IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特許7387099MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理
<>
  • 特許-MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理 図1
  • 特許-MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理 図2
  • 特許-MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理 図3
  • 特許-MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理 図4A
  • 特許-MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理 図4B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231120BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022579695
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 IB2021055766
(87)【国際公開番号】W WO2022003535
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】16/916,043
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村尾 貞佳
(72)【発明者】
【氏名】スリバヴィ マドヴェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ピンギリ シュリニヴァーサ
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/064545(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/038546(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/083822(WO,A1)
【文献】特表2020-519091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブローカノード装置を備えたシステムであって、前記ブローカノード装置は、
第1のモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークの第1の複数のノードに関連する動作情報を収集し、
前記収集された動作情報に基づいて、前記第1の複数のノードのうちの、MaaSモビリティサービスに含まれる一連の旅行プランのうちの第1の旅行プランに関連するチケットトランザクションを処理する1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定し、
前記決定された運用トラブルに基づいて、メッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択し、
前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、前記第1の複数のノードのうちの第1のノードから前記第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取り、
前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、前記受け取ったトランザクションメッセージを前記第1の複数のノードの第2のノードに転送する、
ように構成され、前記第1のノード及び前記第2のノードは、前記1又は2以上のノードとは異なる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ブローカノード装置は、前記第1のMaaSネットワークに属する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両に関連する交通情報を収集するようにさらに構成され、前記収集される交通情報は、交通渋滞情報、交通事故情報、迂回路情報、又は平均未満の交通量情報を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブローカノード装置は、前記収集された交通情報にさらに基づいて、前記第1の複数のノードのうちの前記1又は2以上のノードに関連する前記運用トラブルを決定するように構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記収集される動作情報は、前記第1の複数のノードの各ノードのネットワーク接続状態及び装置動作状態を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記決定される運用トラブルは、
前記1又は2以上のノードに関連するネットワーク接続障害、
前記1又は2以上のノードの動作不良、
前記1又は2以上のノードにおけるアプリケーションエラー、
前記1又は2以上のノードのメッセージ処理能力の過負荷、又は、
計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず、或いは前記計画された旅行時刻に比べて乗車又は下車のための前記輸送車両の到着が遅れたことに起因して、前記1又は2以上のノードが前記チケットトランザクションを処理できないこと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のノード及び前記第2のノードは、前記第1のMaaSネットワークの前記1又は2以上のノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なる第1のモビリティプロバイダに関連する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ブローカノード装置は、
前記決定された運用トラブル、前記収集された動作情報、及び前記第1のMaaSネットワークに属する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両を含む情報を表示するように管理者装置を制御し、
前記表示された情報に基づいて前記メッセージルーティングポリシーの組に対応するユーザ選択可能オプションの組を表示するように前記管理者装置を制御し、
前記管理者装置を介して、前記ユーザ選択可能オプションの組のうちの第1のユーザ選択可能オプションの選択を含む管理者入力を受け取る、
ようにさらに構成され、前記第1のメッセージルーティングポリシーは、前記受け取られた管理者入力に基づいて選択される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ブローカノード装置は、
前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、前記1又は2以上のノードが運用トラブルを抱えた発行者ノードを含む旨の判定とに基づいて、前記第1のMaaSネットワークの前記第1の複数のノード又は前記第1のMaaSネットワークとは異なる第2のMaaSネットワークの第2の複数のノードから代替発行者ノードを前記第1のノードとして選択し、
前記選択された代替発行者ノードから前記第1の旅行プランに関連する前記トランザクションメッセージを受け取る、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記受け取られるトランザクションメッセージは、前記1又は2以上のノードによって処理される前記チケットトランザクションの代わりに手配される予定外の又は未購入のチケットトランザクションに対応する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記選択される代替発行者ノードは、前記運用トラブルを抱えた発行者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なる第1のモビリティプロバイダに関連する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記ブローカノード装置は、
前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、前記1又は2以上のノードが運用トラブルを抱えた加入者ノードを含む旨の判定とに基づいて、前記第1のMaaSネットワークの前記第1の複数のノード又は前記第1のMaaSネットワークとは異なる第2のMaaSネットワークの第2の複数のノードから代替加入者ノードを前記第2のノードとして選択し、
前記第1の旅行プランに関連する前記受け取られたトランザクションメッセージを前記選択された代替加入者ノードに転送する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記選択される代替加入者ノードは、前記運用トラブルを抱えた加入者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なる第1のモビリティプロバイダに関連する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ブローカノード装置は、
前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、前記1又は2以上のノードが運用トラブルを抱えた加入者ノード又は前記第1のMaaSネットワークに含まれる分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードを含む旨の判定とに基づいて、前記第1のMaaSネットワークの第1の複数のノード又は前記第1のMaaSネットワークとは異なる第2のMaaSネットワークの第2の複数のノードからバックアップノードを前記第2のノードとして選択し、
前記第1の旅行プランに関連する前記受け取られたトランザクションメッセージを前記選択されたバックアップノードに転送する、
ようにさらに構成され、前記選択されたバックアップノードは、前記転送されたトランザクションメッセージを一時的に記憶する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記運用トラブルを抱えた加入者ノード又は前記分散型台帳の前記運用トラブルを抱えたノードの回復を初期化し、
前記回復が完了した後に、前記記憶されたトランザクションメッセージを、前記運用トラブルを抱えた加入者ノード又は前記分散型台帳の前記運用トラブルを抱えたノードに再転送するように前記バックアップノードに命令する、
ように構成されたノード管理装置をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のメッセージルーティングポリシーは、
前記ブローカノード装置が第1のモビリティプロバイダに関連する発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを同じ第1のMaaSネットワーク内の前記第1のモビリティプロバイダとは異なる第2のモビリティプロバイダに関連する加入者ノードに転送する際に基づくイントラルーティングポリシー、
前記ブローカノード装置が前記第1のMaaSネットワークの発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを前記第1のMaaSネットワークとは異なる第2のMaaSネットワークの加入者ノードに転送する際に基づくインタールーティングポリシー、及び、
前記ブローカノード装置が第1の地理的地域における前記第1のMaaSネットワークの発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを前記第1の地理的地域とは異なる第2の地理的地域における前記第1のMaaSネットワーク又は前記第2のMaaSネットワークの加入者ノードに転送する際に基づくリージョンベースのルーティングポリシー、
のうちの1つとして選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
ブローカノード装置を備えたシステムにおいて、
前記ブローカノード装置が、第1のモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークの第1の複数のノードに関連する動作情報を収集するステップと、
前記ブローカノード装置が、前記収集された動作情報に基づいて、前記第1の複数のノードのうちの、MaaSモビリティサービスに含まれる一連の旅行プランのうちの第1の旅行プランに関連するチケットトランザクションを処理する1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定するステップと、
前記ブローカノード装置が、前記決定された運用トラブルに基づいて、メッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択するステップと、
前記ブローカノード装置が、前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、前記第1の複数のノードのうちの第1のノードから前記第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るステップと、
前記ブローカノード装置が、前記選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、前記受け取ったトランザクションメッセージを前記第1の複数のノードの第2のノードに転送するステップと、
を含み、前記第1のノード及び前記第2のノードは、前記1又は2以上のノードとは異なる、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ブローカノード装置が、前記第1のMaaSネットワークに属する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両に関連する交通情報を収集するステップ、
をさらに含み、前記収集される交通情報は、交通渋滞情報、交通事故情報、迂回路情報、又は平均未満の交通量情報を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の複数のノードのうちの前記1又は2以上のノードに関連する前記運用トラブルは、前記収集された交通情報にさらに基づいて決定される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記決定される運用トラブルは、
前記1又は2以上のノードに関連するネットワーク接続障害、
前記1又は2以上のノードの動作不良、
前記1又は2以上のノードにおけるアプリケーションエラー、
前記1又は2以上のノードのメッセージ処理能力の過負荷、又は、
計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず、或いは前記計画された旅行時刻に比べて乗車又は下車のための前記輸送車両の到着が遅れたことに起因して、前記1又は2以上のノードが前記チケットトランザクションを処理できないこと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のメッセージルーティングポリシーは、
前記ブローカノード装置が第1のモビリティプロバイダに関連する発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを同じ第1のMaaSネットワーク内の前記第1のモビリティプロバイダとは異なる第2のモビリティプロバイダに関連する加入者ノードに転送する際に基づくイントラルーティングポリシー、
前記ブローカノード装置が前記第1のMaaSネットワークの発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを前記第1のMaaSネットワークとは異なる第2のMaaSネットワークの加入者ノードに転送する際に基づくインタールーティングポリシー、及び、
前記ブローカノード装置が第1の地理的地域における前記第1のMaaSネットワークの発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを前記第1の地理的地域とは異なる第2の地理的地域における前記第1のMaaSネットワーク又は前記第2のMaaSネットワークの加入者ノードに転送する際に基づくリージョンベースのルーティングポリシー、
のうちの1つとして選択される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照/引用による組み入れ〕
なし。
【0002】
本開示の様々な実施形態は、モビリティアズアサービス(Mobility-as-a-Service:MaaS)及び分散型台帳技術に関連する。具体的には、本開示の様々な実施形態は、MaaSプラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のモビリティアズアサービス(MaaS)プラットフォームでは、クローズドプラットフォームに基づくことができるインフラを通じて複数のモビリティプロバイダがサービスを提供することができる。このような各モビリティプロバイダは、旅行の作成、支払い又は管理のために、個別のチケット処理インフラ(例えば、改札機(ticketing gates)及び販売時点情報管理(PoS)装置)又は個別のアプリケーション(例えば、チケット予約アプリケーション及び配車(ride hailing)アプリケーション)を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなMaaSプラットフォームでは、発券端末及びMaaSプラットフォームの他のノードの多くの運用問題が検出されないままであることによって、トランザクションの失敗及び結果として動作停止時間が生じることがある。このような運用問題を解決して従来のMaaSプラットフォームの機能の動作可能限界(operational bottlenecks)を防ぐには、必要よりもはるかに長い時間がかかる場合がある。
【0005】
当業者には、説明したシステムと、本出願の残り部分において図面を参照しながら示す本開示のいくつかの態様とを比較することにより、従来の慣習的な手法の限界及び不利点が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実質的に少なくとも1つの図に関連して図示及び/又は説明し、特許請求の範囲にさらに完全に示すような、モビリティアズアサービス(MaaS)プラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のためのシステム及び方法を提供する。
【0007】
全体を通じて同じ要素を同じ参照符号によって示す添付図面を参照しながら本開示の以下の詳細な説明を検討することにより、本開示のこれらの及びその他の特徴及び利点を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的なネットワーク環境の図である。
図2】本開示の実施形態による、複数接続されたモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークのノード上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的なネットワーク環境の図である。
図3】本開示の実施形態による、(単複の)モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のためのシステムのブロック図である。
図4A】本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的な方法のフローチャートを図4Bと共に示す図である。
図4B】本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的な方法のフローチャートを図4Aと共に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示するモビリティアズアサービス(MaaS)プラットフォーム上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のためのシステム及び方法では、後述する実装を見出すことができる。開示するシステムは、複数の同種又は異種モビリティプロバイダと、これらのモビリティプロバイダの改札機、アプリケーション及び/又は販売時点情報管理(PoS)装置などのインフラとがMaaSネットワーク上で動作して様々なモビリティサービスを提供することを容易にすることができる連合輸送管理システム(federated transportation management system)の一部とすることができる。各モビリティプロバイダは、セキュアなデータ所有権を享受し、分散型台帳を通じて関連するトランザクションデータの共同使用を制御することができる。これにより、様々なモビリティプロバイダ間の接続性を強化することができる。
【0010】
本開示の例示的な態様は、1又は2以上のMaaSネットワークに関連するブローカノード装置を含むことができるシステムを提供する。ブローカノード装置は、(ネットワーク接続状態及び装置動作状態などの)MaaSネットワークの複数のノードに関連する動作情報を収集し、収集された動作情報に基づいて、複数のノードのうちの1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定するように構成することができる。1又は2以上のノードは、MaaSモビリティサービスに含まれる一連の旅行プランのうちの1つの旅行プランに関連するチケットトランザクションを処理できるノードとすることができる。例えば、1又は2以上のノードは、MaaSネットワークの発行者ノード、MaaSネットワークの加入者ノード、又はMaaSネットワークの加入者ノードに関連する分散型台帳のノードを含むことができる。1又は2以上のノードの運用トラブルの例としては、以下に限定するわけではないが、ネットワーク接続障害、運用上の障害、アプリケーションエラー、メッセージ処理能力の過負荷、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因してチケットトランザクションを処理できないことを挙げることができる。
【0011】
ブローカノード装置は、決定された運用トラブルに基づいて、(状況ベースのルーティングポリシー又はトラブルベースのルーティングポリシーなどの)メッセージルーティングポリシーの組からメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ブローカノード装置は、選択されたメッセージルーティングポリシーに基づいて、MaaSネットワークの複数のノードのうちの第1のノードから旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。第1のノードは、MaaSネットワークの発行者ノードとすることができる。トランザクションメッセージの例としては、以下に限定するわけではないが、(モビリティサービスのチケットの作成又は発行に関する)create(作成)メッセージ、(ユーザのモビリティサービスを開始する)get-in(乗車)メッセージ、及び(ユーザの輸送サービスの完了時における)get-out(降車)メッセージを挙げることができる。
【0012】
ブローカノード装置は、選択されたメッセージルーティングポリシーに基づいて、受け取ったトランザクションメッセージをMaaSネットワークの複数のノードのうちの第2のノードに転送するように構成することができる。一例として、第2のノードは、加入者ノード、MaaSネットワークに関連する分散型台帳のノード、或いは加入者ノード及び/又は分散型台帳のノードが運用トラブルを抱えた場合のバックアップノードとすることができる。本明細書では、第1のノード及び第2のノードは、(運用トラブルを抱えていると判定できる)1又は2以上のノードとは異なることができる。
【0013】
ポリシーベースのトランザクションメッセージの転送は、MaaSネットワークを通じたトランザクションフロー(すなわち、トランザクションメッセージの送信)が、(発行者ノード、加入者ノード又は分散型台帳のノードのいずれであるかにかかわらず)MaaSネットワークのいずれかのノードの停止時間又はいずれかの運用問題によって影響を受けないことを確実にすることができる。これによってMaaSネットワークの稼働時間を改善し、MaaSネットワークによる正しいトランザクションの実行を確実にすることにより、MaaSネットワークの異なるノードの運用トラブルに起因する遅延又は性能問題をユーザが最小限しか体験しないようにすることができる。
【0014】
対照的に、従来のシステムには、MaaSネットワークのノードの作動時間をモニタしてMaaSネットワークのノードに関連する障害を識別する機能が欠けている場合がある。ノードに関連する障害は、以下に限定するわけではないが、MaaSネットワークのモビリティプロバイダの車両の交通事故、ノードの機能不全、ノード上の急激なトランザクション負荷などの様々な理由に起因することができる。従来のシステムが直面する様々な問題としては、交通渋滞又は交通事故による輸送車両の利用可能性の制限、及びモビリティプロバイダの施設又は情報技術(IT)インフラに関連する運用トラブルを挙げることができる。さらに、従来のシステムは相互接続性問題を有している場合があり、本開示によって提供されるようなチケット転送及びローミングチケットなどの機能をサポートしていないこともある。
【0015】
図1は、本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的なネットワーク環境の図である。図1にはネットワーク環境100のブロック図を示す。ネットワーク環境100は、パブリッシュ-サブスクライブパターンに関連することができる第1のMaaSネットワーク102を含むことができる。第1のMaaSネットワーク102は、クライアント層104、ブローカ層106及びサーバ層108などの層の形で構成できる第1の複数のノードを含むことができる。第1の複数のノードは、クライアント層104における複数の発行者ノード110と、ブローカ層106におけるブローカノード装置112と、サーバ層108における第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116N、複数のモビリティプロバイダ(MP)ノード118A、118B、...118N、及び複数のMaaSノード120A、120B、...120Nとを含むことができる。クライアント層104の複数の発行者ノード110は、ブローカノード装置112を通じて第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nと通信するように構成することができる。
【0016】
図1には単一のブローカノード装置112を示しているが、本開示の範囲はこのように限定しないこともできる。ある実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、ネットワーク環境100が複数のブローカノード装置112を含むこともできる。
【0017】
複数の発行者ノード110は、第1の発行者ノード110A、第2の発行者ノード110B、...及び第Nの発行者ノード110Nを含むことができる。第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nは、第1の加入者ノード116A、第2の加入者ノード116B、...及び第Nの加入者ノード116Nを含むことができる。ある実施形態では、複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々が、データ(例えば、トランザクションメッセージ)の通信のためにプラグインを通じてブローカノード装置112にインターフェイス接続することができる。第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々は、それぞれのMPノード及びそれぞれのMaaSノードに関連することができる。例えば、第1の加入者ノード116Aは、MPノード118A及びMaaSノード120Aの各々に関連することができる。さらに、第2の加入者ノード116Bは、MPノード118B及びMaaSノード120Bの各々に関連することができる。同様に、第Nの加入者ノード116Nは、MPノード118N及びMaaSノード120Nの各々に関連することができる。
【0018】
ネットワーク環境100は、第1のMaaSネットワーク102の管理者124によって操作できる管理者装置122をさらに含むことができる。ネットワーク環境100には、第1のMaaSネットワーク102の異なるモビリティプロバイダからのモビリティサービスを利用するために複数の発行者ノード110と相互作用できるユーザ126をさらに示す。
【0019】
第1のMaaSネットワーク102は、クライアント層104、ブローカ層106及びサーバ層108において動作するように構成できる第1の複数のノードなどのノードのネットワークを含むことができる。第1のMaaSネットワーク102は、複数のモビリティプロバイダに関連するMaaSモビリティサービスのトランザクションを処理することができる。このようなモビリティプロバイダの各々は、第1のMaaSネットワーク102のクライアント層104及びサーバ層108の各々における一群のノードを所有し、リースし、又は管理することができる。例えば、第1の発行者ノード110A、第1の加入者ノード116A及びMPノード118Aは、第1のモビリティプロバイダに関連することができる。第2の発行者ノード110B、第2の加入者ノード116B及びMPノード118Bは、第1のモビリティプロバイダとは異なることができる第2のモビリティプロバイダに関連することができる。
【0020】
MaaSモビリティサービスは、(複数のタクシー乗車プロバイダ会社又は複数の鉄道会社などの)同種モビリティプロバイダ又は異種モビリティプロバイダによって、同種の一群の装置、アプリケーション又は改札機、或いは異種の一群の改札機、アプリケーション及び販売時点情報管理(PoS)装置を通じて提供することができる。MaaSモビリティサービスは、1又は2以上の同種又は異種モビリティプロバイダの個々のサービス提供の組み合わせとすることができる。MaaSモビリティサービスは、例えば列車サービス、バスサービス、タクシー/キャブサービス、地下鉄サービス、飛行機サービス、海運サービス、配車(ride hailing)サービス、カーシェアリングサービス、相乗り(carpool)サービス、レンタカーサービス、自転車シェアリングサービス、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0021】
複数の発行者ノード110A、110B、...110Nの各々は、それぞれのモビリティプロバイダのモビリティサービスのためのチケット処理クライアントとして動作するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、第1の発行者ノード110A、第2の発行者ノード110B、...及び第Nの発行者ノード110Nの各々は、チケット処理クライアントとして、チケットの読み取り、発行、リチャージ又はキャンセルを行ってそれぞれのモビリティサービスに関連するイベントを作成することができる。このようなイベントに基づいて、ブローカノード装置112を通じて第1のMaaSネットワーク102又はその他のMaaSネットワークの1又は2以上の加入者ノードにトランザクションメッセージを伝えることができる。発行者ノードの例としては、以下に限定するわけではないが、旅行計画又は予約アプリケーションを有する消費者電子装置、改札機上のチケットリーダ、発券キオスク、販売時点情報管理(PoS)装置、モバイルPOS、チケット販売機、チケットを読み取って乗車を開始又は終了することができる輸送車両のスマートドアを挙げることができる。
【0022】
ブローカノード装置112は、(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードから加入者ノード又は第1のMaaSネットワーク102のバックアップ(又は一時的)ノード(例えば、バックアップノード114)などの好適なノードにトランザクションメッセージを転送するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。ブローカノード装置112は、トラブルベースのルーティングポリシー又は状況ベースのルーティングポリシーとすることができるメッセージルーティングポリシーに基づいてトランザクションメッセージを転送することができる。ブローカノード装置112は、発行者-加入者ノード間、異なるMP-MPノード間、及び異なるMaaS-MaaSノード間の関係を確立できるルーティング情報を維持することができる。ブローカノード装置112の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、アプリケーションサーバ、クラウドサーバ、メインフレームサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、又はその他のタイプのサーバを挙げることができる。
【0023】
ブローカノード装置112は、以下に限定するわけではないが、メッセージキューイングテレメトリトランスポート(MQTT)ベースのメッセージングプロトコル、アドバンストメッセージキューイングプロトコル(AMQP)ベースのメッセージングプロトコル、又はメッセージ指向ミドルウェア(MOM)ベースのメッセージングフレームワークなどの好適なパブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを通じて複数の発行者ノード110A、110B、...110N及び第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々と通信するように構成することができる。
【0024】
バックアップノード114は、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた加入者ノード又はMPノードに関連するトランザクションメッセージをバックアップ又は一時的に記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。バックアップノード114は、運用トラブルを抱えた加入者ノード又はMPノードに代わって発行者ノードからブローカノード装置112を介してトランザクションメッセージを受け取り、運用トラブルを抱えた加入者ノード又はMPノードが機能するまでこのような受け取ったトランザクションメッセージを一時的に記憶するように構成することができる。運用トラブルを抱えた加入者ノード又はMPノードが機能するようになると、バックアップノード114は、一時的に記憶されたトランザクションメッセージをこのような加入者ノード又はMPノードに転送することができる。バックアップノード114の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、データベースサーバ、ウェブサーバ、エッジ装置、エッジノード、クラウドサーバ、クラウドベースサーバのクラスタ、ワークステーション、或いはフォグ又はクラウドコンピューティング能力を有するいずれかのコンピュータ装置を挙げることができる。
【0025】
第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々は、複数の発行者ノード110A、110B、...110Nのうちの1つ又は2つ以上からブローカノード装置112を通じてトランザクションメッセージを受け取るように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。ある実施形態では、複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々が、データ(例えば、トランザクションメッセージ)の通信のためにプラグインを通じてブローカノード装置112にインターフェイス接続することができる。各トランザクションメッセージは、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの1又は2以上の加入者ノードが購読できるトピックを含むことができる。加入者ノード装置の実装例としては、以下に限定するわけではないが、ウェブサーバ、エッジ装置、エッジノード、クラウドサーバ、クラウドベースサーバのクラスタ、ワークステーション、或いはフォグ又はクラウドコンピューティング能力を有するいずれかのコンピュータ装置を挙げることができる。
【0026】
MPノード118A、118B、...118Nの各々は、それぞれのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、MPノード118Aは、第1のモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶することができる。トランザクションデータは、ユーザの旅行の記録を含むことができる。各旅行は、旅の少なくとも1つの行程において第1のモビリティプロバイダが提供できるモビリティサービスに対応することができる。MPノード118A、118B、...118Nの各々は、第1のMaaSネットワーク102の様々なモビリティプロバイダのトランザクションデータを記憶できる分散型台帳118のノードと呼ぶことができる。
【0027】
MaaSノード120A、120B、...120Nの各々は、第1のMaaSネットワーク102の全てのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。モビリティプロバイダの各々に関連するトランザクションデータの記憶は、ユーザにモビリティサービスを提供するモビリティプロバイダ間で旅行のトランザクションを決済するために使用することができる。MaaSノード120A、120B、...120Nの各々は、第1のMaaSネットワーク102に関連するトランザクションデータを記憶できる分散型台帳120のノードに対応することができる。
【0028】
ある実施形態では、分散型台帳118及び/又は分散型台帳120の各々の少なくとも2つのノードが、MaaSモビリティサービスに関連するトランザクションデータを記憶することができる。MaaSモビリティサービスに関連するトランザクションデータは、初期状態オブジェクト及び初期状態オブジェクトの更新バージョンなどの状態オブジェクトのセットに含めることができる。各状態オブジェクトは、スマートコントラクト、コントラクトコード(又はトランザクションの当事者が同意するトランザクションルール)、及び(発行者ノードからのトランザクションメッセージに基づいてトランザクションデータが更新された時に更新できる)状態特性(state properties)を含むことができる。
【0029】
少なくとも1つの実施形態では、分散型台帳118及び分散型台帳120の各々を、不変のデータ操作記録又はトランザクション記録を維持できる非集中的な分散型データベースシステムとすることができる。一連のデータ操作はブロックとしてグループ化できるとともに、以前のデータ操作ブロックにさらにリンクされてブロックのチェーンを形成することができる。全てのデータ操作ブロックは非集中方式で記憶することができ、これによって分散型台帳118及び分散型台帳120の少なくとも2つの参加者又はノードが、これらの参加者又はノードが参加できる1又は2以上のトランザクションに関連するブロックのサブセットを記憶することができる。さらに、分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、例えばモビリティプロバイダ及び第1のMaaSネットワーク102のMaaSプロバイダなどの複数の当事者間におけるスマートコントラクトの展開を可能にすることができるオペレーティングシステム(例えば、Java Virtual Machine(JVM))を含むことができる。
【0030】
限定ではなく一例として、分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、Cordaブロックチェーン、Ethereumブロックチェーン、又はHyperledgerブロックチェーンとすることができる。分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、それぞれの分散型台帳が追跡できる一連の不変の状態オブジェクトを記憶することができる。状態オブジェクトは、当事者間のスマートコントラクト、コントラクトコード(トランザクションのルール)、及び一定の状態値を有する状態特性を含むコンテンツなどのトランザクションデータを含むことができる。スマートコントラクトは、スマートコントラクトの複数の当事者が互いに相互作用することに合意できる一連の条件を含むことができる。スマートコントラクトは、それぞれの分散型台帳の1又は2以上のノード上で実行され、トランザクションを生成するための状態オブジェクト間の遷移を管理することができる。スマートコントラクトは、1回書くことができ、数多くの状態オブジェクトに再使用することができ、暗号ハッシュを通じて準拠法的散文(governing legal prose)を参照することができる。
【0031】
分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、セキュアな暗号ハッシュを使用して当事者及びデータを識別するとともに、状態オブジェクトを以前のバージョンの状態オブジェクトにリンクしてプロビナンスチェーン(chains of provenance)を提供することもできる。それぞれの分散型台帳には、関連する一群の当事者のみが閲覧できるように一群の当事者間のトランザクションを記憶することができる。トランザクションに関連する当事者は、そのトランザクションの現在の状態オブジェクトをボールト(vault)(すなわち、それぞれの分散型台帳に関連するデータベース)に記憶することができる。トランザクションを閲覧又は処理する(例えば、トランザクションの妥当性を確認する)資格がある別の当事者は、ボールトからトランザクションの現在の状態オブジェクトを検索することができる。また、それぞれの分散型台帳の各状態オブジェクトは、関連するトランザクションに参加できる当事者又はノード間のスマートコントラクトを含むことができる。
【0032】
分散型台帳118及び分散型台帳120の各々では、参加者又はノード(例えば、MPノード118A及び/又はMaaSノード120A)が入力状態オブジェクトの状態特性を更新して出力状態オブジェクトを生成することによって、トランザクションを更新することができる。この結果、更新済みトランザクションは、トランザクションデータに関連することができるプロビナンスチェーンを作成することができる。分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、更新済みトランザクションの妥当性の判定、及び更新済みトランザクションの一意性の判定に基づいて、更新済みトランザクションについて合意することができる。ある実施形態では、更新済みトランザクションに関連するノードの参加者が、トランザクションに関連するスマートコントラクト及び妥当性確認ロジックを個別に実行することによって更新済みトランザクションの妥当性を判定することができる。さらに、現在のトランザクションと同じ入力状態オブジェクトを使用して合意に達したトランザクションが他に存在しないとのチェックに基づいて、更新済みトランザクションの一意性を判定することができる。
【0033】
ある実施形態によれば、分散型台帳118及び分散型台帳120の各々は、クライアント側インターフェイス(フロントエンド)及びサーバ側インターフェイス(バックエンド)を含むことができる非集中型アプリケーションに関連することができる。非集中型アプリケーションは、(MPノード118A及び/又はMaaSノード120Aなどの)それぞれの分散型台帳のノード上にトランザクションを記録するワークフロー(例えば、Cordaフロー)を実装するように構成することができる。クライアント側インターフェイスは、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々においてホストされ、加入者ノードに関連するクライアントを詰め込むように構成することができる。例えば、非集中型アプリケーションのクライアント側インターフェイスは、各加入者ノード上に構成できる遠隔手続き呼出し(Remote Procedure Call:RPC)クライアントとすることができる。非集中型アプリケーションのサーバ側インターフェイスは、分散型台帳118及び分散型台帳120の各ノード上で動作することができる。
【0034】
ある実施形態では、MPノード118A及びMaaSノード120Aの各々を、第1の加入者ノード116Aを介してトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。MPノード118Aは、トランザクションメッセージに基づいて分散型台帳118及び分散型台帳120の各々に関連する初期状態オブジェクトを更新し、更新済み状態オブジェクトを出力することができる。MPノード118A及びMaaSノード120Aの各々は、初期トランザクションデータを有する初期状態オブジェクトと、更新済みトランザクションデータを有する更新状態オブジェクトとを含むことができるトランザクションを構築することができる。
【0035】
動作中、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードに関連する動作情報を収集することができる。収集される動作情報の例としては、以下に限定するわけではないが、第1の複数のノードの各ノードのネットワーク接続状態及び装置動作状態を挙げることができる。
【0036】
ある実施形態では、ブローカノード装置112が、第1のMaaSネットワーク102に属する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両(on-road fleet of transport vehicles)に関連する交通情報を収集することもできる。収集される交通情報は、例えば交通渋滞情報、交通事故情報、迂回路情報、及び平均未満の交通量に関連する情報などを含むことができる。例えば、ブローカノード装置112は、路上保有輸送車両の各車両に配置できるモノのインターネット(IoT)センサから交通情報を収集することができる。このようなセンサは、車両の位置、温度、付近の車両の数、及び現在車両内で移動中の可能性がある人々の数を決定することができる。いくつかの事例では、交通情報のためのデータアグリゲータのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して交通情報を収集することができる。
【0037】
ブローカノード装置112は、収集された動作情報に基づいて、第1の複数のノードのうちの1又は2以上のノード(以下、(単複の)運用トラブルを抱えたノードと呼ぶ)に関連する運用トラブルを決定することができる。運用トラブルの例としては、以下に限定するわけではないが、ネットワーク接続障害、運用上の障害、アプリケーションエラー、メッセージ処理能力の過負荷、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比較して乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因してチケットトランザクションを処理できないことを挙げることができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112が、収集された交通情報にさらに基づいて、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードに関連する運用トラブルを決定することができる。
【0038】
運用トラブルを抱えた(単複の)ノードに関連するトランザクションフローが影響を受けないことを確実にするには、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードの動作に決定的に依存するトランザクションを処理する好適なメッセージルーティングポリシーが必要となり得る。ブローカノード装置112は、メッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。このような選択は、決定された運用トラブルに基づくことができる。
【0039】
ある実施形態では、メッセージルーティングポリシーの組が、トラブルベースのルーティングポリシー及び状況ベースのルーティングポリシーを含むことができる。このようなポリシーの詳細については例えば図2に示す。このような場合、第1のメッセージルーティングは、トラブルベースのルーティングポリシー及び状況ベースのルーティングポリシーのうちの1つ又は2つ以上として選択することができる。選択された第1のメッセージルーティングポリシーは、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードに関連するトランザクションメッセージを処理するためにブローカノード装置112が選択して実行できるオプションを指定することができる。このような動作は、決定された第1のMaaSネットワーク102上の運用トラブルの影響をブローカノード装置112が緩和するように促すことができる。
【0040】
ある実施形態では、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードがクライアント層104に属するか、サーバ層108に属するか、それともクライアント層104及びサーバ層108の両方に属するかに基づいて第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。運用トラブルを抱えた(単複の)ノードがブローカノード装置112を含む場合には、第1のMaaSネットワークの動作全体が停止時間に見舞われる恐れがある。
【0041】
別の実施形態では、ブローカノード装置112が、限定するわけではないが、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードの決定された運用トラブルと収集された第1の複数のノードの動作情報とを含む情報を表示するように管理者装置122を制御することができる。表示される情報は、1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両に関連する交通情報を含むこともできる。その後、ブローカノード装置112は、表示された情報に基づいてユーザ選択可能オプションの組を表示するように管理者装置122を制御することができる。ユーザ選択可能オプションの組の各々は、メッセージルーティングポリシーの組のうちの1つに対応することができる。ブローカノード装置112は、管理者装置122を介して管理者124から管理者入力を受け取ることができる。管理者入力は、ユーザ選択可能オプションの組のうちの第1のユーザ選択可能オプションの選択を含むことができる。受け取られた管理者入力に基づいて、第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。
【0042】
ある実施形態では、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが、ユーザの第1の旅行プランのためのトランザクションメッセージをブローカノード装置112に発行できない運用トラブルを抱えた発行者ノードを含むかどうかを判定することができる。運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた発行者ノードを含まない場合、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードのうちの第1のノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。第1のノードは、第1の旅行プランのためのトランザクションメッセージをブローカノード装置112に発行するように構成できる(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードとすることができる。
【0043】
第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた発行者ノードを含む場合、ブローカノード装置112は、運用トラブルを抱えた発行者ノードの代わりとして第1のMaaSネットワーク102の代替発行者ノード(すなわち、第1のノード)を選択することができる。このような選択は、第1のメッセージルーティングポリシーに基づくことができる。代替発行者ノードは、(図2で説明するイントラルーティングポリシーの場合には)第1のMaaSネットワーク102、又は(例えばインタールーティングポリシーの場合には、図2に示すような)異なるMaaSネットワークに属することができる。例えば、第1の発行者ノード110Aに関連する運用トラブルが存在する場合には、第2の発行者ノード110Bを第1のノード(すなわち、代替発行者ノード)として選択することができる。選択後に、第2の発行者ノード110Bは、第1の旅行プランのためのトランザクションメッセージをブローカノード装置112に発行することができる。
【0044】
ある実施形態では、運用トラブルを抱えた(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードに関連するモビリティプロバイダと同じものとすることができるモビリティプロバイダの一群の発行者ノードから(第2の発行者ノード110Bなどの)代替発行者ノードを選択することができる。このような選択は、例えば駅のチケットリーダ(すなわち、発行者ノード)のうちの1つが故障しており、故障したチケットリーダの代用品が利用可能である場合に実行することができる。別の実施形態では、運用トラブルを抱えた発行者ノードのものとは異なることができる別のモビリティプロバイダの一群の発行者ノードから代替発行者ノードを選択することができる。このような選択は、例えば交通渋滞又は交通事故によって予定時刻に乗車できるモビリティプロバイダの輸送車両が存在しない場合、或いは駅の全ての発券端末が定期的又は非定期的なメンテナンス中である場合に実行することができる。
【0045】
代替発行者ノードは、(運用トラブルを抱えた発行者ノードに代わって)ユーザの第1の旅行プランのためのトランザクションメッセージを生成し、生成されたトランザクションメッセージをブローカノード装置112に送信することができる。トランザクションメッセージの例としては、以下に限定するわけではないが、(モビリティサービスのチケットの作成又は発行に関する)create(作成)メッセージ、(ユーザのモビリティサービスを開始する)get-in(乗車)メッセージ、及び(ユーザの輸送サービスの完了時における)get-out(降車)メッセージを挙げることができる。
【0046】
トランザクションメッセージが受け取られた後に、ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、受け取られたトランザクションメッセージを第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードのうちの第2のノードに転送することができる。第2のノードは、(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノード又はバックアップノード114とすることができる。バックアップノード114は、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116N及び/又はMPノード118A、118B、...118Nのうちの1つ又は2つ以上が運用トラブルを抱えた場合にトランザクションメッセージを一時的に記憶することができる。
【0047】
ある実施形態では、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた加入者ノードを含むかどうかを判定することができる。運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた加入者ノードを含まない場合、ブローカノード装置112は、第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを第1のMaaSネットワーク102の加入者ノード(すなわち、第2のノード)に送信することができる。(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードは、送信された第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。
【0048】
ある実施形態では、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた加入者ノード(第1の加入者ノード116Aなど)を含む場合、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから(第2の加入者ノード116Bなどの)代替加入者ノードを第2のノードとして選択することができる。或いは、代替加入者ノードの代わりに第1のMaaSネットワーク102のバックアップノード114を第2のノードとして選択することもできる。このような代替加入者ノード又はバックアップノード114の選択は、第1のメッセージルーティングポリシーに基づくことができる。
【0049】
代替加入者ノードは、(図2で説明するイントラルーティングポリシーの場合には)第1のMaaSネットワーク102、又は(例えば図2で説明するインターMaaSルーティングポリシーの場合には、図2に示すような)異なるMaaSネットワークに属することができる。ある実施形態では、運用トラブルを抱えた加入者ノードに関連するモビリティプロバイダと同じものとすることができるモビリティプロバイダの一群の加入者ノードから代替加入者ノードを選択することができる。このような選択は、例えば定期的又は非定期的なメンテナンスのために加入者ノードが停止している時に実行することができる。別の実施形態では、選択された代替加入者ノードが、運用トラブルを抱えた加入者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。選択後に、代替加入者ノードは、運用トラブルを抱えた加入者ノードに代わってユーザの第1の旅行プランのためのトランザクションメッセージを受け取ることができる。
【0050】
ある実施形態では、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが、(分散型台帳118又は分散型台帳120などの)分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードを含むかどうかを判定することができる。運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが分散型台帳の(MPノード118Aなどの)運用トラブルを抱えたノードを含む場合、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードからバックアップノード114を第2のノードとして選択することができる。バックアップノード114は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて選択することができる。選択後に、ブローカノード装置112は、(分散型台帳118などの)分散型台帳の運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードの回復が完了するまで、一時保管のために第1のノードからバックアップノード114にトランザクションメッセージを転送することができる。
【0051】
別の実施形態では、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが、分散型台帳の運用トラブルを抱えたノード及び第1のMaaSネットワーク102の加入者ノードの両方を含むことができる。このような場合、ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードからバックアップノード114を第2のノードとして選択することができる。選択後に、ブローカノード装置112は、分散型台帳の運用トラブルを抱えたノード及び加入者ノードの回復が完了するまで、一時保管のために第1のノードからバックアップノード114にトランザクションメッセージを転送することができる。回復の完了後、ブローカノード装置112又は管理者装置122は、運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードに保管中のトランザクションメッセージを再転送するようにバックアップノード114に命令することができる。
【0052】
説明する実施形態では、クライアント層104及びサーバ層108からの適切なルートをポリシーに基づいて選択することにより、第1のMaaSネットワーク102上のトランザクションメッセージのトランザクションフローが(発行者ノード、加入者ノード及び/又は分散型台帳のノードのいずれであるかにかかわらず)第1のMaaSネットワーク102のノードにおけるいずれかの停止時間又はいずれかの運用トラブルの影響をほとんど又は全く受けないことを確実にすることができる。これによって第1のMaaSネットワーク102の稼動時間を改善し、MaaSネットワークによる正しいトランザクションの実行を確実にすることができ、従って通常は第1のMaaSネットワーク102の異なるノードの運用トラブルに起因して体験される性能問題をユーザが最小限しか体験しないようにすることができる。
【0053】
第1の加入者ノード116Aは、ブローカノード装置112からトランザクションメッセージを受け取り、トランザクションメッセージをMPノード118A及びMaaSノード120Aと共有することができる。MPノード118A及びMaaSノード120Aの各々は、トランザクションメッセージを受け取り、受け取ったトランザクションメッセージ内の捕捉されたイベントに関連する情報に基づいて、第1のモビリティサービスに関連するトランザクションを実行することができる。MPノード118A及びMaaSノード120Aの各々は、トランザクションを実行するために初期状態オブジェクトを検索し、受け取ったトランザクションメッセージに基づいて、第1の状態オブジェクトに含まれるトランザクションデータを更新することができる。トランザクションデータは、以下に限定するわけではないが、発券情報、加入情報、支払情報、収益分配情報又はモビリティサービス情報などの情報に関連することができる。ある実施形態では、トランザクションデータが、MPノード又はMaaSノードがトランザクション処理及び支払処理のために使用できるメタデータを含むことができる。リージョンルーティング(ローミング)、インタールーティング又はイントラルーティングのシナリオの場合、メタデータは、トランザクションに関する支払いの計算に関連するデータを含むことができる。例えば、メタデータは、使用されたメッセージルーティングポリシーのタイプを識別する(イベント識別子(ID)又はトランザクションタイプIDなどの)理由コード、及びトランザクションに関与するノードに関するその他の詳細を含むことができる。さらに、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102(及び/又は、例えば図2に示すような異なるMaaSネットワーク)のMPノード及び/又はMaaSノードによるトランザクション処理をサポートするために、トランザクションに関連するユーザ126を識別する(ユーザIDなどの)詳細をメタデータ内に追加することができる。ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102に関連するユーザ支払計画又はユーザ加入を識別する(ユーザ加入タイプなどの)詳細を追加することもできる。
【0054】
例示的なシナリオでは、11:00AMにバスに乗車して空港に向かい、1:00PMに空港から飛行機に搭乗し、その後に8:00PMに空港からタクシーに乗車してホテルに向かうように予定されたユーザ126の旅行計画のためのモビリティサービスを作成することができる。バスの乗車については、ユーザ126がバスの乗車を開始すると、バス乗車プロバイダに関連する発行者ノードが、バス乗車プロバイダの加入者ノードにトランザクションメッセージを送信することができる。このトランザクションメッセージは、(乗車又は下車地点、乗車時間などの)旅行の詳細、加入の詳細又はユーザ詳細を含むget-inメッセージとすることができる。旅程の最後にユーザ126がバスから降りると、バス乗車プロバイダに関連する発行者ノードは、再びバス乗車プロバイダの加入者ノードにトランザクションメッセージを送信することができる。このトランザクションメッセージは、(旅行時間、下車地点などの)旅行の詳細、加入の詳細、旅行請求額又はユーザ詳細を含むget-outメッセージとすることができる。加入者ノードは、get-inメッセージ又はget-outメッセージを分散型台帳118及び分散型台帳120の関連するノードに転送することができる。分散型台帳118及び分散型台帳120の関連するノードは、get-inメッセージ又はget-outメッセージに基づいて初期状態オブジェクトを更新して、更新済みトランザクションデータを含む新たな状態オブジェクトを生成することができる。
【0055】
例えば、初期状態オブジェクトの状態特性が(マルチトリップ)MaaSモビリティサービスのための500USドル(USD)の支払い総額を含む場合、新たな状態オブジェクトの更新済みトランザクションデータは、この支払い総額と、バス乗車プロバイダに関連する旅行のための10USDの請求額とを含むことができる。同様に、MaaSモビリティサービスの他の全ての旅行(フライト及びホテルまでのタクシー)については、フライトプロバイダ及びタクシー乗車プロバイダの分散型台帳118のそれぞれのノード及び分散型台帳120のそれぞれのノードが、ユーザ126が航空機での旅行及びタクシーでの旅行を完了できる順序で連続して新たな状態オブジェクトを更新することができる。第1のMaaSネットワーク102のMPノード及びMaaSノードは、最後の旅行の終了時に、上述したようにトランザクションデータ及びトランザクションデータに関連するメタデータに基づいて支払処理及び収益配分を処理することができる。
【0056】
少なくとも1つの実施形態では、第1のMaaSネットワーク102が、MaaSのためのオープンスタンダード仕様をサポートすることができる。このような場合、第1のMaaSネットワーク102の様々なモビリティプロバイダに関連する異なる企業の発行者ノード(例えば、チケットリーダ又はセンサ装置)は、同種発行者ノードとして第1のMaaSネットワーク102に参加することができる。また、レガシーなチケットリーダ又はセンサ装置は、MQTT又はAMQPなどの標準的な通信プロトコルの活用に基づいて第1のMaaSネットワーク102に接続することができる。第1のMaaSネットワーク102は、標準的な通信プロトコルの使用によってユーザにチケットローミング機能を提供することができる。例えば、いずれかのモビリティプロバイダのチケットリーダは、MaaSモビリティサービスのためにユーザの電子チケットをスキャンし、第1のMaaSネットワーク102のシームレスかつセキュアなアクセスに基づいて(チケットの発行者にかかわらず)モビリティプロバイダのそれぞれのモビリティサービスをユーザに提供することができる。
【0057】
MaaSモビリティサービスは、同種モビリティプロバイダ(例えば、複数のタクシー乗車プロバイダ企業)又は異種モビリティプロバイダ(多様なモビリティプロバイダ)によって、同種の一群の装置、アプリケーション又は改札機、或いは様々なモビリティプロバイダの異種の一群の改札機、アプリケーション及びPoS装置を通じて提供することができる。MaaSモビリティサービスは、1又は2以上の同種又は異種モビリティプロバイダの個々のサービス提供の組み合わせとすることができる。例えば、MaaSプロバイダの改札機、配車アプリケーション又はPoS端末は、ユーザ126からの入力を介してMaaSモビリティサービス(例えば、バス、タクシー及びフライトの組み合わせ)の作成要求を受け取ることができる。MaaSモビリティサービスは、例えば列車サービス、バスサービス、タクシーサービス、地下鉄サービス、航空機サービス、海運サービス、配車サービス、カーシェアリングサービス、相乗りサービス、レンタカーサービス、自転車シェアリングサービス、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0058】
各モビリティプロバイダは、分散型台帳118を通じてトランザクションデータのセキュアなデータ所有権を享受することができる。第1のMaaSネットワーク102は分散型台帳118を使用して実装されるので、各モビリティプロバイダは分散型台帳118上にノードを所有することができる。モビリティプロバイダに関連する分散型台帳118のそれぞれのノードは、自機に関連するトランザクションデータを記憶することができる。分散型台帳120のそれぞれのノードも、同じトランザクションデータを記憶することができる。これにより、MaaSプロバイダとモビリティプロバイダとの間におけるセキュアなデータ所有権を保証することができる。また、これによって様々なモビリティプロバイダ間の接続性を向上させることもできる。モビリティプロバイダ間で情報技術(IT)インフラを共有することで、各モビリティプロバイダが独自のクローズドプラットフォームITインフラを維持する場合のコストに比べて、各モビリティプロバイダの所有するITインフラに関連するコストを抑えることができる。複数接続されたMaaSネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理については、例えば図2においてさらに説明する。
【0059】
図2は、本開示の実施形態による、複数接続されたモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークのノード上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的なネットワーク環境の図である。図2の説明は、図1の要素に関連して行う。図2にはネットワーク環境200のブロック図を示す。ネットワーク環境200は、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202を含むことができ、これらの各々はパブリッシュ-サブスクライブパターンに関連することができる。第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202の各々は、複数の発行者ノード110A、110B、...110Nを含むことができる。第1のMaaSネットワーク102は、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nを含むことができ、第2のMaaSネットワーク202は、第1のMaaSネットワーク102と同様に第2の複数の加入者ノード208A、208B、...208Nを含むことができる。複数の発行者ノード110A、110B、...110Nの各々、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nの各々、及び第2の複数の加入者ノード208A、208B、...208Nの各々は、インテリジェントブローカ206に通信可能に結合することができる。
【0060】
第2のMaaSネットワーク202の第2の複数の加入者ノード208A、208B、...208Nは、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116Nと同様のものとすることができ、第1の加入者ノード208A、第2の加入者ノード208B、...、第Nの加入者ノード208Nを含むことができる。第1の加入者ノード208Aは、第1のMaaSネットワーク102と同様にMPノード210A及びMaaSノード212Aに関連することができる。さらに、第2の加入者ノード208Bは、MPノード210B及びMaaSノード212Bに関連することができる。同様に、第Nの加入者ノード208Nは、第NのMPノード210N及び第NのMaaSノード212Nに関連することができる。
【0061】
MPノード210A、210B、...210Nの各々は、第2のMaaSネットワーク202に関連するそれぞれのモビリティプロバイダのトランザクションデータを記憶できる分散型台帳210のノードに対応することができる。MaaSノード212A、212B、...212Nの各々は、第2のMaaSネットワーク202に関連する全てのモビリティプロバイダのトランザクションデータを記憶できる分散型台帳212のノードに対応することができる。
【0062】
図2には、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202などの1又は2以上のMaaSネットワークに関連する異なるモビリティプロバイダのモビリティサービスを利用するために複数の発行者ノード110A、110B、...110Nと相互作用できるユーザ126を示す。ネットワーク環境100は、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202のノード動作をモニタする管理者装置122をさらに含むことができる。
【0063】
ネットワーク環境200は、インテリジェントブローカ206に通信可能に結合されたノード管理装置204をさらに含むことができる。ノード管理装置204は、第1のMaaSネットワーク102及び/又は第2のMaaSネットワーク202の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードの回復を初期化するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。ノード管理装置204の例としては、以下に限定するわけではないが、モバイル診断コンピュータ、ウェブサーバ、エッジ装置、エッジノード、クラウドサーバ、クラウドベースサーバのクラスタ、ワークステーション、又はフォグコンピューティング能力を有するいずれかのコンピュータ装置又はシステムを挙げることができる。
【0064】
第2のMaaSネットワーク202の第2の複数の加入者ノード、MPノード及びMaaSノードの機能は、例えば図1で説明したような第1のMaaSネットワーク102の第1の複数の加入者ノード、MPノード、MaaSノードの機能と同じものとすることができる。従って、簡潔にするためにこれらのノードの説明は本開示から省略する。
【0065】
図2に示すように、インテリジェントブローカ206は、状況ベースのルーティングポリシー206A及びトラブルベースのルーティングポリシー206Bなどのメッセージルーティングポリシーの組をサポートすることができる。ブローカノード装置112は、発行者ノードから加入者ノードへの、及び加入者ノードから分散型台帳のノード(MPノード又はMaaSノード)へのトランザクションフローを処理するために、状況ベースのルーティングポリシー206A及び/又はトラブルベースのルーティングポリシー206Bのいずれかを実装することができる。例えば、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202のいずれかのノード上に運用トラブルが存在する場合には、トラブルベースのルーティングポリシー206Bを使用して、トランザクションメッセージを一時的に記憶する代替発行者ノード、代替加入者ノード又はバックアップノードを選択することができる。
【0066】
ブローカノード装置112は、トランザクションフローを効率的に処理するために、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202のノードに関連する負荷又はオーバーヘッドを測定することができる。状況ベースのルーティングポリシー206Aは、第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202のノードに関連する測定された負荷又はオーバーヘッドの低減/バランス化を図る効率的な戦略を決定することができる。状況ベースのルーティングポリシー206Aは、以下に限定するわけではないが、イントラルーティングポリシー、インタールーティングポリシー、リージョンベースのルーティングポリシー、交通量ベースのルーティングポリシー、及びコストベースのルーティングポリシーを含むことができる。
【0067】
ある実施形態では、イントラルーティングポリシーを、ブローカノード装置112が第1のMaaSネットワーク102内の第1のモビリティプロバイダとは異なる第2のモビリティプロバイダに関連する加入者ノードに(第1のモビリティプロバイダに関連する発行者ノードから受け取った)トランザクションメッセージを転送するように構成される際に基づくことができるメッセージルーティングポリシーとすることができる。イントラルーティングポリシーは、一方のモビリティプロバイダの加入者ノードのトランザクションメッセージをMaaSネットワーク内の他方のモビリティプロバイダの他の加入者ノードに転送するためのオプションを指定することができる。例えば、ブローカノード装置112は、第1のモビリティプロバイダの第1の発行者ノード110Aからトランザクションメッセージを受け取ることができる。同じ第1のモビリティプロバイダの第1の加入者ノード116Aに関連する運用トラブルが存在する場合、ブローカノード装置112は、第1の発行者ノード110Aから受け取ったトランザクションメッセージを(第1のモビリティプロバイダとは異なることができる)第2のモビリティプロバイダの第2の加入者ノード116Bに転送することができる。
【0068】
ある実施形態では、インタールーティングポリシーを、ブローカノード装置112が第1のMaaSネットワーク102とは異なる第2のMaaSネットワーク202の加入者ノードに(第1のMaaSネットワーク102の発行者ノードから受け取った)トランザクションメッセージを転送するように構成される際に基づくことができるメッセージルーティングポリシーとすることができる。インタールーティングポリシーは、第1のMaaSネットワーク102内の第1のモビリティプロバイダの加入者ノードのトランザクションメッセージを第2のMaaSネットワーク202内の異なるモビリティプロバイダの加入者ノードに転送するためのオプションを指定することができる。例えば、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の発行者ノード110Aからトランザクションメッセージを受け取ることができる。第1の加入者ノード116Aに関連する運用トラブルが存在する場合、ブローカノード装置112は、第1の発行者ノード110Aから受け取ったトランザクションメッセージを第2のMaaSネットワーク202の第1の加入者ノード208Aに転送することができる。
【0069】
ある実施形態では、リージョンベースのルーティングポリシーを、ブローカノード装置112が第1の地理的地域における第1のMaaSネットワーク102の発行者ノードから第1の地理的地域とは異なる第2の地理的地域における第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するように構成される際に基づくことができるメッセージルーティングポリシーとすることができる。リージョンベースのルーティングポリシーは、地理的位置を選択して、(地域又は国際ローミングと同様の)選択された地理的位置に関連するMaaSネットワーク上のモビリティプロバイダの加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するためのオプションを指定することができる。一例として、ブローカノード装置112は、第1の地理的地域における第1のMaaSネットワーク102の第1の発行者ノード110Aからトランザクションメッセージを受け取ることができる。第1の加入者ノード116Aに関連する運用トラブルが存在する場合、ブローカノード装置112は、(第1の地理的地域とは異なる)第2の地理的地域における第2のMaaSネットワーク202の第1の加入者ノード208Aにトランザクションメッセージを転送することができる。別の例として、第1の加入者ノード116Aが運用トラブルを抱えている場合、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の(第1のモビリティプロバイダの)第1の発行者ノード110Aから受け取ったトランザクションメッセージを第2のMaaSネットワーク202の(第2のモビリティプロバイダの)第2の加入者ノード116Bに転送することができる。
【0070】
交通量ベースのルーティングポリシーは、ピーク時交通量条件下で同じ又は異なるモビリティプロバイダの好適な加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するオプションを指定することができる。このような条件は、1又は2以上のモビリティプロバイダの保有車両(on-fleet vehicles)が体験し得る道路渋滞に基づくことができる。ブローカノード装置112は、ピーク時交通量時間中に大量のトランザクションメッセージを処理するために交通量ベースのルーティングポリシーを使用することができる。ブローカノード装置112は、交通渋滞情報、交通事故情報、迂回路情報又は平均未満の交通量情報などの収集された交通情報を使用して、交通量ベースのルーティングポリシーを第1のメッセージルーティングポリシーとして選択することができる。ある実施形態では、運用トラブルが、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因して運用トラブルを抱えた発行者ノード(例えば、第1の発行者ノード110A)がチケットトランザクションを処理できないことを含む場合、ブローカノード装置112は交通量ベースのルーティングポリシーを選択することができる。
【0071】
コストベースのルーティングポリシーは、発行者ノードと加入者ノードとの間の異なるルートのコストに基づいてトランザクションメッセージを転送するオプションを指定することができる。本明細書では、MaaSネットワークのクライアント層、ブローカ層及びサーバ層におけるネットワークオーバーヘッド又はネットワーク負荷を考慮する場合、発行者ノードから加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するためのコストを、トランザクションメッセージが発行者ノードから加入者ノードに到達するのに要する時間の観点から定めることができる。いくつかの事例では、このコストを、特定のモビリティプロバイダの加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するためのトランザクションコスト又はチケットコスト(例えば、USD単位)とすることができる。
【0072】
ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の残りの利用可能な加入者ノードと比べて(最短時間又は最短ルートなどの)最も低いコストを負担する加入者ノードに第1の発行者ノード110Aからトランザクションメッセージを転送するためにコストベースのルーティングポリシーを選択することができる。例えば、ブローカノード装置112は、発行者ノードから加入者ノードへの経路を含む各メッセージルートの遅延を計算することができる。ブローカノード装置112は、計算された遅延が閾値未満であるルートを選択し、選択されたルートでトランザクションメッセージを加入者ノードに転送することができる。
【0073】
あるシナリオ例では、ブローカノード装置112が、第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードに関連する運用トラブルに基づいて、トラブルベースのルーティングポリシー206Bのうちの1つを第1のメッセージルーティングポリシーとして選択することができる。このような選択は、トランザクションメッセージのバースト受信(burst-receipt)、ノードによって体験される停止トラブル、ノードによって体験される迂回トラブル(roundabout-trouble)、又はトランザクションメッセージの異なるルートに関連する負荷のバランス調整要件などの条件にさらに基づいて行うことができる。これらの条件は、新規ノードの参加に関連する第1の条件、既存ノードから2つの新規ノードへの分割に関連する第2の条件、ユーザのためのローミングオプションを可能にするための、異なるMaaSネットワーク又は異なるモビリティプロバイダの加入者ノードへのトランザクションメッセージの再転送に関連する第3の条件、或いはチケットを発行したモビリティプロバイダとは異なるモビリティプロバイダの発行者ノードへのチケット転送を含むこともできる。
【0074】
動作中、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードに関連する動作情報を収集することができる。ブローカノード装置112は、第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードに関連する動作情報を収集することもできる。収集される動作情報の例としては、以下に限定するわけではないが、第1の複数のノードの各ノード及び第2の複数のノードの各ノードのネットワーク接続状態及び装置動作状態を挙げることができる。ブローカノード装置112は、収集された動作情報に基づいて、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード及び第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードのうちの(運用トラブルを抱えた(単複の)ノードと呼ばれる)1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定することができる。決定される運用トラブルの例としては、以下に限定するわけではないが、ネットワーク接続障害、運用上の障害、アプリケーションエラー、メッセージ処理能力の過負荷、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因してチケットトランザクションを処理できないことを挙げることができる。
【0075】
ブローカノード装置112は、決定された運用トラブルに基づいて、(状況ベースのルーティングポリシー206A及びトラブルベースのルーティングポリシー206Bを含む)メッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ブローカノード装置112は、運用トラブルを抱えたノードがクライアント層104に属するか、サーバ層108に属するか、それともこれらの両方に属するかに基づいて第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。第1のメッセージルーティングポリシーは、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが直面している可能性がある運用トラブルのタイプにさらに基づいて選択することができる。
【0076】
ある実施形態では、インテリジェントブローカ206のブローカノード装置112を、1又は2以上のMaaSネットワークによるトランザクション処理に影響を与える恐れがある様々な因子に関連する確率ベースのスコアの計算によって、特定のポリシーを選択された第1のメッセージルーティングポリシーとして決定するように構成することができる。従って、第1のメッセージルーティングポリシーの選択は、1又は2以上のMaaSネットワークのトランザクション処理に関連する様々な因子のトレードオフとすることができる計算された確率ベースのスコアに基づくことができる。このような因子の例としては、以下に限定するわけではないが、MaaSネットワークの系統的リスク軽減、MaaSネットワークのノードに関連する運用トラブル及びシステムトラブルの改善、MaaSネットワークのユーザにとってのコストメリット(例えば、価格ベース及び/又はユーザ選択ベースのメリット)、並びにモビリティプロバイダにとってのコストメリット及び/又はMaaSネットワークを運営する組織にとってのコストメリットを挙げることができる。このような因子の例としては、以下に限定するわけではないが、MaaSネットワークのモビリティプロバイダに関連する交通量最適化、MaaSネットワークのモビリティプロバイダの車両に関連するエネルギー消費及び炭素排出、並びにMaaSネットワークのトランザクションに関連するユーザ時間消費をさらに挙げることができる。
【0077】
第1のメッセージルーティングポリシーは、トラブルベースのルーティングポリシー(トラブルベースのルーティングポリシー206Bのうちの1つ)又は状況ベースのルーティングポリシー(状況ベースのルーティングポリシー206Aのうちの1つ)とすることができる。ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、ユーザ(例えば、ユーザ126)の第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。トランザクションメッセージは、第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の第1のノードから受け取ることができる。一例として、第1のノードは、複数の発行者ノード110A、110B、...110Nのうちの第1の発行者ノード110Aとすることができる。本明細書では、第1のノードは、第1のMaaSネットワーク102及び/又は第2のMaaSネットワーク202の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードとは異なることができる。
【0078】
ある実施形態では、ブローカノード装置112が、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードから代替発行者ノードを第1のノードとして選択することができる。代替発行者ノードは、第1のメッセージルーティングポリシーと、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた発行者ノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。例えば、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の発行者ノード110Aが運用トラブルを抱えていると判定することができる。第1の発行者ノード110Aに関連する運用トラブルは、交通渋滞、車両事故、予定された乗車又は下車時刻に車両が利用できないことなどの条件、或いはハードウェア/ソフトウェア障害によって生じることができる。ブローカノード装置112は、運用トラブルに基づいて第1の発行者ノード110Aのための第1のメッセージルーティングポリシーを選択し、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて(第2の発行者ノード110Bなどの)代替発行者ノードを選択することができる。
【0079】
限定ではなく一例として、同じモビリティプロバイダの他の発行者ノードが運用可能である場合には、第1の発行者ノード110Aを所有/管理する同じモビリティプロバイダの一群のノードから代替発行者ノードを選択することができる。同じモビリティプロバイダの他の発行者ノードが運用できない場合又は運用トラブルを抱えている場合には、他のモビリティプロバイダの発行者ノードから代替発行者ノードを選択することができる。ある地理的地域内の複数のモビリティプロバイダの発行者ノードが(例えば、事故によって)運用トラブルを抱えている場合には、異なる地理的位置の第2のMaaSネットワーク202内で動作するモビリティプロバイダの発行者ノードから代替発行者ノードを選択することができる。
【0080】
限定ではなく別の例として、第1の発行者ノード110Aの運用トラブルが第1の発行者ノード110Aのメッセージ処理能力における過負荷によって生じている場合、ブローカノード装置112は、複数の発行者ノード110A、110B、...110Nから最も混雑の少ないものとして代替発行者ノードを選択することができる。
【0081】
限定ではなく別の例として、第1の発行者ノード110Aの運用トラブルがネットワーク接続障害、運用上の障害、又はアプリケーションエラーによって生じている場合、ブローカノード装置112は、第1の発行者ノード110Aに近接する同じモビリティプロバイダのノードとして代替発行者ノードを選択することができる。例えば、代替発行者ノードは、第1の発行者ノード110Aが存在する同じ駅に存在することができる。
【0082】
限定ではなく別の例として、第1の発行者ノード110Aの運用トラブルは、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因してチケットトランザクションを処理できないことを含むことができる。このようなシナリオでは、ブローカノード装置112が、状況ベースのルーティングポリシー206Aのうちの1つとして第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。例えば、選択される第1のメッセージルーティングポリシーは、同じ旅行プランの乗車又は下車のために利用可能な輸送車両を有する異なるモビリティプロバイダの代替発行者ノードをブローカノード装置112が選択する際に基づくことができる交通量ベースのルーティングポリシーとすることができる。例えば、第1の発行者ノード110Aは、第1の旅行プランの乗車及び下車のために輸送車両がユーザ126に到達できない可能性がある、或いは交通渋滞又は道路事故によって輸送車両が遅れる可能性があるタクシーサービスプロバイダの発行者ノードとすることができる。第2の発行者ノード110Bは、ユーザ126の近くで利用可能であってユーザ126の第1の旅行プラン通りに乗車及び下車のために利用可能な車両を有するバスサービスプロバイダーの発行者ノードとすることができる。このようなシナリオでは、ブローカノード装置112は、第2の発行者ノード110Bを代替発行者ノードとして選択することができる。
【0083】
ブローカノード装置112は、代替発行者ノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。ある実施形態では、(第2の発行者ノード110Bなどの)代替発行者ノードが、運用トラブルを抱えた(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。このような場合、受け取られるトランザクションメッセージは、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードのうちの1つが処理できるチケットトランザクションの代わりに手配される予定外の又は未購入のチケットトランザクションに対応することができる。
【0084】
ブローカノード装置112は、受け取ったトランザクションメッセージを第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の第2のノードに転送することができる。一例として、第2のノードは、第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202に関連する(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードとすることができる。本明細書では、第2のノードは、第1のMaaSネットワーク102及び/又は第2のMaaSネットワーク202の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードとは異なることができる。
【0085】
ある実施形態では、ブローカノード装置112が、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードから(第2の加入者ノード116Bなどの)代替加入者ノードを第2のノードとして選択することができる。代替加入者ノードは、選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた加入者ノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。例えば、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の加入者ノード116Aが運用トラブルを抱えていると判定することができる。ブローカノード装置112は、第1の加入者ノード116Aに関連する運用トラブルに基づいて、第1の加入者ノード116Aのための第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて代替加入者ノードを第2のノードとしてさらに選択することができる。
【0086】
限定ではなく一例として、第1の加入者ノード116Aの運用トラブルが第1の加入者ノード116Aのメッセージ処理能力の過負荷によって生じている場合、ブローカノード装置112は、状況ベースのルーティングポリシー206Aのうちの1つとして第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ブローカノード装置112は、選択されたメッセージルーティングポリシーに基づいて、第2の加入者ノード116Bのメッセージ処理能力が過負荷でない可能性があるという理由で第2の加入者ノード116Bを代替加入者ノードとして決定することができる。
【0087】
限定ではなく別の例として、第1の加入者ノード116Aの運用トラブルがネットワーク接続障害、運用上の障害、又はアプリケーションエラーによって生じている場合、ブローカノード装置112は、運用トラブルを抱えた加入者ノードを所有/管理するモビリティプロバイダの代替加入者ノードを選択することができる。或いは、第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202上の別のモビリティプロバイダの一群の加入者ノードから代替加入者ノードを選択することもできる。例えば、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の運用トラブルを抱えた(第1の加入者ノード116Aなどの)第1の加入者ノードの代替加入者ノードとして第2のMaaSネットワーク202の第1の加入者ノード208Aを選択することができる。
【0088】
ブローカノード装置112は、第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを代替加入者ノードに転送することができる。ある実施形態では、(第2の加入者ノード116Bなどの)代替加入者ノードが、運用トラブルを抱えた(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。
【0089】
限定ではなく別の例として、第1の加入者ノード116Aの運用トラブルは、第1の加入者ノード116Aに関連するMPノード118A又はMaaSノード120A上の使用不能状態又は障害によって生じることができる。このような場合、ブローカノード装置112は、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードから(バックアップノード114などの)バックアップノードを第2のノードとして選択することができる。バックアップノードは、選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、運用トラブルを抱えた(単複の)ノードが運用トラブルを抱えた加入者ノード及び/又は分散型台帳(第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202のいずれか)の運用トラブルを抱えたノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。例えば、ブローカノード装置112は、第1の加入者ノード116A及びMPノード118A(又はMaaSノード120A)の両方が運用トラブルを抱えていると判定することができる。第1の加入者ノード116A、MPノード118A又はMaaSノード120Aの運用トラブルは、ネットワーク接続障害、運用上の障害、又はアプリケーションエラーによって生じることがある。加入者ノード及び台帳ノードの両方が停止しているため、ブローカノード装置112からのトランザクションメッセージは、加入者ノード及び台帳ノードの両方の回復が完了するまで一時的に記憶されることが必要となり得る。ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいてバックアップノードを第2のノードとして選択することができる。バックアップノードは、別のデータベースノード、同じ又は異なるモビリティプロバイダの(第2加入者ノード116Bなどの)加入者ノード、或いは同じ又は異なるモビリティプロバイダの(MPノード118Bなどの)MPノードとすることができる。
【0090】
ある実施形態では、ブローカノード装置112が、(分散型台帳118又は分散型台帳120のノードなどの)分散型台帳のノードが処理できるトランザクションメッセージの数を決定することができる。ブローカノード装置112は、決定されたトランザクションメッセージ数の増減に関連する傾向を決定することができる。増加が第1の閾値よりも大きい場合、又はトランザクションメッセージの数が第2の閾値よりも大きい場合、ブローカノード装置112は、現在のノードよりも大きな容量の別のノードを追加することによって(分散型台帳118又は分散型台帳120などの)分散型台帳を拡大することができる。別の事例では、トランザクションメッセージ数の減少が第3の閾値よりも小さい場合、ブローカノード装置112は、分散型台帳の2つのノードを融合することによって(分散型台帳118又は分散型台帳120などの)分散型台帳を縮小することができる。
【0091】
ある実施形態では、ブローカノード装置112が、転送されたトランザクションメッセージをバックアップノードにおいて一時的に記憶するために、受け取った(第1の旅行プランに関連することができる)トランザクションメッセージを第1のノードから選択された(バックアップノード114などの)バックアップノードに転送することができる。ある実施形態では、ノード管理装置204が、(分散型台帳118などの)分散型台帳の運用トラブルを抱えた(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノード又は運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードの回復を初期化することができる。例えば、ノード管理装置204は、回復を初期化するために、分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードをホストしているサーバを再起動又は再始動することができる。いくつかの事例では、ノード管理装置204が、サーバのネットワーク接続性を再初期化/リセットし、診断チェックを実行し、或いは運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードに関連するソフトウェアの自動回復を実行することができる。回復の完了後、ノード管理装置204は、記憶されているトランザクションメッセージを、(現在回復している)運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳の(現在回復している)運用トラブルを抱えたノードに再転送するようにバックアップノードに命令することができる。
【0092】
ブローカノード装置112は、様々なモビリティプロバイダに関連する車両の事故の場合にトランザクションルーティングの回復をサポートすることができる。ブローカノード装置112は、ブローカノード装置112を通過できる全てのトランザクションメッセージをログ記録し、記録されたトランザクションメッセージの分析を管理者装置122に提供することができる。
【0093】
ブローカノード装置112は、異なるモビリティプロバイダ間、及びモビリティプロバイダと(第1のMaaSネットワーク102などの)MaaSネットワークとの間の相互接続のためのルーティング構成を記憶するメッセージングテーブルを維持することができる。さらに、ブローカノード装置112は、モビリティプロバイダ(すなわち、モビリティプロバイダ)間又は複数のMaaSネットワーク間のトランザクション/旅行ローミングをサポートするとともに、ピーク時交通量を平滑化して(単複の)MaaSネットワーク及びモビリティプロバイダの動作に関連する収益を高めるインセンティブベースの動的価格設定を提供することができる。また、ブローカノード装置112は、トランザクションメッセージの通信及び転送(又は再転送)に共通のメッセージングプロトコルを使用することに基づく異種企業メッセージングをサポートすることができる。
【0094】
第1のMaaSネットワーク102及び第2のMaaSネットワーク202の各々は、ノード管理装置204を通じて発行者ノードのバルククラスタ管理を提供することができる。さらに、それぞれのMaaSネットワークは、ノード管理装置204を通じて、それぞれのMaaSネットワークの運用トラブルを抱えた加入者ノード及び/又は分散型台帳の運用トラブルを抱えた(単複の)ノードのためのバックアップノードを選択することができる。バックアップノードは、それぞれのMaaSネットワークの運用トラブルを抱えた加入者ノード及び/又は分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードの代用として機能することができる。全ての発行者ノード及び加入者ノードは、(第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202などの)MaaSネットワーク上で動作可能になるためにセットプロトコル(set protocols)に従うことができる。セットプロトコルは、(発行者ノードの認証及び許可のための)共通セキュリティアーキテクチャ、ネットワークプロトコル(例えば、HTTP、MQTT及びAMQPなど)、統一データ要求又は応答フォーマット(例えば、JSON、CSV、XMLフォーマット)、及びAPI/データスキームを義務付けることができる。これにより、各発行者ノードが(企業名、企業ID、ゲートID及びゲート番号などを含む装置プロファイルなどの)標準的なクラスタレベル構成及び装置レベル証明書(すなわち、認証クレデンシャル)に従うことを確実にすることができる。標準的なクラスタレベル構成及びセットプロトコルは、輸送プロバイダがプラグアンドプレイの手法で新たな発行者ノードの展開又は既存の発行者ノードの交換を行うことを容易にすることができる。これにより、MaaSネットワークが様々なモビリティプロバイダの(発行者ノードなどの)リソース間の相互運用性を有する同種輸送ネットワークとして機能することを容易にすることができる。
【0095】
対照的に、従来の発行者ノード、加入者ノード又は分散型台帳のノードは、MaaSネットワークにアクセスして動作可能にするための専用の構成及び専用の接続方法を有することができる。このため、他の輸送プロバイダの発行者ノード及び加入者ノードとの間に相互運用性問題が生じる恐れがある。緊急要件の場合には、新たな又はバックアップの発行者ノード、加入者ノード又は分散型台帳のノードの展開に必要よりも多くの時間がかかる可能性がある。
【0096】
図3は、本開示の実施形態による、(単複の)モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のためのシステムのブロック図である。図3の説明は、図1及び図2の要素に関連して行う。図3にはシステム300のブロック図を示す。システム300は、ブローカノード装置112を含むとともに状況ベースのルーティングポリシー206A及びトラブルベースのルーティングポリシー206Bなどのメッセージルーティングポリシーの組を記憶するインテリジェントブローカ206を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム300が、ノード管理装置204及び管理者装置122を含むこともできる。
【0097】
ノード管理装置204及び管理者装置122は、好適な通信ネットワーク(図示せず)を介してインテリジェントブローカ206に通信可能に結合することができる。ブローカノード装置112は、回路302、メモリ304、入力/出力(I/O)装置306、及びネットワークインターフェイス308を含むことができる。回路302は、ネットワークインターフェイス308を使用することによって複数の発行者ノード110A、110B、...110N、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116N(及び/又は第2の複数の加入者ノード208A、208B、...208N)、ノード管理装置204、及び管理者装置122と通信するように構成することができる。
【0098】
回路302は、ブローカノード装置112によって実行されるべき動作のための命令を実行するように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。回路302の実装例としては、中央処理装置(CPU)、x86ベースのプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、複合命令セットコンピューティング(CISC)プロセッサ、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)、コプロセッサ、その他のプロセッサ、及び/又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0099】
メモリ304は、回路302が実行できる命令を記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。メモリ304は、メッセージルーティングポリシーの組、メッセージングテーブル、及びルーティング構成テーブルを記憶することもできる。メモリ304の実装例としては、以下に限定するわけではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、及び/又はセキュアデジタル(SD)カードを挙げることができる。
【0100】
I/O装置306は、入力を受け取り、受け取られた入力に基づいて出力を提供するように構成できる好適なロジック、回路及び/又はインターフェイスを含むことができる。I/O装置306は、回路302と通信するように構成できる様々な入力及び出力装置を含むことができる。I/O装置306の例としては、以下に限定するわけではないが、タッチ画面、キーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ装置、マイク、又はスピーカを挙げることができる。
【0101】
ネットワークインターフェイス308は、ブローカノード装置112と、複数の発行者ノード110A、110B、...110N、第1の複数の加入者ノード116A、116B、...116N(及び/又は第2の複数の加入者ノード208A、208B、...208N)、ノード管理装置204及び管理者装置122の各々と間の(ピアツーピア静的接続などの)通信を確立するように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。ネットワークインターフェイス308は、1又は2以上の通信ネットワークとの有線又は無線通信をサポートする既知の技術を実装することができる。
【0102】
ネットワークインターフェイス308は、以下に限定するわけではないが、アンテナ、周波数変調(FM)トランシーバ、無線周波数(RF)トランシーバ、1又は2以上の増幅器、チューナ、1又は2以上の発振器、デジタルシグナルプロセッサ、コーダ-デコーダ(CODEC)チップセット、加入者識別モジュール(SIM)カード、及び/又はローカルバッファを含むことができる。ネットワークインターフェイス308は、インターネット、イントラネットなどのネットワーク、及び/又はセルラー電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの無線ネットワークと無線通信を介して通信することができる。無線通信は、ロングタームエボリューション(LTE)、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、ワイヤレスフィディリティー(Wi-Fi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、及び/又はIEEE 802.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、電子メール用プロトコル、インスタントメッセージング及び/又はショートメッセージサービス(SMS)などの複数の通信規格、プロトコル及び技術のうちのいずれかを使用することができる。
【0103】
ブローカノード装置112と同様に、管理者装置122及びノード管理装置204の各々も、同様の機能の回路、メモリ、I/O装置、ディスプレイ装置及びネットワークインターフェイスを含む1又は2以上のコンポーネントを含むことができる。図1図2及び図4で説明するブローカノード装置112によって実行される機能又は動作は、回路302によって実行することができる。このような動作については、例えば図1図2図4A及び図4Bにおいて詳細に説明している。
【0104】
図4A及び図4Bに、本開示の実施形態による、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク上の運用トラブルに基づくトランザクションフロー管理のための例示的な方法のフローチャートを集合的に示す。図4A及び図4Bの説明は、図1図2及び図3の要素に関連して行う。図4A及び図4Bにはフローチャート400を示す。フローチャート400の例示的な方法は、例えば図1のブローカノード装置112などのいずれかのコンピュータシステムによって実行することができる。フローチャート400の例示的な方法は、402から開始して404に進むことができる。
【0105】
404において、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードに関連する動作情報を収集することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードに関連する動作情報を収集するように構成することができる。収集される動作情報は、第1のMaaSネットワーク102の各ノードのネットワーク接続状態及び装置動作状態を含むことができる。
【0106】
406において、収集された動作情報に基づいて、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードのうちの1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1の複数のノードのうちの1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定するように構成することができる。1又は2以上のノードは、MaaSモビリティサービスに含まれる一連の旅行プランのうちのある旅行プランに関連するチケットトランザクションを処理できるノードとすることができる。例えば、1又は2以上のノードは、改札機、アプリケーション及び/又はPoS装置などの、第1のMaaSネットワーク102の発行者ノードを含むことができる。別の例では、1又は2以上のノードが、第1のMaaSネットワーク102の加入者ノード、又は第1のMaaSネットワーク102の加入者ノードに関連する分散型台帳(例えば、分散型台帳118又は分散型台帳120)のノードを含むことができる。運用トラブルの例としては、以下に限定するわけではないが、ネットワーク接続障害、運用上の障害、アプリケーションエラー、メッセージ処理能力の過負荷、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因してチケットトランザクションを処理できないことを挙げることができる。
【0107】
408において、第1のMaaSネットワーク102内に運用トラブルを抱えた発行者ノードが存在するかどうかを判定することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102内に運用トラブルを抱えた発行者ノードが存在するかどうかをチェックするように構成することができる。運用トラブルを抱えた(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードが存在する場合、制御は410に進むことができ、そうでなければ制御は416に進むことができる。
【0108】
410において、決定された運用トラブルに基づいて第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、状況ベースのルーティングポリシー206A及び/又はトラブルベースのルーティングポリシー206Bなどのメッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択するように構成することができる。第1のメッセージルーティングポリシーの選択は、運用トラブルを抱えた発行者ノードに関連する運用トラブルのタイプに基づくことができる。第1のメッセージルーティングポリシーの選択については、例えば図1及び図2においてさらに説明している。
【0109】
412において、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから(第2の発行者ノード110Bなどの)代替発行者ノードを選択することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから代替発行者ノードを選択するように構成することができる。代替発行者ノードの選択については、例えば図1及び図2においてさらに説明している。
【0110】
414において、(第2の発行者ノード110Bなどの)代替発行者ノードからユーザの第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、代替発行者ノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。
【0111】
416において、第1のMaaSネットワーク102の(第1の発行者ノード110Aなどの)発行者ノードからユーザの第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取ることができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、代替発行者ノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。
【0112】
418において、第1のMaaSネットワーク102内に運用トラブルを抱えた加入者ノードが存在するかどうかを判定することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102内に運用トラブルを抱えた加入者ノードが存在するかどうかをチェックするように構成することができる。第1のMaaSネットワーク102が運用トラブルを抱えた(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードを含む場合、制御は420に進むことができ、そうでなければ制御は422に進む。
【0113】
420において、決定された運用トラブルに基づいて第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、状況ベースのルーティングポリシー206A及び/又はトラブルベースのルーティングポリシー206Bなどのメッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択するように構成することができる。第1のメッセージルーティングポリシーの選択は、運用トラブルを抱えた加入者ノードに関連する運用トラブルのタイプに基づくことができる。第1のメッセージルーティングポリシーの選択については、例えば図1及び図2においてさらに説明している。
【0114】
422において、第1のMaaSネットワーク102の(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードにトランザクションメッセージを転送することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102の(第1の加入者ノード116Aなどの)加入者ノードにトランザクションメッセージを転送するように構成することができる。制御は428に進むことができる。
【0115】
424において、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから(第2の加入者ノード116Bなどの)代替加入者ノードを選択することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから代替加入者ノードを選択するように構成することができる。代替加入者ノードの選択は、(420において)選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づくことができる。この選択に関連する詳細については、例えば図1及び2図においてさらに説明している。
【0116】
426において、受け取られたユーザの第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを(第2の加入者ノード116Bなどの)代替加入者ノードに転送することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、受け取られた第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを代替加入者ノードに転送するように構成することができる。
【0117】
428において、第1のMaaSネットワーク102内に(分散型台帳118又は分散型台帳120などの)分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードが存在するかどうかを判定することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102内に運用トラブルを抱えた加入者ノードが存在するかどうかをチェックするように構成することができる。第1のMaaSネットワーク102が(分散型台帳118のMPノード118Aなどの)運用トラブルを抱えたノードを含む場合、制御は430に進むことができ、そうでなければ制御は438に進む。
【0118】
430において、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードから(バックアップノード114などの)バックアップノードを選択することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノードからバックアップノードを選択するように構成することができる。運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードのバックアップノードの選択については、例えば図1及び図2においてさらに説明している。
【0119】
432において、受け取られたユーザの第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを選択されたバックアップノードに転送することができる。ある実施形態では、ブローカノード装置112の回路302を、受け取られた第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを選択されたバックアップノードに転送するように構成することができる。バックアップノードは、転送されたトランザクションメッセージを一時的に記憶するように構成することができる。
【0120】
434において、分散型台帳の運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードの回復を初期化することができる。ある実施形態では、ノード管理装置204を、分散型台帳の運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードの回復を初期化するように構成することができる。
【0121】
436において、回復の完了後、記憶されたトランザクションメッセージを分散型台帳の運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードに再転送することができる。ノード管理装置204は、回復の完了後に、記憶されたトランザクションメッセージを運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードに再転送するように(バックアップノード114などの)バックアップノードに命令するよう構成することができる。
【0122】
438において、受け取られたトランザクションメッセージを実行することができる。ある実施形態では、運用トラブルを抱えた(MPノード118Aなどの)ノードが、回復後に(436において再転送された)トランザクションメッセージに基づいて(分散型台帳118などの)分散型台帳上でトランザクションを実行することができる。別の実施形態では、第1のMaaSネットワーク102が運用トラブルを抱えたノードを含まない場合、(MPノード118Aなどの)受信ノードがトランザクションメッセージに基づいてトランザクションを実行することができる。制御は終了に進むことができる。
【0123】
フローチャート400を404、406、408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428、430、432、434、436及び438などの個別の動作として説明したが、本開示はこのように限定されるものではない。従って、いくつかの実施形態では、開示する実施形態の本質を損なうことなく、このような個別の動作を特定の実装に応じてさらなる動作にさらに分割し、より少ない動作に組み合わせ、又は削除することができる。
【0124】
本開示の例示的な態様は、(ブローカノード装置112などの)ブローカノード装置、(ノード管理装置204などの)ノード管理装置及び(管理者装置122などの)管理者装置を含むことができる(システム300などの)システムを含むことができる。ブローカノード装置112は、(第1のMaaSネットワーク102などの)第1のモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークの第1の複数のノードに関連する動作情報を収集するように構成することができる。ブローカノード装置112は、収集された動作情報に基づいて第1の複数のノードのうちの1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定するようにさらに構成することができる。1又は2以上のノードは、MaaSモビリティサービスに含まれる一連の旅行プランのうちの第1の旅行プランに関連するチケットトランザクションを処理することができる。ブローカノード装置112は、決定された運用トラブルに基づいて、メッセージルーティングポリシーの組から第1のメッセージルーティングポリシーを選択するようにさらに構成することができる。ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、第1の複数のノードのうちの第1のノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るようにさらに構成することができる。さらに、ブローカノード装置112は、選択された第1のメッセージルーティングポリシーに基づいて、受け取ったトランザクションメッセージを第1の複数のノードのうちの第2のノードに転送するように構成することができる。
【0125】
ある実施形態では、ブローカノード装置112を、第1のMaaSネットワーク102に属する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両に関する交通情報を収集するようにさらに構成することができる。収集される交通情報は、交通渋滞情報、交通事故情報、迂回路情報、又は平均未満の交通量情報を含むことができる。ブローカノード装置112は、収集された交通情報にさらに基づいて、第1の複数のノードのうちの1又は2以上のノードに関連する運用トラブルを決定するように構成することができる。収集される動作情報は、第1の複数のノードの各ノードのネットワーク接続状態及び装置動作状態を含むことができる。決定される運用トラブルは、1又は2以上のノードに関連するネットワーク接続障害、1又は2以上のノードの運用上の障害、1又は2以上のノードのアプリケーションエラー、或いは1又は2以上のノードのメッセージ処理能力の過負荷のうちの少なくとも1つを含むことができる。決定される運用トラブルは、計画された旅行時刻に輸送車両が利用できず或いは計画された旅行時刻と比べて乗車又は下車のための輸送車両の到着が遅れたことに起因して1又は2以上のノードがチケットトランザクションを処理できないことをさらに含むことができる。
【0126】
ある実施形態では、第1のノード及び第2のノードが1又は2以上のノードと異なることができる。ある実施形態では、第1のノード及び第2のノードが、第1のMaaSネットワーク102の1又は2以上のノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。
【0127】
ある実施形態では、ブローカノード装置112を、決定された運用トラブル、収集された動作情報及び第1のMaaSネットワーク102に関連する1又は2以上のモビリティプロバイダの路上保有輸送車両に関する交通情報を含む情報を表示するように管理者装置122を制御するよう構成することができる。ブローカノード装置112は、表示された情報に基づいてメッセージルーティングポリシーの組に対応するユーザ選択可能オプションの組を表示するように管理者装置122を制御するよう構成することができる。ブローカノード装置112は、管理者装置122を介してユーザ選択可能オプションの組のうちの第1のユーザ選択可能オプションの選択を含む管理者入力を受け取るようにさらに構成することができる。受け取られた管理者入力に基づいて第1のメッセージルーティングポリシーを選択することができる。
【0128】
ある実施形態では、ブローカノード装置112を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第1のMaaSネットワーク102とは異なる(第2のMaaSネットワーク202などの)第2のMaaSネットワークの第2の複数のノードから代替発行者ノードを第1のノードとして選択するように構成することができる。代替発行者ノードは、選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、1又は2以上のノードが運用トラブルを抱えた発行者ノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。ブローカノード装置112は、選択された代替発行者ノードから第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを受け取るように構成することができる。ある実施形態では、受け取られたトランザクションメッセージが、1又は2以上のノードによって処理されるチケットトランザクションの代わりに手配された予定外の又は未購入のチケットトランザクションに対応することができる。選択された代替発行者ノードは、運用トラブルを抱えた発行者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。
【0129】
ある実施形態では、ブローカノード装置112を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第1のMaaSネットワーク102とは異なる第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードから代替加入者ノードを第2のノードとして選択するように構成することができる。代替加入者ノードは、選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、1又は2以上のノードが運用トラブルを抱えた加入者ノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。ブローカノード装置112は、受け取られた第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを選択された代替加入者ノードに転送するように構成することができる。選択された代替加入者ノードは、運用トラブルを抱えた加入者ノードに関連する第2のモビリティプロバイダとは異なることができる第1のモビリティプロバイダに関連することができる。
【0130】
ある実施形態では、ブローカノード装置112を、第1のMaaSネットワーク102の第1の複数のノード又は第1のMaaSネットワーク102とは異なる第2のMaaSネットワーク202の第2の複数のノードからバックアップノードを第2のノードとして選択するように構成することができる。バックアップノードは、選択された第1のメッセージルーティングポリシーと、1又は2以上のノードが第1のMaaSネットワーク102に含まれる運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳(例えば、分散型台帳118又は分散型台帳120)の運用トラブルを抱えたノードを含む旨の判定とに基づいて選択することができる。ブローカノード装置112は、受け取られた第1の旅行プランに関連するトランザクションメッセージを選択されたバックアップノードに転送するように構成することができ、バックアップノードは、転送されたトランザクションメッセージを一時的に記憶することができる。
【0131】
ある実施形態では、ノード管理装置204を、運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳(例えば、分散型台帳118又は分散型台帳120)の運用トラブルを抱えたノードの回復を初期化するように構成することができる。回復の完了後、ノード管理装置204は、バックアップノードに、記憶されたトランザクションメッセージを運用トラブルを抱えた加入者ノード又は分散型台帳の運用トラブルを抱えたノードに再転送するように命令するよう構成することができる。
【0132】
ある実施形態では、第1のメッセージルーティングポリシーが、イントラルーティングポリシー、インタールーティングポリシー、又はリージョンルーティングポリシーのうちの1つに対応することができる。イントラルーティングポリシーは、ブローカノード装置112が第1のモビリティプロバイダに関連する発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを同じ第1のMaaSネットワーク102内の第1のモビリティプロバイダとは異なる第2のモビリティプロバイダに関連する加入者ノードに転送できるルーティングポリシーに対応することができる。インタールーティングポリシーは、ブローカノード装置112が第1のMaaSネットワーク102の発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを第1のMaaSネットワーク102とは異なる第2のMaaSネットワーク202の加入者ノードに転送できるルーティングポリシーに対応することができる。リージョンルーティングポリシーは、ブローカノード装置112が第1の地理的地域における第1のMaaSネットワーク102の発行者ノードから受け取ったトランザクションメッセージを第1の地理的地域とは異なる第2の地理的地域における第1のMaaSネットワーク102又は第2のMaaSネットワーク202の加入者ノードに転送できるルーティングポリシーに対応することができる。
【0133】
本開示は、ハードウェアで実現することも、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現することもできる。本開示は、少なくとも1つのコンピュータシステム内で集中方式で実現することも、又は異なる要素を複数の相互接続されたコンピュータシステムにわたって分散できる分散方式で実現することもできる。本明細書で説明した方法を実行するように適合されたコンピュータシステム又はその他の装置が適することができる。ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせは、ロードされて実行された時に本明細書で説明した方法を実行するようにコンピュータシステムを制御することができるコンピュータプログラムを含む汎用コンピュータシステムとすることができる。本開示は、他の機能も実行する集積回路の一部を含むハードウェアで実現することができる。
【0134】
本開示は、本明細書で説明した方法の実装を可能にする全ての特徴を含み、コンピュータシステムにロードされた時にこれらの方法を実行できるコンピュータプログラム製品に組み込むこともできる。本文脈におけるコンピュータプログラムとは、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を直接的に、或いはa)別の言語、コード又は表記法への変換、b)異なる内容形態での複製、のいずれか又は両方を行った後に実行させるように意図された命令セットの、あらゆる言語、コード又は表記法におけるあらゆる表現を意味する。
【0135】
いくつかの実施形態を参照しながら本開示を説明したが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、同等物を代用することもできると理解するであろう。また、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は内容を本開示の教示に適合させるように多くの修正を行うこともできる。従って、本開示は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むように意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B