(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ミッションオイルフィルタモジュール
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20231117BHJP
【FI】
F16H57/04 F
(21)【出願番号】P 2022548610
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2021053121
(87)【国際公開番号】W WO2021185513
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】102020203458.3
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リカ トルステン
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-73304(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102006008498(DE,A1)
【文献】国際公開第2017/097605(WO,A1)
【文献】独国特許発明第102016202625(DE,B3)
【文献】独国特許出願公開第102015209573(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102008032494(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部(2)と、
ミッションオイル(10)を圧送するためのポンプ(3)と、
前記ポンプ(3)の加圧側に位置するオイルフィルタ(4)と、
前記ミッションオイル(10)を冷却するための熱交換器(9)と、
開いているとき、前記オイルフィルタ(4)をバイパスするバイパスを解放するオイルフィルタバイパス弁(5)と、
オイルドレンプラグ(7)を有するオイルパン(6)と、
を備え
、
前記ポンプ(3)と前記オイルフィルタ(4)との間、及び、前記オイルフィルタ(4)と前記熱交換器(9)との間の個々のチャネルが、前記ハウジング部(2)に一体化されている
ことを特徴とする電気/ハイブリッド自動車(26)用のミッションオイルフィルタモジュール(1)。
【請求項2】
前記熱交換器(9)の上流に配置された第1の油温センサ(11)が、油温を検出するために設けられ、及び/又は
前記熱交換器(9)の下流に配置された第2の油温センサ(12)が、油温を検出するために設けられている
ことを特徴とする、請求項1に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項3】
前記ハウジング部(2)には、前記第1の油温センサ(11)を受け入れるための第1の挿入開口部(13)が設けられ、及び/又は
前記ハウジング部(2)には、前記第2の油温センサ(12)を受け入れるための第2の挿入開口部(14)が設けられている
ことを特徴とする、請求項2に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項4】
前記第1の油温センサ(11)が、クリップ接続を介して前記第1の挿入開口部(13)内にしっかりと固定され、及び/又は
前記第2の油温センサ(12)が、クリップ接続を介して前記第2の挿入開口部(14)内にしっかりと固定されている
ことを特徴とする、請求項3に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項5】
前記ハウジング部(2)と一体に形成された戻り止め輪郭(15,16)が設けられ、
第1及び/又は第2の油温センサ(11,12)は、取り付けられた状態で関連する戻り止め輪郭(15,16)にクリップ留めされる戻り止め突起(17,18)を有する
ことを特徴とする、請求項4に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項6】
前記ポンプ(3)と前記オイルフィルタ(4)との間に油圧センサ(22)が設けられている
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項7】
前記ポンプ(3)の吸引側にプレフィルタ(21)が配置されている
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項8】
熱交換器バイパス弁(23)が設けられており、
前記熱交換器バイパス弁(23)が、開いているときに、前記熱交換器(9)をバイパスするバイパスを解放する
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のミッションオイルフィルタモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のミッションオイルフィルタモジュール(1)を備えた、電気自動車又はハイブリッド自動車(26)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミッションオイルフィルタモジュールに関する。さらに、本発明は、自動車、特に電気自動車若しくはハイブリッド自動車、又はそのようなミッションオイルフィルタモジュールを備える変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
実開平06-73304号公報から、ハウジング部と、ミッションオイルを圧送するためのポンプとを備えるオイルフィルタモジュールが知られている。オイルフィルタは、ここではポンプの加圧側に配置される。また、ミッションオイルを冷却するための熱交換器と、オイルフィルタをバイパスするバイパス弁を開いたときに開放するバイパス弁によるオイルフィルタとが設けられている。
【0003】
独国特許出願公開第10 2006 008 498号明細書から、オイルドレインプラグを有するオイルパンが知られている。
【0004】
国際公開第2017/097605号明細書から、第1の位置と第2の位置との間で調整可能な、制御チャネル内に配置された弁本体を有するバイパス弁を有する流体供給システムが知られている。弁本体は、ここでは、制御チャネルを第1及び第2の空間に分離し、第1の空間を第2の空間に接続する漏出開口部を有する。さらに、漏洩チャネルには、漏洩チャネルの少なくとも部分的な開閉のために切替可能な弁が配置されている。オイル温度を検出するためのオイル温度センサも提供される。
【0005】
独国特許第10 2016 202 625号明細書から、第1のオイルフィルタ及び第2のオイルフィルタが知られており、第2のオイルフィルタはプレフィルタとして使用される。
【0006】
独国特許出願公開第10 2015 209 573号明細書から、冷却装置用のバイパスが知られている。
【0007】
強力な電動機の場合、特定の状況下では、トルクを伝達できるようにするために、追加の変速機を組み込むことが必要となり得る。通常、ここでは、油による潤滑が変速機のために提供される。このような潤滑は、ここでは、オイルフィルタを備えた潤滑回路と、オイルリザーバと、ミッションオイルを冷却するための熱交換器と、ポンプとを備える。
【0008】
先行技術から知られているミッションオイルフィルタモジュールの欠点は、それらの高い騒音放出及び改善可能な効率である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、特に騒音が低く、効率が向上したミッションオイルフィルタモジュールに係る問題に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この課題は、独立請求項1の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0011】
本発明は、ミッションオイルフィルタモジュールにおいて、ミッションオイルを搬送するためのポンプの加圧側にオイルフィルタを配置するという一般的な考えに基づいており、これにより、従来のポンプの吸込側に配置されたオイルフィルタに比べて明らかに高い効率が可能であるだけでなく、明らかに低い背景雑音も実現可能である。本発明によるミッションオイルフィルタモジュールは、ここでは、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車に使用され、ハウジング部と、ミッションオイルを搬送するための前述のポンプとを有する。本発明によれば、オイルフィルタは、このポンプの加圧側に配置される。また、ミッションオイルを冷却するための熱交換器と、オイルフィルタをバイパスするバイパスを開放するオイルフィルタバイパス弁とが設けられている。さらに、ハウジング部は、オイルドレンプラグを有するオイルパンを有し、前記ポンプと前記オイルフィルタとの間、及び、前記オイルフィルタと前記熱交換器との間の個々のチャネルは、前記ハウジング部に一体化されている。本発明によるオイルフィルタモジュールでは、オイルフィルタがポンプの加圧側、すなわちポンプの下流に配置されるが、効率及び騒音放出に関する前述の利点を達成することができるだけでなく、さらに、特にハウジング部が例えばプラスチック射出成形部品として構成される限り、比較的簡単で経済的でコンパクトな構造を達成することができる。さらに、ここでは、例えばポンプからオイルフィルタまでのオイルラインをハウジング部に一体化することができ、それによって、それに伴う設置努力及び漏れの危険性の増大を伴う外部ライン経路選定を回避することができることが非常に有利である。したがって、本発明によるミッションオイルフィルタモジュールを用いることによって、全般的に明確な改善を達成することができる。
【0012】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、熱交換器の上流に配置された第1の油温センサが、油温を検出するために設けられ、追加的に又は代替的に、第2の油温センサが、熱交換器の下流に設けられ得る。油温センサを介して、油温を極めて正確に検出することができ、特に、例えば第2の油温センサが過度に高い油温を検出する限り、熱交換器の性能を調整することもできる。
【0013】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、第1の油温センサを受け入れるための第1の挿入開口部及び/又は第2の油温センサを受け入れるための第2の挿入開口部が、ハウジング部に設けられる。第1及び/又は第2の油温センサは、ここでは、それぞれ関連する挿入開口部内のクリップ接続部を介して固定することができる。これにより、オイル温度センサの比較的簡単な設置及び比較的簡単な分解、したがってミッションオイルフィルタモジュールの比較的簡単なメンテナンスが可能である。例えば、オイル温度センサが設けられない場合、それぞれの挿入開口部は、対応するブラインドプラグで簡単かつ確実に閉じることができる。
【0014】
便宜上、ハウジング部と一体に形成された戻り止め輪郭が設けられ、関連する戻り止め突起が、それぞれの油温センサ又は必要に応じて挿入されるブラインドプラグに設けられ、取り付けられた状態で戻り止め輪郭でクリップ留めすることができる。ハウジング部と一体に戻り止め輪郭を形成することによって、さらなる機能的統合を達成することができ、その結果、第1及び/又は第2の油温センサ又はブラインドプラグを挿入開口部にそれぞれ固定するために必要な接続手段を、ハウジング部と一緒にすでに少なくとも部分的に形成することができる。
【0015】
本発明による解決策のさらに有利な実施形態では、ポンプとオイルフィルタとの間、すなわちオイルフィルタの上流に油圧センサが配置される。このような油圧センサは、例えば、対応するクリップ接続を介して、油温センサと同様に、ハウジング部に設けられた挿入開口部内に固定することができ、油圧をオイルフィルタの上流で検出することができ、したがって、オイルフィルタの透過性又はその摩耗に関して結論を導くことができる。
【0016】
本発明による解決策のさらに有利な実施形態では、プレフィルタがポンプの吸込側に配置される。このようなプレフィルタを介して、粗大な不純物、特に変速機から生じる不純物をフィルタ除去することができ、それによって、これらがポンプに到達し、そこで損傷を引き起こすことを防止することができる。
【0017】
本発明による解決策のさらに有利な実施形態では、開いているときに熱交換器を迂回するバイパスを解放する熱交換器バイパス弁が設けられている。例えば、ミッションオイルがまだその動作温度に達していない場合、熱交換器バイパス弁が開き、オイルの流れが交換器を通過する。そのような熱交換器バイパス弁は、例えば、ワックス要素によって、したがって、自己調整式かつ経済的な方法で形成することができる。
【0018】
本発明はさらに、電気/ハイブリッド自動車又は変速機にそのようなミッションオイルフィルタモジュールを装備し、それによって電気/ハイブリッド自動車又は変速機のそれぞれに、前の段落に記載されたミッションオイルフィルタモジュールの利点をもたらすという一般的な考えに基づく。特に、本発明によるミッションオイルフィルタモジュールをこのような自動車に取り付けることにより、明らかにより高い効率及び明らかに低減された背景雑音を達成することができる。
【0019】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項から、図面から、及び図面の助けを借りた関連する図の説明から、明らかになるであろう。
【0020】
上記で挙げられ、以下でさらに説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ示された組合せだけでなく、他の組合せ又は単独でも使用することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明によるミッションオイルフィルタモジュールの斜視図である。
【
図3】本発明に係るミッションオイルフィルタモジュールの平面図である。
【
図5】本発明によるミッションオイルフィルタモジュールを、任意のプレフィルタの領域で示す断面図である。
【
図6】本発明に係るミッションオイルフィルタモジュールを、圧力センサが挿入されたオイルフィルタ内のフィルタエレメントとポンプとの間を通るチャネルを通して示す断面図である。
【
図7】本発明によるミッションオイルフィルタモジュールを、一体型オイルフィルタの領域で示す断面図である。
【
図8】オイルフィルタ及びバイパス弁の領域における断面図である。
【
図9】熱交換器の上流にある第1のオイル温度センサの領域の断面図である。
【
図10】本発明によるミッションオイルフィルタモジュールを、熱交換器の下流の第2のオイル温度センサの領域で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。ここで、同じ参照番号は、同一若しくは類似又は機能的に同一の、構成を参照する。
【0023】
ここでは、それぞれ概略的に示されている。
【0024】
図1~
図8によれば、本発明によるミッションオイルフィルタモジュール1は、ミッションオイルフィルタモジュールハウジングの一部を形成する少なくとも1つのハウジング部2と、ポンプ3(
図5参照)と、ポンプ3の加圧側に配置されたオイルフィルタ4(
図2、
図6、
図7及び
図8参照)と、開いたときにオイルフィルタ4を迂回するバイパスを解放するオイルフィルタバイパス弁5(
図7参照)と、オイルドレンプラグ7を有するオイルパン6(特に
図4参照)とを有する。また、ミッションオイルフィルタモジュール1は、ミッションオイル10を冷却するための熱交換器9を有している。ポンプ3に対するオイルフィルタ4の圧力側の配置によって、本発明によるミッションオイルフィルタモジュール1の明らかに改善された効率、及び、明らかに低減された騒音放出を達成することができる。ハウジング部2は、この場合、下部ハウジング部として構成され、さらなるハウジング部8(
図1及び
図2参照)は、ここでは分離面又は分離輪郭に沿って、互いに緊密に接続することができ、特に接着することができる。
【0025】
本発明によるミッションオイルフィルタモジュール1において、ポンプ3とオイルフィルタ4の両方、オイルフィルタバイパス弁5、オイルパン6、オイルドレンプラグ7、及びそれらの間に配置された全てのチャネルの配置によって、さらに比較的コンパクトな構造を達成することができる。ハウジング部2又は別のハウジング部8は、好ましくは、ここではプラスチックから、特に単一部品のプラスチック射出成形部品として形成することができる。
【0026】
熱交換器9の上流、好ましくは第1の油温センサ11がここに配置され(
図1及び
図9を参照)、加えて又は代替として、第2の油温センサ12(
図2及び
図10を参照)が熱交換器9の下流に設けられ得る。熱交換器9における冷却要件は、熱交換器9の上流及び下流の温度検出によって正確に予め決定することができる。
【0027】
ハウジング部2には、第1又は第2の油温センサ11,12をそれぞれ受け入れるために、それぞれ対応する挿入開口部13,14が設けられ、第1の油温センサ11は、第1の挿入開口部13に挿入可能であり、第2の油温センサ12は、第2の挿入開口部14に挿入可能であり、クリップ接続を介してそこにロック可能である。このようなクリップ接続によって、2つの油温センサ11,12を簡単に固定することができるが、それにもかかわらず、関連する挿入開口部13,14内に確実に固定することができ、さらに、分解のための比較的簡単な可能性も提供され、特に、それぞれの油温センサ11,12の交換が必要とされる保守を明確に簡単にする。
【0028】
このために、それぞれのクリップ接続部は、戻り止め輪郭15,16、すなわち、第1の油温センサ11のための第1の挿入開口部13内の戻り止め輪郭15と、第2の油温センサ12のための第2の挿入開口部14内の戻り止め輪郭16とを有する(
図9及び
図10参照)。それぞれの戻り止め輪郭15,16と固定方式で協働することができるように、第1及び/又は第2の油温センサ11,12は、戻り止め突起17,18(
図9及び
図10参照)を有し、設置状態では、それぞれの戻り止め輪郭15,16でクリップ留めされるか、又はこれらの後ろにそれぞれ係合する。
【0029】
図9及び
図10をより詳細に見ると、それぞれ図示された油温センサ11,12が、シール19(例えばOリングシール)を介して、それぞれ関連する挿入開口部13,14に密接に挿入されていることが分かる。ここでは、戻り止め突起17,18を外部から作動させることができ、それによって、関連する挿入開口部13,14からのそれぞれの油温センサ11,12の解放が簡単な方法で可能になる。
【0030】
さらに、ミッションオイルフィルタモジュール1内のオイルの流れは、
図5によれば、ミッションオイル10が、図示されていない変速機20から到着し、オイルパン6内に、又はハウジング部2内にそれぞれ進入することで、より詳細に説明される。その後、ポンプ3の吸入側に配置されたプレフィルタ21を通って流れ、これにより、ポンプ3に入る前にミッションオイル10が洗浄される。続いて、ミッションオイル10は、ポンプ3によって吸引され、オイルフィルタ4に送られる(
図6参照)。ポンプ3の加圧側とオイルフィルタ4との間にミッションオイル10を導く流路には、ミッションオイル10の圧力を検出してオイルフィルタ4の摩耗状態を検出する油圧センサ22が配置されている。オイルフィルタ4(
図7参照)を通って流れた後、ミッションオイル10は、熱交換器9に流入し、そこで冷却される。熱交換器9は、対応する冷却剤接続部によって冷却回路に接続されるが、これは、より詳細には示されていない。熱交換器9は、ここでは、ハウジング部2にねじ止めされ、その間に位置するシールが設けられる。このような構成は、熱交換器9の比較的簡単な交換を可能にする。油圧センサ22に加えて、オイルフィルタ4の上流にはオイルフィルタバイパス弁(
図7参照)が配置され、このバイパス弁は、所定油圧の後に開き、それによってオイルフィルタ4をバイパスし、原側をオイルフィルタ4の清浄側に接続する。
【0031】
図8を見ると、熱交換器9の上流には熱交換器バイパス弁23が設けられており、このバイパス弁は、例えば対応するワックス要素によって温度依存的に開閉し、次いで、これが所定の温度閾値を超える限り、ミッションオイル10を熱交換器9に排他的に送出する。
【0032】
図7及び
図8をさらに見ると、ハウジング部2は、オイルフィルタ4の領域に取り外し可能なカバー24を有し、取り外し可能な状態で、オイルフィルタ4又はそのフィルタ要素の交換を可能にし、スクリュー閉鎖又はバヨネット(差し込み)閉鎖によって、簡単な方法で取り付け及び取り外しが可能であることが分かる。カバーを鉛直に対して約35°傾斜させ、したがってオイルフィルタ4のフィルタエレメントを水平に対して約35°傾斜させることによって、オイルドレンプラグ7を介してミッションオイル10を完全に排出することなく、特定の状況下でフィルタエレメント25を交換することが可能である。
【0033】
個別部品、言い換えればポンプ3とオイルフィルタ4又はオイルフィルタ4と熱交換器9との間の個々のチャネルをハウジング部2に一体化することによって、面倒な外部配管を完全に省くことができ、それによって、設置の労力だけでなく、全体として製造コストを低減することができる。ポンプ3に対するオイルフィルタ4の圧力側の配置は、本発明によるミッションオイルフィルタモジュール1において特に有利であり、それによって効率を高めることができ、ミッションオイルフィルタモジュール1によって発生する騒音放出を低減することができる。
【0034】
このようなミッションオイルフィルタモジュール1は、例えば、変速機20の温度管理のために、電気/ハイブリッド自動車26に使用することができる。