(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】患者位置及び/又は患者回転を決定するためのX線システムのための光学装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20231117BHJP
A61B 6/08 20060101ALN20231117BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
A61B6/00 335
A61B6/08 309Z
(21)【出願番号】P 2023513222
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2021073154
(87)【国際公開番号】W WO2022043215
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-22
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ショードュリー スディプタ
(72)【発明者】
【氏名】ポール ソウブヒック
(72)【発明者】
【氏名】ワイス ステフェン
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-112495(JP,A)
【文献】特表2014-533549(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03653124(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定する前記X線システムのための光学装置であって、前記光学装置は、
レーザ源と、
前記レーザ源から垂直方向に離間される検出器と
を有し、
前記レーザ源は、水平レーザ線を前記患者上に放射するように構成され、
前記検出器は、前記患者上に放射される前記レーザ線の方向を検出するように構成され、
前記レーザ線の検出される方向の分析に基づいて、前記患者の前記患者位置及び/又は患者回転を決定するように構成される分析ユニットと
を更に有し、
前記分析ユニットは、前記患者の前記決定される患者位置及び/又は患者回転が所定の基準パラメータに対応するかを検証するように構成され、
前記分析ユニットは、前記検証の結果に基づいてフィードバック信号を生成するように構成され、
前記光学装置において、前記X線システムのX線センサの垂直中心線の空間座標が記憶され、
前記分析ユニットは、前記決定される患者位置及び/又は患者回転を前記記憶される空間座標と比較するように構成され、
前記X線センサの前記垂直中心線は基準パラメータである、
光学装置。
【請求項2】
前記レーザ源は、放射方向に沿って前記レーザ線を放射するように構成され、前記放射方向は、前記レーザ源から前記患者への仮想線に沿って延在し、
前記検出器は、検出方向に沿って前記レーザ線の方向を検出するように構成され、前記検出方向は、前記検出器から前記患者への仮想線に沿って延在し、
前記レーザ源の放射方向及び前記検出器の検出方向は、40乃至45度の範囲の角度を形成する、
請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記生成されるフィードバック信号は、X線システム又は患者位置決めシステムによって受信されるときに前記患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される制御信号として実現される、請求項1又は2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記光学装置において、前記X線センサの左上端点、前記X線センサの左下端点、前記X線センサの右上端点、及び前記X線センサの右下端点の空間座標、及び前記X線センサの垂直中心線が記憶され、
前記分析ユニットは、前記左上端点と前記左下端点との間の垂直左線を計算するように構成され、前記垂直左線は前記患者の存在によって曲げられ、
前記分析ユニットは、前記右上端点と前記右下端点との間の垂直右線を計算するように構成され、前記垂直右線は前記患者の存在によって曲げられ、
前記分析ユニットは、前記検出される線の方向と前記計算される垂直左線との間の第1の交点を計算するように構成され、
前記分析ユニットは、前記検出される線の方向と前記計算される垂直右線との間の第2の交点を計算するように構成され、
前記分析ユニットは、前記左上端点から前記計算される第1の交点までの線分と、前記計算される第1の交点から前記左下端点までの線分との間の左角度を計算するように構成され、
前記分析ユニットは、前記右上端点から前記計算される第2の交点までの線分と、前記計算される第2の交点から前記右下端点までの線分との間の右角度を計算するように構成され、
前記分析ユニットは、前記左角度と前記右角度とが等しいかを決定するように構成される、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学装置。
【請求項5】
前記生成されるフィードバック信号は、前記分析ユニットによって決定される前記左角度と前記右角度との間の差に基づいて、前記患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される制御信号として実現される、請求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記分析ユニットは、前記レーザ線の方向におけるギャップを検出するように構成され、前記ギャップは前記患者の存在によって作成され、
前記分析ユニットは、線検出アルゴリズムを使用して前記患者の左端点を検出するように構成され、前記左端点は、前記レーザ線の水平部分が終了する前記レーザ線の方向における左端点に対応し、
前記分析ユニットは、前記線検出アルゴリズムを使用して前記患者の右端点を検出するように構成され、前記右端点は、前記レーザ線の水平部分が終了する前記レーザ線の方向における右端点に対応し、
前記光学装置において、前記X線センサの垂直中心線の空間座標が記憶され、
前記分析ユニットは、前記左端点と前記右端点との間の中点を計算するように構成され、
前記分析ユニットは、前記中点が前記X線センサの前記垂直中心線上に位置されるかを計算するように構成される、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記生成されるフィードバック信号は、前記分析ユニットによって計算される前記X線センサの前記垂直中心線と前記中点との間の差に基づいて、前記決定される患者位置を制御するように構成される制御信号として実現される、請求項6に記載の光学装置。
【請求項8】
前記分析ユニットは、線検出アルゴリズムを使用して前記レーザ線の方向のギャップを検出するように構成され、前記ギャップは前記患者の形状に起因して形成され、
前記分析ユニットは、線検出アルゴリズムを使用して、前記患者の左端位置及び前記患者の右端位置における前記レーザ線の方向のギャップの長さを決定するように構成され、
前記分析ユニットは、前記患者の前記左端位置の前記決定される長さと、前記患者の前記右端位置の前記決定される長さとから前記患者回転を計算するように構成される、
請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記フィードバック信号は、前記患者の左端位置の長さと前記患者の右端位置の長さとの間のギャップ差に基づいて前記決定される患者回転を制御するように構成される制御信号として実現される、請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記分析ユニットは、前記患者の吸気状態を検出するように構成され、
前記分析ユニットは、前記患者位置の決定後、及び前記患者位置が前記所定の基準パラメータに対応するとの決定後に、前記吸気状態を決定するように構成される、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学装置。
【請求項11】
X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するためのシステムであって、前記システムは、
X線源及びX線センサを有する前記患者のX線画像を生成するためのX線装置と、
請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学装置と
を有し、
前記光学装置によって生成される前記フィードバック信号に基づいて前記患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される、
システム。
【請求項12】
前記光学装置は、前記患者の吸気状態を決定するように構成され、前記システムは、前記光学装置によって実行される前記吸気状態検出の結果に基づいてX線撮像処理の開始をトリガするように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
X線装置でX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法であって、前記方法は、
レーザ源による水平レーザ線を前記患者上に放射するステップと、
検出器によって、前記患者上の前記レーザ線の方向を検出するステップであって、前記検出器及び前記レーザ源は互いに垂直方向に離間される、ステップと、
分析ユニットによって、前記検出されるレーザ線の方向の分析に基づいて、前記患者位置及び/又は患者回転を決定するステップと、
前記分析ユニットによって、前記決定される患者位置及び/又は患者回転は、所定の基準パラメータに対応するかを検証するステップと、
前記分析ユニットによって、前記検証の結果に基づいてフィードバック信号を提供するステップと
を有し、
X線システムのX線センサの垂直中心線の空間座標が記憶され、
前記分析ユニットによって、前記決定される患者位置及び/又は患者回転は前記記憶される空間座標と比較され、
前記X線センサの前記垂直中心線は基準パラメータである、
方法。
【請求項14】
制御信号として構成される前記フィードバック信号を使用して、前記患者位置及び/又は患者回転を制御するステップであって、前記制御信号は、前記制御信号の受信の際に、前記患者位置及び/又は患者回転を変更するための患者位置決めシステムによって受信される、ステップ
を更に有する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は患者位置及び/又は患者回転を決定するためのX線システムのための光学装置の分野に関し、より具体的には、胸部X線システムのための光学装置、X線画像を生成するためのX線システム、ならびに患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線は、胸部領域、特に肺の疾患を診断するために広く使用されている画像診断法である。X線の質、特に胸部X線の質の評価は、放射線学的解釈における重要なステップである。現行のワークフローでは、X線画像の生成後に手段する、放射線画像解釈中にのみ、質の問題を検出することができる。これにより、患者はX線画像を思い出し、再撮影する。X線撮像処理中の医療スタッフによる手動観察は、X線画像の品質損失を防止するのに十分ではない場合がある。さらに、患者の想起は医療スタッフ、技術者、さらには患者自身の作業リストに追加の負荷を引き起こし、この負荷は追加の曝露を経なければならない。X線画像の患者の想起及び再撮影の理由は例えば、画像処理中の吸気に起因する、間違った患者の向き及び患者の動きであり、これは、画像に含まれる正確な解剖学的領域の寸法を含むフィールドで視野における誤差をもたらす。視野は、不適切な患者の位置決め及び開存性の動きのために損なわれる。これに加えて、患者がX線撮像のために適切に配向されていない場合、X線画像は、関心領域(ROI)上に縦隔影及び他のセクションが存在し得るので、品質基準を満たさない。さらなる態様は、患者の吸入によって引き起こされる患者の動きである。X線撮像手順の間、呼吸を適切に保持することは、患者の心臓及び肺をより明確に撮像するのに役立ち得る。逆に、患者の吸入が正しくないか、又は患者の健康状態が、より長い時間にわたって呼吸を適切に保持することを支持しないことが、何度も起こり得る。そのような場合、医療スタッフはX線画像のトリガーの前に、これに関する情報を得ることができない。いったんX線画像が生成されると、医療スタッフ、又は技術者、又は放射線技師のみが、吸入が間違っていることを発見し、再摂取を要求しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、X線画像の品質を最適化する必要性が存在する。特に、患者のリコール及びX線画像のリテークを回避することができるように、X線画像の品質を改善するために、患者の向き、特に患者位置及び患者回転、並びに吸入による患者の動きの識別を改善する必要性が存在する。
【0004】
本発明の目的は位置、回転、及び/又は吸入が正しいときに、患者位置、患者回転、及び患者の吸入、ならびにX線の自律的トリガのリアルタイム評価のための装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、x線システムによってx線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するためのx線システムと共に使用される光学装置は、レーザ源及び検出器を備える。本開示から明らかになるように、検出器は提示される光学装置がその意図される目的のために適用されるとき、及びX線システムと共に患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するために適用されるとき、レーザ源から垂直方向に離間される。レーザ源は患者上に水平方向のレーザ線を放射するように構成され、検出器は患者上に放射されるレーザ線の方向を検出するように構成される。分析ユニットは、レーザ線の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定するように構成される。分析ユニットは決定される患者位置及び/又は患者回転が所定の基準パラメータに対応するかを検証するようにさらに構成され、分析ユニットは検証の結果に基づいてフィードバック信号を生成するように構成される。
【0007】
本発明の文脈において、用語「患者位置」はX線システムによってX線照射される患者位置を表すと理解されるべきであり、この位置は、X線センサの前の患者位置を指す。当業者によって理解されるように、前記位置は、例えば3D座標によって記述/定義されてもよい。X線撮像中、患者の所定の部分、すなわち身体部分、例えば、患者の胸部又は背部を検査するものとする。したがって、患者位置は、生成されるX線画像の品質に関連する。例えば、患者はX線センサの一方又は他方の側に近すぎるように配置されてもよく、これは生成されるX線画像における情報の損失/損失を引き起こす。したがって、正確な患者位置は例えば、患者の中心線とX線センサの中心線との対称的なアライメントであり得る。これは、特定の実施形態の文脈において以下でより詳細に説明される。
【0008】
本発明の文脈において、用語「患者回転」は、患者位置に応じて生成されるX線画像の品質を低下させ得る、X線センサの前の患者回転を説明すると理解されるべきである。前記患者回転は、3D空間内の患者回転状態を記述/定義することができる。例えば、患者は、X線センサの正面で正しく立っていないので、画像情報の損失を引き起こす可能性があり、X線センサの正面の左側又は右側に回転されてもよい。患者の理想的な位置は、患者位置であってもよく、患者の頭部から足部まで患者の中心を通って延びる中心線はX線センサの中心線と一直線上にあり、X線センサの頂部から底部まで垂直に延びる。
【0009】
本発明の文脈において、用語「水平方向のレーザレーン」は、光学装置の実際のセット内のレーザ線の位置及び方向を説明するものと理解されるべきである。当業者によって理解されるように、水平線は放射されるときに、水平面に平行及び/又は接地面に並列3D空間内に延在し、その場所で、好ましくはX線システムを用いて、光学装置が使用され、適用される。これは、特定の実施形態、特に図に示される実施形態の文脈において、以下でより詳細に説明される。レーザ線は患者上に放射され、レーザ線は患者の左側から患者の右側に、又はその逆に、患者の上に水平に延びる。特に、水平方向のレーザ線は、患者の中心線に対して垂直に延在する。一般に、レーザ線の位置は患者の胸部又は背部に位置し、正確な位置は、X線画像のトリガ前に医療スタッフ、技術者、及び/又は放射線科医によって決定される。正確な位置は、検査されるそれぞれの身体部分、それが患者の肺、心臓などであるかに依存し得る。特に、水平方向のレーザ線は患者の体表面上に放射され、検出器は患者の体表面上のレーザ線の方向を検出する。
【0010】
本発明の文脈において、用語「レーザ線の方向」は、その水平方向の拡張に沿ったレーザ線の拡張、空間的展開、及び/又は空間的ルートを記述するものと理解されるべきである。レーザ線の方向はレーザ線の曲率として理解することができ、この曲率は、水平方向の拡張に沿って直線であってもよい。他方では、曲率が異なる形状で丸くてもよく、又は曲がってもよく、この形状は水平方向のレーザ線が放射されるオブジェクト又は光源(例えば、患者の体表面)に依存する。また、レーザ線の途中にギャップがあったり、レーザ線が途切れたりしてもよい。特に、レーザ線の方向は、X線センサの前に患者がいる方向及び/又は患者がいない方向であってもよい。例えば、患者がいなくても、レーザ線は患者ではなくX線センサ上に放射され、患者ではレーザ線がX線センサの前で患者上に放射される。特に、患者を伴わないレーザ線の方向は、患者に放射されるレーザ線の方向が患者の体表面の形状の存在/に基づく屈曲水平線である直線水平線であってもよい。
【0011】
本発明の文脈において、用語「垂直に離間される」は、レーザ源と検出器との互いの配置を説明すると理解されるべきである。レーザ源及び検出器は互いに上に配置されてもよく、レーザ源は検出器の上に配置されてもよく、又はその逆であってもよい。レーザ線が水平に延在するとき、レーザ源と検出器との離間配置は、垂直、すなわち水平に延在するレーザ線に対して垂直である。レーザ源及び検出器の垂直配置は、患者の中心線に平行であってもよい。これは、特定の実施形態、特に図に示される実施形態の文脈において、以下でより詳細に説明される。
【0012】
言い換えれば、本明細書に提示される光学装置では、患者位置及び/又は患者回転を検出及び決定するため、ならびに/又はフィードバックを提供するための、レーザベースの光テレメトリ解決策が提供される。提供されるフィードバックは患者位置及び患者回転を補正及び評価するために使用することができ、これについては、詳細に、本明細書の以下のいくつかの実施形態に関連して説明する。患者位置及び患者回転は、同じレーザベースのアプローチを使用して決定され得る。検出器は、患者上の反射放射線、すなわちレーザ線を検出する。光学装置の検出器は検出器が患者が撮像されるX線部屋のレーザ源の上方に配置され得るように、又はその逆に、レーザ源から垂直方向に離間され得る。特に、レーザ源及び検出器の位置は交換可能である。患者の存在に起因する放出されるレーザ線の変化は、検出器とレーザ源とが互いに離間しているときに可視になり得る。逆に、検出器とレーザ源とが離間していない場合、すなわち、例えば、それらが同じ高さに配置されている場合、レーザ線の方向の変化は検出器によって検出され得ない。患者とレーザ源との間の距離は、X線システムのそれぞれの設定に依存し得、それに応じて、本開示を使用してユーザによって選択され得る。
【0013】
このセットアップは、固定されてもよく、X線センサ及びX線源の固定位置に依存してもよい。X線源とX線センサとの間の好ましい距離は、1,5m乃至2mの範囲であってもよい。レーザ線は前後(AP)X線撮像のために患者の胸部上に配置されてもよく、及び/又はレーザ線は後前(PA)X線撮像のために患者の背部上に配置されてもよい。この実施形態によれば、患者位置及び患者回転は患者がX線センサの正面に適切に配向されているかが決定され得るように、X線画像のトリガーの前に決定され得る。したがって、生成されるX線画像の品質はX線画像の生成前に評価され、肯定的に影響されることができ、これは、患者のリコール、X線撮像のリテーク、及びX線放射線への患者の曝露を低減する。
【0014】
フィードバック信号は患者位置及び/又は回転を評価することができ、ユーザはフィードバック信号に基づいて、患者位置及び/又は回転を補正すべきかを決定することができるように、本光学装置の実施形態の手段によってユーザに提供することができる。
【0015】
さらに、光学装置はユーザにフィードバック信号を提供するように構成されるインターフェースを備えてもよく、インターフェースはユーザ及び/又は患者と通信するように構成される。
【0016】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するためのそれぞれの対応する方法が提示される。本方法は、レーザ源によって患者上に水平方向のレーザ線を放射するステップと、検出器によって患者上に放射されるレーザ線の方向を検出するステップとを含むことができる。本方法は、分析ユニットを使用して、レーザ線の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定するステップと、分析ユニットを使用して、決定される患者位置及び/又は患者回転が所定の基準パラメータに対応するかを検証するステップと、分析ユニットによる検証の結果に基づいて、フィードバック信号を生成するステップとをさらに含み得る。
【0017】
所定の基準パラメータは基準位置及び/又は回転のために使用されるパラメータであってもよく、これは改善される又は最適なX線画像品質を可能にする。例えば、肺を表示するための高品質胸部X線画像を生成するために、基準パラメータは、X線センサの前の患者の対称位置であってもよい。特に、患者の中心線はX線センサの中心線と対称的に位置合わせされてもよく、患者の中心線は患者の上部(頭部)から患者の底部(足部)まで延在する。
【0018】
本発明の例示的な実施形態によれば、レーザ源は、レーザ源から患者まで仮想線に沿って延在する放射方向に沿ってレーザ線を放射するように構成される。検出器は検出方向に沿ってレーザ線の方向を検出するように構成され、検出方向は検出器から患者まで仮想線に沿って延在し、レーザ源の放出方向及び検出器の検出方向は40乃至45度の範囲の角度を形成する。
【0019】
例えば、放射方向はX線センサの延長方向に対して水平に延び、言い換えれば、レーザ源から患者までの仮想線は、X線センサの中心線に対して垂直である。そのため、検出方向は、X線センサの延在方向に対して水平方向には延びない(X線センサの中心線に対して垂直ではない)。それぞれの発光方向及び検出方向の配置は上述したようなものであってもよいし、その逆であってもよい。40乃至45度の間の角度を使用することは、レーザ線が患者の眼に放射されるリスクを低減することを可能にする。さらに、この角度は、検出器によるレーザ線の経過の変化の正確な検出に適している。
【0020】
本発明の例示的実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法はレーザ源によって放射方向に沿ってレーザ線を放射することをさらに含むことができ、放射方向は、レーザ源から患者まで仮想線に沿って延在する。検出器によって検出方向に沿ったレーザ線の方向を検出し、この検出方向は検出器から患者まで仮想線に沿って延在し、レーザ源の放出方向及び検出器の検出方向は、40乃至45度の範囲の角度を形成する。
【0021】
本発明の例示的な実施形態によれば、生成されるフィードバック信号は、X線システム又は患者位置決めシステムによって受信されるときに患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される制御信号として具現化される。
【0022】
特に、制御信号は、制御信号の受信時に患者位置及び/又は患者回転を変更するための患者位置決めシステムによって受信される。フィードバック信号は検証の結果を示すための光学的、音響的、及び/又は触覚的フィードバック信号として提供されてもよく、それぞれの光学的、音響的、触覚的信号は正しい又は間違った患者位置及び/又は患者回転を示す。患者位置決めシステムは光学装置の一部であってもよく、又は患者位置決めシステムはX線システムの一部であってもよく、又は患者位置決めシステムは光学装置及び/又はX線システムのために追加的に提供される追加の部品、単一のシステムであってもよい。患者位置決めシステムが光学装置の一部であるかは、本発明のそれぞれの実施形態に依存し得る。それにもかかわらず、光学配置は、追加の(又は単一部品の)患者位置決めシステムによって受信され得るフィードバック信号を含む。制御信号は、制御信号が決定される患者位置/患者回転(又はその両方)を含み得、制御信号が決定される位置/患者回転が基準パラメータと異なる値を含み得るように、患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成され得る。したがって、制御信号は、差分値の周りの位置/患者回転を補正するために使用され得る。特に、患者位置決めシステムは、差分値に基づいて患者位置/患者回転を適合させるために制御信号を使用することができる。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法はX線システム又は患者位置決めシステムによって受信されるとき、制御信号として具現化される生成されるフィードバック信号を使用して患者位置及び/又は患者回転を制御することをさらに含み得る。
【0024】
本発明の第1の態様によれば、X線システムのX線センサの垂直中心線の光学装置空間座標が記憶され、分析ユニットは、決定される患者位置及び/又は患者回転を記憶される空間座標と比較するように構成される。X線センサの垂直中心線は、基準パラメータとしての実施形態であってもよい。
【0025】
例えば、空間座標は、分析ユニットに記憶されてもよい。代替的に、空間座標は、空間座標が記憶され得る外部データ記憶装置から光学装置によって受信され得る。本発明の文脈において、用語「垂直中心線」は、X線センサの中心において垂直に延在するX線センサの中心線を表すと理解されるべきである。特に、X線センサは左端及び右端を備えてもよく、中心線は左端及び右端の両方から等しく離間している。
【0026】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、X線システムのX線センサの垂直中心線の空間座標を光学装置に記憶すること、決定される患者位置及び/又は患者回転を、解析ユニットを使用して記憶される空間座標と比較することであって、X線センサの垂直中心線が基準パラメータで比較することをさらに含むことができる。
【0027】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線センサの左上端点(LU)の光学装置空間座標には、X線センサの左下端点(LL)、X線センサの右上端点(RU)、及びX線センサの右下端点(RL)、ならびにX線センサの垂直中心線が記憶される。分析ユニットは左上端点(LU)と左下端点(LL)との間の垂直方向左線を計算するように構成され、垂直方向左線は患者の存在によって曲げられる。分析ユニットは上側の端点(RU)と右下端点(RL)との間の垂直方向右線を計算するようにさらに構成され、垂直方向右線は患者の存在に起因して曲げられる。さらに、分析ユニットは線の検出される方向と計算される垂直方向左線との間の第1の交点(P1)を計算するように構成され、分析ユニットは線の検出される方向と計算される垂直方向右線との間の第2の交点(P2)を計算するように構成される。さらに、分析ユニットは、左上端点(LU)から計算される第1の交点(P1)までの線分と、計算される第1の交点(P1)から左下端点(LL)までの線分との間の左角度を計算するように構成される。分析ユニットは上側の端点(RU)から計算される第2の交点(P2)までの線分と、計算される第2の交点(P2)から右下端点(RL)までの線分との間の直角を計算するように構成され、分析ユニットは左角と右角とが等しいかを決定するように構成される。
【0028】
左角度及び右角度が等しい場合、患者位置及び/又は患者回転は、所定の基準パラメータに対応する。左角度と右角度が等しくない場合、患者位置及び/又は患者回転を修正する必要がある。左角度は患者の左側の左側角度であってもよく、右角度は患者の右側の右側角度であってもよい。光学装置は左角と右角が等しくないと光学装置が決定(計算)されるとき、X線システム及び/又は患者位置決めシステムの制御信号として具現化されるフィードバック信号を生成するように構成されてもよい。例えば、角度は、患者がX線センサの中心線と対称的に位置合わせされるときに等しい。垂直左線の計算は患者がX線センサの前に位置していないときに行うことができ、この場合、垂直線(左及び右)は、右上端点(RL)から右下端点(RU)まで直線で走る。患者がX線センサの前に存在し、交点P1及びP2が計算されるとき、垂直線(左及び/又は右の垂直線)の屈曲が生じ得、これらの交点P1及びP2は、垂直左線及び/又は垂直右線のための新しい軌跡点として使用され得る。特に、交点P1,P2の計算に起因して、垂直線の屈曲が生じる。交点は、光学装置の検出器によって検出することができる。異なる患者について、交点P1及びP2、したがって、垂直線の屈曲過程は異なり得る。特に、光学装置は水平方向のレーザ線が(光学装置によって、好ましくは分析ユニットによって)検出及び分析されるとき、交点P1及びP2を計算するように構成されてもよい。水平方向のレーザ線は左右に分析することができ、水平方向のレーザ線の一部は患者の存在に起因して屈曲され、屈曲線の2つの極値はP1及びP2と見なすことができる。例えば、P1及び/又はP2のこの計算及び/又は分析は、分析ユニットによって、好ましくはプロセッサによって実行される計算によって実行されてもよい。特に、ベンドレーザ線を決定し、その後、分析ユニットが交点P1及びP2を計算することができる。
【0029】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、X線センサの左上端点(LU)、X線センサの左下端点(LL)、X線センサの右上端点(RU)、及びX線センサの右下端点(RL)、及びX線センサの垂直中心線の空間座標を光学装置に記憶することを更に含むことができる。さらに、本方法は分析ユニットを使用して、左上端点(LU)と左下端点(LL)との間の垂直方向左線を計算することを含み、垂直方向左線は、患者の存在に起因して曲げられる。分析ユニットを使用して、上側の端点(RU)と右下端点(RL)との間の垂直方向右線を計算し、ここで、垂直方向右線は、患者の存在に起因して曲げられる。さらなる方法ステップは、分析ユニットによって、線の検出される方向と計算される垂直方向左線との間の第1の交点(P1)を計算することと、線の検出される方向と計算される垂直方向右線との間の第2の交点(P2)を計算することとを備え得る。本方法は、分析ユニットを使用して、左上端点(LU)から計算される第1の交点(P1)までの線分と、計算される第1の交点(P1)から左下端点(LL)までの線分との間の左角度を計算することと、上側の端点(RU)から計算される第2の交点(P2)までの線分と、計算される第2の交点(P2)から右下端点(RL)までの線分との間の右角度を計算することとをさらに含むことができる。さらに、本方法は、分析ユニットを使用して、左角度と右角度とが等しいかを決定することを含む。角度の等価又は非等価の決定に応じて、方法は、患者位置及び/又は患者回転が正しいかを決定するステップをさらに含むことができる。特に、患者位置はP1及びP2のシフトによって決定されてもよく、患者回転はP1及びP2で形成される角度によって決定される。例えば、角度が等しくない場合、患者は回転される。交点P1及びP2がX線センサの中心線から対称的に離間していない場合、患者位置は正しくない。
図3及び
図4には、患者位置及び/又は患者回転の詳細な決定が示されている。
【0030】
本発明の例示的な実施形態によれば、フィードバック信号は、分析ユニットによって決定される左角度と右角度との間の差に基づいて患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される制御信号としての実施形態である。
【0031】
患者位置及び/又は回転の制御は、制御信号がX線システム及び/又は患者位置決めシステムによって受信されるときに開始されてもよい。制御信号は患者位置及び/又は患者回転が基準パラメータに対して正しいかを示すために使用され得、基準パラメータはX線センサの中心線であり得る。例えば、角度間の差がゼロである場合、制御信号は、患者位置及び/又は患者回転の変化が必要でないことを示し得る。したがって、患者位置決めシステムは、患者位置及び/又は回転を変更しなくてもよい。反対に、角度間の差が決定される場合、患者位置及び/又は患者回転は変更されなければならず、制御信号は患者位置及び/又は患者回転の変更が開始され、実行され得るように、患者位置決めシステムを制御する。
【0032】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は分析ユニットを使用して、左角度と右角度との間の差に基づいて患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するステップをさらに含むことができ、ステップは、上述の制御を実行するための制御信号として具現化されるフィードバック信号を生成するステップをさらに含むことができる。
【0033】
本発明の例示的な実施形態によれば、分析ユニットはレーザ線の途中のギャップを検出するように構成され、このギャップは患者の存在に起因して生成される。分析ユニットは線検出アルゴリズムを使用して患者の左端点(L)を検出するようにさらに構成され、左端点(L)はレーザ線の水平部分が終了するレーザ線の方向上の左端点に対応する。さらに、分析ユニットは線検出アルゴリズムを使用して患者の右端点(R)を検出するように構成され、右端点(R)はレーザ線の水平部分が終了するレーザ線の方向上の右点に対応する。光学装置では、X線センサの垂直中心線の空間座標が記憶される。さらに、分析ユニットは左端点(L)と右端点(R)との間の中間点を計算するように構成され、分析ユニットは中間点がX線センサの垂直中心線上に位置するかを計算するように構成される。
【0034】
中点がX線センサの垂直中心線上に位置する場合、特許位置は正しい。中点がX線センサの垂直中心線上に位置しない場合、特許位置は補正される必要があり、フィードバック信号は、患者位置の補正が必要であることを示すように構成される。言い換えれば、分析ユニットは、レーザ線の検出される(変更される)方向の隣の直線水平レーザ線の左端に対応する左端点を検出するように構成され得る。分析ユニットは、レーザ線の検出される(変更される)方向の始まり/終わりの右側の隣の直線水平レーザ線の右端に対応する右端点を検出するように構成されてもよい。患者の左端点(L)はレーザ線の方向の水平部分が終わり、ギャップが始まるレーザ線の方向の左側点に対応し得る。反対に、患者の右端点(R)はレーザ線の方向の水平部分が始まり、ギャップが終わる(左から右に見て)、レーザ線の方向上の右側点に対応する。X線センサの垂直中心線の空間座標は、分析ユニットに記憶されてもよい。代替的に、空間座標は、外部データ記憶装置から光学装置によって受信されてもよい。
図6及び
図7では、患者位置の詳細な修正を説明することができる。
【0035】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は分析ユニットによってレーザ線の途中のギャップを検出するステップをさらに含むことができ、このギャップは、患者の存在によって生成される。本方法は線検出アルゴリズムを使用して患者の左端点(L)を検出することをさらに含むことができ、左端点(L)はレーザ線の水平部分が終了するレーザ線の方向上の左点に対応し、線検出アルゴリズムを使用して患者の右端点(R)を検出し、右端点(R)は、レーザ線の水平部分が終了するレーザ線の方向上の右点に対応する。さらに、本方法は、X線センサの垂直中心線の空間座標を光学装置に記憶することと、左端点(L)と右端点(R)との間の中間点を計算することと、中間点がX線センサの垂直中心線上に位置するかを計算することとを含むことができる。上述の検出及び計算ステップは、分析ユニットによって実行されてもよい。
【0036】
本発明の例示的な実施形態によれば、生成されるフィードバック信号は、分析ユニットによって計算されるX線センサの垂直中心線に対する中点の間の差に基づいて、決定される患者位置を制御するように構成される制御信号として具現化される。
【0037】
患者位置及び/又は回転の制御は、制御信号がX線システム及び/又は患者位置決めシステムによって受信されるときに開始されてもよい。例えば、X線センサの中点と中心線との間に差が存在する場合、患者位置を補正する必要があり得る。例えば、差異の符号は、患者が左又は右に移動しなければならないかを示し得、患者が左に移動する必要があり得る正の符号と、患者が右に移動する必要があり得る負の符号手段とがある。差の大きさは、患者がどれくらい動く必要があるか、又は動かされる必要があるかを示し得る。したがって、生成されるフィードバック信号は差の符号及び差の大きさに基づいて制御するように構成され得、及び/又は生成されるフィードバック信号は少なくとも、差の符号及び/又は差の大きさを示すように構成され得る。逆に、差異が存在しない場合、患者位置の修正は必要ない。したがって、フィードバック信号(制御信号として具体化される)はまず、補正が必要であるかを示し得、この補正は光学的、触覚的、音響的フィードバック信号によって患者及び/又は職員に示され得る。第2に、フィードバック信号は患者位置を制御するために使用されてもよく(誤って検出される場合)、位置はX線システム自体によって、及び/又は患者位置決めシステムによって制御されるか、又は位置が正しくなるまで、自動化される音声コマンドによって左又は右に移動するように患者が求められる。
【0038】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、制御信号として具現化されるフィードバック信号を生成することと、分析ユニットによって計算されるX線センサの中間点と垂直中心線との間の差に基づいて、決定される患者位置を制御することとをさらに含むことができる。特に、本方法は、差の符号及び/又は差の大きさに基づいて、決定される患者位置を制御することを含む。
【0039】
本発明の例示的な実施形態によれば、分析ユニットは線検出アルゴリズムを使用してレーザ線の途中のギャップを検出するように構成することができ、このギャップは、患者の形状に起因して形成される。さらに、分析ユニットは患者の左端位置及び患者の右端位置におけるレーザ線の方向のギャップの長さを決定するために、線検出アルゴリズムを使用して構成され得る。さらに、解析ユニットは患者の左端位置の決定される長さから、及び患者の右端位置の決定される長さから、患者回転を計算するように構成され得る。
【0040】
左端位置におけるギャップの長さが右端位置におけるギャップの長さと等しくない場合、患者回転は補正される必要があり得る。したがって、両方のギャップの長さが等しい場合、患者回転は正しく、患者の左右軸がX線センサの平面に平行であるように、正しい患者回転を定義することができる。患者の左右軸は患者の左側から患者の右側を通って延びる軸を表すと理解されるべきであり、この軸は水平に延び、患者の中心線に対して垂直に手段する。患者回転の決定の詳細な図を
図7に示す。
【0041】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、患者の形状に起因して形成されるギャップを線検出アルゴリズムを使用してレーザ線の途中で検出するステップをさらに含むことができる。ライン検出アルゴリズムを使用して、患者の左端位置及び患者の右端位置におけるレーザ線の方向のギャップの長さを決定し、決定される患者の左端位置の長さ及び決定される患者の右端位置の長さから、患者回転を計算する。これらのステップは、分析ユニットによって実行されてもよい。
【0042】
本発明の例示的な実施形態によれば、フィードバック信号は、患者の左端位置の長さと患者の右端位置の長さとの間のギャップ差に基づいて決定される患者回転を制御するように構成される制御信号として具現化される。
【0043】
例えば、ギャップ差が存在する場合、フィードバック信号(制御信号)は、患者回転を補正するためにX線システム及び/又は患者位置決めシステムを制御することができる。図において、患者回転の詳細な補正が記載される。
【0044】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、制御信号として具現化されるフィードバック信号を生成するステップと、生成されるフィードバック信号を使用して、患者の左端位置の長さと患者の右端位置の長さとの間のギャップ差に基づいて、決定される患者回転を制御するステップとをさらに含むことができる。
【0045】
本発明の例示的な実施形態によれば、分析ユニットは、患者の吸気状態を検出するように構成される。分析ユニットは患者位置の決定後、及び患者位置が所定の基準パラメータに対応するという決定後に、吸気状態を決定するように構成される。
【0046】
分析ユニットが吸入状態を決定し得る前に、患者位置及び/又は患者回転が正しいと決定され得る。吸気状態によっては、X線画像の品質に影響を及ぼすことがある。例えば、患者の胸部及び/又は背部の筋肉構造がX線画像、又は例えば完全に拡張した肺においてはっきりと見えるべきである場合、完全な吸気が好ましい。吸気状態は患者位置及び/又は患者回転が正しいと決定される後に決定されてもよく、その結果、吸気状態の決定は患者位置及び/又は患者回転による失敗によって影響され得ない。最適吸気点を検出するために、擬似肺容積時間プロファイリングを取得することができ、画像取得のための決定点は、肺容積、したがって吸気に基づくことができる。例えば、最適吸気点は、最大吸気であってもよい。図において、患者の吸入状態の詳細な修正が記載されている。例えば、
図5は、患者の吸気状態の決定を示す。
【0047】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、患者の吸気状態を検出するステップをさらに含むことができる。
【0048】
吸気状態を決定することは、患者位置の決定の後、及び患者位置が所定の基準パラメータに対応するという決定の後に実行され得る。決定ステップは、分析ユニットによって実行されてもよい。
【0049】
本発明の例示的な実施形態によれば、分析ユニットは、連続する時点における、レーザ線の検出される方向の下の軸方向断面の近似値の変化から導出される呼吸サイクルに基づいて、吸気状態を決定するように構成されてもよい。分析ユニットは、患者の呼気及び吸気のための軸方向断面を決定するように構成されてもよい。
【0050】
呼吸サイクルは最適なX線撮像点の決定が吸気状態から導出され得るように、ある期間にわたって決定され得る。呼吸サイクルは、ある期間にわたる患者の吸気方向及び呼気方向を含んでもよい。呼吸サイクルが決定されると、患者の吸気及び呼気に基づいて、患者の肺の擬似容積時間プロファイルが導出され得る。
【0051】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線システムによってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法は、連続する時点で、レーザ線の検出される方向の下の軸方向断面の近似値の変化から導出される呼吸サイクルに基づいて吸気状態を決定するステップをさらに含むことができる。本方法は、患者の呼気及び吸気のための軸方向断面を決定するステップをさらに含んでもよい。方法ステップは、分析ユニットによって実行されてもよい。
【0052】
本発明の第2の態様によれば、X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するためのシステムが説明される。システムは、患者のX線画像を生成するためのX線装置を備える。X線装置は、X線源と、X線センサとを備える。さらに、システムは上述した実施形態の何れかによる光学装置を備え、システムは光学装置によって生成されるフィードバック信号に基づいて患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される。
【0053】
X線センサはX線源とX線センサとの間に患者がX線照射されるように配置され得るように、X線源に対向して配置され得る。X線センサとX線源との間の距離は、利用可能なX線装置のそれぞれの実施形態に依存し得る。特に、X線源は、X線源によって放出されるX線放射が患者に放射され、X線センサが患者の解剖学的構造によって変化した残差X線放射を検出することができるように配置される。
【0054】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御する方法はX線装置によって患者のX線画像を生成するステップを含むことができ、X線画像の生成は、X線源及びX線センサを使用してX線装置によって実行することができる。本方法は、上述の実施形態で説明した光学装置によって生成されるフィードバック信号に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を制御するステップをさらに含むことができる。
【0055】
本発明の例示的な実施形態によれば、光学装置は、X線源の側部に配置される。この構成では、XデバイスによってX線照射される患者が光学装置と共に、X線源の一方の側と他方の側との間に配置される。
【0056】
本発明の例示的な実施形態によれば、患者位置及び/又は患者回転は、X線画像のトリガの前に決定される。X線画像における故障を回避するために、したがって、高品質を有するX線画像を提供するために、患者位置及び/又は患者回転及び/又は患者の吸入は、X線画像がトリガされ得る前に決定され得る。X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御する方法は、X線画像のトリガー前に患者位置及び/又は患者回転を決定することを更に含むことができる。
【0057】
本発明の例示的な実施形態によれば、光学装置は患者の吸気状態を決定するように構成され、システムは光学装置によって実行される吸気状態検出の結果に基づいてX線撮像処理の開始をトリガするように構成される。特に、X線装置は、吸気状態検出の結果に基づいてX線撮像処理の開始をトリガするように構成されてもよい。上述の実施形態で説明したように、吸気状態は、連続する時点における、レーザ線の検出される方向の下の軸方向断面の近似値の変化から導出される呼吸サイクルに基づいて決定され得る。この呼吸サイクルは、X線撮像処理の開始をトリガするために使用され得る。
【0058】
X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御する方法は、光学装置によって実行される吸気状態検出の結果に基づいてX線撮像処理の開始をトリガすることを更に含むことができる。特に、吸気状態検出の結果に基づいてX線撮像処理の開始をトリガする。
【0059】
本発明の第3の態様によれば、X線装置でX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定する方法はレーザ源によって患者に水平方向のレーザ線を照射するステップと、検出器によって患者上のレーザ線の方向を検出するステップとを含み、検出器及びレーザ源は互いに垂直に離間している。本方法は、分析ユニットによるレーザ線の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定するステップと、決定される患者位置及び/又は患者回転が分析ユニットによる所定の基準パラメータに対応するかを検証するステップと、分析ユニットによる検証の結果に基づいてフィードバック信号を提供するステップとをさらに含む。X線システムのX線センサの垂直中心線の空間座標が記憶される。決定される患者位置及び/又は患者回転は、解析ユニットによって記憶される空間座標と比較される。X線センサの垂直中心線が基準パラメータである。
【0060】
水平方向のレーザ線は患者の体表面上に、特に胸部又は背部上に放射されてもよく、検出器は、患者の体表面上のレーザ線の方向を検出する。
【0061】
本発明の例示的な実施形態によれば、本方法は制御信号として構成されるフィードバック信号を使用して、患者位置及び/又は患者回転を制御するステップをさらに含み、制御信号は、制御信号の受信時に患者位置及び/又は患者回転を変更するための患者位置決めシステムによって受信される。
【0062】
制御は、制御信号(フィードバック信号)の生成を含んでもよく、患者位置決めシステムを制御することによって患者位置の変化を制御することを含んでもよい。逆に、制御は制御信号の生成のみを備えてもよく、患者位置決めシステムは制御信号を使用してもよい。
【0063】
本発明の別の態様によれば、X線装置でX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するためのプログラム要素が提示される。プログラム要素は本明細書に提示される光学装置のプロセッサによって実行されるとき、光学装置に、レーザ源によって患者上に水平方向のレーザ線を放射させ、検出器によって患者上のレーザ線の方向を検出させ、分析ユニットによるレーザ線の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定させ、決定される患者位置及び/又は患者回転が分析ユニットによる所定の基準パラメータに対応するかを検証させ、分析ユニットによる検証の結果に基づいてフィードバック信号を提供するように適合される。
【0064】
コンピュータプログラム要素はコンピュータプログラムの一部であってもよいが、それ自体でプログラム全体であってもよい。例えば、コンピュータプログラム要素は、本発明に到達するために既存のコンピュータプログラムを更新するために使用されてもよい。
【0065】
プログラム要素は、コンピュータ可読媒体に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は例えば、USBスティック、CD、DVD、データ記憶装置、ハードディスク、又は上記のようなプログラム要素が記憶され得る任意の他の媒体などの記憶媒体と見なされ得る。
【0066】
本発明の上記態様及びさらなる態様は以下に記載される実施形態の例から明らかであり、実施形態の例を参照して説明される。以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による光学装置及びX線システムを示す。
【
図2】本発明の例示的な実施形態で使用される水平方向のレーザ線を示す。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による吸気状態の決定を示す。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。
【
図7】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。
【
図8】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法のフロー図を示す。
【
図9】本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、X線システム(106)によってX線照射される患者(105)の患者位置及び/又は患者回転を決定するためのX線システム(106)のための光学装置(100)を示す。
図1から分かるように、光学装置(100)は、レーザ源(101)と、レーザ源(101)から垂直に離間される検出器(102)とを備える。言い換えると、検出器は、レーザ源の下の垂直方向に沿って配置される。したがって、検出器は、レーザ源と比較して別の、より低い垂直高さに配置される。レーザ源及び検出器の位置は検出器がレーザ源の上方の垂直方向に沿って配置され得るように、交換可能であり得る。
図1から分かるように、レーザ源(101)及び検出器(102)の垂直配置は水平面に対する垂直配置であり、及び/又は接地面に対して垂直であり、その配置では、光学装置(100)、好ましくはX線システムが使用され、適用される。特に、垂直配置は患者(105)の中心線に平行であり、この中心線は、患者(105)の頭部から足まで延在する。
【0069】
検出器(102)は、カメラ、CCDセンサ、又は患者上のレーザ線及び/又はレーザ線から放出される放射線を検出することができる任意の他の適切な光学システムであってもよい。レーザ源(101)は水平方向のレーザ線(107)を患者(105)上に放射するように構成され、検出器(102)は患者(105)上に放射されるレーザ線(107)の方向を検出するように構成される。当業者によって理解されるように、水平方向のレーザ線(107)は放射されるとき、水平方向の面に並列及び/又は接地面に並列3D空間内に延在し、その場所で、好ましくはX線システムを有する光学装置(100)が使用され、適用される。分析ユニット(109)は、レーザ線(107)の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定するように構成される(105)。さらに、分析ユニット(109)は決定される患者位置及び/又は患者回転(105)が所定の基準パラメータに対応するかを検証するように構成され、分析ユニット(109)は検証の結果に基づいてフィードバック信号を生成するように構成される。レーザ源(101)はレーザ線(107)を放射方向に沿って放射するように配置され、放射方向はレーザ源(101)から患者(105)まで仮想線に沿って延びる。
図1に見られるように、レーザ線(107)の放射方向は、可視レーザビーム(107)として示されている。検出器(102)は検出方向(108)に沿ってレーザ線(107)の方向を検出するように配置され、検出方向(108)は検出器(102)から患者(105)までの仮想線に沿って延在する。
図1では、検出方向(108)が患者(105)上のレーザ線(107)を検出するための検出器の可視領域を示す2つの線(108)として示されている。レーザ源(102)の放射方向及び検出器(102)の検出方向(108)は、40乃至45度の範囲の角度(α)を形成する。分析ユニット(109)はフィードバック信号を生成することができ、フィードバック信号はX線システム又は患者位置決めシステムによって受信されるときに、患者位置及び/又は患者回転を制御するように構成される制御信号として具現化される。
図1に見られるように、検出器(102)は、レーザ源(101)の下方に配置され、他の方法で配置することも可能である。さらに、X線装置によってX線照射される患者(105)の患者位置及び/又は患者回転を制御するためのシステム(106)が示されている。システムは、X線源(104)及びX線センサ(103)を含む、患者のX線画像を生成するためのX線装置を含む。システム(106)は上述の光学装置(100)をさらに備え、システム(106)は光学装置(100)によって生成されるフィードバック信号に基づいて患者位置及び/又は患者回転(105)を制御するように構成される。光学装置(100)の検出器(102)はX線源(104)の下方に配置されてもよく、光学装置(100)のレーザ源(101)はX線源(104)の上方に配置されてもよく、又はその逆であってもよい。分析ユニット(109)は、X線システムの一部であってもよい。
図1に見られるように、患者(105)は、X線システムのX線センサ(103)の前に配置され、X線センサ(103)の前の患者(105)の位置及び/又は回転に応じて、生成されるX線画像に影響を及ぼすことができる。したがって、患者(105)は好ましくは非回転であり、X線センサ(105)の前に対称的に位置合わせされるべきである。
図1において、患者(105)はX線センサ(103)の中央に配置され、患者(105)の中心線はX線センサ(103)の中心線に平行であり、X線センサ(103)の中心線はX線センサの頂部から底部まで延在する。
【0070】
図2は、患者(105)に水平に放射されるレーザ線(207)を示す。患者(105)はX線センサ(103)の前に配置され、光学装置(100)は患者(105)上にレーザ線(207)を放出する。レーザ線(207)の方向は、患者(105)の形状に起因して変化する。
図2に見られるように、連続レーザ線(207―1)の経過は破線(207―2)の経過とは異なり、これらの2つのレーザ線(207―1、207―2)間の経過の差は、患者位置及び/又は患者回転及び/又は患者の吸入状態に基づき得る。特に、連続レーザ線(207―1)と変化したレーザ線(207―2)との間の差は、患者の存在によって引き起こされる。両方のレーザ線(207―1、207―2)は水平に延在するレーザ源の放出レーザ線であってもよく、
図2に見られるように、レーザ線(207―1、207―2)は、患者の右側及び左側の直線レーザ線(207―1、207―2)である。レーザ線(207―1、207―2)の方向は患者が存在しないときには曲がらず、したがって、方向レーザ線(207―1、207―2)はX線センサ(103)(患者の背中)上に部分的に放出され得る。反対に、患者が存在する場合、レーザ線(207―1、207―2)は曲がり、
図2に見ることができ、患者が存在する場合、両方のレーザ線(207―1、207―2)は曲がる。
【0071】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。特に、
図3はX線システムのX線センサの垂直中心線(310)の記憶される空間座標を光学配置で示し、分析ユニットは、決定される患者位置及び/又は患者回転を記憶される空間座標と比較するように構成され、X線センサの垂直中心線(310)は基準パラメータである。
【0072】
また、X線センサの左上端点(LU)の光学装置空間座標には、X線センサの左下端点(LL)、X線センサの右上端点(RU)、X線センサの右下端点(RL)が格納されている。分析ユニットは左上端点(LU)と左下端点(LL)との間の垂直方向左線を計算するように構成され、垂直方向左線は患者の存在によって曲げられる。分析ユニットは上側の端点(RU)と右下端点(RL)との間の垂直方向右線を計算するように構成され、垂直方向右線は患者の存在によって曲げられる。さらに、分析ユニットはレーザ線(307―2)の検出される方向と計算される垂直方向左線との間の第1の交点(P1)を計算し、レーザ線(307―2)の検出される方向と計算される垂直方向右線との間の第2の交点(P2)を計算するように構成される。患者(105)がX線センサ(103)の前に立っている場合、レーザ線(307)は患者の胸部及び/又は背中に配置される。光学装置は患者上のレーザ線(307)の方向を分析し、患者位置及び/又は患者回転を決定し、これがX線センサ(103)の中心線(310)であり得る基準パラメータに従うかを決定し得る。レーザ線(307―2)は、患者の胸部に配置されるときのレーザ線を表す。最初に、2本の垂直な左右の線が、上部と下部に固定される。
図3では、患者の存在により、垂直方向左線及び垂直方向右線が屈曲している。このようにして、垂直左右の線は、患者のプロファイルを収容する。交点(P1、P2)は、患者のプロファイルの終点であってもよく、それぞれ、垂直方向左線及び垂直方向右線の新しい軌跡とみなされる。特に、光学装置(100)は、レーザ線(307―2)の方向が検出され、分析されるとき(光学装置、好ましくは分析ユニットによって)、交点(P1及びP2)を計算するように構成され得る。レーザ線(307―2)の方向は左右に分析することができ、水平方向のレーザ線(307)のうち、患者の存在に起因して曲げられる部分は、曲げレーザ線(307―2)の2つの極値をP1及びP2と見なすことができる。特に、患者位置はP1及びP2のシフトによって決定されてもよく、患者回転はP1及びP2で形成される角度によって決定される。交点P1及びP2がX線センサの中心線から対称的に離間していない場合、患者位置は正しくない。レーザ線(307―1)は、X線センサ(103)の前に患者が存在しない場合の水平方向のレーザ線(307―1)を示す。
【0073】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、患者位置及び/又は患者回転の決定を示す。特に、
図4は、左上端点(LU)から計算される第1の交点(P1)までの線分と、計算される第1の交点(P1)から左下端点(LL)までの線分との間の左角度(θ2)の計算を示す。さらに、右上端点(RU)から計算される第2の交点(P2)までの線分と、計算される第2の交点(P2)から右下端点(RL)までの線分との間の直角(θ1)の計算が示されている。分析ユニット(109)は、左角度(θ2)と右角度(θ1)とが等しいかを決定するように構成される。左角度(θ2)及び右角度(θ1)は、その後、線分間で決定される。患者位置がX線センサ(103)の中心線(310)と対称的に位置合わせされる場合、曲線によって形成される角度は等しいはずである。この状態が満たさない場合、フィードバック信号は、患者(105)、患者位置決めシステム、及び/又は患者位置を修正するためのユーザ(医療スタッフ)に与えられる。線分及び左角度(θ2)及び右角度(θ1)の幾何学的な決定及び計算は、六角形の側及び角度によって表すことができる。患者(105)の回転の場合、左角度(θ2)が右角度(θ1)よりも大きいか、又は左角度(θ2)が右角度(θ1)よりも小さいかの何れかであり、この角度の不等式から、回転誤差が決定され得る。例えば、角度(θ1)、(θ2)が等しくない場合、患者は回転される。
【0074】
図5は患者(105)の吸気状態の検出を示し、分析ユニット(109)は患者位置の決定後、及び患者位置が所定の基準パラメータに対応するという決定後に、吸気状態を決定するように構成される。分析ユニット(109)は、連続する時点(t1、t2)におけるレーザ線(307)の検出される方向の下の軸方向断面積(At1、At2)の近似の変化から導出される呼吸サイクルに基づいて、吸気状態を決定するように構成される。さらに、分析ユニットは、患者の呼気及び吸気のための軸断面積(At1、At2)を決定するように構成される。軸方向断面(At1、At2)は、レーザ線(307―1)の変化しない経過と、患者(105)の存在によって変化する変化したレーザ線(307―2)の経過との間で決定される。決定される軸方向断面(At1)は時間t1における患者の呼気に対応し得、決定される軸方向断面(At2)は時間t2における患者の吸気に対応し得る。
図5から分かるように、吸気の軸方向断面の近似値(At2)は、呼気の軸方向断面の近似値(At1)よりも大きくてもよい。患者の呼吸サイクルは、連続的な時間サンプリングにおける軸方向断面(At1、At2)の近似の変化と、それぞれの軸方向断面の重心の変位とを使用して導出され得る。軸断面積の決定は、
を用いて計算することができる。
【0075】
この式において、変数は以下の通りであり得、x0は第1の値であり得、nは項の数であり得、jは増分変数であり得、xはデータ点であり得、hはxの最大値であり得る。導出される呼吸サイクル及び決定される軸方向断面は、光学装置の一部であってもよいスクリーン及び/又はディスプレイ上に表示されてもよい。吸気及び呼気をシミュレートする患者の肺のデジタルツインも、より良く視覚的経験のためにスクリーン上に提示され得る。
【0076】
図6はレーザ線(607)の過程におけるギャップ(613、614)の検出を示しており、このギャップ(613、614)は、患者の存在に起因して生成される。分析ユニット(109)は線検出アルゴリズムを使用して患者の左端点(L)を検出するように構成され、左端点(L)はレーザ線(607―1)の水平部分が終了するレーザ線(607)の方向上の左端点に対応する。さらに、分析ユニット(109)は線検出アルゴリズムを使用して患者の右端点(R)を検出するように構成され、右端点(R)はレーザ線(607―1)の水平部分が終了するレーザ線(607)の方向上の右点に対応する。光学装置では、X線センサ(103)の垂直中心線(310)の空間座標が記憶される。
図6において、X線センサの中心線(310)は、(x0)座標によって示されている。分析ユニット(109)は左端点(L)と右端点(R)との間の中間点(M)を計算するように構成され、分析ユニット(109)は中間点(M)がX線センサの垂直中心線(310)上に位置するかを計算するように構成される。ギャップ(613、614)は、患者によって、患者の左右のエッジのレーザ線(607)に導入されてもよい。
図6では、患者は矩形ボックスとして簡略化されている。線検出アルゴリズムを使用して、レーザ線に追従し、レーザ線(607)内のギャップ(613、614)を検出することができる。このアルゴリズムは、リアルタイムで実行することができる。アルゴリズムは、水平方向のレーザ線(607―1)が終了する点(L)及び(R)を見つけることによって、患者の左端及び右端を決定するために使用される。点(L)及び(R)は、ギャップ(613、614)の直前の水平方向のレーザ線(607―1)の端部として見つけられる。中間点(M)が計算されてもよく、中間点(M)がx = x0に位置しない場合、患者はX線センサ(103)の垂直中心線(310)から中心を外れて、例えば、左又は右に立ち、患者位置の補正が必要であり得る。患者位置は中心に置かれるために、中間点(M)のxオフセット(Δs)だけ補正されてもよい。ギャップ(613、614)の間に、患者の存在によって変化したレーザ線(607―2)の変化した経過が形成され得る。
【0077】
図7は線検出アルゴリズムを用いたレーザ線(607)の過程におけるギャップ(613、614)の検出を示し、このギャップ(613、614)は、患者の形状に起因して形成される。分析ユニット(109)は、線検出アルゴリズムを使用して、患者の左端位置及び患者の右端位置におけるレーザ線(607)の方向のギャップ(614)の長さを決定するように構成され、分析ユニット(109)は決定される患者の左端位置の長さ及び決定される患者の右端位置の長さから、患者回転を計算するように構成される。例えば、患者位置が正しい場合、患者回転は、依然として補正される必要があり得る。依然として回転している患者は、患者の左端及び右端に異なる長さのギャップを導入することができる。患者の左端及び右端は、
図6で説明されるような特徴を使用して決定され、次いで、線検出アルゴリズムを使用してギャップ(613、614)の長さを決定することができる。ギャップ(613、614)の長さはリアルタイム画像処理で検出することができ、フィードバック信号は患者及び/又は患者位置システム、及び/又は患者回転の補正を実行するためのユーザに提供することができる。例えば、ギャップ(614)がギャップ(613)よりも大きいかが決定され、これは、
で表すことができる。
【0078】
さらに、ギャップ(614)がギャップ(613)よりも小さいかを決定することができ、これは、
で表すことができる。
【0079】
式中、mは所定の固定誤差マージンm、例えば、m=1cmであってもよい。ギャップ(614)がギャップ(613)よりも大きい場合、フィードバック信号はギャップ(614)がギャップ(613)よりも大きい限り、患者(及び/又はユーザ)に右に曲がる(左のギャップを狭めるため)ことを示し得、この設定では患者がX線センサの背中に立ち、患者の右側は決定される左端点(L)の隣に配置され得る。ギャップ(614)がギャップ(613)よりも小さい場合、フィードバック信号はギャップ(614)がギャップ(613)よりも小さい限り、(右ギャップを狭めるために)左に曲がることを患者に示し得る。そうでなければ、患者は静止しているべきであり、フィードバック信号は、患者、患者位置決めシステム、及び/又はユーザに補正信号を提供しなくてもよい。
【0080】
図8は本発明の例示的実施形態による、患者位置及び/又は患者回転を決定するための図を示し、決定は、自律的ワークフロー統合に統合され得る。自律的画像シナリオでは患者が自律的プロシージャについて訓練する必要があり得、それは患者の初期位置決め、エラー検出(患者位置、患者回転、及び患者の吸入状態)、及び分析ユニット(109)によるフィードバック信号を介した補正を含む。
図8は、患者のトレーニング、自動エラー検出(患者位置、患者回転、及び患者の吸入状態)、及びX線画像のトリガがどのようにX線取得ワークフローに組み込まれ得るかを示す。ステップ(S100)において、患者はX線画像検査室に入る。ステップ(S200)において、患者は、身体状態に基づいて自律画像について評価される。例えば、患者が自律的画像に十分適合しているかを評価するために、一連の患者評価基準に従う必要があり得る。第1の患者評価基準は、応答時間であってもよく、ここで、患者が規定される妥当な時間、例えば、5秒で、指示に成功裏に応答できるかがチェックされる。第2の患者決定基準は再試行であってもよく、これは、訓練中に転帰が失敗した場合、例えば、最大3回又は5回の試行を患者に指示しようとすることを手段する。第3の患者評価基準は患者の障害であり得、これらの障害は認知障害、健康状態もしくは年齢による身体障害、又は他の障害として分類され得る。ステップ(S200)において、第3の患者評価基準が評価され得る。患者評価基準が満たされている場合、方法はステップ(S201)に進むことができ、満たされていない場合、方法はステップ(S800)に進む。ステップ(S201)において、患者が第3の評価基準を満たす場合、患者は、自律画像のために訓練され得る。ステップ(S202)において、患者は患者上に放射されるレーザ線に関する初期位置決めについて知らされ得、この情報は対話型ビデオによって、及び/又は医療スタッフによって提供され得る。ステップ(S203)において、患者は提供されるフィードバック信号について訓練され得、それは触覚、光学、及び/又は音声フィードバックであり得、ここで、患者は模擬ドライラン及び/又はビデオセッションを通して、患者位置、患者回転、及び/又は患者の吸入状態に関して、フィードバックベースの誤り訂正について訓練され得る。患者が全てのステップ(S201乃至S203)を正常に実行した場合は、ステップ(S300)に進む。ステップ(S300)において、患者応答が評価され、第1及び第2の患者評価基準を使用して、自律画像に対する適合性が決定される。これらの基準が満たされる場合、ステップ(S400)に進む。ステップ(S400)において、光学装置は上述の実施形態で説明したように、患者位置及び/又は患者回転を決定する。特に、ステップ(S400)において、上述の様々な実施形態に記載されるような患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法が実行される。ステップ(S400)の後、ステップ(S500)に進み、このステップ(S500)において、決定される患者位置及び/又は患者回転の補正が実行され得る。特に、ステップ(S500)において、X線装置によってX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を制御するためのシステムは補正する必要がある場合に、決定される患者位置及び/又は患者回転を制御及び/又は補正するために使用され得る。このステップが成功裏に進行した場合、ステップ(S600)が実行されてもよく、X線撮像のトリガが開始されてもよい。ステップ(S700)において、X線撮像の手順が完了され得、X線画像が生成され得、ステップ(S900)において、画像取得が完了される。患者がステップ(S200)及び/又はステップ(S300)において患者評価基準を満たさない場合、手動介入が必要であり得、方法はステップ(S800)に進み、ステップ(S400乃至S700)なしに画像取得を終了し得る。上述のステップは患者トレーニング装置を使用して実行されてもよく、この装置はX線システム及び/又はX線装置及び/又は光学装置の外部部分であってもよい。一方、患者トレーニング装置は、ソフトウェア又はデータ処理ユニットによってX線システム及び/又はX線装置及び/又は光学装置に含まれてもよいトレーニング手順であってもよい。
【0081】
図9は、X線装置を用いてX線照射される患者の患者位置及び/又は患者回転を決定するための方法ステップを示す。本方法は、(S0)X線装置のX線センサの前に患者を配置するステップと、(S1)レーザ源によって患者に水平方向のレーザ線を放射するステップと、(S2)検出器によって患者上のレーザ線の方向を検出するステップとを含む。検出器とレーザ源とは、互いに垂直方向に離間している。ステップ(S3)は、分析ユニットによるレーザ線の検出される方向の分析に基づいて、患者位置及び/又は患者回転を決定することを含む。ステップ(S4)は、決定される患者位置及び/又は患者回転が分析ユニットによって所定の基準パラメータに対応するかを検証することを含む。ステップ(S5)において、分析ユニットによる検証の結果に基づいてフィードバック信号が提供される。フィードバック信号が、決定される患者位置及び/又は患者回転が基準パラメータに従わないことを示す場合、ステップ(S0)に戻されてもよく、X線センサの前の患者の再配置が必要であってもよい。ステップ(S4)では、ステップ(S1)及び/又はステップ(S2)に戻って、患者にレーザ線を再送し、及び/又は患者のレーザ線の方向を再検出することができる。この方法ステップは、
図8の方法ステップ(S400)において実行されてもよい。本方法は制御信号として構成されるフィードバック信号を使用して、患者位置及び/又は患者回転を制御するためのさらなるステップ(S6)を含むことができ、制御信号は、制御信号の受信時に患者位置及び/又は患者回転を変更するための患者位置決めシステムによって受信される。ステップ(S6)が患者位置及び/又は回転を制御するために使用され得るとき、それは、患者位置及び/又は回転の決定が正しくなかったとき、患者を再配置するためのステップ(S0)を用いて再開され得る。
図8及び
図9に記載の方法はまた、患者の吸入状態の決定を含んでもよい。
【0082】
本発明は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は例示的又は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は開示される実施形態に限定されない。
【0083】
開示される実施形態に対する他の変形は図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0084】
100 光学装置
101 レーザ源
102 検出器
103 X線センサ
104 X線源
105, 605 患者
106 X線システム
107 レーザ線
108 検出方向
109 分析ユニット
α 角度
207―1 レーザ線
207―2 レーザ線
310 X線センサの中心線
307―1 水平方向のレーザ線
307―2 レーザ線
607―1 水平方向のレーザ線
607―2 レーザ線
611 患者左端
612 患者の適切なポイント
613, 614 ギャップ
P1, P2 交点
RU 右上端点
RL 右下端点
LU 左上端点
LL 左下端点
L 左端点
R 適切なエンドポイント
θ1, θ2 角度
x0 X線センサの中心線
M 中点
Δs オフセット