(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物、及び、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C01G 25/00 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
C01G25/00
(21)【出願番号】P 2023031211
(22)【出願日】2023-03-01
【審査請求日】2023-03-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208662
【氏名又は名称】第一稀元素化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 慶計
(72)【発明者】
【氏名】明石 陵
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-150640(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114773036(CN,A)
【文献】国際公開第2019/003424(WO,A1)
【文献】特開2017-132663(JP,A)
【文献】特開昭60-131860(JP,A)
【文献】特開昭61-006126(JP,A)
【文献】特表2015-521538(JP,A)
【文献】特開平01-301520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0129690(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第115159963(CN,A)
【文献】S., M. Naga et al.,Investigation the impact of ZTA addition on the properties of nano biogenic hydroxyapatite,Journal of Materials Science: Materials in Medicine,2018年,29, 55,1-10
【文献】N., Hamed et al.,Application of microwave irradiation for fabrication of sulfated ZrO2-Al2O3 nanocomposite via combustion method for esterification reaction: process condition evaluation,Journal of Nanostructure in Chemistry,2019年,9,141-152
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 25/00
B01J 21/00 -38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジルコニアとアルミナとを含み、
粒子径D
50
が2.0μm以上250μm以下であり、
大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al
2O
3相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al
2O
3相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすことを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【請求項2】
前記XRDプロファイルAにおける2θ=30°付近のZrO
2に由来するピーク強度をZとし、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO
2の酸化物成分の質量比率を
Wとし、[Z/W]をTrとしたとき、Trが下記式[2]を満たすことを特徴とする請求項1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[2] 1.70<Tr<25.0
ただし、前記ZrO
2
に由来するピーク強度は、ピーク強度の絶対値であり、当該ピーク強度は、以下の測定条件により得られる値である。
<測定条件>
測定装置:X線回折装置(リガク製、UltIma IV)
線源:CuKα線源
管電圧:50kV
管電流:30mA
走査速度:2θ=20~65°:4°/分
【請求項3】
前記Rが下記式[3]を満たすことを特徴とする請求
項2に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[3] 0.35<R<3.5
【請求項4】
前記Trが下記式[4]を満たすことを特徴とする請求項3に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[4] 1.72<Tr<20.0
【請求項5】
アルミナの含有量が、15質量%以上97質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項6】
ジルコニアの含有量が、0.1質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項5に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項7】
Pm以外の希土類元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項6に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【請求項8】
可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る工程1、
アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る工程2、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る工程3、及び、
前記沈殿物を熱処理することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得る工程4
を含み、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量であり、
前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量であり、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量であることを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物、及び、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の排ガス規制のモードにも組み込まれるように、高速域、及び、超高速域での走行では、排ガス温度が著しく上昇する。そのため、排ガス浄化用触媒の使用温度も従来に比べて大きく上昇し、Rhなどの貴金属のシンタリングを抑制することが困難となっている。
【0003】
従来、触媒担体用途として、ジルコニアとアルミナとを含有する複合酸化物が知られている(例えば、特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-184125号公報
【文献】特開2014-552号公報
【文献】特開2016-209858号公報
【文献】特開2017-132663号公報
【文献】特表2020-514217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のジルコニアとアルミナとを含有する複合酸化物は、一般的に、高温に曝されると、比表面積が低下する。比表面積が低下すると触媒機能が低下するため、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物が求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を提供することにある。また、当該ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得ることが可能なジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来のAl2O3を含む複合酸化物は、高温に曝されると、α-Al2O3が著しく結晶化し、それに従い、比表面積が低下する。本発明者らは、α-Al2O3の結晶化を抑制すれば、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)ジルコニアとアルミナとを含み、
大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al2O3相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al2O3相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすことを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【0009】
前記構成によれば、前記Rが0.25よりも大きい。すなわち、1200℃12時間加熱後のα-Al2O3対するθ-Al2O3の含有割合が多い。本発明では、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物に含まれるアルミナのうち、高温に曝されると著しく結晶化するα-Al2O3の含有量を減らし、α-Al2O3と比較して高温による結晶化が起こりにくいθ-Al2O3の含有量を多くしたため、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有する。
【0010】
(2)前記XRDプロファイルAにおける2θ=30°付近のZrO2に由来するピーク強度をZとし、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO2の酸化物成分の質量比率をW(質量%)とし、[Z/W]をTrとしたとき、Trが下記式[2]を満たす前記(1)に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[2] 1.70<Tr<25.0
【0011】
上述の通り、Trは、ZrO2に由来するピーク強度(Z)を、ZrO2の酸化物成分の質量比率(W)で除した値であり、この値は、ZrO2の結晶成長度を示している。
本発明者らは、Trが一定以上の値となることでZrO2がAl2O3の拡散障壁として働くことを見出した。つまり、ZrO2の結晶成長度を示すTrは、Al2O3の拡散障壁としてのZrO2の寄与を表す値とすることができることを見出した。
本発明では、酸化物中のZrO2の含有量によって必要なZrO2の結晶子サイズが異なるため、ZrO2の質量比率で割った値としてTrを定義している。
Trが1.70よりも大きいと、ZrO2の結晶成長度がある程度大きく、高温に曝された際に、ZrO2がAl2O3の拡散障壁として好適に働き、Al2O3の凝集(結晶化)が抑制される。その結果、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じたより高い比表面積を有することができる。
【0012】
(3)前記Rが下記式[3]を満たす前記(1)又は前記(2)に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[3] 0.35<R<3.5
【0013】
前記Rが0.35よりも大きければ、高温に曝されることによる比表面積の低下をより抑制することができる。
【0014】
(4)前記Trが下記式[4]を満たす前記(1)~(3)のいずれか1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[4] 1.72<Tr<20.0
【0015】
前記Trが1.72よりも大きければ、高温に曝されることによる比表面積の低下をより抑制することができる。
【0016】
(5)アルミナの含有量が、15質量%以上97質量%以下である前記(1)~(4)のいずれか1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【0017】
アルミナの含有量が15質量%以上であると、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。また、アルミナの含有量が97質量%以下であると、元素の偏析が少なくなることにより高温に曝されることによるアルミナの結晶化を抑制することができる。
【0018】
(6)ジルコニアの含有量が、0.1質量%以上75質量%以下である前記(1)~(5)のいずれか1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【0019】
ジルコニアの含有量が0.1質量%以上であると、アルミナへの元素拡散による安定化効果のため、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。また、ジルコニアの含有量が75質量%以下であると、元素の偏析が少なくなることから、高温に曝されることによるジルコニアの結晶化を抑制することができる。
【0020】
(7)Pm以外の希土類元素の酸化物を含む前記(1)~(6)のいずれか1に記載のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
【0021】
Pm以外の希土類元素の酸化物を含むと、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。
【0022】
また、本発明に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法は、
可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る工程1、
アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る工程2、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る工程3、及び、
前記沈殿物を熱処理することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得る工程4
を含み、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量であり、
前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量であり、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量であることを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法。
【0023】
一般的にアルミナは、高温に曝されると、Boehmite→γ-Al2O3→δ-Al2O3→θ-Al2O3→α-Al2O3と結晶相が遷移しα相が最も安定である。
アルミナ複合酸化物の製造においては、一般的に、アルミニウム塩を含む金属塩を、アルカリ中和方法などにより、boehmiteを含んだ前駆体として沈殿させる。しかしながら、この方法では焼成時にγ相が形成され、最終的にα相へと結晶相が遷移していく。また、アルカリ中和方法などでアルミナ複合酸化物を得る際に複数元素の金属塩を使用する場合においては、水酸化物結晶が生成されるpHの違いなどから、得られた沈殿物内における元素分布に偏析が生じ、最終的な複合酸化物において、元素分布が均一なものが得にくい。元素分布が均一ではなく、偏りがある場合、高温加熱すると、元素分布の偏析部分を起点にして、特定の元素の結晶化が促進される。
一方、本発明では、中和剤原料として前記溶液A(塩基性ジルコニウム溶液)を用いてアルミニウム塩を沈殿させることで前駆体内に高分散に微細なZrO2を分布させることができる。高温加熱を行った際の特定の元素の結晶化が抑制されることから、高温加熱後においてもθ相が維持される。
工程1において添加する塩基性ジルコニウム塩の量を得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量としておき、工程2において、残りのジルコニアを添加することにより、前記Rを適切な値にコントロールすることができる。
以上より、本製造方法により得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、高温加熱条件下におけるα相の結晶化が抑制され、比表面積の低下が抑制される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を提供することができる。また、当該ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得ることが可能なジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施例1の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図2】実施例2の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図3】比較例1の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図4】実施例3の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図5】比較例2の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図6】実施例4の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図7】比較例3の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図8】実施例7の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図9】比較例4の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図10】実施例13の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図11】比較例5の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図12】実施例22の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図13】比較例6の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図14】実施例31の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図15】実施例32の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図16】実施例33の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図17】比較例7の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【
図18】比較例8の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。なお、本明細書において、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とは一般的なものであり、ハフニウムを含めた10質量%以下の不純物金属化合物を含むものである。また、本明細書において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0027】
以下で示される各成分の含有量の最大値、最小値は、他の成分の含有量に関係なく、それぞれ独立して本発明の好ましい最小値、好ましい最大値である。
また、以下で示される各種パラメータ(測定値等)の最大値、最小値は、各成分の含有量(組成)に関係なく、それぞれ独立して本発明の好ましい最小値、最大値である。
【0028】
[ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物]
本実施形態に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、
ジルコニアとアルミナとを含み、
大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al2O3相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al2O3相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすことを特徴とするジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【0029】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、前記Rが0.25よりも大きい。すなわち、1200℃12時間加熱後のα-Al2O3対するθ-Al2O3の含有割合が多い。本実施形態では、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物に含まれるアルミナのうち、高温に曝されると著しく結晶化するα-Al2O3の含有量を減らし、α-Al2O3と比較して高温による結晶化が起こりにくいθ-Al2O3の含有量を多くしたため、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有する。
【0030】
前記Rは、例えば、製造方法によりコントロールすることができる。具体的には、後述する以下の製造方法によりコントロールすることができる。
可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る工程1、
アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る工程2、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る工程3、及び、
前記沈殿物を熱処理することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得る工程4
を含み、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量であり、
前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量であり、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量であるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法。
中和剤原料として前記溶液A(塩基性ジルコニウム溶液)を用いてアルミニウム塩を沈殿させることで前駆体内に高分散に微細なZrO2を分布させることができる。高温加熱を行った際の特定の元素の結晶化が抑制されることから、高温加熱後においてもθ相が維持される。これにより、前記Rを0.25よりも大きくすることが可能となる。
Rをより詳細にコントロールする方法としては、原料として使用する塩基性ジルコニウム溶液の比率を前記数値範囲内において制御することが挙げられる。具体的に、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量を多くするほど、Rの値は大きくなる傾向となる。
このことは、例えば、実施例1と実施例2との対比、実施例5と実施例6との対比からも明らかである。
ただし、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量が多くなると、前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量が少なくなる。そして、前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量が少なくなると、Al2O3の拡散障壁として機能するZrO2が少なくなる。前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に由来するZrO2は、微細であるため、Al2O3の拡散障壁として機能し難いためである。
そのため、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量を多くするほど、Rの値は大きくなる傾向となるが、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量が一定量を超えると、極大を迎えた後、小さくなっていく。
このことは、例えば、実施例31~実施例33、比較例7、及び、比較例8の対比からも明らかである。
実施例31~実施例33、比較例7、及び、比較例8では、まず、比較例7、実施例32の順に、工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量が多くなっているため、Rが増加していることが見て取れる(比較例7では0.20、実施例31では0.40)。さらに、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量を増やしていくと、実施例31と実施例32との間付近で極大を迎える。さらに、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量を増やしていくと、実施例32、実施例33、比較例8の順にRが小さくなっていくことが見て取れる(実施例32では0.29、実施例33では0.25、比較例8では0.23)。
以上のように、Rは、例えば、原料として使用する塩基性ジルコニウム溶液の比率を前記数値範囲内において制御することにより、コントロールすることができる。
【0031】
前記Rは、0.3以上が好ましく、0.35以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましい。前記Rは、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。
前記Rは、好ましくは0.25を超え2.41以下、より好ましくは0.26以上2.4以下、さらに好ましくは0.26以上2.3以下、特に好ましくは0.28以上2.29以下、特別に好ましくは0.29以上2.2以下、0.30以上1.8以下である。
【0032】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、前記XRDプロファイルAにおける2θ=30°付近のZrO2に由来するピーク強度をZとし、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO2の酸化物成分の質量比率をW(質量%)とし、[Z/W]をTrとしたとき、Trが下記式[2]を満たすことが好ましい。
式[2] 1.70<Tr<25.0
【0033】
上述の通り、Trは、ZrO2に由来するピーク強度(Z)を、ZrO2の酸化物成分の質量比率(W)で除した値であり、この値は、ZrO2の結晶成長度を示している。
本発明者らは、Trが一定以上の値となることでZrO2がAl2O3の拡散障壁として働くことを見出した。つまり、ZrO2の結晶成長度を示すTrは、Al2O3の拡散障壁としてのZrO2の寄与を表す値とすることができることを見出した。
本実施形態では、酸化物中のZrO2の含有量によって必要なZrO2の結晶子サイズが異なるため、ZrO2の質量比率で割った値としてTrを定義している。
Trが1.70よりも大きいと、ZrO2の結晶成長度がある程度大きく、高温に曝された際に、ZrO2がAl2O3の拡散障壁として好適に働き、Al2O3の凝集(結晶化)が抑制される。その結果、高温に曝されてもアルミナの含有量に応じたより高い比表面積を有することができる。
【0034】
前記Trは、1.72より大きいことが好ましく、1.75より大きいことがより好ましく、1.80より大きいことがさらに好ましく、1.85より大きいことが特に好ましく、1.90より大きいことが特別に好ましい。また、前記Trは、大きいほど好ましいが、例えば、22.0以下、20.0以下等である。
前記Trは、好ましくは1.75以上18.1以下、より好ましくは1.78以上18.04以下、さらに好ましくは1.80以上18.0以下、特に好ましくは1.85以上17.9以下、特別に好ましくは1.87以上17.39以下、1.92以上16.34以下である。
【0035】
前記Trは、例えば、製造方法によりコントロールすることができる。具体的に、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に由来するZrO2は、微細であるため、2θ=30°付近のZrO2に由来するピーク強度として表れ難い。一方、前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に由来するZrO2は、微細ではないため、2θ=30°付近のZrO2に由来するピーク強度として表れやすい。そのため、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の比率を多くすると(前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の比率を少なくすると)Trは小さくなる傾向となり、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の比率を少なくすると(前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の比率を多くすると)Trは大きくなる傾向となる。
【0036】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の大気圧下、1200℃12時間加熱後の比表面積は、アルミナの含有量に応じて異なるが、0.1m2/g以上50m2/g以下であることが好ましい。前記加熱後の比表面積は、より好ましくは0.2m2/g以上、さらに好ましくは0.3m2/g以上である。前記加熱後の比表面積は、より好ましくは45m2/g以下、さらに好ましくは40m2/g以下である。
【0037】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の加熱前の比表面積は、10m2/g以上300m2/g以下であることが好ましい。前記加熱前の比表面積は、より好ましくは12m2/g以上、さらに好ましくは15m2/g以上、特に好ましくは20m2/g以上、特別に好ましくは25m2/g以上、格別に好ましくは30m2/g以上である。前記加熱前の比表面積は、特に好ましい上限はないが280m2/g以下、270m2/g以下、260m2/g以下、250m2/g以下、240m2/g以下が挙げられる。
【0038】
<粒子径D50>
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の粒子径D50は、2.0μm以上250μm以下であることが好ましい。前記粒子径D50は、より好ましくは3.0μm以上、さらに好ましくは4.0μm以上である。前記粒子径D50は、より好ましくは280μm以下、さらに好ましくは250μm以下である。前記粒子径D50は、実施例に記載の方法により得られた値をいう。
【0039】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、アルミナを含む。前記アルミナの含有量は、15質量%以上97質量%以下であることが好ましい。アルミナの含有量が15質量%以上であると、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。また、アルミナの含有量が97質量%以下であると、元素の偏析が少なくなることにより高温に曝されることによるアルミナの結晶化を抑制することができる。
【0040】
前記アルミナの含有量は、より好ましくは17質量%以上、さらに好ましくは19質量%以上である。また、前記アルミナの含有量は、より好ましくは96質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
【0041】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、ジルコニアを含む。前記ジルコニアの含有量は、0.1質量%以上75質量%以下であることが好ましい。ジルコニアの含有量が0.1質量%以上であると、アルミナへの元素拡散による安定化効果のため、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。また、ジルコニアの含有量が75質量%以下であると、元素の偏析が少なくなることから、高温に曝されることによるジルコニアの結晶化を抑制することができる。
【0042】
前記ジルコニアの含有量は、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上である。また、前記ジルコニアの含有量は、より好ましくは73質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
【0043】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物において、ジルコニアとアルミナとの合計含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、15質量%以上99質量%以下が好ましい。ジルコニアとアルミナとの合計含有量を15質量%以上99質量%以下とすることにより、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。
【0044】
ジルコニアとアルミナとの合計含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、16質量%以上がより好ましく、17質量%以上がさらに好ましい。ジルコニアとアルミナとの合計含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下がさらに好ましい。
【0045】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、Pm以外の希土類元素の酸化物を含むことが好ましい。Pm以外の希土類元素の酸化物を含むと、高温に曝されることによる比表面積の低下をさらに抑制することができる。
【0046】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、Pm以外の希土類元素の酸化物の中でも、Ce、La、Nd、Pr、Yの酸化物を含むことが好ましい。前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物がCe、La、Nd、Pr、Yの酸化物を含むと、高温に曝されることによる比表面積の低下を特に抑制することができる。
【0047】
前記Pm以外の希土類元素の酸化物を含有させる場合、前記Pm以外の希土類元素の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、1質量%以上70質量%以下が好ましい。前記Pm以外の希土類元素の酸化物の含有量が1質量%以上であると、高温に曝されることによる比表面積の低下を好適に抑制することができる。また、前記Pm以外の希土類元素の酸化物の含有量が70質量%以下であると、元素の偏析が少なくなることにより高温に曝されることによるアルミナ、及び、ジルコニアの結晶化を抑制することができる。
【0048】
前記Pm以外の希土類元素の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。前記Pm以外の希土類元素の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
【0049】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、(A)In、Si、Sn、Bi、P、及び、Znからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物、(B)遷移金属酸化物(但し、希土類元素の酸化物及び貴金属元素の酸化物を除く)、並びに、(C)アルカリ土類金属酸化物、から選ばれる1種以上を含んでも構わない。これらの(A)~(C)の成分は、以下において「その他の酸化物」とも記載する。
【0050】
前記遷移金属酸化物としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される一種以上の酸化物が挙げられる。また、前記アルカリ土類金属酸化物としては、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される一種以上の酸化物が挙げられる。
【0051】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物が前記その他の酸化物を含む場合、前記その他の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、0.1質量%以上30質量%以下が好ましい。前記その他の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。前記その他の酸化物の含有量は、前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体を100質量%としたときに、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
【0052】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の好ましい組成比率は、下記に例示される合計100質量%を超えない組合せが挙げられる。
(1)好ましくは、
アルミナ ;15%以上97%以下
ジルコニア ;0.1%以上75%以下
希土類元素の酸化物; 1%以上70%以下
その他の酸化物 ; 0%以上30%以下
(2)より好ましくは、
アルミナ ;17%以上96%以下
ジルコニア ; 1%以上73%以下
希土類元素の酸化物;1.5%以上65%以下
その他の酸化物 ; 0%以上25%以下
(3)さらに好ましくは、
アルミナ ;19%以上96%以下
ジルコニア ; 2%以上70%以下
希土類元素の酸化物; 2%以上60%以下
その他の酸化物 ; 0%以上20%以下
(4)特に好ましくは、
アルミナ ;20%以上96%以下
ジルコニア ; 3%以上70%以下
希土類元素の酸化物; 3%以上60%以下
その他の酸化物 ; 0%以上18%以下
【0053】
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の用途は、特に限定されないが、例えば、排ガス浄化用触媒の触媒担体(排ガス浄化用触媒担体)の用途が挙げられる。
【0054】
[ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法]
以下、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法の一例について説明する。ただし、本発明のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法は、以下の例示に限定されない。
【0055】
本実施形態に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法は、
可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る工程1、
アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る工程2、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る工程3、及び、
前記沈殿物を熱処理することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得る工程4
を含み、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量であり、
前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量であり、
前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量である。
【0056】
以下、本実施形態に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法の各工程について説明する。
【0057】
(1)工程1
工程1では、可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩の水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加した溶液Aを得る。
【0058】
具体的に、工程1では、まず、可溶性炭酸塩及び/又は可溶性炭酸水素塩を準備する。
前記可溶性炭酸塩としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。前記可溶性炭酸水素塩としては、重炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。不純物の残存が抑制できる点で、前記可溶性炭酸塩としては炭酸アンモニウム、前記可溶性炭酸水素塩としては重炭酸アンモニウムが好ましい。
【0059】
次に、前記可溶性炭酸塩及び/又は前記可溶性炭酸水素塩を所定の割合で水に分散させて水溶液を得る。この際、水溶液をアルカリ性とするために、アンモニア水を用いることが好ましい。水溶液の濃度((w/w)%)は、1%以上25%以下が好ましい。1%以上とすることにより、濃度をある程度濃くすることができ、処理の時間を好適とすることができる。また、20%以下とすることにより、中和時の粘性上昇を抑制することができ、複合化を好適に行うことができる。原料の純度は95%以上が好ましく、98%以上がより好ましい。アンモニア水は、得られる水溶液のpHが7.5~14.0の範囲となるように調整することが好ましい。
【0060】
なお、前記水溶液は、予め水溶液として調整された市販のものを用いてもよい。
【0061】
次に、前記水溶液に塩基性ジルコニウム塩を添加して溶液Aを得る。
【0062】
前記塩基性ジルコニウム塩としては、炭酸ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムナトリウム、シュウ酸ジルコニウムカリウム等を挙げることができる。前記塩基性ジルコニウム塩は、水溶液として用いることが好ましい。
【0063】
この工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量とする。理由については後述する。
【0064】
(2)工程2
工程2では、アルミニウムを含む原料塩とジルコニウムを含む原料塩とを含む溶液Bを得る。前記溶液Bは、金属としてアルミニウムのみを含む溶液であってもよく、アルミニウムを含む二種以上の金属を含有する溶液であってもよい。
【0065】
アルミニウムを含む原料塩としては、例えば、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の少なくとも1種が例示される。中でも、不純物の残存が抑制できると点で原料塩としては塩化物系よりも硝酸物系が好ましい。
【0066】
アルミニウム以外の金属としては、例えば、1)セリウム、2)ジルコニウム、3)Pm以外の希土類元素の一種以上が挙げられる。
【0067】
セリウムを含む原料塩としては、例えば、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム等の少なくとも一種が例示される。この中でも、硝酸塩系である硝酸セリウムが好ましい。
【0068】
ジルコニウムを含む原料塩としては、ジルコニウムイオンを供給するものであればよく、例えば、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の少なくとも一種が例示される。この中でも、硝酸塩系のオキシ硝酸ジルコニウムが好ましい。
【0069】
Pm以外の希土類元素としては、Sc、Y、La、Nd、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びLuの少なくとも一種が例示される。
【0070】
また、上記以外に、(A)In、Si、Sn、Bi、P、及び、Znからなる群から選択される少なくとも一種の元素、(B)遷移金属元素(但し、希土類元素及び貴金属元素を除く)、並びに、(C)アルカリ土類金属元素、から選ばれる1種以上を含有させることもできる。
【0071】
希土類元素、遷移金属元素(但し、希土類元素及び貴金属元素を除く)、アルカリ土類金属、In、Si、Sn、Bi及びPの原料としては、水溶性のものであれば特に限定されない。硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物等が例示されるが、不純物の残存が抑制できる点で原料塩としては硝酸塩系が好ましい。これらの原料の純度は95%以上が好ましく、98%以上がなお好ましい。
【0072】
溶液Bを調製するための溶媒としては原料塩の種類等に応じて適宜選択すればよいが、通常は水(純水、イオン交換水等:以下同様)を用いることが望ましい。
【0073】
次に、所定の割合としたこれらの化合物(金属塩)を混合する。溶液B中の金属塩濃度は、酸化物換算で1%以上15%以下が好ましい。1%以上とすることにより、濃度をある程度濃くすることができ、処理の時間を好適とすることができる。また、15%以下とすることにより、中和時の粘性上昇を抑制することができ、複合化を好適に行うことができる。
【0074】
工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩の量は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が5~99質量%となる量である。
また、前記工程1で添加する塩基性ジルコニウム塩に含まれるジルコニアと前記工程2で添加するジルコニウムを含む原料塩に含まれるジルコニアとの合計は、得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの100質量%となる量である。
工程1において添加する塩基性ジルコニウム塩の量を得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中に占めるジルコニアの量が1~95質量%となる量としておき、工程2において、残りのジルコニアを添加することにより、前記Rを適切な値にコントロールすることができる。
【0075】
(3)工程3
工程3では、前記溶液Aと前記溶液Bとを混合することによりジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物の沈殿物を得る。なお、この水酸化物には炭酸塩が含まれていてもよい。
【0076】
具体的に、工程3では、まず、工程1で得られた溶液Aと工程2で得られた溶液Bを混合し、中和する。混合は特に制限されるものではないが、次工程のろ過性などの生産性の観点から、工程2で調製した溶液Bを工程1で調整した溶液Aに添加することが好ましい。
【0077】
次に、生成したジルコニウム含有アルミナ系複合水酸化物を固液分離法により回収する。固液分離法は、例えば濾過、遠心分離、デカンテーション等の公知の方法に従えば良い。
【0078】
次に、必要に応じて、回収物を希釈アンモニア水に懸濁させ、20℃以上80℃以下にて、10分以上1500分以下の範囲でエージングを行ってもよい。希釈アンモニア水の濃度としては、0.1質量%以上15質量%以下の範囲内が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下の範囲内がより好ましい。希釈アンモニア水の濃度を前記範囲内とすることにより、目的組成以外の不純物の除去を行うことができる。また、アルミナ、及び、ジルコニアの結晶成長を促進させる不純物の除去を行うことができる。
回収物への希釈アンモニア水の添加量としては、酸化物換算で100gに対して0.1g以上1000g以下の範囲内が好ましく、1g以上100g以下が好ましい。回収物への希釈アンモニア水の添加量を前記範囲内とすることにより、目的組成以外の不純物の除去を行うことができる。また、アルミナおよびジルコニアの結晶成長を促進させる不純物の除去を行うことができる。
前記エージング時の温度としては、より好ましくは20℃以上75℃以下、さらに好ましくは25℃以上70℃以下である。
前記エージングの時間としては、より好ましくは15分以上900分以下、さらに好ましくは20分以上360分以下である。
前記エージングを行うことにより、目的組成以外の不純物の除去を行うことができる。また、アルミナ、及び、ジルコニアの結晶成長を促進させる不純物の除去を行うことができる。
【0079】
エージングを行った場合、懸濁液を固液分離法により回収する。固液分離法は、例えば濾過、遠心分離、デカンテーション等の公知の方法に従えば良い。
【0080】
回収後、必要に応じて得られたジルコニウム含有アルミナ系複合水酸化物を水洗し、付着している不純物を除去することが好ましい。
【0081】
なお、得られたジルコニウム含有アルミナ系複合水酸化物は、さらに必要に応じて乾燥させても良い。乾燥方法は、公知の方法に従えば良く、例えば自然乾燥、加熱乾燥等のいずれであってもよい。又、必要であれば、乾燥処理後に粉砕処理、分級処理等を実施してもよい。
【0082】
(4)工程4
工程4では、前記沈殿物(回収物)を熱処理することによりジルコニウム含有アルミナ系複合酸化物を得る。
【0083】
熱処理温度は、好ましくは400℃以上1200℃以下、より好ましくは500℃以上1150℃以下、さらに好ましくは600℃以上1100℃以下である。
熱処理時間は、好ましくは1時間以上12時間以下、より好ましくは2時間以上11時間以下、さらに好ましくは3時間以上10時間以下である。
【0084】
なお、熱処理により得られた複合酸化物は、必要に応じて、粉砕することができる。粉砕については、特に限定されないが、遊星ミル、ボールミル、ハンマーミルまたはジェットミル等の一般の粉砕機で粉砕することができる。
【0085】
上述したジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の製造方法では、中和剤原料として塩基性ジルコニウム溶液(溶液A)を用いてアルミニウム塩を沈殿(工程3)させることで前駆体内(ジルコニウム含有アルミニウム系複合水酸化物内)に高分散に微細なZrO2を分布させることができる。これにより、高温加熱を行った際の特定の元素の結晶化が抑制されることから、高温加熱後においてもθ相が維持される。
以上より、本実施形態に係る製造方法により得られるジルコニア含有アルミナ系複合酸化物は、高温加熱条件下におけるα相の結晶化が抑制され、比表面積の低下が抑制される。
【実施例】
【0086】
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において得られたジルコニア含有アルミナ系複合酸化物中には、不可避不純物としてハフニウムがジルコニウムに対して1~3質量%含まれる(下記式(X)にて算出)。
<式(X)>
([ハフニウムの質量]/([ジルコニウムの質量]+[ハフニウムの質量]))×100(%)
【0087】
以下の実施例で示される各成分の含有量の最大値、最小値は、他の成分の含有量に関係なく、本発明の好ましい最小値、好ましい最大値と考慮されるべきである。
また、以下の実施例で示される測定値の最大値、最小値は、各成分の含有量(組成)に関係なく、本発明の好ましい最小値、最大値であると考慮されるべきである。
【0088】
[ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の作製]
(実施例1)
炭酸ナトリウム250gを水1750gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水250gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.3g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液(溶液A)を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で96.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で1.7g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液(溶液B)を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液(溶液B)を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液(溶液A)に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例1に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0089】
(実施例2)
炭酸ナトリウム250gを水1750gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水250gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で1.8g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液(溶液A)を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で96.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で0.2g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液(溶液B)を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液(溶液B)を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液(溶液A)に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例2に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0090】
(実施例3)
炭酸ナトリウム230gを水1700gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水230gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.6g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で90.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.4g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で4.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕して、実施例3に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0091】
(実施例4)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で1.2g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で78.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で6.8g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で8.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕して、実施例4に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0092】
(実施例5)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で2.3g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で69.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で12.7g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で2.0g)、および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中1100℃、10hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例5に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0093】
(実施例6)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で12.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で69.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で2.0g)、および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中1100℃、10hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例6に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0094】
(実施例7)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で3.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で64.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で17.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例7に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0095】
(実施例8)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で44.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例8に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0096】
(実施例9)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で7.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で30.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で42.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例9に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0097】
(実施例10)
炭酸ナトリウム110gを水1090gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水160gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で9.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で20.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で51.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中500℃、3hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例10に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0098】
(実施例11)
炭酸ナトリウム110gを水1090gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水160gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で10.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で20.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で59.5g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中600℃、3hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例11に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0099】
(実施例12)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で7.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で42.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で42.5g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例12に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0100】
(実施例13)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で3.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で44.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で17.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で30.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例13に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0101】
(実施例14)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で3.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で34.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で17.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で40.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例14に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0102】
(実施例15)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で3.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で54.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で17.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で4.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で4.0g)、および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中1100℃、1hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例15に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0103】
(実施例16)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で3.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で30.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で17.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で10.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で10.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で10.0g)、および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で10.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例16に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0104】
(実施例17)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で50.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)、硝酸マグネシウム(酸化マグネシウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例17に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0105】
(実施例18)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で50.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)、硝酸カルシウム(酸化カルシウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例18に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0106】
(実施例19)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で50.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)、硝酸ストロンチウム(酸化ストロンチウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例19に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0107】
(実施例20)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で50.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)、硝酸バリウム(酸化バリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例20に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0108】
(実施例21)
炭酸ナトリウム170gを水1230gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で50.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で25.5g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)、リン酸アンモニウム(リン酸塩換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例21に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0109】
(実施例22)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で8.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で30.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で32.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例22に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0110】
(実施例23)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で6.6g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で30.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で37.4g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例23に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0111】
(実施例24)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で6.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で29.5g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で37.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)および硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬、試薬特級、酸化鉄換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例24に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0112】
(実施例25)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で6.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で29.5g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で37.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)およびジアンミンジニトロ白金(II)硝酸溶液(田中貴金属、金属白金換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例25に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0113】
(実施例26)
炭酸ナトリウム150gを水1150gに溶解し、濃度20質量%のアンモニア水200gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で6.5g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で29.5g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で37.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)および硝酸ロジウム(田中貴金属、金属ロジウム換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、濃度20質量%のアンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例26に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0114】
(実施例27)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.7g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で89.6g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で3.7g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、および硝酸ストロンチウム(II)(和光純薬、試薬特級、酸化ストロンチウム換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例27に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0115】
(実施例28)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.7g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で89.6g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で3.7g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、およびりん酸二水素アンモニウム(和光純薬、試薬特級、リン酸換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例28に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0116】
(実施例29)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.7g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で89.6g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で3.7g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、およびフュームドシリカAEROSIL(日本アエロジル、ケイ酸換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例29に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0117】
(実施例30)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で0.7g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で89.6g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で3.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で3.7g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、および四塩化チタン(IV)(和光純薬、酸化チタン換算で1.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸、塩化物塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例30に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0118】
(実施例31)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で4.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で60.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で22.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、アンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例31に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0119】
(実施例32)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で10.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で60.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で16.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、アンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例32に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0120】
(実施例33)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で16.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で60.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で10.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、アンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、実施例33に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0121】
(比較例1)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で96.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で2.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例1に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0122】
(比較例2)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で90.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で4.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で4.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例2に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0123】
(比較例3)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で78.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で8.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で8.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例3に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0124】
(比較例4)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で64.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で20.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸プラセオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化プラセオジム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例4に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0125】
(比較例5)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で44.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で20.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で30.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例6に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0126】
(比較例6)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で30.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で40.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で20.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で4.0g)、硝酸ネオジム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ネオジム換算で2.0g)、硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で4.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例5に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0127】
(比較例7)
重炭酸アンモニウム400gを水7600gに溶解することにより5%重炭酸アンモニウム水溶液を調製した。
次に、硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で60.0g)、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学、試薬特級、酸化ジルコニウム換算で26.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次に、前記硝酸塩水溶液を前記5%重炭酸アンモニウム水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次に、前記沈殿物を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5時間焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例7に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0128】
(比較例8)
炭酸ナトリウム200gを水1300gに溶解し、濃度20質量%アンモニア水220gを添加したのち、炭酸ジルコニウムナトリウム溶液(第一稀元素化学工業、酸化ジルコニウム換算で26.0g)を加えることによりジルコニウム含有アルカリ水溶液を調製した。
次いで硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬、試薬特級、酸化アルミニウム換算で60.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化セリウム換算で10.0g)、硝酸ランタン6水和物(和光純薬、試薬特級、酸化ランタン換算で2.0g)および硝酸イットリウム(III)水和物(和光純薬、試薬特級、酸化イットリウム換算で2.0g)を酸化物換算で5%になるようにイオン交換水に溶解することにより硝酸塩水溶液を調製した。
次いで前記硝酸塩水溶液を前記ジルコニウム含有アルカリ水溶液に添加することによりジルコニア含有アルミナ系複合水酸化物の沈殿物を得た。
次いで前記沈殿物を固液分離により回収し、アンモニア水200gを水2000gに添加した希釈アンモニア水に懸濁させ、50℃にて180分エージングを行った。
エージング後の懸濁液を固液分離により回収し、固形分を電気炉で大気中900℃、5hr焼成することによりジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を得た。
前記ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物をハンマーミルで粉砕し、比較例8に係るジルコニア含有アルミナ系複合酸化物とした。
【0129】
[X線回折スペクトル]
実施例、比較例のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を大気圧下(0.1013MPa、空気雰囲気)、1200℃12時間加熱した。加熱後の各ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物について、X線回折装置(「RINT2500」リガク製)を用い、X線回折スペクトルを得た。測定条件は下記の通りとした。
<測定条件>
測定装置:X線回折装置(リガク製、UltIma IV)
線源:CuKα線源
管電圧:50kV
管電流:30mA
走査速度:2θ=20~65°:4°/分
【0130】
その後、得られたX線回折スペクトル(XRDプロファイル)から、2θ=33°付近のθ-Al2O3相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al2O3相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとし、前記Rを求めた。結果を表1~表5に示す。
【0131】
また、得られたX線回折スペクトル(XRDプロファイル)の2θ=30°付近のZrO2に由来するピーク強度Zと、ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物全体に対するZrO2の酸化物成分の質量比率W(質量%)から、[Z/W]、すなわち、Trを求めた。結果を表1~表5に示す。
【0132】
実施例1、実施例2、比較例1、実施例3、比較例2、実施例4、比較例3、実施例7、比較例4、実施例13、比較例5、実施例22、比較例6、実施例31、実施例32、実施例33、比較例7、比較例8の加熱後のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物のX線回折スペクトルをそれぞれ
図1~
図18に示す。
【0133】
[粒子径D50の測定]
実施例、比較例のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物0.15gと40mlの0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液とを50mlビーカーに投入し、超音波洗浄器「VS-100 III」(ヴェルヴォクリーア社製)で5分間分散した後、装置(レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(「LA-950」堀場製作所社製))に投入し測定した。結果を表1~表5に示す。
【0134】
[加熱前の比表面積の測定]
実施例、比較例のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の比表面積を、比表面積計(「マックソーブ」マウンテック製)を用いてBET法にて測定した。結果を表1~表5に示す。
【0135】
[大気圧下、1200℃12時間加熱後の比表面積の測定]
実施例、比較例のジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を大気圧下(0.1013MPa、空気雰囲気)、1200℃12時間加熱した。加熱後の各ジルコニア含有アルミナ系複合酸化物の比表面積を、比表面積計(「マックソーブ」マウンテック製)を用いてBET法にて測定した。結果を表1~表5に示す。
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【要約】
【課題】 高温に曝されてもアルミナの含有量に応じた高い比表面積を有するジルコニア含有アルミナ系複合酸化物を提供すること。
【解決手段】 ジルコニアとアルミナとを含み、大気圧下、1200℃12時間加熱後のXRDプロファイルAにおいて、2θ=33°付近のθ-Al
2O
3相に由来するピーク強度をX、2θ=26°付近のα-Al
2O
3相に由来するピーク強度をYとし、[X/Y]をRとしたとき、Rが下記式[1]を満たすジルコニア含有アルミナ系複合酸化物。
式[1] 0.25<R<5.0
【選択図】
図1