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特許7387140電磁波シールドルーム及び電磁波シールドルームの組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】電磁波シールドルーム及び電磁波シールドルームの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20231120BHJP
   E04B 1/92 20060101ALI20231120BHJP
   G01R 29/10 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H05K9/00 N
H05K9/00 P
E04B1/92
G01R29/10 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019152241
(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公開番号】P2021034519
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】598155715
【氏名又は名称】コスモテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100135714
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 一生
(72)【発明者】
【氏名】日敷 淳
(72)【発明者】
【氏名】木内 健夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 弘臣
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-028806(JP,A)
【文献】特開2016-211248(JP,A)
【文献】特表平10-501037(JP,A)
【文献】実開昭58-140697(JP,U)
【文献】特開平11-081519(JP,A)
【文献】特開2008-235730(JP,A)
【文献】特開2012-057464(JP,A)
【文献】特開平01-214658(JP,A)
【文献】特開2009-046851(JP,A)
【文献】特開2000-129827(JP,A)
【文献】米国特許第05038534(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
E04B 1/92
G01R 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネル同士を直接接続することにより形成される電磁波シールドルームであって、
前記複数のパネルには、第1パネル及び第2パネルが含まれ、
前記第1パネル及び第2パネルの各々は、その表面又は裏面の少なくとも一方を覆う金属板を有し、
前記第1パネルと第2パネルの接合面には、前記金属板の一部分を用いて形成された、弾性を有する接触部が配置され、
前記第1パネルと第2パネルが直接接続された状態において、前記第1パネル及び第2パネルの前記接触部同士が接触し、各々の接触部が発生する弾力によって前記各々の接触部が互いに押し付けあい、
前記第1パネルは、前記接触部として、第1接触部を有し、
前記第2パネルは、前記接触部として、第2接触部を有し、
前記第1接触部及び第2接触部は前記接合面の長手方向に沿って設けられ、
前記第1接触部は、接合面の長手方向に垂直な断面において、三角形状を有し、
前記第2接触部は、接合面に平行な板形状を有し、
パネル同士が直接接続された状態において、前記第1接触部の三角形状の頂点が、前記第2接触部の接合面に平行な板状部の表面と接触する
ことを特徴とする電磁波シールドルーム。
【請求項2】
複数のパネル同士を直接接続することにより形成される電磁波シールドルームであって、
前記複数のパネルには、第1パネル及び第2パネルが含まれ、
前記第1パネル及び第2パネルの各々は、その表面又は裏面の少なくとも一方を覆う金属板を有し、
前記第1パネルと第2パネルの接合面には、前記金属板の一部分を用いて形成された、弾性を有する接触部が配置され、
前記第1パネルと第2パネルが直接接続された状態において、前記第1パネル及び第2パネルの前記接触部同士が接触し、各々の接触部が発生する弾力によって前記各々の接触部が互いに押し付けあい、
前記第1パネルは、前記接触部として、第1接触部を有し、
前記第1接触部は、第1突起部と、第2突起部から構成され、
前記第2パネルは、前記接触部として、第2接触部を有し、
前記第1接触部及び第2接触部は前記接合面の長手方向に沿って設けられ、
前記第1突起部は、長手方向に垂直な断面において、三角形状を有し、
前記第2突起部は、接合面を覆う板形状を有し、
前記第2接触部は、接合面を覆う板状部と、板状部の端部を第2パネル側に折り返された折り返し部とを備え、
パネル同士が直接接続された状態において、
前記第1突起部の三角形状の頂点が前記第2接触部の前記板状部と接触し、
前記第2突起部の端部が前記第2パネルの接合面に接触し、
前記第2接触部の折り返し部が第2突起部の裏面と接触する
ことを特徴とする電磁波シールドルーム。
【請求項3】
複数のパネル同士を直接接続することにより形成される電磁波シールドルームの組み立て方法であって、
前記複数のパネルには、前記第1パネル及び第2パネルが含まれ、
前記第1パネル及び第2パネルの各々は、その表面又は裏面の少なくとも一方を覆う金属板を有し、
前記第1パネルと第2パネルの接合面には、前記金属板の一部分を用いて形成された、弾性を有する接触部が配置され、
前記第1パネルは、前記接触部として、第1接触部を有し、
前記第1接触部は、第1突起部と、第2突起部から構成され、
前記第2パネルは、前記接触部として、第2接触部を有し、
前記第1接触部及び第2接触部は前記接合面の長手方向に沿って設けられ、
前記第1突起部は、接合面の長手方向に垂直な断面において、三角形状を有し、
前記第2突起部は、接合面を覆う板形状を有し、
前記第2接触部は、接合面を覆う板状部と、板状部の端部を第2パネル側に折り返された折り返し部とを備え、
前記第1パネル及び第2パネルの接合面を平行に維持しながら、パネル表面に垂直な方向へ前記第1パネル又は第2パネルをスライドさせて接続すること
を特徴とする電磁波シールドルームの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波シールドルーム及び電磁波シールドルームの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁波シールドルームは外部からの電磁波の影響を受けず、かつ外部に電磁波を漏らさないようにするため、壁や天井、壁同士の繋ぎ目に隙間が発生しないよう、ボルト・ナットによる多点止め、またはシールドガスケットやシールドフィンガーなどの電磁波シールド部材を繋ぎ目に挟み込み隙間を作らないようにしている。
【0003】
特許文献1は、導電性を有するシールドフレーム材を組み合わせた構成の枠体が、天井部及び壁部に沿って多数配置され、導電性を有する多数のシールド部材が枠体を塞ぐように配置される電磁波シールドルームであって、弾性力を有するとともに表面が導電性を有するシールド部材の外周部に沿う位置でシールドフレーム材に保持される弾性材と、シールド部材の外周部に沿って配置される押え部材を備え、弾性材の弾力によって押え部材とシールド部材とが互いに押え付けられている電磁波シールドルームの構造を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-283737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、大規模な空間を有する電磁波シールドルームを製造する場合、シールドフレーム材及びシールド部材の増加に伴い、シールドフレーム材とシールド部材、及びシールドフレーム材同士を締結するためのボルト・ナットの数が増加することにより工事時間が増大する。また、シールドフレーム材とシールド部材間には、別途シールド部材を使用する必要があるため安価に製造することができず、さらに施工者の技量によりシールド性能が安定して確保できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、工事時間の短縮及び製造コストを削減できる電磁波シールドルーム及び電磁波シールドルームの組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係わる電磁波シールドルームは、複数のパネル同士を直接接続することにより形成される電磁波シールドルームであって、複数のパネルには、第1パネル及び第2パネルが含まれ、第1パネル及び第2パネルの各々は、その表面又は裏面の少なくとも一方を覆う金属板を有し、第1パネルと第2パネルの接合面には、金属板の一部分を用いて形成された弾性を有する接触部が配置され、第1パネルと第2パネルが直接接続された状態において、第1パネル及び第2パネルの接触部同士が接触し、各々の接触部が発生する弾力によって前記各々の接触部が互いに押し付けあうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、工事時間の短縮及び製造コストを削減できる電磁波シールドルームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電磁波シールドルームの外観図である。
図2】(a)(b)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの全体構造を説明する、接合前の第1パネル及び第2パネルの上面図である。(c)(d)は、(b)(a)に対応する正面図である。
図3】(a)は、本発明の第1実施形態に係るパネル接合構造を説明する、電磁波シールドルームの壁部を構成する第1パネルの接合面を上方から見た断面図である。(b)は、(a)に対応する正面図である。
図4】(a)は、本発明の第1実施形態に係るパネル接合構造を説明する、電磁波シールドルームの壁部を構成する第2パネルの接合面を上方から見た断面図である。(b)は、(a)に対応する正面図である。
図5】(a)(b)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの接合構造、及び組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面から見た断面図である。(c)(d)は、(b)(a)に対応する正面から見た断面図である。
図6】(a)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの接合構造、及び組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部の接合後の第1接合面及び第2接合面を上面から見た断面図である。(b)は、(a)に対応する正面から見た断面図である。
図7】(a)(c)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁角部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図8】(a)(c)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と天井部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面から見た断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図9】(a)(c)は、本発明の第1実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と床部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面から見た断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図10】(a)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)に対応する接合後の断面図である。
図11】(a)(c)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁角部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図12】(a)(c)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と天井部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図13】(a)(c)は、本発明の第2実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と床部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図14】(a)は、本発明の第3実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)に対応する接合後の断面図である。
図15】(a)(c)は、本発明の第3実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁角部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図16】(a)(c)は、本発明の第3実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と天井部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図17】(a)(c)は、本発明の第3実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と床部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図18】(a)は、本発明の第4実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)に対応する接合後の断面図である。
図19】(a)(c)は、本発明の第4実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁角部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図20】(a)(c)は、本発明の第4実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と天井部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)(c)に対応する接合後の断面図である。
図21】(a)(c)は、本発明の第4実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの壁部と床部の接合前の第1接合面及び第2接合面を上面からみた断面図である。(b)は、(a)に対応する接合後の断面図である。
図22】(a)は、本発明の第5実施形態に係るパネルの接合構造、及びパネルの組み立て方法を説明する、電磁波シールドルームの天井部の接合前の第1接合面及び第2接合面を正面からみた断面図である。(b)は、(a)に対応する接合後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。
【0011】
(第1実施形態)
(電磁波シールドルームの全体構成)
本発明の実施形態に係る電磁波シールドルームは、図1に示すように、複数のパネル1同士を直接接続することにより形成される。電磁波シールドルームは、4つの壁部81、天井部82、床部83、床土台部84を備える。4つの壁部81、1つの天井部82、1つの床部83の各々は、1又は2以上のパネルから構成される。壁部81と天井部82、壁部81と床部83、及び壁部81同士がそれぞれ直接接続されることにより、電磁波シールドルームが形成されている。図2~6を参照して、1つの壁部81を構成するパネル1同士の接合構造を示す。図7を参照して、壁部81同士の角接合構造を示す。図8を参照して、壁部81と天井部82の接合構造を示す。図9を参照して、壁部81と床部83と床土台部84の接合構造を示す。
【0012】
(パネル1単体の構造)
図2(a),(b),(c),(d)を参照して、電磁波シールドルームを形成する複数のパネルの一部であって、図1に示す壁部81を構成する第1パネル1A及び第2パネル1Bを説明する。第1パネル1A及び第2パネル1Bは、それぞれ矩形平板状であり、その表面又は裏面の少なくとも一方が金属板で覆われた建材である。実施形態では、パネルの一例として、表面及び裏面の双方がアルミニウム又はステンレスなどの導電性を有する薄板で覆われ、その内部に発泡プラスティックが充填されたパネルを用いて説明する。
【0013】
(壁部81のパネル突合せ接合構造)
第1パネル1Aは、第1パネル1Aの長手方向に沿う端面である第1接合面10Aを有する。第2パネル1Bは、第2パネル1Bの長手方向に沿う端面である第2接合面10Bを有する。第1接合面10Aには、互いに同一形状のフック2が配置される。第2接合面10Bには、互いに同一形状のホール3(図4参照)が配置されている。第1パネル1A及び第2パネル1Bは、フック2とホール3の係合により互いに接続される。
【0014】
第1接合面10Aには、図3(a),(b)に示すように、第1接触部11Aが配置されている。第1接触部11Aは、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成され弾性を有する。第1接触部11Aは、第1接合面10Aの長手方向に沿って配置され、第1接合面10Aの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。三角形状は、次のようにして形成される。第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第1パネル1Aの表面又は裏面と第1接合面10Aとの角部から第1パネル1Aの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第1接合面10Aに沿うように約直角に折り曲げ、折り曲げた端部から短手方向の長さの約1/3の位置で逆方向に折り返し、折り返した部分の一部を第1接合面10Aに向かって折り曲げる。
【0015】
フック2は、図3(a),(b)、図5(a),(d)に示すように、第1接合面10Aの長手方向に沿って配置された、互いに平行な板状の一対のフックである。フック2は、例えば互いに鏡像対象性を有して対向するように形成され、それぞれ概略として倒立したJ字形状に形成される。フック2を連結する帯状の連結部22と、ホール3への挿入部である先端部24と、先端部24と連結部22を接続する根元部23から構成される。先端部24のうち、根元部23に向かう領域には、床部83側に向けて開口する切り欠き部25が形成される。また、先端部24は、根元部23側の端部に、下部に向かうほど根元部23との距離が離れるように形成された傾斜部26を有する。
【0016】
第2接合面10Bには、図4(a),(b)に示すように、第2パネル1Bの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第2接触部11Bと、フック2の断面形状に対応するホール3とが配置されている。
【0017】
第2接触部11Bは、第2接合面10Bの長手方向に沿って配置され、第2接合面10Bに平行な板形状を有している。板形状は、次のようにして形成される。第2パネル1Bの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1Bの表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部から第2パネル1Bの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第2接合面10Bに沿うように約直角に折り曲げ、折り曲げた端部から短手方向の長さの約1/3の位置で第2接合面10Bに沿って折り曲げた方向とは逆方向に折り返し、折り返し部が第2接合面10Bと平行となるように形成される。
【0018】
ホール3は、第1接合面10Aから突出したフック2の先端部24を挿入可能なフック挿入部31と、フック挿入部31から挿入された先端部24が圧入されることにより、先端部24を挟み、フック2をホール3に対して固定するフック固定部32とを有する。フック挿入部31は、ホール3の一端(上端)からフック2の先端部24が挿入可能な長さ及び幅を有するように形成される。フック固定部32は、例えば、フック挿入部31の下方向に向かうほど幅が小さくなるように形成される。フック挿入部31及びフック固定部32は、図4(b)に示すように、互いに一部を共有するように形成されてもよい。
【0019】
(壁部81のパネル突合せ接合方法)
以下、図1に示す電磁波シールドルームの組み立て方法のうち、壁部81を構成する、図2に示す第1パネル1A及び第2パネル1Bの接合方法について図5(a)~(d)及び図6(a),(b)を参照して説明する。先ず、第1パネル1Aは、図5(a)~(d)に示すように、第1パネル1A及び第2パネル1Bの接合面同士(10A、10B)を向い合わせ、フック2の先端部24が、対応するフック挿入部31に対向するように配置する。第1パネル1Aを、第1接合面10A及び第2接合面10Bに垂直な方向に沿い、第1接合面10Aから第2接合面10Bに向かう挿入方向Pに移動させる。これにより、先端部24はそれぞれ対応するフック挿入部31に挿入され、第1接触部11Aの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11Bの第2接合面10Bに平行する板状部の表面に接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0020】
次いで、第1パネル1Aを、図6(a),(b)に示すように、先端部24がフック挿入部31に挿入された状態で、第1パネル1Aの表面に平行な方向へスライドさせることにより、第1接合面10A及び第2接合面10Bに沿ってフック挿入部31がフック固定部32の圧入方向(下方向)Qに移動する。先端部24は、フック固定部32に圧入されることによりフック固定部32に挟み込まれ、フック2は、ホール3に対して固定される。フック2は、傾斜部26を有することにより、容易に切り欠き部25をフック固定部32にガイドすることができる。フック2とホール3の結合により、第1接触部11A及び第2接触部11Bが発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態が維持される。
【0021】
(壁角部200のパネル突合せ接合構造)
第1実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81同士が接続される壁角部200において、図7(a)~(c)に示すように、第1パネル1Aと第2パネル1BCが直接接続されている。第1パネル1Aが有する第1接合面10Aと、第2パネル1BCが有する第2接合面10BCが接続されることにより図1に示す電磁波シールドルームの壁角部200を形成する。図2及び図3に示した電磁波シールドルームの壁部81の構成と比較して、第1パネル1Aの構造は等しいが、第2パネル1BCの構造が異なる。
【0022】
第2パネル1BCは、第2パネル1BCの表面又は裏面の長手方向に沿う第2接合面10BCを有する。第2接合面10BCには、第2パネル1BCの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第2接触部11BCと、フック2の断面形状に対応するホール3とが配置されている。
【0023】
第2接触部11BCは、第2接合面10BCの長手方向に沿って配置され、第2接合面10BCに平行な板形状を有している。板形状は次のようにして形成される。パネルの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2接触部11BCを配置する側の第2接合面10BCの端部から短手方向の長さの約1/3の位置で折り返し、折り返し部が第2接合面と平行となるように形成される。他第2パネルの構成については、第2パネル1Bと同様である。
【0024】
(壁角部200のパネル突合せ接合方法)
図1に示す電磁波シールドルームの壁角部200を構成する第1パネル1A及び第2パネル1BCの接合方法は、壁部81を形成するパネルの組み立て方法と同様である。第1パネル1Aと第2パネル1BCが接続された状態において、弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11BCが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0025】
(壁部81と天井部82のパネル突合せ接合構造)
第1実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と天井部82との接続部300において、図8(a)~(c)に示すように、第1パネル1Aと第2パネル1BUが直接接続されている。第1パネル1Aが有する第1接合面10AUと、第2パネル1BUが有する第2接合面10BUが接続されることにより図1に示す電磁波シールドルームの接続部300を形成する。
【0026】
第1パネル1Aは、第1パネル1Aの短手方向に沿う端面である第1接合面10AUを有する。第1接合面10AUには、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第1接触部11AUと、固定具5Hの断面形状に対応するホール4Hとが配置されている。
【0027】
第1接触部11AUは、第1接合面10AUの長手方向に沿って配置され、第1接合面10AUの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。三角形状の形成方法は、第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aと同様である。
【0028】
ホール4Hには、第2接合面10BUから突出した固定具5Hが挿入される。ホール4Hは、固定具5Hがボルトの場合には、ボルトのねじ部呼び径に対応する孔径を有し、ナットが第2接合面の裏面にホール4Hと同心配置されている。ホール4Hは、固定具5Hが雄ねじの場合には、雄ねじに対応する雌ねじがホール4H内表面に形成されている。
【0029】
第2パネル1BUは、第2パネル1BU表面又は裏面の長手方向に沿う第2接合面10BUを有する。第2接合面10BUには、第2パネル1BUの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された第2接触部11BUと、固定具5Hとが配置されている。第2パネル1BUには、天井カバー6及び第1パネルカバー60が配置されている。
【0030】
第2接触部11BUは、第2接合面10BUの長手方向に沿って配置され、第2接合面10BUに平行な板形状を有している。板形状の形成方法は、第2接合面10BCに配置された第2接触部11BCと同様である。
【0031】
固定具5Hは、第2接合面10BUの長手方向に沿って配置された、ボルトまたは雄ねじである。
【0032】
天井カバー6は、第2パネル1BUの電磁波シールドルームの室外側に露出する部分を覆うように配置され、第2パネル1BUの雨が直接あたる部分を保護する。
【0033】
第1パネルカバー60は、天井カバー6と一体に形成され、第1パネル1Aと第2パネル1BUが接続された状態において、電磁波シールドルームの壁部81の室外側となる第1パネル1A表面に沿うように配置されている。第1パネルカバー60は、天井部82を伝い壁面に滴る雨水が、第1パネル1Aと第2パネル1BUの接続部300を介して電磁波シールドルームの室内へ進入するのを防止する。
【0034】
(壁部81と天井部82のパネル突合せ接合方法)
以下、図1に示す電磁波シールドルームの組み立て方法のうち、壁部81と天井部82との接続部300を構成する、第1パネル1A及び第2パネル1BUの接合方法について図8(a)~(c)を参照して説明する。第1パネル1Aを組み立てた後に、固定具5Hが、対応するホール4Hに対向するように第1パネル1Aの第1接合面10AUと第2パネル1BUの第2接合面10BUを合わせる。第2パネル1BUを、第1接合面10AU及び第2接合面10BUに垂直な方向に沿い、第2接合面10BUから第1接合面10AUに向かう挿入方向Pに移動させる。これにより固定具5Hは、それぞれ対応するホール4Hに挿入され、ホール4Hと締結されることにより、第1パネル1Aと第2パネル1BUとが接続される。第1パネル1Aと、第2パネル1BUとが接続されることにより、第1接触部11AUの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11BUの第2接合面10BUに平行する板状部の表面に接触する。弾性を有する第1接触部11AU及び第2接触部11BUが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。固定具5Hとホール4Hの結合により、第1接触部11AU及び第2接触部11BUが発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態が維持される。
【0035】
(壁部81と床部83のパネル突合せ、及び床土台部84との接合構造)
第1実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と床部83と床土台部84との接続部400において、図9(a)~(c)に示す、第1パネル1Aと第2パネル1BLと床土台部84とが直接接続されている。第1パネル1Aが有する第1接合面10ALと、床土台部84とが有する床土台接合面70とが接続され、第2パネル1BLが有する第2接合面10BLと、第1パネル1Aの床土台接合面70に接する電磁波シールドルームの室内側のパネル表面とが接続されている。これにより図1に示す電磁波シールドルームの壁部81と床部83と床土台部84との接続部400を形成する。
【0036】
第1パネル1Aは、第1パネル1Aの短手方向に沿う端面である第1接合面10ALを有する。第1接合面10ALには、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第1接触部11ALと、固定具5Lとが配置されている。
【0037】
第1接触部11ALは、第1接合面10ALの長手方向に沿って配置され、第1接合面10ALの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。三角形状の形成方法は、第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aと同様である。
【0038】
固定具5Lは、第1接合面10ALの長手方向に沿って配置された、ボルトまたは雄ねじである。
【0039】
第2パネル1BLは、第2パネル1BLの短手方向に沿う端面である第2接合面10BLを有する。第2パネル1BLには、第2パネル1BLの表面又は裏面と第2接合面10BLとの角部から第2パネル1BLの表面又は裏面に沿って突出した、第2パネル1BLの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第2接触部11BLが配置されている。
【0040】
第2接触部11BLは、第2接合面10BLの長手方向に沿って配置され、第2接合面10BLに対して約直角となる板形状を有している。板形状は、次のようにして形成される。第2パネル1BLの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1BLの表面又は裏面と第2接合面10BLとの角部から第2パネル1BLの外側に、第2接合面10BLと約直角となるように突出させ、突出した部分の前記した角部から第2接合面の短手方向の長さの約1/3の位置で第2接合面10BLに向かって折り返し、折り返し部が第2接合面10BLに対して約直角となるように形成される。
【0041】
床土台部84は、第1パネル1A及び第2パネル1BLが接合する床土台接合面70を有する。床土台部84は、鋼板などを曲げ加工することにより形成され、床土台接合面70の長手方向に垂直な断面において、以下のような形状を有している。床土台部84は、床土台接合面70と、床土台接合面70の短手方向に対して約直角に折り曲げられた垂直部71と、床土台接合面70に対向する、垂直部71に対して約直角に折り曲げられた底部72を有している。
【0042】
床土台接合面70には、固定具5Lの断面形状に対応するホール4Lが配置されている。
【0043】
ホール4Lには、第1接合面から突出した固定具5Lが挿入される。ホール4Lは、固定具5Lがボルトの場合には、ボルトのねじ部呼び径に対応する孔径を有し、ナットが床土台接合面70の裏面にホール4Lと同心配置されている。ホール4Lは、固定具5Lが雄ねじの場合には、雄ねじに対応する雌ねじがホール4L内表面に形成されている。
【0044】
(壁部81と床部83のパネル突合せ、及び床土台部84との接合方法)
以下、図1に示す電磁波シールドルームの組み立て方法のうち、壁部81と床部83と床土台部84との接続部400を構成する、第1パネル1A、第2パネル1BL、及び床土台部84の接合方法について、図9(a)~(c)を参照して説明する。先ず、固定具5Lが、対応するホール4Lに対向する位置で、第1パネル1Aの第1接合面10ALと、床土台接合面70とを平行に向かい合わせる。第1パネル1Aを、第1接合面10AL及び床土台接合面70に垂直な方向に沿い、第1接合面10ALから床土台接合面70に向かう挿入方向Pに移動させる。これにより、固定具5Lはそれぞれ対応するホール4Lに挿入され、第1接触部11ALの三角形状の頂点の1つが、床土台接合面70に接触する。この時点では、固定具5Lとホール4Lは仮止め状態とする。
【0045】
次いで、第2接触部11BLが配置された第2パネル1BLの表面又は裏面を、床土台接合面70に沿わせ、第2接合面10BLが、第1パネル1Aの電磁波シールドルームの室内側のパネル表面に平行に向かい合うように、第2パネル1BLを配置する。第2パネル1BLを、第2接合面10BLが第1パネル1A表面に向かう挿入方向P’に移動させる。これにより、第2接合面10BLと第1パネル1A表面が接触し、第2接触部11BLが第1接触部11ALと床土台接合面70の間に挿入され、第2接触部11BLと第1接触部11ALが接触状態となる。最後に、固定具5Lとホール4Lとが完全に締結されることにより、第1接触部11ALの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11BLの板状部の表面に接触する。弾性を有する第1接触部11AL及び第2接触部11BLが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0046】
(第1実施形態による作用効果)
第1実施形態によれば、表面及び裏面を金属板で覆われた建材であるパネル1同士を直接接続することにより電磁波シールドルームを形成するので、シールド部材を配置するためのシールドフレーム材が不要となる。これにより、電磁波シールドルームの構成部材を低減することができ、工事時間の短縮、及び製造コストを削減することができる。
【0047】
パネル1の接合面(壁部81のパネル接合の場合では、図5(a),(b)に示す10A及び10B)にパネルの表面又は裏面の少なくとも一方を覆う金属板を用いて形成された弾性を有する接触部(11A及び11B)を配置することにより、パネル1同士が接続された状態において、各々の接触部(11A及び11B)が互いに押しつけあった状態となり、パネル間に隙間が発生しないよう作用する。これにより、パネル間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0048】
パネル1同士(壁部81のパネル接合の場合では、図6(a),(b)に示す1A及び1B)が直接接続された状態において、第1接触部(11A)の三角形状の頂点の1つが、第2接触部(11B)の板状部の表面に接触することにより、パネル1間の導電性を確保することができる。これにより、パネル1間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0049】
壁部81を構成するパネル1A及び1Bは、パネル接合面10A及び10Bに配置されたフック2及びホール3によって接続されることにより、パネル同士の位置決めが容易となり、パネル間の接続にかかる時間を短縮することができる。また、パネル間の接続にボルト・ナットを使用しないため、製造コストを削減することができる。
【0050】
壁部81を構成するパネル1A及び1Bの接続において、第1接触部11Aの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11Bの板状部の表面に接触した状態で、パネル表面に平行な方向にスライドすることにより、フック2とホール3が係合する。これにより、パネル同士を容易に接続することができ、パネル同士の接続にかかる時間を短縮することができる。
【0051】
以下、第2実施形態から第5実施形態について説明する。第2実施形態及び第3実施形態は、第1実施形態に対して接触部の形状が異なる。第1実施形態に対して相違する部分のみを説明し、共通する部分の説明を省略する。
【0052】
(第2実施形態)
(壁部81のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第2実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図10(a),(b)に示す。壁部81を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1Bが含まれる。図5(a),(b)及び図6(a)と比べて、図10(a),(b)に示す第1パネル1A及び第2パネル1Bは、第1パネル1Aの第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aの構造、第2パネル1Bの第2接合面10Bに配置された第2接触部11Bの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11A及び第2接触部11Bの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0053】
また、第1接触部11Aと第2接触部11Bの形状は、互いに対称な形状を有しているため、第1接触部11Aの構造について説明し、第2接触部11Bの構造の説明は省略する。
【0054】
第1接触部11Aは、第1接合面10Aの長手方向に沿って配置され、第1接合面10Aの長手方向に垂直な断面において、第1接合面10Aとの角度が約45度となる板形状を有している。板形状は次のようにして形成される。第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第1パネル1Aの表面又は裏面と第1接合面10Aとの角部から第1パネル1Aの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第1接合面10A側に折り曲げ、第1接合面10Aとの角度が約45度となるように形成される。
【0055】
第1パネル1A及び第2パネル1Bが直接接続された状態において、1接触部11Aの板状部の先端が、第2接触部11Bの板状部の先端または表面に接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0056】
(壁角部200のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第2実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81同士が接続される壁角部200を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図11(a)~(c)に示す。壁角部200を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BCが含まれる。図7(a)~(c)と比べて、図11(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BCは、第1パネル1Aの第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aの構造、第2パネル1BCの第2接合面10BCに配置された第2接触部11BCの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11A及び第2接触部11BCの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0057】
また、図11(c)に示す第1接触部11Aは、図10(a)に示す第1接触部11Aと同一であり、図11に示す第1接触部11Aと第2接触部11BCは、互いに対象な形状を有しているため、第2接触部の形成方法について説明し、第1接触部11Aの構造の説明は省略する。
【0058】
第2接触部11BCは、第2パネル1BCの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2接触部11BCを配置する側の第2接合面10BCの端部から第2パネル1BCの外側へ折り曲げ、第2接合面10BCとの角度が45度となるように形成される。
【0059】
第1パネル1A及び第2パネル1BCが直接接続された状態において、1接触部11Aの板状部の先端が、第2接触部11BCの板状部の先端または表面に接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11BCが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0060】
(壁部81と天井部82のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第2実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と天井部82との接続部300を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図12(a)~(c)に示す。接続部300を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BUが含まれる。図8(a)~(c)と比べて、図11(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BUは、第1パネル1Aの第1接合面10AUに配置された第1接触部11AUの構造、第2パネル1BUの第2接合面10BUに配置された第2接触部11BUの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11AU及び第2接触部11BUの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0061】
図12(c)に示す第1接触部11AUと図10(a)に示す第1接触部11Aの構造は同様であり、図12(a)に示す第2接触部11BUと図11(a)に示す第2接触部11BCの構造は同様である。
【0062】
第1パネル1A及び第2パネル1BUが直接接続された状態において、1接触部11AUの板状部の先端が、第2接触部11BUの板状部の先端または表面に接触する。弾性を有する第1接触部11AU及び第2接触部11BUが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0063】
(壁部81と床部83のパネル突合せ、及び床土台部84との接合構造・接合方法)
第2実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と床部83と床土台部84との接続部400を構成するパネル1及び床土台部84の接合構造、及び接合方法を図13(a)~(c)に示す。接続部400を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BLが含まれる。図9(a)~(c)と比べて、図13(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BLは、第1パネル1Aの第1接合面10ALに配置された第1接触部11ALの構造、第2パネル1BLの第2接触部11BLの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11AL及び第2接触部11BLの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0064】
また、図13(a)に示す第1接触部11ALと図10(a)に示す第1接触部11Aの構造は同様であり、図13に示す第1接触部11ALと第2接触部11BCは、互いに同様な形状を有しているため、第2接触部の形成方法について説明し、第1接触部11ALの構造の説明は省略する。
【0065】
第2接触部11BLは、第2パネル1BLの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1BLの表面又は裏面と第2接合面10BLとの角部から第2パネル1BLの外側に、第2接合面10BLに対して約直角となるように突出させ、突出した部分の前記した角部から第2接合面の短手方向の長さの約1/6の位置で第2接合面10BL側に折り曲げ、第2接合面10BLとの角度が約45度となるように折り曲げる。
【0066】
第1パネル1A、第2パネル1BL、及び床土台部84が直接接続された状態において、1接触部11ALの板状部の先端が、第2接触部11BLの板状部の先端または裏面に接触する。弾性を有する第1接触部11AL及び第2接触部11BLが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0067】
(第2実施形態による作用効果)
パネル1同士(壁部81のパネル接合の場合では、図10(a),(b)に示す1A及び1B)が直接接続された状態において、第1接触部(11A)の板状部の先端が、第2接触部11Bの板状部の先端または表面に接触することにより、パネル1間の導電性を確保することができる。これにより、パネル間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0068】
壁部81を構成するパネル1A及び1Bの接続(図10(a),(b)参照)において、第1接触部11Aの板状部の先端が、第2接触部11Bの板状部の先端または表面に接触した状態で、パネル表面に平行な方向にスライドすることにより(パネル接合方法については図5図6を参照)、フック2とホール3が係合する。これにより、パネル同士を容易に接続することができ、パネル同士の接続にかかる時間を短縮することができる。
【0069】
(第3実施形態)
(壁部81のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第3実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図14(a),(b)に示す。壁部81を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1Bが含まれる。図5(a),(b)及び図6(a)と比べて、図14(a),(b)に示す第1パネル1A及び第2パネル1Bは、第1パネル1Aの第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aの構造、第2パネル1Bの第2接合面10Bに配置された第2接触部11Bの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11A及び第2接触部11Bの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0070】
第1接触部11Aは、第1接合面10Aの長手方向に沿って配置され、第1接合面10Aの長手方向に垂直な断面において、半楕円形状を有している。半楕円形状は次のようにして形成される。先ず、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第1パネル1Aのパネルの表面又は裏面と第1接合面10Aとの角部から第1パネル1Aの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第1接合面10Aに沿うように約直角に折り曲げる。次いで、折り曲げた部分の前記角部を覆った位置から第1接合面10Aに沿うように折り曲げ方向とは逆方向に折り返し、折り返した部分に曲げRをつけながら第1接合面10Aに向かって折り曲げる。
【0071】
第2接触部11Bは、第1接触部11Aと比較して、形状は同様であるが、大きさが異なる。第2接触部11Bの形成方法は、第1接触部11Aと比較して、曲げRをつけながら第2接合面10Bに向かって折り曲げる、折り曲げ開始位置が異なる。第2接触部11Bでは、第2パネル1Bの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1Bのパネルの表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部から第2パネル1Bの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部から曲げRをつけながら第2接合面に向かって折り曲げる。
【0072】
第1パネル1A及び第2パネル1Bが直接接続された状態において、第1接触部11A及び第2接触部11Bの半楕円形状の表面が互いに接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0073】
(壁角部200のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第3実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81同士が接続される壁角部200を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図15(a)~(c)に示す。壁角部200を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BCが含まれる。図7(a)~(c)と比べて、図15(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BCは、第1パネル1Aの第1接合面10Aに配置された第1接触部11Aの構造、第2パネル1BCの第2接合面10BCに配置された第2接触部11BCの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11A及び第2接触部11BCの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0074】
また、図15(c)に示す第1接触部11Aは、図14(a)に示す第1接触部11Aと同一であり、図15に示す第2接触部11BCと図14に示す第2接触部11Bの形状は同様であるため、第2接触部の形成方法について説明し、第1接触部11Aの構造の説明は省略する。
【0075】
第2接触部11BCは、第2パネル1BCの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2接触部11BCを配置する側の第2接合面10BCの端部から第2パネル1BCの外側へ、第2接合面10BCとの角度が約直角となるように折り曲げ、折り曲げた部分を前記した端部から曲げRをつけながら第2接合面に向かって折り曲げることにより形成される。
【0076】
第1パネル1A及び第2パネル1BCが直接接続された状態において、第1接触部11A及び第2接触部11BCの半楕円形状の表面が互いに接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0077】
(壁部81と天井部82のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第3実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と天井部82との接続部300を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図16(a)~(c)に示す。接続部300を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BUが含まれる。図8(a)~(c)と比べて、図16(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BUは、第1パネル1Aの第1接合面10AUに配置された第1接触部11AUの構造、第2パネル1BUの第2接合面10BUに配置された第2接触部11BUの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11AU及び第2接触部11BUの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0078】
図16(c)に示す第1接触部11AUと図14(a)に示す第1接触部11Aの構造は同様であり、図16(a)に示す第2接触部11BUと図15(a)に示す第2接触部11BCの構造は同様である。
【0079】
第1パネル1A及び第2パネル1BUが直接接続された状態において、第1接触部11AU及び第2接触部11BUの半楕円形状の表面が互いに接触する。弾性を有する第1接触部11AU及び第2接触部11BUが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0080】
(壁部81と床部83のパネル突合せ、及び床土台部84との接合構造・接合方法)
第3実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と床部83と床土台部84との接続部400を構成するパネル1及び床土台部84の接合構造、及び接合方法を図17(a)~(c)に示す。接続部400を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BLが含まれる。図9(a)~(c)と比べて、図17(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BLは、第1パネル1Aの第1接合面10ALに配置された第1接触部11ALの構造、第2パネル1BLの第2接触部11BLの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1接触部11AL及び第2接触部11BLの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0081】
また、図17(a)に示す第1接触部11ALと図14(a)に示す第1接触部11Aの構造は同様であり、図17に示す第1接触部11ALと第2接触部11BLは、互いに同様な形状を有しているため、第2接触部の形成方法について説明し、第1接触部11ALの構造の説明は省略する。
【0082】
第2接触部11BLは、第2パネル1BLの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1BLの表面又は裏面と第2接合面10BLとの角部から第2パネル1BLの外側に、第2接合面10BLと約直角となるように突出させ、突出させた部分に曲げRをつけながら、半楕円形状を形成する。第2接触部11BLの半楕円形状は、第1パネル1Aと第2パネル1BLが接続された状態において、第1接触部11ALの半楕円形状の表面に第2接触部11BLの半楕円形状の表面が接するように形成される。
【0083】
第1パネル1A及び第2パネル1BLが直接接続された状態において、第1接触部11AL及び第2接触部11BLの半楕円形状の表面が互いに接触する。弾性を有する第1接触部11AL及び第2接触部11BLが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0084】
(第3実施形態による作用効果)
パネル1同士(壁部81のパネル接合の場合では、図14(a),(b)に示す1A及び1B)が直接接続された状態において、第1接触部(11A)及び第2接触部(11B)の半楕円形状の表面が互いに接触することにより、パネル1間の導電性を確保することができる。これにより、パネル間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0085】
壁部81を構成するパネル1A及び1Bの接続(図14(a),(b)参照)において、第1接触部(11A)及び第2接触部(11B)の半楕円形状の表面が互いに接触した状態で、パネル表面に平行な方向にスライドすることにより(パネル接合方法については図5図6を参照)、フック2とホール3が係合する。これにより、パネル同士を容易に接続することができ、パネル同士の接続にかかる時間を短縮することができる。
【0086】
(第4実施形態)
(壁部81のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第4実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図18(a),(b)に示す。壁部81を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1Bが含まれる。図5(a),(b)及び図6(a)と比べて、図18(a),(b)に示す第1パネル1A及び第2パネル1Bは、第1パネル1Aの形状、第1パネル1Aの第1接触部11Aの構造、第2パネル1Bの第2接触部11Bの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1パネル1Aの形状、第1接触部11Aの構造、第2接触部11Bの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0087】
第1パネル1Aは、第1パネル1Aの表面又は裏面の長手方向に沿い、前記した長手方向の端面と接する凹み部9を有する。凹み部9には、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を用いて形成された弾性を有する第1接触部11Aが配置されている。
【0088】
凹み部9は、1接合面10Aの長手方向に垂直な断面においてL字形状を有している。
凹み部9は、第1パネル1Aの表面又は裏面に対して約直角となる面と、第1接合面に対して約直角となる面の2面で構成されている。
【0089】
第1接触部11Aは、凹み部9の長手方向に沿って配置され、第1接合面10Aに対して約直角となる板状部を有している。第1接触部11Aは次のようにして形成される。先ず、第1パネル1Aの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、パネル表面又は裏面と凹み部9との角部から第1パネル1Aの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部から凹み部9の第1接合面10Aに対して約直角となる面に向かって折り曲げる。次いで、凹み部9の第1接合面10Aに対して約直角をとなる面に対して平行となるように折り曲げ、第1接合面10Aに対して約直角となる板状部を形成する。板状部は、第1パネル1Aと第2パネル1Bとが接続された状態において、第2接触部11Bの三角形状の頂点の1つと接触し、各々の接触部が互いに押し付け合う状態となるように形成される。
【0090】
第2接触部11Bは、第2接合面10Bの長手方向に沿って配置され、第2接合面10Bの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。三角形状は次のようにして形成される。第2パネル1Bの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1Bの表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部から第2パネル1Bの外側に、第2接合面10Bと約直角となるように突出させ、突出した部分の前記した角部から第2接合面10Bの短手方向の長さの約1/3の位置で第2接合面10Bに向かって折り曲げ、折り曲げた端部から短手方向の長さの約1/3の位置で、パネル表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部に向かって折り曲げることにより形成される。
【0091】
第1パネル1A及び第2パネル1Bが直接接続された状態において、1接触部11Aの第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面が、第2接触部11Bの三角形状の頂点の1つと接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0092】
(壁角部200のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第4実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81同士が接続される壁角部200を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図19(a)~(c)に示す。壁角部200を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BCが含まれる。図7(a)~(c)と比べて、図19(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BCは、第1パネル1Aの形状、第1パネル1Aの第1接触部11Aの構造、第2パネル1BCの第2接触部11BCの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1パネル1Aの形状、第1接触部11Aの構造、第2接触部11BCの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0093】
また、図19(c)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部11Aの構造は、図18(a)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部11Aの構造と同一であり、図19(a)に示す第2接触部11BCと図18(a)に示す第2接触部11Bの形状は同様であるため、第2接触部11BCの形成方法について説明し、第1接触部11Aの構造の説明は省略する。
【0094】
第2接触部11BCは、第2パネル1BCの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2接触部11BCを配置する側の第2接合面10BCの端部から第2パネル1BCの外側に、第2接合面10BCに対して約直角となるように折り曲げ、折り曲げた部分の前記した角部から第2接合面10BCの短手方向の長さの約1/3の位置で第2接合面10BCに向かって折り曲げ、第2接合面10BCに向かって折り曲げた端部から第2接合面10BCの短手方向の長さの約1/3の位置で、パネル表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部に向かって折り曲げることにより形成される。
【0095】
第1パネル1A及び第2パネル1BCが直接接続された状態において、1接触部11Aの第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面が、第2接触部11BCの三角形状の頂点の1つと接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0096】
(壁部81と天井部82のパネル突合せ接合構造、及び接合方法)
第4実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と天井部82との接続部300を構成するパネル1の接合構造、及び接合方法を図20(a)~(c)に示す。接続部300を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BUが含まれる。図8(a)~(c)と比べて、図20(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BUは、第1パネル1Aの形状、第1パネル1Aの第1接触部11Aの構造、第2パネル1BUの第2接触部11BUの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1パネル1Aの形状、第1接触部11Aの構造、第2接触部11Bの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0097】
図20(c)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部11AUの構造は、図18(a)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部の構造と同様であり、図20(a)に示す第2接触部11BUと図19(a)に示す第2接触部11BUの構造は同様である。
【0098】
第1パネル1A及び第2パネル1BUが直接接続された状態において、1接触部11AUの第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面が、第2接触部11BUの三角形状の頂点の1つと接触する。弾性を有する第1接触部11A及び第2接触部11Bが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0099】
(壁部81と床部83のパネル突合せ、及び床土台部84との接合構造・接合方法)
第4実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す壁部81と床部83と床土台部84との接続部400を構成するパネル1及び床土台部84の接合構造、及び接合方法を図21(a)~(c)に示す。接続部400を構成するパネル1には、第1パネル1A及び第2パネル1BLが含まれる。図9(a)~(c)と比べて、図21(a)~(c)に示す第1パネル1A及び第2パネル1BLは、第1パネル1Aの形状、第1パネル1Aの第1接触部11Aの構造、第2パネル1BUの第2接触部11BUの構造がそれぞれ相違し、その他の構造、及び接合方法は同じである。よって、第1パネル1Aの形状、第1接触部11ALの構造、第2接触部11BLの構造を説明し、その他の構造及び接合方法については説明を省略する。
【0100】
また、図21(a)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部11ALの構造は、図18(a)に示す第1パネル1Aの形状及び第1接触部11ALの構造と同様であるため、第2接触部11BLの構造について説明し、第1パネル1Aの形状及び第1接触部11ALの構造についての説明は省略する。
【0101】
第2接触部11BLは、第2接合面10BLの長手方向に沿って配置され、第2接合面10BLの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。第2接触部は、第2パネル1BLの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1BLの表面又は裏面と第2接合面10BLとの角部から第2パネル1BLの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第2接合面10BLを沿うように約直角に折り曲げ、折り曲げた部分の先端部を前記した角部と反対側の角部から突出させる。第2接触部11BLは、折り曲げた部分の前記した角部から、第2パネル1BLの短手方向の長さの約1/3の位置でパネル外側に折り返し、折り返した部分の一部を、前記した角部と逆側のパネル表面又は裏面と第2接合面10Bとの角部に向かって折り曲げることにより形成される。
【0102】
第1パネル1A及び第2パネル1BLが直接接続された状態において、1接触部11ALの第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面が、第2接触部11BLの三角形状の頂点の1つと接触する。弾性を有する第1接触部11AL及び第2接触部11BLが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となる。
【0103】
(第4実施形態による作用効果)
パネル1同士(壁部81のパネル接合の場合では、図18(a),(b)に示す1A及び1B)が直接接続された状態において、第1接触部(11A)の第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面に、第2接触部(11B)の三角形状の頂点の1つが接触することにより、パネル1間の導電性を確保することができる。これにより、パネル間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0104】
壁部81を構成するパネル1A及び1Bの接続(図18(a),(b)参照)において、第1接触部(11A)の第1接合面10Aに対して約直角となる板状部の表面に、第2接触部(11B)の三角形状の頂点の1つが接触した状態で、パネル表面に平行な方向にスライドすることにより(パネル接合方法については図5図6を参照)、フック2とホール3が係合する。これにより、パネル同士を容易に接続することができ、パネル同士の接続にかかる時間を短縮することができる。
【0105】
(第5実施形態)
(天井部82のパネル突合せ接合構造)
第5実施形態に係る電磁波シールドルームの図1に示す天井部82を構成するパネル1同士の接続部500において、図22(a),(b)に示すように、第1パネル1AUと第2パネル1BUが直接接続されている。第1パネル1AUが有する第1接合面10AUと、第2パネル1BUが有する第2接合面10BUが接続されることにより図1に示す電磁波シールドルームの天井部82を形成する。
【0106】
第1パネル1AUは、第1パネル1AUの長手方向に沿う端面である第1接合面10AUを有する。第1接合面10AUには、第1パネル1AUの表面及び裏面を覆う金属板を用いて形成された弾性を有する第1接触部11AUが配置されている。第1接触部11AUは、第1接合面10AUの長手方向に沿って配置され、第1突起部12AU及び第2突起部13AUで構成される。
【0107】
第1突起部12AUは、第1接合面10AUの長手方向に垂直な断面において三角形状を有している。三角形状は、次のようにして形成される。第1パネル1AUの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第1パネル1AUの表面又は裏面と第1接合面10AUとの角部から第1パネル1AUの外側に突出させ、突出した部分を前記した角部において第1接合面10AU側に折り曲げ、折り曲げた端部から第1接合面10AUの短手方向の長さの約1/4の位置が、第1接合面10AUから垂直な方向に、第1接合面10AUの短手方向の長さの約1/5となる位置で第1接合面に向かって折り曲げる。
【0108】
第2突起部13AUは、第1接合面10AUを覆う板形状を有している。板形状は、次のようにして形成される。第1パネル1AUの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第1パネル1AUの表面又は裏面と第1接合面10AUとの角部から第1パネル1AUの外側に、第1接合面10AUに対して約直角となるように突出させ、突出した部分の前記した角部から第1突起部12AUの第1接合面10AUから第1パネル1AUの外側に最も離れた頂点と同程度の位置で、第1接合面10AU側に第1接合面10AUを覆うように折り曲げ、折り曲げた板状部の先端が前記した頂点を覆うように配置される。
【0109】
第2パネル1BUは、第2パネル1BUの長手方向に沿う端面である第2接合面10BUを有する。第2接合面10BUには、第2パネル1BUの表面及び裏面を覆う金属板を用いて形成された弾性を有する第2接触部11BUが配置されている。
【0110】
第2接触部11BUは、第2接合面の10BUの長手方向に沿って配置され、第2接合面10BUを覆う板状部と、板状部の先端が第2パネル1BU側に向かって折り返された折り返し部とを有している。第2接触部11BUは次のようにして形成される。先ず、第2パネル1BUの表面及び裏面を覆う金属板の一方を、第2パネル1BUの表面又は裏面と第2接合面10BUとの角部から第2パネル1BUの外側に、第2接合面10BUと約直角となるように突出させ、突出した部分の前記した角部から第2接合面10BUの短手方向の長さの約1/5の位置で、第2接合面10BU側へ第2接合面10BUを覆うように折り曲げ、板状部を形成する。板状部は、第2接合面10BUに対して、第1パネル1AUと第2パネル1BUとが接続された状態において、第1突起部12AUに接触し、各々の接触部が互いに押し付け合う角度とする。次いで、板状部の先端を第2接合面10BUに向かって折り曲げ、折り返し部を形成する。折り返し部の先端は、第1パネル1AUと第2パネル1BUとが接続された状態において、第2突起部13AUの板状部の裏面に接触し、各々の接触部が互いに押し付けあう位置に配置される。
【0111】
(天井部82のパネル突合せ接合方法)
以下、図1に示す電磁波シールドルームの組み立て方法のうち、天井部82を構成する、パネル1同士の接合方法について図22(a),(b)を参照して説明する。先ず、第1パネル1AUを、壁部81を構成するパネル1に接続した後に、第2接合面10BUが、第1接合面10AUに平行となるように第2パネル1BUを配置する。第1パネル及び第2パネルの接合面(10AU及び10BU)を平行に維持しながら、第2パネル1BUを、第1パネル1AU及び第2パネル1BUの表面に垂直な方向へスライドさせることにより、第2接触部11BUが第1突起部12AUと第2突起部13AUとの間に向かう挿入方向に移動する。これにより、第1接触部11AUと第2接触部11BUが接触する。第1突起部12AUの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11BUの板状部の表面に接触し、第2接触部11BUの板状部と押し付けあうことにより、第2接触部11BUの板状部は、第2接合面10BU側に押し返される。第2接触部11BUの板状部が第2接合面10BU側に押し返されることにより、第2接触部11BUの折り返し部は、第2突起部13AUの板状部の裏面に接触し、第2突起部13AUと互いに押し付けあうことにより、第2突起部13AUの板状部を第2接合面10BU側に押し出す。第2突起部13AUの板状部が、第2接合面10BU側に押し出されることにより、第2突起部13AUの先端は、第2接合面10BUに接触する。弾性を有する第1接触部11AU及び第2接触部11BUが接触することにより、各々の接触部が発生する弾力によって各々の接触部が互いに押し付けあう状態となり、パネル1AU及び1BUが接続される。
【0112】
(第5実施形態による作用効果)
天井部82を構成するパネル1AU及び1BUが接続された状態において、第1突起部12AUの三角形状の頂点の1つが、第2接触部11BUの板状部の表面に接触し、第2接触部11BUの折り返し部が、第2突起部13AUの板状部の裏面に接触し、2突起部13AUの板状部の先端が、第2接合面10BUに接触することにより、パネル1間の導電性を確保することができる。これにより、パネル1間の接合面に挟み込む追加のシールド部材が不要となり、製造コストの削減、及び工事時間を短縮することができる。
【0113】
天井部82を構成するパネル1AU及び1BUが接続において、第1接合面10AU及び第2接合面10BUが平行となるように、第1パネル1AU及び第2パネル1BUを配置し、第1パネル及び第2パネルの接合面(10AU及び10BU)を平行に維持しながら、第2パネル1BUを、第1パネル1AUの表面に垂直な方向へスライドさせることにより、第1接触部11AU及び第2接触部11BUが接触し、パネル同士が接続される。これにより、パネル同士を容易に接続することができ、パネル同士の接続にかかる時間を短縮することができる。
【0114】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0115】
1A、1AU、 第1パネル
2 フック
3 ホール
10A、10AU、10AL 第1接合面
11A、11AU、11AL 第1接触部
12AU 第1突起部
13AU 第2突起部
1B、1BC、1BU、1BL 第2パネル
10B、10BC、10BU、10BL 第2接合面
11B、11BC、11BU、11BL 第2接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22