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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
A63F5/04 620
A63F5/04 611B
A63F5/04 614B
A63F5/04 661
A63F5/04 697
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021150009
(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公開番号】P2023042725
(43)【公開日】2023-03-28
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】古橋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔也
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-285097(JP,A)
【文献】特開2015-213534(JP,A)
【文献】特開2018-086348(JP,A)
【文献】特開2009-273513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
第1演出状態と、前記第1演出状態よりも所定の役を入賞させることが容易な第2演出状態と、を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段と、
所定の表示手段に演出に係る画像を表示させる演出制御手段と、を備え、
前記リールの図柄の表示位置として、複数の表示位置が設けられており、
前記内部抽選において特定の当選態様が得られた遊技において、前記複数のリールのうち最も左側の左リールを最初に停止させる停止操作が第1のタイミングで行われた場合には、前記左リールの特定の図柄が特定の表示位置に停止し、前記リールを最初に停止させる停止操作が第2のタイミングで行われた場合には、前記左リールの前記特定の図柄が前記特定の表示位置に停止せず、
前記第2演出状態を開始するか否かが決定される所定の状況において、前記リールが最初に停止された場合に、前記第2演出状態が開始されず、演出状態が前記第1演出状態となり、
前記所定の状況において、前記左リールと異なるリールが最初に停止された場合に、前記第2演出状態が開始され得ることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段を備え、
前記リールは、ステッピングモータによって回転し、
前記試験用信号には、前記複数のリールの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、
前記停止操作に関する情報には、前記複数のリールのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、
前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定のビットによって示される情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となり、
前記試験用信号は、所定の基板を介して試験装置に送られ、
前記所定の基板は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、所定のビット数の情報として前記試験装置に送信し、
前記制御手段は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、前記所定のビット数よりも少ないビット数の情報として送ることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンとして、特定役の入賞を補助する指示機能を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の遊技機では、いわゆるAT演出状態(アシストタイム演出状態:指示演出状態)等において指示機能が作動し、特定役を入賞させるための打順等が報知されることにより、遊技者が当該特定役を入賞させることが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-140634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機においては、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
第1演出状態と、前記第1演出状態よりも所定の役を入賞させることが容易な第2演出状態と、を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段と、を備え、
前記リールの図柄の表示位置として、複数の表示位置が設けられており、
前記内部抽選において特定の当選態様が得られた遊技において、前記複数のリールのうちの1のリールである特定のリールを停止させる停止操作が第1のタイミングで行われた場合には、特定の図柄が特定の表示位置に停止し、前記特定のリールを停止させる停止操作が第2のタイミングで行われた場合には前記特定の図柄が前記特定の表示位置に停止せず、
前記第2演出状態を開始するか否かが決定される所定の状況において、前記複数のリールのうち前記特定のリールが最初に停止された場合に、前記第2演出状態が開始されないことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ナビ演出等のされない状態においては、通常の遊技者は、特定のリールを第1のタイミングで停止させる停止操作を第1停止操作として行ういわゆるDDT打法により遊技を消化していくこととなる。そして、本発明では、所定の状況において、DDT打法により遊技を消化する際に最初に停止される特定のリールを最初に停止させる場合、第2演出状態が開始されないようになっている。すなわち、当該所定の状況において、他の状況(通常時)と同様に遊技を行う場合、第2演出状態が開始されず、他の状況(通常時)における遊技方法を避けることで第2演出状態を開始させることが可能となる。このような構成によれば、当該所定の状況において、通常時と異なる操作を選択することができる遊技者に、所定の役を入賞させることが容易な遊技を付与することができ、遊技機に対する知識をつけることや、当該状況の訪れに気付けるよう遊技に集中することに対してメリットを与え、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「第2演出状態を開始するか否かが決定される状況」とは、第2演出状態に移行するか他の演出状態に移行するかが決定される状況等を含むものである。
【0009】
また、本発明の前記構成において、
試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段を備え、
前記リールは、ステッピングモータによって回転し、
前記試験用信号には、前記複数のリールの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、
前記停止操作に関する情報には、前記複数のリールのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、
前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定のビットによって示される情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となり、
前記制御手段は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験に使用する第1試験用信号と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験に使用する第2試験用信号と、を出力可能であり、
前記制御手段は、前記第1試験用信号と前記第2試験用信号との両方を同一の契機で出力することとしてもよい。
【0010】
本構成によれば、特定の位置でリールを停止させることを推奨することと、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせることとを、試験用信号のうちの特定のビットを利用して行うことができる。また、当該特定のビットによって示される情報が、ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる場合に、いずれの位置でリールを停止させてもよいことが知らされる。したがって、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせるために、特定のフラグ等を用意する必要が無い(専用のビットを確保する必要が無い)。したがって、試験用信号の出力に係る構成が簡易となり、どのような機種にも汎用的に採用できるので、開発コストを低減させることができる。また、本構成においては、制御手段は、第1の遊技方法に関する試験を行うか第2の遊技方法に関する試験を行うかに関わらず、第1試験用信号と第2試験用信号との両方を同一の契機で出力する。したがって、いずれの試験を行うか(いずれの試験用信号を出力するか)を判定する処理等が不要となり試験用信号の出力に係る構成が簡易となるため、開発コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、リールの図柄配列を示す図である。
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図6】同、遊技状態の状態遷移図である。
図7】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図8】同、メイン制御基板と試験装置とのインターフェース基板を介した接続関係を説明するための図である。
図9】同、高試験用信号および低試験用信号に含まれる情報について説明するための図である。
図10】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図11】同、リールの図柄配列を示す図である。
図12】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図13】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図14】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図15】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図16】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図17】同、遊技状態の状態遷移図である。
図18】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図19】同、リールの停止制御について説明するための図である。
図20】同、リールの停止制御について説明するための図である。
図21】同、リールの停止制御について説明するための図である。
図22】同、リールの停止制御について説明するための図である。
図23】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図24】同、遊技状態の状態遷移図である。
図25】同、変形例1に係る当選エリアを説明するための図である。
図26】同、変形例2に係る当選エリアを説明するための図である。
図27】本発明の第4の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、リールの図柄配列を示す図である。
図28】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図29】同、演出状態の選択と、選択される演出状態におけるナビ演出について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットRU(図3参照)と、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0014】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0015】
表示窓16の奥には、リールユニットRUが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0016】
各リール20a~20cの外周面には、図2に示すように、特殊図柄A「SPA」、ブドウ図柄「GR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、特殊図柄B「SPB」、BAR図柄「BAR」、黒7図柄「黒7」、特殊図柄C「SPC」およびハート図柄「HE」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0017】
また、リールユニットRUは、各リール20a~20cに対応して設けられたステッピングモータ19a~19cと、各リール20a~20cに対応して設けられたインデックスセンサ21a~21cと、を有している。各ステッピングモータ19a~19cは、各リール20a~20cを回転させる。ステッピングモータ19a~19cは、4相のステッピングモータである。各ステッピングモータ19a~19cは、ロータと、第1相のコイル、第2相のコイル、第3相のコイルおよび第4相のコイルを有するステータとを備えている。各ステッピングモータ19a~19cは、一のコイルをオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一のコイルおよび隣接する他のコイルをオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを交互に繰り返す1-2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位し、504ステップ更新(252ステップ角の変位)で、各リール20a~20cを一回転させている。ステッピングモータ19a~19cは、1ステップ角が約1.43°、励磁パルスを1ステップ更新する割込み時間tが1.49msとなっている。また、各インデックスセンサ21a~21cは、各リール20a~20cの内側に取り付けられた半円帯状のインデックスのエッジを検知する。そして、このインデックスセンサ21a~21cによる検知情報に基づいて、リール20a~20cの回転および停止に係る制御等が行われる。
【0018】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0020】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図3参照)が設けられている。
【0021】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0022】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29およびインデックスセンサ21a~21c等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットRU(ステッピングモータ19a~19c)や、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0023】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0024】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0025】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0026】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0027】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0028】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0030】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0031】
図4に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役37が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」および「1枚役」が用意されている。また、小役1~小役6は入賞すると7枚のメダルが払い出される7枚役となっており、小役7は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっており、小役8は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役9~小役37は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」をまとめて打順チャンス役と呼ぶこととする。
【0032】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役37)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベルALL」は、小役1~小役6および小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役9~小役32および小役35~小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」は、15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通ベル」は、小役1~小役6が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル1」は、7枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル2」は、7枚役(小役5)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目」は、3枚役(小役8)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚役」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0033】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ14が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「リプレイ3」が用意されている。
【0034】
当選エリア「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」は、それぞれ複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0035】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナスが用意されている。
また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「1枚役」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「1枚役」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0036】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0037】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」、「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「1枚役」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「リプレイ3」は、RBB内部中状態の場合に当選し、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態の場合には当選しないようになっている。
また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0038】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0039】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0040】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0041】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0042】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0043】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0044】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0045】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0046】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0047】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0048】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0049】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0050】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0051】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0052】
図5に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると7枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~6を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役32を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0053】
各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0054】
なお、図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0055】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、正解打順で操作がされると、7枚役が入賞するようになっている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0056】
当選エリア「打順チャンス役1」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順3、打順4、打順5または打順6のいずれかの打順で停止操作がされると15枚役が入賞し、打順1または打順2のいずれかの打順で停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役2」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順5または打順6のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順3または打順4のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役3」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順3または打順4のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順5または打順6のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
なお、打順チャンス役の各当選エリアは、一般中状態において当選した場合、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する打順で停止操作がされたとしても、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
【0057】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0058】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0059】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役6に入賞すると7枚のメダルが払い出され、小役7に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役8に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役9~小役37に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0060】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0061】
遊技状態制御手段49は、図6に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0062】
また前述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0063】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「リプレイ3」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0064】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0065】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば22枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0066】
図3に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0067】
遊技区間制御手段80は、図7に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0068】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0069】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0070】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0071】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0072】
演出状態制御手段81は、図7に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0073】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、前述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選に当選し有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態へ移行させる。
【0074】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態は、CZ演出状態およびAT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。換言すると、通常演出状態は、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0075】
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。例えば、通常演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行い、CZ抽選に当選した場合に演出状態制御手段81が演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。また、例えば、通常演出状態における遊技の回数に上限(いわゆる天井)を設定し、通常演出状態において所定回数(例えば、500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81が、演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0076】
(CZ演出状態)
CZ演出状態は、通常演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。なお、CZ演出状態は、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
【0077】
CZ演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。そして、AT演出状態への移行の権利が付与されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。すなわち、演出状態制御手段81は、CZ演出状態における所定の契機で演出状態をAT演出状態に移行させる。具体的には、例えば、CZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合にAT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよい。
【0078】
(AT演出状態)
AT演出状態においては、演出制御手段100は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず7枚役が入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0079】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理している。特典付与手段82は、AT演出状態が開始されると、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ66の記憶値に所定の差枚数に相当する値を設定する。なお、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値は固定値に限らず、抽選等により決定されるものであってもよい。また、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値を決める遊技は、複数回にわたって行われることとしてもよい。
【0080】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT終了判定カウンタ66の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。AT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合に、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(AT演出状態のセット数)、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。
【0082】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、差枚数カウンタ64、有利区間遊技数カウンタ65およびAT終了判定カウンタ66等の記憶値や、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようにされている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う前述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0083】
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。また、本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされている。
【0084】
図8に示すように、主制御手段(メイン制御基板)31は、試射試験時に用いる第1インターフェース基板301を介して規定の試験装置300と接続可能となっている。また、主制御手段31は、試射試験時に用いる第2インターフェース基板302を介して規定の試験装置300と接続可能となっている。換言すると、主制御手段31は、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との接続を可能とするコネクタを有しており、当該コネクタを介して、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との間での信号の送信あるいは受信が可能となっている。
【0085】
第1インターフェース基板301は、主制御手段31から出力される各リール20a~20cの回転および停止に関する信号等を試験装置300に送信する。具体的には、各インデックスセンサ21a~21cからのリールインデックス信号、内部抽選で当選した役を識別可能とする信号(抽選で決定した条件装置の番号または当選エリア番号に対応した信号等)、遊技状態を識別可能とする信号、各ステッピングモータ19a~19cの励磁パルス信号等の、主制御手段31で検知しまたは決定する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、主制御手段31から試験装置300に送られる。ここで、リールインデックス信号は、インデックスセンサ21a~21cの検知信号であり、第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cそれぞれの基準位置の通過を特定可能とする信号である。また、励磁パルス信号は、ステッピングモータ19a~19cの駆動信号であり、各リール20a~20cの駆動状況を特定可能とする信号である。そして、試験装置300では、第1インターフェース基板301を介して送られるリールインデックス信号や励磁パルス信号等に基づいて、回転中の各ステッピングモータ19a~19c(各リール20a~20c)の現在のステップ数等を把握することが可能となっている。
【0086】
また、第1インターフェース基板301は、試験装置300から出力される各リール20a~20cの回転および停止を実行させる信号等を主制御手段31に送信する。具体的には、メダルの投入操作に代替させる投入スイッチ信号、スタートレバー24に対する遊技開始操作に代替させるリールスタートスイッチ信号、各ストップボタン26a~26cに対する停止操作に代替させる左、中、右に対応した各ストップスイッチ信号等の、遊技機に対する操作に関する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、試験装置300から主制御手段31に送られる。なお、試験装置300から主制御手段31への投入スイッチ信号の送信は、メダル投入口22へのメダルの投入やベットボタン23に対する押下操作と同様に、メダルの投入操作に該当する。また、試験装置300から主制御手段31へのリールスタートスイッチ信号の送信は、スタートレバー24に対する押下操作と同様に、遊技開始操作に該当する。また、試験装置300から主制御手段31への各ストップスイッチ信号の送信は、各ストップボタン26a~26cに対する押下操作と同様に、停止操作に該当する。
【0087】
なお、本実施形態において、「信号が、所定の装置(手段)から所定の基板を介して所定の装置(手段)に送られる」とは、送信元の装置(手段)から出力された信号がそのままの形式で送信先の装置(手段)に入力される場合と、送信元の装置(手段)から出力された信号の一部または全体が基板等において変換されて送信先の装置(手段)に入力される場合との両方を含む。換言すると、送信元の装置(手段)から出力される信号によって伝達したい内容(情報)が送信先の装置(手段)に伝達されるものであればよい。
【0088】
また、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力される所定の試験を行うための試験用信号を試験装置300に送信する。換言すると、試験用信号制御手段としての主制御手段31から出力された試験用信号が、第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送られる。
【0089】
主制御手段31は、試験用信号として、高試験用信号と低試験用信号とを出力可能となっている。ここで、高試験用信号は、出玉率の期待値が高い遊技方法に関する試験としての高試験を行うための信号である。また、低試験用信号は、出玉率の期待値が低い遊技方法に関する試験としての低試験を行うための信号である。すなわち、高試験に係る遊技方法は、低試験に係る遊技方法に比べ、出玉率の期待値が高くなっている。また、試験用信号は、遊技開始操作を契機として主制御手段31から出力される。
【0090】
高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法は、例えば以下のようにしてもよい。すなわち、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、例えば、打順ナビ演出が実行される遊技においては、打順ナビ演出に従った打順で遊技を行う。また、遊技機によっては、特定の打順(例えば打順1および打順2)で操作を行った場合に指示機能に係る所定の処理(AT抽選等の指示機能に係る抽選等)を行い、それ以外の打順で操作を行った場合には指示機能に係る所定の処理を行わない状況(遊技区間、遊技状態または演出状態等が所定の状態となっている状況:いわゆるペナルティが発生する状況)が設けられているが、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、当該状況においては、当該特定の打順で遊技を行う。また、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、いずれの打順で停止操作を行うべきか遊技者が判別できない状況(打順ナビ演出が行われずペナルティも発生しない(ペナルティに係る情報が遊技者に提供されない)所定の状況)においては、所定の打順で遊技を行う。また、高試験に係る遊技方法では、所定のタイミングで(所定のリールの所定の図柄が所定の表示位置に位置しているタイミングで)所定の停止操作を行うことで出玉率の期待値を高められる状況(かつこのことを遊技者が認識可能な状況)においては、当該所定のタイミングで所定の停止操作をするように遊技を行う。一方、低試験に係る遊技方法では、所定のタイミングで所定の停止操作を行うことで出玉率の期待値を高められる状況においても、任意(無作為)のタイミングで所定の停止操作をするように遊技を行う。換言すると、本実施形態における低試験に係る遊技方法は、特定のタイミングで(特定の図柄(ステップ数)を狙って)所定の停止操作を行う場合が無いようにされているが、特定のタイミングで(特定の図柄を狙って)所定の停止操作を行う場合があってもよい。
【0091】
本実施形態では、高試験用信号は、遊技者が最大の出玉率を得ることができるリール20a~20cの停止順序(打順)および停止実行位置(停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。換言すると、高試験用信号は、出玉率の期待値を最大化できる遊技方法となる停止操作の態様として、当該遊技(高試験用信号の出力契機となる遊技開始操作によって開始される遊技)において推奨する停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。
【0092】
また、本実施形態では、低試験用信号は、遊技者に最も不利な遊技方法となるリール20a~20cの停止順序(打順)および停止実行位置(停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。換言すると、低試験用信号は、最も不利な遊技方法となる停止操作の態様として、当該遊技(低試験用信号の出力契機となる遊技開始操作によって開始される遊技)において推奨する停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。
【0093】
そして、試験装置300が、高試験用信号に基づいて、第1インターフェース基板301を介した各ストップスイッチ信号の送信等を行うことで、高試験に係る遊技方法での遊技を実行することができる。換言すると、高試験を行う際には、試験装置300は、高試験用信号の推奨する停止操作の態様での遊技が行われるように、第1インターフェース基板301を介した各種信号の送信を行う。また、試験装置300が、低試験用信号に基づいて、第1インターフェース基板301を介した各ストップスイッチ信号の送信等を行うことで、低試験に係る遊技方法での遊技を実行することができる。換言すると、低試験を行う際には、試験装置300は、低試験用信号の推奨する停止操作の態様での遊技が行われるように、第1インターフェース基板301を介した各種信号の送信を行う。すなわち、高試験および低試験においては、試験装置300は、主制御手段31から第1インターフェース基板301を介して試験装置300に送信される各種信号に基づいて遊技機の状態を把握するとともに、主制御手段31から第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送信される試験用信号に基づいて高試験または低試験を実現するための停止操作の態様を把握し、把握した遊技機の状態および停止操作の態様に基づいて主制御手段31への信号の送信を行うようになっており、これにより高試験および低試験が実現される。換言すると、高試験または低試験は、試験装置300が、試験用信号による指示に基づいて停止操作等を行うことにより実現される。
【0094】
高試験用信号および低試験用信号の詳細について、図9を参照しながら説明する。
高試験用信号には、高試験の第1停止操作に係る情報と、高試験の第2停止操作に係る情報と、高試験の第3停止操作に係る情報とが含まれる。また、低試験用信号には、低試験の第1停止操作に係る情報と、低試験の第2停止操作に係る情報と、低試験の第3停止操作に係る情報とが含まれる。また、高試験および低試験の各停止操作に係る情報は、3バイトの情報となっている。換言すると、高試験および低試験の各停止操作に係る情報は、当該遊技の内容(内部抽選の結果、遊技状態および演出状態等)に関わらず、必ず3バイトの情報となっている。以下では、当該3バイトの情報を、「コマンド」とも呼ぶ。
【0095】
高試験の各停止操作に係る情報(コマンド)には、コマンドの種類を示す第1識別情報と、何番目の停止操作(何番目に停止させるリール)に関する情報であるかを示す第2識別情報と、リール20a~20cのうちのどのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報を送ることを示す第3識別情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報としての停止実行位置情報とが含まれる。
【0096】
また、低試験の各停止操作に係る情報(コマンド)には、コマンドの種類を示す第1識別情報と、何番目の停止操作(何番目に停止させるリール)に関する情報であるかを示す第2識別情報と、リール20a~20cのうちのどのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報を送ることを示す第3識別情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報としての停止実行位置情報とが含まれる。すなわち、高試験の各停止操作に係る情報と低試験の各停止操作に係る情報とは、信号の形式が同一となっている。
【0097】
第1識別情報は、1バイトの情報である。第1識別情報が「80H」の場合、当該第1識別情報を含むコマンドが、高試験の停止操作に関するコマンドであることを示す。また、第1識別情報が「81H」の場合、当該第1識別情報を含むコマンドが、低試験の停止操作に関するコマンドであることを示す。また、第1識別情報は、試験用信号のうちどの箇所が3バイトで構成されるコマンドのうちの1バイト目に該当するかを識別可能とする情報ともいえる。換言すると、主制御手段31から出力される信号(コマンド)における所定の1バイトの情報が、「80H」または「81H」である場合に、当該1バイトの情報とともに送られる情報(当該1バイトの情報に続く情報)が、高試験の停止操作に係る情報であることまたは低試験の停止操作に係る情報であることが識別可能となる。
なお、本実施形態では、基本的に、試験用信号に係る情報について、数値の末尾に「H」を付した場合16進表記であることを示し、数値の末尾に何も付していない場合10進表記であることを示す。
【0098】
第2識別情報は、4ビットの情報である。第2識別情報が「BH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第1停止操作(最初に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。また、第2識別情報が「CH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第2停止操作(2番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。第2識別情報が「DH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第3停止操作(3番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。また、第2識別情報は、試験用信号のうちどの箇所が3バイトで構成されるコマンドのうちの2バイト目に該当するかを識別可能とする情報ともいえる。
【0099】
対象回胴情報は、2ビットの情報である。対象回胴情報が「0」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第1リール20aに関するコマンドであることを示す。また、対象回胴情報が「1」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第2リール20bに関するコマンドであることを示す。対象回胴情報が「2」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第3リール20cに関するコマンドであることを示す。
【0100】
停止実行位置情報は、9ビットの情報である。停止実行位置情報は、推奨する停止実行位置(停止操作のタイミング)を示す。具体的には、停止実行位置情報が「0」~「503」のいずれかの値の場合、ステッピングモータ19a~19c(リール20a~20c)のステップ数が停止実行位置情報で示される値のときに停止操作を行うべきことを示す。また、停止実行位置情報が「0」~「503」以外の所定の値の場合、ステッピングモータ19a~19c(リール20a~20c)のステップ数がいずれの値のときにリール20a~20cの停止を行ってもよいことを示す。本実施形態では、当該所定の値は、「511」(「503」を超える特定の値)となっている。
【0101】
第3識別情報は、1ビットの情報である。また、当該第3識別情報は、試験用信号(コマンド)のうち、どの箇所が停止実行位置情報に係る箇所なのかを判別可能とする情報となっている。第3識別情報が「0」の場合、当該第3識別情報で始まる1バイトの情報が、停止実行位置情報に係る情報であることを示す。換言すると、1バイトの情報の先頭のビットが「0」の場合、当該1バイトの情報が、停止実行位置情報に係る情報であることを示す。また、第3識別情報は、3バイトで構成されるコマンドのうちの3バイト目に該当することを識別可能とする情報ともいえる。
【0102】
そして、本実施形態では、3バイトのコマンドのうち、先頭の1バイトが第1識別情報となっている。また、続く1バイトのうち、先頭の4ビットが第2識別情報、続く2ビットが対象回胴情報、さらに続く2ビットが、9ビットの停止実行位置情報のうちの先頭の2ビットの情報となっている。また、続く1バイトのうち、先頭の1ビットが第3識別情報、続く7ビットが、9ビットの停止実行位置情報のうちの残りの7ビットの情報となっている。
【0103】
また、本実施形態では、高試験用信号と低試験用信号とが主制御手段31から連続して出力される。具体的には、遊技開始操作が行われると、高試験の第1停止操作に係る情報、高試験の第2停止操作に係る情報、高試験の第3停止操作に係る情報、低試験の第1停止操作に係る情報、低試験の第2停止操作に係る情報、低試験の第3停止操作に係る情報の順で、これらの情報が連続して送られるようになっている。具体例を示すと、例えば、遊技開始操作が行われると、「80H」、「B0H」、「05H」、「80H」、「C4H」、「1EH」、「80H」、「D8H」、「38H」、「81H」、「B3H」、「3FH」、「81H」、「C7H」、「3FH」、「81H」、「DBH」、「3FH」といった連続するビット列情報が主制御手段31から出力される。この場合、高試験については、第1停止操作として、ステッピングモータ19aのステップ数が5のときに第1リール20aを停止させる停止操作を行い(「80H」、「B0H」、「05H」)、第2停止操作として、ステッピングモータ19bのステップ数が30のときに第2リール20bを停止させる停止操作を行い(「80H」、「C4H」、「1EH」)、第3停止操作として、ステッピングモータ19cのステップ数が56のときに第3リール20cを停止させる停止操作を行う(「80H」、「D8H」、「38H」)ことが推奨(指示)されていることとなる。また、この場合、低試験については、第1停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第1リール20aを停止させる停止操作を行い(「81H」、「B3H」、「3FH」)、第2停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第2リール20bを停止させる停止操作を行い(「81H」、「C7H」、「3FH」)、第3停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第3リール20cを停止させる停止操作を行う(「81H」、「DBH」、「3FH」)ことが推奨(指示)されていることとなる。
【0104】
なお、本実施形態においては、低試験用信号(低試験の各停止操作に係る情報)については、停止実行位置情報は常に「511」であり、低試験用信号の停止実行位置情報について「0」~「503」の値が使用されることは無いが、「0」~「503」の値が使用されることがあってもよい。
【0105】
前述のように、主制御手段31から出力された高試験用信号および低試験用信号は、第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送られる。
【0106】
本実施形態の第2インターフェース基板302は、主制御手段31から受信した試験用信号を、試験装置300が認識可能な形式に変換して試験装置300に送信する。換言すると、第2インターフェース基板302は、図示しないCPU(制御部)を有しており、当該CPUが当該変換を行う。例えば、試験用信号(高試験用信号または低試験用信号)に含まれる9ビットの停止実行位置情報が「511」、すなわち任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示すものである場合、第2インターフェース基板302は、停止実行位置情報を「1023(3FFH)」という数値に変換し、このように変換された停止実行位置情報を含む試験用信号を試験装置300に送信する。換言すると、第2インターフェース基板302は、9ビットの停止実行位置情報を、10ビットの停止実行位置情報に変換して試験装置300に送信する。すなわち、本実施形態においては、各ステッピングモータ19a~19cのステップ数は「0」~「503」であり、9ビットあればステップ数(停止実行位置)を指定することが可能となっている。これに対し、試験装置300が、停止実行位置(例えば、任意のタイミングで停止操作を行ってよいこと)を知らせる場合に10ビット(ステップ数の最大値を指定するのに必要なビット数よりも多いビット数)の情報を要求する場合を想定する。このような場合、第2インターフェース基板302での停止実行位置情報の変換を行わないとすると、主制御手段31から出力される停止実行位置情報を10ビットの情報とする必要があり、停止実行位置情報の送信にあたり、主制御手段31において多くの記憶領域を確保する必要等が生じてしまう。本実施形態では、第2インターフェース基板302から試験装置300へは、停止実行位置情報(任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す情報)を10ビットの情報として送る一方で、主制御手段31から第2インターフェース基板302へは、停止実行位置情報(任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す情報)を9ビット(ステップ数の最大値を指定するのに(2進数で表現するのに)必要な最低限のビット数)の情報として送るようにしたことで、試験用信号の送信にあたり主制御手段31において確保すべき記憶領域を減らすことができる。
【0107】
また、第2インターフェース基板302は、図8に示すようにスイッチ310を有している。また、スイッチ310は、第1状態と第2状態との間で状態を切り替えることが可能となっている。スイッチ310が第1状態となっている場合、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力された高試験用信号と低試験用信号とのうち、高試験用信号を試験装置300に送信し、低試験用信号は試験装置300に送信しない。また、スイッチ310が第2状態となっている場合、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力された高試験用信号と低試験用信号とのうち、低試験用信号を試験装置300に送信し、高試験用信号は試験装置300に送信しない。すなわち、スイッチ310は、高試験用信号と低試験用信号とのどちらを試験装置300に送信するかを設定(切り替え)可能とするスイッチとなっている。
【0108】
換言すると、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から受信した高試験用信号に基づく情報と、主制御手段31から受信した低試験用信号に基づく情報と、のいずれを試験装置300に送るかが、スイッチ310の状態に応じて(第2インターフェース基板302の設定状態に応じて)変わるようになっている。例えば、前述の具体例と同様に、遊技開始操作を契機に試験用信号として、「80H」、「B0H」、「05H」、「80H」、「C4H」、「1EH」、「80H」、「D8H」、「38H」、「81H」、「B3H」、「3FH」、「81H」、「C7H」、「3FH」、「81H」、「DBH」、「3FH」といった連続するビット列情報が主制御手段31から出力されたとする。このとき、スイッチ310が第1状態であった場合には、第2インターフェース基板302は、当該遊技において推奨する停止操作の態様が、ステッピングモータ19aのステップ数が5のときに第1リール20aを停止させる第1停止操作を行い、ステッピングモータ19bのステップ数が30のときに第2リール20bを停止させる第2停止操作を行い、ステッピングモータ19cのステップ数が56のときに第3リール20cを停止させる第3停止操作を行うものであることを示す情報(高試験用信号)を試験装置300に送る。換言すると、第2インターフェース基板302は、当該推奨する停止操作の態様に従って停止操作を行うことを指示する信号を試験装置300に送る。また、スイッチ310が第2状態であった場合には、第2インターフェース基板302は、当該遊技において推奨する停止操作の態様が、任意のタイミングで第1リール20aを停止させる第1停止操作を行い、任意のタイミングで第2リール20bを停止させる第2停止操作を行い、任意のタイミングで第3リール20cを停止させる第3停止操作を行うものであることを示す情報(低試験用信号)を試験装置300に送る。換言すると、第2インターフェース基板302は、当該推奨する停止操作の態様に従って停止操作を行うことを指示する信号を試験装置300に送る。
【0109】
本実施形態の遊技機は、複数のリール20a~20cと、試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段31と、を備え、前記リール20a~20cは、ステッピングモータ19a~19cによって回転し、前記試験用信号には、前記複数のリール20a~20cの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、前記停止操作に関する情報には、前記複数のリール20a~20cのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定箇所によって示される複数ビットの情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる。
本構成によれば、特定の位置でリールを停止させることを推奨することと、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせることとを、試験用信号のうちの特定のビットを利用して行うことができる。また、当該特定のビットによって示される情報が、ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる場合に、いずれの位置でリールを停止させてもよいことが知らされる。したがって、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせるために、特定のフラグ等を用意する必要が無い(専用のビットを確保する必要が無い)。したがって、試験用信号の出力に係る構成が簡易となり、どのような機種にも汎用的に採用できるので、開発コストを低減させることができる。
【0110】
また、本実施形態の遊技機では、制御手段31は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験(高試験)に使用する第1試験用信号(高試験用信号)と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験(低試験)に使用する第2試験用信号(低試験用信号)と、を出力可能であり、前記試験用信号は、前記第1試験用信号に基づく情報と、前記第2試験用信号に基づく情報と、のいずれを試験装置300に送信するかが設定状態に応じて変わる第2インターフェース基板302に対して送られるものであり、前記制御手段31は、前記第2インターフェース基板302の前記設定状態に関わらず、前記第1試験用信号と前記第2試験用信号との両方を同一の契機で(遊技開始操作を契機として)出力する。
本構成においては、制御手段31は、第1の遊技方法に関する試験を行うか第2の遊技方法に関する試験を行うかに関わらず、第1試験用信号と第2試験用信号との両方を同一の契機で出力する。したがって、いずれの試験を行うか(いずれの試験用信号を出力するか)を判定する処理等が不要となり試験用信号の出力に係る構成が簡易となるため、開発コストを低減させることができる。
【0111】
また、本実施形態の遊技機では、前記制御手段31は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験(高試験)に使用する第1試験用信号(高試験用信号)と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験(低試験)に使用する第2試験用信号(低試験用信号)と、を出力可能であり、前記第1試験用信号と前記第2試験用信号とは、前記リールの停止実行位置に関する情報のビット数が同一であり、前記第2試験用信号は、全ての遊技について、前記リールの停止実行位置に関する情報が、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値「511」を示す情報となる。
すなわち、本実施形態における第2の遊技方法は、全ての遊技について、無作為な位置でリールを停止させる遊技方法であり、第2試験用信号のリールの停止実行位置に関する情報は、常に、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示すもの(数値「511」)となる。このように、第2試験用信号についてはステップ数の情報を送信する必要が無いにも関らず、本実施形態では第1試験用信号と第2試験用信号との信号形式を統一しており、これにより制御手段31や第2インターフェース基板302の処理を簡略化できる。また、将来的に、第2の遊技方法(試験の方式)を変更することがあった場合に、ステップ数の情報を送信可能とするビット数が用意されているので、容易に対応できる。
【0112】
また、本実施形態の遊技機では、前記試験用信号は、第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送られ、前記第2インターフェース基板302は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、所定のビット数(10ビット)の情報として前記試験装置300に送信し、前記制御手段31は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、前記所定のビット数よりも少ないビット数であって、前記ステッピングモータのステップ数の最大値を2進数で表現することを可能とするビット数(9ビット)の情報として送る。
本構成においては、試験装置300が、停止実行位置を知らせる場合に所定のビット数の情報を要求するにも拘らず、制御手段31から第2インターフェース基板302へは、停止実行位置に関する情報を当該所定のビット数よりも少ないビット数であって、ステッピングモータのステップ数の最大値を2進数で表現することを可能とするビット数の情報として送るようにしたことで、試験用信号の送信にあたり制御手段31において確保すべき記憶領域を減らすことができる。
【0113】
なお、高試験用信号および低試験用信号の他にも、第2インターフェース基板302を介して主制御手段31から試験装置300に送られる信号があってもよい。例えば、遊技の中断を推奨(指示)する信号として、遊技中断信号が送信されてもよい。従来、特定の遊技において、遊技者の操作に基づいて、所定の期待値(例えば、所定の期間における出玉率の期待値や、AT演出状態の継続に関する期待値(いわゆる上乗せ数の期待値)等)が異なる複数のモードの中からモードを選択可能な遊技機が知られている。このような遊技機において、当該特定の遊技において主制御手段31から試験装置300に遊技中断信号を送信することとしてもよい。そして、試験装置300が、遊技中断信号に基づいて遊技の進行を中断するようにする(モードの選択に係る操作がされるまで各ストップスイッチ信号の送信を行わないようにする)ことで、試験におけるモード選択を可能とすることができる。
【0114】
ここで、遊技中断信号には、遊技中断信号であることを示す情報と、遊技の中断に係る指示内容を示す情報とが含まれ、これらの情報が連続して送られる。遊技中断信号であることを示す情報は、例えば、1バイトの情報(例えば、「93H」)とすることができる。この場合、主制御手段31から出力される信号の中に、「93H」という1バイトの情報が含まれる場合、当該信号が遊技中断信号であることが認識できる。すなわち、主制御手段31から出力される信号(コマンド)における所定の1バイトの情報が、「93H」である場合に、当該1バイトの情報とともに送られる情報(当該1バイトの情報に続く情報)が、遊技の中断に関する情報(遊技の中断に係る指示内容を示す情報)であることが識別可能となる。また、遊技の中断に係る指示内容を示す情報は、例えば、1バイトの情報とすることができ、「00H」の場合、遊技の中断をしないことを指示し、「01H」の場合、無条件で遊技の中断をすることを指示し、「02H」の場合、所定の条件が成立している場合に遊技の中断をすることを指示するものとなっていてもよい。なお、当該所定の条件について、第2インターフェース基板302に設けられた所定のスイッチが第1状態のときに当該所定の条件が成立とし、当該スイッチが第2状態のときに当該所定の条件が不成立としてもよい。
なお、遊技中断信号は、高試験用信号および低試験用信号とともに毎遊技出力されることとしてもよく、前述の特定の遊技等においてのみ出力されることとしてもよい。また、遊技中断信号は、遊技開始操作を契機として、高試験用信号および低試験用信号とともに出力されるようにしてもよい。また、特定の遊技等においてのみ遊技中断信号が出力される場合、遊技中断信号が送られるタイミングでは、高試験用信号および低試験用信号が出力されないようにしてもよい。また、遊技中断信号は、高試験および低試験の各停止操作に係る情報と同様、3バイトの情報としてもよく、2バイトの情報としてもよい。
【0115】
なお、本実施形態においては、遊技機が3個のリールを有する場合を例に説明したが、リールの数は3個に限らず、例えば4個以上のリールを有していてもよい。例えば、遊技機が4個のリールを有することとした場合、第2識別情報が「EH」の場合に、当該第2識別情報を含むコマンドが、第4停止操作(4番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示すこととしてもよい。また、対象回胴情報が「3」の場合に、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第4リールに関するコマンドであることを示すこととしてもよい。そして、遊技開始操作が行われると、高試験の第1停止操作に係る情報、高試験の第2停止操作に係る情報、高試験の第3停止操作に係る情報、高試験の第4停止操作に係る情報、低試験の第1停止操作に係る情報、低試験の第2停止操作に係る情報、低試験の第3停止操作に係る情報、低試験の第4停止操作に係る情報の順で、これらの情報が連続して送られるようにしてもよい。
【0116】
なお、高試験の各停止操作に係る情報および低試験の各停止操作に係る情報には、第3識別情報が含まれないこととしてもよい。また、この場合に、停止実行位置情報を10ビットの情報としてもよい。また、3バイトのコマンドのうちの3バイト目には、10ビットの停止実行位置情報のうちの8ビットの情報が含まれるようにしてもよい。なお、第3識別情報を削除する場合、3バイトで構成されるコマンドのうちの3バイト目に該当することの識別(試験用信号(コマンド)のうち、どの箇所が停止実行位置情報に係る箇所なのかの判別)は、当該3バイト目の情報(当該1バイトの情報)が、第1識別情報(第1識別情報を含む1バイトの情報)および第2識別情報、対象回胴情報(第2識別情報、対象回胴情報を含む1バイトの情報)の後に続けて送られていることに基づいて識別してもよい。換言すると、第1識別情報、第2識別情報および対象回胴情報が送られる場合に、これらの情報に続けて送られる情報を、停止実行位置情報と判別することとしてもよい。このように、停止実行位置情報を10ビットの情報とすることで、任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す場合に、10ビットの停止実行位置情報を「1023(3FFH)」とした試験用信号(高試験用信号または低試験用信号)を、主制御手段31から出力させることができる。このような構成によれば、第2インターフェース基板302での、停止実行位置情報の変換(「511」から「1023(3FFH)」への変換)を不要とすることができる。
【0117】
(第2の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。
図10に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0118】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0119】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの上段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0120】
各リール20a~20cの外周面には、図11に示すように、白7図柄「白7」、紫7図柄A「紫7A」、紫7図柄B「紫7B」、紫7図柄C「紫7C」、紫7図柄D「紫7D」、黄7図柄「黄7」、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」およびブランク図柄「BK」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0121】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0122】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0123】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図12参照)が設けられている。
【0124】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0125】
また、下扉12bには、演出ボタン(演出操作手段)25が設けられている。演出ボタン25は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。なお、演出ボタン(演出操作手段)25は、ボタン状でなくてもよく、遊技者の操作を検知可能なものであればよい。
【0126】
図12に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0127】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0128】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0129】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0130】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0131】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0132】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0133】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0134】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図13に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0135】
図13に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役33が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」が用意されている。また、小役1~小役3は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役4~小役8は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。また、小役9~小役14は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役15~小役33は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」をまとめて「4択黄7」と呼ぶことがある。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」をまとめて「4択3枚役」と呼ぶことがある。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」をまとめて「目押し打順役」と呼ぶことがある。なお、本実施形態においては、基本的に打順ベルとは4択黄7の当選エリアのことを指すが、打順ベルは4択3枚役の当選エリア等を指すものであってもよい。
【0136】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役33)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「8枚ALL」は、小役4~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「3枚ALL」は、小役9~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役15~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、1種類の3枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、15枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚A」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚B」は、複数種類の3枚役と1種類の1枚役(小役25)とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目A」は、3枚役(小役11)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目B」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「右上がり黄7」は、8枚役(小役6)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段黄7」は、8枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「黒BAR揃い」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0137】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ6が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」が用意されている。
【0138】
当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段リプレイ」および「赤7フェイクリプレイ」は、1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアとなっている。
【0139】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0140】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0141】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図13では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0142】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0143】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0144】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0145】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0146】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0147】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0148】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0149】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0150】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0151】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0152】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0153】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0154】
入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、第1リール20a~第3リール20cの全てについて、停止操作のタイミングに関わらず必ず引き込み範囲内(0コマ~4コマの範囲内)に存在するように配置されている役のことを、「PB=1の役」と呼ぶことがある。また、入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、第1リール20a~第3リール20cの少なくとも1つについて、停止操作のタイミングによっては引き込み範囲内(0コマ~4コマの範囲内)に存在しない場合があるように配置されている役のことを、「PB≠1の役」と呼ぶことがある。また、「PB=1の役」とは、当該PB=1の役が当選状態となっている遊技中の当該PB=1の役の入賞の可能性が残っている状況において、いずれのタイミングでいずれの停止操作が実行された場合であっても、実行された停止操作に対応するリール20a~20cについて、当該PB=1の役の入賞形態を示す図柄組合せであって当該状況において有効ライン上に表示される可能性が残っている図柄組合せのいずれかを構成する図柄が必ず引き込み範囲内に存在する役ともいえる。また、「PB≠1の役」とは、当該PB≠1の役が当選状態となっている所定の遊技中の当該PB≠1の役の入賞の可能性が残っている所定の状況において、複数のリール20a~20cのうちの所定のリールに対応する停止操作のタイミングによっては、当該所定のリールについて、当該PB≠1の役の入賞形態を示す図柄組合せであって当該状況において有効ライン上に表示される可能性が残っている図柄組合せのいずれを構成する図柄も引き込み範囲内に存在しない場合がある役ともいえる。なお、ここで、「入賞の可能性が残っている状況」とは、未だいずれの停止操作もされていない状況であってもよい。本実施形態では、小役1はPB=1の役となっており、小役2はPB≠1の役となっている(図11図15参照)。
【0155】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0156】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、メダルの払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0157】
なお、小役に加えてボーナスが重複して当選している場合については、枚数優先制御では、小役の入賞時のメダルの払出数に、当選しているボーナスを考慮して停止位置が決定される。具体的には、枚数優先制御に基づき停止位置が決定される場合に、押下検出位置に対する引き込み範囲内の停止位置として、小役の入賞時のメダルの払出数が同数の停止位置が2つ存在し、その一方についてはボーナスを入賞可能とし、他方についてはボーナスを入賞不可能とする場合には、ボーナスを入賞可能とするように停止位置が決定される。なお、個数優先制御についても、小役に係る図柄組合せの個数に、当選しているボーナスを考慮して停止位置を決定してもよく、考慮せずに停止位置を決定してもよい。具体的には、個数優先制御に基づき停止位置が決定される場合に、押下検出位置に対する引き込み範囲内の停止位置として、小役に係る図柄組合せの数が同数の停止位置が2つ存在し、その一方についてはボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示可能であるが、他方についてはボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示できない場合には、ボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示可能とするように停止位置が決定されるようにしてもよい。
【0158】
図14は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
図14に示すように、4択黄7には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択黄7の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると8枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択黄7が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役4~小役7を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15、小役17~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0159】
各4択黄7の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0160】
なお、図14における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0161】
当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、正解打順で操作がされると、8枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0162】
また、4択黄7の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば8枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても8枚役は入賞せず、1枚役が1/2の確率で入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0163】
図14に示すように、4択3枚役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択3枚役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると3枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択3枚役が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役10を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0164】
各4択3枚役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。
【0165】
当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、正解打順で操作がされると、3枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するようになっている。
【0166】
また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされると3枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」および「4択3枚B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚C」および「4択3枚D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に3枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0167】
図14に示すように、目押し打順役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。目押し打順役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役(正解役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの目押し打順役が当選した場合に、正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~3を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役20、小役22、小役31~小役33を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0168】
各目押し打順役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0169】
当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。第1所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。第2所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける前記特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。
【0170】
4択黄7は、当選した場合に正解打順で操作がされると8枚役が入賞する当選エリアとなっており、目押し打順役は、当選した場合に正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされると15枚役が入賞する当選エリアとなっている。本実施形態では、当選した場合に払い出され得るメダル枚数が4択黄7よりも多い当選エリアとして目押し打順役が設けられている。
【0171】
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、当選エリア「目押し打順A」および「目押し打順順B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。当選エリア「目押し打順C」および「目押し打順D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に15枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0172】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役との対応関係を図15図16に示す。図15図16に示すように、例えば、第1リール20aの下段に黒BAR図柄「黒BAR」が停止し、第2リール20bの中段に赤7図柄「赤7」または白7図柄「白7」が停止し、第3リール20cの上段に黄7図柄「黄7」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0173】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0174】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0175】
本実施形態では、小役1~小役3に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役4~小役8に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役9~小役14に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役15~小役33に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0176】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0177】
遊技状態制御手段49は、図17に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0178】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0179】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0180】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0181】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0182】
図12に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば4択黄7が当選した場合に、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0183】
遊技区間制御手段80は、図18に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0184】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0185】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0186】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0187】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0188】
演出状態制御手段81は、図18に示すように、非有利区間演出状態、非AT演出状態、およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態および特別AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0189】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態に移行させる。
【0190】
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、非AT演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0191】
また、非AT演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、例えば、非AT演出状態において(非AT演出状態における所定期間において)、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると演出状態制御手段81は演出状態をAT演出状態(例えば特別AT演出状態)へ移行させる。
【0192】
AT演出状態においては、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。なお、本実施形態では、通常AT演出状態および特別AT演出状態のいずれの演出状態においても、打順ベルが当選した際に、打順ナビ演出が実行されるようになっているが、特別AT演出状態における打順ナビ演出の発生頻度を、通常AT演出状態よりも低くしてもよく高くしてもよい。なお、ここで、頻度が低いとは打順ナビ演出が全く行われない場合を含む。
【0193】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、指示機能制御手段51は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。さらに換言すると、特別AT演出状態は、AT演出状態の継続に係る値(AT終了判定カウンタ67の記憶値)の初期値を決定する演出状態となっている。特別AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段81は演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。なお、AT演出状態の開始時に特別AT演出状態を経由しない場合があってもよい。
【0194】
また、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果をAT終了判定カウンタ67の記憶値から減算する更新処理を行う。そして、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件(終了条件のうちの1つ)が成立したとして、演出状態を通常AT演出状態から非有利区間演出状態へ移行させる。また、このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、本実施形態では、AT演出状態(通常AT演出状態)において獲得したメダルの枚数が所定数(特別AT演出状態で設定された数)に達したことに基づいて、AT演出状態が終了するようになっている。
なお、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達した際に、特別AT演出状態への移行の権利を有している場合には、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。なお、特別AT演出状態への移行の権利は、例えば、AT演出状態において行われる所定の抽選等に基づいて特典付与手段82が付与することとしてもよい。
【0195】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態において獲得したメダルの枚数に基づいて管理しており、具体的には、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数に基づいて管理しているが、例えば、AT演出状態における遊技回数や打順ナビ演出の回数等に基づいて管理してもよい。すなわち、AT終了判定カウンタ67の記憶値が、AT演出状態において実行可能な遊技の回数(AT遊技回数)や、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(打順ナビ回数)等を表すものとしてもよい。換言すると、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67にAT遊技回数や打順ナビ回数等を設定するとともに、通常AT演出状態において、遊技が行われる毎あるいは打順ナビ演出が行われる毎にAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0196】
なお、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(非AT演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、非AT演出状態に移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を非有利区間演出状態において行ってもよい。
【0197】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0198】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0199】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0200】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0201】
(遊技価値の獲得性能)
本実施形態では、小役4~小役7が入賞した場合に規定投入数(3枚)よりも多いメダルが払い出されて遊技者が手持ちのメダルを増やすことができる。そして、RBB作動中状態における小役4~小役7の少なくとも一つが当選する確率は、RBB内部中状態における小役4~小役7の少なくとも一つが当選するよりも低くなっており、RBB作動中状態ではRBB内部中状態に比べて遊技者が手持ちのメダルを増やしにくくなっている。また、演出状態がAT演出状態である場合には、指示演出によって打順ベルの正解打順が報知されることによって遊技者が手持ちのメダルを増やすことができるようになっている。すなわち、RBB内部中状態で、かつAT演出状態である場合には、RBB作動中状態よりもメダルの獲得の面で有利な状況にすることができ、遊技者にRBB内部中状態を長期に亘って維持する動機を与えることができる。
【0202】
また、本実施形態では、RBB内部中状態においては、当選エリア「不当選」に当選することはなく、また、リプレイや小役の当選時には、リプレイや小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を優先して有効ライン上に引き込むため、RBB内部中状態においてはビッグボーナスの入賞が困難(ここで困難とは不可能な場合を含む)となっている。なお、ビッグボーナスの入賞は、例えば、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」に当選した遊技においてのみ可能とするなどしてもよい。そして、本実施形態では、RBB内部中状態において遊技を行わせて、演出状態がAT演出状態に設定されると、遊技状態を移行させることなく遊技者が手持ちのメダルを増やすことができるようになっている。
【0203】
また、本実施形態においては、RBB作動中状態を、一般中状態やRBB内部中状態よりも遊技価値の獲得性能の面で劣らせた遊技状態とすることで、遊技状態の全体を通じての出玉率(メダルの投入数に対するメダルの払出数の割合)を所定範囲内に収めつつ一般中状態やRBB内部中状態での小役の当選確率を高めに設定することができる。
【0204】
具体的には、本実施形態では、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態の各遊技状態における規定投入数を同一として、各遊技状態でのメダルの投入数を変えずに、一般中状態やRBB内部中状態よりも小役の当選確率が高い内部抽選を行うRBB作動中状態(いわゆる第一種特別役物)を利用してメダルの獲得率の低い状況を発生させている。さらに具体的には、一般中状態やRBB内部中状態では個別に当選する小役4~7を重複して当選させる当選エリア「小役ALL」および「8枚ALL」をRBB作動中状態において設け、RBB作動中状態での小役4~7のそれぞれに対応する当選フラグが当選状態に設定される確率を一般中状態やRBB内部中状態よりも高くなるように内部抽選を行っている。また、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」、「8枚ALL」のそれぞれに当選する確率を合算した確率は、一般中状態およびRBB内部中状態のそれぞれにおいて打順ベルのそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」、「8枚ALL」のそれぞれに当選する確率を合算した確率は、一般中状態およびRBB内部中状態のそれぞれにおいて小役4~7のうち同一の小役が含まれる当選エリアのそれぞれに当選する確率を合算した確率(例えば、小役4が当選する打順ベルについて、当選エリア「4択黄7A」に当選する確率と当選エリア「4択黄7E」に当選する確率とを合算した確率)よりも高い確率に設定されている。また、小役に関する当選エリアのいずれかが当選する確率、すなわち小役に関する各当選エリアの当選確率を合算した確率は、RBB作動中状態の方が一般中状態およびRBB内部中状態のそれぞれよりも高くなるように内部抽選を行っている。そして、RBB作動中状態では、規定投入数より配当の高い小役4~7のそれぞれの当選確率は一般中状態やRBB内部中状態よりも上昇し、かつ小役全体の当選確率も一般中状態やRBB内部中状態よりも上昇しているが、規定投入数より配当の高い小役4~7を含む当選エリアに当選する確率(当選エリア「小役ALL」、「8枚ALL」の各当選確率を合算した確率)が一般中状態やRBB内部中状態において小役4~7を含む当選エリアに当選する確率(当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」、「赤BAR揃い」の各当選確率を合算した確率)よりも低くなっており、RBB作動中状態でのメダルの獲得率の期待値を低く(例えば、100%未満に)することができるようになっている。特に、本実施形態では、打順ベル当選時の正解打順時に入賞し得る特定小役(投入数(規定数)よりも多くのメダルが払い出される小役)を4種類(小役4~7)としてこれらをRBB作動中状態で重複当選させることにより、RBB作動中状態におけるメダルの獲得率の期待値を低減させている。すなわち、一般中状態およびRBB内部中状態においてN種類の特定小役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、RBB作動中状態においてN種類の特定小役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、RBB作動中状態において特定小役を含む当選態様が得られる確率(複数種類の特定小役のいずれかに当選する確率)を、一般中状態およびRBB内部中状態において特定小役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、RBB作動中状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を、例えば100%以下まで引き下げた上でAT演出状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT演出状態を備えた遊技機の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。なお、ここでは、小役4~7を含む当選態様が得られる確率を圧縮する場合について説明したが、小役1~3を含む当選態様が得られる確率も同様に圧縮させてもよい。
【0205】
また、一般中状態やRBB内部中状態において、AT演出状態でなければ遊技者は内部抽選の結果を知ることはできないため、AT演出状態ではない状況においては小役4~7を入賞させることが難しく、メダルの獲得が難しい状況となる。一方、RBB作動中状態では、小役に係る各当選エリアは、いずれの遊技方法で遊技を行っても同数のメダルを獲得可能となっており、AT演出状態ではない場合には、打順を固定して遊技を行った場合でも打順を毎遊技ランダムに選択して遊技を行った場合でも、RBB作動中状態の方が一般中状態やRBB内部中状態よりもメダルの獲得率の期待値が高くなる。しかし、AT演出状態においては、正解打順を報知する指示演出が行われるので、遊技者は指示演出に従って停止操作を行えば、高確率でメダルを獲得できるようになり、RBB内部中状態かつAT演出状態である場合においてメダル獲得の期待値が高い遊技を行うことができるようになる。
【0206】
また、本実施形態では、指示演出に係る所定の処理については、左押しで遊技が行われた場合の方が、変則押しで遊技が行われた場合に比べ、遊技者に有利となるように設定している。具体的には、RBB内部中状態の非AT演出状態においては、左押しで遊技がされた場合には、指示演出に係る所定の抽選としてのAT抽選が実行されるのに対し、変則押しで遊技がされた場合には、指示演出に係る所定の抽選としてのAT抽選が実行されないようになっている。換言すると、指示演出が実行されない所定の遊技については、左押しで遊技を行った方が、変則押しで遊技を行う場合に比べ、指示演出(演出状態の移行等)に関して遊技者に有利となっている。さらに換言すると、本実施形態では、指示演出が実行されない所定の遊技において、特定の停止操作態様としての左押し以外の停止操作態様で遊技を行う遊技者に対し、所定のペナルティを付与するようになっている。
【0207】
一方で、本実施形態では、左押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、変則押しで遊技が行われた場合のものよりも低く設定することで、出玉率(出玉性能)を適切なものとしている。具体的には、本実施形態では、RBB内部中状態について中押しが正解打順の打順ベルと、右押しが正解打順の打順ベルとを用意するとともに、左押しが正解打順の打順ベルを用意していない。換言すると、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、打順ベルに当選し、8枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。さらに、本実施形態では、4択3枚役および目押し打順役についても、RBB内部中状態について左押しが正解打順のものを用意しておらず、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、3枚あるいは15枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。
なお、他の手法により、所定の操作順序(左押し)で遊技を行う場合の出玉率の期待値を、他の操作順序(中押しまたは右押し)で遊技を行う場合のものよりも低くしてもよい。例えば、左押しが正解打順の打順ベルも用意するとともに、内部抽選において左押しが正解打順の打順ベルに当選する確率を、中押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも低く、かつ、右押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも低く設定するなどしてもよい。
【0208】
ここで、所定の遊技状態(RBB内部中状態)について、打順に応じて出玉率の期待値を異ならせる場合、他の遊技状態については、打順に応じた出玉率の期待値の大小関係が当該所定の遊技状態と同様になるようにするか、打順に関わらず出玉率の期待値が等しくなるようにすることが好ましい。このようにすることで、遊技者の混乱を招いたり、遊技者に不利な状況が生じてしまったりすることを防止できる。また、このようにすることで、前述のペナルティを付与する場合に、打順に応じた(常に特定の打順で遊技を行った場合の)出玉率の期待値に関しては、左押しの方が変則押しよりも低く、指示機能に係る所定の有利度合いに関しては、左押しの方が変則押しよりも高い、というように両者の関係を明確化し、当該遊技機における出玉性能を適切なものとすることができる。また、特定の遊技状態(RBB作動中状態)について、打順に関わらず出玉率の期待値が等しくなるようにしておくことで、特定の遊技状態における出玉率の期待値として適用する値を1つにすることができ、他の遊技状態との出玉率の期待値の比較等が容易となる。そこで、本実施形態では、各遊技状態における各打順の出玉率の期待値(遊技価値の獲得性能)の大小関係を以下のような関係性となるように設定している。
・一般中状態において、遊技を行った場合の出玉率の期待値
打順1=打順2<打順3=打順4=打順5=打順6
・RBB内部中状態において、遊技を行った場合の出玉率の期待値
打順1=打順2<打順3=打順4=打順5=打順6
・RBB作動中状態において、遊技を行った場合の出玉率の期待値
打順1=打順2=打順3=打順4=打順5=打順6
【0209】
そして、本実施形態においては、以下の構成により、RBB作動中状態における出玉率の期待値を打順に関わらず同一としている。すなわち、RBB作動中状態については、当選し得る全ての当選エリア(当選エリア「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」)について、停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)に関わらず、重複して当選する全ての当選役の中で最大の配当が設定された役が入賞するように設定されている。具体的には、例えば、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選した場合、重複して当選する小役1~小役33のうち、最大の配当が設定された15枚役が、停止操作の態様に関わらず必ず入賞するようになっている。より具体的には、リール制御手段43は、RBB作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選時には、停止操作の態様に関わらず、複数種類の15枚役のうち、PB=1の小役1の入賞形態を示す図柄組合せが必ず有効ライン上に停止するように(必ず小役1が入賞するように)リールの停止制御を行う。ここで、リール制御手段43は、少なくとも1つのリール20a~20c(例えば最初に停止させるリール等)について、メダルの払出数が最大となるように停止位置を決定する枚数優先制御を行うことにより、小役1の入賞形態を示す図柄組合せ(当該図柄組合せを構成する図柄)を有効ライン上に停止させる。
なお、RBB作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選時において、小役1以外の15枚役(例えば、小役2)の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に停止させる場合があってもよい。
【0210】
このように、RBB作動中状態について、当選し得る全ての当選エリアについて、停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)に関わらず、重複して当選する全ての当選役の中で最大の配当が設定された役が入賞するように設定することで、各遊技において最大の払出を獲得するように遊技を行うとともにボーナスが入賞可能な場合には必ずボーナスを入賞させるように遊技を行うような遊技方法や、通常の遊技者が行うような遊技方法等の、複数種類の遊技方法について、遊技方法同士の間で出玉率の期待値が乖離し過ぎてしまうことを防止することができる。
【0211】
(目押し打順役)
本実施形態では、RBB内部中状態における目押し打順役の当選時については、停止操作の態様に応じて払い出されるメダルの枚数が異なっている。具体的には、目押し打順役の当選時には、正解停止操作態様で停止操作がされた場合に、払い出されるメダルの枚数が最大(15枚)となるようにされている。また、RBB内部中状態における打順ベルの当選時についても、停止操作の態様に応じて払い出されるメダルの枚数が異なっている。具体的には、打順ベルの当選時には、正解停止操作態様で停止操作がされた場合に、払い出されるメダルの枚数が最大(8枚)となるようにされている。
なお、目押し打順役は、いずれの順序で停止操作を行った場合であっても正解役(15枚役)が入賞し得るが、複数の停止操作のうち一部の停止操作が所定のタイミングで行われた場合に正解役が入賞し、当該一部の停止操作が所定のタイミング以外のタイミングで行われた場合に正解役が入賞しない当選エリアとしてもよい。すなわち、本実施形態においては、目押し打順役の正解停止操作態様は、正解打順で停止操作を行い、かつ、所定のタイミングで所定の停止操作を行う操作態様となっているが、これに限らず、所定のタイミングで所定の停止操作を行うだけの操作態様としてもよい(すなわち打順に関わらず正解役が入賞するようにしてもよい)。
【0212】
そして、RBB内部中状態における目押し打順役の当選時において獲得可能なメダル数の最大値は、RBB作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選時において獲得可能なメダル数の最大値と同一となっている。また、RBB内部中状態について、目押し打順役の当選時に獲得可能なメダル数の最大値は、打順ベルの当選時に獲得可能なメダル数の最大値よりも大きくなっている。
【0213】
以下では、RBB内部中状態における目押し打順役の当選時の停止制御について具体的に説明する。図13に示すように、当選エリア「目押し打順B」に含まれる小役は、小役1、小役2、小役15、小役31および小役32である。したがって、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時には、小役1、小役2、小役15、小役31、小役32およびビッグボーナスが当選状態に設定されていることとなる。
【0214】
(RBB内部中状態において当選エリア「目押し打順B」に当選し、打順1または打順2で停止操作がされる場合)
当選エリア「目押し打順B」に当選した遊技において、第1リール20a~第3リール20cのそれぞれが回転している状況で、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号17番の紫7D図柄「紫7D」、図柄番号16番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号15番の赤7図柄「赤7」、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」の5通りとなる(図11参照)。
【0215】
ここで、図19(a)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第1リール20aについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。また、紫7D図柄「紫7D」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となり、かつビッグボーナスの入賞可能性が残る。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は10個となる。
【0216】
そして、本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。したがって、第1リール20aについて、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が10個となり最も多くなるため、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置が、第1リール20aの停止位置として決定される。換言すると、当該停止操作は、正解停止操作態様ではない停止操作態様に係るものであるため、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃わないように、停止位置が決定される。
【0217】
図19(b)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図19(c)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15、小役31および小役32となる。
【0218】
図19(b)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、第2リール20bおよび第3リール20cが回転している状況において、第2リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に停止する位置を、第2リール20bの停止位置として決定する。
なお、当該状況のように、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せが、払出数が同数の小役に係る図柄組合せのみとなっている場合、表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せのうちのいずれに係る図柄を有効ライン上に停止させるように設定してもよい。
【0219】
そして、図19(d)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図19(e)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役31となる。当該状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定する。そして、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、図19(f)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0220】
一方、図19(b)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、第2リール20bおよび第3リール20cが回転している状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定する。
【0221】
そして、図19(g)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図19(h)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役32となる。当該状況において、第2リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に停止する位置を、第2リール20bの停止位置として決定する。そして、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、図19(i)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0222】
(当選エリア「目押し打順B」に当選し、打順3または打順4で停止操作がされる場合1)
当選エリア「目押し打順B」に当選した遊技において、第1リール20a~第3リール20cのそれぞれが回転している状況で、第2リール20aについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号16番の赤7図柄「赤7」、図柄番号15番の黄7図柄「黄7」、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」の5通りとなる(図11参照)。
【0223】
ここで、図20(a)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第2リール20bについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は8個となる。また、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となり、かつビッグボーナスの入賞可能性が残る。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、紫7C図柄「紫7C」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。
【0224】
そして、本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。したがって、第2リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が8個となり最も多くなるため、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に停止する位置が、第2リール20bの停止位置として決定される。換言すると、当該停止操作は、正解停止操作態様に係るものであるため、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃い得るように、停止位置が決定される。
【0225】
なお、ここで、第2リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に表示させた場合と、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に表示させた場合とでは、ともにメダルの払出数が最大となる15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが表示可能となるが、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に表示させた場合には、ビッグボーナスの入賞が不可能となるのに対し、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に表示させた場合には、ビッグボーナスの入賞が可能となる。したがって、枚数優先制御に基づいて停止位置を決定する場合、赤BAR図柄「赤BAR」に優先して赤7図柄「赤7」を有効ライン上に表示させることとなってしまう。このため、ここでは個数優先制御に基づいて停止位置を決定している。
【0226】
このように、本実施形態においては、正解停止操作態様に係る第1停止操作が行われた際に、最大の配当が設定された小役1と小役2とについて、PB=1の小役1の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して、PB≠1の小役2の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を引き込んでいる。そして、これにより、PB=1の小役1の入賞が回避されるようになっている。
【0227】
図20(b)に示すように、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図20(c)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役2および小役32となる。
【0228】
図20(b)に示すように、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、第1リール20aおよび第3リール20cが回転している状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号17番の紫7D図柄「紫7D」、図柄番号16番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号15番の赤7図柄「赤7」、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」の5通りとなる(図11参照)。
【0229】
ここで、図20(c)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第1リール20aについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。また、紫7D図柄「紫7D」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。
【0230】
そして、本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26bが押下され、第2停止操作でストップボタン26aが操作された場合、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。したがって、第1リール20aについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が2個となり最も多くなるため、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置が、第1リール20aの停止位置として決定される。換言すると、当該停止操作は、正解停止操作態様ではない停止操作態様に係るものであるため、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃わないように、停止位置が決定される。
なお、ここでは、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を停止位置として決定することとしたが、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなる図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置を停止位置として決定することとしてもよい。
【0231】
そして、図20(d)に示すように、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図20(e)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役32となる。当該状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定する。そして、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、図20(f)に示すように、小役32の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0232】
一方、図20(b)に示すように、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、第1リール20aおよび第3リール20cが回転している状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号17番の黄7図柄「黄7」、図柄番号16番の赤7図柄「赤7」、図柄番号15番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」の5通りとなる(図11参照)。
【0233】
ここで、図20(c)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第3リール20cについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。また、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。また、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、紫7C図柄「紫7C」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。
【0234】
そして、本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26bが押下され、第2停止操作でストップボタン26cが操作された場合、リール制御手段43は、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃い得るように、第3リール20cの停止位置を決定する。すなわち、当該第2停止操作は、正解停止操作態様に係るものであるため、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃い得るように、停止位置が決定される。したがって、第3リール20cについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に表示させた場合に、15枚役(小役2)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃い得るので、図柄番号16番の赤7図柄「赤7」が有効ライン上に停止する位置が、第3リール20cの停止位置として決定される。
なお、ここでは、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する個数優先制御と、メダルの払出数が最大となるように停止位置を決定する枚数優先制御とのいずれの制御であっても赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させることができるため、いずれの制御を用いてもよい。
【0235】
そして、図20(g)に示すように、図柄番号17番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、図柄番号16番の赤7図柄「赤7」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図20(h)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役2となる。当該状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号15番の赤7図柄「赤7」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定する。そして、図柄番号15番の赤7図柄「赤7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止すると、図20(i)に示すように、小役2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、15枚のメダルが払い出される。
【0236】
(当選エリア「目押し打順B」に当選し、打順3または打順4で停止操作がされる場合2)
当選エリア「目押し打順B」に当選した遊技において、第1リール20a~第3リール20cのそれぞれが回転している状況で、第2リール20aについて、中段(有効ライン上)に図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号12番のブランク図柄「BK」、図柄番号11番の白7図柄「白7」、図柄番号10番の黄7図柄「黄7」、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」の5通りとなる(図11参照)。
【0237】
ここで、図21(a)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第2リール20bについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、ブランク図柄「BK」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、白7図柄「白7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となる。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、紫7B図柄「紫7B」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。
【0238】
そして、本実施形態では、前述のように、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。したがって、第2リール20bについて、紫7B図柄「紫7B」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が2個となり最も多くなるため、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」が有効ライン上に停止する位置が、第2リール20bの停止位置として決定される。
【0239】
このように、本実施形態においては、不正解停止操作態様に係る第1停止操作が行われた際(ここでは正解打順であるが停止操作のタイミングが正解停止操作態様に係るものでない場合)に、個数優先制御によって、小役1の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して、1枚役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を引き込んでいる。そして、これにより、PB=1の小役1の入賞が回避されるようになっている。換言すると、当該第1停止操作は、PB≠1の小役2の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが不可能な操作態様に係るもの(当該図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込むことが不可能なタイミングでの停止操作)であるため、個数優先制御によって第2リール20bを停止させることにより、小役1の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して、1枚役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込むようにしている。
【0240】
図21(b)に示すように、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図21(c)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役31となる。当該状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号9番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定する。
【0241】
そして、図21(d)に示すように、図柄番号9番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図21(e)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役31となる。当該状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定する。そして、図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、図21(f)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0242】
一方、図21(b)に示すように、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、第1リール20aおよび第3リール20cが回転している状況において、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定する。
【0243】
そして、図21(g)に示すように、図柄番号9番の紫7B図柄「紫7B」が有効ライン上に位置するように第2リール20aが停止し、図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図21(h)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15となる。当該状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号13番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号9番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定する。そして、図柄番号9番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止すると、図21(i)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0244】
(RBB内部中状態において当選エリア「目押し打順B」に当選し、打順5または打順6で停止操作がされる場合)
当選エリア「目押し打順B」に当選した遊技において、第1リール20a~第3リール20cのそれぞれが回転している状況で、第3リール20cについて、上段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下されたとすると、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」、図柄番号17番の黄7図柄「黄7」、図柄番号16番の赤7図柄「赤7」、図柄番号15番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」の5通りとなる(図11参照)。
【0245】
ここで、図22(a)から明らかなように、これらの図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、以下の通りである。すなわち、第3リール20cについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は6個となる。また、黄7図柄「黄7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。また、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となり、かつビッグボーナスの入賞可能性が残る。また、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。また、紫7C図柄「紫7C」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。
【0246】
そして、本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「目押し打順B」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。したがって、第3リール20cについて、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が6個となり最も多くなるため、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に停止する位置が、第3リール20cの停止位置として決定される。換言すると、当該停止操作は、正解停止操作態様ではない停止操作態様に係るものであるため、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に揃わないように、停止位置が決定される。
【0247】
図22(b)に示すように、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図22(c)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役32となる。
【0248】
図22(b)に示すように、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止し、第1リール20aおよび第2リール20bが回転している状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定する。
なお、ここでは、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せが、払出数が同数の小役に係る図柄組合せのみとなっているため、黒BAR図柄「黒BAR」と黄7図柄「黄7」とのいずれを有効ライン上に停止させるかは任意で設定することができる。しかし、黒BAR図柄「黒BAR」を有効ライン上に停止させることとした場合、小役32の入賞可能性のみが残り、第3停止操作において第2リール20cの中段に赤BAR図柄「赤BAR」を停止させることができなかった場合に、いずれの小役も入賞しないこととなってしまう。すなわち、1枚役を取りこぼしてしまう場合が生じてしまう。そこで、第3停止操作の操作タイミングに関わらずに1枚役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に揃えることが可能となるように、第2停止操作に対応するリール(第1リール20a)を停止させることとしている。
【0249】
そして、図22(d)に示すように、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止し、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図22(e)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15および小役32となる。当該状況において、第2リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に停止する位置を、第2リール20bの停止位置として決定する。そして、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止すると、図22(f)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0250】
一方、図22(b)に示すように、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止し、第1リール20aおよび第2リール20bが回転している状況において、第2リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に停止する位置を、第2リール20bの停止位置として決定する。
【0251】
そして、図22(g)に示すように、図柄番号14番の紫7C図柄「紫7C」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、図22(h)に示す通りとなり、入賞可能な役は、小役15となる。当該状況において、第1リール20aについて、下段(有効ライン上)に図柄番号18番の黒BAR図柄「黒BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定する。そして、図柄番号14番の黄7図柄「黄7」が有効ライン上に位置するように第1リール20aが停止すると、図22(i)に示すように、小役15の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0252】
以上のように、本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール20a~20cと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、
前記複数のリール20a~20cを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として所定の引き込み範囲内(5コマ分の引き込み範囲内)に存在する図柄のうち前記内部抽選の結果に応じた図柄が有効ライン上に表示されるようにリール20a~20cを停止させる制御を行うリール制御手段43と、
前記複数のリール20a~20cが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段44と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する制御を行う払出制御手段45と、
特別役(ビッグボーナス)が当選した状態が維持されている第1遊技状態(RBB内部中状態)と、前記特別役が入賞した場合に移行する第2遊技状態(RBB作動中状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態制御手段49と、を備え、
小役には、第1小役(小役2)と、第2小役(小役1)と、第3小役(小役15)と、複数種類の第4小役(小役4~小役7)と、が含まれ、
前記第1小役および前記第2小役は、全ての小役の中で最大の配当が設定された小役であり、
前記第3小役は、前記最大の配当よりも少ない配当が設定された小役であり、
前記第4小役は、前記最大の配当よりも少ない配当が設定された小役であり、
前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄は、前記複数のリール20a~20cのうちの少なくとも1つ(第2リール20b)について、前記停止操作のタイミングによっては前記引き込み範囲内に存在しない場合があり(PB≠1であり)、
前記第2小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄は、前記複数のリール20a~20cの全てについて、前記停止操作のタイミングに関わらず前記引き込み範囲内に存在しており(PB=1であり)、
前記内部抽選において得られる当選態様には、
前記第1小役と前記第2小役と前記第3小役とが重複して当選する第1当選態様(当選エリア「目押し打順B」)と、
全ての小役が重複して当選する第2当選態様(当選エリア「小役ALL」)と、
前記複数種類の第4小役のうちの少なくとも1つが当選するとともに、特定の操作態様で前記停止操作を行うことで前記第4小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される複数種類の特定当選態様(当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」)と、が含まれ、
前記第1遊技状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記リール制御手段43は、
前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能な第1操作態様で前記停止操作が行われた場合に、前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させ、
前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが不可能な第2操作態様で前記停止操作が行われた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの数が最大となるように前記リールを停止させる制御(個数優先制御)を行うことによって、前記第3小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させ、
前記第2遊技状態における前記内部抽選において前記第2当選態様が得られた場合に、前記リール制御手段43は、
遊技価値の付与量が最大となるように前記リールを停止させる制御(枚数優先制御)を行うことによって、前記第2小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させる。
【0253】
本実施形態の遊技機は、複数種類の8枚役のうちの少なくとも1つが当選するとともに、特定の操作態様で停止操作を行うことで8枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される打順ベルが複数種類用意されており、所定の状況(AT演出状態等)において打順ナビ演出を実行することで、当該特定の操作態様で停止操作を行い8枚役(規定数以上の配当が設定された役)を入賞させることを容易とし、当該所定の状況において遊技価値を増加させる遊技性等を持たせることが可能となっている。
【0254】
また、本実施形態の遊技機は、RBB内部中状態において、第1操作態様で停止操作を行うことで小役2の入賞が可能な目押し打順役に当選し得るようになっている。すなわち、打順ベルが当選した際に8枚役を入賞させることに加え、目押し打順役が当選した際に小役2を入賞させることができれば、多くの遊技価値を獲得することが可能となる。また、小役2は、全ての小役の中で最大の配当が設定された小役であるため、目押し打順役が当選した際に第1操作態様で遊技を行う場合と、目押し打順役が当選した際に第2操作態様で遊技を行う場合とでは、遊技価値の獲得性能が大きく異なることとなる。すなわち、このような目押し打順役を用意することで、第1操作態様での遊技を正確に行うことができる遊技者とできない遊技者との間での、遊技価値の獲得に対する期待値を大きく異ならせることができ、これにより遊技者の技量による遊技価値の獲得性能の差を大きくし、遊技性を高めることができる。
【0255】
また、このように第1操作態様で停止操作を行う場合に全ての小役の中で最大の配当が設定された小役が入賞し(小役2が入賞し)、第2操作態様で停止操作を行う場合に全ての小役の中で最大の配当が設定された小役が入賞しない(1枚役が入賞する)第1当選態様を実現すべく、本実施形態においては、小役2をPB≠1の役としている。
【0256】
ここで、前述のように、RBB作動中状態は、出玉率の期待値を打順に関わらず同一とすることが好ましく、また、RBB作動中状態において当選する各特選エリアについて、停止操作の態様に関わらず、重複して当選する全ての当選役の中で最大の配当が設定された役が入賞するように設定することが好ましい。このようにすることで、RBB作動中状態における出玉率の期待値として適用する値を1つにすることができ、他の遊技状態との出玉率の期待値の比較等が容易となる。また、このようにすることで、RBB内部中状態等を打順に応じて出玉率の期待値が異なる遊技状態とする場合であっても、遊技者の混乱を招いたり、遊技者に不利な状況が生じてしまったりすることを防止することができる。ここで、本実施形態においては、全ての小役の中で最大の配当が設定された小役2が用意されているが、小役2はPB≠1であるため、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」が当選した場合に小役2を入賞させるようにすると、停止操作の態様によっては小役2が入賞しない場合が生じてしまう。しかし、本実施形態では、PB=1の小役1を用意し、当選エリア「小役ALL」が当選した場合には、小役1の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるようにしたことで、停止操作の態様に関わらず最大量の遊技価値を得られるようにすることが可能となっている。また、本実施形態では、このようなPB=1の小役1が、RBB内部中状態においても当選するように設定しているため、RBB作動中状態において停止操作の態様に関わらず最大量の遊技価値が得られるようにするために、RBB作動中状態においてのみ当選する役等を用意する必要がない。また、RBB作動中状態において当選エリア「小役ALL」が当選した場合に、必ず小役1が入賞するようにすれば停止操作の態様に関わらず最大量の遊技価値が得られることが保証されるので、停止操作の態様に応じて入賞する役を異ならせる必要などがなく、RBB作動中状態におけるリールの停止制御を簡易なものとすることができる。したがって、プログラム容量を削減できる。
【0257】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の遊技機は、第2の実施の形態に係る遊技機と同様の構成を有する。したがって、本実施の形態の遊技機に係る構成のうち、第2の実施の形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0258】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、遊技状態に応じて異なっている。具体的には、RBB1作動中RB作動中状態については、規定数が1枚に設定されており、それ以外の遊技状態については、規定数が3枚に設定されている。なお、遊技状態の詳細については後述する。
【0259】
また、本実施形態では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって構成される第1有効ラインと、第1リール20aの下段と、第2リール20bの下段と、第3リール20cの下段とによって構成される第2有効ラインと、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって構成される第3有効ラインとの3本の有効ラインが存在する。なお、例えば、3枚のメダルを投入して遊技を行う場合には3本の有効ラインが有効化され、1枚のメダルを投入して遊技を行う場合には1本の有効ラインが有効化されるというように、規定数(投入数)に応じて有効化される有効ラインの数を変えてもよく、規定数(投入数)に関わらず、有効化される有効ラインの数を同一(例えば、3本あるいは1本等)としてもよい。
【0260】
本実施形態の内部抽選テーブルには、図23に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、図23では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。
【0261】
図23に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役9が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」、「チェリー」、「JAC1」、「JAC2」、「JAC3」および「JAC4」が用意されている。また、小役1は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役2は入賞すると13枚のメダルが払い出される13枚役となっている。また、小役3~小役6は入賞すると4枚のメダルが払い出される4枚役となっている。また、小役7~小役9は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。なお、本実施形態では、小役の配当がメダルの投入数(規定数)に関わらず同一となっているが、投入数(規定数)に応じて配当が異なる小役が存在してもよい。
【0262】
当選エリア「入賞役A」、「入賞役B」および「入賞役C」は、4枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チェリー」は、1種類の4枚役が単独で当選する当選エリアとなっている。当選エリア「チェリー」に含まれる4枚役は、当選エリア「入賞役A」、「入賞役B」および「入賞役C」には含まれない4枚役となっている。また、当選エリア「JAC1」は、13枚役と4枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「JAC2」は、13枚役と4枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「JAC3」は、15枚役と4枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「JAC4」は、15枚役と4枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0263】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして、リプレイ1が単独で当選する当選エリア「リプレイ」が用意されている。
【0264】
また、本実施形態では、ボーナスとして、第1ビッグボーナス(RBB1:第1特別役)と第2ビッグボーナス(RBB2:第2特別役)と、レギュラーボーナス(RB:シフト役)とが用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、第1ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB1」、第2ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB2」およびレギュラーボーナスが単独で当選する当選エリア「RB」が用意されている。また、当選エリア「JAC4」は、遊技状態がRBB1作動中RB作動中RB非内部中状態の場合に、レギュラーボーナスが重複して当選する場合と重複して当選しない場合とがある。また、当選エリア「リプレイ」は、遊技状態がRBB1作動中一般中状態の場合に、レギュラーボーナスが重複して当選するようになっている。また、当選エリア「チェリー」は、遊技状態が一般中状態の場合に、第1ビッグボーナスが重複して当選する場合と、第2ビッグボーナスが重複して当選する場合と、いずれのボーナスも重複して当選しない場合とがある。
【0265】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0266】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御について、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、リール制御手段43は、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>ボーナス>小役」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0267】
遊技状態制御手段49は、図24に示すように、一般中状態、RBB1内部中状態、RBB1作動中状態、RBB2内部中状態およびRBB2作動中状態の間で遊技状態を移行させる。また、RBB1作動中状態には、RBB1作動中一般中状態と、RBB1作動中RB内部中状態と、RBB1作動中RB作動中状態と、が含まれる。また、RBB1作動中RB作動中状態には、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態と、RBB1作動中RB作動中RB内部中状態と、が含まれる。
【0268】
また、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、第1ビッグボーナスおよび第2ビッグボーナスが抽選対象に設定され、レギュラーボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB1内部中状態、RBB2内部中状態、RBB1作動中RB内部中状態およびRBB1作動中RB作動中RB内部中状態では、第1ビッグボーナス、第2ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB1作動中一般中状態およびRBB1作動中RB作動中RB非内部中状態では、レギュラーボーナスが抽選対象に設定され、第1ビッグボーナスおよび第2ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0269】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態では、当選エリア「不当選」、「リプレイ」、「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」、「チェリー」、「RBB1」および「RBB2」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態では、当選エリア「チェリー」の当選時には、第1ビッグボーナスまたは第2ビッグボーナスが重複して当選する場合と、いずれのボーナスも重複して当選しない場合とがある。また、一般中状態からはRBB1内部中状態およびRBB2内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態において第1ビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB1内部中状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段49は、一般中状態において第2ビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB2内部中状態へ移行させる。
【0270】
RBB1内部中状態は、内部抽選で第1ビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB1内部中状態では、当選エリア「不当選」、「リプレイ」、「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」および「チェリー」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB1内部中状態では、第1ビッグボーナスが入賞するまで第1ビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、第1ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB1内部中状態からRBB1作動中状態、具体的にはRBB1作動中一般中状態へ移行させる。
【0271】
RBB1作動中一般中状態は、第1ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB1作動中一般中状態では、当選エリア「リプレイ」、「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」および「RB」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB1作動中一般中状態では、当選エリア「リプレイ」の当選時には、(必ず)レギュラーボーナスが重複して当選する。また、RBB1作動中一般中状態からはRBB1作動中RB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、RBB1作動中一般中状態においてレギュラーボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB1作動中RB内部中状態へ移行させる。
【0272】
RBB1作動中RB内部中状態は、RBB1作動中状態における内部抽選でレギュラーボーナスに当選したことに基づいて移行する遊技状態である。RBB1作動中RB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「リプレイ」、「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」および「チェリー」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB1作動中RB内部中状態では、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、レギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB1作動中RB内部中状態からRBB1作動中RB作動中状態、具体的にはRBB1作動中RB作動中RB非内部中状態へ移行させる。
【0273】
RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態は、RBB1作動中RB内部中状態においてレギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態では、当選エリア「JAC3」および「JAC4」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態では、当選エリア「JAC4」の当選時には、レギュラーボーナスが重複して当選する場合と、いずれのボーナスも重複して当選しない場合とがある。また、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態からはRBB1作動中RB作動中RB内部中状態およびRBB1作動中一般中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態においてレギュラーボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB1作動中RB作動中RB内部中状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段49は、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態においてレギュラーボーナスが当選する前に、RBB1作動中RB作動中状態の終了条件が成立した場合に、遊技状態をRBB作動中一般中状態へ移行させる。ここで、RBB1作動中RB作動中状態の終了条件とは、例えば、RBB1作動中RB作動中状態における小役の入賞回数が予め定められた所定回数(例えば、8回)に達することや、遊技回数が予め定められた所定回数(例えば、8回)に達することであってもよい。
【0274】
RBB1作動中RB作動中RB内部中状態は、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態における内部抽選でレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB1作動中RB作動中RB内部中状態では、当選エリア「JAC3」および「JAC4」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB1作動中RB作動中RB内部中状態では、レギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB1作動中RB作動中RB内部中状態においてRBB1作動中RB作動中状態の終了条件が成立した場合、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB1作動中RB内部中状態へ移行させる。
【0275】
また、RBB1作動中状態では、RBB1作動中状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、285枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB1作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ復帰させる。また、本実施形態では、RBB1作動中状態の終了時においてレギュラーボーナスの当選フラグが当選状態に設定されていても、RBB1作動中状態の終了に伴ってレギュラーボーナスの当選フラグは非当選状態にリセットされる。
【0276】
RBB2内部中状態は、内部抽選で第2ビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB2内部中状態では、当選エリア「不当選」、「リプレイ」、「入賞役A」、「入賞役B」、「入賞役C」および「チェリー」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB2内部中状態では、第2ビッグボーナスが入賞するまで第2ビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、第2ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB2内部中状態からRBB2作動中状態へ移行させる。
【0277】
RBB2作動中状態は、第2ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB2作動中状態では、当選エリア「JAC1」および「JAC2」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0278】
また、RBB2作動中状態では、RBB2作動中状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、117枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB2作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ復帰させる。
【0279】
なお、本実施形態では、RBB1作動中RB作動中状態においても、レギュラーボーナスの当選が可能となっているが、RBB1作動中RB作動中状態においては、リール制御手段43は、レギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないように停止制御を行う。
【0280】
本実施形態では、小役が含まれる各当選エリアに当選した場合に獲得可能なメダルの枚数が図23のように設定されている。
【0281】
すなわち、当選エリア「入賞役A」は、一般中状態において当選した場合に1枚のメダルが獲得可能であり、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に1枚のメダルが獲得可能であり、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「入賞役A」は、一般中状態において当選した場合に1枚役が入賞し、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に1枚役が入賞し、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚役が入賞し得るようになっている。
【0282】
また、当選エリア「入賞役B」は、一般中状態において当選した場合に1枚のメダルが獲得可能であり、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能であり、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「入賞役B」は、一般中状態において当選した場合に1枚役が入賞し、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚役が入賞し、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚役が入賞し得るようになっている。
【0283】
また、当選エリア「入賞役C」は、一般中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能であり、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能であり、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「入賞役C」は、一般中状態において当選した場合に4枚役が入賞し、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚役が入賞し、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚役が入賞し得るようになっている。
【0284】
また、当選エリア「チェリー」は、一般中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能であり、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能であり、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「チェリー」は、一般中状態において当選した場合に4枚役が入賞し、RBB1内部中状態またはRBB2内部中状態において当選した場合に4枚役が入賞し、RBB1作動中状態において当選した場合に4枚役が入賞し得るようになっている。
【0285】
また、当選エリア「JAC1」は、RBB2作動中状態において当選した場合に13枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「JAC1」は、RBB2作動中状態において当選した場合に13枚役が入賞するようになっている。
なお、13枚役(小役2)は、RBB2作動中においてのみ当選し、他の遊技状態においては当選しない役となっている。
【0286】
また、当選エリア「JAC2」は、RBB2作動中状態において当選した場合に13枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「JAC2」は、RBB2作動中状態において当選した場合に13枚役が入賞するようになっている。
【0287】
また、当選エリア「JAC3」は、RBB1作動中RB作動中状態において当選した場合に15枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「JAC3」は、RBB1作動中RB作動中状態において当選した場合に15枚役が入賞するようになっている。
なお、15枚役(小役1)は、RBB1作動中RB作動中状態においてのみ当選し、他の遊技状態においては当選しない役となっている。
【0288】
また、当選エリア「JAC4」は、RBB1作動中RB作動中状態において当選した場合に15枚のメダルが獲得可能となっている。換言すると、当選エリア「JAC4」は、RBB1作動中RB作動中状態において当選した場合に15枚役が入賞するようになっている。
【0289】
なお、ここで説明した、小役が含まれる各当選エリアについての獲得可能なメダルの枚数は、各当選エリアの当選時に最大で獲得可能なメダルの枚数となっている。小役が含まれる各当選エリアは、当選した場合に、停止操作の態様によらず、ここで説明した各枚数のメダルが獲得される(各役が必ず入賞する)ようになっていてもよい。また、停止操作の態様によっては、ここで説明した各枚数のメダルが獲得できない場合(各役が入賞しない場合)があってもよい。換言すると、停止操作の態様によっては、ここで説明した各枚数のメダルよりも少ない枚数のメダルが獲得される場合、あるいは、メダルが獲得できない場合(いずれの小役も入賞しない場合)があってもよい。
【0290】
このように本実施形態では、遊技状態毎に各当選エリアの当選時の4枚役の入賞確率を異ならせている。具体的には、一般中状態よりもRBB1内部中状態、RBB2内部中状態およびRBB1作動中状態の方が、当選エリア「入賞役B」当選時の4枚役の入賞が容易となっており、一般中状態よりもRBB1内部中状態、RBB2内部中状態およびRBB1作動中状態の方が、4枚役の入賞が容易な(4枚役の入賞確率が高い)遊技状態となっている。また、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB2内部中状態よりもRBB1作動中状態の方が、当選エリア「入賞役A」当選時の4枚役の入賞が容易となっており、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB2内部中状態に比べRBB1作動中状態の方が、4枚役の入賞が容易な(4枚役の入賞確率が高い)遊技状態となっている。ここで、「入賞が容易」とは、例えば、打順および各停止操作のタイミングが毎遊技無作為(ランダム)となるように遊技を行った場合に入賞確率が高くなるものであってもよい。また、「入賞が容易」とは、例えば、打順については所定の規則に従いつつ各停止操作のタイミングが毎遊技無作為(ランダム)となるように遊技を行った場合に入賞確率が高くなるものであってもよい。また、入賞が困難な方については、4枚役の入賞確率が0%であってもよい。
このように、RBB1内部中状態、RBB2内部中状態およびRBB1作動中状態(RBB1作動中のRB非作動中状態)における4枚役の取得を容易としていることで、所定回数の遊技を行った場合についての払い出されるメダルの合計数に対する役物の作動により払い出されるメダルの合計数の比率である役物比率(連続役物比率)を低下させることができる。すなわち、このように構成することで、全遊技状態を通じて払い出されるメダルの合計数のうちRBB1作動中RB作動中状態やRBB2作動中状態におけるものの割合を低め、役物比率(連続役物比率)を低下させることができる。また、RBB1内部中状態、RBB2内部中状態およびRBB1作動中状態(RBB1作動中のRB非作動中状態)について4枚役の取得を容易とした分、一般中状態の出玉率の期待値を低下させても役物比率(連続役物比率)を適切な範囲とすることができる。そして、本実施形態では、RBB1内部中状態、RBB2内部中状態およびRBB1作動中状態に比べ、一般中状態における4枚役の取得を困難とすることで、一般中状態における出玉率の期待値を低下させている。このように、一般中状態における出玉率の期待値を低下させることにより、ボーナス(第1ビッグボーナスや第2ビッグボーナス)の当選確率を高く設定したり、1回のボーナス(第1ビッグボーナスや第2ビッグボーナス)におけるメダルの増加数の期待値を高く設定したりしても、当該遊技機における遊技価値の獲得性能を適切な範囲に収めることが容易となる。したがって、本構成によれば、遊技者が遊技を行う際に基本的に滞在する一般中状態における出玉率の期待値を低下させるとともに、ボーナスによる遊技価値の獲得に対する期待度を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0291】
本実施形態では、RBB1作動中一般中状態およびRBB1作動中RB内部中状態では、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB2内部中状態に比べ、リプレイの当選確率が高くなっている。具体的には、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB2内部中状態では、リプレイの当選確率が約1/7.3であるのに対し、RBB1作動中一般中状態およびRBB1作動中RB内部中状態では、リプレイの当選確率が約1/2となっている。なお、一般中状態と、RBB1内部中状態と、RBB2内部中状態とでは、互いにリプレイの当選確率が等しくなっている。また、RBB1作動中一般中状態と、RBB1作動中RB内部中状態とでは、互いにリプレイの当選確率が等しくなっている。換言すると、本実施形態では、全てのボーナスについて、ボーナスが当選したときには、リプレイの当選確率の変動を行っていない。具体的には、本実施形態では、第1ビッグボーナス、第2ビッグボーナスおよび第3ビッグボーナスのいずれのボーナスに当選したときにも、内部抽選においてリプレイに関する当選エリアのいずれかが当選する確率(リプレイに関する各当選エリアの当選確率を合算した確率)が変動しないとともに、リプレイに関する各当選エリアの当選確率が変動しない(リプレイに関するいずれの当選エリアも当選確率が変動しない)。また、本実施形態では、第1ビッグボーナスが入賞したとき(第1ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたとき)に、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動(上昇)させている。すなわち、第1ビッグボーナスが入賞したときに、リプレイに関する当選エリアの少なくとも1つについて、当選確率が変動(上昇)する。
なお、本実施形態においては、リプレイが含まれる当選エリアは、当選エリア「リプレイ」しか設けられていない。すなわち、本実施形態においては、「リプレイに関する当選エリアのいずれかが当選する確率」や、「リプレイに関する各当選エリアの当選確率」は、当選エリア「リプレイ」に当選する確率ともいえる。換言すると、「リプレイに関する当選エリアのいずれかが当選する確率」や、「リプレイに関する各当選エリアの当選確率」といった場合に、リプレイに関する当選エリアは1つしか設けられていなくてもよい。また、リプレイが含まれる当選エリアとして、当選エリア「リプレイ」以外の当選エリアが用意されていてもよい。
【0292】
また、RBB1作動中一般中状態では、レギュラーボーナスは、当選エリア「RB」の当選により単独で当選する場合と、当選エリア「リプレイ」と重複して当選する場合とが存在する。また、RBB1作動中一般中状態における当選エリア「RB」の当選確率は、約1/933となっている。すなわち、RBB1作動中一般中状態では、レギュラーボーナスに単独で当選する確率(約1/933)よりも、レギュラーボーナスがリプレイと重複して当選する確率(約1/2)の方が各段に高くなっている。また、RBB1作動中一般中状態では、高確率(約1/2)でレギュラーボーナスに当選するようになっている。
【0293】
また、RBB1作動中RB内部中状態において当選エリア「不当選」に当選する確率は、RBB1作動中一般中状態において当選エリア「RB」に当選する確率と等しくなっている。すなわち、RBB1作動中RB内部中状態においては、内部抽選の結果、レギュラーボーナスの当選フラグのみが当選状態に設定される確率は低く(約1/933)、約1/2の確率でレギュラーボーナスの当選フラグとリプレイの当選フラグとが重複して当選状態に設定され、約1/2の確率でレギュラーボーナスの当選フラグと小役の当選フラグとが重複して当選状態に設定されるようになっている。
【0294】
そして、本実施形態では、小役が含まれる各当選エリア当選時に獲得可能なメダルの枚数および各当選エリアの当選確率を前述のように設定したことにより、所定の遊技方法で遊技を行う場合においてレギュラーボーナスが入賞する確率を低減させている。
【0295】
具体的には、まず、本実施形態では、第1ビッグボーナスの入賞に伴いリプレイの当選確率を上昇させるとともに、RBB1作動中一般中状態においては、当選確率が上昇したリプレイとレギュラーボーナスとが重複して当選するようにしている。このため、レギュラーボーナスとリプレイとが重複して当選する確率が高くなっており、レギュラーボーナスは、ほとんどの場合リプレイと重複して当選することとなる。また、レギュラーボーナスとリプレイとが重複して当選した遊技においては、リール制御手段43は、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようにリール20a~20cを停止させるため、当該遊技においてレギュラーボーナスが入賞することはない。すなわち、RBB1作動中一般中状態においては、レギュラーボーナスが単独で当選した遊技においてしか、レギュラーボーナスを入賞させることができないようになっている。したがって、RBB1作動中一般中状態からRBB1作動中RB作動中状態に直接移行することは少なく、ほとんどの場合、RBB1作動中RB内部中状態へ移行することとなる。
【0296】
また、RBB1作動中RB内部中状態においては、約1/2の確率でレギュラーボーナスの当選フラグとリプレイの当選フラグとが重複して当選状態に設定されるが、この場合、リール制御手段43は、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようにリール20a~20cを停止させるため、レギュラーボーナスが入賞することはない。一方、RBB1作動中RB内部中状態においては、約1/2の確率でレギュラーボーナスの当選フラグと小役の当選フラグとが重複して当選状態に設定されるが、この場合、リール制御手段43は、レギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能な第1停止操作態様で停止操作が行われた場合にはレギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させ、レギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが不可能な第2停止操作態様で停止操作が行われた場合には小役(4枚役)の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させる。すなわち、前述のように本実施形態では、リール制御手段43は、小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先してボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示させるようになっているが、RBB1作動中RB内部中状態においてレギュラーボーナスと小役(4枚役)とが重複して当選している状況においては、所定の操作態様(第2停止操作態様)で停止操作を行うことで、レギュラーボーナスの入賞を回避し、小役(4枚役)を入賞させることが可能となっている。
【0297】
すなわち、RBB1作動中RB内部中状態においては、内部抽選の結果、レギュラーボーナスの当選フラグと小役の当選フラグとが重複して当選状態に設定される場合(小役の当選エリアに当選した場合)、および、レギュラーボーナスの当選フラグが単独で当選状態に設定される場合(当選エリア「不当選」に当選した場合)のいずれかにおいてレギュラーボーナスを入賞させることが可能となっている。ここで、RBB1作動中RB内部中状態においては、小役の当選エリアはいずれも、当選した場合に4枚役(すなわち投入数(規定数)よりも多くの配当が設定された小役)が入賞可能な当選エリアとなっている。したがって、小役の当選エリアに当選した遊技においては、第1停止操作態様で停止操作を行いレギュラーボーナスを入賞させる場合と、第2停止操作態様で停止操作を行い小役(4枚役)を入賞させる場合とでそれぞれ利点がある。具体的には、レギュラーボーナスを入賞させる場合には、レギュラーボーナスの作動状態(RBB1作動中RB作動中状態)に移行させることができるという利点がある。一方、小役を入賞させる場合には、当該遊技で投入数(規定数)よりも多くのメダルが獲得できるという利点がある。そして、RBB1作動中RB内部中状態において、小役を入賞させる場合の利点を選択する遊技方法で遊技を行う場合には、レギュラーボーナスの当選フラグが単独で当選状態に設定される場合(当選エリア「不当選」に当選した場合)においてのみ、レギュラーボーナスを入賞させることが可能となる。したがって、当該遊技方法で遊技を行う場合の、レギュラーボーナスが入賞する確率が低いものとなる。
【0298】
なお、一般中状態、RBB1内部中状態、RBB2内部中状態、RBB1作動中一般中状態およびRBB1作動中RB内部中状態で当選する当選エリアとして、小役が含まれる当選エリアであって、当選した場合に3枚以下の所定枚数のメダルが獲得可能な少数払出当選エリアが用意されていてもよい。換言すると、当該少数払出当選エリアは、当選時に最大で獲得可能なメダルの枚数が(遊技状態によらず)3枚以下となっていてもよい。また、少数払出当選エリアを設ける場合に、少数払出当選エリアが当選する確率(少数払出当選エリアのそれぞれに当選する確率あるいは少数払出当選エリアのいずれかが当選する確率)は、4枚以上のメダルが獲得可能な当選エリアのいずれかが当選する確率(例えば、当選エリア「入賞役A」、「入賞役B」および「入賞役C」のいずれかが当選する確率)よりも十分に低いことが好ましい(例えば、1/10以下、より好ましくは1/100以下)。このように、少数払出当選エリアが当選する確率を低くすることで、レギュラーボーナスと小役とが重複して当選状態に設定されている場合において、小役の最大配当(重複して当選している小役の中で最大の配当が設定された小役の配当)が規定数(投入数)以下の場合にはレギュラーボーナスを入賞させ、小役の最大配当が規定数(投入数)より多い場合には当該最大配当(規定数より多い配当)が設定された小役を入賞させる遊技方法で遊技を行う場合について、レギュラーボーナスが入賞する確率が低いものとなる。
【0299】
なお、本実施形態では、第1ビッグボーナスの入賞(作動)を契機として(RBB1作動中一般中状態の開始に伴い)、リプレイの当選確率を変動(上昇)させるとともに、レギュラーボーナスの当選確率を上昇させている(なお「上昇」とは、上昇前の当選確率が0%の場合を含む)。具体的には、RBB1作動中一般中状態の開始に伴い、リプレイに関する当選エリアの少なくとも1つについて当選確率を変動させるとともに、RBB1作動中一般中状態においてはリプレイに関する所定の当選エリア(当選エリア「リプレイ」)とレギュラーボーナスとが重複して当選するようにしている。より具体的には、RBB1作動中一般中状態においては、RBB1作動中一般中状態の開始に伴い当選確率が上昇する当選エリア「リプレイ」とレギュラーボーナスとが重複して当選するようになっている。すなわち、本実施形態では、第1ビッグボーナスの入賞(作動)により、リプレイの当選確率を変動させるとともにレギュラーボーナスの当選確率を上昇させ、さらに、RBB作動中一般中状態においてはリプレイに関する所定の当選エリアとレギュラーボーナスとが重複して当選するようにすることで、第1ビッグボーナスの作動に伴い当選確率が変動したもの同士を第1ビッグボーナスの作動中において重複して当選させている。このように、当選確率が変動したもの同士を重複して当選させることで、レギュラーボーナスの当選確率を上昇させるにあたっての妥当性が確保され、違和感のない遊技を行うことが可能となる。換言すると、本実施形態では、小役に関する当選エリアは、第1ビッグボーナスの入賞(作動)に伴い、当選確率が変動(上昇)しないため、RBB作動中一般中状態において、小役に関する各当選エリアとレギュラーボーナスとが重複して当選しないようにされている。
なお、本実施形態では、各当選エリアの値数(置数ともいう)が以下のように定められている。なお、「値数」とは内部抽選で取得される乱数値の全範囲(例えば、0~65535)に対して当選となる範囲を示す数値である。換言すると、値数とは、各当選エリアに対応付けられている乱数の数を示すものである。例えば、値数が8978に設定されている当選エリアには、約1/7.3(=8978/65536)の確率で当選することとなる。本実施形態では、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB2内部中状態については、当選エリア「リプレイ」の値数が8978に設定されており、当選エリア「リプレイ」に当選する確率(リプレイに関する当選エリアのいずれかが当選する確率)が約1/7.3に設定されている。また、本実施形態では、RBB1作動中一般中状態については、当選エリア「リプレイ」の値数が32510に設定されており、当選エリア「リプレイ」に当選する確率(リプレイに関する当選エリアのいずれかが当選する確率)が約1/2.0に設定されている。そして、RBB1作動中一般中状態については、当選エリア「リプレイ」の当選時には、レギュラーボーナスが重複して当選するようになっている。また、本実施形態では、一般中状態については、当選エリア「不当選」、「RBB1」および「RBB2」の値数の合計値が23598に設定されており、RBB1内部中状態およびRBB内部中状態については、当選エリア「不当選」の値数が23598に設定されている。すなわち、本実施形態では、一般中状態、RBB1内部中状態およびRBB内部中状態については、小役およびリプレイのいずれにも当選しない確率が約1/2.8に設定されている。また、本実施形態では、RBB1作動中一般中状態については、当選エリア「RB」の値数が「66」に設定されている。すなわち、本実施形態では、RBB1作動中一般中状態については、小役およびリプレイのいずれにも当選しない確率が約1/993.0に設定されている。
【0300】
なお、本実施形態では、RBB1作動中一般中状態およびRBB1作動中RB内部中状態において、レギュラーボーナスの当選フラグが単独で当選状態に設定される場合(当選エリア「RB」または「不当選」に当選する場合)があるように設定したが、RBB作動中一般中状態およびRBB1作動中RB内部中状態の両方または少なくとも一方について、レギュラーボーナスの当選フラグが単独で当選状態に設定される場合が無いようにしてもよい。換言すると、RBB1作動中一般中状態における内部抽選において、レギュラーボーナスは、必ずリプレイ(または小役)と重複して当選するようにしてもよい。また、RBB1作動中RB内部中状態における内部抽選において、いずれの役にも当選しない場合(当選エリア「不当選」に当選する場合)が無いようにしてもよい。
【0301】
また、本実施形態では、RBB1作動中RB内部中状態において、レギュラーボーナスの当選フラグと小役の当選フラグとが重複して当選状態に設定される場合に、停止操作の態様に応じてレギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが表示される場合と、小役の入賞形態を示す図柄組合せが表示される場合とが存在することとしたが、停止操作の態様に関わらず、レギュラーボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが必ず表示されるようにしてもよい。
【0302】
なお、本実施形態では、第1ビッグボーナスについては、シフト役としてのレギュラーボーナスを設け、遊技状態がRBB1内部中状態からRBB1作動中状態に移行する際には小役の入賞確率を変動(上昇)させず、遊技状態がRBB1作動中RB作動中状態に移行する際に小役の入賞確率を変動(上昇)させている。一方で、第2ビッグボーナスについては、シフト役を設けず、遊技状態がRBB2内部中状態からRBB2作動中状態に移行する際に小役の入賞確率を変動(上昇)させている。すなわち、第1ビッグボーナスについては、第1ビッグボーナスに入賞した後さらにシフト役としてのレギュラーボーナスに入賞すると小役の入賞確率を変動(上昇)させているのに対し、第2ビッグボーナスについては、第2ビッグボーナスに入賞すると小役の入賞確率を変動(上昇)させている。したがって、RBB2作動中状態については、シフト役の入賞を待つことなくメダルを増加させることが容易な遊技を開始することができ、これによりテンポの良い快適な遊技が提供される。また、このようにメダルを増加させることが容易な遊技が即座に開始されるRBB2作動中状態について、メダルの増加数の期待値(終了条件となるメダルの払出数)をRBB1作動中状態よりも少なく設定したことにより、当該遊技機における遊技価値の獲得性能が過剰となってしまうことを防止できる。
なお、第2ビッグボーナスについても、シフト役としてのレギュラーボーナス等を設け、第2ビッグボーナスに入賞したときには小役の入賞確率を変動(上昇)させず、第2ビッグボーナスに入賞した後さらにシフト役に入賞すると小役の入賞確率を変動(上昇)させるようにしてもよい。また、この場合のレギュラーボーナス(シフト役)は、第1ビッグボーナスに係るレギュラーボーナス(シフト役)と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0303】
本実施形態では、出玉率の期待値が以下のようになるよう設定してもよい。すなわち、以下の(1)~(5)にしたがって出玉率の期待値を算出した場合に、RBB1作動中RB内部中状態(シフト内部中状態)における出玉率の期待値が、220%を下回るようにしてもよく、150%を下回るようにしてもよい。また、以下の(1)~(6)にしたがって出玉率の期待値を算出した場合に、RBB1作動中状態における(RBB1作動中状態の全体を通じての)出玉率の期待値が、220%を下回るようにしてもよく、150%を下回るようにしてもよい。
(1)リプレイが入賞した遊技の払出数を0枚とし、リプレイが入賞した遊技の次遊技の投入数を0枚とする
(2)レギュラーボーナス(シフト役)が単独で当選状態に設定されている場合、または、レギュラーボーナス(シフト役)と小役とが重複して当選状態に設定されており払出数が最大となる態様で小役を入賞させると払出数が規定数(投入数)以下となる場合には、レギュラーボーナス(シフト役)の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させる
(3)レギュラーボーナス(シフト役)と小役とが重複して当選状態に設定されており払出数が最大となる態様で小役を入賞させると払出数が規定数(投入数)より多くなる場合には、払出数が最大となる態様で小役を入賞させる(払出数が最大となるようにリール20a~20cを停止させる)
(4)レギュラーボーナス(シフト役)とリプレイとが重複して当選状態に設定されている場合には、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させる
(5)小役のみ(1または複数の小役)が当選状態に設定されている場合、払出数が最大となる態様で小役を入賞させる(払出数が最大となるようにリール20a~20cを停止させる)
(6)RBB1作動中RB作動中状態(シフト作動中状態)においては、レギュラーボーナス(シフト役)が当選状態に設定されている場合であってもレギュラーボーナス(シフト役)の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させず、また、RBB1作動中RB作動中状態(シフト作動中状態)においてレギュラーボーナス(シフト役)と小役とが重複して当選状態に設定されている場合には、払出数が最大となる態様で小役を入賞させる(払出数が最大となるようにリール20a~20cを停止させる)
なお、(1)~(6)はあくまで出玉率の期待値を計算するための計算方法を規定するものであり、(1)~(6)に記載されている構成のうち、一部の構成が存在しない場合であっても、当該存在しない構成以外の構成について(1)~(6)(あるいは(1)~(5))にしたがって出玉率の期待値を算出しているのであれば、対象となる遊技機(遊技状態)について(1)~(6)(あるいは(1)~(5))にしたがって出玉率の期待値を算出しているといえる。具体的には、例えば、レギュラーボーナスが単独で当選状態に設定されることがない遊技機や、レギュラーボーナスと重複して当選状態に設定される小役の最大配当が必ず規定数(投入数)より多くなる遊技機や、RBB1作動中RB作動中状態においてレギュラーボーナスが当選状態に設定されることがない遊技機等であっても、(1)~(6)の規定に反することなく出玉率を算出しているのであれば、(1)~(6)にしたがって出玉率の期待値を算出していることとなる。
【0304】
(変形例1)
第3の実施の形態に係る遊技機の変形例1について説明する。
本変形例では、RBB1作動中RB作動中状態において当選する当選エリアとして、図25に示す当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」が用意されている。また、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態では、当選エリア「JAC_A」の当選時には、レギュラーボーナスが重複して当選する場合と、いずれのボーナスも重複して当選しない場合とがある。一方、RBB1作動中RB作動中RB内部中状態では、当選エリア「JAC_A」の当選時に、レギュラーボーナスが重複して当選する場合はない。
【0305】
また、RBB1作動中RB作動中状態における内部抽選においては、当選エリア「JAC_A」に当選する確率が、当選エリア「JAC_B」に当選する確率よりも高く設定されている。また、RBB1作動中RB作動中状態における内部抽選においては、当選エリア「JAC_A」の当選時にレギュラーボーナスが重複して当選する確率が、レギュラーボーナスが重複して当選しない確率に比べて高く設定されている。
なお、本変形例では、RBB1作動中RB作動中状態については、当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」以外の当選エリアは用意されておらず、必ずどちらかの当選エリアに当選するようになっているが、当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」以外の当選エリアに当選し得ることとしてもよい。
【0306】
図25は、RBB1作動中RB作動中状態において当選エリア「JAC_A」または「JAC_B」が当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
【0307】
図25に示すように、当選エリア「JAC_A」は、特定の打順(左押し)で停止操作がされると15枚役が入賞するようになっており、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。なお、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作がされた場合に、必ず1枚役が入賞するようにしてもよく、1枚役を取りこぼす場合が存在するようにしてもよい。
【0308】
また、当選エリア「JAC_B」は、いずれの打順で停止操作がされても15枚役が入賞するようになっている。
【0309】
このような当選エリア「JAC_A」を用意することにより、RBB1作動中RB作動中状態において特定の打順以外の打順を用いて遊技を行う場合の出玉率の期待値を低下させ、当該遊技機における遊技価値の獲得性能を適切なものとすることができる。また、当選エリア「JAC_B」を用意することにより、RBB1作動中RB作動中状態において特定の打順以外の打順を用いて遊技を行う場合の出玉率の期待値が低下し過ぎてしまうことを防止することができる。
なお、当選エリア「JAC_B」を用意しなくてもよい。換言すると、RBB1作動中RB作動中状態においては、特定の打順(左押し)で停止操作を行う場合の方が、他の打順(変則押し)で停止操作を行う場合に比べ、内部抽選の結果に関わらず(全ての遊技について)必ずより多くのメダルが獲得可能となるように(払出数の期待値が高くなるように)してもよい。
【0310】
(変形例2)
第3の実施の形態に係る遊技機の変形例2について説明する。
本変形例では、RBB1作動中RB作動中状態において当選する当選エリアとして、図26に示す当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」が用意されている。また、RBB1作動中RB作動中RB非内部中状態では、当選エリア「JAC_A」の当選時には、レギュラーボーナスが重複して当選する場合と、いずれのボーナスも重複して当選しない場合とがある。一方、RBB1作動中RB作動中RB内部中状態では、当選エリア「JAC_A」の当選時に、レギュラーボーナスが重複して当選する場合はない。
【0311】
また、RBB1作動中RB作動中状態における内部抽選においては、当選エリア「JAC_A」に当選する確率が、当選エリア「JAC_B」に当選する確率よりも高く設定されている。また、RBB1作動中RB作動中状態における内部抽選においては、当選エリア「JAC_A」の当選時にレギュラーボーナスが重複して当選する確率が、レギュラーボーナスが重複して当選しない確率に比べて高く設定されている。
なお、本変形例では、RBB1作動中RB作動中状態については、当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」以外の当選エリアは用意されておらず、必ずどちらかの当選エリアに当選するようになっているが、当選エリア「JAC_A」および「JAC_B」以外の当選エリアに当選し得ることとしてもよい。
【0312】
図26は、RBB1作動中RB作動中状態において当選エリア「JAC_A」または「JAC_B」が当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
【0313】
図26に示すように、当選エリア「JAC_A」は、特定の打順(左押し)で停止操作がされると15枚役が入賞するようになっており、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作がされると11枚役(入賞すると11枚のメダルが払い出される役)が入賞し得るようになっている。具体的には、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作がされ、かつ、所定のタイミングで所定の停止操作がされた場合、11枚役が入賞するようになっている。また、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作がされ、かつ、当該所定のタイミング以外のタイミングで所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。ここで、所定のタイミングで所定の停止操作がされた場合とは、所定のリール20a~20cにおける特定図柄が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに当該所定のリールに対応するストップボタン26a~26cが操作された場合、としてもよい。換言すると、当選エリア「JAC_A」は、特定の打順以外の打順(変則押し)で停止操作を行い、かつ、目押しをすることで11枚役を入賞させることが可能となっている。
【0314】
また、当選エリア「JAC_B」は、いずれの打順(操作態様)で停止操作がされても15枚役が入賞するようになっている。
【0315】
第3の実施の形態に係る遊技機では、RBB1作動中状態(RBB1作動中一般中状態)に移行してからRBB1作動中RB作動中状態に移行するまでの期間において、4枚役が入賞する場合がある。一方、RBB1作動中状態は、RBB1作動中状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数が285枚を超えた場合に終了するため、RBB1作動中状態においては、RBB1作動中状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数が15の倍数となるようにすることで獲得されるメダルの枚数が最大となる。このため、前記期間において4枚役が入賞してしまった場合には、獲得できるメダルの枚数が減少してしまうおそれがある。そこで、本変形例においては、11枚役の入賞を可能とする当選エリア「JAC_A」を用意している。これにより、前記期間において4枚役が入賞した回数分11枚役が入賞するように停止操作を行うことで、RBB1作動中状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数を15の倍数に戻すことが可能となる。したがって、RBB1作動中状態における遊技価値の獲得性能を向上させることができる。
なお、当選エリア「JAC_A」について、目押しを必要とせず、所定の打順(変則押し)で停止操作を行うことで、必ず11枚役が入賞するようにしてもよい。ただし、当選エリア「JAC_A」を1枚役が入賞し得るようにすることで、変形例1の場合と同様に、所定の遊技方法で遊技を行う場合について出玉率の期待値を低下させることができる。
なお、当選エリア「JAC_B」を用意しなくてもよい。換言すると、RBB1作動中RB作動中状態における内部抽選においては、11枚役を入賞させることが可能な当選態様(かつ15枚役を入賞させることが可能な当選態様)が必ず得られるようにしてもよい。
【0316】
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の遊技機は、第1の実施の形態に係る遊技機と同様の構成を有する。したがって、本実施の形態の遊技機に係る構成のうち、第1の実施の形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0317】
各リール20a~20cの外周面には、図27に示すように、黄7図柄A「黄7A」、黄7図柄B「黄7B」、黄7図柄C「黄7C」、黄BAR図柄「黄BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」、スイカ図柄「WM」、チェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」、特殊図柄A「SPA」および特殊図柄B「SPB」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0318】
また、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの下段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。
【0319】
図28に示すように、本実施形態では、小役が含まれる当選エリアとして「打順ベル1」~「打順ベル64」が用意されている。なお、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、第1の実施の形態における当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」の代わりに用意されてもよく、第1の実施の形態におけるこれらの当選エリアの少なくとも一部とともに用意されてもよい。
なお、以下では、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。
【0320】
当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0321】
また、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0322】
図28は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
【0323】
図28に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役(正解役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、15枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0324】
当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、第1正解打順で操作がされると、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、第2正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミングで所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。すなわち、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、第1正解打順で操作を行う第1正解停止操作態様と、第2正解打順で操作を行い、かつ所定のタイミングで所定の停止操作を行う第2正解停止操作態様との2通りの正解停止操作態様を有する。ここで、所定のタイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける所定範囲内の図柄(例えば、当該リールを複数(2つ)の領域に分割したときの所定の領域内の図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、などとしてもよい。また、所定のタイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける所定範囲内の図柄(例えば、当該リールを複数(4つ)の領域に分割したときの所定の領域内の図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされ、2番目に停止されるリール20a~20cにおける所定範囲内の図柄(例えば、当該リールを複数(4つ)の領域に分割したときの所定の領域内の図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第2停止操作がされた場合、などとしてもよい。図28に示すように、本実施形態の打順ベルでは後者のようになっている。すなわち、図28では、例えば当選エリア「打順ベル2」は、第2正解打順としての打順4で停止操作がされ、かつ、第1停止操作に係るリール(第2リール20b)の図柄番号0~4のいずれかの図柄が有効ライン上に位置しているときに第1停止操作がされ、第2停止操作に係るリール(第3リール20c)の図柄番号5~9のいずれかの図柄が有効ライン上に位置しているときに第2停止操作がされた場合に、15枚役が入賞することを示している。すなわち、本実施形態では、打順ベルに当選し、第2正解打順で停止操作を行う場合に、各停止操作を無作為なタイミングで行うと、1/16の確率で15枚役が入賞するようになっている。
【0325】
また、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」は、不正解打順で操作がされた場合、および、第2正解打順で操作がされ、前記所定のタイミングとは異なるタイミングで所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。例えば、当選エリア「打順ベル2」は、第2正解打順としての打順4で停止操作がされ、かつ、第1停止操作に係るリール(第2リール20b)の図柄番号0~4のいずれかの図柄が有効ライン上に位置していないときに第1停止操作がされた場合、または、第2停止操作に係るリール(第3リール20c)の図柄番号5~9のいずれかの図柄が有効ライン上に位置していないときに第2停止操作がされた場合に、1枚役が入賞するようになっている。すなわち、本実施形態では、打順ベルに当選し、第2正解打順で停止操作を行う場合に、各停止操作を無作為なタイミングで行うと、15/16の確率で1枚役が入賞するようになっている。
【0326】
以上のように、本実施形態では、打順の正解のみによって15枚役を入賞させることができる打順を第1正解打順と呼び、打順の正解とともに他の条件を満たすことで(所定のタイミングで所定の停止操作を行うことで)15枚役を入賞させることができる打順を第2正解打順と呼ぶことができる。
【0327】
各打順ベルの正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。また、2通りの正解打順のうち、1つは第1正解打順となっており、1つは第2正解打順となっている。
【0328】
当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル16」は、打順3が第1正解打順に設定され、打順4が第2正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル16」は、互いに少なくとも1つの停止操作(第1停止操作または第2停止操作の少なくとも一方)について、第2正解打順で操作を行う際の15枚役の入賞を可能とする停止操作のタイミングが異なっている。
【0329】
当選エリア「打順ベル17」~「打順ベル32」は、打順4が第1正解打順に設定され、打順3が第2正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベル17」~「打順ベル32」は、互いに少なくとも1つの停止操作(第1停止操作または第2停止操作の少なくとも一方)について、第2正解打順で操作を行う際の15枚役の入賞を可能とする停止操作のタイミングが異なっている。
【0330】
当選エリア「打順ベル33」~「打順ベル48」は、打順5が第1正解打順に設定され、打順6が第2正解打順に設定され、打順1、打順2、打順3および打順4が不正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベル33」~「打順ベル48」は、互いに少なくとも1つの停止操作(第1停止操作または第2停止操作の少なくとも一方)について、第2正解打順で操作を行う際の15枚役の入賞を可能とする停止操作のタイミングが異なっている。
【0331】
当選エリア「打順ベル49」~「打順ベル64」は、打順6が第1正解打順に設定され、打順5が第2正解打順に設定され、打順1、打順2、打順3および打順4が不正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベル49」~「打順ベル64」は、互いに少なくとも1つの停止操作(第1停止操作または第2停止操作の少なくとも一方)について、第2正解打順で操作を行う際の15枚役の入賞を可能とする停止操作のタイミングが異なっている。
【0332】
本実施形態では、演出状態には、準備中演出状態が含まれる。また、AT演出状態には第1AT演出状態および第2AT演出状態が含まれる。そして、演出状態がAT演出状態に移行する際には、準備中演出状態を介してAT演出状態に移行するようになっている。
【0333】
また、AT演出状態においては、演出制御手段100は、打順ベルが当選すると、正解停止操作態様を報知(示唆)して15枚役の入賞を補助する指示演出(ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。また、第1AT演出状態と第2AT演出状態とでは、打順ベル当選時に実行されるナビ演出の種類が異なっている。
【0334】
具体的には、第1AT演出状態において打順ベルが当選した場合、演出制御手段100は、第1正解停止操作態様を報知するナビ演出(打順ナビ演出)を実行する。換言すると、第1AT演出状態において打順ベルが当選した場合、演出制御手段100は、第1正解停止操作態様での停止操作を補助する(促す)ナビ演出(打順ナビ演出)を実行する。本実施形態では、演出制御手段100は、図29(c)に示すように、第1正解打順を液晶ディスプレイ13に表示させることにより、第1正解停止操作態様を報知する。そして、第1AT演出状態において、打順ベルが当選した際に、打順ナビ演出で報知される正解停止操作態様に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得できるようになっている。
なお、図29(c)では、打順3での停止操作が第1正解停止操作態様であることを報知する演出がされている。
【0335】
また、第2AT演出状態において打順ベルが当選した場合、演出制御手段100は、第2正解停止操作態様を報知するナビ演出(打順目押しナビ演出)を実行する。換言すると、第2AT演出状態において打順ベルが当選した場合、演出制御手段100は、第2正解停止操作態様での停止操作を補助する(促す)ナビ演出(打順目押しナビ演出)を実行する。本実施形態では、演出制御手段100は、図29(b)に示すように、第2正解打順を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役を入賞させるにあたって所定のタイミングで停止操作を行う必要がある所定のリール20a~20cについて、当該リールの所定の図柄(狙うべき図柄:所定のタイミングに対応する図柄)に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させることにより第2正解停止態様を報知する。具体的には、演出制御手段100は、第2正解打順を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役の入賞を可能とする期間内(タイミング)において所定の表示位置(表示窓16を介して視認される表示位置)に表示される図柄を液晶ディスプレイ13に表示させることにより、第2正解停止操作態様を報知する。より具体的には、演出制御手段100は、第2正解打順の第1停止操作に係るリール20a~20cについて、第1停止操作を行うべき期間内(タイミング)において所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を表示させるとともに、第2正解打順の第2停止操作に係るリール20a~20cについて、第2停止操作を行うべき期間内(タイミング)において所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を表示させる。そして、第2AT演出状態において、打順ベルが当選した際に、打順目押しナビ演出で報知される正解停止操作態様に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得することができるようになっている。すなわち、打順目押しナビ演出の実行時においては、報知される第2正解打順で停止操作を行うとともに、第1停止操作を、液晶ディスプレイ13に表示される画像に対応する図柄が所定の表示位置に表示されているタイミングで行い、第2停止操作を、液晶ディスプレイ13に表示される画像に対応する図柄が所定の表示位置に表示されているタイミングで行うことで、15枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、図29(b)では、打順3で停止操作を行うとともに、第2リール20bについて図柄番号6~8の図柄が表示窓16を介して視認されるタイミングで第1停止操作を行い、第1リール20aについて図柄番号16~18の図柄が表示窓16を介して視認されるタイミングで第2停止操作を行うことで、15枚役が入賞することを報知する演出がされている。なお、図29(b)に示す場合においては、当選エリア「打順ベル24」が当選しており、第2リール20bについて図柄番号5~9のいずれかの図柄が有効ライン上に表示されているタイミングで第1停止操作を行い、第1リール20aについて図柄番号15~19のいずれかの図柄が有効ライン上に表示されているタイミングで第2停止操作を行うことで、15枚役が入賞するようになっている(図28参照)。
なお、打順目押しナビ演出は、15枚役を入賞させるにあたって所定のタイミングで停止操作を行う必要がある所定のリール20a~20cについて、当該所定のタイミングで停止操作を行った場合に、所定の表示位置(例えば有効ライン上)に表示される図柄に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させることにより、当該所定のタイミング(狙うべき図柄)を知らせるもの等であってもよい。
【0336】
すなわち、第1AT演出状態における打順ベル当選時のナビ演出は、ナビ演出に従った打順で停止操作を行うだけで15枚役を入賞させることが可能な打順ナビ演出となっているのに対し、第2AT演出状態における打順ベル当選時のナビ演出は、ナビ演出に従った打順で停止操作を行うとともに、ナビ演出に従ったタイミングで停止操作を行わないと15枚役を入賞させることができない可能性がある(すなわち目押しを必要とする)打順目押しナビ演出となっている。そして、ナビ演出実行時の目押しの要否が異なる分だけ、第1AT演出状態は、第2AT演出状態に比べ、15枚役を入賞させることが容易となっている。
【0337】
また、第1AT演出状態と第2AT演出状態とでは、打順ベル当選時に実行されるナビ演出の種類が異なるのみであり、内部抽選で当選し得る役(当選エリア)および各役の当選確率や、AT演出状態の性能等は変わらない。すなわち、後述するように本実施形態では、第1AT演出状態と第2AT演出状態とのどちらで遊技を行うかを遊技者が選択可能となっているが、どちらを選択した場合であっても、ナビ演出の指示通りに誤りなく正確に遊技を行えるのであれば、出玉率の期待値は変わらないようになっている。一方で、目押しが苦手な遊技者等の場合、第2AT演出状態ではナビ演出の指示通りに遊技を行えない場合があり、このような場合には第2AT演出状態の出玉率の期待値が第1AT演出状態の出玉率の期待値に比べ低いものとなってしまうこととなる。
なお、ここでAT演出状態の性能が変わらないとは、例えば、第1AT演出状態と第2AT演出状態とで、AT演出状態の継続期間の期待値(平均期間)が変わらないことや、いわゆる上乗せ数や上乗せ頻度の期待値(AT演出状態の継続に関する所定の値(獲得可能なメダル数、ナビ演出の回数、遊技回数等)の増加に関する期待度)が変わらないこと等を意味する。
【0338】
準備中演出状態は、AT演出状態が開始される場合に移行する演出状態である。演出状態がAT演出状態に移行する際には、準備中演出状態を介してAT演出状態に移行するようになっている。なお、AT演出状態が開始される際には必ず準備中演出状態を介してAT演出状態が開始されるようにしてもよく、準備中演出状態を介さずにAT演出状態が開始される場合があるようにしてもよい。なお、準備中演出状態においてもナビ演出が実行されてもよい。本実施形態では、準備中演出状態は、第1AT演出状態および第2AT演出状態に比べ、ナビ演出(打順ナビ演出または打順目押しナビ演出)が実行される頻度が低くなっており(ナビ演出が一切実行されない場合を含む)、準備中演出状態は、第1AT演出状態および第2AT演出状態に比べ、15枚役を入賞させることが困難となっている。
【0339】
準備中演出状態においては、リプレイ(所定の役)が当選した遊技において、第1AT演出状態と第2AT演出状態とのどちらの演出状態へ移行するかを選択可能となっている。換言すると、準備中演出状態においては、リプレイが当選した場合に、第1AT演出状態と第2AT演出状態とのどちらの演出状態へ移行するかを選択可能とする遊技としての演出状態選択遊技が実行されるようになっている。そして、演出状態選択遊技(リプレイが当選した遊技)において、左押しで遊技が行われると、演出状態制御手段81は、演出状態を第2AT演出状態へ移行させる。また、演出状態選択遊技において、右押しで遊技が行われると、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。
【0340】
なお、演出状態選択遊技において、中押しで遊技が行われた場合には、第1AT演出状態へ移行させることとしてもよく、第2AT演出状態へ移行させることとしてもよく、第1AT演出状態および第2AT演出状態とは異なる演出状態へ移行させる(あるいは準備中演出状態のまま演出状態を移行させない)こととしてもよい。また、演出状態選択遊技において第1AT演出状態または第2AT演出状態が選択された場合に、即座に(例えば、次遊技から)第1AT演出状態または第2AT演出状態が開始されることとしてもよく、第1AT演出状態または第2AT演出状態を開始するための他の条件(準備中演出状態の終了条件)を満たした場合に第1AT演出状態または第2AT演出状態が開始されることとしてもよい。また、準備中演出状態の終了条件は、例えば、リプレイが所定回数(例えば少なくとも1回)当選すること(演出状態選択遊技が少なくとも1回実行されること)としてもよく、所定回数の遊技が行われることとしてもよく、第1AT演出状態または第2AT演出状態の選択がされたこととしてもよく、これら以外の条件としてもよい。
【0341】
準備中演出状態においては、演出制御手段100は、演出状態選択遊技において、図29(a)に示す演出状態選択ナビ画像を液晶ディスプレイ13に表示させる。
【0342】
演出状態選択ナビ画像は、演出状態の選択方法を報知(示唆)する表示ともいえ、演出状態の選択を促す表示ともいえ、演出状態の選択が可能であることを報知(示唆)する表示ともいえる。
【0343】
演出状態選択ナビ画像では、選択される演出状態の種類と、各演出状態の選択方法とが示される。具体的には、演出状態選択ナビ画像は、第1AT演出状態に対応する「押し順ナビモード」の文字の表示と、第2AT演出状態に対応する「目押し超難関モード」の文字の表示とを含み、これらの文字の表示によって、選択可能な演出状態として第1AT演出状態(押し順ナビモード)と、第2AT演出状態(目押し超難関モード)が存在することが示される。また、演出状態選択ナビ画像は、「押し順ナビモード」の文字の表示と並べて表示される「右から押せ」の文字の表示と、「押し順ナビモード」の文字の表示および「右から押せ」の文字の表示をそれぞれ囲う左向きの矢印の表示と、を含み、これらの表示によって、右押しをすることで第1AT演出状態(押し順ナビモード)が選択(開始)されることが示される。また、「押し順ナビモード」の文字の表示(および「右から押せ」の文字の表示ならびにこれらの表示と関連付けられた左向きの矢印の表示)が液晶ディスプレイ13の表示領域の中心よりも右側の領域に表示されることによっても、右押しをすることで第1AT演出状態(押し順ナビモード)が選択(開始)されることが示される。また、演出状態選択ナビ画像は、「目押し超難関モード」の文字の表示と並べて表示される「左から押せ」の文字の表示と、「目押し超難関モード」の文字の表示および「左から押せ」の文字の表示をそれぞれ囲う右向きの矢印の表示と、を含み、これらの表示によって、左押しをすることで第2AT演出状態(目押し超難関モード)が選択(開始)されることが示される。また、「目押し超難関モード」の文字の表示(および「左から押せ」の文字の表示ならびにこれらの表示と関連付けられた右向きの矢印の表示)が液晶ディスプレイ13の表示領域の中心より左側の領域に表示されることによっても、左押しをすることで第2AT演出状態(目押し超難関モード)が選択(開始)されることが示される。
【0344】
また、演出状態選択ナビ画像では、選択可能な演出状態の難易度が示される。具体的には、演出状態選択ナビ画像は、第1AT演出状態が第2AT演出状態に比べ遊技者にとって簡単な(打順ベル当選時の15枚役の入賞が容易な)演出状態であることを示す「安心」の文字の表示と、第2AT演出状態が第1AT演出状態に比べ遊技者にとって難しい(打順ベル当選時の15枚役の入賞が困難な)演出状態であることを示す「激ムズ」の文字の表示と、を含んでいる。また、「安心」の文字の表示が「押し順ナビモード」の文字の表示と関連付けて(近傍に)表示されることで、第1AT演出状態(押し順ナビモード)が遊技者にとって簡単な演出状態であることが示される。また、「激ムズ」の文字の表示が「目押し超難関モード」の文字の表示と関連付けて(近傍に)表示されることで、第2AT演出状態(目押し超難関モード)が遊技者にとって難しい演出状態であることが示される。また、「安心」の文字の表示が、「右から押せ」の文字の表示や左向きの矢印の表示とともに表示されること、あるいは、「安心」の文字の表示(および「右から押せ」の文字の表示ならびにこれらの表示と関連付けられた左向きの矢印の表示)が液晶ディスプレイ13の表示領域の中心よりも右側の領域に表示されることによって、右押しをすることで遊技者にとって簡単な演出状態へ移行することが示される。また、「激ムズ」の文字の表示が、「左から押せ」の文字の表示や右向きの矢印の表示とともに表示されること、あるいは、「激ムズ」の文字の表示(および「左から押せ」の文字の表示ならびにこれらの表示と関連付けられた右向きの矢印の表示)が液晶ディスプレイ13の表示領域の中心よりも左側の領域に表示されることによって、左押しをすることで遊技者にとって難しい演出状態へ移行することが示される。換言すると、「安心」や「激ムズ」等の文字の表示のような、演出状態の難易度を示す表示も、演出状態の種類を示す表示といえる。
【0345】
また、遊技者にとって難しい演出状態である第2AT演出状態については、演出状態の名前(モード名)の表示や、難易度を示す表示が、難易度(難易度が高いこと)を強調する「激」や「超」などの表示(文字)を含んでいる。
【0346】
また、演出状態選択ナビ画像は、「遊技方法を選択」の文字の表示を含んでおり、当該文字の表示によって、遊技方法(演出状態)の選択が促される。すなわち、打順ベル当選時に目押しを必要とする遊技方法と目押しを必要としない遊技方法とのいずれの遊技方法で遊技を行うか選択が促される。
【0347】
また、演出状態選択ナビ画像では、選択可能な演出状態のいずれを選択しても定められた遊技方法に従って正確に遊技を行えば出玉率の期待値が変わらないことが示される。換言すると、演出状態選択ナビ画像では、いずれの演出状態(遊技方法)を選択しても、遊技の難易度が変わるだけであること(遊技者に不利益が生じないこと)が報知(示唆)される。具体的には、演出状態選択ナビ画像は、「どちらのモードを選択してもAT性能は変わりません」の文字の表示を含む。そして、当該文字の表示によって、指示通りに(ナビ演出に従って)操作を行えば出玉率の期待値が変わらないことが示される。また、当該文字の表示によって、どちらの演出状態を選択しても、AT演出状態の継続期間の期待値(平均期間)や、上乗せ数や上乗せ頻度の期待値(AT演出状態の継続に関する所定の値(獲得可能なメダル数、ナビ演出の回数、遊技回数等)の増加に関する期待度)が変わらないことが示される。
【0348】
なお、演出状態選択ナビ画像には、ここで例示した各表示の一部が含まれなくてもよい。例えば、第1AT演出状態に関する表示(「押し順ナビモード」、「右から押せ」、「安心」の文字の表示および左向きの矢印の表示)を一切表示させず、第2AT演出状態に関する表示(「目押し超難関モード」、「左から押せ」、「激ムズ」の文字の表示および右向きの矢印の表示)のみとしたとしても、左押しをすることで、第2AT演出状態が選択されること(他の打順では第2AT演出状態が選択されないこと)を報知することができる。
【0349】
演出状態選択遊技では、左押しおよび右押しのどちらを選択してもよく、どちらを選択するかは遊技者の任意である。換言すると、演出状態選択ナビ画像は、左押しでの遊技を指示するものではなく、右押しでの遊技を指示するものでもない。したがって、演出状態選択遊技においては、遊技情報表示部17の7セグメント表示器(停止操作態様表示手段)には、特定の停止操作態様で停止操作を行うことを指示する表示(最大の払出を得ることが可能な停止操作態様を報知する表示等)はされない。換言すると、演出状態選択遊技の実行時における当該7セグメント表示器の表示は、打順ナビ演出の実行時に当該7セグメント表示器に表示される表示(第1正解停止操作態様を報知する表示:正解打順(打順1~打順6)に対応する「1」~「6」の数字の表示)とも、打順目押しナビ演出の実行時に当該7セグメント表示器に表示される表示(第2正解停止操作態様を報知する表示)とも異なっている。また、本実施形態では、ナビ演出(打順ナビ演出および打順目押しナビ演出)が実行されない所定の遊技(例えば、通常演出状態におけるナビ演出が実行されない遊技)においては、当該7セグメント表示器は、何も表示しない状態(非点灯状態)となるが、演出状態選択遊技においては、所定の表示がされる。本実施形態では、演出状態選択遊技においては、当該7セグメント表示器には、数字の「7」の表示がされる。
【0350】
本実施形態では、指示機能に係る所定の処理については、左押しで遊技が行われた場合の方が、変則押しで遊技が行われた場合に比べ、遊技者に有利となるように設定している。具体的には、RBB内部中状態の通常演出状態においては、左押しで遊技がされた場合には、指示機能に係る所定の処理としてのAT抽選が実行されるのに対し、変則押しで遊技がされた場合には、指示機能に係る所定の処理としてのAT抽選が実行されないようになっている。換言すると、ナビ演出が実行されない所定の遊技については、左押しで遊技を行った方が、変則押しで遊技を行う場合に比べ、ナビ演出(演出状態の移行等)に関して遊技者に有利となっている。さらに換言すると、本実施形態では、ナビ演出が実行されない所定の遊技において、特定の停止操作態様としての左押し以外の停止操作態様で遊技を行う遊技者に対し、所定のペナルティを付与するようになっている。
【0351】
一方で、本実施形態では、左押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、変則押しで遊技が行われた場合のものよりも低く設定することで、出玉率(出玉性能)を適切なものとしている。具体的には、本実施形態では、「打順ベル1」~「打順ベル64」について、中押しが正解打順の打順ベルと、右押しが正解打順の打順ベルとを用意するとともに、左押しが正解打順の打順ベルを用意していない。このため、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、出玉率の期待値(打順ベルに当選し、15枚のメダルの払い出しを受けることができる確率)が低くなっている。
なお、左押しが正解打順の打順ベルは一切用意しなくてもよく、左押しが正解打順の打順ベルを用意してもよい。換言すると、打順に応じてメダルの払出数が異なる当選エリア(最大で所定数の払出が得られる当選エリア)が複数ある場合に、当該複数の当選エリアの全てについて、左押しは最大の払出数となる打順ではないようになっていてもよい。
【0352】
そして、本実施形態では、ナビ演出が行われない遊技(通常演出状態等における遊技)においては、ナビ演出に関する有利度が高く、かつ出玉率の期待値が低く設定された打順である左押しで遊技を行うこと(第1リール20aを最初に停止させること)が推奨されている。換言すると、通常の遊技者は、このように遊技を行うことで、ナビ演出が行われない遊技(通常演出状態等における遊技)において中押しあるいは右押しで遊技を行う場合に比べ、全ての遊技を通してのメダルの獲得に対する期待度(出玉率の期待値)を高くすることができるようになっている。
【0353】
また、本実施形態では第1のレア役(他の所定の当選エリア(例えば打順ベルの各当選エリア)に比べて当選確率が低い第1の当選エリア)(いわゆるチェリー)に当選した遊技においては、所定の引き込み範囲内にチェリー図柄「CH」が存在している所定のタイミングでストップボタン26aを操作することで、第1リール20aの下段にチェリー図柄「CH」が停止するようになっている。また、第2のレア役(他の所定の当選エリア(例えば打順ベルの各当選エリア)に比べて当選確率が低い第2の当選エリア)(いわゆるスイカ)に当選した遊技においては、所定の引き込み範囲内にスイカ図柄「WM」が存在している所定のタイミングでストップボタン26aを操作することで、第1リール20aの下段にスイカ図柄「WM」が停止するようになっている。また、本実施形態では、第1リール20aにおいては、チェリー図柄「CH」やスイカ図柄「WM」は、停止操作のタイミングによっては所定の引き込み範囲内に存在しない場合があり、第1のレア役や第2のレア役が当選した遊技であっても、停止操作のタイミングによってはチェリー図柄「CH」やスイカ図柄「WM」を第1リール20aの下段に表示させることができない場合がある。そこで、本実施形態では、ナビ演出がされない遊技においては、赤BAR図柄が所定の表示位置(例えば第1リール20aの下段、中段あるいは上段)に位置しているタイミングでストップボタン26aを操作するようにすることで、第1のレア役の当選時に当該第1のレア役に対応する特定の図柄(チェリー図柄「CH」)が特定の表示位置(第1リール20aの下段)に確実に表示されるようにすることができるとともに、第2のレア役の当選時に当該第2のレア役に対応する特定の図柄(スイカ図柄「WM」)が特定の表示位置(第1リール20aの下段)に確実に表示されるようにすることができる。換言すると、第1リール20aについては、いわゆるDDTポイントが設定されている。そして、ナビ演出が行われない遊技においては、DDTポイントが設定された第1リール20aを最初に停止させること、すなわち左押しで遊技を行うことが推奨される。
なお、本実施形態では、第1のレア役および第2のレア役は、リプレイであり、特定の図柄(チェリー図柄「CH」やスイカ図柄「WM」)が特定の表示位置(第1リール20aの下段)に表示されるか否かによって第1のレア役や第2のレア役に当選した遊技におけるメダルの払出数が変わるものではない。しかし、第1のレア役や第2のレア役が、小役であり、特定の図柄(チェリー図柄「CH」やスイカ図柄「WM」)が特定の表示位置(第1リール20aの下段)に表示されるか否かによって第1のレア役や第2のレア役に当選した遊技におけるメダルの払出数が変わる(払出の有無が変わる場合も含む)ようになっていてもよい。換言すると、DDTポイントは、小役の取りこぼしを防止するための押下位置を示すものであってもよい。さらに換言すると、特定役の当選時において、複数のリールのうちの1のリールである特定のリール(例えば、第1リール20a)を停止させる停止操作が第1のタイミングで行われた場合には当該特定役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となり、当該特定のリールを停止させる停止操作が第2のタイミングで行われた場合には当該特定役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させることが不可能となるようになっていてもよい。
【0354】
なお、ナビ演出が行われない遊技における左押しでの遊技や、DDTポイント(所定の図柄(赤BAR図柄)が所定の表示位置に位置しているタイミング)での停止操作は、遊技者に対して推奨されるものであるが、前述の各種試験(高試験または低試験等)における所定の遊技においても推奨され得るものである。例えば、前述のようにペナルティが設けられている遊技機の場合の他、ペナルティが設けられていない遊技機や打順に関わらず(打順毎の)出玉率の期待値が等しい遊技機であっても、所定の試験を円滑に行うために特定の打順(例えば左押し)での遊技や特定のタイミング(DDTポイント)での停止操作を推奨(指定)してもよい。具体的には、例えば、高試験または低試験の少なくとも一方に係る遊技方法を、いずれの打順で停止操作を行うべきか遊技者が判別できない状況(打順ナビ演出が行われずペナルティも発生しない(ペナルティに係る情報が遊技者に提供されない)所定の状況)においては、左押しで遊技を行うとともに、DDTポイントで停止操作を行う遊技方法としてもよい。換言すると、本実施形態における左押し(打順1)は、ナビ演出が行われない所定の遊技(例えば通常演出状態における遊技やRBB内部中状態における遊技)において試験用信号(高試験用信号および低試験用信号の両方あるいはいずれか一方)によって推奨(指示、報知)される停止操作の順序(打順)であってもよい。さらに換言すると、本実施形態における左押し(打順1)は、全打順のうち、試験用信号(高試験用信号および低試験用信号の両方あるいはいずれか一方)によって推奨(指示、報知)される確率(割合)が最も高い順序(打順)であってもよい。
【0355】
本実施形態の遊技機は、複数種類の図柄が配列された複数のリール20a~20cと、役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、第1演出状態(第2AT演出状態)と、前記第1演出状態よりも所定の役を入賞させることが容易な第2演出状態(第1AT演出状態)と、を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段81と、を備え、前記リール20a~20cの図柄の表示位置として、複数の表示位置が設けられており、前記内部抽選において特定の当選態様が得られた遊技(第1のレア役に当選した遊技)において、前記複数のリールのうちの1のリールである特定のリール(第1リール20a)を停止させる停止操作が第1のタイミング(DDTポイント)で行われた場合には、特定の図柄(チェリー図柄「CH」)が特定の表示位置(第1リール20aの下段)に停止し、前記特定のリールを停止させる停止操作が第2のタイミング(DDTポイントとは異なる所定のポイント)で行われた場合には前記特定の図柄が前記特定の表示位置に停止せず、前記第2演出状態を開始するか否かが決定される所定の状況において、前記複数のリールのうち前記特定のリールが最初に停止された場合に、前記第2演出状態が開始されない。
【0356】
本構成によれば、ナビ演出等のされない状態においては、通常の遊技者は、特定のリールを第1のタイミングで停止させる停止操作を第1停止操作として行ういわゆるDDT打法により遊技を消化していくこととなる。そして、本構成では、所定の状況において、DDT打法により遊技を消化する際に最初に停止される特定のリールを最初に停止させる場合、第2演出状態が開始されないようになっている。すなわち、当該所定の状況において、他の状況(通常時)と同様に遊技を行う場合、第2演出状態が開始されず、他の状況(通常時)における遊技方法を避けることで第2演出状態を開始させることが可能となる。このような構成によれば、当該所定の状況において、通常時と異なる操作を選択することができる遊技者に、所定の役を入賞させることが容易な遊技を付与することができ、遊技機に対する知識をつけることや、当該状況の訪れに気付けるよう遊技に集中することに対してメリットを与え、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「第2演出状態を開始するか否かが決定される状況」とは、本実施形態のような、第2演出状態(第1AT演出状態)に移行するか他の演出状態(第2AT演出状態)に移行するかが決定される状況等を含むものである。
【0357】
なお、本実施形態では、主制御手段31は、演出状態選択遊技において、試験装置300に対して遊技中断信号を送信しない。
【0358】
なお、本実施形態では、打順ベルの当選エリア(当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」)は、第1正解停止操作態様と第2正解停止操作態様とが設定された当選エリアとしたが、第1正解停止操作態様のみが設定され第2正解停止操作態様が設定されていない特定当選エリアも設けることとしてもよい。すなわち、図28に示す「打順ベル1」~「打順ベル64」の、第2正解停止操作態様に係る打順を、15枚役の入賞が不可能な打順であって1枚役が入賞する打順に変えた複数種類の特定当選エリア等を設けてもよい。換言すると、打順1~打順6のうちの1通りの打順が正解打順に定められ、他の5通りの打順が不正解打順に定められた特定当選エリアを設け、当該特定当選エリアの当選時には、正解打順で停止操作を行うことで、停止操作のタイミングに関わらず必ず正解役(投入数よりも多くの払出を受けることができる役)が入賞するようにしてもよい。また、互いに異なる打順が正解打順に設定された(例えば、打順3~打順6のそれぞれが正解打順に設定された)複数種類の当該特定当選エリアを設けることが好ましい。そして、第1AT演出状態と第2AT演出状態とのいずれの演出状態においても、当該特定当選エリアの当選時には、打順ナビ演出を行うこととしてもよい。なお、当該特定当選エリアを、正解打順で操作を行い、かつ所定のタイミングで所定の停止操作を行った場合に正解役が入賞するもの(正解打順が1通りであり、かつ目押しが必要な当選エリア)としてもよい。
このような構成によれば、第2AT演出状態を選択した場合であっても、当該特定当選エリアの当選時には、打順ナビ演出に従った打順で停止操作を行うだけで15枚役を入賞させることができ、第2AT演出状態中に容易に15枚役を入賞可能な遊技を行うことができる。また、当該特定当選エリアを設けない場合、第2AT演出状態において打順目押しナビ演出がされた場合に、打順目押しナビ演出で報知される正解打順に従って第1停止操作を行うとともに、当該正解打順に従わずに第2停止操作を行うことで15枚役を容易に入賞させることができてしまうおそれがある。本構成によればこのような攻略性が生まれてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態においては、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル64」のそれぞれは(第1正解停止操作態様と第2正解停止操作態様とが設けられた当選エリアは全て)、第1正解打順と第2正解打順との第1停止操作を同一にしているとともに、第2停止操作を異ならせている。このため、誤って第2AT演出状態を選択してしまったが目押しが全くできない遊技者の場合であっても、打順ベルの当選時には、打順目押しナビ演出で報知される正解打順に従って第1停止操作を行うとともに、当該正解打順に従わずに第2停止操作を行うことで15枚役を入賞させることができる。そして、当該特定当選エリアを設けない場合、このような誤って第2AT演出状態を選択してしまった遊技者に対する救済力を高めることができる。
なお、当該特定当選エリアおよび打順ベルの各当選エリアは、不正解打順で停止操作がされた場合に必ず1枚役(投入数よりも少ない払出を受けることができる役)が入賞する当選エリアとしてもよく、不正解打順で停止操作がされた場合に1枚役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在する当選エリアとしてもよい。
【0359】
(変形例)
第4の実施の形態に係る遊技機の変形例について説明する。
本変形例においては、準備中演出状態(AT抽選に当選する等し、AT演出状態への移行の権利が付与された後の所定の状態)において、液晶ディスプレイ13に前述の演出状態選択ナビ画像を表示させず、代わりに以下の表示をさせる。なお、準備中演出状態において前述の演出状態選択ナビ画像を表示させるようにしてもよい。
【0360】
本変形例では、演出制御手段100は、準備中演出状態において、打順ベルに当選した場合に、液晶ディスプレイ13に「×・?・?」の表示をさせる。すなわち、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13のストップボタン26aに対応する位置に「×」の文字(「×・?・?」の左側の「×」:第1の表示)を表示させ、ストップボタン26bに対応する位置に「?」の文字(「×・?・?」の真ん中の「?」:第2の表示)を表示させ、ストップボタン26cに対応する位置に「?」の文字(「×・?・?」の右側の「?」:第2の表示)を表示させる。すなわち、左押しに正解打順が定められておらず、中押しまたは右押しに正解打順が定められた複数種類の当選エリアのうちのいずれかに当選した場合に、「×・?・?」の表示をさせる。換言すると、「×・?・?」の表示がされる場合には、左押しが正解打順の場合が無く、中押しまたは右押しが正解打順となる。
【0361】
そして、本変形例では、液晶ディスプレイ13に「×・?・?」の表示がされた遊技において、15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると(15枚役が入賞すると)AT演出状態(例えば、第1AT演出状態)が開始され、当該遊技において当該図柄組合せが表示されないと(15枚役が入賞しないと)、AT演出状態が開始されないようになっている。換言すると、液晶ディスプレイ13に「×・?・?」の表示がされた遊技において、中押しまたは右押しで遊技がされるとAT演出状態が開始される可能性があり、左押しで遊技がされるとAT演出状態が開始される可能性がないようになっている。さらに換言すると、液晶ディスプレイ13に「×・?・?」の表示がされた遊技において、左押しで遊技がされた場合、打順ベルの当選時に正解停止操作態様を報知するナビ演出が実行される頻度が低い(一切実行されない場合を含む)演出状態となり(演出状態が移行しない場合を含む)、打順ベルの当選時に正解停止操作態様を報知するナビ演出が実行される頻度が高い(必ず実行される場合を含む)演出状態に移行することがないようになっている。
なお、ここで、「可能性がある」とは可能性が100%の場合を含む。換言すると、当該遊技において中押しまたは右押しで遊技がされると、15枚役が入賞するか否かに関わらずAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。
【0362】
すなわち、本変形例における「×・?・?」の表示は、AT演出状態を開始させるか否かを選択させる表示ともいえ、演出状態の選択を促す表示ともいえ、演出状態の選択が可能であることを報知(示唆)する表示ともいえる。換言すると、本変形例における「×・?・?」の表示は、演出状態選択ナビ画像の表示ともいえる。
【0363】
また、本変形例では、準備中演出状態における内部抽選において所定の当選エリア(例えば、当選確率1/8192のリプレイに係る当選エリア)が当選した場合に、停止操作の態様に関わらずにAT演出状態が開始されるようになっている。すなわち、内部抽選で第1当選態様が得られた場合(打順ベルに当選した場合)に、打順に応じて所定の演出状態(AT演出状態:第2演出状態)へ移行するか否かが変わるようになっているとともに、内部抽選で第2当選態様が得られた場合(当選確率1/8192のリプレイに係る当選エリアに当選した場合)に、打順に関わらず当該所定の演出状態へ移行するようになっている。ここで、内部抽選で当該第2当選態様が得られる確率を、当該第1当選態様が得られる確率よりも低くしてもよい。
【0364】
なお、本変形例では、打順ベルに当選した場合に液晶ディスプレイ13に「×・?・?」が表示されることとしたが、打順(停止操作の態様)に関わらず払出数が同一(払出数が「0」の場合、換言するとリプレイの場合等を含む)の所定の当選エリアに当選した場合に液晶ディスプレイ13に「×・?・?」が表示されることとしてもよい。
【0365】
なお、本変形例では、液晶ディスプレイ13に「×・?・?」が表示される遊技においては、遊技情報表示部17の7セグメント表示器(停止操作態様表示手段)には、数字の「7」の表示がされる。
【0366】
本変形例によっても、第4の実施の形態の遊技機に係る効果と同様の効果を得ることができる。
【0367】
なお、前述した各実施の形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を電気的な情報で遊技者に付与すればよい。
【0368】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0369】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0370】
19a,19b,19c ステッピングモータ
20a,20b,20c リール
31 制御手段
42 内部抽選手段
81 演出状態制御手段
300 試験装置
302 第2インターフェース基板
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