(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】ストーブ
(51)【国際特許分類】
C10L 5/44 20060101AFI20231120BHJP
F24B 1/02 20060101ALI20231120BHJP
F24B 1/26 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
C10L5/44
F24B1/02 C
F24B1/26 Z
(21)【出願番号】P 2020029356
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520023950
【氏名又は名称】穗▲高▼ 恒彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】穗▲高▼ 恒彦
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-123273(JP,A)
【文献】特開2011-001417(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1278624(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3032807(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0473459(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 5/44
F23B 20/00
F24B 1/26
F24C 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に直線状に延在する煙突部と、
前記煙突部の下方に連通した空間であって、当該空間の少なくとも下方は、前記煙突部よりも広く構成された燃焼室と、
前記燃焼室に外部から連通し、側方へ開口した吸気口と、
を備え、
前記吸気口は、前記燃焼室の中心からずれた位置へ向かって直線状に延在しており、
少なくとも前記煙突部及び前記燃焼室を構成する部材は、可燃性材料により構成されているストーブ。
【請求項2】
上下方向に直線状に延在する煙突部と、
前記煙突部の下方に連通した空間であって、当該空間の少なくとも下方は、前記煙突部よりも広く構成された燃焼室と、
前記燃焼室に外部から連通し、側方へ開口した吸気口と、
を備え、
前記煙突部及び前記燃焼室は、前記煙突部の中心位置を中心とする回転体状に構成されており、
少なくとも前記煙突部及び前記燃焼室を構成する部材は、可燃性材料により構成されているストーブ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のストーブにおいて、
前記吸気口は、当該ストーブを上方から見た場合の透視状態において、前記燃焼室の内壁に沿った向きに延在していること、
を特徴とするストーブ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のストーブにおいて、
前記吸気口は、前記燃焼室の下端へ連通していること、
を特徴とするストーブ。
【請求項5】
請求項1から請求項
4までのいずれかに記載のストーブにおいて、
当該ストーブの外形形状は、略円柱形状であり、前記略円柱形状の中心が延在する方向と前記煙突部が延在する方向が略一致していること、
を特徴とするストーブ。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までのいずれかに記載のストーブにおいて、
当該ストーブは、全体が丸太によって一体で構成されていること、
を特徴とするストーブ。
【請求項7】
請求項1から請求項
6までのいずれかに記載のストーブにおいて、
上端面は、略平面に構成されており、
前記煙突部の上端の火口の周囲を囲んで前記上端面に配置される風防を備えること、
を特徴とするストーブ。
【請求項8】
請求項1から請求項
7までのいずれかに記載のストーブにおいて、
上端面は、略平面に構成されており、
前記煙突部の上端の火口から所定距離を離して調理器具を載置可能とする五徳を備えること、
を特徴とするストーブ。
【請求項9】
請求項1から請求項
6までのいずれかに記載のストーブにおいて、
上端面は、略平面に構成されており、
前記煙突部の上端の火口の周囲を囲んで前記上端面に配置され、かつ、前記煙突部の上端の火口から所定距離を離して調理器具を載置可能とする五徳兼用風防を備えること、
を特徴とするストーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋外で暖房や調理等に利用することができるストーブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、丸太素材を加工したスウェーデントーチと呼ばれるストーブが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のスウェーデントーチは、スリットが設けられていたり、細長い穴が設けられていたりするものの、着火しにくく、燃焼効率も悪いことから煙の発生が多く、さらに火力も弱く、一般的には利用しづらいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、着火が容易であり、燃焼効率が良好であり、火力の強いストーブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
第1の発明は、上下方向に直線状に延在する煙突部(2)と、前記煙突部(2)の下方に連通した空間であって、当該空間の少なくとも下方は、前記煙突部(2)よりも広く構成された燃焼室(3)と、前記燃焼室(3)に外部から連通し、側方へ開口した吸気口(4)と、を備え、少なくとも前記煙突部(2)及び前記燃焼室(3)を構成する部材は、可燃性材料により構成されているストーブ(1)である。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に記載のストーブ(1)において、前記吸気口(4)は、前記燃焼室(3)の中心からずれた位置へ向かって直線状に延在していること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0008】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載のストーブ(1)において、前記吸気口(4)は、当該ストーブ(1)を上方から見た場合の透視状態において、前記燃焼室(3)の内壁に沿った向きに延在していること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0009】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、前記吸気口(4)は、前記燃焼室(3)の下端へ連通していること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0010】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、前記煙突部(2)及び前記燃焼室(3)は、前記煙突部(2)の中心位置を中心とする回転体状に構成されていること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0011】
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、当該ストーブ(1)の外形形状は、略円柱形状であり、前記略円柱形状の中心が延在する方向と前記煙突部(2)が延在する方向が略一致していること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0012】
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、当該ストーブ(1)は、全体が丸太によって一体で構成されていること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0013】
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、上端面は、略平面に構成されており、前記煙突部(2)の上端の火口(2a)の周囲を囲んで前記上端面に配置される風防(20)を備えること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0014】
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかに記載のストーブ(1)において、上端面は、略平面に構成されており、前記煙突部(2)の上端の火口(2a)から所定距離を離して調理器具を載置可能とする五徳(10)を備えること、を特徴とするストーブ(1)である。
【0015】
第10の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかに記載のストーブにおいて、上端面は、略平面に構成されており、前記煙突部(2)の上端の火口(2a)の周囲を囲んで前記上端面に配置され、かつ、前記煙突部(2)の上端の火口(2a)から所定距離を離して調理器具を載置可能とする五徳兼用風防(30)を備えること、を特徴とするストーブ(1)である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、着火が容易であり、燃焼効率が良好であり、火力の強いストーブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるストーブ1の第1実施形態を示す図である。
【
図4】本実施形態のストーブ1の燃焼状態について説明する図である。
【
図6】本発明によるストーブ1の第2実施形態を示す図である。
【
図7】本発明によるストーブ1の第3実施形態を示す図である。
【
図8】本発明によるストーブ1の第4実施形態を示す図である。
【
図9】本発明によるストーブ1の第5実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明によるストーブ1の第1実施形態を示す図である。
図2は、ストーブ1を正面から見た図である。
図3は、ストーブ1を上面から見た図である。
なお、
図1から
図3を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
【0020】
本実施形態のストーブ1は、丸太の内部を一部くり抜くことにより作製されるものであり、全体の形状は、丸太を輪切りにした円柱状に構成されている。なお、ストーブ1は、
図1に示すように円柱の中心軸が延在する向きを上下方向として使用されるので、以下の説明においても、この使用状態における上下方向に合わせて説明を行う。
【0021】
ストーブ1は、煙突部2と、燃焼室3と、吸気口4とを備えており、上述したように全体が木材(丸太)により構成されていることから、全体の外形形状は略円柱形状となっており、上面と下面は、平面となっている。なお、本実施形態では、ストーブ1の外周面は、切り出した木材の表皮(樹皮)を剥がしたままの状態として、自然な風合いとしていることから、正確な円柱形状ではない。なお、例えば、旋盤加工を行ってストーブの外形形状をより正確な円柱形状に加工してもよいし、外形形状は、六角形や五角形等に加工されていてもよい。また、これとは逆に、ストーブ1の外周面は、切り出した木材の表皮(樹皮)をそのまま残してあってもよい。
【0022】
煙突部2は、ストーブ1の外形形状の略円柱形状の中心が延在する上下方向に延在して設けられた円筒状の穴である。煙突部2の上端は、ストーブ1の上面に開口した火口2aとなっており、燃焼時には、この火口2aから炎が出てくる。また、本実施形態の煙突部2の内壁面は円筒状になっている。
【0023】
燃焼室3は、煙突部2の下方に連通した空間である。燃焼室3は、略円錐台形形状の空間である。燃焼室3の上端は、煙突部2の内径と同一内径で接続されて連通している。燃焼室3の下端は、上端よりも内径が大きく構成されている。よって、燃焼室3は、下方に行くにしたがって、煙突部よりも広く(内径が大きく)構成されている。また、煙突部2及び燃焼室3は、その中心が一致している。すなわち、煙突部2及び燃焼室3は、煙突部2の中心位置を中心とする回転体状に構成されている。
【0024】
吸気口4は、外部の側方に開口した開口部4aから燃焼室3の下端に連通している。吸気口4は、燃焼室3の中心からずれた位置へ向かって直線状に延在している。より具体的には、吸気口4は、ストーブ1を上方から見た場合の透視状態において、燃焼室3の中心からずれた位置であって、燃焼室3の内壁に沿った向きに延在している。言い換えると、吸気口4は、回転体状に形成されている燃焼室の内壁の接線方向に略沿うように延在している。
【0025】
ここで、ストーブ1を丸太から作製する方法の一例を説明する。
まず、必要な太さ及び長さの丸太の輪切りを用意する。
丸太の上面の中央に、ドリルで燃焼室3の底面となる位置まで煙突部2の大きさで穴をあける。
次に、煙突部2の内径よりも細いドリルを火口2a部分から斜めに挿入して燃焼室3の内壁面の形状を削る。この作業をドリルの位置を徐々に変えながら行うことにより、燃焼室3の形状を削り取る。
最後に側方からドリルによって吸気口4を開口することにより、ストーブ1が完成する。なお、上述した作製方法では、燃焼室3の形状は、若干荒い形状となるが、そのほうが着火し易さの観点からは、望ましい。
また、上述した作製方法に限らず、例えば、専用の刃物を用意して燃焼室3の加工を行ってもよいし、旋盤を利用してより精度の高い加工を行ってもよい。
【0026】
ここで、ストーブ1の各部の好ましい寸法について
図2を参照して説明する。
煙突部2の内径d1は、φ30~100mmとすることが望ましい。
燃焼室3の最大内径d2は、φ50~300mmとすることが望ましい。
ストーブ1の外径d3は、φ150~500mmとすることが望ましい。
吸気口4の内径d4は、φ20~80mmとすることが望ましい。
煙突部2の高さ(長さ)h1は、50~150mmとすることが望ましい。
燃焼室3の高さ(長さ)h2は、50~300mmとすることが望ましい。
燃焼室3の底面からストーブ1の底面までの高さ(長さ)h3は、50~700mmとすることが望ましい。
ストーブ1の全体の高さ(長さ)h4は、200~800mmとすることが望ましい。
燃焼室3の内壁面の傾斜角度θは、10~40°とすることが望ましい。
【0027】
本実施形態では、d1=55mm、d2=120mm、d3=350mm、d4=30mm、h1=150mm、h2=100mm、h3=150mm、h4=400mm、θ=20°として作製し、この数値が燃焼を効率よく行うために適していることを確認した。
【0028】
図4は、本実施形態のストーブ1の燃焼状態について説明する図である。
図4中には、燃焼時の可燃性ガス及び炎の進み方を矢印で示している。
ストーブ1を燃焼させるには、先ず、市販の着火剤等を火口2aから燃焼室3内に落とし、火口2a又は開口部4aを介して着火剤に着火して種火とする。着火剤が着火すると、着火剤の燃焼によって暖められた燃焼ガスが上昇して煙突部2に到達し、流路が狭い煙突部2内を上昇することにより、上昇速度が速まる。そして、いわゆる煙突効果が発生して、吸気口4から強い吸気が得られる。ここで、煙突効果とは煙突の長さにより、燃焼室の熱が上部に吸い上げられる事によって強い吸気を得て燃焼促進する効果である。
また、煙突効果により、種火(着火剤)の炎は、火口2aに通じる煙突部2の上部に上がる。燃焼が継続するためには、吸気(酸素)が必要となり、下部に設けられた吸気口4から空気を吸い込み、その風力が燃料、すなわち、着火剤と、主に燃焼室3の内壁面の燃焼を促進する。
【0029】
さらに、吸気口4から自動的に吸い込まれる流れの速い空気(風)が円錐台形形状の底辺の隅から噴出され、燃焼室3の内壁面に当たり、必然的に炎が回転しながら上に昇ってゆく。これにより、燃焼室3の内壁をもれなく舐めつつ内部を攪拌し可燃性ガスを燃やし、上部の火口2aから勢いよく放出されるので煙の少ない完全燃焼に近づけることができる。また、炎が生み出す煙(可燃性ガス)が発生するが、煙突部2より広い燃焼室3でガスを炎に変えて放出する。
【0030】
また、ストーブ1は、全体が木材により構成されていることから、自らが燃料となるという利点に加えて、断熱効果を得ることができる。すなわち、素材が木材なので、煙突部2及び燃焼室3は、熱を帯びて蓄熱し、外部には断熱性を持ってして熱を籠らせて燃焼を促進させ、燃焼していても外側は低温を保つ。そして、この断熱性によって、いわゆるロケットストーブ効果をさらに得ることができる。ロケットストーブ効果とは、煙突部分の蓄熱による高温維持でさらなる強吸気を得て燃焼を促す効果として知られている。
【0031】
以上のような作用によって、本実施形態のストーブ1は、燃焼状態が2~5時間継続する。なお、燃焼時間は、木材が針葉樹であるか、広葉樹であるかによる密度の違い、及び、素材である丸太の水分量の違いによって左右される。
ストーブ1の燃焼が進むと、煙突部2の内壁も燃焼が進み徐々に煙突部2の内径が拡大していく。そして煙突部2の内径の拡大に伴い、煙突効果が薄れて吸気口4からの吸気の勢いが低下する。これにより、初期の強力な燃焼が収まっていき、徐々に熾火、又は、炭火のような状態となる。このような状態は、バーベキュー料理等に好適な状態である。
燃焼がさらに進むと、最後は、外部が崩れて丸太そのものが燃えて終了する。
【0032】
ストーブ1を料理に利用する場合の利便性を向上させるため、本実施形態では、2つの追加部材を用意している。
図5は、五徳10及び風防20を説明する図である。
五徳10は、金属によりコの字状に作製されており、ストーブ1の上面に打ち込まれて、鍋や鉄板等をその上に置くことができる。
風防20は、金属により円筒状に構成されており、周囲に多数の小孔が設けられている。風防20は、ストーブ1の上面に置くことにより、屋外で風に煽られて熱が鍋等の調理器具に当たりにくくなることを防止し、炎がもれなく調理器具に当たるようになり、火力を効率よく伝えることができる。
五徳10及び風防20は、耐腐食性を考慮するとステンレス鋼製とすることが望ましいが、他の金属を用いてもよい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のストーブ1によれば、煙突部2よりも広い燃焼室3を煙突部2よりも下方に設け、さらに吸気口4を適切な位置に配置したので、着火が容易であり、燃焼効率が良好であり、火力の強いストーブを提供することができる。すなわち、従来のスウェーデントーチ等の着火のし辛さ、燃焼効率の悪さによる煙の多さと火力の弱さを大幅に改善することができる。
【0034】
(第2実施形態)
図6は、本発明によるストーブ1の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態のストーブ1は、燃焼室3の形状を変更した他は、第1実施形態と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の燃焼室3は、
図6に示すように、略円筒形状となっている。
燃焼室3をこのように略円筒形状としても、第1実施形態と同様に着火が容易であり、燃焼効率が良好であり、火力の強いストーブとすることができる。
【0035】
(第3実施形態)
図7は、本発明によるストーブ1の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態のストーブ1は、燃焼室3の形状を変更した他は、第1実施形態と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態の燃焼室3は、
図7に示すように、略球形状となっている。
燃焼室3をこのように略球形状としても、第1実施形態と同様に着火が容易であり、燃焼効率が良好であり、火力の強いストーブとすることができる。
【0036】
(第4実施形態)
図8は、本発明によるストーブ1の第4実施形態を示す図である。
第4実施形態のストーブ1は、燃焼室3よりも下側を別部材とし、吸気口4の形状を変えた他は、第1実施形態と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第4実施形態のストーブ1は、燃焼室3の底面となる位置から下方を別部材として、上部本体1aと下部本体1bとの2部品を組み合わせる構成としている。上部本体1aと下部本体1bとは、例えば、金具等を利用して接続される。
第4実施形態の燃焼室3は、上部本体1aに設けられており、下部本体1b側に開口した状態となっているので、燃焼室3の加工をより簡単に行うことができる。
また、第4実施形態の吸気口4は、上部本体1aに設けられており、下部本体1b側に開いたU字溝状に構成されている。これにより、吸気口4の加工も簡単に行うことができる。
第4実施形態によれば、上部本体1aと下部本体1bとを別部材としたことにより、燃焼室3の加工をより簡単かつ正確に行うことが可能である。
【0037】
(第5実施形態)
図9は、本発明によるストーブ1の第5実施形態を示す図である。
第5実施形態のストーブ1は、第1実施形態のストーブ1における追加部材として用意した五徳10及び風防20を1つの部材で兼用するようにした形態であり、ストーブ1事態の形態は、第1実施形態と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0038】
第5実施形態のストーブ1では、追加部材として五徳兼用風防30を用意した。
五徳兼用風防30は、金属により円筒状に構成されており、周囲に多数の小孔31が設けられている。また、五徳兼用風防30の下端部には、複数個所に尖った突起部31が設けられている。上述したように、第5実施形態の五徳兼用風防30は、五徳の機能と風防の機能とを1つの部材で兼ねるものである。
五徳兼用風防30は、突起部31をストーブ1の上面に差し込むことで、上部に調理器具を置いた場合でも、その位置を安定させることができる。
また、小孔31は、五徳兼用風防30の上方が調理器具で塞がれた場合であっても、炎がこの小孔31から抜け出ることができるように設けられている。
【0039】
五徳兼用風防30の素材の厚さは、例えば、鉄を用いる場合には、厚さが2mm程度が望ましく、ステンレス鋼であれば、1mm以下としてもよい。また、外径df1は、φ100~200mmが望ましく、高さhfは、50~200mmが望ましく、小孔の孔系は、φ10~30mmが望ましい。なお、五徳兼用風防30の材料や各部の寸法については、上記例に限らず、具体的な利用形態によって適宜選択すればよい。
第5実施形態の五徳兼用風防30を用いることにより、五徳と風防とを別々に用意する必要がなく、利便性がよい。また、より安価に五徳と風防の機能を備えた五徳兼用風防30を提供可能である。
【0040】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0041】
(1)各実施形態において、ストーブは、丸太を素材とする例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、もみ殻、おがくず、端材チップ等を固めて成形することにより、ストーブを作製してもよい。
【0042】
(2)各実施形態において、煙突部及び燃焼室は、同一の中心をもつ回転体形状であるものとして説明した。しかし、上述したように作製方法によっては、正確な回転体形状として作製することが困難であり、実質的に回転体と同様な作用を持つことができる形状であれば、形状は様々な形状とすることができる。例えば、横断面形状が八角形や六角形の煙突部及び燃焼室としてもよく、燃焼室内で可燃性ガス及び炎が回転できる空間が設けられていればよい。
【0043】
(3)各実施形態において、燃焼室の形状を、円錐台形形状、円柱形状、球形状について例示して説明した。これらに限らず、燃焼室の形状は適宜変更してもよい。
【0044】
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0045】
1 ストーブ
1a 上部本体
1b 下部本体
2 煙突部
2a 火口
3 燃焼室
4 吸気口
4a 開口部
10 五徳
20 風防
30 五徳兼用風防