第3接続層213の熱膨張係数よりも小さく、第3接続層213の熱膨張係数は第1接続層211の熱膨張係数よりも小さく、第1接続層211は銅で形成され、第2接続層212はグラフェンで形成され、第3接続層213はタングステンで形成される。
【0029】
いくつかの実施例において、
図5に示すように、第2接続層212は第1接続層211内に位置し、第1接続層211及び第3接続層213は、ベース10に垂直な方向での投影が重なり、即ち第3接続層213の底端は第2接続層212の頂端及び第1接続層211の頂端に接続される。
【0030】
一実施例において、
図1、
図3及び
図5に示すように、ベース10は、シリコン基板11であって、第2接続層212の底端がシリコン基板11の上面よりも低いシリコン基板11と、絶縁層12であって、絶縁層12がシリコン基板11の上面を覆い、連通部21の外面を覆い、第1導電層22が絶縁層12内に位置する絶縁層12と、を含む。
【0031】
具体的には、ベース10はシリコン基板11及び絶縁層12を含み、連通部21の一部はシリコン基板11内に位置し、第2接続層212の底端はシリコン基板11の上面よりも低く、第2接続層212の熱膨張係数が第1接続層211の熱膨張係数よりも小さいため、第2接続層212は熱で過度に膨張せず、したがって、その上面に近いシリコン基板11の部分への影響を回避することができる。
【0032】
一実施例において、シリコン基板11内に機能層111が形成されており、第2接続層212の底端は機能層111の下面よりも低く、即ち第2接続層212と第3接続層213の全体の高さの和はシリコン基板11内の機能層111の高さ以上であり、これにより、機能層111への熱膨張による押圧を回避する。ここで、第2接続層212の高さは機能層111の高さより大きくてもよい。
【0033】
説明すべきは、機能層111内に多種の部品を有してもよく、部品の種類については、ここでは限定せず、実際の必要に応じて選択してもよく、ここで強調することとして、第2接続層212全体が熱で膨張した後に機能層111を押圧せず、機能層111を保護するという役割を果たすことができる。
【0034】
一実施例において、第2接続層212の頂端はシリコン基板11の上面よりも高く、即ち第2接続層212の高さは機能層111の高さより高くてもよく、これにより、シリコン基板11の絶縁層12に近い部分を保護し、機能層111への押圧を回避する。
【0035】
いくつかの実施例において、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は円柱構造であってもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、第2接続層212は直径が200nm~10μmであってもよく、深さが1μm~20μmであってもよい。第2接続層212はシリコン基板11に入り込む深さが1μm以上である。
【0037】
具体的には、シリコン基板11はシリコン含有材料で形成されてもよい。シリコン基板11は、例えばシリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、シリコンゲルマニウム、単結晶シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、サファイアのうちの少なくとも1つを含む任意の適切な材料で形成されてもよい。
【0038】
絶縁層12は、二酸化ケイ素(SiO2)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)等の関連する集積回路絶縁材料を含んでもよい。
【0039】
一実施例において、
図1、
図3及び
図5に示すように、半導体構造は第2導電層30をさらに含み、第2導電層30はベース10内に位置し、第2導電層30は第1導電層22から離間しており、第1導電層22の上方に位置し、第1導電層22は接続柱31を介して第2導電層30に接続され、接続柱31は導電構造である。
【0040】
本開示の一実施例は半導体構造をさらに提供する。前記半導体構造は、ベース10と、ベース10内に位置し、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213を含む連通部21であって、第2接続層212が第1接続層211上に位置し、第3接続層213が第2接続層212上に位置する連通部21と、を含み、第2接続層212及び第3接続層213はいずれもグラフェンを含み、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数はいずれも第1接続層211の熱膨張係数よりも小さい。
【0041】
上記実施例に対して、本実施例における半導体構造は第1接続層211及びその上方に位置するグラフェンを含み、グラフェンを設置することで、連通部21の周辺格子への影響を効果的に回避することができ、グラフェンによって熱をタイムリーに外部へ伝達することができる。これにより、半導体構造の性能を改善する。
【0042】
説明すべきは、他の関連する構造については、上記実施例を参照してもよく、ここで説明を省略する。
【0043】
本開示の一実施例は半導体構造の作製方法をさらに提供する。
図6を参照すると、半導体構造の作製方法は以下を含む。
【0044】
S101では、基体13を提供する。
【0045】
S103では、基体13に連通部21を形成し、連通部21は第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213を含み、第2接続層212は第1接続層211上に形成され、第3接続層213は第2接続層212上に形成される。
【0046】
第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は異なる導電材料を含み、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数はいずれも第1接続層211の熱膨張係数よりも小さい。
【0047】
本開示の一実施例の半導体構造の作製方法は、基体13に連通部21が形成されており、連通部21は異なる導電材料で形成される第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213を含み、第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張係数を全て第1接続層211の熱膨張係数よりも小さくして、第3接続層213が第1導電層22に接続され、即ち第2接続層212及び第3接続層213の熱膨張による変化を小さくすることで、連通部21の周辺格子への影響を小さくして、半導体構造の性能を改善する。
【0048】
一実施例において、第2接続層212又は第3接続層213はグラフェンを含み、第1接続層211は銅を含む。銅は熱膨張係数が大きいが、最下層に位置するため、ベース10内の部品に影響を与えず、第2接続層212又は第3接続層213はベース10内の部品により近く、グラフェンの熱膨張係数が負の数であるため、グラフェンは銅の熱膨張を相殺することができ、これにより、押圧問題の発生を回避することができる。
【0049】
一実施例において、第1接続層211に開口14が形成され、第2接続層212及び第3接続層213は順次、開口14内に形成され、即ち
図1及び
図2に示す構造が形成される。
【0050】
具体的には、
図7に示すように、基体13はシリコン基板11及び第1絶縁層15を含み、シリコン基板11及び第1絶縁層15に開孔16が形成され、開孔16は第1絶縁層15を貫通するが、必ずしもシリコン基板11を貫通しなくてもよく、ここでは限定しない。
【0051】
図7をもとに、第1絶縁層15を第2絶縁層17で覆い、第2絶縁層17は開孔16の壁面を覆い、
図8に示すとおりである。
【0052】
図8をもとに、第2絶縁層17を第3絶縁層18で覆い、第3絶縁層18は第2絶縁層17の上面及び側面を覆い、
図9に示すとおりである。
【0053】
図9をもとに、第3絶縁層18を第1初期接続層19で覆い、第1初期接続層19は開孔16の一部を充填し、第1初期接続層19の上方に開口14が形成され、
図10に示すとおりである。
【0054】
図10をもとに、第1初期接続層19を第2初期接続層32で覆い、第2初期接続層32は開口14を充填し、
図11に示すとおりである。
【0055】
図11をもとに、第1初期接続層19の上面を覆い、開口14の外側にある第2初期接続層32を除去し、開口14の一部を露出させて、第2接続層212を形成し、
図12に示すとおりである。
【0056】
図12をもとに、第1初期接続層19を第3初期接続層33で覆い、第3初期接続層33は開口14を充填し、
図13に示すとおりである。
【0057】
図13をもとに、第1初期接続層19の上面を覆い、開口14の外側にある第3初期接続層33、及び第3絶縁層18上にある第1初期接続層19の一部を除去して、第1接続層211及び第3接続層213を形成し、
図14に示すとおりであり、即ち最終的に
図1に示す半導体構造を形成してもよい。
【0058】
一実施例において、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は順次、基体13内に形成され、第1接続層211、第2接続層212及び第3接続層213は、基体13に垂直な方向での投影が重なり、即ち
図3及び
図4に示す構造が形成される。
【0059】
具体的には、
図10をもとに、第1初期接続層19の一部を除去し、即ち開孔16の上方を露出させて、第1接続層211を形成し、
図15に示すとおりである。
【0060】
図15をもとに、第3絶縁層18を第2初期接続層32で覆い、第2初期接続層32は開孔16を充填し、
図16に示すとおりである。
【0061】
図16をもとに、第2初期接続層32の一部を除去し、即ち開孔16の上方を露出させて、第2接続層212を形成し、
図17に示すとおりである。
【0062】
図17をもとに、第3絶縁層18を第3初期接続層33で覆い、第3初期接続層33は開孔16を充填し、
図18に示すとおりである。
【0063】
図18をもとに、第3初期接続層33の一部を除去し、即ち第3初期接続層33の上面が第3絶縁層18の上面と面一になるようにして、第3接続層213を形成し、
図19に示すとおりであり、即ち最終的に
図3に示す半導体構造を形成してもよい。
【0064】
説明すべきは、第1絶縁層15、第2絶縁層17及び第3絶縁層18が二酸化ケイ素(SiO2)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)等の関連する集積回路絶縁材料を含んでもよい。
【0065】
説明すべきは、第1絶縁層15、第2絶縁層17、第3絶縁層18、第2初期接続層32および第3初期接続層33の形成プロセスは、物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVDと略称)プロセス、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVDと略称)プロセス、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALDと略称)プロセス、原位置水蒸気生成(In-Situ Steam Generation:ISSGと略称)プロセス及び誘電層スピン塗布(spin on dielectric:SODと略称)プロセス等から選択されてもよく、ここでは限定しない。
【0066】
開口14及び開孔16の形成プロセスはフォトリソグラフィ及びエッチング等を含む。各コーティングが形成された後に、研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMPと略称)プロセスと組み合わせて処理して、コーティングの平坦性を確保してもよい。第1初期接続層19の形成は、めっき又はスパッタリング等のプロセスを採用してもよく、ここでは限定しない。
【0067】
一実施例において、半導体構造は上述した半導体構造の作製方法によって形成されてもよい。半導体構造の作製方法は、第2導電層30等を形成するステップをさらに含んでもよく、ここでは限定しない。シリコン基板11及び上述した各絶縁層はいずれもベース10の一部であり、即ち基体13はベース10の一部に属する。第1絶縁層15、第2絶縁層17及び第3絶縁層18はいずれも絶縁層12の一部に属する。
【0068】
本開示の他の実施形態は、本明細書の考察と本明細書での発明の実施により、当業者には自明であろう。本開示は本発明のあらゆる変形、用途又は適応的な変化を包含することを意図し、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般原理に従い本開示に掲示されていない当技術分野での技術常識又は慣用されている技術手段を含む。明細書及び例示的な実施形態は単に例示的なものとみなされ、本開示の真の範囲及び趣旨は請求項によって示される。
【0069】
本開示は以上で説明され且つ図面に示された精確な構造に限定されるものでなく、その範囲を逸脱しない限り様々な修正や変更を加えることができるのを理解すべきである。本開示の範囲は添付される請求項のみによって規定される。
【符号の説明】
【0070】
10:ベース
11:シリコン基板
111:機能層
12:絶縁層
13:基体
14:開口
15:第1絶縁層
16:開孔
17:第2絶縁層
18:第3絶縁層
19:第1初期接続層
20:導電部
21:連通部
211:第1接続層
212:第2接続層
213:第3接続層
22:第1導電層
30:第2導電層
31:接続柱
32:第2初期接続層
33:第3初期接続層