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特許7387020サービス品質を決定する方法、コンピューター可読記憶媒体及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】サービス品質を決定する方法、コンピューター可読記憶媒体及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/24 20090101AFI20231117BHJP
   H04W 72/54 20230101ALI20231117BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20231117BHJP
【FI】
H04W28/24
H04W72/54
H04W24/02
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022555259
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2020048610
(87)【国際公開番号】W WO2021171773
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】20305195.8
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボノビル、エルベ
(72)【発明者】
【氏名】カンフシ、ムーラド
(72)【発明者】
【氏名】グレッセ、ニコラ
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/035130(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス品質(QoS)パラメーターを決定する方法であって、
基地局において、送信エンティティから、セッションのQoSパラメーター要求を受信することであって、前記要求は、前記セッションの記述子及び前記セッションがプロービングセッションであることのインジケーションを含む、受信することと、
前記基地局において、前記プロービングセッションに関係する前記QoSパラメーターを決定することと、
前記基地局によって、前記決定されたQoSパラメーターを受信エンティティに送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記送信エンティティ及び前記受信エンティティは同じエンティティである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エンティティは、タイムセンシティブネットワークアプリケーション機能(TSN-AF)エンティティである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記要求はいくつかのメッセージを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局は、前記要求に関係するアクションとしてリソースを予約しない、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記QoSパラメーター要求はQoSパラメーター決定コンテキストを含み、該QoSパラメーター決定コンテキストは、パラメーター決定制約と、該パラメーター決定制約内で決定されるQoSパラメーターのタイプのインジケーションとの双方を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記QoSパラメーター決定制約は、最大ビットレート、優先度、又はパケット誤り率のうちの1つ以上を含み、前記パラメーター決定制約内で決定される前記QoSパラメーターのタイプは遅延情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記要求はプロービングフラグを含み、該プロービングフラグは、前記プロービングセッションを前記基地局における現在のアクティブなセッションに置き換わるものとみなすことを示すか、又は前記プロービングフラグは、前記プロービングセッションを前記基地局における現在のアクティブなセッションに加わるものとみなすことを示す、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記基地局において、前記プロービングセッションに関係する前記QoSパラメーターを前記決定することは、前記基地局によって、前記プロービングセッションのリソース予約計画を構築することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記基地局において、前記プロービングセッションに関係する前記QoSパラメーターを前記決定することは、前記基地局においてアクティブなセッションを確立することを阻止することを含み、前記基地局において現在のアクティブなセッションを解放することを阻止することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記QoSパラメーター要求は、1つ以上の追加のセッションに更に関係し、前記記述子は、前記1つ以上の追加のセッションに更に関係し、前記インジケーションは、前記1つ以上の追加のセッションが1つ以上の追加のプロービングセッションであることを更に示す、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局において、前記プロービングセッションに関係する前記QoSパラメーターを決定することは、
前記基地局において、前記1つ以上の追加のプロービングセッションに関係する前記QoSパラメーターを決定することと、
前記基地局によって、前記プロービングセッション及び前記1つ以上の追加のプロービングセッションのリソース予約計画を構築することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
サービス品質(QoS)パラメーターを決定する方法であって、
送信エンティティによって、複数の基地局に、セッションのQoSパラメーター要求を送信することであって、各要求は、前記セッションの記述子及び前記セッションがプロービングセッションであることのインジケーションを含む、送信することと、
前記送信エンティティにおいて、前記複数の基地局のうちの各基地局から、前記プロービングセッションに関係する基地局固有のQoSパラメーターを受信することと、
前記送信エンティティによって、前記受信した基地局固有のQoSパラメーターをQoSプロファイルにまとめることと、
前記送信エンティティによって、制御エンティティに前記QoSプロファイルを送信することと、
を含む、方法。
【請求項14】
コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、該プロセッサに、請求項1~3、及び、13のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピューター可読記憶媒体。
【請求項15】
プロセッサと、メモリと、ネットワーク接続モジュールとを備えるデバイスであって、前記プロセッサは、請求項1~3、及び、13のいずれか1項に記載の方法に従って動作するように構成される、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本方法は、包括的には、サービス品質を決定する方法、コンピューター可読記憶媒体及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの通信ネットワークは、ネットワークエンティティ間で予測可能な時間窓内でデータを送信するために、適時性制約内で動作する。そのようなネットワークは、集中型アーキテクチャ、分散アーキテクチャ、又はハイブリッドアーキテクチャを有することができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。本明細書において開示される概念の更なる特徴及び利点は、以下に続く説明において記載される。
【0004】
本開示は、サービス品質(QoS)パラメーターを決定する方法であって、
基地局において、送信エンティティから、セッションのQoSパラメーター要求を受信することであって、要求は、セッションの記述子及びセッションがプロービングセッションであることのインジケーションを含む、受信することと、
基地局において、プロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することと、
基地局によって、決定されたQoSパラメーターを受信エンティティに送信することと、
を含む、方法を説明する。
【0005】
そのような方法は、反復的な試行錯誤による事後方式で進行してQoSパラメーターを決定するのではなく、基地局に問い合わせることによってそのようなQoSパラメーターを事前に決定することを可能にする。
【0006】
必要に応じて、送信エンティティ及び受信エンティティは同じエンティティである。これによって、例えばそのような方法を集中型の通信ネットワークにおいて動作させることによって、送信エンティティ及び受信エンティティが中央制御エンティティとして動作することが可能になる。
【0007】
必要に応じて、送信エンティティ及び受信エンティティは、タイムセンシティブネットワークアプリケーション機能(TSN-AF)エンティティである。いくつかの例において、これによって、5Gシステム等の無線通信システムをTSNブリッジとしてTSNネットワークに統合することが可能になる。
【0008】
必要に応じて、要求はいくつかのメッセージを含む。これによって、要求の通信をいくつかの専用メッセージに簡略化することが可能になり、各メッセージは、要求の特定の要素を搬送する。
【0009】
必要に応じて、基地局は、要求に関するアクションとしてリソースを予約しない。これによって、基地局に所与のセッションのQoSパラメーターについて問い合わせることによって、そのようなセッションを開くことなく、それによって基地局における既存の開いたセッション及びリソースに影響を及ぼすことなくそのようなQoSパラメーターを決定することが可能になる。
【0010】
必要に応じて、QoSパラメーター要求はQoSパラメーター決定コンテキストを含み、QoSパラメーター決定コンテキストは、パラメーター決定制約と、パラメーター決定制約内で決定されるQoSパラメーターのタイプのインジケーションとの双方を含む。これによって、決定されるQoSパラメータータイプに関する情報、及びそのようなQoSパラメーターが決定されるべき条件に関する情報を明示的に提供することによって、QoSパラメーターの正確な決定が可能になる。より詳細には、いくつかの場合、QoSパラメーター決定制約は、最大ビットレート、優先度、又はパケット誤り率のうちの1つ以上を含み、パラメーター決定制約内で決定されるQoSパラメーターのタイプは遅延情報を含む。これは、タイムセンシティブネットワークにおける無線ブリッジの統合に特に適合されている。
【0011】
必要に応じて、要求はプロービングフラグ(probing flag)を含み、プロービングフラグは、プロービングセッションを基地局における現在のアクティブなセッションに置き換わるものとみなすことを示すか、又はプロービングフラグは、プロービングセッションを基地局における現在のアクティブなセッションに加わるものとみなすことを示す。そのような場合、そのような明示的なプロービングフラグを含めることにより、基地局が、QoSパラメーターをより正確に決定するために、未来の予測される挙動を考慮に入れることができることが可能になる。
【0012】
必要に応じて、基地局において、プロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することは、基地局によって、プロービングセッションのリソース予約計画を構築することを含む。そのようなリソース予約計画を構築することは、この目的のみでセッションを開く必要なく、基地局によってQoSパラメーターをより正確に決定することに寄与することができる。
【0013】
必要に応じて、基地局において、プロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することは、基地局においてアクティブなセッションを確立することを阻止することを含み、基地局において現在のアクティブなセッションを解放することを阻止することを含む。QoSの決定中の基地局におけるそのようなシステムフリーズは、システムがそのような決定中に安定したままであることを確実にする。
【0014】
必要に応じて、QoSパラメーター要求は、1つ以上の追加のセッションに更に関係し、記述子は、1つ以上の追加のセッションに更に関係し、インジケーションは、1つ以上の追加のセッションが1つ以上の追加のプロービングセッションであることを更に示す。これにより、所与のマルチセッショントポロジについてQoS決定が可能になる。より詳細には、基地局において、プロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することは、基地局において、1つ以上の追加のプロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することと、基地局によって、プロービングセッション及び1つ以上の追加のプロービングセッションのリソース予約計画を構築することとを含む。そのような計画構築は、この目的で複数のセッションを開く必要なくQoSを決定することを可能にする。
【0015】
本開示は、サービス品質(QoS)パラメーターを決定する方法であって、
送信エンティティによって、複数の基地局に、セッションのQoSパラメーター要求を送信することであって、各要求は、セッションの記述子及びセッションがプロービングセッションであることのインジケーションを含む、送信することと、
送信エンティティにおいて、複数の基地局のうちの各基地局から、プロービングセッションに関係する基地局固有のQoSパラメーターを受信することと、
送信エンティティによって、受信した基地局固有のQoSパラメーターをQoSプロファイルにまとめることと、
送信エンティティによって、制御エンティティにQoSプロファイルを送信することと、
を含む、方法も説明する。
【0016】
そのような方法は、反復的な試行錯誤による事後プロセスを用いて進行してそのようなQoSパラメーターを決定するのではなく、集中型方式で複数の基地局に問い合わせることによってQoSパラメーターを事前に決定することを可能にする。
【0017】
本開示は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書によって説明される方法のいずれかを実行させる命令を含むコンピューター可読記憶媒体も説明する。
【0018】
本開示は、プロセッサと、メモリと、ネットワーク接続モジュールとを備えるデバイスであって、プロセッサは、本明細書によって説明される方法のいずれかに従って動作するように構成される、デバイスも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】例示的な方法を示す図である。
図2】別の例示的な方法を示す図である。
図3】例示的なデバイスを示す図である。
図4】例示的な方法を適用するためのデバイスアーキテクチャの例を示す図である。
図5】例示的な方法を適用するためのデバイスアーキテクチャの例を示す図である。
図6】例示的な方法を適用するためのデバイスアーキテクチャの例を示す図である。
図7】更なる例示的な方法を示す図である。
図8】更に別の例示的な方法を示す図である。
図9】また更なる例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、サービス品質(QoS)パラメーターを決定する方法に当てはまる。QoSパラメーターは、ネットワークにおける通信品質の1つ以上の尺度として理解されるべきである。QoSパラメーターの例は、スループット、伝送遅延、優先度、保護、誤り率又は復元力に関係することができる。スループットは、定義された時間量の間にエンティティ間で転送に成功したビット数として定義することができる。伝送遅延は、2つのエンティティ間のデータ転送の成功のための経過時間として定義することができる。優先度は、2つのエンティティ間の接続の相対的重要性として定義することができ、より低い優先度は、接続サービス品質の劣化又は更にはリソースの解放につながる場合がある。保護は、エンティティが送信データの無許可のモニタリング又は操作の阻止を試行する程度として定義することができる。誤り率は、誤ったデータ、損失データ及び複製データの合計と、期間中に2つのエンティティ間で転送されたデータの合計との比として定義することができる。復元力は、所与の時間間隔中にエンティティが接続を切断又は再設定する確率として定義することができる。
【0021】
図1は、本開示による、サービス品質(QoS)パラメーターを決定する例示的な方法100を開示する。方法100は、基地局において、送信エンティティから、セッションのQoSパラメーター要求を受信することを示すブロック101を含み、要求は、セッションの記述子及びセッションがプロービングセッション(probing session)であることのインジケーションを含む。
【0022】
基地局は、本開示において、無線通信ネットワークにおける送受信機として理解されるべきである。基地局は、他の基地局、異なるネットワークエンティティ、及び基地局の無線通信到達範囲内に位置するモバイルデバイスと通信することができる。基地局の無線通信到達範囲内に位置するモバイルデバイスは、当該基地局のセル内に位置するものとみなすことができ、セルはセルラーネットワーク内に含まれる。いくつかの例において、基地局は5G基地局である。いくつかの場合、基地局は無縁通信ネットワーク内の固定送受信機である。
【0023】
ブロック101に示すように、基地局は、セッションのQoSパラメーター要求を受信する。セッションは、モバイルデバイスと、データ交換サービスを提供するデータネットワークとの間の関連付けとして理解されるべきである。例示的なセッションは、3GPP(登録商標)23.501に従う。セッションは、例えばパケットデータユニット(PDU)セッション等の特定の通信プロトコルに関係することができる。セッションは、いくつかの場合、異なるQoS特性を有するいくつかのデータ交換サービスを提供することができる。QoSパラメーター要求は、そのようなセッション又はデータ通信交換関連付けを用いて生じる通信のQoSにQoSパラメーターが適用されるセッションに関するものである。いくつかの場合、複数の通信サービスを単一のセッションに含めることができる。QoSパラメーターは、セッションに適用することができるか、又はセッションに含めることができる通信サービスのそれぞれ、サブセット若しくは全てに適用することができる。
【0024】
ブロック101に示すように、基地局は、送信エンティティから、セッションのQoSパラメーター要求を受信する。送信エンティティは、ハードウェア又は仮想ネットワークエンティティであるネットワークエンティティとして理解されるべきである。送信エンティティは、無線で又は有線によって送信することができる。送信エンティティは、送信エンティティのチェーンの一部とすることができ、QoSパラメーターは、第1の送信エンティティから第2の送信エンティティへ、第2の送信エンティティから第3の送信エンティティへ、そして第3の送信エンティティから基地局へ送信することができる。そのような場合、第3の送信エンティティは、QoS要求を基地局に直接送信する一方で、第2又は第1の送信エンティティはQoS要求を基地局に間接的に送信する。いくつかの場合、送信エンティティはQoS要求を生成する。送信エンティティの例は、TSN-AF(アプリケーション機能)、SMF(セッション管理機能)又はAMF(アクセス及びモビリティ機能)を含む。
【0025】
ブロック101に示すように、要求はセッションの記述子を含む。そのような記述子は、例えば、プロトコルバージョン番号、発信元及びセッション識別子、セッション名、帯域幅情報、暗号化情報又はアクティブセッション時間のうちの1つ以上を含むセッションプロファイルの記述子であると理解されるべきである。そのような記述子は、基地局が記述子に関係するセッションのタイプ及び特性を決定することを可能にする情報を提供する。
【0026】
ブロック101に示すように、要求は、セッションがプロービングセッションであることのインジケーションを含む。このインジケーションは、記述子に関係するセッションがプロービング目的であることを基地局に示すものとして理解されるべきである。このとき、基地局は、プロービングセッションが、データを効果的に送受信するために効果的に確立されるべきセッションと異なることを考慮に入れる立場にあることができる。
【0027】
方法100は、基地局において、プロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することを示すブロック102を更に含む。QoSパラメーターの決定は、基地局において、QoSの事前対応による決定を可能にするように行われている。基地局にQoSを自身で決定させることにより、基地局が自身のレベルにおいてネットワーク制限を直接認識可能であることに起因して、そのようなQoSを特に正確かつ高速に決定することが可能になる。
【0028】
方法100は、基地局によって、決定されたQoSパラメーターを受信エンティティに送信することを示すブロック103を更に含む。そのような送信により、決定されたQoSパラメーターを受信エンティティに通知することが可能になり、それによって、そのような受信エンティティは、例えば、この情報を考慮に入れて、当該基地局を含む無線通信システムをより広い通信システムに統合することができる。
【0029】
いくつかの例において、送信エンティティ及び受信エンティティは同じエンティティである。いくつかの例において、QoSパラメーター要求は、複数の送信エンティティを通る所与のパスを辿り、決定されたQoSパラメーターは、要求が辿ったパスと同じパスに対応する戻りパスを辿る。一例において、要求は、第1の送信エンティティから第2の送信エンティティ及び第3の送信エンティティまでこの順序で通過し、関連する決定されたQoSパラメーターは、第3のエンティティ、第2のエンティティ及び第1のエンティティにおいてこの順序で受信される。一例において、エンティティはTSN-AFエンティティである。一例において、エンティティはSMFエンティティである。一例において、エンティティはAMFエンティティである。一例において、QoSパラメーター要求は、TSN-AFからSMFに、SMFからAMFに、及びAMFから基地局に送信され、決定されたQoSパラメーターは、基地局からAMFにおいて受信され、AMFからSMFによって受信され、SMFからTSN-AFによって受信される。TSM-AFは、TSNシステムの制御プレーンを用いた変換器として動作することができ、TSNシステムは、例えば、CNC(集中型ネットワーク構成)ノードを含む集中型アーキテクチャである。そのようなプロセスは、例えば、基地局を含む5GシステムをTSNブリッジとしてTSNシステムに統合することを可能にする。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。
【0030】
いくつかの例において、要求はいくつかのメッセージを含む。メッセージは、2つのネットワークエンティティ間の通信ユニットとして理解されるべきである。いくつかの例において、要求は単一のメッセージとなるように送信される場合があるが、要求はいくつかのメッセージを用いて送信することもできる。いくつかの例において、第1のメッセージは、セッションがプロービングセッションであるというインジケーションを含み、第2のメッセージはセッションの記述子を含む。他の組み合わせが検討されてもよく、これはプロトコル依存のメッセージサイズに依拠することができる。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。
【0031】
いくつかの例において、基地局は、要求に関するアクションとしてリソースを予約しない。いくつかの例において、基地局は、セッションがプロービングセッションであると識別されることに応答して、リソースの予約を阻止する。いくつかの例において、セッションがプロービングセッションであると識別されることに起因して、基地局において現在アクティブなセッションはリソース単位で影響を受けない。いくつかの例において、基地局によって制御されるリソースはいずれもプロービングセッションに割り当てられない。そのようなリソースは、例えば、無線リソース、メモリリソース、又はコンピューティング若しくは処理リソースのうちの1つ以上を含むことができる。これにより、現在アクティブなセッションの性能又はQoSに影響を及ぼすことを回避することが可能になる。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。
【0032】
いくつかの例において、QoSパラメーター要求はQoSパラメーター決定コンテキストを含み、QoSパラメーター決定コンテキストは、パラメーター決定制約と、パラメーター決定制約内で決定されるQoSパラメーターのタイプのインジケーションとの双方を含む。QoS決定制約は、いずれの条件下でQoSパラメーターが決定されるべきかを決定することを可能にする情報として理解されるべきである。より詳細には、QoSパラメーター決定制約は、最大ビットレート(又は最大スループット)、優先度又はパケット誤り率のうちの1つ以上を含むことができる。QoSパラメーター決定制約に含めることができる情報の他の例は、保護若しくは復元力情報又はデータパケットサイズである。基地局は、実際に、異なるコンテキストにおいて又は異なる制約下でプロービングセッションを検討する立場にあることができ、各コンテキスト又は制約は異なるQoSパラメーターにつながる。パラメーター決定制約は、正確な値を用いて、閾値を用いて、又は範囲を用いて通信することができる。いくつかの例において、パラメーター決定制約内で決定されるQoSパラメーターのタイプは遅延情報を含む。例えば、制約が特定の最大ビットレート又は特定のスループットを含む場合、決定されるQoSパラメーターのタイプは、基地局が所与の制約を考慮して保証することができる最小遅延及び最大遅延を含むことができる。例えば、制約が最大ビットレート及び遅延情報を含む場合、決定されるQoSパラメーターのタイプは、基地局が所与の制約を考慮して保証することができる最大誤り率を含むことができる。換言すれば、QoSは複数の変数に対応することができ、制約は、決定されるQoSパラメーターに対応する別の変数の値を決定するために、変数のうちのいくつかの変動性を設定又は低減することにつながる。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。いくつかの場合、複数の通信サービスを単一のセッションに含めることができる。QoSパラメーター決定のコンテキストは、セッションに適用することができるか、又はセッションに含めることができる通信サービスのそれぞれ、サブセット若しくは全てに適用することができる。
【0033】
いくつかの例において、要求はプロービングフラグを含み、プロービングフラグは、プロービングセッションを基地局における現在のアクティブなセッションに置き換わるものとみなすことを示すか、又はプロービングフラグは、プロービングセッションを基地局における現在のアクティブなセッションに加わるものとみなすことを示す。プロービングフラグは、QoSパラメーターをより正確に決定するために基地局が考慮に入れることができる追加の情報として理解されるべきである。例えば、プロービングフラグが、プロービングセッションを、現在のアクティブなセッションに置き換わるものとみなすことを示す場合、プロービングフラグが、プロービングセッションを、現在のアクティブなセッションに加わるものとして示す場合よりも、基地局がますます多くの性能リソースをプロービングセッションに割り当てることを検討する可能性が高くなる。後者の場合、プロービングセッションに利用可能とみなされるリソースは、実際、より限られている。いくつかの例において、プロービングフラグは、提供するインジケーションと無関係に、現在アクティブなセッションに厳密に影響を有しない。なぜなら、プロービングフラグはプロービングセッションを参照し、効果的に確立されたセッションを参照しないためである。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。
【0034】
いくつかの例において、QoSパラメーター要求は、1つ以上の追加のセッションに更に関係し、記述子は、1つ以上の追加のセッションに更に関係し、インジケーションは、1つ以上の追加のセッションが1つ以上の追加のプロービングセッションであることを更に示す。そのような場合、QoSパラメーターは、基地局においてQoSパラメーターを決定するために、複数のセッションを含むトポロジを記述することを可能にし、様々なセッションのそれぞれは、本開示によるプロービングセッションである。より詳細には、例示的な方法は、そのような場合、例えば、基地局において、1つ以上の追加のプロービングセッションに関係するQoSパラメーターを決定することと、基地局によって、プロービングセッション及び1つ以上の追加のプロービングセッションのリソース予約計画を構築することとを含む。いくつかの場合、各プロービングセッションは、特定の決定されたQoSパラメーターに関連付けられる。いくつかの場合、特定の決定されたQoSパラメーターはいくつかのプロービングセッションに関係する。いくつかの場合、特定の決定されたQoSパラメーターは全てのプロービングセッションに関係する。そのような例は、いくつかの場合、図1に示す方法において実施することができる。
【0035】
リソース予約計画は、本開示による計画目的のためであり、リソース予約計画の構築の計画段階にあるときにそのようなリソースを予約することを暗に意味していないことを理解されたい。
【0036】
図2は、本開示によるサービス品質(QoS)パラメーターを決定する例示的な方法200を示す。方法200は、ブロック201に示すように、送信エンティティによって、複数の基地局に、セッションのQoSパラメーター要求を送信することを含み、各要求は、セッションの記述子と、セッションがプロービングセッションであることのインジケーションとを含む。方法200は、送信エンティティの観点から見たものであり、いくつかの場合、基地局の観点から見た例示的な方法100等の方法と共に実行することができる。方法200は複数の基地局に適用され、複数の基地局のうちの各基地局は例示的な方法100を動作させることができる。
【0037】
ブロック202に示すように、方法200は、送信エンティティにおいて、複数の基地局のうちの各基地局から、プロービングセッションに関係する基地局固有のQoSパラメーターを受信することを含む。これによって、送信エンティティにおいて、様々な基地局から様々なQoSパラメーターを収集することが可能になる。いくつかの例において、送信エンティティはTSN-AFとすることができ、各基地局は、本開示による方法によって、TSNブリッジとしてTSNシステムに統合される。
【0038】
ブロック203に示すように、方法200は、送信エンティティによって、受信した基地局固有のQoSパラメーターをQoSプロファイルにまとめることを含む。そのようなプロファイルは、複数の基地局のうちの様々な基地局からのQoSパラメーターを組み合わせる。プロファイルは、例えば表形式をとることができる。プロファイルは、例えばリスト形式をとることができる。
【0039】
ブロック204に示すように、方法200は、送信エンティティによって、制御エンティティにQoSプロファイルを送信することを更に含む。制御エンティティは、例えば、集中型ネットワークアーキテクチャの制御エンティティとすることができる。制御エンティティは、異なる送信エンティティに接続することができ、各送信エンティティは、方法200等の方法に従って動作する。いくつかの例において、制御エンティティはTSNネットワークのCNCノートである。
【0040】
図3は、プロセッサ301と、メモリ302と、ネットワーク接続モジュール303とを備える例示的なデバイス300を示しており、プロセッサ301は、本明細書によって説明される方法のうちのいずれかに従って動作するように構成される。いくつかの例において、デバイス300は基地局である。いくつかの例において、デバイス300は送信エンティティである。いくつかの例において、デバイス300は制御エンティティである。プロセッサ301は、オペレーティングシステムによって管理される計算のための電子回路を含むことができる。
【0041】
図3は、例えばメモリ又は記憶ユニット302等の非一時的機械可読又はコンピューター可読記憶媒体も示しており、非一時的機械可読記憶媒体は、プロセッサ301等のプロセッサによって実行可能な命令304で符号化され、機械可読記憶媒体は、本明細書によって説明される例示的な方法のうちのいずれかに従って実行するようにプロセッサ301を動作させる命令304を含む。
【0042】
本開示によるコンピューター可読記憶装置は、実行可能な命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスであり得る。コンピューター可読記憶装置は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、記憶ドライブ、及び光ディスク等であり得る。本明細書によって説明されるように、コンピューター可読記憶装置は、本明細書によって説明される方法による実行可能命令で符号化され得る。
【0043】
記憶装置又はメモリは、本明細書によって説明されるような実行可能命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスを含み得る。
【0044】
以下に記載のいくつかの更なる例において、本開示による方法、デバイス又はコンピューター可読記憶装置は、5G通信システム(5GS)を、例えば無線産業通信システムの分野においてタイムセンシティブネットワーク(TSN)のフレームワークに統合するために用いられる。
【0045】
TSNネットワークは、IEEE802.1TSN規格に依拠するTDMA(時分割多重アクセス)有線イーサネットベースのネットワークを含むことができる。TSN通信システムは、IEEE802.1ASにおいて定義されたネットワークのノード間で共有される高精度同期プロトコルに依拠することができる。TSNシステムのコンポーネントは、TSNパケットの適時送信及びジッター低減のために用いられる時間認識パケットトラフィックシェイパー(TAS)である。イーサネットネットワークとして、TSNネットワークは、エンドノード(トーカー/リスナーノード)と、双方向イーサネットリンクを通じてエンドノード間を接続するブリッジノードとから形成することができる。TSNネットワークについて、3つの例示的なアーキテクチャの選択肢、すなわち、集中型アーキテクチャ、完全分散型アーキテクチャ、及びネットワーク集中型かつユーザー分散型モデルが可能である。
【0046】
図4に示すようなTSN集中型アーキテクチャにおいて、エンドステーションは、フロー要件及びTSN通信構成を集中型ユーザー構成システム(CUC)に送信している。CUCは、ユーザー構成を集中型ネットワーク構成ノード(CNC)に送信する。各TSNスイッチは、遅延管理されたオブジェクトとしてCNCを識別する。スイッチによってTSNに送信される例示的なパラメーターは、例えば、出口及び入口ポート識別、トラフィッククラス、及びポート対あたりの最小遅延及び最大遅延等のQoSパラメーターである。CNCはスケジュールを計算することができ、スケジュールは、例えば、TSNエンドステーション間のスイッチの伝送時間と、異なるスイッチのTASの制御パラメーター及びルーティング決定、すなわちスイッチ選択とを含む。そのような計算は、TSN通信のストリーム要件を満たすように行うことができる。
【0047】
一例において、5Gシステムは、図5に示すように、TSN-AFを通じてCNCからタイミング及び制御情報を受信するTSNブリッジとみなされる。TSN-AFは、制御情報を変換し、これを、セッション管理機能(SMF)及びアクセスモビリティ管理機能(AMF)によって実施されるパケットデータユニット(PDU)セッションのプロファイルを定義するポリシー制御機能(PCF)に送信する。このプロファイルは、CNCタイミングスケジュールに従って、TSNエンドステーションへの論理TSNブリッジとみなされるネットワークにおいてTSNパケットを伝播させることを目的とすることができる。5GSアーキテクチャは、この例において図6に示される。
【0048】
図6を参照すると、TSN変換器エンジンのユーザープレーンは、プロトコルをTSNから(アップリンクTSN送信のための)N60インターフェースを介してGTP-Uパケット(例示的な汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル)に、又は5Gシステム、例えばダウンリンクTSN送信のためのN3及びUuインターフェースを介して送信されるパケットに変換している。TSN変換器エンジン(AF)の制御プレーンは、CNCから到来するTSN制御情報を、QoSプロファイル情報にマッピングしており、QoSプロファイル情報は、ポリシー制御機能(PCF)に送信される。PCFが合意し、5GSがTSNシステムから要求されたQoSを満たすことができる場合、5G QoSインジケーション(5QI)を用いてPDUセッションがセットアップされる。この例では、ジッターを最小限にするか又は低減し、UPF(ユーザープレーン機能)及びUE(ユーザー機器)から出たパケットを再同期させるために、アップリンク送信のためにユーザープレーンTSN変換器(NW-TT)に、又はダウンリンク送信のためにデバイスTSN変換器(DS-TT)に1つずつ、2つの保持及び転送バッファがTSN送信のデジッタリングのために用いられる。無線アクセスネットワーク(RAN)レベルにおいて、様々な技法を用いてレイテンシを低減し、TSN PDUセッションの送信の信頼性を増大させることができる。以下の情報を含むタイムセンシティブ通信支援情報(TSCAI)を、ネットワークにおけるTSNフローのサービス品質制御のために用いることができる。
-フロー方向:TSC(タイムセンシティブ通信)フローの方向(アップリンク又はダウンリンク)
-周期性:2つの連続バーストの開始間の期間を指す
-バースト到達時間:RAN(無線アクセスネットワーク又は基地局)の入口(ダウンリンクフロー方向)又はUEの出口インターフェース(アップリンクフロー方向)のいずれかにおけるデータバーストの到達時間。
【0049】
この情報は、この例において、RAN(又は基地局)によって実施されるQoSフロープロファイルとしてPCFから受信される情報に基づいてセッション管理機能(SMF)によって提供される。RANは、特定のスケジューリング方式、例えば、パケットのK個の反復の送信を用いた設定グラントスケジューリングを実施することができる。基地局及びTSN対応UEにおけるRLC及びPDCPバッファを寸法測定するためにTSCAIを考慮に入れること等のために、MAC(媒体アクセス制御)/RLC(無線リンク制御)/PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル)層において更なるメカニズムを用いて遅延を制限することができる。TSNネットワークのスケジュールを構成するために、CNCは、本明細書に記載の方法に従って5Gシステムからパラメーターを受信し、この方法は、CNCがTSNトーカーからTSNリスナーへの5GSを通る送信のスケジュールを特定することに寄与する。このために、5GSは、様々なTSNフローの送信について、TSN対応使用端末ごとに、最小エンドツーエンド遅延及び最大エンドツーエンド遅延等の2つの遅延特性をCNCに公開する(expose)ことができる。そのような遅延特性は、例示的な方法に従ってQoSパラメーターに含めることができる。本明細書に記載の方法は、例えば、NG-RANノード基地局の学習能力に依拠することを可能にする。そのような方法は、よりスケーラビリティが低く、より時間がかかる場合があるTSNアプリケーション機能を通じた、ネットワーク構成及び実行能力の反復的な試行錯誤による学習に基づく代替的な方法を回避することによって、TSNネットワークのブリッジとしての5GSの全体初期構成のスケーラビリティを追加し、レイテンシを低減することに寄与する。
【0050】
例示的な方法によるTSNブリッジとしての5Gシステムの例示的な初期構成中、この例において本開示によるQoSパラメーター要求に対応する、5GコアネットワークとNG-RANとの間の新たなQoS_queryメッセージを5GSシグナリングに加えることが提案される。このQoS_queryメッセージは、NG-RAN基地局によるQoSパラメーター決定プロセスをトリガーする。NG-RAN基地局は、例えば、UEの数、スケジューリングアルゴリズム、無線干渉及び無線チャネル統計を考慮に入れて、例えば、提供されるトポロジについて基地局が提供する立場にあり、1つ以上のセッションの記述子の形態で提供される能力、すなわち性能パラメーター(例えば、遅延、スループット...等)を推定する。この例において、5GSブリッジとTSNシステムとの間のインターフェースは影響を受けない。この例は図7に示され、この例ではフロー、又はセッションの通信サービスの形態で構成される所与のトポロジは、QoSパラメーター要求(又はQoSクエリ要求)の一部としてセッション記述子において通信され、この例では最小遅延及び最大遅延であるパラメーターは、基地局によって決定又は評価され、決定されたQoSパラメーターに対応するQoSクエリ応答として返送され、次にそのような決定されたQoSパラメーターがCNCに公開又は送信される。
【0051】
この例において、本開示による方法は、ボトムアップ手法、すなわち、5GS基地局からCNCを通知するとみなすことができる。5GシステムとTSNとの統合のための関連ネットワークパラメーターは、実際に、無線アクセスネットワークにおいて事前に決定され、QoSクエリ(又はQoSパラメーター要求)手順によってアプリケーション機能に送信される。5GSブリッジの一部であるUEは、まず、5GSネットワークに登録することができる。TSN-AFは、UPFを選択し、UEのセットのためのPDUセッションをセットアップすることができる。これは、5GSブリッジのための所与のトポロジを定義し、すなわち、ポート数、ポートアドレス、UEからPDUセッションに対応する選択されたユーザープレーン機能へのパケット転送規則のセットを定義する。図8に示すように、QoSクエリ要求は、性能パラメーターのNG-RANノードによる決定の手順をトリガーする。QoSクエリ応答メッセージを用いて、性能パラメーター又は決定されたQoSパラメーターをTSNアプリケーション機能に送信し、及び/又はCNCのスケジューリング計算のための関連ネットワークパラメーターを、ネットワーク公開機能(NEF)を通じてCNCに公開する。この場合、所与のトポロジのための5GSブリッジ能力(QoS性能パラメーターの観点)を高速に、試行ループを回避して決定することができる。NG-RANノードにおけるスケジューラーは、この例において、無線リンクを介してQoSサポートを決定するエンティティである。NG-RAN基地局は実際に、無線リンクの制約及び能力を認識するために適切に配置される。手順は、全体として所与のトポロジ(又はセッション構成)に適用することができる。能力決定(又はQoSパラメーター決定)は、UE間干渉、統計、又は基地局による無線チャネル条件に対する予測を考慮に入れることができる。能力決定(又はQoSパラメーター決定)は、NG-RAN能力に合わせて調整し、ブリッジ機能を集約するために、セッション管理機能によって、パケットルーティング及び転送規則をUPFにおいて事前に決定するのに効率的に用いることができる。
【0052】
図8に示すように、第1のステップにおいて、セッションの初期構成が行われる。ステップは、この場合、TSNアプリケーション機能(TSN-AF)、アクセス及びモビリティ機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)及び無線アクセスネットワーク(NG-RAN)間で行われる。構成は、例えば、1つ又はいくつかのTSN対応UEと1つ又はいくつかのUPFとの間のPDUセッションの決定を含む。
【0053】
この場合、QoSパラメーター要求は、「プロービング」セッションと呼ばれる特殊なセッションを指す。これは、要求に、特殊なQoSフローインジケーター(又はセッションがプロービングセッションであるというインジケーション)を含めることによって行うことができ、PDUセッションがQoSプロービングに対し意図されていることを意味する。したがって、基地局は通信フローのためにリソースを予約する必要がない。
【0054】
この例において、QoSパラメーター要求は、PDUプロービングセッションについて、スループット、遅延又は優先度等の要件(又はQoSパラメーター決定制約)を示すことができる。これに加えて、QoSパラメーター要求は、1つのPDUセッションに共通とするか又はQoSパラメーターごと(例えば、遅延プローブ)とすることができるプロービングインジケーション(又は単数又は複数のセッションがプロービングセッションであるというインジケーション)を含む。いくつかの例において、プロービングセッションは、QoSパラメーター決定制約として、及び制約の関数として基地局が求めるQoSパラメーターとしての遅延プローブとして、所与のターゲットスループット及び所与のパケットサイズに関係付けられる。次に、基地局は、基地局がそのフローについてサポートすることができる遅延(この場合、決定されたQoSパラメーター)を推定又は決定することができ、及び/又は基地局がプロービングセッションのQoSパラメーターとして決定された値の周りでサポートすることができると推定する遅延の区間又は範囲を提供することができる。
【0055】
QoSパラメーター要求は、一例において、以下を含むことができる。
-保証されるフロービットレート(GBR)=nビット/秒(パラメーター決定制約として与えられる)
-遅延=y ms(目標としてミリ秒単位で与えられる)
-(決定されるQoSパラメーターとしての)遅延プロービング
【0056】
この例において、セッションパラメーターは、例えば、nビット/秒のGBRフローを想定して達成することができる最小及び最大遅延を推定することを要求する。この例において、予想されるものを示す目標遅延が提供されることに留意されたい。基地局は、その推定について目標遅延を無視する場合があるか、又はこの目標インジケーションがない可能性がある。基地局は、目標遅延等の目標情報を考慮に入れて、適切なリソースを選択することもできる(これがプロービングセッションであり効果的なセッションでないことに起因して、この目的でそのような選択されたリソースを実際に用いることはない)。
【0057】
セッションがプロービングセッションであることのプロービングインジケーション又はインジケーターは、この例において、基地局によって、基地局セッションアクセス制御を変更するために用いることができる。例えば、プロービングの場合、基地局は、そのようなセッションがプロービング目的であり、基地局における効果的な現在のセッションに影響を及ぼさないことに起因して、全ての要求されたプロービングセッションを受け入れることができる。実際に、非プロービングの場合、基地局は、所与のQoS要件を処理するのに十分なリソース及び能力を有すると推定される場合にのみ、このQoS要件を含むセッションを受け入れる。しかしながら、プロービングのコンテキストにおいて、基地局は、現在のリソース利用にかかわらず、所与のプロービングセッション構成を受け入れ、そのセッションのためにサポートすることができるQoSの推定を返すことができる。基地局は、実際、本開示の例によるプロービングの場合、様々な物理層構成について関連性能パラメーター(又はQoSパラメーター)を決定するために、異なるスケジューリングパラメーター及び/又は静的なHARQ又は他の物理層パラメーターを考慮することができる。
【0058】
図8に示すように、TSN-AFは、前のステップにおいて構成されたセッションパラメーターに基づいてNG-RAN基地局においてQoSプロービング(QoSパラメーターの決定に対応する)をトリガーするために、QoSクエリ要求メッセージ(QoSパラメーター要求に対応する)を送信する。メッセージは以下を含むことができる。
-プロービングするトポロジを構成するセッション識別子のリスト、及び、
-推定又は決定されなくてはならないパラメーター、例えば最小及び最大遅延のインジケーション。メッセージは、プロービングが特定のセッションに対して行われるのではなく、トポロジに対して、すなわち、セッション及び対応するNG-RANパラメーターのセットに対して行われるという点で非UE固有である。
【0059】
これによって、異なるセッション間のリソース共有戦略を考慮に入れて、プロービングセッション(複数の場合もある)に対応する所与のトポロジについて能力(又はQoSパラメーター)を決定することが可能になる。QoSクエリ要求は、この場合、プロービング要求が現在アクティブな(非プロービング)セッションとどのように相互作用しているかを示すフラグパラメーター、すなわちProbingFlagも含む。フラグが「追加」にセットされる場合、基地局は、現在進行中のセッションに加えてセッション識別子リストにおいて識別されたセッションをサポートすることができるQoSパラメーターを決定する。フラグが「置き換え」にセットされる場合、基地局は、現在進行中のセッションを考慮することなく、すなわち、全てのリソースが利用可能であるかのように、セッション識別子リストにおいて識別されたセッションのQoSパラメーターを決定する。双方の場合に、進行中のセッションは実際に影響を受けず、これは、QoSクエリ要求をオンラインで、すなわちトラフィックを停止する必要なく行うことができることを意味する。「置き換え」は、新たなフロー又はセッションを追加する全体的影響が何であるかを評価するプロービングフラグとして用いることができる。「置き換え」は、進行中のフロー又はセッションが取り除かれる場合に何がスイッチ能力となるかを試験するのにも用いることができる。
【0060】
図8に示すように、QoSクエリ要求メッセージを受信するとき、基地局は、セッション記述及び/又はQoS要求メッセージにおいて定義されるような必要なQoSパラメーターを決定する。例えば、基地局は、セッションごとに、基地局がサポートすることができる最小遅延及び最大遅延を推定する。基地局は、例えば、物理層構成、利用可能な無線リソース及び無線チャネル条件の推定を知って異なる複数のセッションについてリソース予約計画を構築することによって自身の推定を行うことができる。基地局は、初期フロー構成ステップにおいて受信された展開トポロジに基づいて可能なリソース構成を推定することができ、QoSパラメーターを平均値として決定する。基地局は、初期フロー構成ステップにおいて受信される展開トポロジに基づいて可能なリソース構成を推定することができ、QoSパラメーターを最悪の場合の値として決定する。いくつかの場合、基地局は、所与のセッション構成に基づいてQoSパラメーターを推定し、そのような構成は、プロービング中安定したままであり、すなわち、対応するフリーズ/フリーズ解除アクションを含めることによって期間中にセッションが確立又は解放されるべきでない。そのような場合、構成がフリーズした後、基地局は、構成フリーズ解除まで、セッション確立、変更又は解放を拒絶する。
【0061】
図8に示すように、QoSパラメーター推定又は決定されたQoSパラメーターは、プロービングセッションごとに、QoSクエリ応答メッセージにおいてTSN-AFに送信される。これらのパラメーターは、QoSクエリ要求メッセージにおいて示される。
【0062】
図8に示すように、TSN-AFは、QoSクエリ応答メッセージにおいて、QoSパラメーターのQoSパラメーター値として推定ネットワーク能力を受信し、そのようなQoSパラメーター値を、QoSプロファイルにおいて、例えばこれらの値を初期フロー構成中に送信されたトポロジとマッピングすることによって集約する。これらのパラメーターは、場合によっては、いくつかの基地局(図8によるいくつかのNG-RAN)から到来する。各そのような基地局は、5GSブリッジのポートごとのパラメーターの一部としてTSNシステムのCNCに公開することができる。
【0063】
本開示による例示的な方法は、CN(コアネットワーク)とRAN(基地局)との間で行うことができる。また、本開示による例示的な方法を用いて、CNの機能間で、RANとCNとの間の、CN内部のデータプレーンパスに沿ってQoSパラメーターをトリガーし推定することができる。
【0064】
いくつかの例において、プロービングパラメーター又はQoSクエリメッセージにおけるQoSパラメーター要求の内容は異なる可能性があるか、又はTSN-AFとSMFとの間、SMFとAMFとの間、及びAMFとNG-RANとの間で変化する可能性がある。SMFは、例えば、QoSクエリ応答を傍受し、関連QoSパラメーターを抽出し、これらのQoSパラメーターを、ユーザープレーン機能(UPF)トポロジの選択及び更新のために用いることができる。SMF等の中間エンティティによるQoSパラメーター要求のそのような変更は、SMFからUPFへのメッセージにおける追加のコンテナーを通じたものとすることができる。そのような選択は、例えば以下に基づくことができる。
-UPFの選択は、予期されるTSN送信について最小遅延及びジッターを導入することができる。
-QoSクエリ応答メッセージから受信したQoS情報に基づいたパケット転送規則(FAR)の更新。ここで、SMFはUPF能力を維持しており、FARの更新バージョンをUPFに送信する。
-SMFによってUPFに提供されるQoS実施規則(QER)の更新。ここで、SMFはUPF能力を維持しており、QERの更新バージョンをUPFに送信する。
【0065】
コアネットワークにおいて、すなわちNG-RANとUPFとの間のインターフェースにおいて、QoSパラメーターのプロービングのために特定のセッションを構成することができる。これらの特定のセッション又はPDUセッションを用いて、QoS_Query_responseメッセージに基づいてN4インターフェースを更にプロービングすることができる。
【0066】
いくつかの例において、QoSパラメーターが決定されるとき、プロービングセッションが除去される。
【0067】
本開示による方法の更なる例が図9に示され、例えば図8の例によるセッション記述子におけるセッション識別子を用いる代わりに、プロービングセッション記述のリストが、セッション記述子としてクエリ要求メッセージに直接含まれる。図9による例において、PDUセッションは、特定のUEを参照することができ、リストの各セッション記述は、QoSパラメーターに加えて特定のUEの識別子を含む。AMFとNG-RANとの間で、これは、例えば基地局におけるUEコンテキストを参照する特殊な識別子、及びコアネットワークの機能(SMF、AMF)間のセッション識別子を通じて行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9