(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】トリミング装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20231120BHJP
B29C 51/26 20060101ALI20231120BHJP
B26F 1/40 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
B26D7/26
B29C51/26
B26F1/40 B
(21)【出願番号】P 2019202076
(22)【出願日】2019-11-07
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】304050369
【氏名又は名称】株式会社浅野研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 和司
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-264087(JP,A)
【文献】特開平11-138500(JP,A)
【文献】特開2016-198995(JP,A)
【文献】特開2016-198994(JP,A)
【文献】特開平05-293774(JP,A)
【文献】特開平09-300297(JP,A)
【文献】実開平01-060726(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B29C 51/26
B26F 1/40
B26F 1/44
B21D 37/04
B21D 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形シートのトリミングを行うトリミング装置であって、
上テーブルと、前記上テーブルの下面に取り付けられた上ベース部材と、固定手段によって前記上ベース部材の下面側に着脱可能に固定された上型と、下テーブルと、前記下テーブルの上面に取り付けられた下ベース部材と、前記下ベース部材の上面に取り付けられた下型と、を備え、
前記上型及び前記下型のいずれか一方が、前記トリミングを行う切刃を有するトリミング装置において、
前記固定手段は、エアシリンダを有するクランプ装置であって、前記上ベース部材に設けられて、前記エアシリンダの作動により上下方向に伸縮するクランプ装置であり、
前記クランプ装置は、
前記エアシリンダのピストンロッドの先端部に設けられて前記ピストンロッドの径方向に延びる形態のクランプ部を有し、
前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置された前記上型の周縁部の一部を、前記エアシリンダの作動により前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型の前記周縁部の一部を挟んで固定して、前記上ベース部材に対して前記上型を固定
し、
前記上型は、
前記上型を前記上ベース部材の下面側に取り付ける際に、前記上型を固定する位置である規定位置まで、前記上ベース部材の平面視における第1方向に沿ってスライド移動され、
前記上ベース部材は、
前記第1方向に直交する第2方向において離間して対向して位置し、前記スライド移動を案内する、一対のガイド部を有し、
前記クランプ装置は、
前記規定位置に位置された前記上型の、前記第1方向における両端のうち一端を固定する第1クランプ装置と、他端を固定する第2クランプ装置である
トリミング装置。
【請求項2】
成形シートのトリミングを行うトリミング装置であって、
上テーブルと、前記上テーブルの下面に取り付けられた上ベース部材と、固定手段によって前記上ベース部材の下面側に着脱可能に固定された上型と、下テーブルと、前記下テーブルの上面に取り付けられた下ベース部材と、前記下ベース部材の上面に取り付けられた下型と、を備え、
前記上型及び前記下型のいずれか一方が、前記トリミングを行う切刃を有するトリミング装置において、
前記固定手段は、エアシリンダを有するクランプ装置であって、前記上ベース部材に設けられて、前記エアシリンダの作動により上下方向に伸縮するクランプ装置であり、
前記クランプ装置は、
前記エアシリンダのピストンロッドの先端部に設けられて前記ピストンロッドの径方向に延びる形態のクランプ部を有し、
前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置された前記上型の周縁部の一部を、前記エアシリンダの作動により前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型の前記周縁部の一部を挟んで固定して、前記上ベース部材に対して前記上型を固定し、
前記上ベース部材は、平面視矩形状をなし、当該上ベース部材の周縁部として、当該上ベース部材の平面視で、前記上ベース部材の中心を間に挟んで第1方向に対向して前記第1方向に直交する第2方向に延びるベース第1周縁部及びベース第2周縁部と、前記上ベース部材の中心を間に挟んで前記第2方向に対向して前記第1方向に延びるベース第3周縁部及びベース第4周縁部とを有し、
前記上型は、平面視矩形状をなし、当該上型の前記周縁部として、前記上ベース部材に固定された状態における当該上型の平面視で、前記上型の中心を間に挟んで前記第1方向に対向して前記第2方向に延びる上型第1周縁部及び上型第2周縁部と、前記上型の中心を間に挟んで前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる上型第3周縁部及び上型第4周縁部とを有し、前記第1方向の寸法が前記第2方向の寸法よりも小さく、
前記ベース第2周縁部の下面には、前記上ベース部材に対する前記上型の前記第1方向及び前記第2方向の位置を位置決めする位置決め部が設けられ、
前記ベース第3周縁部の下面及び前記ベース第4周縁部の下面には、前記第1方向に延びる形態の一対のガイド部であって、前記第2方向に離間して対向する一対のガイド部が設けられており、
前記一対のガイド部は、前記上型を前記上ベース部材の前記下面側に取り付ける際に、前記上型の前記第2方向にかかる位置を規制する規制部であって前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる一対の規制部と、前記上型の前記上型第3周縁部及び前記上型第4周縁部の下面を支持する支持部であって前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる一対の支持部と、を有し、
前記クランプ装置は、前記ベース第1周縁部に設けられる第1クランプ装置と前記ベース第2周縁部に設けられる第2クランプ装置とであり、
前記第1クランプ装置は、前記ベース第1周縁部に対して着脱可能に設けられており、
前記上型は、
前記上ベース部材の前記下面側に取り付けられる際、前記第1クランプ装置を前記ベース第1周縁部から取り外した状態で、当該上型を、前記上ベース部材の前記ベース第1周縁部側から前記ベース第1周縁部の下方を通過させるようにして、当該上型を、前記上型第1周縁部と前記上型第2周縁部とが前記第1方向に対向する向きにして、前記上型第2周縁部側から前記一対のガイド部の前記一対の規制部の間に差し入れて、前記一対の支持部の上を前記第1方向にスライド移動させることによって、前記上型第2周縁部が前記第2クランプ装置の前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置されると共に、前記上ベース部材に対する当該上型の前記第1方向及び前記第2方向の位置が前記位置決め部によって位置決めされる規定位置に配置され、
前記第1クランプ装置は、前記上型が前記規定位置に配置された状態で、前記ベース第1周縁部に設置されることで、当該第1クランプ装置の前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を配置して、当該第1クランプ装置を構成する前記エアシリンダの作動により前記上型第1周縁部を前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を挟んで固定し、
前記第2クランプ装置は、前記上型が前記規定位置に配置された状態で、当該第2クランプ装置を構成する前記エアシリンダの作動により前記上型第2周縁部を前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第2周縁部を挟んで固定する
トリミング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のトリミング装置であって、
前記第1クランプ装置は、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を挟んで固定することによって、当該第1クランプ装置が前記上ベース部材に固定される
トリミング装置。
【請求項4】
請求項3に記載のトリミング装置であって、
前記第1クランプ装置は、
前記ベース第1周縁部に設置された状態で、当該第1クランプ装置の上端側に位置して、前記ベース第1周縁部に係合する係合部を有し、
前記ベース第1周縁部に設置された状態で、前記エアシリンダの作動により、前記クランプ部によって前記上型第1周縁部を上方に押圧すると共に、前記係合部によって前記ベース第1周縁部を下方に押圧する態様で、前記クランプ部と前記係合部によって、前記上型と前記上ベース部材を挟むことにより、前記上型を前記上ベース部材に対して固定すると共に、当該第1クランプ装置が前記上ベース部材に対して固定される
トリミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリミング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、成形シートのトリミングを行うトリミング装置が開示されている。このトリミング装置は、上テーブルと、上テーブルの下面に取り付けられた上ベース部材と、上ベース部材の下面側に取り付けられた上型と、下テーブルと、下テーブルの上面に取り付けられた下ベース部材と、下ベース部材の上面に取り付けられた下型とを備える。このトリミング装置では、下型に、トリミングを行う切刃(例えば、トムソン刃)を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のトリミング装置では、上型は、ボルトとナットを用いて、上ベース部材の下面側に着脱可能に固定される。従って、上型の交換作業(すなわち、使用していた上型を取り外して、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける作業)を行う場合は、まず、上型を固定していたボルトとナットを取り外して、使用していた上型を取り外す。その後、ボルトとナットを用いて、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける。
【0005】
しかしながら、特許文献1のトリミング装置では、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付けるときは、作業者が、上ベース部材の下面に対し、新たな上型を、直接または金属板を介して間接に接触させた状態を保持しながら(すなわち、新たな上型を支持しながら)、複数のボルトとナットを用いて、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける作業を行う必要があった。このような取り付け作業は、作業者にとって面倒であった。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、上型を、容易に、上ベース部材の下面側に固定することができるトリミング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、成形シートのトリミングを行うトリミング装置であって、上テーブルと、前記上テーブルの下面に取り付けられた上ベース部材と、固定手段によって前記上ベース部材の下面側に着脱可能に固定された上型と、下テーブルと、前記下テーブルの上面に取り付けられた下ベース部材と、前記下ベース部材の上面に取り付けられた下型と、を備え、前記上型及び前記下型のいずれか一方が、前記トリミングを行う切刃を有するトリミング装置において、前記固定手段は、エアシリンダを有するクランプ装置であって、前記上ベース部材に設けられて、前記エアシリンダの作動により上下方向に伸縮するクランプ装置であり、前記クランプ装置は、前記エアシリンダのピストンロッドの先端部に設けられて前記ピストンロッドの径方向に延びる形態のクランプ部を有し、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置された前記上型の周縁部の一部を、前記エアシリンダの作動により前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型の前記周縁部の一部を挟んで固定して、前記上ベース部材に対して前記上型を固定し、前記上型は、前記上型を前記上ベース部材の下面側に取り付ける際に、前記上型を固定する位置である規定位置まで、前記上ベース部材の平面視における第1方向に沿ってスライド移動され、前記上ベース部材は、前記第1方向に直交する第2方向において離間して対向して位置し、前記スライド移動を案内する、一対のガイド部を有し、前記クランプ装置は、前記規定位置に位置された前記上型の、前記第1方向における両端のうち一端を固定する第1クランプ装置と、他端を固定する第2クランプ装置であるトリミング装置である。
【0008】
上述のトリミング装置では、上型及び下型のいずれか一方が、トリミングを行う切刃(例えば、トムソン刃)を有する。このトリミング装置では、上ベース部材の下面側に上型を着脱可能に固定する固定手段が、エアシリンダを有するクランプ装置によって構成されている。このクランプ装置は、上ベース部材に設けられて、エアシリンダの作動により上下方向に伸縮する。さらに、このクランプ装置は、エアシリンダのピストンロッドの先端部(換言すれば、上ベース部材に設けられた状態において、ピストンロッドの下端部)に設けられて、ピストンロッドの径方向(換言すれば、上ベース部材に設けられた状態において、上下方向に直交する方向)に延びる形態のクランプ部を有する。
【0009】
さらに、このクランプ装置は、クランプ部と上ベース部材の下面との間に配置された上型の周縁部の一部を、エアシリンダの作動(具体的には、エアシリンダの長さを短縮する方向へのエアシリンダの作動。換言すれば、クランプ部を上ベース部材の下面に近づける方向へのエアシリンダの作動)により、クランプ部によって上方に押圧することによって、クランプ部と上ベース部材の下面との間に上型の周縁部の一部を挟んで固定して、上ベース部材に対して上型を固定する。
このように、上述のトリミング装置では、上型を、容易に、上ベース部材の下面側に固定することができる。
【0010】
また、上述のような上型の固定構造であるため、上型を上ベース部材から取り外すときは、上述のクランプ装置を構成するエアシリンダについて、エアシリンダの長さを伸長する方向へ作動(換言すれば、クランプ部を上ベース部材の下面から遠ざける方向へ作動)させることで、上型の周縁部について、クランプ部と上ベース部材の下面との間に挟まれて固定されている状態から解放することができる。これにより、上型を上ベース部材から取り外すことができる。このように、上述のトリミング装置では、容易に、上型を取り外すことができる。
【0011】
従って、上述のトリミング装置では、上型の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、使用していた上型を容易に上ベース部材から取り外すことができ、さらに、新たな上型を容易に上ベース部材の下面側に取り付けることができる。
【0012】
なお、上型が上ベース部材の下面側に固定される態様としては、例えば、以下の2つの態様を挙げることができる。(1)上型の上面が上ベース部材の下面に接触する態様で、上型が上ベース部材に対して固定される態様。(2)上型の上面と上ベース部材の下面との間に金属板等の他部材が挟まれる態様で、上型が上ベース部材に対して固定される態様。
【0013】
なお、(2)の態様としては、例えば、上型がトムソン刃を有するトムソン型であり、「トリミング時(切断時)に、トムソン型の上面(裏面)に露出するトムソン刃の根元部分が、上ベース部材の下面に圧接することで、上ベース部材の下面の一部が凹む(圧接した跡が残る)」ことを防止するために、上型(トムソン型)の上面と上ベース部材の下面との間に金属製の保護板を介在させて、上型が保護板と共に上ベース部材に対して固定される態様を挙げることができる。
【0014】
さらに、成形シートのトリミングを行うトリミング装置であって、上テーブルと、前記上テーブルの下面に取り付けられた上ベース部材と、固定手段によって前記上ベース部材の下面側に着脱可能に固定された上型と、下テーブルと、前記下テーブルの上面に取り付けられた下ベース部材と、前記下ベース部材の上面に取り付けられた下型と、を備え、前記上型及び前記下型のいずれか一方が、前記トリミングを行う切刃を有するトリミング装置において、前記固定手段は、エアシリンダを有するクランプ装置であって、前記上ベース部材に設けられて、前記エアシリンダの作動により上下方向に伸縮するクランプ装置であり、前記クランプ装置は、前記エアシリンダのピストンロッドの先端部に設けられて前記ピストンロッドの径方向に延びる形態のクランプ部を有し、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置された前記上型の周縁部の一部を、前記エアシリンダの作動により前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型の前記周縁部の一部を挟んで固定して、前記上ベース部材に対して前記上型を固定し、前記上ベース部材は、平面視矩形状をなし、当該上ベース部材の周縁部として、当該上ベース部材の平面視で、前記上ベース部材の中心を間に挟んで第1方向に対向して前記第1方向に直交する第2方向に延びるベース第1周縁部及びベース第2周縁部と、前記上ベース部材の中心を間に挟んで前記第2方向に対向して前記第1方向に延びるベース第3周縁部及びベース第4周縁部とを有し、前記上型は、平面視矩形状をなし、当該上型の前記周縁部として、前記上ベース部材に固定された状態における当該上型の平面視で、前記上型の中心を間に挟んで前記第1方向に対向して前記第2方向に延びる上型第1周縁部及び上型第2周縁部と、前記上型の中心を間に挟んで前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる上型第3周縁部及び上型第4周縁部とを有し、前記第1方向の寸法が前記第2方向の寸法よりも小さく、前記ベース第2周縁部の下面には、前記上ベース部材に対する前記上型の前記第1方向及び前記第2方向の位置を位置決めする位置決め部が設けられ、前記ベース第3周縁部の下面及び前記ベース第4周縁部の下面には、前記第1方向に延びる形態の一対のガイド部であって、前記第2方向に離間して対向する一対のガイド部が設けられており、前記一対のガイド部は、前記上型を前記上ベース部材の前記下面側に取り付ける際に、前記上型の前記第2方向にかかる位置を規制する規制部であって前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる一対の規制部と、前記上型の前記上型第3周縁部及び前記上型第4周縁部の下面を支持する支持部であって前記第2方向に対向して前記第1方向に延びる一対の支持部と、を有し、前記クランプ装置は、前記ベース第1周縁部に設けられる第1クランプ装置と前記ベース第2周縁部に設けられる第2クランプ装置とであり、前記第1クランプ装置は、前記ベース第1周縁部に対して着脱可能に設けられており、前記上型は、前記上ベース部材の前記下面側に取り付けられる際、前記第1クランプ装置を前記ベース第1周縁部から取り外した状態で、当該上型を、前記上ベース部材の前記ベース第1周縁部側から前記ベース第1周縁部の下方を通過させるようにして、当該上型を、前記上型第1周縁部と前記上型第2周縁部とが前記第1方向に対向する向きにして、前記上型第2周縁部側から前記一対のガイド部の前記一対の規制部の間に差し入れて、前記一対の支持部の上を前記第1方向にスライド移動させることによって、前記上型第2周縁部が前記第2クランプ装置の前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に配置されると共に、前記上ベース部材に対する当該上型の前記第1方向及び前記第2方向の位置が前記位置決め部によって位置決めされる規定位置に配置され、前記第1クランプ装置は、前記上型が前記規定位置に配置された状態で、前記ベース第1周縁部に設置されることで、当該第1クランプ装置の前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を配置して、当該第1クランプ装置を構成する前記エアシリンダの作動により前記上型第1周縁部を前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を挟んで固定し、前記第2クランプ装置は、前記上型が前記規定位置に配置された状態で、当該第2クランプ装置を構成する前記エアシリンダの作動により前記上型第2周縁部を前記クランプ部によって上方に押圧することによって、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第2周縁部を挟んで固定するトリミング装置とすると良い。
【0015】
上述のトリミング装置では、ベース第2周縁部の下面に、上ベース部材に対する上型の第1方向及び第2方向の位置を位置決めする位置決め部が設けられている。さらに、ベース第3周縁部の下面及びベース第4周縁部の下面には、第1方向に延びる形態の一対のガイド部であって、第2方向に離間して対向する一対のガイド部が設けられている。一対のガイド部は、上型を上ベース部材の下面側に取り付ける際に上型の第2方向にかかる位置を規制する規制部であって、第2方向に対向して第1方向に延びる一対の規制部と、上型を上ベース部材の下面側に取り付ける際に上型の上型第3周縁部及び上型第4周縁部の下面を支持する支持部であって、第2方向に対向して第1方向に延びる一対の支持部とを有する。なお、一対の規制部(一方の規制部と他方の規制部)は、上型の第2方向の寸法以上の距離を空けて第2方向に離間している。
【0016】
さらに、上述のトリミング装置では、クランプ装置は、上ベース部材のベース第1周縁部に設けられる第1クランプ装置と、ベース第2周縁部に設けられる第2クランプ装置とによって構成されている。なお、第1クランプ装置と第2クランプ装置は、1個ずつトリミング装置に設けても良いし、複数個ずつトリミング装置に設けるようにしても良い。
【0017】
このトリミング装置では、上型を、上ベース部材のベース第1周縁部側から、ベース第1周縁部の下方を通過させるようにして、上ベース部材の下面側に取り付ける。具体的には、上型について、上型第1周縁部と上型第2周縁部とが第1方向に対向する向きにして、上型第2周縁部側から一対のガイド部の一対の規制部の間に差し入れて、一対の支持部の上を第1方向にスライド移動させて、上ベース部材に対する上型の第1方向及び第2方向の位置が位置決め部によって位置決めされる規定位置に、上型を配置する。
【0018】
上型は、第1方向の寸法が前記第2方向の寸法よりも小さくされているので、上型第1周縁部と上型第2周縁部とが第1方向に対向する向きにして、上型を、一対の支持部の上を第1方向にスライド移動させるようにすることで、上型のスライド移動距離を短くすることができ、速やかに、前記規定位置に上型を配置することができる。
【0019】
ところが、このような上型の取り付け構造では、上型を、上ベース部材のベース第1周縁部側からベース第1周縁部の下方を通過させるようにして、一対のガイド部の一対の規制部の間に差し入れる際、ベース第1周縁部に第1クランプ装置が設けられている場合には、第1クランプ装置が、一対の規制部の間に上型を差し入れることを妨げる。
【0020】
これに対し、上述のトリミング装置では、第1クランプ装置が、ベース第1周縁部に対して着脱可能に設けられている。
【0021】
さらに、上述のトリミング装置では、上型は、上ベース部材の下面側に取り付けられる際、第1クランプ装置をベース第1周縁部から取り外した状態で、当該上型を、上ベース部材のベース第1周縁部側からベース第1周縁部の下方を通過させるようにして、上ベース部材の下面側に取り付けられる。具体的には、上型について、上型第1周縁部と上型第2周縁部とが第1方向に対向する向きにして、上型第2周縁部側から一対のガイド部の一対の規制部の間に差し入れて、一対の支持部の上を第1方向(詳細には、ベース第1周縁部からベース第2周縁部に向かう方向)にスライド移動させる。これにより、上型第2周縁部が、ベース第2周縁部に設けられている第2クランプ装置のクランプ部と上ベース部材の下面との間に配置されると共に、上ベース部材に対する上型の第1方向及び第2方向の位置が位置決め部によって位置決めされる規定位置に、上型が配置される。
【0022】
さらに、上述のトリミング装置では、第1クランプ装置は、上型が前記規定位置に配置された状態で、ベース第1周縁部に設置されることで、当該第1クランプ装置のクランプ部と上ベース部材の下面との間に上型第1周縁部を配置する。そして、第1クランプ装置を構成するエアシリンダの作動により上型第1周縁部をクランプ部によって上方に押圧することによって、クランプ部と上ベース部材の下面との間に上型第1周縁部を挟んで固定する。さらには、第2クランプ装置は、上型が前記規定位置に配置された状態で、当該第2クランプ装置を構成するエアシリンダの作動により上型第2周縁部をクランプ部によって上方に押圧することによって、クランプ部と上ベース部材の下面との間に上型第2周縁部を挟んで固定する。
【0023】
以上説明したように、上述のトリミング装置では、第1クランプ装置と第2クランプ装置とによって、適切に、上型を上ベース部材の下面に固定することができる。
【0024】
さらに、前記のトリミング装置であって、前記第1クランプ装置は、前記クランプ部と前記上ベース部材の前記下面との間に前記上型第1周縁部を挟んで固定することによって、当該第1クランプ装置が前記上ベース部材に固定されるトリミング装置とすると良い。
【0025】
上述のトリミング装置では、ベース第1周縁部に対して着脱可能に設けられる第1クランプ装置が、クランプ部と上ベース部材の下面との間に上型第1周縁部を挟んで固定することによって、当該第1クランプ装置が上ベース部材に対して固定される。従って、上型を上ベース部材の下面に固定する際、上型を前記規定位置に配置した後、第1クランプ装置を、ボルト等の固定手段(他部材)によってベース第1周縁部に固定することなく、ベース第1周縁部に設置して、第1クランプ装置のクランプ部と上ベース部材の下面との間に上型第1周縁部を挟んで固定すれば、第1クランプ装置を上ベース部材に対して固定することができる。このように、上述のトリミング装置では、容易且つ迅速に、第1クランプ装置を上ベース部材に固定することができる。
【0026】
さらに、前記のトリミング装置であって、前記第1クランプ装置は、前記ベース第1周縁部に設置された状態で、当該第1クランプ装置の上端側に位置して、前記ベース第1周縁部に係合する係合部を有し、前記ベース第1周縁部に設置された状態で、前記エアシリンダの作動により、前記クランプ部によって前記上型第1周縁部を上方に押圧すると共に、前記係合部によって前記ベース第1周縁部を下方に押圧する態様で、前記クランプ部と前記係合部によって、前記上型と前記上ベース部材を挟むことにより、前記上型を前記上ベース部材に対して固定すると共に、当該第1クランプ装置が前記上ベース部材に対して固定されるトリミング装置とすると良い。
【0027】
上述のトリミング装置では、第1クランプ装置は、当該第1クランプ装置が前記ベース第1周縁部に設置された状態(第1クランプ装置が、ボルト等の他の固定手段によってベース第1周縁部に固定されることなく、ベース第1周縁部に設置された状態をいう)で、当該第1クランプ装置の上端側に位置して、ベース第1周縁部に係合する係合部を有している。
【0028】
このトリミング装置では、第1クランプ装置を構成するエアシリンダの作動により、第1クランプ装置のクランプ部によって上型第1周縁部を上方に押圧すると共に、第1クランプ装置の係合部によってベース第1周縁部を下方に押圧する態様で、第1クランプ装置のクランプ部と係合部によって、上型と上ベース部材を挟むことにより、上型を上ベース部材に対して固定すると共に、第1クランプ装置が上ベース部材に対して固定される。このように、上述のトリミング装置では、容易且つ迅速に、第1クランプ装置を上ベース部材に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】実施形態にかかるトリミング装置の正面視概略図である。
【
図4】第1クランプ装置の着脱方法を説明する図である。
【
図9】変形形態にかかるトリミング装置の正面視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施形態>
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態にかかるトリミング装置1の正面視概略図である。なお、
図1では、切刃37の先端側(下端側)を断面図にして示している。
図2は、
図1のB視平面図(下面図)である。
図3は、
図1のD視側面図である。
図4は、第1クランプ装置40の着脱方法を説明する図である。
図5~
図8は、上型の着脱方法を説明する図である。なお、
図4~
図6は、上ベース部材20の下面20b等を平面視した平面図(下面図)である。また、
図7及び
図8は、上ベース部材20等を側面視した側面図である。
【0031】
本実施形態のトリミング装置1は、成形シートSHのトリミングを行う装置である。なお、成形シートSHは、先の成形工程において、熱成形装置(図示なし)を用いて、平帯状のシートを熱成形して、箱状の成形品PRが成形されたシートである。また、成形シートSHは、例えば、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、紙、等の成形可能なシートによって構成される。また、成形品PRとしては、例えば、食品容器のような容器、家電製品の内箱や操作パネルのような構成品等を挙げることができる。
【0032】
また、「成形シートSHのトリミングを行う」とは、以下の2つの処理のいずれかを行うことをいう。(1)成形シートSHにおける成形品PRの周囲を全周にわたって環状に切断して、成形シートSHから成形品PRを分離できる状態にする。(2)成形シートSHにおける成形品PRの周囲の全周を切断することなく、成形品PRの周囲の一部を除いて、環の一部が途切れた形状に切断して、成形品PRの周囲の一部が成形シートSHに繋がった状態にする。
【0033】
本実施形態のトリミング装置1は、
図1に示すように、上テーブル10と、上テーブル10の下面10bに取り付けられた上ベース部材20と、固定手段2によって上ベース部材20の下面20b側に着脱可能に固定された上型30と、下テーブル50と、下テーブル50の上面50bに取り付けられた下ベース部材60と、下ベース部材60の上面60bに取り付けられた下型70とを備える。
【0034】
上ベース部材20は、平面視矩形状をなし、当該上ベース部材20の周縁部として、当該上ベース部材20の平面視(
図2及び
図4に示す平面視)で、上ベース部材20の中心C1を間に挟んで第1方向D1(
図2及び
図4において上下方向)に対向して第2方向D2(第1方向D1に直交する方向、
図2及び
図4において左右方向)に延びるベース第1周縁部21及びベース第2周縁部22と、上ベース部材20の中心C1を間に挟んで第2方向D2に対向して第1方向D1に延びるベース第3周縁部23及びベース第4周縁部24とを有する(
図2及び
図4参照)。
【0035】
なお、本実施形態では、上型30を、トリミングを行う切刃37を有する型としている。より具体的には、切刃37は、トムソン刃であり、上型30は、トムソン刃を有するトムソン型である。この上型30は、トムソン刃である4つの切刃37と、これら4つの切刃37を支持する平板形状の基板36とを備える。なお、本実施形態では、切刃37は、平面視矩形環状をなしている(
図2参照)。上型30が上ベース部材20に固定された状態において、切刃37は、基板36の下面36bから下方に突出する。
【0036】
本実施形態の上型30は、平面視矩形状をなし、当該上型30の周縁部として、上ベース部材20に固定された状態における当該上型30の平面視(
図2に示す平面視)で、上型30の中心C2を間に挟んで第1方向D1(
図2において上下方向)に対向して第2方向D2(第1方向D1に直交する方向、
図2において左右方向)に延びる上型第1周縁部31及び上型第2周縁部32と、上型30の中心C2を間に挟んで第2方向D2に対向して第1方向D1に延びる上型第3周縁部33及び上型第4周縁部34とを有する。さらに、この上型30では、第1方向D1の寸法M1が第2方向D2の寸法M2よりも小さくされている(
図5参照)。
【0037】
上テーブル10と下テーブル50は、図示しない駆動機構により上下方向に昇降して、設定された離間位置(両者が最も離間する位置)と近接位置(両者が最も接近する位置)との間で、上下方向に近接及び離隔する。これにより、上テーブル10の下面10bに取り付けられた上ベース部材20、及び、上ベース部材20の下面20b側に固定された上型30が、離間位置(最上方位置)と近接位置(最下方位置)との間で昇降すると共に、下テーブル50の上面50bに取り付けられた下ベース部材60、及び、下ベース部材60の上面60bに取り付けられた下型70が、離間位置(最下方位置)と近接位置(最上方位置)との間で昇降する。
【0038】
このようなトリミング装置1では、まず、
図1に示すように、上テーブル10と下テーブル50とが離隔位置に配置された状態で、搬送方向DH(
図1において左から右に向かう方向)に搬送される成形シートSHの1ショット分(
図1に示された部分)が、上型30と下型70との間に搬入(配置)される。この状態で、成形シートSHの搬送が一時停止される。
【0039】
次に、トリミング装置1は、図示しない駆動機構により、上テーブル10と下テーブル50とを近接位置に移動させて、上型30に設けられている各々の切刃37によって囲まれた空間S内に各々の成形品PRを収容しつつ、切刃37によって成形シートSHのトリミングを行う。このとき、切刃37の先端(下端)が、成形シートSHを厚み方向(上下方向)に貫通して、下型70の上面70bに接触する。その後、図示しない駆動機構により、上テーブル10と下テーブル50とを離隔位置に移動させて、トリミングを終えた成形シートSHを搬送方向DHに搬送する。このような処理を繰り返し行うことで、成形シートSHのトリミングを連続して行う。
【0040】
ところで、従来(例えば、特許文献1)のトリミング装置では、上型が、ボルトとナット(固定手段)を用いて、上ベース部材の下面側に着脱可能に固定されていた。従って、上型の交換作業(すなわち、使用していた上型を取り外して、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける作業)を行う場合は、まず、上型を固定していたボルトとナットを取り外して、使用していた上型を取り外し、その後、ボルトとナットを用いて、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付けていた。
【0041】
しかしながら、このようにして、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける場合、作業者は、上ベース部材の下面に対し、新たな上型を、直接または金属板を介して間接に接触させた状態を保持しながら(すなわち、新たな上型を支持しながら)、複数のボルトとナットを用いて、新たな上型を上ベース部材の下面側に取り付ける作業を行う必要があった。このような取り付け作業は、作業者にとって面倒であった。
【0042】
これに対し、本実施形態のトリミング装置1では、上ベース部材20の下面20b側に上型30を着脱可能に固定する固定手段が、エアシリンダ41,81を有するクランプ装置(第1クランプ装置40と第2クランプ装置80)によって構成されている(
図1~
図3参照)。第1クランプ装置40と第2クランプ装置80は、上ベース部材20に設けられて、エアシリンダ41,81の作動により上下方向に伸縮する。なお、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80は、3個ずつ、第1方向D1に対向して設けられている。
【0043】
さらに、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80は、エアシリンダ41,81のピストンロッド42,82の先端部(換言すれば、上ベース部材20に設けられた状態において、ピストンロッド42,82の下端部)に設けられて、ピストンロッド42,82の径方向(換言すれば、上ベース部材20に設けられた状態において、上下方向に直交する方向。具体的には、第1方向D1)に延びる形態のクランプ部43,83を有する(
図1~
図3参照)。
【0044】
従って、エアシリンダ41,81の長さを短縮する方向(
図1及び
図3において上方)にエアシリンダ41,81を作動することで、クランプ部43,83が上方に移動する。これにより、クランプ部43,83を、上ベース部材20の下面20bに近づけることができる。反対に、エアシリンダ41,81の長さを伸長する方向(
図1及び
図3において下方)にエアシリンダ41,81を作動することで、クランプ部43,83が下方に移動する。これにより、クランプ部43,83を、上ベース部材20の下面20bから遠ざけることができる。
【0045】
さらに、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80は、クランプ部43,83と上ベース部材20の下面20bとの間に配置された上型30の周縁部(上型第1周縁部31と上型第2周縁部32)の一部を、エアシリンダ41,81の作動(具体的には、エアシリンダ41,81の長さを短縮する方向へのエアシリンダ41,81の作動。換言すれば、クランプ部43,83を上ベース部材20の下面20bに近づける方向へのエアシリンダ41,81の作動)により、クランプ部43,83によって上方に押圧することによって、クランプ部43,83と上ベース部材20の下面20bとの間に上型30の周縁部(上型第1周縁部31と上型第2周縁部32)の一部を挟んで固定して、上ベース部材20に対して上型30を固定する(
図1~
図3参照)。
【0046】
詳細には、第1クランプ装置40は、クランプ部43を下方に向けて、上ベース部材20のベース第1周縁部21に設けられる。この状態で、第1クランプ装置40のクランプ部43は、ピストンロッド42の先端部(下端部)の下側から、第1方向D1(
図2において上下方向)の一方側D11(ベース第1周縁部21からベース第2周縁部22に向かう方向、
図2において下方)に延びる形態をなし、クランプ部43の先端部が、上型30の上型第1周縁部31の下方にまで延びている(
図1~
図3参照)。なお、本実施形態では、3個の第1クランプ装置40が、ベース第1周縁部21において、第2方向D2に等間隔で並ぶように設けられる。
【0047】
また、第2クランプ装置80は、クランプ部83を下方に向けて、上ベース部材20のベース第2周縁部22に設けられる。この状態で、第2クランプ装置80のクランプ部83は、ピストンロッド42の先端部(下端部)の下側から、第1方向D1(
図2において上下方向)のうちベース第2周縁部22からベース第2周縁部22に向かう方向(
図2において下から上に向かう方向)に延びる形態をなし、クランプ部83の先端部が、上型30の上型第2周縁部32の下方にまで延びている(
図1~
図3参照)。なお、本実施形態では、3個の第2クランプ装置80が、ベース第2周縁部22において、第2方向D2に等間隔で並ぶように設けられる。
【0048】
従って、第1クランプ装置40において、エアシリンダ41の長さを短縮するようにエアシリンダ41を作動させて、クランプ部43を上方に移動させることで、上型30の上型第1周縁部31の一部をクランプ部43によって上方に押圧して、クランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に、上型第1周縁部31を挟んで固定して、上ベース部材20に対して上型30を固定することができる(
図1~
図3参照)。
【0049】
さらに、第2クランプ装置80において、エアシリンダ81の長さを短縮するようにエアシリンダ81を作動させて、クランプ部83を上方に移動させることで、上型30の上型第2周縁部32の一部をクランプ部83によって上方に押圧して、クランプ部83と上ベース部材20の下面20bとの間に、上型第2周縁部32を挟んで固定して、上ベース部材20に対して上型30を固定することができる(
図1~
図3参照)。
【0050】
このように、本実施形態のトリミング装置1では、上型30を、容易に、上ベース部材20の下面20b側に固定することができる。なお、本実施形態では、エアシリンダ41,81に供給されるエアの圧力(空気圧)を、0.8MPaとしている。
【0051】
また、本実施形態のトリミング装置1では、上述のような上型30の固定構造であるため、上型30を上ベース部材20から取り外すときは、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80を構成するエアシリンダ41,81について、エアシリンダ41,81の長さを伸長するように作動(換言すれば、クランプ部43,83を上ベース部材20の下面20bから遠ざけるように作動)させることで、上型30の周縁部(上型第1周縁部31と上型第2周縁部32)について、クランプ部43,83と上ベース部材20の下面20bとの間に挟まれて固定されている状態から解放することができる(
図8参照)。これにより、上型30を上ベース部材20から取り外すことができる。このように、本実施形態のトリミング装置1では、容易に、上型を取り外すことができる。
【0052】
従って、本実施形態のトリミング装置1では、上型30の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、使用していた上型30を容易に上ベース部材20から取り外すことができ、さらに、新たな上型30を容易に上ベース部材20の下面20b側に取り付けることができる。
【0053】
なお、上型30(基板36)の上面30cを上ベース部材20の下面20bに接触させる態様で、上型30を上ベース部材20の下面20b側に取り付けた場合には、トリミング時(切断時)に、上型30(基板36)の上面30cに露出する切刃37(トムソン刃)の根元部分が、上ベース部材20の下面20bに圧接することで、上ベース部材20の下面20bの一部が凹む(圧接した跡が残る)虞がある。従って、これを防止するために、上型30(基板36)の上面30cと上ベース部材20の下面20bとの間に、金属製の保護板(図示なし)を介在させると良い。この場合は、上型30(トムソン型)の上面30cと上ベース部材20の下面20bとの間に金属製の保護板(図示なし)を介在させた状態で、上型30が、保護板(図示なし)と共に上ベース部材20の下面20b側に固定される。
【0054】
さらに、本実施形態のトリミング装置1の構造、及び、上型30の着脱方法について、詳細に説明する。トリミング装置1では、上ベース部材20のベース第2周縁部22の下面22bに、上ベース部材20に対する上型30の第1方向D1及び第2方向D2の位置を位置決めする位置決め部28,29が設けられている(
図2及び
図5参照)。位置決め部28は、ベース第2周縁部22の下面22bのうちベース第3周縁部23側(
図2及び
図5において左側)に位置し、ベース第2周縁部22の下面22bから下方に延びる円筒形状をなしている。位置決め部29は、ベース第2周縁部22の下面22bのうちベース第4周縁部24側(
図2及び
図5において右側)に位置し、ベース第2周縁部22の下面22bから下方に延びる円筒形状をなしている。
【0055】
さらに、ベース第3周縁部23の下面23b及びベース第4周縁部24の下面24bには、第1方向D1に延びる形態の一対のガイド部26,27であって、第2方向D2に離間して対向する一対のガイド部26,27が設けられている(
図1~
図5参照)。ガイド部27は、
図1に示すように、正面視L字形状をなし、
図1に示す正面視において、上ベース部材20の下面20bから下方に延びる規制部27bと、この規制部27bから第2方向D2(詳細には、ベース第3周縁部23からベース第4周縁部24に向かう方向、
図1において右方向)に延びる支持部27cとを有する。ガイド部26は、
図1に示すように、正面視逆L字形状をなし、
図1に示す正面視において、上ベース部材20の下面20bから下方に延びる規制部26bと、この規制部26bから第2方向D2(詳細には、ベース第4周縁部24からベース第3周縁部23に向かう方向、
図1において左方向)に延びる支持部26cとを有する。
【0056】
一対の規制部26b,27bは、平面視で第1方向D1に延びる形態をなし、第2方向D2に対向して配置されている。なお、規制部26bと27bは、上型30の第2方向D2の寸法M2よりも僅かに長い距離を空けて、第2方向D2に対向して配置されている。これにより、上型30が、規制部26bと27bとの間に差し入れ可能となっている。このような一対の規制部26b,27bは、上型30を上ベース部材20の下面20b側に取り付ける際に、規制部26bと27bとの間に差し入れられる上型30について、第2方向D2にかかる位置を規制する。
【0057】
また、一対の支持部26c,27cは、平面視で第1方向D1に延びる形態をなし、第2方向D2に対向して配置されている。なお、規制部26bと27bは、上型30の第2方向D2の寸法M2よりも短い距離を空けて、第2方向D2に対向して配置されている。このような一対の支持部26c,27cは、上型30を上ベース部材20の下面20b側に取り付ける際、規制部26bと27bとの間に差し入れられた上型30の上型第3周縁部33の下面33b及び上型第4周縁部34の下面34bに接触して、上型第3周縁部33及び上型第4周縁部34の下面33b,34bを支持する。
【0058】
このトリミング装置1では、上型30を、上ベース部材20のベース第1周縁部21側(
図5において上側)からベース第1周縁部21の下方を通過させるようにして、上ベース部材20の下面20b側に取り付ける。具体的には、
図5に示すように、上型30について、上型第1周縁部31と上型第2周縁部32とが第1方向D1に対向する向きにして、上型第2周縁部32側から一対のガイド部26,27の一対の規制部26b,27bの間に差し入れて、一対の支持部26c,27cの上を第1方向D1の一方側D11(
図5において下方)にスライド移動させる。これにより、上ベース部材20に対する上型30の第1方向D1及び第2方向D2の位置が位置決め部28,29によって位置決めされる規定位置(
図6に示す位置)に、上型30を配置する。
【0059】
なお、上型30の上型第2周縁部32には、位置決め部28,29に嵌合する半円形状の切欠き部38,39が形成されている(
図5参照)。この切欠き部38,39が、上ベース部材20の位置決め部28,29の外周面に嵌合(接触)することで、上ベース部材20に対する上型30の第1方向D1及び第2方向D2の位置が位置決めされる。これにより、上型30が、規定位置(
図6に示す位置)に配置される。
【0060】
ところで、上型30は、第1方向D1の寸法M1が第2方向D2の寸法M2よりも小さくされている(
図5参照)。従って、上述のように、上型第1周縁部31と上型第2周縁部32とが第1方向D1に対向する向きにして、上型30を、一対の支持部26c,27cの上を第1方向D1にスライド移動させるようにして規定位置に配置するようにすることで、上型30のスライド移動距離を短くすることができ、速やかに、規定位置に上型30を配置することができる。
【0061】
ところが、このような上型30の取り付け構造では、上型30を、上ベース部材20のベース第1周縁部21側からベース第1周縁部21の下方を通過させるようにして、一対のガイド部26,27の一対の規制部26b,27bの間に差し入れる際、ベース第1周縁部21に第1クランプ装置40が設けられている場合には、第1クランプ装置40が、一対の規制部26b,27bの間に上型30を差し入れることを妨げる。すなわち、ベース第1周縁部21に第1クランプ装置40が設けられている場合には、上型30が第1クランプ装置40に衝突して、一対の規制部26b,27bの間に上型30を差し入れることができない。
【0062】
これに対し、本実施形態のトリミング装置1では、第1クランプ装置40が、ベース第1周縁部21に対して着脱可能に設けられている(
図4参照)。従って、上型30を着脱するときは、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21から取り外した状態にすることで、適切に、上型30を着脱することができる(
図5参照)。
【0063】
なお、第1クランプ装置40は、その上端部(クランプ部43とは反対側の部位)に、左右方向(第2方向D2)に突出する形態の係合部45b,45cを有している(
図1及び
図4参照)。また、上ベース部材20のベース第1周縁部21には、第1クランプ装置40の上端側が第1方向D1に差し入れられる切欠き部25が形成されている。そして、ベース第1周縁部21のうち、切欠き部25に対して第2方向D2に隣接する部位には、第1クランプ装置40の係合部45b,45cを支持する係合支持部25b,25cが形成されている(
図1及び
図4参照)。
【0064】
従って、第1クランプ装置40の係合部45b,45cが、上ベース部材20の係合支持部25b,25cの上を、第1方向D1の一方側D11(
図4において下方)にスライド移動するようにして、第1クランプ装置40の上端側の部位を切欠き部25内に差し入れることで、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21に設置することができる。反対に、第1クランプ装置40の係合部45b,45cが、上ベース部材20の係合支持部25b,25cの上を第1方向D1の他方側D12(
図4において上方)にスライド移動するようにして、第1クランプ装置40の上端側の部位を切欠き部25内から取り出すことで、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21から取り外すことができる。
【0065】
従って、本実施形態のトリミング装置1では、上型30は、上ベース部材20の下面20b側に取り付けられる際、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21から取り外した状態で、当該上型30を、上ベース部材20のベース第1周縁部21側からベース第1周縁部21の下方を通過させるようにして、上ベース部材20の下面20b側に取り付けられる。
【0066】
具体的には、
図5に示すように、上型30について、上型第1周縁部31と上型第2周縁部32とが第1方向D1に対向する向きにして、上型第2周縁部32側から一対のガイド部26,27の一対の規制部26b,27bの間に差し入れて、一対の支持部26c,27cの上を第1方向D1の一方側D11(ベース第1周縁部21からベース第2周縁部22に向かう方向、
図5において下方)にスライド移動させる。そして、
図6に示すように、上型30の切欠き部38,39が、上ベース部材20の位置決め部28,29の外周面に嵌合することで、上ベース部材20に対する上型30の第1方向D1及び第2方向D2の位置が位置決めされる。
【0067】
これにより、上型30が規定位置(
図6に示す位置)に配置されると共に、上型第2周縁部32が、ベース第2周縁部22に設けられている第2クランプ装置80のクランプ部83と上ベース部材20の下面20bとの間に配置される(
図6及び
図7参照)。なお、
図7は、上型30が規定位置に配置されたときの状態を示す側面図である。
図7に示すように、上型30を上ベース部材20の下面20b側に取り付けるために、上型30を規定位置に配置するときは、第2クランプ装置80を構成するエアシリンダ81の長さを最長にして、クランプ部83を上ベース部材20の下面20bから最も遠い位置(最下方の位置、すなわち下死点)に配置しておく。これにより、上型30が規定位置に配置されたとき、上型第2周縁部32が、第2クランプ装置80のクランプ部83と上ベース部材20の下面20bとの間に配置される。
【0068】
さらに、本実施形態のトリミング装置1では、第1クランプ装置40は、上型30が規定位置に配置された状態で、前述のようにベース第1周縁部21に設置されることで、当該第1クランプ装置40のクランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に上型第1周縁部31を配置する。詳細には、上型30が規定位置に配置された状態(
図6及び
図7に示す状態)で、第1クランプ装置40の係合部45b,45cを、ベース第1周縁部21の係合支持部25b,25cの上をスライド移動させるようにして、第1クランプ装置40の上端側の部位をベース第1周縁部21の切欠き部25内に差し入れることで、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21に設置する。
【0069】
これにより、
図8に示すように、第1クランプ装置40のクランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に、上型第1周縁部31が配置された状態になる。なお、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21に設置するときは、第1クランプ装置40を構成するエアシリンダ41の長さを最長にして、第1クランプ装置40においてクランプ部83を最下方の位置(下死点)に配置しておく。これにより、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21に設置したときに、上型第1周縁部31が、第1クランプ装置40のクランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に配置される。
【0070】
そして、第1クランプ装置40を構成するエアシリンダ41の作動(エアシリンダ41の長さを短縮する作動)により、クランプ部43を上方に移動させて、上型第1周縁部31をクランプ部43によって上方に押圧することによって、クランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に上型第1周縁部31を挟んで固定する(
図3参照)。
【0071】
さらには、第2クランプ装置80を構成するエアシリンダ41の作動(エアシリンダ81の長さを短縮する作動)により、クランプ部83を上方に移動させて、上型第2周縁部32をクランプ部83によって上方に押圧することによって、クランプ部83と上ベース部材20の下面20bとの間に上型第2周縁部32を挟んで固定する(
図3参照)。これにより、上ベース部材20に対して上型30を固定することができる(
図1~
図3参照)。
【0072】
ところで、本実施形態のトリミング装置1では、ベース第1周縁部21に対して着脱可能に設けられる第1クランプ装置40が、上述のようにしてクランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に上型第1周縁部31を挟んで固定することによって、当該第1クランプ装置40が上ベース部材20に対して固定される。従って、上型30を上ベース部材20の下面20bに取り付ける際、上型30を前記規定位置に配置した後、第1クランプ装置40を、ボルト等の固定手段(他部材)によってベース第1周縁部21に固定することなく、ベース第1周縁部21に設置して、第1クランプ装置40のクランプ部43と上ベース部材20の下面20bとの間に上型第1周縁部31を挟んで固定すれば、第1クランプ装置40を上ベース部材20に対して固定することができる。
【0073】
詳細に説明すると、前述したように、第1クランプ装置40は、当該第1クランプ装置40の係合部45b,45cが、上ベース部材20の係合支持部25b,25cによって支持されることで、ベース第1周縁部21に設置された状態(第1クランプ装置40が、ボルト等の他の固定手段によってベース第1周縁部21に固定されることなく、ベース第1周縁部21に設置された状態をいう)になる。
【0074】
この状態で、第1クランプ装置40を構成するエアシリンダ41の作動(エアシリンダ41の長さを短縮する作動)により、第1クランプ装置40のクランプ部43を上方に移動させると、クランプ部43によって上型第1周縁部31を上方に押圧すると共に、第1クランプ装置40の係合部45b,45cによって、ベース第1周縁部21の係合支持部25b,25cを下方に押圧する態様になる(
図1及び
図3参照)。このような態様で、第1クランプ装置40のクランプ部43と係合部45b,45cによって、上型30(上型第1周縁部31)と上ベース部材20(ベース第1周縁部21)を挟むことにより、上型30を上ベース部材20に対して固定すると共に、第1クランプ装置40が上ベース部材20に対して固定される。このように、本実施形態のトリミング装置1では、容易且つ迅速に、第1クランプ装置40を上ベース部材20に固定することができる。
【0075】
次に、トリミング装置1に取り付けられている上型30を、上ベース部材20から取り外す方法について説明する。まず、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80を構成するエアシリンダ41,81について、エアシリンダ41,81の長さを伸長するように作動(換言すれば、クランプ部43,83を上ベース部材20の下面20bから遠ざける方向に移動)させる。これにより、上型30について、上型第1周縁部31と上型第2周縁部32が、クランプ部43,83と上ベース部材20の下面20bとの間に挟まれて固定されている状態から解放する(
図8参照)。
【0076】
次いで、第1クランプ装置40の係合部45b,45cを、上ベース部材20の係合支持部25b,25cの上をスライド移動させるようにして、第1クランプ装置40の上端側の部位を切欠き部25内から取り出すことで、第1クランプ装置40をベース第1周縁部21から取り外す(
図4参照)。これにより、上ベース部材20の下面20bに設けられている一対のガイド部26,27の一対の支持部26c,27cの上に、上型30の上型第3周縁部33と上型第4周縁部34が載置される態様で、上型30が一対の支持部26c,27cに支持された状態になる。
【0077】
その後、上型30について、一対の支持部26c,27cの上を第1方向D1の他方側D12(ベース第2周縁部22からベース第1周縁部21に向かう方向、
図5において上方)にスライド移動させることで、上型30を上ベース部材20から取り外すことができる(
図5参照)。このように、本実施形態のトリミング装置1では、容易且つ迅速に、上型30を取り外すことができる。なお、第2クランプ装置80は、図示しない固定手段(例えば、ボルト)によって、ベース第2周縁部22に固定されている。
【0078】
以上説明したように、本実施形態のトリミング装置1では、上ベース部材20に対して上型30を容易に着脱することができるので、上型30の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、使用していた上型30を容易に上ベース部材20から取り外すことができ、さらに、新たな上型30を容易に上ベース部材20の下面20b側に取り付けることができる。
【0079】
<変形形態>
次に、本発明の変形形態について、図面を参照しつつ説明する。
図9は、変形形態にかかるトリミング装置101の正面視概略図である。なお、
図9では、切刃177の先端側(上端側)のみを断面図にしている。本変形形態のトリミング装置101は、実施形態のトリミング装置1とは反対に、下型170を、トリミングを行う切刃177を有する型としている。なお、切刃177は、トムソン刃であり、下型170は、トムソン刃を有するトムソン型である。
【0080】
本変形形態のトリミング装置101は、
図9に示すように、実施形態と同様の上テーブル10と、実施形態と同様の上ベース部材20と、上ベース部材20の下面20b側に着脱可能に固定された上型130と、実施形態と同様の下テーブル50と、実施形態と同様の下ベース部材60と、下ベース部材60の上面60bに取り付けられた下型170とを備える。
【0081】
上型130は、金属(例えば、ステンレス鋼)からなり、平面視矩形状をなしている。この上型130は、矩形平板形状の基板136と、この基板136の下面136bから下方に延びる筒状部137とを有する。上型130は、実施形態の上型30と同様に、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80によって、上ベース部材20の下面20b側に着脱可能に固定される。なお、第1クランプ装置40と第2クランプ装置80は、実施形態と同様に、上ベース部材20に設けられている。
【0082】
このうち、第1クランプ装置40は、実施形態と同様に、ベース第1周縁部21に対して着脱可能に設けられている。従って、本変形形態のトリミング装置101でも、実施形態のトリミング装置1と同様の方法で、上型130を、上ベース部材20の下面20b側に着脱することができる。従って、本変形形態のトリミング装置101でも、上型130を、容易に、上ベース部材20の下面20b側に固定することができる。さらには、上ベース部材20に対して上型130を容易に着脱することができるので、上型130の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、使用していた上型130を容易に上ベース部材20から取り外すことができ、さらに、新たな上型130を容易に上ベース部材20の下面20b側に取り付けることができる。
【0083】
このようなトリミング装置101では、まず、
図9に示すように、上テーブル10と下テーブル50とが離隔位置に配置された状態で、搬送方向DH(
図9において左から右に向かう方向)に搬送される成形シートSHの1ショット分(
図9に示された部分)が、上型30と下型70との間に搬入(配置)される。この状態で、成形シートSHの搬送が一時停止される。
【0084】
次いで、図示しない駆動機構により、上テーブル10と下テーブル50とを近接位置に移動させて、上型130に設けられている筒状部137の内部に成形品PRを収容しつつ、下型170の切刃177(トムソン刃)によって成形シートSHのトリミングを行う。このとき、成形シートSHを厚み方向(上下方向)に貫通した切刃177の先端(上端)が、上型130の筒状部137の環状先端面137bに接触(当接)する。その後、図示しない駆動機構により、上テーブル10と下テーブル50とを離隔位置に移動させて、トリミングを終えた成形シートSHを搬送方向DHに搬送する。このような処理を繰り返し行うことで、成形シートSHのトリミングを連続して行う。
【0085】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は前記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1,101 トリミング装置
2 固定手段(クランプ装置)
10 上テーブル
10b 下面
20 上ベース部材
20b 下面
21 ベース第1周縁部
22 ベース第2周縁部
23 ベース第3周縁部
24 ベース第4周縁部
26,27 ガイド部
26b,27b 規制部
26c,27c 支持部
28,29 位置決め部
30,130 上型
31 上型第1周縁部
32 上型第2周縁部
33 上型第3周縁部
34 上型第4周縁部
37,177 切刃(トムソン刃)
40 第1クランプ装置
41,81 エアシリンダ
42,82 ピストンロッド
43,83 クランプ部
45b,45c 係合部
50 下テーブル
50b 上面
60 下ベース部材
60b 上面
70,170 下型
80 第2クランプ装置
D1 第1方向
D2 第2方向
M1 第1方向の寸法
M2 第2方向の寸法
SH 成形シート